JP6275558B2 - マルチギャップ型回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、ロータ、ステータコア、ステータコイル、ケースを備えるマルチギャップ型回転電機に関する。
限られたスペースで特に偏平構造が求められる分野では高トルクを出す方法として、磁気ギャップを複数有する回転電機が知られている。例えば、自動車ではエンジンと変速機との間に配設されるエンジン直結型モータや、洗濯機などの家電用機器に用いられるモータなどが該当する。
従来では、作業性の向上を図りつつ、偏平構造とステータの高い軸心精度を確保し得るようにしたマルチギャップ型回転電機に関する技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。このマルチギャップ型回転電機は、ステータコアは外側コアと内側コアが連結コアにより一体的に連結されて一体化される。
特開2012−080692号公報
しかし、3つあるコイルエンドのうち、回転子支持部材の内径側に位置するコイルエンドにケースから冷媒をかけることができない。よって、コイルエンドを効率的に冷却することができないという問題があった。
仮に回転軸から遠心力により冷媒を放出して所定のコイルエンドを冷却する場合には、他のコイルエンドと冷媒通路を分割する必要がある。よって、冷却のために構造が複雑化するという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、ステータコイルのコイルエンド部を冷却する冷却性能を向上させ、冷却のために構造が複雑化するのを抑制できるマルチギャップ型回転電機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、回転軸(24)とロータ支持部材(16)を介して連結され、前記回転軸とともに回転するロータ(40)と、前記ロータの外周側に位置して周方向(Cd)に配列された複数の外側スロット(36b)を有する円環状の外側コア(36)と、前記ロータの内周側に位置して周方向に配列された複数の内側スロット(42b)を有する円環状の内側コア(42)とが前記ロータとギャップ(G)を介して備えられるステータコア(S)と、前記外側スロットと前記内側スロットとにそれぞれ収容されるスロット収容部(60)を有し、前記ステータコアの周方向に周回するように前記ステータコアに巻装されたステータコイル(L)と、前記ロータ、前記ステータコアおよび前記ステータコイルを収容するケース本体部(30)と、前記ケース本体部を塞ぐカバー部(34)とを有するケース(C)とを備えるマルチギャップ型回転電機(10,10A,10B)において、前記ステータコイルは、前記スロット収容部とともに、前記内側コアから前記ロータ支持部材側の軸方向(Ax)にはみ出す第1コイルエンド部(18)と、前記外側コアから前記ロータ支持部材側の軸方向にはみ出す前記ステータコイルの第2コイルエンド部(12)と、前記第1コイルエンド部および前記第2コイルエンド部とは反対側に前記内側コアおよび前記外側コアからはみ出す第3コイルエンド部(38)とを有し、前記ケースは、前記ステータコイルに向けて放出するように冷媒(54)を入れる一以上のケース入口孔(32)と、前記冷媒を排出する一以上の出口孔(26)とを有し、前記ロータ支持部材は、径方向(Ry)成分を含むように前記ロータの外周側空間と内周側空間とを連通する一以上の第1連通孔(14)を有し、前記第1連通孔は、前記第1コイルエンド部および前記第2コイルエンド部のうちで一方または双方が存在する範囲内(E1,E2)に設けられることを特徴とする。
この構成によれば、ケース入口孔から放出された冷媒は、まず第3コイルエンド部を冷却する。次に、回転するロータ支持部材による遠心力を受けて、第1コイルエンド部を冷却する。そして、第1連通孔14を通って、第2コイルエンド部を冷却する。すなわち、ステータコイルを構成する第1コイルエンド部から第3コイルエンド部まで全て冷却するので、冷却性能を向上させることができる。また、ケース入口孔と第1連通孔を必要とするに過ぎないので、冷却のために構造が複雑化するのを抑制することができる。
第2の発明は、前記ロータ支持部材は、前記内側コアと前記回転軸の間に設けられ、軸方向に伸びる鍔部(22)を有し、前記鍔部は、径方向成分を含むように前記鍔部の外周側空間と内周側空間とを連通する一以上の第2連通孔(20)と、前記第2連通孔よりも前記第3コイルエンド部側に設けられて内径側に突出する第1凸部(44)とを有し、前記第2連通孔は、前記第1コイルエンド部が存在する範囲内(E1)に設けられることを特徴とする。
この構成によれば、鍔部の第1凸部によって冷媒を回転軸側に誘導する。さらに、回転軸とともに回転するロータ支持部材による遠心力を受けて、冷媒を第2連通孔に通す。第2連通孔は第1コイルエンド部が存在する範囲内に設けられるので、確実に第1コイルエンド部を冷却することができる。
第3の発明は、前記ステータコアの少なくとも一部に設けられ、前記冷媒が前記ステータコアよりも前記カバー部側に漏れるのを防止する冷媒漏れ防止板(48)を有することを特徴とする。
