次に、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
(第1の実施の形態)
(配信システム)
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る配信システム10を説明する。配信システム10は、演者Pによるライブを撮影するライブ動画データを複数の端末20に配信する。配信システム10は、ライブ会場Lに設けられるライブ会場システム8と、ライブ会場システム8と通信ネットワーク9を介して接続される複数の端末20とを備える。通信ネットワーク9は、インターネット等の相互に通信可能なネットワークである。
ライブ会場システム8は、ライブ動画データMを端末20に配信する配信サーバ1と、ライブ動画データMを撮影するカメラ5と、演者Pに情報を提示する表示装置7を備える。ライブ会場システム8は、ライブ会場Lにおける演者Pによるパフォーマンスを、カメラ5で撮影し、撮影したライブ動画データMを、配信サーバ1から複数の端末20に配信する。このとき配信サーバ1は、例えば、ストリーミング形式でライブ動画データMを配信する。
端末20は、端末20のユーザに、ライブ会場システム8から配信されたライブ動画データMを提供する。また端末20は、ユーザの操作によって、演者Pに対する応援アクションの指示を入力可能である。なお、図1に示す端末20の数は、一例である。
ここで、ライブ会場システム8の複数の端末20は、応援アクションを入力した応援端末22と、応援アクションを入力していない通常端末21に区別される。通常端末21において、ライブ動画データMが提供され、応援端末22において、ライブ動画データMと、フィードバックコンテンツデータFが提供される。本発明の実施の形態において、通常端末21を利用するユーザを通常ユーザと称し、応援端末22を利用するユーザを応援ユーザと称する。
図2を参照して、本発明の第1の実施の形態における配信処理を説明する。図2のステップS111ないしステップS113において、応援アクションを入力していない通常端末21に関する処理を説明し、ステップS121ないしステップS126において、応援アクションを入力した応援端末22に関する処理を説明する。
ステップS111において配信サーバ1は、送信先の端末20で、応援アクションが行われたか否かを判定する。ここでは、応援アクションを入力していない通常端末21の処理を説明するので、送信先の端末20(通常端末21)で応援アクションが入力されていないと判定する。ステップS112において配信サーバ1は、通常端末21に向けてライブ動画データMを逐次配信する。
ステップS113において通常端末21は、ライブ動画データMを逐次受信して再生することで、通常ユーザにライブ動画データMを提供する。
端末20(応援端末22)において、応援ユーザが応援アクションを入力すると、ステップS121において、その情報が配信サーバ1に送信される。ステップS122において配信サーバ1は、応援端末22において応援アクションが行われたことを、後述の端末属性データ111に記録する。
ステップS123において配信サーバ1は、送信先の端末20で、応援アクションが行われたか否かを判定する。ここでは、応援アクションを入力した応援端末22の処理を説明するので、送信先の端末20(応援端末22)で応援アクションが入力されたと判定する。ステップS124において配信サーバ1は、応援端末22に向けてライブ動画データMを逐次配信する。さらにステップS125において配信サーバ1は、応援端末22に向けてフィードバックコンテンツデータFを配信する。
ステップS126において応援端末22は、ライブ動画データMを逐次受信して再生することで、応援ユーザにライブ動画データMを提供する。さらに応援端末22は、フィードバックコンテンツデータFを受信して処理し、応援ユーザにフィードバックコンテンツを提供する。
本発明の第1の実施の形態において「応援アクション」は、通信ネットワーク9を介して、演者Pのライブ動画データMを視聴しているユーザが、演者Pに対する応援をアピールするための端末20での入力指示である。端末20で、応援アクションの入力指示がなされると、端末20で入力指示がなされたことが、配信サーバ1に通知される。応援アクションは、例えば、図3に示すように、端末20においてライブ動画データMを表示する画面において設けられる「応援うちわボタン」の押下である。「応援うちわボタン」が押下されると、この端末20において応援うちわボタンが押下されたことたことが端末20から配信サーバ1に送信される。配信サーバ1は、応援うちわボタンが押下されたことと、この端末20の識別子を対応づけて保持する。
応援アクションは、演者Pによるパフォーマンス前に行われても良いし、演者Pによるパフォーマンス中に行われても良い。また、応援アクションは、図4に示すように、複数回行われ、所定のユーザによって複数の応援アクションが行われた場合、その応援アクションの回数によってフィードバックコンテンツデータFの種類や内容が変更されても良い。また応援アクションの実行に際しては、課金が発生しても良い。
フィードバックコンテンツデータFは、応援アクションの応答として演者Pの指示により生成されたデータであって、応援ユーザが応援したことの見返りを、演者Pから受けていると感じることのできるコンテンツデータである。ユーザが、演者Pに対する応援をアピールするために応援アクションを行ったことに対し、応援アクションを行ったユーザに対して、演者Pが謝意を示すために、フィードバックコンテンツデータFが提供される。
フィードバックコンテンツデータFは、例えば、演者Pの特定のシーンを含む動画データであって、ライブ動画データMとともに、ストリーミング形式で配信されても良い。演者Pの特定のシーンとは、演者の指示(動作)により生成されるシーンであって、演者Pのアップやカメラ目線のシーンや、特定の曲の特定のフレーズであっても良い。例えば、ライブ参加者等に演者Pが合いの手を働きかける特定のフレーズがある場合、この特定のフレーズにおいて演者Pが合いの手を働きかけているシーンが、フィードバックコンテンツとして応援ユーザに提供される。
フィードバックコンテンツデータFは、演者Pの指示により入力された文字データ、画像データ、音声データまたは動画データであっても良い。例えば、演者Pがライブ会場L内に設置された所定のボタンを押下したり、マイクに設けられたボタンを押下したりすると、その演者Pによるボタン押下の情報が配信サーバ1に通知される。配信サーバ1は、このボタン押下の情報により、演者Pの指示があったと見なして、演者の画像データや、「応援ありがとう」などの文字によるコメントデータを、応援端末22に提供する。また、演者Pが、特定のセリフを話す、または特定のカメラに対してウィンクすることを検知すると、配信サーバ1は、演者Pの指示があったと見なして、画像データやコメントデータを、応援端末22に提供する。また、画像データとして、演者Pの静止画像、スタンプやアイコンを送信しても良い。また動画データとして、ライブ中の動画データに限らず、予め撮影され保存された動画データを送信しても良い。
