以下、図面を参照して、本発明の2つの実施形態について詳細に説明する。各実施形態の説明の最後には、それぞれ2つの変形例を例示する。
≪第1実施形態≫
まず、図1〜図8を参照して第1実施形態及びその変形例を説明する。図1に示されるように、エンジン1は、直列4気筒エンジンであり、気筒列方向に延在するクランクシャフト2を水平方向横向きに延在させ、且つシリンダ軸線X(図2、5、6参照)を後方に傾斜させた姿勢で自動車に搭載される。上下の方向はエンジン1が自動車に搭載された状態で定まるが、シリンダ軸線Xの傾斜角度は45度以下に設定されており、シリンダ軸線Xが水平方向よりも鉛直方向に近いため、以下では、便宜上シリンダ軸線X方向を上下として説明することがある。また、図1中にもシリンダ軸線X方向を上下と記している。クランクシャフト2の延在方向(クランク軸方向)が左右となる。左右の方向は、前方から後方に向けて見たエンジン1の断面を示す図1の紙面を基準としており、自動車の進行方向を基準とした場合の逆になることに注意されたい。
エンジン1は、シリンダを形成すると共に下部にスカート部を有するアッパブロック3を備えている。アッパブロック3の下部には、アッパブロック3のスカート部と協働してクランク室4を画成するロアブロック5が結合され、ロアブロック5の下部には、クランク室4の下方にオイル溜まりを画成するオイルパン6結合されている。オイルパン6の内部には、ロアブロック5の下部に結合されたバランサ装置10が配置されている。以下、アッパブロック3とロアブロック5とを併せてシリンダブロック7と称する。
クランクシャフト2は、シリンダ内に摺動自在に設けられたピストンのピストンピンにコンロッド8を介して連結される4つのクランクピン2a(以下、左側から順に第1〜第4クランクピン2aと称する)を備えている。クランクシャフト2のクランクピン2aを挟む位置には、シリンダブロック7により軸支される5つのジャーナル2b(以下、左側から順に第1〜第5ジャーナル2bと称する)が設けられている。ジャーナル2bとクランクピン2aとの間には、両者を連結するクランクアーム2c、及びクランクピン2aと相反する側に配置されてクランクアーム2cに一体形成されたカウンタウェイト2dが設けられている。第1及び第4クランクピン2aは同位相の位置に配置され、第2及び第3クランクピン2aは、第1及び第4クランクピン2aと位相が180度異なる同位相の位置に配置されている。
クランクシャフト2の第1及び第5ジャーナル2bを軸支する支持壁はシリンダブロック7の左壁及び右壁により構成され、第2〜第4ジャーナル2bを軸支する支持壁はクランク室4内に設けられた隔壁により構成されている。
クランクシャフト2の左端は、第1ジャーナル2bから更に左方に延出し、シリンダブロック7の左壁から突出している。この突出した部分には、カムシャフトを駆動するための第1スプロケット2e及びバランサ装置10を駆動するための第2スプロケット2f(ドライブスプロケット)が第1ジャーナル2b側からこの順に固定されている。第2スプロケット2fの外側にはクランクシャフト2を貫通させるようにチェーンケース9が設けられている。チェーンケース9の外側に位置するクランクシャフト2の左端には、エンジン1の補機を駆動するためのクランクプーリ2gが固定されている。
バランサ装置10は、ピストンの往復運動に起因して発生するエンジン1の2次振動を低減すべく、4本のシリンダ軸線Xを通る平面上に中心を合わせて配置され、オイルパン6の内部で油没するようにシリンダブロック7に固定されている。本実施形態では、バランサ装置10は、第1ジャーナル2bを軸支する支持壁と第3ジャーナル2bを軸支する支持壁とに下方から取り付けられている。
