JP6276428B2 - 基板処理装置、半導体装置の製造方法、及びサセプタ - Google Patents

基板処理装置、半導体装置の製造方法、及びサセプタ Download PDF

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Description

本発明は、基板処理装置、半導体装置の製造方法、及びサセプタに関する。
例えば、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体装置の製造工程において、凹部に基板が載置されたサセプタを回転させながら基板処理が行われることがある(特許文献1参照)。このような基板処理を行う際、基板には、サセプタの回転に伴う遠心力が加わる。
このような基板処理において、サセプタの回転速度を高速にしたい場合がある。しかしながら、サセプタの回転速度を高速にすると、これに伴い遠心力が大きくなるので、基板が載置部から外側へ飛び出してしまう可能性が高くなる。
特開2014−187258号公報
本発明の一目的は、サセプタの回転に伴う遠心力によりサセプタの凹部に載置された基板が外側に飛び出すことを抑制できる技術を提供することである。
本発明の一態様によれば、
基板を処理する処理室と、前記処理室内に設けられるサセプタと、前記サセプタを回転させる回転駆動部と、前記サセプタの上面に設けられ、前記サセプタの回転の中心に対してその周囲に配置される、基板が載置されるための凹部と、前記凹部の外周に接するように設けられ、前記サセプタの上面において突出する凸部と、前記サセプタの回転中心を中心として前記処理室内を複数の処理領域に分割する仕切り部と、前記仕切り部の前記サセプタ上面と対向する位置に設けられる、前記凸部が通過するための切欠き部と、を有する基板処理装置が提供される。
凹部の外周に接するように設けられ、サセプタの上面において突出する凸部により、凹部に載置された基板がサセプタの回転に伴う遠心力で外側に飛び出すことを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るクラスタ型の基板処理装置の横断面概略図である。 本発明の一実施形態に係る反応容器の概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係る処理炉の横断面概略図である。 本発明の一実施形態に係る処理炉の基板搬送時における縦断面概略図である。 本発明の一実施形態に係る処理炉の基板処理時における縦断面概略図である。 本発明の一実施形態に係る基板処理装置のコントローラの概略構成図であり、コントローラの制御系をブロック図で示す図である。 本発明の一実施形態に係る基板処理工程を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る基板処理工程における成膜工程での基板への処理を示すフロー図である。 本発明の一実施形態による圧力の推移を表す図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る処理炉の横断面概略図であり、(b)〜(d)は、本発明の第1〜第3の変形例に係る処理炉の横断面概略図である。
<本発明の一実施形態>
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(1)基板処理装置の構成
図1は、本実施形態にかかるクラスタ型の基板処理装置の横断面図である。なお、本発明が適用される基板処理装置では、半導体基板としての基板(ウエハ)200を搬送するキャリヤとして、FOUP(Front Opening Unified Pod:以下、ポッドという。)が使用されている。本実施形態にかかるクラスタ型の基板処理装置の搬送装置は、真空側と大気側とに分かれている。本明細書中における「真空」とは工業的真空を意味する。なお、説明の便宜上、図1の真空搬送室103から大気搬送室121へ向かう方向を前側と呼ぶ。
(真空側の構成)
クラスタ型の基板処理装置100は、その内部を真空状態などの大気圧未満の圧力(例えば100Pa)に減圧可能なロードロックチャンバ構造に構成された第1搬送室としての真空搬送室103を備えている。真空搬送室103の筐体101は、平面視が例えば六角形で、上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。
真空搬送室103の筐体101を構成する六枚の側壁のうち、前側に位置する二枚の側壁には、ゲートバルブ126,ゲートバルブ127を介して,ロードロック室122,ロードロック室123が真空搬送室103と連通可能にそれぞれ設けられている。
真空搬送室103の他の四枚の側壁のうち、二枚の側壁には、ゲートバルブ244a,ゲートバルブ244bを介して、プロセスチャンバ202a,プロセスチャンバ202bが真空搬送室103と連通可能にそれぞれ設けられている。プロセスチャンバ202a,プロセスチャンバ202bは、後述する処理ガス供給部、不活性ガス供給部、排気部等が設けられている。プロセスチャンバ202a,プロセスチャンバ202bは、後述するように、1つの反応容器内に複数の処理領域及び処理領域と同数のパージ領域が交互に配列されている。そして、反応容器203内に設けられる基板支持部としてのサセプタ(基板支持台、回転トレーともいう)217を回転させて、基板である基板200が処理領域及びパージ領域を交互に通過するように構成されている。このような構成とすることで、基板200に処理ガス及び不活性ガスが交互に供給され、次のような基板処理が為される。具体的には、基板200上へ薄膜を形成する処理や、基板200表面を酸化、窒化、炭化等する処理や、基板200表面をエッチングする処理等の各種基板処理が為される。
真空搬送室103の残りの二枚の側壁には、ゲートバルブ244c,ゲートバルブ244dを介して、冷却室202c,冷却室202dが真空搬送室103と連通可能にそれぞれ設けられている。
真空搬送室103内には、第1の基板搬送機構としての真空搬送ロボット112が設けられている。真空搬送ロボット112は、ロードロック室122,ロードロック室123と、プロセスチャンバ202a,プロセスチャンバ202bと、冷却室202c,冷却室202dとの間で、例えば2枚の基板200(図1中、点線で示す)を同時に搬送可能に構成されている。真空搬送ロボット112は、エレベータ115によって、真空搬送室103の気密性を維持しつつ昇降可能に構成されている。また、ロードロック室122,ロードロック室123のゲートバルブ126,ゲートバルブ127、プロセスチャンバ202a,プロセスチャンバ202bのゲートバルブ244a,ゲートバルブ244b、冷却室202c,冷却室202dのゲートバルブ244c,ゲートバルブ244dのそれぞれの近傍には、基板200の有無を検知する図示しない基板検知センサが設けられている。基板検知センサを基板検知部とも呼ぶ。
ロードロック室122,ロードロック室123は、内部が真空状態などの大気圧未満の圧力(減圧)に減圧可能なロードロックチャンバ構造に構成されている。即ち、ロードロック室の前側には、ゲートバルブ128,ゲートバルブ129を介して、後述する第2搬送室としての大気搬送室121が設けられている。このため、ゲートバルブ126からゲートバルブ129を閉じてロードロック室122,ロードロック室123内部を真空排気した後、ゲートバルブ126,ゲートバルブ127を開けることで、真空搬送室103の真空状態を保持しつつ、ロードロック室122,ロードロック室123と真空搬送室103との間で基板200を搬送可能にしている。また、ロードロック室122,ロードロック室123は、真空搬送室103内へ搬入する基板200を一時的に収納する予備室として機能する。この際、ロードロック室122内では基板載置部140上に、ロードロック室123内では基板載置部141上にそれぞれ基板200が載置されるように構成されている。
(大気側の構成)
基板処理装置100の大気側には、略大気圧下で用いられる、第2搬送室としての大気搬送室121が設けられている。即ち、ロードロック室122,ロードロック室123の前側(真空搬送室103と異なる側)には、ゲートバルブ128,ゲートバルブ129を介して、大気搬送室121が設けられている。なお、大気搬送室121は、ロードロック室122,ロードロック室123と連通可能に設けられている。
大気搬送室121には、基板200を移載する第2の基板搬送機構としての大気搬送ロボット124が設けられている。大気搬送ロボット124は、大気搬送室121に設けられた図示しないエレベータによって昇降されるように構成されているとともに、図示しないリニアアクチュエータによって左右方向に往復移動されるように構成されている。また、大気搬送室121のゲートバルブ128,ゲートバルブ129の近傍には、基板200の有無を検知する図示しない基板検知センサが設けられている。基板検知センサを基板検知部とも呼ぶ。
また、大気搬送室121内には、基板200の位置補正装置として、ノッチ合わせ装置106が設けられている。ノッチ合わせ装置106は、基板200の結晶方向や位置合わせ等を基板200のノッチで把握し、その把握した情報を元に基板200の位置を補正する。なお、ノッチ合わせ装置106の代わりに、図示しないオリフラ(Orientation Flat)合わせ装置が設けられてもよい。そして、大気搬送室121の上部には、クリーンエアを供給する図示しないクリーンユニットが設けられている。
大気搬送室121の筐体125の前側には、基板200を大気搬送室121内外に搬送する基板搬送口134と、ポッドオープナ108とが設けられている。基板搬送口134を挟んで、ポッドオープナ108と反対側、即ち筐体125の外側にはロードポート(I/Oステージ)105が設けられている。ロードポート105上には、複数枚の基板200を収納するポッド109が載置されている。また、大気搬送室121内には、基板搬送口134を開閉する蓋(不図示)や、ポッド109のキャップ等を開閉させる開閉機構(不図示)と、開閉機構を駆動する開閉機構駆動部(不図示)とが設けられている。ポッドオープナ108は、ロードポート105に載置されたポッド109のキャップを開閉することにより、ポッド109に対する基板200の出し入れを可能にする。また、ポッド109は図示しない搬送装置(例えばRGV:Rail Guided Vehicle)によって、ロードポート105に対して、搬入(供給)および搬出(排出)されるようになっている。
