JP6273696B2 - 非接触給電システム - Google Patents

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Description

本発明は、非接触給電システムに関する。
下記特許文献1には、車両にカメラ及びECUが搭載され、該ECUが、上記カメラによって撮影された画像に基づいて給電コイルの位置を認識し、その認識結果に基づいて、給電コイルへ車両を誘導するように制御する車両用給電システムが開示されている。また、下記特許文献2には、一次側コイルと二次側コイルとの相対位置を簡易な構成により検出する車両用無線充電装置が開示されている。この車両用無線充電装置は、駐車場に設けられた充電用一次側コイルと、車両に設けられ、充電用一次側コイルから電力を受電する充電用二次側コイルと、車両における充電用二次側コイルと異なる位置に設けられ、充電用一次側コイルから電力を受電するセンサ用二次側コイルと、充電用二次側コイル及びセンサ用二次側コイル各々により得られる電力の強度の検出結果を用いて、充電用一次側コイルと充電用二次側コイルとの相対位置を算出する位置算出部とを具備する。
国際公開第2010/052785号 特開2011−165015号公報
ところで、上記特許文献1に記載された車両用給電システムでは、カメラによって撮影された画像に基づいて給電コイルの位置を認識しているが、カメラのレンズに汚れが付着したりまたは辺りにほこりが舞い上がっていたりすると、給電コイルを認識できないおそれがある。また、上記特許文献2に記載された車両用無線充電装置では、充電用一次側コイル(上記給電コイルに相当)と充電用二次側コイル(後述する受電コイルに相当)との相対位置を磁界を利用して算出しているが、辺りに金属が存在する場合、該金属の影響によって磁界が変化して、充電用一次側コイルと充電用二次側コイルとの相対位置を算出できないおそれがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、カメラによって撮影された画像や磁界を用いることなく給電コイルと受電コイルとの位置関係を算出することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、給電コイルを有する給電装置と、受電コイルを有する受電装置とを具備し、前記給電コイルから前記受電コイルに非接触給電を行う非接触給電システムであって、前記給電装置及び前記受電装置の一方に設けられ、音響信号を発信する発信手段と、前記給電装置及び前記受電装置の他方に設けられ、前記音響信号を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した前記音響信号に基づいて前記給電コイルと前記受電コイルとの位置関係を算出する演算手段とを具備する、という手段を採用する。
本発明では、第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記給電装置に設けられ、前記給電コイルを覆い、前記受電装置側に向けられた平面部を有する前記給電コイルカバーと、前記受電装置に設けられ、前記受電コイルを覆い、前記給電装置側に向けられた平面部を有する前記受電コイルカバーとを具備し、異なる音響信号を発信する複数の前記発信手段が、前記給電コイルカバー及び前記受電コイルカバーの一方の平面部に配置され、複数の前記受信手段が、前記給電コイルカバー及び前記受電コイルカバーの他方の平面部に配置されている、という手段を採用する。
本発明では、第3の解決手段として、上記第2の解決手段において、前記発信手段は、第1の方向と、第1の方向と異なる第2の方向に配列されている、という手段を採用する。
本発明では、第4の解決手段として、上記第2または第3の解決手段において、前記異なる音響信号は、オンタイミング及びオン期間が異なり、前記異なる音響信号のお互いのオン期間の間には、無音期間が設けられている、という手段を採用する。
本発明では、第5の解決手段として、上記第2または第3の解決手段において、前記異なる音響信号は、周波数が異なる、という手段を採用する。
