JP6272177B2 - イオンビーム装置およびイオンビーム照射方法 - Google Patents

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Description

本発明はイオンビーム装置およびイオンビーム照射方法に関する。
電子ビームを電磁界レンズに通して集束し、集束した電子ビームを走査しながら試料に照射して、試料から放出される二次電子荷電粒子を検出すれば、試料表面の構造を観察することができる。これを走査電子顕微鏡と呼ぶ。一方、イオンビームを電磁界レンズに通して集束し走査しながら試料へ照射して、試料から放出される二次荷電粒子を検出しても、試料表面の構造を観察することができる。これは走査イオン顕微鏡(Scanning Ion Microscope以下、SIMと略記)と呼ばれる。
また、SIMに使用するイオン源として、ガス電界電離イオン源(Gas Field Ionization Source 以下GFISと略記)を用いると好適である。
GFISを用いたSIM(以下GFIS-SIMと略記)では、ノイズの少ない試料像を得るために、試料上で大きな電流密度のイオンビームを得る必要がある。そのためには電界電離イオン源のイオン放射角電流密度を大きくする必要がある。イオン放射角電流密度を大きくするためには、エミッタティップ近傍のイオン化ガスの密度を大きくさせればよい。
次に、エミッタティップの温度を低温に冷却すると、エミッタティップに衝突したイオン化ガスの分子のエネルギーが減少、凝集するので、イオン化ガス分子の密度を上昇させることができる。エミッタティップを冷却する手段としては、機械式冷凍機が好適である。
また当然であるが、エミッタティップ周辺に導入するイオン化ガス圧力を上昇させることによってもエミッタティップ近傍のイオン化ガスの密度を大きくすることができる。ただし、1Pa以上導入すると、イオンビームがイオン化ガスに衝突することにより中性化し、イオンビーム電流が減少する、またはグロー放電する、というような問題がある。このような問題を解決するために、エミッタティップ先端に原子数個の突起を形成することによりガスをイオン化する領域を制限し、供給が限られたイオン化ガスを効率よくイオン化することによりイオン放射角電流密度が向上することが知られている。
特許文献1には、荷電粒子放出銃の差動を長時間停止することなく、ティップを加熱させることなく、ティップのクリーニングが可能な荷電粒子放出銃の例が開示されている。
WO2012/086419
ヘリウムガスよりも質量が小さく観察用途に適する水素ガスをイオン化するGFISを荷電粒子顕微鏡に適用することにおいては以下の課題がある。ガス電界電離イオン源では、前述のようにエミッタティップ近傍にイオン化ガスを導入する必要がある。このイオン化ガスに不純物ガスが混入している場合、不純物ガス分子がエミッタティップ先端付近で脱着する可能性がある。またはティップを配する空間の真空度が低い場合、その空間にもともと存在する不純物ガスがエミッタティップ先端付近で脱着する可能性がある。
この分子の脱着によりエミッタティップ先端の形状は変化し、先端付近の電界が変動する。この電界の変動はイオンビーム電流変動の要因となる。別の問題として、エミッタティップ先端以外の個所で不純物が脱着する場合にも影響が存在する。不純物ガスが付着した箇所は、不純物ガスの大きさだけ突出するため、他所と比べて電界が高くなり、その箇所からイオンビーム放射が起こる可能性がある。もし不純物ガス吸着箇所からのイオンビーム放射があると、そのイオンビーム放射に相当するイオン化ガスがその個所で消費される。この結果、本来イオン源として用いていた原子へのイオン化ガスの供給量が減少する。この要因によりイオンビーム電流が変動する。
GFISに導入するガスとしてヘリウムを用いる場合、ヘリウムのイオン化エネルギーは高いので、エミッタティップ先端の電界を比較的高くする必要がある。ティップ先端の電界が高ければ不純物ガスは先端付近に近付く前にイオン化され吸着することができなくなる。
しかしながらGFISに導入するガスとしてヘリウムよりイオン化エネルギーの小さな水素を用いる場合、上記の不純物ガスによる影響は大きくなる。ガスイオン化のためのエミッタティップの電界が小さく不純物ガス分子が容易にティップ表面に近付き吸着脱離を生じるため、安定動作には非常に困難を伴う。
