JP6274866B2 - 二酸化炭素ガス回収装置 - Google Patents

二酸化炭素ガス回収装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6274866B2
JP6274866B2 JP2014002671A JP2014002671A JP6274866B2 JP 6274866 B2 JP6274866 B2 JP 6274866B2 JP 2014002671 A JP2014002671 A JP 2014002671A JP 2014002671 A JP2014002671 A JP 2014002671A JP 6274866 B2 JP6274866 B2 JP 6274866B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
absorption liquid
carbon dioxide
absorption
heat medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014002671A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015131736A (ja
Inventor
知弘 三村
知弘 三村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Kobe Steel Ltd
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Original Assignee
JFE Steel Corp
Kobe Steel Ltd
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp, Kobe Steel Ltd, Nippon Steel Corp, Nippon Steel Nisshin Co Ltd, Nippon Steel Engineering Co Ltd filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2014002671A priority Critical patent/JP6274866B2/ja
Publication of JP2015131736A publication Critical patent/JP2015131736A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6274866B2 publication Critical patent/JP6274866B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/52Heat recovery pumps, i.e. heat pump based systems or units able to transfer the thermal energy from one area of the premises or part of the facilities to a different one, improving the overall efficiency
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02CCAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/40Capture or disposal of greenhouse gases of CO2
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/10Process efficiency
    • Y02P20/129Energy recovery, e.g. by cogeneration, H2recovery or pressure recovery turbines
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/151Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions, e.g. CO2

Description

本発明は、二酸化炭素化学吸収分離法を用いて二酸化炭素ガスを回収する二酸化炭素ガス回収装置に関する。
従来、二酸化炭素ガス回収装置として、例えば下記特許文献1に示されるような構成のものが知られている。
この二酸化炭素ガス回収装置は、二酸化炭素ガスを含有する処理対象ガスと吸収液とを接触させて、処理対象ガス中の二酸化炭素ガスを吸収液に吸収させる吸収塔と、吸収塔から供給される吸収液を加熱して吸収液から二酸化炭素ガスを分離させて吸収液を再生する再生塔とを備える。
また、この二酸化炭素ガス回収装置では、吸収塔で二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液(ここでは、二酸化炭素ガスを吸収した二酸化炭素ガス含有率が高い吸収液をリッチ吸収液、二酸化炭素ガスを分離した二酸化炭素ガス含有率が低い吸収液をリーン吸収液という場合がある)を吸収塔から再生塔へ移送する第1吸収液供給路と、再生塔で再生されて二酸化炭素を分離したリーン吸収液を再生塔から吸収塔へ移送する第2の吸収液移送路と交差部分に介在される吸収液熱交換器を備え、この吸収液熱交換器によって、第1吸収液供給路を流れるリッチ吸収液と第2吸収液供給路を流れるリーン吸収液との間の熱交換を行なうことにより熱回収を図っている。
特開2011−213494号公報
ところで、この種の二酸化炭素ガス回収装置において、第1吸収液供給路と第2吸収液供給路との間に吸収液熱交換器を介在させて熱回収を行なっているものの、熱の回収率を所定値以上にまで上げることが難しく、省エネルギー化が叫ばれているなか、その改善が望まれていた。
一方、前記特許文献1でも記載されているように、二酸化炭素ガス回収装置中にヒートポンプを組み入れ、吸収塔で吸収液が二酸化炭素ガスを吸収するときの発熱反応で生じた熱を、再生塔で吸収液から二酸化炭素ガスが分離するときの吸熱反応の熱源として利用することにより熱の有効利用を図ったものも知られている。
