以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図1において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。また、図6において、矢印は各車両の進行方向を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る車両の割り込み防止装置10を適用するトラック(車両)1は、後述するアダプティブ・クルーズコントロール(ACC)システムによって車速を予め設定された目標車速に自動制御して走行するオートクルーズ走行可能なキャブオーバー型のトラック1であって、エンジン(図示省略)の上方に配置されるキャブ2と、キャブ2の後方のウイング型の荷箱3と、キャブ2の上方のエアデフレクタ4と、キャブ2の下方の左右1対のフロントタイヤ5と、荷箱3の下方の左右1対のサイドガード6(図1には左側のみ示す)と、キャブ2の前面の車幅方向両端部に配置される左右1対のヘッドランプ7と、左右のヘッドランプ7のそれぞれの下方の左右1対のフロントウィンカー8と、キャブ2の車幅方向両側面の左右1対のサイドマーカ9(図1には左側のみ示す)とを備える。
ウイング型の荷箱3は、荷箱3の上面部の車幅方向中央で前後に亘って延びるセンタービーム(図示省略)に回転自在に支持される左右1対のウイング27と、左右1対の前煽り28と左右1対の後煽り29とを有する。左右のウイング27は、天井面体(図示省略)と側壁部27aとを有する断面L字状であり、閉状態で荷箱3の内部の荷室の天井と側面の上部とを区画する。前煽り28と後煽り29とは、荷箱3の底面体(図示省略)の車幅方向両端縁にヒンジ(図示省略)を介して回転自在にそれぞれ連結され、起立した状態で、荷室の側面の下部を区画する。なお、図1には、左右のウイング27、左右の前煽り28、及び左右の後煽り29の左側のみを示す。
ACCシステムは、予め設定された目標車速で自車両を走行させるようにアクセルアクチュエータ(図示省略)等を制御するクルーズコントロール(CC)システムの機能に加えて、図2に示すように、自車両の前方を目標車速よりも遅い速度で先行車32が走行している場合に、アクセルアクチュエータやブレーキアクチュエータ(図示省略)等を制御して、先行車32との車間距離を自車両の車速に応じた所定の車間距離に保って先行車32と略同速度で走行する機能を併せ持つ。ACCシステムを使用する際には、運転者は、ステアリング(図示省略)等に設けられたオートクルーズボタン(図示省略)を押下する。運転者がオートクルーズボタンを押下すると、オートクルーズスイッチからON信号が後述するECU16へ出力され、ACCシステムがOFF状態からON状態へ移行し、押下時の車速が目標車速に設定されてオートクルーズ走行が開始される。一方、オートクルーズ走行中に、ブレーキペダル(図示省略)やクラッチペダル(図示省略)を踏み込んだ時、又は再度オートクルーズボタンを押下した時には、オートクルーズボタンやブレーキペダルセンサ(図示省略)等から後述するECU16へOFF信号が出力され、ACCシステムがON状態からOFF状態へ移行し、オートクルーズ走行が終了する。
ACCシステムでは、図2に示すように、先行車32との間で車間距離制御を行なっている場合に、自車両と先行車32との間に合流車53に割り込まれると、車間距離制御のための目標車両が先行車32から合流車53に変更され、目標車両(合流車53)との車間距離を上記所定の車間距離に保つためにアクセルアクチュエータやブレーキアクチュエータ等を制御する。また、先行車32が存在しないために車間距離制御を行なっていない場合であっても、オートクルーズ走行中に自車両の前方の比較的近い位置に合流車53に割り込まれると、車間距離制御のための目標車両を合流車53に設定し、上記同様にアクセルアクチュエータやブレーキアクチュエータ等を制御する。
図3に示すように、車両の割り込み防止装置10は、複数の側面表示部(複数の表示部、表示手段)18と、複数の前面表示部19と、前方ミリ波レーダ11と、前方撮影用カメラ12と、GPS(Global Positioning System)受信部(位置情報取得手段)13と、ディスプレイ17と、モード切替スイッチ14と、表示位置切替スイッチ15と、コントロールユニット16(以下、ECU(Electric Control Unit)と称する)とを有する。
図1及び図4に示すように、複数の側面表示部18は、左右のサイドマーカ9と第1〜第7の表示部20〜26とを有する。複数の側面表示部18は、トラック1の車幅方向外側の外側面30にそれぞれ配置され、ECU16に制御されてトラック1の前方への他の車両の割り込みの禁止を要求する割り込み防止表示をそれぞれ独立して行なう。なお、複数の側面表示部18は、トラック1の左右に対称的に設けられて、ほぼ同様の構成を有するため、以下では左側について説明し、右側の説明を省略する。
第1の表示部20は、バッテリ(図示省略)からの電力供給を受けて発光する複数のLED(発光ダイオード、図示省略)を2次元配列したドットマトリクス型の表示装置であって、各LEDの点灯を選択的に制御することで、任意の文字や図形等の画像を表示することができる。第1の表示部20は、荷箱3のウイング27の側壁部27aの車幅方向外側面(トラック1の外側面30)のうち、キャブ2の車幅方向両側のサイドウィンドウ42と略同じ高さ位置に配置され、側壁部27aの前後に亘って延びる。第1の表示部20は、トラック1の斜め前方、側方、及び斜め後方から視認可能であり、第1の表示部20で行なわれる割り込み防止表示は、例えば、「割り込みお控えください」等の文字情報を側壁部27aの車幅方向外側面に大きく表示して点滅させる表示である。なお、文字情報は、上記「割り込みお控えください」に限定されない。
