JP6267589B2 - 内燃機関のバランサ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の回転による二次振動を低減させるバランサ装置に関する。
この種の従来のバランサ装置としては、以下の特許文献1に記載されたものが知られている。概略を説明すると、このバランサ装置は、オイルパン内部に配置されたバランサハウジングと、該バランサハウジングの内部に回転自在に支持されたドライブシャフト及びドリブンシャフトと、該両シャフトのそれぞれに形成された断面半円弧状のバランサウエイトと、前記バランサハウジングの前記両シャフトのそれぞれ上部位置に形成された開口部と、を備えている。
前記両バランサウエイトは、前記バランサハウジング内に充填されているオイルを掻き出す平面部を有すると共に、該平面部の先端側には、外径方向に向かって回転方向と反対側に傾くオイル押し出し面が形成されている。また、前記オイル押し出し面の前記ドライブシャフト軸方向の両端部には、オイル押し出し面へ向けて絞り込み状に傾斜させた傾斜面が形成されている。
これらオイル押し出し面と両傾斜面は、前記平面部で受けたオイルを、前記バランサハウジングの上部に形成された開口部方向へ押し出すようになっている。つまり、前記オイル押し出し面と両傾斜面は、オイルの押し出し方向を規定するようになっている。
特開平9−14354号公報
しかしながら、前記オイル押し出し面は、方向性を確保するために前記平面部の先端側に形成され、また、前記両傾斜面は、前記ドライブシャフト軸方向の外側に開いた傾斜状に形成されていることから、平面部で受けたオイルがオイル押し出し面と両傾斜面上から外側へ逃げてしまい、ここでオイルを十分に捕集することが困難となり、開口部からの排出効率が低下してしまう。
本発明は、前記従来のバランサ装置の実情に鑑みて案出されたもので、バランサウエイトの捕集溝によって、ハウジングの内部に充填されているオイルを十分に捕集することで、オイルパン内への排出効率を高められる内燃機関のバランサ装置を提供することを目的としている。
本発明は、内燃機関に取り付けられたハウジングと、該ハウジングの内部に回転自在に収容されたバランサシャフトと、前記バランサシャフトの外周面から径方向へ突設されると共に、前記バランサシャフトの回転方向側に平面部を有するバランサウエイトと、前記ハウジングの前記バランサウエイトの所定の回転位置における前記平面部と対向する位置に設けられ、前記ハウジングの内外を連通する開口部と、を備え、前記平面部に、前記バランサウエイトの前記バランサシャフト近傍の基端縁から径方向の先端縁に向かって下り傾斜する捕集テーパ面と、該捕集テーパ面の両側端縁からほぼ垂直に立ち上がった両側壁面と、からなる捕集溝を設けたことを特徴としている。
本発明によれば、バランサウエイトの捕集溝によって、ハウジングの内部に充填されているオイルを効率良く捕集して、開口部からオイルパン内へ効果的に排出することができる。この結果、早期にオイルとバランサウエイトの間に生じるフリクションを低減させることができる。
本発明に係る内燃機関に第1実施形態のバランサ装置が設けられた状態を示す正面図である。 本実施形態におけるバランサ装置の駆動側と油圧テンショナを分解して示す斜視図である。 同バランサ装置の分解斜視図である。 オイルパンを外した状態の同バランサ装置の底面図である。 図4のA−A線断面図である。 本実施形態におけるドライブシャフト及びドリブンシャフトの斜視図である。 本実施形態におけるカウンターウエイトの要部を拡大して示す平面図である。 同カウンターウエイトによるオイルの掻き上げ動作を示し、Aはカウンターウエイトの斜視図、Bはカウンターウエイトがオイルを掻き上げる際の作動状態を表す断面図である。 同カウンターウエイトとオイル排出孔との位置及び大きさの関係を示した要部底面図である。 第2の実施形態における図4のA−A線断面図である。 第2の実施形態におけるバランサ装置の要部断面図である。
以下、本発明に係る内燃機関のバランサ装置を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、直列4気筒ガソリンの内燃機関に適用したものを示している。