図2は、エンジン1の下部を、シリンダブロック7やオイルパン6、後述するギヤホルダ50、プレートカバー60等を省略して下方から示した斜視図である。なお、図2では、後述するバランサホルダ13を想像線で示し、ギヤやスプロケット、チェーンを模式的に示している。図2に併せて示されるように、バランサ装置10は、それぞれクランクシャフト2よりも低い位置でクランクシャフト2と平行に配置された第1バランサシャフト11及び第2バランサシャフト12を備えている。第1バランサシャフト11及び第2バランサシャフト12は、4本のシリンダ軸線Xを通る平面上に同軸に、且つ第1バランサシャフト11の内部に第2バランサシャフト12が収容されるように配置されている。即ち、第1バランサシャフト11は外側に配置されるアウタバランサシャフトとして構成され、第2バランサシャフト12は内側に配置されるインナバランサシャフトとして構成されている。
図3は図1に示されるバランサ装置10の拡大断面図であり、図4は図3中のIV-IV断面図である。図2〜図4に示されるように、第1バランサシャフト11は、略筒状を呈しており、バランサホルダ13によって軸支される2つの第1バランサジャーナル21を備えている。2つの第1バランサジャーナル21の間には第1アンバランスウェイト22が設けられ、右側の第1バランサジャーナル21の右方には外歯歯車からなるドリブンギヤ23が設けられている。第1バランサジャーナル21は、軸方向に孔が貫通する筒状とされており、第1バランサジャーナル21の内周部には、円筒状のベアリングメタル24が回転不能に嵌合されている。
第1アンバランスウェイト22は、一定の壁厚を有して右方から左方に向けて拡径する円錐台形の半円筒状を呈している。第1アンバランスウェイト22は、円筒状の壁から径方向の一側(図3の下側)の大部分を切り欠いて形成されるような半円筒形状とされている。図示例では、第1アンバランスウェイト22の軸方向の両端において壁が円筒状に形成されている。言い換えれば、円筒状の壁が切り欠かれた部分が第1アンバランスウェイト22の軸方向の中間部分のみに設けられ、円筒状の壁の径方向の一側に大きな開口部22aが形成されている。このように、円筒状の壁の一側が切り欠かれたことにより、円筒状の壁における切り欠かれていない他側の部分がウェイト部22bとなり、第1アンバランスウェイト22の重心が回転軸に対して径方向の他側に偏心している。図3に示されるように、第1アンバランスウェイト22が円錐台形状とされたことにより、第1アンバランスウェイト22の内周面22cは、左側ほど径が大きくなる(回転軸から離れる)傾斜面になっている。
ドリブンギヤ23は、右側の第1バランサジャーナル21から右方へ突出し且つ第1バランサジャーナル21よりも小さな内径を有するように第1バランサジャーナル21に一体形成された環状凸部25の外周部に嵌合されている。環状凸部25の左端面は、第2バランサシャフト12の右方への移動及び第1バランサシャフト11の左方への移動を規制するスラスト軸受面になっている。ドリブンギヤ23とクランク軸方向に整合する、クランクシャフト2の第3ジャーナル2bと第3クランクピン2aとの間(図1参照)には、両者を連結するようにクランクアーム2cの代わりにドライブギヤ26が設けられている。このドライブギヤ26に、第1バランサシャフト11のドリブンギヤ23が噛み合っている。つまり、互いに噛み合うドライブギヤ26とドリブンギヤ23とにより、クランクシャフト2の駆動力を、回転方向を反転させて伝達する反転ギヤ機構27が構成される。ドライブギヤ26の歯数はドリブンギヤ23の歯数の2倍になっており、クランクシャフト2の回転に伴い、第1バランサシャフト11はクランクシャフト2と相反する方向にクランクシャフト2の2倍の回転速度で回転する。
第2バランサシャフト12は、棒状を呈しており、第1バランサシャフト11によって軸支される2つの第2バランサジャーナル31を備えている。2つの第2バランサジャーナル31の間には、第2アンバランスウェイト32が設けられている。左側の第2バランサジャーナル31から左方に突出する部分には、径外方向に突出するスラストプレート33が設けられ、左方に突出する部分の左端にはドリブンスプロケット35がボルト34によって締結されている。第2バランサジャーナル31は、後述する油路以外において中実とされており、第1バランサジャーナル21のベアリングメタル24によって軸支されている。第2バランサジャーナル31の外周部には、第1バランサジャーナル21との摺動部(ベアリングメタル24との軸受隙間)にオイルを供給すべく周方向に延びる油溝31aが全周に亘って形成されている。