この構成によれば、冷媒は冷媒漏れ防止板によってロータ支持部材側に誘導されるので、第1コイルエンド部や第2コイルエンド部の冷却をより確実に行うことができる。
第4の発明は、回転軸(24)とロータ支持部材(16)を介して連結され、前記回転軸とともに回転するロータ(40)と、前記ロータの外周側に位置して周方向に配列された複数の外側スロット(36b)を有する円環状の外側コア(36)と、前記ロータの内周側に位置して周方向に配列された複数の内側スロット(42b)を有する円環状の内側コア(42)とが前記ロータとギャップ(G)を介して備えられるステータコア(S)と、前記外側スロットと前記内側スロットとにそれぞれ収容されるスロット収容部(60)を有する複数の導体線からなり、前記ステータコアの周方向に周回するように前記ステータコアに巻装されたステータコイル(L)と、前記ロータ、前記ステータコアおよび前記ステータコイルを収容するケース本体部(30)と、前記ケース本体部を塞ぐカバー部(34)とを有するケースとを備えるマルチギャップ型回転電機(10,10C)において、前記ステータコイルは、前記スロット収容部とともに、前記内側コアから前記ロータ支持部材側の軸方向(Ax)にはみ出す第1コイルエンド部(18)と、前記外側コアから前記ロータ支持部材側の軸方向にはみ出す前記ステータコイルの第2コイルエンド部(12)と、前記第1コイルエンド部および前記第2コイルエンド部とは反対側に前記内側コアおよび前記外側コアからはみ出す第3コイルエンド部(38)とを有し、前記回転軸は、中空状に成形され、前記ステータコイルに向けて放出するように冷媒(54)を入れる一以上の回転軸入口孔(24a,24b)を有し、前記ケースは、前記冷媒を排出する一以上の出口孔(26)を有し、前記ロータ支持部材は、径方向(Ry)成分を含むように前記ロータの外周側空間と内周側空間とを連通する一以上の第1連通孔(14)を有し、前記第1連通孔は、前記第1コイルエンド部および前記第2コイルエンド部のうちで一方または双方が存在する範囲内(E1,E2)に設けられることを特徴とする。
この構成によれば、回転する回転軸による遠心力を受けて第1回転軸入口孔から放出された冷媒は第1コイルエンド部を冷却し、同じく第2回転軸入口孔から放出された冷媒は第3コイルエンド部を冷却する。第1コイルエンド部を冷却した冷媒は、第1連通孔14を通って、第2コイルエンド部を冷却する。すなわち、ステータコイルを構成する第1コイルエンド部から第3コイルエンド部まで全て冷却するので、冷却性能を向上させることができる。また、第1回転軸入口孔と第2回転軸入口孔を必要とするに過ぎないので、冷却のために構造が複雑化するのを抑制することができる。
第5の発明は、前記ロータ支持部材は、前記第1コイルエンド部と前記回転軸の間に設けられ、前記カバー部側に突出する第3凸部(28)を有することを特徴とする。
この構成によれば、第3凸部によって冷媒を第1コイルエンド部に誘導するので、第1コイルエンド部の冷却をより確実に行うことができる。
マルチギャップ型回転電機の第1構成例を模式的に示す断面図である。 外側コア、ロータおよび内側コアの構成例を示す模式図である。 冷媒の流れを模式的に示す断面図である。 図3に示すIV−IV線の断面図である。 冷媒の流れを模式的に示す断面図である。 マルチギャップ型回転電機の第2構成例を模式的に示す断面図である。 冷媒の流れを模式的に示す断面図である。 冷媒の流れを模式的に示す断面図である。 図8に示すIX−IX線の断面図である。 マルチギャップ型回転電機の第3構成例を模式的に示す断面図である。 入口孔の第1変形例を示す模式図である。 入口孔の第2変形例を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的に接続することを意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。以下では簡単化のために、マルチギャップ型回転電機を単に「回転電機」と称する。回転電機は、電動発電機でもよく、電動機でもよく、発電機でもよい。「巻装」は巻いた状態に装うことを意味し、巻き回しと同義である。「連通」は連なって通じることを意味する。特に明示しない限り、部材を成形するための材質(材料)を問わない。
〔実施の形態1〕
実施の形態1は図1〜図5を参照しながら説明する。図1に示す回転電機10Aは、回転電機10の一例である。当該回転電機10Aは、ケースC,ステータコアS,ステータコイルL,ロータ支持部材16,回転軸24,ロータ40などを有する。ステータコアSとステータコイルLは「固定子」に相当し、ロータ40は「回転子」に相当する。なお、必要に応じて参照する図2は、見やすくするためにハッチ線の図示を省略する。
図1に示すケースCは、ケース本体部30やカバー部34などを有する。ケース本体部30は、ロータ40、ステータコアSおよびステータコイルLなどを収容可能な所定形状(本形態では開口部分を有するカップ形状)で成形される。当該ケース本体部30には、冷却のために冷媒54を入れるケース入口孔32と、冷媒54を排出する出口孔26が設けられる。カバー部34は、ケース本体部30(具体的には開口部分)を塞ぐ部材である。当該カバー部34には、内側コア42と回転軸24の間に突出する第2凸部46が設けられる。第2凸部46は、樋形状に成形され(図4を参照)、ロータ支持部材16側(図面左側)に向かって伸びる。