第2の表示部21は、第1の表示部20と同様のドットマトリクス型の表示装置であって、荷箱3の前煽り28の車幅方向外側面(トラック1の外側面30)に配置されて、前煽り28の前後に亘って延びる。第2の表示部21は、トラック1の斜め前方、側方、及び斜め後方から視認可能であり、第2の表示部21で行なわれる割り込み防止表示は、例えば、「車速自動制御中です」等の文字を前煽り28の車幅方向外側面に大きく点灯させる表示である。なお、文字情報は、上記「車速自動制御中です」に限定されない。
第3の表示部22は、バッテリ(図示省略)からの電力供給を受けて発光する所定の色の複数のLEDを2次元配列した平板状のランプであって、左右のサイドガード6の車幅方向外側面(トラック1の外側面30)に配置される。第3の表示部22は、トラック1の斜め前方、側方、及び斜め後方から視認可能であり、第3の表示部22で行なわれる割り込み防止表示は、例えば、全てのLEDが同時に点灯、消灯を繰り返す点滅表示である。
第4の表示部23は、第3の表示部22と同様の平板状のランプであって、エアデフレクタ4の車幅方向外側面(トラック1の外側面30)に配置される。第4の表示部23は、トラック1の斜め前方、及び側方から視認可能であり、第4の表示部23で行なわれる割り込み防止表示は、第3の表示部22と同様の点滅表示である。
第5の表示部24は、第3の表示部22と同様の平板状のランプであって、キャブ2の車幅方向外側面(トラック1の外側面30)に配置される。第5の表示部24は、トラック1の斜め前方、側方から視認可能であり、第5の表示部24で行なわれる割り込み防止表示は、第3の表示部22と同様の点滅表示である。
第6の表示部25は、第3の表示部22と同様の平板状のランプであって、キャブ2のヘッドランプ7の上端の近傍から上方へ、キャブ2の車幅方向外側面(トラック1の外側面30)の前端部のピラー31を介してキャブ2の上端まで延びる。第6の表示部25は、トラック1の斜め前方、及び側方から視認可能であり、第6の表示部25で行なわれる割り込み防止表示は、第3の表示部22と同様の点滅表示である。
第7の表示部26は、バッテリ(図示省略)からの電力供給を受けて発光する複数(本実施形態では、1つのタイヤに6個)のマーカーランプであって、フロントタイヤ5のホイールに配置される。第7の表示部26は、トラック1の斜め前方、及び側方から視認可能であり、第7の表示部26で行なわれる割り込み防止表示は、例えば、全てのマーカーランプが同時に点灯、消灯を繰り返す点滅表示である。
左右のサイドマーカ9は、キャブ2の車幅方向両側面に配置され、ターンシグナルやハザードランプとして機能するランプである。左右のサイドマーカ9は、トラック1の斜め前方、及び側方から視認可能であり、左右のサイドマーカ9で行なわれる割り込み防止表示は、ターンシグナルやハザードランプとして機能させる際の点滅周期よりも速い点滅周期でサイドマーカ9を点滅させる表示である。
複数の側面表示部18は、トラック1の走行する走行車線に隣接する隣接車線でトラック1よりも前方を走行する他の車両の運転者から視認可能である。なお、図6に示すように、隣接車線には、複数の車線を有する道路35でトラック1の走行する走行車線36に併設された車線(追い越し車線等)37はもちろんのこと、高速道路等の本線(走行車線36)と合流車線38とが合流する合流箇所における合流車線38側の加速車線39等も含まれる。
第2の表示部21、第3の表示部22、第5の表示部24、第6の表示部25の下部、及び第7の表示部26は、トラック1の外側面30のうち、トラック1の上下方向の略中央部の高さ位置よりも下方の下部領域40に配置される。第2の表示部21、第3の表示部22、第6の表示部25の下部、及び第7の表示部26が配置される高さ位置は、トラック1よりも車高の低い乗用車(第1の他の車両)がトラック1と並走したり、隣接車線上でトラック1よりも前方を走行したりする際に、該乗用車の運転者から直接又はミラー等により間接的に視認し易いように、該乗用車の車高(例えば、1.5m)よりも低い位置に設定される。
第1の表示部20と、第4の表示部23と、第6の表示部25の上部とは、トラック1の車幅方向外側面30のうち、トラック1の上下方向の略中央部の高さ位置よりも上方の上部領域41に配置される。第1の表示部20と、第6の表示部25の上部とが配置される高さ位置は、乗用車(第1の他の車両)よりも車高の高いバスやトラック等の大型車両(第2の他の車両)がトラック1と並走したり、隣接車線上でトラック1よりも前方を走行したりする際に、該大型車両の運転者から直接又はミラー等により間接的に視認し易い高さ位置(本実施形態では、トラック1のキャブ2のサイドウィンドウ42と略同じ高さ位置)に設定される。
図1及び図4に示すように、複数の前面表示部19は、左右のフロントウィンカー8と第8の表示部33とを有し、ECU16に制御されてトラック1の前方への他の車両の割り込みの禁止を要求する割り込み防止表示をそれぞれ独立して行なう。第8の表示部33は、第1の表示部20と同様のドットマトリクス型の表示装置であって、キャブ2の前端で起立するフロントパネル34の上端部で車幅方向に延びる。第8の表示部33で行なわれる割り込み防止表示は、例えば、「車速自動制御中です」等の文字をフロントパネル34の上端部に点灯させる表示であって、トラック1の前方へ向かって行なわれる。左右のフロントウィンカー8で行なわれる割り込み防止表示は、ターンシグナルやハザードランプとして機能させる際の点滅周期よりも速い点滅周期でフロントウィンカー8を点滅させる表示であって、トラック1の前方へ向かって行なわれる。なお、文字情報は、上記「車速自動制御中です」に限定されない。
