以下に添付図面を参照して本願に係る表示制御プログラム、表示制御装置及び表示制御方法について説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[システム構成]
図1は、実施例1に係る授業支援システムの構成を示す図である。図1に示す授業支援システム1は、デジタル教材を通じて、授業を支援する授業支援サービスを提供するものである。
例えば、上記の授業支援サービスの一環として、授業支援システム1は、ある課題に対する生徒の意見の一覧が掲載された意見板を電子黒板20上で公開し、教師と生徒および生徒同士が教え学び合う協働教育を支援する協働教育支援サービスを提供する。以下では、意見板の一例として、生徒の意見が意見板上でマトリクス状に表示される場合を想定する。
図1に示すように、授業支援システム1には、教師端末10と、電子黒板20と、生徒端末30A〜30Cとが収容される。なお、図1には、3つの生徒端末を図示したが、授業支援システム1は任意の数の生徒端末を収容できる。以下では、生徒端末30A〜30Cの各装置を区別なく総称する場合には、「生徒端末30」と記載する場合がある。
これら教師端末10及び生徒端末30の間は、ネットワーク5を介して相互に通信可能に接続される。かかるネットワーク5には、有線または無線を問わず、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの構内通信網を始め、インターネット(Internet)などの任意の種類の通信網を採用できる。
教師端末10は、教師が使用する端末装置である。ここで言う「教師」とは、授業の参加者のうち教える側の人物を指す。一例としては、各種の教員が挙げられるが、必ずしも各種の教員免許を有する有資格者でなくともかまわない。
一実施形態として、教師端末10には、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして上記の協働教育支援サービスを実現する教師端末用の協働教育支援プログラムがインストールされる。このように教師端末用の協働教育支援プログラムが教師端末10のプロセッサ上で動作することによって、一例として、協働教育を実施する課題の選択、各生徒端末30への課題の配信、各生徒端末30から返信された意見の一覧表示などの機能を実現できる。
例えば、教師端末10には、タブレット型の情報処理端末、いわゆるタブレット端末を採用できる。このように教師端末10にタブレット端末を採用することによって、教師端末10では、タッチペンや手指を介して各種の指示操作を受け付けることができる。この他、教師端末10では、上記の意見板に表示される複数の意見のうち1つの意見が拡大表示された個別意見画面上で、文字列(コメント)やマークなどの手書き入力を受け付けることができる。以下では、タッチペンや手指によって手書きの文字列(コメント)やマークをタッチパネルへ入力することを「手書き入力」と記載するとともに、タッチパネルが手書き入力を介して受け付ける文字列やマークのことを「記述」と記載する場合がある。
電子黒板20は、所定のプロジェクタ等から出力される画像を表示する装置である。
一実施形態として、電子黒板20には、インタラクティブ・ホワイトボードを採用できる。この電子黒板20には、図示しないプロジェクタが接続される。このプロジェクタによって、教師端末10が指示する映像が電子黒板20に投影される。このように、教師端末10及び電子黒板20の間では、互いに同一の画像を表示させることもできる。なお、上記の電子黒板20には、ユニット型、ボード型あるいは一体型のいずれのタイプを採用することもできるのは言うまでもない。
生徒端末30は、生徒が使用する端末装置である。ここで言う「生徒」とは、授業の参加者のうち教わる側の人物を指す。一例としては、各種の学生が挙げられるが、必ずしも学生でなくともかまわない。
一実施形態として、生徒端末30には、生徒端末用の協働教育支援プログラムがインストールされる。かかる生徒端末用の協働教育支援プログラムが生徒端末30のプロセッサ上で動作することによって、一例として、教師端末10からの課題の受信、課題に対する回答の入力、教師端末10への課題の返信などの機能を実現できる。
例えば、生徒端末30には、上記の教師端末10と同様に、タブレット端末を採用できる。かかるタブレット端末を採用することによって、生徒端末30では、タッチペンや手指を介して協働教育支援プログラムに対する各種の指示操作を受け付けることができる。
なお、本実施例では、教師端末10及び生徒端末30の間で教師端末10をサーバ装置として機能させる一方で生徒端末30をクライアント端末として機能させる場合を例示するが、授業支援システム1の物理的構成はこれに限定されない。例えば、教師端末10とは別にサーバ装置を設置し、教師端末10及び生徒端末30の両方をクライアント端末として収容するクライアントサーバシステムを構築することとしてもかまわない。
また、本実施例では、教師端末10や生徒端末30がタブレット端末として実装される場合を例示するが、教師端末10や生徒端末30の実装形態はこれに限定されない。例えば、教師端末10や生徒端末30は、スマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)などの移動体通信端末を含む携帯端末装置として実装されることとしてもかまわない。また、パーソナルコンピュータを始めとする据置き型の情報処理装置やノート型のパーソナルコンピュータとして実装されることとしてもかまわない。
[教師端末10の構成]
