JP6273625B2 - 表面処理装置および表面処理方法 - Google Patents
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Description
このような中、電解水に紫外線を照射することにより、又は電解水に過酸化水素を添加することにより、OHラジカルの生成量を増加できることが確認されている(例えば非特許文献1)。非特許文献1の方法は水処理に利用されている。例えば、有機物等を含む汚水にオゾンを含有させた後に紫外線を照射することにより、汚水に含まれる有機物等を分解殺菌することができる。
このため、電解水を用いた殺菌では、対象物表面に対する殺菌効果が十分得られないことがあった。
図1に示す本実施の形態の表面処理装置10は、対象物60の表面60S上において電解水50に紫外線70を照射するための装置であり、電解水50を発生させるための電解水発生部20と、紫外線を照射するための紫外線発生部40と、を備えている。
電解水発生部20は、一対の電極(陽極23および陰極24)と電源29とを備えている。電解水発生部20の内部で、原料水80に浸漬した陽極23と陰極24との間に通電することによって、原料水80が電解されてオゾンおよび過酸化水素を含有する電解水50が得られる。電解水50は、電解水供給部27や開口などの電解水吐出手段を通って、表面処理をする物体(対象物60)の表面60Sに供給される。
紫外線発生部40は、対象物60の表面60Sに照射するための紫外線70を発生させるものであり、紫外線70(波長λ=380nm〜200nm)を発生可能な光源(図示せず)を備えている。紫外線発生部40で発生した紫外線70は、紫外線70を出射するための紫外線出射部41を通って、対象物60の表面60Sに照射される。
例えば、流動する電解水50がOHラジカルの寿命(数ms)以内に移動しうる距離(これを「ラジカル生存距離」と称する)を求める。表面60Sからラジカル生存距離だけ離れた位置を「位置H」とする。位置Hから表面60Sまでの間に発生したOHラジカルは、消滅する前に表面60Sに到達することが可能である。つまり、電解水供給経路51の範囲内において、位置Hから表面60Sまでの範囲(これを「照射許容範囲A」と称する)であれば、電解水50に紫外線70Hを照射しても、本発明の目的を達成できる。
本発明において「表面60S上で電解水50に紫外線70を照射する」とは、表面60Sおよび照射許容範囲Aを含む「表面近傍領域」において、電解水50に紫外線70を照射することを意味している。
表面60Sが傾斜している場合には、表面60Sのうち、相対的に高い位置に電解水50を供給すれば、電解水50は重力によって表面60Sに自然に広がるだろう。傾斜した表面60Sの処理に適した装置については、後述の「実施の形態6」で詳述する。
一方、表面60Sがほぼ水平な場合には、電解水50が自然に広がるのを待つこともできるが、対象物60に振動を与える、対象物60を傾ける等により、電解水50が広がるのを助けてもよい。
(1-1)電解水50を発生させる工程
(1-2)電解水50を対象物60の表面60Sに供給する工程
(1-3)表面60S上で電解水50に紫外線70を照射する工程
を含んでいる。以下に各工程について説明する。
表面処理装置10の電解水発生部20に原料水80を供給する。原料水80に浸漬した陽極23および陰極24に電源29からの電力を供給することにより、原料水80を電解する。陽極23側では主にオゾンが発生し、陰極24側では主に過酸化水素が発生するので、電解水50には、オゾンと過酸化水素とが含まれている。
電解水発生部20で生成した電解水50を、電解水供給部27を通して対象物60の表面60Sに供給して、紫外線照射領域Rに広げる。図1の電解水供給部27は、電解水発生部20に接続されたパイプ状の部材として図示されているが、これに限定されず、電解水発生部20に設けられた開口であってもよい。パイプ状の部材を用いた電解水供給部27の場合には、下端部27Lと表面60Sとの距離を短くすることにより、電解水50の供給状態(電解水50の流れる方向等)を制御しやすい。一方、表面60Sが汚染されやすい環境にある場合には、電解水供給部27の下端部27Lの汚染を回避するために、下端部27Lと表面60Sとの距離を長くすることもできる。