第2アンバランスウェイト32は、概ね一定の断面を有する形状とされている。図5に併せて示されるように、第2アンバランスウェイト32は、回転軸上にロッド状に形成された中心部32aと、中心部32aから上半のみに拡径させるように中心部32aに一体に形成された扇形のウェイト部32bとを有している。これにより、第2アンバランスウェイト32の重心が回転軸に対して上側に偏心している。
ドリブンスプロケット35は、クランクシャフト2の第2スプロケット2f(図1)にクランク軸方向に整合する位置に配置されている。第2スプロケット2fとドリブンスプロケット35とには、無端環状のバランサチェーン36が巻き掛けられている。つまり、バランサチェーン36と、バランサチェーン36が巻き掛けられた第2スプロケット2f及びドリブンスプロケット35とにより、回転方向を変えずにクランクシャフト2の駆動力を伝達する巻き掛け式の動力伝達機構37が構成される。ドリブンスプロケット35の歯数は、第2スプロケット2fの歯数の2倍になっており、クランクシャフト2の回転に伴い、第2バランサシャフト12はクランクシャフト2と同じ方向にクランクシャフト2の回転速度で回転する。従って、第1バランサシャフト11と第2バランサシャフト12との相対回転速度は、クランクシャフト2の回転速度の4倍になる。
バランサホルダ13は、第1バランサシャフト11の軸線を通る面で分割された2つの部材によって構成されており、第1バランサジャーナル21を軸支する2つのジャーナル軸受41(軸受壁)を備えている。2つのジャーナル軸受41の間には、第1アンバランスウェイト22を収容する円筒状のカバー部42が2つのジャーナル軸受41を連結するように設けられている。2つのジャーナル軸受41の摺動部には、第1バランサジャーナル21を軸支するための2つ割りのベアリングメタル43が設けられている。ベアリングメタル43の内面には、第1バランサジャーナル21の外面との軸受隙間にオイルを供給すべく周方向に延在する油溝43aが全周に亘って形成されている。2つのジャーナル軸受41は、上記2つの部材を共締めするボルト44によって、クランクシャフト2の第1ジャーナル2bを軸支する支持壁と第3ジャーナル2bを軸支する支持壁とに締結される。つまり、バランサ装置10は、第1アンバランスウェイト22がエンジン1の気筒列方向の中央(第3ジャーナル2b)からクランク軸方向の左方に偏倚するようにシリンダブロック7に取り付けられる。これにより、バランサ装置10のクランク軸方向の寸法縮小が図られている。
図5に示されるように、カバー部42の上部であって、第1アンバランスウェイト22の上端よりも高い位置には、回転方向の下流側に向けて開放されたオイル排出口45が形成されている。オイル排出口45は、第1バランサシャフト11の軸線から上方に鉛直に延ばした線がカバー部42と交わる位置から第1バランサシャフト11の回転方向(図5における反時計回り)に若干オフセットした位置に設けられている。また、オイル交換時にカバー部42内のオイルを抜き取ることができるように、カバー部42の下部には径方向に貫通するオイル抜き孔46が形成されている。カバー部42の前面には、前面から前方へ離間した位置に左右方向に延在する、後述する第1油路70の一部を形成するための油路形成壁47が前方に向けて突出形成されている。
