JP6275722B2 - 不純な結晶化スクロースを精製するプロセス - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、スクロース結晶化プロセスから生じるマスキットの遠心分離によって生じる流出物を濃縮するために多重効用流下液膜蒸発を適用することによる、不純な結晶化スクロース(原糖)の精製に関する。
用語
本明細書では、以下の用語が以下の意味を有する。
バガス:液汁の搾汁後、圧搾機(mill)から出るサトウキビ残渣。
沸点上昇:沸騰している糖溶液の温度と、沸騰している純水の温度との差であって、両方とも、同じ圧力で測定される。
Brix:屈折計を使った、糖、液汁、リカーまたはシラップ中の溶解固形物の尺度、あるいは、乾燥固形物屈折率(refractometric dry solids)と呼ばれる。スクロースおよび水だけを含む溶液については、Brix=糖の質量%となる。
遠心分離機:通常、細かい篩を使って、母液から糖結晶を分離するために使用される遠心分離機であって、結晶を篩に留めながら、母液が篩を通過するのを可能にする。
冷却結晶化:マスキットの冷却による結晶化。マスキットは、直接的溶解性を示し、溶解性閾値が温度とともに上昇し、その結果、単に溶液を冷却することによって結晶成長が起こる。従来、冷却は、より低温の冷却用流体流への、間接的熱伝達、すなわち、金属壁を通した熱伝達によって達成される。フラッシュ冷却によって、マスキットの必要な冷却を達成することもまた可能である。これは、フラッシュ蒸発が起こって、それによって生じる蒸気とともに取り除かれる潜熱の結果としてマスキットが冷却するまで、マスキットが受ける圧力を低減することによって達成される。起こる結晶化は、主に、もたらされるマスキット冷却の結果によるものであるが、ごく一部分は、起こる蒸発から生じる濃度の上昇に起因するであろう。両方の例で、これは、入熱によって起こる蒸発がない結晶化である。
結晶化:核生成および/または結晶の成長。
ストリームの結晶収率:結晶を含むストリームに使われて、ストリーム中の可溶性の固形物の全質量に占める割合として表される結晶の質量(すなわち、結晶の質量と母液中に溶解している固形物の質量の合計に占める割合としての結晶の質量)である。
プロセスの結晶収率:結晶を生産するプロセスに使われて、プロセスに入るストリーム中の可溶性の固形物の全質量に占める割合として表される、生産される結晶の質量である。
蒸発器効用:多重効用式システムとして連続して動作する蒸発器のシステムの1つ(例えば、第一効用、第二効用)。凝縮物および蒸気は、対応するようラベル付けされる(例えば、第一の凝縮物および蒸気1:それぞれ、第一の効用からの凝縮物および蒸気)。
蒸発結晶化:作用圧力を一定に保持することによって達成されるおよそ一定の温度で、溶質濃度を溶解閾値超に上げることによって結晶化が起こる。これを達成するために、溶質/溶媒質量比を、加熱によって起こる蒸発を使って増加させる。加熱は従来、間接加熱、すなわち金属壁を通って伝わる熱であり、沸騰している溶質の温度より高い飽和蒸気温度を有するスチームの凝縮によって放出される潜熱を使う。これは、結晶化を伴う濃縮である。
流下液膜蒸発器/蒸発:垂直または略垂直の表面上で蒸発が起こり、蒸発されるべき処理液が重力によって一続きの膜として下方に流れる熱交換器。流体が表面に沿って膜をつくり、下方に進行する(落下する)―それ故にこの名前がついている。流体が流れるための表面として、適切に設計されたプレートまたは管が使用され得るが、流下液膜蒸発器の他の実施形態が本記載の範囲に含まれることは理解されるであろう。流下液膜蒸発器は、例えば、結晶化による固形物のファウリング(fouling)に非常に影響されやすく、従って、蒸発結晶化での使用には不適切である。
リカー:糖シラップ、一般的に精糖において使用される用語。
マグマ:結晶とリカーとを混合することによってつくられる、これら2つの生産物の混合物。
マスキット:結晶化プロセスから生じる、結晶と母液との混合物。
融解:糖結晶の溶解の別の用語。
糖蜜:遠心分離によって結晶から分離された母液。
母液:結晶化中のマスキット中の液相;中で結晶が成長しているシラップまたはリカーをいう。
多重効用式蒸発:水を蒸発させるための、スチームの熱の効果的な利用であって、連続した容器内で水を沸騰させ、それぞれがすぐ前の容器よりも低い圧力で保持されている。圧力が低下するにつれて水の沸点が低下するため、1つの容器内で蒸発した蒸気を、次の容器を加熱するために使用することができ、(最も高い圧力の)第一の容器だけが外的熱源を必要とする。
パンまたは真空パン:リカー、シラップまたは糖蜜から糖を結晶化するために、砂糖業界で使用される真空蒸発式晶析装置。
偏光(またはpol):糖溶液を通過する偏光した光の光学的回転によって測定される、質量パーセントとして表される見かけのスクロース含有量。これは、純粋なスクロース溶液についてのみ正確である。
