JP6270691B2 - 樹脂成形品の製造方法及びその装置 - Google Patents

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本発明は、第1樹脂材を第2樹脂材に溶着して一体化することで樹脂成形品を得る樹脂成形品の製造方法及びその装置に関する。
樹脂成形品、特に、繊維強化樹脂(FRP)成形品は、様々な構造材として広汎に採用されている。一般的な構造材では、部位によって厚みが相違する。すなわち、FRP成形品には、厚肉部位と薄肉部位が存在することが通例である。
FRP成形品は、成形型のキャビティに短尺な強化繊維(いわゆるチョップ繊維)を収容し、前記キャビティに射出した溶融樹脂で強化繊維を囲繞することで得られるが、この場合、厚肉部位を得ることが容易ではない。そこで、厚肉部位となる部分を予備成形品として別途作製し、これを成形型に保持して加熱するとともに、板形状の繊維強化樹脂を溶着して一体化することが行われている。
上記の加熱は、例えば、高温とした成形型からの伝熱によって行われる。しかしながら、この場合、厚肉部位となる予備成形品の全体が溶融ないし軟化する。従って、マトリックス樹脂からの拘束から解放された強化繊維の配向が乱れ、その結果、FRP成形品に十分な強度が確保されなくなるという不具合が起こることがある。
この不具合を回避するべく、特許文献1においては、成形型を構成する下型の温度を樹脂材の融点未満とする一方、上型の温度を樹脂材の融点以上として、前記下型に予備成形品を保持するとともに、溶融樹脂を加圧成形することが提案されている。該特許文献1の記載によれば、予備成形品の溶融箇所が、上型を臨む側の端面の極表層のみとなり、溶融しない内部や裏面では、強化繊維の配向が乱れることを抑制することができる、とのことである。
特開2013−35232号公報
特許文献1における加熱は、型閉じがなされた状態の上型に高温油を供給することで行われる。このため、キャビティ内の雰囲気や下型にも熱が伝達され、さらには、予備成形品の裏面や内部にも熱が伝達されることになる。結局、この場合、予備成形品が溶融ないし軟化することを抑制することは容易ではない。従って、強化繊維の配向が乱れることを回避することが困難である。
また、強化繊維を含まない樹脂成形品もFRP成形品と同様にして作製することが可能であるが、予備成形品の裏面や内部が熱伝達によって一旦溶融ないし軟化すると、いわゆる熱履歴を受けることになる。このような事態が生じると、樹脂成形品の物性が変化する懸念がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、成形型から予備成形体に熱が伝達されることを抑制し得、このために予備成形体の極表層のみを溶融させることが可能であり、従って、熱履歴を受けることを回避し得るとともに、FRP成形品の場合には強化繊維の配向を維持することが可能である樹脂成形品の製造方法及びその装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る樹脂成形品の製造方法は、型開き状態にある下型と上型の間に位置し、且つ前記下型及び前記上型から離間するとともに断熱材によって前記下型からの伝熱が遮断される保持部に、予め成形された第1樹脂材を保持する工程と、
加熱手段を前記下型及び前記上型の間に変位させ、前記第1樹脂材の前記加熱手段に臨み且つ第2樹脂材が溶着される側の端面のみを加熱する工程と、
前記加熱手段を前記下型及び前記上型の間から退避させるとともに、前記第1樹脂材を前記下型で保持し、さらに、前記第1樹脂材の加熱された端面側に前記第2樹脂材を配置する工程と、
型閉じを行い、前記第1樹脂材を前記第2樹脂材に溶着して一体化して樹脂成形品を得る工程と、
を有することを特徴とする。
また、本発明は、下型と上型を有し、予め成形され且つ前記上型を臨む端面が加熱されて前記下型に保持された第1樹脂材を、型閉じを行うことで第2樹脂材に溶着して一体化し樹脂成形品を得るための樹脂成形品の製造装置であって、
前記下型及び上型同士の間に位置し、且つ前記下型及び前記上型から離間する保持部と、
前記下型から前記保持部への伝熱を遮断するための断熱材と、