フィードバックコンテンツデータFは、応援端末22が参加可能で、通常端末21が参加不可なバーチャル交流が可能なコンテンツ、または応援端末22のユーザが利用するSNSにおいて提供されても良い。例えば、通常端末21で入力されたコメントと、応援端末22で入力されたコメントとを、それぞれ分けて表示する場合、フィードバックコンテンツデータFは、応援端末22が入力したコメントが表示される表示部において、提供されても良い。また、フィードバックコンテンツデータFは、応援端末22そのものに送信されても良いし、応援ユーザが利用する応援端末22以外の端末に配信されても良い。例えば、応援ユーザは、ライブ動画データMをパソコンなどの表示画面の大きい端末で参照し、コメントデータは、応援ユーザが利用するSNS(Social Networking Service)経由で配信され、応援ユーザは、スマートフォンなどの端末で、このコメントデータを参照しても良い。この場合、配信サーバ1は、応援ユーザの識別子に、SNSにおけるアカウントをさらに対応づけて保持しても良い。
フィードバックコンテンツデータFが、演者Pの画像データである場合、画像データは、コメントの表示部で提供されても良いし、SNS経由で配信されても良い。
ライブ会場システム8において、配信サーバ1は、応援端末22の識別子を取得し、表示装置7に配信サーバ1が取得した応援端末22の識別子を表示して、演者に提示しても良い。ここで、表示装置7に応援端末22の識別子が表示された後に、より具体的には、演者Pが応援端末22の識別子を把握した後に、フィードバックコンテンツデータFが応援端末22に配信されるように制御される。
本発明の実施の形態においては、配信サーバ1が演者Pの指示を検知して、フィードバックコンテンツデータFを応援端末22に配信する場合を説明するが、これに限られない。例えば、オペレータが演者Pの指示を検知して、オペレータが、配信サーバ1に、フィードバックコンテンツデータFを応援端末22に配信する指示を入力しても良い。
図3および図4を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る端末20で表示される画面の一例を説明する。
図3は、応援アクションを行っていない通常端末21の表示装置160の画面例で、通常端末21のスクリーンGaは、配信動画再生部Ga1、通常端末向けコメント入力部Ga2、および通常端末向けコメント表示部Ga3を備える。図4は、応援アクションを行った応援端末22の表示装置160の画面例で、応援端末22のスクリーンGbは、配信動画再生部Gb1、応援端末向けコメント入力部Gb2、および応援端末向けコメント表示部Gb3を備える。
配信動画再生部Ga1およびGb1において、配信サーバ1が配信したライブ動画データMが再生される。
通常端末向けコメント表示部Ga3は、応援アクションを行っていない端末20の通常端末向けコメント入力部Ga2において入力されたコメントが表示される。通常端末向けコメント表示部Ga3において、通常ユーザが、演者Pのパフォーマンスの感想を述べたり、通常ユーザ同士が交流したりすることができる。
応援端末向けコメント表示部Gb3は、応援アクションを行った端末20の応援端末向けコメント入力部Gb2において入力されたコメントが表示される。応援端末向けコメント表示部Gb3において、応援ユーザが、演者Pのパフォーマンスの感想を述べたり、応援ユーザ同士が交流したりすることができる。
通常端末21には、応援アクションを配信サーバ1に通知するための応援入力ボタンGa4が設けられる。応援端末22には、応援入力ボタンは設けられないものの、応援アクションの後にさらに応援をするための再応援入力ボタンGb4が設けられる。
フィードバックコンテンツデータFがコメントデータの場合、例えば図4に示すように、応援端末向けコメント表示部Gb3に、演者のコメントが表示されても良いし、応援端末22の配信動画再生部Gb1に、ライブ動画データMにコメントが重畳されて表示されても良い。ライブ動画データMに重畳されたコメントが、左から右、または右から左に流れるような演出がなされても良い。フィードバックコンテンツデータFが、演者Pの特定のシーンを含む動画データの場合、応援端末22の配信動画再生部Gb1において、ライブ動画データMの代わりに提供されても良いし、ライブ動画データMとフィードバックコンテンツデータFの動画データの両方が同時に提供されても良い。フィードバックコンテンツデータFが、演者Pの画像データの場合、応援端末向けコメント表示部Gb3や応援ユーザのSNSに提供されても良い。
(配信サーバ)
図5を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る配信サーバ1を説明する。配信サーバ1は、記憶装置110、処理装置120、通信制御装置140、入力装置150および出力装置160を備える一般的なコンピュータである。配信サーバ1は、一般的なコンピュータが所定の機能を実現するためのプログラムを実行することにより、図5に示す各機能が実装される。
記憶装置110は、処理装置120が参照または出力するデータを記憶する記憶媒体であって、具体的には、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等である。処理装置120は、配信サーバ1の処理を実行する装置であって、具体的には、CPU(Central Processing Unit)である。
通信制御装置140は、配信サーバ1が通信ネットワーク9等に接続するためのインタフェースである。入力装置150は、配信サーバ1にデータを入力するためのインタフェースであって、具体的には、キーボード、マウス等である。入力装置150は、さらにカメラ5から入力されるデータを処理装置120に入力するインタフェースとして機能する。出力装置160は、配信サーバ1のデータを出力するためのインタフェースであって、具体的には、表示装置である。また表示装置160は、さらに、表示装置7に出力するためのインタフェースとして機能する。
記憶装置110は、端末属性データ111、ライブ動画データMおよびフィードバックコンテンツデータFを記憶する。
端末属性データ111は、応援端末22または通常端末21の区別を特定する。端末属性データ111は、図6に示すように、端末識別子と、応援アクションの有無と、SNSアカウントとを対応づけるデータである。
端末識別子は、ライブ会場Lにおけるライブ動画データMの配信先の端末の識別子であって、通常端末21および応援端末22の両方の端末20の識別子が設定される。端末識別子は、ライブ動画データMの配信先を特定するためのIPアドレスおよびポート番号である。端末識別子はさらに、演者Pに応援端末22の一覧を表示するための応援ユーザのニックネーム等を含んでも良い。
応援アクションの有無は、各端末において、応援アクションが行われたか否かを示す。応援アクションの有無欄に、応援端末22の識別子に対しては、YESが対応づけられ、通常端末21の識別子に対してはNOが対応づけられる。
SNSアカウントは、フィードバックコンテンツを、SNS経由で提供する場合に必要になる。配信サーバ1は、応援アクションがYESに対応づけられたSNSアカウントに、フィードバックコンテンツを提供する。