原糖:一般的に、精製所内で白砂糖にさらに加工されることになる、原糖製造所(mill)において生産されるブラウンシュガー。
回収ハウス:結晶糖を生産する砂糖精製所の一部分であって、該結晶糖は、精製糖として分類されるに足りるほど純度が十分に高くなく、その結果、従来、精製所への材料(input)として再生され、精製所において、それは、原糖と同様に扱われる。
精製所(Refinery):精製糖を生産するために原糖を精製するよう設計された加工プラント。
精製糖:従来、様々な不純物成分の最大レベルの仕様に従って99.9%超の非常に高純度の糖(スクロース)で、最も重要なのは、色である(例えば、50 ICUMSA色単位未満)。
精製:一般に溶解、浄化、濾過、脱色および再結晶化のうちいくつかまたは全てを含む化学的および物理的方法による糖の純化。
流出液:マスキットを遠心分離すると生じるシラップまたは糖蜜の一般的な用語。
飽和:飽和時の糖溶液は、溶液の温度では、それ以上の結晶を溶解しない。
シーディング:(a)結晶化プロセスを開始する手段として、核生成を誘発するため結晶の断片を導入すること;(b)結晶化を開始するために、スラリー(フルシーディング(full seeding)に類似)の形態をとる微小結晶を導入すること。
種:アルコールの飽和溶液中の細かい結晶の懸濁物、または、真空パン内でのシーディングから生じる最初の粒。
スクロース:白砂糖として知られ、一般的には、純粋な溶液での偏光によって、または、不純な溶液でのガスクロマトグラフィー(GC)もしくは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定される純粋な化学化合物C122211。化学用語はP−D−フルクトフラノシル α−D−グルコピラノシドである。
糖:二糖類スクロース、および、実質的にスクロースから構成される、砂糖業界の生産物を表す用語。
過飽和:溶液中のスクロース含有量が飽和溶液中のスクロース含有量より大きいレベル。
シラップ:蒸発器からの、濃縮した液汁または糖溶液。
蒸気:一般に、高純度の水を蒸発させるボイラーによって生じるスチームではなく、処理ストリームの蒸発によって生じるスチームを説明するのに使用される。蒸気ストリームは、大気圧に満たない圧力下にあることが多い。
蒸気抽気:多重効用式蒸発器ステーション内の1つ以上の蒸気ストリームから蒸気を抜くプロセス。多重効用式蒸発器ステーションに供給するために使用するものと同じタイプのスチームの代わりにこの蒸気を使用することによって、スチームを節約する。
蒸気圧縮:圧力を上昇させ、それによって蒸気ストリームの温度を上昇させることによってエネルギー効率を向上させる技術。これは、高圧スチームの注入(熱圧縮)によって、または、機械的圧縮(蒸気再圧縮)によって駆動するベンチュリノズルを使ってなされ得る。
発明の背景
スクロースは、甘味料としての食品加工用途において世界中で使用される二糖類化合物である。結晶スクロースは、主として、地球の熱帯および亜熱帯地域で栽培されるサトウキビ植物体から生産される。本明細書では、糖という用語は、スクロースを意味するとみなされる。
今日、世界中で、サトウキビから精製された蔗糖は、2つの工程:(a)原糖プロセス;および(b)精製プロセスで得られてきた。
原糖プロセスでは、サトウキビ畑の中または近くに位置する精糖所によって、収穫されたサトウキビ植物体は、原糖(不純な結晶化スクロース)として知られる国際貿易商品へと変えられる。原糖は、世界中の人口集中地に位置する糖精製所に運ばれ、そこで、原糖は、様々な精製された最終製品に変えられる。製糖所とは違い、糖精製所のほぼ全生産量は、どのような形にせよ、人間の消費を対象としている。
製糖所での原糖の生産では、サトウキビ茎は、小さい破片へと刻まれる。次に、サトウキビ液汁は、サトウキビから搾汁され、バガスという繊維質の材料が残る。次に、搾汁された液汁は、より明るい色の原糖溶液(液汁)を生産するために浄化される。次に、浄化された液汁は、サトウキビ液汁のおよそ85%である水を除去するために一連の蒸発器によって処理され、シラップと呼ばれる濃縮した糖溶液を生じる。次に、シラップは、糖結晶を生成し、さらに不純物を分離する結晶化プロセスを経る。最後に、遠心分離によって、今度は糖蜜と呼ばれるシラップから原糖を分離する。可能な限り多くの糖がシラップから回収できるように糖蜜を、通常2回以上処理する。
糖精製所では、製糖所からの不純な原糖結晶を清浄し、次に、溶かす(水に溶解する)。次に、糖溶液を純化し、(任意で)脱色する(炭酸化、りん酸化、イオン交換、炭素、およびこれらの組み合わせによる脱色など)。次に、糖溶液は、水をいくらか取り除くために蒸発器を通過させ、次に、残った生産物を、さらなる蒸発および結晶化のために真空パンに移す。通常、精製所の結晶化は、真空蒸発式結晶化装置を使う。結晶化は、バッチ蒸発式晶析装置または連続蒸発式晶析装置で行う。蒸発式晶析装置は、一般に、砂糖業界では、「パン」と呼ばれる。次に、最終生産物を、遠心分離機を通過させ、母液から純粋なスクロース結晶を分離させ、精製されたスクロース結晶および流出液を生産する。不純物の大部分が母液中に含まれることから、結晶に付着する母液がどんなに少量であっても取り除くことが重要である。これを達成するためには、結晶がまだ遠心分離機バスケット内に留まっている間に、結晶を温水で洗浄し、最後にスチームでそれらを清浄することが通常である。母液の清浄を最大限にしながらも、あらゆる結晶溶解をも最小限にするために、水の添加の方法と量との両方に細心の注意が必要である。
