JP6271428B2 - 止血剤を適用するための添加剤治療器具 - Google Patents

Description

一部の状況では、内視鏡外科用器具は、より小さい切開が、手術後の回復時間及び合併症を低減し得るために、従来の開腹外科装置よりも好ましい場合がある。したがって、幾つかの内視鏡外科用器具は、トロカールのカニューレを介して所望の手術部位に遠位エンドエフェクタを定置するのに好適であり得る。これらの遠位エンドエフェクタは、多くの方法で組織に係合して診断又は治療効果を達成し得る（例えば、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラー、クリップ適用器具、アクセス装置、薬物／遺伝子治療送達装置、及び超音波、ＲＦ、レーザなどを使用するエネルギー送達装置）。内視鏡外科用器具は、エンドエフェクタとハンドル部分との間に、臨床医によって操作されるシャフトを有することがある。かかるシャフトは、所望の深さへの挿入とシャフトの縦軸の周りの回転を可能にし、それにより患者内のエンドエフェクタの位置決めが容易になる。エンドエフェクタの位置決めは、１つ又は２つ以上の関節動作ジョイント若しくは特徴部を含めることによって更に促進されることができ、シャフトの長手方向軸に対してエンドエフェクタを選択的に関節動作するか又は他の方法で偏向することを可能にする。

内視鏡外科用器具の例としては、外科用ステープラーが挙げられる。かかるステープラーの幾つかは、組織層をクランプし、クランプした組織層を切断し、組織層を通してステープルを打ち込むことによって組織層の切断された端の近くで組織層をともに実質的に封着するように動作可能である。単に例示的な外科用ステープラーは、１９８９年２月２１日に発行された「Ｐｏｃｋｅｔ Ｃｏｎｆｉｇｕｒａｔｉｏｎ ｆｏｒ Ｉｎｔｅｒｎａｌ Ｏｒｇａｎ Ｓｔａｐｌｅｒｓ」と題される米国特許第４，８０５，８２３号、１９９５年５月１６日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｓｔａｐｌｅｒ ａｎｄ Ｓｔａｐｌｅ Ｃａｒｔｒｉｄｇｅ」と題される米国特許第５，４１５，３３４号、１９９５年１１月１４日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｓｔａｐｌｅｒ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ」と題される米国特許第５，４６５，８９５号、１９９７年１月２８日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｓｔａｐｌｅｒ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ」と題される米国特許第５，５９７，１０７号、１９９７年５月２７日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ」と題される米国特許第５，６３２，４３２号、１９９７年１０月７日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ」と題される米国特許第５，６７３，８４０号、１９９８年１月６日に発行された「Ａｒｔｉｃｕｌａｔｉｏｎ Ａｓｓｅｍｂｌｙ ｆｏｒ Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔｓ」と題される米国特許第５，７０４，５３４号、１９９８年９月２９日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｃｌａｍｐｉｎｇ Ｍｅｃｈａｎｉｓｍ」と題される米国特許第５，８１４，０５５号、２００５年１１月１５日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｓｔａｐｌｉｎｇ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ ｈａｖｉｎｇ Ａｒｔｉｃｕｌａｔｉｏｎ Ｊｏｉｎｔ Ｓｕｐｐｏｒｔ Ｐｌａｔｅｓ ｆｏｒ Ｓｕｐｐｏｒｔｉｎｇ ａ Ｆｉｒｉｎｇ Ｂａｒ」と題される米国特許第６，９６４，３６３号、２００５年１２月２７日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｓｔａｐｌｉｎｇ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ Ｉｎｃｏｒｐｏｒａｔｉｎｇ ａｎ Ｅ−Ｂｅａｍ Ｆｉｒｉｎｇ Ｍｅｃｈａｎｉｓｍ」と題される米国特許第６，９７８，９２１号、２００６年１月２４日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｓｔａｐｌｉｎｇ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ Ｈａｖｉｎｇ ａ Ｓｐｅｎｔ Ｃａｒｔｒｉｄｇｅ Ｌｏｃｋｏｕｔ」と題される米国特許第６，９８８，６４９号、２００６年２月２１日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｓｔａｐｌｉｎｇ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ Ｈａｖｉｎｇ Ｓｅｐａｒａｔｅ Ｄｉｓｔｉｎｃｔ Ｃｌｏｓｉｎｇ ａｎｄ Ｆｉｒｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍｓ」と題される米国特許第７，０００，８１８号、２００６年９月２６日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ Ｉｎｃｏｒｐｏｒａｔｉｎｇ ａｎ Ａｒｔｉｃｕｌａｔｉｏｎ Ｍｅｃｈａｎｉｓｍ ｈａｖｉｎｇ Ｒｏｔａｔｉｏｎ ａｂｏｕｔ ｔｈｅ Ｌｏｎｇｉｔｕｄｉｎａｌ Ａｘｉｓ」と題される米国特許第７，１１１，７６９号、２００６年１２月５日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｓｔａｐｌｉｎｇ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ Ｈａｖｉｎｇ ａ Ｆｉｒｉｎｇ Ｌｏｃｋｏｕｔ ｆｏｒ ａｎ Ｕｎｃｌｏｓｅｄ Ａｎｖｉｌ」と題される米国特許第７，１４３，９２３号、２００７年１２月４日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｓｔａｐｌｉｎｇ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ Ｉｎｃｏｒｐｏｒａｔｉｎｇ ａ Ｍｕｌｔｉ−Ｓｔｒｏｋｅ Ｆｉｒｉｎｇ Ｍｅｃｈａｎｉｓｍ ｗｉｔｈ ａ Ｆｌｅｘｉｂｌｅ Ｒａｃｋ」と題される米国特許第７，３０３，１０８号、２００８年５月６日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｓｔａｐｌｉｎｇ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ Ｉｎｃｏｒｐｏｒａｔｉｎｇ ａ Ｍｕｌｔｉｓｔｒｏｋｅ Ｆｉｒｉｎｇ Ｍｅｃｈａｎｉｓｍ Ｈａｖｉｎｇ ａ Ｒｏｔａｒｙ Ｔｒａｎｓｍｉｓｓｉｏｎ」と題される米国特許第７，３６７，４８５号、２００８年６月３日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｓｔａｐｌｉｎｇ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ Ｈａｖｉｎｇ ａ Ｓｉｎｇｌｅ Ｌｏｃｋｏｕｔ Ｍｅｃｈａｎｉｓｍ ｆｏｒ Ｐｒｅｖｅｎｔｉｏｎ ｏｆ Ｆｉｒｉｎｇ」と題される米国特許第７，３８０，６９５号、２００８年６月３日に発行された「Ａｒｔｉｃｕｌａｔｉｎｇ Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｓｔａｐｌｉｎｇ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ Ｉｎｃｏｒｐｏｒａｔｉｎｇ ａ Ｔｗｏ−Ｐｉｅｃｅ Ｅ−Ｂｅａｍ Ｆｉｒｉｎｇ Ｍｅｃｈａｎｉｓｍ」と題される米国特許第７，３８０，６９６号、２００８年７月２９日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｓｔａｐｌｉｎｇ ａｎｄ Ｃｕｔｔｉｎｇ Ｄｅｖｉｃｅ」と題される米国特許第７，４０４，５０８号、２００８年１０月１４日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｓｔａｐｌｉｎｇ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ ｈａｖｉｎｇ Ｍｕｌｔｉｓｔｒｏｋｅ Ｆｉｒｉｎｇ ｗｉｔｈ Ｏｐｅｎｉｎｇ Ｌｏｃｋｏｕｔ」と題される米国特許第７，４３４，７１５号、２０１０年５月２５日に発行された「Ｄｉｓｐｏｓａｂｌｅ Ｃａｒｔｒｉｄｇｅ ｗｉｔｈ Ａｄｈｅｓｉｖｅ ｆｏｒ Ｕｓｅ ｗｉｔｈ ａ Ｓｔａｐｌｉｎｇ Ｄｅｖｉｃｅ」と題される米国特許第７，７２１，９３０号、及び、２００８年１１月２５日に発行された「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔ ｗｉｔｈ Ａｒｔｉｃｕｌａｔｉｎｇ Ｓｈａｆｔ ｗｉｔｈ Ｒｉｇｉｄ Ｆｉｒｉｎｇ Ｂａｒ Ｓｕｐｐｏｒｔｓ」と題される米国特許第７，４５５，２０８号に開示されている。これらの米国特許のそれぞれの開示内容が本明細書に参考により組み込まれている。参考として上述した外科用ステープラーは、内視鏡手技において使用されるものとして記載されているが、かかる外科用ステープラーは、開口手技及び／又は他の非内視鏡手技でも使用することができることを理解されたい。