ステータコアSは、いずれも円環状(円筒状とも言える。以下同じである。)に成形される磁性体からなる外側コア36や内側コア42などを有する。外側コア36は、ロータ40の外周側に位置し、周方向Cdに配列された複数の外側スロット36bを有する(図2を参照)。内側コア42は、ロータ40の内周側に位置し、周方向Cdに配列された複数の内側スロット42bを有する(図2を参照)。外側コア36とロータ40の間や、ロータ40と内側コア42の間は、いずれもギャップGが設けられる(図2を参照)。
外側コア36と内側コア42は、いずれも固定手段によってケースC(ケース本体部30またはカバー部34)に固定される。固定手段は任意であり、例えばボルトやネジ等の締結部材を用いる締結や、母材を溶かすことでハンダ付けやアーク溶接等を行う接合、接着剤を用いる接着などが該当する。例えば図1,図4に示す構成例では、外側コア36に固定用孔36cを設け、内側コア42に固定用孔42cを設けている。そのため、締結部材を用いた締結によって外側コア36と内側コア42をケースCに固定できる。
ステータコイルLは、ステータコアS(具体的には上述した外側スロット36bや内側スロット42b)の周方向に周回するように巻装される導体線である。一本の導体線で構成してもよく、複数の導体線を接続して構成してもよい。当該ステータコイルLは、第1コイルエンド部18,第2コイルエンド部12,第3コイルエンド部38,スロット収容部60などの構成部位に分けられる。
第1コイルエンド部18は、内側スロット42bに収容されず、内側コア42からロータ支持部材16側(図1の図面左側)の軸方向Axにはみ出す部位である。はみ出す部位は、露出部位,突出部位とも呼び、以下同じである。第2コイルエンド部12は、外側スロット36bに収容されず、外側コア36からロータ支持部材16側の軸方向Axにはみ出す部位である。第3コイルエンド部38は、第1コイルエンド部18および第2コイルエンド部12とは反対側(図1の図面右側)に内側コア42および外側コア36からはみ出す部位である。スロット収容部60は、外側スロット36bと内側スロット42bとにそれぞれ収容される部位である(図2を参照)。
ロータ支持部材16は、回転軸24とロータ40を連結する部材である。言い換えると、ロータ40を回転軸24に固定する部材でもある。ロータ支持部材16の形状は、回転軸24とロータ40を連結できれば任意である。図1の成形例は、回転軸24に沿う部位、軸方向Ax(図面左右方向)に沿ってロータ40を固定する部位、径方向Ry(図面上下方向)に沿うディスク状部位などで構成される。ロータ支持部材16によって、ロータ40は回転軸24とともに回転する。
上述したロータ支持部材16は、さらに第1連通孔14や鍔部22などを有する。第1連通孔14は、径方向Ry成分を含む貫通孔であり、第1空間SP1および第2空間SP2と第3空間SP3とを連通する。当該第1連通孔14を成形する数は問わず、図示するように複数でもよく、一つでもよい。
第1連通孔14を設ける範囲は、第1コイルエンド部18が存在するコイルエンド存在範囲E1と、第2コイルエンド部12が存在するコイルエンド存在範囲E2とのうちで一方または双方の範囲内が望ましい。第1空間SP1および第2空間SP2は「ロータ40の内周側空間」に相当する。第3空間SP3は「ロータ40の外周側空間」に相当する。径方向Ry成分を含む貫通孔は、径方向Ryと同一方向に貫通してもよく、径方向Ryと交差する方向に貫通してもよい。
鍔部22は、内側コア42と回転軸24の間に設けられ、ロータ支持部材16のディスク状部位から軸方向Ax(図1では図面右方向)に伸びて円環状に成形される部位である。なお、図3に矢印D1,D2で示すように遠心力を受ける冷媒54がロータ支持部材16に向かって流れるようにするため、ロータ支持部材16側の径を大きくし、第1凸部44側の径を小さく成形するのが望ましい。言い換えると、鍔部22は円環状かつ円錐状に成形するのが望ましい。
上述した鍔部22は、第2連通孔20や第1凸部44などを有する。第2連通孔20は、径方向Ry成分を含む貫通孔であり、第1空間SP1と第2空間SP2とを連通する。当該第2連通孔20を成形する数は問わず、図示するように複数でもよく、一つでもよい。第2連通孔20を設ける範囲は、第1コイルエンド部18が存在するコイルエンド存在範囲E1の範囲内が望ましい。第1空間SP1は「鍔部22の内周側空間」に相当する。第2空間SP2は「鍔部22の外周側空間」に相当する。第1凸部44は、第2連通孔20よりも第3コイルエンド部38側に設けられて内径側に突出する部位である。当該第1凸部44は、鍔部22に誘導された冷媒54がカバー部34側に落下するのを防止する防波堤のような役割を担う。
回転軸24は「シャフト」とも呼ばれ、ベアリング52を介して回転自在にケースCに支持される。図1の構成例に示す回転軸24は、ケース本体部30とカバー部34の双方でベアリング52を介して支持されている。回転軸24は、ロータ40の回転で生じる回転力(トルク)を外部に伝達したり、外部から伝達される回転力によってロータ40を回転させたりする。回転軸24は、図1に示す中空状(円筒状)に成形してもよく、円柱状に成形してもよい。ベアリング52は、ケースC内で流れる冷媒54が外部に漏れないように封止するシール機能をも担う。