前記保持部に保持された第1樹脂材の、前記上型を臨み且つ第2樹脂材が溶着される端面のみを加熱するための加熱手段と、
前記加熱手段を変位させるための変位手段と、
を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明においては、保持部に保持した第1樹脂材を下型及び上型の双方から離間させ、且つ下型から第1樹脂材への伝熱を断熱材で遮断した状態で第1樹脂材を加熱するようにしている。このため、第1樹脂材は、加熱手段で加熱された側の端面のみが溶融し、その裏面(保持部に保持された側の端面)及び内部が溶融することが回避される。
従って、第1樹脂材の溶着部位以外が熱履歴を受けることが回避されるので、物性が変化する懸念が払拭される。また、第1樹脂材が、強化繊維を含んだ繊維強化樹脂材であるときには、強化繊維の配向が乱れることが回避される。このため、繊維強化樹脂材の強度及び弾性率を維持した樹脂成形品を得ることができる。
なお、本発明における「断熱材」には、保持部自体が断熱材で構成されている場合が含まれるものとする。すなわち、この場合、下型から第1樹脂材への伝熱が、保持部によって遮断される。
保持部は、下型に対して接近又は離間する方向に変位可能であることが好ましい。この場合、第1樹脂材を加熱した後、保持部を下型に対して離間又は接近させることにより、保持部と下型の間で第1樹脂材を受け渡すことができる。すなわち、第1樹脂材の加熱が終了した後は、保持部を下型に向かって接近させることにより、該第1樹脂材を前記下型で保持することができる。
保持部をエジェクタピンの一部とすると、既存の構成を保持部とすることができる。すなわち、保持部を別途設ける必要がない。このため、設備投資が高騰することを抑制し、低コスト化を図ることができる。
なお、下型から離間した保持部上で第1樹脂材を加熱する際には、前記保持部を、加熱手段からの伝熱によって昇温した下型又は上型からの輻射熱が伝達されない位置とすることが好ましい。これにより、第1樹脂材の、保持部に保持された側の端面が輻射熱によって加熱されることが回避される。従って、第1樹脂材が熱履歴を受けることや、繊維強化樹脂材であるときには強化繊維の配向が乱れることが回避される。
加熱手段としては、水平方向に沿って並列配置された複数個の赤外線ランプを用いることができる。この場合、下型と上型の間に赤外線ランプを配置したり、その間から赤外線ランプを退避させたりすることが容易である。しかも、赤外線ランプには、表面の局所的な加熱が容易であり、内部や裏面が溶融し難いという利点もある。
なお、第1樹脂材の形状によっては、赤外線ランプに近接する部位や、赤外線ランプから離間する部位が存在することになる。このような場合に赤外線ランプの照射エネルギを同等に設定すると、近接する部位が過度に加熱されたり、逆に、離間する部位が十分に加熱されなかったりすることがある。このような事態を回避するべく、第1樹脂材に近接する側の赤外線ランプの照射エネルギを、第1樹脂材から離間する側の赤外線ランプの照射エネルギよりも小さくすることが好ましい。
照射エネルギの調節は、例えば、各赤外線ランプの出力を相違させることでも可能である。又は、各赤外線ランプの照射時間を相違させるようにしてもよい。すなわち、第1樹脂材に近接する側の赤外線ランプの照射時間を、第1樹脂材から離間する側の赤外線ランプの照射時間よりも短くすればよい。なお、これには、近接する側の赤外線ランプを点滅する一方で、離間する側の赤外線ランプを点灯する場合も含まれる。
本発明によれば、下型及び上型の双方から離間した保持部で第1樹脂材を保持することで該第1樹脂材を下型及び上型から離間させ、且つ下型から第1樹脂材への伝熱を遮断した状態で第1樹脂材を加熱するようにしている。このため、第1樹脂材では、加熱手段で加熱された側の端面の裏面(保持部に保持された側の端面)及び内部が溶融することが回避される。