続いて、本実施例に係る教師端末10の機能的構成について説明する。図2は、実施例1に係る教師端末10の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、教師端末10は、タッチパネル11と、通信I/F(InterFace)部12と、記憶部13と、制御部15とを有する。
上記の教師端末10は、図2に示した機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部を有することとしてもかまわない。例えば、教師端末10がタブレット端末として実装される場合には、加速度センサや角速度センサなどのモーションセンサをさらに有することとしてもよい。また、教師端末10が移動体通信端末として実装される場合には、アンテナ、GPS(Global Positioning System)受信機などの機能部をさらに有していてもかまわない。なお、図2には、一例として、教師端末10がタブレット端末として実装される場合の機能部が例示されているが、教師端末10を据置き端末として実装する場合には、キーボード、マウスやディスプレイなどの入出力デバイスを有することとしてもよい。
図2におけるタッチパネル11は、表示可能かつ入力可能なデバイスである。表示に関する一側面として、タッチパネル11は、教師端末10上で実行される協働教育支援プログラムを始め、OS(Operating System)やアプリケーションプログラムによって出力される画像を表示する。入力に関する一側面として、タッチパネル11は、タッチパネル11のスクリーン上でなされるタップ、フリック、スイープ、ピンチインやピンチアウトなどのタッチ操作を受け付ける。なお、ここでは、教師端末10に対する指示入力を行う入力デバイスとしてタッチパネル11を例示したが、これに限らず、タッチパネル11との間で相補的な入力を実現する物理キーなどをさらに有していてもかまわない。
通信I/F部12は、他の装置、例えば電子黒板20や生徒端末30などとの間で通信制御を行うインタフェースである。かかる通信I/F部12の一態様としては、LANカードなどのネットワークインタフェースカードを採用できる。例えば、通信I/F部12は、協働授業を実施する課題を生徒端末30へ配信したり、生徒端末30から課題に対する回答、例えば賛否や意見を受信したりする。また、通信I/F部12は、電子黒板20に表示させる画像、例えば意見板を電子黒板20へ送信したり、電子黒板20から電子黒板20上で受け付けた操作を受け付けたりする。
記憶部13は、制御部15で実行されるOS(Operating System)や授業支援プログラムなどの各種プログラムを記憶する記憶デバイスである。記憶部13の一態様としては、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置が挙げられる。なお、記憶部13は、上記の種類の記憶装置に限定されるものではなく、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)であってもよい。
記憶部13は、制御部15で実行されるプログラムに用いられるデータの一例として、生徒データ13aと、課題データ13bと、回答データ13cと、手書き入力データ13dとを記憶する。これら生徒データ13a、課題データ13b、回答データ13c及び手書きデータ13d以外にも、他の電子データ、例えば記憶力や集中力の育成を目指すドリル教材なども併せて記憶することもできる。
このうち、生徒データ13aは、生徒に関するデータである。
一実施形態として、生徒データ13aには、生徒ID(IDentifier)、生徒名および生徒端末IPアドレスなどの項目が対応付けられたデータを採用できる。ここで言う「生徒ID」とは、授業に参加する生徒を識別する識別情報を指す。また、「生徒名」とは、生徒の名字を指す。また、「生徒端末IPアドレス」とは、各生徒端末30が持つIPアドレスを指す。
図3は、生徒データ13aの一例を示す図である。図3には、8名の生徒に関する生徒ID、生徒名及び生徒端末IPアドレスが図示されている。例えば、図3に示す1番目のレコードの例で言えば、生徒ID「1001」によって識別される生徒名が「田中」であり、かかる田中が使用する生徒端末のIPアドレスが「XX.YY.ZZ.A1」であることを意味する。この他の2番目以降のレコードについても項目が持つ値は異なるがその意味合いは同様である。なお、図3には、生徒のエントリが8つである場合を例示したが、エントリ数は任意の数であってよい。また、生徒がクラス分けされている場合には、クラス別に生徒ID、生徒名及び生徒端末IPアドレスを管理することもできる。
課題データ13bは、課題に関するデータである。
一実施形態として、課題データ13bには、課題ID、課題内容および回答制限時間などの項目が対応付けられたデータを採用できる。ここで言う「課題ID」とは、協働授業等の授業で生徒に与える課題を識別する識別情報を指す。また、「課題内容」とは、課題の内容を指し、例えば、教師と生徒間および生徒間で議論する議題などが挙げられる。また、「回答制限時間」とは、生徒が課題を回答する場合に課す制限時間を指す。なお、上記の課題データ13bは、予め支援教材として格納しておくこともできるし、教師が教師端末10を通じて課題を登録することとしてもかまわない。
