JP6275980B2 - 物体検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、探査波を用いて物体を検知する物体検知装置に関する。
従来、探査波を送信し、その反射波を受信することにより物体を検知する物体検知装置が知られている。具体的には、探査波として、超音波によるバースト波を送信し、探査波の送信から反射波の受信までに要した時間に基づいて、前方物体までの距離を推定する装置が知られている。
この物体検知装置では、例えば、バースト波として所定周波数の正弦波を一定時間送信し、バースト波と同期した周波数の基準信号を用いて、反射波の受信信号に対して直交復調を行う(特許文献1参照)。
前方物体との相対速度がゼロである場合には、ドップラーシフトが生じないために探査波と反射波の周波数が基本的に一致し、基準信号に対する受信信号の位相(位相差)は、探査波の送信から受信までの経路長に応じた一定値を採る。従って、高周波成分除去後の復調信号に対応する複素ベクトルは、複素平面(IQ平面)において一定方向を向く。
一方、ノイズは、複素平面において一定方向に定まらない。従来装置では、このような現象を利用して、複素ベクトルをベクトル加算してなるベクトル和を算出し、反射波のベクトル和がノイズのベクトル和に対して大きい値で現れるようにする。そして、このベクトル和に基づき、反射波の受信を検知し、前方物体までの距離を推定する。
特開2005−249770号公報
ところで、上述したベクトル和を算出して前方物体までの距離を推定する手法では、次のような問題がある。即ち、前方物体との相対速度がゼロでない場合には、ドップラーシフトの影響を受けて探査波に対する反射波の周波数が変化する。
このような探査波(基準信号)とは周波数の異なる反射波に関しては、基準信号に対する受信信号の位相が、その周波数差に応じて時間変化する。即ち、前方物体との相対速度がゼロではない場合、高周波成分除去後の復調信号に対応する複素ベクトルは、ドップラーシフトに起因する周波数差に応じた角速度で複素平面上を回転する。
従って、複素ベクトルの位相に対してドップラーシフトの影響を取り除くための補正を行わなければ、反射波に対応する複素ベクトルを、複素平面上において一定方向に向けることができず、S/N比を改善して、精度良く反射波の受信を検知し、前方物体までの距離を推定することができない。
このため、従来技術によれば、前方物体との相対速度として採り得る複数の速度帯毎に、その速度帯に応じた量だけ複素ベクトルの位相を補正することにより、ドップラーシフトによる複素ベクトルの複素平面上での回転を抑えるようにしている。この技術によれば、速度帯毎に求めたベクトル和の内、反射波を生じさせた前方物体との相対速度に一致する速度帯のベクトル和が強調され、大きな値を示す。この大きな値を示すベクトル和に基づいて、反射波の受信を検知する。
しかしながら、この技術によれば、速度帯毎にベクトル和を算出する必要がある。即ち、効率的に反射波の受信を検知することができない。本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、相対速度が生じている状況下においても効率的に反射波の受信を検知可能な技術を提供することを目的とする。
本発明の物体検知装置は、送受信手段と、生成手段と、検出手段と、変化量算出手段と、判別手段とを備える。送受信手段は、所定周波数の探査波を送信し、到来波を受信する。生成手段は、探査波に対応する周波数の基準信号を生成する。
検出手段は、基準信号及び送受信手段からの受信信号に基づき、基準信号に対する受信信号の位相を検出する。変化量算出手段は、検出手段により検出された位相の単位時間毎の変化量を算出する。
判別手段は、変化量算出手段により算出された変化量の分布に基づき、受信信号の中から、検知対象の物体によって生じた探査波の反射波の特徴を示す信号を、検知対象信号として判別する。物体検知装置は、例えば、この判別手段により判別された検知対象信号に基づいて物体を検知する。
送受信手段からの受信信号には、探査波に対応する検知対象の物体によって生じた反射波の受信信号の他に、送受信手段の暗ノイズなどが含まれる。ここで、ノイズに該当する受信信号に対応する上記変化量の分布は、規則性のない分布を採る。一方、検知対象の物体によって生じた反射波の受信信号に対応する上記変化量の分布は、上記物体と物体検知装置との間において相対位置や相対速度の変化がある環境下でも、ノイズと比較して強い規則性を示す。
従って、本発明のように、変化量算出手段により算出された変化量の分布に基づき、検知対象信号を判別すれば、検知対象の物体によって生じた反射波の受信を高精度に検知することができ、ノイズによる影響を抑えて、高精度に物体を検知することができる。
具体的に、判別手段は、変化量のばらつきが基準未満である期間の受信信号を、検知対象信号として判別する構成にされ得る。また、判別手段は、送受信手段が探査波の送信を開始してから終了するまでの時間に対応する時間長単位で、この時間長に対応する期間における変化量の分布に関する統計値を算出し、算出した統計値に基づき、この期間における受信信号が検知対象信号であるか否かを判別する構成にされ得る。
「変化量のばらつき」を表す値や「変化量の分布に関する統計値」としては、変化量の分散又は標準偏差を一例に挙げることができる。例えば、判別手段は、上記統計値として変化量の分散又は標準偏差を算出し、算出した分散又は標準偏差が基準未満である期間の受信信号を、検知対象信号として判別する構成にされ得る。このように判別手段を構成すれば、簡単な手順で高精度に検知対象信号を判別することができる。
付言すれば、検出手段は、受信信号の位相に加えて、受信信号の振幅を検出する構成にされ得る。そして、物体検知装置は、検知対象信号の振幅の和が閾値を超えたことを条件に、検知対象の物体によって生じた反射波の受信を検知する受信検知手段を備えた構成にされ得る。このように反射波の受信を検知することで、ノイズの影響を抑えて高精度に注目する反射波の受信を検知することができる。