従って、第1樹脂材の裏面(溶着部位)以外が熱履歴を受けることが回避されるので、該第1樹脂材の物性が変化する懸念が払拭される。また、第1樹脂材が繊維強化樹脂材であるときには、強化繊維の配向が乱れることが回避される。このため、繊維強化樹脂材の強度及び弾性率を維持した樹脂成形品を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る製造方法によって作製された樹脂成形品の概略縦断面図である。 本実施の形態に係る製造装置(成形装置)の要部概略縦断面図である。 本実施の形態に係る樹脂成形品の製造方法の概略フローである。 第1樹脂材をエジェクタピンのみで保持するとともに、加熱手段(赤外線ランプ)によって加熱している状態を示す要部概略縦断面図である。 図4に続き、第1樹脂材の加熱された側の端面に第2樹脂材を配置した状態を示す要部概略縦断面図である。 図5に続き、型閉じを行った状態を示す要部概略縦断面図である。
以下、本発明に係る樹脂成形品の製造方法につき、それを行う製造装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
先ず、製品である樹脂成形品につき、その概略縦断面図である図1を参照して説明する。この樹脂成形品10では、2個の厚肉部12、12間に薄肉部14が介在しており、且つ各厚肉部12に段部16が設けられている。さらに、厚肉部12は、段部16を境として、先端側同士が互いに離間する方向に折曲されている。
後述するように、樹脂成形品10は、第1樹脂材18、18を成形するとともに、該第1樹脂材18、18と、第2樹脂材20とを溶着一体化することで作製される。第1樹脂材18と第2樹脂材20が溶着(接合)した部位が前記厚肉部12であり、一方、薄肉部14は、第2樹脂材20のみで形成されている。
第1樹脂材18及び第2樹脂材20は、短尺な炭素繊維(チョップ繊維)がマトリックス樹脂中で配向して分散した繊維強化樹脂材である。従って、樹脂成形品10も繊維強化樹脂材からなる。なお、マトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の混合物等からなる。好適な熱硬化性樹脂の具体例は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等である。また、好適な熱可塑性樹脂の具体例は、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエチレン等である。
次に、樹脂成形品10を得るための製造装置である成形装置30につき説明する。その要部概略縦断面図である図2に示すように、成形装置30は、下型32と上型34を備える。さらに、この中の下型32に、エジェクタピン36が複数個設けられている。すなわち、下型32には、エジェクタピン36の胴部38が通される挿通孔40と、幅広な載置支持部42(保持部)を収容可能な収容凹部44が形成される。
下型32は、基台部46、傾斜支持部48、段部支持部50、頂部52を有する。下型32の形状は、前記厚肉部12を形成するための第1樹脂材18の形状に対応している。すなわち、傾斜支持部48は段部16を境に折曲された先端を支持し、段部支持部50は段部16を支持する。さらに、頂部52には、前記収容凹部44が形成されている。第1樹脂材18の一部は、頂部52に支持されるとともにエジェクタピン36の載置支持部42に乗り上げる。
複数個のエジェクタピン36は、周知の通り、図示しない駆動源の作用下に同期して昇降する。エジェクタピン36は、上昇に伴って下型32から離間し、一方、下降に伴って下型32に接近する。
各エジェクタピン36は、上記したように胴部38と載置支持部42を有し、この中の胴部38は、SCM(JIS規格)等の鋼材で構成されている。一方、載置支持部42の材質には、熱伝導率が比較的小さく、胴部38から第1樹脂材18を熱的に十分遮断し得るもの、換言すれば、断熱材として機能するものが選定される。結局、本実施の形態では、保持部である載置支持部42それ自体が断熱材で形成されている。
載置支持部42を構成する材質の好適な具体例としては、ステンレス鋼やジルコニア等があげられる。なお、ステンレス鋼の熱伝導率は16.7〜20.9W/m・Kの間、ジルコニアの熱伝導率は3W/m・Kである。
上型34は、図示しない昇降機構の作用下に、下型32に対して接近又は離間する。上型34が下型32に向かって接近することに伴って型閉じがなされる一方、下型32から離間することで型開きがなされる。