図4は、課題データ13bの一例を示す図である。図4に示す1番目のレコードの例で言えば、課題ID「0001」によって識別される課題の内容が「未成年の中絶についてどう思うか?」であり、当該課題に対する賛否や意見などを回答する時間が20分以内であることを意味する。また、図4に示す2番目のレコードの例で言えば、課題ID「0002」によって識別される課題の内容が「瓦礫受け入れについてどう思うか?」であり、当該課題に対する賛否や意見などを回答する時間が30分以内であることを意味する。この他の3番目以降のレコードについても項目が持つ値は異なるがその意味合いは同様である。
回答データ13cは、課題への回答に関するデータである。
一実施形態として、回答データ13cには、生徒ID、賛否、意見内容および意見表示エリア座標などの項目が対応付けられたデータを採用できる。ここで言う「賛否」とは、生徒が課題に賛成または反対であるかの選択結果を指す。また、「意見内容」とは、課題に対する生徒の主張や考えの内容を指し、例えば、賛否の理由を始め、課題へのアプローチなどが挙げられる。また、「意見表示エリア座標」とは、生徒の意見が意見板上で表示されるエリアの座標を指し、例えば、生徒の意見が表示されるエリアを矩形とする場合、エリアの4つの頂点「左上」、「左下」、「右上」及び「右下」の座標によって表すことができる。なお、ここでは、エリアが4つの頂点によって定義される場合を例示したが、エリアは他の任意の方法で定義することができ、例えば、1つの頂点もしくは重心と、エリアの高さ及び幅などによってエリアを定義することもできる。
図5は、回答データ13cの一例を示す図である。図5には、図3に示した8名の生徒の意見が意見板に表示される場合が示されている。また、図5には、座標系の一例として、意見板の左下の頂点を原点とする座標系が採用される場合が例示されている。図5に示す例では、意見板が縦に2つ、横に4つに8等分割されることによって1つのエリアが縦「30」及び横「40」の大きさで意見板上に表示される。すなわち、意見板の左から田中のエリア、山田のエリア、鈴木のエリア、山本のエリアの順に各意見が表示されるとともに、田中の意見の下には、黒田の意見、山田の意見の下には、本田の意見、鈴木の意見の下には、佐藤の意見、山本の意見の下には、浅井の意見が表示されることを意味する。さらに、図5の例では、本田以外の生徒は、瓦礫受け入れについて賛成を表明し、本田は、瓦礫受け入れについて反対を表明していることも意味する。
なお、ここでは、エリアごとに当該エリアに表示される生徒の意見が予め決定されている場合、すなわち回答が得られる前から賛否と意見内容以外の項目が初期値として設定されている場合を想定するが、どのエリアにどの生徒の意見を表示するのかは動的に変更することもできる。例えば、課題への賛否によって意見を並べて表示することもできるし、回答を受け付けた順に意見を並べて表示することもできるし、教師端末10によって指定される順に意見を並べて表示することもできる。
手書き入力データ13dは、手書き入力に関するデータである。なお、手書き入力データ13dは、手書き入力の履歴の一例である。
一実施形態として、手書き入力データ13dには、記述ID、追番、座標および時刻などの項目が対応付けられたデータを採用できる。ここで言う「記述ID」とは、手書き入力によって描かれた一筆書きの記述を識別する識別情報を指す。かかる「一筆書き」とは、タッチパネル11上で手書き入力が検知されてから当該手書き入力が検知されなくなるまでに検知された一連の手書き入力の軌跡を指す。また、「追番」とは、手書き入力に伴い表示されるドットに対応して増加または減少する番号を指し、例えば、通し番号やシーケンス番号とも呼ばれる。例えば、追番には、手書き入力が継続されるのにしたがって増加する番号を採用できる。また、「座標」とは、手書き入力が検知された意見板上のドットの座標を指す。また、「時刻」とは、手書き入力の座標が記録された時刻を指す。
図6は、手書き入力データ13dの一例を示す図である。図6には、意見板に掲載された生徒の意見のうち生徒ID「1001」の田中の意見が拡大表示された状況の下、タッチパネル11を介して受け付けた手書き入力に含まれるドットの座標の値が図示されている。例えば、図6に示す記述ID「M1」の例で言えば、追番「1」〜追番「200」までの200ドットの軌跡を描く一筆書きの記述であることを意味する。さらに、手書き入力が始点(27,40)で始まり、中継点(27,41)、中継点(26,42)・・・を経由して、終点(38,38)で終わる記述であることを意味する。この他の記述ID「M2」〜記述ID「M5」のレコードについても項目が持つ値は異なるがその意味合いは同様である。
なお、図3〜図6には、データがテーブル形式で記憶される場合を例示したが、オブジェクトやXML(Extensible Markup Language)などの形式で記憶されることとしてもかまわない。
制御部15は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部15は、図2に示すように、回答受付部15aと、意見表示部15bと、記録部15cと、手書き表示部15dと、手書き更新部15eとを有する。
回答受付部15aは、ある課題に対する生徒の回答を受け付ける処理部である。
一実施形態として、回答受付部15aは、生徒端末30へ配信する課題を教師端末10に決定させることができる。例えば、回答受付部15aは、タッチパネル11に表示されたメニュー画面から課題選択の項目が選択された場合に処理を起動する。すなわち、回答受付部15aは、課題IDの選択肢や課題の配信を要求する課題送信ボタンなどを含む課題選択画面をタッチパネル11に表示させる。