(糖がサトウキビ液汁から回収される)製糖所では、純化プロセスは、やはり蒸発結晶化と冷却との両方による再結晶化を介する。冷却結晶化が使用される場合、装置は、単に「晶析装置」と呼ばれる。
この基本的なプロセス、原糖製造は、原糖精製がその後に続くが、約99.90%〜99.99%の偏光(または、光学的に測定される純度)を有する、高品質な白い精製された蔗糖(スクロース)を生産するために、世界中で今日一般的に使用されるプロセスである。それは、製糖所の近く、またはまさにその中に砂糖精製所がある場所で、まさに用いられている二工程のプロセスである。砂糖業界外の企業は、まさにこの技術水準を受け入れるべく、それらの業務を調整している。原(不純な)糖は、ニューヨークおよびロンドン証券取引所の商品として世界中で取引されている。
したがって、製糖所は、粗糖生産物を生産し、それらの主要な生産物が原(不純な)糖である一方、主要な人口集中地で需要のある高品質の精製糖は、精製糖生産物(スクロース結晶)を生産するために高価な装置および数多くの化学物質を用い、大量のエネルギーを消費する、技術的に洗練された企業である砂糖精製所によってもたらされる。
精製プロセスに脱色した供給物を提供するためにどの事前プロセスが使用されるかに拘わらず、精糖の公知のプロセスには、結晶化純化工程から生じる、以下のような欠点がある。
1. 技術は、蒸発式結晶化に依存する。結晶化プロセスを最適化する(すなわち、好適なサイズの結晶を成長させるが、不純物の形成および含有の両方を最小限にする)ことは、慎重な温度および過飽和制御を必要とする。蒸発結晶化を使用するとき、真空の使用は、温度を制御するためには重要であり、蒸発は、水を取り除き、過飽和を維持するために必要とされる。結晶化および蒸発プロセスは、単一ユニット内で実行される。結晶化および蒸発プロセスは独立して実行されないため、エネルギー効率のよい蒸発と、最適な結晶化条件のための要件を達成するように装置を設計することは困難である。
2. 1)の結果、従来の精製は、エネルギー集約的なプロセスである。蒸発を最適化するために使用される標準的なエネルギー最適化技術、例えば、多重効用式蒸発、蒸気圧縮および蒸気抽気は、真空晶析装置(パン)への適用が非常に制限されている。
ここで、本発明は、大幅に低減したエネルギー消費で高品質の精製糖を生産することを可能にする。したがって、本発明は、エネルギーと材料源との変換を促し、環境汚染を最小にする。具体的には、以下がある(限定されない):
・燃料(通常、石炭または燃料油の形態)の必要性の大幅な低減、
・主要な資本的設備(例えば、ボイラーおよび冷却塔)の必要性の大幅な低減、
・(プラント内の再利用の向上に起因して)水のプロセス需要の低減、及び
・(パンからの蒸気を凝縮するための水のポンプ送りに関連する)電力需要の低減。
本発明の第一の態様によれば、不純な結晶化スクロースを精製するためのプロセスが提供され、該プロセスは、スクロース結晶化プロセスから生じるマスキットを遠心分離すると生じる流出液を結晶化することなく濃縮するために、多重効用式流下液膜蒸発を適用することを含む。
したがって、本発明による濃縮が、結晶性スクロースの非存在下で、単に液相ストリームからの蒸発によって起こることが理解されるであろう。
スクロース結晶化プロセスは、入熱によって起こる蒸発無しで結晶化が起こる冷却結晶化プロセスであり得る。
不純な結晶化スクロースは、サトウキビ由来であって、一実施形態では、製糖所から得られる。
一実施形態では、多重効用式流下液膜蒸発の適用前には、流出液は、およそ66からおよそ72のBrix値を有する。
多重効用式流下液膜蒸発の適用後、流出液(シラップ)は、およそ80からおよそ83のBrix値を有し得る。
本発明の一実施形態では、多重効用式流下液膜蒸発は、単一の作業に統合される。多重効用式蒸発は、二重効用式、三重効用式、四重効用式または五重効用式蒸発であり得る。
多重効用式蒸発の第一効用は、およそ摂氏113.3度からおよそ123.3度の対応する蒸気飽和温度を伴うおよそ160からおよそ220kPa(キロパスカル)の絶対圧で、スチームを第一の蒸発器へ供給することによって達成され得る。
多重効用式蒸発器の最後の効用は、およそ摂氏45.8度とおよそ69.1度の間の飽和蒸気温度に対応する、およそ10kPaとおよそ30kPaの間の絶対圧で機能し得る。