ロータ40は、外側コア36と内側コア42の間に配置される磁性体(主に軟磁性体)である。当該ロータ40は、外側コア36と内側コア42の起磁力を受けて回転軸24を回転させ、外部からの回転力を受けて回転してステータコイルLに起電力を発生させる構成あれば任意である。
回転電機10Aの外部には、ポンプ50や貯留部56などが設けられる。ポンプ50は、貯留部56に貯留される冷媒54を汲み上げてケース入口孔32に輸送する。貯留部56は、出口孔26から排出される冷媒54を貯めておく部位,部材,容器等である。当該貯留部56は、貯留部56を貯留するだけでなく、貯留中の冷媒54を冷却する冷却機能を持たせるとよい。冷媒54は、油,冷却水,空気などの流体が該当する。ポンプ50とケース入口孔32の間、出口孔26と貯留部56の間、貯留部56とポンプ50の間は、それぞれ冷媒54を輸送するための輸送管(配管)が設けられる。
上述のように構成される回転電機10Aにおいて、冷媒54を用いて主に回転駆動時に行われる冷却について、図3〜図5を参照しながら説明する。
図3に示すポンプ50で汲み上げられた冷媒54は、輸送管やケース入口孔32を経てケースCに入る。ケース入口孔32は、第3コイルエンド部38に対応するケース本体部30の上部に設けられる。そのため、ケース入口孔32から入った冷媒54は第3コイルエンド部38を流下して冷却した後、第2凸部46(図4をも参照)によってロータ支持部材16側に向けて誘導される。この誘導によって、冷媒54の一部は矢印D1,D2で示すように鍔部22を伝ってロータ支持部材16に向かう。このように冷媒54が流れるのは遠心力を受けるためである。すなわち、鍔部22がロータ支持部材16に設けられ、回転軸24とともに回転するために冷媒54が遠心力を受ける。
第2凸部46で誘導されない冷媒54は、図4に太線矢印で示すように第3コイルエンド部38を冷却しながら流下する。また図3に矢印D3で示すように、第1凸部44を乗り越えて下側の第3コイルエンド部38に向けて落下し流下する。
鍔部22を伝ってロータ支持部材16に向かう冷媒54は、図5に示す矢印D4,D5(外径方向)に沿って流れる。すなわち、冷媒54は第2連通孔20を通って第1コイルエンド部18を流れて冷却する。さらに、冷媒54は第1連通孔14を通って第2コイルエンド部12を流れて冷却する。ロータ支持部材16に設けられる第1連通孔14は、回転軸24とともに回転するので、再び冷媒54が遠心力を受けるためである。よって、各コイルエンド部(第1コイルエンド部18,第2コイルエンド部12,第3コイルエンド部38)は、ケースC内の位置にかかわらず冷媒54が流れて冷却される。
ケースCに収容される部材(特に各コイルエンド部)を冷却した冷媒54は、最終的にケースCの下部に落下し、図5に矢印D7で示すように出口孔26から排出される。排出された冷媒54は、輸送管を経て貯留部56に輸送される。このように冷媒54を循環させることで、各コイルエンド部の冷却を継続することができる。
〔実施の形態2〕
実施の形態2は図6〜図9を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1と異なる点を説明する。
図6に示す回転電機10Bは、回転電機10の一例である。当該回転電機10Bは、回転電機10Aと同様に、ケースC,ステータコアS,ステータコイルL,ロータ支持部材16,回転軸24,ロータ40などを有する。
回転電機10Bが回転電機10Aと異なるのは、次の点である。第1に、鍔部22を無くす代わりに第3凸部28を設けた点である。第2に、冷媒漏れ防止板48を追加して設けた点である。
第3凸部28は、ロータ支持部材16のディスク状部位であって、カバー部34側(図面右側)に成形される凸状部位である。当該第3凸部28は、内径側(回転軸24側)から外径側(外側コア36側)に向かうにつれて突出量が増えるようにテーパ28aを設けるとよい。
冷媒漏れ防止板48は、ステータコアSの少なくとも一部に設けられ、冷媒54がステータコアSよりもカバー部34側に漏れるのを防止する部材である。当該冷媒漏れ防止板48は、内側コア42とカバー部34の間であって、第2凸部46と内側コア42の一部を塞ぐように設けられる。言い換えると、冷媒漏れ防止板48は第2凸部46と内側コア42を塞がずに開口する開口部48a(図9を参照)を有する。開口部48aは、第2凸部46とともに、流下してきた冷媒54をロータ支持部材16側に向けて誘導する。
上述のように構成される回転電機10Bにおいて、冷媒54を用いて主に回転駆動時に行われる冷却について、図7〜図9を参照しながら説明する。
図7に示すポンプ50で汲み上げられた冷媒54は、輸送管やケース入口孔32を経てケースCに入る。ケース入口孔32から入った冷媒54は第3コイルエンド部38を流下して冷却した後、第2凸部46や開口部48a(図9を参照)を経てロータ支持部材16側に向けて誘導される。この誘導によって、冷媒54の一部は遠心力を受けて矢印D11,D12で示すようにロータ支持部材16に向かう。矢印D12のように落下した冷媒54は、冷媒漏れ防止板48によってカバー部34側に向かうのが阻止される。一方、第2凸部46や開口部48aで誘導されない冷媒54は、図9に太線矢印で示すように第3コイルエンド部38を冷却しながら流下する。