〔第1実施形態〕
内燃機関のシリンダブロック1の下部には、図1〜図3に示すように、クランクシャフト2を軸支する軸受部と断面ほぼU字状のクランクケース3が固定されていると共に、該クランクケース3の下部の外周縁には、内部にエンジンオイルOを貯留したオイルパン4が取り付けられている。なお、前記内燃機関は、エンジンルーム内のレイアウトの関係から図1中、左側が下がった傾斜状に配置されている。
前記クランクシャフト2は、前記シリンダブロック1の下部に図外のベアリングボルトによって結合されたベアリングキャップなどからなる複数の軸受によって回転自在に支持されていると共に、前端部2aには、大径なクランクスプロケット5が取り付けられている。このクランクスプロケット5は、中央部に形成された挿通孔5aを介して前記クランクシャフト2の前端部2aに焼き嵌めによって結合されていると共に、外周にギア歯部5bを有している。
前記クランクケース3は、上端部の所定位置に、前記シリンダブロック1に取り付けるための図外の取付ボルトが挿通する複数のボルト挿通孔3aを有している。また、前記クランクケース3の前端面には、後述するドライブシャフト8の先端部8aが挿通する半円弧状の切り欠き部3bが形成されている。
そして、前記クランクケース3の下面と前記オイルパン4によって囲まれた空間内には、図4に示すように、内燃機関の二次振動を抑制するバランサ装置6が収容配置されている。
このバランサ装置6は、図5に示すように、前記内燃機関の傾斜角度と同じ角度で傾斜して配置され、後述するドリブンシャフト9側がドライブシャフト8側よりも重力方向の下側となるように配置されている。
また、バランサ装置6は、図3,図5に示すように、前記クランクケース3の下部を構成の一部とする矩形箱状に形成されたハウジング7と、該ハウジング7の内部に回転自在に支持されて、機関前後方向に並行に配置された駆動側バランサシャフトであるドライブシャフト8及び従動側バランサシャフトであるドリブンシャフト9と、該両シャフト8,9の後端部にそれぞれ圧入などにより固定され、各歯部が互いに噛合したヘリカル型の駆動側ギア10及び従動側ギア11と、を備えている。
前記ハウジング7は、アルミ合金材によってボックス状に形成されたハウジング本体12と、前記クランクケース3の下部に一体に形成され、前記ハウジング本体12の上端開口を閉塞するカバー部13と、から構成されている。
前記ハウジング本体12は、図3及び図5に示すように、前記カバー部13と上下から互いに対向する合わせ箇所の外周部に左右の枠状デッキ部12a,12aが形成されると共に、該各枠状デッキ部12a,12aの間には、前後一対の平行な第1、第2横梁デッキ部12b,12cが連続形成されている。
この各枠状デッキ部12a,12a及び各横枠デッキ部12b,12cの所定位置には、前記ハウジング本体12を前記カバー部13に取付固定する締結ボルト14を挿通させるボルト挿通孔15が形成され、一方、カバー部13の前記ボルト挿通孔15に対応した位置には、前記締結ボルト14が螺着する雌ねじ孔13aが形成されている。
なお、前記ハウジング本体12は、その下端部に前記オイルパン4内に貯留されたオイルOを濾過するオイルストレーナ16を有している。
前記ドライブシャフト8は、図1,図2に示すように、前記クランクケース3の切り欠き部3bから突出した先端部8aにバランサスプロケット17が軸方向から螺着した取付ボルト17aによって固定されている。このバランサスプロケット17は、外周にギア歯部17bを有していると共に、該ギア歯部17bと前記クランクスプロケット5との間には、駆動チェーン18が巻装されている。
したがって、前記バランサスプロケット17の回転に伴って、前記ドライブシャフト8が回転すると、前記駆動側ギア10が回転すると同時に前記従動側ギア11を駆動側ギア10とは反対方向に回転させ、さらに従動側ギア11が前記ドリブンシャフト9を回転させるようになっている。なお、前記両シャフト8,9は、前記クランクシャフト2の1回転当たり2回転するように設定されている。