しかしながら、このような二酸化炭素ガス回収装置では、第1吸収塔供給路を流れるリッチ吸収液と第2の吸収塔供給路を流れるリーン吸収液との間で熱交換を行なう吸収液熱交換器のほかに、ヒートポンプも備えており、装置の全体構成が複雑になるため、コスト高を招く問題があった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、外部からの入熱量を抑制して省エネルギー化を図ることができ、しかも構成の簡素が図れて設備コストの低減を図ることができる二酸化炭素ガス回収装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る二酸化炭素ガス回収装置は、二酸化炭素ガスを含有する処理対象ガスと吸収液とを接触させ、前記処理対象ガス中の前記二酸化炭素ガスを前記吸収液に吸収させる吸収塔と、前記吸収塔から前記供給される前記吸収液を加熱して前記吸収液から前記二酸化炭素ガスを分離させて前記吸収液を再生する再生塔と、を備えた二酸化炭素ガス回収装置において、前記吸収塔で二酸化炭素を吸収した吸収液を前記吸収塔から前記再生塔へ移送する第1吸収液供給路と前記再生塔で再生されて二酸化炭素を分離した吸収液を前記再生塔から前記吸収塔へ移送する第2吸収液供給路との交差部分に介在されて、それら吸収液同士の熱交換を行なう吸収液熱交換器を有さず、代わりに、前記第2吸収液供給路を流れる吸収液の熱を熱媒体を介して移動させて、その熱を前記第1吸収液供給路を流れる吸収液を加熱する熱源として利用するヒートポンプを備え、前記ヒートポンプは、前記吸収塔において吸収液を冷却するインタークーラで生じる熱を利用して前記第2吸収液供給路を流れる吸収液の熱とともに、前記第1吸収液供給路を流れる吸収液を加熱することを特徴とする。
この発明によれば、吸収液熱交換器を有さず、代わりに、第2吸収液供給路を流れる吸収液の熱を熱媒体を介して移動させて、その熱を前記第1吸収液供給路を流れる吸収液を加熱する熱源として利用するヒートポンプを備える。このように、ヒートポンプ系統のみで熱回収を行なうので、装置構成の簡素化を図ることができ、この結果、設備コストの低減を図ることができる。
また、ヒートポンプを用いて熱回収を行なうので、単に熱交換器のみを用いて熱回収を行なう場合に比べて効率良く熱回収を行なうことができ、従前のものに比べて省エネルギー化を図ることができる。
また、インタークーラにより、吸収塔の吸収液を冷却した後に吸収塔内に再導入することが可能になり、吸収液を適宜冷却できるので吸収塔での吸収液による二酸化炭素ガスの吸収を促進することができる。
また、インタークーラで生じる熱を、第1吸収液供給路を流れる吸収液を加熱する熱源として利用することができ、吸収塔の発熱反応で生じて吸収液に受け渡された熱が、外部に漏出するのを抑制することが可能になり、更なる省エネルギー化を図ることができる。
また、前記ヒートポンプは、前記吸収塔において吸収液を冷却する前記インタークーラで生じる熱を利用して熱媒体を加熱し、該加熱した熱媒体を、前記第2吸収液供給路を流れる吸収液の熱を利用してさらに加熱する構成、つまり熱媒体を段階的に加熱する構成にしてもよい。
この場合、ヒートポンプに用いられる熱媒体を、まず、インタークーラで生じる熱を利用して加熱し、次に、第2吸収液供給路を流れる吸収液の熱を利用して加熱している。ここで、第2吸収液供給路を流れる吸収液の温度は、インタークーラで利用できる吸収液の温度よりも高い。このように、ヒートポンプに用いられる熱媒体をまず低温熱源で加熱し続いて高温熱源で加熱するので、熱媒体を効率良く加熱することができる。この結果、更なる省エネルギー化を図ることができる。
前記ヒートポンプは、熱媒体を圧縮する圧縮機、前記第1吸収液供給路中に介在された熱媒加熱式熱交換器、圧縮された熱媒体を膨張する熱媒膨張弁、前記インタークーラ、前記第2吸収液供給路中に介在された熱媒冷却式熱交換器を、前記熱媒体が順次通過する熱媒体循環路を備える構成にしてもよい。
この場合、圧縮機で圧縮された熱媒体は、第1吸収液供給路中に介在された熱媒加熱式熱交換器を通過する際に、リッチ吸収液を加熱する。続いて、熱媒体は、熱媒膨張弁を通過する際に膨張されて温度が下がる。温度が下がった熱媒体は、インタークーラと接触して、インタークーラ内の吸収液の温度を下げ、逆にこの吸収液から吸熱して温度が上がる。続いて、熱媒体は、前記第2吸収液供給路中に介在された熱媒冷却式熱交換器を通過する際に、リーン吸収液の温度を下げ、逆にこのリーン吸収液から吸熱してさらに温度が上がる。その後、圧縮機に戻される。
熱媒体は、このサイクルを繰り返し、第1吸収液供給路中のリッチ吸収液を加熱し、インタークーラ内の吸収液を冷却するとともに、第2吸収液供給路中のリーン吸収液を冷却する。
前記吸収液には、IPAE(イソプロピルアミノエタノール)の水溶液またはIPAEとTMDAH(テトラメチルジアミノヘキサン)の混合水溶液が用いられ、前記ヒートポンプの前記熱媒体として2種類以上の炭化水素系の物質を混合した混合熱媒体が用いられる。
この場合、吸収液に、IPAEの水溶液またはIPAEとTMDAHの混合水溶液を用いる。このような吸収液は、70℃以上の二酸化炭素分離工程での加熱温度領域(吸収液再生温度領域)において、温度が高くなるに従い温度変化に対する二酸化炭素吸収量の変化率が漸次低くなる特性を有し、この特性を利用することにより二酸化炭素分離時のリーン吸収液の温度を95℃前後に設定した、いわゆる低温領域での二酸化炭素ガス回収運転でも、二酸化炭素ガスの回収量を所定値以上例えば90パーセントに高く維持することが可能になる。この結果、再生塔で吸収液を加熱するにあたり、工場内に配置される蒸気配管のスチームを介した排熱利用が行なることとなり、大幅な省エネルギー化を図ることができる。
また、前記ヒートポンプの前記熱媒体として2種類以上の炭化水素系の物質を混合した混合熱媒体を用いており、それら熱媒体の混合割合を適宜設定することにより、前述の特定アミン水溶液を用いた低温領域での二酸化炭素ガス回収運転におけるヒートポンプの運転、つまり、例えば、吸熱が25℃前後、発熱が110℃前後のヒートポンプの運転が可能となる。