主に、真空搬送室103、ロードロック室122,ロードロック室123、大気搬送室121、及びゲートバルブ126からゲートバルブ129により、本実施形態に係る基板処理装置100の搬送装置が構成される。
また、基板処理装置100の搬送装置の構成各部には、後述する制御部(コントローラ)221が電気的に接続されている。そして、上述した構成各部の動作を、それぞれ制御するように構成されている。
(基板搬送動作)
次に、本実施形態に係る基板処理装置100内における基板200の搬送動作を説明する。なお、基板処理装置100の搬送装置の構成各部の動作は、制御部221によって制御される。
まず、例えば25枚の未処理の基板200を収納したポッド109が、図示しない搬送装置によって基板処理装置100に搬入される。搬入されたポッド109は、ロードポート105上に載置される。開閉機構は、蓋及びポッド109のキャップを取り外し、基板搬送口134及びポッド109の基板出入口を開放する。
ポッド109の基板出入口を開放すると、大気搬送室121内に設置されている大気搬送ロボット124は、ポッド109から基板200を1枚ピックアップして、ノッチ合わせ装置106上へ載置する。
ノッチ合わせ装置106は、載置された基板200を、水平の縦横方向(X方向,Y方向)及び円周方向に動かして、基板200のノッチ位置等を調整する。ノッチ合わせ装置106で1枚目の基板200の位置を調整中に、大気搬送ロボット124は、2枚目の基板200をポッド109からピックアップして大気搬送室121内に搬入し、大気搬送室121内で待機する。
ノッチ合わせ装置106により1枚目の基板200の位置調整が終了した後、大気搬送ロボット124は、ノッチ合わせ装置106上の1枚目の基板200をピックアップする。大気搬送ロボット124は、そのとき大気搬送ロボット124が保持している2枚目の基板200を、ノッチ合わせ装置106上へ載置する。その後、ノッチ合わせ装置106は、載置された2枚目の基板200のノッチ位置等を調整する。
次に、ゲートバルブ128が開けられ、大気搬送ロボット124は、1枚目の基板200をロードロック室122内に搬入し、基板載置部140上に載置する。この移載作業中には、真空搬送室103側のゲートバルブ126は閉じられており、真空搬送室103内の減圧雰囲気は維持されている。1枚目の基板200の基板載置部140上への移載が完了すると、ゲートバルブ128が閉じられ、ロードロック室122内が図示しない排気装置によって負圧になるよう排気される。
以降、大気搬送ロボット124は、上述の動作を繰り返す。但し、ロードロック室122が負圧状態の場合、大気搬送ロボット124は、ロードロック室122内への基板200の搬入を実行せず、ロードロック室122の直前位置で停止して待機する。
ロードロック室122内が予め設定された圧力値(例えば100Pa)に減圧されると、ゲートバルブ126が開けられて、ロードロック室122と真空搬送室103とが連通される。続いて、真空搬送室103内に配置された真空搬送ロボット112は、基板載置部140から1枚目の基板200をピックアップして、真空搬送室103内に搬入する。
真空搬送ロボット112が基板載置部140から1枚目の基板200をピックアップした後、ゲートバルブ126が閉じられ、ロードロック室122内が大気圧に復帰させられ、ロードロック室122内に次の基板200を搬入するための準備が行われる。それと並行して、所定の圧力(例えば100Pa)にあるプロセスチャンバ202aのゲートバルブ244aが開けられ、真空搬送ロボット112が1枚目の基板200をプロセスチャンバ202a内に搬入する。この動作をプロセスチャンバ202a内に基板200が任意の枚数(例えば5枚)搬入されるまで繰り返す。プロセスチャンバ202a内への任意の枚数(例えば5枚)の基板200の搬入が完了したら、ゲートバルブ244aが閉じられる。そして、プロセスチャンバ202a内に後述するガス供給部から処理ガスが供給され、基板200に所定の処理が施される。
プロセスチャンバ202aにおいて所定の処理が終了し、後述するようにプロセスチャンバ202a内で基板200の冷却が終了すると、ゲートバルブ244aが開けられる。その後、真空搬送ロボット112によって、処理済の基板200がプロセスチャンバ202a内から真空搬送室103へ搬出される。搬出された後、ゲートバルブ244aが閉じられる。
続いて、ゲートバルブ127が開けられ、プロセスチャンバ202aから搬出した基板200は、ロードロック室123内へ搬入されて、基板載置部141上に載置される。なお、ロードロック室123は、図示しない排気装置によって、予め設定された圧力値に減圧されている。そして、ゲートバルブ127が閉じられ、ロードロック室123に接続された図示しない不活性ガス供給部から不活性ガスが導入され、ロードロック室123内の圧力が大気圧に復帰させられる。
ロードロック室123内の圧力が大気圧に復帰させられると、ゲートバルブ129が開けられる。続いて、大気搬送ロボット124が基板載置部141上から処理済みの基板200をピックアップして大気搬送室121内に搬出した後、ゲートバルブ129が閉じられる。その後、大気搬送ロボット124は、大気搬送室121の基板搬送口134を通して、処理済の基板200をポッド109に収納する。ここで、ポッド109のキャップは、最大25枚の基板200が戻されるまでずっと開け続けていてもよく、空きのポッド109に収納せずに基板を搬出してきたポッド109に戻してもよい。
前述の工程によってポッド109内の全ての基板200に所定の処理が施され、処理済みの25枚の基板200のすべてが所定のポッド109へ収納されると、ポッド109のキャップと、基板搬送口134の蓋135とが開閉機構143によって閉じられる。その後、ポッド109は、ロードポート105上から次の工程へ、図示しない搬送装置によって搬送される。以上の動作が繰り返されることにより、基板200が25枚ずつ順次処理される。
(2)プロセスチャンバの構成
続いて、本実施形態に係る処理炉としてのプロセスチャンバ202aの構成について、主に図2から図5を用いて説明する。なお、プロセスチャンバ202bについては、プロセスチャンバ202aと同様に構成されているため、説明を省略する。
(反応容器)
図2から図5に示すように、処理炉としてのプロセスチャンバ202aは、円筒状の気密容器である反応容器203を備えている。反応容器203内には、基板200を処理する処理室が形成されている。反応容器203内の処理室の上側には、中心部から放射状に延びる4枚の仕切り板205が設けられている。
仕切り板205は、サセプタ217の回転中心を中心として、処理室内を複数の領域に分割する仕切り部(分割構造体)として構成されている。より具体的には、4枚の仕切り板205は、処理室内を、第1の処理領域201a、第1のパージ領域204a、第2の処理領域201b、第2のパージ領域204bに仕切る(分割する)ように構成されている。好適には、処理室を2つ以上の処理領域に分割するように2つ以上の分割構造体が構成されると良い。なお、第1の処理領域201a、第2の処理領域201bを処理ガス供給領域とも表現し、第1のパージ領域204a、第2のパージ領域204bを不活性ガス供給領域とも表現する。
なお、第1の処理領域201a、第1のパージ領域204a、第2の処理領域201b、第2のパージ領域204bは、後述するサセプタ217の回転方向に沿って、この順番に配列するように、即ち処理領域とパージ領域とが交互に配列されるように構成されている。換言すれば、隣り合う分割構造体の間に、ガス供給領域である第1の処理領域201a、第1のパージ領域204a、第2の処理領域201b、第2のパージ領域204bが配される。
後述するように、サセプタ217を回転させることで、サセプタ217上に載置された基板200は、第1の処理領域201a、第1のパージ領域204a、第2の処理領域201b、第2のパージ領域204bの順に移動することとなる。また、後述するように、第1の処理領域201a内には第1のガスとしての第1の処理ガスが供給され、第2の処理領域201b内には第2のガスとしての第2の処理ガスが供給され、第1のパージ領域204a内及び第2のパージ領域204b内には、不活性ガスが供給されるように構成されている。そのため、サセプタ217を回転させることで、基板200上には、第1の処理ガス、不活性ガス、第2の処理ガス、不活性ガスがこの順に供給されることとなる。サセプタ217及びガス供給系の構成については後述する。
仕切り板205の端部と反応容器203の側壁との間には、所定の幅の隙間が設けられており、この隙間をガスが通過できるように構成されている。この隙間を介し、第1のパージ領域204a内及び第2のパージ領域204b内から第1の処理領域201a内及び第2の処理領域201b内に向けて不活性ガスを噴出させるようにする。このようにすることで、第1のパージ領域204a内及び第2のパージ領域204b内への処理ガスの侵入を抑制することができ、処理ガスの反応や、その反応による異物の生成を抑制する。
仕切り板205のサセプタ217の上面と対向する面には、後述の飛出し防止ピン281が通過するための切欠き部291が設けられている。切欠き部291が設けられていることにより、後述のように、基板処理時に飛出し防止ピン281と仕切り板205とが干渉しないようにしつつ、仕切り板205とサセプタ217とを充分に近接させることができる。
(サセプタ)
図2から図5に示すように、仕切り板205の下側、即ち反応容器203内の底側中央には、反応容器203の中心に回転軸の中心を有し、所望の角速度で回転するように構成されたサセプタ217が設けられている。サセプタ217を基板支持部とも呼ぶ。サセプタ217は、基板200の金属汚染を低減することができるように、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、セラミックス、石英等の非金属材料で形成されている。なお、サセプタ217は、反応容器203とは電気的に絶縁されている。
サセプタ217は、反応容器203内にて、複数枚(本実施形態では例えば5枚)の基板200を同一面上に、かつ基板の中心を同一円周上に並べて支持するように構成されている。ここで、同一面上とは、完全な同一面に限られるものではない。例えば、サセプタ217を上面から見たときに、図2及び図3に示すように、複数枚の基板200が互いに重ならないように並べられていればよい。