別例として、物体検知装置は、加算手段と設定手段とを備えた構成にされ得る。加算手段は、受信信号が検知対象信号として判別された期間の各時刻における受信信号の複素ベクトルをベクトル加算してなるベクトル和を算出する。ここで言う「受信信号の複素ベクトル」とは、受信信号の振幅及び位相(上記基準信号に対する位相)に対応する振幅及び位相を示す正弦波の複素ベクトルのことである。
加算手段は、ベクトル和を算出するに先立って、各時刻における上記複素ベクトルの位相を補正し、位相補正後の各時刻における複素ベクトルをベクトル加算してなる上記ベクトル和を算出する。
一方、設定手段は、上記加算手段による位相の補正量を設定する。設定手段は、検出手段により検出された位相の時間変化に基づき、各時刻における上記複素ベクトルの位相の補正量として、ドップラーシフトに起因する位相のシフト量に対応する補正量を設定する。
この物体検知装置には、受信検知手段として、加算手段により算出されたベクトル和に基づき、検知対象の物体によって生じた反射波の受信を検知する手段を設けることができる。具体的には、加算手段により算出されたベクトル和の大きさが予め設定された閾値を超えたことを条件に、検知対象の物体によって生じた反射波の受信を検知する受信検知手段を設けることができる。
この物体検知装置によれば、ドップラーシフトの影響を抑えて、検知対象信号に対応するベクトル和を強調することができ、S/N比を改善して、相対速度の生じている検知対象の物体からの反射波を高精度に検知することができる。
また、検出手段は、上記基準信号を用いて受信信号に対する直交復調を行い、上記受信信号の位相及び振幅として、復調信号の位相及び振幅を検出する構成にされ得る。このように物体検知装置を構成すれば、直交復調の技術を用いて、検知対象の物体によって生じた反射波の受信を高精度に検知することができる。
物体検知装置の構成を表すブロック図である。 メインユニットにて実現される機能を示した機能ブロック図である。 メインユニットが実行する送受信処理を表すフローチャートである。 メインユニットが実行する補正圧縮処理を表すフローチャートである。 検知対象物体からの反射波受信時における受信信号の位相θの変化を上段に示し、ノイズに該当する受信信号の位相θの変化を下段に示したグラフ群である。 位相差Δθの確率密度関数を示したグラフである。 複素平面上における受信信号の複素ベクトルの回転及びベクトル和を説明した図である。 メインユニットが実行する物体検知処理を表すフローチャートである。 メインユニットが実行する異常検知処理を表すフローチャートである。 振動面に異物の付着がない正常時の受信信号の位相変化を上段に例示し、振動面に異物の付着がある異常時の受信信号の位相変化を下段に例示したグラフである。 補正圧縮処理の一部を示したフローチャートであって、変形例の位相補正手順を示したフローチャートである。
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。
図1に示す本実施例の物体検知装置1は、自動車等の車両に搭載され、探査波として超音波によるバースト波BWを送信し、この反射波を受信することにより、探査波送信方向に位置する物体の自車両に対する相対距離D及び相対速度Vを検出するものである。
この物体検知装置1は、送信信号生成ユニット10と、基準信号生成ユニット20と、送受波ユニット30と、A/D(アナログ/ディジタル)変換器40と、移相器50と、乗算器60,65と、ローパスフィルタ70,75と、メインユニット80とを備える。
送信信号生成ユニット10は、メインユニット80からの制御信号に基づき、所定角周波数ωのバーストパルス信号を、送信信号として生成するものである。送信信号生成ユニット10は、例えば正弦波のバーストパルス信号を送信信号として生成する。送信信号生成ユニット10によって生成されたバーストパルス信号は、基準信号生成ユニット20に入力されると共に、送受波ユニット30に入力される。
基準信号生成ユニット20は、送信信号生成ユニット10から入力されるバーストパルス信号の角周波数ωに同期した正弦波信号を、基準信号として生成し、この基準信号を移相器50及び乗算器60に入力する。具体的には、バーストパルス信号と一致する角周波数ωの正弦波信号を、基準信号として移相器50及び乗算器60に入力する。この基準信号生成ユニット20は、移相器50、乗算器60,65及びローパスフィルタ70,75と共に、直交復調回路(換言すれば位相検波回路)を構成する。
送受波ユニット30は、送信信号生成ユニット10からの上記送信信号に基づく所定角周波数ωのバースト波BWを探査波として送信する一方、到来波(反射波)を受信して、その受信信号をA/D変換器40に入力する。この送受波ユニット30は、超音波センサとして構成される。超音波センサとしては、圧電素子を用いて送信信号に基づく超音波を送信し、到来波を電気信号(受信信号)に変換するものが知られている。超音波センサには、共振周波数があり、送信信号生成ユニット10は、この共振周波数に対応した角周波数ωのバーストパルス信号を送受波ユニット30に入力する。
A/D変換器40は、送受波ユニット30から入力される受信信号を、ディジタル信号に変換して乗算器60,65に入力する。乗算器60には、この受信信号に加えて、基準信号生成ユニット20からの基準信号が移相器50を介さずに入力される。乗算器65には、基準信号生成ユニット20からの基準信号が移相器50により位相(−π/2)だけ変更されて入力される。
