JP6275526B2 - 圧電振動子、圧電デバイス及び圧電振動子の製造方法 - Google Patents

圧電振動子、圧電デバイス及び圧電振動子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧電振動子、圧電デバイス及び圧電振動子の製造方法に関する。
いわゆるウェハレベルパッケージ型の圧電振動子として、外部端子を有するベースと、ベース上に重ねられた振動子本体と、振動子本体上に重ねられたリッドとを有するものが知られている(特許文献1)。振動子本体は、圧電体と、圧電体に設けられた1対の励振電極と、1対の励振電極に接続された1対の引出電極とを有している。圧電体は、ブランクと、そのブランクの外周に位置し、ブランクを支持する枠体とを有している。ブランクの両主面には1対の励振電極が形成され、これにより振動素子(素子部)が構成される。枠体は、素子部よりも厚くされている。そして、枠体がベース及びリッドに対してその対向面において接合されることにより、素子部は、ベース、枠体及びリッドにより構成される空間に封止される。接合は、例えば、直接接合や拡散接合によりなされる。1対の引出電極は、ベースの外部端子に接続される。
特許文献1では、振動子本体とベースとを接合した後、且つ、リッドを振動子本体に接合する前において、素子部の周波数を測定し、周波数の調整を行っている。周波数の調整は、励振電極を部分的に削除し、又は、逆に、素子部に導電材料を付着させることにより行われる。その後、特許文献1では、リッドが振動子本体に接合される。
なお、特許文献1において振動子本体とベースとを接合した後に素子部の周波数の調整を行っているのは、特許文献1に明記されていないが、周波数を測定するための電気特性試験装置をベースの外部端子を介して振動子本体の励振電極に接続するためと考えられる。また、リッドの接合前に素子部の周波数の調整を行っているのは、素子部に対して励振電極の質量を変化させる加工を行うためである。
特開2008−178071号公報
特許文献1の技術では、リッドと振動子本体との接合前に、振動子本体とベースとを接合している。しかし、振動子本体とベースとの接合の際には、これらを上下から加圧しなければならない。その際、振動子本体のリッド側の面が汚損する。その結果、リッドと振動子本体との接合の信頼性が低下する。
従って、振動子本体と、ベース及びリッドとの接合の信頼性を向上できる圧電振動子、圧電デバイス及び圧電振動子の製造方法が提供されることが望まれる。
本発明の圧電振動子は、外部に露出する少なくとも1対の外部端子を有しているベースと、前記ベース上に重ねられた振動子本体と、前記振動子本体上に重ねられたリッドと、を有し、前記振動子本体は、前記ベース及び前記リッドに挟まれてこれらとその対向面において接合された枠体と、前記枠体と一体的に形成されており、前記ベース、前記枠体及び前記リッドにより囲まれた空間に収容されたブランクと、を有している圧電体と、前記ブランクの表面に位置する1対の励振電極と、前記圧電体の前記ベース側の面に位置し、電気的に前記1対の励振電極と前記1対の外部端子との間に介在する1対の接続用パッドと、前記圧電体の前記リッド側の面に位置し、前記1対の励振電極に電気的に接続された1対の調整用パッドと、を有している。
好適には、前記調整用パッドは、前記圧電体のうち前記枠体の前記リッドと接合される面よりも前記ベース側へ低くなった面に位置している。
好適には、前記ブランクは、前記ベース及び前記リッドに対向する矩形の板状部分を有し、矩形の1辺の両端側にて前記枠体に支持され、前記1辺と前記枠体との間には開口が形成されており、前記1対の励振電極は、前記矩形の板状部分の両主面に位置し、前記1対の調整用パッドは、少なくとも一部が前記開口よりも前記矩形の板状部分とは反対側に位置している。
好適には、前記ブランクは、前記ベース及び前記リッドに対向する矩形の板状部分を有し、矩形の1辺側にて前記枠体に支持されており、前記1対の励振電極は、前記矩形の板状部分の両主面に位置し、前記1対の調整用パッドは、前記1辺の延びる方向において少なくとも一部が前記矩形の板状部分よりも外側に位置している。
好適には、前記ベースは、前記枠体と接合される絶縁基板と、前記絶縁基板の前記振動子本体とは反対側の面に露出する前記外部端子と、前記絶縁基板を前記振動子本体側へ貫通するスルーホールに充填され、前記外部端子に接続された貫通導体と、を有し、前記接続用パッドは、前記枠体の前記ベース側の、前記絶縁基板と接合される面に位置し、前記スルーホールは、前記接続用パッド及び前記接合される面に重なる位置にある。
好適には、前記ベースは、前記枠体と接合される絶縁基板と、前記絶縁基板の前記振動子本体とは反対側の面に露出する前記外部端子と、前記絶縁基板を前記振動子本体側へ貫通するスルーホールに充填され、前記外部端子に接続された貫通導体と、を有し、前記スルーホールは、前記ブランクと重なる位置にある。
本発明の圧電デバイスは、少なくとも1対の内部パッドを有しているベースと、前記ベース上に重ねられた振動子本体と、前記振動子本体上に重ねられたリッドと、を有し、前記振動子本体は、前記ベース及び前記リッドに挟まれてこれらとその対向面において接合された枠体と、前記枠体と一体的に形成されており、前記ベース、前記枠体及び前記リッドにより囲まれた空間に収容されたブランクと、を有している圧電体と、前記ブランクの表面に位置する1対の励振電極と、前記圧電体の前記ベース側の面に位置し、電気的に前記1対の励振電極と接続され、前記1対の内部パッドに密着される1対の接続用パッドと、前記圧電体の前記リッド側の面に位置し、前記1対の励振電極に電気的に接続された1対の調整用パッドと、を有している。
