JP2013159724A - 高分子化合物及び該高分子化合物を用いた電子素子 - Google Patents

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二軍 周
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和仁 橋本
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Abstract

【課題】高性能な電子素子を提供する。
【解決手段】下記(1)、(2)、(3)からなる構造単位を含む高分子化合物。
Figure 2013159724

(1)上記式で表される単位〔式中、Q及びQは、それぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族複素環、R11及びR12はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。〕、(2)置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基からなる単位、(3)置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基に不飽和基、エーテル基、チオエーテル基、アルキレン基、アリーレン基の一つが結合した単位が1〜10の繰り返した単位。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の構造を有する高分子化合物及びこの高分子化合物を用いた電子素子に関する。
近年、自然エネルギーの利用の観点から、家屋の屋根に例えばpn接合型のシリコン系太陽電池などを用いるソーラーシステムが採用されている。しかしながら、シリコン系太陽電池の材料である単結晶シリコン、多結晶シリコン及びアモルファスシリコンは、その製造工程において高温及び高真空条件が必要であるという問題がある。
一方、光電変換素子の一態様である有機薄膜太陽電池は、シリコン系太陽電池の製造プロセスに用いられる高温プロセス及び高真空プロセスが省略でき、塗布プロセスのみで安価に製造できる可能性があり、近年注目されている。
有機薄膜太陽電池に用いられる高分子化合物としては、下記式(A)で表される構造単位及び下記式(B)で表される構造単位からなる高分子化合物が提案されている(特許文献1参照)。
Figure 2013159724
特表2009−506519号公報
しかしながら、例えば前記特許文献1にかかる高分子化合物を含む有機層を有する光電変換素子は、光電変換効率が必ずしも十分ではない。
本発明は、例えば光電変換素子を構成する有機層に用いた場合に、光電変換効率を大きくすることができる、すなわち電子素子をより高性能とすることができる高分子化合物及びこの高分子化合物を用いた電子素子を提供することを課題とする。
即ち、本発明は下記[1]〜[16]を提供する。
[1] 下記式(1)で表される構造単位、下記式(2)で表される構造単位、及び下記式(3)で表される構造単位を含む高分子化合物。
Figure 2013159724
〔式(1)中、Q及びQは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族複素環を表す。R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。〕
Figure 2013159724
〔式(2)中、Arは、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。〕
Figure 2013159724
〔式(3)中、Arは、Arとは異なり、下記式(3A)で表される基を有するアリーレン基又は下記式(3A)で表される基を有する2価の複素環基を表す。該アリーレン基及び該2価の複素環基は、下記式(3A)で表される基とは異なる置換基をさらに有していてもよい。
Figure 2013159724
(式(3A)中、X3aは、直接結合、−CR3a1=CR3a2−で表される基、−C≡C−で表される基、−O−で表される基、−S−で表される基、置換基を有していてもよいアルキレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。R3a、R3a1及びR3a2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Ar3aは、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。nは、1〜10の整数である。nが2以上の整数である場合、複数個あるX3aは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nが2以上の整数である場合、複数個あるAr3aは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)〕
[2] 前記式(1)で表される構造単位が、下記式(1z)で表される構造単位である、[1]に記載の高分子化合物。
Figure 2013159724
〔式(1z)中、R11及びR12は、前述と同じ意味を表す。R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。X11及びX12は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子又はセレン原子を表す。〕
[3] 前記式(2)で表される構造単位が、下記式(2−1)〜下記式(2−10)で表される構造単位である、[1]又は[2]に記載の高分子化合物。
Figure 2013159724
〔式(2−1)〜式(2−10)中、R21〜R42は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。X21〜X30は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子又はセレン原子を表す。〕
[4] 前記式(2)で表される構造単位が、前記式(2−10)で表される構造単位である、[3]に記載の高分子化合物。
[5] 光吸収末端波長が700nm以上である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の高分子化合物。
[6] ポリスチレン換算の数平均分子量が3000以上である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の高分子化合物。
[7] [1]〜[6]のいずれか1つに記載の高分子化合物を含む薄膜。
[8] [1]〜[6]のいずれか1つに記載の高分子化合物と電子受容性化合物とを含む組成物。
[9] 前記電子受容性化合物が、フラーレン誘導体である、[8]に記載の組成物。
[10] [8]又は[9]に記載の組成物を含む薄膜。
[11] [8]又は[9]に記載の組成物と溶媒とを含む溶液。
[12] 第1の電極と第2の電極とを有し、該第1の電極と該第2の電極との間に活性層を有し、該活性層に[1]〜[6]のいずれか1つに記載の高分子化合物、又は、[8]若しくは[9]に記載の組成物を含有する、電子素子。
[13] 光電変換素子である[12]記載の電子素子。
[14] [12]又は[13]に記載の電子素子を含む太陽電池モジュール。
[15] [12]又は[13]に記載の電子素子を含むイメージセンサー。
[16] ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、活性層とを有し、該活性層に[1]〜[6]のいずれか1つに記載の高分子化合物を含有する、有機薄膜トランジスタ。
本発明の高分子化合物を光電変換素子などの電子素子に含まれる有機層に用いれば、例えば光電変換素子の光電変換効率が向上する。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<高分子化合物>
本発明の高分子化合物は、下記式(1)で表される構造単位と下記式(2)で表される構造単位と下記式(3)で表される構造単位とを含む。
Figure 2013159724
式(1)中、Q及びQは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族複素環を表す。R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
Figure 2013159724
式(2)中、Arは、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。
Figure 2013159724
式(3)中、Arは、Arとは異なり、下記式(3A)で表される基を有するアリーレン基又は下記式(3A)で表される基を有する2価の複素環基を表す。該アリーレン基及び該2価の複素環基は、下記式(3A)で表される基とは異なる置換基をさらに有していてもよい。
Figure 2013159724
式(3A)中、X3aは、直接結合、−CR3a1=CR3a2−で表される基、−C≡C−で表される基、−O−で表される基、−S−で表される基、置換基を有していてもよいアルキレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。R3a、R3a1及びR3a2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Ar3aは、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。nは、1〜10の整数である。nが2以上の整数である場合、複数個あるX3aは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nが2以上の整数である場合、複数個あるAr3aは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
なお、本明細書において、ある基が「置換基を有していてもよい」との用語は、ある基が有する水素原子のうちの一部又は全部が、置換基によって置換されていてもよいことを意味する。
「置換基を有していてもよい」の用語は、「置換されていてもよい」と言い換えてもよい。例えば、「置換基を有していてもよい2価の有機基」とは、2価の有機基中の水素原子のうちの一部又は全部が、置換基で置換されていてもよい2価の有機基のことをいい、「置換されていてもよい2価の有機基」と言い換えてもよい。また、例えば、「置換基を有していてもよい炭化水素基」とは、炭化水素基中の水素原子の一部又は全部が、置換基で置換されていてもよい炭化水素基のことをいい、「置換されていてもよい炭化水素基」と言い換えてもよい。
式(1)中、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基(1価の基)を表す。R11及びR12で表される置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、イミノ基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基、置換基を有していてもよいカルボキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、ニトロ基及びシアノ基が挙げられる。
11及びR12で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
11及びR12で表されるアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、環状であってもよい。当該アルキル基の炭素原子数は、通常1〜30であり、好ましくは1〜20である。当該アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、ハロゲン原子が挙げられる。置換基を有していてもよいアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル墓、ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル墓、オクタデシル基、エイコシル基、及び1−(2’−エチルヘキシル)−3−エチルヘプチル基等の鎖状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びアダマンチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
11及びR12で表されるアルコキシ基のうちのアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、環状であってもよい。当該アルコキシ基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子及びアルコキシ基(例えば、炭素原子数1〜20)が挙げられる。当該アルコキシ基の炭素原子数は、通常1〜20であり、好ましくは1〜15である。置換基を有していてもよいアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、メトキシメチルオキシ基及び2−メトキシエチルオキシ基が挙げられる。
11及びR12で表されるアルキルチオ基のうちのアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、環状であってもよい。当該アルキルチオ基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子が挙げられる。当該アルキルチオ基の炭素原子数は、通常1〜20であり、好ましくは1〜15である。置換基を有していてもよいアルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基及びトリフルオロメチルチオ基が挙げられる。
