JP6275010B2 - 収穫機 - Google Patents
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Description
本発明は、走行しながら圃場から収穫した農作物を収穫物タンクに一時的に収納する収穫機に関する。
このような収穫機では、収穫物の収穫物タンクへの収納と収穫物タンクからの排出を繰り返して、1つ以上の圃場に対する収穫作業を行う。特許文献1で開示されたコンバイン(収穫機の一種)では、油圧シリンダを用いたコンバインの姿勢制御によって走行機体の傾斜姿勢が左右方向及び前後方向に関して水平であると判断されて一定時間(例えば10秒が)経過することで、精密測定のための準備が整ったとして、穀物タンク内の穀粒の質量(収量)が算出される。このようなコンバインでは、穀物タンク内の穀粒の質量を正確に測ることができるが、精密測定のための準備に時間がかかる。このため、精密測定のための準備なしでの簡易的な測定も行いたいという要望がある。
上記実情に鑑み、本発明の課題は、ユーザのその時の要望に合わせて、収穫物タンクに貯留された収穫物の量を精密測定または簡易測定のいずれかでスムーズに行うことができる収穫機を提供することである。
本発明による収穫機は、圃場を走行しながら収穫された収穫物を一時的に貯留する収穫物タンクと、前記収穫物タンクに貯留された収穫物の量を測定するための測定器と、前記収穫物タンクに貯留された収穫物を外部に搬出するアンローダ装置とを備えている。制御系として、前記測定器による精密測定を可能にする機器状態を作り出す精密測定用機器設定処理を実行する機器制御部と、前記精密測定用機器設定処理をともなう精密測定で前記測定器による測定を行う精密測定実行部及び前記精密測定用機器設定処理を伴わない簡易測定で前記測定器による測定を行う簡易測定実行部とを有する測定制御部とが備えられている。さらに、人為操作デバイスに対する操作に応じて、前記精密測定を指令する精密測定指令及び前記簡易測定を指令する簡易測定指令を出力する操作指令処理部と、前記アンローダ装置による収穫物排出作業前において、先行した簡易測定指令に基づく簡易測定結果の記録を、後続の精密測定指令に基づく精密測定結果で書き換える測定結果記録部も備えている。
この構成では、測定器を用いた貯留収穫物量測定を制御する測定制御部が精密測定実行部と簡易測定実行部とを有しているので、精密測定を希望する場合には、人為操作デバイスを通じて精密測定指令を、簡易測定を希望する場合には簡易測定指令を測定制御部に与えることで、希望の測定方法で貯留収穫物量(収量)を測定することができる。精密測定では、実際の測定に先立って、精密測定を可能にする機器状態(例えば車体の静止安定状態など)を作り出してから測定が実行される。収穫物タンクに貯留された収穫物量(収量とも呼ばれる)の測定は、通常、アンローダ装置による収穫物排出作業前に行われる。その際、最初に簡易測定指令を与えて簡易測定を行った後、精密測定を望んだ場合には、アンローダ装置によって収穫物が排出されていなければ、精密測定指令を与えることで、精密測定が実行されるだけでなく、測定記録に関しても、先の簡易測定による測定結果がその後に行われた精密測定の測定結果で書き換えられる。簡易測定と精密測定の両方が実行されたとしても、収穫作業後に行われる測定結果の集積において、精密測定の測定結果が記録されているので好都合である。