サセプタ217の上面には、基板200の支持位置に、基板200が載置されるための凹部として、基板載置部217bが設けられている。基板載置部217bを、ザグリ部217bと呼ぶこともある。基板載置部217bは、サセプタ217の回転の中心に対してその周囲に配置されており、複数枚の基板200を支持できるように好ましくは複数設けられている。例えば、複数の基板載置部217bが、同一円周状に設けられている。各基板載置部217bは、基板200に対応する形状、例えば円形状を有し、その直径が基板200の直径よりもわずかに大きくなるように構成されている。基板載置部217b内に基板200を載置することにより、基板200の位置決めを容易に行うことができる。基板載置部217bはザグリ形状で設けられているので、基板載置部217bの、基板200が載置される面(底面)は、サセプタ217の上面よりも低い位置に配置されている。
図4及び図5に示すように、サセプタ217には、サセプタ217を昇降させる昇降駆動部としての昇降機構268が設けられている。サセプタ217には、基板載置部217b内に貫通孔217aが複数設けられている。反応容器203の底面には、押上げピン266が複数設けられている。それぞれの押上げピン266の上方に、リフトピン280が、貫通孔217aを貫通するように設けられている。
反応容器203内への基板200の搬入・搬出時には、すなわち、サセプタ217を基板搬送位置まで下降させた状態では、図4に示されているように、押上げピン266上に支持されたリフトピン280が、サセプタ217を下方から貫通し、サセプタ217の上面で突出して、基板200を下方から支持する。一方、基板200の処理時には、すなわち、サセプタ217を基板処理位置まで上昇させた状態では、図5に示されているように、リフトピン280の上端部は基板載置部(ザグリ部)217bの底面以下の位置に埋没して、基板載置部217bの底面が、基板200を下方から支持する。
なお、本例では、図5に示すように、サセプタ217に載置された基板200の上面の高さと、サセプタ217の上面の高さとが等しい場合を例示するが、例えば処理ガスの種類により、基板上面がサセプタ上面よりも高い場合も低い場合もある。
昇降機構268には、サセプタ217を回転させる回転駆動部として回転機構267が設けられている。サセプタ217と回転機構267とを合わせてサセプタ機構220とも表現する。サセプタ機構220に、昇降機構268等を含めてもよい。回転機構267の図示しない回転軸は、サセプタ217に接続されており、回転機構267を作動させることでサセプタ217を回転させることができるように構成されている。回転機構267には、後述する制御部221が、カップリング部を介して接続されている。カップリング部は、回転側と固定側との間を金属ブラシ等により電気的に接続するスリップリング機構として構成されている。これにより、サセプタ217の回転が妨げられないようになっている。制御部221は、サセプタ217を所定の速度で所定時間回転させるように、回転機構267への通電具合を制御するように構成されている。上述したように、サセプタ217を回転させることにより、サセプタ217上の基板載置部217bに載置された基板200は、第1の処理領域201a、第1のパージ領域204a、第2の処理領域201b及び第2のパージ領域204bをこの順番に移動することとなる。
サセプタ217には、各基板載置部217bに対して、基板載置部217bの外周に接するように配置され、サセプタ217の上面において突出する凸部として、例えば、ピン形状の部材である飛出し防止ピン281が設けられている。
飛出し防止ピン281は、基板載置部217bの中心よりもサセプタ217の回転の半径方向において外側となる位置に設けられることが好ましい。また、飛出し防止ピン281は、基板載置部217bの中心とサセプタ217の回転中心を通る直線上の位置に設けられることが好ましく、基板載置部217bの中心とサセプタ217の回転中心を通る直線に対して線対称となる位置に少なくとも1組(2個)設けられることがより好ましい。図3等に示すように、ここでは、1組(2個)の飛出し防止ピン281を設けた場合について例示している。
サセプタ217に複数設けられた飛出し防止ピン281の、サセプタ217上における全体的な平面配置としては、サセプタ217の回転中心を中心とする同一円周上に設けられていることが好ましい。仕切り板205に形成された切欠き部291も、同じ円周上に設けられる。
図4に示すように、反応容器203内への基板200の搬入・搬出時に、サセプタ217を基板搬送位置まで下降させた状態で、基板200や真空搬送ロボット112が飛出し防止ピン281と干渉しないよう、サセプタ217の上面で突出したリフトピン280の高さよりも、飛出し防止ピン281の高さが低くなるように、飛出し防止ピン281の高さが設定されている。なお、言い換えると、基板200の搬入・搬出時に、飛出し防止ピン281の高さよりもリフトピン280の高さが高くなるように、リフトピン280の高さが設定されている。
基板200の処理時には、各処理領域201a,201bや各パージ領域204a,204bの気密性を高めるために、仕切り板205とサセプタ217の上面との距離を短くすることが好ましい。図5に示すように、基板200の処理時に、サセプタ217を基板処理位置まで上昇させた状態では、切欠き部291の内部に飛出し防止ピン281の上端部が入り込むことで、つまり、サセプタ217の回転時に飛出し防止ピン281が切欠き部291を通過することで、飛出し防止ピン281と仕切り板205とが干渉することが抑制されている。飛出し防止ピン281の、サセプタ217の上面からの高さは、1mm以上5mm以下の範囲内の高さとすることが好ましい。
サセプタが回転する際、基板200に遠心力が発生する。なお、この遠心力により、わずかながら、基板載置部217b内に載置された基板200の外側方向への位置ずれが発生してしまうことがある。また、この位置ずれにより、基板200と基板載置部217bの底面との間及び基板200の周縁部と基板載置部217bの内側面が接触することで、パーティクルが発生してしまうことがある。このような位置ずれや、発生したパーティクルの飛散は、後述のような圧力の制御により、抑制することができる。
(加熱部)
サセプタ217の内部には、加熱部としてのヒータ218が一体的に埋め込まれており、基板200を加熱できるように構成されている。ヒータ218に電力が供給されると、基板200表面が所定温度(例えば室温〜1000℃程度)にまで加熱されるようになっている。なお、ヒータ218は、サセプタ217に載置されたそれぞれの基板200を個別に加熱するように、同一面上に複数(例えば5つ)設けてもよい。
サセプタ217には温度センサ274が設けられている。ヒータ218及び温度センサ274には、電力供給線222を介して、温度調整器223、電力調整器224及びヒータ電源225が電気的に接続されている。温度センサ274により検出された温度情報に基づいて、ヒータ218への通電具合が制御されるように構成されている。
(ガス供給部)
反応容器203の上側には、第1の処理ガス導入機構251と、第2の処理ガス導入機構252と、不活性ガス導入機構253と、を備え、処理室内へ各種ガスを供給するガス供給機構250が設けられている。ガス供給機構250は、反応容器203の上側に開設された開口に気密に設けられている。第1の処理ガス導入機構251の側壁には、第1のガス噴出口254が設けられている。第2の処理ガス導入機構252の側壁には、第2のガス噴出口255が設けられている。不活性ガス導入機構253の側壁には、第1の不活性ガス噴出口256及び第2の不活性ガス噴出口257がそれぞれ対向するように設けられている。ガス供給機構250は、第1の処理ガス導入機構251から第1の処理領域201a内に第1の処理ガスを供給し、第2の処理ガス導入機構252から第2の処理領域201b内に第2の処理ガスを供給し、不活性ガス導入機構253から第1のパージ領域204a内及び第2のパージ領域204b内に不活性ガスを供給するように構成されている。ガス供給機構250は、各処理ガス及び不活性ガスを混合させずに個別に供給することができる。また、ガス供給機構250は、各処理ガス及び不活性ガスを併行して供給することができるように構成されている。
本実施形態によるガス供給機構250は、反応容器203の中央部、すなわち、サセプタ217の中央の上方に設けられている。これにより、各処理ガス及び不活性ガスは、サセプタ217の中央側から外周側に向けて供給される。つまり、ガス供給機構250は、仕切り板205で仕切られた第1の処理領域201a、第1のパージ領域204a、第2の処理領域201b、第2のパージ領域204bのそれぞれにおいて、中央側から外周側に向けてガスを供給するように構成されている。また、本実施形態においては、サセプタ217の外周側から各処理ガス及び不活性ガスが排気されるように構成されている。
(処理ガス供給部)
第1の処理ガス導入機構251の上流側には、第1のガス供給管232aが接続されている。第1のガス供給管232aの上流側には、上流方向から順に、原料ガス供給源233a、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)234a、及び開閉弁であるバルブ235aが設けられている。
第1のガス供給管232aからは、第1のガス(第1の処理ガス)として、例えば、シリコン含有ガスが、マスフローコントローラ234a、バルブ235a、第1のガス導入部251及び第1のガス噴出口254を介して、第1の処理領域201a内に供給される。シリコン含有ガスとしては、例えばトリシリルアミン((SiHN、略称:TSA)ガスを用いることができる。なお、第1の処理ガスは、常温常圧で固体、液体、及び気体のいずれであっても良いが、ここでは気体として説明する。第1の処理ガスが常温常圧で液体の場合は、原料ガス供給源233aとマスフローコントローラ234aとの間に、図示しない気化器を設ければよい。
なお、シリコン含有ガスとしては、TSAの他に、例えば有機シリコン材料であるヘキサメチルジシラザン(C19NSi、略称:HMDS)、トリスジメチルアミノシラン(Si[N(CHH、略称:3DMAS)、ビスターシャリブチルアミノシラン(SiH(NH(C))、略称:BTBAS)等を用いることができる。
第2の処理ガス導入機構252の上流側には、第2のガス供給管232bが接続されている。第2のガス供給管232bの上流側には、上流方向から順に、原料ガス供給源233b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)234b、及び開閉弁であるバルブ235bが設けられている。