ロータ支持部材16に向かう冷媒54は、図8に示す矢印D13,D14に沿って流れる。すなわち冷媒54は、ロータ支持部材16のディスク状部位まで流れた後、第3凸部28によって第1コイルエンド部18に向かうように流れが変えられる。第1コイルエンド部18を流れて冷却した冷媒54は、さらに第1連通孔14を通って第2コイルエンド部12を流れて冷却する。よって、各コイルエンド部は、ケースC内の位置にかかわらず冷媒54が流れて冷却される。
ケースCに収容される部材(特に各コイルエンド部)を冷却した冷媒54は、最終的にケースCの下部に落下し、出口孔26から排出される。排出された冷媒54は、輸送管を経て貯留部56に輸送される。このように冷媒54を循環させることで、各コイルエンド部の冷却を継続することができる。
〔実施の形態3〕
実施の形態3は図10を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1,2で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1,2と異なる点を説明する。
図10に示す回転電機10Cは、回転電機10の一例である。当該回転電機10Cは、回転電機10A,10Bと同様に、ケースC,ステータコアS,ステータコイルL,ロータ支持部材16,回転軸24,ロータ40などを有する。
回転電機10Cが回転電機10A,10Bと異なるのは、次の点である。第1に、ケース本体部30からケース入口孔32を無くす代わりに、回転軸24に第1回転軸入口孔24aと第2回転軸入口孔24bを設けた点である。第2に、図1に示す鍔部22や図6に示す冷媒漏れ防止板48を無くした点である。第3に、回転軸24は、冷媒54を流すため、図10に示すように中空状(円筒状)に成形する必要がある。
第1回転軸入口孔24aと第2回転軸入口孔24bは、いずれも冷却のために冷媒54をケースCに入れる部位である。第1回転軸入口孔24aを設ける範囲は、コイルエンド存在範囲E1およびコイルエンド存在範囲E2のうちで一方または双方の範囲内が望ましい。当該範囲内であれば、第1回転軸入口孔24aの数は一以上で任意に設定してよい。回転軸24に第1回転軸入口孔24aを設けるだけでは、ロータ支持部材16で塞がれてしまう場合がある。この場合には、第1回転軸入口孔24aと連通する支持部材入口孔16aをロータ支持部材16に設ける必要がある。第2回転軸入口孔24bは、冷媒54が遠心力により第3コイルエンド部38に向かって放出されるように、第3コイルエンド部38に対応する位置に設けられる。第2回転軸入口孔24bの数は一以上で任意に設定してよい。
上述のように構成される回転電機10Cでは、ポンプ50で汲み上げられた冷媒54が、輸送管や回転軸24を経て、第1回転軸入口孔24aや第2回転軸入口孔24bから放出される。第1回転軸入口孔24aから放出される冷媒54は、矢印D31,D33で示すように流れる。すなわち、始めに第1コイルエンド部18を流れて冷却する。さらに冷媒54は、第1連通孔14を通って第2コイルエンド部12を流れて冷却する。第2回転軸入口孔24bから放出される冷媒54は、矢印D32,D34で示すように第3コイルエンド部38を流れて冷却する。各コイルエンド部は、ケースC内の位置にかかわらず冷媒54が流れて冷却される。
ケースCに収容される部材(特に各コイルエンド部)を冷却した冷媒54は、最終的にケースCの下部に落下し、出口孔26から排出される。排出された冷媒54は、輸送管を経て貯留部56に輸送される。このように冷媒54を循環させることで、各コイルエンド部の冷却を継続することができる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について実施の形態1〜3に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した実施の形態1では鍔部22を備える構成とし(図1を参照)、実施の形態2では第3凸部28や冷媒漏れ防止板48を備える構成とし(図6を参照)、実施の形態3では第1回転軸入口孔24aと第2回転軸入口孔24bを有する回転軸24を備える構成とした(図10を参照)。この形態に代えて、鍔部22を回転電機10B,10Cに備える構成としてもよい。第3凸部28や冷媒漏れ防止板48を回転電機10A,10Cに備える構成としてもよい。第1回転軸入口孔24aと第2回転軸入口孔24bを回転電機10A,10Bに備える構成としてもよい。これらの構成では、備える部材が有する作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態1,2では、ケース入口孔32と出口孔26をそれぞれ一つずつ設ける構成とした(図1,図6を参照)。この形態に代えて、複数のケース入口孔32を設けてもよく、複数の出口孔26を設けてもよい。すなわち、ケース入口孔32と出口孔26の数は、いずれも任意に設定してよい。例えば図4,図9には、二点鎖線で示すケース入口孔32を含めると、三つのケース入口孔32が設けられる。図4,図9に二点鎖線で示すケース入口孔32のように、位置や傾斜を異ならせてもよい。ケース入口孔32ごとに冷媒54の流量を異ならせてもよく、同一流量としてもよい。複数のケース入口孔32Aを設ける場合には、第3コイルエンド部38を満遍なく冷媒54を流下させて冷却することができる。