エミッタティップ周辺から不純物ガスを低減するためにはいわゆる溜め込み型の真空排気部が有効である。溜め込み型の真空排気部としてはクライオポンプ、チタンサブリメーションポンプ、非蒸発ゲッターポンプ、などがあげられる。上記の真空排気部は不純物ガスに対する排気能力を持ち、エミッタティップ周辺の不純物ガスの量を低減することが可能である。
しかしながら、上記の真空排気部は水素に対しても大きな排気能力をもち、かつその排気速度が常に一定ではないために、使用すると、排気速度の変動に伴いエミッタ周辺の水素の圧力が変動しその結果水素イオンビームの電流量が変動する課題が生じる。このためガス電界電離イオン源の作動中、すなわちエミッタティップ周辺に水素ガスを導入している際、エミッタティップ周辺の空間を上記の手段で真空排気することは従来考えられなかった。従来のヘリウムガスの場合は、溜め込み型の真空排気部はヘリウムガスに吸着作用を及ぼす影響が低かったが、水素ガスや窒素ガスの場合は、イオン種のガスと不純物ガスとの両方に吸着作用を及ぼし、イオン種のガスへの影響が無視できなかったためである。
特許文献1の構成では、真空容器の真空雰囲気中の不可避的に存在する残留ガス分子から生じる脱離分子を除去するため、脱離分子の除去には極低温にある電子源であるチップ周辺部材にクライオポンプと同様な作用でトラップさせる構成が開示されているが、ガスを排気する真空排気部に排気量や特定のガスのみを選択的に排気するような制御をする手段は開示されていない。
本発明は、水素や窒素に代表されるガス電界電離イオン源を以下に説明する構成にすることで、上記の課題を解決する。
一例を例示すると、本願発明は、チャンバにガスを供給し、前記ガスをイオンビームにして試料に照射する電界電離イオン源を備えたイオンビーム装置において、針状の先端を持つエミッタ電極と、前記エミッタ電極が内側に設置されたチャンバと、前記チャンバに前記ガスを供給するガス供給部と、前記チャンバと接続され、前記エミッタ電極を冷却する冷却部と、前記チャンバの内部のガスを排気する排出型の排気部と、前記チャンバの内部のガスを排気する溜め込み型の排気部とを有し、前記排出型の排気部の排気コンダクタンスは、前記溜め込み型の排気部の排気コンダクタンスの合計よりも大きいことを特徴とする。
また他の一例を例示すると、本願発明は、導入されたガスをイオンビームにして試料に照射する照射ステップを有するイオンビーム照射方法において、針状の先端を持つエミッタ電極を冷却部にて冷却する冷却ステップと、前記エミッタ電極の近傍に前記ガスを供給する供給ステップと、排出型の排気部を用いて前記チャンバの内部のガスを排気する排出型排気ステップと、前記排出型の排気部とは異なる溜め込み型の排気部を用いて前記チャンバの内部のガスを排気する溜め込み型排気ステップと、圧力センサを用いて、前記前記エミッタ電極の近傍の圧力を計測する計測ステップと、前記計測ステップの計測結果に基づき、前記供給ステップにおける前記ガスの供給量と前記排出型排気ステップにおける前記ガスの排気量とを制御するガス流量制御ステップと、を有し。前記ガス流量制御ステップは、前記排出型の排気部の排気コンダクタンスは、前記溜め込み型の排気部の排気コンダクタンスよりも大きいことを特徴とする。
また他の一例を例示すると、本願発明は、チャンバにガスを供給し、前記ガスをイオンビームにして試料に照射する電界電離イオン源を備えたイオンビーム装置において、針状の先端を持つエミッタ電極と、前記エミッタ電極が内側に設置されたチャンバと、前記チャンバに前記ガスを供給するガス供給部と、前記チャンバと接続され、前記エミッタ電極を冷却する冷却部と、前記冷却部から伝熱部を介して接続され、前記イオンビームとなるガス種と前記イオンビームとなるガス種以外のガス種との少なくとも2種以上のガス種を吸着するクライオ部材と、前記クライオ部材に接続されたヒーターと、前記ヒーターの温度を制御する温度制御部と、を有することを特徴とする。
本発明によると、エミッタティップ周辺の不純物ガスの量が低減され、イオンビームの安定性が向上する。またエミッタティップ周辺のイオン種ガスの圧力が安定し、イオンビームの安定性が向上する。
ガス電界電離イオン源の全体の概略構成図である。 ガス電界電離イオン源のガス流量制御側の概略構成図である。 ガス電界電離イオン源の冷却機構側の概略構成図である。
今回の発明に共通する形態を最初に説明する。ただし、以下に記載する内容以外にも、本願の発明の思想を逸脱しない範囲において、本願の構成を適用できることはいうまでもない。