運転者(操作員)が精密測定と簡易測定とのいずかを選択するために用いられる人為操作デバイスとしては、精密測定用と簡易測定用とで独立したスイッチ(ボタンやダイアルでもよい)構成を採用してもよいし、他の機能スイッチ(ボタンやダイアルでもよい)と兼用する構成を採用してもよい。前者の場合における、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記人為操作デバイスは、前記操作指令処理部に、簡易測定指令出力のための信号を送る簡易測定用スイッチと、精密測定指令出力のための信号を送る精密測定用スイッチとを含む。この構成では、操作する者は、精密測定と精密測定とを明確に区別して操作することができるので、選択間違いが低減される。後者の場合における、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記簡易測定用スイッチは前記アンローダ装置の起動スイッチと兼用になっているので、例えば、前記起動スイッチの複操作によって簡易測定指令出力のための信号が送り出され、前記起動スイッチの単操作によって前記アンローダ装置の起動を要求する信号が送り出される。貯留収穫物量測定は、アンローダ装置による収穫物搬出作業と対になって一連の作業として行われることが多いことを考慮すれば、簡易測定用スイッチとアンローダ装置の起動スイッチとを兼用させることで、短時間で行われる簡易測定と収穫物搬出作業との一連の操作がスムーズに行われる利点がある。
本発明による好適な実施形態の1つでは、前記精密測定用機器設定処理において、収穫機車体の水平姿勢への移行、収穫作業用機器への動力遮断、アンロード作業用機器の収納位置での固定、のいずれかまたは全てが実行される。この構成によれば、収穫機車体の水平姿勢への移行によって収穫物タンクが測定に適した安定姿勢となる。収穫作業用機器への動力遮断により収穫機タンク及び測定器への振動伝達が回避される。アンロード作業用機器の収納位置での固定により車体重心が安定することによる測定の安定化が得られる。これにより、精密測定の測定信頼性が向上する。
測定器から出力される測定値から、貯留収穫物量を算定する場合、測定値から収量を導出するために変換テーブルが必要となる。その際、収穫物の種類によって変換テーブルが異なる場合や、収量の属性値として収穫物の種類を特定する識別データが付加される場合などでは、収穫中の収穫物を確実に特定しておく必要がある。そのような収穫物は季節や年度によっても異なるので、最近では、その正確な情報は管理センタに登録されている。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記測定器による測定値から前記収穫物タンクに貯留されていた収穫物量である収量を導出する変換テーブルが、管理センタからデータ通信回線を通じて送られてくるデータに基づいて構築される。その際、収穫対象となっている圃場の識別情報を管理センタに与えることで、管理センタから適切なデータが収穫機の制御部に送られてくる。
収穫物が、米や麦やトウモロコシなどの場合、1つの圃場における収穫作業中に、数回にわたって前記収穫物タンクに貯留された収穫物をアンローダ装置を用いて外部に搬出する必要がある。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記測定器の測定結果から算定される、前記収穫物タンクに貯留されていた収穫物量である単位収量、及び前記単位収量の積算である積算収量の両方を表示する表示部が備えられている。これにより、運転者は、貯留収穫物は排出作業と毎にその収量を確認できるとともに、1つの圃場における収穫作業の終了後にはその圃場の全収量を確認できる。
本発明による収穫機の具体的な実施形態を説明する前に、図1を用いて、アンローダ装置による排出前に、収穫物タンクに貯留された収穫物の量を算定するための制御の基本原理を説明する。図1では、麦や稲を収穫対象とする収穫機が示されている。この収穫機には、良く知られているように、収穫物(穀粒)を一時的に貯留する収穫物タンク(穀粒タンク)及び、収穫物に貯留された収穫物を排出するアンローダ装置が備えられている。収穫物タンクに貯留された収穫物の量を測定する測定器が収穫物タンクの周辺に装備されている。