11及びR12で表されるアリール基は、無置換の芳香族炭化水素から芳香環に結合している水素原子1個を除いた基である。当該アリール基の炭素原子数は通常6〜60である。当該アリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基及び置換基を有していてもよいアルキルチオ基が挙げられる。該ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基及び置換基を有していてもよいアルキルチオ基の定義及び具体例は、前述のR11及びR12で表されるロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基及び置換基を有していてもよいアルキルチオ基の定義及び具体例と同じである。置換基を有していてもよいアリール基の具体例としては、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(ここで、炭素原子を意味する「C」に付された数字は炭素原子数を意味している。「C1〜C12アルコキシ」とは、基中に炭素原子数1〜12のアルコキシ基が含まれることを表す。アルコキシフェニル基中のアルコキシ基は、好ましくはC1〜C8アルコキシであり、より好ましくはC1〜C6アルコキシである。C1〜C8アルコキシは、炭素原子数1〜8のアルコキシであることを表し、C1〜C6アルコキシは、炭素原子数1〜6のアルコキシであることを表す。C1〜C12アルコキシ、C1〜C8アルコキシ及びC1〜C6アルコキシの具体例としては、上記R11及びR12で表されるアルコキシ基として説明し例示した基が挙げられる。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基(「C1〜C12アルキル」とは、基中に炭素原子数1〜12のアルキル基が含まれることを表す。アルキルフェニル基中のアルキル基は、好ましくはC1〜C8アルキルであり、より好ましくはC1〜C6アルキルである。C1〜C8アルキルは、炭素原子数1〜8のアルキルであることを表し、C1〜C6アルキルは、炭素原子数1〜6のアルキルであることを表す。C1〜C12アルキル、C1〜C8アルキル及びC1〜C6アルキルの具体例としては、上記のR11及びR12で表されるアルキル基として説明し例示した基が挙げられる。以下も同様である。)、1−ナフチル基、2−ナフチル基及びペンタフルオロフェニル基が挙げられる。
11及びR12で表されるアリールオキシ基は、その炭素原子数が通常6〜60である。当該アリールオキシ基は、アリール基部分は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前述のR11及びR12で表されるアリール基が有していてもよい置換基と同じ置換基が挙げられる。置換基を有していてもよいアリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基及びペンタフルオロフェニルオキシ基が挙げられる。
11及びR12で表されるアリールチオ基は、その炭素原子数が通常6〜60である。当該アリールチオ基のうちのアリール基部分は置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、前述のR11及びR12で表されるアリール基が有していてもよい置換基と同じ置換基が挙げられる。置換基を有していてもよいアリールチオ基の具体例としては、フェニルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基及びペンタフルオロフェニルチオ基が挙げられる。
11及びR12で表されるアリールアルキル基は、その炭素原子数が通常7〜60である。当該アリールアルキル基のうちのアリール基部分は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前述のR11及びR12で表されるアリール基が有していてもよい置換基と同じ置換基が挙げられる。置換基を有していてもよいアリールアルキル基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基及び2−ナフチル−C1〜C12アルキル基が挙げられる。
11及びR12で表されるアリールアルコキシ基は、その炭素原子数が通常7〜60である。当該アリールアルコキシ基のうちのアリール基部分は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前述のR11及びR12で表されるアリール基が有していてもよい置換基と同じ置換基が挙げられる。置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基及び2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基が挙げられる。
11及びR12で表されるアリールアルキルチオ基は、その炭素原子数が通常7〜60である。当該アリールアルキルチオ基のうちのアリール基部分は置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、前述のR11及びR12で表されるアリール基が有していてもよい置換基と同じ置換基が挙げられる。置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基及び2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基が挙げられる。
11及びR12で表されるアシル基は、カルボン酸から水酸基を除いた基である。当該アシル基は、その炭素原子数が通常2〜20である。当該アシル基の具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、トリフルオロアセチル基等の炭素原子数2〜20であって、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基等のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニルカルボニル基が挙げられる。
11及びR12で表されるアシルオキシ基は、カルボン酸中のカルボキシル基から水素原子を除いた基である。当該アシルオキシ基は、その炭素原子数が通常2〜20である。当該アシルオキシ基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子が挙げられる。アシルオキシ基の具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基及びペンタフルオロベンゾイルオキシ基が挙げられる。
11及びR12で表されるアミド基は、アミドから窒素原子に結合した水素原子1個を除いた基である。当該アミド基は、その炭素原子数が通常1〜20である。当該アミド基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子が挙げられる。アミド基の具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基及びジペンタフルオロベンズアミド基が挙げられる。
11及びR12で表されるイミド基は、イミド(−CO−NH−CO−で表される2価の基を含む化合物)のうちの窒素原子に結合した水素原子1個を除いた基である。当該イミド基の具体例としては、スクシンイミド基、フタルイミド基が挙げられる。
11及びR12で表される置換アミノ基とは、アミノ基の水素原子のうちの1個又は2個が置換基で置換された基である。該置換基は、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基である。置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の具体例は、R11及びR12で表される置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の具体例と同じである。置換アミノ基の炭素原子数は、通常1〜40である。置換アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキルオキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基、フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基及び2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基が挙げられる。
11及びR12で表される置換シリル基とは、シリル基の水素原子のうちの1個、2個又は3個が置換基により置換された基であって、一般に、シリル基の3個の水素原子全てが置換基により置換された基である。該置換基は、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基である。置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の具体例は、R11及びR12で表される置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の具体例と同じである。置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基及びジメチルフェニルシリル基が挙げられる。
11及びR12で表される置換シリルオキシ基とは、上記の置換シリル基に酸素原子が結合した基である。置換シリルオキシ基の具体例としては、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリプロピルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基及びジメチルフェニルシリルオキシ基が挙げられる。
11及びR12で表される置換シリルチオ基とは、上記の置換シリル基に硫黄原子が結合した基である。置換シリルチオ基の具体例としては、トリメチルシリルチオ基、トリエチルシリルチオ基、トリプロピルシリルチオ基、トリイソプロピルシリルチオ基、tert−ブチルジメチルシリルチオ基、トリフェニルシリルチオ基、トリ−p−キシリルシリルチオ基、トリベンジルシリルチオ基、ジフェニルメチルシリルチオ基、tert−ブチルジフェニルシリルチオ基及びジメチルフェニルシリルチオ基が挙げられる。
11及びR12で表される置換シリルアミノ基とは、アミノ基の水素原子のうちの1個又は2個が置換シリル基で置換された基であり、該置換シリル基は上記のR11及びR12で表される置換シリル基と同じである。置換シリルアミノ基の具体例としては、トリメチルシリルアミノ基、トリエチルシリルアミノ基、トリプロピルシリルアミノ基、トリイソプロピルシリルアミノ基、tert−ブチルジメチルシリルアミノ基、トリフェニルシリルアミノ基、トリ−p−キシリルシリルアミノ基、トリベンジルシリルアミノ基、ジフェニルメチルシリルアミノ基、tert−ブチルジフェニルシリルアミノ基、ジメチルフェニルシリルアミノ基、ジ(トリメチルシリル)アミノ基、ジ(トリエチルシリル)アミノ基、ジ(トリプロピルシリル)アミノ基、ジ(トリイソプロピルシリル)アミノ基、ジ(tert−ブチルジメチルシリル)アミノ基、ジ(トリフェニルシリル)アミノ基、ジ(トリ−p−キシリルシリル)アミノ基、ジ(トリベンジルシリル)アミノ基、ジ(ジフェニルメチルシリル)アミノ基、ジ(tert−ブチルジフェニルシリル)アミノ基及びジ(ジメチルフェニルシリル)アミノ基が挙げられる。
11及びR12で表されるアリールアルケニル基は、通常、その炭素原子数8〜20である。当該アリールアルケニル基のアリール基部分は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、前述のR11及びR12で表されるアリール基が有していてもよい置換基と同じ置換基が挙げられる。アリールアルケニル基の具体例としては、スチリル基が挙げられる。
11及びR12で表されるアリールアルキニル基は、通常、その炭素原子数8〜20である。当該アリールアルキニル基は、アリール基部分が置換基を有していてもよい。該置換基としては、前述のR11及びR12で表されるアリール基が有していてもよい置換基と同じ置換基が挙げられる。アリールアルキニル基の具体例としては、フェニルアセチレニル基が挙げられる。
11及びR12で表されるカルボキシ基は、カルボキシ基中の水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、炭素原子数1〜20のアルキル基が挙げられる。置換基で置換されているカルボキシ基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基及びプロポキシカルボニル基が挙げられる。