成形装置30は、さらに、第1樹脂材18を加熱するための加熱手段である複数個の赤外線ランプ54(図4参照)を有する。各赤外線ランプ54は、長尺な支持バー部材56に並列して取り付けられている。支持バー部材56は、図示しない水平移動機構(例えば、油圧シリンダ)に支持されており、下型32及び上型34に対して進退自在である。
赤外線ランプ54は、図示しない制御回路に対して電気的に接続されている。制御回路は、赤外線ランプ54同士の間で照射エネルギを相違させる制御を行うことが可能である。例えば、一部の赤外線ランプ54の出力を残余の赤外線ランプ54に比して小さくしたり、又は、一部の赤外線ランプ54を間欠的に点滅(オン/オフ)する一方で残余の赤外線ランプ54を連続的に点灯(オン)したりする制御を行う。
本実施の形態に係る成形装置30は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき、本実施の形態に係る樹脂成形品10の製造方法との関係で説明する。
本実施の形態に係る樹脂成形品10の製造方法の概略フローを図3に示す。この場合、該製造方法は、エジェクタピン36の載置支持部42で第1樹脂材18を保持する第1工程と、第1樹脂材18を加熱する第2工程と、第1樹脂材18を下型32で保持するとともに第2樹脂材20を下型32と上型34の間に配置する第3工程と、型閉じを行って第1樹脂材18を第2樹脂材20に溶着して樹脂成形品10を得る第4工程とを有する。
第1工程に先んじ、図2に示すように、下型32及び上型34を型開き状態とするとともに、エジェクタピン36を下降させて下死点とする。その後、エジェクタピン36の載置支持部42に一部が乗り上がるようにして、下型32に第1樹脂材18を載置する。なお、第1樹脂材18は、他の成形装置(例えば、射出装置)において予め作製された繊維強化樹脂の成形体であり、厚肉部12の形状に略対応している。
その後、図4に示すようにエジェクタピン36を上昇させる。エジェクタピン36が上昇することにより、載置支持部42が下型32及び上型34の双方から離間する。これに追従し、第1樹脂材18が下型32から離間し、載置支持部42のみによって保持された状態となる。載置支持部42及び第1樹脂材18は、後述する下型32からの輻射熱が伝達されない位置まで、下型32から離間する。
次に、第2工程を行うべく水平移動機構の作用下に支持バー部材56を変位させ、これにより、赤外線ランプ54を下型32と上型34の間に介在させる。制御回路は、赤外線ランプ54の変位が終了したことを認識した際に、該赤外線ランプ54を点灯する(オンにする)。これにより赤外線が照射されることで、第1樹脂材18が加熱される。
ここで、赤外線ランプ54は水平方向に並列配置されており、一方、第1樹脂材18には段部16等が形成されている。このため、赤外線ランプ54には、第1樹脂材18に近接するものと、第1樹脂材18から離間するものとが存在する。以下、説明の便宜上、第1樹脂材18に最近接する赤外線ランプ54の参照符号を54a、第1樹脂材18から最も離間する赤外線ランプ54の参照符号を54b、第1樹脂材18からの離間距離が赤外線ランプ54a、54bの間である赤外線ランプ54の参照符号を54cとする。
赤外線ランプ54cによって第1樹脂材18を加熱するべく全ての赤外線ランプ54の照射エネルギを大きくすると、第1樹脂材18の、赤外線ランプ54aに対向する部位が過度に加熱される。これを回避するべく、全ての赤外線ランプ54の照射エネルギを小さくすると、赤外線ランプ54cによって第1樹脂材18を加熱することが容易でなくなる。このような事態を回避するべく、制御回路は、赤外線ランプ54aの照射エネルギを最小、赤外線ランプ54bの照射エネルギを最大、赤外線ランプ54cの照射エネルギを中程度に制御する。
具体的には、赤外線ランプ54aの照射時間を短くするとともに、赤外線ランプ54bの照射時間を長くする。さらに、赤外線ランプ54cの照射時間を中程度とする。一層詳細には、例えば、所定の時間が経過する毎に赤外線ランプ54a、54c、54bをこの順序で消灯すればよい。又は、赤外線ランプ54a、54cを点滅させるとともに、赤外線ランプ54bを連続的に点灯するようにしてもよい。この場合、赤外線ランプ54aでは消灯時間を長くするか点滅回数を多くし、一方、赤外線ランプ54cでは消灯時間を短くするか点滅回数を少なくすればよい。
