JP6269708B2 - 情報処理装置および情報処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信で送信された画像データを受信する情報処理装置および情報処理方法に関する。
従来から、会議などの場において、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する)といった情報処理装置の画面情報をプロジェクタを使ってスクリーンに投影することで、その場の出席者と情報の共有が行われている。
また、従来では、多くの場合、情報処理装置とプロジェクタは、有線接続されていた。その際、例えば、プロジェクタおよび情報端末とを、それぞれに設けられたDVI(Digital Visual Interface)端子といった画像入出力端子によりケーブルで接続する。そして、ケーブルが届く位置で情報端末を操作しながら、情報端末から出力される画面情報の画像データによる画像を、プロジェクタによりスクリーンに映し出す。
さらに、近年、無線通信の通信速度が高速化され、プロジェクタと情報端末との接続を無線化する技術が実用化されていることも、既に知られている。
一般に、画像データのデータ量は膨大なため、無線通信で画像を伝送する場合、高速な無線伝送レートを維持できる無線方式が必要となる。また、画像データレートより無線伝送レートの方が低い場合は、画像データレートを無線伝送レートに合わせて下げて、細い無線伝送路で画像の伝送を行うことになる。画像データレートを下げる方法の例としては、画像フレーム毎の画像データの圧縮符号化、例えば60フレーム/秒のフレームレートにおける画像フレームの間引き、画像フレーム間の差分情報のみの伝送などが考えられる。
例えば差分情報を伝送する方法は、静止画像を中心とした画像データを伝送する場合には、差分情報が1画像フレームのデータ量と比べて極めて小さくなる可能性があり、伝送レートが無線伝送路の容量以下に低くなることが期待できる。しかしながら、例えばPC上のディスプレイの全画面表示で動画像を表示し、この動画像をプロジェクタで表示する場合などは、差分情報が略全画面の画像データとなってしまう可能性がある。この場合、そのままではデータ量が膨大なため、さらに圧縮符号化によりデータ量を少なくして、無線伝送路に対して送信する必要がある。
無線通信によりプロジェクタとPCとを接続する場合、無線チャネルにおける伝送品質が劣化すると、プロジェクタにより投影される画像の品質が低下してしまったり、動画の停止、画像自体の表示の停止などが発生するおそれがある。
特許文献1には、表示装置と制御装置と画像送信装置とで構成され、画像送信装置から無線通信により送信された画像データを、制御装置を介して表示装置が受信して表示するワイヤレス画像送受信システムが開示されている。この特許文献1では、通信状態を示すパラメータとしてRSSI(電波受信強度)を表示装置の画面に表示させ、無線通信状況に合わせた通信形態に自動的に切り替えることができるようにされている。
プロジェクタで表示する画像における表示の停止や動画の停止を防止するためには、無線伝送路が細いほど、また、画像データが多いほど、送信する画像データの圧縮率や間引き率を上げる必要があり、表示される画像の画質が低下してしまう。この場合、プロジェクタにより表示される画像のみからでは、表示される画像における画質の低下が、情報端末側の元々の画像の画質の劣化によるものか、無線伝送路の品質が悪いために施した圧縮符号化やフレーム間引きによるものかの判別が困難であり、混乱を来してしまうおそれがあるという問題点があった。
また、上述した特許文献1は、表示装置の画面に対して、受信電波強度を表示させているため、表示装置側の画面表示から無線伝送路の品質を知ることができる。しかしながら、受信電波強度の表示だけでは、無線伝送路の品質による表示画質に対する影響を把握することができないという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、無線通信で送信された画像データによる画像の品質変動の原因を容易に把握可能とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、無線による伝送路を介して、他の通信装置によって伝送路の通信速度に応じて画質が制御された画像と、他の通信装置によって伝送路の通信速度に応じて制御された画質を示す情報とを受信する受信手段と、受信手段で受信された画像を表示媒体に表示させる表示制御手段と、受信手段で受信された情報に基づき、他の通信装置によって伝送路の通信速度に応じて制御された画質を示す画質表示画像を生成する生成手段と、表示制御手段が表示媒体に表示させる画像に対して、画質表示画像を合成する合成手段とを有することを特徴とする。