本発明によれば、音響信号を用いて給電コイルと受電コイルとの位置関係を算出することによって、カメラによって撮影された画像や磁界を用いることなく給電コイルと受電コイルとの位置関係を算出できる。
本発明の一実施形態に係る非接触給電システムAの機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態における発信器7a〜7iの配置を示す平面図(a)と、受信器16a、16bの配置を示す平面図(b)である。 本発明の一実施形態におけるZ−Z線(図2参照)における断面図である。 本発明の一実施形態における音響信号を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態で受信された音響信号の音量を示す図である。 本発明の一実施形態における受信器16aの位置の一例を示す図である。 本発明の一実施形態における受信器16aの位置の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る非接触給電システムAは、図1に示すように、地面に埋設された給電装置S及び該給電装置Sから給電を受ける移動車両M(受電装置)を備えている。このような非接触給電システムAは、非接触給電方式の1つである磁界共鳴方式に基づいて給電装置Sから移動車両Mに電力を非接触給電する。
上記給電装置Sは、例えば交差点または踏切における停車位置、あるいは駐車場の駐車位置等に埋設され、これら駐停車位置に駐停車した移動車両Mに対して非接触給電を行う。このような給電装置Sは、図1に示すように、電源1、整流回路2、給電回路3、給電コイル4、給電コイルカバー5、発信アンプ6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6i、発信器7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g、7h、7i及び給電用演算制御部8を備えている。なお、上記発信アンプ6a〜6i及び発信器7a〜7iは、本実施形態における発信手段を構成するものである。
電源1は、出力端が整流回路2の入力端に接続されており、移動車両Mへの給電に必要となる交流電力を整流回路2に供給する交流電源である。このような電源1は、例えば200Vまたは400V等の三相交流電力、あるいは100Vの単相交流電力を供給する系統電源や発電装置である。
整流回路2は、入力端が電源1に接続され、出力端が給電回路3に接続されている。このような整流回路2は、電源1から供給される交流電力を整流して直流電力に変換し、該直流電力を給電回路3に出力する。なお、電源1として太陽電池等の直流電源を使用し、整流回路2を省略(つまり直流電源から給電回路3に直流電力を供給)してもよい。
給電回路3は、入力端が整流回路2に接続され、出力端が給電コイル4の両端に接続されている。このような給電回路3は、給電コイル4と給電側共振回路を構成する共振用コンデンサを備え、給電用演算制御部8から入力される制御指令に基づいて上記整流回路2から供給された直流電力を電源1の交流電力よりも周波数が高い交流電力(高周波電力)に変換して給電コイル4に供給する一種のインバータである。
給電コイル4は、サーキュラー型コイルあるいはソレノイド型コイルであり、サーキュラー型コイルの場合にはコイル軸を上下方向(垂直方向)とした姿勢、ソレノイド型コイルの場合にはコイル軸を水平方向とした姿勢で駐停車位置に設置されている。このような給電コイル4は、両端が給電回路3の出力端に接続されており、上記給電回路3から高周波電力が供給されることにより磁界を発生することによって移動車両Mに対して非接触で給電を行う。給電コイル4は、プラスチックス、繊維強化プラスチックス、セラミックスまたはこれらの複合材等の非磁性かつ非導電性材料によってモールドされていてもよい。図1では給電コイル4が地表面より高く設置されている例を示しているが、溝を掘って埋め込むことにより給電コイル4が地表面より低く設置されていてもよい。
給電コイルカバー5は、給電コイル4が発生する磁界を遮らないエンジニアリングプラスチックやFRP(Fiber Reinforced Plastics)等の非磁性かつ非導電性材料からなり、上記給電コイル4を内包する状態で地面に設置されている。この給電コイルカバー5は、図2(a)及び図3に示すように、給電コイル4の端面に対向する四角形の平面カバー5a(平面部)と、給電コイル4の側面を覆う側面カバー5bとからなり、密閉されている。