前方ミリ波レーダ11は、キャブ2の前面部の車幅方向略中央部に配置され、ミリ波帯域の連続した電磁波である送信波を、キャブ2の前面部から前方へ向かって所定角度の範囲内に所定時間ごとに繰り返し発射し、トラック1の前方に存在する物体(先行車32等)からの反射波である受信波を受信する。前方ミリ波レーダ11は、前方ミリ波レーダ11が配置されるキャブ2の前面部から上記物体までの距離と仰俯角と前後方向を基準にする方位角とを逐次検出し、検出した情報を含む信号をECU16へ出力する。
前方撮影用カメラ12は、キャブ2のフロントウインドウ43の上端縁の車幅方向略中央部の後方近傍に配置され、トラック1の前方の所定角度の範囲内の動画像を逐次撮像し、撮像した動画像を構成する静止画像をデジタル変換し、動画像の情報としてECU16へ出力する。
GPS受信部13は、GPS衛星(図示省略)からの電波信号を受信し、トラック1の現在の位置を特定する位置情報(緯度や経度等)を逐次取得してECU16へ出力する。なお、道路とトラック1との間で路車間通信等を行なうことが可能な場合には、路車間通信等によりトラック1の位置情報を取得してもよい。
ディスプレイ17は、タッチパネル機能を有し、キャブ2の車室内の前方のインストルメントパネル(図示省略)に設けられ、ECU16からの指示に従って各種画面を表示する。なお、ディスプレイ17には、ACCシステムで制御されるトラック1の車速や、先行車32との車間処理などの情報が表示されてもよい。また、トラック1がナビゲーションシステムを備える場合には、ナビゲーションシステム用のディスプレイとして兼用されてもよい。
モード切替スイッチ14は、割り込み防止表示の表示タイミングがそれぞれ異なる後述する3つの表示モード(第1〜第3モード)を切り替えるための回転式のスイッチであって、キャブ2の車室内の前方のインストルメントパネルに配置される。モード切替スイッチ14は、運転者等の操作によって上記3つの表示モードに対応する第1〜第3の設定位置に回転移動可能であり、各設定位置で異なる表示モード信号をECU16へ出力する。モード切替スイッチ14は、エンジンの始動時、及び設定位置の変更時に現在の設定位置(現在の表示モード)に対応する表示モード信号をECU16へ出力する。トラック1の運転者等は、モード切替スイッチ14の設定位置を変更して、割り込み防止表示の表示モードを切り替える。なお、モード切替スイッチ14をステアリング(図示省略)等に設けてもよい。また、モード切替スイッチ14は、回転式のスイッチに限定されず、ディスプレイ17に表示される表示モード選択画面等に含まれ、トラック1の運転者等がタッチパネルを操作して表示モードを選択入力することが可能なモード切替スイッチであってもよい。
第1モードは、トラック1がACCシステムを使用したオートクルーズ走行中である場合は常にトラック1の前方への他の車両の割り込みの禁止を要求するモードである。第2モードは、トラック1がオートクルーズ走行中であって、且つトラック1の走行車線36上の前方の合流地点Jまでの距離L(m)が予め設定された所定の距離(本実施形態では、300m)以下になった場合に、トラック1の前方への他の車両の割り込みの禁止を要求するモードである(図6参照)。第3モードは、トラック1がオートクルーズ走行中にトラック1の走行車線36上の前方の合流地点Jまでの距離Lが予め設定した上記所定の距離以下になり、且つ合流車線38の加速車線39上に他の車両を検出した場合に、後述するように該他の車両の車高に応じた所定の表示部で割り込み防止表示を行なって、トラック1の前方への他の車両の割り込みの禁止を要求するモードである(図6参照)。なお、第2モード及び第3モードでは、距離Lが予め設定された上記所定の距離以下になった場合にトラック1の前方への他の車両の割り込みの禁止を要求したが、距離Lが予め設定された上記所定の距離未満になった場合であってもよい。
表示位置切替スイッチ15は、複数の側面表示部18及び複数の前面表示部19の各表示部を、トラック1の前方への他の車両の割り込みの禁止を要求するために使用するON状態と、使用しないOFF状態とに切り替えるためのスイッチであって、ディスプレイ17に表示される表示位置切替画面に含まれる。表示位置切替画面には、トラック1の側面図が表示され、複数の側面表示部18及び複数の前面表示部19の各表示部の位置に表示位置切替スイッチ15が表示される。トラック1の運転者等がディスプレイ17に表示された表示位置切替スイッチ15に触れることによって各表示部のそれぞれの状態がON状態とOFF状態とに相互に切り替わる。表示位置切替スイッチ15は、トラック1の運転者等の操作入力に応じて各表示部のON/OFF信号をECU16へ出力する。各表示部のON/OFF状態の組み合わせによって、割り込み防止表示を行なう表示位置が切り替わる。この表示位置切替スイッチ15によるON/OFF状態の設定は、第1モード及び第2モードでの割り込み防止表示において有効に機能する。すなわち、トラック1の運転者等は、表示位置切替スイッチ15を操作することによって、複数の側面表示部18及び複数の前面表示部19の中から所定の表示部を選択して、第1モード及び第2モードで割り込み防止表示を行なう際の表示位置を運転者の好みの表示位置に設定することができる。
ECU16は、CPU(Central Processing Unit)44と記憶部45とを備える。記憶部45は、ROM(Read Only Memory)46及びRAM(Random Access Memory)47を含む。