また、前記駆動チェーン18の外面には、前記クランクケース3の前端面に取付ボルト19aによって螺着固定された油圧テンショナ19が押圧するように配置されている。
また、前記ドライブシャフト8には、図3,図6に示すように、軸方向の中央前端側と中央側及び後端側の3箇所にそれぞれ円柱状の3つのジャーナル面8d,8b,8cが形成されている。
このうち、中央側と後端側のジャーナル面8b,8cは、前記ハウジング本体12の第1、第2横梁デッキ部12b,12cと、前記カバー部13の第1、第2横梁デッキ部12b,12cに対応する面との間の所定位置にそれぞれ設けられた各2つの半円弧状の軸受凹溝に上下のプレーンベアリング20a,20b、21a,21bを介して回転自在に支持されている。これらプレーンベアリング20a,20b、21a,21bには、図外の油溝を介して潤滑用のオイルOが供給されるようになっている。
また、前端側のジャーナル面8dは、前記クランクケース3の下部に設けられた軸受凹溝と、クランクケース3の下部に2本のボルト22によって結合されたキャップ23からなる軸受部を介して回転自在に支持されている。
一方、前記ドリブンシャフト9は、図3,図6に示すように、その軸長が前記ドライブシャフト8よりも短尺に形成されていると共に、先端部9aには図外のオイルポンプが設けられている。
また、前記ドリブンシャフト9には、軸方向の前端側と後端側の2箇所にそれぞれ円柱状の2つのジャーナル面9b,9cが形成されていると共に、該各ジャーナル面9b,9cは、前記ハウジング本体12の第1、第2横梁デッキ部12b,12cと、前記カバー部13の第1、第2横梁デッキ部12b,12cに対応する面との間の所定位置にそれぞれ設けられた各2つの半円弧状の軸受凹溝に上下のプレーンベアリング24a,24b、25a,25bを介して回転自在に支持されている。これらプレーンベアリング24a,24b、25a,25bには、図外の油溝を介して潤滑用のオイルOが供給されるようになっている。
さらに、前記ドライブシャフト8の中央側ジャーナル面8bと後端側ジャーナル面8cとの間には、バランサウエイトである駆動側カウンターウエイト26が一体に設けられている一方、前記ドリブンシャフト9の前端側ジャーナル面9bと後端側ジャーナル面9cとの間には、バランサウエイトである従動側カウンターウエイト27が一体に設けられている。
前記駆動側カウンターウエイト26と従動側カウンターウエイト27は、基本構成が同一であるから、以下では、駆動側カウンターウエイト26について主として説明する。
前記駆動側カウンターウエイト26は、図6〜図8に示すように、前記ドライブシャフト8の中央側ジャーナル面8bの後端縁から後端側ジャーナル面8cの前端縁までが半円柱状(横断面半円弧状)に形成されている。すなわち、前記駆動側カウンターウエイト26は、前記ドライブシャフト8の軸心を挟んだ両側に形成された2つの平面部26a,26aと、該両平面部26a,26aから前記ドライブシャフト8の円周の片側方向へ張り出した横断面半円弧状のウエイト部26bと、を備えている。
前記従動側カウンターウエイト27は、前記ドリブンシャフト9の軸心を挟んだ両側に形成された2つの平面部27a,27aと、該両平面部27a,27aから前記ドリブンシャフト9の円周の片側方向へ張り出した横断面半円弧状のウエイト部27bと、を備えている。
また、前記両カウンターウエイト26,27の周囲には、図5に示すように、前記ハウジング本体12に一体に形成された横断面円弧状の下部壁28と、該下部壁28の上方部に位置し、前記カバー部13に一体に形成された上部壁29と、前記第1、第2横梁デッキ部12b,12cによって隔成されたウエイト室30が形成され、該ウエイト室30には、両カウンターウエイト26,27がそれぞれ回転自在に収容されるようになっている。
また、前記ウエイト室30には、図5に示すように、機関停止時にオイルパン4内に戻されて貯留されたオイルOの最大油面レベルLが、ウエイト室30の上下方向のほぼ中央位置になるように充填される。