従って、基準信号が時刻tを変数とする関数f(t)=cos(ωt)で表され、受信信号が関数g(t)=A・cos(ω1・t+φ)で表されるとき、乗算器60からは、関数h1(t)=A・cos(ω1・t+φ)・cos(ωt)に対応する信号が出力される。一方、乗算器65からは、関数h2(t)=A・cos(ω1・t+φ)・cos(ωt−π/2)=−A・cos(ω1・t+φ)・sin(ωt)に対応する信号が出力される。
乗算器60からの出力信号は、ローパスフィルタ70に入力されて高周波成分が除去された後、受信信号の同相(In−Phase)成分であるI信号として出力される。関数h1(t)には、等式h1(t)=A・cos(ω1・t+φ)・cos(ωt)=(A/2)・{cos{(ω1+ω)t+φ}+cos{(ω1−ω)・t+φ}}が成立する。このことから理解できるように、I信号は、関数I(t)=(A/2)・cos{(ω1−ω)・t+φ}に対応する信号として出力される。
一方、乗算器65からの出力信号は、ローパスフィルタ75に入力されて高周波成分が除去された後、受信信号の直交(Quadrature)成分であるQ信号として出力される。関数h2(t)には、等式h2(t)=−A・cos(ω1・t+φ)・sin(ωt)=(−A/2)・{sin{(ω1+ω)t+φ}−sin{(ω1−ω)・t+φ}}が成立する。このことから理解できるように、Q信号は、関数Q(t)=(A/2)・sin{(ω1−ω)・t+φ}に対応する信号として出力される。
基準信号生成ユニット20、移相器50、乗算器60,65及びローパスフィルタ70,75を用いた受信信号に対する直交復調により得られた復調信号としてのI信号及びQ信号は、メインユニット80に入力される。
メインユニット80は、このI信号及びQ信号に基づいて、検知対象物体から生じた探査波の反射波の受信を検知する。検知対象物体としては、自車両と衝突する可能性のある物体を一例に挙げることができる。
続いて、メインユニット80の構成について説明する。本実施例のメインユニット80は、各種プログラムに従う処理を実行するCPU81と、当該各種プログラムを記憶するROM83と、CPU81による処理実行時に作業領域として使用されるRAM85とを備える。メインユニット80は、ROM83が記憶するプログラムに従う処理をCPU81にて実行することにより、各種機能を実現する。本明細書では、CPU81が実行する処理を、メインユニット80を動作主体として説明する。
メインユニット80は、上記各種プログラムに従う処理の実行により、図2に示す送受信処理部110、補正圧縮処理部120、物体検知処理部130、及び、異常検知処理部140として機能する。但し、メインユニット80は、汎用コンピュータ(マイクロコンピュータ)とプログラムとの組み合わせではなく、送受信処理部110、補正圧縮処理部120、物体検知処理部130及び異常検知処理部140として機能する専用のハードウェア回路を備えた構成にされてもよい。
メインユニット80は、図3に示す送受信処理を繰り返し実行することにより、送受信処理部110として機能する。メインユニット80は、送受信処理を開始すると、送信信号生成ユニット10を制御して、送信信号生成ユニット10にパルスバースト信号を生成させ、送受波ユニット30に探査波(バースト波BW)を送信させる(S110)。一方、送信終了時点から受信処理期間として定められた一定期間に送受波ユニット30から入力される受信信号に基づく復調信号の値(各時刻におけるI信号及びQ信号の値)を、メモリ(RAM85)に蓄積する(S120)。
以下、I信号及びQ信号の値のことを夫々I値及びQ値と表現する。更には、探査波(バースト波BW)の送信開始時点から送信終了時点までの時間長(バースト波BWの幅)のことを送波時間Teと表現する。I値及びQ値を蓄積する上記受信処理期間は、探査波が検知対象物体に反射して戻ってくるまでに要する時間よりも長い時間に設定される。
メインユニット80は、更に図4に示す補正圧縮処理を実行することにより、補正圧縮処理部120として機能し、受信パワーPを逐次算出する。具体的に、メインユニット80は、S110の実行によりバースト波BWが送信されると、そのバースト波BWの送信終了時点から規定時間が経過した後に補正圧縮処理を開始し、この補正圧縮処理を上記受信処理期間が終了するまで繰り返し実行する。
バースト波BWの送信終了後の上記規定時間は、残響期間に対応する。超音波センサである送受波ユニット30は、周知のように、送信信号生成ユニット10からのバーストパルス信号の入力が停止されても、自己が送信したバースト波BWの回り込み波の影響を受けて、しばらくの間振動する。メインユニット80は、バーストパルス信号の入力停止後(即ちバースト波の送信終了後)、回り込み波の影響による振動が終了するまでの残響期間として見積もられた上記規定時間の経過後、補正圧縮処理を開始する。
補正圧縮処理を開始すると、メインユニット80は、S120によってメモリ(RAM85)に逐次書き込まれる各時刻のI値及びQ値の内、最新時刻のI値及びQ値であるI[N]及びQ[N]を用いて、この最新時刻における受信信号(詳細には復調信号)の位相θ[N]=atan(Q[N]/I[N])及び振幅A[N]=(I[N]2+Q[N]21/2を算出する(S210)。位相θ[N]は、受信信号の基準信号に対する位相に対応する。
更に、メインユニット80は、位相θ[N]の前回値からの変化量である位相差Δθ[N]=θ[N]−θ[N−1]を算出する(S220)。前回の位相θ[N−1]は、位相θ[N]の1算出周期Ts前の位相に対応し、前回のS210で算出した位相に対応する。この算出周期(補正圧縮処理の実行周期)Tsは、バーストパルス信号の周期(2π/ω)に対応する。