バランサホルダ13の右側のジャーナル軸受41には、このジャーナル軸受41と協働して第1バランサシャフト11のドリブンギヤ23を収容するギヤホルダ50が締結されている。ギヤホルダ50は、詳細を後述する第2油路80の一部を形成する油路形成部材であり、第1バランサシャフト11の右端面に摺接する環状突起51を有している。環状突起51は、ギヤホルダ50に形成されてギヤホルダ50の内面に開口するホルダ内油路52と、第1バランサシャフト11に形成されて第1バランサシャフト11の右端面に開口する後述する軸方向油路81とを繋ぐ油路形成部である。また、環状突起51は、第1バランサシャフト11の右方への移動を規制するスラスト軸受でもある。第1バランサシャフト11の左方への移動は、右側のジャーナル軸受41の右面に形成された凸部41aにドリブンギヤ23が摺接することによって規制される。
左側のジャーナル軸受41には、バランサホルダ13との間にスラストプレート33を収容し、第2バランサシャフト12の左方への移動を規制するスラスト軸受をなすプレートカバー60が締結されている。第2バランサシャフト12の右方への移動は、右側の第2バランサジャーナル31の右面が第1バランサシャフト11の環状突起51に当接することに加え、スラストプレート33の右面が左側の第1バランサジャーナル21の左面に当接することによっても規制され得る。また、第1バランサシャフト11の左方への移動は、ギヤホルダ50の環状突起51が右側の第2バランサジャーナル31に当接することや、第1バランサジャーナル21の左面がスラスト軸受の右面に当接することによっても規制され得る。
図3及び図6に示されるように、第1アンバランスウェイト22の開口部22aと相反するウェイト部22bの側には、第1アンバランスウェイト22を径方向に貫通する貫通孔22dが形成されている。貫通孔22dは、第1アンバランスウェイト22の左端近傍、即ち、内周面22cの径が最も大きい領域に形成されている。この貫通孔22dは、第1アンバランスウェイト22内に溜まったオイルを外部に排出するためのものであり、遠心力を受けたオイルが流通可能な大きさにその断面積が設定されている。
図5及び図6に示されるように、エンジン1の運転時(即ち、オイルパン6に溜まったオイルが各摺動部に供給されてオイルパン6に戻るオイルの循環が継続している状態)におけるオイルパン6内の油面6oの高さは、カバー部42の底面よりも高く、且つ第1アンバランスウェイト22の上端よりも低く設定されている。
このように、クランクシャフト2と平行に配置された筒状の第1バランサシャフト11は、筒状の第1バランサジャーナル21及び半円筒状の第1アンバランスウェイト22を有している。また、第1バランサシャフト11と同軸に配置された第2バランサシャフト12は、第1バランサジャーナル21によって軸支される第2バランサジャーナル31、及び第1アンバランスウェイト22の内部に配置される第2アンバランスウェイト32を有している。これらにより、バランサ装置10の大型化及び高重量化が抑制されている。
また、クランクシャフト2と第1バランサシャフト11とを連結し、第1バランサシャフト11をクランクシャフト2の回転方向と相反する方向に回転させる反転ギヤ機構27と、クランクシャフト2と第2バランサシャフト12とを連結し、第2バランサシャフト12をクランクシャフト2の回転方向と同じ方向に回転させる巻き掛け式の動力伝達機構37とにより、第1バランサシャフト11及び第2バランサシャフト12が互いに相反する向きにクランクシャフト2の2倍の速度で回転駆動される。これにより、第1バランサシャフト11及び第2バランサシャフト12を概ね1本分のスペースに配置することが可能になる。その上、反転ギヤ機構27及び巻き掛け式の動力伝達機構37という比較的簡単な構成により、互いに同軸に配置された2本の第1バランサシャフト11及び第2バランサシャフト12を互いに相反する向きに同回転速度で回転させる二次振動用のバランサ装置10が実現される。