収穫物タンクに貯留された収穫物の量を測定する際、精密測定と簡易測定の2つの方法で行われる。精密測定では、外乱による測定器の測定誤差をできるだけ避けるため、収穫機に装備されている各機器の状態が外乱因子とならないように、例えば駆動機器の停止状態やバランス変動する機器の安定姿勢状態を実現すべく、該当機器に対して精密測定用機器設定処理が行われる。これにより、測定器の外乱となりうる機器は低減し、精密測定に適した状態が作り出される。簡易測定では、上述した精密測定用機器設定処理の一部または全てが省略される。したがって、簡易測定では、精密測定のような正確な測定は期待できないが、精密測定用機器設定処理が省略される分、測定時間が短縮化される。
精密測定と簡易測定との選択は、運転席の近傍に配置されている人為操作デバイスに対する操作を通じて行われる(#01)。人為操作デバイスは、スイッチ、ボタン、レバーなどで構成可能であるが、液晶パネルなどの表示機器が備えられている場合、その表示画面に表示されるソフトウエアボタンであってもよい。ソフトウエアボタンに対する操作はタッチパネルと通じて入力される。運転者が人為操作デバイスを通じて簡易測定を選択すると、簡易測定要求が出力され(#11)、精密測定を選択すると精密測定要求が出力され(#21)、測定制御系に与えられる。
測定制御系では、簡易測定要求を受け取ると、測定フラグに「簡易」が設定され(#12)、簡易測定が実行される(#14)。簡易測定では、直ぐに、測定器が動作し、収穫物タンク含めた収穫物の重量測定を行い、測定結果として測定値を出力する。得られた測定値は、測定値/収量変換テーブルにより収量に変換される。なお、測定値/収量変換テーブルは収穫機の機種や収穫物の品種などによって異なる場合がある。このため、運転者は、前もって収穫機の識別情報や収穫地である圃場の識別情報を管理センタに送り、今回の収穫作業において適切に利用することができる測定値/収量変換テーブルを通信回線を介してダウンロードしておく。このダウンロードされる測定値/収量変換テーブルに圃場名や収穫物品種などが含まれていれば、これらの情報は、収量属性値として、算定された収量にリンクさせることができる。
さらに、簡易測定が終了するまでは、測定フラグが読み出され(#15)、その内容がチェックされる(#16)。この測定フラグの読み出しと、測定フラグの内容チェックは、アンロード作業が開始されるまで繰り返される。これは、運転者が一度簡易測定を選択した後に精密測定を選択し直すといった状況に対応するための処置である。選択のし直し、あるいは最初からの選択、いずれにせよ、運転者が人為操作デバイスを通じて精密測定を選択すると、精密測定要求が出力され(#21)、測定制御系に与えられる。その結果、測定フラグに「精密」が設定される(#22)。したがって、先に簡易測定が選択されたのちに、精密測定が選択されると、測定フラグの内容が、「簡易」から「精密」に変更されるので、ステップ#16の測定フラグの内容チェックにおいて、測定フラグの内容が「精密」であれば、ステップ#23にジャンプして、精密測定用機器設定処理が実行され、その後に精密測定が行われる(#24)。もちろん、最初から精密測定が選択された場合には、ステップ#21、#22、#23を経て、精密測定が行われる(#24)。
ステップ#23の精密測定用機器設定処理では、車体の停止、車体の水平姿勢化、アンローダ装置を含む作業機器の安定姿勢での固定及び駆動機器の停止などが実行され、測定の外乱となる因子ができる限り取り除かれる。ここでの精密測定とは、そのような測定外乱の低減状況下での測定を意味しており、測定そのものは、簡易測定との違いはない。
ステップ#16の測定フラグの内容チェックにおいて、測定フラグの内容が「簡易」であれば、簡易測定で得られた収量がメモリに記録され(#17)、測定フラグの内容は「」(空)に設定される(#18)。収量の記録の際には、収量を示すデータとともに、実行された測定が簡易測定であることを特定する種別コード、圃場識別コードなども記録されると、収穫作業後のデータ分析に好都合である。なお、メモリに記録された、アンロード作業毎の収量は、圃場単位で積算され、圃場単位の積算収量として表示可能であり、後からの利用のために記録される。