その後、メインユニット80は、上記算出した位相θ[N]、振幅A[N]及び位相差Δθ[N]をRAM85に記憶する(S230)。更に、最新時刻(現時刻)の上記位相差Δθ[N]からRAM85に蓄積された所定期間前の位相差Δθ[1]までの各時刻における位相差Δθ[N],Δθ[N−1],…Δ[1]を用いて、所定期間における位相差Δθの標準偏差σを算出する(S240)。標準偏差σを算出する対象の上記所定期間の時間長は、送波時間Teに一致する。以下では、標準偏差σを算出する対象の上記所定期間のことを評価期間と表現する。
その後、メインユニット80は、上記評価期間の標準偏差σが予め定められた基準値σR未満であるか否かを判断し(S250)、標準偏差σが基準値σR未満であると判断すると(S250でYes)、上記評価期間における受信信号を、検知対象物体からの反射波の特徴を示す検知対象信号とみなして、S260に移行する。一方、メインユニット80は、標準偏差σが基準値σR以上であると判断すると(S250でNo)、上記評価期間における受信信号をノイズとみなして、S280に移行する。尚、送波時間Te分の位相差Δθ[n]のデータが蓄積されるまでは、補正圧縮処理全体の内、S210〜S230のみを実行するように、物体検知装置1は構成され得る。
ここで、標準偏差σが基準値σR未満であるときに、評価期間の受信信号を検知対象物体からの反射波の特徴を示す検知対象信号とみなす理由について説明する。検知対象物体と物体検知装置1(自車両)との相対速度がゼロである環境において、探査波が検知対象物体を反射することにより生じた反射波を送受波ユニット30が受信した場合には、ドップラーシフトが生じないために、基準信号と受信信号との間に周波数差がない。従って、その反射波の受信時においてS210で算出される位相θは、理論的には一定値を採り、位相差Δθはゼロを示す。
一方、検知対象物体と物体検知装置1との相対速度がゼロでない環境では、ドップラーシフトが生じるために、基準信号と受信信号との間に周波数差が生じる。このことに起因しては、基準信号に対する受信信号の位相θが変化するために、反射波の受信時には、位相差Δθがゼロではない値を示す。但し、相対速度が一定である場合には、ドップラー周波数fdが一定であることから、図5上段に示すように位相θは線形に変化し、位相差Δθは、理論的には一定値を採る。
車両の加減速によっては相対速度の変化が生じるために、実際には位相差Δθに変化が生じるが、探査波の送信から受信に要する時間は、数十ミリ秒程度の極短い時間であり、送波時間Teに生じる車両の相対距離及び相対速度の変化は、極小さいため無視できる。このために、受信信号が検知対象物体からの反射波である場合、位相差Δθの確率密度関数は、図6に実線で示すように鋭いピークを示し、位相差Δθの標準偏差σは、小さい値を示す。
一方、受信信号がノイズである場合には、図5下段に示すように位相θの変化に規則性がないために、位相差Δθが大きくばらつく。その結果、受信信号がノイズであるときの位相差Δθの確率密度関数は、図6に破線で示すように緩やかなピークを示し、標準偏差σは、受信信号が検知対象物体の反射波に対応するものであるときの標準偏差σよりも基本的に大きい値を示す。本実施例では、このような現象を利用して、標準偏差σが基準値σR未満であるときには、受信信号を検知対象物体からの反射波の特徴を示す検知対象信号とみなす。
標準偏差σが基準値σR未満であることで、S260に移行すると、メインユニット80は、上記評価期間における各時刻の受信信号(復調信号)の複素ベクトルA[n]・exp{iθ[n]}(n=1,…,N)を、複素ベクトルA[n]・exp{iθ[N]}(n=1,…,N)に変換することにより、受信信号の位相補正を行う。ここでの記号iは虚数記号である。
受信信号の複素ベクトルA[n]・exp{iθ[n]}は、図7において破線で示すように、ドップラーシフトの影響を受けて、複素平面上において時間経過と共に回転するが、本実施例では、位相θ[n]を、位相θ[N]に置換することにより、位相θ[n]をドップラーシフト分補正し、各時刻の複素ベクトルA[n]・exp{iθ[n]}(n=1,…,N)が、ドップラーシフトの影響により複素平面上において回転しないように複素ベクトルを補正する。
その後、メインユニット80は、S270に移行し、評価期間における各時刻の位相補正後の複素ベクトルA[n]・exp{iθ[N]}(n=1,…,N)をベクトル加算して、受信信号の複素ベクトル和Asumを算出する。
S270での処理を終えると、メインユニット80は、S290に移行する。尚、図7において実線で示す複素ベクトルは、受信信号の複素ベクトル和Asumを例示したものである。
一方、メインユニット80は、標準偏差σが基準値σR以上であることで、S280に移行すると、位相補正を行わずに、評価期間の各時刻における複素ベクトルA[n]・exp{iθ[n]}(n=1,…,N)をベクトル加算して、受信信号の複素ベクトル和Asumを算出する。その後、S290に移行する。
S290に移行すると、メインユニット80は、S270又はS280で算出したベクトル和Asumの絶対値二乗|Asum2を、評価期間における受信信号の受信パワーP=|Asum2として算出する。その後、補正圧縮処理を一旦終了する。メインユニット80は、このような内容の補正圧縮処理を、上記受信処理期間が終了するまで繰り返し実行する。
尚、数学的理解から、S270で算出したベクトル和Asumの絶対値二乗|Asum2は、評価期間における各時刻の受信信号の振幅A[n](n=1,…,N)の和の二乗に一致する。
従って、補正圧縮処理では、標準偏差σが基準値σR未満であると判断すると(S250でYes)、S260の処理を実行せずに、S270では、評価期間における各時刻の受信信号の振幅A[n](n=1,…,N)の和を算出し、S290では、その和の二乗を、評価期間における受信信号の受信パワーP=|Asum2として算出してもよい。
この他、メインユニット80は、補正圧縮処理(S290)の実行毎に、図8に示す物体検知処理を実行することにより、物体検知処理部130として機能し、受信パワーPに基づき、検知対象物体からの反射波の受信を検知する。