第2のガス供給管232bからは、第2のガス(第2の処理ガス)として、例えば酸素含有ガスである酸素(O)ガスが、マスフローコントローラ234b、バルブ235b、第2の処理ガス導入機構252及び第2のガス噴出口255を介して、第2の処理領域201b内に供給される。第2の処理ガスである酸素ガスは、後述のプラズマ生成部206によりプラズマ状態とされ、基板200に供給される。なお、第2の処理ガスである酸素ガスは、ヒータ218の温度及び反応容器203内の圧力を所定の範囲に調整し、熱で活性化させてもよい。なお、酸素含有ガスとしては、オゾン(O)ガスや水蒸気(HO)を用いてもよい。
主に、第1の処理ガス導入機構251、第1のガス供給管232a、マスフローコントローラ234a及びバルブ235aにより、第1の処理ガス供給部(シリコン含有ガス供給系ともいう)が構成される。なお、原料ガス供給源233a、第1の処理ガス導入機構251、第1のガス噴出口254を、第1の処理ガス供給部に含めて考えてもよい。また、主に、第2の処理ガス導入機構252、第2のガス供給管232b、マスフローコントローラ234b及びバルブ235bにより、第2の処理ガス供給部(酸素含有ガス供給系ともいう)が構成される。なお、原料ガス供給源233b、第2の処理ガス導入機構252、第2のガス噴出口255を、第2の処理ガス供給部に含めて考えてもよい。そして、主に、第1のガス供給系及び第2のガス供給系により、処理ガス供給部が構成される。第1の処理ガス供給部と第2の処理ガス供給部を合わせて処理ガス供給部とも表現する。
(不活性ガス供給部)
不活性ガス導入機構253の上流側には、第1の不活性ガス供給管232cが接続されている。第1の不活性ガス供給管232cの上流側には、上流方向から順に、不活性ガス供給源233c、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)234c、及び開閉弁であるバルブ235cが設けられている。
第1の不活性ガス供給管232cからは、不活性ガスとして、例えば窒素(N)ガスが、マスフローコントローラ234c、バルブ235c、不活性ガス導入機構253、第1の不活性ガス噴出口256及び第2の不活性ガス噴出口257を介して、第1のパージ領域204a内及び第2のパージ領域204b内にそれぞれ供給される。第1のパージ領域204a内及び第2のパージ領域204b内に供給される不活性ガスは、後述する成膜工程(S106)ではパージガスとして作用する。なお、不活性ガスとしては、Nガスのほか、例えばHeガス、Neガス、Arガス等の希ガスを用いることができる。
第1のガス供給管232aのバルブ235aよりも下流側には、第2の不活性ガス供給管232dの下流端が接続されている。第2の不活性ガス供給管232dの上流端は、第1の不活性ガス供給部のマスフローコントローラ234cとバルブ235cとの間に接続されている。第2の不活性ガス供給管232dには、開閉弁であるバルブ235dが設けられている。
また、第2のガス供給管232bのバルブ235bよりも下流側には、第3の不活性ガス供給管232eの下流端が接続されている。第3の不活性ガス供給管232eの上流端は、第1の不活性ガス供給部のマスフローコントローラ234cとバルブ235cとの間に接続されている。第3の不活性ガス供給管232eには、開閉弁であるバルブ235eが設けられている。
第3の不活性ガス供給管232eからは、不活性ガスとして、例えばNガスが、マスフローコントローラ234c、バルブ235e、第2のガス供給管232b、第2の処理ガス導入機構252及び第2のガス噴出口255を介して、第2の処理領域201b内に供給される。第2の処理領域201b内に供給される不活性ガスは、第1の処理領域201a内に供給される不活性ガスと同様に、成膜工程(S106)ではキャリアガス或いは希釈ガスとして作用する。
主に、第1の不活性ガス供給管232c、マスフローコントローラ234c及びバルブ235cにより第1の不活性ガス供給部が構成される。なお、不活性ガス供給源233c、不活性ガス導入機構253、第1の不活性ガス噴出口256、第2の不活性ガス噴出口257を、第1の不活性ガス供給部に含めて考えてもよい。また、主に、第2の不活性ガス供給管232d及びバルブ235dにより第2の不活性ガス供給部が構成される。なお、不活性ガス供給源233c、マスフローコントローラ234c、第1のガス供給管232a、第1のガス導入部251及び第1のガス噴出口254を、第2の不活性ガス供給部に含めて考えてもよい。また、主に、第3の不活性ガス供給管232e及びバルブ235eにより第3の不活性ガス供給部が構成される。なお、不活性ガス供給源233c、マスフローコントローラ234c、第2のガス供給管232b、第2の処理ガス導入機構252及び第2のガス噴出口255を、第3の不活性ガス供給部に含めて考えてもよい。そして、主に、第1の不活性ガス供給部、第2の不活性ガス供給部、第3の不活性ガス供給部により、不活性ガス供給部が構成される。
(プラズマ生成部)
図3に示すように、第2の処理領域201aの上方には、供給された処理ガスをプラズマ状態とするプラズマ生成部206が設けられている。プラズマ状態とすることで、低温で基板200の処理を行うことができる。プラズマ生成部206は、例えば、少なくとも一対の対向する電極を備えている。該電極には、絶縁トランスが電気的に接続されている。高周波電源の出力する交流電力が、整合器を介して電極に供給されると、電極の周辺にプラズマが生成されるように構成されている。
電極は、サセプタ217に支持された基板200の処理面から5mm以上25mm以下の高さ位置に、基板200の処理面と対向するように配置することが好ましい。このように、電極を基板200の処理面の極近傍に設けると、活性化させた処理ガスが基板200に到達する前に失活してしまうことを抑制できる。
(排気部)
図4及び図5に示すように、反応容器203には、処理領域201a,201b内及びパージ領域204a,204b内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231には、反応容器203内(処理領域201a,201b内及びパージ領域204a,204b内)の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245、及び圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ243を介して、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されており、反応容器203内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。本実施形態では、反応容器203内に導入された各処理ガス及び不活性ガスは、サセプタ217の外周部から排気管231へと排気される。なお、APCバルブ243は、弁を開閉して反応容器203内の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調節して圧力調整可能となっている開閉弁である。主に、排気管231、APCバルブ243、及び圧力センサ245により排気部が構成される。なお、真空ポンプ246を排気部に含めて考えてもよい。
(制御部)
次に、図6を用い、本実施形態の制御部(制御手段)であるコントローラ221について説明する。
図6に示されているように、制御部(制御手段)であるコントローラ221は、CPU(Central Processing Unit)221a、RAM(Random Access Memory)221b、記憶装置221c、I/Oポート221dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM221b、記憶装置221c、I/Oポート221dは、内部バス221eを介して、CPU221aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ221には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置226が接続されている。
記憶装置221cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置221c内には、基板処理装置100の動作を制御する制御プログラムや、後述する成膜処理等の基板処理の手順や条件などが記載されたプロセスレシピが、読み出し可能に格納されている。なお、プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ221に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。なお、本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。また、RAM221bは、CPU221aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
I/Oポート221dは、上述のマスフローコントローラ234a,234b,234c、バルブ235a,235b,235c,235d,235e、圧力センサ245、APCバルブ243、真空ポンプ246、ヒータ218、温度センサ274、電力調整器224、ヒータ電源225、温度調整器223、回転機構267、昇降機構268等に接続されている。
CPU221aは、記憶装置221cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置226からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置221cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。そして、CPU221aは、読み出したプロセスレシピの内容に沿うように、マスフローコントローラ234a,234b,234cによる各種ガスの流量調整動作、バルブ235a,235b,235c,235d,235eの開閉動作、APCバルブ243の開閉動作及び圧力センサ245に基づくAPCバルブ243による圧力調整動作、温度センサ274に基づくヒータ218の温度調整動作、真空ポンプ246の起動および停止、回転機構267によるサセプタ217の回転および回転速度調節動作、昇降機構268によるサセプタ217の昇降動作等を制御するように構成されている。