一実施形態では、プロセスは、蒸発器システムの外部での使用のためにスチームを抽気することを含む。プロセスはまた、抽気すること、または、別法として、多重効用式蒸発法で使用したスチームから凝縮された浄水を使うことを含み得る。
糖結晶は、遠心分離中またはその後洗浄され得る。一実施形態では、糖結晶は、リカー、例えば、高温のリカー、二次リカーおよび/またはファインリカーを使って洗浄される。
プロセスは、結晶化の前にリカーまたはシラップをシーディングすることを含み得る。これは、必要な数の小結晶を添加することを含む、これらの種結晶が結晶化プロセス全体にわたって成長して、必要とされるサイズ(通常、0.4−0.7mm)の製品結晶をもたらすことを含む。添加した種結晶だけが成長しながら、新たな種結晶が核生成によって生じたり、その後成長し続けることがないことを確実にするために、結晶化プロセスは慎重に制御される。
したがって、本発明のプロセスは、以下の工程を含み得る:
a)高温の、濃縮したシラップを得るために、流下液膜蒸発によって、水溶液中に原糖を含むファインリカー供給ストリームを(結晶化することなく)濃縮すること、
b)マスキットをつくるために、必要な数の小結晶でシラップをシーディングすること、
c)マスキット中の糖結晶を成長させるために、シラップを冷却すること、
d)第一の流出液を残すべく、遠心分離によってマスキットから糖結晶を回収すること、
e)濃縮したシラップを得るために、流下液膜蒸発によって第一の流出液を(結晶化することなく)濃縮すること、
f)マスキットをつくるために、必要な数の小結晶でシラップをシーディングすること、
g)マスキット中の糖結晶を成長させるために、濃縮したシラップを冷却すること、
h)第二の流出液を残すために、糖結晶を回収すること
i)多重効用式蒸発によって、工程e)〜h)を少なくともあと2回以上、必要な変更を加えて繰り返すこと、および
j)このストリーム中に残っている糖の経済的な回収のために最終流出液を回収ハウスに向けること。
回収された糖結晶は、リカー、例えば、工程a)のファインリカーで洗浄され得る。
糖結晶を得るための冷却は、冷却晶析装置において達成される。冷却晶析装置における、シラップ供給物と晶析装置から得られたマスキットとの間の温度差は、およそ摂氏95度からおよそ摂氏25度であり得る。
高温の濃縮溶液が冷却されると、スクロースは、(結晶化を示さない)高温の濃縮溶液から結晶化するであろう。これを、図4に図解する。例として、乾燥固形物の濃度が81%で、かつ温度が摂氏90度である純粋なスクロース溶液は、平衡状態(飽和溶液)となるであろう―図4のポイント1。この溶液の温度が下がると、結晶化が起こり、母液が結晶化スクロースとの平衡状態に達するのに十分な時間が許される場合の結晶化の程度が、グラフの曲線によって示される。例えば、結晶化スクロースの量がマスキットの40質量パーセントにまで増えると、摂氏31度の温度で平衡状態が達成されるであろう―図4のポイント2。
流下液膜蒸発の工程から得られるファインリカー/シラップの温度は、およそ摂氏85度からおよそ100度であり得る。
工程a)およびe)は、単一の作業で達成され得る。
本発明の第二の態様によれば、本文前述のプロセスによって生産される、精製された結晶化スクロースが提供される。
詳細な説明
本発明のプロセスは、蒸発および結晶化の工程が個別に、かつ独立して、最適化され得るように、それぞれを分離する。この分離(切り離し)は:
1.i.不純物の移動(impurity transfer)が、より遅く、かつ、より均一な結晶化条件によって最少化されるよう、そして
ii.母液のBrixが、蒸発結晶化から生じる母液のBrixを下回る
ことを確保するための、結晶化の工程のために、蒸発結晶化ではなく、冷却結晶化を使用することによって達成される。
2.蒸発は、最適化された技術を使って別個の作業として実行される、つまり、
i.いくつかの母液ストリームを、多重効用式蒸発法を使って、液相中でのみ(結晶化することなく)濃縮し、そして
ii.いくつかの多重効用式蒸発ストリームを、構成に統合することによって、エネルギー消費を最小限にする。
iii.およそ160〜およそ220kPaの供給スチーム絶対圧と、およそ10とおよそ30kPaの間の最終効用絶対圧との間の制限された全体的温度推進力を使って、四効用以上の蒸発を可能にするために流下液膜蒸発技術を使用する。
iv.何時も、濃縮している糖溶液が、常に飽和度(それらの温度および濃度から決定される)を下回り、それによって、結晶化が起こらないように、蒸発器を通るリカーの流れが構成される―蒸発器から出る最終の濃縮溶液は、冷却結晶化プロセスの開始のための要件に合わせるため、適切に高温であり且つ濃縮している。
本発明のプロセスは、遠心分離の工程において、母液を除去し糖結晶を洗浄するために、高温の(脱色された)リカーを使用し得る。これは、以下のような形で、スチームの効率的使用を向上させる効果を有する:
a.母液を除去するために結晶を洗浄するのに必要な水を減らせる。プロセスにおいて追加されるいずれの水も、後で、対応するスチームを使用して、蒸発によって流出液から取り除かなければならない。
