JP6274072B2 - 車両の乗降装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の外側の乗降位置と、前記車両の内側の格納位置との間で往復移動できるように構成された移動部材と、前記移動部材を前記格納位置まで移動させる際に、前記格納位置にある障害物を検出できるように構成された障害物検出器とを備える車両の乗降装置に関する。
これに関連する車両の乗降装置が特許文献1に記載されている。特許文献1の乗降装置は、車椅子を載置するプラットホームを車両の外側の乗降位置と車両の内側の格納位置との間で移動させて、車椅子の乗員が乗降できるように構成されている。プラットホームは、車両前後方向にスライド可能に構成されており、車両の床部FLには、図15に示すように、プラットホーム100を格納する凹部105が形成されている。そして、プラットホーム100が前進限位置まで前進スライドした状態で、そのプラットホーム100の前面が凹部105の前端内壁105dの位置まで到達して前記凹部105に格納される。
プラットホーム100の前面には、凹部105の前端内壁105dとプラットホーム100間に障害物(図示省略)が存在する場合に、その障害物を検出する障害物センサ107が取付けられている。障害物センサ107は、車幅方向に延びるベルト状に形成されており、プラットホーム100の前進スライド中に障害物に当接して弾性変形することで、前記障害物を検出できるように構成されている。
特開2008−238982号公報
上記した乗降装置では、ベルト状の障害物センサ107により障害物を検出する構成である。このため、ベルト状の障害物センサ107をプラットホーム100の前部に取付ける場合には、障害物センサ107の両端を支持部材等によりプラットホーム100の幅方向両側に取付ける必要がある。このため、プラットホームの幅方向両側では、障害物の検出が難しくなる。即ち、障害物が凹部105の車幅方向端部にある場合には、検出が難しくなる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、車幅方向において広い範囲で障害物を検知できるようにすることである。
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。請求項1の発明は、車両の外側の乗降位置と、前記車両の内側の格納位置との間で往復移動できるように構成された移動部材と、前記移動部材を前記格納位置まで移動させる際に、前記格納位置にある障害物を検出できるように構成された障害物検出器とを備える車両の乗降装置であって、前記障害物検出器は、前記移動部材の幅方向一端側から他端側まで延びており、上端部がヒンジ機構により前記移動部材の格納位置側の端部に連結されて、前記ヒンジ機構の軸心回りに回動可能な状態で前記移動部材に吊り支持されている障害物検出部材と、障害物が前記移動部材の障害物検出部材に当接して、その障害物検出部材が変位することを受けて動作するスイッチ部とを有する。
本発明によると、障害物検出器は、障害物が当接することで変位する障害物検出部材と、前記障害物検出部材が変位することを受けて動作するスイッチ部とを備えている。このため、移動部材の移動中にスイッチ部がオン動作することで、格納位置にある障害物が障害物検出部材に当接したことを検知できるようになる。また、障害物検出部材は、移動部材の幅方向一端側から他端側まで延びた状態で、その移動部材の格納位置側の端部に連結されている。このため、障害物が格納位置の幅方向における端部にある場合でも障害物検出器(障害物検出部材、スイッチ部)により障害物を確実に検知できるようになる。
さらに、例えば、移動部材の前進中に障害物検出部材に対して障害物が当接すると、障害物検出部材は後方に変位するように、ヒンジ機構を中心に回動するようになる。
請求項2の発明によると、移動部材は、車椅子を載置するプラットホームで、車両前後方向にスライド可能に構成されており、前記車両の床部には、前記プラットホームを格納する凹部が形成されて、前記プラットホームが前進限位置まで前進スライドした状態で、そのプラットホームの前面が前記凹部の前端内壁の位置まで到達して前記凹部に格納される構成であり、前記プラットホームの前端に前記障害物検出部材が連結されている。