さらに、前記ウエイト室30の上端部は、前記上部壁29に設けられた開口部である2つのオイル排出孔31,31によってウエイト室30の外部と連通するようになっている。
すなわち、前記各オイル排出孔31,31は、図5及び図7、図9に示すように、前記上部壁29の前記ドライブシャフト8径方向の両側端縁、つまり、前記駆動側カウンターウエイト26の所定の回転位置における平面部26aと対向する位置及び、前記従動側カウンターウエイト27の所定の回転位置における平面部27aと対向する位置にそれぞれ貫通形成されていると共に、ドライブシャフト8軸方向の巾が所定の幅長さW1に設定されている。
そして、前記駆動側カウンターウエイト26の各平面部26a,26aには、図6に示すように、前記ドライブシャフト8軸方向のほぼ中央位置に、捕集溝32,32がそれぞれ形成され、同様に、前記従動側カウンターウエイト27の各平面部27a,27aにも、前記ドリブンシャフト9軸方向のほぼ中央位置に、捕集溝32,32がそれぞれ形成されている。
ここでの説明においては、前記捕集溝32,32,32,32が全て同様の構成であることから、便宜上、前記駆動側カウンターウエイト26側の捕集溝32,32のみについて行い、前記従動側カウンターウエイト27の捕集溝32,32の説明は省略する。
前記各捕集溝32は、捕集テーパ面33と、該捕集テーパ面33の両側縁から立ち上がって前記平面部26aと連結する両側壁面34,34と、から構成されている。
前記捕集テーパ面33は、図6〜図8に示すように、前記平面部26aの前記ドライブシャフト8側の基端縁33aから前記駆動側カウンターウエイト26の径方向の先端縁33bに向かって所定角度をもって下り傾斜状に形成されている。
このとき、図8(B)に示すように、前記捕集テーパ面33は、その前記駆動側カウンターウエイト26径方向の延長線が、図中の一点鎖線Xのように、前記ドライブシャフト8の軸心Pと一致するか、あるいは、図中の一点鎖線Yのように、ドライブシャフト8の軸心Pより駆動側カウンターウエイト26と反対側の位置(例えば、点P1)を通ることが好ましい。これによって、各捕集テーパ面33,33の深さを所定以下に設定している。この実施形態では、前記捕集テーパ面33の駆動側カウンターウエイト26径方向の延長線は、前記ドライブシャフト8の軸心Pと一致している。
また、図7に示すように、前記捕集テーパ面33の前記ドライブシャフト8軸方向の両端縁は、前記基端縁33aから前記先端縁33bへ向かうにしたがって漸次拡径するほぼハ字形状に形成されている。すなわち、捕集テーパ面33は、ドライブシャフト8軸方向の基端縁33a側の幅長さW2と先端縁33b側の幅長さW3を比較すると、先端縁33b側の幅長さW3の方が長くなるように設定されている(W2<W3)。
さらに、図9に示すように、前記捕集テーパ面33の前記ドライブシャフト8軸方向の前記先端縁33b側の幅長さW3は、前記各オイル排出孔31,31のドライブシャフト8軸方向の幅長さW1よりも小さくなるように形成されている(W3<W1)。
前記両側壁面34,34は、前述したように、それぞれ前記捕集テーパ面33のドライブシャフト8軸方向の両端縁からほぼ垂直に立ち上がっており、したがって、各両側壁面34,34間の前記ドライブシャフト8軸方向の距離(幅長さ)も捕集テーパ面33と同様に、捕集テーパ面33の前記基端縁33a位置から前記先端縁33b位置へ向かうにしたがって漸次広くなるほぼハ字形状に形成されている。また、その両側壁面34,34の高さも、捕集テーパ面33のテーパ角度にしたがって捕集テーパ面33の基端縁33a位置から先端縁33b位置へ向かって漸次高くなるように形成されている。
〔本実施形態の作用〕
このバランサ装置6によれば、機関が始動されてクランクシャフト2が回転駆動すると、前記クランクスプロケット5と駆動チェーン18及びバランサスプロケット17を介してドライブシャフト8が前記クランクシャフト2の2倍の速度で回転する。これによって、ドリブンシャフト9が、駆動側ギア10と従動側ギア11の噛み合い回転伝達を経てドライブシャフト8と反対方向へ同速度で回転する。
