JP6268734B2 - 蓋材 - Google Patents

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本発明は、主として食品類の包装用容器に適用されるヒートシール蓋材に関する。さらにくわしくは、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ジャム、ムースなどの包装用のカップ状容器に使用する蓋材であって、その内面に内容物付着防止を備えた蓋材に関する。
カップ状容器に使用される蓋材は、外側から基材/無機蒸着フィルム/シーラント層からなっている。この構成の蓋は、ヨーグルトなどの内容物を充填した容器の上面開口に被せて、蓋周縁部を被着体である容器の上縁フランジ部にシールすることによって、密封された容器を形成する。
このような蓋材には、ヒートシール性、密着性、開封時の易剥離性が求められ、同時に、内容物の非付着性、即ち蓋材の裏面に内容物が付着し難いものが望まれる。
蓋材の裏面に内容物が付着すると、付着した内容物の棄損による無駄が生じたり、内容物の付着物を取り除くのに手間が掛かるなどが問題となる。また、開封時に付着物が飛び散り手や指、衣類に付いたり、周辺を汚すことがある。
これらの問題を解決するために、蓋材最内面のヒートシール層を、付着防止効果を有する非イオン界面活性剤、又は、撥水性添加物を添加したポリオレフィンとする提案がなされているが、このような添加剤は、10重量%以下、好ましくは7%以下の配合しかできない程相溶性が悪く、そのため、エージング条件により表面析出量が大きく変動し、安定性に欠けると言った問題がある。そのため、所望の性能が充分に得られない(特許文献1)。
また、蓋材のヒートシール層に、界面活性剤等の非着性添加物を添加せず、付着防止層として、撥水性酸化物微粒子で三次元網目構造のポーラス構造を作ることで、最内層に別途付着防止層を形成する提案がなされているが、この付着防止層は、粒子が細かく、耐熱性の面で劣っており、高温環境における保管時間が長くなることで、撥水性微粒子がヒートシール層であるホットメルト樹脂層に沈み込んでしまい、付着防止効果が消滅してしまう。また、内容物充填工程、特にシール工程において、これらの阻害要因は取り扱いの面で非常に厄介となる(特許文献2)。
また、シーラント層の上に付着防止層を設ける提案がある。付着防止層に、2〜7μmと、平均粒径の大きい湿式シリカ粒子を用いることにより、湿式シリカの沈み込みが少なくした。そのため、高温環境や塗布時の乾燥温度が長くなっても付着防止機能を維持できるというものである。しかし、逆にこの粒径が大きいために、付着防止層から脱落してしまい、付着防止の機能にムラが生じやすく、安定性に問題がある(特許文献3)。
また、シリコーンエラストマーや含フッ素系エラストマーなどの表面を高度に撥水化処理する提案がなされているが、シール性に乏しく、蓋材やパウチといった容器包装への適応は困難であった(特許文献4)。
蓋材は、脂肪分を含むような内容物に対して、高い付着防止機能を持つことが求められる。高い付着防止機能は付着防止層に必要な、熱シールを阻害する要因になりかねない。依って、バインダーと微粒子の重量比は非常に重要となる。微粒子の重量比を上げることは付着防止効果を挙げることになるが、相反する形でシーラント樹脂と被着体の熱接着を
阻害することに繋がってしまう。
特開2002‐37310号公報 特許第4348401号公報 特許第4668352号公報 特開2002‐69246号公報
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、十分な熱シール性と内容物付着防止性を備え、ヒートシール層に、大粒子を含ませることによる付着防止機能材料の脱落や、シール不良の可能性の無い、安定した内容物付着防止機能を備えた蓋材を提供することにある。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
少なくとも、基材層、シーラント層、付着防止層を積層し、被着体に設けられた融着部に融着させて用いられる蓋材であって、
前記付着防止層が、シーラント層上に、アンカー層、撥水層の順に積層された構成で、アンカー層が、平均粒径1〜100μmの大粒子とそれを固着するためのバインダーからなり、
撥水層が、平均粒子径が5〜500nmの微粒子とそれを固着するためのバインダーからなり、
アンカー層と撥水層の両層のバインダーが、無機又は金属アルコキシド類を少なくとも1種以上含有しており、
且つ、撥水層の、バインダーと微粒子との重量比が1:0.8〜1:0.4であり、
熱シール時において、アンカー層及び撥水層が割れて、割れた隙間ではシーラント層と被着体が熱溶着し、また、大粒子が被着体側にめり込まれる
ことを特徴とする蓋材である。