対象物60の表面60S上(本発明においては照射許容範囲Aおよび対象物60の表面60Sを含む「表面近傍領域」)において、電解水50に紫外線70を照射する。紫外線70は紫外線発生部40の光源(例えば、紫外線ランプや紫外線LED等)から発生して、紫外線出射部41を通って紫外線照射領域Rに照射される。紫外線出射部41とは、紫外線発生部40に設けられた開口のことであり、さらに反射板や導光板等を含むこともできる。
電解水50に紫外線70を照射することにより、電解水50に含まれるオゾンおよび過酸化水素が効率よく分解されて、OHラジカルが大量に発生する。表面近傍領域で発生したOHラジカルは、寿命により消滅する前に表面60Sに到達するので、表面60Sを処理(殺菌)することができる。
なお、オゾンおよび過酸化水素の分解速度は温度にも依存する。そこで、対象物60に、表面60Sの温度を上昇させる機能(例えばヒータ)を付加して、OHラジカルの発生をさらに促進してもよい。
なお、図1では電解水発生部20と紫外線発生部40と水平方向に離間して配置しているが、これに限定されるものではない。例えば、紫外線発生部40の直上に電解水発生部20を配置し、電解水発生部20からパイプ状の電解水供給部27を適宜配管することにより、電解水供給部27の下端部27Lを通る中心線27Cと紫外線出射部41を通る中心線41Cを離間させれば、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
図2に示す本実施の形態の表面処理装置11は、電解水供給部27と紫外線出射部41とが離間していない点で、実施の形態1と異なる。つまり、本実施の形態では、電解水供給部27と紫外線出射部41とは、対象物60の表面60Sと平行な面内において重なっている。
また、本実施の形態では、電解水50の供給期間および紫外線70の照射期間を制御するための制御手段45を備えている点で、実施の形態1と異なる。
それ以外の点では、実施の形態1の表面処理装置10と同様である。
電解水50は、開始時間t0〜t2の期間(供給期間)は供給され、t2〜t3の期間は停止される。一方、紫外線70は、開始時間t0〜t1の期間は停止され、t1〜t3の期間(照射期間)は照射される。つまり、t0〜t1の間は電解水50の供給のみが行われ、t1〜t2の間は電解水50の供給と紫外線70の照射とが共に行われ、そしてt2〜t3の間は紫外線70の照射のみが行われる。
電解水50は、開始時間t0〜t4の期間(供給期間)は供給され、t4〜t5の期間は停止される。一方、紫外線70は、開始時間t0〜t4の期間は停止され、t4〜t5の期間(照射期間)は照射される。つまり、t0〜t4の期間は電解水50の供給のみが行われ、そしてt4〜t5の期間は紫外線70の照射のみが行われる。
図4のタイムチャートでは、電解水50の供給と紫外線70の照射とが共に行われる期間が存在しないため、非許容範囲Nを通る電解水50に紫外線70が照射されるのを抑制することができる。その結果、殺菌に寄与しないOHラジカルの発生を抑制することができる。
なお、供給期間と照射期間との重複を確実に回避するために、供給期間と照射期間との間に電解水50と紫外線70とを共に停止する時間(タイムラグ)が生じるように制御してもよい。
これらのことを考慮して、電解水50の供給時間を決定するのが好ましい。なお、対象物60の表面60Sの表面性状によって、電解水50の広がりやすさや表面60Sに電解水50が停滞する時間は相違すると考えられる。したがって、対象物60の表面60Sに合わせて、供給時間を設定するのが好ましい。制御手段45は、供給時間を任意に設定できるようにされているのが好ましい。