これによって、駆動側、従動側のそれぞれのカウンターウエイト26,27も互いに反対方向へ回転しながら各シャフト8,9自体の左右の遠心力をキャンセルし、上下方向にのみ起振力を発生させる。このように、各シャフト8,9の回転に伴い、各カウンターウエイト26,27が回転して起振力を内燃機関に伝達することによって二次振動を抑制する。
このとき、前記ウエイト室30内に充填されているオイルOは、前記両カウンターウエイト26,27の回転に伴って、前記各捕集溝32,32によって捕集されながら掻き上げられて、図5に示すように、前記各オイル排出孔31,31方向へそれぞれ押し出されて排出される。
具体的に説明すると、前記ウエイト室30内に充填されているオイルOは、図8(A),(B)に示すように、前記駆動側カウンターウエイト26の回転に伴って、該駆動側カウンターウエイト26上の前記捕集テーパ面33の先端縁33b側から取り込まれ、ここから基端縁33a方向へ流動して行くことで、捕集テーパ面33の表面全体に多く集められる。
そして、この捕集テーパ面33上に集められたオイルOは、掻き上げ動作中においても、捕集テーパ面33から立ち上がった前記両側壁面34,34によって堰き止められるため、捕集テーパ面33の前記ドライブシャフト8軸方向の両側端縁からこぼれ落ちることなく保持される。その後、図5に示すように、前記捕集溝32に捕集されたオイルOは、そのまま前記オイル排出孔31方向へ押し出されて排出される。
また、本実施形態にあっては、前述したように、前記捕集テーパ面33の駆動側カウンターウエイト26径方向の延長線(X)を、前記ドライブシャフト8の軸心Pと一致するように形成したことから(図8(B)参照)、捕集テーパ面33全体に捕集されたオイルOは、基端縁33a側から先端縁33b側に移動しやすくなって、該先端縁33b側から前記オイル排出孔31方向へ押し出されるため、オイルOを効率良く排出することができる。
この効果は、図8(B)中のY線のように、前記捕集テーパ面33の駆動側カウンターウエイト26径方向の延長線を、軸心Pより駆動側カウンターウエイト26と反対側の位置を通るように形成した場合においても同様に得られる。
一方で、前記延長線を、図8(B)中のZ線のように、軸心Pより駆動側カウンターウエイト26側の位置を通るように形成した場合には、捕集テーパ面33全体に捕集されたオイルOは、一部が先端縁33b側から基端縁33a側に移動してしまう。このため、先端縁33b側からオイル排出孔31方向へ押し出されるオイル量が少なくなって、オイルOの排出効率が低下してしまう可能性がある。
さらに、前記捕集テーパ面33を基端縁33aから先端縁33bへ向かうにしたがって漸次広くなるほぼハ字形状に形成したことから、先端縁33b側の取り口面積が大きくなり、より多くのオイルOがこの先端縁33bから取り込まれて、捕集テーパ面33上に捕集されるようになっている。
また、前記両側壁面34,34を、前記捕集テーパ面33の基端縁33a位置から先端縁33b位置へ向かうにしたがって漸次広くなるほぼハ字形状に形成したことから、先端縁33b側から捕集テーパ面33上に取り込まれたオイルOは、両側壁面34,34によって基端縁33aの前記ドライブシャフト8軸方向の中央位置方向へ寄せ集められることで、より確実に捕集テーパ面33上に保持される。そして、前記駆動側カウンターウエイト26の回転に伴い、捕集溝32から排出される際には、両側壁面34,34に沿ってスムーズに前記オイル排出孔31方向へ押し出される。
したがって、ウエイト室30内に充填されているオイルOは、捕集溝32による捕集作用及び、オイル排出孔31方向への押し出し作用によって、速やかにオイルパン4内へ排出される。
また、前記オイル排出孔31を、前記駆動側カウンターウエイト26の所定の回転位置における平面部26aと対向する位置に形成したことから、駆動側カウンターウエイト26の回転力によって捕集溝32から押し出されたオイルOは、そのままオイル排出孔31方向へ向かって飛び出す。これによって、オイル排出孔31へスムーズにオイルOを取り込んで、ここからオイルパン4内へ排出することができる。