本発明の圧電振動子の製造方法は、少なくとも1対の外部端子を有しているベースと、前記ベース上に重ねられた振動子本体と、前記振動子本体上に重ねられたリッドと、を有し、前記振動子本体が、前記ベース及び前記リッドに挟まれてこれらとその対向面において接合された枠体と、前記枠体と一体的に形成され、前記ベース、前記枠体及び前記リッドにより囲まれた空間に収容されたブランクと、を有している圧電体と、前記ブランクの表面に位置する1対の励振電極と、前記圧電体の前記ベース側の面に位置し、電気的に前記1対の励振電極と前記1対の外部端子との間に介在する1対の接続用パッドと、を有している、圧電振動子の製造方法であって、前記振動子本体が多数個取りされる本体ウェハであって、各振動子本体において、前記圧電体の前記リッド側の面に位置し、前記1対の励振電極に電気的に接続された1対の調整用パッドを有する本体ウェハを準備するウェハ準備工程と、前記本体ウェハの各振動子本体において、1対のプローブを前記1対の調整用パッドに当接させて、前記1対の励振電極に電圧を印加して各振動子本体を検査する検査工程と、前記検査工程の後、前記本体ウェハを、前記ベースが多数個取りされるベースウェハ及び前記リッドが多数個取りされるリッドウェハで挟み、これらをその積層方向において加圧することによって、前記ベースウェハと前記本体ウェハとのその対向面における接合、及び、前記本体ウェハと前記リッドウェハとのその対向面における接合を共に行う接合工程と、接合された前記ベースウェハ、前記本体ウェハ及び前記リッドウェハをダイシングして、前記圧電振動子を個片化するダイシング工程と、を有している。
上記の構成又は手順によれば、ベース及びリッドとの接合の信頼性を向上できる。
本発明の実施形態に係る水晶振動子の概略構成を示す分解斜視図。 図1の水晶振動子を図1とは異なる視点から見た分解斜視図。 図3(a)及び図3(b)は図1のIIIa−IIIa線及びIIIb−IIIb線における断面図。 図4(a)及び図4(b)は図1の水晶振動子の振動子本体の上面図及び底面図。 図5(a)及び図5(b)は図3(a)の領域Va及び図3(b)の領域Vbの拡大図。 図6(a)〜図6(d)は図1の水晶振動子の製造方法の手順を模式的に示す図。 変形例に係る振動子本体の平面図。 図8(a)は変形例に係る水晶振動子を示す断面図、図8(b)は図8(a)の水晶振動子のベースの上面図。
以下、本発明の実施形態に係る発振器について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
圧電振動子は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともにz方向の正側を上方として、上面、下面などの用語を用いるものとする。
図1は、本発明の実施形態に係る水晶振動子1の概略構成を示す分解斜視図である。図2は、水晶振動子1を図1とは異なる視点から見た分解斜視図である。図3(a)及び図3(b)は、図1のIIIa−IIIa線及びIIIb−IIIb線における断面図である。
水晶振動子1は、例えば、図1に示すように、概略して3つの部材からなる。すなわち、水晶振動子1は、ベース3と、ベース3の上に重ねられる振動子本体5と、振動子本体5の上に重ねられるリッド7とを有している。
水晶振動子1は、例えば、上記の3部材が積層された状態で、概ね直方体状である。その寸法は適宜に設定されてよい。例えば、比較的小さいものでは、x方向又はy方向においては1辺の長さが1〜2mmであり、z方向においては1辺の長さが0.2〜0.4mmである。
ベース3及びリッド7は、例えば、概ね平板状に形成されている。これに対して、振動子本体5は、例えば、枠状に形成された枠部9を有している。従って、これら3部材が積層されると、図3に示すように、ベース3、リッド7及び枠部9により水晶振動子1の内部に空間が形成される。この空間内には、枠部9に支持された素子部11が封止される。素子部11は、電圧が印加されて振動する部分であり、圧電振動素子として機能する。
ベース3の下面には、複数の外部端子15が設けられている。水晶振動子1は、例えば、外部端子15と不図示の回路基板のパッドとが半田等により接合されることにより回路基板に実装される。そして、水晶振動子1は、外部端子15を介して電圧が印加され、また、外部端子15を介して発振信号を出力する。
ベース3、振動子本体5及びリッド7の具体的構成は、例えば、以下のとおりである。
ベース3は、例えば、絶縁基板13と、絶縁基板13に設けられた各種の導電体乃至は金属体とを有している。各種の導電体乃至は金属体は、例えば、上述の複数の外部端子15(図2、図3(a))、ベース3と振動子本体5とを電気的に接続するための1対の内部パッド17(図1、図3(a))、2つの外部端子15と1対の内部パッド17とを電気的に接続する1対の貫通導体19(図1、図2及び図3(a))、及び、ベース3と振動子本体5とを接合するためのベース接合膜21(図1及び図3)を含む。
絶縁基板13は、例えば、セラミック又は樹脂からなる。絶縁基板13は、例えば、概ね、全体として一定の厚さの平板状に形成されており、その平面形状は例えば矩形(長方形)である。
なお、本実施形態において矩形は、その角部が全体の形状を損なわない程度に面取りされたものを含むものとする。例えば、短辺がその長さの1/10以下の長さでカットされたものを含むものとする。当該面取りは、エッチング等の精度によって意図せずに生じるものであってもよいし、意図的になされたものであってもよい。その他、矩形は、エッチング等の精度によって辺が微小に湾曲したものも含むものとする。
複数の外部端子15は、例えば、絶縁基板13の下面に設けられた層状(板状含む。以下同じ。)の導電性材料(例えば金属)からなる。複数の外部端子15の位置及び形状等は適宜に設定されてよい。本実施形態では、複数の外部端子15は、絶縁基板13の下面の4隅に位置し、各外部端子15は、矩形に形成されている。外部端子15は、2種以上の金属層が積層されて構成されていてもよい。なお、他の層状の導体も、外部端子15と同様に、2種以上の金属層から構成されてよい。