これらのことを考慮して、紫外線70の照射時間を決定するのが好ましい。なお、紫外線70の強度および波長によって、オゾンおよび過酸化水素水の分解にかかる時間は相違すると考えられる。したがって、紫外線70の強度および波長に合わせて、照射時間を設定するのが好ましい。制御手段45は、照射時間を任意に設定できるようにされているのが好ましい。
電解水50の供給−停止の切り替え、および紫外線70の照射−停止の切り替えの時のエネルギーロスを考慮して、対象物60の表面60S上で電解水50中のオゾンおよび過酸化水素水が確実に分解される範囲で、切り替え回数を少なく設定してもよい。
例えば、図1に示す実施の形態1の表面処理装置10では、(例えばx方向において)電解水供給部27と紫外線出射部41とを離間距離D1だけ離間させる必要がある。よって、x方向における表面処理装置10の寸法は、電解水供給部27と紫外線出射部41との離間距離D1に依存して大きくなる。
一方、図2に示す本実施の形態の表面処理装置11では、電解水供給部27と紫外線出射部41とが重なっていてもよいので、x方向における表面処理装置11の寸法を小さくできる。
(2-1)電解水50を発生させる工程
(2-2)電解水50を対象物60の表面60Sに供給する工程
(2-3)表面60S上で電解水50に紫外線70を照射する工程
を含んでいる。
工程(2-1)は実施の形態1の工程(1-1)と同様であるので説明を省略する。
工程(2-2)(供給する工程)および工程(2-3)(照射する工程)については、実施の形態1では工程(1-2)と工程(1-3)を同時に行うことができるのに対して、本実施の形態では、工程(2-2)と工程(2-3)とを交互に行う点(図3、図4)で相違する。
なお、図2では、パイプ状の電解水供給部27が紫外線発生部40を通過するように配管されているが、これに限定されず、紫外線発生部40の外側を通過するように配管されてもよい。
図5および6に示す本実施の形態の表面処理装置17は、電解水発生部20の代わりに二室式電解部30を用いる点で実施の形態1と異なる。それ以外の点では実施の形態1と同様である。
本実施の形態の表面処理装置17は、対象物60の表面60S上において2種類の電解水(陽極側電解水55と陰極側電解水56)を混合するための装置であり、陽極側電解水55と陰極側電解水56を発生させるための二室式電解部30を備えている。
二室式電解部30は、一対の電極(陽極33および陰極34)と電源39とを備えている。二室式電解部30の内部では、陽極33が配置された陽極室31と、陰極34が配置された陰極室32とが、隔壁38によって分離されている。隔壁38は、陽極室31から陰極室32への電流の流れを許容し、且つオゾンおよび過酸化水素を通過させない特性を有する材料(例えばイオン交換膜)から形成されている。これにより、原料水80の電解を可能にしつつ、陽極側電解水55と陰極側電解水56とを分離することができる。
陽極側電解水55と陰極側電解水56とは、別々の供給部(第1供給部35、第2供給部36)を通って、対象物60の表面60Sに供給される。
OHラジカルは、陽極側電解水55と陰極側電解水56との混合直後から発生する。よって、より効率的にOHラジカルを使用するためには、対象物60の表面60S上で陽極側電解水55と陰極側電解水56とを混合するのが好ましい。具体的には、第1供給部35と第2供給部36とを離間して配置することにより、表面60Sより上流で陽極側電解水55と陰極側電解水56とが混合されるのを抑制している。
第1供給部35と第2供給部36とが離間していることにより、陽極側電解水55と陰極側電解水56との混合により発生したOHラジカルは、消滅する前に表面60Sに接触することができるので、表面60Sの殺菌効果を向上させることができる。
実施の形態1と同様に、対象物60の表面60S上で、混合電解液57に紫外線70を照射することにより、表面60S上でOHラジカルを発生させるのが好ましい。これにより、OHラジカルの多くは消滅する前に表面60Sに接触することができるので、表面60Sの殺菌効果を向上させることができる。