11及びR12で表される複素環基は、フラン、チオフェン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾール、ピラゾリン、プラゾリジン、フラザン、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、チオピラン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、モルホリン、トリアジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、クロメン、クロマン、イソクロマン、ベンゾピラン、キノリン、イソキノリン、キノリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、インダゾール、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、キナゾリジン、シンノリン、フタラジン、プリン、プテリジン、カルバゾール、キサンテン、フェナントリジン、アクリジン、β-カルボリン、ペリミジン、フェナントロリン、チアントレン、フェノキサチイン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン等の複素環式化合物から水素原子を1個除いた基である。当該複素環基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基、置換基を有していてもよいカルボキシ基、ニトロ基及びシアノ基が挙げられる。該ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、置換アミノ基、置換シリル基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基及び置換基を有していてもよいカルボキシ基の定義及び具体例は、前述のR11及びR12で表される、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、置換アミノ基、置換シリル基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基及び置換基を有していてもよいカルボキシ基の定義及び具体例と同じである。複素環基としては、芳香族複素環基が好ましい。
11及びR12で表される、置換基を有していてもよい複素環オキシ基としては、上記の置換基を有していてもよい複素環基に酸素原子が結合した下記式(11)で表される基が挙げられる。
11及びR12で表される、置換基を有していてもよい複素環チオ基としては、上記の置換基を有していてもよい複素環基に硫黄原子が結合した下記式(12)で表される基が挙げられる。
Figure 2013159724
式(11)及び式(12)中、Arは置換基を有していてもよい複素環基を表す。
11及びR12で表される複素環オキシ基は、その炭素原子数が通常2〜60である。置換基を有していてもよい複素環オキシ基の具体例としては、チエニルオキシ基、C1〜C12アルキルチエニルオキシ基、ピロリルオキシ基、フリルオキシ基、ピリジルオキシ基、C1〜C12アルキルピリジルオキシ基、イミダゾリルオキシ基、ピラゾリルオキシ基、トリアゾリルオキシ基、オキサゾリルオキシ基、チアゾールオキシ基及びチアジアゾールオキシ基が挙げられる。
複素環チオ基は、その炭素原子数が通常2〜60である。複素環チオ基は、置換基を有していてもよい。置換基を有していてもよい複素環チオ基の具体例としては、チエニルメルカプト基、C1〜C12アルキルチエニルメルカプト基、ピロリルメルカプト基、フリルメルカプト基、ピリジルメルカプト基、C1〜C12アルキルピリジルメルカプト基、イミダゾリルメルカプト基、ピラゾリルメルカプト基、トリアゾリルメルカプト基、オキサゾリルメルカプト基、チアゾールメルカプト基及びチアジアゾールメルカプト基が挙げられる。
式(1)中、Q及びQは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族複素環を表す。
及びQで表される、置換基を有していてもよい芳香族複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、キナゾリン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、チオフェンオキシド環、ベンゾチオフェンオキシド環、ジベンゾチオフェンオキシド環、チオフェンジオキシド環、ベンゾチオフェンジオキシド環、ジベンゾチオフェンジオキシド環、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、チアゾール環、ピロール環、ベンゾピロール環、インドール環、ジベンゾピロール環、セレン環、ベンゾセレン環、シロール環、ベンゾシロール環、ジベンゾシロール環、ボロール環、ベンゾボロール環及びジベンゾボロール環が挙げられる。Q及びQで表される、置換基を有していてもよい芳香族複素環は、チオフェン環、フラン環及びセレン環が好ましく、チオフェン環及びフラン環がより好ましく、チオフェン環がさらに好ましい。
及びQで表される芳香族複素環が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、イミノ基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基、置換基を有していてもよいカルボキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、ニトロ基及びシアノ基が挙げられる。該ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基、置換基を有していてもよいカルボキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基及び置換基を有していてもよい複素環チオ基の定義及び具体例は、前述のR11及びR12で表される、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基、置換基を有していてもよいカルボキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基及び置換基を有していてもよい複素環チオ基の定義及び具体例と同じである。
高分子化合物の有機溶媒に対する溶解性を高めることができるので、芳香族複素環は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基及び置換基を有していてもよいアリール基からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有することが好ましい。
式(1)で表される構造単位としては、例えば、下記式(1001)〜下記式(1035)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2013159724
Figure 2013159724
Figure 2013159724
Figure 2013159724
式(1001)〜式(1035)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、イミノ基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基、置換基を有していてもよいカルボキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基、置換基を有していてもよい複素環チオ基、ニトロ基又はシアノ基を表す。Rで表されるハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基、置換基を有していてもよいカルボキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基及び置換基を有していてもよい複素環チオ基の定義及び具体例は、前述のR11及びR12で表される、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基、置換基を有していてもよいカルボキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい複素環オキシ基及び置換基を有していてもよい複素環チオ基の定義及び具体例と同じである。
式(1001)〜式(1035)で表される構造単位が複数個のRを有する場合、複数個存在するRは同一であっても相異なっていてもよい。
式(1)で表される構造単位は、本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の光電変換効率を向上させることができるので、下記式(1z)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2013159724
式(1z)中、R11及びR12は、前述と同じ意味を表す。R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。X11及びX12は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子又はセレン原子を表す。
13及びR14で表される置換基の定義及び具体例は、前述のR11及びR12で表される置換基の定義及び具体例と同じである。R13及びR14は、本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の光電変換効率を向上させることができるので、水素原子及びハロゲン原子が好ましく、水素原子及びフッ素原子がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
11及びX12は、本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の光電変換効率を向上させることができるので、硫黄原子及び酸素原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。
式(2)中、Arは、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。
Arで表されるアリーレン基は、無置換の芳香族炭化水素に含まれる芳香環に付加している水素原子のうちの2個を除いた基である。当該アリーレン基には、ベンゼン環を含む基、縮合環を含む基、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接結合した基又は独立したベンゼン環又は縮合環2個以上がビニレン等の基を介して結合した基も含まれる。アリーレン基の炭素原子数は、通常、6〜60であり、好ましくは6〜20である。当該アリーレン基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、前述のR11及びR12で表されるアリール基が有していてもよい置換基と同じ置換基が挙げられる。
Arで表される2価の複素環基とは、フラン、チオフェン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾール、ピラゾリン、プラゾリジン、フラザン、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、チオピラン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、モルホリン、トリアジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、クロメン、クロマン、イソクロマン、ベンゾピラン、キノリン、イソキノリン、キノリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、インダゾール、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、キナゾリジン、シンノリン、フタラジン、プリン、プテリジン、カルバゾール、キサンテン、フェナントリジン、アクリジン、β-カルボリン、ペリミジン、フェナントロリン、チアントレン、フェノキサチイン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン等の複素環式化合物から水素原子を2個除いた基を意味する。2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基、置換基を有していてもよいカルボキシ基、ニトロ基及びシアノ基が挙げられる。該ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、置換アミノ基、置換シリル基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基及び置換基を有していてもよいカルボキシ基の定義及び具体例は、前述のR11及びR12で表される、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、置換アミノ基、置換シリル基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基及び置換基を有していてもよいカルボキシ基の定義及び具体例と同じである。2価の複素環基の炭素原子数は、通常、2〜60であり、好ましくは6〜20である。ここでいう炭素原子数は、複素環を構成する炭素原子であり、置換基を有する場合の置換基に含まれる炭素原子数を含まない。
式(2)中、Arは、本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の光電変換効率を向上させることができるので、置換基を有していてもよい2価の複素環基が好ましい。
置換基を有していてもよいアリーレン基としては、例えば、置換基を有していてもよいフェニレン基(例えば、下記式1〜式3で表される基)、置換基を有していてもよいナフタレンジイル基(例えば、下記式4〜式13で表される基)、置換基を有していてもよいアントラセンジイル基(例えば、下記式14〜式19で表される基)、置換基を有していてもよいビフェニル−ジイル基(例えば、下記式20〜式25で表される基)、置換基を有していてもよいターフェニル−ジイル基(例えば、下記式26〜式28で表される基)、置換基を有していてもよい縮合環化合物基(例えば、下記式29〜式38で表される基)が挙げられる。縮合環化合物基には、フルオレン−ジイル基(例えば、下記式36〜式38で表される基)が含まれる。
置換基を有していてもよい2価の複素環基としては、例えば以下の基が挙げられる。
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基:
置換基を有していてもよいピリジン−ジイル基(例えば、下記式39〜式44で表される基)。
置換基を有していてもよいジアザフェニレン基(例えば、下記式45〜式48で表される基)。
置換基を有していてもよいキノリンジイル基(例えば、下記式49〜式63で表される基)。