ここで、応援端末22において更なる応援アクションが入力可能な場合、端末識別子に、応援アクションの回数もさらに対応づけられても良い。
ライブ動画データMは、カメラ5によって撮影されたライブ会場Lにおける演者Pのパフォーマンスを撮影したデータである。なお、図1においては、ライブ会場システム8において1台のカメラ5のみを備えるが、複数のカメラ5により、ライブ動画データMを生成しても良い。
フィードバックコンテンツデータFは、応援端末22に対して提供され、通常端末21には提供されないデータである。フィードバックコンテンツデータFは、上述するように、動画データでもよいし、静止画の画像データでも良いし、コメントの情報を含むデータであっても良い。
処理装置120は、応援取得手段121、配信手段122および提示手段126を備える。
応援取得手段121は、端末20において応援アクションがなされた旨が通知されると、応援アクションがなされたことを、端末属性データ111に記憶する。具体的には応援取得手段121は、「端末識別子」に、応援アクションがなされた端末の端末識別子を設定し、「応援アクションの有無」にYESを対応づけて、端末属性データ111を更新する。ここで、図4に示すように、応援端末22において再応援入力ボタンGb4が設けられる場合、応援取得手段121は、端末20における再応援入力ボタンGb4の押下回数をカウントし、端末属性データ111に、再応援入力ボタンGb4の押下回数も対応づけて保持する。
配信手段122は、端末属性データ111を参照して、通常端末21に、ライブ動画データMを配信し、応援端末22に、ライブ動画データMとフィードバックコンテンツデータFを配信する。配信手段122は、判定手段123、ライブ動画配信手段124およびフィードバックコンテンツ配信手段125を備える。
判定手段123は、配信先の端末20が、通常端末21であるか、応援端末22であるかを判定し、その判定結果に従って、配信するコンテンツを制御する。判定手段123は、ライブ動画配信手段124に、通常端末21および応援端末22の端末識別子を入力する。判定手段123は、フィードバックコンテンツ配信手段125に、応援端末22の端末識別子を入力する。
ここで、複数回の応援アクションが可能な場合、応援アクションの回数に応じて、配信するフィードバックコンテンツの種類や内容を変更するように制御されても良い。複数回の応援アクションが可能な場合、応援アクションの回数とそれに対応するフィードバックコンテンツの種別とを対応づけたテーブルを参照して、フィードバックコンテンツ配信手段125に、端末識別子と、当該端末に提供するフィードバックコンテンツの種別を対応づけたデータを、入力する。
ライブ動画配信手段124は、通常端末21および応援端末22にライブ動画データMを配信する。
フィードバックコンテンツ配信手段125は、応援端末22に、フィードバックコンテンツデータFを配信する。ここでフィードバックコンテンツデータの内容に応じて、動画データをストリーミング形式で配信したり、応援端末向けコメントとして配信したり、応援ユーザのSNSアカウントに配信したりする。ここで、フィードバックコンテンツ配信手段125は、判定手段123によって指示された種類に対応するフィードバックコンテンツを、各応援端末22に配信する。
フィードバックコンテンツ配信手段125は、演者Pが、応援端末22に対してフィードバックコンテンツを配信する指示をした後や、所定の曲の所定のフレーズで、フィードバックコンテンツデータFを応援端末22に配信する。
提示手段126は、表示装置7に、応援ユーザの一覧を表示して、演者Pに応援ユーザを認識させる。提示手段126は、端末属性データ111の端末識別子(ニックネーム等)を、演者に提示して、ライブ会場L以外にも応援者がいることを認識させ、応援ユーザの応援の気持ちを演者Pに伝える手助けをする。ここで提示手段126は、応援端末22の数や応援数を表示装置7に表示しても良い。
図7を参照して、フィードバックコンテンツ配信手段125によるフィードバックコンテンツ配信処理を説明する。
まずステップS151において、提示手段126が、応援端末22の一覧を演者Pに表示する。提示手段126は、通常端末21において新たに応援アクションが行われ、新たな応援端末22の増加に伴って、応援ユーザの一覧を逐次更新して表示する。
その後、ステップS152においてフィードバックコンテンツ配信手段125は、演者Pが応援端末22に対してフィードバックの指示をしたか否かを判定する。演者Pによるフィードバックの指示がない場合、演者Pによるフィードバックの指示を待機する。
応援端末22に対するフィードバックを送信する指示を、演者Pがした場合、ステップS153に進む。ステップS153においてフィードバックコンテンツ配信手段125は、フィードバックコンテンツデータFを応援端末22に送信する。
ステップS154において、ライブ終了と判断されるまで、ステップS152ないしステップS153の処理が繰り返される。
図7に示す例では、演者Pによるフィードバックの指示を契機に、フィードバックコンテンツデータFが配信される場合を説明したが、所定の曲のフレーズに達したことを契機に、フィードバックコンテンツデータFが配信される場合も、同様に処理される。
(端末)
図8を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る端末20を説明する。端末20は、記憶装置210、処理装置220、通信制御装置240、入力装置250および出力装置260を備える一般的なコンピュータである。配信サーバ1は、一般的なコンピュータが所定の機能を実現するためのプログラムを実行することにより、図8に示す各部が実装される。
記憶装置210は、処理装置220が参照または出力するデータを記憶する記憶媒体であって、具体的には、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等である。処理装置220は、端末20の処理を実行する装置であって、具体的には、CPU(Central Processing Unit)である。
通信制御装置240は、端末20が通信ネットワーク9等に接続するためのインタフェースである。入力装置250は、端末20にデータを入力するためのインタフェースであって、具体的には、キーボード、マウス等である。出力装置260は、端末20のデータを出力するためのインタフェースであって、具体的には、表示装置等である。
記憶装置210は、当該端末20が応援端末22の場合、ライブ動画データMおよびフィードバックコンテンツデータFを記憶する。ライブ動画データMおよびフィードバックコンテンツデータFは、ストリーミング形式で配信される場合、ハードディスクに保存されることなく、処理装置220によって処理されるためにメモリ等にのみ記憶される場合がある。なお、当該端末20が通常端末21の場合、記憶装置210は、フィードバックコンテンツデータFを記憶せず、ライブ動画データMを記憶する。
処理装置220は、応援入力手段221および提供手段を備える。