ROM(地図データ記憶手段)46には、CPU(表示制御手段)44によって読み出される種々のプログラム(割り込み防止表示制御プログラムを含む)や種々のデータ(地図データを含む)を予め記憶している。地図データには、道路の合流地点の位置情報が含まれる。道路の合流地点とは、合流車線と本線との境界線のうち走行方向の最も前方の地点(トラック1から遠い地点)である。例えば、図6に示すように、走行車線36と加速車線39との境界線のうち走行方向の最も前方の地点Jが合流地点である。なお、ROM46に記憶される種々のデータは、実験やシミュレーションなどによって得られた測定値や理論値に基づいて設定される。また、これらのデータは、各プログラムに含まれた状態で記憶されてもよい。また、合流地点Jは、走行車線36と加速車線39との境界線のうち、走行方向の最も後方の地点や、前後方向の中央地点等であってもよい。
RAM47には、前方ミリ波レーダ11、前方撮影用カメラ12、及びGPS受信部13の各種検出データを記憶するデータ記憶領域が予め設定されている。また、RAM47は、上記各種検出データの一時記憶領域以外にも、ROM47から読み出されたプログラムの展開領域、CPU44の演算結果の一時記憶領域、ACCシステムのON/OFF状態の記憶領域、現在の表示モードの記憶領域、各表示部のON/OFF状態の記憶領域等として機能する。データ記憶領域は、記憶可能なデータ数の上限(上限データ数)が予め設定された領域であり、記憶されているデータ数が上限データ数に達すると、ECU16は、新規の検出結果を記憶する際に、既に記憶されている検出結果のうち最初に記憶された最も古いものを削除し、新規の検出結果を記憶させる。
図3に示すように、CPU44は、ROM46に記憶された割り込み防止表示制御プログラムに従って割り込み防止表示処理を実行することによって、走行状態判定部48、合流地点距離算出部49、自車位置検出部50、合流車情報取得部51、及び表示位置決定部52として機能し、複数の側面表示部18と複数の前面表示部19とを制御する。CPU44は、トラック1のエンジンの始動によって割り込み防止表示処理を開始し、エンジンの停止によってその処理を終了する。CPU44は、エンジンが作動している間、所定時間毎に繰り返して割り込み防止表示処理を実行する。また、CPU44は、前方ミリ波レーダ11、前方撮影用カメラ12、及びGPS受信部13等から入力された各種検出データ、ACCシステムのON/OFF信号に応じたACCシステムのON/OFF状態、モード切替スイッチ14からの表示モード信号に応じた現在の表示モード、及び各表示部のON/OFF信号に応じた各表示部のON/OFF状態をRAM47に記憶し、割り込み防止表示処理を実行する際に各種検出データ等をRAM47から読み出す。なお、CPU44の機能の一部を抽出して他の情報処理装置に設けてもよい。
走行状態判定部48は、RAM47に記憶されるACCシステムのON/OFF状態から、トラック1がACCシステムを使用して走行するオートクルーズ走行中であるか否かを判定する。
自車位置検出部50は、GPS受信部13が取得したトラック1の位置情報(緯度や経度等)と、ROM46に記憶された地図データとを用いて、地図データ上のトラック1の現在位置を検出する。
合流地点距離算出部49は、自車位置検出部50が検出した地図データ上のトラック1の位置(現在位置)からトラック1の走行車線上の前方の最も近い所定の合流地点までの走行車線に沿った距離Lを算出する。なお、上記所定の合流地点は、地図データに含まれる道路の合流地点のうち予め設定された合流地点であって、高速道路の合流地点はもちろんのこと、立体交差道路等の側道からの合流地点や高速道路の出口から一般道への合流地点等を含む。
合流車情報取得部51は、前方ミリ波レーダ11からの情報や前方撮影用カメラ12が撮像した動画像の情報に基づいて、合流車線から走行車線へ合流しようとする合流車(他の車両)が検出されたか否かを判定し、合流車が検出された場合には、該合流車の車高が所定の高さ(例えば、2.0m)よりも高いか(又は低いか)否かを判定する。なお、前方ミリ波レーダ11と同様のミリ波レーダをトラック1の側方や斜め前方へ向かって設け、該ミリ波レーダからの情報に基づいて合流車の有無や合流車の車高情報等を取得してもよい。
表示位置決定部52は、運転者が表示位置切替スイッチ15によって設定した各表示部のON/OFF状態に拘わらず、合流車情報取得部51が判定した合流車53の車高が上記所定の高さよりも高い場合には、割り込み防止表示を行なう表示部を、第1の表示部20、第4の表示部23、第5の表示部24、第6の表示部25、第8の表示部33、及び左右のフロントウィンカー8に決定し、合流車53の車高が上記所定の高さよりも低い場合には、割り込み防止表示を行なう表示部を、第2の表示部21、第3の表示部22、第5の表示部24、第6の表示部25、第8の表示部33、左右のフロントウィンカー8、及び左右のサイドマーカ9に決定する。
次に、車両の割り込み防止装置10のCPU44が実行する割り込み防止表示処理について、図5のフローチャートに基づき説明する。
本処理は、エンジンの始動によって開始され、エンジンが作動している間、所定時間毎に繰り返して実行される。
本処理が開始されると、CPU44は、RAM47に記憶されるACCシステムのON/OFF状態から、トラック1がACCシステムを使用したオートクルーズ走行中であるか否かを走行状態判定部48が判定する(ステップS1)。トラック1がオートクルーズ走行中であると走行状態判定部48が判定した場合(ステップS1:YES)、ステップS2へ移行する。
