以下、本発明の一形態に係る映像配信システムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係る映像配信システムの全体構成を説明する。映像配信システム1は、イベント施設EFで開催されるイベントの状況を示す映像(画像)をユーザ端末装置4のユーザに配信するためのシステムである。具体的には、映像配信システム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワークNTを介して接続される演出機器EAと、を含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
ネットワークNTは、センターサーバ2に対して演出機器EAを接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、センターサーバ2及び演出機器EAのそれぞれをインターネットに接続するLANとによって構築される。なお、演出機器EAとLANとの間には、各種のコンピュータ装置が適宜に介在してもよい。この場合、このようなコンピュータ装置、及び演出機器EAは一つのローカルシステムとして構築され、このようなローカルシステムがネットワークNTを介してセンターサーバ2に接続されてもよい。
演出機器EAは、各種の演出を実現するための装置である。演出機器EAは、このような演出を実現できる限り、適宜に構成されてよいが、一例としてネットワークNTに接続可能なネットワーク機器(いわゆるIOT機器)として構成される。演出機器EAは、各種の演出を実現する出力装置であっても、そのような演出に利用される入力装置であってもよく、各種の装置を適宜に含みえるが、図1の例では演出機器EAの一例としてスピーカSP、及びカメラCAが示されている。スピーカSPは、各種の音声を再生(出力)することにより聴覚的な演出を実行する周知の音声出力装置である。カメラCAは映像を撮影する周知の装置である。これらのような演出機器EAは、各種の施設等に適宜に設置されてよいが、図1の例では、イベント施設(会場)EFに設置されている。イベント施設EFは、各種のイベントが開催される施設である。
映像配信システム1には、ネットワークNTを介してユーザ端末装置4が接続される場合がある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。例えば、ユーザ端末装置4は、所定のアプリケーション(ソフトウエア)の実行に伴い各種の動画を表示可能な表示用端末として機能する。ユーザ端末装置4として適宜のコンピュータ装置が利用されてよいが、図1の例では携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4A、携帯型タブレット端末装置4B、及びブック型(据置型でもよい)のパーソナルコンピュータ4Cといったユーザ端末装置が示されている。これらは、例えばアクセスポイントAP等を通じて適宜にネットワークNTに接続される。なお、その他にも、例えば据置型の家庭用ゲーム機、或いは携帯型ゲーム機といったネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置が適宜にユーザ端末装置4として利用されてよい。
センターサーバ2は、演出機器EAに対して各種の機器用サービスを提供する。演出機器EAは、例えばローカルシステムを介してイベント施設EFにおけるイベントの運営者によって制御されてもよいし、ローカルシステムを介して間接的に、或いは直接的にセンターサーバ2によって制御されてもよい。換言すれば、演出機器EAはローカルシステム(例えばスピーカSPを制御するスピーカ制御装置等の適宜のコンピュータ装置を含むシステム)に接続され、そのローカルシステムによって制御されてもよい。この場合、センターサーバ2は、そのようなローカルシステムに演出機器EA(ローカルシステム及び演出機器EAのいずれもイベント施設EFの運営者が用意してよく、その運営者は映像配信システム1の運営者と相違していてもよい)を制御する(演出機器EAに適宜の演出を実現させる)ための制御信号(ローカルシステムが演出機器EAに演出を実行させることができる適宜の信号であってよく、例えばローカルシステムに演出機器EAによって実現される演出の種類及びそれを実現する具体的な制御が記録される場合、それらのいずれかの種類の実行を示す信号であってもよい)を出力する。そして、実際の演出機器EAの制御は、その制御指示を受けたローカルシステム(結果的に中継装置的な役割を持つ)を介して間接的に実行されてよい。このように演出機器EAは適宜に制御されてよいが、例えば間接的、或いは直接的にセンターサーバ2によって制御される場合、機器用サービスは演出機器EAを制御するサービスを含んでいる。具体的には、このような演出機器EAを制御するサービスとして、機器用サービスは、例えばカメラCAの撮影結果が映像配信システムで利用される場合において、カメラCAの撮影条件(撮影方向、撮影範囲、画角、或いは撮影時期等)を制御するカメラ制御サービス、及び撮影結果を取得し、動画データとして記録する映像記録サービスを含んでいる。同様に、機器用サービスは、例えばスピーカSPに各種の演出用の音声を再生(出力)させる演出サービスを含んでいる。演出サービスの詳細は後述する。
同様に、センターサーバ2は、ネットワークNTを介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供する。例えば、Webサービスは、映像配信サービス、映像関連サービス、及び課金サービスを含んでいる。映像配信サービスは、イベント状況の映像をユーザ端末装置4に配信するサービスである。このような映像には、各種の映像が適宜に含まれていてよいが、一例としてカメラCAが撮影した撮影結果(適宜に編集された映像を含む)に対応する映像(動画)が含まれる。映像配信サービスは、イベント状況の映像を表示するための動画データを適宜にユーザ端末装置4に配信するように構成されてよいが、一例としてパケット通信を利用して随時配信するように構成される。また、このようなイベント状況の映像は、過去のイベントの状況を記録した記録映像であってもよいが、例えば現在のプレイ状況をライブ(ほぼリアルタイム)で配信するライブ映像として配信される。つまり、映像配信サービスを通じてイベント施設EFにおけるイベントの状況がユーザ端末装置4にほぼリアルタイムに随時ストリーミング配信される。
映像関連サービスは、映像配信サービスを通じて配信されるイベント状況の映像に関連するサービスである。映像関連サービスは、イベント状況の映像に関連する各種のサービスを適宜に含んでいてよいが、一例としてイベント応援サービスを含んでいる。イベント応援サービスは、映像配信サービスを介してイベントの状況(ライブ映像)を視聴するユーザ端末装置4のユーザ(以下、視聴者と呼ぶ場合がある)がイベントを応援するためのサービスである。このような応援は適宜に実現されてよいが、一例としてイベントの状況に関する感情(感想)をライブ映像(イベントの状況)の視聴者に表現させることにより実現される。また、このような表現は、適宜に実現されてよいが、一例として投げ銭、アイテムの購入、或いはコメントの投稿の少なくともいずれか一つによって実現される。結果として、イベント応援サービスは、これらの投げ銭、アイテムの購入、或いはコメントの投稿の少なくともいずれか一つを実現するサービスとして機能する。
コメントの投稿は、各視聴者が自己のコメントを投稿する機能である。コメントの投稿は、適宜に実現されてよく、イベントの状況を示す映像を表示するためにユーザ端末装置4に表示される画面(以下、映像画面と呼ぶ場合がある)とは別の画面を通じて実現されてもよいが、一例として映像画面を通じて実現される。また、コメントの投稿はコメントの表示という効果を生じさせる。その表示(そのコメント)は映像画面とは別の画面を通じて適宜に他の視聴者と共有されてもよいが、一例として映像画面を通じて他の視聴者と共有される。つまり、コメントの投稿は、映像画面に各視聴者のコメント(各種の感情を表現する文字情報)を表示する機能を持つ。このコメントの投稿は、有償(対価の徴収と引き換え)であっても無償(対価の徴収なし)であってもよい。
一方、投げ銭は、視聴者からイベントの出演者(選手、或いは演者等)への価値の供与を実現する機能である。このような価値として、各種の仮想通貨(ゲーム内通貨、地域通貨といった範囲の限定された適宜の通貨を含む)が利用されてよいが、多くの場合において金銭が利用される。アイテムの購入は、イベントに関連するアイテムを購入する(所定の対価と引き換えに提供する)機能である。このようなアイテムとして各種のアイテムが適宜に利用されてよいが、イベントの出演者に関連するアイテムが利用される場合が多く、このような場合、アイテムの購入は投げ銭と同様の役割を持つ。投げ銭、及びアイテムの購入のいずれも、コメントの投稿と同様に映像画面とは別の画面を通じて実現されてよく、適宜に実現されてよいが、一例として映像画面を通じて実現される。また、これらの投げ銭、及びアイテムの購入のいずれも、投げ銭(あるいは購入)額の集計、或いは投げ銭(あるいは購入)の発生を示す表示等の各種の効果を適宜に生じさせる。そのような効果は他の視聴者と共有されなくてもよく、適宜に生じてよいが、一例としてコメントと同様に映像画面を通じて共有される。つまり、投げ銭、アイテムの購入、或いはコメントの投稿に伴い、適宜の効果(以下、応援効果と呼ぶ場合がある)が生じるが、その応援効果は映像画面に付加され、他の視聴者と共有される。結果として、応援サービスは、このような応援効果を映像画面に付加する機能も有している。この場合において、投げ銭行為、アイテムを購入する行為、或いはコメントを投稿する行為が本発明の応援行為として機能する。