まず、GFIS(電界電離イオン源)は、先端の曲率半径を約100 nm以下にした金属製のエミッタティップに高電圧を印加し、先端に電界を集中させる。そして、その付近にイオン化するガスを導入し、そのガス分子を電界電離し、イオンビームとして引き出すものである。GFISは、他のイオン源と比べてエネルギー幅が狭いイオンビームを生成することができる。また、イオン発生源は他のイオン源と比べてサイズが小さいため、微細なイオンビームを生成することができる。
次に、表面観察に用いるイオン種について述べる。イオン種は水素、ヘリウムなどの質量の軽いものが好適である。質量が軽いイオン種は、試料表面をスパッタする作用が小さく、試料の表面の損傷を最化することができるためである。また、これらのイオンビームは、電子ビームに比べて試料表面の情報に敏感である特徴を有する。これは、水素やヘリウムイオンが試料表面へ侵入するとき、電子ビームの照射に比べて、二次荷電粒子の励起領域が試料表面の方へより局在するためである。
また、電子ビームでは、電子の波としての性質が無視できないため、回折効果により収差が発生する。一方、イオンビームでは、電子に比べて重いため、回折効果を無視することができる。
逆に、酸素・窒素・アルゴン・クリプトン・キセノンなどに代表される質量の重いイオン種を試料に照射すれば、スパッタ作用により試料を加工するのに好適となる。その中でも特に、液体金属イオン源を用いた集束イオンビーム装置がイオンビーム加工装置として知られている。
以下具体的に、図1を参照してガス電界電離イオン源の第1の実施例を説明する。ちなみに、本願で説明するクライオポンプとはクライオ効果を発揮する部材であって、必ずしも冷却機構を備えたものでなくともよい。後述するように、イオン源に導入するガスを冷却する冷却機構等からの冷気を伝熱すればクライオ効果を発揮するためである。
ガス電界電離イオン源1は、針状の先端を持つエミッタ電極11と、エミッタ電極11と対向する位置に開口を有する引出電極13と、前記エミッタ電極を冷却する冷却する冷凍機4と、エミッタ電極11及び上記引出電極13及び冷却機構4の冷凍機本体41が持つ冷凍機1stステージ及び冷凍機2ndステージを包括する真空チャンバ17と、真空チャンバ17に接続された溜め込み型の真空排気部18と、真空チャンバ17に接続された排出型真空排気部16と、真空チャンバ17内部に水素ガスを含むガスを供給するガス供給部37と、エミッタ電極11と前記引出電極13の間に電圧を印可してエミッタ電極11の先端近傍にガスをイオン化する電界を形成する電源111を備える。
ガス電界電離イオン源1の真空チャンバ17内はガス導入機構37による水素ガス導入がない場合、真空度として10-7Pa以下の超高真空に保たれている。真空チャンバ17内を超高真空に到達するため、真空チャンバ17全体を100度以上に加熱するいわゆるベーキングをガス電界電離イオン源1の立ち上げ作業に含めてもよい。
ガス電界電離イオン源1のエミッタティップ11から水素イオンビームを放出するためにはまずエミッタティップ11と引出電極13との間に電源111を用いて高電圧を印可する。エミッタティップ11の先端は先鋭化されており高電圧の印可により先端に電界が集中する。この状態でガス供給部37を用いて水素ガスを真空チャンバ17内に導入すればエミッタティップ11の先端から水素イオンビームが放出される。
水素イオンビームの輝度を上昇するためには、冷却機構4によるエミッタティップ11の冷却温度を最適にする必要がある。また真空チャンバ17内に導入する水素ガスの圧力を最適にする必要がある。またエミッタティップ11の先端を原子レベル、例えば原子1個・3個・7個などに終端する必要がある。
エミッタティップ11の先端を原子レベルに先鋭化するために、エミッタティップ11の加熱を含む方法を用いてもよい。また同様にエミッタティップ11の先端を先鋭化するために、エミッタティップ11を加熱しながら真空チャンバ17内に例えばO2やN2などのガスを導入する方法を用いてもよい。また同様にエミッタティップ11を先鋭化するために、エミッタティップ11と引出電極13の間に高電圧を印可しながら、真空チャンバ17内に例えばO2やN2などのガスを導入する方法を用いてもよい。また同様にエミッタティップ11はタングステンを主成分とする針で構成し、その表面に貴金属、例えばIr、Pt、Pdなどを蒸着した後、エミッタティップ11を加熱する方法を用いてもよい。