これにより、当該二酸化炭素ガス回収装置において外部からの入熱量を抑えることが可能になり、省エネルギー化を図ることができる。
請求項1に係る発明によれば、このように、ヒートポンプ系統のみで熱回収を行なうので、装置構成の簡素化を図ることができ、この結果、設備コストの低減を図ることができる。また、ヒートポンプを用いて熱回収を行なうので、単に熱交換器のみを用いて熱回収を行なう場合に比べて効率良く熱回収をすることができ、従前のものに比べて省エネルギー化を図ることができる。
請求項2に係る発明によれば、インタークーラにより、吸収液を適宜冷却できるので吸収塔での吸収液による二酸化炭素ガスの吸収を促進することができる。また、吸収塔の発熱反応で生じて吸収液に受け渡された熱が、外部に漏出するのを抑制することが可能になり、更なる省エネルギー化を図ることができる。
請求項3に係る発明によれば、ヒートポンプに用いられる熱媒体を、まずインタークーラの低温熱源で加熱し、続いて第2吸収液供給路を流れる吸収液の高温熱源で加熱するので、効率のよい加熱が行なえ、この結果、更なる省エネルギー化を図ることができる。
請求項4に係る発明によれば、熱媒体が、所定のサイクルを繰り返すこととなり、第1吸収液供給路中のリッチ吸収液を加熱し、インタークーラ内の吸収液を冷却するとともに、第2吸収液供給路中のリーン吸収液を冷却する運転が可能になる。
請求項5に係る発明によれば、熱媒冷却式循環クーラにより、吸収液を適宜冷却できるので吸収塔での吸収液による二酸化炭素ガスの吸収を促進することができる。また、吸収塔の発熱反応で生じて吸収液に受け渡された熱が、外部に漏出するのを抑制することが可能になり、更なる省エネルギー化を図ることができる。
請求項6に係る発明によれば、二酸化炭素ガス吸収時のリッチ吸収液の温度を35℃〜70℃とし、二酸化炭素分離時のリーン吸収液の温度を95℃前後に設定した、いわゆる低温領域での二酸化炭素ガス回収運転でも、二酸化炭素ガスの回収量を所定値以上例えば90パーセントに高く維持することが可能になり、この結果、再生塔で吸収液を加熱するにあたり、工場内に配置される蒸気配管のスチームを介した排熱利用が行なることとなり、大幅な省エネルギー化を図ることができる。
また、前述の特定アミン水溶液を用いた低温領域での二酸化炭素ガス回収運転におけるヒートポンプの運転、つまり、例えば、吸熱が25℃前後、発熱が110℃前後のヒートポンプの運転が可能となり、二酸化炭素ガス回収装置において外部からの入熱量を抑えて、省エネルギー化をより一層図ることができる。
本発明に係る二酸化炭素ガス回収装置の第1実施形態の概略図である。 本発明に係る二酸化炭素ガス回収装置の第2実施形態の概略図である。 本発明に係る二酸化炭素ガス回収装置の第3実施形態の概略図である。 本発明に係る二酸化炭素ガス回収装置の第4実施形態の概略図である。
〈第1実施形態〉
以下、図1を参照しながら本発明の実施形態に係る二酸化炭素ガス回収装置を説明する。
この二酸化炭素ガス回収装置は、二酸化炭素ガスを含有する処理対象ガスから二酸化炭素ガスを二酸化炭素化学吸収分離法によって吸収分離することで回収し、処理対象ガスから二酸化炭素ガスが分離されてなる脱炭酸ガスを生成する。この二酸化炭素化学吸収分離法には、二酸化炭素ガスを吸収可能な吸収液を用いる。この吸収液としては、例えば、70℃以上の二酸化炭素分離工程での加熱温度領域(吸収液再生温度領域)において、温度が高くなるに従い温度変化に対する二酸化炭素吸収量の変化率が漸次低くなる特性を有する性質のもの、具体的にはIPAEの水溶液またはIPAEとTMDAHの混合水溶液を用いる。
図1に示すように、二酸化炭素ガス回収装置1は、処理対象ガスと二酸化炭素ガスを吸収可能なリーン吸収液とを接触させ、処理対象ガス中の二酸化炭素ガスをリーン吸収液に吸収させてリッチ吸収液を生成する吸収塔2と、吸収塔2からリッチ吸収液が供給されるとともに、リッチ吸収液を加熱して二酸化炭素ガスを分離させることによりリッチ吸収液を再生してリーン吸収液とする再生塔3と、吸収塔2で二酸化炭素を吸収したリッチ吸収液を吸収塔2から再生塔3へ移送するリッチ供給路(第1吸収液供給路)4と、再生塔3で再生されて二酸化炭素を分離したリーン吸収液を再生塔3から吸収塔2へ移送するリーン供給路(第2吸収液供給路)5と、リーン供給路5を流れるリーン吸収液の熱を熱媒体を介して移動させて、その熱をリッチ供給路4を流れるリッチ吸収液を加熱する熱源として利用するヒートポンプ6とを備えている。
吸収塔2の塔底部2aには、処理対象ガスを吸収塔2内に導入する導入路2dが設けられている。また、吸収塔2の塔頂部2b内には、下方に向けてリーン吸収液を供給する第1ノズル7が配設されている。そして、吸収塔2における塔頂部2bと塔底部2aとの間の塔中間部2c内には、表面でリーン吸収液と処理対象ガスとを接触させる吸収塔充填物8が上下方向に間隔をあけて多段配設されている。
また吸収塔2の塔中間部2cには、吸収液を抜き出した後、この吸収液を再び吸収塔2内に戻す配管9が接続されており、この配管9には外部の冷熱を利用して吸収液を冷却するインタークーラ10が設けられている。なお、図1ではインタークーラ10が1つしか記載されていないが、インタークーラ10は複数段配設される場合もある。
吸収塔2には、吸収塔2の塔頂部2bから脱炭酸ガスを導出する導出路11Aが設けられている。導出路11Aには脱炭酸ガスに含まれる吸収液を回収するため脱炭酸ガスを冷却する熱交換器11Bが介在されている。
リッチ供給路4は、吸収塔2の塔底部2aと、再生塔3の塔頂部3b内に配設されて再生塔3内において下方に向けてリッチ吸収液を供給する第2ノズル12と、を接続している。リッチ供給路4には、吸収塔2の塔底部2aから第2ノズル12にリッチ供給路4を通してリッチ吸収液を移送する図示せぬリッチ吸収液移送用ポンプが設けられている。
再生塔3における塔頂部3bと塔底部3aとの間の塔中間部3c内には、再生塔充填物14が上下方向に間隔をあけて複数段(この実施形態では2段)配設されている。この再生塔充填物14の表面を流下する吸収液は、再生塔3内を上昇する吸収液の溶質および溶媒(例えば、水)の蒸気分や、この蒸気分と二酸化炭素ガスとの混合ガスと気液接触する。