離間距離D1は、第1供給部35を通る陽極側電解水55と、第2供給部36を通る陰極側電解水56が、常に、紫外線70の照射されうる範囲の外側に位置するように設定しうる。
(3-1)陽極側電解水55と陰極側電解水56とを生成する工程
(3-2)陽極側電解水55を対象物60の表面60Sに供給する第1供給工程
(3-3)陰極側電解水56を対象物60の表面60Sに供給する第2供給工程
を含んでいる。以下に各工程について説明する。
表面処理装置17の二室式電解部30に原料水80を供給する。原料水80に浸漬した陽極33および陰極34に電源39からの電力を供給することにより、原料水80を電解する。陽極33側では主にオゾンが発生し、陰極34側では主に過酸化水素が発生する。よって、陽極室31にはオゾンを含有する陽極側電解水55が発生し、陰極室32には過酸化水素を含有する陰極側電解水56が発生する。
陽極室31で生成した陽極側電解水55を、第1供給部35を通して対象物60の表面60Sに供給する。図5および図6の第1供給部35は、陽極室31に接続されたパイプ状の部材として図示されているが、これに限定されず、陽極室31に設けられた開口であってもよい。パイプ状の部材を用いた第1供給部35の場合には、下端部35Lと表面60Sとの距離を短くすることにより、陽極側電解水55の供給状態(陽極側電解水55の流れる方向等)を制御しやすい。一方、表面60Sが汚染されやすい環境にある場合には、第1供給部35の下端部35Lの汚染を回避するために、下端部35Lと表面60Sとの距離を長くすることもできる。
陰極室32で生成した陰極側電解水56を、第2供給部36を通して対象物60の表面60Sに供給する。図5および図6の第2供給部36は、陰極室32に接続されたパイプ状の部材として図示されているが、これに限定されず、陽極室31に設けられた開口であってもよい。パイプ状の部材を用いた第2供給部36の場合には、下端部36Lと表面60Sとの距離を短くすることにより、陰極側電解水56の供給状態(陰極側電解水56の流れる方向等)を制御しやすい。一方、表面60Sが汚染されやすい環境にある場合には、第2供給部36の下端部36Lの汚染を回避するために、下端部36Lと表面60Sとの距離を長くすることもできる。
さらにOHラジカルの発生を促進するために、陽極側電解水55と陰極側電解水56との混合電解液57に紫外線70を照射す工程(3-4)を追加することができる。
対象物60の表面60S上において、混合電解液57に紫外線70を照射する。紫外線70は紫外線発生部40の光源(例えば、紫外線ランプや紫外線LED等)から発生して、紫外線出射部41を通って紫外線照射領域Rに照射される。
混合電解液57に紫外線70を照射することにより、混合電解液57に残っている未反応のオゾンおよび過酸化水素が効率よく分解されて、OHラジカルが大量に発生する。表面60S上で発生したOHラジカルは、寿命により消滅する前に表面60Sに到達して、表面60Sを処理(殺菌)できる。
図7に示す本実施の形態の表面処理装置18は、第1供給部35と第2供給部36とが離間していない点、第1供給部35および第2供給部36と紫外線出射部41とが離間していない点で、実施の形態3と異なる。
また、本実施の形態では、陽極側電解水55および陰極側電解水56の供給期間および紫外線70の照射期間を制御するための制御手段45を備えている点で、実施の形態3と異なる。
それ以外の点では、実施の形態3の表面処理装置17と同様である。
また、二室式電解部30の直下に紫外線発生部40を配置しており、第1供給部35および第2供給部36が紫外線出射部41を通るように構成されている。つまり、本実施の形態では、第1供給部35から供給される陽極側電解水55および第2供給部36から供給される陰極側電解水56は、紫外線70が照射される範囲を通る。よって、紫外線70を照射しながら陽極側電解水55、陰極側電解水56を供給すると、陽極側電解水55と陰極側電解水56とを混合する前に、陽極側電解水55に含まれるオゾンおよび陰極側電解水56に含まれる過酸化水素は分解される。