置換基を有していてもよいキノキサリンジイル基(例えば、下記式64〜式68で表される基)。
置換基を有していてもよいアクリジンジイル基(例えば、下記式69〜式72で表される基)。
置換基を有していてもよいビピリジルジイル基(例えば、下記式73〜式75で表される基)。
置換基を有していてもよいフェナントロリンジイル基(例えば、下記式76〜式78で表される基)。
ヘテロ原子としてけい素、酸素、窒素、硫黄、セレンなどを含み、フルオレン構造を有する基(例えば、下記式79〜式93で表される基)。
ヘテロ原子としてけい素、酸素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基(例えば、下記式94〜式98で表される基)。
ヘテロ原子としてけい素、酸素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素基(例えば、下記式99〜式110で表される基)。
ヘテロ原子としてけい素、酸素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基のヘテロ原子のα位で結合して2量体、オリゴマーになっている基(例えば、下記式111〜式112で表される基)。
ヘテロ原子としてけい素、酸素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基(例えば、下記式113〜式119で表される基)。
ベンゼン環とチオフェン環が縮合した基(例えば、下記式120〜式122で表される基)。
Figure 2013159724
Figure 2013159724
Figure 2013159724
Figure 2013159724
Figure 2013159724
Figure 2013159724
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Figure 2013159724
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Figure 2013159724
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Figure 2013159724
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Figure 2013159724
Figure 2013159724
Figure 2013159724
式1〜式122中、Rは前述と同じ意味を表す。
式(2)で表される構造単位は、光吸収末端波長を長波長化させることができるので、式(2−1)〜式(2−10)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2013159724
式(2−1)〜式(2−10)中、R21〜R42は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を表す。R21〜R42で表される置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、複素環基、置換基を有していてもよいカルボキシ基、ニトロ基及びシアノ基が挙げられる。
21〜R42で表される、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、複素環基及び置換基を有していてもよいカルボキシ基の定義及び具体例は、前述のR11及びR12で表される、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、複素環基及び置換基を有していてもよいカルボキシ基の定義及び具体例と同じである。
21、R22、R35、R39及びR42は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基及び置換基を有していてもよいアルキルチオ基が好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアルコキシ基がより好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基がさらに好ましい。本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の光電変換効率を高めることができるので、R21、R22、R35、R39及びR42は、直鎖状のアルキル基が好ましい。
23、R24、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R37、R38、R40及びR41は、ハロゲン原子及び水素原子が好ましく、フッ素原子及び水素原子がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
25、R26、R29及びR30は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいアリールアルキル基が好ましく、水素原子及び置換基を有していてもよいアリールアルキル基がより好ましい。
36は、水素原子、ハロゲン原子、アシル基及びアシルオキシ基が好ましく、アシル基及びアシルオキシ基がより好ましい。
式(2−1)〜式(2−10)中、X21〜X30は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子又はセレン原子を表す。本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の短絡電流密度を高めることができるので、硫黄原子及び酸素原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。
式(2)で表される構造単位は、本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の短絡電流密度を高めることができるので、式(2−1)で表される構造単位、式(2−2)で表される構造単位、式(2−3)で表される構造単位及び式(2−10)で表される構造単位が好ましく、式(2−1)で表される構造単位、式(2−2)で表される構造単位及び式(2−10)で表される構造単位がより好ましく、式(2−1)で表される構造単位及び式(2−10)で表される構造単位がさらに好ましく、式(2−10)で表される構造単位が特に好ましい。
式(2−10)で表される構造単位としては、例えば、式(2−10−1)で表される構造単位、式(2−10−2)で表される構造単位、及び式(2−10−3)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2013159724
式(2−10−1)〜式(2−10−3)中、R42は、前述と同じ意味を表す。
式(2−10−1)〜式(2−10−3)で表される構造単位の中でも、本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の光電変換効率を向上させることができるので、式(2−10−1)で表される構造単位が好ましい。
式(3)中、Arは、Arとは異なり、式(3A)で表される基を有するアリーレン基又は式(3A)で表される基を有する2価の複素環基を表す。該アリーレン基及び該2価の複素環基は、式(3A)で表される基とは異なる置換基を有していてもよい。アリーレン基及び2価の複素環基の定義及び具体例は、前述のArで表されるアリーレン基及び2価の複素環基の定義及び具体例と同じである。
該アリーレン基及び2価の複素環基が有していてもよい式(3A)で表される基とは異なる置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、イミノ基、アミノ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、置換基を有していてもよいカルボキシ基、ニトロ基及びシアノ基が挙げられる。該ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基及び置換基を有していてもよいカルボキシ基の定義及び具体例は、前述のR11及びR12で表される、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基及び置換基を有していてもよいカルボキシ基の定義及び具体例と同じである。
式(3A)中、X3aで表されるアルキレン基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、環状であってもよい。当該アルキレン基の炭素原子数は、通常1〜20である。当該アルキレン基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、ハロゲン原子が挙げられる。置換基を有していてもよいアルキレン基の具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基及びオクチレン基が挙げられる。
3aで表される置換基を有していてもよいアリーレン基の定義及び具体例は、前述のArで表される置換基を有していてもよいアリーレン基の定義及び具体例と同じである。
式(3A)中、R3a、R3a1及びR3a2で表されるハロゲン原子及び置換基を有していてもよいアルキル基の定義及び具体例は、前述のR11及びR12で表されるハロゲン原子及び置換基を有していてもよいアルキル基の定義及び具体例と同じである。
3aは、水素原子及び置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基がより好ましい。
3a1及びR3a2は、水素原子及びハロゲン原子が好ましく、水素原子がより好ましい。
3aは、直接結合、−CR3a1=CR3a2−で表される基及び−C≡C−で表される基が好ましく、−CR3a1=CR3a2−で表される基がより好ましく、−CH=CH−で表される基がさらに好ましい。
式(3A)中、Ar3aで表される置換基を有していてもよいアリーレン基及び置換基を有していてもよい2価の複素環基の定義及び具体例は、前述のArで表される置換基を有していてもよいアリーレン基及び置換基を有していてもよい2価の複素環基の定義及び具体例と同じである。Ar3aは、前述の式1で表される基、式20で表される基、式36で表される基、式37で表される基、式79で表される基、式80で表される基、式82で表される基、式83で表される基、式94で表される基、式95で表される基、式96で表される基、式97で表される基、式111で表される基、式112で表される基及び式113で表される基が好ましく、式1で表される基、式36で表される基、式79で表される基、式82で表される基、式97で表される基及び式111で表される基がより好ましく、式1で表される基及び式97で表される基がさらに好ましく、式97で表される基が特に好ましい。
式(3A)で表される置換基は、本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の光電変換効率を向上させることができるので、下記式(3A−1)〜下記式(3A−23)で表される基が好ましい。
Figure 2013159724
Figure 2013159724
Figure 2013159724
Figure 2013159724
Figure 2013159724
式(3A−1)〜式(3A−23)中、R3aは、前述と同じ意味を表す。式(3A)で表される基は、式(3A−1)で表される基、式(3A−2)で表される基、式(3A−3)で表される基、式(3A−4)で表される基及び式(3A−5)で表される基が好ましく、式(3A−2)で表される基、式(3A−3)で表される基及び式(3A−4)で表される基がより好ましく、式(3A−3)で表される基がさらに好ましい。
式(3)で表される構造単位は、本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の短絡電流密度を高めることができるので、下記式(3−1)〜下記式(3−5)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2013159724
Figure 2013159724
式(3−1)〜式(3−5)中、R3aは、前述と同じ意味を表す。式(3)で表される構造単位は、式(3−2)で表される構造単位、式(3−3)で表される構造単位及び式(3−4)で表される構造単位が好ましく、式(3−3)で表される構造単位がより好ましい。
本発明における高分子化合物とは、重量平均分子量が1000以上の化合物を指す。当該高分子化合物の重量平均分子量は、3000以上であり、3000〜10000000が好ましい。重量平均分子量が3000より小さいと形成された膜に欠陥が生じる場合があり、重量平均分子量が10000000より大きいと、溶媒への溶解性が低下してしまい、電子素子作製時に例えば塗布法により膜を形成する場合の塗布性が低下する場合がある。当該高分子化合物の重量平均分子量は、このような観点から、さらに好ましくは8000〜5000000であり、特に好ましくは10000〜1000000である。
本発明における重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用い、ポリスチレンの標準試料を用いて算出したポリスチレン換算の重量平均分子量のことを指す。
電子素子作製をより容易にできるので、本発明の高分子化合物は、溶媒への溶解度が高いことが望ましい。具体的には、本発明の高分子化合物が、該高分子化合物を0.01重量%以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することが好ましく、0.1重量%以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することがより好ましく、0.4重量%以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することがさらに好ましい。