1対の内部パッド17は、例えば、絶縁基板13の上面に設けられた層状の導電性材料(例えば金属)からなる。1対の内部パッド17の位置及び形状等は適宜に設定されてよい。本実施形態では、1対の内部パッド17は、絶縁基板13の上面の1辺(例えば短辺)側において、当該短辺の両側寄り(互いに隣接する角部)に位置し、各内部パッド17は、円形に形成されている。
貫通導体19は、絶縁基板13を下面から上面へ貫通するスルーホール13hに充填された導電性材料(例えば金属)からなる。絶縁基板13の平面透視(z方向における透視)において、複数の外部端子15のうち2つと、1対の内部パッド17とは、互いに(少なくとも一部が)重なっており、貫通導体19(スルーホール13h)は、その重複部分に位置し、両者を接続している。
ベース接合膜21は、例えば、絶縁基板13の上面に設けられた層状の金属からなる。ベース接合膜21の平面形状は、例えば、枠状であり、具体的には、絶縁基板13の上面の外周側に位置する概略矩形の枠状である。枠の4辺の幅は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。各辺において、その幅は、例えば、概ね一定である。ただし、内部パッド17の配置位置においては、内部パッド17を絶縁基板13の上面の角部寄りに位置させることができるように、ベース接合膜21の幅は、外側へ細くされている(内縁に凹部が形成されている。)。
ベース接合膜21と内部パッド17とは、例えば、絶縁基板13の上面において一定の幅の隙間を介して離れており、互いに接続されていない。ベース接合膜21及び内部パッド17は、例えば、同一の厚みとされている。これらは、同一平面(絶縁基板13の上面)に形成されているから、これら金属膜の上面の高さは同一である。なお、ベース接合膜21及び内部パッド17は、同一の材料で形成されていることが好ましい。また、貫通導体19は、内部パッド17と同一の材料で形成されていることが好ましい。
リッド7は、例えば、リッド基材35と、リッド基材35の下面に設けられたリッド接合膜37(図2及び図3)とを有している。
リッド基材35は、導電性材料から構成されていてもよいし、絶縁性材料から構成されていてもよい。好適には、リッド基材35は、絶縁性材料から構成されている。絶縁性材料は、例えば、水晶、セラミック又は樹脂である。リッド基材35は、例えば、概ね、全体として一定の厚さの平板状に形成されており、その平面形状は例えば矩形(長方形)である。
リッド接合膜37は、例えば、リッド基材35の下面(振動子本体5側の面)に設けられた層状の金属からなる。リッド接合膜37の平面形状は、例えば、枠状であり、具体的には、リッド基材35の下面の外周側に位置する概略矩形の枠状である。枠の4辺の幅は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。各辺において、その幅は、例えば、概ね一定である。
図4(a)は、リッド7側から見た振動子本体5の平面図である。図4(b)は、ベース3側から見た振動子本体5の平面図である。
図1〜図4に示すように、振動子本体5は、上述した枠部9及び素子部11を有している。別の観点では、振動子本体5は、圧電体23と、圧電体23に設けられた各種の導電体乃至は金属体とを有している。
振動子本体5において各種の導電体乃至は金属体は、例えば、圧電体23を励振するための第1励振電極25A(図1、図3及び図4(a))及び第2励振電極25B(図2、図3及び図4(b))含む。なお、以下において、両者を区別せずに単に「励振電極25」ということがある。
また、例えば、振動子本体5において各種の導電体乃至は金属体は、1対の励振電極25とベース3とを電気的に接続するための1対の接続用パッド27(図2、図3(a)、図4(b))、製造工程において振動子本体5の検査に利用される1対の調整用パッド29(図1、図3(b)及び図4(a))、振動子本体5とベース3とを接合するための下面接合膜31(図2、図3及び図4(b))、及び、振動子本体5とリッド7とを接合するための上面接合膜33(図1、図3及び図4(a))を含む。
圧電体23は、例えば、水晶からなり、その全体が一体的に形成されている。圧電体23は、枠部9を構成する枠体23aと、素子部11を構成するブランク23bとを有している。
枠体23aは、例えば、平面視において、概略矩形の枠状であり、その外縁はベース3の絶縁基板13の外縁及びリッド7のリッド基材35の外縁に一致する。枠の4辺の幅は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。各辺において、その幅は、例えば、概ね一定である。また、枠体23aの下面及び上面は平面状とされている。
ブランク23bは、例えば、概ね、全体として一定の厚さの平板状に形成されており、その平面形状は、例えば、概略矩形(長方形)である。平面視において、ブランク23b(矩形部分)の外縁は枠体23aの内縁よりも小さく、ブランク23bは、枠体23aの内周面と隙間を空けた状態で枠体23aの内部に収まっている。また、ブランク23bの厚みは、枠体23aの厚みよりも小さく、また、ブランク23bは、枠体23aの厚みの中央側に位置している。
ブランク23bは、1辺(例えば短辺)の両端側(互いに隣接する角部)において枠体23aに支持されている。より具体的には、例えば、枠体23aは、前記1辺の両側の角部において、内側へ膨らむ支持部23c(図1、図2、図3(a)及び図4)を有している。また、ブランク23bは、矩形部分の前記1辺の両端側から外側へ突出する被支持部23e(図1、図2及び図4)を有している。被支持部23eは、より具体的には、前記1辺に直交する方向(x方向)及び/又は前記1辺の延びる方向(y方向)に突出してよく、本実施形態では、x方向に突出している。そして、支持部23cと被支持部23eとは互いに固定されている。なお、被支持部23eを除く矩形部分のみをブランク23bとして捉えてもよい。