一方、トラック1がオートクルーズ走行中ではないと走行状態判定部48が判定した場合(ステップS1:NO)、ステップS9へ移行する。ステップS9では、CPU44は、複数の側面表示部18及び複数の前面表示部19の全ての表示部を、割り込み防止表示が停止された非表示状態に設定し、割り込み防止表示処理を終了する。すなわち、複数の側面表示部18及び複数の前面表示部19のいずれかの表示部で割り込み防止表示が行なわれている場合には、該表示部を非表示状態に設定して割り込み防止表示処理を終了し、全ての表示部が非表示状態である場合には、非表示状態を継続したまま割り込み防止表示処理を終了する。
ステップS2では、CPU44は、RAM47に記憶された現在の表示モードが第1モードであるか否かを判定する。現在の表示モードが第1モードであると判定された場合(ステップS2:YES)、ステップS8へ移行する。
ステップS8では、CPU44は、運転者が表示位置切替スイッチ15によって設定した各表示部のON/OFF状態をRAM47から取得し、複数の側面表示部18及び複数の前面表示部19のうちON状態の表示部で、それぞれの表示部に応じた割り込み防止表示を開始し、割り込み防止表示処理を終了する。なお、ON状態の表示部で既に割り込み防止表示が行なわれている場合には、割り込み防止表示を継続して行ない、割り込み防止表示処理を終了する。
一方、ステップS2において、現在の表示モードが第1モードではないと判定された場合(ステップS2:NO)、ステップS3へ移行する。
ステップS3では、先ず、自車位置検出部50が、GPS受信部13からのトラック1の位置情報(緯度や経度等)と、ROM46に記憶された地図データとを用いて、地図データ上のトラック1の現在位置を検出する。次に、合流地点距離算出部49がトラック1の現在位置からトラック1の走行車線上の前方の最も近い合流地点Jまでの走行車線に沿った距離Lを算出し、ステップS4へ移行する。
ステップS4では、CPU44は、合流地点距離算出部49が算出した距離Lと、予め設定された上記所定の距離(本実施形態では、300m)とを比較し、距離Lが上記所定の距離以下になった場合(ステップS4:YES)、ステップS5へ移行する。一方、距離Lが上記所定の距離よりも大きい場合(ステップS4:NO)、ステップS9へ移行し、全ての表示部を非表示状態に設定し、割り込み防止表示処理を終了する。
ステップS5では、CPU44は、合流地点Jに近づいていることを警告音と共にディスプレイ17に表示してトラック1の運転者に対して警告するとともに、RAM47に記憶された現在の表示モードが第2モードであるか否かを判定する。現在の表示モードが第2モードであると判定された場合(ステップS5:YES)、ステップS8へ移行して、各表示部のON/OFF状態をRAM47から取得し、ON状態の表示部でそれぞれの表示部に応じた割り込み防止表示を開始し、割り込み防止表示処理を終了する。一方、ステップS5において、現在の表示モードが第2モードではないと判定された場合(ステップS5:NO)、ステップS6へ移行する。
ステップS6では、合流車情報取得部51が、前方ミリ波レーダ11からの情報や前方撮影用カメラ12が撮像した動画像の情報に基づいて合流車線(加速車線)から走行車線へ合流しようとする合流車(他の車両)が検出されたか否かを判定する。加速車線に合流車が検出されなかった場合(ステップS6:NO)、ステップS9へ移行し、全ての表示部を非表示状態に設定し、割り込み防止表示処理を終了する。一方、加速車線に合流車が検出された場合(ステップS6:YES)、ステップS7へ移行する。
ステップS7では、合流車情報取得部51は、前方ミリ波レーダ11からの情報や前方撮影用カメラ12が撮像した動画像の情報に基づいて、該合流車の車高が所定の高さ(例えば、2.0m)よりも高いか否かを判定する。表示位置決定部52は、運転者が表示位置切替スイッチ15によって設定した各表示部のON/OFF状態に拘わらず、合流車情報取得部51が判定した合流車の車高に応じて、割り込み防止表示を行なう表示部を決定する。例えば、合流車53の車高が上記所定の高さよりも高い場合には、割り込み防止表示を行なう表示部を、第1の表示部20、第4の表示部23、第5の表示部24、第6の表示部25、第8の表示部33、及び左右のフロントウィンカー8に決定し、合流車53の車高が上記所定の高さよりも低い場合には、割り込み防止表示を行なう表示部を、第2の表示部21、第3の表示部22、第5の表示部24、第6の表示部25、第8の表示部33、左右のフロントウィンカー8、及び左右のサイドマーカ9に決定する。そして、CPU44は、表示位置決定部52が決定した表示部でそれぞれの表示部に応じた割り込み防止表示を開始する。なお、表示位置決定部52が決定した表示部で既に割り込み防止表示が行なわれている場合には、割り込み防止表示を継続して行ない、割り込み防止表示処理を終了する。
次に、第1モード〜第3モードのそれぞれのモードにおける割り込み防止表示の開始時と割り込み防止表示の停止時とについて、図6に基づいて、片側2車線の道路35の進行方向左側の車線(走行車線36)を走行しているトラック1を用いて説明する。
第1モードでは、走行車線36と合流車線38とが合流する合流地点Jが走行車線36上の前方に存在するか否かに拘わらず、トラック1がオートクルーズ走行中であれば、複数の側面表示部18及び複数の前面表示部19の中から運転者の好み等によって予め選択された所定の表示部で常時割り込み防止表示が行なわれる。すなわち、CPU44は、ACCシステムがON状態になった時に割り込み防止表示を開始し、ACCシステムがOFF状態になった時に割り込み防止表示を停止する。