様々な種類の外科用ステープル器具及び関連構成要素が作製され使用されてきたが、本発明者ら以前には、付属の請求項に記載されている本発明を誰も作製又は使用したことがないものと考えられる。

本明細書に組み込まれると共に本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、上記の本発明の一般的説明、及び以下の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つものである。
関節動作していない位置にあるエンドエフェクタを有する関節動作外科器具の斜視図を示す。 関節動作位置にあるエンドエフェクタを有する図１Ａの手術器具の斜視図を示す。 図１Ａ及び１Ｂの外科用器具の開放されたエンドエフェクタの斜視図を示す。 発射バーが近位位置にある、図２の線３−３に沿って取られた図２のエンドエフェクタの側断面図を示す。 図２の線３−３に沿って取られた図２のエンドエフェクタの側断面図を示すが、発射バーが遠位位置にある状態を示している。 図２の線４−４に沿って取られた、図２エンドエフェクタの端末断面図を示す。 図２のエンドエフェクタの分解斜視図を示す。 組織に位置付けられかつ組織において１回起動された、図２のエンドエフェクタの斜視図を示す。 例示のバットレスがカートリッジ上に配設されている状態で図２のエンドエフェクタの取り外し可能なカートリッジのバージョンの斜視図を示す。 組織を通して起動されている図２のエンドエフェクタからの例示のステープルの詳細図を示す。 図２のエンドエフェクタの上部つかみ具のアンビル及び下部つかみ具内のカートリッジの代替のバージョン並びにアンビル及び下部つかみ具上へ生体適合性材料を分配するための例示のアプリケータンの斜視図を示す。 生体適合性材料がアンビル及び下部つかみ具上に分配された状態の図９のエンドエフェクタの正面図を示す。 図９の線１１−１１に沿って取られた図９のディスペンサの断面端末図を示す。 図９の線１１−１１に沿って取られた図９のディスペンサの代替のバージョンの断面端末図を示す。 図１０のエンドエフェクタから組織内へ解放された例示のステープルの正面図を示す。 図２のエンドエフェクタの下部つかみ具内へ挿入された例示の取り外し可能なカートリッジが例示のバットレスを通して及び組織内へステープルを挿入した、側断面図を示す。 図１３のカートリッジの部分斜視図を示す。 アンビルカートリッジが組織補修組成物を含み、組織補修組成物を組織上へ解放するためにエンドエフェクタが組織内に位置付けされかつ組織内で起動された状態でのエンドエフェクタの斜視図を示す。

各図面は、いかなる意味においても限定的なものではなく、図に必ずしも示されていないものを含め、本発明の異なる実施形態を様々な他の方法で実施し得ることも考えられる。本明細書に組み込まれその一部をなす添付の図面は、本発明の幾つかの態様を示すものであり、説明文とともに本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明は図に示される正確な構成に限定されない点が理解されたい。

本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点が以下の説明から当業者には明らかとなろう。以下の説明は、実例として、本発明を実施するために企図される最良の形態の１つである。明らかなように、本発明は、本発明から逸脱することなく、他の様々な明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明文は、例示的な性質のものであって限定的なものと見なすべきではない。

Ｉ．例示の外科用ステープラー
図１〜図６は、外科手術を行うために、図１Ａに示すような非関節動作状態でトロカールカニューレ通路を通って患者の体内の手術部位まで挿入するように寸法決めがされている、例示的な外科ステープル留め及び切断器具（１０）を図示している。外科ステープル留め及び切断の器具（１０）は、実施部分（２２）へ接続されたハンドル部分（２０）を含み、後者は関節動作機構（１１）において遠位方向に終端するシャフト（２３）と、遠位方向に装着されたエンドエフェクタ（１２）と、を更に備える。一旦関節動作機構（１１）及びエンドエフェクタ（１２）がトロカールカニューレ通路を通って挿入されると、関節動作機構（１１）は、関節動作制御部（１３）によって図１Ｂに示すように、遠隔で関節動作されてよい。そのようにして、エンドエフェクタ（１２）は、所望の角度から又は他の理由のために、臓器の背後に到達する又は組織に近づくことができる。本明細書では、「近位」及び「遠位」といった用語は、器具（１０）のハンドル部分（２０）を握っている臨床医を基準として使用されていることを理解されたい。したがって、エンドエフェクタ（１２）は、より近位のハンドル部分（２０）に対して遠位である。（便宜上、また説明を明確にするため、本願では「垂直」及び「水平」といった空間的な用語を図面に対して使用する点も更に認識されるであろう。しかしながら、手術器具は、多くの配向き及び位置において使用され、これらの用語は、制限的及び絶対的であることが意図されない。

この例のエンドエフェクタ（１２）は下部つかみ具（１６）及び枢動可能なアンビル（１８）を含む。ハンドル部分（２０）はピストル把持部（２４）を含み、臨床医がピストル把持部（２４）に向かって閉鎖トリガー（２６）を枢動して引くことにより、エンドエフェクタ（１２）の下部つかみ具（１６）に向かってアンビル（１８）のクランプすなわち閉鎖が引き起こされる。そのようなアンビル（１８）の閉鎖は、ピストル把持部（２４）に対する閉鎖トリガー（２６）の枢動に応じてハンドル部分（２０）に対して長手方向に移動する最も外側の閉鎖スリーブ（３２）を通じてもたらされる。閉鎖スリーブ（３２）の遠位の閉鎖リング（３３）は、実施部分（２２）のフレーム（３４）によって間接的に支持される。関節動作機構（１１）において、閉鎖スリーブ（３２）の近位閉鎖チューブ（３５）は遠位の閉鎖リング（３３）と連通する。フレーム（３４）は、関節動作機構（１１）を介して下部つかみ具（１６）に柔軟に装着されて、単一の平面での関節動作を可能にする。フレーム（３４）はまた、発射トリガー（２８）からの発射運動を発射バー（１４）に伝えるためにシャフト（２３）を通って延在する発射駆動部材（図示せず）を長手方向に摺動可能に支持する。発射トリガー（２８）は、閉鎖トリガー（２６）より更に外側寄りにあり、以下に詳細に説明するように、これが臨床医によって枢動式に引かれると、エンドエフェクタ（１２）にクランプされている組織にステープルが打ち込まれ、組織が切断される。その後、解放ボタン（３０）を押してエンドエフェクタ（１２）から組織を解放する。