ブランク23bは、1辺の両端側において枠体23aに支持されていることから、当該1辺において、ブランク23bと枠体23aとの間には、上下方向に貫通する開口23h(図1、図2、図3(b)及び図4)が形成されている。開口23hの形状及び大きさは適宜に設定されてよい。
1対の励振電極25は、ブランク23bの両主面に設けられた層状の導電性材料(例えば金属)からなる。その形状等は公知のものとされてよい。例えば、1対の励振電極は、ブランク23bの中央側に少なくとも一部(本実施形態では全体)が位置し、ブランク23bを挟んで互いに対向している。1対の励振電極25は、例えば、互いに同一の形状及び大きさであり、平面視において全体同士が重なっている。各励振電極25の形状は、例えば、ブランク23b(の矩形部分)の4辺と平行な4辺を有する矩形である。
1対の接続用パッド27は、例えば、枠体23aの下面(ベース3側の面)に設けられた層状の導電性材料(例えば金属)からなる。1対の接続用パッド27の位置及び形状は、少なくとも一部がベース3の内部パッド17の少なくとも一部と重なる限り、適宜に設定されてよい。本実施形態では、1対の接続用パッド27は、1対の内部パッド17と同一の形状及び大きさとされ、その全体が1対の内部パッド17に重なる。1対の接続用パッド27は、例えば、枠体23aの互いに隣接する角部に位置しており、少なくとも一部は上記の支持部23cに位置している。
1対の励振電極25と1対の接続用パッド27とは、第1配線39A(図1及び図4(a))及び第2配線39B(図2及び図4(b))によって接続されている。なお、以下では、両者を区別せずに単に「配線39」ということがある。これら配線39は、例えば、圧電体23の表面に設けられた層状の導電性材料(例えば金属)からなる。
配線39は、適宜な経路とされてよい。例えば、ブランク23bの上面に位置する第1励振電極25Aと一の接続用パッド27とを接続する第1配線39Aは、第1励振電極25Aから開口23h側へブランク23bの上面において延び、次に、開口23hの内周面(例えばy方向に直交する面)をブランク23bの下面側へ延び、その後、枠体23a(支持部23c)の内側面を枠体23aの下面へ延びて接続用パッド27に至る。また、ブランク23bの下面に位置する第2励振電極25Bと他の接続用パッド27とを接続する第2配線39Bは、第2励振電極25Bから開口23h側へブランク23bの下面において延び、その後、枠体23a(支持部23c)の内側面を枠体23aの下面へ延びて接続用パッド27に至る。
1対の調整用パッド29は、製造工程において振動子本体5の検査のために、1対の励振電極25に電気信号を入力し、また、1対の励振電極から電気信号を出力するためのものである。1対の調整用パッド29は、例えば、圧電体23の上面(リッド7側の面)に設けられた層状の導電性材料(例えば金属)からなる。
1対の接続用パッド27の平面視における位置及び形状は任意である。例えば、調整用パッド29は、少なくとも一部(本実施形態では全体)が枠体23aに設けられている。別の観点では、調整用パッド29は、平面視において、少なくとも一部(本実施形態では全体)が開口23hよりもブランク23bとは反対側に位置している。また、更に別の観点では、平面透視において、調整用パッド29と接続用パッド27とは重なっていない。調整用パッド29の最小径(矩形の場合は短辺)は、例えば、配線39の幅(例えばブランク23bの矩形部分の主面における幅)よりも大きい。
1対の接続用パッド27は、圧電体23(枠体23a)のうち、リッド7に接合される面よりもベース3側に低くなった面に設けられている。例えば、枠体23aには凹部23f(図1、図3(b)及び図4(a))が形成されており、1対の接続用パッド27は、凹部23fの底面に設けられている。凹部23fの底面は、例えば、ブランク23bのリッド7側の面と面一である。
1対の励振電極25と1対の調整用パッド29とは、既述の1対の配線39によって接続されている。すなわち、1対の励振電極25と1対の接続用パッド27とを接続する1対の配線39は、1対の励振電極25と1対の調整用パッド29との接続に兼用されている。
具体的には、第1配線39Aは、第1励振電極25Aから開口23h側へブランク23bのリッド7側の面を延びた後、開口23h付近で分岐し、一部は上述のように開口23hを介して接続用パッド27に至り、他部は、被支持部23eを経由して一の調整用パッド29に至る。また、第2配線39Bは、第2励振電極25Bから開口23h側へブランク23bのベース3側の面を延びた後、開口23h付近で分岐し、一部は上述のように枠体23a(支持部23c)の内側面を経由して接続用パッド27へ延び、他部は、開口23hの内側面をベース3側からリッド7側へ延び、他の調整用パッド29に至る。
下面接合膜31は、例えば、枠体23aの下面に設けられた層状の金属からなる。下面接合膜31の平面形状は、枠状であり、より具体的には、例えば、接続用パッド27の配置位置を除いて、枠体23aの下面全体に形成されている。
下面接合膜31及びベース接合膜21は、平面透視において、これら接合膜の重複部分によって素子部11を囲む枠形状が構成されれば、適宜な形状とされてよい。本実施形態では、これら接合膜は、互いに同一の形状及び大きさとされており、全体同士が互いに重なる。
下面接合膜31と接続用パッド27とは、例えば、枠体23aの下面において一定の幅の隙間を介して離れており、互いに接続されていない。下面接合膜31及び接続用パッド27は、例えば、同一の厚みとされている。これらは、同一平面(枠体23aの下面)に形成されているから、これら金属膜のベース3側の表面の高さは同一である。
上面接合膜33は、例えば、枠体23aの上面に設けられた層状の金属からなる。上面接合膜33の平面形状は、枠状であり、より具体的には、例えば、調整用パッド29の配置位置を除いて、枠体23aの上面全体に形成されている。