なお、コントローラ221は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)227を用意し、係る外部記憶装置227を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態に係るコントローラ221を構成することができる。なお、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置227を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置227を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。なお、記憶装置221cや外部記憶装置227は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置221c単体のみを含む場合、外部記憶装置227単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。
(3)基板処理工程
続いて、本実施形態にかかる半導体製造工程の一工程として、上述した反応容器203を備えるプロセスチャンバ202bを用いて実施される基板処理工程について、図7及び図8を用いて説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置100のプロセスチャンバ202の構成各部の動作は、コントローラ221により制御される。
ここでは、第1のガスとして、シリコン含有ガスであるトリシリルアミン(TSA)を用い、第2の処理ガスとして、酸素含有ガスである酸素ガスを用い、基板200上に絶縁膜として酸化シリコン膜(SiO膜、以下、単にSiO膜ともいう)を形成する例について説明する。
(基板搬入・載置工程(S102))
まず、基板200の搬送位置までサセプタ217を下降させることで、サセプタ217に対して相対的にリフトピン280の上端部を上昇させて、リフトピン280の上端部がサセプタ217の上面で突出した状態とする。上述のように、この時、リフトピン280の高さは、飛出し防止ピン281の高さよりも高くなっている。続いて、ゲートバルブ244aを開き、第1の基板移載機112を用いて、反応容器203内に所定枚数(例えば5枚)の基板200(処理基板)を搬入する。そして、第1の基板移載機112は、搬入した基板200を、複数(例えば5個)の基板載置部217bにそれぞれ設けられた各リフトピン280上に水平姿勢で載置する。この際、基板200は、反応容器203の外周側から、飛び出し防止ピン280の上方を通過してリフトピン280上に載置される。
基板200を反応容器203内に搬入し、リフトピン280上に載置したら、第1の基板移載機112を反応容器203外へ退避させ、ゲートバルブ244aを閉じて反応容器203内を密閉する。その後、基板200の処理位置までサセプタ217を上昇させることで、サセプタ217に対して相対的にリフトピン280の上端部を下降させる。つまり、サセプタ217に対して相対的に基板200を下降させる。このようにして、第1の処理領域201a、第1のパージ領域204a、第2の処理領域201b、第2のパージ領域204bの各底面のサセプタ217に設けられた基板載置部217b上に、それぞれ基板200を載置する。
なお、基板200を反応容器203内に搬入する際には、排気部により反応容器203内を排気しつつ、不活性ガス供給部から反応容器203内にパージガスとしてのNガスを供給することが好ましい。即ち、真空ポンプ246を作動させ、APCバルブ243を開けることにより、反応容器203内を排気しつつ、少なくとも第1の不活性ガス供給部のバルブ235cを開けることにより、反応容器203内にNガスを供給することが好ましい。これにより、処理領域201内へのパーティクルの侵入や、基板200上へのパーティクルの付着を抑制することが可能となる。ここで、さらに第2の不活性ガス供給部及び第3の不活性ガス供給部から不活性ガスを供給してもよい。なお、真空ポンプ246は、少なくとも基板搬入・載置工程(S102)から後述する基板搬出工程(S108)が終了するまでの間は、常に作動させた状態とする。
(昇温・圧力調整工程(S104))
続いて、サセプタ217の内部に埋め込まれたヒータ218に電力を供給し、基板200の表面が所定の温度(例えば200℃以上であって400℃以下)となるように加熱する。この際、ヒータ218の温度は、温度センサ274により検出された温度情報に基づいてヒータ218への通電具合を制御することによって調整される。
なお、シリコンで構成される基板200の加熱処理では、表面温度を750℃以上にまで加熱すると、基板200の表面に形成されたソース領域やドレイン領域等に不純物の拡散が生じ、回路特性が劣化し、半導体デバイスの性能が低下してしまう場合がある。基板200の温度を上述のように制限することにより、基板200の表面に形成されたソース領域やドレイン領域における不純物の拡散、回路特性の劣化、半導体デバイスの性能の低下を抑制できる。
また、基板200を加熱しつつ、回転機構267を作動して、サセプタ217の回転を開始させる。この際、サセプタ217の回転速度はコントローラ221によって制御される。サセプタ217を回転させることにより、基板200は、第1の処理領域201a、第1のパージ領域204a、第2の処理領域201b、第2のパージ領域204bの順に移動を開始し、各領域を基板200が通過する。サセプタ217の回転開始時は、回転速度が徐々に上昇し、回転停止時には回転速度は徐々に下降する。回転開始時は、例えば0〜120rpmの間をリニアに上昇させる。これを30秒から1分間程度継続する。このサセプタ217の回転を開始する開始時及び回転が停止する際を含め回転速度が変化する間とも表現する。また、後述する基板処理を行う際のサセプタ217を回転速度が一定(安定)している間を回転速度が一定である間とも表現する。
回転速度が変化する間、サセプタ217の回転速度を上げつつ、反応容器203内の圧力を第1の圧力に上昇させていく。反応容器203内の圧力が上がることにより、基板200は基板載置部217bの底面に押し付けられ、遠心力による急加速を伴う基板200の位置移動が起きづらくなる。また、基板200が基板載置部217bを移動し、基板200と基板載置部200bの間の摩擦によってパーティクルが発生してしまった場合でも、パーティクルの飛散を抑えることが可能となる。
排気系のAPCバルブ243の調整による圧力の上昇を行う場合には、反応容器203内が所望の圧力(例えば0.1Pa〜300Pa、好ましくは20Pa〜40Pa)となるように、反応容器203内を真空ポンプ246によって真空排気する。この際、反応容器203内の圧力は図中省略の圧力センサで測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ243の開度をフィードバック制御する。
また、不活性ガス(例えばNガス)の供給量を増加させて第1の圧力へ上昇させる場合には、第1のガス供給部のバルブ235aと第2のガス供給部のバルブ235bを閉じる。更に第1の不活性ガス供給部のバルブ235c、第2の不活性ガス供給部のバルブ235d、第3の不活性ガス供給部のバルブ235eを開にする。この状態で不活性ガスを反応容器203内に供給することにより、各領域を不活性ガス雰囲気とし、圧力が上昇される。
このとき、所定の時間(基板200が基板載置部217b内で遠心力により徐々に移動し、基板載置部217bの周縁部側面に接触するまでの時間)をかけて基板200が移動し、摩擦によるパーティクルの発生を抑制することが可能となる。さらに、基板載置部217bの周縁部側面が基板200を支持することで、サセプタ回転中の基板200の位置ズレや、基板載置部217bから基板200が飛び出すことを防ぐことが可能となる。
尚、基板200が基板載置部217b内で遠心力により徐々に移動し、基板載置部217bの周縁部側面に接触するまでの時間(所定の時間)の間を初期回転工程と呼ぶ。
(成膜工程(S106))
所定の時間(基板200が基板載置部217b内で遠心力により徐々に移動し、基板載置部217bの周縁部側面に接触するまでの時間)経過後、サセプタ217の回転速度を維持する。サセプタ217の回転速度が維持されたら、第1のガス供給部のバルブ235aと第2のガス供給部のバルブ235bを開とする。第1の不活性ガス供給部のバルブ235cは引き続き開とし、第2の不活性ガス供給部のバルブ235d、第3の不活性ガス供給部のバルブ235eは、ガスの種類に応じて開閉を制御する。具体的には、第1のガスが常温で液体となる原料ガスの場合は、バルブ235dを開とし、キャリアガスとしてNガスを使用する。第1のガスがそれ以外の場合は、第1のガスの希釈を防ぐためバルブ235dは閉とする。第2のガスの希釈を防ぐため、第3の不活性ガス供給部のバルブ235eは閉とする。この際、処理ガスの反応温度より基板温度が低いため、第1のガスと第2のガスは反応しない。
この成膜工程であるサセプタ217の回転速度が一定である間の反応容器203内の圧力は、サセプタ217の回転速度が上がっている(変化している)際の第1の圧力より低い第2の圧力とする。換言すると、サセプタ217の回転速度が変化する間は、反応容器203の圧力を第1の圧力とし、サセプタ217の回転速度が一定である間は、反応容器203の圧力を第1の圧力より低い第2の圧力とする。(図9参照)
成膜工程におけるサセプタ217の一定の回転速度は、例えば120rpmであり、例えば60rpm以上の高速となっている。サセプタ217の回転速度が高いほど、単位時間の成膜サイクル数が増え、膜厚が増加し、単位時間の処理枚数を増加させることができる。しかしながら、回転速度をこのような高速とした場合、サセプタの外周方向の遠心力が大きくなることで、基板200が基板載置部217bから外周側へ飛び出す可能性が高くなる。
飛出し防止ピン281は、基板載置部217bの外周に接するように配置され、サセプタ217の上面において突出するように設けられている。これにより、遠心力により基板200が基板載置部217bから外周側へ飛び出すことを、より確実に防止することができる(遠心力により基板200が基板載置部217bから外周側へ飛び出すことを、飛出し防止ピン281が設けられていない場合と比べて抑制することができる)。