図２〜５は、多数の機能を発揮するためにＥ−ビーム発射バー（１４）を利用するエンドエフェクタ（１２）を示す。図３Ａ〜３Ｂに最もわかりやすく図示されているように、発射バー（１４）は横断方向に配向された上部ピン（３８）と、発射バーキャップ（４４）と、横断方向に配向された中間ピン（４６）と、遠位側に提供された切断エッジ（４８）と、を含む。上部ピン（３８）は、アンビル（１８）のアンビルポケット（４０）の内部に位置付けられており、移動可能である。発射バーキャップ（４４）は、下部つかみ具（１６）を通じて形成されたチャネルスロット（４５）（図３Ｂに図示）を通じて延在する発射バー（１４）を有することによって、下部つかみ具（１６）の下側表面と摺動可能に係合する。中間ピン（４６）は、下部つかみ具（１６）の上面と摺動可能に係合して、発射バーキャップ（４４）と協力動作する。これによって、発射バー（１４）は、発射中にエンドエフェクタ（１２）の間隔を確実に維持し、クランプされる組織の最少量の状態でのアンビル（１８）と下部つかみ具（１６）との間に生じる可能性のあるピンチングを克服し、クランプされた組織の過剰量の状態でのステープルの不良形成を克服する。

図２は、近位に位置付けられた発射バー（１４）及び開放位置へ枢動されて、未使用のステープルカートリッジ（３７）が下部つかみ具（１６）のチャネル内へ取り外し可能に実装されることを可能にするアンビル（１８）を示す。図４〜５に最もわかりやすく示されているように、この例のステープルカートリッジ（３７）はカートリッジ本体（７０）を含み、カートリッジ本体は上部デッキ（７２）を提供し、下部カートリッジトレー（７４）と連結されている。図２に最もわかりやすく示されているように、ステープルカートリッジ（３７）の部分を通じて垂直スロット（４９）が形成されている。また、図２には、垂直スロット（４９）の一方の側に上部デッキ（７２）を通じて形成された３列のステープルアパーチャ（５１）及び、垂直スロット（４９）のうちの他方の側に上部デッキ（７２）を通じて形成された３列のステープルアパーチャ（５１）が図示されている。再び図３〜５を参照すると、楔形スレッド（４１）及び複数のステープルドライバ（４３）がカートリッジ本体（７０）とトレー（７４）との間に捉えられており、楔形スレッド（４１）がステープルドライバ（４３）に対して近位に位置付けられている。楔形スレッド（４１）はステープルカートリッジ（３７）の内部で長手方向に移動可能であり、一方、ステープルドライバ（４３）はステープルカートリッジ（３７）の内部で垂直方向に移動可能である。ステープル（４７）もまたカートリッジ本体（７０）の内部に、対応するステープルドライバ（４３）の上に位置付けられる。具体的には、それぞれのステープル（４７）はステープルドライバ（４３）によってカートリッジ本体（７０）の内部で垂直方向に駆動されて、関連付けられたステープルアパーチャ（５１）を通してステープル（４７）を外へと駆動する。図３Ａ〜３Ｂ及び図５に最もよく図示されているように、楔形スレッド（４１）がステープルカートリッジ（３７）を介して遠位方向に駆動されるにつれて楔形スレッド（４１）はステープルドライバ（４３）を上方に付勢する傾斜カム表面を表示する。

図３Ａのようにエンドエフェクタ（１２）が閉じられている状態で、上部ピン（３８）を長手方向のアンビルスロット（４２）に入れることによって、発射バー（１４）がアンビル（１８）と係合して前進させられる。押しブロック（８０）は、発射バー（１４）の遠位端に位置して、発射バー（１４）がステープルカートリッジ（３７）を通じて遠位側に前進するにつれて押しブロック（８０）が楔形スレッド（４１）を遠位側に押すように、楔形スレッド（４１）と係合するように構成される。そのような発射中に、発射バー（１４）の切断エッジ（４８）がステープルカートリッジ（３７）の垂直スロット（４９）に入り、ステープルカートリッジ（３７）とアンビル（１８）との間にクランプされている組織を切断する。図３Ａ、３Ｂに示すように、ミドルピン（４６）及び押しブロック（８０）は共に、ステープルカートリッジ（３７）内のスロット（４９）へ進入することによって、ステープルカートリッジ（３７）を起動させ、楔形スレッド（４１）を駆動してステープルドライバ（４３）と上向きカム接触（camming contact）させて、その結果としてステープルアパーチャ（５１）を通してステープル（４７）を外へ駆動してかつアンビル（１８）の内側表面上でステープル形成ポケット（５３）と接触を形成する。図３Ｂは、組織の切断及びステープル留めを完了後に遠位方向に完全に移動された発射バー（１４）を図示する。

図６は、組織（９０）を貫通する１回のストロークを介して作動されたエンドエフェクタ（１２）を示す。ステープルドライバ（４３）が切断エッジ（４８）によって生成された切断線の各側の上に組織（９０）を通して交互の３列のステープル（４７）を駆動している間に、切断エッジ（４８）は組織（９０）を切り開いた。この例では、ステープル（４７）が全て切断線とほぼ平行に向いているが、ステープル（４７）は任意の好適な配向に位置付けることができることを理解されたい。この例では、最初のストロークが完了した後にエンドエフェクタ（１２）をトロカールから後退させ、使用済みのステープルカートリッジ（３７）を新しいステープルカートリッジと交換し、その後に、エンドエフェクタ（１２）を再びトロカールを通して挿入して、ステープル留めする部位に到達し、更なる切断及びステープル留めを行う。所望の量の切断及びステープル（４７）が提供されるまでこのプロセスを繰り返すことができる。トロカールを通じた挿入及び後退を可能にするためにアンビル（１８）を閉じる必要がある場合があり、ステープルカートリッジ（３７）の交換を容易にするためにアンビル（１８）を開く必要があり得るる。

それぞれの作動ストローク中に、ステープル（４７）が組織を通じて駆動されるのと実質的にほぼ同時に切断エッジ（４８）が組織を切断可能であることを理解されたい。この例では、切断エッジ（４８）はステープル（４７）の駆動にごくわずかに遅れて進むので、ステープル（４７）は、切断エッジ（４８）が組織の同じ区域を通過する直前に組織を通じて打ち込まれるが、この順序を逆にすることができること、又は、切断エッジ（４８）が隣接するステープルと直接同期されてもよいことを理解されたい。図６は、２層（９２、９４）の組織（９０）において起動されるエンドエフェクタ（１２）を示しているが、エンドエフェクタ（１２）が単層の組織（９０）を通じて又は２層（９２、９４）以上の組織を通じて起動されてもよいことを理解されたい。また、切断エッジ（４８）が作り出した切断線に隣接するステープル（４７）の形成及び位置付けが、切断線で組織を実質的に封着することができ、したがってその切断線での出血及び／又は他の体液の漏出を、低減若しくは予防することができることも理解されたい。器具（１０）が使用され得る他の好適な設定は、本明細書の教示に鑑みれば、当業者には明らかとなろう。