各発信アンプ6a〜6iは、図2(a)に示すように、発信器7a〜7iそれぞれに接続され、給電用演算制御部8から入力される音響信号を増幅して各発信器7a〜7iに出力する。上記給電用演算制御部8は、音量(振幅)が同一かつ受信時に識別可能な音響信号を生成し、各発信アンプ6a〜6iに出力する。例えば、各音響信号は、図4に示すように、音量が同一でオンタイミング及びオン期間(有音期間)Ta〜Tiが異なる。また、各音響信号のお互いのオン期間Ta〜Tiの間には、オフ期間(無音期間)が設けられている。また、発信アンプ6a〜6iはゲインが同一である。ここで、オフ期間は、給電装置Sと移動車両(受電装置)Mの位置ズレが大きい場合でも小さい場合でも、後述する受電用演算制御部19において、それぞれの発信器7a〜7iからの音響信号が重なり合うことなく時間方向に分離され、それぞれの発信器7a〜7iからの音響信号の長さを計測可能となるような時間に設定されている。
発信器7a〜7iは、図2(a)に示すように、給電コイルカバー5の平面カバー5a上の直交する2軸(X軸及びY軸)方向に分かれて等間隔で配列されている。この発信器7a〜7iは、図3に示すように、発信用振動板71、シール材72及びボイスコイル73から構成され、移動車両Mに向けて(本実施形態では上方へ向けて)音響信号を発信するスピーカーである。なお、図3では、発信器7cの構成を示しているが、発信器7a〜7iは、同じ構成である。また、発信器7a〜7iは指向性や電気信号から音響信号への変換効率などゲインが同一である。
発信用振動板71は、例えば、円形の紙、樹脂あるいは金属の板材等であり、シール材72に密着すると共にシール材72を介して給電コイルカバー5に設けられ、内面側にボイスコイル73が固定されている。このような発信用振動板71は、ボイスコイル73によって振動して、音響信号を移動車両Mに向けて(本実施形態では上方へ向けて)発信する。
シール材72は、ゴム等の可撓性の部材を環状に成形したOリングであり、給電コイルカバー5と発信用振動板71との境界に設けられる、つまり給電コイルカバー5と発信用振動板71との間に介装されている。このようなシール材72は、給電コイルカバー5及び発信用振動板71と密着することによって、発信用振動板71の振動による音響信号の発信を妨げることなく給電コイルカバー5を密閉状態にする。
ボイスコイル73は、発信用振動板71の内面側に固定され、発信アンプ6a〜6iから入力される音響信号によって駆動されて発信用振動板71を振動させる。
なお、上記平面カバー5aは、非接触給電を行うために給電コイル4が発生して後述する移動車両Mの受電コイル11に作用する磁界が通過するエリアよりも大きく、ボイスコイル73が磁界の影響を受けたり、磁界に影響したりしないような位置に配置されるようにする。すなわち、非接触給電を行うために給電コイル4が発生し受電コイル11に作用する磁界は平面カバー5aの中央付近を通過し、ボイスコイル73が配置されている平面カバー5aの外周部では、磁界は十分小さくなっているように平面カバー5aの大きさを設定する。
これにより、ボイスコイル73を構成する金属部品(コイルの電線など)の影響を受けて非接触給電の効率が低下したり、非接触給電を行うための磁界の影響を受けてボイスコイル73が誤信号を生じたりすることを防止する。また、平面カバー5aの外周部よりもさらに外側に位置する側面カバー5bは、給電コイル4が発生した磁界が通過しない位置にあるので、非磁性かつ非導電性材料で構成する代わりに金属製であってもよい。
給電用演算制御部8は、マイクロプロセッサやメモリ等を備え、給電用演算制御プログラムに基づいて機能するソフトウエア型制御装置であり、給電装置Sを全体的に統括制御する。詳細については後述するが、このような給電用演算制御部8は、例えば内部の不揮発性記憶装置に記憶された給電用制御プログラムに基づいて発信アンプ6a〜6iに異なる音響信号を出力する。