そして、回答受付部15aは、課題選択画面上で課題IDが選択された上で課題送信ボタンが押下された場合、課題データ13bに含まれる課題内容のうち課題選択画面で選択を受け付けた課題IDに対応する課題内容を含む回答画面を生成する。続いて、回答受付部15aは、先に生成された回答画面を生徒端末30へ送信する。例えば、回答受付部15aは、課題内容の表示とともに、課題への賛否や意見などの回答を記入する入力フォームが設けられた回答画面データを生成して生徒端末30へ送信することができる。なお、ここでは、教師端末10が回答画面を生成する場合を例示したが、回答受付部15aが課題内容を送信し、生徒端末30上で実行される協働教育支援プログラムが課題内容を用いて回答画面を生成することとしてもかまわない。
その上で、回答受付部15aは、課題データ13bに含まれる回答制限時間のうち課題選択画面で選択を受け付けた課題IDに対応付けられた回答制限時間を取得する。その後、回答受付部15aは、生徒端末30から回答画面に記入された課題への賛否および意見を受け付けた場合に、回答データ13cに含まれるレコードのうち当該生徒端末30のIPアドレスまたは生徒IDに対応するレコードに賛否および意見を登録する。そして、回答受付部15aは、回答制限時間を経過するまで、課題への賛否および意見が生徒端末30から教師端末10へ送信されるのを待機し、課題への賛否および意見を受信した場合に、回答データ13cへ登録する処理を繰り返し実行する。
意見表示部15bは、生徒の意見の表示制御を実行する処理部である。
一実施形態として、意見表示部15bは、回答制限時間を経過すると、記憶部13に記憶された回答データ13cを読み出す。その上で、意見表示部15bは、回答データ13cに含まれるレコードごとに当該レコードに設定された意見表示エリア座標にしたがって賛否および意見をタッチパネル11及び電子黒板20に表示させる。この結果、タッチパネル11及び電子黒板20には、課題に対する各生徒の賛否および意見がマトリクス状に掲載された意見板が表示されることになる。
そして、意見表示部15bは、タッチパネル11及び電子黒板20に意見板を表示された後に、タッチパネル11上で意見の選択を受け付けた場合に、次のような処理を実行する。すなわち、意見表示部15bは、意見板に含まれる意見のうち意見板上で選択がなされた意見をタッチパネル11及び電子黒板20に拡大表示させる。このように意見板に掲載される意見のうちタッチパネル11上で選択された意見が個別に拡大表示された画面のことを「個別意見画面」と記載する場合がある。その後、意見表示部15bは、タッチパネル11に個別意見画面が表示された状態で当該個別意見画面上に配置された戻るボタンが選択されると、改めて意見板をタッチパネル11及び電子黒板20に表示させる。そして、意見表示部15bは、タッチパネル11に表示された意見板に含まれる終了ボタンが押下された場合に、当該課題に関する表示を終了する。
なお、ここでは、タッチパネル11及び電子黒板20の表示を同期させることによって互いに同一の内容を表示させる場合を例示するが、タッチパネル11及び電子黒板20に表示される内容が互いに異なることとしてもよい。
記録部15cは、手書き入力を記録する処理部である。
一実施形態として、記録部15cは、意見表示部15bによって個別意見画面が表示された場合に、タッチパネル11上で手書き入力が検知されるのを待機する。このとき、タッチパネル11上で手書き入力が検知された場合には、一筆書きの始点を受け付けたと推定できる。この場合、記録部15cは、記述IDを採番する。例えば、記録部15cは、記憶部13に記憶された手書き入力データ13dに当該採番がなされた記述IDを追加する。その上で、記録部15cは、追番を採番した後に、手書き入力データ13dに含まれる記述IDのうち今回採番がなされた記述IDに対応付けて追番、手書き入力が検知されたドットの座標、さらには、これらを入力した時刻を記録する。その後、記録部15cは、タッチパネル11上で手書き入力が検知されなくなるまで追番を採番し、先に採番された記述IDに対応付けて追番、座標および時刻を記録する処理を継続する。これによって、タッチパネル11上で手書き入力が検知されてから当該手書き入力が検知されなくなるまでに検知された一連の手書き入力の軌跡、すなわち一筆書きの記述が手書き入力データ13dに記録されることになる。
手書き表示部15dは、手書き入力の表示制御を実行する処理部である。
一実施形態として、手書き表示部15dは、意見表示部15bによってタッチパネル11及び電子黒板20に個別意見画面が表示された場合に、手書き入力データ13dにエントリが存在するか否かを判定する。このとき、手書き表示部15dは、手書き入力データ13dにエントリが存在する場合に、手書き入力データ13dに含まれる記述IDごとに当該記述IDに含まれる始点から終点までの追番の座標にしたがって一筆書きの記述を個別意見画面上に描画する。このとき、手書き表示部15dは、生徒の賛否や意見を表示するレイヤを下位のレイヤとし、手書き入力による記述を表示するレイヤを上位のレイヤとして生徒の賛否や意見および手書き入力による記述を重ねてタッチパネル11及び電子黒板20へ表示させることができる。このため、生徒の賛否や意見の表示と手書き入力による記述の表示とが重複する場合には、手書き入力による記述の方がスクリーンの手前側に表示される結果、手書き入力による記述を視認させることができる。また、手書き表示部15dは、個別意見画面の表示後に手書き入力データ13dが更新された場合に、更新後の手書き入力データ13dにしたがって手書き入力による記述をタッチパネル11及び電子黒板20へ表示させる。