物体検知処理を開始すると、メインユニット80は、補正圧縮処理にて算出された受信パワーPが予め定められた閾値THを超えたか否かを判断する。即ち、受信パワーPが閾値THを下方から上方に跨ぐように変化したか否かを判断する(S310)。そして、否定判断すると(S310でNo)、物体検知処理を一旦終了する。
一方、受信パワーPが閾値THを超えたと判断すると(S310でYes)、メインユニット80は、検知対象物体からの反射波の受信を検知し、上記評価期間における位相差Δθの平均値ΔθAveから算出されるドップラー周波数fに基づき、物体検知装置1(自車両)に対する検知対象物体の相対速度Vを算出する(S320)。
更に、上記探査波の送信時点から、受信パワーPが閾値THを超えた時点である反射波の受信検知時点までの経過時間Tpと、探査波の伝播速度Cとに基づき、検知対象物体との相対距離Dとして、物体検知装置1から検知対象物体までの距離D=C・Tp/2を算出する(S330)。
その後、メインユニット80は、上記算出した相対速度V及び相対距離Dを記述した物体検知情報を、車両制御(制動制御等)を行う電子制御ユニット(ECU)に、車内LAN通信等を通じて提供し(S340)、当該物体検知処理を終了する。
この他、メインユニット80は、補正圧縮処理開始前の上記残響期間において、図9に示す異常検知処理を実行することにより、異常検知処理部140として機能し、送受波ユニット30(超音波センサ)の振動面に水滴等の異物が付着したことを検知する。
異常検知処理によって、送受波ユニット30の振動面に異物が付着したことを検知する理由は、次の通りである。即ち、振動面に水滴等の異物が付着している状態では、送受波ユニット30の指向性等の特性が変化し、受信信号がノイズであるのにも関わらず、受信パワーPが閾値THの初期値TH0を超えてしまう可能性がある。このような状態では、閾値TH=初期値TH0であると、受信信号がノイズであるのにも拘らず、物体検知処理において物体が検知されてしまう。また、異物により振動面が振動しづらくなり、受信信号の振幅が低下し、物体を検知しづらくなってしまう。
このような物体検知処理は、当然のことながら存在しない検知対象物体を検知してしまったり、検知したい検知対象物体を検知しづらくなってしまったりすることになるので好ましくない。本実施例では、このような理由から、異常検知処理を実行することにより、送受波ユニット30の振動面に異物が付着したことを検知する。
具体的に、異常検知処理では、残響期間における受信信号(復調信号)の位相変化量δに基づいて、送受波ユニット30の振動面に異物が付着している異常を検知する。振動面に異物が付着している場合には、振動面の特性が変化するために、残響期間における受信信号(復調信号)の位相変化が、図10に示すように正常時とは異なる。図10上段には、振動面に異物が付着していない正常時の受信信号(復調信号)の位相変化を示し、図10下段には、振動面に異物が付着している異常時の受信信号(復調信号)の位相変化を示す。
本実施例によれば、物体検知装置1が、振動面に異物が付着していない正常時における残響期間の位相変化量δを標準値δとして、ROM83に記憶する。標準値δは、物体検知装置1の出荷前にROM83に記憶される。但し、標準値δは、物体検知装置1において学習更新され得る。この場合、物体検知装置1は、ROM83としてのフラッシュメモリ内に、標準値δの学習値を記憶しておくことができる。
メインユニット80は、ROM83に記憶された標準値δに基づいて、送受波ユニット30の振動面に異物が付着している異常を検知する。
図9に示す異常検知処理を開始すると、メインユニット80は、RAM85に蓄積される残響期間の各時刻における受信信号のI値及びQ値に基づいて、残響期間の各時刻における受信信号(復調信号)の位相θ[m]及び振幅A[m](m=1,…,M)を算出し、RAM85に記憶する(S410)。
ここでは、残響期間の始点における受信信号の位相θ及び振幅Aを、位相θ[1]及び振幅A[1]で表現し、残響期間の終点における受信信号の位相θ及び振幅Aを、位相θ[M]及び振幅A[M]で表現する。
メインユニット80は、各時刻における受信信号の位相θ[m+1]の前回値からの位相差Δθ[m+1]=θ[m+1]−θ[m](m=1,…,M−1)を更に算出して、RAM85に記憶する(S410)。その後、メインユニット80は、残響期間における位相変化量δとして、残響期間における位相差Δθの平均値を次式に従って算出する(S420)。
この処理を終えると、メインユニット80は、S420で算出した上記位相変化量δの、標準値δからの誤差E=|δーδ|を算出し(S425)、誤差Eが予め定められた上限値以下であるか否かを判断する(S430)。そして、誤差Eが上限値以下である場合には(S430でYes)、送受波ユニット30の振動面に異物が付着する異常は発生していないと判定し(S440)、物体検知処理で用いる閾値THを、初期値TH0に設定して(S450)、当該異常検知処理を終了する。
一方、誤差Eが上限値を超えている場合(S430でNo)、メインユニット80は、送受波ユニット30の振動面に異物が付着する異常が発生していると判定して(S460)、物体検知処理で用いる閾値THを、初期値TH0よりも大きな値として定められた補正値TH1に設定し(S470)、当該異常検知処理を終了する。このようにして振動面に異物が付着する異常が生じている場合には、閾値THを初期値TH0より大きい値に設定すれば、受信信号がノイズであるのにも拘らず受信パワーPが閾値THを超えてしまい、検知対象物体を誤検知してしまう可能性を抑えることができる。