また、本発明は、受信手段が、無線による伝送路を介して、他の通信装置によって伝送路の通信速度に応じて画質が制御された画像と、他の通信装置によって伝送路の通信速度に応じて制御された画質を示す情報とを受信する受信ステップと、表示制御手段が、受信ステップで受信された画像を表示媒体に表示させる表示制御ステップと、生成手段が、受信ステップで受信された情報に基づき、他の通信装置によって伝送路の通信速度に応じて制御された画質を示す画質表示画像を生成する生成ステップと、合成手段が、表示制御ステップが表示媒体に表示させる画像に対して、画質表示画像を合成する合成ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、無線通信で送信された画像データによる画像の品質変動の原因が容易に把握可能となるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態に適用可能な無線プロジェクタシステムの一例の利用形態を概略的に示す略線図である。 図2は、本発明の実施形態に適用可能な無線プロジェクタシステムの構成を概略的に示すブロック図である。 図3は、無線アダプタの機能を説明するための一例の機能ブロック図である。 図4は、プロジェクタにおける情報処理部の機能を説明するための一例の機能ブロック図である。 図5は、無線アダプタにおける一例の通信処理を示すフローチャートである。 図6は、プロジェクタにおける一例の通信処理を示すフローチャートである。 図7は、合成部でフレーム画像に対して画質表示画像が合成されてスクリーンに投影された例を示す略線図である。 図8は、画質表示画像のバリエーションの例を示す略線図である。 図9は、本発明の実施形態に適用可能なプロジェクタの一例の構成を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る情報処理装置の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に適用可能な無線プロジェクタシステムの一例の利用形態を概略的に示す。無線プロジェクタシステムは、情報端末としてのパーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する)10と、このPC10と所定の方式の無線通信による通信が可能とされた、情報処理装置としてのプロジェクタ20とを含む。
PC10は、例えばディスプレイの表示画面と同じ画像を表示する画像データを所定の方式で変調し、無線通信により電波としてプロジェクタ20に対して送信する。プロジェクタ20は、PC10から送信された電波を受信する。そして、受信した電波を復調して画像データを復元し、復元された画像データによる画像を、光学系によりスクリーン30といった表示媒体に表示させる。
図2は、本実施形態に適用可能な無線プロジェクタシステムの構成を概略的に示す。PC10において、グラフィックポートに対して無線アダプタ11が接続される。無線アダプタ11は、PC10において所定のリフレッシュレート(例えば60Hz)で更新されグラフィックポートから出力される画像データに対して、通信方式に応じた信号処理を施し、変調して電波としてアンテナ12から送信する。このとき、無線アダプタ11は、アンテナ12により送信される電波の伝送路の状態をモニタし、モニタ結果に応じて画像データによる画質の制御を行い、当該画像データのデータレートを調整することができる。
なお、PC10の構成は、一般的なコンピュータの構成と何ら変わるところがないため、説明を省略する。
プロジェクタ20は、通信部22、情報処理部23および表示部24を含む。通信部22は、アンテナ21で受信された電波を復調して元のデータを復元する。例えば、PC10から出力された画像データが無線アダプタ11で変調されアンテナ12から送信された電波が、アンテナ21で受信される。通信部22は、アンテナ21で受信したこの電波を復調して、元の画像データを復元する。復元された画像データは、情報処理部23に供給される。
情報処理部23は、供給された画像データが圧縮符号化されている場合は、圧縮符号を伸張して出力する。また、当該画像データがフレーム間引き処理されている場合は、間引きされたフレームを補間して出力する。情報処理部23から出力された画像データは、表示部24に供給されて、スクリーン30に投影される。
なお、PC10とプロジェクタ20との間の通信は、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を通信プロトコルとして用い、IEEE(Institute Electrical and Electronics Engineers)802.11シリーズに規定される無線LANによる無線通信により行うことができる。以下、特に記載のない限り、IEEE802.11シリーズに規定される無線LANを、単に無線LANと呼ぶ。