応援入力手段221は、ユーザの操作によって応援アクションがなされると、その旨を配信サーバ1に通知する。具体的には、通常端末21において、図3に示す応援入力ボタンGa4が押下されると、応援入力手段221は、応援入力ボタンGa4が押下されたことと、この端末の識別子を配信サーバ1に通知する。また応援端末22において、図4に示す再応援入力ボタンGb4が押下されると、応援入力手段221は、再応援入力ボタンGb4が押下されたことと、この端末の識別子を配信サーバ1に通知する。
提供手段は、配信サーバ1から配信されたコンテンツを再生して、ユーザに提示する。提供手段222は、ライブ動画提供手段223およびフィードバックコンテンツ提供手段224を備える。
ライブ動画提供手段223は、配信サーバ1から配信されたライブ動画データMを再生して、ユーザに提示する。ライブ動画データMは、通常端末21および応援端末22の両方において再生され、通常ユーザおよび応援ユーザに提示される。
フィードバックコンテンツ提供手段224は、配信サーバ1から配信されたフィードバックコンテンツデータFを、ユーザに提示する。フィードバックコンテンツデータFは、応援端末22にのみ受信され、応援ユーザに提示される。フィードバックコンテンツ提供手段224は、フィードバックコンテンツデータFの種類に応じて出力する。
このような第1の実施の形態に係る配信システム10によれば、端末20における応援アクションに対して、演者Pによるフィードバックコンテンツが返される。これにより、応援ユーザによる応援が、演者Pに届き、その見返りとして、応援ユーザにのみ提供されるコンテンツが提供されるので、ライブ会場Lにいない応援ユーザであっても、演者Pとのコミュニケーションを楽しむことができる。さらに、演者Pに、応援ユーザの一覧を提示した後に、フィードバックコンテンツが提供されることにより、演者Pは、応援ユーザを認識することができるので、応援ユーザによる応援が演者Pに届き、演者Pのパフォーマンスに影響を及ぼす演出を実現することができる。
また第1の実施の形態に係る配信システム10によれば、配信サーバ1が、各端末20に対して、ライブ動画データMのみを配信するか、ライブ動画データMおよびフィードバックコンテンツデータFを配信するかを決定する。従って、各端末20には、自身が閲覧可能なコンテンツのみが配信されるので、ネットワーク負荷を軽減するとともに、通常端末21におけるフィードバックコンテンツデータFの悪用を阻止することが可能になる。
(第1の実施の形態の変形例)
図9ないし図11を参照して、第1の実施の形態の変形例を説明する。第1の実施の形態においては、配信サーバ1が、通常端末21にライブ動画データMのみを配信し、応援端末22にライブ動画データMおよびフィードバックコンテンツデータFを配信する場合を説明した。これに対し第1の実施の形態の変形例においては、配信サーバ1aが、各端末20aに、ライブ動画データMおよびフィードバックコンテンツデータFを配信し、通常端末21aにおいて、ライブ動画データMのみを通常ユーザに提供し、応援端末22aにおいて、ライブ動画データMおよびフィードバックコンテンツデータFを応援ユーザに提供する場合を説明する。
図9を参照して、本発明の第1の実施の形態の変形例における配信処理を説明する。図9のステップS211ないしステップS214において、応援アクションを入力していない通常端末21aに関する処理を説明し、ステップS221ないしステップS226において、応援アクションを入力した応援端末22aに関する処理を説明する。
ステップS211において配信サーバ1aは、通常端末21aに向けてライブ動画データMを逐次配信し、ステップS212において、フィードバックコンテンツデータFを配信する。
ステップS213において端末20aは、自身の端末で、応援アクションがなされたか否かを判定する。ここでは、応援アクションを入力してない通常端末21aの処理を説明するので、自身の端末で、応援アクションが入力されていないと判定する。通常端末21aは、配信サーバ1aから受信したライブ動画データMを通常ユーザに提供する。一方、配信サーバ1aから受信したフィードバックコンテンツデータFは、通常端末21aから通常ユーザに提供されず、破棄される。
端末20a(応援端末22a)において、応援ユーザが応援アクションを入力すると、ステップS221において、その情報が配信サーバ1aに送信される。ステップS222において配信サーバ1aは、応援端末22aにおいて応援アクションが行われたことを、端末属性データ111に記録する。
ステップS223において配信サーバ1aは、応援端末22aに向けてライブ動画データMを逐次配信し、ステップS224において、フィードバックコンテンツデータFを配信する。
ステップS225において端末20aは、自身の端末で、応援アクションがなされたか否かを判定する。ここでは、応援アクションを入力した応援端末22aの処理を説明するので、自身の端末で、応援アクションが入力されたと判定する。応援端末22aは、配信サーバ1aから受信したライブ動画データMおよびフィードバックコンテンツデータFを応援ユーザに提供する。
(配信サーバ)
図10を参照して、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る配信サーバ1aを説明する。第1の実施の形態の変形例に係る配信サーバ1aは、図5に示す第1の実施の形態に係る配信サーバ1と比べて、変形例に係るフィードバック動画配信手段133aが、判定手段123を備えていない点が異なる。
換言すると、変形例に係る配信サーバ1aにおいて、ライブ動画配信手段124は、通常端末21aおよび応援端末22aの両端末20aに対して、ライブ動画データMを配信し、フィードバックコンテンツ配信手段125は、通常端末21aおよび応援端末22aの両端末20aに対して、フィードバックコンテンツデータFを配信する。
(端末)
図11を参照して、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る端末20aを説明する。第1の実施の形態の変形例に係る端末20aは、図8に示す第1の実施の形態に係る端末20と比べて、提供手段222aが、判定手段225を備える点が異なる。
提供手段222は、配信サーバ1aから、ライブ動画データMとフィードバックコンテンツデータFを受信し、応援入力手段221によって応援アクションの指示が入力されていない場合、ライブ動画データMを提供し、応援入力手段221によって応援アクションの指示が入力された場合、ライブ動画データMとフィードバックコンテンツデータFを提供する。提供手段222は、判定手段225、ライブ動画提供手段223およびフィードバックコンテンツ提供手段224を備える。
判定手段225は、自身の端末20aが、応援入力手段221によって応援アクションを入力したか否かを判定する。応援アクションを入力していない場合、判定手段225は、ライブ動画提供手段223にライブ動画データMを提供させ、フィードバックコンテンツデータFを破棄する。一方、応援アクションを入力した場合、判定手段225は、ライブ動画提供手段223にライブ動画データMを提供させ、さらに、フィードバックコンテンツ提供手段224にフィードバックコンテンツデータFを提供させる。