米国特許第４，８０５，８２３号、米国特許第５，４１５，３３４号、米国特許第５，４６５，８９５号、米国特許第５，５９７，１０７号、米国特許第５，６３２，４３２号、米国特許第５，６７３，８４０号、米国特許第５，７０４，５３４号、米国特許第５，８１４，０５５号、米国特許第６，９７８，９２１号、米国特許第７，０００，８１８号、米国特許第７，１４３，９２３号、米国特許第７，３０３，１０８号、米国特許第７，３６７，４８５号、米国特許第７，３８０，６９５号、米国特許第７，３８０，６９６号、米国特許第７，４０４，５０８号、米国特許第７，４３４，７１５、及び／又は米国特許第７，７２１，９３０号の教示のいずれかに従って器具（１０）が構成され得る及び動作可能であり得ることを理解されたい。

上述のように、それらの特許のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれている。器具（１０）に提供することができる更に他の例示的な修正例は、後でより詳しく述べられる。以下の教示が器具（１０）に採用される種々の適切な方法は、当業者に明らかであろう。同様に、以下の教示を本明細書で引用された特許の様々な教示と組み合わせることができる種々の適切な方法は、当業者に明らかであろう。また、以下の教示が、本明細書で引用された特許に教示された器具（１０）又は装置に限定されないことを理解されたい。以下の教示は、外科用ステープラーとして分類されない器具を含む様々な他の種類の器具に容易に適用することができる。以下の教示を適用することができる種々の他の適切な装置及び環境は、本明細書の教示を鑑みて当業者に明らかであろう。

ＩＩ．フィルムを備えた例示のカートリッジ
図７は、図２に示したエンドエフェクタ（１２）の下部つかみ具（１６）内に挿入されてよい別の例示の取り外し可能なカートリッジ（１０１）を示す。次に掲げる他は、本例のカートリッジ（１０１）は前述のカートリッジ（３７）と同様である。バットレス（１００）は、カートリッジ（１０１）の上部デッキ（１０５）の上面（１０２）の上に配設される。バットレス（１００）は、後述するように、止血剤を組織（９０）へ送達するフィルムを備える。代替的に、バットレス（１００）は、任意の他の好適な特性を有してもよい。

カートリッジ（１０１）のステープルポケット（１０７）は、前述のステープルアパーチャ（５１）と同様でありかつカートリッジ（１０１）が下部つかみ具（１６）に配設された後に発泡体、ペースト、又はゲル材料を受容するように構成される。ポケット（１０７）に含有される材料は、ポケット（１０７）内の所定位置にステープル（４７）を維持し、及び／又はカートリッジ（１０１）の本体（１０９）内に薬用、生体適合性材料を封止するように構成される。ポケット（１０７）は、グルー、織物などの種々の材料、及び本明細書の教示を考慮して当業者にとって明らかであろう材料を含み得る。止血剤を含むバットレス（１００）などのフィルムは、ゲル充填ポケット（１０７）を被覆するために上面（１０２）に配設されかつバットレス（１００）及び下にある薬用材料を所定位置に固定するために加熱される。幾つかのバージョンでは、バットレス（１００）をカートリッジ（１０１）に固定するためにバットレス（１００）の外縁のみが加熱される。アンビル（例えば、軽いプレスにおけるカスタム熱成形金型など）を含むがこれに限定されない、任意の好適な装置が、かかる加熱を提供するために使用されてよい。バットレス（１００）がカートリッジ（１０１）の上に配設されるとして示されている一方、バットレス（１００）はカートリッジ（１０１）に向いているアンビル（１８）の下面の上に追加的に又は代替的に配設されてよい。

図８は、バットレス（１００）を通して及び組織（９０）の層内へアンビル（１８）に向かって、矢印（Ａ）の方向に、前述の方法で駆動されるステープル（４７）を示す。幾つかのバージョンでは、ステープル（４７）及びドライバー（４３）はまた、バットレス（１００）と反応する活性化剤として機能することができる、止血剤又は他の添加剤材料（前述）でコーティンされてよい。例えば、ステープル（４７）及びドライバー（４３）は、フィブリン又はトロンビンのうちの片方でコーティンされてよいが、バットレス（１００）はフィブリン又はトロンビンのうちの他方を含み得る。コーティングされたステープル（４７）が、バットレス（１００）を穿刺するためにゲル充填ポケット（１０７）を通じて矢印（Ａ）の方向に駆動されるにつれて、ステープル（４７）は、ステープル（４７）及びバットレス（１００）の両方から組織（９０）上へ及び組織（９０）内へ組織補修組成物材料を解放する。例えば、図８はステープル（４７）上にコーティングされたゲル充填ポケット（１０７）からのゲル（１０３）を示す。追加的に、カートリッジ（１０１）及びバットレス（１００）を含むエンドエフェクタ（１２）が使用されるとき、バットレス（１００）から組織（９０）上へ組織補修組成物材料を解放するためにバットレス（１００）をスライスしながら発射バー（１４）が組織（９０）内へ発射される。カートリッジ（１０１）を含むエンドエフェクタ（１２）がステープル（４７）で組織（９０）をステープル留めするとき、組織補修組成物材料は、図１５に示した組織補修組成物（１０４）として解放されてよい。追加的に又は代替的に、バットレス（１００）の材料は、ステープル（４７）による組織（９０）の層（９２，９４）の機械的装着の健全性を補強する。外科用ステープル（４７）は、鉄、ニッケルチタン合金、ステンレス鋼、及び／又はチタンから選択された材料を含み得る。勿論、任意の他の好適な材料が使用されてよい。

バットレス（１００）用の材料とともにポケット（１０７）に配設されかつステープル（４７）上にコーティンされた材料は、例えば、血液を凝固させるのを補助しかつ手術部位での出血量を低減するフィブリン又はトロンビンなどの添加剤又は止血剤を含み得る。かかる添加剤の止血能力はまた、接着剤及びシーラントなどの添加剤の利用にも寄与し得る。これらの薬剤は、例えば、かかる血液を取り囲む組織がくっつき合うこと可能にする手術部位での血液を凝固させるのを補助し得、かつステープル留めされた組織部位に沿って漏れることを防止し得る。