以下、成膜工程におけるガスの供給態様等について、より詳細に説明する。第1の処理領域201a内に第1の処理ガスとしてのTSAガスを供給し、第2の処理領域201b内に第2の処理ガスとしての酸素ガスを供給して、基板200上にSiO膜を成膜する工程を例に、成膜工程を説明する。なお、以下の説明では、TSAガス、酸素ガス、不活性ガスを併行してそれぞれの領域に供給する。換言すれば、TSAガスの供給、酸素ガスの供給、不活性ガスの供給は、少なくとも基板に対する処理が完了する間は継続して行われる。
基板200を加熱して所望とする温度に達し、サセプタ217が所望とする回転速度に到達(所定の時間:基板200が基板載置部217b内で遠心力により徐々に移動し、基板載置部217bの周縁部側面に接触するまでの時間)したら、少なくともバルブ235a,バルブ235b及びバルブ235cを同時に開け、処理ガス及び不活性ガスの処理領域201及びパージ領域204への供給を開始する。
即ち、バルブ235aを開けて第1の処理領域201a内にTSAガスを供給し、バルブ235bを開けて第2の処理領域201b内に酸素ガスを供給することで、処理ガス供給部から処理ガスを供給する。さらにバルブ235cを開けて第1のパージ領域204a及び第2のパージ領域204b内に不活性ガスであるNガスを供給することで、不活性ガス供給部から不活性ガスを供給する。
第1の処理領域201aや第2の処理領域201bには、基板処理に影響する量の不活性ガスが混入しないよう、処理ガスの供給量を調整する。このようにすると、処理領域における基板処理において、不活性ガスが基板200に形成された膜と供給されたガスとの間の反応を邪魔することがないので、不活性ガスが処理領域に供給される場合と比べ、成膜速度を高くすることができる。
このとき、APCバルブ243を適正に調整して反応容器203内の圧力を、例えば10Pa〜1000Paの範囲内の圧力とする。このときヒータ218の温度は、基板200の温度が、例えば200℃〜400℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。
圧力を調整する際、バルブ235aを開け、第1のガス供給管232aから第1のガス導入機構251及び第1のガス噴出口254を介して第1の処理領域201aにTSAガスを供給しつつ、排気管231から排気する。このとき、TSAガスの流量が所定の流量となるように、マスフローコントローラ232cを調整する。なお、マスフローコントローラ232cで制御するTSAガスの供給流量は、例えば100sccm〜5000sccmの範囲内の流量とする。
また、バルブ235bを開け、第2のガス供給管233aから第2のガス導入機構252及び第2のガス噴出口255を介して第2の処理領域201bに酸素ガスを供給しつつ、排気管231から排気する。このとき、酸素ガスの流量が所定の流量となるように、マスフローコントローラ233cを調整する。なお、マスフローコントローラ233cで制御する酸素ガスの供給流量は、例えば1000sccm〜10000sccmの範囲内の流量とする。
また、バルブ235a、バルブ235b、バルブ235cを開け、パージガスとしての不活性ガスであるNガスを、第1の不活性ガス供給管234aから不活性ガス導入機構253、第1の不活性ガス噴出口256及び第2の不活性ガス噴出口257を介して第1のパージ領域204a及び第2のパージ領域204bにそれぞれ供給しつつ排気する。このとき、Nガスの流量が所定の流量となるように、マスフローコントローラ234cを調整する。なお、仕切り板205の端部と反応容器203の側壁との隙間を介し、第1のパージ領域204a内及び第2のパージ領域204b内から第1の処理領域201a内及び第2の処理領域201b内に向けて不活性ガスを噴出させることで、第1のパージ領域204a内及び第2のパージ領域204b内への処理ガスの侵入を抑制することができる。
ガスの供給開始と共に、第2の処理領域201bの上方に設けられたプラズマ生成部206に高周波電源から高周波電力を供給する。第2の処理領域201b内に供給され、プラズマ生成部206の下方を通過した酸素ガスは、第2の処理領域201b内でプラズマ状態となり、これに含まれる活性種が基板200に供給される。
酸素ガスは反応温度が高く、上述のような基板200の処理温度、反応容器203内の圧力では反応しづらいが、本実施形態のように酸素ガスをプラズマ状態とし、これに含まれる活性種を供給するようにすると、例えば400℃以下の温度帯でも成膜処理を行うことができる。なお、第1の処理ガスと第2の処理ガスとで要求する処理温度が異なる場合、処理温度が低い方の処理ガスの温度に合わせてヒータ218を制御し、処理温度を高くする必要のある他方の処理ガスを、プラズマ状態として供給するとよい。このようにプラズマを利用することにより基板200を低温で処理することができ、例えばアルミニウム等の熱に弱い配線等を有する基板200に対する熱ダメージを抑制することが可能となる。また、処理ガスの不完全反応による生成物等の異物の発生を抑制することができ、基板200上に形成する薄膜の均質性や耐電圧特性等を向上させることができる。また、プラズマ状態とした酸素ガスの高い酸化力によって、酸化処理時間を短縮することができる等、基板処理の生産性を向上させることができる。
上述したように、サセプタ217を回転させることにより、基板200は、第1の処理領域201a、第1のパージ領域204a、第2の処理領域201b、第2のパージ領域204bの順に移動を繰り返す。
各領域を通過する際、基板200には、TSAガスの供給、Nガスの供給(パージ)、プラズマ状態とされた酸素ガスの供給、Nガスの供給(パージ)が交互に所定回数実施されることになる。ここで、成膜処理シーケンスの詳細について、図8を用いて説明する。
(第1の処理ガス領域通過(S202))
まず、第1の処理領域201aを通過した基板200表面及びサセプタ217の基板が載置されていない部分にTSAガスが供給され、基板200上にシリコン含有層が形成される。第1の処理領域201aには、第1の処理ガス導入機構251から第1のガス噴出口254を通して、水平方向にガスが噴出される。
(第1のパージ領域通過(S204))
次に、シリコン含有層が形成された基板200が第1のパージ領域204aを通過する。このとき、第1のパージ領域を通過する基板200に対して不活性ガスであるNガスが供給される。
(第2の処理ガス領域通過(S206))
次に、第2の処理領域201bを通過した基板200及びサセプタ217の基板が載置されていない部分に酸素ガスが供給される。基板200上にはシリコン酸化層(SiO層)が形成される。即ち、酸素ガスは、第1の処理領域201aで基板200上に形成されたシリコン含有層の少なくとも一部と反応する。これにより、シリコン含有層は酸化されて、シリコン及び酸素を含むSiO層へと改質される。第2の処理領域201bには、第2の処理ガス導入機構252から第2のガス噴出口255を通して、水平方向にガスが噴出される。
(第2のパージ領域通過(S208))
そして、第2の処理領域201bでSiO層が形成された基板200が第2のパージ領域204bを通過する。このとき、第2のパージ領域を通過する基板200に対して不活性ガスであるNガスが供給される。
(サイクル数の確認(S210))
このように、サセプタ217の1回転を1サイクルとし、即ち第1の処理領域201a、第1のパージ領域204a、第2の処理領域201b及び第2のパージ領域204bの基板200の通過を1サイクルとし、このサイクルを少なくとも1回以上行うことにより、基板200上に所定膜厚のSiO膜を成膜することができる。ここでは、前述のサイクルを所定回数実施したか否かを確認する。サイクルを所定の回数実施した場合、所望の膜厚に到達できたと判断し、成膜処理を終了する。サイクルを所定の回数実施しなかった場合、即ち所望の膜厚に到達できなかったと判断し、S202に戻りサイクル処理を継続する。
S210にて、前述のサイクルを所定回数実施し、基板200上に所望の膜厚のSiO膜が形成されたと判断した後、少なくともバルブ235a及びバルブ235bを閉じ、TSAガス及び酸素ガスの第1の処理領域201a及び第2の処理領域201bへの供給を停止する。このとき、プラズマ生成部206への電力供給も停止する。さらに、ヒータ218の通電量を制御して温度を低くするか、あるいはヒータ218への通電を停止する。更に、サセプタ217の回転速度を徐々に下げ回転を停止する。この時、回転速度によって基板200の位置ずれが起きる場合、更に圧力を上昇させて、基板200の位置ずれを防止する。
(基板搬出工程(S108))
成膜工程106が終了したら、次のように基板を搬出する。まず、基板200の搬送位置までサセプタ217を下降させることで、サセプタ217に対して相対的にリフトピン280の上端部を上昇させて、リフトピン280上に基板200を支持させる。そして、ゲートバルブ244aを開き、第1の基板移載機112を用いて基板200を反応容器203の外へ搬出し、本実施形態に係る基板処理工程を終了する。この際、リフトピン280上に支持されていた基板200は、飛び出し防止ピン280の上方を通過して反応容器203の外周側に設けられたゲートバルブ244aから搬出される。なお、上記において、基板200の温度、反応容器203内の圧力、各ガスの流量、プラズマ生成部206に印加する電力、処理時間等の処理条件等は、改質対象の膜の材料や膜厚等によって任意に調整する。
(4)本実施形態による効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果が得られる。
(a)基板載置部(ザグリ部)217bに載置された基板200は、凹部内に配置されていることにより、サセプタ217の回転に伴う遠心力で外側に飛び出すことが抑制されている。しかし、回転速度が高速(例えば60rpm以上)になると、基板200が基板載置部217bから飛び出す可能性が高くなる。本実施形態によれば、基板載置部217bの外周に接するように設けられ、サセプタ217の上面において突出する飛出し防止ピン281により、基板載置部217bに載置された基板200がサセプタ217の回転に伴う遠心力で外側に飛び出すことを、より確実に防止することができる。これにより、サセプタ217を、高速で回転させることができ、単位時間の成膜サイクル数が増え、膜厚が増加し、単位時間の処理枚数を増加させることができる。