請求項3の発明によると、プラットホームは、そのプラットホームを支持するプラットホームホルダの電動スライド装置の動作により車両前後方向にスライド可能に構成されており、前記プラットホームホルダには、前記プラットホームの後進スライドに伴って上方に回動して起立する車椅子前側ストッパが設けられており、前記車椅子前側ストッパは、起立する過程で前記プラットホームの障害物検出部材を押し上げてヒンジ機構の軸心回りに上回動させる。このため、プラットホームの障害物検出部材が車椅子前側ストッパの起立動作を妨げることがない。
請求項4の発明によると、障害物検出部材の下端部がプラットホームの下端部よりも下方に突出可能に構成されている。このため、格納位置の障害物が低い場合でも、障害物検出部材が障害物に当接できるようになる。
請求項5の発明によると、移動部材が格納位置まで移動する際に、前記格納位置にある障害物が前記移動部材の障害物検出部材に当接し、前記障害物検出部材が変位してスイッチ部が動作すると、前記移動部材が停止するように構成されている。これにより、障害物が格納位置で移動部材に挟まれるようなことがなくなる。
本発明によると、車幅方向において広い範囲で障害物を検知できるようになる。
本発明の実施形態1に係る車両の乗降装置を表す全体斜視図である。 前記乗降装置の動作を表す側面図である。 前記乗降装置の動作を表す側面図である。 前記乗降装置の障害物検出器の動作を表す模式図である。 前記乗降装置のプラットホームの前端に設けられた障害物検出器の障害物検出板を表す正面図である。 障害物検出器の障害物検出板とスイッチ部とを表す縦断面図(図5のVI-VI矢視断面図)である。 障害物検出器の動作を表す縦断面図である。 障害物検出器の障害物検出板とカム機構等を表す縦断面図(図5のVIII-VIII矢視断面図)である。 カム機構による車椅子前側ストッパの起立動作を表す縦断面図である。 カム機構による車椅子前側ストッパの起立動作を表す縦断面図である。 カム機構による車椅子前側ストッパの起立動作を表す縦断面図である。 カム機構による車椅子前側ストッパの起立動作を表す縦断面図である。 変更例に係る障害物検出器の障害物検出板とスイッチ部とを表す縦断面図である。 変更例に係る障害物検出器の動作を表す縦断面図である。 従来の車両の乗降装置におけるプラットホームの格納途中を表す模式側面図(障害物なし)である。
[実施形態1]
以下、図1から図14に基づいて本発明の実施形態1に係る車両の乗降装置について説明する。本実施形態に係る車両の乗降装置は、ワンボックスタイプの福祉車両Cの後部に設置された車椅子リフタ10である。ここで、図中における前後左右及び上下は車椅子リフタ10を備える福祉車両Cの前後左右及び上下に対応している。
<福祉車両C及び車椅子リフタ10の概要ついて>
前記福祉車両Cは、図1等に示すように、車両後部にドア開口部Hを備えており、そのドア開口部Hがバックドア(図示省略)によって開閉可能に構成されている。そして、前記福祉車両Cのドア開口部Hの内側に、乗員を車椅子Kで乗降させるための車椅子リフタ10が設けられている。車椅子リフタ10は、車椅子Kを載せる水平なプラットホーム20と、そのプラットホーム20を水平な状態で昇降させる左右一対の昇降リンク機構40とを備えている。そして、昇降リンク機構40の先端部分(下端部分)には、前記プラットホーム20を前後スライド可能な状態で左右から支持するプラットホームホルダ30が設けられている。
左右のプラットホームホルダ30の前部には、図1〜図3等に示すように、プラットホーム20の下側に帯板状の車椅子前側ストッパ60が上下回動可能な状態で支持されている。車椅子前側ストッパ60は、プラットホーム20上の車椅子Kの前進ストッパである。車椅子前側ストッパ60は、プラットホーム20の後進スライドに伴ってカム機構70(図9〜図12参照)の働きにより倒伏位置(図3参照)から使用位置(図2参照)まで起立できるように構成されている。また、プラットホーム20の前部には、図4に示すように、そのプラットホーム20を福祉車両Cの車室内に格納する際に、格納位置の障害物を検出する障害物検出器50が設けられている。
<昇降リンク機構40ついて>
昇降リンク機構40は、図1から図3に示すように、車室フロア15の後部両端(左右)に設けられた固定金具41と、左右の前記固定金具41にそれぞれ上下回動可能な状態で連結された四節リンク機構43と、その四節リンク機構43の先端側に同じく上下回動可能な状態で連結された起立状態の昇降アーム44と、前記四節リンク機構43を上下回動させて、昇降アーム44を昇降させる油圧シリンダ(図示省略)とから構成されている。なお、図1はカバー430に覆われた状態の四節リンク機構43を表しており、図2、図3はカバー430を省略した状態の四節リンク機構43を表している。