b.糖結晶のその後の乾燥を促すために糖結晶を加熱する。冷却結晶化プロセスによる糖製造では、低温の糖結晶は乾燥しにくい。なぜなら水を蒸発させるのに必要なエネルギーを、加熱された結晶ではなく、加熱された空気からもたらさざるをえない場合、結晶を空気乾燥している間は、該エネルギーを供給することが困難だからである。
c.小結晶、すなわち、遠心分離機バスケットに留まらず、糖蜜(流出液)とともに出ていくものは、結晶化の次の段階が開始する前に、溶解する必要がある。従来の処理では、小結晶は、バスケット内での結晶の水洗い中に、または、その後の母液流出液の希釈および加熱によって、水を使って溶解される。このプロセスにおける高温のリカーの使用(それが飽和している場合)によって、小結晶は溶解しないが、提案されるプロセスでは、これらの結晶は、リカーが多重効用式蒸発器を通過するとき、温度上昇によって溶解するであろう。このことによって、この場合も、加えた水を蒸発によって取り除く必要がある従来のプロセスと比較して、エネルギーを節約する。
d.遠心分離機内で結晶に付着する、残りの高色の母液に取って代わる低色のリカーを使用することによって、従来の水洗浄で起こる製品結晶の溶解なく、除去することができる。このように溶解を回避することによって、この溶解した糖を再結晶化する必要がなくなるため、エネルギーを節約する。
最終流出液母液は、回収ハウスに送られる:
a.これは、当該技術分野において知られているように、標準的な作業であり得、
b.これは、商用グレードの白砂糖として回収するために再度溶かした結晶糖を回収するために、本文上述と同じ技術を使用し得、かつ/または
c.液糖または他の生産物を製造するために使用され得る。
本発明によれば、(当該技術分野において教示される値と比較して)精糖において有意なエネルギー節約が達成できる。溶けた原(不純な)糖の相対的な量によって表される、スチームの使用量を測定することによって、以下のような比較が明らかとなる。
詳細な説明
ここで、以下の非限定的な図を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の精製プロセスの概略的描写である。 図2は、本発明の蒸発/結晶化プロセスのマスバランス流れ図の一例である。 図3は、単一の統合ユニットとしての、複数のストリームの多重効用式蒸発構成の概略図である。 図4は、特定の温度と、マスキット(結晶および母液のスラリー)の固形物濃度とについて、スクロース結晶と平衡状態にある純粋なスクロース溶液について、結晶含有量の曲線を示すグラフである。 図5Aおよび5Bは、併せて、5つの連続した冷却結晶化段階を使用する本発明の精製プロセスのためのマスバランスを構成する。 図6は、4つの連続した蒸発結晶化段階を使用する従来の精製プロセスのためのマスバランスである。
図1では、精糖所からの原糖を溶解し、純化し、脱色し(例えば、炭酸化、りん酸化、イオン交換、炭素、および/またはこれらの組み合わせによって)、二次リカー(SL)を得る。二次リカー(SL)を、流下液膜蒸発器内で(結晶化することなく)濃縮し、ファインリカー(FL)を生産する。ファインリカー(FL)を冷却結晶化して、第一のマスキット(M1E)を生産し、第一のマスキット(M1E)を遠心分離して、第一の糖(S1)および第一の流出液(J1)を生産する。第一の(低温の)流出液(J1)を流下液膜蒸発器内で(結晶化することなく)濃縮して、第一のシラップ(J1C)を生産する。
第一のシラップ(J1C)を冷却結晶化して、第二のマスキット(M2E)を生産し、第二のマスキット(M2E)を遠心分離して、第二の糖(S2)および第二の流出液(J2)を生産する。第二の(低温の)流出液(J2)を流下液膜蒸発器内で(結晶化することなく)濃縮して、第二のシラップ(J2C)を生産する。
第二のシラップ(J2C)を冷却結晶化して、第三のマスキット(M3E)を生産し、第三のマスキット(M3E)を遠心分離して、第三の糖(S3)および第三の流出液(J3)を生産する。第三の(低温の)流出液(J3)を流下液膜蒸発器内で(結晶化することなく)濃縮して、第三のシラップ(J3C)を生産する。
第三のシラップ(J3C)を冷却結晶化して、第四のマスキット(M4E)を生産し、第四のマスキット(M4E)を遠心分離して、第四の糖(S4)および第四の流出液(J4)を生産する。第四の(低温の)流出液(J4)を流下液膜蒸発器内で(結晶化することなく)濃縮して、第四のシラップ(J4C)を生産する。
第四のシラップ(J4C)を冷却結晶化して、第五のマスキット(M5E)を生産し、第五のマスキット(M5E)を遠心分離して、第五の糖(S5)および第五の流出液(J5)を生産する。第五の流出液(J5)は、回収ハウスに向かう。
流下液膜蒸発器は、ファインリカーおよび第一の4種類の流出液(結晶化することなく)を濃縮するために、単一のユニットとして多重効用式に作動する。