次に、バランサ装置10の油路構造について説明する。図1に示されるように、クランクシャフト2の第3ジャーナル2bを軸支する支持壁には、メインギャラリから下方へ延びるブロック内油路7aが形成されている。図3及び図4に示されるように、バランサホルダ13の右側のジャーナル軸受41にはブロック内油路7aに繋がる位置に、上下方向に延びて第1油路70の上流部を構成する縦油路71が形成されている。縦油路71は、ジャーナル軸受41の油路形成壁47(図4)が接続する位置で、油路形成壁47内を通って左方へ延びる左側横油路72と、右側のジャーナル軸受41を後方に延びる右側横油路73とに分岐する。左右のジャーナル軸受41に形成された左側横油路72及び右側横油路73は、ベアリングメタル43の取付面に開口し、ベアリングメタル43のこれに整合する位置に貫通形成された油路孔74とベアリングメタル43の内面(軸受面)に周方向に形成された油溝43aとを通って摺動部(軸受隙間)にオイルを供給する。
右側のジャーナル軸受41の第1油路70が分岐する位置には、第1油路70から分岐して右方へ延びる第2油路80が形成されている。第2油路80は、ジャーナル軸受41からギヤホルダ50に形成されたホルダ内油路52を通過し、後方へ向けて延びた後、環状突起51の内側でギヤホルダ50の内面に開口している。第2油路80は、第1バランサシャフト11のドリブンギヤ23の軸線上に形成された孔(環状凸部25の内部)を通過して第2バランサシャフト12の右端面に至り、第2バランサシャフト12に右端面から軸線上にドリルで穿孔された軸方向油路81に至っている。軸方向油路81は、左側の第2バランサジャーナル31の中心に至る深さに形成されており、左右の第2バランサジャーナル31内を中心から径方向に延びて第2バランサジャーナル31の外面に開口する2本の径方向油路82(図3)に至っている。第2油路80は、第2バランサジャーナル31の外面に形成された油溝31aを通って第2バランサシャフト12と第1バランサシャフト11との摺動部(第2バランサジャーナル31の外面と第1バランサジャーナル21の内面との軸受隙間)にオイルを供給する。
以上のように構成されたバランサ装置10では、エンジン1が始動してクランクシャフト2が回転すると、第1バランサシャフト11がクランクシャフト2と相反する方向に2倍の回転速度で回転し、第2バランサシャフト12がクランクシャフト2と同じ方向に2倍の回転速度で回転することにより、第1アンバランスウェイト22及び第2アンバランスウェイト32がシリンダ軸線Xに沿った上下方向の慣性力を発生し、エンジン1の二次振動の少なくとも一部を打ち消す。また、クランクシャフト2が回転すると、オイルポンプが駆動され、オイルポンプからエンジン1の各摺動部にオイルが供給される。
第1バランサシャフト11とこれを軸支する左右のジャーナル軸受41との摺動部(第1バランサジャーナル21の外面とベアリングメタル43の軸受面との軸受隙間)には、第1油路70からオイルが供給される。第2バランサシャフト12とこれを軸支する第1バランサシャフト11との摺動部(第2バランサジャーナル31の外面と第1バランサジャーナル21の内面との軸受隙間)には、第2油路80からオイルが供給される。
第1油路70から左側のジャーナル軸受41の摺動部に供給されたオイルは、左方及び右方、即ちバランサホルダ13の外部及び内部に漏れ出る。左側のジャーナル軸受41から左方に漏れ出たオイルは、スラストプレート33とプレートカバー60との摺動部の潤滑に供された後、外部に排出される。第1油路70から右側のジャーナル軸受41の摺動部に供給されたオイルは、左方及び右方(第1バランサシャフト11の内方及び外方)に漏れ出る。右側のジャーナル軸受41から右方へ漏れたオイルは、ドリブンギヤ23とドライブギヤ26との摺動部及びドリブンギヤ23とジャーナル軸受41の凸部41aとの摺動部の潤滑に供される。