応援効果は、投げ銭等の内容にかかわらず一律に同じ効果であってもよいが、一例として投げ銭等の内容に応じて相違(変化)する。具体的には、応援効果は、投げ銭の額(一人の視聴者のものであっても、他の視聴者を含む合計額であってもよい。また、一回の額であっても所定期間における累積額であってもよい。)に応じて豪華であったり質素であったりするように変化する。同様に、応援効果は、アイテムの購入額、或いは種類に応じて変化する。また、コメントの投稿においても、所定のキーワードを含む等のコメントの内容、文字数、或いは所定期間における他の視聴者を含むコメントの数(換言すればコメントを投稿した視聴者の数)等に応じて応援効果が変化する。
課金サービスは、周知の決済処理を通じてユーザ端末装置4の各ユーザから各種の料金(対価)を徴収するためのサービスである。このような料金には、映像配信サービス、或いは映像関連サービスといったWebサービスの内容に応じた各種の対価が含まれるが、一例としてイベント応援サービスにおける投げ銭、或いはアイテムの購入に伴う対価(コメントの投稿が有償の場合はコメントの投稿に伴う対価を含む)が含まれる。つまり、課金サービスを通じて、イベント応援サービスにおいて要求される対価(料金)が徴収される。なお、Webサービスは、例えばその他にも、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)するデータ配信サービス、各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するID付与サービス、或いはユーザ端末装置4からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証する認証サービス等を含んでいてもよい。
次に、イベントに応じた映像配信システム1の構成の相違について説明する。イベント施設EFでは演出機器EAによる演出を伴う各種のイベントが適宜に開催されてよいが、イベントの種類に応じて演出機器EAの構成に相違が生じ、結果的に映像配信システム1の構成も相違する場合がある。以下では、イベント施設EFで開催されるイベントの類型として二つのイベントを例に、それらのイベントにそれぞれ対応する二つの形態に係る映像配信システム1の構成を形態毎に説明する。なお、上述の映像配信システム1と共通の構成には、以降の図面において同一の符号を付して説明を省略する。
(第1の形態)
図2~図8を参照して、第1の形態に係る映像配信システム1Aについて説明する。図2は、第1の形態に係る映像配信システム1Aの概略構成を示す図である。第1の形態に係る映像配信システム1Aは、イベントの類型としてスポーツに関するイベントがイベント施設EFにおいて開催される場合の映像配信システム1の構成の一例に相当する。このようなイベントとして各種のスポーツに関連する適宜のイベントが開催されてよいが、図2の例は、イベント施設EFにおいて野球(各選手が現実のボール等を利用してプレイするスポーツ)のイベント(以下、野球イベントと呼ぶ場合がある)が開催される場合の映像配信システム1Aの構成を示している。この場合、図2に示すように、イベント施設EFとして野球のスタジアムが利用され、このようなスタジアムに演出機器EAは設置される。また、演出機器EAは野球イベントを演出する(盛り上げる)各種の装置を適宜の数だけ含みえるが、図2の例では複数のスピーカSP及び一台のカメラCAが示されている。
次に、図3を参照して第1の形態に係る映像配信システム1Aの制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。また、制御ユニット21には、各種の演出機器EAが接続され得るが、図3の例ではカメラCA及びスピーカSPが示されている。なお、制御ユニット21には、例えばその他にもキーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット内に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、サーバプログラムPG1が記録される。また、記憶部22には、各種のサービスの提供に必要なサーバデータ23が記憶される。サーバデータ23は、機器用サービス、或いはWebサービスの提供に必要な各種のデータを含んでいるが、図3の例ではそのような各種のデータの一種として、映像データVD、機器データDD、及び演出データEDが示されている。
映像データVDは、イベント状況の映像をユーザ端末装置4に表示させるための周知の動画データである。イベント状況の映像には、例えば適宜の数のカメラCAの撮影結果の映像、及び後述のゲームイベント(ゲーム機を利用したイベント)の場合には適宜の数のゲーム機が表示するゲーム画面の映像(これらの適宜の組み合わせ等、適宜に加工等された映像を含む)が含まれる。このため、映像データVDは、これらの各種の映像を表示する動画データとして構成されてよいが、図3の例ではカメラCAが撮影したイベントの映像(適宜に加工された映像を含む。以下、撮影映像と呼ぶ場合がある。)を表示するための動画データとして構成される。機器データDDは、イベント施設EFに設置された演出機器EAを管理するためのデータである。また、演出データEDは、演出機器EAを通じた演出を実現するためのデータである。機器データDD、及び演出データEDの詳細は後述する。なお、サーバデータ23は、例えばその他にも各種のサービスを実現するための各種のデータを含んでよい。例えば、そのようなデータには、ユーザID等の各種IDを管理するためのID管理データ等が含まれてよい。しかし、それらの図示は省略した。
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのサーバプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、機器用サービス管理部26、及びWebサービス管理部27が設けられる。機器用サービス管理部26は、演出機器EAに対して上述の機器用サービスを実現するための各種処理を実行する。具体的には、機器用サービス管理部26は、例えば上述の演出サービスを実現するための処理の一種として、演出制御処理及び事後演出処理を実行する。演出制御処理及び事後演出処理の手順の詳細は後述する。
一方、Webサービス管理部27は、ユーザ端末装置4に対して上述の映像配信サービス、映像関連サービス、或いは課金サービスといったWebサービスを実現するための各種の処理を実行する。例えば、Webサービス管理部27は、映像配信サービスを実現するための処理として、ゲーム映像のストリーミング配信を実現する周知の処理を実行する。また、Webサービス管理部27は、課金サービスを実現するための処理として、周知の課金処理(他の課金システムとの連携を含む)を実行する。同様に、Webサービス管理部27は、映像関連サービスを実現するための処理として、提供されるサービスの内容に応じた適宜の処理を実行するが、その処理には応援サービスを実現するための処理が含まれる。具体的には、Webサービス管理部27は、このような応援サービスを実現するための処理として、例えば投げ銭、アイテムの購入、或いはコメントの投稿等を実現するための処理を実現する。このような処理は周知な処理であってもよく、適宜に実現されてよい。
ユーザ端末装置4には、コンピュータとしての制御ユニット41と、記憶手段としての記憶部42とが設けられる。制御ユニット41は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
記憶部42は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部42には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット41に実行させるコンピュータプログラムの一例として、端末プログラムPG2が記録される。また、記憶部42には、撮影映像の表示等のWebサービスの享受に必要な端末データTDが記録される。端末データTDには各種のデータが含まれるが、図3の例ではその一種として映像データVDが示されている。映像データVDは、映像配信サービス(あるいはデータ配信サービス)、若しくは映像関連サービスの一部として必要な部分を含むようにセンターサーバ2から提供される。なお、端末データTDには、例えばその他にもセンターサーバ2から適宜に提供されるID管理データ等が含まれ得る。同様に、端末データTDには、例えば撮影映像の配信に関連する各種の画像を表示するための画像データ、或いはBGM等の各種音声を再生するための音声データ等が含まれ得る。しかし、これらの図示は省略した。