精密測定においても、収量が算定されると、メモリに記録され(#27)、測定フラグの内容は「」(空)に設定される(#28)。ここでも、収量の記録の際には、収量を示すデータとともに、実行された測定が精密測定であることを特定する種別コード、圃場識別コードなども記録される。
収量測定が完了すると、収穫物タンクに貯留されている収穫物の外部(トラックなど)へのアンローダ装置を用いた搬出作業(アンロード作業)が開始される(#30)。
次に、図面を用いて、本発明による収穫機の具体的な実施形態の1つを説明する。図2は、収穫機の一例であるコンバインの側面図であり、図3は平面図である。このコンバインは、自脱型コンバインであり、機体を構成する機体フレーム10が、左右一対のクローラ走行装置11によって対地支持されている。収穫対象の植立穀稈を刈り取るとともにその刈取穀稈を機体後方に向けて搬送する刈取部12が機体前部に配置され、その後方に、フロント操作台13A及びサイド操作台13Bを備えた操縦部14、さらには、刈取穀稈を脱穀・選別する脱穀装置15、脱穀装置15にて選別回収された穀粒を貯留する穀粒タンク(収穫物タンクの一種)9、穀粒タンク9から穀粒を排出するアンローダ装置8、排ワラを処理する排ワラ処理装置16等が配置されている。フロント操作台13Aには、図3に示すように、操縦レバーや変速レバーとともに、各種情報を表示するための表示デバイスとしての液晶パネル70が装備されている。サイド操作台13Bには、収量測定の際に精密測定または簡易測定を選択するための人為操作デバイス30が配置されている。この実施の形態では、簡易測定指令出力のための信号を送る簡易測定用スイッチ31と、精密測定指令出力のための信号を送る精密測定用スイッチ32とが別個に設けられている。
脱穀装置15は、刈取部12から搬送された刈取穀稈の穂先側を脱穀処理し、脱穀装置15の内部に備えられた選別機構(図示せず)による選別作用により、単粒化した穀粒とワラ屑等の塵埃とに選別し、単粒化した穀粒を収穫物として穀粒タンク9に搬送する。脱穀処理されたあとの排ワラは排ワラ処理装置16にて細断処理される。
図2と図3とから理解できるように、脱穀装置15から穀粒タンク9に穀粒を送り込むための穀粒搬送機構が配置されている。この穀粒搬送装置は、脱穀装置15の底部に設けられた一番物回収スクリュー17aと、スクリューコンベア式の揚穀装置17bとからなる。一番物回収スクリュー17aにて横送りされた穀粒は、揚穀装置17bにて上方に搬送されて、穀粒タンク9の上部に形成された投入口を通して穀粒タンク9内に送り込まれる。なお、図示は省略されているが、揚穀装置17bの上端領域には、穀粒を穀粒タンク9内に向けて跳ね飛ばす回転羽根が設けられ、穀粒が穀粒タンク9内に極力均一な水平分布状態で貯留させるように工夫されている。
アンローダ装置8は、穀粒タンク9の底部に設けられた底部スクリュー81と、穀粒タンク9の機体後部側に設けられた縦送りスクリューコンベア82と、脱穀装置15の上方を延びている横送りスクリューコンベア83とを備えている。穀粒タンク9内に貯留される穀粒は、底部スクリュー81から縦送りスクリューコンベア82を経て横送りスクリューコンベア83に送られ、横送りスクリューコンベア83の先端に設けられた排出口84から外部に排出される。縦送りスクリューコンベア82は、電動モータ85の作動により縦軸芯P2周りで回動操作可能に構成され、横送りスクリューコンベア83は油圧シリンダ86により基端部の水平軸芯P1周りで上下揺動操作可能に構成されている。これにより、穀粒を機外の運搬用トラック等に排出することができる位置に、横送りスクリューコンベア83の排出口84を位置決めすることができる。横送りスクリューコンベア83がほぼ水平で、横送りスクリューコンベア83の全体が平面視で収穫機の外形内に収まる位置姿勢が、横送りスクリューコンベア83のホームポジション(アンローダ装置8のホームポジション)であり、このホームポジションで、横送りスクリューコンベア83は保持装置87によって下からしっかりと保持固定される。