溜め込み型真空排気部18は例えばチタンサブリメーションポンプに代表されるゲッターポンプ、または非蒸発ゲッターポンプである。上記の溜め込み型排気部18の代わりか、もしくは加えて、クライオポンプ414を備えてもよい。これらの溜め込み型の真空排気部は真空チャンバ内の不純物ガス、例えばCO、CO2、CH4等の量を低減するのに効果を奏する。これらの不純物ガスがガス電界電離イオン源1のエミッタティップ11から放出するイオンビーム15が不安定となる原因となるのは前述の通りである。クライオポンプ414は冷却機構4によって冷却されるガス電界電離イオン源1の部材のどの部分に備えてもよい。その中でも、冷却温度ができる限り低い部分に備えると、最も効率がよく冷却することができるため制御がしやすく、不純物ガス低減の上で有効である。図1の例ではこの点を考慮しクライオポンプ414を冷凍機2ndステージ413の近くに配置した例を示した。
溜め込み型真空排気部18またはクライオポンプ414は上記のベーキングの作業により真空チャンバ17の温度が高温に保たれている間に、加熱を伴う初期化の作業を行うと効率が良い。クライオポンプ414においては、その表面積は大きい方が上記不純物ガスを低減する能力が大きくなる。このためクライオポンプ414は熱伝導性の良い、例えば銅やアルミなどの金属製の板を何枚も有するフィン構造や、活性炭などの微小な孔を無数に有する素材などを用いてもよい。
溜め込み型排気部18またはクライオポンプ414は真空チャンバ内の残留ガスを低減するのに効果を奏するが、ガス導入機構37より導入される水素ガスにも排気速度を持ち、かつそこに配置されるポンプの排気能力は一定ではない。例えば非蒸発ゲッターポンプでは水素ガスを真空チャンバから排出した量に応じて排気速度が低下していく。また例えばクライオポンプではクライオポンプの温度によって排気速度が大きく異なる。
これはイオンビームとなるガスとしてヘリウムガスを選択した場合とは大きく異なる。非蒸発ゲッターポンプも、クライオポンプもヘリウムガスに対しては排気速度が小さく、ほぼヘリウムガス以外のガス、すなわち不純物ガスのみを排気するといって良い。ヘリウムガスの排気速度がもともと小さいことから、飽和による排気速度の変化は小さく、かつ変動がティップ周辺のガス圧力に与える影響は軽微である。クライオポンプの排気速度の温度依存性もヘリウムの場合非常に小さい。
このことから、従来のようなイオン顕微鏡にてヘリウムガスをイオン種に選択した場合には、クライオポンプの導入するヘリウムガスの流量を極力小さくした方がよかった。これは、ガスの消費量を抑えるという観点、ティップ周辺にガス供給系から不純物ガスが混入する量を低減するという観点から好適であると考えられたためである。したがって、本願発明は、従来のヘリウムガスイオン顕微鏡では想起し得なかった課題を解決する発明である。
一方ここで、イオンビームとなるガスとして水素ガスを選択した場合クライオポンプの温度調整をすることで、この変動を回避することができる。
特に、クライオポンプの温度は10Kから30Kの間に制御するのが、水素以外の不純物を低減するのに好適である。この温度領域のクライオポンプは水素ガス対しても排気速度を持つが、水素ガスの流量と圧力を制御すれば真空チャンバ17内に導入された水素ガスの圧力を安定することができる。
一方でエミッタティップ11の温度は20Kから60Kの間に制御するのが、イオンビーム15を安定かつ電流量を高くするうえで好適である。イオンビーム15の電流量はこの温度の範囲内で、温度が低いほど高くなるが、不純物ガスのエミッタティップ11先端への吸着も多くなるので、この効果を加味しながら、上記の範囲内でユーザーが自由に温度を設定できる。
これにより、従来のクライオポンプを単に設置する場合と比較して、冷却機構を新たに設けることなく、クライオ効果を発揮する排気部を実現することができる。これは、エミッタティップを冷却する必要がある、電界電離イオン源等のイオンビーム装置において、ヘリウムガス以外のガス種における特有の事情を発明者が検討したことに起因するものである。
また、従来のクライオポンプと同等の性能ではなく、排気したい特定のガスを吸着するようにクライオ効果を温度制御するための制御部を有することで、より好適な排気を行う事が出来る。これも、水素ガス等を用いる電界電離イオン源等のイオンビーム装置における特有の事情を発明者が検討したことに起因するものである。