また、請求項2に記載の発明は、前記アンカー層の大粒子が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化チタンの少なくとも1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の蓋材である。
また、請求項3に記載の発明は、前記撥水層の微粒子の表面が、ジメチルシリル、トリメチルシリル、アルキルシリル基、アミノアルキルシリル基、メタクリルシリル基、ジメチルポリシロキサン基、ジメチルシロキサン基の、少なくとも1種の官能基で処理された無機酸化物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓋材である。
本発明の蓋材は、内容物が脂肪分を含むようなものに対して、高い付着防止機能を持ち、且つ、付着防止機能材料の脱落や、シール不良の無い、安定した熱シール性を備えた蓋材を提供することができる。
本発明の蓋材の層構成の一例で、充填・シール前の断面図である。 本発明の付着防止層の詳細断面図である。
以下、本発明の蓋材20における実施の形態例について、図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明における蓋材20の、層構成の一例を示した断面図で、蓋材20は、外側から基材層1、バリア層2、シーラント層3が積層されている。最内層には、内容物の付着を防止する付着防止層4が形成されている。
基材層1は紙、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの延伸オレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロースアセテート、セロファンなどの単体、あるいは、これらの積層体が使用できる。
これらの単体、あるいは、積層体の表面、あるいは内側には、印刷・蒸着、金属箔貼り合わせなどの2次加工を施し、意匠性を付与してもよい。
バリア層2は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの延伸オレフィン樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム、セルロースアセテートフィルム、セロファンフィルムなどのフィルム表面に、アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウムなどを蒸着したもの、あるいは金属箔などである。
このバリア層2は、内容物の浸透を阻害する、内容物の酸化劣化を防止する、水分の揮発を抑える、内容物の光劣化防止などの役目がある。
シーラント層3は、被着体との接着性とイージーピール性の両方が求められる。特に接着性とイージーピール性が良好であれば、その材料に限定することは無いが、溶剤で溶解しコーティングするラッカータイプの樹脂系材料を用いる。成分としては、ポリアクリレート樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、スチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体及びそれらの複合材料を用いる。また、ホットメルトタイプやポリオレフィンタイプのヒートシール層を用いても良い。
このシーラント層3は、被着体と容易に融着し、落下などの衝撃や、積載における加圧、保管時の高温などの環境においても安定して接着性を保持して密封でき、内容物を使用するときは、容易に剥離して開封できる。
付着防止層4は、図2に示すように、内容物との接触面積を低減させ付着防止効果を高めるための、大粒子7を含むアンカー層5と微粒子9を含む撥水層6から構成される。
大粒子7を含むアンカー層5は大粒子7とそれを固着させるアンカー層バインダー8からなり、撥水層6は撥水性微粒子9と撥水層バインダー10とから構成される。バインダーは大粒子7を含むアンカー層5とび撥水層6との密着を強くするために、同種のバインダーを使用することが好ましい。
大粒子7を含むアンカー層5の役目としては、マクロな凹凸を作ることで内容物はその凸部との接触となり、平面基材と比較して接触面積が少なくなり付着防止効果を助ける働きを担うことである。
さらにその上の層に撥水層6を設けることで撥水化表面処理されたナノオーダーの微粒子9がバインダーにより固着させている構造であり、化学的に撥水性となることと、さらに撥水性を付与している微粒子もより微細な凹凸を作ることになるため、内容物との接触面積はさらに軽減されることにも繋がる。
大粒子7は、その材料に限定することは無いが、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化チタンまたはその複合材料を用いることができる。大粒子7の粒径は平均粒子径が1〜100μmで、10〜50μm、が好ましい。