また再生塔3には、再生塔3から吸収液を導出して加熱し、再生塔3に再導入するリボイラー系統15と、混合ガスを再生塔3から導出して冷却し、前記溶質および溶媒の蒸気分を凝縮させて凝縮液を再生塔3に再導入するとともに、未凝縮の二酸化炭素ガスを回収する混合ガス冷却系統16と、が設けられている。
リボイラー系統15は、再生塔3の塔底部3aから延びる配管18を備えており、この配管18には吸収液を移送するための図示せぬポンプ、及び外部から供給される熱を熱源として吸収液を加熱するリボイラー本体19がそれぞれ介在されている。リボイラー系統15は、リボイラー本体19で加熱された吸収液を、再生塔3の塔底部3aへ再導入する。このとき、加熱された吸収液の一部がフラッシュし、吸収液の溶質および溶媒それぞれの一部が蒸気となる。
混合ガス冷却系統16は、再生塔3の塔頂部3bから延びる配管21を備える。配管21には、再生塔3から導出される混合ガスを圧縮することで温度上昇させて昇温混合ガスとする図示せぬ混合ガスコンプレッサーと、昇温混合ガスを冷却させた後膨張させることで温度低下させる減圧・熱媒膨張弁と、混合ガスを温度低下させたときに生成される凝縮液と二酸化炭素ガスとを分離する気液分離器22とを備える。気液分離器22で分離された液は、配管23を介して、塔頂部3bに配置された第3ノズル24に戻される。また、気液分離器22で分離された二酸化炭素ガスは配管25を介して回収される。
リーン供給路5は、再生塔3の塔底部3aと吸収塔2内の前記第1ノズル7とを接続しており、このリーン供給路5には、再生塔3の塔底部3aから第1ノズル7にリーン供給路5を通してリーン吸収液を移送する図示せぬリーン吸収液移送用ポンプが設けられている。
前記ヒートポンプ6について説明すると、リッチ供給路4には熱媒加熱式熱交換器30が介在されている。熱媒加熱式熱交換器30は、リッチ供給路4中のリッチ吸収液と、圧縮させられて温度上昇した熱媒体との間で熱交換を行なうものである。リーン供給路5には熱媒冷却式熱交換器31が介在されている。熱媒冷却式熱交換器31は、リーン供給路5中のリーン吸収液と、膨張させられて温度降下した熱媒体との間で熱交換を行なうものである。
熱媒加熱式熱交換器30と熱媒冷却式熱交換器31とは、熱媒体を循環させる熱媒体循環路32により接続されている。熱媒体循環路32には、熱媒体を圧縮することで温度上昇させる熱媒コンプレッサー(圧縮機)33、圧縮された熱媒体を膨張させることで温度低下させる熱媒膨張弁34がそれぞれ介在されている。
熱媒体循環路32内を流れる熱媒体は、熱媒コンプレッサー33、熱媒加熱式熱交換器30、熱媒膨張弁34、熱媒冷却式熱交換器31を順次通過するように繰り返し流れる。
ヒートポンプ6で用いられる熱媒体としては、例えば、再生塔3でリーン吸収液を再生させたときに残る熱を、熱媒冷却式熱交換器31内で蒸発することにより蒸発潜熱として回収するとともに、熱媒加熱式熱交換器30内で凝縮することにより凝縮熱を発生させ、この凝縮熱をリッチ供給路4中のリッチ吸収液を加熱するための熱源とすることが可能な流体、具体的には2種類以上の物質を混合した混合熱媒体が用いられる。この熱媒体には、2種類以上の炭化水素系の物質が混合されてなるものを用いることが好ましく、例えば、ペンタン、ブタン、ヘキサンのうち2種、あるいは3種が混合されてなるものが用いられる。
次に、以上のように構成された二酸化炭素ガス回収装置1の作用について説明する。
はじめに、吸収液の流れについて、吸収塔2を起点として説明する。
まず、吸収塔2では、塔底部2aに供給された処理対象ガスが吸収塔内を上昇するとともに、塔頂部2b内の第1ノズル7から供給されたリーン吸収液が内部を下降する。この過程で、処理対象ガスとリーン供給路5から供給されるリーン吸収液とが接触し、処理対象ガス中の二酸化炭素ガスがリーン吸収液に吸収されて発熱反応が生じる。
ここで、本実施形態では、吸収塔2の塔中間部2c内に吸収塔充填物8が配設されている。この吸収塔充填物8は、例えば、多数の狭い隙間を持つフィン構成で、容積あたりのフィン表面積が大きく、また、その隙間は規則的に流路の角度が変化するように構成され、意図的に流れの乱れが起きるようになっている。吸収塔充填物8の表面では、吸収液がフィン上に濡れ壁をなして流下し、吸収塔2内を上昇する処理対象ガスと気液接触がなされる。また吸収塔充填物8は、濡れ壁の隙間が狭くかつ一定ピッチで進行角度が変化することで気液の流れを乱し、気液接触を効率化できる構造になっている。したがって、吸収塔充填物8の表面では、上昇する処理対象ガスと下降する吸収液とが接触し易く、吸収液による二酸化炭素ガスの吸収が促進される。
リーン吸収液が吸収塔2内を下降する際に、処理対象ガス中の二酸化炭素ガスを吸収するのに伴い発熱反応が生じ、該リーン吸収液の温度が上昇する。リーン吸収液は、吸収塔2の中央上部においてインタークーラ10により温度が下げられる。
これにより、吸収塔2においてリッチ吸収液および脱炭酸ガスが生成される。これらのうち、脱炭酸ガスは、吸収塔2の塔頂部2bに向けて上昇し、導出路11Aを通して外部に導出される。
一方、脱炭酸ガスとともに生成されたリッチ吸収液は、吸収塔2内を下降して塔底部2aに貯留される。そして、ここに貯留されたリッチ吸収液はリッチ供給路4を通して再生塔3の塔頂部3b内の第2ノズル12に供給される。
ここで本実施形態では、リッチ供給路4に熱媒加熱式熱交換器30が介在しており、この熱媒加熱式熱交換器30によってリッチ吸収液は、圧縮された熱媒体との間で熱交換されて適宜温度まで加熱される。
再生塔3内では、第2ノズル12から供給されたリッチ吸収液が内部を下降するとともに、リボイラー系統15によって加熱された吸収液が塔底部3aから再導入される。このとき、加熱された吸収液の一部が蒸気発生部分でフラッシュし、吸収液の溶質および溶媒それぞれの一部が蒸気となり、また、再生された二酸化炭素がガスとなり、再生塔3内部を上昇する。この過程で、リッチ吸収液と前記溶質および溶媒の蒸気分とが接触し、前記溶質および溶媒の蒸気分の凝縮熱を熱源として、脱離再生の吸熱反応が起こり、リッチ吸収液から二酸化炭素ガスが分離される。