PC10とプロジェクタ20との間の通信の通信方式は、無線LANに限られず、例えばBlueTooth(登録商標)やWiFi Direct(登録商標)といった、装置同士で直接的に無線通信を行うことが可能な方式であってもよい。
図3は、無線アダプタ11の機能を説明するための一例の機能ブロック図である。無線アダプタ11は、インターフェイス(I/F)100と、画像処理部101と、バッファ102と、通信部103と、制御部110とを含む。
通信部103は、制御部110の制御に従い、アンテナ12を介して無線通信を行う。通信部103は、通信開始時に通信先とネゴシエーションを行い無線通信を確立する。このとき通信部103は、対応可能な通信速度(例えば54Mbps、24Mbpsおよび12Mbpsの組)を取得する。また、通信部103は、通信中において、再送回数に基づき通信速度を測定し、無線伝送路の状態を把握し、把握した伝送路の状態に応じて、対応可能な通信速度から適切な通信速度を選択する。
制御部110は、無線アダプタ11の動作を制御する。制御部110は、通信部103で取得された通信速度の情報に従い、画像処理部101に対して画像の間引き率や圧縮率を設定する。圧縮率は、例えば非圧縮の状態の画像データのデータサイズに対する、圧縮符号化後の画像データのデータサイズの割合を用いることができる。また、間引き率は、リフレッシュレートで示される1秒間に更新されるフレーム数に対して、間引きを行うフレーム数の割合を用いることができる。
画像処理部101は、PC10からI/F100を介して供給された画像データに対して、制御部110の制御に従い、間引き処理や圧縮符号化処理などの画像処理を施す。間引き処理および圧縮符号化処理は、何れか一方のみを実行してもよいし、これらを組み合わせて実行してもよい。
一例として、画像データに対して間引き処理を行う場合は、制御部110により設定された間引き率に基づき、所定期間毎に画像フレームを間引きする。例えば、画像データのリフレッシュレートが60Hz、設定された間引き率が30%であれば、1秒間に付き18フレームを、間引き間隔が略等しくなるように間引く。
別の例として、画像データに対して圧縮符号化を行う場合は、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式のように、フレームを分割した所定サイズのブロック毎に空間周波数の係数を求め、求めた係数に対して量子化スケールを適用して、画像データの圧縮符号化を行うことが考えられる。この場合、設定された圧縮率に応じて予め定められた量子化テーブルを選択する。
これに限らず、圧縮符号化処理を2パスによる処理とし、1パス目で仮の圧縮符号化処理を行って圧縮率を求め、求めた圧縮率に基づき、制御部110により設定された圧縮率になるように圧縮符号化の各パラメータを調整して、2パス目の圧縮符号化処理を行うことも考えられる。また、画像データに対する圧縮符号化は、JPEGのような、フレーム毎に圧縮符号化を行う方式に限らず、フレームを分割したブロック毎の圧縮に加え、フレーム間圧縮を行うMPEG2(Moving Pictures Experts Group 2)方式や、H.264方式を適用することもできる。
画像処理部101から出力された画像データは、バッファ102を介して通信部103に供給される。画像データをバッファ102を介して通信部103に供給することで、画像処理部101による画像処理速度と、通信部103による画像データの送信速度との差が吸収される。
通信部103は、バッファ102から所定単位毎に画像データを読み出してパケットに詰め込む。それと共に、通信部103は、制御部110から、画像の間引き率や圧縮率を示す情報を取得して、ヘッダ情報として画像データに付加する。圧縮率を量子化ステップ幅に基づき決めた場合には、対応する量子化テーブルをヘッダ情報に含めることが考えられる。通信部103は、このヘッダ情報が付加されたパケットに対して通信方式に応じた変調を施し、アンテナ12から電波として送信する。
図4は、プロジェクタ20における情報処理部23の機能を説明するための一例の機能ブロック図を示す。情報処理部23は、抽出部200と、画像処理部201と、メモリ202と、合成部203と、制御部210と、表示生成部211とを含む。
情報処理部23において、アンテナ21で受信された電波が通信部22で復調され、パケット単位のデジタルデータが復元されて抽出部200に供給される。抽出部200は、供給されたデータからパケットのヘッダ情報と、パケット本体に格納された画像データとを抽出する。画像データは、画像処理部201に供給され、ヘッダ情報は、制御部210に供給される。