上述した実施の形態1,2に示すケース入口孔32や、実施の形態3に示す第1回転軸入口孔24a、第2回転軸入口孔24bは、いずれも直線状で分岐しない貫通孔で成形する構成とした(図1,図6,図10を参照)。この形態に代えて、ケースCの構造等に応じて非直線状(例えば曲線状やジグザク状)の貫通孔で成形してもよい。また、一以上の分岐路を有する貫通孔で成形してもよい。例えば、図11に示すケース入口孔32Aや、図12に示すケース入口孔32Bなどが該当する。ケース入口孔32,32A,32Bは、いずれもケース本体部30に設けてもよく、カバー部34に設けてもよい。ケース入口孔32Aは、主通路32aと、主通路32aから分岐する分岐路32b,32cを有する。主通路32aは図4,図9に実線で示すケース入口孔32に対応し、分岐路32b,32cは図4,図9に二点鎖線で示すケース入口孔32に対応する。ケース入口孔32Bは、円弧状に成形される通路部32eや、通路部32eから分岐する複数の分岐路32dなどを有する。複数の分岐路32dは、許容範囲内で流量が同じになるように放出部分の面積を調整するとよい。ケース入口孔32A,32Bによれば、回転電機10が所定角度(例えば15度)以下の範囲で傾斜しても、第3コイルエンド部38を満遍なく冷媒54を流下させて冷却することができる。
上述した実施の形態1,2では、第2凸部46は樋形状に成形する構成とした(図4,図9を参照)。この形態に代えて、ロータ支持部材16側に向かって伸びて冷媒54を誘導できれば、樋形状以外の形状で成形してもよい。例えば、V字形状,湾曲形状,平板形状などが該当する。樋形状以外の形状で成形しても、ロータ支持部材16側に向かって冷媒54を誘導するので、実施の形態1,2と同様の作用効果が得られる。
上述した実施の形態1〜3では、ロータ支持部材16は、回転軸24やロータ40と別体に成形して連結する構成とした(図1,図6,図10を参照)。この形態に代えて、ロータ支持部材16と回転軸24を一体成形してもよく、ロータ支持部材16とロータ40を一体成形してもよく、ロータ支持部材16,回転軸24,ロータ40を一体成形してもよい。別体成形か一体成形かの相違に過ぎないので、実施の形態1〜3と同様の作用効果が得られる。
上述した実施の形態1〜3では、冷媒54(流体)を用いて冷却を行う構成とした(図3〜図5,図6〜図8を参照)。この形態に代えて、冷媒54を用いて加温を行う構成としてもよい。寒冷地や寒冷期等でも容易に回転電機10を作動させることができる。
上述した実施の形態1〜3では、貯留部56からポンプ50によって冷媒54を汲み上げて冷却する構成とした(図1,図6,図10を参照)。この形態に代えて、冷媒54やケースC内部の温度を温度センサで計測し、計測された温度に基づいて冷媒54やケースC内部が目的温度になるようにポンプ50の稼働量を制御する制御装置を備える構成としてもよい。冷媒54の温度を計測する温度センサの設置は、ケースCの内外を問わない。ケースC内部の温度を計測する温度センサの設置は、ケースC内であれば問わない。この構成によれば、冷媒54やケースC内部が目的温度になるように制御される。
〔作用効果〕
上述した実施の形態1〜3および他の実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
(1)回転電機10(10A,10B)において、ステータコイルLはスロット収容部60とともに第1コイルエンド部18,第2コイルエンド部12,第3コイルエンド部38を有し、ケースCは一以上のケース入口孔32と一以上の出口孔26とを有し、ロータ支持部材16はロータ40の第3空間SP3(外周側空間)と第1空間SP1(内周側空間)とを連通する一以上の第1連通孔14を有し、第1連通孔14は第1コイルエンド部18および第2コイルエンド部12のうちで一方または双方が存在する範囲内(コイルエンド存在範囲E1,コイルエンド存在範囲E2)に設けられる構成とした(図1,図6,図10を参照)。この構成によれば、ケース入口孔32から放出された冷媒54は、まず第3コイルエンド部38を冷却する。次に、回転するロータ支持部材16による遠心力を受けて、第1コイルエンド部18を冷却する。そして、第1連通孔14を通って、第2コイルエンド部12を冷却する。すなわち、ステータコイルLを構成する第1コイルエンド部18から第3コイルエンド部38まで全て冷却するので、冷却性能を向上させることができる。また、ケース入口孔32と第1連通孔14を必要とするに過ぎないので、冷却のために構造が複雑化するのを抑制することができる。