本発明の高分子化合物の製造方法は、特に制限されるものではないが、高分子化合物の合成をより容易にできるので、Suzukiカップリング反応を用いる製造方法及びStilleカップリング反応を用いる製造方法が好ましい。
Suzukiカップリング反応を用いる製造方法としては、例えば、下記式(100):
100−E−Q200 (100)
〔式(100)中、Eは、式(1)で表される構造単位を表す。Q100及びQ200は、それぞれ独立に、ジヒドロキシボリル基(−B(OH))又はホウ酸エステル残基を表す。〕
で表される1種類以上の化合物と、下記式(200):
−E−T (200)
〔式(200)中、Eは、式(2)で表される構造単位を表す。T及びTは、それぞれ独立に、ハロゲン原子又はスルホン酸残基を表す。〕
で表される化合物と、下記式(300):
−E−T (300)
〔式(300)中、Eは、式(3)で表される構造単位を表す。T及びTは、それぞれ独立に、ハロゲン原子又はスルホン酸残基を表す。〕
で表される化合物を、パラジウム触媒及び塩基の存在下で反応させる工程を有する製造方法が挙げられる。
この製造方法の場合、反応に用いる式(200)で表される1種類以上の化合物と式(300)で表される1種類以上の化合物とのモル数の合計が、式(100)で表される1種類以上の化合物のモル数に対して、過剰であることが好ましい。反応に用いる式(200)で表される1種類以上の化合物と式(300)で表される1種類以上の化合物とのモル数の合計を1モルとすると、式(100)で表される1種類以上の化合物のモル数が0.6〜0.99モルであることが好ましく、0.7〜0.95モルであることがさらに好ましい。
ホウ酸エステル残基としては、下記式で表される1価の基が例示される。
Figure 2013159724
式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。また、式中左端に突出する「−」は結合手である。
式(200)及び式(300)中、T、T、T及びTで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。T、T、T及びTで表されるハロゲン原子としては、高分子化合物の合成をより容易にできるので、臭素原子及びヨウ素原子が好ましく、臭素原子がより好ましい。
式(200)及び式(300)中、T、T、T及びTで表されるスルホン酸残基とは、スルホン酸(−SOHで表される基を含む化合物)から酸性水素を除いた原子団を意味し、具体例としては、アルキルスルホネート基(例えば、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基)、アリールスルホネート基(例えば、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基)、アリールアルキルスルホネート基(例えば、ベンジルスルホネート基)及びトリフルオロメタンスルホネート基が挙げられる。
Suzukiカップリング反応を行う製造方法の具体例としては、任意の溶媒中において、触媒としてパラジウム触媒を用い、塩基の存在下で反応させる方法等が挙げられる。
Suzukiカップリング反応に使用するパラジウム触媒としては、例えば、Pd(0)触媒及びPd(II)触媒が挙げられ、具体的には、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、及びビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムが挙げられる。反応(重合)操作の容易さ及び反応(重合)速度の観点からは、該パラジウム触媒は、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート、及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが好ましい。
パラジウム触媒の添加量は、特に限定されない。パラジウム触媒の添加量は、触媒として有効である量であればよい。パラジウム触媒の添加量は、式(100)で表される化合物1モルに対して、通常、0.0001モル〜0.5モルであり、好ましくは0.0003モル〜0.1モルである。
Suzukiカップリング反応に使用するパラジウム触媒としてパラジウムアセテート類を用いる場合は、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(o−メトキシフェニル)ホスフィン等のリン化合物を配位子として添加することができる。この場合、配位子の添加量は、パラジウム触媒1モルに対して、通常、0.5モル〜100モルであり、好ましくは0.9モル〜20モル、さらに好ましくは1モル〜10モルである。
Suzukiカップリング反応に使用する塩基としては、無機塩基、有機塩基及び無機塩が挙げられる。無機塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び水酸化バリウムが挙げられる。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン及びトリブチルアミンが挙げられる。無機塩としては、例えば、フッ化セシウムが挙げられる。
塩基の添加量は、式(100)で表される化合物1モルに対して、通常、0.5モル〜100モルであり、好ましくは0.9モル〜20モルであり、さらに好ましくは1モル〜10モルである。
Suzukiカップリング反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランが挙げられる。得られる高分子化合物の溶解性の観点からは、溶媒としては、トルエン及びテトラヒドロフランが好ましい。また、塩基は、水溶液として加え、2相系で反応させてもよい。塩基として無機塩を用いる場合は、無機塩の溶解性の観点から、通常、水溶液として加えて反応させる。
なお、塩基を水溶液として加え、2相系で反応させる場合は、必要に応じて、第4級アンモニウム塩などの相間移動触媒を加えてもよい。
Suzukiカップリング反応を行う際の温度は、前記溶媒にもよるが、通常、50℃〜160℃程度であり、高分子化合物の高分子量化の観点から、60℃〜120℃が好ましい。また、溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。反応時間は、目的の重合度に達したときを終点としてもよい。反応時間は、通常、0.1時間〜200時間程度である。反応時間は、効率の観点から、1時間〜30時間程度が好ましい。
Suzukiカップリング反応は、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性雰囲気下、Pd(0)触媒が失活しない反応系で行う。Suzukiカップリング反応は、例えば、アルゴンガスや窒素ガス等で、十分脱気された系で行う。具体的には、重合容器(反応系)内の空気を窒素ガスで十分置換して、脱気した後、この重合容器に、式(100)で表される化合物、式(200)で表される化合物、式(300)で表される化合物、及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を仕込み、さらに、重合容器内の空気を窒素ガスで十分置換して脱気した後、あらかじめ窒素ガスでバブリングすることにより、脱気した溶媒、例えば、トルエンを加えた後、この溶液に、あらかじめ窒素ガスでバブリングすることにより脱気した塩基、例えば、炭酸ナトリウム水溶液を滴下した後、加熱、昇温し、例えば、還流温度で8時間、不活性雰囲気を保持しながら重合する。
Stilleカップリング反応を用いる製造方法としては、例えば、下記式(400):
300−E−Q400 (400)
で表される1種類以上の化合物と前記式(200)で表される1種類以上の化合物と前記式(300)で表される1種類以上の化合物とを、パラジウム触媒の存在下で反応させる工程を有する方法が挙げられる。
式(400)中、Eは、式(1)で表される構造単位を表す。Q300及びQ400は、それぞれ独立に、置換スタンニル基を表す。
置換スタンニル基としては、例えば、−SnR100 で表される基等が挙げられる。ここでR100は1価の有機基を表す。1価の有機基としては、例えば、アルキル基及びアリール基が挙げられる。
100であるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル墓、ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2一メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル墓、オクタデシル基及びエイコシル基等の鎖状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びアダマンチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。R100であるアリール基の具体例としては、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
置換スタンニル基としては、好ましくは−SnMeで表される基、−SnEtで表される基、−SnBuで表される基及び−SnPhで表される基であり、さらに好ましくは−SnMeで表される基、−SnEtで表される基及び−SnBuで表される基である。上記置換スタンニル基の好ましい例において、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Stilleカップリング反応を用いる具体的な製造方法としては、触媒として、例えば、パラジウム触媒を用い、任意の溶媒中で反応させる製造方法が挙げられる。
Stilleカップリング反応に使用するパラジウム触媒としては、例えば、Pd(0)触媒及びPd(II)触媒が挙げられる。該パラジウム触媒としては、具体的には、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、及びビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムが挙げられる。該パラジウム触媒としては、反応(重合)操作の容易さ、及び反応(重合)速度の観点からは、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが好ましい。
Stilleカップリング反応に使用するパラジウム触媒の添加量は、特に限定されず、触媒としての有効量であればよい。パラジウム触媒の添加量は、式(400)で表される化合物1モルに対して、通常、0.0001モル〜0.5モル、好ましくは0.0003モル〜0.2モルである。
Stilleカップリング反応において、必要に応じて配位子、助触媒を用いることもできる。配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(o−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2−フリル)ホスフィン等のリン化合物、トリフェニルアルシン、トリフェノキシアルシン等の砒素化合物が挙げられる。助触媒としては、例えば、ヨウ化銅、臭化銅、塩化銅、2−テノイル酸銅(I)などが挙げられる。
配位子又は助触媒を用いる場合、配位子又は助触媒の添加量は、パラジウム触媒1モルに対して、通常、0.5モル〜100モルであり、好ましくは0.9モル〜20モル、さらに好ましくは1モル〜10モルである。
Stilleカップリング反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。溶媒としては、高分子化合物の溶解性を良好にできるので、トルエン及びテトラヒドロフランが好ましい。
Stilleカップリング反応を行う温度は、前記溶媒にもよるが、通常、50℃〜160℃程度である。Stilleカップリング反応を行う温度は、高分子化合物の分子量をより高くできるので、60℃〜120℃が好ましい。また、温度を溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。
前記反応を行う時間(反応時間)は、目的の重合度に達したときを終点としてもよい。反応時間は、通常、0.1時間〜200時間程度である。反応時間は、効率の観点から、1時間〜30時間程度が好ましい。
Stilleカップリング反応は、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性雰囲気下、Pd触媒が失活しない反応系で行う。Stilleカップリング反応は、例えば、アルゴンガスや窒素ガス等で、十分脱気された系で行う。具体的には、重合容器(反応系)内の空気を窒素ガスで十分置換して、脱気した後、この重合容器に、式(300)で表される化合物、式(200)で表される化合物、式(400)で表される化合物及びパラジウム触媒を仕込み、さらに、重合容器内の空気を窒素ガスで十分置換して脱気した後、あらかじめ窒素ガスでバブリングすることにより、脱気した溶媒、例えば、トルエンを加えた後、必要に応じて配位子、助触媒を加え、その後、加熱、昇温し、例えば、還流温度で8時間、不活性雰囲気を保持しながら重合する。
高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは1×10〜1×10である。ポリスチレン換算の数平均分子量が1×10以上である場合には、強靭な薄膜が得られやすくなる。一方、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×10以下である場合には、溶解性が高く、薄膜の作製が容易である。より強靭な薄膜を得ることができるので、ポリスチレン換算の数平均分子量が3×10以上であることが好ましい。
本発明の高分子化合物の末端基として重合活性基がそのまま残っていた場合には、電子素子の作製に用いた場合に、得られた電子素子の特性が悪化したり、寿命が短くなったりするおそれがある。よって高分子化合物の末端基は、安定な基で保護されていてもよい。