かかる添加剤又は試薬は、血小板乏血漿（ＰＰＰ）、血小板浮遊血漿（ＰＰＰ）、でん粉、キトサン、アルギネート、フィブリン、多糖類、セルロース、コラーゲン、ウシコラーゲン、ゼラチン−レゾルシン−ホルマリン接着剤、酸化セルロース、ムラサキイガイ系接着剤、ポリ（アミノ酸）、アガロース、アミロース、ヒアルロナン、ポリヒドロキシ酪酸（ＰＨＢ）、ヒアルロン酸、ポリビニルピロリドン（ＰＶＰ）、ポリ（ビニルアルコール）（ＰＶＡ）、ポリラクチド（ＰＬＡ）、ポリグリコリド（ＰＧＡ）、ポリカプロラクトン（ＰＣＬ）、及びそれらのコポリマー、ＶＩＣＲＹＬ（登録商標）（Ｅｔｈｉｃｏｎ，Ｉｎｃ．，Ｓｏｍｅｒｖｉｌｌｅ，Ｎ．Ｊ．），ＭＯＮＯＣＲＹＬ材料、ＰＡＮＡＣＲＹＬ（Ｅｔｈｉｃｏｎ，Ｉｎｃ．，Ｓｏｍｅｒｖｉｌｌｅ，Ｎ．Ｊ．）などの薬液又はバットレス構成成分、及び／又は各材料の組み合わせを含む、生物学的材料と混合されかつ創傷又は欠陥部位へ導入されるのが好適な任意の他の材料を、更に含んでよいが、これらに限定されない。例えば、バットレス（１００）は、次の材料：イプシロン−カプロラクトングリコリド、ウシ囲心嚢、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリグラクチン、ポリジオキサノン、ポリグリコネート、乳清蛋白質、セルロースガム、でん粉、ゼラチン、シルク、ナイロン、ポリプロピレン、編組ポリエステル、ポリブテステル、ポリエチレン、及び／又はポリエーテルエーテルケトン類から選択された材料を含み得る。薬液又はバットレスに使用されてもよい他の好適な化合物、材料、物質などは本明細書の教示を鑑みて当業者に明らかであろう。

幾つかのバージョンでは、薬液はバットレス（１００）の材料を形成するために生体適合性担体の中で懸濁してよい．好適な担体としては、例えば、生理的緩衝液、流動性を有するゲル溶液、食塩水、及び水を挙げることができる。ゲル溶液の場合、組織修復組成物は、標的部位で送達される前は流動性を有するゲルの形態であってもよく、又は、標的部位で送達された後にゲルを形成して適所に留まってもよい。流動性を有するゲル溶液は、１種又は２種以上のゲル化物質を含んでもよく、添加された水、食塩水、又は生理的緩衝液を有してもよく、又は有さなくてもよい。好適なゲル化物質には、生体物質及び合成物質が含まれる。例示のゲル化材料には、タンパク質、多糖類、ポリヌクレオチド、及びその他の材料、例えば、アルギン酸塩、架橋アルギン酸塩、ポリ（Ｎ−イソプロピルアクリルアミド）、ポリ（オキシアルキレン）、ポリ（エチレンオキサイド）−ポリ（プロピレンオキシド）のコポリマー、ポリ（ビニルアルコール）、ポリアクリル酸塩、又はモノステアロイルグリセロールｃｏ−琥珀酸塩／ポリエチレングリコール（ＭＧＳＡ／ＰＥＧ）コポリマー、並びに前述の任意の組み合わせが挙げられる。

バットレス（１００）は、繊維状パッド、発泡体、マトリックス、メッシュ、又は例として、その開示が参照により本明細書に組み込まれている２００９年５月１４日に発行され「Ｓｕｒｇｉｃａｌ Ｆａｓｔｅｎｉｎｇ Ｄｅｖｉｃｅ ｗｉｔｈ Ｉｎｉｔｉａｔｏｒ Ｉｍｐｒｅｇｎａｔｉｏｎ ｏｆ ａ Ｍａｔｒｉｘ ｏｒ Ｂｕｔｔｒｅｓｓ ｔｏ Ｉｍｐｒｏｖｅ Ａｄｈｅｓｉｖｅ Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ」と題する米国特許出願第２００９／０１２０９９４号の教示に従う、別の構造体を含み得る。材料は、例えば、バットレスである生体適合性材料、内部に複数の開口部を有するマトリックス、連続気泡発泡体又は独立気泡発泡体、及び／又は織物パッドを含んでよい。材料は、接着剤を材料に引き込むウィッキング（吸い込み）特性を誘起し、かつ開口部に接着剤がない状態を維持して、組織に適用された後に組織がこれら開口部を通って成長できるようにする多孔を含んでもよい。

追加的に又は代替的に、バットレス（１００）は、シアノアクリレート接着剤などの重合性材料及び／又は架橋性材料などであるがこれらに限定されない接着剤から構成されてよい。接着剤は、例えば、モノマー状（プレポリマー状を含む）接着剤組成物、ポリマー接着剤組成物、又は組織へ付着することができる任意の他の化合物としてよい。実施形態では、モノマーは１，１−二置換エチレンモノマー、例えば、α−シアノアクリレートであってもよい。架橋された又は重合された場合、シアノアクリレートは液体から固体へ変化できる。重合接着剤は、例えば、フレキシブルからリジッドになるように配合できかつ海綿状になる可能性がある。所望であれば、接着剤は一液型又は二液型接着剤とすることができる、及び／又は代替の化合物などの添加剤を含有することができる。接着剤の重合は、水分、熱に晒されること、及び／又はその開示が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第２００９／０１２０９９４号に記載されているもののような密着開始剤から発生するがこれらに限定されない。バットレス（１００）を形成するために使用され得る他の好適な材料及び組成物は、本明細書の教示を考慮する当業者に明らかであろう。

ＩＩＩ．例示のアプリケータ
図９〜１２は、例示の使い捨て可能なアプリケータ（１０６）の使用に関連している。図９は、前述のエンドエフェクタ（１２）と同様な構成要素を有する、エンドエフェクタ（１１５）のバージョンにおけるカートリッジ（１１３）の上部デッキ（１１１）上へ位置付けられているアプリケータ（１０６）を示す。例えば、この例におけるエンドエフェクタ（１１５）のアンビル（１１７）は、エンドエフェクタ（１２）のアンビル（１８）と同様である。アプリケータ（１０６）は、アプリケータ（１０６）をカートリッジ（１１３）上へ付勢させるのを補助するハンドル（１１０）付き第１の端部（１０８）を含む。ハンドル（１１０）はまた、前述したように、アプリケータ（１０６）からの材料がアンビル（１１７）及びカートリッジ（１１３）へ適用された後、アプリケータ（１０６）をカートリッジ（１１３）から取り外すのを補助する。アプリケータ（１０６）の第２の端部（１１２）は、アンビル（１１７）及びカートリッジ（１１３）上に載置するための材料を含むアプリケータ部分（１１４）を含む。

図１１Ａ及び１１Ｂは、アプリケータ部分（１１４）の断面の代替のバージョンを示す。図１１Ａは、アプリケータ部分（１１４Ａ）が側壁（１１６）及び中央壁（１１８）を含むＨ字状の断面を呈しているバージョンを示し、中央壁（１１８）は上部部分（１２０）及び下部部分（１２２）を形成するために側壁（１１６）間に配設されている。上部部分（１２０）は、材料の２つの層（１２４，１２６）を含む。材料の第１の層（１２４）は壁（１１８）の直上に配設された織物などの材料を含み得る。織物は、例えば、添加剤ゲルを保護するバットレスを形成する織り酸化再生セルロース（ＯＲＣ）を含み得る。勿論、任意の他の好適な材料（例えば、織布又は不織布、メッシュ、若しくはテキスタイルなど）が使用されてよい。材料の第２の層（１２６）は、ペースト又はガム（例えば、シアノアクリレートなどの接着剤）の一種、又は第１の層（１２４）の直上に配設される任意の他の好適な材料を含み得る。下部部分（１２２）は、止血添加剤ゲルなどの材料又は任意の他の好適な材料の単一層（１２８）を含む。壁（１１８）のいずれの側も材料の任意数の層を含み得る。