上面接合膜33及びリッド接合膜37は、平面透視において、これら接合膜の重複部分によって素子部11を囲む枠形状が構成されれば、適宜な形状とされてよい。本実施形態では、これら接合膜は、調整用パッド29の位置と、支持部23cの位置とを除いて、互いに同一の形状及び大きさとされており、概ね全体が互いに重なる。
振動子本体5の各種の導電層(25、27、29、31、33及び39)は、例えば、互いに同一の材料により構成されている。例えば、これら導電体は、圧電体23の表面に重ねられた、水晶との密着性が高いクロム(Cr)、ニッケル(Ni)又はニクロム(NiCr)からなる下地層と、この下地層に重ねられた、導電性が高い金(Au)又は銀(Ag)からなる層とを有している。なお、導電層は、水晶との密着性及び導電性の双方が高い適宜な合金からなる単層であってもよい。
図5(a)は、図3(a)の領域Vaの拡大図であり、図5(b)は、図3(b)の領域Vbの拡大図である。
ベース3のベース接合膜21と振動子本体5の下面接合膜31とは互いに対向されて接合される。また、振動子本体5の上面接合膜33とリッド7のリッド接合膜37とは互いに対向されて接合される。これらの接合により、ベース3、枠部9(枠体23a)及びリッド7により囲まれる密閉空間が構成される。接合は、例えば、原子拡散接合である。
既に述べたように、また、図5(a)に示すように、ベース3において、ベース接合膜21及び内部パッド17は、同一平面(絶縁基板13の上面)に設けられるとともに、その厚みが同等であり、ひいては、その表面の高さは同等である。また、振動子本体5において、下面接合膜31及び接続用パッド27は、同一平面(枠体23aの下面)に設けられるとともに、その厚みが同等であり、ひいては、その表面の高さは同等である。
そして、ベース接合膜21と下面接合膜31との接合とともに、内部パッド17と接続用パッド27との接合もされている。これにより、1対の励振電極25と複数の外部端子15のうちの2つとが電気的に接続される。別の観点では、ベース3と振動子本体5とは、内部パッド17と接続用パッド27とによっても接合される。この接合は、例えば、ベース接合膜21と下面接合膜31との接合と同様(例えば原子拡散接合)である。
また、既に述べたように、貫通導体19(スルーホール13h)は、内部パッド17と外部端子15との間に位置している。従って、スルーホール13h上には、接続用パッド27及び枠体23aが位置する。すなわち、スルーホール13hは、内部パッド17及び接続用パッド27によって枠体23aの下面がベース3の絶縁基板13の上面に接合されることによって塞がれる。
既に述べたように、また、図5(b)に示すように、調整用パッド29は、枠体23aのリッド7に対する接合面よりもベース3側に低い面に設けられている。従って、リッド7と枠体23aとが接合されても、調整用パッド29はリッド7から離れている。
図6(a)〜図6(d)は、水晶振動子1の製造方法の手順を模式的に示す図である。
まず、図6(a)に示すように、振動子本体5が多数個取りされる本体ウェハ51を作製する(ウェハ準備工程)。本体ウェハ51の作製方法は、圧電体23の具体的形状やその表面に形成される導電層の具体的形状等に係る部分を除いては、公知の方法と概略同様とされてよい。
例えば、まず、ウェハの表面にフォトリソグラフィーによりレジストからなるマスクを形成し、そのマスクを介してエッチングを行い、ブランク23b及び枠体23aを形成する。その後、マスクを除去する。
次に、エッチングされたウェハの表面にフォトリソグラフィーによりレジストからなるマスクを形成し、そのマスクを介して金属材料を成膜し、励振電極25、接続用パッド27、調整用パッド29、下面接合膜31、上面接合膜33及び配線39を形成する。なお、ウェハの表面に金属材料を成膜したあと、フォトリソグラフィーによりマスクを形成し、マスクを介して金属材料のエッチングを行ってもよい。
金属膜の形成方法には、めっき法(無電解めっき、電解めっき)や蒸着法(真空蒸着やスパッタリング)等の公知の方法又はその組み合わせが適宜に選択されてよい。なお、比較的高い真空度の雰囲気下において、スパッタリング等によって導体層を形成すれば、導体層の形成に引き続いて、同一の真空雰囲気下にて、後述する原子拡散接合による接合を行うことができ、好適である。
次に、図6(b)に示すように、電気特性試験装置の1対のプローブ57を1対の調整用パッド29に当接させ、振動子本体5の検査を行う(検査工程)。具体的には、1対の調整用パッド29を介して1対の励振電極25に電圧を印加し、振動子本体5の発振周波数やクリスタルインピーダンス値(CI値)を測定する。
特に図示しないが、この検査工程の結果に応じて、例えば、振動子本体5の周波数の調整がなされる。例えば、レーザー光の照射によって励振電極25の一部が除去されることにより、又は、逆に、蒸着によってブランク23bに金属が付着されることにより、励振電極25の質量が調整される。
次に、図6(c)に示すように、本体ウェハ51を、ベース3が多数個取りされるベースウェハ53と、リッド7が多数個取りされるリッドウェハ55とで挟み込む。
ベース3及びリッド7の作製方法も、基体(13、35)の具体的形状や、その表面に形成される各種の導体(17、21等)の具体的形状等に係る部分を除いては、公知の方法と概略同様とされてよい。例えば、基体がセラミックからなる場合を例に挙げると、セラミックグリーンシートに導電ペーストを配置してこれらを同時焼成したり、及び/又は、焼成されたセラミック基板に導体を配置したりしてよい。
なお、焼成されたセラミック基板における導体の形成方法には、導電ペーストを用いる方法の他、本体ウェハ51における導体形成と同様に、めっき法や蒸着法等の公知の方法又はその組み合わせが選択されてよく、好ましくは、比較的高い真空度の雰囲気下におけるスパッタリング等が選択される。
スルーホール13hは、焼成後のセラミックに対してレーザー加工を行うことにより形成されることが好ましい。この場合、スルーホール13hを小径にすることができ、また、その位置を高精度に規定できる。