本発明の高分子化合物は、主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、また、例えば、ビニレン基を介してアリール基又は複素環基と結合している構造であってもよい。
本発明の高分子化合物中の式(1)で表される構造単位の含有量は、例えば、本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の光電変換効率をより高めることができるので、本発明の高分子化合物が有する構造単位の合計に対して、10モル%〜80モル%が好ましい。本発明の高分子化合物中の式(2)で表される構造単位の含有量は、例えば、本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の光電変換効率をより高めることができるので、10モル%〜80モル%が好ましい。本発明の高分子化合物中の式(3)で表される構造単位の含有量は、本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の光電変換効率をより高めることができるので、5モル%〜50モル%が好ましい。
本発明の高分子化合物は、例えば、本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する光電変換素子の光電変換効率をより高めることができるので、光吸収末端波長(λth)が長波長であることが好ましい。該光吸収末端波長は、700nm以上であることが好ましく、800nm以上であることがより好ましく、900nm以上であることが特に好ましい。
光吸収末端波長は、光吸収波長の長波長側の末端の波長値として表される。
本発明における光吸収末端波長の数値は、具体的には以下の方法で求められた値によって表されている。
光吸収波長の測定には、紫外光、可視光、近赤外光の波長領域で動作する分光光度計(例えば、日本分光製、紫外可視近赤外分光光度計JASCO−V670)を用いる。JASCO−V670を用いる場合、測定可能な波長範囲が200nm〜1500nmであるため、該波長範囲で測定を行う。まず、測定に用いる基板の吸収スペクトルを測定する。基板としては、石英基板、ガラス基板等を用いる。次いで、その基板の上に高分子化合物を含む溶液若しくは高分子化合物を含む溶融体を載せて高分子化合物を含む薄膜を形成する。溶液からの成膜では、成膜後乾燥を行う。その後、薄膜と基板との積層体の吸収スペクトルを得る。薄膜と基板との積層体の吸収スペクトルと基板の吸収スペクトルとの差を、薄膜の吸収スペクトルとして得る。
該薄膜の吸収スペクトルは、縦軸を高分子化合物の吸光度とし、横軸を波長として示される。最も大きい吸収ピークの吸光度が0.5〜2程度になるよう、薄膜の膜厚を調整することが望ましい。
本発明のおける光吸収末端波長は、下記に示す第1基準線と第2基準線との交点から求めることができる。
<第1基準線>
吸収波形(吸収スペクトル)全体の中で、一番長波長寄りの吸収ピーク点(極大値)の吸光度を100%とする。
前記吸収ピーク点の50%の吸光度を示す横軸(波長軸)に平行な直線と該吸収波形とが交わる2つの交点のうち、前記吸収ピーク点よりも長波長寄りにある交点を第1の点とする。
前記吸収ピーク点の25%の吸光度を示す波長軸に平行な直線と該吸収波形とが交わる2つの交点のうち、前記吸収ピーク点よりも長波長寄りにある交点を第2の点とする。
第1の点と第2の点とを結ぶ直線を、第1基準線とする。
<第2基準線>
吸収波形全体の中で、一番長波長寄りの吸収ピーク点(極大値)の吸光度を100%とする。
前記吸収ピーク点の10%の吸光度を示す波長軸に平行な直線と該吸収波形とが交わる2つの交点のうち、前記吸収ピーク点よりも長波長寄りにある交点の波長を基準点として、基準点の波長より100nm長波長にある吸収波形上の点を第3の点とする。また、基準点の波長より150nm長波長にある吸収波形上の点を第4の点とする。第3の点と第4の点を結ぶ直線を第2基準線とする。
<光吸収末端波長の値>
第1基準線と第2基準線との交点における波長の値を、光吸収末端波長の値とする。
本発明の高分子化合物は、高い電子及び/又はホール輸送性を発揮し得ることから、本発明の高分子化合物を含む薄膜を電子素子に用いた場合、電極から注入された電子、ホール、或いは、光吸収によって発生した電荷を輸送することができる。これらの特性を活かして光電変換素子、有機薄膜トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子等の種々の電子素子に好適に用いることができる。以下、これらの電子素子に本発明の高分子化合物を適用する際の具体的な態様である組成物、薄膜、及びこれらを用いた電子素子について個々に説明する。
<組成物>
本発明の組成物は、本発明の高分子化合物と電子受容性化合物とを含む。本発明の組成物において、電子受容性化合物の割合が、本発明の高分子化合物100重量部に対して、10重量部〜1000重量部であることが好ましく、20重量部〜500重量部であることがより好ましい。
電子受容性化合物としては、例えば、炭素材料、酸化チタン等の金属酸化物、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン)等のフェナントロリン誘導体、フラーレン及びフラーレン誘導体が挙げられ、酸化チタン、カーボンナノチューブ、フラーレン及びフラーレン誘導体が好ましく、フラーレン及びフラーレン誘導体が特に好ましい。
フラーレン及びフラーレン誘導体としては、例えば、炭素原子数が60であるC60フラーレン、炭素原子数が70であるC70フラーレン、炭素原子数が76であるC76フラーレン、炭素原子数が78であるC78フラーレン、炭素原子数が84であるC84フラーレン、及びこれらの誘導体が挙げられる。フラーレン誘導体は、フラーレンの少なくとも一部が修飾された化合物を表す。
フラーレン誘導体としては、例えば、下記式(13)で表される化合物、下記式(14)で表される化合物、下記式(15)で表される化合物及び下記式(16)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013159724
式(13)〜式(16)中、C60は、炭素原子数60のフラーレンを表し、C70は、炭素原子数70のフラーレンを表す。Cはフラーレンに含まれる炭素原子である。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基又はエステル構造を有する基を表す。複数個あるRは、同一であっても相異なってもよい。Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。複数個あるRは、同一であっても相異なっていてもよい。
及びRで表される置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例は、R11及びR12で表される置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例と同じである。
で表されるヘテロアリール基は、芳香族複素環式化合物から水素原子2個を除いた基を意味する。ヘテロアリール基の炭素原子数は、通常、3〜60である。ヘテロアリール基としては、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基及びイソキノリル基が挙げられる。ヘテロアリール基が有していてもよい置換基の定義及び具体例は、R11及びR12で表される置換基の定義及び具体例と同じである。
で表されるエステル構造を有する基は、例えば、下記式(17)で表される基が挙げられる。
Figure 2013159724
式(17)中、u1は、1〜6の整数を表す。u2は、0〜6の整数を表す。u3は0又は1の整数を表す。u4は、0又は1の整数を表す。ただし、u3とu4との和は1である。Rは、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す。
で表される置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基の定義及び具体例は、Rで表される置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいヘテロアリール基の定義及び具体例と同じである。
式(17)中、u3は0が好ましく、u4は1が好ましい。
60フラーレンの誘導体の具体例としては、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2013159724
70フラーレンの誘導体の具体例としては、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2013159724
また、フラーレン誘導体の例としては、[6,6]フェニル−C61酪酸メチルエステル(C60PCBM、[6,6]−Phenyl C61 butyric acid methyl ester)、[6,6]フェニル−C71酪酸メチルエステル(C70PCBM、[6,6]−Phenyl C71 butyric acid methyl ester)、[6,6]フェニル−C85酪酸メチルエステル(C84PCBM、[6,6]−Phenyl C85 butyric acid methyl ester)、[6,6]チエニル−C61酪酸メチルエステル([6,6]−Thienyl C61 butyric acid methyl ester)が挙げられる。
<薄膜>
本発明の薄膜(有機薄膜)の第1の態様は、本発明の高分子化合物を含む薄膜である。本発明の薄膜の第2の態様は、本発明の組成物を含む薄膜である。薄膜の厚さは、1nm〜100μmが好ましく、より好ましくは2nm〜1000nmであり、さらに好ましくは5nm〜500nmであり、より好ましくは20nm〜200nmである。
<電子素子>
本発明の電子素子は、第1の電極と第2の電極とを有し、該第1の電極と該第2の電極との間に活性層を有し、該活性層に本発明の高分子化合物、又は、本発明の組成物を含有する。電子素子としては、例えば、光電変換素子、有機薄膜トランジスタ及び有機エレクトロルミネッセンス素子が挙げられる。
<光電変換素子>
本発明の光電変換素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極の間に、本発明の高分子化合物を含む1層以上の活性層を有する。
本発明の高分子化合物を有する層を備える光電変換素子の好ましい形態としては、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、p型の有機半導体とn型の有機半導体との有機組成物から形成される活性層を有する。ここで本発明の高分子化合物を、p型の有機半導体として用いることが好ましい。
本発明の高分子化合物を用いて製造される光電変換素子は、通常、基板上に形成される。この基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に化学的に変化しないものであればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコンが挙げられる。不透明な基板の場合には、反対の電極(即ち、基板から遠い方の電極)が透明又は半透明であることが好ましい。
本発明の高分子化合物を有する光電変換素子の他の態様は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極の間に、本発明の高分子化合物を含む第1の活性層と、該第1の活性層に隣接して、フラーレン誘導体等の電子受容性化合物を含む第2の活性層を含む光電変換素子である。
透明又は半透明の電極としては、例えば、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。透明又は半透明である電極の材料の具体例としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウムスズオキサイド(ITO)、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)等からなる導電性材料、NESA、金、白金、銀及び銅が挙げられ、ITO、IZO及び酸化スズが好ましい。電極の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法及びメッキ法が挙げられる。
電極材料として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。
透明又は半透明の電極と対向する他方の電極は透明でなくてもよく、該電極の電極材料としては、金属、導電性高分子等を用いることができる。不透明な電極材料の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、これらの金属のうちの2つ以上の金属の合金、これらの金属のうちの1種以上の金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン及び錫からなる群から選ばれる1種以上の金属との合金、グラファイト及びグラファイト層間化合物、ポリアニリン及びその誘導体、並びに、ポリチオフェン及びその誘導体が挙げられる。合金の具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金及びカルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
光電変換効率を向上させるための手段として活性層以外の付加的な中間層を用いてもよい。中間層に用いられる材料としては、フッ化リチウム等のアルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、酸化チタン等の酸化物、PEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)などが挙げられる。