以上、本実施例の物体検知装置1の構成について説明した。本実施例によれば、送受波ユニット30からの受信信号がノイズ(回路ノイズを含む)であるときには、検知対象物体からの反射波を受信している場合と比較して、受信信号の基準信号に対する位相θの変化のばらつきが大きいことに着目し、受信信号の中から、検知対象物体からの反射波の特徴を示す受信信号(検知対象信号)を判別するようにした。具体的には、送波時間Teに対応する時間長単位で、この時間長に対応する評価期間における上記位相差Δθの標準偏差σを算出し、この標準偏差σが基準値σR未満である場合に、受信信号が検知対象信号であると判別するようにした。
従って、本実施例によれば、高精度に受信信号の中から検知対象信号を判別することができ、検知対象の物体によって生じた探査波の反射波の受信を高精度に検知することができる。結果、本実施例によれば、高精度に、検知対象物体に対する相対距離D及び相対速度Vを算出することができる。
特に、本実施例によれば、位相差Δθのばらつきに基づいて検知対象信号を判別するので、従来技術のように、検知対象物体との相対速度として採り得る速度帯毎に、速度帯に応じた量だけ複素ベクトルの位相を補正するような非効率な位相補正を行わずに済む。
付言すれば、従来技術では、受信信号の複素ベクトルに対する位相補正を行った後、位相補正後の複素ベクトルのベクトル和を算出し、このベクトル和の大きさが閾値を超えたことを条件に反射波の受信を検知していた。これに対し、本実施例によれば、検知対象信号の振幅Asumの和(上記実施例によれば振幅の和の二乗|Asum2)が閾値を超えたことを条件に反射波の受信を検知する程度で、従来技術と同様の効果を効率的に得ることができる。
また、本実施例によれば、振動面に異物が付着している異常を検知して、異常を検知した場合には、閾値THを初期値TH0より大きな値TH1に設定するようにした。従って、異物の付着を起因とした物体の誤検知を抑えることができ、高精度な物体検知装置1を構成することができる。
[変形例1]
上記実施例の異常検知処理では、送受波ユニット30の振動面に異物が付着する異常が発生していると判定した場合には(S460)、閾値THを、初期値TH0より大きい値TH1に設定するようにした(S470)。
しかしながら、S470では、閾値THを初期値TH0より大きな値に設定する代りに、物体の検知動作を禁止するようにしてもよい。即ち、残響期間終了後に補正圧縮処理及び物体検知処理を実行するのを止めるように、物体検知装置1は構成されてもよい。付言すると、物体検知装置1は、補正圧縮処理及び物体検知処理の実行に代えて、異常が生じている旨の報知動作を、警告ランプ等を通じて車両乗員に行う構成にされ得る。勿論、補正圧縮処理及び物体検知処理を実行しつつ、一方では、異常を報知するように、物体検知装置1は構成され得る。
[変形例2]
上記実施例の補正圧縮処理では、標準偏差σが基準値σR以上である環境でも、受信パワーPを算出するようにした。但し、標準偏差σが基準値σR以上である場合の受信パワーP(S290)は、小さな値を採る可能性が高い。また、標準偏差σが基準値σR以上である場合には、受信信号がノイズである可能性が非常に高い。
従って、S290では、標準偏差σが基準値σR以上である場合の受信パワーPを、形式的にゼロとして算出してもよい。付言すれば、標準偏差σが基準値σR以上である場合には、S280の処理を実行せずに、S290において、形式的に受信パワーPをゼロとして算出するように、補正圧縮処理は構成され得る。
類似の変形例として、物体検知装置1は、標準偏差σが基準値σR以上である場合には、この標準偏差σに対応する評価期間の受信パワーPに基づいた物体検知処理を実行しない構成にされてもよい。
[変形例3]
上記実施例のS260では、評価期間における各時刻の複素ベクトルA[n]・exp{iθ[n]}(n=1,…,N)を、複素ベクトルA[n]・exp{iθ[N]}(n=1,…,N)に変換することで、受信信号の位相補正を行った。しかしながら、S260における位相補正は、図11に示すように行われてもよい。図11は、S260の別例に対応するS261,S263の処理を特に示したフローチャートである。
S261では、評価期間における各時刻の位相θ[n](n=1,…,N)の補正量を{θ・(N−n)}に設定する。値θとしては、評価期間における位相差Δθの平均値を用いることができる。そして、S263では、各時刻における受信信号(復調信号)の複素ベクトルA[n]・exp{iθ[n]}(n=1,…,N)を、A[n]・exp{i(θ[n]+θ・(N−n))}に変換することで、複素ベクトルの位相θをドップラーシフト分補正する。
このように位相補正を行っても、ドップラーシフトの影響を抑えて、検知対象物体からの反射波の受信信号を、受信パワーPを算出する際に強調することができ、高精度に、検知対象物体からの反射波の受信を検知することができる。付言すると、値θは、位相差Δθの代表値であれば、平均値ではなくてもよく、例えば、集合{Δθ[N],Δθ[N−1],…,Δ[1]}の中央値を採用し得る。
[変形例4]
上記実施例のS420では、位相変化量δとして、残響期間における位相差Δθの平均値を算出した。しかしながら、位相変化量δとしては、残響期間における始点の位相θ[1]と終点の位相θ[M]との差を次式に従って算出することも可能である。
この場合には、ROM83に、標準値δとして、送受波ユニット30の振動面に異物が付着していない環境での残響期間における始点の位相θ[1]と終点の位相θ[M]との差の標準値を記憶することができる。
[変形例5]
上記実施例のS420では、残響期間における位相差Δθの平均値を、残響期間における位相変化量δとして算出した。しかしながら、位相変化量δとしては、次式に従って、残響期間における位相差Δθの合計値を算出することも可能である。この場合には、ROM83に、標準値δとして、送受波ユニット30の振動面に異物が付着していない環境での残響期間における位相差Δθの合計値を記憶する。