ここで、複数の応援アクションが可能な場合、判定手段225は、応援入力手段221によって行われた応援アクションの回数を取得する。また、応援アクションの回数とそれに対応するフィードバックコンテンツの種別とを対応づけたテーブルを参照して、フィードバックコンテンツ提供手段224に、端末識別子と、当該端末に提供するフィードバックコンテンツの種別を対応づけたデータを、入力する。
ライブ動画提供手段223は、配信サーバ1aから配信されたライブ動画データMを再生し、通常ユーザおよび応援ユーザに提供する。
フィードバックコンテンツ提供手段224は、判定手段225による指示に応じて、フィードバックコンテンツデータFを、応援ユーザに提供する。ここで、フィードバックコンテンツ提供手段224は、判定手段225から指定されたコンテンツ種別のコンテンツデータを提供する。
図12を参照して、提供手段222aによる提供処理を説明する。
まずステップS251において、当該端末20aにおいて、応援アクションがあったか否かを判定する。応援アクションがなかったと判定された場合、提供手段222aは、ステップS252においてライブ動画データMを提供する。ステップS253においてライブが終了したと判定すると処理を終了する。
一方、ステップS251において、当該端末20aにおいて、応援アクションがあったと判定された場合、提供手段222aは、ステップS254においてライブ動画データMを提供し、ステップS255においてフィードバックコンテンツデータFを提供する。ステップS256においてライブが終了したと判定すると処理を終了する。
このような第1の実施の形態の変形例によれば、配信サーバ1aは、配信先の端末20aが、通常端末21aであるか応援端末22aであるかを判定することなく、どの端末20aにも、ライブ動画データMおよびフィードバックコンテンツデータFを配信する。これにより、第1の実施の形態の変形例に係る配信サーバ1aは、第1の実施の形態に係る配信サーバ1に比べて、処理負荷が軽減される。
(第2の実施の形態)
図13ないし図18を参照して、第2の実施の形態に係る配信システム10bを説明する。第2の実施の形態に係る配信システム10bは、図1を参照して説明した第1の実施の形態に係る配信システム10と比べて、表示装置7を備えておらず、第1のカメラ5および第2のカメラ6を備える点が異なる。第2の実施の形態においては、応援アクションに対するフィードバックコンテンツが第2のカメラ6により生成されたフィードバック動画データMFである場合を説明する。
第1のカメラ5は、ライブ会場Lに設けられ、ライブを動画で撮影する第1のライブ動画データM1を出力する。
第2のカメラ6は、ライブ会場Lに設けられ、演者Pの特定のシーンを撮影する第2のライブ動画データM2を出力する。
第2の実施の形態において配信サーバ1bは、第1のライブ動画データM1と第2のライブ動画データM2を、各端末20bに提供する。通常端末21bにおいて、第1のライブ動画データM1が提供され、応援端末22bにおいて、第1のライブ動画データM1と第2のライブ動画データM2が提供される。
第1のカメラ5および第2のカメラ6は、それぞれ第1のライブ動画データM1および第2のライブ動画データM2を出力するためのカメラである。第1のカメラ5および第2のカメラ6は、それぞれ、複数のカメラによって構成されても良く、第1のライブ動画データM1は、第1のカメラ5を構成する複数のカメラの切り替えにより構成され、第2のライブ動画データM2は、第2のカメラ6を構成する複数のカメラの切り替えにより構成されても良い。また、第1のカメラ5および第2のカメラ6は、同じアングルを撮影しないように配置されるのが好ましい。
また、演者Pが複数の場合、演者Pのそれぞれまたは複数の演者Pに対して、第2のカメラ6が設けられても良い。
ここで、応援端末22bには、第1のライブ動画データM1と第2のライブ動画データM2を切り替えて生成されたフィードバック動画データMFが提供されても良い。フィードバック動画データMFは、第1のライブ動画データM1と第2のライブ動画データM2を切り替えて生成された動画データである。フィードバック動画データMFは、第2のライブ動画データM2の所定シーンにおいて、切替開始条件を満たすと、第1のライブ動画データM1から第2のライブ動画データM2に切り替えて出力し、切替終了条件を満たすと、第2のライブ動画データM2から第1のライブ動画データM1に切り替えて出力する。このように、フィードバック動画データMFは、第1のライブ動画データM1をベースに、第2のライブ動画データM2において処理条件を満たしたシーンについてのみ、第1のライブ動画データM1を第2のライブ動画データM2に置き換えた動画データである。
この所定のシーンは、演者Pの目線やアップなど、応援ユーザが見たいと思う演者のシーンである。また、第1の実施の形態で説明したように、所定のシーンは、特定の曲の特定のフレーズであっても良い。この特定のフレーズは例えば、ライブ参加者等に演者Pが合いの手を働きかけているシーンである。
特定のシーンが演者Pの目線の場合、切替開始条件は、演者Pの目線の検知で、切替終了条件は、演者Pの目線が外れたことの検知である。ここで、演者Pの目線の検知または演者Pの目線が外れたことの検知は、一般的な目線検知プログラムでなされる。また、切替開始条件または切替終了条件に、演者Pの目線または目線が外れたことが、所定時間継続することを条件に加えても良い。
特定のシーンが演者Pのアップの場合、切替開始条件は、所定のフレームにおいて、所定割合以上で演者Pが撮影されたことの検知で、切替開始条件は、所定のフレームにおいて、所定割合以下で演者Pが撮影されたことの検知である。ここで、演者Pのアップの検知または演者Pのアップが外れたことの検知は、一般的な被写体検知プログラムでなされる。また、切替開始条件または切替終了条件に、演者Pのアップまたはアップが外れたことが、所定時間継続することを条件に加えても良い。
所定のシーンは、特定の曲の特定のフレーズの場合、切替開始条件は、演者Pのパフォーマンスに関する曲の所定のフレーズが出力(開始)されたことの検知で、切替開始条件は、所定のフレーズが終了したことの検知である。
第2の実施の形態において、第1のライブ動画データM1と第2のライブ動画データM2の切替は、所定のプログラムによって行う場合を想定するが、オペレータによって手動で切り替えられても良い。
図14を参照して、第2の実施の形態に係る第1のライブ動画データM1、第2のライブ動画データM2およびフィードバック動画データMFの関係を説明する。図14においては、ライブ会場システム8bが、第2のライブ動画データM2において、目線を検知した際に、第1のライブ動画データM1から第2のライブ動画データM2を切り替えて、フィードバック動画データMFを生成する場合を説明する。
図14に示す例において、第1のライブ動画データM1および第2のライブ動画データM2において、演者Pのカメラ目線シーンが含まれている時間を、それぞれ、☆および★で示している。
第2の実施の形態に係るライブ会場システム8bにおいて、応援端末22に配信されるフィードバック動画データMFが生成される。フィードバック動画データMFは、第1のライブ動画データM1のカメラ目線シーン☆と、第2のライブ動画データM2のカメラ目線シーン★をあわせた動画データであり、第1のライブ動画データM1よりも、より多くのカメラ目線シーンが含まれている。