四節リンク機構43は、四隅に相対回動可能な連結点(支点)を備えるリンク機構であり、図2、図3に示すように、固定金具41のリンク支持部411と、上部リンク433と、下部リンク434と、昇降アーム44のリンク支持部445とから構成されている。そして、前記油圧シリンダの動作により、四節リンク機構43が上下回動することで、昇降アーム44が起立姿勢のままで昇降するようになる。左右の昇降アーム44の下端部には、図1〜図3に示すように、前記プラットホームホルダ30が設けられており、左右のプラットホームホルダ30にプラットホーム20が前後スライド可能な状態で支持されている。プラットホームホルダ30には、プラットホーム20をそのプラットホームホルダ30に対して前後スライドさせる電動スライド装置(図示省略)が設けられている。
<福祉車両Cの車室フロア15について>
福祉車両Cの車室フロア15の後部には、図2〜図5に示すように、プラットホーム20が水平に格納される凹部17が形成されている。そして、凹部17の内部の左右両側には、図5に示すように、プラットホーム20を前後スライド可能なようにガイドするガイドレール18が車両前後方向に延びるように設置されている。左右のガイドレール18は、プラットホーム20の左右の側面下部に設けられた前輪25を下方から支えるレール本体部18mと、前記前輪25を側面と上方から覆えるように構成されたガイド壁部18kとから構成されている。そして、プラットホーム20が左右のガイドレール18にガイドされて凹部17に格納された状態で、図3、図4等に示すように、プラットホーム20のプラットホーム面22が車室フロア15のフロア面15fと等しい高さになる。これにより、プラットホーム面22に載せられた車椅子Kを車室フロア15のフロア面15fまで案内できるようになる。なお、図1〜図3では左右のガイドレール18等は省略されている。
プラットホーム20は、プラットホームホルダ30の電動スライド装置の動作により、図2に示す後進限位置と、図3に示す前進限位置との間で、左右のガイドレール18に沿って前後スライド可能に構成れている。そして、プラットホーム20が前進限位置まで前進スライドすることで、図3に示すように、プラットホーム20の前面20fが車室フロア15の凹部17において段差状に形成された前端内壁17wの位置まで到達するようになる。このように、プラットホーム20の前面20fが凹部17の前端内壁17wまで到達する位置が本発明のプラットホーム20の格納位置に相当する。また、プラットホーム20が本発明の移動部材に相当する。
<障害物検出器50について>
障害物検出器50は、プラットホーム20が車室フロア15の凹部17に格納される際に障害となる物、例えば、凹部17内に入った乗員(介助者)の靴等を検出する装置である。障害物検出器50は、図4〜図7に示すように、プラットホーム20の格納中に障害物が当接できるように構成された障害物検出板52と、その障害物検出板52の動きを検知するリミットスイッチ56とから構成されている。障害物検出板52は、検出板本体部52bと、その検出板本体部52bの裏面に設けられたストライカ部52sとからなる。検出板本体部52bは、図5に示すように、プラットホーム20の左端から右端まで延びる帯状の平板であり、その検出板本体部52bの上端縁が複数のヒンジ機構54によってプラットホーム20の前端上部に連結されている。これにより、障害物検出板52(検出板本体部52b)は、ヒンジ機構54の軸心回りに回動可能な状態でプラットホーム20の前端上部に吊り支持される。そして、プラットホーム20の格納中(前進スライド中)に障害物検出板52に対して障害物が当接すると、図4に示すように、障害物検出板52は後方に変位するようにヒンジ機構54の軸心回りに回動するようになる。ここで、障害物検出板52の高さ寸法は、その障害物検出板52の下端縁がプラットホーム20の下面から下方に一定量突出し、かつ、障害物検出板52の下端が車室フロア15の凹部17の底面に当接しない寸法に設定されている。