上述した残響期間における位相差Δθの合計値は、変形例4において、位相変化量δとして算出される残響期間における始点の位相θ[1]と終点の位相θ[M]との差δ=θ[M]−θ[1]と一見一致する。しかしながら、I値及びQ値を用いて算出される位相θは、0から2πの範囲に限られる。即ち、残響期間において位相θが2πを超えて変化する場合、変形例4の位相変化量δには、その2π以上の位相変化の情報が現れない。
これに対し、本変形例5によれば、残響期間の時間長よりも十分短い時間単位で位相差Δθを算出し、その合計値を算出するので、位相変化量δには、2π以上の位相変化の情報が現れる。本変形例5によれば、2π以上の位相変化の情報を位相変化量δに含ませることができ、より適切に異物の付着を検知することができる。
[他の実施形態]
本発明は、変形例を含む上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、S240では、標準偏差σに代えて分散σ2を算出し、S250では、分散σ2が予め定められた基準値σR 2未満であるか否かを判断するように、物体検知装置1は、構成されてもよい。
また、物体検知装置1は、一つの車両に一つのみ設けられてもよいし、複数設けられてもよい。一つの車両に複数の物体検知装置1が設けられる場合、異常検知処理は、S470において、自車両に搭載された全ての物体検知装置1の閾値THを、値TH1に補正する処理として構成され得る。この場合、複数の物体検知装置1は、互いに双方向通信可能に車両内に搭載され得る。即ち、本発明の物体検知装置を複数備えるシステムは、複数の物体検知装置1のうちの少なくとも一つにおいて異常が検知されると、全ての物体検知装置1における閾値THを補正する閾値補正手段を備えた構成にされ得る。
この他、物体検知装置1は、自動車用に限定されるものではなく、例えば、移動ロボットなどに搭載され得る。又は、携帯用の物体検知装置として構成され得る。また、物体検知装置1は、探査波として超音波を送信するものに限定されるものではなく、種々の探査波を用いた構成にされ得る。この他、物体検知装置1は、物体検知処理や異常報知処理を実行しない構成にされてもよい。例えば、物体検知装置1は、補正圧縮処理のS250にて肯定判断すると、物体を検知し、その旨をユーザに報知する程度の簡単な構成にされてもよい。
[対応関係]
最後に、用語間の対応関係について説明する。送受波ユニット30は、送受信手段の一例に対応し、基準信号生成ユニット20は、生成手段の一例に対応する。直交復調回路及びメインユニット80が実行するS210,S410によって実現される機能は、検出手段にて実現される機能の一例に対応する。
また、メインユニット80が実行するS220,S410によって実現される機能は、変化量算出手段によって実現される機能の一例に対応し、S240,S250によって実現される機能は、判別手段によって実現される機能の一例に対応する。メインユニット80が実行するS310によって実現される機能は、受信検知手段によって実現される機能の一例に対応する。
この他、メインユニット80が実行するS263,S270によって実現される機能は、加算手段によって実現される機能の一例に対応し、S261によって実現される機能は、設定手段によって実現される機能の一例に対応する。
また、メインユニット80が実行するS320によって実現される機能は、速度推定手段によって実現される機能の一例に対応し、S330によって実現される機能は、距離推定手段によって実現される機能の一例に対応する。
この他、メインユニット80が実行するS420〜S430によって実現される機能は、異常検知手段によって実現される機能の一例に対応し、S470によって実現される機能は、閾値補正手段によって実現される機能の一例に対応する。
1…物体検知装置、10…送信信号生成ユニット、20…基準信号生成ユニット、30…送受波ユニット、40…A/D変換器、50…移相器、60,65…乗算器、70,75…ローパスフィルタ、80…メインユニット、81…CPU、83…ROM、85…RAM、110…送受信処理部、120…補正圧縮処理部、130…物体検知処理部、140…異常検知処理部、BW…バースト波。

Claims (12)

  1. 物体検知装置(1)であって、
    所定周波数の探査波を送信する一方、到来波を受信する送受信手段(30)と、
    前記探査波に対応する周波数の基準信号を生成する生成手段(20)と、
    前記基準信号及び前記送受信手段からの受信信号に基づき、前記基準信号に対する前記受信信号の位相を検出する検出手段(50,60,65,70,75,80,S210,S410)と、
    前記検出手段により検出された前記位相の単位時間毎の変化量を算出する変化量算出手段(80,S220,S410)と、
    前記変化量算出手段により算出された前記変化量の分布に基づき、前記受信信号の中から、検知対象の物体によって生じた前記探査波の反射波の特徴を示す信号を、検知対象信号として判別する判別手段(80,S240,S250)と、
    前記探査波の回り込み波の受信に伴って前記送受信手段による前記探査波の送信が終了してからの所定期間に前記検出手段が検出する前記位相に生じる当該位相の変化量であって、前記送受信手段が正常動作しているときに生じる当該変化量の標準値である標準変化量を記憶する標準値記憶手段(83)と、
    前記検出手段により検出された前記位相の前記探査波の送信が終了してからの前記所定期間における変化量と前記標準変化量との差異に基づき、前記送受信手段の動作異常を検知する異常検知手段(80,S420〜S430)と、
    を備えることを特徴とする物体検知装置。
  2. 物体検知装置(1)であって、
    所定周波数の探査波として前記所定周波数のバースト波を送信する一方、到来波を受信する送受信手段(30)と、