このようにライブ会場システム8bで生成された第1のライブ動画データM1は、通信ネットワーク9を介して通常端末21bに配信されて、通常端末21bで再生される。ライブ会場システム8bで生成されたフィードバック動画データMFは、通信ネットワーク9を介して応援端末22bに配信されて、応援端末22bで再生される。
ここで、複数の演者Pそれぞれに複数の第2のカメラ6が設けられる場合、複数回応援アクションを行った応援ユーザには、応援回数に応じた演者Pの数に対応する第2のカメラ6から生成された複数の第2のライブ動画データM2から生成されたフィードバック動画データMFが、応援端末22bに提供されても良い。これにより、多くの応援アクションを行った応援ユーザに、より多くの演者Pの特定シーンを含むフィードバック動画データMFが提供される。
図15を参照して、本発明の第2の実施の形態における配信処理を説明する。図15のステップS311ないしステップS313において、応援アクションを入力していない通常端末21bに関する処理を説明し、ステップS321ないしステップS325において、応援アクションを入力した応援端末22bに関する処理を説明する。
ステップS311において配信サーバ1bは、送信先の端末20bで、応援アクションが行われたか否かを判定する。ここでは、応援アクションを入力していない通常端末21bの処理を説明するので、送信先の端末20b(通常端末21b)で応援アクションが入力されていないと判定する。ステップS312において配信サーバ1bは、通常端末21bに向けて第1のライブ動画データM1を逐次配信する。
ステップS313において通常端末21bは、第1のライブ動画データM1を逐次受信して再生することで、通常ユーザに第1のライブ動画データM1を提供する。
端末20b(応援端末22b)において、応援ユーザが応援アクションを入力すると、ステップS321において、その情報が配信サーバ1bに送信される。ステップS322において配信サーバ1bは、応援端末22bにおいて応援アクションが行われたことを、端末属性データ111に記録する。
ステップS323において配信サーバ1bは、送信先の端末20bで、応援アクションが行われたか否かを判定する。ここでは、応援アクションを入力した応援端末22bの処理を説明するので、送信先の端末20b(応援端末22b)で応援アクションが入力されたと判定する。ステップS324において配信サーバ1bは、応援端末22bに向けてフィードバック動画データMFを逐次配信する。
ステップS325において応援端末22bは、フィードバック動画データMFを逐次受信して再生することで、応援ユーザにフィードバック動画データMFを提供する。
(配信サーバ)
図16を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る配信サーバ1bを説明する。第2の実施の形態に係る配信サーバ1bは、図5を参照して説明した第1の実施の形態に係る配信サーバ1と比べて、配信手段122bが、第1のライブ動画配信手段131およびフィードバック動画配信手段133を備える点が異なる。
配信手段122bの判定手段123は、配信先の端末20bが、通常端末21bであるか、応援端末22bであるかを判定し、その判定結果に従って、配信するコンテンツを制御する。判定手段123は、第1のライブ動画配信手段131に、通常端末21bの端末識別子を入力する。判定手段123は、フィードバック動画配信手段133に、応援端末22bの端末識別子を入力する。
ここで、複数回の応援アクションが可能な場合、応援アクションの回数に応じて、配信するフィードバック動画データMFの内容を変更するように制御されても良い。複数回の応援アクションが可能な場合、応援アクションの回数とそれに対応するフィードバック動画データMFの種別とを対応づけたテーブルを参照して、フィードバックコンテンツ配信手段125に、端末識別子と、当該端末に提供するフィードバック動画データMFの種別を対応づけたデータを、入力する。
第1のライブ動画配信手段131は、通常端末21bに、第1のライブ動画データM1を配信する。
フィードバック動画配信手段133は、応援端末22bに、フィードバック動画データMFを配信する。
ここでフィードバック動画配信手段133は、第1のライブ動画データM1と第2のライブ動画データM2を切り替えて出力する。フィードバック動画配信手段133は、第2のライブ動画データM2の所定シーンにおいて、切替開始条件を満たすと、第1のライブ動画データM1から第2のライブ動画データM2に切り替えて出力し、切替終了条件を満たすと、第2のライブ動画データM2から第1のライブ動画データM1に切り替えて出力する。このように、第1のライブ動画データM1と第2のライブ動画データM2を切り替えながらフィードバック動画データMFを生成して、応援端末22bに配信する。
ここで応援回数に応じてフィードバック動画データMFの種類を変更する場合、切替開始条件および切替終了条件を、生成するフィードバック動画データMFの種類数に応じて予め設定することで、複数種類のフィードバック動画データMFが生成可能になる。このとき、応援回数の多い応援ユーザに配信されるフィードバック動画データMFについては、より演者Pの目線やアップが多くなるように、またより多くの特定フレーズが含まれるように生成されることが好ましい。
図17を参照して、フィードバック動画配信手段133によるフィードバック配信処理を説明する。図17に示す右側のフィードバック動画データMFは、フローチャートの各ステップに対応して配信されるライブ動画データを説明する。
まずステップS351において、フィードバック動画配信手段133は、第1のライブ動画データM1をフィードバック動画データMFとして応援端末22bに配信する。
フィードバック動画配信手段133は、第2のライブ動画データM2を監視し、ステップS352において、第2のライブ動画データM2において切替開始条件が満たされたと判断すると、ステップS353に進む。ステップS353においてフィードバック動画配信手段133は、第1のライブ動画データM1から第2のライブ動画データM2に切り替えて、応援端末22bに配信する。
フィードバック動画配信手段133は、第2のライブ動画データM2を監視し、ステップS354において、第2のライブ動画データM2において切替終了条件が満たされたと判断すると、ステップS355に進む。ステップS355においてフィードバック動画配信手段133は、第2のライブ動画データM2から第1のライブ動画データM1に切り替えて、応援端末22bに配信する。
ステップS356において、ライブ終了と判断されるまで、ステップS352ないしステップS355の処理が繰り返される。
(端末)
図18を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る端末20bを説明する。第2の実施の形態に係る端末20bは、図8に示す第1の実施の形態に係る端末20と比べて、提供手段222bが、ライブ動画提供手段223およびフィードバックコンテンツ提供手段224を備えない点が異なる。