制御部210は、抽出部200から供給されたヘッダ情報から間引き率や圧縮率を取り出す。そして、取り出した間引き率や圧縮率に従い、画像処理部201による画像処理を制御する。また、制御部210は、表示生成部211に対し、取り出した間引き率や圧縮率を表示するための表示画像(以降、画質表示画像と呼ぶ)を生成するように命令する。表示生成部211は、この制御部210からの命令に従い、画質表示画像を表示するための画質表示画像データを生成し、合成部203に供給する。
画像処理部201は、抽出部200から供給された画像データを一旦メモリ202に溜め込む。画像処理部201は、メモリ202に所定量の画像データが溜め込まれると、この画像データに対して、制御部210から供給された間引き率や圧縮率に従い所定の画像処理を施す。
例えば、ヘッダ情報から間引き率が抽出された場合、間引き率に基づき、1秒間のフレーム数および各フレームの表示タイミングが制御される。間引きされたタイミングでは、例えば直前のフレームの画像が繰り返される。これに限らず、間引きされたタイミングに対し、前後のフレームの画像から補間して生成した画像を挿入してもよい。
また例えば、ヘッダ情報から圧縮率および量子化テーブルが抽出された場合、画像データの各フレームに対して量子化テーブルを用いて逆量子化処理を施し、さらに例えば逆DCTを施して、フレームの画像データを復号する。
画像処理部201から出力されたフレーム毎の画像データは、合成部203に供給され、表示生成部211で生成された画質表示画像データと合成されて表示部24に対して出力される。合成部203は、例えば画像処理部201から供給された1フレームの画像データによる所定領域の画素を、表示生成部211で生成された画質表示画像データの画素で置き換えることで、画像の合成を行う。
表示部24は、情報処理部23から供給された画像データによる画像を、スクリーン30といった表示媒体に投影させる。
図5は、無線アダプタ11における一例の通信処理を示すフローチャートである。ステップS100で、通信の開始に伴い、通信部103が通信相手である通信部22との間で所定のネゴシエーションを行い、通信を確立する。
次のステップS101で、通信部103が、対応する通信速度を示す情報を取得する。例えば、通信部103は、対応する通信速度として、54Mbps、24Mbpsおよび12Mbpsといった、段階的に変化する複数の通信速度の組を取得する。通信部103は、制御部110の制御に従い、これらの通信速度から1の通信速度を選択して、通信を行うことができる。次に、ステップS102で、通信部103が、通信速度の初期設定を行う。例えば、通信部103は、ステップS101で取得した通信速度から最も高速な通信速度を選択して、初期の通信速度とする。
次のステップS103で、制御部110が、画像処理部101に対して、画像データの間引き率または圧縮率の初期設定を行う。例えば、画像データの間引きを行う場合には、間引き率0%(間引きを行わない状態)を、圧縮符号化を行う場合には、圧縮率0%(圧縮符号化を行わない状態)を初期設定とすることが考えられる。なお、以下では、特に記載のない限り、画像処理部101ではフレームの間引き処理を行うものとし、制御部110は、画像処理部101に対して間引き率を設定するものとする。
次のステップS104で、指定された通信速度および間引き率での画像データ送信処理が開始される。例えば、PC10のグラフィックポートから所定のリフレッシュレートで更新されて出力されたフレーム毎の画像データが無線アダプタ11に入力され、インターフェイス100を介して画像処理部101に供給される。画像処理部101は、供給された画像データから、制御部110に設定された間引き率に従いフレームを間引く。フレームを間引かれた画像データは、バッファ102に一時的に格納される。通信部103は、バッファ102から所定量の画像データを読み出し、パケットに詰め込むと共に、間引き率を示す情報を含むヘッダ情報をパケットに付加する。このヘッダ情報が付加されたパケットが通信方式に応じて変調処理など施されて、アンテナ12から電波として送信される。
次のステップS105で、通信部103により通信速度が計測される。例えば、通信部103は、通信相手である通信部22から通信の応答であるACKを受信する。そして、通信に失敗してACKが受信されなかった場合に再送信を行った回数を、単位時間当たりで測定する。測定結果は、制御部110に渡される。次のステップS106で、制御部110が、通信速度の計測結果に基づき通信速度を更新し、更新された通信速度を通信部103に設定する。
例えば、制御部110は、ステップS105で計測された再送信数が所定数以上である場合に、伝送路の状態が良くないと判定し、通信速度を1段階低い速度に変更し、通信速度の更新を行う。また、制御部110は、計測された再送信数が他の所定数以下である場合に、伝送路の状態が良好であると判定して、通信速度を1段階高い速度に変更することもできる。