ここで、本実施形態では、再生塔3の塔中間部3c内に再生塔充填物14が配設されている。この再生塔充填物14は、例えば、多数の狭い隙間を持つフィン構成で、容積あたりのフィン表面積が大きく、また、その隙間は規則的に流路の角度が変化するように構成され、意図的に流れの乱れが起きるようになっている。再生塔充填物14の表面では、吸収液がフィン上に濡れ壁をなして流下し、再生塔3内を上昇する前記溶質および溶媒の蒸気分と接触し、表面積の大きさや流れの乱れによって効率的に気液接触がなされ、二酸化炭素の分離・放散が促進される。
これにより、リッチ吸収液が、リーン吸収液と二酸化炭素ガスとに分離される。これらのうち、二酸化炭素ガスは、前記溶質および溶媒の蒸気分と混合され混合ガスとなり、再生塔3内を上昇する。
この混合ガスは、再生塔3の塔頂から混合ガス冷却系統16の配管21に導入された後、この配管21を通る過程で、まず図示せぬ混合ガスコンプレッサーによって圧縮されて温度上昇させられ昇温混合ガスとなる。その後、昇温混合ガスは、図示せぬ凝縮熱交換器で熱交換されることで冷却された後、減圧・熱媒膨張弁によって膨張させられて温度低下させられる。
そして、昇温混合ガス中の前記溶質および溶媒の蒸気分が凝縮されて凝縮液となり、この凝縮液と、二酸化炭素ガスを主体とした未凝縮の二酸化炭素主体ガスとが、気液分離器22により分離される。そして凝縮液は、第3ノズル24から再生塔3に再導入されるとともに、未凝縮の二酸化炭素主体ガスは、配管25を通して回収される。
一方、再生塔3内を下降する吸収液は塔底部3aに貯留された後、分離再生されたリーン吸収液として再生塔3から導出され、リーン供給路5を通して吸収塔2の塔頂部2b内の前記第1ノズル7に供給される。このとき、リーン吸収液は、前記熱媒冷却式熱交換器31で、膨張された熱媒体との間で熱交換されて適宜温度まで降下する。
ここで、本実施形態では、吸収液として、IPAEの水溶液またはIPAEとTMDAHの混合水溶液を用いている。そして、二酸化炭素ガス吸収時のリッチ吸収液の温度を35℃プラスα(例えば)35℃〜70℃とし、二酸化炭素分離時のリーン吸収液の温度を95℃前後に設定している。このように、吸収液として特殊なアミン水溶液を用いているため、この二酸化炭素ガス回収運転方法を、上述したような吸収液を35℃〜70℃として二酸化炭素ガスを吸収させ、同吸収液を95℃前後として二酸化炭素ガスを分離させる、いわゆる低温度領域での二酸化炭素ガス回収運転でも、二酸化炭素ガスの回収量を所定値以上例えば90パーセントに高く維持することが可能になる。
なお、図1に示すように、リーン供給路5を通して吸収塔2に導入されるリーン吸収液の温度は例えば35℃、吸収塔2からリッチ供給路を通して払い出されるリッチ吸収液の温度は例えば35℃〜70℃に設定される。また、吸収塔2からインタークーラ10へ導出される吸収液の温度は例えば35℃〜70℃、インタークーラ10から吸収塔2内へ再導入される吸収液の温度は例えば35℃に設定される。
また、リッチ供給路4を通して熱媒加熱式熱交換器30に導入されるリッチ吸収液の温度は例えば35℃〜70℃、熱媒加熱式熱交換器30からリッチ供給路4へ導出されるリッチ吸収液の温度は例えば95℃に設定される。リーン供給路5を通して熱媒冷却式熱交換器31に導入されるリーン吸収液の温度は例えば95℃、熱媒冷却式熱交換器31からリーン供給路5へ導出されるリーン吸収液の温度は例えば35℃に設定される。
次に、ヒートポンプ6での熱媒体の流れについて、熱媒膨張弁34を起点として説明する。
熱媒膨張弁34で膨張させられて例えば25℃まで温度降下した熱媒体は、熱媒冷却式熱交換器31を移動しながら、リーン吸収液と熱交換することで、リーン吸収液を冷却しつつ、該リーン吸収液が二酸化炭素を分離するときに加熱されたときの残熱を受け取って蒸発して気化する。このときの温度は例えば85℃になる。その後、熱媒体は熱媒コンプレッサー33によって圧縮されて例えば気相の状態で105℃以上の所定温度まで上昇する。
そして温度上昇した熱媒体は、熱媒加熱式熱交換器30を移動しながら、リッチ吸収液と熱交換することで、リッチ供給路4中のリッチ吸収液を95℃になるまで加熱しつつ、その熱を奪われることで例えば105℃の液相へ変化する。
冷却された熱媒体は、再び熱媒膨張弁34に至る。以上の経路を経て、熱媒体は熱媒体循環路32内を循環し、リーン吸収液を適宜温度まで冷却しつつ、リッチ吸収液を適宜温度になるまで加熱する。
以上説明したように、本実施形態に係る二酸化炭素ガス回収装置1によれば、吸収液熱交換器を取り除き、代わりに、リーン供給路5中を流れるリーン吸収液の熱を熱媒体を介して移動させて、その熱をリッチ供給路4中を流れるリッチ吸収液を加熱する熱源として利用するヒートポンプ6を備える。このように、ヒートポンプ6の系統のみで熱回収を行なうので、装置構成の簡素化を図ることができ、この結果、設備コストの低減を図ることができる。
また、ヒートポンプを用いて熱回収を行なうので、単に熱交換器のみを用いて熱回収を行なう場合に比べて効率良く熱回収をすることができ、従前のものに比べて省エネルギー化を図ることができる。
加えて、本実施形態では、吸収液に、IPAEの水溶液またはIPAEとTMDAHの混合水溶液を用いており、このような吸収液は、温度変化に対する二酸化炭素吸収量の変化率が、70℃以上の二酸化炭素分離工程での加熱温度領域(吸収液再生温度領域)において温度が高くなるに従い漸次低くなる特性を有し、この特性を利用することにより、二酸化炭素ガス吸収時のリッチ吸収液の温度を35℃〜70℃とし、二酸化炭素分離時のリーン吸収液の温度を95℃前後に設定した、いわゆる低温領域での二酸化炭素ガス回収運転でも、二酸化炭素ガスの回収量を所定値以上例えば90パーセントに高く維持することが可能になる。この結果、再生塔で吸収液を加熱するにあたり、工場内に配置される蒸気配管のスチームを介した排熱利用が行なることとなり、大幅な省エネルギー化を図ることができる。
加えて、前記ヒートポンプ6の熱媒体として2種類以上の炭化水素系の物質を混合した混合熱媒体を用いており、それら熱媒体の混合割合を適宜設定することにより、前述の特定アミン水溶液を用いた低温領域での二酸化炭素ガス回収運転におけるヒートポンプの運転、つまり、例えば、吸熱が25℃前後、発熱が105℃以上(例えば110℃前後)のヒートポンプ運転が可能となる。
これにより、当該二酸化炭素ガス回収装置において外部からの入熱量を抑えることが可能になり、省エネルギー化を図ることができる。
〈第2実施形態〉