四効用の多重効用蒸発器では、(第一の近似として)1キログラム(kg)のスチームが4kgの水を蒸発させることが理解されよう。加えて、蒸気が、例えば、蒸発器の第二の効用から抜かれ(抽気され)、この蒸気が、スチームの代わりに蒸発器システムの外部で使用される場合、スチームの節約は、この作業で使用されるスチームの量の2/4倍となる。これらの2つの重大なエネルギー節約コンセプトは、リリュー(Rillieux)の原理として、砂糖業界ではよく知られている。
図2では、多重効用式流下液膜蒸発器内で二次リカー(SL)を加熱し、(結晶化することなく)濃縮して、ファインリカー(FL)を得る。FLを種結晶SX1でシーディングして、次に、その混合物(M1)を冷却結晶化して、第一のマスキット(M1E)を得て、次に、該第一のマスキットを遠心分離し、洗浄リカー(W1)で洗浄して、第一の糖(S1)および第一の流出液(J1)を生産する。
次に、J1を多重効用式流下液膜蒸発器内で加熱し、(結晶化することなく)濃縮して、濃縮した第一の流出液(J1C)を得る。J1Cを種結晶SX2でシーディングして、次に、その混合物(M2)を冷却結晶化して、第一のマスキット(M2E)を得て、次に、該第一のマスキットを遠心分離して、洗浄リカー(W2)で洗浄し、第二の糖(S2)および第二の流出液(J2)を生産する。
このプロセスをあと3回繰り返し、第五の糖(S5)と、回収ハウス(図示なし)へと向かう第五の流出液(J5)とを最終的に生産する。
図5のダイヤグラムは、5つの連続した冷却結晶化段階を使用する本発明の精製プロセスについて、代表的な値を示す。示される値は、以下の仮定に基づいている:
a)不純物は無視され、(溶解しているか、または結晶性の)全固形物は、純粋なスクロースであると仮定される。これは、不純物がマスバランスに及ぼすであろう比較的微細な影響に妨げられることなく、提案されるプロセスの主たる原理を例示するためになされる(精製所への供給物中の不純物は、蒸発結晶化の4つの段階で、約0.5質量パーセントしかないため)。
b)二次リカーの投入の流れは、時間あたりおよそ90トン(ton/hr)の精製糖を生産する従来の精製プロセスへの供給を表すべく選択されている。
c)結晶化プロセスのシーディングは、およそ500ミクロンの製品結晶サイズを達成するために十分な量の4ミクロンの種結晶でなされる。
d)それぞれの冷却結晶化段階は、摂氏85度で飽和するまで結晶化せずに濃縮した供給物で開始する。これは、製品結晶を回収するための遠心分離の前に、結晶化を促進するために摂氏40度の最終温度に冷却される。
e)遠心分離機内で、マスキットに対して5質量パーセントに設定した水量の水だけで結晶を洗浄する(リカー洗浄の利点は、このシミュレーションにおいては含まれない)
f)冷却結晶化工程の最後で、5%の結晶糖が、遠心分離機内で洗浄水によって溶解することが推定される。
g)バランスは、(完全熱マスバランス(full heat and bass balance)でなく)単純なマスバランスである―この例では、ストリームの温度は、工学的判断を使って選択した。
図6のダイヤグラムは、4つの連続した蒸発結晶化段階を使用する従来の精製プロセスのための代表的な値を示している。示される値は、以下の仮定に基づいている:
a)不純物は無視され、(溶解しているか、または結晶性の)全固形物は、純粋なスクロースであると仮定される。これは、不純物がマスバランスに及ぼすであろう比較的微細な影響に妨げられることなく、従来の精製プロセスの主たる原理を例示するためになされる(精製所への供給物中の不純物は、約0.5質量パーセントしかないため)。
b)二次リカーの投入物の流れは、およそ90ton/hrの精製糖を蒸発結晶化の4つの段階で生産する従来の精製プロセスへの供給を表すべく選択されている。
c)二次リカーを、結晶化の第一の段階へ供給するために、乾燥固形物が74%のファインリカーに濃縮する。より高い値では、貯留タンクにおける望ましくない結晶化のリスクと、蒸発式結晶化プロセスにおける結晶化条件の制御に伴う問題のリスクがあるため、これが実際の最大値である。
d)結晶化プロセスのシーディングは、500ミクロンのサイズの製品結晶を達成するために十分な量の4ミクロンの種結晶で行われる。
e)各蒸発結晶化段階は、摂氏85度の温度で起こる。各結晶化段階の終わりで、母液が飽和状態であり、かつ、存在する結晶の量がマスキット中に存在する全固形物の60%である(すなわち、60%の結晶収率)と推定することによって、結晶化の程度が決定される。
f)遠心分離機内で、乾燥固形物が75%となる流出液濃度を達成すべく設定した水量の水だけで結晶を洗浄する(リカー洗浄の利点は、このシミュレーションにおいては含まれない)。その場合、これはまた、遠心分離後に加えられる水―遠心分離機スクリーンを通過したあらゆる小結晶の溶解をなすために必要となる―に相当する。
g)遠心分離機内での洗浄水による結晶の溶解の程度は、各結晶化段階についての全収率が50%―通常の工業的性能に近い値―であるという仮定に基づいて計算される。