次に、上述したクライオ効果を制御するとき併せて行うことで、より一層の効果が望める構成について説明する。なお、下記に記載する構成は単独で行っても本願発明の効果を奏する。
発明者が本願の発明をより検討したところ、イオンビーム15のエミッションに必要な水素ガスの導入時には、真空チャンバ内において冷却されている部分の温度が大きく変わることが分かった。これは真空チャンバ17の外壁と冷却されている部分が導入した水素ガスを介して熱交換を行う効果によるものである。また冷凍機構4の冷凍機本体41に例えばGM冷凍機を用いた場合、冷凍機のピストン運動の周期で冷凍機2ndステージ413の温度が変動し、この変動によってクライオポンプ414の温度も変動する。
これら溜め込み型の排気部が持つ水素ガスの排気速度の変動により、真空チャンバ17内の水素ガスの圧力が変動する。エミッタティップ11の先端より放出されるイオンビーム15の電流量は真空チャンバ17内の水素の圧力に比例するため、上記の水素ガスの圧力の変動によりイオンビーム15の電流量も変動してしまう。
したがって、上記の水素ガス圧力の変動を低減するために、ガス電界電離イオン源1はさらに以下の構成を備える。排出型の真空排気部の排気コンダクタンスを他の排気部に比べて最も大きくする。またさらには、真空チャンバ17に供給する水素ガスの流量と圧力を独立に制御可能にすると、水素ガス圧力の変動をより低減することができる。
言い換えるならば、上記の溜め込み型の真空排気部が持つ水素の排気速度以上の流量の水素ガスをエミッタティップを含む真空チャンバに供給し、別の安定した真空排気部を用いて排気すれば、エミッタティップ周辺の不純物ガスを低減するとともに、上記溜め込み型の真空排気部の排気速度の変動を吸収し、エミッタティップ周辺の水素圧力を安定化できることを見出した。つまり溜め込み型真空排気部を上記真空チャンバに接続しエミッタティップ周辺の真空排気を行うと同時に、比較的排気速度が安定する排出型の真空排気部(例えばターボ分子ポンプ)を同時に上記真空チャンバに接続し真空排気を行う。このとき上記排出型の真空排気部の排気コンダクタンスが、上記溜め込み型の真空排気手段の排気コンダクタンスを上回る必要がある。
例えばガス供給部37が備える真空チャンバ17に接続されたガスノズル371の上流側に流量調整部374を備え、かつ排出型排気部16と真空チャンバ17の間に流量調整部161を備えればよい。
排気速度が安定な排出型の真空排気部が水素ガスの排気のうち、大部分を占めれば、溜め込み型排気部の排気速度の変化がある程度あったとしても真空チャンバ17の水素ガス圧の変動を相対的に小さくすることができる。
さらに流量調整部374及び流量調整161を備えれば、真空チャンバ17内の水素ガス圧と水素ガス流量とを独立に設定できる。この場合、例えば、溜め込み型排気部の排気速度の変動が大きいときには水素ガス流量を大きく設定し、圧力の変動を小さくできる。一方、溜め込み型排気部の排気速度の変動が小さいときには水素ガス流量を小さくし、水素ガスの消費量を抑えることができる。
流量調整部374はガス流量が無段階に調節できるいわゆるリークバルブ、例えばニードルバルブ等で水素ガスボンベ376からガスノズル371に至るいずれかのガス流路のコンダクタンスを変更し真空チャンバ17に所望の流量の水素ガスを供給する手段であってよい。または流量調整部374はガスノズル371から水素ガスボンベ376の間の圧力を調整し、真空チャンバ17に所望の流量の水素ガスを供給する手段であってもよい。
流量調整部161は同じくガス流量が無段階に調節できるいわゆるリークバルブ、例えばニードルバルブ等であって、排出型真空排気部16と真空チャンバ17の間のコンダクタンスを調節することにより、所望の水素ガスを排出する手段であってよい。または排出型真空排気部16そのものの排気速度を変更する手段であってよい。排出型真空排気部16は排気速度が安定なものが望ましく、例えばターボ分子ポンプなどが好適である。ターボ分子ポンプの真空排気速度はその回転数を変更することにより、ある程度調整が可能であり、かつ溜め込み型真空排気部に比べて、その排気速度は安定している。
流量調整部374及び流量調整部161を用いれば、真空チャンバ17内の水素ガス圧力と水素ガス供給量を排出型真空排気部16やガス導入機構37の能力を上回らない範囲で独立に調整可能である。ここで水素ガス供給量を溜め込み型排気部18、またはクライオポンプ(クライオ効果を発揮する部材)414が持つ水素ガスの排気速度と同等かさらに大きい流量とすれば、溜め込み型排気部18またはクライオポンプ414の排気速度の変動が真空チャンバ17内の水素ガス圧力に与える影響を小さくすることが可能である。