図2は本発明の二酸化炭素ガス回収装置の第2実施形態の概略図である。なお、説明の便宜上、この第2実施形態において前記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態の二酸化炭素ガス回収装置40が前述した第1実施形態の二酸化炭素ガス回収装置と異なるところは、吸収塔2内において吸収液を冷却するインタークーラ10で生じる熱を利用してリーン供給路5中を流れるリーン吸収液の残熱とともに、リッチ供給路4中を流れるリッチ吸収液を加熱する点である。
すなわち、この二酸化炭素ガス回収装置40において、ヒートポンプ43の熱媒体循環路44は、熱媒体の流れを基準にして熱媒膨張弁34の後段側で2系統に分岐される。それら2つ分岐路のうち一つの分岐路44Aはインタークーラ10に接続され、残りの分岐路44Bは熱媒冷却式熱交換器31に接続される。その後、それら分岐路44A、44Bは、熱媒コンプレッサー33に至る前段階で一つの経路に統合され、それら分岐路中を流れる熱媒体が集合された状態で熱媒コンプレッサー33に供給される。
なお、分岐路は、インタークーラ10の数が増加する場合には、それに応じて増加する。
第2実施形態の二酸化炭素ガス回収装置40によれば、熱媒膨張弁34で膨張させられて例えば25℃まで温度降下した熱媒体は、分岐路44A、44Bを介して2つに分岐される。そのうちの一つの分岐路44Aを通過する熱媒体は、インタークーラ10を移動しながらこのインタークーラ10を流れるリーン吸収液と熱交換することで、リーン吸収液を35℃〜70℃から35℃まで温度降下させ、熱媒体自体は25℃〜60℃まで温度上昇する。また、残りの分岐路44Bを通過する熱媒体は、熱媒冷却式熱交換器31を移動しながらリーン供給路5中を流れるリーン吸収液と熱交換することで、リーン吸収液を95℃から35℃まで温度降下させ、熱媒体自体は85℃まで温度上昇する。
その後、それぞれ温度上昇された熱媒体は一つの配管に統合され、集合された状態で熱媒コンプレッサー33に至り、圧縮されて105℃以上例えば110℃まで温度上昇する。そして温度上昇した熱媒体は、熱媒加熱式熱交換器30を移動しながら、リッチ吸収液と熱交換することで、リッチ供給路4中のリッチ吸収液を95℃になるまで加熱しつつ、その熱を奪われることで例えば105℃にまで冷却される。
冷却された熱媒体は、再び熱媒膨張弁34に至る。以上の経路を経て、熱媒体は熱媒体循環路32内を循環し、リーン吸収液を適宜温度まで冷却しつつ、リッチ吸収液を適宜温度になるまで加熱する。
この第2実施形態では、インタークーラ10により、吸収塔2の吸収液を冷却した後に吸収塔2内に再導入することが可能になり、ヒートポンプ43を介して、リッチ供給路4中のリッチ吸収液の冷熱を利用して吸収塔2内の吸収液を適宜冷却できるので、吸収塔2での吸収液による二酸化炭素ガスの吸収を促進することができるのは勿論のこと、インタークーラ10で生じる熱を利用して、リッチ供給路4中を流れる吸収液を加熱することができ、吸収塔2の発熱反応で生じて吸収液に受け渡された熱が、外部に漏出するのを抑制することが可能になり、更なる省エネルギー化を図ることができる。
〈第3実施形態〉
図3は本発明の二酸化炭素ガス回収装置の第3実施形態の概略図である。なお、説明の便宜上、この第3実施形態において前記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
第3実施形態の二酸化炭素ガス回収装置50が前述した第2実施形態の二酸化炭素ガス回収装置40と異なるところは、インタークーラ10で生じる熱を利用して熱媒体を加熱し、この加熱した熱媒体を、リーン供給路5中を流れるリーン吸収液の熱を利用してさらに加熱する点、並びにリーン供給路5の吸収液の流れを基準にした熱媒冷却式熱交換器31の後段側にリーンアミンクーラ51を配設した点である。
すなわち、この二酸化炭素ガス回収装置50において、ヒートポンプ53の熱媒体循環路54はインタークーラ10に接続され、その後、熱媒冷却式熱交換器31に接続される。
また、インタークーラ10が多段になる場合には、熱媒膨張弁34の後段側で複数系統に分岐され、それぞれがインタークーラに接続される。その後、熱媒冷却式熱交換器31に至る前段階で一つの系統に統合される。
また、リーン供給路5における熱媒冷却式熱交換器31より吸収塔2側に配設されたリーンアミンクーラ51によって、熱媒冷却式熱交換器31で冷却されたリーン吸収液の温度をさらに適宜温度まで降下させることが可能となる。
第3実施形態の二酸化炭素ガス回収装置50によれば、熱媒膨張弁34で膨張させられて例えば25℃まで温度降下した熱媒体はインタークーラ10を移動しながらこのインタークーラ10を流れるリーン吸収液と熱交換することで、リーン吸収液を35℃〜70℃から35℃まで温度降下させ、熱媒体自体は25℃〜60℃まで温度上昇する。
その後、温度上昇した熱媒体は熱媒冷却式熱交換器31に致り、この熱媒冷却式熱交換器31を移動しならリーン供給路5中を流れるリーン吸収液と熱交換することで、リーン吸収液を95℃から35℃〜70℃まで温度降下させ、熱媒体自体は85℃まで温度上昇する。
また、リーン供給路5中を流れるリーン吸収液は、熱媒冷却式熱交換器31を移動する際前記熱媒体によって95℃から35℃〜70℃まで温度降下させられ、ここからさらにリーンアミンクーラ51まで移動し、このリーンアミンクーラ51を移動する際に、さらに35℃まで温度降下させられる。
この第3実施形態では、ヒートポンプ53に用いられる熱媒体を、まず、インタークーラ10で生じる熱を利用して加熱し、次に、リーン供給路5を流れるリーン吸収液の熱を利用して加熱している。ここで、リーン供給路5を流れるリーン吸収液の温度は、インタークーラ10で利用できる吸収液の温度よりも高い。このように、ヒートポンプに用いられる熱媒体をまずインタークーラ10の低温熱源で加熱し、続いて熱媒冷却式熱交換器31の高温熱源で加熱するので、熱媒体を効率良く加熱することができる。この結果、更なる省エネルギー化を図ることができる。
なお、リーン供給路5を流れるリーン吸収液は熱媒冷却式熱交換器31によって熱交換されたときに比較的高い温度までしか温度降下しないものの、その後、リーンアミンクーラ51によって35℃まで冷却されるのでなんら不具合が生じない。