撥水性の微粒子9は、有機官能基で撥水化表面処理された無機酸化物が使用できる。無機酸化物としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタンなどから、1種又は複数種類を組み合わせて使用する。官能基としては、、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、アルキルシリル基、アミノアルキルシリル基、メタクリルシリル基、ジメチルポリシロキサン基、ジメチルシロキサン基の中から少なくとも1種以上、特に、トリメチルシリル基やジメチルポリシロキサン基を有した撥水性シリカ微粒子が好ましい。
撥水性シリカ微粒子9の粒径は、平均一次粒子径で、500nm以下のものが使用できる。撥水性シリカ微粒子9の粒径が500nmより大きい場合、撥水性微粒子9が大きすぎて、付着防止層4から脱落しやすくなる。
また、容器本体との融着性に影響して、低温や短時間での融着性低下が起きる。しかも、バインダー層の薄い場合は、特にそれら脱落、融着性低下などの問題が大きくなる傾向になり、さらに生産性が低下する問題が出てくる。
アンカー層バインダー8は、1種以上の金属アルコキシド、及び、その加水分解物と水/アルコール混合溶媒、シランカップリング剤を主剤をとする水溶液を用いることができる。
金属アルコキシドは、M(OR)で示される。Mは金属原子である。Mの例としては、Li、Na、Cu、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Al、Ga、Y、Si、Ge、Pb、P、Sb、Ta、W、La、Nd、Tiなどが挙げられる。nはMの原子価である。Rは低級アルキル基、例えば炭素数が1〜4のアルキル基を示す。
アルキコシド類の具体例としては、メチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン、アルミニウムプロポキシド、チタンイソプロポキシド、亜鉛t‐ブトキシド、亜鉛n‐ブトキシド、カルシウムエトキシド、鉄エトキシド、バナジウムイソプロポキシド、錫t‐ブトキシド、リチウムエトキシド、ベリリウムエトキシド、ホウ素エトキシド、燐エトキシド、燐メトキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等が挙げられる。
実際に使用する金属アルコキシドとしては、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウム、あるいはその混合物を用いることが好ましい。付着防止層中の微粒子は非常に小さく二次凝集力が強いため、バインダーと微粒子の重量比を1:0.8〜1:0.4にすることでポーラスな構造を付与できるだけでなく、付着防止層内の凝集力、及びシーラント層との密着を強くすることができる。
アンカー層5及び撥水層6をコーティングする装置としては特に限定されず、グラビアコーティング、ロールコーティング、ドクターブレードコーティング、ダイコーティング、バーコート、スプレーコーティングなどの公知の方法を用いることができる。
撥水層バインダー10に加えたアルコキシド類の加水分解は、乾燥工程、エージング工程で脱水縮合を繰り返し、酸化物の塗膜を形成する。
内容物を密閉するための熱シール時においては、シールバーにかける圧力により、撥水層バインダー10のガラス膜が割れる、割れた隙間ではシーラント層3と被着体が熱溶着し、また、大粒子7が被着体側にめり込んで投錨したような構造になるため投錨効果も出て、シール強度は十分に確保される。
被着体は、シーラントとの接着性とイージーピール性が要求される。一般的には、融着部の材料として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどを用いる。シールする融着部以外の容器外層部分は、装飾も兼ねて、多層にしたり、印刷を施す。また、バリヤ性を向上するような素材を積層してもよい。
以下、本発明の実施例について記載する。
基材層1として厚み52.3グラム/mの模造紙と、厚み16μmの無機蒸着フィルム2であるアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムを、ドライラミネ―トの方法で貼り合わせた。その貼り合わせた積層体のアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムの側に、ポリエステル樹脂とイソシアネート硬化剤によるプライマー層を、さらにコーティングした。
その後さらに、ポリアクリレートを主成分とするラッカータイプのシーラント層3を、プライマー層の上にコーティングした。
アンカー層5には、0.1規定の塩酸溶液にて加水分解させたテトラエトキシシランSi(OCの加水分解液と、アクリル樹脂との相性の良いシランカップリング剤をテトラエトキシシランに対して0.1mol添加し、アルコールで分散させた平均粒子径が10μmの大粒子7と充分に混合させ、塗液の固形分が20%となるように調整し、それをシーラント層3の上にコートした。