制御ユニット41には、制御ユニット41のハードウエア資源とソフトウエア資源としての端末プログラムPG2との組合せによって各種の論理的装置が構成される。そして、それらの論理的装置を通じてWebサービスの享受に必要な各種の処理が実行されるが、これらに関連する論理的装置として、図3の例では映像制御部43、及びデータ管理部44が示されている。映像制御部43は、各種の画像(動画を含む)を表示するための各種の処理を行う論理的装置である。そのような処理には、撮影映像(動画)を表示するための処理(映像配信サービスを享受するための処理)、映像関連サービスの享受のために撮影映像に関連する各種の画像を表示するための処理、及びこれらに関連する課金サービスを享受するための処理が含まれる。例えば、映像制御部43は、映像関連サービスに含まれる応援サービスを実現するための処理として、センターサーバ2のWebサービス管理部27と協働して、或いは単独で、投げ銭、アイテムの購入、及びコメントの投稿を実現する処理を実行する。一方、データ管理部44は、記憶部42に記録される端末データTDの管理に関する各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、映像データVDをセンターサーバ2から取得する処理が含まれる。また、映像データVD等の各種データを更新する処理、或いは更新後のデータをセンターサーバ2に提供(送信)する処理が必要に応じて含まれていてもよい。
ユーザ端末装置4には、モバイル端末装置4A等のユーザ端末装置等の種類に応じて適宜に各種の出力装置、及び入力装置が設けられてよいが、図3の例ではそのような出力装置としてモニタ46、及びスピーカ47が、タッチパネルTPが、それぞれ示されている。モニタ46、及びスピーカ47は、それぞれゲーム映像等の各種の画像を表示するための周知の表示装置、及び音声を再生するための周知の音声再生装置である。モニタ46には、例えば上述の映像画面等、Webサービスを含むユーザ端末装置4が提供するサービスに関連する各種の画面(画像)が表示される。タッチパネルTPは、ユーザのタッチ操作の位置を検出し、その位置に応じた信号を出力する周知の入力装置(検出装置)である。このようなタッチパネルTPへのタッチ操作を通じて、映像配信サービス、映像関連サービス、或いは課金サービスを利用するための適宜のタッチ操作(サービス用の行為)が入力される。タッチパネルTPは、モニタ46の表示面の全域に対してこのようなタッチ操作を検出できるように、モニタ46の上にモニタ46を覆うように配置される。
次に、図4を参照して、演出サービスの詳細について説明する。演出機器EAの演出は応援サービスと独立して提供されてもよいが、一例として応援サービスと連動するように提供される。図4の例は、このような場合の演出サービスの流れの一例を示している。また、図4の例は、このような応援サービスの一例として、コメントを投稿するサービスが提供される場合を示している。つまり、図4の例は、コメントの投稿(応援サービス)と連動して演出機器EAが演出される場合の演出サービスの流れの一例を示している。この場合、図4に示すように、応援サービスはF1~F4までの四つの手順を含み、演出サービスはF5及びF6の二つの手順を含んでいる。結果として、これらのF1~F6までの六つの手順を経て演出サービス、つまりスタジアムにおける野球イベントのための演出機器EAによる演出が実現される。
具体的には、まずカメラCAの撮影結果がセンターサーバ2に送信される(F1)。カメラCAから撮影結果が送信されると、センターサーバ2はその撮影結果に基づく撮影映像をユーザ端末装置4に配信する(F2)。ユーザ端末装置4は、その撮影映像を適宜にユーザに提供してよいが、一例として映像画面50を通じて提供する。このため、映像画面50には、カメラCAが撮影した各種の対象が撮影映像として適宜に表示されるが、図4の例ではスタジアム(イベント施設)EFに対応するスタジアム画像EFIが表示されている。また、コメントの投稿が応援サービスとして提供される場合、映像画面50は投稿ボタン51を含んでいる。投稿ボタン51は、コメントを投稿する場合にタッチ操作がされるべき位置(領域)として機能する。投稿ボタン51にタッチ操作が実行されると、映像画面50はコメント入力モード(不図示)に変化する。コメント入力モードは、コメントの入力方法等に応じて適宜に提供されてよい。コメントの入力方法として予め用意された複数の候補から選択する方法等の適宜の方法が採用されてよいが、例えばユーザが任意の文字を入力可能な自由入力が採用される場合、そのような文字を入力するための周知のキーボード画像が表示され、そのようなキーボード画像を含むコメント入力モードに映像画面50は変化する。この例において、投稿ボタン51へのタッチ操作、或いはコメント入力モードにおけるキーボード画像等へのタッチ操作が本発明の投稿操作として機能する。
コメント入力モードにおいてコメントが入力(投稿)されると、ユーザ端末装置4はその入力結果(コメント)をセンターサーバ2に送信する(F3)。そして、センターサーバ2は、その受信したコメント(入力結果)を、そのコメントが映像画面50に表示されるように同じ撮影映像を視聴する全視聴者(そのコメントを投稿したユーザ、及びその他のユーザ)のユーザ端末装置4に配信する(F4)。コメントの表示は、適宜に実現されてよく、各ユーザ端末装置4側で実現されても、センターサーバ2側で実現されてもよい。つまり、コメント付きの映像画面50をセンターサーバ2が配信しても、コメントの情報を受け取った各ユーザ端末装置4が映像画面50にコメントを付加してもよい。いずれにしてもコメントの投稿に伴い、その投稿は映像画面50に反映される。また、そのコメントの反映先も、そのコメントを投稿した視聴者(以下、投稿者と呼ぶ場合がある)の映像画面50だけ、或いはその反対に投稿者以外の他の視聴者の映像画面50だけ等、同じ撮影映像を視聴する全視聴者の適宜の一部の視聴者の映像画面50に限定されてもよいが、一例としてそのような限定なく、全視聴者の映像画面50にコメントが反映される。つまり、一人の視聴者のコメントの投稿(応援)が、そのコメントの表示(応援効果)として投稿者の映像画面50だけでなく、その他の視聴者の映像画面50にも反映される。
一例として、このような手順で応援サービスは提供されるが、コメントの投稿は映像画面50の撮影映像に付加されるように表示されるため、映像配信サービスと応援サービス(コメントの投稿)とは並行的に提供され、F1及びF2は映像配信サービスのための手順として機能する。この場合、映像配信サービスは応援サービスの一部として機能しても、それとは反対に映像配信サービスの一部として応援サービスが機能してもよい。あるいは、映像配信サービス及び応援サービスは、互いに独立したサービスとして把握されてもよい。
一方、ユーザ端末装置4からコメントの投稿を受信した場合、センターサーバ2はそのコメントの投稿をスタジアムEFにおける演出機器EAを通じた演出に変換する(F5)。この変換は各種の手法により実現されてよいが、一例として演出データEDを通じて実現される。演出データEDの詳細は後述するが、一例として演出データEDはコメントの投稿等の応援行為とその行為に対応して演出機器EAを通じて実現されるべき演出(以下、イベント演出と呼ぶ場合がある)とを関連づけるように構成される。このようなイベント演出は、応援行為の内容(数等の程度を含む)に応じて変化するように設定されてもよい。具体的には、例えば応援行為としてコメントの投稿が実行される場合、例えばコメント(文字数、或いは所定のキーワード等)に応じてイベント演出が変化するように、コメントとイベント演出とが関連付けられてもよい。同様に、所定期間において投稿されたコメント(換言すれば視聴者)の数が集計される場合、その数に応じてイベント演出が変化するようにコメントとイベント演出とが関連付けられてもよい。このようにイベント演出は適宜に設定されてよいが、一例としてコメントの内容にかかわらず一律に同じ演出(ただし、時間や状況に応じて複数の演出が用意されていてよい)が設定される。つまり、コメントの内容にかかわらず、コメントの投稿に伴い、一律にそのコメントが所定のイベント演出に変換される。
イベント演出として、各種の演出が適宜に用意されてよく、イベントの内容にかかわらず同じ演出が用意されてもよいが、一例としてイベントの内容に応じた演出が用意される。具体的には、イベント演出として、サッカーのイベントであればサッカーの応援が類型化された演出、相撲のイベントであれば相撲の応援が類型化された演出といった各イベントにおいて実行される各種の応援が適宜に類型化された演出が利用される。このため、図4の例では野球において実行される場合の多い応援を類型化した演出がイベント演出として用意される。例えば、野球イベントでは「わぁ-」や「おぉ-」といった観客の歓声が応援として生じる場合が多い。このため、これらの歓声がイベント演出として適宜に用意されてよいが、図4の例では「わぁ-」の歓声を模した音声演出がイベント演出として用意される。結果として、一つのコメントの投稿は「わぁ-」の歓声を模した音声演出に変換される。
また、センターサーバ2は、コメントをイベント演出(音声演出)に変換した後に、そのイベント演出が実際にイベント施設EFにおいて演出機器EAを通じて実現されるように、演出機器EAを制御する(F6)。このイベント演出を実行する演出機器EAは、コメント(応援)の内容或いは野球(ゲーム)の状況にかかわらず変化しなくてもよい(一律に同じであってもよい)が、一例としてコメント(応援行為)の内容に応じて変化する。このような変化は、「わぁ-」の歓声が「頑張れ!」に変わる等、イベント演出の内容に生じてもよいが、図4の例ではイベント演出を実行すべき演出機器EA、つまりイベント施設EFの全スピーカSPか、一部のスピーカSPかといった演出(制御)対象のスピーカSPの相違により実現されている。具体的には、イベント施設EFの全スピーカSPではなく、図4の例では三塁側に設置されるスピーカSPだけが「わぁ-」の歓声を模した音声演出を実現するように制御されている。つまり、コメントの内容等に応じて一部のスピーカSPのみがイベント演出を実現している。