提供手段226bは、配信サーバ1bから受信したデータを、提供する。当該端末20bが通常端末21bである場合、提供手段226bは、配信サーバ1bから第1のライブ動画データM1を受信し、受信した第1のライブ動画データM1を再生して提供する。当該端末20bが応援端末22bである場合、提供手段226bは、配信サーバ1bからフィードバック動画データMFを受信し、受信したフィードバック動画データMFを再生して提供する。
このような第2の実施の形態に係る配信システム10bによれば、端末20bにおける応援アクションに対して、演者Pの目線やアップなどの特定のシーンを含むライブ動画が返される。これにより、応援ユーザの応援アクションに対して、演者Pが応援ユーザを見てくれたと感じることができ、ライブ会場Lにいなくとも、ライブ会場と同様に演者Pとの一体感を味わうことが可能になる。
また第2の実施の形態に係る配信システム10bによれば、第1の実施の形態に係る配信システム10と同様に、各端末20bには、自身が閲覧可能なコンテンツのみが配信されるので、ネットワーク負荷を軽減するとともに、通常端末21bにおけるフィードバック動画データMFの悪用を阻止することが可能になる。
(第2の実施の形態の変形例)
図19ないし図23を参照して、第2の実施の形態の変形例を説明する。第2の実施の形態においては、配信サーバ1bが、通常端末21bに第1のライブ動画データM1を配信し、応援端末22bにフィードバック動画データMFを配信する場合を説明した。これに対し第2の実施の形態の変形例においては、配信サーバ1cが、第1のライブ動画データM1およびフィードバック動画データMFを配信し、通常端末21cにおいて、第1のライブ動画データM1のみを通常ユーザに提供し、応援端末22cにおいて、フィードバック動画データMFを応援ユーザに提供する場合を説明する。
図19を参照して、第2の実施の形態の変形例に係る第1のライブ動画データM1、第2のライブ動画データM2およびフィードバック動画データMFの関係を説明する。図19に示す第1のライブ動画データM1、第2のライブ動画データM2およびフィードバック動画データMFは、図14に示したものと同様である。
第2の実施の形態の変形例に係るライブ会場システム8cは、第1のライブ動画データM1および第2のライブ動画データM2を、通常端末21cおよび応援端末22cに配信する。応援端末22cが、第2のライブ動画データM2において目線を検知した際に、第1のライブ動画データM1から第2のライブ動画データM2を切り替えて、フィードバック動画データMFを生成する。
ライブ会場システム8cで生成された第1のライブ動画データM1および第2のライブ動画データM2は、通信ネットワーク9を介して通常端末21cおよび応援端末22cに配信される。通常端末21cにおいて、第1のライブ動画データM1が再生され、第2のライブ動画データM2は破棄される。応援端末22cにおいて、第1のライブ動画データM1および第2のライブ動画データM2が切り替えられたフィードバック動画データMFが再生される。
図20を参照して、本発明の第2の実施の形態の変形例における配信処理を説明する。図20のステップS411ないしステップS414において、応援アクションを入力していない通常端末21cに関する処理を説明し、ステップS421ないしステップS426において、応援アクションを入力した応援端末22cに関する処理を説明する。
ステップS411において配信サーバ1cは、通常端末21cに向けて第1のライブ動画データM1を逐次配信し、ステップS412において、第2のライブ動画データM2を逐次配信する。
ステップS413において端末20cは、自身の端末で、応援アクションがなされたか否かを判定する。ここでは、応援アクションを入力してない通常端末21cの処理を説明するので、自身の端末で、応援アクションが入力されていないと判定する。通常端末21cは、配信サーバ1cから受信した第1のライブ動画データM1を通常ユーザに提供する。一方、配信サーバ1cから受信した第2のライブ動画データM2は、通常端末21cにおいて再生されず、破棄される。
端末20c(応援端末22c)において、応援ユーザが応援アクションを入力すると、ステップS421において、その情報が配信サーバ1cに送信される。ステップS422において配信サーバ1cは、応援端末22cにおいて応援アクションが行われたことを、端末属性データ111に記録する。
ステップS423において配信サーバ1cは、応援端末22cに向けて第1のライブ動画データM1を逐次配信し、ステップS424において、第2のライブ動画データM2を逐次配信する。
ステップS425において端末20cは、自身の端末で、応援アクションがなされたか否かを判定する。ここでは、応援アクションを入力した応援端末22cの処理を説明するので、自身の端末で、応援アクションが入力されたと判定する。応援端末22cは、配信サーバ1cから受信した第1のライブ動画データM1および第2のライブ動画データM2を切り替えたフィードバック動画データMFを、応援ユーザに提供する。
(配信サーバ)
図21を参照して、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る配信サーバ1cを説明する。第2の実施の形態の変形例に係る配信サーバ1cは、図16に示す第2の実施の形態に係る配信サーバ1bと比べて、変形例に係る配信手段122cが、判定手段123およびフィードバック動画配信手段133を備えておらず、第2のライブ動画配信手段132を備えている点が異なる。
換言すると、変形例に係る配信サーバ1cにおいて、第1のライブ動画配信手段131および第2のライブ動画配信手段132は、通常端末21cおよび応援端末22cの両端末20cに対して、それぞれ第1のライブ動画データM1および第2のライブ動画データM2を配信する。
(端末)
図22を参照して、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る端末20cを説明する。第2の実施の形態の変形例に係る端末20cは、図18に示す第2の実施の形態に係る端末20bと比べて、提供手段222cが、判定手段225、第1のライブ動画提供手段231およびフィードバック動画提供手段232を備える点が異なる。
提供手段222cは、配信サーバ1cから、第1のライブ動画データM1と第2のライブ動画データM2を受信し、応援入力手段221によって応援アクションの指示が入力されていない場合、第1のライブ動画データM1を提供し、応援入力手段221によって応援アクションの指示が入力された場合、第1のライブ動画データM1と第2のライブ動画データM2を切り替えて生成されたフィードバック動画データMFを提供する提供手段222cは、判定手段225、第1のライブ動画提供手段231およびフィードバック動画提供手段232を備える。
判定手段225は、自身の端末20cが、応援入力手段221によって応援アクションを入力したか否かを判定する。応援アクションを入力していない場合、判定手段225は、第1のライブ動画提供手段231に第1のライブ動画データM1を提供させ、第2のライブ動画データM2を破棄する。一方、応援アクションを入力した場合、判定手段225は、提供手段222cに第1のライブ動画データM1と第2のライブ動画データM2を切り替えたフィードバック動画データMFを提供させる。