穀粒タンク9の底部は、左底壁と右底壁とが、下方に向かった楔形状を作り出すように互いに傾斜しており、その尖端領域に底部スクリュー81が配置されている。左底壁と右底壁のそれぞれの上端と接続している左側壁と右側壁はほぼ直立している。このような穀粒タンク9の構造により、穀粒タンク9に投入された穀粒は底部スクリュー81に向けて流下する。
図2に示されているが、穀粒タンク9の後端部には筒状の揺動支軸部90が設けられている。この揺動支軸部90の揺動軸芯は、縦軸芯P2に一致しており、穀粒タンク9は、図3において点線で示すように、縦軸芯P2周りで外方の水平揺動可能である。つまり、穀粒タンク9は、揚穀装置17bから穀粒を受け取ることができる作業位置と、横側外方に張り出して前部側が脱穀装置15から離間して操縦部14の後方及び脱穀装置15の右側方を開放するメンテナンス位置とにわたって位置変更可能である。
図2と図4と図5とに示されているように、このコンバインには、穀粒タンク9に貯留される穀粒の重量を測定結果として出力する測定器2を構成するロードセル20が備えられている。図4は、穀粒タンク9がメンテナンス位置から作業位置への移行途中での、ロードセル20付近の斜視図である。図5は、穀粒タンク9が作業位置に戻った際のロードセル20付近の断面図である。この位置において、ロードセル20は穀粒タンク9の重量を受け止め、その重量を測定結果として出力する。ロードセル20は、機体フレーム10上に取り付けられており、穀粒タンク9の下部をロードセル20の重量検知部20aに向けて案内する受け止め案内片21が、ロードセル20を覆うように配置されている。受け止め案内片21は、穀粒タンク9がメンテナンス位置から作業位置に向けて回動するに伴って、穀粒タンク9の下端を受け止め支持しながら、穀粒タンク9をロードセル20の重量検知部20aの上方まで案内し、そこで、ロードセル20による穀粒タンク9の重量計測が行われる。受け止め案内片21には、穀粒タンク9がメンテナンス位置から作業位置に回動するに伴って、穀粒タンク9を持ち上げながら案内するように、傾斜面が形成されている。この傾斜面からさらに平坦面が延び、その先に位置する先端部は、下方に傾斜した傾斜面となっている。
受け止め案内片21は、スカート部を有し、機体フレーム10に固定されたブラケット110aに対して機体前後方向に沿う機体前後軸芯P4周りで揺動可能に枢支ピンによって枢支されている。この枢支ピンを挿通させるためにブラケット110aに形成された貫通孔は、その上下方向のサイズが枢支ピンのサイズより大きい。その結果、枢支ピンと貫通孔との間に融通が作り出される。この融通により、機体前後軸芯P4に対して、受け止め案内片21は所定範囲内で上下位置変位可能である。つまり、受け止め案内片21は、ロードセル20の重量検知部20aに対して上方から覆う状態に位置する荷重受け止め状態と、ロードセル20の上方を開放するように上方外方に退避する退避状態とに切り換え自在である。さらに、この構造により、ロードセル20の上方を開放すると、受け止め案内片21の脱着作業を要さずにロードセル20の脱着を行うことも可能となる。なお、この別実施形態では、図5に示すように、ロードセル20の重量検知部20aには、下向き円筒状に形成されたキャップ部材20Aが上方から被せられている。したがって、穀粒タンク9の作業位置において、キャップ部材20Aの上面は受け止め案内片21の下面と接当し、キャップ部材20Aの下面は重量検知部20aの受圧面に上方から接当する。つまり、穀粒タンク9の前側の荷重が、受け止め案内片21とキャップ部材20Aとを介してロードセル20によって受け止められる。