演出対象のスピーカSPは適宜に決定されてよいが、一例としてコメントの内容がビジターチーム(一般的に三塁側のチーム)を応援する内容の場合、或いはビジターチームの攻撃時(一般的に先攻)にコメントが投稿された場合(攻撃時は適宜に特定されてよく、例えばイベントの運営者等によって攻撃側の情報が適宜に入力され、その情報に基づいて特定されてもよい)等、三塁側の演出を強化すべき状況において三塁側に設置される演出機器EAが演出を実行する対象として制御される。ホームチーム(一般的に一塁側のチーム)の攻撃時にコメントが投稿された場合等、一塁側の演出を強化すべき状況においても同様である。一方で、例えばホームランに対するコメントが投稿された場合等、イベント施設EFの全体を盛り上げるべき状況においてはイベント施設EFに設置された全スピーカSPがイベント演出の付加に使用される。このようにイベント施設EFに複数のスピーカSPが設置されている(異なる位置であることが一般的)場合、それらのスピーカSP(演出機器EA)は、その全部、或いは一部等の適宜の単位でイベント演出の付加に使用される。
コメントの投稿(応援行為)に対応するイベント演出は、所定期間における集計後にまとめて付加されてもよいが、一例としてコメントの投稿毎に付加される。また、このような演出は制限なく付加されてもよいが、一例として適宜の制限付きで付加される。具体的には、例えば、ホームランやヒット等が生じた瞬間(予め設定される所定時間)といった野球イベントが実際に盛り上がる時間(野球イベントを盛り上げるべき時間でもよい。また、それらの時間に該当するか否かは適宜に判別されてよいが、一例としてイベントの運営者によって現在がその時間に該当するか否か判別する情報が提供される。)と演出の付加時期とが重なった場合にその演出の付加時期がずらされる。つまり、野球イベントが実際に盛り上がる時間(以下、制限時間と呼ぶ場合がある)においてイベント演出の付加が制限される。
制限時間(野球イベントが実際に盛り上がる時間だけでなく、演出の付加が避けられるべき適宜の時間であってよい)におけるコメントの投稿に対応するイベント演出は、制限時間の経過後に適宜に付加されてよい。例えば、制限時間の経過後に、その時間の投稿数に対応する同数の音声演出が付加されてもよいが、一例としてそれらの投稿に対応する音声演出は一つに集約される。このため、制限時間における投稿数が集計され、その集計数に応じて相違する一つの音声演出が付加される。集計数(コメントの投稿数)に応じた音声演出の相違(変化)は適宜に生じてよいが、一例として制限時間における投稿数(集計数)が多ければ多いほど、より賑やかとなるように音声演出(歓声を模した音声)は変化する。このような演出は、適宜の一部のスピーカSPによって実行されてもよいが、一例としてイベント施設EFの全スピーカSPを通じて実行される。一例として、このような手順を通じて、コメントの投稿(応援サービス)に連動してスタジアムEFにおけるスピーカSP(演出機器EA)の演出(演出サービス)が実現される。この例において、制限時間が本発明の所定時間として機能する。
なお、制限時間が設定される場合、その数は適宜であってよく、例えば複数の制限時間が一つのイベントに設定されていてもよい。また、二以上の制限時間が比較的短い間隔で設定される場合(例えば一つのホームランに短い間隔で複数の制限時間が設定される場合)、二つの制限時間の間の間隔(以下、間隔時間)とその間隔において付加される音声演出の演出時間とは適宜に設定されてよい。例えば、間隔時間と演出時間とは一致していてもよいし、相違していてもよい。また、間隔時間と演出時間とが相違する場合、演出時間の方が間隔時間よりも短くても長くてもよい。例えば、演出時間の方が間隔時間よりも長い場合、次の制限時間の到来とともに演出の音量が徐々に小さくなってもよい。この場合、次の制限時間の到来により音声演出が終了する(間隔時間と演出時間とが一致している)場合に比べて、より自然な(違和感の少ない)演出を実現することができる。また、このような音量の変化を通じて、音声演出の余韻を表現することもできる。演出時間は次の制限時間の終了よりも長くなるように設定されてもよい。この場合、前の制限時間に対応する音声演出(音量が徐々に小さくなる余韻的な演出)、及び今回の制限時間に対応する音声演出(音量が最大の演出)を重複的に付加することができるので、より現実のイベントで生じる歓声に近い演出を実現することができる。
さらに、間隔時間は省略されてもよい。つまり、間隔時間を挟まずに連続的に制限時間が設定されてもよい。この場合、一の制限時間における集計結果に対応する音声演出は、それ以降の制限時間を含む適宜の時期に付加されてよい。具体的には、一の制限時間における集計結果に対応する音声演出は、例えばその次の制限時間において付加されてもよい。つまり、制限時間は、各コメントを個別に反映する音声演出(所定時間の集計に応じた音声演出ではなく、上述のような各コメントが個別にそのまま反映される演出といった通常時の音声演出)を制限する一方で、対応する制限時間における集計結果に対応する音声演出(通常時の音声演出とは異なる特別な音声演出の一例)を許容する時間として構成されてよい。結果として、制限時間は、複数のコメントに対応する音声演出を反映するための単なる集計期間として機能してよい。また、二以上の制限時間が比較的短い間隔で設定される場合に限らず、制限時間及び演出時間は適宜に設定されてよい。同様に、演出時間における音量変化(変化しない場合も含む)も適宜に設定されてよい。
次に、機器データDD、及び演出データEDの詳細について説明する。図5は、機器データDDの構成の一例を示す図である。図5の例は、コメントの内容に応じて制御対象の演出機器EAが変化する場合の機器データDDを示している。この場合、図5に示すように、機器データDDは、演出機器EA毎にその位置を管理する機器レコードDDRを含んでいる。また、このような管理を実現するために、機器レコードDDRは、例えば、“機器ID”、“種類”、及び“位置”の情報を含んでいる。
“機器ID”は、各演出機器EAを識別するために演出機器EA毎にユニークな機器IDを示す情報である。機器IDは、物理的な機器毎にユニークに付与される。このため、例えば二つのスピーカSPには互いに異なる二つの機器IDがそれぞれに付与される。“種類”は、演出機器EAの種類を示す情報である。演出機器EAは、種類の情報により、例えばスピーカSP、或いはカメラCAといった単位で区別される。このため、例えば、スピーカSPとカメラCAとの間において種類の情報は相違するが、二つのスピーカSPの間では同じ種類の情報が付与される。“位置”は、各演出機器EAがイベント施設EFにおいて配置される位置を示す情報である。各演出機器EAの位置は、演出対象の範囲に応じて適宜に設定されてよいが、例えば一塁側、三塁側といった範囲(後述の第2の形態においては各プレイヤが識別されるように各ゲーム機の単位であってもよい)を示すように設定される。機器レコードDDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、機器データDDは、これらの情報に限定されず、例えば制御の要請等に応じて適宜の情報を管理してよい。あるいは、これらの情報の一部が適宜に省略されてもよい。
図6は、演出データEDの構成の一例を示す図である。図6に示すように、演出データEDは、演出機器EAが実現するイベント演出毎にその条件を管理する演出レコードEDRを含んでいる。また、このような管理を実現するために、演出レコードEDRは、例えば“演出ID”、“演出”、“条件”、及び“対象”の情報を含んでいる。
“演出ID”は、各演出を識別するために演出毎にユニークな演出IDを示す情報である。“演出”は、演出機器EAを介して実現されるべき演出を示す情報である。具体的には、例えば、演出機器EAとしてスピーカSPが利用され、音声演出がイベント演出として付加される場合、“演出”には各スピーカSPが再生すべき音声演出として「わぁ-」の歓声(種類)を示す情報が記述される。また、例えば上述の制限時間におけるコメント数に応じた音声演出等、一律の音声演出(「わぁ-」)以外の音声演出が用意される場合もあるが、そのような場合にはコメント数に応じた音声演出を示す情報も“演出”に記述される。具体的には、例えば「パチパチ」(拍手を示す擬音)の音声を再生する音声演出がコメント数に応じて音量の相違する三段階(種類)の演出として用意される場合、「パチパチ」を示す情報、及びその音量を示す情報が“演出”に記述される。
一方、“条件”は、各イベント演出が適用(実現)される条件を示す情報である。各イベント演出は各種の条件に応じて適宜に実現されてよいが、例えばコメントの投稿に伴い一律に同じイベント演出が実現される場合、“条件”にはコメントの投稿ありを示す情報が記述される。また、例えば制限時間におけるコメント数に応じた演出が実現される場合、“条件”にはコメント数を示す情報が条件として記述される。具体的には、例えば上述の音量の相違する三段階の「パチパチ」の音声演出には、コメント数が100以下の場合、101~200の場合、或いは201以上の場合といったコメント数を示す条件がそれぞれ“条件”の情報を介して関連付けられる。また、コメントの内容に応じて演出が変化する場合、“条件”にはそのような各種の内容(条件)が記述される。