さらに、図9に示すように、前記オイル排出孔31の前記ドライブシャフト8軸方向の幅長さW1を、捕集テーパ面33のドライブシャフト8軸方向の幅長さW3よりも大きく形成したことから、駆動側カウンターウエイト26の回転力によって捕集溝32から押し出されたオイルOを、オイル排出孔31内に効率良く取り込んで、オイルパン4内へ排出することができる。
このように、本実施形態では、前記ウエイト室30内のオイルOを速やかに減少させることができるので、オイルOと前記駆動側カウンターウエイト26との間に生じるフリクションを低減させることができる。特に、エンジン始動直後で前記ウエイト室30内に多くのオイルOが充填されている状況下においては、速やかに前記ウエイト室30内のオイルOを減少させ、オイルOと前記駆動側カウンターウエイト26との間に生じるフリクションを低減させる必要があり、本実施形態は有効となる。
なお、上述の説明においては、便宜上、前記ドライブシャフト8の回転に伴う作用効果のみを記したが、従動側においても駆動側と同様の作用効果を得ることができる。
〔第2の実施形態〕
図10は第2の実施形態を示し、基本構成は第1の実施形態と同様であるが、異なるところは、前記ドライブシャフト8及びドリブンシャフト9が、図中矢印で示すように、それぞれ第1の実施形態とは逆方向に回転するようになっている。
つまり、この構造では、前記捕集溝32,32に捕集されたオイルOが回転力によって共に重力方向上側へ押し出される。
本実施形態では、図10,図11に示すように、前記上部壁29の両側縁に、干渉壁35,35をそれぞれ設けた。この各干渉壁35,35は、前記上部壁29の両側縁からほぼ直線状に延設されると共に、前記各オイル排出孔31,31の上部を覆うようにそれぞれ配置されている。また、各干渉壁35,35の図中前後方向の長さは、各オイル排出孔31,31の幅長さW1よりも若干長くなっている。
さらに、前記各干渉壁35,35の下面には、それぞれ前記各オイル排出孔31,31に向かって下り傾斜する断面ほぼ円弧状の案内面36,36が形成されている。この各案内面36,36は、前記各干渉壁35,35の図中前後方向全体に亘って形成されている。
したがって、この実施形態によれば、前記両カウンターウエイト26,27の回転に伴って前記各捕集溝32,32から重力方向上側へ押し出されたオイルOは、前記各干渉壁35,35の案内面36,36に干渉し、ここで折り返し状に方向を変えられながら、前記各オイル排出孔31,31方向へ案内される。これにより、各オイル排出孔31,31から効率的にオイルパン4内へ排出されるようになっている。
また、前記各干渉壁35,35及び案内面36,36の図中前後方向の長さを、前記各オイル排出孔31,31の幅長さW1よりも長くなるように形成したことから、前記両カウンターウエイト26,27の回転に伴って前記各捕集溝32,32から重力方向上側へ押し出されたオイルOは、より確実に干渉壁35,35の案内面36,36に干渉し、各オイル排出孔31,31方向へ案内され、ここからオイルパン4内へ排出されるようになっている。
このように、前記干渉壁35,35及び案内面36,36の案内作用によって、ウエイト室30内のオイルOを効果的に排出できるため、両シャフト8,9がそれぞれ第1の実施形態とは逆方向に回転する場合においても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成を変更することも可能である。
例えば、本バランサ装置6は、内燃機関の排気量の大きさや仕様などによって各シャフト8,9の外径や長さ、各カウンターウエイト26,27の大きさなどが種々変更されたものにも適用できる。
また、各実施形態では、クランクケース3の下部に一体的に設けられたいわゆるクランクケース一体型バランサ装置を用いたが、ハウジングがクランクケースとは別体に形成されたバランサ装置にも適用することができる。
さらに、前記各実施形態においては、各カウンターウエイト26,27として半円柱状のものを用いて説明したが、例えば、断面ほぼ扇状に形成されたものを用いることもできる。
3…クランクケース