ベースウェハ53、本体ウェハ51及びリッドウェハ55が積層されると、ベース3のベース接合膜21と下面接合膜31とが接触し、内部パッド17と接続用パッド27とが接触し、上面接合膜33とリッド接合膜37とが接触する。この接触時の条件を適宜に設定することにより、これらの互いに接触した金属層は原子拡散接合により接合される。
例えば、既に述べたように、比較的高い真空度の雰囲気下においてスパッタリング等により各金属層を形成し、その真空雰囲気下で引き続き金属層同士を接触させる。この際、図6(c)において矢印で示すように、適宜な圧力で3枚のウェハをその積層方向に加圧することが好ましい。また、原子拡散接合は、室温でも可能であるが、3枚のウェハが適宜な温度になるように加熱が行われてもよい。
その後、図6(d)に示すように、互いに接合されたベースウェハ53、本体ウェハ51及びリッドウェハ55は、ダイシングラインに沿ってダイシングされる(ダイシング工程)。すなわち、複数の水晶振動子1は個片化される。なお、ダイシングは、公知の適宜な方法により行われてよい。
以上のとおり、本実施形態では、水晶振動子1は、外部に露出する少なくとも1対の外部端子15を有しているベース3と、ベース3上に重ねられた振動子本体5と、振動子本体上に重ねられたリッド7と、を有している。振動子本体5は、枠体23a及びブランク23bを有する圧電体23と、ブランク23bの表面に位置する1対の励振電極25と、圧電体23のベース3側の面に位置し、電気的に1対の励振電極25と1対の外部端子15との間に介在する1対の接続用パッド27と、圧電体23のリッド7側の面に位置し、1対の励振電極25に電気的に接続された1対の調整用パッド29と、を有している。
従って、1対の調整用パッド29にプローブ57を当接させて振動子本体5の検査をすることができる。すなわち、振動子本体5とベース3とを接合させた状態で、外部端子15を用いて振動子本体5の検査を行わなくてもよく、ひいては、リッド7と振動子本体5との接合に先だって、振動子本体5とベース3とを接合する必要もない。その結果、例えば、振動子本体5とベース3との接合の際に振動子本体5の上面(リッド7との接合面)が汚損されるおそれが低減される。すなわち、本実施形態の圧電振動子の製造方法における接合工程のように、ベース3、振動子本体5及びリッド7を共に(同時に)接合することによって、接合性の信頼性を向上させることができる。なお、調整用パッド29を設けずに、接続用パッド27に対してプローブ57を当接させて検査を行うと、接続用パッド27が汚損され、内部パッド17と接続用パッド27との接合の信頼性が低下するおそれがある。
また、本実施形態では、調整用パッド29は、圧電体23のうち枠体23aのリッド7と接合される面よりもベース3側へ低くなった面(凹部23fの底面)に位置している。
従って、例えば、プローブ57を調整用パッド29に当接させた際の調整用パッド29の汚損が、振動子本体5とリッド7との接合に及ぼす影響が低減され、接合の信頼性が向上する。より具体的には、例えば、調整用パッド29はリッド7に当接しないから、調整用パッド29における疵、汚れ又は塵はリッド7に当接しない。また、例えば、調整用パッド29において生じた塵が枠体23aの接合面に移動することが低減される。
また、本実施形態では、ブランク23bは、ベース3及びリッド7に対向する矩形の板状部分を有し、矩形の1辺の両端側にて枠体23aに支持され、前記1辺と枠体23aとの間には開口23hが形成されている。1対の励振電極25は、ブランク23bの矩形の板状部分の両主面に位置している。1対の調整用パッド29は、少なくとも一部が開口23hよりもブランク23bの矩形の板状部分とは反対側に位置している。
従って、1対の調整用パッド29は、1対の励振電極25から比較的離されることになる。その結果、一の励振電極25に接続された調整用パッド29と他の励振電極25との間の電界の強度は低くされ、当該電界が素子部11の振動に及ぼす影響が低減される。その結果、水晶振動子1の特性が向上する。
また、本実施形態では、ベース3は、枠体23aと接合される絶縁基板13と、絶縁基板13の振動子本体5とは反対側の面に露出する外部端子15と、絶縁基板13を振動子本体5側へ貫通するスルーホール13hに充填され、外部端子15に接続された貫通導体19と、を有している。接続用パッド27は、枠体23aのベース3側の、絶縁基板13と接合される面に位置している。スルーホール13hは、接続用パッド27及び前記接合される面に重なる位置にある。
従って、スルーホール13hは、枠体23aが接続用パッド27によって絶縁基板13に接合されることによって気密に塞がれることになる。その結果、水晶振動子1の内部の空間の気密性が向上する。ひいては、水晶振動子1の特性が長期に亘って安定する。調整用パッド29によって検査が行われ、接続用パッド27はプローブ57等によって汚損されないことによって、接続用パッド27による密閉の信頼性が向上する。
なお、以上の実施形態において、水晶振動子1は、圧電振動子及び圧電デバイスの一例である。
以下では、水晶振動子の変形例について説明する。なお、説明の便宜上、変形例において、実施形態の振動子本体5の各部と概略同様の機能を有する部分については、具体的形状等が異なっても、振動子本体5と同一の符号を付すことがある。
図7は、変形例に係る振動子本体105の平面図(図4(a)に相当)である。
振動子本体105は、1対の調整用パッド29の位置のみが実施形態の振動子本体5と相違する。具体的には、振動子本体105においては、1対の調整用パッド29(凹部23f)は、ブランク23bの枠体23aに支持されている側の1辺の延びる方向(y方向)において少なくとも一部(本変形例では全体)がブランク23bよりも外側に位置している。別の観点では、1対の調整用パッド29は、少なくとも一部(本変形例では全体)開口23hよりもy方向の外側に位置している。さらに別の観点では、1対の調整用パッド29は、平面透視において、1対の接続用パッド27(図4(b)参照)と(少なくとも一部同士が)重なる位置にある(好ましくは1対の接続用パッド27に収まる。)。