移動車両Mは、運転者によって運転されて道路上を走行する自動車であり、例えば電力を動力源として走行する電気自動車やハイブリッド自動車である。このような移動車両Mは、図1に示すように、受電コイル11、受電回路12、充電回路13、バッテリ14、受電コイルカバー15、受信器16a、16b、受信アンプ17a、17b及び表示部18及び受電用演算制御部19を備えている。なお、図1では省略しているが、移動車両Mは、走行モータ、エンジン(移動車両Mがハイブリッド自動車の場合)、操作ハンドル及びブレーキ等の走行に必要な構成要素を当然に具備する。また、上記受信器16a、16b及び受信アンプ17a、17bは、本実施形態における受信手段を構成するものである。また、受電用演算制御部19は、本実施形態における演算手段である。
受電コイル11は、サーキュラー型コイルあるいはソレノイド型コイルであり、給電コイル4と対向し、かつ給電コイル4と高効率な非接触給電が可能なようにサーキュラー型コイルの場合にはコイル軸が上下方向(垂直方向)となる姿勢、ソレノイド型コイルの場合にはコイル軸が水平かつ給電コイル4のコイル軸と平行になる姿勢で移動車両Mの底部に設けられている。このような受電コイル11は、両端が受電回路12の入力端に接続されており、給電コイル4が発生する磁界が作用すると電磁誘導によって起電力を発生し、当該起電力を受電回路12に出力する。受電コイル11は、プラスチックス、繊維強化プラスチックス、セラミックスまたはこれらの複合材等の非磁性かつ非導電性材料によってモールドされていてもよい。
なお、給電コイル4と受電コイル11とは、いずれも同一形式、すなわち、いずれもサーキュラー型コイルとするか、いずれもソレノイド型コイルとするか、のいずれかとするが、給電コイル4と受電コイル11との大きさや、形状は、高効率な非接触給電が可能であれば、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
受電回路12は、入力端が受電コイル11の両端に接続され、出力端が充電回路13の入力端に接続されている。このような受電回路12は、受電コイル11と受電側共振回路を構成する共振用コンデンサを備え、受電コイル11から供給された交流電力を直流電力に変換して充電回路13に供給する一種の整流回路である。なお、高効率な非接触給電が可能となるよう、受電回路12の共振用コンデンサの静電容量は、上記給電側共振回路の共振周波数と受電側共振回路の共振周波数とが同一ないしほぼ同一周波数になるように設定されている。
充電回路13は、入力端が受電回路12の出力端に接続され、出力端がバッテリ14の入力端に接続されており、受電回路12から供給される電力(直流電力)をバッテリ14に充電する。バッテリ14は、移動車両Mに搭載された再充電が可能な電池(例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池)であり、図示しない走行モータ等に駆動電力を供給する。
受電コイルカバー15は、受電コイル11に作用する磁界を遮らないエンジニアリングプラスチックやFRP(Fiber Reinforced Plastics)等の非磁性かつ非導電性材料からなり、上記受電コイル11を内包する状態で移動車両Mの底部に設置されている。この受電コイルカバー15は、受電コイル11の端面に対向する四角形の平面カバー15a(平面部)と、受電コイル11の側面を覆う側面カバー15bとからなり、密閉されている。
受信器16a、16bは、図2(b)に示すように、受電コイルカバー15の平面カバー15a上の直交する2軸(X軸及びY軸)方向に分かれて配置されている。この受信器16a、16bは、図3に示すように、受信用振動板161、シール材162及びピックアップコイル163から構成され、給電装置Sから発信される音響信号を受信するマイクロホンである。なお、図3では、受信器16aの構成を示しているが、受信器16a、16bは、同じ構成である。
受信用振動板161は、例えば、円形の樹脂性の板材や金属製のダイヤフラム等であり、シール材162に密着すると共にシール材162を介して受電コイルカバー15に設けられ、内面側にピックアップコイル163が固定されている。このような受信用振動板161は、給電装置Sから発信されて空気を介して伝播される音響信号によって振動する。