照射時間を制御することに代替し、出力を制御するようにしてもよい。すなわち、赤外線ランプ54aの出力を最小、赤外線ランプ54bの出力を最大、赤外線ランプ54cの出力を中程度とすればよい。
このようにして第1樹脂材18が赤外線ランプ54で加熱される際、赤外線の一部が下型32に到達することも考えられる。この場合、赤外線により下型32が加熱されて昇温する。従って、下型32にも熱が発生する。この熱は、エジェクタピン36の軸部に到達するが、エジェクタピン36の載置支持部42は断熱材からなる。このため、熱は載置支持部42で遮断され、第1樹脂材18に伝達されることは困難である。
しかも、第1樹脂材18は、下型32からの輻射熱が到達しない程度に該下型32から離間している。このため、第1樹脂材18が下型32からの輻射熱を受けることが回避される。以上のことが相俟って、第1樹脂材18は、赤外線ランプ54に臨む側の端面、すなわち、上型34に臨む側の端面のみが効率よく加熱され、その結果、該端面が溶融する。
その一方で、赤外線ランプ54が入射しない側の端面、すなわち、下型32に臨む側の端面や内部は殆ど加熱されず、溶融を起こすことはない。従って、この端面側及び内部が熱履歴を受けることはなく、また、該端面側や内部の強化繊維の配向が乱れることもない。
このようにして第1樹脂材18を局部的に溶融した後、第3工程を行う。すなわち、水平移動機構の作用下に支持バー部材56を変位させ、赤外線ランプ54を下型32と上型34の間から退避させる。この退避に前後して、又は同時にエジェクタピン36を下降させ、これにより、図5に示すように第1樹脂材18を下型32で再保持する。赤外線ランプ54は既に退避しているので、下型32から第1樹脂材18に熱が伝達されることが回避される。
さらに、第1樹脂材18の加熱された端面に対向するように、第2樹脂材20を配置する。勿論、この時点で、第2樹脂材20は下型32と上型34の間に介在する。なお、第2樹脂材20は略平板形状であり、且つ薄肉である。
次に、第4工程を行うべく、昇降機構の作用下に上型34を下降させて下型32に向かって接近させる。その結果、図6に示すように型閉じがなされてキャビティ58が形成されるとともに、第2樹脂材20がキャビティ58の形状に対応する形状に成形される。
第1樹脂材18の、第2樹脂材20に臨む側の端面は、赤外線ランプ54によって加熱されることで溶融している。従って、型閉じの際、溶融したマトリックス樹脂が、第2樹脂材20の、第1樹脂材18に当接した部位に付着する。場合によっては、この際に第2樹脂材20の当接部位が第1樹脂材18からの熱を受けて溶融することもある。
所定時間が経過することに伴い、溶融したマトリックス樹脂が冷却して硬化する。これにより第1樹脂材18と第2樹脂材20が溶着一体化され、樹脂成形品10が得られる。その後、型開きを行ってエジェクタピン36を上昇させることにより、樹脂成形品10が下型32から離脱する。
この樹脂成形品10では、第1樹脂材18(厚肉部12)の、第2樹脂材20が溶着された端面の裏面側の端面が、熱履歴を受けていない。上記したように赤外線ランプ54で加熱されたり、下型32からの輻射熱を受けたりすることが回避されているからである。従って、物性が変化する懸念が払拭される。また、強化繊維の配向が乱れていないので、該端面の強度や弾性率も維持される。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、第1樹脂材18及び第2樹脂材20は、強化繊維を含まない単なる樹脂材であってもよい。この場合においては、第1樹脂材18が熱履歴を受けることが回避される。
また、エジェクタピン36ではなく、他の保持部材を用いるようにしてもよい。
さらに、エジェクタピン36と挿通孔40の内壁との間に、断熱材からなるブッシュを介装するようにしてもよい。この場合、下型32からの熱がブッシュによって遮断されるので、エジェクタピン36や第1樹脂材18に熱が伝達されることが回避される。従って、載置支持部42を断熱材とする必要は特にない。