第2油路80から左側の第2バランサジャーナル31の摺動部に供給されたオイルは、左方及び右方、即ち第1バランサシャフト11の外方及び内方に漏れ出る。左側の第2バランサジャーナル31から左方に漏れ出たオイルは、スラストプレート33と第1バランサジャーナル21との摺動部の潤滑に供される。第2油路80から右側の第2バランサジャーナル31の摺動部に供給されたオイルは、左方及び右方(第1バランサシャフト11の内方及び外方)に漏れ出る。右側の第2バランサジャーナル31から右方へ漏れたオイルは、第2油路80との間に形成されたスラスト軸受をなす環状突起51の摺動部に供給される。第2油路80にも油圧は作用しているが、第2バランサジャーナル31の軸受隙間から押し出されるオイルには第2アンバランスウェイト32の回転に伴うスクイズ作用による油膜圧力が加わりその圧力が高くなる。そのため、右側の第2バランサジャーナル31から右方へ漏れたオイルは、環状突起51と第2バランサジャーナル31との摺動部を潤滑した後、環状突起51の内側に形成された第2油路80に流れ込む。
第2油路80から左右の第2バランサジャーナル31に供給されて第1バランサシャフト11の内方に漏れたオイルは、回転する第1バランサシャフト11又は第2バランサシャフト12と接触することにより遠心力を受けて径外方向へ移動する。第1アンバランスウェイト22は半円筒状を呈しているため、遠心力を受けたオイルは時間の経過に伴って開口部22aから外方へ排出され得るが、ある期間に亘ってオイルが内周面22cに張り付く、或いはある量のオイルが内周面22cに張り付く。
これに対し本実施形態では、第1アンバランスウェイト22を径方向に貫通する貫通孔22dが第1バランサシャフト11に形成されている。そのため、第1バランサシャフト11の内方に漏れたオイルが開口部22aからだけでなく貫通孔22dからも外部に排出され、第1バランサシャフト11の内部にオイルが溜まり難くなる。
また、第1アンバランスウェイト22が第1バランサシャフト11の軸方向に沿って径が変化する内周面22cを有している。そのため、第1バランサシャフト11の内部に排出されたオイルは、第1アンバランスウェイト22から遠心力を受けてその内周面22cの径が大きい方(左方)へ流れる。そして、第1アンバランスウェイト22の内周面22cの径が最も大きい領域(具体的には、左端の近傍)に貫通孔22dが配置されているため、貫通孔22dの周辺に集まったオイルが貫通孔22dから即座に排出され易くなっている。
第1バランサシャフト11の外部に排出されたオイルは、カバー部42の内部に溜まることになる。上記の通りエンジン1の運転時におけるオイルパン6内の油面6oの高さは第1アンバランスウェイト22の上端よりも低く、第1アンバランスウェイト22の上端よりも高い位置に設けられたオイル排出口45は油面6oよりも高い位置にある。そのため、カバー部42の内部に溜まったオイルは、第1バランサシャフト11によって掻き上げられてオイル排出口45からカバー部42の外部に排出される。なお、オイル抜き孔46はエンジン1の運転時にも油没しており、カバー部42の内部へは、第1バランサジャーナル21及び第2バランサジャーナル31からオイルが排出されるだけでなく、オイル抜き孔46からもオイルが浸入する。但し、オイル抜き孔46から浸入し得るオイルの量がオイル排出口45から排出されるオイルの量よりも多い場合であっても、カバー部42内の液位がオイルパン6内の油面6oを超えることはない。そのため、カバー部42内には下部に液層が、上部に気層が存在している。
このように、第1バランサジャーナル21を軸支するジャーナル軸受41には、軸受面に開口する第1油路70が形成され、第2バランサシャフト12には、動力伝達機構37と相反する側の端面から軸線に沿って形成された軸方向油路81と、軸方向油路81から径方向に延びて第2バランサジャーナル31の外面に開口する径方向油路82とを含む第2油路80が形成されている。そのため、遠心力を発生させる第1バランサシャフト11を通過することなく、第2バランサジャーナル31の外面に第2油路80からオイルが供給され、第1バランサジャーナル21と第2バランサジャーナル31との摺動部に対する供給油圧の低下が抑制される。