シール材162は、ゴム等の可撓性の部材を環状に成形したOリングであり、受電コイルカバー15と受信用振動板161との境界に設けられる、つまり受電コイルカバー15と受信用振動板161との間に介装されている。このようなシール材162は、受電コイルカバー15及び受信用振動板161と密着することによって、音響信号による受信用振動板161の振動を妨げることなく受電コイルカバー15を密閉状態にする。
ピックアップコイル163は、この信号に対応した起電力を電磁誘導によって発生し、該起電力によって発生した電力を音響信号として各受信アンプ17a、17bに出力する。
なお、平面カバー15aは、非接触給電を行うために給電コイル4が発生して受電コイル11に作用する磁界が通過するエリアよりも大きく、ピックアップコイル163が磁界の影響を受けたり、磁界に影響したりしないような位置に配置されるようにする。すなわち、非接触給電を行うために給電コイル4が発生して受電コイル11に作用する磁界は平面カバー15aの中央付近を通過し、ピックアップコイル163が配置されている平面カバー15aの外周部では、磁界は十分小さくなっているように平面カバー15aの大きさを設定する。
これにより、ピックアップコイル163を構成する金属部品(コイルの電線など)の影響を受けて非接触給電の効率が低下したり、非接触給電を行うための磁界の影響を受けてピックアップコイル163が誤信号を検出したりすることを防止する。平面カバー15aの外周部よりもさらに外側に位置する側面カバー15bは、給電コイル4が発生する磁界が通過しない位置にあるので、側面カバー15bは非磁性かつ非導電性材料で構成する代わりに金属製であってもよい。
受信アンプ17a、17bは、ピックアップコイル163から入力された音響信号を増幅して受電用演算制御部19に出力する。
表示部18は、例えば液晶ディスプレイであり、受電用演算制御部19から入力される画像信号に基づいて画像を表示する。
受電用演算制御部19は、マイクロプロセッサやメモリ等を備え、受電用演算制御プログラムに基づいて機能するソフトウエア型制御装置であり、移動車両Mの受電機能を統括制御する。詳細については後述するが、このような受電用演算制御部19は、予め記憶している相対位置テーブルに基づいて移動車両M(受電コイル11)に対する給電コイル4の相対位置(位置関係)を算出する。上記相対位置テーブルは、受信器16a、16b各々によって検出された音響信号と移動車両M(受電コイル11)に対する給電コイル4の相対位置との対応関係が格納されたデータテーブルである。
受電用演算制御部19は、受信器16a、16b各々によって検出された音響信号に基づいて相対位置テーブルを検索することにより、移動車両M(受電コイル11)に対する給電コイル4の相対位置を特定し、当該相対位置に基づいて移動車両Mの受電コイル11が給電コイル4に正対させるために運転者を支援する運転支援画像を生成し、当該運転支援画像を示す画像信号(支援画像信号)を表示部18に出力する。
この相対位置は、移動車両Mの受電コイル11を中心とした給電コイル4の位置を2次元距離データとして示すものである。すなわち、相対位置は、平面視形状が長方形である移動車両Mの幅方向(例えば図2に示すX軸方向)の距離と、移動車両Mの長さ方向(例えば図2に示すY軸方向)の距離との2つの距離データからなる。
また、受信器16a、16b各々によって検出された音響信号と、移動車両M(受電コイル11)に対する給電コイル4の相対位置とが対応付けられるのは、受信器16a、16bと受電コイルとの位置関係と、各発信器7a〜7iと給電コイル4との位置関係が固定であるためである。つまり、受信器16a、16bは、最も強く受信した音響信号を発信する各発信器7a〜7iと対向状態である可能性が高く、受信器16a、16bと各発信器7a〜7iとの位置関係が明らかであるならば、受信器16a、16bと受電コイルとの位置関係と、各発信器7a〜7iと給電コイル4との位置関係とが固定であるので、移動車両M(受電コイル11)に対する給電コイル4の相対位置は決まる。
次に、このように構成された非接触給電システムAの動作について説明する。