手書き更新部15eは、手書き入力の進行レベルを複数の進行レベルのうちいずれとするかの指定を受け付ける処理部である。一例として、手書き更新部15eは、手書き入力の進行レベルを複数の進行レベルのうちいずれとするかの指定をスクロールバーを介して受け付け、手書き入力の履歴のうち、スクロールバー上で移動を受け付けたスライダの位置に対応する手書き入力結果を意見板に表示する制御を行う。以下では、複数の進行レベルのうちいずれかの手書き入力の進行レベルの指定のことを「更新量」と記載する場合がある。
一実施形態として、手書き更新部15eは、個別意見画面の表示中に手書き入力データ13dにエントリが存在する場合、手書き入力を更新する更新量を受け付けるスクロールバーを個別意見画面の所定の位置に表示させる。
例えば、手書き更新部15eは、記憶部13に記憶された手書き入力データ13dを読み出す。そして、手書き更新部15eは、手書き入力データ13dに含まれる手書き入力による記述の総ドット数を特定する。例えば、図6に示した手書き入力データ13dの場合、追番がドットの通し番号であるので、最後の追番をそのまま総ドット数とすることができる。続いて、手書き更新部15eは、手書き入力データ13dに含まれる手書き入力ごとに当該手書き入力の時刻と次の手書き入力の時刻との間で時間差を求める。そして、手書き更新部15eは、次の手書き入力との時間差が所定の期間、例えば10秒間以上である手書き入力の追番、すなわちドット数を図示しない内部メモリに保存する。ここでは、一例として、次の手書き入力との時間差が所定の期間以上である手書き入力のドット数を内部メモリに保存させることとしたが、次の手書き入力のドット数を内部メモリに保存させることとしてもよい。その上で、手書き更新部15eは、個別意見画面に含まれる生徒の意見欄の上、下、左または右のいずれかの位置に先に特定された総ドット数のスクロールバーを表示する。さらに、手書き更新部15eは、スクロールバーのうち内部メモリに保存されたドット数に対応する位置に目盛りまたはドット数などの標示を表示させる。このとき、手書き更新部15eは、スクロールバーに含まれるスライダを初期位置、例えば総ドット数を示す位置に表示させる。
このようなスクロールバーの表示の下、手書き更新部15eは、スクロールバーのスライダの移動操作を受け付ける。このとき、手書き更新部15eは、スライダの移動中にスライダ及び標示の距離が所定の距離以内である場合、スライダが上記の標示の位置に止まるようにサポートすることができる。かかるサポート機能のON/OFFは、任意に設定できることは言うまでもない。そして、手書き更新部15eは、スライダの移動操作を受け付けた場合に、移動後のスライダの位置にしたがって手書き入力による記述、すなわち手書き入力結果を更新する。すなわち、手書き更新部15eは、手書き入力データ13dに含まれる手書き入力の総ドット数のうち移動後のスライダの位置、すなわちドット数までの追番に対応する記述へ手書き入力による記述を更新する。
これによって、スクロールバー上でスライダがドット数を減少させる方向に移動された場合には、手書き入力による記述を削除することができる。また、スライダがドット数を増加させる方向に移動された場合には、削除されていた記述を戻すことができる。また、上記のサポート機能によって標示の位置にスライダが移動された場合には、次のような効果を得ることができる。すなわち、手書き入力と手書き入力との間に所定の期間以上の時間差がある場合には、これらの手書き入力の前後で説明の内容が変わる区切りの可能性が高いと推定できる。このため、標示の位置にスライダを合わせることによって説明の区切りごとに手書き入力による記述を削除したり、削除した記述を戻したりすることができる。
なお、上記の回答受付部15a、意見表示部15b、記録部15c、手書き表示部15d及び手書き更新部15eは、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などに表示制御プログラムを実行させることによって実現できる。また、上記の各機能部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによっても実現できる。
[手書き更新の具体例]
次に、図7〜図12を用いて、手書き更新の具体例について説明する。図7は、課題選択画面の一例を示す図である。図8は、回答画面の一例を示す図である。図9は、意見板の一例を示す図である。図10〜図12は、個別意見画面の一例を示す図である。
例えば、タッチパネル11に表示されたメニュー画面から課題配信の選択を受け付けた場合、図7に示す課題選択画面200がタッチパネル11に表示される。この課題選択画面200は、一例として、図4に示した課題データ13bから生成される。図7に示すように、課題選択画面200には、図4に示した課題データ13bに含まれる課題ID及び課題内容が表示されるとともに、生徒端末30へ配信する課題を選択する選択ボタンが課題IDの左側に表示される。
かかる選択ボタンのチェックボックスにチェックを入れた状態、すなわち図示の例では課題ID「0002」のチェックボックスにチェックを入れた状態で課題送信ボタン200Aが押下操作される。この場合、チェックが入れられた課題ID「0002」の課題に回答させる回答画面が教師端末10から生徒端末30A〜30Cへ配信される。一方、キャンセルボタン200Bが押下操作された場合には、生徒端末30に課題が配信されることなく、メニュー画面の表示に戻る。なお、ここでは、課題ID「0002」だけが選択される場合を例示したが、1度に複数の課題を選択させることとしてもかまわない。