その後、撥水層6として0.1規定の塩酸溶液にて加水分解させたテトラエトキシシランSi(OCの加水分解液と、ジメチルポリシロキサンにて表面を撥水処理し、アルコールに分散させた平均粒子径が12nmの微粒子9を充分に混合させ、塗液の固形分が10%となるように調整し、アンカー層5の上に撥水層6を積層コートし、付着防止層4を持つ蓋材20を得た。
<大粒子7平均粒径の影響>
アンカー層5の大粒子7として平均粒子径が20μmのものを用いた以外は実施例1と同様にして蓋材20を得た。
アンカー層5の大粒子7として平均粒子径が50μmのものを用いた以外は実施例1と同様にして蓋材20を得た。
アンカー層5の大粒子7として平均粒子径が100μmのものを用いた以外は実施例1と同様にして蓋材20を得た。
<評価方法>
付着防止評価は、下記のように行った。液滴には、40度傾斜させた台に、蓋材20の付着防止層4を上にして蓋材20を貼り付け、その傾斜した蓋材20の付着防止層4の上に、ヨーグルト(ダノンジャパン社製ダノンビオプレーン加糖)約0.5mlを、傾斜面の2cm上から滴下し、液滴の付着状態を目視で観察・評価した。
◎:液滴の付着なし(付着防止効果が認められる)
○:わずかな付着はするが、液滴の大半は付着せず(付着防止効果が認められる)
×:液滴の付着あり(付着防止効果が認められない)
とした。
膜強度評価は、下記のように行った。
セロハンテープ(ニチバン社製セロテープ(登録商標)CT‐10)を貼り、セロハンテープの上からプラスチック消しゴムで擦って充分に密着させた後、90度の角度で、勢い良く剥がし、セロハンテープへの撥水性微粒子5付着の有無を確認した。
○:セロハンテープに撥水性微粒子5が取られない。
×:セロハンテープに撥水性微粒子5が取られる。
200℃耐熱評価は、下記で行った。200℃のオーブンに10分間静置させた後の付着防止性を評価した。
○:オーブンに入れる前後で、ヨーグルト付着性に変化無い
×:オーブンに入れた後では、ヨーグルト付着防止性が消失する
とした。
大粒子7平均粒径の影響を見たときの評価結果を表1に示す。
Figure 0006268734
表1の結果から、凹凸付与アンカー層の大粒子7が100μmと大きいことで、バインダーがその大きさを支えきれずに膜強度が弱い傾向が出て、大粒子7が小さくなると、付着防止性が悪くなる。
<アンカー層5及び撥水層6のバインダーの影響>
<比較例1>
アンカー層5のバインダーであるテトラエトキシシランSi(OCをポリアクリレートに変更した以外は実施例2と同様にして蓋材20を得た。
<比較例2>
アンカー層5のバインダーであるテトラエトキシシランSi(OCをポリアクリレートに変更した以外は実施例3と同様にして蓋材20得た。
<比較例3>
アンカー層5のバインダーであるテトラエトキシシランSi(OCをポリアクリレートに変更し、撥水層6のバインダーをテトラエトキシシランからポリアクリレートに変更した以外は実施例2と同様にして蓋材20を得た。
<比較例4>
アンカー層5のバインダーであるテトラエトキシシランSi(OCをポリアクリレートに変更し、撥水層6のバインダーをテトラエトキシシランからポリアクリレートに変更した以外は実施例3と同様にして蓋材20を得た。
アンカー層5及び撥水層6のバインダーの影響を見たときの評価結果を表2に示す。
Figure 0006268734
アンカー層5のバインダー成分を樹脂系にすると、200℃耐熱性が落ち、撥水層6のバインダー成分を樹脂系にすると、撥水層6が樹脂中に溶けこんでしまうため、付着防止性が消失し、膜強度も劣化する。
<撥水層6における微粒子9の平均粒子径の影響>
撥水層6における微粒子9の平均粒子径が4nmのものを用いた以外は、実施例2と同様にして蓋材20を得た。
撥水層6における微粒子9の平均粒子径が6nmのものを用いた以外は、実施例2と同様にして蓋材20得た。
撥水層6における微粒子9の平均粒子径が500nmのものを用いた以外は、実施例2と同様にして蓋材を得た。
<比較6における微粒子9の平均粒子径が550nmのものを用いた以外は、実施例2と同様にして蓋材20得た。
撥水層6の微粒子9の粒子径の影響バインダーの影響を見たときの評価結果を表3に示す。
Figure 0006268734
撥水層6における微粒子9の平均粒子径を4nm、6nm、500nmにしても、良好な特性を示したが、550nmにしたものは、付着防止性が低下した。
<撥水層6における微粒子9の表面処理撥水性官能基の影響>
撥水層6おける微粒子9の表面処理撥水性官能基をトリメチルシリルにした以外は、実施例2と同様にして蓋材20を得た。
<比較例6>
撥水層6における微粒子9の表面処理を行わない以外は、実施例2と同様にして蓋材20を得た。
撥水層6における微粒子9の表面処理撥水性官能基の影響を見たときの評価結果を表4に示す。
Figure 0006268734