陽極側電解水55は、開始時間t0〜t7の期間(第1供給期間)は供給され、t7〜t9の期間は停止される。陰極側電解水56は、開始時間t0〜t6の期間は停止され、t6〜t8の期間(第2供給期間)は供給され、t8〜t9の期間は再び停止される。紫外線70は、開始時間t0〜t8の期間は停止され、t8〜t9の期間(照射期間)は照射される。つまり、t0〜t6の間は陽極側電解水55の供給のみが行われ、t6〜t7の間は陽極側電解水55の供給と陰極側電解水56の供給とが行われ、t7〜t8の間は陰極側電解水56の供給のみが行われ、そしてt8〜t9の間は紫外線70の照射のみが行われる。
陽極側電解水55は、開始時間t0〜t10の期間(第1供給期間)は供給され、t10〜t12の期間は停止される。陰極側電解水56は、開始時間t0〜t10の期間は停止され、t10〜t11の期間(第2供給期間)は供給され、t11〜t12の期間は再び停止される。紫外線70は、開始時間t0〜t11の期間は停止され、t11〜t12の期間(照射期間)は照射される。つまり、t0〜t10の間は陽極側電解水55の供給のみが行われ、t10〜t11の間は陰極側電解水56の供給のみが行われ、そしてt11〜t12の間は紫外線70の照射のみが行われる。
図9のタイムチャートでは、陽極側電解水55の供給と陰極側電解水56の供給とが共に行われる期間が存在しないため、表面60Sより上流で陽極側電解水55と陰極側電解水56とが混合されるのを抑制することができる。その結果、殺菌に寄与しないOHラジカルの発生を抑制することができる。
なお、第1供給期間、第2供給時間および照射期間の重複を確実に回避するために、各期間の間に、陽極側電解水55、陰極側電解水56および紫外線70が全て停止する時間(タイムラグ)が生じるように制御してもよい。
例えば、図5に示す実施の形態3の表面処理装置17では、(例えばx方向において)第1供給部35と第2供給部36とを離間距離D2だけ離間させ、第1供給部35および第2供給部36と紫外線出射部41とを離間距離D1以上の距離で離間させる必要がある。よって、x方向における表面処理装置10の寸法は、離間距離D1、D2に依存して大きくなる。
一方、図7に示す本実施の形態の表面処理装置18では、第1供給部35と第2供給部36とが近接し、且つ紫外線出射部41を通ってもよいので、x方向における表面処理装置18の寸法を小さくできる。
(4-1)陽極側電解水55と陰極側電解水56とを生成する工程
(4-2)陽極側電解水55を対象物60の表面60Sに供給する第1供給工程
(4-3)陰極側電解水56を対象物60の表面60Sに供給する第2供給工程
(4-4)表面60S上で混合電解液57に紫外線70を照射する工程
を含んでいる。
工程(4-1)は実施の形態3の工程(3-1)と同様であるので説明を省略する。
工程(4-2)(第1供給工程)、工程(4-3)(第2供給工程)および工程(4-4)(照射する工程)については、実施の形態3では工程(3-2)〜工程(3-4)を同時に行うことができるのに対して、本実施の形態では、工程(4-2)〜工程(4-4)を交互に行う点(図8、図9)で相違する。
なお、図7では、パイプ状の第1供給部35および第2供給部36が紫外線発生部40を通過するように配管されているが、これに限定されず、紫外線発生部40の外側を通過するように配管されてもよい。
図10に示す本実施の形態の表面処理装置19は、第1供給部35と第2供給部36の代わりに、T字状の共通供給部37を備えている点で、実施の形態4と異なる。それ以外の点では、実施の形態4の表面処理装置18と同様である。
共通供給部37は、3つの端部を備えている。具体的にはT字の短辺の両端部(第1の端部371と第2の端部372)と、短辺から直交方向に伸びる長辺の端部(第3の端部373)である。第1の端部371は陽極室31に接続され、第2の端部372は陰極室32に接続されている。第3の端部373は、対象物60の表面60Sに向けて開口している。
(5-1)陽極側電解水55と陰極側電解水56とを生成する工程