(b)飛出し防止ピン281は、好ましくは、基板載置部217bの外周に接する位置であって、基板載置部217bの中心よりもサセプタ217の回転の半径方向において外側となる位置に設けられる。また、飛出し防止ピン281は、好ましくは、基板載置部217bの外周に接する位置であって、基板載置部217bの中心とサセプタ217の回転中心を通る直線上の位置に設けられる。飛出し防止ピン280をこのような位置に設けることにより、基板200がサセプタ217の半径方向外側に向かう遠心力を受けても、基板載置部217b内から逸脱しないように飛出し防止ピン280に支持される。従って基板200の飛び出しを、効果的に抑制することができる。
(c)飛出し防止ピン281は、より好ましくは、基板載置部217bの外周に接する位置であって、基板載置部217bの中心とサセプタ217の回転中心を通る直線に対して線対称となる位置に少なくとも1組(2個)設けられる。飛出し防止ピン281をこのように配置することで、遠心力に対して2点以上でバランス良く基板200を支持することができるので、基板200の飛び出しを、より確実に防止することができる。
(d)飛出し防止ピン281の、サセプタ217の上面からの高さは、好ましくは、1mm以上5mm以下の範囲内の高さとする。飛出し防止ピン281の高さを1mm以上とすることにより、充分な飛出し防止効果を得ることができる。また、飛出し防止ピン281を5mm以下とすることで、仕切り板205の切欠き部291を充分に小さくすることができる。仕切り板205の切欠き部291が大きくなりすぎると、仕切り板20を挟んで隣接する領域間での気密性が低下してしまうが、飛出し防止ピン281を5mm以下として切欠き部291を小さくすることにより、充分な気密性を得ることができる。
(e)仕切り板205のサセプタ217の上面と対向する面には、飛出し防止ピン281が通過するための切欠き部291が設けられている。切欠き部291により、基板処理時に飛出し防止ピン281と仕切り板205とが干渉しないように、仕切り板205とサセプタ217とを充分に近接させることができる。これにより、各処理領域201a,201bや各パージ領域204a,204bの気密性を充分に高くすることができる。処理ガス等の領域間での拡散を抑制でき、不純物の少ない高品質な成膜ができる。
(f)飛出し防止ピン281と切欠き部291とは、好ましくは、サセプタ217の回転中心を中心とする同一円周上に設けられる。すべての飛出し防止ピン281が、同一円周上に配置されていることで、仕切り板205に設けられる切欠き部291の配置を、半径方向について1カ所のみにすることができる。これにより、切欠き部291の数を減らし、各領域間が連通する部分を小さくすることができるので、各領域間の気密性を高めることが容易になる。
(g)飛出し防止ピン281は、好ましくは、基板載置部217bの中心よりもサセプタ217の回転の半径方向において外側となる位置に設けられる。飛出し防止ピン281が、サセプタ217の外側位置に設けられていることにより、サセプタ中央側から外周側に向かうガスの流れが、基板軌道領域(基板200が通過する領域)の上において、飛出し防止ピン281の影響で乱れるのを抑えることができる。基板面内でのガスの流れの均一性低下を抑制することができ、基板面内における膜厚の均一化を図ることができる。
(h)反応容器203内への基板200の搬入・搬出時に、サセプタ217を基板搬送位置まで下降させた状態において、サセプタ217の上面で突出したリフトピン280の高さよりも低くなるように、飛出し防止ピン281の高さが設定されている。これにより、基板200の搬送時において、飛出し防止ピン281と、基板200や真空搬送ロボット112が干渉することを防ぐことができる。
(5)変形例
上述の実施形態では、基板200及び基板載置部(ザグリ部)217bを円形状とした場合について、1組(2個)の飛出し防止ピン281を設けた例について説明した。基板200や基板載置部217bの形状や、飛出し防止ピン281の配置は、上述の実施形態のものに限定されず、例えば以下のような種々の態様とすることもできる。
図10(a)〜図10(d)に、種々の態様のうちのいくつかの例について、基板載置部217bと、基板載置部217bに載置された基板200と、基板載置部217bの外周に設けられた飛出し防止ピン281の概略的な平面図を示す。サセプタ217に設けられる複数の基板載置部217bのうち、代表的に、1つ分の基板載置部217bを示す。図10(a)〜図10(d)には、サセプタ217の回転中心300と基板載置部217bの中心とを通る直線301を示している。図10(a)〜図10(d)に示すどの態様においても、飛出し防止ピン281は、基板載置部217bの中心よりもサセプタ217の回転の半径方向において外側となる位置に設けられている。
図10(a)には、上述の実施形態で例示したものと同様な態様を示す。基板200及び基板載置部217bは円形状であり、直線301に対して線対称となる位置に、1組(2個)の飛出し防止ピン281が設けられている。1組の飛出し防止ピン281は、サセプタ217の回転中心300を中心とする同一円周302上に配置されている。なお、他の基板載置部217bの外周に設けられている飛出し防止ピン281も、同一円周302上に配置することができる。
図10(b)には、第1の変形例を示す。基板200及び基板載置部217bは円形状であり、直線301上に、1個の飛出し防止ピン281が設けられている。なお、図示されている基板載置部217bの外周に設けられている飛出し防止ピン281、及び、他の基板載置部217bの外周に設けられている飛出し防止ピン281は、サセプタ217の回転中心300を中心とする同一円周302上に配置することができる。
図10(c)には、第2の変形例を示す。基板200及び基板載置部217bは円形状であり、直線301に対して線対称となる位置に、2組(4個)の飛出し防止ピン281が設けられている。1組の飛出し防止ピン281は、サセプタ217の回転中心300を中心とする同一円周302上に配置されており、また、他の1組の飛出し防止ピン281は、サセプタ217の回転中心300を中心とする他の同一円周303上に配置されている。なお、他の基板載置部217bの外周に設けられている飛出し防止ピン281も、同一円周302上または同一円周303上に配置することができる。
図10(d)には、第3の変形例を示す。基板200及び基板載置部217bは正方形状である。基板200及び基板載置部217bが正方形の場合、基板載置部217bの対角線の一方がサセプタ217の回転の半径方向と一致するように、基板載置部217bが設けられることが好ましい。直線301に対して線対称となる位置に、1組(2個)の飛出し防止ピン281が設けられている。1組の飛出し防止ピン281は、サセプタ217の回転中心300を中心とする同一円周302上に配置されている。なお、他の基板載置部217bの外周に設けられている飛出し防止ピン281も、同一円周302上に配置することができる。なお、第3の変形例のように、基板200及び基板載置部217bが正方形状である場合についても、2組(4個)以上の飛出し防止ピン281を設けてもよい。
図10(a)、図10(b)及び図10(d)に示す例では、飛出し防止ピン281が配置された同一円周302上に、つまり、半径方向について1カ所のみに、仕切り板205の切欠き部291を配置することができる。図10(c)に示す例では、飛出し防止ピン281が配置された同一円周302上、及び同一円周303上に、つまり、半径方向について2カ所に、仕切り板205の切欠き部を配置することができる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上述の実施形態では、仕切り部(分割構造体)として仕切り板を用いる例について説明したが、仕切り部の構造は、隣り合う処理ガス供給領域間でガスを混合させないような構造であれば、特に限定されない。例えば、パージガス供給領域の天井を低くしてパージガスの流速を高める構造や、パージガス専用の排気部を設けて、処理ガスを混合させないようなガス流れを設ける構造でも良い。このような構造の場合であっても、飛出し防止ピン281が通過するための切欠き部を仕切り部に設けることができる。
また、上述の実施形態では、基板200の飛び出しを防止する構造として飛出し防止ピン281を用いたが、ピン形状に限らず、基板の飛び出しを防止するための凸型形状を有する構造であれば良い。但し、サセプタ217の平面方向に大きさを持つと、反応容器203内のガスの流れを乱したり、仕切り部に設ける切欠き部を大きくする必要があるため、ピンのように細い形状である方がより好ましい。
また例えば、上述の実施形態では、サセプタ217の昇降によりリフトピン280をサセプタ217に対して相対的に昇降させる例について説明したが、リフトピンの構造は、特に制限されず、リフトピン自体が昇降するようなものであっても良い。
更には、本実施形態においては、ガスを供給する好ましい形態として、サセプタ中央から外側に向けガスを供給しているが、それに限らず、サセプタと対向する基板処理室の上側にサセプタ中央から外側に亘りノズルを設け、このノズルに設けられた複数のガス供給口からガスを供給することもできる。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に設けられるサセプタと、
前記サセプタを回転させる回転駆動部と、
前記サセプタの上面に設けられ、前記サセプタの回転の中心に対してその周囲に配置される、 基板が載置されるための凹部(ザグリ部)と、
前記凹部の外周に接するように設けられ、前記サセプタの上面において突出する凸部と、
前記サセプタの回転中心を中心として前記処理室内を複数の処理領域に分割する仕切り部と、
前記仕切り部の前記サセプタ上面と対向する位置に設けられる、前記凸部が通過するための切欠き部と、
を有する基板処理装置が提供される。
(付記2)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記凸部と前記切欠き部は、前記サセプタの回転中心を中心とする同一円周上に設けられる。
(付記3)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記サセプタを昇降させる昇降駆動部と、
前記サセプタが下降した状態において、前記サセプタを下方から貫通し、前記サセプタ上面で突出するよう構成されたリフトピンと、