第2モードでは、CPU44は、オートクルーズ走行中に合流地点Jまでの距離Lが上記所定の距離以下になった時に(L≦300)、上記所定の表示部で割り込み防止表示を開始する。オートクルーズ走行中に前方の合流地点Jまでの距離Lが上記所定の距離以下である間は、割り込み防止表示が継続して行なわれる。CPU44は、ACCシステムがOFF状態になった時の他に、オートクルーズ走行中に割り込み防止表示を開始した際の合流地点Jを越えて、トラック1の前方の次の合流地点までの距離Lが上記所定の距離よりも大きくなった時にも(L>300)割り込み防止表示を停止する。
第3モードでは、CPU44は、オートクルーズ走行中に合流地点Jまでの距離Lが上記所定の距離以下になり(L≦300)、且つ合流車53が検出された時に、合流車53の車高に応じた高さ位置の所定の表示部で割り込み防止表示を開始する。オートクルーズ走行中に前方の合流地点Jまでの距離Lが上記所定の距離以下であり、合流車53が検出されている間は、割り込み防止表示が継続して行なわれる。CPU44は、ACCシステムがOFF状態になった時や、距離Lが上記所定の距離よりも大きくなった時の他に、隣接車線に合流車53が検出されなくなった時にも割り込み防止表示を停止する。
上記のように構成された車両の割り込み防止装置10では、複数の側面表示部18は、CPU44に制御されて、トラック1のオートクルーズ走行中に割り込み防止表示を行なう。複数の側面表示部18がトラック1の斜め前方からそれぞれ視認可能であるので、複数の側面表示部18で行なわれる割り込み防止表示もトラック1の斜め前方から視認可能である。このため、加速車線39等の隣接車線からトラック1の走行車線36上の前方に割り込もうとする合流車53(他の車両)の運転者は、斜め後方のトラック1を直接又はミラー等により間接的に確認する際に割り込み防止表示を視認することができる。従って、オートクルーズ走行中のトラック1の前方へ割り込もうとする他の車両の運転者に対して、トラック1の前方への割り込みの禁止を要求することができるので、他の車両の運転者が割り込み禁止を知らずにトラック1の前方へ割り込んでしまうことを防止することができる。
また、下部領域40に配置される第2の表示部21、第3の表示部22、第6の表示部25の下部、及び第7の表示部26の高さ位置は、他の車両がトラック1よりも車高の低い乗用車(第1の他の車両)である場合に、該乗用車の運転者から視認し易い高さに設定される。このため、例えば、合流車53が乗用車である場合、合流車53の運転者がトラック1の前方へ割り込もうとして後方を確認した際に、合流車53の運転者は、トラック1の外側面30の上部領域41の割り込み防止表示が見え難い場合であっても、下部領域40の割り込み防止表示を視認することができる。また、上部領域41に配置される第6の表示部25の上部、及び第1の表示部20の高さ位置は、他の車両が乗用車(第1の他の車両)よりも車高の高いバスやトラック等の大型車両(第2の他の車両)である場合に、該大型車両の運転者から視認し易い高さに設定される。このため、例えば、合流車53が大型車両である場合、合流車53の運転者がトラック1の前方へ割り込もうとして後方を確認した際に、合流車53の運転者は、トラック1の外側面30の下部領域40の割り込み防止表示が見え難い場合であっても、上部領域41の割り込み防止表示を視認することができる。従って、運転席の高さ位置が異なる他の車両の運転者に対してトラック1の前方への割り込みの禁止を要求することができるので、オートクルーズ走行中のトラック1の前方への他の車両の割り込み防止の確実性を高めることができる。
このように、本実施形態によれば、先行車の有無に拘わらず、オートクルーズ走行中における割り込み禁止の要求を他の車両の運転者に確実に認識させることができる。
また、割り込み防止表示をそれぞれ独立して行なうことが可能な複数の側面表示部18及び複数の前面表示部19を有するので、第1モード及び第2モードのように、運転者の好みによって、他の車両による視認の可能性を高めるために多数の表示部で割り込み防止表示を行なったり、第3モードのように、割り込み防止表示に消費されるエネルギーを低減するために小数の表示部で割り込み防止表示を行なったりすることができる。
また、第1モードでは、トラック1がオートクルーズ走行中であれば常に割り込み防止表示が行なわれるので、割り込み防止表示処理を簡素化することができる。
また、第3モードでは、オートクルーズ走行中に合流地点Jまでの距離Lが上記所定の距離以下になり(L≦300)、且つ合流車53が検出された時に、CPU44が合流車53の車高に応じた高さ位置の所定の表示部で割り込み防止表示を開始するので、第1モードに比べて割り込み防止表示に消費されるエネルギーの消費量を抑えることができる。
また、第2モードでは、オートクルーズ走行中に合流地点Jまでの距離Lが上記所定の距離以下になった時に(L≦300)、CPU44が割り込み防止表示を開始するので、第1モードに比べて割り込み防止表示に消費されるエネルギーの消費量を抑えることができる。また、CPU44は、トラック1の前方へ割り込もうとする他の車両の情報を取得することなく所定の表示部を制御して割り込み防止表示を行なうので、第3モードに比べて取得する情報量の増大化や処理の複雑化を防止することができ、割り込み防止表示処理を簡素化することができる。
なお、本実施形態では、割り込み防止表示の表示タイミングがそれぞれ異なる3つのモード(第1〜第3モード)を有したが、いずれか1つのモードのみを有してもよい。また、例えば、第1モードのみを有する場合には、GPS受信部13とROM46に記憶された地図データとを備えなくてもよい。