次に、作業位置において受け止め案内片21に穀粒タンク9の前側の荷重がかかるための構造を説明する。穀粒タンク9の下部には、アングル状の支持台23が取り付けられており、この支持台23の垂直壁23aに横向き支持軸22aを介してローラ22が回動自在に支持されている。ローラ22が受け止め案内片21に接当案内されるように、ローラ22の下端は支持台23の水平壁23bの下面より下方に位置している。このため、ローラ22が受け止め案内片21に案内されている状態では支持台23の水平壁23bが受け止め案内片21に対して接触せず、ローラ22が受け止め案内片21の先端部から離脱することで初めて、支持台23の水平壁23bが受け止め案内片21の平坦面に面接触する。この面接触を確実にするため、支持台23は、アジャスト機構を介して高さ調整可能に穀粒タンク9に取り付けられている。アジャスト機構は、図5に示すように、例えば、長孔を用いて支持台23を穀粒タンク9に固定する固定ボルトと、穀粒タンク9の下面に対して上端を押し当てるアジャストボルトとの組み合わせによって簡単に構成することができる。
さらに、穀粒タンク9の下部には、支持台23に隣接して、補助案内体190が設けられている。補助案内体190は、支持部材97の前面に取り付けられたそり状部材であり、補助ローラ191を備えている。穀粒タンク9がメンテナンス位置から作業位置に移動する際、補助ローラ191は機体フレーム10に設けられた傾斜台111の傾斜面に沿って転動する。補助案内体190と傾斜台111とは、ローラ22が受け止め案内片21を通り抜けた時に、補助ローラ191も傾斜台111を離れる相互位置関係を有するように設計されている。つまり、穀粒タンク9の作業位置において、ローラ22と補助ローラ191との何れもが宙に浮いた状態となり、支持台23の水平壁23bの下面と受け止め案内片21の平坦面とが面接触している安定した状態で、穀粒タンク9の重量がロードセル20によって測定される。
ロードセル20の測定結果(測定値)は、コンバインの機体が傾斜していたり、機体に大きな振動が生じていたりすると、そのことに起因して誤差が生じる。そのため、ロードセル20の測定に悪影響を及ぼすコンバインの状態を出来るだけ適正にし、精密測定が可能な状態とする、精密測定用機器設定制御機能が装備されている。この精密測定用機器設定制御機能により、各機器が操作され、コンバインはロードセル20による穀粒タンク9の重量測定に適した状態となる。簡易測定では、この精密測定用機器設定制御機能による各機器の操作が省略される。
図6には、収量(収穫量)を測定する制御系の中核要素である収量測定制御ユニット5及び、収量測定制御ユニット5のデータ入力部として機能する入力信号処理部61と、コンバインの種々の動作機器を制御する機器制御部62とが示されている。収量測定制御ユニット5と入力信号処理部61と機器制御部62とは車載LANやその他のデータ伝送ラインで相互接続されている。この制御系は、図1で説明した測定原理を流用している。
入力信号処理部61には、ロードセル20の測定値、センサ・スイッチ群300からの検出信号が入力される。さらに、人為操作デバイス30を構成する簡易測定用スイッチ31から簡易測定要求信号が入力され、同様に人為操作デバイス30を構成する精密測定用スイッチ32から精密測定要求信号が入力される。これらの入力信号は、必要な前処理を受けて、収量測定制御ユニット5に転送される。
センサ・スイッチ群300には、コンバインを構成する機器の状態を検出するセンサやスイッチなど状態検出器群が含まれている。状態検出器群には、例えば、コンバインの停車を検出する速度検出器、コンバインに装備されている車体の水平制御機構のホームポジションである水平姿勢への移行を検出する検出器、刈取部12や脱穀装置15への動力伝達を制御するクラッチの状態を検出する検出器、横送りスクリューコンベア83の保持装置87によって保持固定された状態であるアンローダ装置8のホームポジション(アンローダ装置8の収納位置)を検出する検出器、などが含まれている。
人為操作デバイス30を構成する簡易測定用スイッチ31は、この実施形態では、アンローダ装置8による穀粒排出処理の起動スイッチとしても機能する。簡易測定用スイッチ31を1回だけ押せば(単操作)、アンローダ装置8による穀粒排出処理が起動する。簡易測定用スイッチ31を連続的に2回押せば(複操作)、収量の簡易測定が行われ、その後に穀粒排出処理が行われる。収量の精密測定を希望する場合には、別の精密測定用スイッチ32を押すことになる。また、上述したように、簡易測定用スイッチ31を複操作した後でも、穀粒排出処理が始まっていない限り、精密測定用スイッチ32の操作によって精密測定を行うことは可能である。