図１１Ｂは、側壁（１３０）及び中央壁（１３２）を含むアプリケータ部分（１１４Ｂ）が断面を呈しているバージョンを示し、中央壁（１３２）は、上部部分（１３４）及び下部部分（１３６）を形成するために側壁（１３０）の間に配設されている。上部部分（１３４）は、２つの互いに向かい合うアーム（１３８）であって、各々がそれぞれの側壁（１３０）から内側に延出するアーム（１３８）を含む。アーム（１３８）、側壁（１３０）、及び中央壁（１３２）はまた、上部部分（１３４）内に逆Ｔ字状チャネル（１４０）を形成する。アーム（１３８）は、材料の２つの層（１４２，１４４）を保持する、Ｔ字状チャネル（１４０）内に材料を保持するのを補助する。材料の第１の層（１４２）は、中央壁（１３２）の直上に配設された織物などの材料を含み得る。部分（１１４Ａ）と同様に、織物は添加剤ゲルを保護するためにバットレスを形成する、例えば、織りＯＲＣを含み得る。材料の第２の層（１４４）は、ガム又はペーストの一種、又は第１の層（１４２）の直上に配設された任意の他の好適な材料を含み得る。下部部分（１３６）は、止血添付剤ゲルなどの材料又は任意の他の好適な材料の単一層（１４６）を含む。壁（１３２）のいずれの側も任意数の材料の層を含み得る。

図９に戻って参照すると、どちらのアプリケータ部分（１１４Ａ，１１４Ｂ）が使用されるかとは関係なく、ゲル（１２８）をカートリッジ（１１３）のデッキ（１１１）上に適用するためにアプリケータ（１０６）がカートリッジ（１１３）上へ向けられる。適用に際して、アプリケータ（１０６）の側壁（１１６，１３０）は、カートリッジ（１１３）の側壁（１４８）上へ矢印（Ｂ）の方向に摺動可能に受容するように寸法決めされる。アプリケータ（１０６）は、カートリッジ（１１３）上に容易に位置してかつ位置合わせする。アプリケータ（１０６）のアプリケータ部分（１１４Ａ）が、カートリッジ（１１３）のデッキ（１１１）上に十分に受容されるとき、前述したようにユーザはアンビル（１１７）をカートリッジ（１１３）の方へ向ける。例えば、枢動可能な引き込み運動に反応してアンビル（１１７）に向かって閉鎖スリーブ（３２）を長手方向に平行移動させるために、ユーザがハンドル部分（２０）に向かって閉鎖トリガー（２６）を枢動可能に引き込むことができ、また閉鎖スリーブ（３２）がアンビル（１１７）の閉鎖に備える。アンビル（１１７）がアプリケータ部分（１１４Ａ）を圧迫するとき、アンビル（１１７）の下面（１５０）がガム（１２６）を圧迫することになり、ガム（１２６）は下面（１５０）へ付着する接着剤として機能する。更に、アンビル（１１７）のアプリケータ部分（１１４Ａ）及びデッキ（１１１）に対する圧力は、ゲル（１２８）をデッキ（１１１）のポケット（１１９）内へ付勢することになる。ゲル（１２８）で充填されたポケット（１１９）が、例えば、図１０に示される。アンビル（１１７）のアプリケータ部分（１１４Ａ）及びデッキ（１１１）に対する圧力はまた、ゲル（１２８）を実質的にデッキ（１１１）の上面に沿って載置させる。

追加的に、アンビル（１１７）が、アンビル（１１７）から離れて閉鎖スリーブ（３２）を長手方向に平行移動させる、閉鎖トリガー（２６）を解放することによってカートリッジ（１１３）のデッキ（１１１）から離れる方向に向けられるとき、ガム（１２６）がアプリケータ部分（１１４Ａ）の上部部分（１２０）から織物（１２４）を引っ張りかつそれをアンビル（１１７）の下面（１５０）に保持する。ユーザは、次いでカートリッジ（１１３）から離れてアプリケータ（１０６）を引っ張るためにハンドル（１１０）を使用してもよく、また次いでアプリケータ（１０６）を処分してよい。アプリケータ（１０６）が矢印（Ｂ）と略反対の方向にカートリッジ（１１３）から引き抜かれるとき、及びカートリッジ（１１３）が患者の外部にある場合、材料（１２４，１２６，１２８）は、患者に使用される準備ができている、エンドエフェクタ（１１５）上に適用済みである。図１０は、材料（１２４，１２６，１２８）をエンドエフェクタ（１２）上に適用するためにアプリケータ（１０６）が使用された後のエンドエフェクタ（１１５）を示す。

エンドエフェクタ（１１５）が、エンドエフェクタ（１２）について前述したものと同様の方法で使用されるとき、発射バー（１４）がゲル（１２８）をスライスしかつ生体適合性ゲル（１２８）を組織（９０）のスライスされた層（９２，９４）上へ解放する。同時に、発射バー（１４）は、バットレス織物（１２４）及び接着剤ガム（１２６）をスライスして織物（１２４）に含有された添加剤ゲル及びガム（１２６）からの接着剤をスライスされて切断された組織（９０）上へ解放する。追加的に、ステープル（４７）は、材料（１２４，１２６，１２８）を通して及び組織（９０）内へ駆動されることによって、ステープル（４７）が材料（１２４，１２６，１２８）を捕捉しかつそれを、図１２に示すように、組織（９０）の捕捉された層（９２，９４）上へ載置させる。エンドエフェクタ（１１５）を介したカートリッジ（１１３）の各発射の後、材料（１２４，１２６，１２８）の新しい層をエンドエフェクタ（１１５）上に適用するために、新品カートリッジ（１１３）が、次いで再装填されかつ新品アプリケータ（１０６）が使用されてよい。

ガム（１２６）は、シアノアクリレート接着剤などの重合性及び／又は架橋性材料などではあるが、これらに限定されない接着剤を含み得る。接着剤は、例えば、モノマー状（プレポリマー状を含む）接着剤組成物、ポリマー接着剤組成物、又は組織へ付着することができる任意の他の化合物としてよい。実施形態では、モノマーは１，１−二置換エチレンモノマー、例えば、α−シアノアクリレートであってもよい。架橋された又は重合された場合、シアノアクリレートは液体から固体へ変化できる。重合接着剤は、例えば、フレキシブルからリジッドになるように配合できかつ海綿状になる可能性がある。所望であれば、接着剤は一液型又は二液型接着剤とすることができる、及び／又は代替の化合物などの添加剤を含有することができる。接着剤の重合は、水分、熱に晒されること、及び／又はその開示が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第２００９／０１２０９９４号に記載されているもののような密着開始剤から発生するがこれらに限定されない。ガム（１２４）を形成するために使用され得る他の好適な材料及び組成物は、本明細書の教示を考慮して当業者にとって明らかであろう。