障害物検出板52の検出板本体部52bには、図5に示すように、左右両側の上部に角形の切欠部52cが形成されている。角形の切欠部52cは、障害物検出板52が後方に変位する際に、その障害物検出板52がカム機構70のカム74(後記する)と干渉しないようにするためのものである。障害物検出板52の検出板本体部52bの裏面には、図6、図7に示すように、リミットスイッチ56をオン動作させるストライカ部52sが設けられている。リミットスイッチ56は、障害物検出板52の後方所定位置に位置決めされた状態で、ブラケット56bによりプラットホーム20の内側に取付けられている。リミットスイッチ56は、スイッチ本体部56mと、そのスイッチ本体部56mに対して一定範囲で移動できるように取付けられた棒状の可動部56kとから構成されている。そして、リミットスイッチ56の可動部56kの先端が障害物検出板52のストライカ部52sに当接している。これにより、障害物検出板52が障害物に当接することで後方に変位すると、ストライカ部52sがリミットスイッチ56の可動部56kを後方に押圧し、スイッチ本体部56mがオン動作するようになる。即ち、リミットスイッチ56がオン動作することで、障害物検出板52に障害物が当接したことを検知できるようになる。このように、障害物検出板52が本発明の障害物検出部材に相当し、リミットスイッチ56が本発明のスイッチ部に相当する。
<車椅子前側ストッパ60とカム機構70について>
車椅子前側ストッパ60は、プラットホーム20上の車椅子Kの前進ストッパであり、図9等に示すように、プラットホーム20の下側で、左右のプラットホームホルダ30の前部に取付けられている。車椅子前側ストッパ60は、車幅方向に延びる帯板状のストッパ本体部62と、そのストッパ本体部62を回動中心側で支持する支持板部63と、前記支持板部63を上下回動可能な状態で左右のプラットホームホルダ30のブラケット部32に連結するヒンジ機構64とから構成されている。そして、車椅子前側ストッパ60の支持板部63には、カム機構70のカムフォロアに相当するカムピン72が車幅方向外側に突出するように固定されている。カムピン72は、その軸心がヒンジ機構64の軸心と平行になるように、車椅子前側ストッパ60の支持板部63に固定されている。
プラットホーム20の先端内側には、図8、図9等に示すように、カム機構70のカム74が設けられている。カム74は、帯状の平板を略U字形に湾曲させることにより形成されており、図5に示すように、障害物検出板52の左右両側に形成された切欠部52cに相当する位置に設けられている。カム74には、車椅子前側ストッパ60側のカムピン72をガイド可能に構成されたカム面74cが形成されている。図9等に示すように、カム機構70のカム74とカムピン72とが離れている状態では、車椅子前側ストッパ60は自重により倒伏して、車室フロア15の凹部17の底面上に保持されている。この状態で、プラットホーム20が後進限位置の近傍まで後進スライドすると、図10に示すように、カム機構70のカム74が車椅子前側ストッパ60側のカムピン72の位置に到達する。そして、プラットホーム20の後進スライドにより、図11、図12に示すように、カム機構70のカムピン72がカム74のカム面74c上を摺動する。これにより、車椅子前側ストッパ60がカム機構70の働きで倒伏位置から起立位置までヒンジ機構64の軸心回りに上回動するようになる。
<車椅子リフタ10の動作について>
上記した車椅子リフタ10において乗員を降車させる場合には、バックドアを開いた状態で降車用の操作スイッチ(図示省略)を操作する。これにより、プラットホームホルダ30の電動スライド装置が駆動してプラットホーム20が、図3に示す格納位置から後進スライドするようになる。そして、プラットホーム20が後進限位置の近傍まで到達すると、図9に示すように、プラットホーム20の前端に設けられた障害物検出器50の障害物検出板52の下端が車椅子前側ストッパ60の先端に当接する。ここで、障害物検出板52はヒンジ機構54を介してプラットホーム20に吊り支持されている。このため、引き続きプラットホーム20が後進スライドすることで、図10等に示すように、障害物検出板52はヒンジ機構54の軸心回りに上回動しつつ前方に変位し、障害物検出板52の下端縁が車椅子前側ストッパ60の上面に沿って移動できるようになる。