また、割り込み防止表示を行なうモードは、上記3つのモードに限定されず、様々な態様で割り込み防止表示を行なうことができる。例えば、第1の表示部20や第2の表示部21では、オートクルーズ走行中に常時割り込み防止表示が行なわれ、他の表示部では、合流地点Jとの距離Lに応じて割り込み防止表示が行なわれてもよい。
また、本実施形態では、ECU16のROM46に記憶された地図データをCPU44(自車位置検出部50及び合流地点距離算出部49)が使用したが、これに限定されるものではなく、着脱自在な記憶媒体(地図データ記憶手段)に記憶された地図データを記憶し、該記憶媒体から読み出すことによって地図データをCPU44が使用してもよい。
また、本実施形態では、合流車線と本線との境界線のうち走行方向の最も前方の地点を合流地点Jとして設定し、合流地点距離算出部49が、トラック1の現在位置と合流地点Jまでの距離Lを算出したが、合流車線と本線との境界線のうち走行方向の最も後方の地点(トラック1から近い地点)を合流地点として設定してもよい。この場合、距離Lが上記所定の距離以下になった時に割り込み防止表示を開始して、合流車線と本線との境界線のうち走行方向の最も前方の地点(トラック1から遠い地点)までの距離がゼロになった時に割り込み防止表示を停止してもよい。
また、距離Lと比較する上記所定の距離は、合流車線と本線との境界線の長さによって変更されてもよい。例えば、地図データから合流車線と本線との境界線の長さを算出し、又は取得して、該境界線が比較的長い場合には、上記所定の距離も比較的長く設定し、該境界線が比較的短い場合には、上記所定の距離も比較的短く設定してもよい。
また、複数の側面表示部18及び複数の前面表示部19の各表示部の構成、及び各表示部で行なわれる割り込み防止表示は、上記に限定されない。例えば、第1〜第7の表示部20〜26及び第8の表示部33で使用される複数のLEDは、トラック1の斜め前方へ好適に反射するような反射板を設けたり、照射方向をトラック1の斜め前方に設定したりしてもよい。
また、複数の側面表示部18及び複数の前面表示部19の各表示部で行なわれる割り込み防止表示と同時に、例えば、スピーカ、ホーン、ブザー等の音声出力装置による割り込み防止のための警報を行なってもよい。
また、CPU44が実行する割り込み防止表示処理に拘わらず手動で割り込み防止表示を行なうことが可能なスイッチを設けてもよい。例えば、該スイッチをオートクルーズ中に押すと、該スイッチを押している間、或いは該スイッチを押してから所定の時間が経過するまでの間、CPU44が実行する割り込み防止表示処理に拘わらず割り込み防止表示を行なってもよい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の車両の割り込み防止装置は、キャブ2の前面部の車幅方向両側に左右1対の斜め前方用ミリ波レーダを備え、第1〜第3モードとは異なる第4モードのみで割り込み防止表示を行なう点が第1実施形態と異なる。なお、第1実施形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
左右の斜め前方用ミリ波レーダは、それぞれ上記第1実施形態の前方ミリ波レーダ11と同様の構成であり、キャブ2の前面部からそれぞれが配置された側の斜め前方の物体(他の車両等)までの距離と仰俯角と前後方向を基準にする方位角とをそれぞれ逐次検出し、検出した情報を含む信号をECU16へそれぞれ出力する。
第4モードでは、左右の隣接車線でトラック1よりも前方を走行する他の車両を検出し、且つトラック1の前後方向における他の車両との間の距離が予め設定された所定の車間距離以内である場合に、所定の表示部で割り込み防止表示を行なう。上記所定の車間距離は、ACCシステムの車間距離制御で設定される車間距離の値と同じ値に設定される。上記所定の表示部とは、トラック1の左斜め前方に他の車両が存在する場合には、複数の前面表示部19とトラック1の車幅方向左側の複数の側面表示部18とであり、トラック1の右斜め前方に他の車両が存在する場合には、複数の前面表示部19とトラック1の車幅方向右側の複数の側面表示部18とである。なお、上記所定の車間距離は、ACCシステムの車間距離制御で設定される車間距離の値と同じ値に限定されない。
次に、車両の割り込み防止装置のCPU44が実行する割り込み防止表示処理について、図7のフローチャートに基づき説明する。
本処理は、エンジンの始動によって開始され、エンジンが作動している間、所定時間毎に繰り返して実行される。
本処理が開始されると、CPU44は、トラック1がACCシステムを使用したオートクルーズ走行中であるか否かを走行状態判定部48が判定する(ステップS21)。トラック1がオートクルーズ走行中であると走行状態判定部48が判定した場合(ステップS21:YES)、ステップS22へ移行する。
ステップS22では、CPU44は、左右の斜め前方用ミリ波レーダからの情報や前方撮影用カメラ12が撮像した動画像の情報に基づいて、左右の隣接車線でトラック1よりも前方を走行する他の車両が検出されたか否かを判定し、他の車両が検出された場合(ステップS22:YES)、ステップS23へ移行する。
ステップS23では、CPU44は、左右の斜め前方用ミリ波レーダからの情報(斜め前方の他の車両までの距離と前後方向を基準にする方位角等)に基づいて、トラック1と他の車両との間のトラック1の前後方向における距離Kを算出し、上記所定の車間距離と距離Kとを比較する。距離Kが上記所定の車間距離以下である場合(ステップS23:YES)、ステップS24へ移行する。