ここで、複数の応援アクションが可能な場合、判定手段225は、応援入力手段221によって行われた応援アクションの回数を取得する。また、応援アクションの回数とそれに対応するフィードバック動画の種別とを対応づけたテーブルを参照して、フィードバック動画提供手段232に、端末識別子と、当該端末に提供するフィードバック動画の種別を対応づけたデータを、入力する。
第1のライブ動画提供手段231は、配信サーバ1cから配信された第1のライブ動画データM1を再生し、通常ユーザに提供する。
フィードバック動画配信手段133は、判定手段123による指示に応じて、第1のライブ動画データM1および第2のライブ動画データM2を切り替えて、フィードバック動画データMFを、応援ユーザに提供する。ここで、フィードバック動画配信手段133は、判定手段225から指定された動画種別の動画データを提供する。
図23を参照して、提供手段222cによる提供処理を説明する。
まずステップS451において、当該端末20cにおいて、応援アクションがあったか否かを判定する。応援アクションがなかったと判定された場合、提供手段222cは、ステップS452において第1のライブ動画データM1を提供する。ステップS453においてライブが終了したと判定すると処理を終了する。
一方、ステップS451において、当該端末20cにおいて、応援アクションがあったと判定された場合、提供手段222cは、ステップS454において第1のライブ動画データM1を提供する。ここで、図17のステップS352ないしステップS355を参照して説明した処理と同様に、ステップS455ないしステップS458において、第1のライブ動画データM1と第2のライブ動画データM2を切り替える。ステップS459においてライブが終了したと判定すると処理を終了する。
このような第2の実施の形態の変形例によれば、配信サーバ1cは、配信先の端末が、通常端末21cであるか応援端末22cであるかを判定することなく、どの端末20cにも、第1のライブ動画データM1および第2のライブ動画データM2を配信する。これにより、第2の実施の形態の変形例に係る配信サーバ1cは、第2の実施の形態に係る配信サーバ1bに比べて、処理負荷が軽減される。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態および第2の実施の形態においては、ライブ会場Lにおける演者Pによるライブパフォーマンスを配信サーバ1がカメラ5から取得してストリーミングで配信する場合を説明したが、本発明の実施の形態に係る配信システムは、そのほかのライブ配信にも適用することができる。
例えば図24に示す配信システム10dは、個人宅等に設けられたライブ演者端末23に取り込まれた動画データを、配信サーバ1dを介して、他の端末20dに配信する場合にも適用することができる。換言すると、ライブ演者端末23に取り込まれる動画データの撮影領域が、ライブ会場Ldとなる。またライブ会場システム8dは、ライブ会場Ldとライブ演者端末23とを含む。
図25を参照して、ライブ演者端末23の表示装置270の一例を説明する。ライブ演者端末23の表示装置270には、カメラCが設けられており、表示装置270の前の演者Pを撮影する。カメラCは、ライブ演者端末23に接続し、カメラCが撮影した動画データは、ライブ演者端末23に取り込まれる。
ライブ演者端末23に取り込まれた動画データは、表示装置270のスクリーンFaの配信動画プレビュー画面Fa1で再生されるとともに、通信ネットワーク9を介して配信サーバ1dに送信される。
配信サーバ1dは、第1および第2の実施の形態で説明したように、通常端末21dおよび応援端末22dに、動画データおよびフィードバックコンテンツデータも配信する。ここでフィードバックコンテンツデータFは、画像の撮影や画像またはコメントのアップロードなどのライブ中に演者Pの操作により提供されても良いし、予め配信サーバ1dに登録されたコンテンツが提供されても良い。
また、ライブ演者端末23の表示装置270には、他の実施の形態と同様に、演者Pに応援ユーザを提示する応援者一覧表示ウィンドウFa2が設けられる。第3の実施の形態においても、演者Pは、応援ユーザの一覧を参照しながら、応援に対するフィードバックとして、フィードバックコンテンツデータFを、配信サーバ1dに配信させることが可能になる。
(第3の実施の形態の変形例)
第3の実施の形態の変形例においては、第2の実施の形態で説明したように、ライブ会場システム8dから、第1のライブ動画データM1および第2のライブ動画データM2を配信する場合を説明する。
図26を参照して、ライブ演者端末23bの表示装置270bの一例を説明する。
図26に示す表示装置270bのスクリーンFbは、図25に示す表示装置270のスクリーンFaと同様であるが、表示装置270aに、第1のカメラC1および第2のカメラC2の複数のカメラが設けられている点が異なる。
第1のカメラC1および第2のカメラC2は、ライブ演者端末23bに接続し、第1のカメラC1および第2のカメラC2が撮影した各動画データは、ライブ演者端末23bに取り込まれる。
ライブ演者端末23bに取り込まれた各動画データは、表示装置270bのスクリーンFbの配信動画プレビュー画面Fb1で再生されるとともに、通信ネットワーク9を介して配信サーバ1dに送信される。
第1のカメラC1および第2のカメラC2は、同じアングルを撮影しないように配置されるのが好ましい。演者Pは、例えば通常は第1のカメラC1に向かってパフォーマンスを行い、フィードバックコンテンツを配信するタイミングで、第2のカメラC2に向かってパフォーマンスを行う。
このような第3の実施の形態の変形例においても、通常端末21dには、第1のカメラC1で撮影された動画データが配信され、応援端末22dには、第1のカメラC1で撮影された動画データと第2のカメラC2で撮影された動画データとが切り替えられた動画データが配信される。
ここで、第1のカメラC1で撮影された動画データと第2のカメラC2で撮影された動画データの切替は、どの装置で行われても良い。例えば、ライブ演者端末23bにおいて切り替えられても良いし、配信サーバ1dにおいて切り替えられても良いし、応援端末22dにおいて切り替えられても良い。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の第1ないし第3の実施の形態とその変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
例えば、本発明の実施の形態に記載した配信サーバは、図5に示すように一つのハードウエア上に構成されても良いし、その機能や処理数に応じて複数のハードウエア上に構成されても良い。また、既存の配信システム上に実現されても良い。
また本発明の実施の形態において、応援端末22および通常端末21は、ライブ会場L外のユーザを想定しているが、ライブ会場L内でライブに参加しているユーザが、ユーザ自身の端末を使って、応援アクションをしてフィードバックコンテンツを受信することも可能である。
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。