図8に示すように、回答画面210には、生徒に回答させる課題ID「0002」の課題内容が含まれる。この他、課題への賛否を入力するチェックボックス210A及び210Bと、課題への意見を記入する意見欄の入力フォーム210Cと、回答を教師端末10へ送信する送信ボタン210Dと、意見をクリアする意見クリアボタン210Eとが含まれる。このようなGUI(Graphical User Interface)の下、生徒は、賛成のチェックボックス210Aにチェックを入れることによって課題へ賛成を表明するか、あるいは反対のチェックボックス210Bにチェックを入れることによって課題へ反対を表明できる。さらに、生徒は、意見欄の入力フォーム210Cに対し、文字列のテキスト入力を行うことによって賛成または反対の理由などの意見を表明することができる。このように、チェックボックス210Aまたは210Bのいずれかにチェックを入れ、意見欄の入力フォーム210Cに文字列がテキスト入力された状態で送信ボタン210Dが押下操作された場合、賛否および意見が生徒端末30から教師端末10へ返信される。なお、意見クリアボタン210Eが押下操作された場合には、それまでに入力された賛否および意見の入力をクリアし、最初から入力をやり直すことができる。なお、賛成反対を表明するチェックボックスはなくても良い。
このようにして生徒端末30から課題に対する回答が収集されると、タッチパネル11や電子黒板20には、図9に示す意見板が表示される。図9に示す意見板220には、課題ID「0002」の課題に対する各生徒の意見が図5に示した回答データ13cにしたがってマトリクス状に表示される。図9に示すように、意見板220には、1つの意見が表示されるエリアを縦30ドット及び横40ドットとし、各生徒の意見が2×4の行列で表示される。すなわち、意見板220の上段には、左上から右上へ田中さん、山田さん、鈴木さん、山本さんの順に意見が表示されるとともに、意見板220の下段には、左下から右下へ黒田さん、本田さん、佐藤さん、浅井さんの順位意見が表示されている。かかる意見板220では、上記8名の生徒の意見をタッチペンや手指で触れることによって1つの意見を個別に選択できる。なお、意見板220の右下に設けられた終了ボタン220Aが押下操作された場合には、当該課題に関する協働教育を終了し、メニュー画面に戻る。
ここで、一例として、タッチパネル11に表示された意見板220上で田中さんの意見が選択された場合、当該田中さんの意見が拡大された図10に示す個別意見画面230が表示される。図10に示すように、個別意見画面230には、田中さんの課題への賛否や意見とともに、タッチパネル11を介して手書き入力された記述M1〜記述M5が表示される(初めて、その意見が拡大表示される際には、手書き入力は存在しないので、コメントやマークは表示されない)。なお、個別意見画面230の右下には、意見板220の表示に戻るボタン230Aが設けられている。
かかる記述M1〜記述M5は、図6に示した手書き入力データ13dに含まれる記述ID「M1」〜記述ID「M5」の記述に対応するものとする。例えば、記述M1は、図10に示すように、「good」が一筆書きされた筆記体の文字列に対応する。また、記述M2は、田中さんが課題へ表明した賛成に対し、幾重にも囲った囲い線に対応する。また、記述M3は、田中さんの意見「困っているときには助けるべき。」に引かれたアンダーラインに対応する。また、記述M4は、矢印のアローヘッドを指し、さらに、記述M5は、矢印のシャフトの線分を指す。
これら意見や記述とともに、個別意見画面230には、手書き入力を更新する更新量を受け付けるスクロールバー300もさらに表示される。かかるスクロールバー300には、総ドット数「730」の他、679、470、200及び0のドット数の標示が付加されている。かかるドット数の標示は、上述のように、図6に示した手書き入力データ13dから生成される。すなわち、各手書き入力の間で座標が記録された時刻が所定期間、例えば10秒間以上離れている手書き入力のドット数、すなわち追番が標示される。例えば、図6に示す手書き入力データ13dでは、追番「679」及び追番「680」の手書き入力の間で時刻が10秒間以上離れている。このため、スクロールバー300上におけるドット数「679」の位置に679の標示が付加される。同様にして、470、200及び0の標示が付加される。
例えば、図10に示す個別意見画面230上でスクロールバー300のスライダ310がドット数「470」の位置まで移動された場合には、手書き入力がドット数「470」の位置までの記述に更新される結果、図11に示す個別意見画面240が表示される。図11に示すように、個別意見画面240には、田中さんの課題への賛否や意見とともに、記述M1及び記述M2が表示される。このように、スライダ310をドット数「470」の位置まで移動させた場合、手書き入力のドット数が471以降である記述M3〜記述M5を削除することができる。この結果、手書き入力は、「good」が一筆書きされた筆記体の文字列が記述された後に、田中さんが課題へ表明した賛成に対し、幾重にも囲った囲い線が記述された状態に戻される。
また、図10に示す個別意見画面230上でスクロールバー300のスライダ310がドット数「200」の位置まで移動された場合には、手書き入力がドット数「200」の位置までの記述に更新される結果、図12に示す個別意見画面250が表示される。図12に示すように、個別意見画面250には、田中さんの課題への賛否や意見とともに、記述M1だけが表示される。このように、スライダ310をドット数「200」の位置まで移動させた場合、手書き入力のドット数が201以降である記述M2〜記述M5を削除することができる。この結果、手書き入力は、「good」が一筆書きされた筆記体の文字列が記述された状態に戻すことができる。