最初に、非給電時における移動車両M及び給電装置Sの動作について説明する。移動車両Mの受電用演算制御部19は、非給電時(例えば運転手による移動車両Mの通常運転時)に、充電回路13を停止させる。一方、給電装置Sの給電用演算制御部8は、非給電時、つまり給電対象である移動車両Mが駐停車位置に停車していない時に、給電回路3を停止する。また、給電用演算制御部8は、常時、各発信器7a〜7iから異なる音響信号を発信するように各発信アンプ6a〜6iを制御する。
そして、運転手は、移動車両Mを運転して、給電装置Sの設置場所まで移動車両Mを移動させて停車させる。移動車両Mの受電用演算制御部19は、給電装置Sからの音響信号が受信アンプ17a、17bから入力される、つまり、給電装置Sからの音響信号を受信器16a、16bが受信すると、受信アンプ17a、17bから入力される信号に基づいて給電装置Sの各発信器7a〜7iから出力される各音響信号の音量を計測する。
つまり、受電用演算制御部19は、給電装置Sの各発信器7a〜7iから出力される音響信号のお互いのオン期間Ta〜Tiの間にオフ期間が設けられることで各音響信号が区切られて受信器16a、16bに受信されることを利用し、受信器16a、16b各々に受信される各音響信号の音量を計測する。例えば、図5は、受信器16aによって受信された各音響信号の音量Va〜Viの一例を示している。
そして、受電用演算制御部19は、各受信器16a、16bに受信された音響信号毎の音量を計測すると、各受信器16a、16bに受信された音響信号の音量を比較することによって、各受信器16a、16bに受信された音量の最も大きい音響信号を判断し、最も音量の大きい音響信号のオン期間が、予め記憶しているオン期間Ta〜Tiのうち、どれに最も近いか判断する。例えば、受電用演算制御部19は、図5に示すように、受信器16aによって受信された音響信号のうち、音量Vdが最も大きいと判断した場合、音量Vdの音響信号のオン期間を、予め記憶しているオン期間Ta〜Tiと比較して、オン期間Tdに最も近いと判断する。
例えば、上述のように受電用演算制御部19によって最も音量の大きい音響信号のオン期間が、オン期間Ta〜Tiのうち、オン期間Tdであると判断された場合、受信器16aは、発信器7a〜7iのうち、発信器7dに最も近い状態になっている。つまり、受信器16aは、図6に示す一点鎖線の枠内に位置している状態となっており、移動車両Mの受電コイル11のY軸方向の位置が確定する。一方、受信器16bによって受信された音響信号を用いることで、移動車両Mの受電コイル11のX軸方向の位置が確定する。
なお、受信器16aに対して発信器7a〜7eのいずれかからの音響信号の音量が最大となり、また受信器16bに対して発信器7e〜7iのいずれかからの音響信号の音量が最大となる状態が、正常に測定可能な範囲であるが、例えば、図7に示すように、受信器16aの位置が大きくずれて、受信器16aに対して発信器7gからの音響信号が最大となる場合には、計測エラーとするようにしてもよい。
続いて、受電用演算制御部19は、各受信器16a、16bの最も音量の大きい音響信号のオン期間の判定の結果に基づいて相対位置テーブルを検索することにより、移動車両M(受電コイル11)に対する給電コイル4のY軸方向の距離を特定し、さらに移動車両M(受電コイル11)に対する給電コイル4のX軸方向を特定する。
そして、受電用演算制御部19は、このようにして取得した給電コイル4のY軸方向の距離と、X軸方向の距離とからなる相対位置の初期値を示す運転支援画像を生成して支援画像信号として表示部18に出力する。このようにして求められた相対位置の初期値は、給電コイル4の相対位置の取得開始直後の給電コイル4の位置である。移動車両Mは、運転手の運転によって移動するので、相対位置は、移動車両Mの位置に応じて上記初期値から時々刻々と順次変化する。
そして、受電用演算制御部19は、所定のタイムインターバルで上記処理を繰り替えして給電コイル4の相対位置を示す運転支援画像を順次生成して支援画像信号として表示部18に出力する。この結果、表示部18には、初期値に続いて順次変化する相対位置が移動車両Mを中心とする平面図上に時系列的に順次表示される。