h)バランスは、(完全熱マスバランスでなく)簡単なマスバランスである―この例では、ストリームの温度は、工学的判断を使って選択した。
(冷却結晶化および多重効用式蒸発を使って)精製糖を生産するための提案されるプロセスのエネルギー節約の利点が、図5のマスバランスデータ(提案されるプロセス)と図6のデータ(従来のプロセス)との比較によってわかる。
図6のデータは、従来の精製プロセスでは、91.7ton/hrの糖を生産するために58.1ton/hrの蒸発が必要となることを示している。この蒸発は、二次リカーからの13.8ton/hrの蒸発と、蒸発結晶化からの44.3ton/hrの蒸発から構成される。1トンの蒸発が1トンのスチームを必要とするという標準的な近似(approximation)を使うと、このプロセスのスチーム需要は、生産される糖1トンにつき0.634トンのスチーム(58.1/91.7)に等しい。
こうした従来のプロセスのスチーム効率は、二次リカーを濃縮するために多重効用式蒸発を使うことによって改良できる。これが四重効用でなされれば、二次リカーを濃縮するためのスチームの必要量は、3.5ton/hr(13.8/4)に減り、その場合、プロセスのための全スチーム需要は、47.8 ton/hr(44.3+3.5)に低減する。こうした状況下で、プロセスのスチーム効率は、生産される糖1トンあたりスチーム0.521トン(47.8/91.7)に向上する。
図5のデータは、提案される精製プロセスが、90.3ton/hrの糖を生産するために60.6ton/hrの蒸発を必要とすることを示す。1トンの蒸発が1トンのスチームを必要とするという標準的な近似(approximation)を使うと、このプロセスのスチーム需要(全蒸発が単一の効用でなされる場合)は、生産される糖1トンにつき0.671トンのスチームに等しい(60.6/90.3)。提案されるプロセスのエネルギー効率は、こうした蒸発のすべてを多重効用式蒸発法を使って行うことによって達成される。これが4つの効用でなされれば、スチーム必要量は、15.2ton/hr(60.6/4)に低減する。このことが、生産される糖1トンあたりスチーム0.168トン(15.2/90.3)というプロセスのスチーム効率を生じる。
その場合、これに基づいて、四重効用蒸発での提案される精製プロセスの具体的なスチーム需要は、単一効用リカー蒸発を使用する従来の精製プロセスのための需要の26.5%だけである(0.168/0.634×100)。あるいは、提案される精製プロセスの具体的なスチーム需要は、四重効用リカー蒸発を使用する従来の精製プロセスのための需要の32.2%だけである(0.168/0.521×100)。
従来の精製プロセスにおいて、二次リカー蒸発に多重効用式蒸発を適用するためには収穫逓減があるため、提案される精製プロセスのエネルギー効率と、従来の精製プロセスのエネルギー効率との公平な比較(equitable comparison)は、上記に引用した2つの数値の間(すなわち、26.5〜32.2%)にあり得るだろう。
図3は、本発明による、単一の統合ユニットとしての全ストリームの多重効用式蒸発構成を図解している。4つの効用にまたがる15個のユニットのスチーム投入によって、全液体ストリームから合計60個のユニットの蒸発を生じるであろう。蒸気抽気は、本実施形態では示されない。
図3では、所与の効用におけるスチーム流れは、常に、投入スチーム流れをその効用に合計することになる。図5に示される、提案される冷却結晶化プロセスのマスバランスの例は、合計60.6ton/hrの蒸発必要量を有する。実質的なエネルギー節約を達成するために如何にして多重効用式蒸発が適用できるかを実証するのを促すための蒸発必要量は、近似として(approximation)として:
二次リカーの濃縮:23ton/hr
第一の流出液の濃縮:18ton/hr
第二の流出液の濃縮:9ton/hr
第三の流出液の濃縮:6ton/hr
第四の流出液の濃縮:4ton/hr
全蒸発必要量:60ton/hrのようにまとめることができる。
1トンの蒸気が1トンの蒸発を生じるというRilleauxの第一の原理(前述)に基づいて、四重(4つの)効用蒸発器は、たったの15ton/hrのスチーム(60/4)の供給で、合計60ton/hrの蒸発必要量を達成すると期待できる。四重効用蒸発器は、こうした節約を達成するために蒸発を必要とするストリームのそれぞれに適用することができるが、すべての蒸発必要量を単一の多重効用式蒸発器ステーションへと統合することが、より費用効果的であろう。如何にしてこれが達成できるか、例を図3に示す。