また、反転ギヤ機構27が第1バランサシャフト11の動力伝達機構37と相反する側の端部に形成され、第1バランサシャフト11の反転ギヤ機構27側の端面に摺接するように油路形成部材であるギヤホルダ50が設けられ、第2油路80が、ギヤホルダ50から第1バランサシャフト11の反転ギヤ機構27側の端部に設けられた環状凸部25の軸線上を通過して第2バランサシャフト12の軸方向油路81に至っている。そのため、第1バランサシャフト11の遠心力を受けることのない第2油路80が、比較的簡単な構成で形成される。
<変形例1−1>
図7は、一変形例に係る第1バランサシャフト11を備えたバランサ装置10の図3に相当する断面図である。この例では、第1バランサシャフト11が、右方から左方に向けて拡径する円錐台形の円筒状を呈する第1アンバランスウェイト22を有している。即ち、第1アンバランスウェイト22には、重心を偏心させるための大きな開口部22aが形成されておらず、上記実施形態の開口部22aと相反する側に径外方向に突出するように肉厚とされたウェイト部22bが軸方向の大半に亘る領域に且つ軸方向の中央に設けられている。このように円筒状の壁における回転軸に対して一方側に肉厚のウェイト部22bが形成されたことにより、第1アンバランスウェイト22の重心は回転軸に対してウェイト部22b側に偏心している。なお、ウェイト部22bは、円筒状の壁に一体に形成されてもよく、円筒状の壁とは別体として形成されて円筒状の壁に取り付けられてもよい。
第1アンバランスウェイト22の内周面22cは円錐台形状とされており、第1アンバランスウェイト22のウェイト部22bの外周面22eは、一定径を有する円筒形状とされている。従って、第1アンバランスウェイト22のウェイト部22bの厚さは右方ほど厚くなっており、第1アンバランスウェイト22の重心は、2つの第1バランサジャーナル21の中央よりも右方に偏倚している。また、第2アンバランスウェイト32も、重心が第1アンバランスウェイト22の重心に近づく向き、即ち2つの第2バランサジャーナル31の中央に対して右方に偏倚するように、ロッド状の中心部32aから拡径するウェイト部32bの外周面32dの径が右方ほど大きくなっている。
第1アンバランスウェイト22のウェイト部22bの側には、内周面22cの径が最も大きい領域(具体的には、左端の近傍)であってウェイト部22bの左方に貫通孔22dが形成されている。また、第1アンバランスウェイト22のウェイト部22bと相反する側には、内周面22cの径が最も大きい領域(具体的には、左端近傍の貫通孔22dに整合する位置)に追加の貫通孔22fが形成されている。
このように直列4気筒のエンジン1に対し、第1アンバランスウェイト22がエンジン1の気筒列方向の中央からクランク軸方向の左方に偏倚するようにバランサ装置10が取り付けられ、バランサ装置10の小型化が図られている。そして、第1アンバランスウェイト22が第1バランサシャフト11の軸方向の大半の領域において径が一定とされた外周面22eを有することで、第1アンバランスウェイト22の大径化が抑制される。一方で、第1アンバランスウェイト22の内周面22cの径がクランク軸方向の左方に向けて大きくなるように変化することで、第1アンバランスウェイト22及び第2アンバランスウェイト32の重心がクランク軸方向の中央に対して右方に偏倚し、エンジン1の二次振動を打ち消す際の偶力の発生が抑制される。言い換えれば、エンジン1に偶力を発生させることなく打ち消すことができる二次振動の慣性力が大きくなる。
第1バランサシャフト11の内部に排出されたオイルが第1アンバランスウェイト22の内周面22cに沿って左方へ移動して貫通孔22dから外部に排出される点は上記実施形態と同様である。一方、本変形例では、第1アンバランスウェイト22に大きな開口部22aが形成されていないため、第1アンバランスウェイト22の内部に排出されたオイルは比較的小さな断面の貫通孔22d及び追加の貫通孔22fのみから外部に排出されることになる。エンジン1の運転時におけるオイルパン6内の油面6oが第1アンバランスウェイト22の上端よりも高いと、第1アンバランスウェイト22内に気体が入り込めないことから、第1アンバランスウェイト22の内部がオイルで満たされた状態が継続する。即ち、第1アンバランスウェイト22の内部に排出されてくるオイルの量と同じ量のオイルだけが貫通孔22d及び追加の貫通孔22fから外部に排出される状態が継続する。