移動車両Mの運転者は、このような運転支援画像を参照して移動車両Mを運転操作することにより、移動車両Mを受電コイル11と給電コイル4とが正対するように停車させる。そして、受電用演算制御部19は不図示の無線通信手段を介して、受電コイル11と給電コイル4とが正対するように移動車両Mが停車したことを、給電装置Sの給電用演算制御部8に通知する。
一方、給電装置Sの給電用演算制御部8は、不図示の無線通信手段を介して、受電コイル11と給電コイル4とが正対するように移動車両Mが停車したことを通知されると、給電回路3に給電動作を開始させる。
一方、移動車両Mの受電用演算制御部19は、バッテリ14の充電状態を監視しながら充電回路13を制御することにより、バッテリ14を適切に充電する。受電用演算制御部19は、バッテリ14が満充電状態となったことを検知すると、表示部18によってバッテリ14が満充電状態になったことを通知する。そして、ユーザは、表示部18により満充電状態となったことを認識すると、移動車両Mを運転して、給電装置Sの設置場所から移動する。このとき、受電用演算制御部19は不図示の無線通信手段を介して、充電が終了したことを、給電装置Sの給電用演算制御部8に通知する。
一方、給電装置Sの給電用演算制御部8は、不図示の無線通信手段を介して、充電が終了したことを通知されると、給電回路3の制御を停止する。
このような本実施形態によれば、音響信号を用いて給電コイル4と受電コイル11との位置関係を算出することによって、カメラによって撮影された画像や磁界を用いることなく給電コイルと受電コイルとの位置関係を算出できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下のような変形が考えられる。
(1)上記実施形態では、給電装置Sに発信アンプ6a〜6i、発信器7a〜7iを設け、一方、移動車両Mに受信器16a、16b及び受信アンプ17a、17bを設けているが、本発明はこれに限定されない。例えば、給電装置Sに受信器16a、16b及び受信アンプ17a、17bを設け、一方、移動車両Mに発信アンプ6a〜6i、発信器7a〜7iを設けるようにしてもよい。ここで、給電装置Sは、給電コイル4の位置を移動させる駆動部を備える。給電装置Sの給電用演算制御部8は、移動車両Mから発信される音響信号の判定結果に基づいて該駆動部を制御して給電コイル4と移動車両Mの受電コイル11との位置合わせを行う。
(2)上記実施形態は、オンタイミング及びオン期間(有音期間)が異なると共に、オンタイミングの間にオフ期間(無音期間)が設けられる音響信号を生成しているが、複数の発信器7a〜7iからの音響信号を識別する(受信した音響信号がどの発信器から発信されたものかを受信側で識別する)ことが可能であれば、本発明はこれに限定されない。例えば、周波数の異なる音響信号を生成するようにしてもよい。例えば、それぞれの発信器7a〜7iからの音響信号の周波数が異なるように音響信号を生成するようにしてもよい。この場合、受電用演算制御部19は、周波数を測定することにより、音響信号がどの発信器から発信されたものであるか識別することができる。
(3)上記実施形態では、音響信号を発信あるいは受信するために、ボイスコイル73やピックアップコイル163を用いたが、ボイスコイル73やピックアップコイル163の代わりに圧電素子を用いるようにしてもよい。
(4)上記実施形態において、音響信号の伝送効率を向上させるために、空気を伝送媒体として用いる場合には30kHz程度の振動帯域を使用してもよい。
(5)上記実施形態では、9つの発信器7a〜7iが給電装置Sに設けられ、また2つの受信器16a、16bが移動車両Mに設けられているが、相対位置の測定が可能な限りにおいて、発信器及び受信器の個数を変えてもよい。また、給電コイルカバー5や受電コイルカバー15がない場合には、例えば、発信器7a〜7iを給電コイル4の周囲の地面に配置し、受信器16a、16bを移動車両Mの底部の受電コイル11の周囲に配置するようにしてもよい。また、9つの発信器7a〜7iが直交する2軸(X軸及びY軸)方向に配列されているが、直交しない2軸に配列されてもよい。