“対象”は、各演出を実行すべき対象(制御対象)の演出機器EAを示す情報である。“対象”は演出に応じて制御対象の演出機器EAが変化する場合に使用される(換言すれば、制御対象の演出機器EAが一律に全部、或いは一部である場合等、変化しない場合には省略されてもよい)。“対象”には、例えば機器ID等の対象の演出機器EAを示す適宜の情報が記述されてよいが、一例として演出機器EAの全部が対象の場合には全部を示す情報が、一部が対象の場合には一部を示す情報が、それぞれ記述される。また、一部を示す情報として制御単位の要請等に応じて適宜の情報が利用されてよいが、一例としてコメントの応援チームに対応する応援範囲(ビジターチームが応援された場合の三塁側等)、或いはコメント時の攻撃側といった制御対象を特定するための条件を示す情報が記述される。演出レコードEDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、演出データEDは、これらの情報に限定されず、例えば管理されるべき演出(スピーカSP以外の演出機器EAが利用される場合を含む)の要請等に応じて適宜の情報を管理してよい。あるいは、これらの情報の一部が適宜に省略されてもよい。
次に、図7及び図8を参照して、演出制御処理及び事後演出処理について説明する。演出制御処理及び事後演出処理は、いずれも撮影映像への応援行為に基づいてイベント演出を実行するように演出機器EAを制御するための処理である。より具体的には、演出制御処理は、制限時間が設けられる場合の制限時間外における応援行為に基づいて演出機器EAを制御するための処理である。図7の例は、このような場合において図2の例におけるスピーカSP(演出機器EA)の制御を実現するための演出制御処理の一例を示している。この場合、機器用サービス管理部26は、制限時間外においてコメントが投稿される(応援行為が実行される)毎に図7の演出制御処理を開始し、まずユーザ端末装置4を介して入力された入力結果(投稿されたコメント)を取得する(ステップS101)。
続いて機器用サービス管理部26は、ステップS101で取得した入力結果(投稿されたコメント)をイベント演出に変換する(ステップS102)。この変換は、演出データEDに基づいて実現される。具体的には、機器用サービス管理部26は、演出データEDの“条件”及び“演出”の情報を参照し、コメントありの条件に対応するイベント演出を判別する。そして、機器用サービス管理部26はその判別したイベント演出を変換対象として特定する。つまり、機器用サービス管理部26は、投稿されたコメントをその特定したイベント演出に変換する。なお、コメントの内容に応じて演出が変化する場合、“条件”にはそのような各種の内容(条件)が記述されるため、機器用サービス管理部26は、ステップS102においてそれらの条件を参照し、条件に合致するイベント演出を特定してよい。
次に機器用サービス管理部26は、制御対象のスピーカSP、つまりステップS102で変換したイベント演出を実行すべきスピーカSPを特定する(ステップS103)。この特定は演出データEDの“対象”の情報、及び機器データDDに基づいて次のように実現される。機器用サービス管理部26は、まず演出データEDの“対象”の情報を参照し、ステップS102で変換したイベント演出を実行すべき制御対象を特定するための条件を判別する。例えば、コメントの応援チームに応じて制御対象が変化する場合、“対象”には応援チーム等の応援範囲を示す情報が記述される。このため、機器用サービス管理部26は、コメントの内容に基づいて応援チームを判別する。そして、機器用サービス管理部26は、機器データDDの“位置”の情報を更に参照し、その判別した応援チームに対応する範囲(一塁側等)に位置する各スピーカSPを制御対象として特定する。同様に、コメントの投稿時に応じて制御対象が変化する場合、“対象”にはコメント時の攻撃側等の情報が条件として記述される。この場合、機器用サービス管理部26は、コメントの投稿時を判別しつつ、機器データDDの“位置”の情報を参照し、コメントの投稿時において攻撃側に位置する各スピーカSPを制御対象として特定する。
続いて機器用サービス管理部26は、ステップS102で変換したイベント演出が実現されるようにステップS103で特定したスピーカSPを制御する(ステップS104)。つまり、機器用サービス管理部26は、ステップS102で変換したイベント演出を、ステップS103で特定したスピーカSPを通じて実現する。そして、このような制御の後に機器用サービス管理部26は今回の演出制御処理を終了する。これにより、撮影映像への応援行為(コメントの投稿)がスピーカSPによる演出に変換され、その演出が実際にイベント施設EFに設置されたがスピーカSPによって実現される。また、その演出は、イベント施設EFにおいて応援行為と関連するスピーカSPを通じて実現される。つまり、撮影映像の視聴者による応援に伴い、その内容に応じたイベント演出がスピーカSPを通じてイベント施設EFにおけるイベントに付加される。
一方、事後演出処理は、制限時間が設けられる場合においてその制限時間に実行された応援行為に基づいて演出機器EAを制御するための処理である。図8の例は、図2の例におけるスピーカSP(演出機器EA)の制御を実現するための事後演出処理の一例を示している。また、制限時間における応援行為(コメントの投稿)に基づく演出は制限時間の経過後において適宜の時期に付加されてよいが、図8の例は制限時間の経過後の所定時期に付加される場合を示している。この場合、機器用サービス管理部26は、制限時間の経過後の所定時期が到来する毎に図8の事後演出処理を開始し、まず直近の制限時間内においてユーザ端末装置4を介して入力された入力結果(投稿されたコメント)を取得する(ステップS201)。
続いて機器用サービス管理部26は、ステップS201で取得した入力結果に基づいて、直近の制限時間において入力されたコメント数をカウント(集計)する(ステップS202)。このカウントは適宜に実現されてよく、例えば応援行為の内容に応じてイベント演出の種類が相違する場合にはその種類毎に実行されてもよいが、コメントの投稿に伴いその内容にかかわらず一律のイベント演出が付加される場合、単純に制限時間におけるコメント数の累積が得られるように実行される。
次に機器用サービス管理部26は、ステップS201の取得結果及びステップS202のカウント結果に基づいて、制限時間におけるコメントの投稿(応援行為)をイベント演出に変換する(ステップS203)。この変換は、図7の例のステップS102における変換と同様に、演出データEDに基づいて実現される。具体的には、機器用サービス管理部26は、演出データEDの“条件”及び“演出”の情報を参照し、ステップS201でカウントしたコメント数を条件に持つイベント演出を判別する。そして、機器用サービス管理部26はその判別したイベント演出を変換対象として特定する。つまり、機器用サービス管理部26は、制限時間に投稿された全コメントを、一つに集約するようにその特定した一つのイベント演出に変換する。
続いて機器用サービス管理部26は、制御対象のスピーカSP、つまりステップS203で変換したイベント演出を実行すべきスピーカSPを特定する(ステップS204)。この特定は、図7の例のステップS103における特定と同様に、演出データEDの“対象”の情報、及び機器データDDに基づいて次のように実現される。機器用サービス管理部26は、まず演出データEDの“対象”の情報を参照し、ステップS203で変換したイベント演出を実行すべき制御対象を特定するための条件を判別する。この判別は図7の例のステップS103と同様であるが、例えば“対象”に全部を示す情報が記載されている場合、機器用サービス管理部26は、機器データDDを参照し、イベント施設EFに設置される全部のスピーカSPを制御対象として特定する。
続いて機器用サービス管理部26は、ステップS203で変換したイベント演出が実現されるようにステップS204で特定したスピーカSPを制御する(ステップS205)。つまり、機器用サービス管理部26は、ステップS203で変換したイベント演出を、ステップS204で特定したスピーカSPを通じて実現する。そして、このような制御の後に機器用サービス管理部26は今回の事後演出処理を終了する。これにより、制限時間におけるコメントの投稿数(応援行為の数)がカウントされ、その投稿数に応じたイベント演出が実際にイベント施設EFに設置されたスピーカSP(例えば全スピーカSP)によって実現される。
以上に説明したように、第1の形態によれば、イベントの撮影映像を視聴する視聴者の応援行為はイベント演出に変換され、その変換されたイベント演出がイベントに付加されるように演出機器EAが制御される。より具体的には、映像画面50の視聴者によるコメントの投稿が「わぁー」という歓声を模した音声演出に変換され、その音声演出を再生するようにスピーカSPが制御される。つまり、ユーザ端末装置4に野球イベントの撮影映像を含む映像画面50が表示されるとともに、その映像画面50にコメントを付与するためのコメントの投稿が受け付けられるが、そのコメントの投稿はスピーカSPによる音声演出に変換され、かつその音声演出が実際に野球イベントに付加される。これにより、撮影映像に対するコメントの投稿という視聴者の反応を、スタジアムEFに設置されたスピーカSPによる音声演出として野球イベントに反映することができる。具体的には、例えば緊迫した場面や応援選手等の活躍の場合におけるコメントの投稿等、視聴者の盛り上がりを実際の野球イベントに音声演出を通じて反映することができる。結果として、このような音声演出が付加されない場合と比べて、野球をプレイする選手(あるいはそれを視聴する視聴者)にとって臨場感のある野球イベントを実現することができる。