撥水層6における微粒子9の表面を撥水処理をジメチルポリシロキサン、トリメチルシリルにしたものは良好な付着防止性を示したが、処理を行わないと、付着防止性を持たないだけでなく、耐熱性も無かった。
<撥水層6におけるバインダーと微粒子9との比率の影響>
撥水層6におけるバインダーと微粒子9との比率を1:0.8にした以外は、実施例2と同様にして蓋材20を得た。
撥水層6におけるバインダーと微粒子9との比率を1:0.6にした以外は、実施例2と同様にして蓋材20を得た。
<比較例7>
撥水層6におけるバインダーと微粒子9との比率を1:1にした以外は、実施例2と同様にして蓋材20を得た。
<比較例8>
撥水層6におけるバインダーと微粒子9との比率を1:0.2にした以外は、実施例2と同様にして蓋材20を得た。
撥水層6における、バインダーと微粒子9との比率の影響に関する評価結果を表5に示す。
Figure 0006268734
撥水層6における撥水性微粒子9が対バインダー重量比で、0.4以上で良好なヨーグルト非付着性が確保でき、撥水性微粒子9の量が減ることで、ヨーグルト非付着性が落ち込む。
<バインダー種、バインダー/微粒子9の比率の影響>
<比較例9>
アンカー層5のバインダー及び撥水層6におけるバインダーをポリアクリレートとし、撥水層6におけるバインダーと微粒子9との比率を1:0.4にした以外は、実施例2と同様にして蓋材20を得た。
<比較例10>
アンカー層5のバインダー及び撥水層6におけるバインダーをポリアクリレートとし、撥水層6におけるバインダーと微粒子9との比率を1:0.2にした以外は、実施例2と同様にして蓋材20を得た。
<比較例11>
アンカー層5のバインダー及び撥水層6におけるバインダーをエチレンビニルアセテートとし、撥水層6におけるバインダーと微粒子9との比率を1:0.1にした以外は、実施例2と同様にして蓋材20を得た。
撥水層6における、バインダー種、バインダーと微粒子9との比率の影響に関する評価結果を表6に示す。
Figure 0006268734
アンカー層5のバインダーや撥水層6のバインダーとして、テトラエトキシシランは有効であり、また撥水層6におけるバインダーと微粒子9との比率を1:0.2と低くすると、ヨーグルト非付着性が落ち込み、そして、ヨーグルト付着防止性と膜強度の両立を見ると、バインダーと微粒子9との重量比で、1:0.8〜1:0.4が最適であることが分かる。
本発明の蓋材20は、以上のようなもので、強加熱が想定されるような機械上のトラブ
ル時などにも耐えるような設計をすることができる。また、蓋を剥離したとき、内容物が多量に蓋材20の内面に付着しない。そのため、内容物を有効に使用できると共に、容器使用後、内容物の残留が少なく、廃棄する場合にも、簡単な水洗浄で容易に分別廃棄できるので、消費者への負担も少ないなどのメリットがある。
1・・・基材層
2・・・無機蒸着フィルム
3・・・シーラント層
4・・・付着防止層
5・・・アンカー層
6・・・撥水層
7・・・大粒子
8・・・アンカー層バインダー
9・・・微粒子
10・・・撥水層バインダー
20・・・蓋材

Claims (3)

  1. 少なくとも、基材層、シーラント層、付着防止層を積層し、被着体に設けられた融着部に融着させて用いられる蓋材であって、
    前記付着防止層が、シーラント層上に、アンカー層、撥水層の順に積層された構成で、アンカー層が、平均粒径1〜100μmの大粒子とそれを固着するためのバインダーからなり、
    撥水層が、平均粒子径が5〜500nmの微粒子とそれを固着するためのバインダーからなり、
    アンカー層と撥水層の両層のバインダーが、無機又は金属アルコキシド類を少なくとも1種以上含有しており、
    且つ、撥水層の、バインダーと微粒子との重量比が1:0.8〜1:0.4であり、
    熱シール時において、アンカー層及び撥水層が割れて、割れた隙間ではシーラント層と被着体が熱溶着し、また、大粒子が被着体側にめり込まれる
    ことを特徴とする蓋材。
  2. 前記アンカー層の大粒子が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化チタンの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の蓋材。
  3. 前記撥水層の微粒子の表面が、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、アルキルシリル基、アミノアルキルシリル基、メタクリルシリル基、ジメチルポリシロキサン基、ジメチルシロキサン基の、少なくとも1種以上の官能基で処理された無機酸化物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓋材。
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