(6)上記実施形態では、非接触給電する方法として磁界共鳴方式を採用したが、電磁誘導方式ないし電場や磁場を利用するその他の方式を採用するようにしてもよい。
(7)給電コイルカバー5の平面カバー5aの形状は四角形に限らず、給電コイル4を内包できれば形状を問わない。同様に、受電コイルカバー15の平面カバー15aの形状も四角形に限らず、受電コイルを内包できれば形状を問わない。また、給電コイルカバー5と受電コイルカバー15との形状や大きさは、異なっていてもよい。
(8)移動車両Mは、運転者を要しない無人搬送車や遠隔操縦車であってもよい。
この場合、移動車両Mは、受電用演算制御部19によって算出された移動車両M(受電コイル11)に対する給電コイル4の相対位置に基づいて自動で位置合わせを行う。また、自動車に限らず各種の陸上移動体や、静止が可能な空中移動体であってもよい。
(9)上記実施形態では、地面に埋設された給電装置Sから移動車両Mに対し、空気を伝送媒体として非接触給電および音響信号の伝送を行ったが、給電装置Sを水中に設け、水上ないし水中の移動体に対し、水を伝送媒体として非接触給電および音響信号の伝送を行ってもよい。水上ないし水中の移動体内部の構成は、図1に示す移動車両M内部の構成と同じである。水の浸入を防ぐため、給電コイルカバー5、発信用振動板71、シール材72、受電コイルカバー15、受信用振動板161及びシール材162は、水に犯されない材料で構成し、さらに、装置を使用する深度での水圧に耐えうる防水構造および強度を有するようにする。水を伝送媒体として用いる場合には150kHz程度の振動帯域を使用するようにしてもよい。
1…電源、2…整流回路、3…給電回路、4…給電コイル、5…給電コイルカバー、5a…平面カバー、5b…側面カバー、6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6i…発信アンプ、7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g、7h、7i…発信器、8…給電用演算制御部、11…受電コイル、12…受電回路、13…充電回路、14…バッテリ、15…受電コイルカバー、15a…平面カバー、15b…側面カバー、16a、16b…受信器、17a、17b…受信アンプ、18…表示部、19…受電用演算制御部、71…発信用振動板、72…シール材、73…ボイスコイル、161…受信用振動板、162…シール材、163…ピックアップコイル、A…非接触給電システム、M…移動車両、S…給電装置

Claims (3)

  1. 給電コイルを有する給電装置と、受電コイルを有する受電装置とを具備し、前記給電コ
    イルから前記受電コイルに非接触給電を行う非接触給電システムであって、
    前記給電装置及び前記受電装置の一方に設けられ、異なる音響信号を発信する複数の発信手段と、
    前記給電装置及び前記受電装置の他方に設けられ、前記音響信号を受信する受信手段と、
    前記受信手段によって受信した前記音響信号に基づいて前記給電コイルと前記受電コイルとの位置関係を算出する演算手段と
    を具備し、
    前記異なる音響信号は、オンタイミング及びオン期間が異なり、
    前記異なる音響信号のお互いのオン期間の間には、無音期間が設けられている
    ことを特徴とする非接触給電システム。
  2. 前記給電装置に設けられ、前記給電コイルを覆い、前記受電装置側に向けられた平面部を有する給電コイルカバーと、
    前記受電装置に設けられ、前記受電コイルを覆い、前記給電装置側に向けられた平面部を有する受電コイルカバーとを具備し、
    複数の前記発信手段が、前記給電コイルカバー及び前記受電コイルカバーの一方の平面部に配置され、
    複数の前記受信手段が、前記給電コイルカバー及び前記受電コイルカバーの他方の平面部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の非接触給電システム。
  3. 前記発信手段は、第1の方向と、第1の方向と異なる第2の方向に配列されていることを特徴とする請求項2に記載の非接触給電システム。
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