そして、プラットホーム20の前部に設けられているカム機構70のカム74が、図10に示すように、車椅子前側ストッパ60に設けられたカム機構70のカムピン72の位置まで到達すると、プラットホーム20の後進スライドに伴ってカムピン72がカム74のカム面74c上を摺動するようになる。これにより、車椅子前側ストッパ60が、図11に示すように、ヒンジ機構64の軸心回りに上回動(右回動)して、倒伏位置から徐々に起立する。このとき、車椅子前側ストッパ60の上面が障害物検出板52の下端縁を押し上げるため、障害物検出板52も車椅子前側ストッパ60と共にヒンジ機構54の軸心回りに上回動(右回動)する。そして、プラットホーム20が後進限位置まで到達すると、図12に示すように、カム機構70のカムピン72がカム74のカム面74cの上限位置まで到達し、車椅子前側ストッパ60と障害物検出板52とが所定位置まで起立した使用位置に保持される。プラットホーム20が後進限位置までスライドすると(図2参照)、次に、左右の昇降リンク機構40の油圧シリンダが動作する。これにより、左右の昇降リンク機構40の四節リンク機構43が下方に回動し、昇降アーム44とプラットホーム20とが、図1に示すように、地上の乗降位置まで下降するようになる。
乗降位置のプラットホーム20を車室内の格納位置まで移動させる場合には、乗車用の操作スイッチ(図示省略)を操作する。これにより、左右の昇降リンク機構40が上記と逆方向に動作して昇降アーム44とプラットホーム20とが、図2に示すように、車室フロア15と等しい高さ位置まで上昇する。次に、プラットホームホルダ30の電動スライド装置が駆動してプラットホーム20が前進スライドするようになる。これにより、カム機構70が上記と逆方向に動作し、車椅子前側ストッパ60が起立位置から自重で下回動(左回動)して倒伏するようになる。さらに、車椅子前側ストッパ60の下回動(左回動)に伴って障害物検出板52も自重で下回動するようになる。そして、プラットホーム20の前進スライドにより、障害物検出板52が車椅子前側ストッパ60から離れると、障害物検出板52は、図8に示すように、垂直な状態まで自重で下回動(左回動)してプラットホーム20に吊り支持される。
この後、例えば、図4、図7に示すように、介助者が車室フロア15の凹部17に入り込み、介助者のつま先が障害物検出板52に当接すると、障害物検出板52がプラットホーム20の前進スライドに伴って後方向に変位するように回動(左回動)する。これにより、障害物検出板52のストライカ部52sがリミットスイッチ56の可動部56kを押圧してスイッチ本体部56mがオン動作する。これにより、プラットホームホルダ30の電動スライド装置が停止し、プラットホーム20がその位置で停止する。これにより、介助者の足が車室フロア15の凹部17とプラットホーム20とに挟まれるようなことがなくなる。介助者が車室フロア15の凹部17から出て、再び、乗車用の操作スイッチを操作すると、プラットホーム20は前進スライドを開始する。そして、プラットホーム20が格納位置(前進限位置)に到達した段階でプラットホームホルダ30の電動スライド装置が停止するようになる。
<本実施形態に係る車椅子リフタ10の長所について>
本実施形態に係る車椅子リフタ10によると、障害物検出器50は、障害物が当接することで変位する障害物検出板52と、障害物検出板52が変位することを受けて動作するリミットスイッチ56(スイッチ部)とを備えている。このため、プラットホーム20(移動部材)の移動中にリミットスイッチ56がオン動作することで、格納位置にある障害物が障害物検出板52に当接したことを検知できるようになる。また、障害物検出板52は、プラットホーム20の幅方向一端側から他端側まで延びた状態で、そのプラットホーム20の前端側に連結されている。このため、障害物が格納位置の幅方向における端部にある場合でも障害物検出器50(障害物検出板52、リミットスイッチ56)により障害物を確実に検知できるようになる。また、車椅子前側ストッパ60は起立する過程でプラットホーム20の障害物検出板52を押し上げてヒンジ機構54の軸心回りに上回動させる。このため、プラットホーム20の障害物検出板52が車椅子前側ストッパ60の起立動作を妨げない。さらに、障害物検出板52の下端部がプラットホーム20の下端部よりも下方に突出するため、格納位置の障害物が低い場合でも、障害物検出板52が障害物に当接できるようになる。
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、障害物検出器50の障害物検出板52をヒンジ機構54によってプラットホーム20の前端上部に吊り支持する例を示した。しかし、車椅子前側ストッパ60やカム機構70を有しない車椅子リフタ10の場合には、図13、図14に示すように、障害物検出板52を前後に変位可能な状態でプラットホーム20の前部に取付ける構成でも可能である。