また、応援行為に応じてイベント演出が変化する場合、そのようなイベント演出の変化を通じて、特定の応援行為を促進することができる。例えば、図4の例において制限時間外においては一律の音声演出がイベント演出として付加されるが、制限時間にはその時間におけるコメント数の累積数に応じて累積数が多いほど賑やかになるようにイベント演出が付加される。この場合、このようなイベント演出の変化を通じて、制限時間におけるコメントの投稿数の増加を促進することができる。結果として、例えば制限時間がホームランのときに設定されている場合、そのようなホームランに対するコメントの投稿をより促進することができるため、その後のホームランに対するイベント演出をより賑やかにすることができる。
また、野球イベントでは、コメントの投稿に対応するイベント演出として、「わぁー」という歓声を模した音声演出が採用されているが、このような音声演出はイベントの種類に応じて変化する。例えば、サッカーの場合はサッカーの歓声を模した演出がイベント演出として採用される。一般的に効果的な演出はイベントの種類に応じて異なる傾向にあるが、イベントの種類に応じてそのイベントにおける歓声に沿った異なる音声演出が採用される場合、このような傾向を反映し、より効果的なイベント演出を実現することができる。
第1の形態において、センターサーバ2の機器用サービス管理部26が、図7の演出制御処理、或いは図8の事後演出処理を実行することにより本発明の演出変換手段及び機器制御手段として機能する。具体的には、センターサーバ2の機器用サービス管理部26が、図7のステップS102の処理、或いは図8のステップS203の処理を実行することにより演出変換手段として機能する。また、センターサーバ2の機器用サービス管理部26が、図7のステップS104の処理、或いは図8のステップS205の処理を実行することにより機器制御手段として機能する。
(第2の形態)
図9~図12を参照して、第2の形態に係る映像配信システム1Bについて説明する。図9は、第2の形態に係る映像配信システム1Bの概略構成を示す図である。第2の形態に係る映像配信システム1Bは、イベントの類型としてゲーム機3によって提供されるゲームを利用したイベント(以下、ゲームイベントと呼ぶ場合がある)が開催される場合の映像配信システム1の構成の一例に相当する。この場合、図9に示すように、センターサーバ2には、イベント施設EFに設置されるゲーム機3がネットワークNTを介して接続される。
ゲーム機3は、ゲームを提供する装置である。ゲーム機3として、据置型又は携帯型のゲーム機(タブレット、或いはスマートフォンを含む)、或いは据置型又はブック型のパーソナルコンピュータといった個人用途に供される各種のコンピュータ装置(ユーザ端末装置4を含む)が利用されてよいが、図9の例ではアーケードゲーム機が利用されている。アーケードゲーム機は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の各種の施設に設置されるコンピュータ装置である。このため、ゲーム機3は、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機(有償でゲームを提供するゲーム機)として構成される。ゲーム機3は、イベント施設EFに設置される場合も店舗等に設置される場合と同様に所定のプレイ料金と引換にゲームを提供してもよいが、図9の例ではイベント用に無償でゲームのプレイを提供する。
ゲーム機3は、ゲームイベント用にアクションゲーム、シミュレーションゲーム、ロールプレイングゲーム、タイミングゲーム(音楽ゲーム)、或いはスポーツゲーム等の適宜のゲームを提供してよい。ゲーム機3は、これらのゲームを一人(単独)プレイとして提供してもよいし、複数プレイとして提供されてもよい。また、複数プレイの場合、ゲームは、1対1、1対多(チーム)、或いは多対多(人数は適宜でよく互いに一致していても一致していなくてもよい)等の適宜の形式で対戦型、又は協力型(対戦者、或いは協力者がコンピュータの場合を含む)のゲームとして提供されてもよい。このため、このような各種のゲームに応じて適宜の数のゲーム機3がイベント会場EFに設置されてよいが、図9の例ではイベント会場EFには二台以上のゲーム機3が設置されている。そして、それらの二台のゲーム機3は、それらの二台のゲーム機3を介してゲームをそれぞれプレイする二人のユーザP(以下、プレイヤPと呼ぶ場合がある)が1対1で対戦する対戦型のゲームをそれぞれ提供している。
ゲームイベントは、例えばトーナメント形式、或いはリーグ戦形式といった適宜の形式で結果を競う大会として構成されてもよいし、単にプレイを披露し合う会として構成されてもよい。また、ゲームイベントは、無観客のイベントであっても、観客付きのイベントであってもよい。このようにゲームイベントは、ゲームの種類等に応じて適宜に構成されてよいが、図9の例ではステージにおいて二台のゲーム機3を介して対戦する二人のプレイヤPのプレイを観覧する観客PAが存在する観客付きのイベントとして構成されている。
イベント会場EFでは、ゲームイベントを演出する(盛り上げる)ための各種の演出が実行されてよく、このような各種の演出を実現するための各種の機器を演出機器EAは含んでいてよいが、図9の例ではライトユニットLU、スピーカSP、スモーク装置SU、モニタMO、及びカメラCAを含んでいる。換言すれば、イベント会場EFには、これらのライトユニットLU、スピーカSP、スモーク装置SU、モニタMO、及びカメラCAが演出機器EAとして設置されている(図9の例ではいずれの装置も一つずつ示されているが、これらはいずれも一つに限定されず、適宜の数設置されていてよい)。
ライトユニットLUは、点灯、点滅、消灯、或いは適宜の発色等の照明(光)による各種の視覚的な演出を実行する周知の照明機器である。スモーク装置SUは、適宜の量のスモーク(煙)を発生させることにより視覚的な演出を実行する周知の装置である。モニタMOは、各種の画像(演出用、或いは各種情報を含む)を表示する周知の表示装置である。モニタMOには、例えば演出用の画像としてカメラCAの撮影結果、或いは各ゲーム機3が提供するゲーム画面等が適宜に表示されてよい。
また、上述のように機器用サービスは各種のサービスを適宜に含みえるが、第2の形態に係る映像配信システム1Bの場合、情報取得サービスを含んでいる。情報取得サービスは、各ゲーム機3から各プレイヤPのプレイ状況の情報(リプレイデータ、及び画像データを含む)を取得するサービスである。機器用サービスは、例えばその他にも各プレイヤPのプレイ実績の情報等がプレイデータ等の各種データを介してセンターサーバ2においてサーバデータ23の一部として管理される場合、そのようなデータにそのプレイ状況の情報を反映するデータ更新サービスを含んでいてもよい。
図10は、第2の形態に係る映像配信システム1Bの制御系の要部を示す機能ブロック図である。第2の形態に係る映像配信システム1Bでは、第1の形態に係る映像配信システム1B(図2の例)と比較して、センターサーバ2に接続される装置にゲーム機3が追加される。図10に示すように、このようなゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラムPG3との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム制御部33、及びデータ管理部34が設けられる。ゲーム制御部33は、ゲームの提供に必要な各種の処理(機器用サービスの享受に必要な各種の処理を含む)を実行する。同様に、データ管理部34は、記憶部32に記憶されるデータを管理する各種の処理(機器用サービスの享受に必要な各種の処理を含む)を実行する。このような処理には、例えばゲーム画面を表示するための画像データ等を生成、或いは送信するための処理が含まれる。
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したゲームプログラムPG3とともに、各種のデータが記録されるが、図10の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、ゲームプログラムPG3に従ってユーザにゲームをプレイさせるために適宜に参照されるデータである。ゲームデータGDには、例えばゲームの音声を再生するための音声データ、ゲーム画面を表示するための画像データ、上述のプレイデータ、或いはID管理データ等の各種のデータが適宜に含まれてよい。
ゲーム機3には、アーケードゲーム機に必要な各種の出力装置、及び入力装置が適宜に設けられ、制御ユニット31に接続され得るが、図10の例ではこのような出力装置としてモニタ36、及びスピーカ37が、入力装置として入力装置IPが、それぞれ設けられている。モニタ36、及びスピーカ37は、それぞれゲームを提供するためのゲーム画面等のゲームに関連する各種の画像を表示する周知の表示装置、及び音声を再生する周知の音声出力(再生)装置である。入力装置IPは、プレイヤPがゲームをプレイするために実行する各種のプレイ行為を入力するための装置である。入力装置IPとして、ゲームの種類等に応じて、押しボタンスイッチ、或いはタッチパネル等の各種の入力装置が適宜に採用されてよい。なお、上述のように第2の形態に係る演出機器EAにはライトユニットLU、スモーク装置SU、或いはモニタMO等が含まれ、これらもセンターサーバ2に接続されるが、図10の例ではこれらの表示は省略され、演出機器EAとしてカメラCA及びスピーカSPのみが示されている。