この変形例においても、実施形態と同様に、1対の調整用パッド29が設けられていることによって、接合の信頼性が向上する等の効果が奏される。また、この変形例では、実施形態と同様に、1対の調整用パッド29は、少なくとも一部がブランク23bの外側に位置する配置とされていることから、1対の調整用パッド29と1対の励振電極25との間の電界が素子部11の振動に及ぼす影響が低減される。
また、この変形例では、1対の調整用パッド29と1対の接続用パッド27との位置が重なっていることから、例えば、1対の調整用パッド29にプローブ57を当接させて検査を行うことによって、1対の接続用パッド27にプローブ57を当接させて検査を行った場合の検査結果に近い検査結果が得られると期待される。なお、実施形態においては、例えば、1対の接続用パッド27の背面に凹部23fが位置していないことから、リッド7からの圧力が1対の接続用パッド27及び内部パッド17に確実に伝えられることが期待される。
図8(a)は、変形例に係る水晶振動子201を示す断面図(図5(a)に相当)である。図8(b)は、水晶振動子201のベース203の上面(振動子本体5側の面)を示す平面図である。
変形例に係る水晶振動子201は、ベースの構成のみが実施形態の水晶振動子1と相違する。より具体的には、変形例に係るベース203は、実施形態のベース3と、基本的に、貫通導体19(スルーホール13h)の位置のみが相違する。また、この相違に付随して、貫通導体19の寸法や製造方法も相違してよい。
変形例において、貫通導体19は、内部パッド17の直下ではなく、内部パッド17から延びたベース配線18の直下に位置しており、ベース配線18と外部端子15とを接続している。また、ベース配線18は、枠体23aとベース203との接合面(その範囲はベース接合膜21及び内部パッド17の範囲を参照)よりも内側(ブランク23bと重なる位置)に延び、貫通導体19は、ブランク23bと重なる位置にある。
なお、1対の貫通導体19は、1対の内部パッド17の直下に位置する2つの外部端子15と接続されてもよいし、図8(b)に示すように、1対の貫通導体19のうち少なくとも一方は、1対の内部パッド17の直下に位置しない外部端子15と接続されてもよい。
このように貫通導体19がブランク23bと重なる位置にある場合においては、貫通導体19がベース203と枠体23aとの接合に及ぼす影響が低減される。従って、貫通導体19において段差が生じてしまうことが許容され、ベース203の製造方法として、安価な方法を選択することが容易化される。
例えば、セラミックグリーンシートに打ち抜きによってスルーホール13hを形成し、スルーホール13hに導電ペーストを充填し、これらを同時焼成することによってベース203が製造されてよい。この製造方法は安価である。一方で、スルーホール13hの位置乃至は形状に係る加工精度は低い。また、原子拡散接合の容易化のためにスパッタリング等によって内部パッド17を形成すると、貫通導体19と内部パッド17とは異種材料となりやすい。これらの理由から、貫通導体19においては段差が生じる。しかし、上述のように、この変形例では、このような段差が許容される。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
圧電デバイスは、圧電振動子に限定されない。例えば、発振回路を有する圧電発振器であってもよい。この場合、例えば、ベースの下面又は上面に凹部を形成して、その凹部に発振回路を含むICが配置されてもよいし、素子部に対して枠部を比較的大きくし、ベースの上面に発振回路を含むICが配置され、素子部とともに封止されてもよい。また、このように発振回路が設けられる場合、接続用パッド(27)は、1対の励振電極と1対の外部端子との間に電気的に介在するのではなく、1対の励振電極と発振回路との間に電気的に介在すればよい。別の観点では、接続用パッドは、内部パッド(17)に密着すればよい。
また、圧電振動子は、サーミスタ等の適宜な電気素子を含んでいてもよい。この場合、電気素子は、例えば、上述したICと同様に、ベースの下面又は上面に配置されてよい。
素子部は、板状の両主面に1対の励振電極が設けられるものに限定されず、例えば、いわゆる音叉型のものであってもよい。
ベースと振動子本体との接合、及び、振動子本体とリッドとの接合は、金属膜を用いた原子拡散接合によるものに限定されない。例えば、金属膜を介さずに、振動子本体の圧電体と、ベースの絶縁基板又はリッドのリッド基材とが直接接合又は陽極接合によって接合されてもよい。また、金属膜同士を接合する場合においても、接合方法は、スパッタリング等で形成した金属膜を引き続き同一真空中で接触させる方法に限定されず、例えば、金属膜にイオン照射を行って金属膜表面を清浄化及び活性化し、室温で接合する方法が採用されてもよい。金属膜は、基準電位が付与されていてもよい。
枠体によるブランクの支持位置は、ブランクの短辺両側に限定されない。例えば、支持位置は、ブランクの短辺中央とされてもよいし、ブランクの一の対角線の両端とされてもよい。1対の接続用パッドの位置は、ブランクの短辺側に限定されず、例えば、ブランクの一の対角線の両側とされてもよい。1対の調整用パッドも同様である。調整用パッドは、圧電体のうち枠体のリッドと接合される接合面に位置していてもよい。
1…水晶振動子(圧電振動子)、3…ベース、5…振動子本体、7…リッド、15…外部端子、23…圧電体、23a…枠体、23b…ブランク、25A…第1励振電極、25B…第2励振電極、27…接続用パッド、29…調整用パッド。

Claims (7)

  1. 外部に露出する少なくとも1対の外部端子を有しているベースと、
    前記ベース上に重ねられた振動子本体と、