即ち、プラットホーム20の前部には、図13等に示すように、車幅方向に延びる縦パネル28が設けられている。そして、プラットホーム20の縦パネル28には、連結ピン83が通される複数の貫通孔28hが形成されている。連結ピン83は障害物検出板52の裏面に直角に固定されており、それらの連結ピン83が前側からプラットホーム20の縦パネル28の貫通孔28hに通されている。そして、前記縦パネル28の貫通孔28hから後方に突出した連結ピン83の先端には、リミットスイッチ56の可動部56kを押圧するストライカ82が固定されている。また、連結ピンの周囲には、障害物検出板52とプラットホーム20の縦パネル28との間の位置にコイルバネ84が装着されている。コイルバネ84は、障害物検出板52がプラットホーム20の縦パネル28から離れる方向に付勢されている。上記構成により、例えば、プラットホーム20の前進スライド中に介助者のつま先が障害物検出板52に当接すると、障害物検出板52がコイルバネ84のバネ力に抗して後方に変位する。これにより、障害物検出板52のストライカ82がリミットスイッチ56の可動部56kを押圧してリミットスイッチ56がオン動作するようになる。
ここで、本実施形態では、車両の乗降装置として車椅子リフタ10を例示したが、例えば、車両のシート本体を車室内から室外に移動させる装置において、シート本体を移動部材として本発明を適用することも可能である。
10・・・・車椅子リフタ(乗降装置)
15・・・・車室フロア
17・・・・凹部
17w・・・前端内壁
20・・・・プラットホーム(移動部材)
22・・・・プラットホーム面
30・・・・プラットホームホルダ
50・・・・障害物検出器
52・・・・障害物検出板(障害物検出部材)
54・・・・ヒンジ機構
56・・・・リミットスイッチ(スイッチ部)
60・・・・車椅子前側ストッパ
C・・・・・福祉車両

Claims (5)

  1. 車両の外側の乗降位置と、前記車両の内側の格納位置との間で往復移動できるように構成された移動部材と、前記移動部材を前記格納位置まで移動させる際に、前記格納位置にある障害物を検出できるように構成された障害物検出器とを備える車両の乗降装置であって、
    前記障害物検出器は、
    前記移動部材の幅方向一端側から他端側まで延びており、上端部がヒンジ機構により前記移動部材の格納位置側の端部に連結されて、前記ヒンジ機構の軸心回りに回動可能な状態で前記移動部材に吊り支持されている障害物検出部材と、
    障害物が前記移動部材の障害物検出部材に当接して、その障害物検出部材が変位することを受けて動作するスイッチ部と、
    を有する車両の乗降装置。
  2. 請求項1に記載された車両の乗降装置であって、
    前記移動部材は、車椅子を載置するプラットホームで、車両前後方向にスライド可能に構成されており、
    前記車両の床部には、前記プラットホームを格納する凹部が形成されて、前記プラットホームが前進限位置まで前進スライドした状態で、そのプラットホームの前面が前記凹部の前端内壁の位置まで到達して前記凹部に格納される構成であり、
    前記プラットホームの前端に前記障害物検出部材が連結されている車両の乗降装置。
  3. 請求項2に記載された車両の乗降装置であって、
    前記プラットホームは、そのプラットホームを支持するプラットホームホルダの電動スライド装置の動作により車両前後方向にスライド可能に構成されており、
    前記プラットホームホルダには、前記プラットホームの後進スライドに伴って上方に回動して起立する車椅子前側ストッパが設けられており、
    前記車椅子前側ストッパは、起立する過程で前記プラットホームの障害物検出部材を押し上げてヒンジ機構の軸心回りに上回動させる車両の乗降装置。
  4. 請求項2又は請求項3のいずれかに記載された車両の乗降装置であって、
    前記障害物検出部材の下端部が前記プラットホームの下端部よりも下方に突出可能に構成されている車両の乗降装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載された車両の乗降装置であって、
    前記移動部材が格納位置まで移動する際に、前記格納位置にある障害物が前記移動部材の障害物検出部材に当接し、前記障害物検出部材が変位してスイッチ部が動作すると、前記移動部材が停止するように構成されている車両の乗降装置。
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