(2)ロータ支持部材16は、内側コア42と回転軸24の間に設けられ、軸方向Axに伸びる鍔部22を有し、鍔部22は、径方向Ry成分を含むように鍔部22の第2空間SP2(外周側空間)と第1空間SP1(内周側空間)とを連通する一以上の第2連通孔20と、第2連通孔20よりも第3コイルエンド部38側に設けられて内径側に突出する第1凸部44とを有し、第2連通孔20は、第1コイルエンド部18が存在する範囲内(コイルエンド存在範囲E1)に設けられる構成とした(図1〜図5を参照)。この構成によれば、鍔部22の第1凸部44によって冷媒54を回転軸24側に誘導する。さらに、回転軸24とともに回転するロータ支持部材16による遠心力を受けて、冷媒54を第2連通孔20に通す。第2連通孔20は第1コイルエンド部18が存在する範囲内に設けられるので、確実に第1コイルエンド部18を冷却することができる。
(3)ステータコアSの少なくとも一部に設けられ、冷媒54がステータコアSよりもカバー部34側に漏れるのを防止する冷媒漏れ防止板48を有する構成とした(図6〜図9を参照)。この構成によれば、冷媒54は冷媒漏れ防止板48によってロータ支持部材16側に誘導されるので、第1コイルエンド部18や第2コイルエンド部12の冷却をより確実に行うことができる。
(4)カバー部34は、ロータ支持部材16に向けて軸方向Axに突出して成形され、第1連通孔14および第2連通孔20のうち一方または双方に向けて冷媒54を誘導する第2凸部46を有する構成とした(図1,図3〜図9を参照)。この構成によれば、第2凸部46はロータ支持部材16に向けて軸方向Axに突出して成形されるので、第3コイルエンド部38を冷却した後の冷媒54をロータ支持部材16側に誘導する。ロータ支持部材16側に誘導された冷媒54は、第2連通孔20を経て第1コイルエンド部18を冷却したり、第1連通孔14を経て第2コイルエンド部12を冷却したりする。よって、第1コイルエンド部18や第2コイルエンド部12の冷却をより確実に行うことができる。
(5)回転電機10(10C)において、回転軸24は中空状に成形されるとともに第1回転軸入口孔24aと第2回転軸入口孔24b(一以上の回転軸入口孔)を有し、ケースCは一以上の出口孔26を有し、ロータ支持部材16は第3空間SP3(外周側空間)と第1空間SP1(内周側空間)とを連通する一以上の第1連通孔14を有し、第1連通孔14は第1コイルエンド部18および第2コイルエンド部12のうちで一方または双方が存在する範囲内に設けられる構成とした(図10を参照)。この構成によれば、第1回転軸入口孔24aから放出された冷媒54は第1コイルエンド部18や第2コイルエンド部12を冷却する。第2回転軸入口孔24bから放出された冷媒54は第3コイルエンド部38を冷却する。すなわち、ステータコイルLを構成する第1コイルエンド部18から第3コイルエンド部38まで全て冷却するので、冷却性能を向上させることができる。また、一以上の回転軸入口孔と第1連通孔14を必要とするに過ぎないので、冷却のために構造が複雑化するのを抑制することができる。
(6)一以上の回転軸入口孔は、第1コイルエンド部18に向けて冷媒54を放出する第1回転軸入口孔24aと、第3コイルエンド部38に向けて冷媒54を放出する第2回転軸入口孔24bとを含む構成とした(図10を参照)。この構成によれば、第1回転軸入口孔24aから放出される冷媒54によって第1コイルエンド部18が冷却され、第2回転軸入口孔24bから放出される冷媒54によって第2コイルエンド部12が冷却される。よって、第1コイルエンド部18や第2コイルエンド部12の冷却をより確実に行うことができる。
(7)ロータ支持部材16は、第1コイルエンド部18と回転軸24の間に設けられ、カバー部34側に突出する第3凸部28を有する構成とした(図6〜図9を参照)。この構成によれば、第3凸部28によって冷媒54を第1コイルエンド部18に誘導するので、第1コイルエンド部18の冷却をより確実に行うことができる。
(8)第3凸部28は、内径側から外径側に向かうにつれて突出量が増えるようにテーパ28aが設けられる構成とした(図6〜図9を参照)。この構成によれば、冷媒54が第3凸部28のテーパ28aをつたって第1コイルエンド部18に誘導されるので、第1コイルエンド部18の冷却をより確実に行うことができる。
10 回転電機(マルチギャップ型回転電機)
12 第2コイルエンド部(固定子)
14 第1連通孔
16 ロータ支持部材
18 第1コイルエンド部(固定子)
24 回転軸(シャフト)
34 カバー部
36 外側コア(固定子)
38 第3コイルエンド部(固定子)
40 ロータ(回転子)
42 内側コア(固定子)
54 冷媒

Claims (8)

  1. 回転軸(24)とロータ支持部材(16)を介して連結され、前記回転軸とともに回転するロータ(40)と、
    前記ロータの外周側に位置して周方向(Cd)に配列された複数の外側スロット(36b)を有する円環状の外側コア(36)と、前記ロータの内周側に位置して周方向に配列された複数の内側スロット(42b)を有する円環状の内側コア(42)とが前記ロータとギャップ(G)を介して備えられるステータコア(S)と、
    前記外側スロットと前記内側スロットとにそれぞれ収容されるスロット収容部(60)を有し、前記ステータコアの周方向に周回するように前記ステータコアに巻装されたステータコイル(L)と、
    前記ロータ、前記ステータコアおよび前記ステータコイルを収容するケース本体部(30)と、前記ケース本体部を塞ぐカバー部(34)とを有するケース(C)と、