機器制御部62は、アンローダ装置8、刈取部12、脱穀装置15などを構成する種々の動作機器に、直接的または間接的に制御信号を与えることができる。機器制御部62には、本発明に特に関係する機能として、ロードセル20による重量測定を精密に行う際に、このコンバインの状態が精密測定に適した可能にする状態となるように各動作機器に制御信号を与える精密測定用機器設定処理部621が構築されている。
収量測定制御ユニット5には、操作指令処理部51、測定制御部52、収量算定部53、測定結果記録部54が、実質的にソフトウエアで構築されている。操作指令処理部51は、人為操作デバイス30に対する操作に応じて出力される信号を、入力信号処理部61を介して受け取る。例えば、操作指令処理部51は、簡易測定を要求する信号を受け取ると簡易測定を指令する簡易測定指令を測定制御部52に出力し、精密測定を要求する信号を受け取ると精密測定を指令する精密測定指令を測定制御部52に出力する。
測定制御部52には、ロードセル20による重量測定を簡易に行う簡易測定実行部521と、ロードセル20による重量測定を精密に行う精密測定実行部522とが含まれている。簡易測定実行部521は、操作指令処理部51からの簡易測定指令を受けて、直ちに、収量算定部53に測定実行命令を与える。精密測定実行部522は、操作指令処理部51からの精密測定指令を受けて、まず、機器制御部62に対して、精密測定用機器設定処理部621による精密測定用機器処理の実行を指令する。機器制御部62から精密測定用機器処理の完了通知を受けると、収量算定部53に測定実行命令を与える。
収量算定部53は、ロードセル20の測定結果である測定値から、設定されている測定値/収量変換テーブル530を用いて収量を算定する。この測定値/収量変換テーブル530は、米や麦などの収穫物やコンバインの仕様などによって異なっており、この実施形態では、収穫作業対象の圃場に到着した際に遠隔の管理センタとの間のデータ通信回線を介しての当該圃場の確認処理を通じて行われるデータ交換時に管理センタから送られてくるデータに基づいて設定される。
測定結果記録部54は、収量算定部53で算定された収量をメモリ55に記録する。その際、先に簡易測定指令に基づいて行われた簡易測定での収量が書き込まれている状態で、精密測定指令に基づいて行われた精密測定での収量が得られた場合には、簡易測定での収量に上書きして、精密測定での収量が記録される。メモリ55に収量が記録される際、その収量算定のために実行された測定種類(精密測定または簡易測定)、圃場名、収穫物種別なども属性値として記録される。
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、穀粒タンク9の重量測定は、一端側を揺動支点として他端側を浮き構造として、その浮き構造の下端部と機体フレーム10との間にロードセル20を配置する構成を採用したが、これに代えて、穀粒タンク9を機体フレーム10に対して複数の支持点で支え、その支持点にロードセル20を配置するような構成を採用してもよい。
(2)さらに、穀粒タンク9に貯留した穀粒の収量算定のための測定器2として、穀粒タンク9を含めてその重量を測定する以外に、直接穀粒の重量または容積を測定するような測定器を採用してもよい。
(1)上述した実施形態では、穀粒タンク9の重量測定は、一端側を揺動支点として他端側を浮き構造として、その浮き構造の下端部と機体フレーム10との間にロードセル20を配置する構成を採用したが、これに代えて、穀粒タンク9を機体フレーム10に対して複数の支持点で支え、その支持点にロードセル20を配置するような構成を採用してもよい。
(2)さらに、穀粒タンク9に貯留した穀粒の収量算定のための測定器2として、穀粒タンク9を含めてその重量を測定する以外に、直接穀粒の重量または容積を測定するような測定器を採用してもよい。