ＩＩＩ．例示の毛細管現象
図１３は、前述のカートリッジ（３７）と同様の構成要素を有する例示のカートリッジ（１２１）の図を示す。バットレス（１５２）は、カートリッジ（１２１）の上部デッキ（１５３）上に配設されかつフィルム、気泡体、レザーバ、又は他の好適な材料／構造体を含み得る。図１３を参照すると、バットレス（１５２）は、例えば、液体シ−ラン含み得る抗生体材料（１５４）を収納し、抗生体材料（１５４）は、カートリッジ（１２１）のステープル（４７）によって穿刺された組織（９０）へ毛細管力を介して送達するための前述の止血材料で構成される。例えば、楔形スレッド（４１）及びドライバー（４３）によって駆動されたステープル（４７）がバットレス（１５２）をつきぬけるとき、ステープル（４７）の脚部と組織（９０）との間の隙間は、ステープル（４７）の脚部に沿って及び組織（９０）上へ抗生体材料（１５４）を引っ張る毛細管力のための経路を提供し得る。

ＩＶ．例示のグルー充填バットレスバッグ
図１４は、前述のカートリッジ（３７）と略同様の構成要素を有する例示のカートリッジ（１２３）を示す。例えば、カートリッジ（１２３）はメタルデッキ（１２７）を含み、長手方向スロット（１２５）がデッキ（１２７）の中央部分を通る。ステープル（４７）は、スロット（１２５）の両側のデッキ（１２７）に形成されたアパーチャ（図示せず）の下のカートリッジ（１２３）の本体又はハウジング（１２９）に収納される。カートリッジ（１２３）は、次に掲げるカートリッジ（３７）とは異なる。

カートリッジ（１２３）は、ハウジング（１２９）内のステープル（４７）の上及びデッキ（１２７）の下に配設されたエンベロープ（１５６）を含む。エンベロープ（１５６）は、デッキ（１２７）の下かつ収納されたステープル（４７）の上でハウジング（１２９）の内部壁によって形成されたポケット（１５８）内に保持される。エンベロープ（１５６）は、カートリッジ（１１３）のガム（１２６）及びカートリッジ（１０１）のバットレス（１００）についてそれぞれ前述されたように接着剤及びバットレス材料から構成されるグルー充填バットレス材料を含み得る。勿論、任意の他の好適な材料及び構成は、本明細書の教示を考慮して当業者にとって明らかであるとして使用されてよい。

発射バー（１４）及びステープル（４７）は、エンベロープ（１５６）から組織（９０）上への材料の適用を補助するために、両方とも接着剤又は他の液体生体適合性材料などの材料でコーティンされてよく、発射バー（１４）及びステープル（４７）は、カートリッジ（３７）について前述した方法で組織（９０）上で切断及びステープル留めする。追加的に、エンベロープ（１５６）内のグルーは、フィブリン又はトロンビン生物学的薬剤で置換されてよい。例えば、発射バー（１４）及びステープル（４７）は、発射バー（１４）及びステープル（４７）がエンベロープ（１５６）を穿刺するとき、エンベロープ（１５６）内に保持されている材料と反応するためにトロンビンなどの材料でコーティングされてよい、またトロンビンの代わりに、例えば、フィブリンでもよい。発射バー（１４）及びステープル（４７）がフィブリンでコーティングされかつエンベロープ（１５６）がトロンビンを備えるように、フィブリン及びトロンビンの代替の適用が可能である。確かに、広範囲の合成及び生物学的薬剤が使用されてもよい。かかる材料は、カートリッジ（１２３）に製造現場にて適用されてもよい又は別々に販売されてかつ後の段階で適用されてもよい。代替的に、カートリッジ（１２３）は、２つの別個のグルー又は任意の他の好適な生体適合性材料を収容するために２つの区画を含み得る。

本明細書で述べる教示、表現、実施形態、例などのいずれの１つ又は２つ以上も、本明細書で述べる他の教示、表現、実施形態、例などのいずれの１つ又は２つ以上とも組み合わせることができることを理解されたい。したがって、下記に述べる教示、表現、実施形態、例などは、互いに独立であると考えられるべきでない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の適切な方法は、本明細書の教示を考慮して当業者には容易に明らかになるであろう。こうした修正及び変形は特許請求の範囲内に含まれるものとする。

前述の装置の変形物は、ロボット支援された医療処置及び方法での用途だけでなく、医療専門家によって行われる従来の医療処置及び方法での用途を有することができる。

前述した変形物は、１回の使用後に処分するように設計されることができ、又はそれらの形態は、複数回使用するように設計することができる。諸形態は、いずれの場合も、少なくとも１回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整することは、装置を分解すること、それに続いて特定の部品を洗浄及び交換すること、並びにその後の再組み立てすることとの任意の組み合わせを含んでよい。特に、装置の幾つかの変形物は分解されてもよく、また、装置の任意の個数の特定の部片又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、あるいは取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び／又は交換の際、装置の幾つかの変形物は、再調整用の施設で、又は処置の直前にユーザによって、その後の使用のために再組み立てされてよい。装置の再調整が、分解、洗浄／交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることが、当業者には理解されよう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。

単に例として、本明細書で説明した形態は、手術の前及び／又は後に、滅菌してもよい。１つの滅菌技術では、装置は、プラスチック又はＴＹＶＥＫバッグなど、閉められかつ密閉された容器に入れられる。次いで、容器及び装置は、γ放射線、Ｘ線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次に、滅菌された装置は、後の使用のために、滅菌した容器内に保管してもよい。装置はまた、限定されるものではないが、β若しくはγ放射線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含めて、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。

本開示の様々な形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる適応が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そうした可能な改変例の幾つかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記に論じた実施例、形態、幾何学的図形、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲において考慮されるべきであり、本明細書及び図面において示し、説明した構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。

〔実施の態様〕
（１） 外科用器具装置であって、
（ａ）ハンドル部分と、
（ｂ）発射バーを収納するシャフトと、
（ｃ）アンビルと、下部つかみ具と、前記ハンドル部分及び前記シャフトによって生成された長手方向閉鎖運動に反応するステープル留め及び切断アセンブリと、を備える、エンドエフェクタと、
（ｄ）取り外し可能なカートリッジであって、前記下部つかみ具が前記カートリッジを受容するように構成され、前記カートリッジが、
（ｉ）ハウジング、
（ｉｉ）前記ハウジング内に配設される複数のステープル、
（ｉｉｉ）前記複数のステープルの上に配設されたデッキであって、前記デッキが、アパーチャを画定し、各アパーチャがそれぞれのステープルの上に実質的に配設される、デッキ、
（ｉｖ）各アパーチャに配設された少なくとも第１の生体適合性材料、及び
（ｖ）前記デッキ上に配設された少なくとも第２の生体適合性材料、
を備えた、取り外し可能なカートリッジと、
を備えた、外科用器具装置。
（２） 前記第１の生体適合性材料が、前記第２の生体適合性材料と同じである、実施態様１に記載の装置。
（３） 前記第１の生体適合性材料が、前記第２の生体適合性材料と異なる、実施態様２に記載の装置。
（４） 各ステープルが、前記ハンドル部分及び前記シャフトによって生成された前記長手方向閉鎖運動に反応して前記第１の生体適合性材料及び前記第２の生体適合性材料を穿刺するように構成される、実施態様１に記載の装置。
（５） アプリケータを更に備え、前記アプリケータが前記取り外し可能なカートリッジと前記アンビルとの間の位置合わせの位置まで前記取り外し可能なカートリッジ上に摺動可能に受容されるように構成される、実施態様１に記載の装置。