    前記振動子本体上に重ねられたリッドと、
    を有し、
    前記振動子本体は、
    前記ベース及び前記リッドに挟まれてこれらとその対向面において接合された枠体と、前記枠体と一体的に形成されており、前記ベース、前記枠体及び前記リッドにより囲まれた空間に収容されたブランクと、を有している圧電体と、
    前記ブランクの表面に位置する1対の励振電極と、
    前記圧電体の前記ベース側の面に位置し、電気的に前記1対の励振電極と前記1対の外部端子との間に介在する1対の接続用パッドと、
    前記圧電体の前記リッド側の面に位置し、前記1対の励振電極に電気的に接続された1対の調整用パッドと、を有しており、
    前記調整用パッドは、前記圧電体のうち前記枠体の前記リッドと接合される面よりも前記ベース側へ低くなった面に位置している
    圧電振動子。
  2. 前記ブランクは、前記ベース及び前記リッドに対向する矩形の板状部分を有し、矩形の1辺の両端側にて前記枠体に支持され、前記1辺と前記枠体との間には開口が形成されており、
    前記1対の励振電極は、前記矩形の板状部分の両主面に位置し、
    前記1対の調整用パッドは、少なくとも一部が前記開口よりも前記矩形の板状部分とは反対側に位置している
    請求項に記載の圧電振動子。
  3. 前記ブランクは、前記ベース及び前記リッドに対向する矩形の板状部分を有し、矩形の1辺側にて前記枠体に支持されており、
    前記1対の励振電極は、前記矩形の板状部分の両主面に位置し、
    前記1対の調整用パッドは、前記1辺の延びる方向において少なくとも一部が前記矩形の板状部分よりも外側に位置している
    請求項1又は2に記載の圧電振動子。
  4. 前記ベースは、
    前記枠体と接合される絶縁基板と、
    前記絶縁基板の前記振動子本体とは反対側の面に露出する前記外部端子と、
    前記絶縁基板を前記振動子本体側へ貫通するスルーホールに充填され、前記外部端子に接続された貫通導体と、を有し、
    前記接続用パッドは、前記枠体の前記ベース側の、前記絶縁基板と接合される面に位置し、
    前記スルーホールは、前記接続用パッド及び前記接合される面に重なる位置にある
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電振動子。
  5. 前記ベースは、
    前記枠体と接合される絶縁基板と、
    前記絶縁基板の前記振動子本体とは反対側の面に露出する前記外部端子と、
    前記絶縁基板を前記振動子本体側へ貫通するスルーホールに充填され、前記外部端子に接続された貫通導体と、を有し、
    前記スルーホールは、前記ブランクと重なる位置にある
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電振動子。
  6. 少なくとも1対の内部パッドを有しているベースと、
    前記ベース上に重ねられた振動子本体と、
    前記振動子本体上に重ねられたリッドと、
    を有し、
    前記振動子本体は、
    前記ベース及び前記リッドに挟まれてこれらとその対向面において接合された枠体と、前記枠体と一体的に形成されており、前記ベース、前記枠体及び前記リッドにより囲まれた空間に収容されたブランクと、を有している圧電体と、
    前記ブランクの表面に位置する1対の励振電極と、
    前記圧電体の前記ベース側の面に位置し、電気的に前記1対の励振電極と接続され、前記1対の内部パッドに密着される1対の接続用パッドと、
    前記圧電体の前記リッド側の面に位置し、前記1対の励振電極に電気的に接続された1対の調整用パッドと、を有しており、
    前記調整用パッドは、前記圧電体のうち前記枠体の前記リッドと接合される面よりも前記ベース側へ低くなった面に位置している
    圧電デバイス。
  7. 少なくとも1対の外部端子を有しているベースと、
    前記ベース上に重ねられた振動子本体と、
    前記振動子本体上に重ねられたリッドと、
    を有し、
    前記振動子本体が、
    前記ベース及び前記リッドに挟まれてこれらとその対向面において接合された枠体と、前記枠体と一体的に形成され、前記ベース、前記枠体及び前記リッドにより囲まれた空間に収容されたブランクと、を有している圧電体と、
    前記ブランクの表面に位置する1対の励振電極と、
    前記圧電体の前記ベース側の面に位置し、電気的に前記1対の励振電極と前記1対の外部端子との間に介在する1対の接続用パッドと、を有している、
    圧電振動子の製造方法であって、
    前記振動子本体が多数個取りされる本体ウェハであって、各振動子本体において、前記圧電体の前記リッド側の面に位置し、前記1対の励振電極に電気的に接続された1対の調整用パッドを有する本体ウェハを準備するウェハ準備工程と、
    前記本体ウェハの各振動子本体において、1対のプローブを前記1対の調整用パッドに当接させて、前記1対の励振電極に電圧を印加して各振動子本体を検査する検査工程と、
    前記検査工程の後、前記本体ウェハを、前記ベースが多数個取りされるベースウェハ及び前記リッドが多数個取りされるリッドウェハで挟み、これらをその積層方向において加圧することによって、前記ベースウェハと前記本体ウェハとのその対向面における接合、及び、前記本体ウェハと前記リッドウェハとのその対向面における接合を共に行う接合工程と、
    接合された前記ベースウェハ、前記本体ウェハ及び前記リッドウェハをダイシングして、前記圧電振動子を個片化するダイシング工程と、
    を有しており、
    前記調整用パッドは、前記圧電体のうち前記枠体の前記リッドと接合される面よりも前記ベース側へ低くなった面に位置している
    圧電振動子の製造方法。
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