<活性層>
活性層は、本発明の高分子化合物を一種単独で含んでいても二種以上を組み合わせて含んでいてもよい。活性層のホール輸送性を高めるため、電子供与性化合物及び/又は電子受容性化合物として、本発明の高分子化合物以外の化合物を活性層中に混合して用いることもできる。なお、活性層に含まれる本発明の高分子化合物が、電子供与性化合物であるか、又は電子受容性化合物であるかは、化合物のエネルギー準位から相対的に決定される。
電子供与性化合物としては、本発明の高分子化合物のほか、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェン及びその誘導体、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体が挙げられる。
電子受容性化合物としては、本発明の高分子化合物のほか、前述の化合物が挙げられる。
活性層中に本発明の高分子化合物とフラーレン誘導体とを含む場合、フラーレン誘導体の割合が、本発明の高分子化合物100重量部に対して、10重量部〜1000重量部であることが好ましく、20重量部〜500重量部であることがより好ましい。
活性層の厚さは、通常、1nm〜100μmであることが好ましく、より好ましくは2nm〜1000nmであり、さらに好ましくは5nm〜500nmであり、より好ましくは20nm〜200nmである。
前記活性層は、如何なる方法で製造してもよく、例えば、高分子化合物を含む溶液からの成膜、真空蒸着法による成膜方法が挙げられる。
<光電変換素子の製造方法>
光電変換素子の好ましい製造方法は、第1の電極と第2の電極とを有し、該第1の電極と該第2の電極との間に活性層を有する光電変換素子の製造方法であって、該第1の電極上に本発明の高分子化合物と溶媒とを含む溶液又は本発明の組成物と溶媒とを含む溶液を塗布法により塗布して活性層を形成する工程、該活性層上に第2の電極を形成する工程を有する。
溶液からの成膜に用いる溶媒は、本発明の高分子化合物又は本発明の組成物を溶解させ得る溶媒であればよい。該溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等の炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテルが挙げられる。本発明の高分子化合物は、通常、前記溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
溶液を用いて成膜する場合、例えば、スリットコート法、ナイフコート法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットコート法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を用いることができ、スリットコート法、キャピラリーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、ノズルコート法、インクジェットコート法、スピンコート法が好ましい。
成膜性をより良好にすることができるので、25℃における溶媒の表面張力が15mN/mより大きいことが好ましく、15mN/mより大きく100mN/mよりも小さいことがより好ましく、25mN/mより大きく60mN/mよりも小さいことがさらに好ましい。
<有機薄膜トランジスタ>
本発明の高分子化合物は、有機薄膜トランジスタにも用いることができる。有機薄膜トランジスタとしては、ソース電極及びドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となる有機半導体層(活性層)と、この電流経路を通る電流量を制御するゲート電極とを備えた構成を有するものが挙げられ、有機半導体層が上述した有機薄膜(薄膜)によって構成されるものである。このような有機薄膜トランジスタとしては、例えば、電界効果型、静電誘導型等が挙げられる。
電界効果型有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となる有機半導体層(活性層)、この電流経路を通る電流量を制御するゲート電極、並びに、有機半導体層とゲート電極との間に配置される絶縁層を備えることが好ましい。
特に、ソース電極及びドレイン電極が、有機半導体層(活性層)に接して設けられており、さらに有機半導体層に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられていることが好ましい。電界効果型有機薄膜トランジスタにおいては、有機半導体層が、本発明の高分子化合物を含む有機薄膜によって構成される。
静電誘導型有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となる有機半導体層(活性層)、並びに電流経路を通る電流量を制御するゲート電極を有し、このゲート電極が有機半導体層中に設けられていることが好ましい。特に、ソース電極、ドレイン電極及び有機半導体層中に設けられたゲート電極が、有機半導体層に接して設けられていることが好ましい。ここで、ゲート電極の構造としては、ソース電極からドレイン電極へ流れる電流経路が形成され、且つゲート電極に印加した電圧で電流経路を流れる電流量が制御できる構造であればよく、例えば、くし形電極が挙げられる。静電誘導型有機薄膜トランジスタにおいても、有機半導体層が、本発明の高分子化合物を含む有機薄膜によって構成される。
<有機エレクトロルミネッセンス素子>
本発明の高分子化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)に用いることもできる。有機EL素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極間に発光層を有する。有機EL素子は、発光層の他にも、正孔輸送層、電子輸送層を含んでいてもよい。本発明の高分子化合物は、該発光層、正孔輸送層、電子輸送層のいずれかの層中に含まれる。発光層中には、本発明の高分子化合物の他にも、電荷輸送材料(電子輸送材料と正孔輸送材料の総称を意味する。)を含んでいてもよい。有機EL素子としては例えば、陽極と発光層と陰極とを有する素子、さらに陰極と発光層の間に、該発光層に隣接して電子輸送材料を含有する電子輸送層を有する陽極と発光層と電子輸送層と陰極とを有する素子、さらに陽極と発光層の間に、該発光層に隣接して正孔輸送材料を含む正孔輸送層を有する陽極と正孔輸送層と発光層と陰極とを有する素子、陽極と正孔輸送層と発光層と電子輸送層と陰極とを有する素子等が挙げられる。
<電子素子の用途>
本発明の高分子化合物を用いた光電変換素子は、透明又は半透明の電極側から太陽光等の光を入射させることにより、電極間に光起電力が発生し、有機薄膜太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積することにより有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
また、本発明の高分子化合物を用いた光電変換素子は、一対の電極間に電圧を印加した状態、あるいは無印加の状態で、透明又は半透明の電極側から光を入射させることにより、光電流が流れ、有機光センサーとして動作させることができる。有機光センサーを複数集積することにより有機イメージセンサーとして用いることもできる。
上述の有機薄膜トランジスタは、例えば電気泳動ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の画素の制御、画面輝度の均一性制御、画面書き換え速度の制御のために用いられる画素駆動素子等として用いることができる。
<太陽電池モジュール>
有機薄膜太陽電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造をとりうる。太陽電池モジュールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上にセルが構成されており、セルの上を充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持基板側から光を取り込む構造とすることも可能である。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が知られている。本発明の高分子化合物を用いて製造される有機薄膜太陽電池も使用目的、使用場所及び環境を考慮して、適宜これらのモジュール構造を選択できる。
代表的なスーパーストレートタイプあるいはサブストレートタイプのモジュールは、片側又は両側が透明で反射防止処理が施された対向する2枚の支持基板の間に一定間隔にセルが配置され、隣り合うセル同士が金属リード又はフレキシブル配線等によって接続され、外縁部に集電電極が配置されており、この集電電極を用いて発生した電力を外部に取り出す構造となっている。基板とセルとの間には、セルの保護、集電効率向上のため、目的に応じエチレンビニルアセテート(EVA)等様々な種類のプラスチック材料をフィルム又は充填樹脂の形で用いてもよい。また、外部からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆う必要のない場所において使用する場合には、表面保護層を透明プラスチックフィルムで構成し、又は上記充填樹脂を硬化させることによって保護機能を付与し、片側の支持基板をなくすことが可能である。
支持基板の周囲は、内部の密封性及びモジュールの剛性を確保するため金属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、支持基板とフレームとの間は封止材料で密封シールする。また、セル自体、支持基板、充填材料及び封止材料に可撓性の素材を用いれば、曲面の上に太陽電池を構成することもできる。
ポリマーフィルム等のフレキシブル支持体を用いた太陽電池の場合、ロール状に巻き取られた支持体を送り出しながら順次セルを形成し、所望のサイズに切断した後、周縁部をフレキシブルで防湿性のある素材でシールすることにより電池本体を作製できる。また、Solar Energy Materials and Solar Cells, 48,p383−391記載の「SCAF」とよばれるモジュール構造とすることもできる。更に、フレキシブル支持体を用いた太陽電池は曲面ガラス等に接着固定して使用することもできる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示す。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(NMR測定)
NMR測定は、化合物を重クロロホルムに溶解させ、NMR装置(JEOL社製、Alpha FT−NMR)を用いて行った。
(数平均分子量及び重量平均分子量の測定)
数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(島津製作所製、商品名:Prominence system)によりポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量として求めた。GPCの移動相にはクロロホルムを用いた。
合成例1
(化合物3の合成)
下記式に示すとおり、化合物1及び化合物2を用いて化合物3を合成した。
Figure 2013159724
ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)、1997年、第119巻、10774〜10784頁に記載された方法に従って、化合物1を合成した。また、ジャーナル オブ ポリマー サイエンス パート エー:ポリマー ケミストリー(Journal of Polymer Science Part A: Polymer Chemistry)、2006年、第44巻、第16号、4916〜4922頁に記載された方法に従って化合物2を合成した。
容量100mLのフラスコに、化合物1を2.06g(5.00mmol)、化合物2を2.16g(5.50mmol)、N,N−ジメチルホルムアミドを50mL入れて均一な溶液とした。フラスコを0℃に保ちながら、0.54gのナトリウムメトキシド(10mmol)を20mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた溶液を10分間かけて滴下した。滴下後、反応液を室温で2時間攪拌し、次いで、メタノールに注いだ。次に、メタノールに不溶な固体を濾過して集めた。得られた固体を、展開溶媒としてクロロホルムとヘキサンとの混合溶媒を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物3を2.6g得た。混合溶媒中、クロロホルムの体積に対するヘキサンの体積比は5であった。
実施例1
(重合体Aの合成)
下記式で表される化合物3、化合物4及び化合物5を用いて重合体Aを合成した。
Figure 2013159724
ジャーナルオブジアメリカンケミカルソサイエティ(Journal of the American Chemical Society)、2009年、第131巻、7792〜7799頁に記載された方法に従って化合物4を合成した。また、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、2010年、第43巻、821〜826頁に記載された方法に従って化合物5を合成した。