(5-2)陽極側電解水55を対象物60の表面60Sに供給する第1供給工程
(5-3)陰極側電解水56を対象物60の表面60Sに供給する第2供給工程
(5-4)表面60S上で混合電解液57に紫外線70を照射する工程
を含んでいる。
工程(5-1)〜(5-4)は実施の形態4の工程(4-1)〜(4-4)と同様であるので説明を省略する。ただし、本実施の形態では、工程(5-2)〜工程(5-3)は重複することができない。したがって、図9に示すタイムチャートで表面処理を行うことはできるが、図8に示すタイムチャートで表面処理を行うことはできない。
図11に示す本実施の形態の表面処理装置10’は、対象物60’の表面60S’が傾斜している点で、実施の形態1と異なる。それ以外の点では、実施の形態1の表面処理装置10と同様である。
本実施の形態の表面処理装置10’は、傾斜した表面60S’を処理するものである。電解水発生部20’から、傾斜した表面60S’に電解水50を供給すると、電解水50は、重力によって表面60S’を伝って下方向に流れる。このとき、電解水50は、供給位置よりも下側の表面60S’全体に効率よく広がる。表面60S’に広がった電解水50に紫外線70を照射することにより、表面60S’を殺菌処理することができる。すなわち、本実施の形態では、表面60S’上において紫外線70の照射領域Rより上側に電解水50を供給するための電解水吐出手段(例えば、パイプ状の電解水供給部27又は開口)を備えている。
表面処理装置10’で表面処理を行うと、電解水供給部27から供給された電解水50は傾斜した表面60S’の下方向に流れて、処理領域PR全体に広がる。そして、処理領域PRに広がった電解水50に紫外線70を照射することにより、処理領域PR上でOHラジカルが発生する。このOHラジカルにより処理領域PRを殺菌することができる。
この形態では、洗浄ノズルに給水するための給水管から、電解水発生部20’で使用する原料水80を得ることができる点で好ましい。また、洗浄ノズル設置部分に電解水供給部27と紫外光発生部40とを共に備えた形態では、既存の便器に、後から本実施の形態の表面処理装置10’を提供することができる点で有利である。
(光源)
紫外線発生部40に設置される紫外線発生用の光源は、オゾンおよび過酸化水素からOHラジカルを発生させることのできる波長および強度を有する紫外線を発生可能な光源が利用できる。光源の例としては、紫外線ランプ、半導体発光素子(LED)等が挙げられる。特に、寿命が短く小型化が容易なLEDが好適である。
なお、光源は電解水等と共に使用されるので、防水性の高い光源、または防水容器等で保護しやすい光源が好ましい。
電解水発生部20、二室式電解部30に設置される陽極23、33および陰極24、34は、例えばBDD電極、白金電極、炭素電極等の不活性電極が好ましい。BDD電極は、基材の表面にボロンドープドダイヤモンド(BBD)膜を形成した電極である。基材としては、例えば、チタン、カーボン等の導電性基板、イオン交換膜、およびそれらを組み合わせたものを用いることができる。
本発明では、BDD電極を用いると原料水80からのオゾンおよび過酸化水素の発生効率が高いので、特に好ましい。
二室式電解部30に用いられる隔壁38は、陽極室31から陰極室32への電流の流れが可能で、且つオゾンおよび過酸化水素を通さない材料が用いられる。具体的には、イオン交換膜から成る隔壁38を用いることができる。
電解水供給部27、第1供給部35、第2供給部36および共通供給部37(以下、「供給部」と称する)には、パイプ状の部材を用いることができる。供給部はオゾンや過酸化水素を含む電解水50、陽極側電解水55および陰極側電解水56(以下、「電解水等」と称する)が通過するので、耐腐食性材料を用いるのが好ましい。また、供給部を通る電解水等を紫外線から遮蔽するために、紫外線不透過性の材料を用いてもよい。
供給部に好ましい材料としては、例えば、ステンレス等などの金属材料、塩化ビニル等などの樹脂材料が挙げられる。