(3)図6で示された機能部の区分けは一例であり、それぞれの機能部の統合や、各機能部の分割は任意である。本発明の制御機能が実現するものであればどのような構成でもよいし、またそれらの機能は、ハードウエアまたはソフトウエアあるいはその両方で実現することができる。
本発明は、上述した自脱型コンバイン以外、普通型コンバイン、トウモロコシ収穫機やその他の農作物収穫機に適用可能である。
2 :測定器
20 :ロードセル
9 :穀粒タンク
15 :脱穀装置
30 :人為操作デバイス
31 :簡易測定用スイッチ
32 :精密測定用スイッチ
5 :収量測定制御ユニット
51 :操作指令処理部
52 :測定制御部
521 :簡易測定実行部
522 :精密測定実行部
53 :収量算定部
530 :測定値/収量変換テーブル
54 :測定結果記録部
55 :メモリ
61 :入力信号処理部
62 :機器制御部
621 :精密測定用機器設定処理部
20 :ロードセル
9 :穀粒タンク
15 :脱穀装置
30 :人為操作デバイス
31 :簡易測定用スイッチ
32 :精密測定用スイッチ
5 :収量測定制御ユニット
51 :操作指令処理部
52 :測定制御部
521 :簡易測定実行部
522 :精密測定実行部
53 :収量算定部
530 :測定値/収量変換テーブル
54 :測定結果記録部
55 :メモリ
61 :入力信号処理部
62 :機器制御部
621 :精密測定用機器設定処理部
Claims (6)
- 圃場を走行しながら収穫された収穫物を一時的に貯留する収穫物タンクと、
前記収穫物タンクに貯留された収穫物の量を測定するための測定器と、
前記収穫物タンクに貯留された収穫物を外部に搬出するアンローダ装置と、
前記測定器による精密測定を可能にする機器状態を作り出す精密測定用機器設定処理を実行する機器制御部と、
前記精密測定用機器設定処理をともなう精密測定で前記測定器による測定を行う精密測定実行部と、前記精密測定用機器設定処理を伴わない簡易測定で前記測定器による測定を行う簡易測定実行部とを有する測定制御部と、
人為操作デバイスに対する操作に応じて、前記精密測定を指令する精密測定指令及び前記簡易測定を指令する簡易測定指令を出力する操作指令処理部と、
前記アンローダ装置による収穫物排出作業前において、先行した簡易測定指令に基づく簡易測定結果の記録を、後続の精密測定指令に基づく精密測定結果で書き換える測定結果記録部と、
を備えた収穫機。 - 前記人為操作デバイスは、前記操作指令処理部に、簡易測定指令出力のための信号を送る簡易測定用スイッチと、精密測定指令出力のための信号を送る精密測定用スイッチとを含む請求項1に記載の収穫機。
- 前記簡易測定用スイッチは前記アンローダ装置の起動スイッチと兼用であり、前記起動スイッチの複操作によって簡易測定指令出力のための信号が送り出され、前記起動スイッチの単操作によって前記アンローダ装置の起動を要求する信号が送り出される請求項2に記載の収穫機。
- 前記精密測定用機器設定処理において、収穫機車体の水平姿勢への移行、収穫作業用機器への動力遮断、アンロード作業用機器の収納位置での固定、のいずれかまたは全てが実行される請求項1から3のいずれか一項に記載の収穫機。
- 前記測定器による測定値から前記収穫物タンクに貯留されていた収穫物量である収量を導出する変換テーブルが、収穫対象となっている圃場の識別情報を与えることによって管理センタからデータ通信回線を通じて送られてくるデータに基づいて構築される請求項1から4のいずれか一項に記載の収穫機。
- 前記測定器の測定結果から算定される、前記収穫物タンクに貯留されていた収穫物量であるアンロード毎の単位収量、及び前記単位収量の積算である圃場単位の積算収量を表示する表示部が備えられている請求項1から5のいずれか一項に記載の収穫機。
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