（６） 前記アプリケータが、使用後前記カートリッジから取り外されるように構成される、実施態様５に記載の装置。
（７） 前記アプリケータが、上部部分及び下部部分を備え、前記上部部分が第１の材料を収納し、かつ前記下部部分が第２の材料を収納する、実施態様５に記載の装置。
（８） 前記アンビルの下面が、前記アンビルが前記長手方向閉鎖運動に反応して前記取り外し可能なカートリッジを圧迫するとき前記第１の材料を受容するように構成され、かつ前記第１の材料が接着剤の下に配設されたバットレスを含む、実施態様７に記載の装置。
（９） 前記カートリッジの前記デッキが、前記アンビルが前記長手方向閉鎖運動に反応して前記取り外し可能なカートリッジを圧迫するとき前記第２の材料を受容するように構成され、かつ前記第２の材料が生体適合性ゲルを含む、実施態様７に記載の装置。
（１０） ポケット及びエンベロープを更に備え、前記ポケットが前記カートリッジ内に画定され、前記ポケットが前記デッキの下かつ前記複数のステープルの上に配設され、前記ポケットが前記エンベロープを受容するように構成され、前記エンベロープが生体適合性材料を備える、実施態様１に記載の装置。

（１１） 前記エンベロープが、バットレスを備え、かつ前記生体適合性材料が接着剤を含む、実施態様１０に記載の装置。
（１２） 前記バットレスが、前記接着剤を含有するように構成される、実施態様１１に記載の装置。
（１３） 前記接着剤が、単量体接着剤組成物又はポリマー接着剤組成物から構成される、実施態様１２に記載の装置。
（１４） 前記エンベロープが、バットレスを備え、かつ前記生体適合性材料がフィブリン又はトロンビンのうちの一方を含む、実施態様１０に記載の装置。
（１５） 各ステープルが、フィブリン又はトロンビンのうちの他方でコーティングされる、実施態様１４に記載の装置。

（１６） 外科用器具装置であって、
（ａ）ハンドル部分と、
（ｂ）発射バーを収納するシャフトと、
（ｃ）アンビルと、下部つかみ具と、前記ハンドル部分及び前記シャフトによって生成された長手方向閉鎖運動に反応するステープル留め及び切断アセンブリと、を備える、エンドエフェクタと、
（ｄ）取り外し可能なカートリッジであって、前記下部つかみ具が前記カートリッジを受容するように構成され、前記カートリッジが、
（ｉ）ハウジング、
（ｉｉ）前記ハウジングに配設された複数のステープル、及び
（ｉｉｉ）前記複数のステープルの上に配設され、アパーチャを画定するデッキであって、各アパーチャがそれぞれのステープルの上に実質的に配設される、デッキ、
を備える、取り外し可能なカートリッジと、
（ｅ）前記取り外し可能なカートリッジと前記アンビルとの間の位置合わせの位置まで前記取り外し可能なカートリッジ上に摺動可能に受容されるように構成されるアプリケータであって、前記アプリケータが上部部分及び下部部分を備え、前記上部部分が第１の材料を収納し、かつ前記下部部分が第２の材料を収納する、アプリケータと、
を備える、外科用器具装置。
（１７） 前記アンビルの下面が、前記アンビルが前記長手方向閉鎖運動に反応して前記取り外し可能なカートリッジを圧迫するとき前記第１の材料を受容するように構成され、かつ前記第１の材料が接着剤の下に配設されたバットレスを備える、実施態様１６に記載の装置。
（１８） 前記カートリッジの前記デッキが、前記アンビルが前記長手方向閉鎖運動に反応して前記取り外し可能なカートリッジを圧迫するとき前記第２の材料を受容するように構成され、かつ前記第２の材料が生体適合性ゲルを含む、実施態様１６に記載の装置。
（１９） 外科用器具装置であって、
（ａ）ハンドル部分と、発射バーを収納するシャフトと、
（ｂ）前記ハンドル部分及び前記シャフトによって生成される長手方向閉鎖運動に反応するステープル留め及び切断アセンブリと、
（ｃ）前記ハンドル部分に接続され、アンビル及び下部つかみ具を備えるエンドエフェクタであって、前記アンビルが開口部を画定し、前記下部つかみ具が前記カートリッジを受容するように構成される、エンドエフェクタと、
（ｄ）デッキ及びハウジングを含むカートリッジであって、複数のステープルが前記カートリッジの前記ハウジング内に配設され、前記デッキが前記複数のステープルの上に配設され、前記デッキがアパーチャを画定し、各アパーチャがそれぞれのステープルの上に実質的に配設され、かつ前記アンビルが前記長手方向閉鎖運動に反応して前記ステープルを形成するように構成される、カートリッジと、
（ｅ）生体適合性材料を含むエンベロープと、
（ｆ）前記カートリッジ内に画定され、前記デッキの下かつ前記複数のステープルの上に配設され、前記エンベロープを受容するように構成される、ポケットと、
を備える、外科用器具装置。
（２０） 前記エンベロープが、バットレスを備え、前記生体適合性材料が接着剤を含み、かつ前記バットレスが前記接着剤を収容するように構成される、実施態様１９に記載の装置。

Claims (8)

1. 外科用器具装置であって、
   （ａ）ハンドル部分と、
   （ｂ）発射バーを収納するシャフトと、
   （ｃ）アンビルと、下部つかみ具と、前記ハンドル部分及び前記シャフトによって生成された長手方向閉鎖運動に反応するステープル留め及び切断アセンブリと、を備える、エンドエフェクタと、
   （ｄ）取り外し可能なカートリッジであって、前記下部つかみ具が前記カートリッジを受容するように構成され、前記カートリッジが、
   （ｉ）ハウジング、
   （ｉｉ）前記ハウジング内に配設される複数のステープル、
   （ｉｉｉ）前記複数のステープルの上に配設されたデッキであって、前記デッキが、アパーチャを画定し、各アパーチャがそれぞれのステープルの上に実質的に配設される、デッキ、
   （ｉｖ）各アパーチャに配設された少なくとも第１の生体適合性材料、及び
   （ｖ）前記デッキ上に配設された少なくとも第２の生体適合性材料、
   を備えた、取り外し可能なカートリッジと、
   （ｅ）ポケット及びエンベロープであって、前記ポケットが前記カートリッジ内に画定され、前記ポケットが前記デッキの下かつ前記複数のステープルの上に配設され、前記ポケットが前記エンベロープを受容するように構成され、前記エンベロープが生体適合性材料を備える、前記ポケット及びエンベロープと、
   を備えた、外科用器具装置。
2. 前記第１の生体適合性材料が、前記第２の生体適合性材料と同じである、請求項１に記載の装置。
3. 前記第１の生体適合性材料が、前記第２の生体適合性材料と異なる、請求項１に記載の装置。
4. 前記エンベロープが、バットレスを備え、かつ前記生体適合性材料が接着剤を含む、請求項１に記載の装置。
5. 前記バットレスが、前記接着剤を含有するように構成される、請求項４に記載の装置。
6. 前記接着剤が、単量体接着剤組成物又はポリマー接着剤組成物から構成される、請求項５に記載の装置。
7. 前記エンベロープが、バットレスを備え、かつ前記生体適合性材料がフィブリン又はトロンビンのうちの一方を含む、請求項１に記載の装置。
8. 各ステープルが、フィブリン又はトロンビンのうちの他方でコーティングされる、請求項７に記載の装置。

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