    前記探査波に対応する周波数の基準信号を生成する生成手段(20)と、
    前記基準信号及び前記送受信手段からの受信信号に基づき、前記基準信号に対する前記受信信号の位相を検出する検出手段(50,60,65,70,75,80,S210,S410)と、
    前記検出手段により検出された前記位相に基づき、一つのバースト波に対応する前記到来波の受信期間において、各区間が前記一つのバースト波よりも短い時間間隔である複数区間のそれぞれでの位相の変化量を算出する変化量算出手段(80,S220,S410)と、
    前記変化量算出手段により算出された前記変化量の分布に基づき、前記受信信号の中から、検知対象の物体によって生じた前記探査波の反射波の特徴を示す信号を、検知対象信号として判別する判別手段(80,S240,S250)と、
    前記探査波の回り込み波の受信に伴って前記送受信手段による前記探査波の送信が終了してからの所定期間に前記検出手段が検出する前記位相に生じる当該位相の変化量であって、前記送受信手段が正常動作しているときに生じる当該変化量の標準値である標準変化量を記憶する標準値記憶手段(83)と、
    前記検出手段により検出された前記位相の前記探査波の送信が終了してからの前記所定期間における変化量と前記標準変化量との差異に基づき、前記送受信手段の動作異常を検知する異常検知手段(80,S420〜S430)と、
    を備えることを特徴とする物体検知装置。
  3. 前記判別手段は、前記変化量算出手段により算出された前記変化量の分布に基づき、前記変化量算出手段により算出された前記変化量のばらつきが基準未満である期間の前記受信信号を、前記検知対象信号として判別すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の物体検知装置。
  4. 前記判別手段は、前記送受信手段が前記探査波の送信を開始してから終了するまでの時間に対応する時間長単位で、この時間長に対応する期間における前記変化量算出手段により算出された前記変化量の分布に関する統計値を算出し、前記算出した統計値に基づき、この期間における前記受信信号が前記検知対象信号であるか否かを判別すること
    を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の物体検知装置。
  5. 前記判別手段は、前記統計値として前記変化量の分散又は標準偏差を算出し、前記算出した前記分散又は前記標準偏差が基準未満である期間の前記受信信号を、前記検知対象信号として判別すること
    を特徴とする請求項記載の物体検知装置。
  6. 前記検出手段は、前記受信信号の位相に加えて、前記受信信号の振幅を検出し、
    前記物体検知装置は、更に、
    前記検知対象信号の前記振幅の和が閾値を超えたことを条件に、前記検知対象の物体によって生じた前記反射波の受信を検知する受信検知手段(80,S310)
    を備えること
    を特徴とする請求項1〜請求項のいずれか一項記載の物体検知装置。
  7. 前記検出手段は、前記受信信号の位相に加えて、前記受信信号の振幅を検出し、
    前記物体検知装置は、更に、
    前記受信信号が前記検知対象信号として判別された前記期間の各時刻における前記受信信号の複素ベクトルとしての、前記各時刻における前記受信信号の前記振幅及び前記位相に対応する振幅及び位相を示す正弦波の複素ベクトル、をベクトル加算してなるベクトル和を算出する手段であって、前記各時刻における前記複素ベクトルの前記位相を補正し、前記ベクトル和として、当該位相補正後の前記各時刻における前記複素ベクトルをベクトル加算してなるベクトル和を算出する加算手段(80,S263,S270)と、
    前記加算手段による前記位相の補正量を設定する手段であって、前記検出手段により検出された前記位相の時間変化に基づき、前記各時刻における前記複素ベクトルの前記位相の前記補正量として、ドップラーシフトに起因する前記位相のシフト量に対応する補正量を設定する設定手段(80,S261)と、
    前記加算手段により算出された前記ベクトル和の大きさが予め設定された閾値を超えたことを条件に、前記検知対象の物体によって生じた前記反射波の受信を検知する受信検知手段(80,S310)と、
    を備えること
    を特徴とする請求項又は請求項記載の物体検知装置。
  8. 前記検出手段は、前記基準信号を用いて前記受信信号に対する直交復調を行い、前記受信信号の位相及び振幅として、復調信号の位相及び振幅を検出すること
    を特徴とする請求項又は請求項記載の物体検知装置。
  9. 前記受信検知手段が受信を検知した前記反射波についての前記位相の時間変化に基づき、前記反射波を生じさせた前記物体の相対速度を推定する速度推定手段(80,S320)
    を備えることを特徴とする請求項〜請求項のいずれか一項記載の物体検知装置。
  10. 前記受信検知手段が受信を検知した前記反射波についての前記探査波の送信から前記反射波の受信までの経過時間を特定し、前記経過時間に基づき、前記反射波を生じさせた前記物体までの相対距離を推定する距離推定手段(80,S330)
    を備えることを特徴とする請求項〜請求項のいずれか一項記載の物体検知装置。
  11. 前記異常検知手段により前記動作異常が検知されると前記閾値を補正する閾値補正手段(80,S470)
    を備えること
    を特徴とする請求項6〜請求項10のいずれか一項記載の物体検知装置。
  12. 前記閾値補正手段は、前記閾値を大きくする方向に補正すること
    を特徴とする請求項11記載の物体検知装置。
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