原料水80は、電解が可能な水であればよく、例えば水道水、電解質を添加した純水等が利用できる。なお、原料水80が塩素を含んでいる場合には、陽極23、33側で、オゾンの他に次亜塩素酸も発生しうる。
本発明では、実施の形態1〜5の表面処理装置を備えた機器を提供することができる。表面処理装置を設置するのに適した機器は、概して、水洗可能で、殺菌を必要とする機器であり、例えば、キッチン用機器、洗面用機器、浴室用機器、トイレ用機器、医療用機器、食品加工用機器および排水用処理機器などの機器が挙げられる。
キッチン用機器としては、例えばシンク、生ゴミ容器、スポンジホルダ、フキンホルダ、排水孔等が挙げられる。
洗面用機器としては、例えば洗面ボウル、石けんホルダ、排水孔、洗面台等が挙げられる。
浴室用機器としては、例えばバスタブ、浴室用ミラー、シャンプーホルダ、シャワーホルダ、排水孔、システムバス等が挙げられる。
トイレ用機器としては、例えば便器、手洗ボウル、温水洗浄便座等が挙げられる。
医療用機器としては、例えば医療器具消毒器等が挙げられる。
食品加工用機器としては、例えば食品用ベルトコンベヤ、食品用容器、排水孔等が挙げられる。
排水用処理機器としては、例えば下水浄化設備等が挙げられる。
Claims (9)
- 対象物の表面をラジカルで処理するための装置であって、
電解水を発生させる電解水発生部と、
前記表面に紫外線を照射する紫外線発生部と、
前記電解水が供給される電解水供給部と、
前記電解水の供給期間と、前記紫外線の照射期間とが交互になるように制御する制御手段と、を備え、
前記電解水供給部の中心線と前記紫外線発生部の中心線とは、前記表面と平行な面内において重なっており、
前記制御手段により、前記電解水発生部から前記対象物の前記表面までの電解水供給経路では前記電解水に前記紫外線が照射されず、前記表面上で前記電解水に紫外線を照射することによりラジカルを発生させることを特徴とする表面処理装置。 - 前記対象物の前記表面は傾斜しており、
前記表面上において前記紫外線の照射領域より上側に前記電解水を供給するための電解水吐出手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の表面処理装置。 - 前記制御手段は、前記供給期間と前記照射期間とが重複しないように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の表面処理装置。
- 前記紫外線発生部は、半導体発光素子を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面処理装置。
- 前記電解水は、オゾンと過酸化水素水とを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理装置。
- 対象物の表面をラジカルで処理する方法であって、
電解水を発生させる工程と、
前記電解水を前記対象物の前記表面に供給する工程と、
ラジカルを発生させるために、前記表面上で前記電解水に紫外線を照射する工程と、を含み、
前記電解水が供給される電解水供給部の中心線と、前記電解水供給部と前記表面に紫外線を照射する紫外線発生部の中心線とは、前記表面と平行な面内において重なっており、
前記供給する工程と前記照射する工程とが交互に行われることを特徴とする表面処理方法。 - 前記供給する工程を行う供給期間と前記照射する工程を行う照射期間とが重複しないことを特徴とする請求項6に記載の表面処理方法。
- 前記電解水は、オゾンと過酸化水素水とを含むことを特徴とする請求項6または7に記載の表面処理方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の表面処理装置を用いた機器であって、
前記機器が、キッチン用機器、洗面用機器、浴室用機器、トイレ用機器、医療用機器、食品加工用機器および排水用処理機器から成る群から選択されることを特徴とする機器。
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