次に、図2を参照してガス電界電離イオン源の流量調整を説明する。ここで説明する例によって真空チャンバ17内の水素ガス圧を図1の構成に対してさらに安定にすることができる。すなわち圧力センサ163によって測定された真空チャンバ17内の水素ガス圧力によって、排気量調整部161または流量調整部374の少なくとも一方を調整して、真空チャンバ17内の水素ガス圧力を安定にする方法である。例えばある目標のガス圧力を圧力表示部162に記録し、測定されたガス圧力と前記目標の圧力との差を小さくする方向に排気量調整部161または流量調整部374の調整をしてもよい。流量調整部374による調整の結果は流量表示部375に表示してもよい。
次に図3を参照してクライオポンプの説明を行う。クライオポンプ414の温度調整を温度調節部418により行うことにより、クライオポンプ414の温度変化が真空チャンバ17内の水素圧力を変動させる影響をさらに低減できる。温度調節部418は例えば、クライオポンプ414に接続された温度センサ417により温度を読みとり、目標とする温度に安定するようにヒーター416に通電する電流量を調整するよう構成してもよい。または、温度調節部418は例えば、クライオポンプ414に接続された温度センサ417により温度を読みとり目標とする温度に安定するように冷却機構4の冷凍能力を調整するよう構成してもよい。
さらに圧力センサ163により測定された真空チャンバ17内部の圧力にしたがってヒーター416の出力をあらかじめ調節すれば、水素ガスを真空チャンバ17に導入した際、真空チャンバ17の外壁と冷却機構4により冷却されたクライオポンプ414の間で働く水素ガスの熱交換作用を打ち消し、クライオポンプ414の温度上昇を防止することができる。クライオポンプ414の温度上昇は真空チャンバ17内の不純物ガス量を増加させるため、イオンビーム15の電流量の不安定を引き起こす可能性がある。
いままで上述した構成は、水素ガスの代わりに窒素ガスを用いても同様の効果が期待できる。また、クライオポンプの温度は水素の場合とは異なる温度に設定してもよい。
また、いままで上述した構成は、クライオポンプの温度管理を行うことで、イオンビームの安定化を図る発明を説明したが、同様の課題について、クライオポンプではなく、非蒸発ゲッターポンプを用いても解決することができる。以下にその説明を行う。
この場合、非蒸発ゲッターポンプは図1で示したクライオポンプ414と同様に、イオンビーム装置の内部のどこに設けてもよい。非蒸発ゲッターポンプはエミッタティップ11の近傍やクライオポンプ414と同様の箇所に設置するとより好ましい。
そして、非蒸発ゲッターポンプもクライオポンプ同様に水素ガスの排気能力を持つ。非蒸発ゲッターポンプのゲッター材は水素ガスを吸着することにより排気するのではなく、ゲッター材内部に拡散、吸蔵することにより水素ガスを排気する特性をもつ。この特性は、水素ガスと他の不純物ガスとの排気の原理が異なることを意味しており、他の不純物ガスが表面に化学的に吸着されることにより排気されるのとは大きく異なっている。つまり、非蒸発ゲッターポンプの水素の排気速度はおおむねゲッター材の体積に依存するが、その他の不純物ガスはおおむねゲッター材の表面積に依存する。
本願発明者はこの特性に注目し、本発明に有用な非蒸発ゲッターポンプの形状を考慮した。すなわち非蒸発ゲッターポンプのゲッター材の体積を表面積に対して減らせば、不純物ガスの排気速度に対して、水素ガスの排気速度が相対的に減少する。具体的な形状としては非蒸発ゲッターポンプのゲッター材を薄膜として支持材料に形成すればよい。
さらに具体的には、上記ゲッター材の薄膜の厚さを10um以下にすることで、不純物ガスに対する排気能力をある程度保持したまま、水素ガスの排気速度を低減することができる。すなわち実施例1において説明した構成で、真空チャンバ17内の水素ガスの圧力をさらに安定することが可能となり、その結果イオンビーム15も安定する。
最後に、前記のような方法で水素ガスの圧力を安定し、不純物ガスの量を低減したとしても、なおエミッタティップ11の先端に不純物ガスが吸着した場合について説明する。