次に、ステップS107で、制御部110が、ステップS106で設定された通信速度に基づき、画像データのデータレートが当該通信速度内に収まるように、画像データによる画像の画質を制御するパラメータを更新し、更新されたパラメータを画像処理部101に設定する。
画像データの画質を制御するパラメータは、本実施形態の例では、間引き率や圧縮率である。すなわち、ステップS106で通信速度がより低い速度に更新された場合には、間引き率や圧縮率を上げる。この場合、画像処理部101で間引きまたは圧縮符号化された画像データのデータレートが下がり、より低い通信速度での通信が可能となる一方で、当該画像データによる画像の画質が低下する。また、ステップS106で通信速度がより高い速度に更新された場合には、間引き率や圧縮率を下げる。この場合、画像処理部101で間引きまたは圧縮符号化された画像データのデータレートが上がり、当該画像データによる画像の画質が向上する。
間引き率や圧縮率といった、画質を制御するパラメータは、通信部103が対応可能な複数の通信速度に応じて予め複数を用意しておくことができる。制御部110は、ステップS106で設定された通信速度に対応するパラメータを選択して、画像処理部101に設定する。
ステップS107で画像データによる画像の画質を制御するパラメータ、例えば間引き率や圧縮率の更新が行われると、処理がステップS108に移行される。ステップS108では、通信部103が、ステップS107で設定された間引き率や圧縮率で間引きや圧縮符号化が行われて画像処理部101から出力された画像データを送信する。このとき、通信部103は、ヘッダ情報として、ステップS107で設定された間引き率や圧縮率を示す情報を画像データに対して付加して、送信する。
次のステップS109で、制御部110は、PC10からの画像データの供給が停止され、プロジェクタ20による投影を終了させるか否かが判定される。若し、投影を終了させると判定された場合、図5のフローチャートによる一連の処理が終了される。一方、PC10からの画像データの供給が継続されている場合、プロジェクタ20による投影を終了させないと判定され、処理がステップS105に戻される。
なお、ステップS105〜ステップS109のループ処理は、数フレーム毎、数10フレーム毎など、所定間隔で繰り返される。また、ステップS109による判定処理を省略し、単にステップS108からステップS105に戻るループ処理としてもよい。
図6は、プロジェクタ20における一例の通信処理を示すフローチャートである。なお、図6のフローチャートによる処理の実行に先立って、無線アダプタ11とプロジェクタ20との間では、ネゴシエーションが既に実行され、通信が確立されているものとする。
ステップS200で、上述した図5のフローチャートに従い、画像データに対して必要に応じて間引き処理や圧縮符号化処理が施され、無線アダプタ11から送信されたデータが、通信部22に受信される。受信された受信データは、情報処理部23に入力され、抽出部200に供給される。
次のステップS201で、抽出部200は、通信部22から供給された受信データのヘッダ情報から間引き率や圧縮率を示す情報を抽出し、制御部210に渡す。また、抽出部200は、当該受信データから画像データを取り出して、画像処理部201に供給する。
次のステップS202で、制御部210が、抽出部200で受信データから抽出され渡された間引き率や圧縮率を示す情報に基づき、画像処理部201に対して、間引き率や圧縮率を設定する。画像処理部201は、次のステップS203で、抽出部200から供給された画像データに対して、設定された間引き率や圧縮率に基づき画像処理を施し、次のステップS204で、画像処理が施された1フレーム分の画像データを出力する。出力されたこの画像データは、合成部203に供給される。
次のステップS205で、制御部210は、抽出部200から渡された間引き率や圧縮率を示す情報に基づき、表示生成部211に対して、間引き率や圧縮率を示す画質表示画像を生成するように命令する。表示生成部211は、この命令に従い、画質表示画像を表示するための画質表示画像データを生成する。生成された画質表示画像データは、合成部203に供給される。
次のステップS206では、合成部203により、画像処理部201から供給された1フレームの画像データに対して、表示生成部211から供給された画質表示画像データが合成される。例えば、合成部203は、上述したように、画像処理部201から供給された1フレームの画像データの所定領域の画素を、画質表示画像データの画素と置き換えることで、画像の合成を行う。
図7は、合成部203でフレーム画像31に対して画質表示画像32が合成されてスクリーン30に投影された例を示す。フレーム画像31の一部の領域に、圧縮率が示された画質表示画像32が表示されているのが分かる。合成部203で1フレームの画像データに画質表示画像32が合成された画像データは、表示部24に供給され、例えばスクリーン30に表示される。なお、画質表示画像32は、フレーム画像31の本来の表示の妨げにならないように、その大きさおよび位置が決められる。