したがって、記述M1〜記述M5のように、手書き入力にコメントとともに多種のマークが混在する場合でも、記述M2〜記述M5の各々を削除する場合よりも少ない操作の工数で記述M1のコメント以外の余計な記述M2〜記述M5を削除することができる。さらに、手書き入力によるコメントとマークが互いに重なる位置に記述されていたとしても、コメントをマークの消し残しで視認性を低下させずに、余計なマークだけを削除することができる。
また、図10に示す個別意見画面230上でスクロールバー300のスライダ310がドット数「679」の位置まで移動された場合には、手書き入力がドット数「679」の位置までの記述に更新される結果、手書き入力が次のように更新される。すなわち、記述M4及び記述M5の間では、時刻が10秒間以上離れている手書き入力が存在しないので、記述M4の終点はドット数として標示されない。このため、スライダ310がドット数「679」の位置まで移動された場合、記述M4及び記述M5がともに削除される結果、矢印のアローヘッド及び矢印のシャフトの線分の両方が削除され、記述M1〜記述M3が残る。
なお、ここでは、記述を削除する場合を例示したが、一旦削除された記述を復帰させることもできる。例えば、図12に示した個別意見画面250上でスクロールバー300のスライダ310がドット数「200」からドット数「470」の位置まで移動された場合には、個別意見画面250では削除されていた記述M2が改めて表示された図11に示した個別意見画面240の表示に戻すことができる。さらに、図11に示した個別意見画面240上でスクロールバー300のスライダ310がドット数「470」から総ドット数「730」の位置まで移動された場合には、個別意見画面240では削除されていた記述M3〜記述M5が改めて表示された図10に示した個別意見画面230の表示に戻すことができる。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係る教師端末10の処理の流れについて説明する。なお、ここでは、教師端末10によって実行される(1)授業支援処理、(2)記録処理、(3)表示制御処理について説明することとする。
(1)授業支援処理
図13は、実施例1に係る授業支援処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、一例として、タッチパネル11に表示されたメニュー画面から課題配信の選択を受け付けた場合に実行される。
図13に示すように、回答受付部15aは、課題IDの選択肢や課題の配信を要求する課題配信ボタンなどを含む課題選択画面をタッチパネル11に表示させる(ステップS101)。
そして、課題選択画面で課題IDが選択された上で課題送信ボタンが押下された場合(ステップS102Yes)、回答受付部15aは、次のような処理を実行する。すなわち、回答受付部15aは、課題データ13bに含まれる課題内容のうち課題選択画面で選択を受け付けた課題IDに対応する課題内容を含む回答画面を生成する(ステップS103)。続いて、回答受付部15aは、ステップS103で生成された回答画面を生徒端末30へ送信する(ステップS104)。
また、回答受付部15aは、課題データ13bに含まれる回答制限時間のうち課題選択画面で選択を受け付けた課題IDに対応付けられた回答制限時間を取得する(ステップS105)。
その後、生徒端末30から回答画面に記入された課題への賛否および意見を受け付けた場合(ステップS106Yes)、回答受付部15aは、次のような処理を実行する。すなわち、回答受付部15aは、回答データ13cに含まれるレコードのうち当該生徒端末30のIPアドレスに対応する生徒IDのレコードに賛否および意見を登録する(ステップS107)。
そして、回答制限時間を経過するまで(ステップS108No)、課題への賛否および意見が生徒端末30から教師端末10へ送信されるのを待機し(ステップS106)、課題への賛否および意見を受信した場合(ステップS106Yes)に回答データ13cへ登録する処理(ステップS107)を繰り返し実行する。
その後、回答制限時間を経過した場合(ステップS108Yes)、意見表示部15bは、回答データ13cに含まれるレコードごとに当該レコードに設定された意見表示エリア座標にしたがって賛否および意見をタッチパネル11及び電子黒板20に表示させる。これによって、各生徒の意見がマトリクス状に掲載された意見板が表示されることになる(ステップS109)。
そして、タッチパネル11上で意見の選択を受け付けた場合(ステップS110Yes)、意見表示部15b、手書き表示部15d及び手書き更新部15eによって上記の個別意見画面を表示させる表示制御処理が実行される(ステップS111)。
その後、個別意見画面の表示が終了されると、意見表示部15bは、意見板をタッチパネル11及び電子黒板20に表示させる(ステップS112)。そして、意見板上で終了操作を受け付けるまで(ステップS113No)、上記のステップS110〜ステップS112までの処理を繰り返し実行する。その後、意見板上で終了操作を受け付けると(ステップS113Yes)、処理を終了する。
(2)記録処理
図14は、実施例1に係る記録処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、タッチパネル11に個別意見画面が表示された場合に下記(3)の表示制御処理のバックグラウンドで繰り返し実行される処理である。