〈第4実施形態〉
図4は本発明の二酸化炭素ガス回収装置の第4実施形態の概略図である。なお、説明の便宜上、この第4実施形態において前記第1実施形態および第3実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
第4実施形態の二酸化炭素ガス回収装置60が前述した第3実施形態の二酸化炭素ガス回収装置50と異なるところは、インタークーラ10に代わり、吸収塔2内の吸収液を冷却する熱媒冷却式循環クーラ61を備える点である。
すなわち、この二酸化炭素ガス回収装置60において、吸収塔2から再生塔3へリッチ吸収液を供給(移送)するリッチ供給路4は熱媒加熱式熱交換器30の手前で分岐されている。分岐された分岐配管4Aは、熱媒冷却式循環クーラ61を経由して、吸収塔2の高さ方向中央部に配設された、下方に向けてリーン吸収液を供給する第1ノズル62に接続されている。ヒートポンプ63の熱媒体循環路32は、熱媒膨張弁34と熱媒冷却式熱交換器31との間で前記熱媒冷却式循環クーラ61に接続されている。
第4実施形態の二酸化炭素ガス回収装置60によれば、熱媒膨張弁34で膨張させられて例えば25℃まで温度降下した熱媒体は、熱媒冷却式循環クーラ61を移動しながらこの熱媒冷却式循環クーラ61を流れるリッチ吸収液と熱交換することで、リッチ吸収液を35℃〜70℃から35℃まで温度降下させ、熱媒体自体は25℃〜60℃まで温度上昇する。このように温度上昇した熱媒体は、続いて熱媒冷却式熱交換器31に至り、この熱媒冷却式熱交換器31を移動しならリーン供給路5中を流れるリーン吸収液と熱交換することで、リーン吸収液を95℃から35℃〜70℃まで温度降下させ、熱媒体自体は25℃〜60℃から85℃まで温度上昇する。
また、リーン供給路5中を流れるリーン吸収液は、熱媒冷却式熱交換器31を移動する際前記熱媒体によって95℃から35℃〜70℃まで温度降下されるが、ここからリーンアミンクーラ51に移動し、このリーンアミンクーラ51を移動する際さらに35℃まで温度降下する。
この第4実施形態では、ヒートポンプ63に用いられる熱媒体を、熱媒冷却式循環クーラ61を介して、吸収塔2の吸収液を冷却させた後に吸収塔2内に再導入することが可能になり、吸収液を適宜冷却できるので吸収塔2での吸収液による二酸化炭素ガスの吸収を促進することができる。
また、熱媒冷却式循環クーラ61で生じる熱を、リッチ供給路4を流れるリッチ吸収液を加熱する熱源として利用することができ、吸収塔2の発熱反応で生じて吸収液に受け渡された熱が、外部に漏出するのを抑制することが可能になり、更なる省エネルギー化を図ることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本実施形態では、この二酸化炭素ガスを吸収させる吸収液として、例えば、IPAEの水溶液またはIPAEとTMDAHの混合水溶液を用いているが、これに限られることなく、1級アミン水溶液あるいは2級アミン水溶液を用いても良い。
1 二酸化炭素ガス回収装置
2 吸収塔
3 再生塔
4 リッチ供給路(第1吸収液供給路)
5 リーン供給路(第2吸収液供給路)
6 ヒートポンプ
30 熱媒加熱式熱交換器
31 熱媒冷却式熱交換器
32 熱媒体循環路
33 熱媒コンプレッサー(圧縮機)
34 熱媒膨張弁
40 二酸化炭素ガス回収装置
43 ヒートポンプ
44 熱媒体循環路
50 二酸化炭素ガス回収装置
51 リーンアミンクーラ
53 ヒートポンプ
54 熱媒体循環路
60 二酸化炭素ガス回収装置
61 熱媒冷却式循環クーラ
63 ヒートポンプ

Claims (4)

  1. 二酸化炭素ガスを含有する処理対象ガスと吸収液とを接触させ、前記処理対象ガス中の前記二酸化炭素ガスを前記吸収液に吸収させる吸収塔と、
    前記吸収塔から前記供給される前記吸収液を加熱して前記吸収液から前記二酸化炭素ガスを分離させて前記吸収液を再生する再生塔と
    を備えた二酸化炭素ガス回収装置において、
    前記吸収塔で二酸化炭素を吸収した吸収液を前記吸収塔から前記再生塔へ移送する第1吸収液供給路と前記再生塔で再生されて二酸化炭素を分離した吸収液を前記再生塔から前記吸収塔へ移送する第2吸収液供給路との交差部分に介在されて、それら吸収液同士の熱交換を行なう吸収液熱交換器を有さず、
    代わりに、前記第2吸収液供給路を流れる吸収液の熱を熱媒体を介して移動させて、その熱を前記第1吸収液供給路を流れる吸収液を加熱する熱源として利用するヒートポンプを備え
    前記ヒートポンプは、前記吸収塔において吸収液を冷却するインタークーラで生じる熱を利用して前記第2吸収液供給路を流れる吸収液の熱とともに、前記第1吸収液供給路を流れる吸収液を加熱することを特徴とする二酸化炭素ガス回収装置。
  2. 前記ヒートポンプは、前記吸収塔において吸収液を冷却する前記インタークーラで生じる熱を利用して熱媒体を加熱し、該加熱した熱媒体を、前記第2吸収液供給路を流れる吸収液の熱を利用してさらに加熱することを特徴とする請求項に記載の二酸化炭素ガス回収装置。
  3. 前記ヒートポンプは、熱媒体を圧縮する圧縮機、前記第1吸収液供給路中に介在された熱媒加熱式熱交換器、圧縮された熱媒体を膨張する熱媒膨張弁、前記インタークーラ、前記第2吸収液供給路中に介在された熱媒冷却式熱交換器を、前記熱媒体が順次通過する熱媒体循環路を備えることを特徴とする請求項に記載の二酸化炭素ガス回収装置。
  4. 前記吸収液には、IPAEの水溶液またはIPAEとTMDAHの混合水溶液が用いられ、
    前記ヒートポンプの前記熱媒体として2種類以上の炭化水素系の物質を混合した混合熱媒体が用いられることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の二酸化炭素ガス回収装置。
JP2014002671A 2014-01-09 2014-01-09 二酸化炭素ガス回収装置 Active JP6274866B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014002671A JP6274866B2 (ja) 2014-01-09 2014-01-09 二酸化炭素ガス回収装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014002671A JP6274866B2 (ja) 2014-01-09 2014-01-09 二酸化炭素ガス回収装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015131736A JP2015131736A (ja) 2015-07-23