フラスコ内の気体を窒素で置換した容量50mLのフラスコに、化合物3を52mg(0.080mmol)、化合物4を308.9mg(0.40mmol)、化合物5を136.4mg(0.32mmol)、トルエンを8mL入れて均一な溶液とした。得られたトルエン溶液を、窒素で30分間バブリングした。その後、トルエン溶液に、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh)を13.9mg(0.012mmol)加え、110℃で36時間攪拌した。その後、フラスコを25℃に冷却し、反応液をメタノールに注いだ。得られた重合体280mgをクロロホルム100mLに溶解させ、クロロホルム溶液をアルミナ/セライト/シリカゲルカラムに通した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、メタノールに注いで重合体を析出させ、重合体を濾過後、乾燥させ、精製された重合体180mgを得た。以下、この重合体を重合体Aと呼称する。GPCで測定した重合体Aのポリスチレン換算の重量平均分子量は43600であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は28300であった。重合体Aの光吸収末端波長は680nmであった。
実施例2(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
スパッタ法により100nmの厚さでITO膜を付けたガラス基板を、界面活性剤溶液、水、アセトン及び2−プロパノールをこの順に用いて超音波洗浄を行った。次に、重合体A及びフェニルC71−酪酸メチルエステル(C70PCBM)(phenyl C71−butyric acid methyl ester、Solenne社製)をクロロホルムとo−ジクロロベンゼンとの混合溶媒に溶解させて、インキ1を製造した。インキ1中、重合体Aの重量に対するC70PCBMの重量比は2であり、o−ジクロロベンゼンの体積に対するクロロホルムの体積比は4であった。また、インキ1の重量に対し、重合体Aの重量とC70PCBMの重量との合計は、1重量%であった。該インキ1をスピンコート法によりガラス基板上に塗布して、重合体Aを含む有機薄膜を作製した。該有機薄膜は活性層として機能する。有機薄膜の厚さは、約80nmであった。作製した有機薄膜の光吸収末端波長は1030nmであった。その後、有機薄膜上に真空蒸着機によりカルシウムを厚さ10nmで蒸着し、次いでアルミニウムを厚さ30nmで蒸着して、有機薄膜太陽電池を作製した。
得られた有機薄膜太陽電池の形状は、3mm×4mmの長方形であった。得られた有機薄膜太陽電池に、2mm×3mmの金属マスクを通して、ソーラシミュレーター(ペクセルテクノロジーズ社製、商品名PEC−L11、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して光電変換効率(η)、短絡電流密度(Jsc)、開放端電圧(Voc)及びフィルファクター(ff)を求めた。Jsc(短絡電流密度)は11.9mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は0.78Vであり、ff(フィルファクター(曲線因子))は0.68であり、光電変換効率(η)は6.30%であった。
比較例1
(重合体Bの合成)
下記式で表される化合物4及び化合物5を用いて重合体Bを合成した。
Figure 2013159724
フラスコ内の気体を窒素で置換した容量50mLのフラスコに、化合物4を308.9mg(0.40mmol)、化合物5を169.2mg(0.40mmol)、トルエンを8mL入れて均一な溶液とした。得られたトルエン溶液を、窒素で30分間バブリングした。その後、トルエン溶液に、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh)を13.9mg(0.012mmol)加え、110℃で12時間攪拌した。次いで、フラスコを25℃に冷却し、反応液をメタノールに注いだ。得られた重合体250mgをクロロホルム100mLに溶解させ、クロロホルム溶液をアルミナ/セライト/シリカゲルカラムに通した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、メタノールに注いでポリマーを析出させ、ポリマーを濾過後、乾燥させ、精製された重合体200mgを得た。以下、この重合体を重合体Bと呼称する。GPCで測定した重合体Bのポリスチレン換算の重量平均分子量は31700であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は18200であった。重合体Bの光吸収末端波長は680nmであった。
比較例2(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
実施例2において、重合体Aの代わりに重合体Bを用いた以外は同様にして、有機薄膜太陽電池の作製及び評価を行い、光電変換効率、短絡電流密度、開放電圧及びフィルファクターを求めた。結果を表1に示す。Jsc(短絡電流密度)は10.1mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は0.80Vであり、ff(フィルファクター(曲線因子))は0.63であり、光電変換効率(η)は5.14%であった。
合成例2(化合物7の合成)
下記式で表される化合物6を用いて化合物7を合成した。
Figure 2013159724
フラスコ内の空気をアルゴンで置換した容量200mLのフラスコに、化合物6(Astar Pharmaceuticals製)を1.78g(10.0mmol)、2−エチルヘキシルブロミドを5.83g(25.0mmol)、ヨウ化カリウムを41.5mg(0.25mmol)、水酸化カリウムを1.68g(30.0mmol)入れ、35mLのジメチルスルホキシドに溶解させ、室温(25℃)で24時間攪拌した。反応後、水100mLを加え、ヘキサンで生成物を抽出し、展開溶媒がヘキサンであるシリカゲルカラムで精製を行い、化合物7を2.61g得た。
合成例3(化合物8の合成)
下記式で表される化合物7を用いて化合物8を合成した。
Figure 2013159724
フラスコ内の空気をアルゴンで置換した容量200mLのフラスコに、化合物7を1.31g(3.25mmol)、及び、N,N−ジメチルホルムアミドを25mL加え、フラスコを0℃に冷却して、N−ブロモスクシンイミドを1.21g加え、12時間攪拌した。反応液中に水100mLを入れて反応を停止し、エーテルで生成物を抽出した。展開溶媒がヘキサンであるシリカゲルカラムで精製を行い、化合物8を1.70g得た。
合成例4
(重合体Cの合成)
下記式で表される化合物8及び化合物9を用いて重合体Cを合成した。
Figure 2013159724
フラスコ内の空気をアルゴンで置換した容量200mLのフラスコに、化合物8を561mg(1.00mmol)、化合物9(4,7−bis(4,4,5,5−tetramethyl−1,3,2−dioxaborolan−2−yl)−2,1,3−benzothiadiazole、シグマアルドリッチ社製)を388.1mg(1.00mmol)、メチルトリアルキルアンモニウムクロリド(商品名Aliquat336(登録商標)、シグマアルドリッチ社製)を202mg加え、トルエン20mLに溶解させ、得られたトルエン溶液をアルゴンで30分間バブリングした。その後、酢酸パラジウムを2.25mg、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(Tris(2−methoxyphenyl)phosphine)を12.3mg、16.7重量%の炭酸ナトリウム水溶液を6.5mL加え、100℃で5時間攪拌を行った。その後、フェニルホウ酸50mgを加え、さらに70℃で2時間反応させた。その後、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム2gと水20mLとを加え、還流下で2時間攪拌を行った。水層を除去後、有機層を水20mLで2回、3重量%の酢酸水溶液20mLで2回、さらに水20mLで2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに注いで重合体を析出させた。重合体を濾過後、乾燥させ、得られたポリマーをo−ジクロロベンゼン30mLに再度溶解し、アルミナ/シリカゲルカラムを通した。得られた溶液をメタノールに注いで重合体を析出させ、重合体を濾過後、乾燥させ、精製した重合体280mgを得た。以下、この重合体を重合体Cと呼称する。GPCで測定した重合体Cのポリスチレン換算の重量平均分子量は30000であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は14000であった。
比較例3(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
実施例2において、重合体Aの代わりに重合体Cを用いた以外は同様にして、有機薄膜太陽電池の作製及び評価を行い、光電変換効率、短絡電流密度、開放端電圧及びフィルファクターを求めた。結果を表1に示す。Jsc(短絡電流密度)は9.21mA/cmであり、Voc(開放端電圧)は0.67Vであり、ff(フィルファクター(曲線因子))は0.40であり、光電変換効率(η)は2.49%であった。
Figure 2013159724

Claims (16)

  1. 下記式(1)で表される構造単位、下記式(2)で表される構造単位、及び下記式(3)で表される構造単位を含む高分子化合物。
    Figure 2013159724
    〔式(1)中、Q及びQは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族複素環を表す。R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。〕
    Figure 2013159724
    〔式(2)中、Arは、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。〕
    Figure 2013159724
    〔式(3)中、Arは、Arとは異なり、下記式(3A)で表される基を有するアリーレン基又は下記式(3A)で表される基を有する2価の複素環基を表す。該アリーレン基及び該2価の複素環基は、下記式(3A)で表される基とは異なる置換基をさらに有していてもよい。
    Figure 2013159724
    (式(3A)中、X3aは、直接結合、−CR3a1=CR3a2−で表される基、−C≡C−で表される基、−O−で表される基、−S−で表される基、置換基を有していてもよいアルキレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。R3a、R3a1及びR3a2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Ar3aは、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。nは、1〜10の整数である。nが2以上の整数である場合、複数個あるX3aは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nが2以上の整数である場合、複数個あるAr3aは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)〕
  2. 前記式(1)で表される構造単位が、下記式(1z)で表される構造単位である、請求項1に記載の高分子化合物。
    Figure 2013159724
    〔式(1z)中、R11及びR12は、前述と同じ意味を表す。R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。X11及びX12は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子又はセレン原子を表す。〕
  3. 前記式(2)で表される構造単位が、下記式(2−1)〜下記式(2−10)で表される構造単位である、請求項1又は2に記載の高分子化合物。
    Figure 2013159724
    〔式(2−1)〜(2−10)中、R21〜R42は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。X21〜X30は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子又はセレン原子を表す。〕
  4. 前記式(2)で表される構造単位が、前記式(2−10)で表される構造単位である、請求項3に記載の高分子化合物。
  5. 光吸収末端波長が700nm以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  6. ポリスチレン換算の数平均分子量が3000以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の高分子化合物を含む薄膜。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の高分子化合物と電子受容性化合物とを含む組成物。
  9. 前記電子受容性化合物が、フラーレン誘導体である、請求項8に記載の組成物。
  10. 請求項8又は9に記載の組成物を含む薄膜。
  11. 請求項8又は9に記載の組成物と溶媒とを含む溶液。
  12. 第1の電極と第2の電極とを有し、該第1の電極と該第2の電極との間に活性層を有し、該活性層に請求項1〜6のいずれか一項に記載の高分子化合物、又は、請求項8若しくは9に記載の組成物を含有する、電子素子。
  13. 光電変換素子である請求項12記載の電子素子。
  14. 請求項12又は13に記載の電子素子を含む太陽電池モジュール。
  15. 請求項12又は13に記載の電子素子を含むイメージセンサー。
  16. ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、活性層とを有し、該活性層に請求項1〜6のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する、有機薄膜トランジスタ。
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