図4に図解されるように、摂氏90度の温度と、81質量%の乾燥固形物の濃度とで開始する純粋なスクロースストリームに適用される冷却結晶化段階が、結晶含有量がマスキットの40質量%であるとき、摂氏31度に冷却した後、平衡状態になるであろう。したがって、形成される結晶は、当初のストリーム中のスクロースの40/81×100=49.4%を示す。残り100−49.4=50.6%のスクロースが、母液中に留まる。結晶化の各段階では、入っていくストリーム中、第一近似として、50%のスクロースが取り出され、残り50%が結晶化の次の段階に移ると推定できる。32質量単位のスクロースを供給される5段階結晶化プロセスについてこの近似値を使うと、結晶化の各段階によって生産される糖は:
結晶化の第一の段階からの糖 16質量単位
結晶化の第二の段階からの糖 8質量単位
結晶化の第三の段階からの糖 4質量単位
結晶化の第四の段階からの糖 2質量単位
結晶化の第五の段階からの糖 1質量単位
結晶化の第五段階母液に残る(rmng)スクロース 1質量単位
となる。

Claims (14)

  1. 不純な結晶化スクロースを精製するプロセスであって、不純な結晶化スクロースを溶解する、およびスクロース冷却結晶化プロセスから生じるマスキットを遠心分離する際に生じる流出液を結晶化することなく加熱および濃縮するために、多重効用式流下液膜蒸発を適用することを含む、プロセス。
  2. 前記不純な結晶化スクロースが、サトウキビ由来である、請求項1に記載のプロセス。
  3. 多重効用式流下液膜蒸発の適用前、前記流出液が、66−72のBrix値を有する、請求項1または2のいずれか1項に記載のプロセス。
  4. 多重効用式流下液膜蒸発の適用後、前記流出液(シラップ)が、80−83のBrix値を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 前記多重効用式流下液膜蒸発が、単一のユニットに統合され、二重効用式、三重効用式、四重効用式または五重効用式蒸発である、請求項1〜のいずれか1項に記載のプロセス。
  6. 前記多重効用式蒸発の第一効用が、摂氏113.3度〜123.3度の対応する蒸気飽和温度を伴う160と220kPaの間の絶対圧で、スチームを第一の蒸発器へ供給することによって達成される、請求項1〜のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 多重効用式蒸発器の最後の効用が、摂氏45.8と69.1度の間の飽和蒸気温度に対応する、10kPa−30kPaの絶対圧で動作する、請求項1〜のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 蒸発器システムの外部での使用のためにスチームを抽気することを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. 前記糖結晶が、遠心分離中またはその後、高温のリカー、二次リカーおよびファインリカーから選択されるリカーを使って洗浄される、請求項1〜のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. 結晶化の前に前記リカーまたはシラップをシーディングすることを含む、請求項に記載のプロセス。
  11. 以下の工程を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のプロセス:
    a)高温の、濃縮したシラップを得るために、流下液膜蒸発によって、水溶液中に原糖を含むファインリカー供給ストリームを結晶化することなく濃縮する工程、
    b)マスキットをつくるために、必要な数の小結晶で前記シラップをシーディングする工程、
    c)前記マスキット中の前記糖結晶を成長させるために、前記シラップを冷却する工程、
    d)第一の流出液を残すために、遠心分離によって前記マスキットから前記糖結晶を回収する工程、
    e)加熱および濃縮したシラップを得るために、流下液膜蒸発によって前記第一の流出液を結晶化することなく濃縮する工程、
    f)マスキットをつくるために、必要な数の小結晶で前記シラップをシーディングする工程、
    g)前記マスキット中の前記糖結晶を成長させるために、前記濃縮したシラップを冷却する工程、
    h)第二の流出液を残すために、前記糖結晶を回収する工程、
    i)多重効用式蒸発によって、工程e)〜h)を少なくともあと2回以上、必要な変更を加えて繰り返す工程、および
    j)前記最終流出液を回収ハウスに向ける工程。
  12. 冷却晶析装置における、前記シラップ供給物と前記晶析装置から得られた前記マスキットとの間の温度差が、摂氏95度から摂氏25度である、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記流下液膜蒸発工程から得られる前記ファインリカー/シラップの温度が、摂氏85度から摂氏100度である、請求項11に記載のプロセス。
  14. 工程a)およびe)が、単一のユニットでなされる、請求項11に記載のプロセス。
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