JP6274866B2 true JP6274866B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=53899304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014002671A Active JP6274866B2 (ja) 2014-01-09 2014-01-09 二酸化炭素ガス回収装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6274866B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108105795B (zh) * 2017-07-10 2023-04-18 昊姆(上海)节能科技有限公司 压缩式、吸收式热泵耦合烟气处理设备
CN109059142A (zh) * 2018-06-19 2018-12-21 浙江理工大学 热源塔多联机空调系统装置及方法
CN110195941B (zh) * 2019-05-30 2021-11-05 浙江理工大学 一种逆流反渗透再生的无霜热泵系统装置及方法
CN114272735B (zh) * 2021-12-27 2022-11-25 北京华源泰盟节能设备有限公司 一种烟气余热利用与碳捕集一体化系统
CN114984726A (zh) * 2022-06-23 2022-09-02 西安西热锅炉环保工程有限公司 一种基于离子液体的co2捕集系统及方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62119833A (ja) * 1985-11-19 1987-06-01 Toshiba Corp 電子管用ヒ−タの製造方法
JP2005202639A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd 自動販売機
JP5641194B2 (ja) * 2010-03-31 2014-12-17 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 二酸化炭素ガス回収装置
JP5665022B2 (ja) * 2010-03-31 2015-02-04 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 二酸化炭素ガス回収装置
JP2012000539A (ja) * 2010-06-14 2012-01-05 Ihi Corp 二酸化炭素の回収方法及び回収装置
JP2013158718A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Ihi Corp 二酸化炭素吸収液及びその調製方法
JP3185434U (ja) * 2013-06-05 2013-08-15 グローバル・リンク株式会社 冷凍システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015131736A (ja) 2015-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5665022B2 (ja) 二酸化炭素ガス回収装置
JP5641194B2 (ja) 二酸化炭素ガス回収装置
JP5697411B2 (ja) 二酸化炭素回収装置および二酸化炭素回収方法
JP6274866B2 (ja) 二酸化炭素ガス回収装置
US9339762B2 (en) Carbon dioxide recovery apparatus and carbon dioxide recovery method
JP2010100492A (ja) 二酸化炭素の回収方法および装置
KR101751723B1 (ko) 산성가스 포집 시스템 및 이를 이용한 산성가스 포집방법
WO2014017654A1 (ja) 二酸化炭素回収方法及び二酸化炭素回収装置
JP2010240629A (ja) 二酸化炭素回収システム
JP5591075B2 (ja) Co2及びh2sを含むガスの回収システム及び方法
JP6088240B2 (ja) 二酸化炭素の回収装置、及び該回収装置の運転方法
JP5646524B2 (ja) 二酸化炭素分離回収システムおよびその運転方法
JP6307279B2 (ja) 二酸化炭素ガス回収装置及び回収方法
RU2659991C2 (ru) Способ абсорбционного выделения диоксида углерода из газовых смесей абсорбентами, содержащими водные растворы аминов
WO2014046147A1 (ja) 蒸気供給システム及びこれを備えたco2回収設備
WO2022074976A1 (ja) ガス処理装置
JP2011104559A (ja) Co2吸収液の再生方法及び再生装置
JP2011125824A (ja) 二酸化炭素分離回収システム
RU2638852C2 (ru) Способ разделения газовых смесей, содержащих водород и диоксид углерода
PL230638B1 (pl) Sposob regeneracji roztworow absorpcyjnych alkanoloamin w procesie usuwania ditlenku wegla z gazow spalinowych

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6274866

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250