このときにはエミッタティップ11及び引出電極13の間に印可する引出電圧を増加して、エミッタティップ先端の電界を高める事で、エミッタティップ11の先端に吸着した不純物ガスをいわゆる電界蒸発により除去することが可能である。ここで、引出電圧は高すぎると、エミッタティップの先端の金属原子も吸着した不純物ガスとともに電界蒸発してしまうし、逆に低すぎると、吸着した不純物ガスが電界蒸発せず効果が得られない。
引出電圧の値はエミッタティップ11から放出されるイオンビーム15の電流量を最大にせしめる引出電圧の倍、印可すると上記の観点から好適であることを見出した。
引出電圧に対する印可電圧を高め、十分先端の状態が良好になったと判断したら、引出電圧を元の値に戻し、イオンビーム15のエミッションを再開する。上記の判断は、エミッタティップの先端の状態を原子レベルの分解能で観察できるField Ion Microscope(FIM)と呼ばれる手法を用いることができる。
FIMの像の取得にはMicro channel plateと呼ばれる、位置敏感の検出器か、もしくはイオンビーム15を微小孔の上を走査し、微小孔をとおりぬけたイオンビームの電流量とイオンビーム15の走査の位置を一対一させ二次元にマッピングする手法を用いる。
エミッタティップ11の先端の良好な状態のFIMの像を保存しておき、上記の電界蒸発の後のFIMの像と比較することで、上記の電界蒸発の方法の成否を判断できる。この判断はユーザーが行ってもよいし、良好な状態と観察した状態の両者画像の相関を取るプログラムにより判定してもよい。判定は前後2枚のみで判定する必要はなく、例えば引出電圧の異なるFIMの像をシリーズで取得しておき、電界蒸発後の状態も引出電圧の異なるFIMの像もシリーズで取得しさらに比較を行えば、より精度の高い判定を行うことが可能になる。
1…ガス電界電離イオン源
11…エミッタティップ
12…イオンが通過する開口部
13…引出電極
14…イオン化室外壁
15…イオンビーム
16…排出型真空排気部
17…真空チャンバ
18…溜め込み型真空排気部
111…電源
161…流量調整部
162…圧力表示部
163…圧力センサ
164…圧力表示器
37…ガス導入機構
371…ガスノズル
374…流量調整部
375…流量表示部
376…水素ガスボンベ
4…冷却機構
41…冷凍機本体
412…冷凍機1stステージ
413…冷凍機2ndステージ
414…クライオポンプ
415…熱輻射シールド
416…ヒーター
417…温度センサ
418…温度調整部

Claims (14)

  1. チャンバにガスを供給し、前記ガスをイオンビームにして試料に照射する電界電離イオン源を備えたイオンビーム装置において、
    針状の先端を持つエミッタ電極と、
    前記エミッタ電極が内側に設置されたチャンバと、
    前記チャンバに前記ガスを供給するガス供給部と、
    前記チャンバと接続され、前記エミッタ電極を冷却する冷却部と、
    前記チャンバの内部のガスを排気する排出型の排気部と、
    前記チャンバの内部のガスを排気する溜め込み型の排気部と、を有し、
    前記排出型の排気部の排気コンダクタンスは、前記溜め込み型の排気部の排気コンダクタンスよりも大きいことを特徴とするイオンビーム装置。
  2. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記溜め込み型の排気部は、前記冷却部から伝熱部を介して接続され、前記イオンビームとなるガス種と前記イオンビームとなるガス種以外のガス種との少なくとも2種以上のガス種を吸着するクライオ部材であり、
    前記クライオ部材に接続されたヒーターと、
    前記ヒーターの温度を制御する温度制御部と、をさらに有することを特徴とするイオンビーム装置。
  3. 請求項2に記載のイオンビーム装置において、
    前記チャンバの内側の圧力を計測する圧力センサをさらに有し、
    前記温度制御部は、前記圧力センサの出力に基づき前記ヒーターの温度を制御することを特徴とするイオンビーム装置。
  4. 請求項3に記載のイオンビーム装置において、
    前記エミッタティップの温度が20Kから60Kまでの範囲である場合、前記温度制御部は、前記クライオ部材の温度を10Kから30Kまでの範囲にて制御することを特徴とするイオンビーム装置。
  5. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記チャンバと前記ガス供給部とは、第一の流量調整部を介して接続され、