10…樹脂成形品 12…厚肉部
14…薄肉部 18…第1樹脂材
20…第2樹脂材 30…成形装置
32…下型 34…上型
36…エジェクタピン 42…載置支持部
54、54a〜54c…赤外線ランプ 56…支持バー部材
58…キャビティ

Claims (10)

  1. 型開き状態にある下型と上型の間に位置し、且つ前記下型及び前記上型から離間するとともに断熱材によって前記下型からの伝熱が遮断される保持部に、予め成形された第1樹脂材を保持する工程と、
    加熱手段を前記下型及び前記上型の間に変位させ、前記第1樹脂材の前記加熱手段に臨み且つ第2樹脂材が溶着される側の端面のみを加熱する工程と、
    前記加熱手段を前記下型及び前記上型の間から退避させるとともに、前記第1樹脂材を前記下型で保持し、さらに、前記第1樹脂材の加熱された端面側に前記第2樹脂材を配置する工程と、
    型閉じを行い、前記第1樹脂材を前記第2樹脂材に溶着して一体化して樹脂成形品を得る工程と、
    を有することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法において、前記第1樹脂材を加熱した後、前記保持部を前記下型に対して接近させることにより、前記第1樹脂材を前記下型で保持することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法において、前記保持部を、前記加熱手段からの伝熱によって昇温した前記下型又は前記上型からの輻射熱が伝達されない位置として前記第1樹脂材を加熱することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法において、前記加熱手段として、水平方向に沿って並列配置された複数個の赤外線ランプを用いることを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  5. 請求項4記載の製造方法において、前記第1樹脂材に近接する側の赤外線ランプの照射エネルギを、前記第1樹脂材から離間する側の赤外線ランプの照射エネルギよりも小さくすることを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  6. 請求項5記載の製造方法において、前記第1樹脂材に近接する側の赤外線ランプの照射時間を、前記第1樹脂材から離間する側の赤外線ランプの照射時間よりも短くすることを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  7. 下型と上型を有し、予め成形され且つ前記上型を臨む端面が加熱されて前記下型に保持された第1樹脂材を、型閉じを行うことで第2樹脂材に溶着して一体化し樹脂成形品を得るための樹脂成形品の製造装置であって、
    前記下型及び上型同士の間に位置し、且つ前記下型及び前記上型から離間する保持部と、
    前記下型から前記保持部への伝熱を遮断するための断熱材と、
    前記保持部に保持された第1樹脂材の、前記上型を臨み且つ第2樹脂材が溶着される端面のみを加熱するための加熱手段と、
    前記加熱手段を変位させるための変位手段と、
    を備えることを特徴とする樹脂成形品の製造装置。
  8. 請求項7記載の製造装置において、前記保持部が前記下型に対して接近又は離間する方向に変位可能であることを特徴とする樹脂成形品の製造装置。
  9. 請求項7又は8記載の製造装置において、前記加熱手段が、水平方向に沿って並列配置された複数個の赤外線ランプであることを特徴とする樹脂成形品の製造装置。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の製造装置において、前記第1樹脂材に近接する側の赤外線ランプの照射エネルギを、前記第1樹脂材から離間する側の赤外線ランプの照射エネルギよりも小さくすることが可能であることを特徴とする樹脂成形品の製造装置。
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