次に、図11を参照して、第2の形態に係る演出サービスの詳細について説明する。図11は、第2の形態に係る演出サービスの流れの一例を示している。また、図11の例は、第1の形態と同様に、演出機器EAの演出が応援サービスと連動し、かつ応援サービスの一例としてコメントを投稿するサービスが提供される場合を示している。一方、第2の形態に係る演出サービスでは、応援行為(コメントの投稿)に連動する演出に、ゲーム機3の状況が反映される。このため、図11に示すように、第2の形態に係る演出サービスには、第1の形態に係る演出サービス(図4の例)と比べて、F5Aの手順が追加されている。結果として、第2の形態に係る演出サービスはF5A、F5B、及びF6の三つの手順を含んでいる。
具体的には、応援サービスは図4の例と同様にF1~F4の手順を含んでいる。これらの手順は図4の例と同様に実現されてよい。一方、第2の形態に係る演出サービスでは、図4の例において含まれてない手順として、ゲーム機3から情報の送信が実行される(F5A)。この送信は、適宜の周期、或いはコメントの投稿(F3)等の各種の行為(処理)を契機に実行されてよいが、図11の例では映像画面50へのコメントの配信(F4)を契機として、その配信に伴い(あるいはその配信の後に)センターサーバ2からのリクエストに応じてゲーム機3からの配信が実行される。コメントの投稿に対応するイベント演出には、演出の都合等に応じてゲーム機3における各種の状況が適宜に反映されてよいが、一例としてゲームのプレイ状況が反映される。このため、コメントの配信を契機に、ゲーム機3はそのコメント配信時におけるゲームのプレイ状況の情報をセンターサーバ2に送信する。
センターサーバ2は、ゲーム機3からプレイ状況の情報を取得すると、コメントの投稿をイベント施設EFにおける演出機器EAを通じた演出(スピーカSPだけでなく、ライトユニットLU、スモーク装置SU、或いはモニタMO等が適宜に使用されてよい)に変換する(F5B)。この変換は、図4の例におけるF5の手順と同様に実現される。ただし、この変換にプレイ状況が適宜に反映されてもよい。例えば第1の形態における野球に相当する野球ゲームが提供される場合、攻撃時の判別にプレイ状況の情報が使用(反映)されてもよい。さらに、例えばヒット直後であれば“ナイスヒット!”、ホームラン直後であれば“ナイスホームラン!”等の音声演出(あるいはモニタMOの表示でもよい)として、イベント演出の内容に反映されてもよい。つまり、ゲームのプレイ状況に応じてイベント演出が変化(相違)してもよい。この場合、演出データEDの“演出”には“ナイスヒット!”或いは“ナイスホームラン!”に対応する歓声(モニタMO等の演出機器EAが演出に使用される場合はそれらを含む演出)を示す情報が記述される。また、演出データEDの“条件”には、ヒットの条件を示す情報、或いはホームランの条件を示す情報が記述される。いずれにしても、センターサーバ2は、プレイ状況が演出の変換に反映される場合、プレイ状況に基づいてコメント投稿をイベント演出に変換する。
イベント演出への変換の後、センターサーバ2は、そのイベント演出が実際にイベント施設EFにおいて演出機器EAを通じて実現されるように、図4の例におけるF6の手順と同様に演出機器EAを制御する(F6)。ただし、この制御にプレイ状況が適宜に反映されてもよい。具体的には、例えばプレイ状況に基づいて攻撃側が判別され、制御対象の演出機器EAが特定される。つまり、プレイ状況に応じて適宜に制御対象の演出機器EAが変更される。また、例えば、第1の形態における野球に相当する野球ゲームが提供される場合、制限時間の判別にプレイ状況の情報が使用(反映)されてもよい。具体的には、センターサーバ2は、プレイ状況の情報を参照し、ヒット等が生じた盛り上がり時間(制限時間)にコメントが投稿されているか否か判別してよい。さらに、センターサーバ2は、図4の例の場合と同様に制限時間におけるコメント数を集計し、一つの演出としてまとめて付加時期に付加してもよいが、制限時間における各コメントを個別に時期を調整して付加してもよい。例えばイベントの運営者が制限時間を設定する場合、その制限時間はヒットの直後等のまさに盛り上がっている瞬間だけでなく、その前後の一定期間となる可能性がある。一方、プレイ状況に基づいて制限時間が判別される場合、ヒットの直後のみ等、イベントの運営者による設定よりも制限時間がより正確に設定される可能性が高い。このため、第2の形態では、第1の形態と異なり、センターサーバ2は、制限時間におけるコメントの投稿を付加時間に一つに集約して付加するのではなく、各コメント投稿に対応する演出の時期を個別に調整してもよい。
次に、図12を参照して、演出調整処理について説明する。演出調整処理は、制限時間における各コメント投稿に対応するイベント演出の時期が個別に調整される場合に、図7の例の演出制御処理、及び図8の例の事後演出処理の代わりに実行される処理である。より具体的には、演出調整処理は、制限時間が設けられる場合に、制限時間における各コメント投稿に対応する演出の時期を個別に調整しつつ、制限時間外において各コメント投稿に対応する演出を随時実現するための処理である。なお、例えば制限時間における各コメントの投稿が所定時期において一つのイベント演出として付加される場合には、第2の形態においても、図7の例の演出制御処理、及び図8の例の事後演出処理が実行されてよい。この場合にも、ゲームのプレイ状況の情報は適宜に参照されてよく、例えば制限時間の判別のために参照されてもよい。あるいは、図7の例のステップS102における変換、或いはステップS103における制御等において参照されてもよい。
機器用サービス管理部26は、コメントが投稿される毎に図12の演出調整処理を開始し、まずユーザ端末装置4を介して入力された入力結果(投稿されたコメント)を取得する(ステップS301)。続いて機器用サービス管理部26は、ゲーム機3からゲームのプレイ状況を取得する(ステップS302)。機器用サービス管理部26は、プレイ状況を取得すると、そのプレイ状況の情報、及びステップS301で取得した入力結果に基づいて投稿されたコメントをイベント演出に変換するが(ステップS303)、この変換は例えば図7の例のステップS102における変換と同様に実現される。ただし、この変換において機器用サービス管理部26は適宜にゲームのプレイ状況の情報を参照する場合がある。具体的には、例えばゲームのプレイ状況に応じてイベント演出が相違する場合には、機器用サービス管理部26は演出データEDの“演出”及び“条件”の情報を参照しつつ、プレイ状況に応じたイベント演出への変換を実現する。
次に機器用サービス管理部26は、調整条件が満たされるか否か判別する(ステップS304)。調整条件は適宜に満たされてよいが、制限時間において調整が実現される場合、コメントの投稿時期が制限時間に該当するときに満たされる。このため、機器用サービス管理部26は、ステップS302で取得したプレイ状況の情報を参照し、コメントの投稿時期が制限時間(ヒット等が生じた盛り上がり時期)に相当するか否か判別する。コメントの投稿時期が制限時間に相当する(調整条件が満たされる)場合、機器用サービス管理部26は、コメントの投稿に対応するイベント演出の時期(演出時期)を調整する(ステップS305)。具体的には、機器用サービス管理部26は、演出時期をコメントの投稿時期(各種処理、或いはネットワークNTの通信環境等により若干ずれる可能性はあるが、それらのずれを考慮した投稿時期)ではなく、制限時間経過後の所定時期(例えば直後)にずらすように調整する。また、制限時間に複数のコメントが投稿されている場合、投稿時期に応じて各コメントに対応する演出が制限時間経過後に順に実行されるように、各コメントの演出時期を所定時期から順にずらす。
一方、機器用サービス管理部26は、コメントの投稿時期が制限時間に相当しない(調整条件が満たされない)場合、或いはステップS305において演出時期を調整した後に、制御対象を特定する(ステップS306)。この特定は、例えば図7の例のステップS103における特定と同様に実現される。ただし、この特定において機器用サービス管理部26は適宜にプレイ状況を参照する場合がある。具体的には、例えばコメントの投稿時期に応じて制御対象が変化する場合、機器用サービス管理部26はプレイ状況の情報を参照しつつ、攻撃時等の“対象”の条件を判別する。
続いて機器用サービス管理部26は、各スピーカSPを制御する(ステップS307)。この制御は、例えば図7の例のステップS104における制御と同様に実現される。これにより、図7の例と同様に、各コメントの投稿が演出に変換され、その演出が実際にイベント施設EFにおいてスピーカSP等を通じて実現される。また、コメントが制限時間に投稿された場合には、各コメントに対応するイベント演出の時期が調整され、制限時間の経過後に各コメントに対応するイベント演出がスピーカSP等を通じてイベント施設EFにおけるイベントに漸次付加される。
以上に説明したように、第2の形態によれば、第1の形態と同様に、イベントの撮影映像を視聴する視聴者の応援行為はイベント演出に変換され、その変換されたイベント演出がイベントに付加されるように演出機器EAが制御される。このため、第1の形態と同様の効果等を得ることが出来るが、第2の形態ではイベント演出の変換、或いは制御対象の演出機器EAの特定等にゲームのプレイ状況の情報が更に参照される。結果として、ゲーム機3におけるゲームのプレイ状況をイベント演出に反映することができる。これにより、より細かく的確なイベント演出を実現することできる。