ステップS24では、CPU44は、警告音と共にディスプレイ17に警告表示を行なってトラック1の運転者に対して他の車両の存在を警告し、他の車両の方向に応じた上記所定の表示部で割り込み防止表示を行なって、割り込み防止表示処理を終了する。
一方、ステップS21でオートクルーズ走行中ではないと走行状態判定部48が判定した場合(ステップS21:NO)、ステップS22で他の車両が検出されなかった場合(ステップS22:NO)、及びステップS23で距離Kが上記所定の車間距離よりも大きいと判定された場合(ステップS23:NO)には、ステップS25へ移行する。
ステップS25では、CPU44は、複数の側面表示部18及び複数の前面表示部19の全ての表示部を、割り込み防止表示が停止された非表示状態に設定し、割り込み防止表示処理を終了する。
次に、第4モードにおける割り込み防止表示の開始時と割り込み防止表示の停止時とについて、図6に基づいて、片側2車線の道路35の進行方向左側の車線(走行車線36)を走行しているトラック1を用いて説明する。
第4モードでは、トラック1がオートクルーズ走行中にトラック1よりも前方で加速車線39(左側の隣接車線)から本線(走行車線36)へ合流しようとする合流車(他の車両)53に対しては、CPU44は、合流車53を検出し合流車53との距離K1が上記所定の車間距離以下になった時、又は距離K1が上記所定の車間距離以下の合流車53を検出した時、複数の前面表示部19とトラック1の車幅方向左側の複数の側面表示部18とで割り込み防止表示を開始する。CPU44は、合流車53との間の距離K1が上記所定の車間距離以下である間は、割り込み防止表示を継続して行ない、加速車線39上に合流車53が存在しなくなったり、距離K1が上記所定の車間距離よりも大きくなったりした時に、複数の前面表示部19及びトラック1の車幅方向左側の複数の側面表示部18での割り込み防止表示を停止する。
また、追い越し車線37(右側の隣接車線)上をトラック1よりも後方からトラック1の側方を通過してトラック1よりも前方へ移動する追い越し車(他の車両)54に対しては、CPU44は、トラック1の側方から前方へ移動した追い越し車54をオートクルーズ走行中に検出した時に、複数の前面表示部19とトラック1の車幅方向右側の複数の側面表示部18とで割り込み防止表示を開始する。CPU44は、追い越し車54との間の距離K2が上記所定の車間距離以下である間は、割り込み防止表示を継続して行ない、追い越し車線37上に追い越し車54が存在しなくなったり、距離K2が上記所定の車間距離よりも大きくなったりした時に、複数の前面表示部19及びトラック1の車幅方向右側の複数の側面表示部18での割り込み防止表示を停止する。
上記のように構成された車両の割り込み防止装置では、隣接車線(加速車線39や追い越し車線37を含む)からトラック1の走行車線36上の前方へ割り込もうとする他の車両に対して、合流地点の有無に拘わらず割り込み防止表示を行なうことができ、トラック1の前方への割り込みの禁止を要求することができる。
従って、本実施形態によれば、先行車の有無に拘わらず、オートクルーズ走行中における割り込み禁止の要求を他の車両の運転者に確実に認識させることができる。
また、トラック1との距離Kが上記所定の車間距離以内である他の車両を検出した時に割り込み防止表示を開始し、隣接車線上に他の車両が存在しなくなったり、上記所定の車間距離よりも遠くに他の車両が移動したりした時に、割り込み防止表示を停止するので、例えば、オートクルーズ走行中に常に割り込み防止表示を行なう場合に比べて、割り込み防止表示に消費されるエネルギーの消費量を抑えることができる。
なお、本実施形態では、第4モードのみで割り込み防止表示を行なったが、第4モードに上記第1実施形態の第1〜第3モードを加えて、第1〜第4モードの中から運転者が選択した表示モードで割り込み防止表示を行なってもよい。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、車両の割り込み防止装置をトラック1に適用したが、これに限定されるものではなく、乗用車やバス等、様々な車両に適用することができる。
また、上記実施形態では、CCシステムの機能に加えて、先行車との車間距離を所定の距離に保つ機能を併せ持つACCシステムを備える車両に車両の割り込み防止装置を適用したが、CCシステムのみを備える車両に車両の割り込み防止装置を適用してもよい。この場合であっても、車両の前方への割り込み禁止を他の車両に要求することができるので、他の車両による割り込みを減少させることができ、割り込みが減少する分だけ車両の運転者による急制動や、制動後に再度オートクルーズ走行を行なう際の車速の再設定等の煩わしさ等を回避することができる。
また、上記実施形態では、トラック1の外側面30の異なる場所に複数の側面表示部18を表示手段としてそれぞれ配置したが、これに限定されるものではなく、少なくともトラック1の斜め前方から視認可能であれば、トラック1の外側面30の1つの場所に1つの側面表示部を表示手段として配置してもよい。例えば、トラック1の斜め前方から視認し易い第4の表示部23、又は第6の表示部25のみをトラック1の外側面30に配置してもよい。
また、車両の割り込み防止装置を適用する車両は、車両の側方や後方を走行する他の車両の位置情報を検出可能なセンサやカメラを備えてもよく、該センサ等(カメラを含む)によって隣接車線上の他の車両の位置情報等を取得し、他の車両の位置情報に応じて車両の運転者に車線変更を促す機能を有してもよい。この場合、車両及び他の車両の位置情報をディスプレイ17に表示してもよい。