前記基板を前記リフトピン上に載置する基板搬送機構と、
前記昇降駆動部を制御して前記サセプタを下降させ、前記基板搬送機構を制御してサセプタ上面で突出した前記リフトピン上に前記基板を載置させるよう構成された制御部と、を有し、
前記凸部の高さは、サセプタ上面で突出した前記リフトピンの高さよりも低い。
(付記4)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記凸部は、前記凹部の中心よりも前記サセプタの回転の半径方向において外側となる位置に設けられる。
(付記5)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記凸部は、前記凹部の中心と前記サセプタの回転中心を通る直線上の位置に設けられる。
(付記6)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記凸部は、前記凹部の中心と前記サセプタの回転中心を通る直線に対して線対称となる位置に少なくとも1組(2個)設けられる。
(付記7)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記凹部は、前記サセプタの上面に複数設けられる。
(付記8)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記凹部は円形である。
(付記9)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記凹部は正方形である。
(付記10)
付記9に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記凹部は、当該凹部の対角線の一方が前記サセプタの回転の半径方向と一致するように前記サセプタ上面に設けられる。
(付記11)
付記10に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記凸部は、前記凹部の対角線に対して線対称となる位置に少なくとも1組(2個)設けられる。
(付記12)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記凸部は複数設けられ、前記複数の凸部は前記サセプタの回転中心を中心とする同一円周上に設けられる。
(付記13)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記凸部は、高さが1mm〜5mmの範囲のピン形状である。
(付記14)
本発明の他の態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内において回転可能に構成されたサセプタと、
前記サセプタの上面に設けられ、前記サセプタの回転の中心に対してその周囲に配置される、 前記基板が載置されるための凹部と、
前記凹部の外周に接するように設けられ、前記サセプタの上面において突出する凸部と、
前記サセプタの回転中心を中心として前記処理室内を複数の処理領域に分割する仕切り部と、
前記仕切り部の前記サセプタ上面と対向する位置に設けられる、前記凸部が通過するための切欠き部と、
を有する基板処理装置を準備する(提供する)工程と、
前記凹部に前記基板を載置する工程と、
前記サセプタを回転させる工程と、
前記複数の処理領域にそれぞれ不活性ガス及び処理ガスの少なくともいずれか一方を供給する工程と、
を有する半導体装置の製造方法が提供される。
(付記15)
付記14に記載の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、
前記凹部に前記基板を載置する工程は、前記凸部の高さよりも高くなるようにリフトピンを前記サセプタ上面で突出させる工程と、突出した状態である前記リフトピン上に前記基板を載置する工程と、を含む。
(付記16)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内において回転可能に構成されたサセプタと、
前記サセプタの上面に設けられ、前記サセプタの回転の中心に対してその周囲に配置される、前記基板が載置されるための凹部と、
前記凹部の外周に接するように設けられ、前記サセプタの上面において突出する凸部と、
前記サセプタの回転中心を中心として前記処理室内を複数の処理領域に分割する仕切り部と、
前記仕切り部の前記サセプタ上面と対向する位置に設けられる、前記凸部が通過するための切欠き部と、
を有する基板処理装置において、
前記凹部に前記基板を載置する手順と、
前記サセプタを回転させる手順と、
前記複数の処理領域にそれぞれ不活性ガス及び処理ガスの少なくともいずれか一方を供給する手順と、
をコンピュータに実行させるプログラム(を記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体)が提供される。
(付記17)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板処理装置に搭載され回転するように設けられるサセプタであって、
前記サセプタの上面に設けられ、前記サセプタの回転の中心に対してその周囲に配置される、基板が載置されるための凹部(ザグリ部)と、
前記凹部の外周に接するように設けられ、前記サセプタの上面において突出する凸部と、
を備える前記サセプタが提供される。
本発明によれば、凹部の外周に接するように設けられ、サセプタの上面において突出する凸部により、凹部に載置された基板がサセプタの回転に伴う遠心力で外側に飛び出すことを抑制することができる。
100・・・基板処理装置、 200・・・基板、 201・・・処理室、 203・・・反応容器、 205・・・仕切り板(仕切り部、分割構造体)、 217・・・基板支持台(サセプタ、回転トレー)、 217b・・・基板載置部(凹部、ザグリ部)、 221・・・コントローラ(制御部)、 280・・・リフトピン、 281・・・飛出し防止ピン(凸部)、 291・・・切欠き部

Claims (10)

  1. 基板を処理する処理室と、
    前記処理室内に設けられるサセプタと、
    前記サセプタを回転させる回転駆動部と、
    前記サセプタの上面に設けられ、前記サセプタの回転の中心に対してその周囲に配置される、基板が載置されるための凹部と、
    前記凹部の外周に接するように設けられ、前記サセプタの上面において突出する凸部と、
    前記サセプタの回転中心を中心として前記処理室内を複数の処理領域に分割する仕切り部と、
    前記仕切り部の前記サセプタ上面と対向する位置に設けられる、前記凸部が通過するための切欠き部と、
    を有する基板処理装置。
  2. 請求項1記載の基板処理装置であって、
    前記凸部と前記切欠き部は、前記サセプタの回転中心を中心とする同一円周上に設けられる。
  3. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記凸部は複数設けられ、前記複数の凸部は前記サセプタの回転中心を中心とする同一円周上に設けられる。
  4. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記サセプタを昇降させる昇降駆動部と、
    前記サセプタが下降した状態において、前記サセプタを下方から貫通し、前記サセプタ上面で突出するよう構成されたリフトピンと、
    前記基板を前記リフトピン上に載置する基板搬送機構と、
    前記昇降駆動部を制御して前記サセプタを下降させ、前記基板搬送機構を制御してサセプタ上面で突出した前記リフトピン上に前記基板を載置させるよう構成された制御部と、を有し、
    前記凸部の高さは、サセプタ上面で突出した前記リフトピンの高さよりも低い。
  5. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記凸部は、前記凹部の中心よりも前記サセプタの回転の半径方向において外側となる位置に設けられる。
  6. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記凸部は、前記凹部の中心と前記サセプタの回転中心を通る直線上の位置に設けられる。
  7. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記凸部は、前記凹部の中心と前記サセプタの回転中心を通る直線に対して線対称となる位置に少なくとも1組設けられる。
  8. 基板を処理する処理室と、
    前記処理室内において回転可能に構成されたサセプタと、
    前記サセプタの上面に設けられ、前記サセプタの回転の中心に対してその周囲に配置される、前記基板が載置されるための凹部と、
    前記凹部の外周に接するように設けられ、前記サセプタの上面において突出する凸部と、
    前記サセプタの回転中心を中心として前記処理室内を複数の処理領域に分割する仕切り部と、
    前記仕切り部の前記サセプタ上面と対向する位置に設けられる、前記凸部が通過するための切欠き部と、
    を有する基板処理装置を準備する工程と、
    前記凹部に前記基板を載置する工程と、
    前記サセプタを回転させる工程と、
    前記複数の処理領域にそれぞれ不活性ガス及び処理ガスの少なくともいずれか一方を供給する工程と、
    を有する半導体装置の製造方法。
  9. 請求項8に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記凹部に前記基板を載置する工程は、前記凸部の高さよりも高くなるようにリフトピンを前記サセプタ上面で突出させる工程と、突出した状態である前記リフトピン上に前記基板を載置する工程と、を含む。
  10. 基板処理装置に搭載され回転するように設けられるサセプタであって、
    前記サセプタの上面に設けられ、前記サセプタの回転の中心に対してその周囲に配置される、基板が載置されるための凹部と、
    前記凹部の外周に接するように設けられ、前記サセプタの上面において突出する凸部と、
    を備え
    前記凹部は、正方形であり、前記凹部の対角線の一方が前記サセプタの回転の半径方向と一致するように前記サセプタ上面に設けられ、
    前記凸部は、前記凹部の対角線に対して線対称となる位置に少なくとも1組設けられる前記サセプタ。
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