第2の形態において、センターサーバ2の機器用サービス管理部26が、図12の演出調整処理を実行することにより本発明の演出変換手段、及び機器制御手段として機能する。具体的には、機器用サービス管理部26が図12のステップS303を実行することにより演出変換手段として機能する。また、機器用サービス管理部26が図12のステップS305の処理、及びステップS307の処理を実行することにより本発明の機器制御手段として機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態のセンターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部をローカルシステム、ゲーム機3(第2の形態の場合)、或いはユーザ端末装置4等の他のシステム(あるいは装置)が適宜に実行してもよい。つまり、本発明の映像配信システムは、各種の他のシステムを適宜に含んでいてもよい。一方で、センターサーバ2のみが本発明の映像配信システムとして機能してもよいし、ローカルシステム、ゲーム機3(第2の形態の場合)、或いはユーザ端末装置4等の適宜の他のシステムのみが本発明の映像配信システムとして機能してもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の映像配信システムは、各ユーザが使用するユーザ端末装置(4)、及び演出を付加するようにイベント施設(EF)に設置される演出機器(EA)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記ユーザ端末装置に設けられる表示装置(46)に前記イベント施設において開催されるイベントを撮影した撮影結果としての撮影映像を含む映像画面(50)が表示されるように前記撮影映像を前記ユーザ端末装置に配信する映像配信システム(1)であって、前記撮影映像を視聴するユーザとしての各視聴者が前記ユーザ端末装置を介して前記映像画面に前記イベントを応援する応援効果を付与するための応援行為を実行した場合に、当該応援行為を前記演出機器が実行すべきイベント演出に変換する演出変換手段(26)と、前記イベント演出が前記演出として前記イベントに付加されるように前記演出機器を制御する機器制御手段(26)と、を備えるものである。
本発明によれば、イベントの撮影映像を視聴する視聴者の応援行為はイベント演出に変換され、その変換されたイベント演出が演出としてイベントに付加されるように演出機器が制御される。つまり、ユーザ端末装置にイベントの撮影映像を含む映像画面が表示されるとともに、その映像画面に応援効果を付与するための応援行為が受け付けられるが、その応援行為は演出機器によるイベント演出に変換され、かつそのイベント演出が実際にイベントに付加される。これにより、撮影映像に対する応援行為という視聴者の反応を、イベント施設に設置された演出機器による演出としてイベントに反映することができる。具体的には、例えば視聴者の盛り上がりを実際のイベントにイベント演出を通じて反映することができる。結果として、このようなイベント演出が付加されない場合に比べて、臨場感のあるイベントを実現することができる。
イベント演出は、応援行為の時期、数、種類等の内容(条件)にかかわらず一律に同じであってもよいし、それらの内容に応じて変化してもよい。例えば、本発明の映像配信システムの一態様において、前記演出変換手段は、各視聴者の前記応援行為に応じて前記イベント演出が変化するように、前記応援行為を前記イベント演出に変換してもよい。この場合、イベント演出の変化を通じて、特定の内容の応援行為を促進することができる。例えば、この態様において、前記演出変換手段は、複数の視聴者が所定時間において前記応援行為をそれぞれ実行した場合に、前記所定時間における前記応援行為の数に応じて前記イベント演出が変化するように、前記応援行為を前記イベント演出に変換してもよい。この場合、イベント演出の変化を通じて、所定時間における応援行為の数の増加を促進することができる。
応援行為として、映像画面に各種の効果を生じさせる各種の行為がユーザ端末装置を介して適宜に実行されてよい。例えば、応援行為として、アイテムを購入する行為、各種価値(現実の通貨に相当する価値であっても、ゲーム内等で使用される仮想的な価値であってもよい)を供与する(いわゆる投げ銭)行為、或いは映像画面に各種のコメントを投稿する行為等が適宜に採用されてよい。そして、これらの各種の行為が適宜にイベント演出に変換されてよい。具体的には、例えば、本発明の映像配信システムの一態様において、前記演出変換手段は、記映像画面に前記応援効果として表示されるコメントを投稿する投稿操作が前記応援行為として入力される場合に、前記コメントの投稿を前記イベント演出に変換してもよい。
イベント演出は、上述のように一律であっても変化してもよいが、一律である場合においても、イベントにかかわらず一律であってもイベント毎に一律であってもよい。つまり、イベント演出は、イベント毎に変化しても変化しなくてもよい。例えば、本発明の映像配信システムの一態様において、前記演出変換手段は、前記イベントに応じて前記イベント演出が相違するように、前記応援行為を前記イベント演出に変換してもよい。一般的に効果的な演出はイベントの種類に応じて異なる傾向にあるが、この場合、このような傾向を反映し、より効果的なイベント演出を実現することができる。
演出機器は、演出を実現するための各種の機器(装置)を含んでいてよい。例えば、演出機器は、視覚的な演出を付加する表示装置、ライト、スモーク装置等を適宜に含んでいてよい。また、演出機器は、聴覚的な演出を付加する音声出力装置を含んでいてもよい。そして、これらの各種の演出機器を通じて適宜の演出が実現されてよい。具体的には、例えば、本発明の映像配信システムの一態様において、前記演出変換手段は、前記演出機器に音声を出力する音声出力装置(SP)が含まれ、前記演出に前記音声を通じた音声演出が含まれる場合に、前記イベントを応援する音声が前記イベントに応じて相違する前記音声演出として前記イベント演出に含まれるように、前記応援行為を前記イベント演出に変換してもよい。
イベント施設では、各種のイベントが適宜に開催されてよい。例えば、イベント施設では、野球、相撲、サッカー、ラグビー等の各種のスポーツイベントが開催されてよい。同様に、イベント施設では、コンサート等の各種ライブイベントが開催されてもよい。あるいは、イベント施設では、ゲーム機を利用するゲームイベントが開催されてもよい。また、ゲームイベントにおけるゲーム機等、イベント施設に各種機器が設置される場合、それらの機器の情報はイベント演出に反映されてもされなくてもよい。具体的には、例えば、本発明の映像配信システムの一態様において、前記イベント施設には、ゲームを提供するゲーム機(3)が設置され、前記イベントとして、前記ゲームを利用するゲームイベントが開催され、前記機器制御手段は、前記ゲーム機がネットワーク(NT)を介して接続される場合に、前記ゲームの状況に応じて前記イベント演出の時期を調整するように前記演出機器を制御してもよい。また、例えば、本発明の映像配信システムの一態様において、前記イベント施設には、ゲームを提供するゲーム機(3)が設置され、前記イベントとして、前記ゲームを利用するゲームイベントが開催され、前記演出変換手段は、前記ゲーム機がネットワーク(NT)を介して接続される場合に、前記ゲームの状況に応じて前記イベント演出が相違するように、前記応援行為を前記イベント演出に変換してもよい。これらの場合、ゲーム機におけるゲームの状況をイベント演出に反映することができる。
イベント施設に複数の演出機器が配置されている場合、イベント演出はそれらの全部により実行されてもよいし、適宜の一部により実現されてもよい。また、これらの対象の演出機器(イベント演出が全部の演出機器によって実行される場合は全部、一部によって実行される場合は一部といった具合にイベント演出を実行する対象の演出機器)は、固定的であっても可変的であってもよい。対象の演出機器が可変的である(変化する)場合、そのような演出機器の相違を含めてイベント演出として把握されてもよいし、演出機器の相違はイベント演出とは別の要素として把握されてもよい。例えば、本発明の映像配信システムの一態様において、前記機器制御手段は、前記演出機器が前記イベント施設の異なる位置に配置される複数の演出機器を含む場合に、当該複数の演出機器のうち前記イベント演出を実行させるべき演出機器を前記ゲームの状況に応じて変更してもよい。
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記ユーザ端末装置、及び前記演出機器に前記ネットワークを介して接続されるコンピュータ(21)を、上述の映像配信システムの各手段として機能させるように構成されたものである。
また、本発明の制御方法は、各ユーザが使用するユーザ端末装置(4)、及び演出を付加するようにイベント施設(EF)に設置される演出機器(EA)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記ユーザ端末装置に設けられる表示装置(46)に前記イベント施設において開催されるイベントを撮影した撮影結果としての撮影映像を含む映像画面(50)が表示されるように前記撮影映像を前記ユーザ端末装置に配信する映像配信システム(1)に組み込まれるコンピュータ(26)に、前記撮影映像を視聴するユーザとしての各視聴者が前記ユーザ端末装置を介して前記映像画面に前記イベントを応援する応援効果を付与するための応援行為を実行した場合に、当該応援行為を前記演出機器が実行すべきイベント演出に変換する演出変換手順と、前記イベント演出が前記演出として前記イベントに付加されるように前記演出機器を制御する機器制御手順と、を実行させるものである。これらのコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明の映像配信システムを実現することができる。