    前記チャンバと前記排出型の排気部とは、第二の流量調整部を介して接続されることを特徴とするイオンビーム装置。
  6. 請求項5に記載のイオンビーム装置において、
    前記チャンバの内側の圧力を計測する圧力センサをさらに有し、
    前記第一の流量調整部と前記第二の流量調整部とは、前記圧力センサの出力に基づき前記ガスの流量が制御されることを特徴とするイオンビーム装置。
  7. 請求項4に記載のイオンビーム装置において、
    前記溜め込み型の排気部は、ゲッター材が支持部材の表面に膜厚10um以下にて形成されている非蒸発ゲッターポンプであることを特徴とするイオンビーム装置。
  8. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記供給されるガスは水素または窒素であることを特徴とするイオンビーム装置。
  9. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記エミッタティップの状態を検出する検出部と、
    前記ガスをイオンビームとして試料に照射するための引出電極とをさらに有し、
    前記検出部にて検出された情報に基づき、前記引出電極に印加する電圧を制御することを特徴とするイオンビーム装置。
  10. 請求項9に記載のイオンビーム装置において、
    前記検出部にて検出された情報は、アパーチャーを通るイオンビームを走査して得られた画像、もしくはマイクロチャネルプレートを用いて得られた画像であることを特徴とするイオンビーム装置。
  11. 導入されたガスをイオンビームにして試料に照射する照射ステップを有するイオンビーム照射方法において、
    針状の先端を持つエミッタ電極を冷却部にて冷却する冷却ステップと、
    前記エミッタ電極の近傍に前記ガスを供給する供給ステップと、
    排出型の排気部を用いて前記チャンバの内部のガスを排気する排出型排気ステップと、
    前記排出型の排気部とは異なる溜め込み型の排気部を用いて前記チャンバの内部のガスを排気する溜め込み型排気ステップと、
    圧力センサを用いて、記エミッタ電極の近傍の圧力を計測する計測ステップと、
    前記計測ステップの計測結果に基づき、前記供給ステップにおける前記ガスの供給量と前記排出型排気ステップにおける前記ガスの排気量とを制御するガス流量制御ステップと、を有し。
    前記ガス流量制御ステップは、前記排出型の排気部の排気コンダクタンスは、前記溜め込み型の排気部の排気コンダクタンスよりも大きいことを特徴とするイオンビーム照射方法。
  12. 請求項11に記載のイオンビーム照射方法において、
    前記冷却部から伝熱部を介して接続された部材を、クライオ効果が生じる温度まで冷却するクライオステップと、
    前記冷却された前記部材の温度を制御し、前記イオンビームとなるガス種と前記イオンビームとなるガス種以外のガス種との少なくとも2種以上のガス種を吸着する吸着ステップと、を有することを特徴とするイオンビーム照射方法。
  13. 請求項12に記載のイオンビーム照射方法において、
    前記エミッタ電極が内側に設置されたチャンバの内側の圧力を計測する圧力計測ステップをさらに有し、
    前記吸着ステップは、前記計測された前記圧力に基づき、前記部材の温度を制御することを特徴とするイオンビーム照射方法。
  14. チャンバにガスを供給し、前記ガスをイオンビームにして試料に照射する電界電離イオン源を備えたイオンビーム装置において、
    針状の先端を持つエミッタ電極と、
    前記エミッタ電極が内側に設置されたチャンバと、
    前記チャンバに前記ガスを供給するガス供給部と、
    前記チャンバと接続され、前記エミッタ電極を冷却する冷却部と、
    前記冷却部から伝熱部を介して接続され、前記イオンビームとなるガス種と前記イオンビームとなるガス種以外のガス種との少なくとも2種以上のガス種を吸着するクライオ部材と、
    前記クライオ部材に接続されたヒーターと、
    前記ヒーターの温度を制御する温度制御部と、
    前記チャンバの内側の圧力を計測する圧力センサとを有し、
    前記温度制御部は、前記圧力センサの出力に基づき前記ヒーターの温度を制御することを特徴とするイオンビーム装置。
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