図14に示すように、意見表示部15bによって個別意見画面が表示されると、記録部15cは、タッチパネル11上で手書き入力が検知されるのを待機する(ステップS201)。
このとき、タッチパネル11上で手書き入力が検知された場合(ステップS201Yes)には、一筆書きの始点を受け付けたと推定できる。この場合、記録部15cは、記述IDを採番する(ステップS202)。
その上で、記録部15cは、追番を採番した後に(ステップS203)、手書き入力データ13dに含まれる記述IDのうち今回採番がなされた記述IDに対応付けて追番、手書き入力が検知されたドット座標、これらを記録する時刻を記録する(ステップS204)。
その後、タッチパネル11上で手書き入力の検知が継続する限り(ステップS205Yes)、記録部15cは、追番を採番し(ステップS203)、ステップS202で採番された記述IDに対応付けて追番、座標および時刻を記録する処理(ステップS204)を繰り返し実行する。
そして、タッチパネル11上で手書き入力が検知されなくなると(ステップS205No)、上記のステップS201の処理に戻り、ステップS201〜ステップS204までの処理を繰り返し実行する。
(3)表示制御処理
図15は、実施例1に係る表示制御処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図13に示したステップS111に対応する処理であり、意見板上で意見の選択が受け付けられた場合(ステップS110Yes)に処理が起動される。
図15に示すように、意見表示部15bは、意見板に含まれる意見のうちステップS110で選択された意見をタッチパネル11及び電子黒板20に拡大表示させる(ステップS301)。
そして、手書き入力データ13dにエントリが存在するか、あるいは手書き入力データ13dが記録部15cによって更新された場合(ステップS302YesまたはステップS303Yes)、手書き表示部15dは、次のような処理を実行する。すなわち、手書き表示部15dは、手書き入力データ13dに含まれる記述IDごとに当該記述IDに含まれる始点から終点までの追番の座標にしたがって一筆書きの記述を個別意見画面上に描画する。これによって、生徒の賛否や意見の表示と手書き入力による記述の表示とが重畳された個別意見画面が表示される(ステップS304)。なお、手書き入力データ13dの更新は、前述した図14のフローによって実施される。なお、手書き入力データ13dにエントリが存在せず、かつ手書き入力データ13dが記録部15cによって更新されていない場合(ステップS302NoまたはステップS303No)、ステップS308の処理へ移行する。
続いて、手書き更新部15eは、手書き入力データ13dに含まれる手書き入力ごとに当該手書き入力の時刻と次の手書き入力の時刻との間で時間差を求める(ステップS305)。そして、手書き更新部15eは、次の手書き入力との時間差が所定の期間、例えば10秒間以上である手書き入力の追番、すなわちドット数を図示しない内部メモリに保存する(ステップS306)。
その上で、手書き更新部15eは、個別意見画面に含まれる生徒の意見欄の上下左右のいずれかの位置に、総ドット数とともに、ステップS306で内部メモリに保存されたドット数に対応する位置に所定の標示を含むスクロールバーを表示させる(ステップS307)。なお、スクロールバーに含まれるスライダは、所定の初期位置、例えば総ドット数の位置に表示される。
ここで、個別意見画面上にスクロールバーが存在し、かつスクロールバー上でスライダの移動操作を受け付けた場合(ステップS308YesかつステップS309Yes)には、手書き更新部15eは、次のような処理を実行する。すなわち、手書き更新部15eは、手書き入力データ13dから移動後のスライダの位置に対応するドット数を検索する(ステップS310)。そして、手書き更新部15eは、手書き入力データ13dに含まれる手書き入力の総ドット数のうちステップS310で検索された移動後のスライダの位置、すなわちドット数までの追番に対応する記述へ手書き入力による記述を更新する(ステップS311)。
一方、個別意見画面上にスクロールバーが存在しないか、またはスクロールバー上でスライダの移動操作を受け付けていない場合(ステップS308NoまたはステップS309No)には、手書き入力による記述の更新は実行せずにステップS312の処理へ移行する。
その後、個別意見画面上で意見板へ戻る操作が実行されるまで(ステップS312No)、上記のステップS303〜ステップS311までの処理を繰り返し実行する。そして、個別意見画面上で意見板へ戻る操作が実行されると(ステップS312Yes)、処理を終了する。
[効果の一側面]
上述してきたように、本実施例に係る教師端末10は、生徒の意見が掲載された意見板で教師の手書き入力による記述を表示させる場合に、手書き入力の更新量の指定にしたがって意見板上の手書き入力による記述を更新する。このため、一例として、手書き入力にコメントとともに多種のマークが混在する場合でも、マーク等の余計な記述の各々を削除する場合よりも少ない操作の工数でコメント以外の余計な記述を削除することができる。さらに、手書き入力によるコメントとマークが互いに重なる位置に記述されていたとしても、コメントをマークの消し残しで視認性を低下させずに、余計なマークだけを削除することができる。したがって、本実施例に係る教師端末10によれば、余計な記述を削除しやすくできる。