次のステップS207で、制御部210は、プロジェクタ20における画像データによる画像のスクリーン30に対する投影が終了したか否かが判定される。例えば、プロジェクタ20に設けられた操作部(図示しない)に対する投影終了を指示する操作があった場合に、投影が終了したと判定することができる。若し、終了したと判定された場合、図6のフローチャートによる一連の処理が終了される。一方、投影が終了していないと判定された場合、処理がステップS200に戻される。
ステップS205で生成される画質表示画像32は、図7を用いて説明した例の他にも、様々な形態が考えられる。図8は、画質表示画像32のバリエーションの例を示す。図8(a)は、文字情報にて間引き率(圧縮率)を表示した画質表示画像32の例を示す。
これに対して、図8(b)および図8(c)は、それぞれグラフィクスを用いて間引き率や圧縮率を表示した画質表示画像32の例である。グラフィクスを用いることで、間引き率や圧縮率を直感的に把握することができる。
図8(b)は、例えば圧縮率を表示する場合において、非圧縮状態の画像データのデータレート(100%)に対する、圧縮符号化後の画像データのデータレート(30%)の割合(すなわち圧縮率)を表示する例である。この例では、画質表示画像32の横幅が100%を示し、境界40の位置が例えば30%を示している。
図8(c)は、例えば圧縮率を表示する場合において、通信部103および通信部22の間での通信速度の、仕様上の最大速度で通信可能な第1のデータレートを画質表示画像32の横幅とした例である。この例では、第1のデータレートに対する、通信部103および通信部22間のネゴシエーションで得られた最大速度に対応する第2のデータレートの割合(境界42)と、現在の通信速度で通信可能な第3のデータレートの割合(境界41)とを示している。この場合、境界42および境界41の位置関係から、間接的に画像データの圧縮率を知ることができる。
なお、上述では、プロジェクタ20において、無線アダプタ11側で画像データと共に送信した、間引き率や圧縮率といった画質制御情報に基づき画質表示画像32を生成するとして説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、無線通信による接続状態を、画質表示画像32として表示させてもよい。一例として、プロジェクタ20側で、制御部210が画像の更新の有無を監視し、所定期間内に更新が無い場合に、無線通信が切断された旨を示す情報を画質表示画像32として表示させる。
このように、本発明の実施形態によれば、プロジェクタ20は、無線通信の伝送路の状態に応じて設定され、画像データと共に送信された、当該画像データの画質を示す表示を、当該画像データによる画像に対して合成してスクリーン30に投影する。そのため、ユーザは、現在スクリーン30に投影されている画像の品質が低下している場合であっても、この品質低下が画像データの送信元が原因で発生したものか、無線通信の伝送路の状態が原因で発生したものかを容易に知ることができる。
すなわち、通常、PC10などの情報端末において、PC10自身のディスプレイに対して無線通信による電波強度や伝送レートの表示を行うことで、現在の無線伝送路の品質をユーザーに通知することが可能である。一方、PC10から送信する画像データをプロジェクタ20で表示する場合には、この無線伝送路の品質を示す情報を、プロジェクタ20によりスクリーン30に表示させる必要があると考えられる。
一方、例えば無線通信が切断された状態では、PC10側に表示された無線伝送路の品質を示す情報を、スクリーン30上の表示から把握することができない。そのため、スクリーン30を見ているユーザは、スクリーン30上の画像の更新が停止した原因が、無線伝送路の切断によるものか、PC10側の原因によるものかの判別を行うことが困難であり、混乱を来してしまうおそれがある。
本発明の実施形態では、スクリーン30上に画質表示画像32を表示させているので、例えスクリーン30上の画像の更新が停止した場合であっても、その原因が無線伝送路側およびPC10側の何れにあるのかを容易に判別することができる。例えば、画質表示画像32が示す間引き率や圧縮率が低下していないのに画像の更新が停止した場合は、PC10側に原因があると考えることができる。
(実施形態に適用可能なプロジェクタの構成例)
図9は、上述した実施形態に適用可能なプロジェクタ300の一例の構成を示す。プロジェクタ300において、バス301に対して、CPU310、ROM311、RAM312、表示制御部313、通信部314、入力I/F(インターフェイス)315および操作部316が互いに通信可能に接続される。