4…オイルパン
6…バランサ装置
7…ハウジング
8…ドライブシャフト(駆動側バランサシャフト)
9…ドリブンシャフト(従動側バランサシャフト)
10…駆動側ギア
11…従動側ギア
12…ハウジング本体
13…カバー部
26…駆動側カウンターウエイト(バランサウエイト)
26a…平面部
27…従動側カウンターウエイト(バランサウエイト)
27a…平面部
28…下部壁
29…上部壁
30…ウエイト室
31…オイル排出孔(開口部)
32…捕集溝
33…捕集テーパ面
33a…基端縁
33b…先端縁
34…側壁面
35…干渉壁
36…案内面

Claims (8)

  1. 内燃機関に取り付けられたハウジングと、
    前記ハウジングの内部に回転自在に収容されたバランサシャフトと、
    前記バランサシャフトの外周面から径方向へ突設されると共に、前記バランサシャフトの回転方向側に平面部を有するバランサウエイトと、
    前記ハウジングの前記バランサウエイトの所定の回転位置における前記平面部と対向する位置に設けられ、前記ハウジングの内外を連通する開口部と、
    を備え、
    前記平面部に、前記バランサウエイトの前記バランサシャフトの基端縁から径方向の先端縁に向かって下り傾斜する捕集テーパ面と、該捕集テーパ面の両側端縁から立ち上がった両側壁面と、からなる捕集溝を設けたことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関のバランサ装置において、
    前記捕集テーパ面における前記バランサウエイトの径方向の延長線が、前記バランサシャフトの軸心を通るか、あるいは、前記バランサシャフトの軸心よりも前記バランサウエイトと反対側の位置を通るように形成したことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関のバランサ装置において、
    前記捕集溝の前記バランサウエイトの軸方向における幅長さを、前記基端縁から前記先端縁へ向かうにしたがって漸次大きくなるように形成したことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関のバランサ装置において、
    前記開口部の前記バランサシャフトの軸方向における幅長さを、前記捕集溝の軸方向の幅長さ以上の大きさに形成したことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関のバランサ装置において、
    前記バランサシャフトを、前記ハウジング内に並行に配置された駆動側バランサシャフトと従動側バランサシャフトとによって構成すると共に、該各バランサシャフトに前記バランサウエイトをそれぞれ設け、前記開口部を前記ハウジングの前記2つのバランサウエイトの所定の回転位置における前記平面部と対向する位置に2つ設けたことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  6. 請求項5に記載の内燃機関のバランサ装置において、
    前記ハウジングに、前記開口部の重力方向の上端縁から延設され、前記開口部の重力方向上側を覆うように配置された干渉壁を設けると共に、該干渉壁の重力方向下面を、前記開口部に向かって下り傾斜状に形成したことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  7. 請求項1に記載の内燃機関のバランサ装置において、
    前記ハウジングは、前記内燃機関の内部に循環させる油を貯留するオイルパン内に収容されていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  8. 請求項7に記載の内燃機関のバランサ装置において、
    前記開口部を、オイルパン内の油面よりも高い位置に設けたことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
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