    を備えるマルチギャップ型回転電機(10,10A,10B)において、
    前記ステータコイルは、前記スロット収容部とともに、前記内側コアから前記ロータ支持部材側の軸方向(Ax)にはみ出す第1コイルエンド部(18)と、前記外側コアから前記ロータ支持部材側の軸方向にはみ出す前記ステータコイルの第2コイルエンド部(12)と、前記第1コイルエンド部および前記第2コイルエンド部とは反対側に前記内側コアおよび前記外側コアからはみ出す第3コイルエンド部(38)とを有し、
    前記ケースは、前記ステータコイルに向けて放出するように冷媒(54)を入れる一以上のケース入口孔(32)と、前記冷媒を排出する一以上の出口孔(26)とを有し、
    前記ロータ支持部材は、径方向(Ry)成分を含むように前記ロータの外周側空間と内周側空間とを連通する一以上の第1連通孔(14)を有し、
    前記第1連通孔は、前記第1コイルエンド部および前記第2コイルエンド部のうちで一方または双方が存在する範囲内(E1,E2)に設けられることを特徴とするマルチギャップ型回転電機。
  2. 前記ロータ支持部材は、前記内側コアと前記回転軸の間に設けられ、軸方向に伸びる鍔部(22)を有し、
    前記鍔部は、径方向成分を含むように前記鍔部の外周側空間と内周側空間とを連通する一以上の第2連通孔(20)と、前記第2連通孔よりも前記第3コイルエンド部側に設けられて内径側に突出する第1凸部(44)とを有し、
    前記第2連通孔は、前記第1コイルエンド部が存在する範囲内(E1)に設けられることを特徴とする請求項1に記載のマルチギャップ型回転電機。
  3. 前記ステータコアの少なくとも一部に設けられ、前記冷媒が前記ステータコアよりも前記カバー部側に漏れるのを防止する冷媒漏れ防止板(48)を有することを特徴とする請求項1または2に記載のマルチギャップ型回転電機。
  4. 前記カバー部は、前記ロータ支持部材に向けて軸方向に突出して成形され、前記第1連通孔および前記第2連通孔のうち一方または双方に向けて前記冷媒を誘導する第2凸部(46)を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のマルチギャップ型回転電機。
  5. 回転軸(24)とロータ支持部材(16)を介して連結され、前記回転軸とともに回転するロータ(40)と、
    前記ロータの外周側に位置して周方向に配列された複数の外側スロット(36b)を有する円環状の外側コア(36)と、前記ロータの内周側に位置して周方向に配列された複数の内側スロット(42b)を有する円環状の内側コア(42)とが前記ロータとギャップ(G)を介して備えられるステータコア(S)と、
    前記外側スロットと前記内側スロットとにそれぞれ収容されるスロット収容部(60)を有する複数の導体線からなり、前記ステータコアの周方向に周回するように前記ステータコアに巻装されたステータコイル(L)と、
    前記ロータ、前記ステータコアおよび前記ステータコイルを収容するケース本体部(30)と、前記ケース本体部を塞ぐカバー部(34)とを有するケースと、
    を備えるマルチギャップ型回転電機(10,10C)において、
    前記ステータコイルは、前記スロット収容部とともに、前記内側コアから前記ロータ支持部材側の軸方向(Ax)にはみ出す第1コイルエンド部(18)と、前記外側コアから前記ロータ支持部材側の軸方向にはみ出す前記ステータコイルの第2コイルエンド部(12)と、前記第1コイルエンド部および前記第2コイルエンド部とは反対側に前記内側コアおよび前記外側コアからはみ出す第3コイルエンド部(38)とを有し、
    前記回転軸は、中空状に成形され、前記ステータコイルに向けて放出するように冷媒(54)を入れる一以上の回転軸入口孔(24a,24b)を有し、
    前記ケースは、前記冷媒を排出する一以上の出口孔(26)を有し、
    前記ロータ支持部材は、径方向(Ry)成分を含むように前記ロータの外周側空間と内周側空間とを連通する一以上の第1連通孔(14)を有し、
    前記第1連通孔は、前記第1コイルエンド部および前記第2コイルエンド部のうちで一方または双方が存在する範囲内(E1,E2)に設けられることを特徴とするマルチギャップ型回転電機。
  6. 前記一以上の回転軸入口孔は、前記第1コイルエンド部に向けて前記冷媒を放出する第1回転軸入口孔(24a)と、前記第3コイルエンド部に向けて前記冷媒を放出する第2回転軸入口孔(24b)とを含むことを特徴とする請求項5に記載のマルチギャップ型回転電機。
  7. 前記ロータ支持部材は、前記第1コイルエンド部と前記回転軸の間に設けられ、前記カバー部側に突出する第3凸部(28)を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のマルチギャップ型回転電機。
  8. 前記第3凸部は、内径側から外径側に向かうにつれて突出量が増えるようにテーパ(28a)が設けられることを特徴とする請求項7に記載のマルチギャップ型回転電機。
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