CPU310は、ROM311に予め記憶されるプログラムに従い、RAM312をワークメモリとして用いて、このプロジェクタ300の全体の動作を制御する。すなわち、CPU310、ROM311およびRAM312は、例えば図4における制御部210に対応する。CPU310上で動作するプログラムにより、抽出部200、画像処理部201、合成部203および表示生成部211などが構成される。メモリ202は、RAM312の一部の領域を用いることができる。不揮発性の半導体メモリや、ハードディスクドライブをさらに設けてもよい。
表示制御部313は、CPU310により生成された表示制御信号を、表示部320が表示可能な表示信号に変換する。表示部320は、図2における表示部24に対応し、例えば、光源と、RGB各色のカラーフィルタを組み込んだ液晶パネルと、RGB各色の液晶パネルから出射される光を合成するプリズムと、レンズなど光学部品とを組み合わせた光学系と、表示画像データに基づき液晶パネルを駆動する駆動回路とを備える。表示部320において、光源から出射される光は、ダイクロイックミラーなどによりRGB各色の光に分離され、各色のカラーフィルタを組み込んだ液晶パネルに入射される。RGB各色の光は、駆動回路により駆動される液晶パネルに制御され、プリズムによりRGB各色の光が合成されレンズなどを介して光学系から出射される。光学系から出射された光は、例えばスクリーン30といった表示媒体に投影される。
通信部314は、図2における通信部22に対応し、CPU310の制御により、無線LANなど、所定の通信方式で無線通信を行う。入力I/F315は、USB(Universal Serial Bus)など汎用のデータ通信インターフェイスである。プロジェクタ300で投影する画像データを、この入力I/F315から供給することもできる。操作部316は、このプロジェクタ300を操作するための操作子や表示素子などが設けられ、操作子に対するユーザ操作に応じた制御信号をCPU310に対して出力する。
10 PC
11 無線アダプタ
12,21 アンテナ
20 プロジェクタ
22 通信部
23 情報処理部
24 表示部
30 スクリーン
32 画質表示画像
100 インターフェイス
101 画像処理部
102 バッファ
103 通信部
110,210 制御部
200 抽出部
201 画像処理部
202 メモリ
203 合成部
211 表示生成部
特開2004−320396号公報

Claims (4)

  1. 無線による伝送路を介して、他の通信装置によって該伝送路の通信速度に応じて画質が制御された画像と、該他の通信装置によって該伝送路の通信速度に応じて制御された画質を示す情報とを受信する受信手段と、
    前記受信手段で受信された前記画像を表示媒体に表示させる表示制御手段と、
    前記受信手段で受信された前記情報に基づき、前記他の通信装置によって前記伝送路の通信速度に応じて制御された画質を示す画質表示画像を生成する生成手段と、
    前記表示制御手段が前記表示媒体に表示させる前記画像に対して、前記画質表示画像を合成する合成手段と
    を有する
    ことを特徴とする情報処理装置。
  2. 記情報は、前記他の通信装置によって圧縮符号化を行い画質を制御した際の圧縮率と、前記他の通信装置によって間引きを行い画質を制御した際の間引き率とのうち、少なくとも一方を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記生成手段は、
    当該情報処理装置が仕様上の最大速度で通信可能なデータレートを示す情報と、当該情報処理装置が前記伝送路において現在の通信速度で通信可能なデータレートを示す情報と、をさらに含む前記画質表示画像を生成する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 受信手段が、無線による伝送路を介して、他の通信装置によって該伝送路の通信速度に応じて画質が制御された画像と、該他の通信装置によって該伝送路の通信速度に応じて制御された画質を示す情報とを受信する受信ステップと、
    表示制御手段が、前記受信ステップで受信された前記画像を表示媒体に表示させる表示制御ステップと、
    生成手段が、前記受信ステップで受信された前記情報に基づき、前記他の通信装置によって前記伝送路の通信速度に応じて制御された画質を示す画質表示画像を生成する生成ステップと、
    合成手段が、前記表示制御ステップが前記表示媒体に表示させる前記画像に対して、前記画質表示画像を合成する合成ステップと
    を有する
    ことを特徴とする情報処理方法。
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