これに対し、本実施形態では、上記のようにエンジン1の運転時におけるオイルパン6内の油面6oの高さが第1アンバランスウェイト22の上端よりも低い。つまり、カバー部42内の上部に気層が存在することから、貫通孔22dが気層を通過する際に気体が貫通孔22d及び追加の貫通孔22fから第1アンバランスウェイト22の内部に流入し得る。そのため、第1アンバランスウェイト22内のオイルが遠心力によって外部に排出されると同時に気体が内部に流入し、オイルと気体とが入れ替えられる。これにより、第1アンバランスウェイト22内のオイルが即座に外部に排出される。また、追加の貫通孔22fが設けられていることにより、第1アンバランスウェイト22内のオイルが一層外部に排出され易くなる。
<変形例1−2>
図8は、他の変形例に係る第1バランサシャフト11を備えたバランサ装置10の図3に相当する断面図である。この例では、第1アンバランスウェイト22が、右方から左方に向けて径が大きくなるように変化する内周面22cと、第1バランサシャフト11の軸方向の大半に亘って径が一定とされた外周面22eとを有する筒状を呈している。更に、第1アンバランスウェイト22は、円筒状の壁から径方向の一側の大部分を切り欠いて開口部22aを形成したような半円筒形状とされている。即ち、第1アンバランスウェイト22は、開口部22aが形成されたことによって開口部22aと相反する側がウェイト部22bとなり、重心をウェイト部22b側に偏心させている。また、第1アンバランスウェイト22は、壁厚が右方ほど厚くなっていることで重心を軸方向の中央から右方に偏倚させている。また、第2アンバランスウェイト32も、重心が第1アンバランスウェイト22の重心に近づく向き、軸方向の中央に対して右方に偏倚するように、ロッド状の中心部32aから拡径するウェイト部32bの外周面32dの径が右方ほど大きくなっている。
第1バランサシャフト11及び第2バランサシャフト12がこのように構成されていることにより、バランサ装置10が発生させる慣性力の作用点をエンジン1のクランク軸方向の中央である右方へ偏倚させて偶力の発生を抑制できる。その上、第1バランサシャフト11をより小径化することができる。
≪第2実施形態≫
次に、図9〜図14を参照して第2実施形態及びその変形例を説明する。なお、第1実施形態と形態又は機能が同一又は同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図9は、エンジン1の下部の断面図であり、第1実施形態の図1に相当する。図10は、図9中のX−X断面図であり、第1実施形態の図4に相当する。図9及び図10に示されるように、本実施形態のバランサ装置10は、第1アンバランスウェイト22及び第2アンバランスウェイト32がエンジン1の気筒列方向の中央に配置されている。具体的には、左側の第1バランサジャーナル21及び第2バランサジャーナル31がクランクシャフト2の第2ジャーナル2bに整合する位置に配置され、右側の第1バランサジャーナル21及び第2バランサジャーナル31がクランクシャフト2の第4ジャーナル2bに整合する位置に配置されている。即ち、第1アンバランスウェイト22及び第2アンバランスウェイト32の軸方向の中央が、エンジン1の気筒列方向の中央である第3ジャーナル2bとクランク軸方向において整合する位置にある。
従って、第1アンバランスウェイト22及び第2アンバランスウェイト32は、第1実施形態に比べて軸方向に長くなる一方、第1実施形態に比べて径方向寸法に小さくなっている。また、第1バランサシャフト11に一体に設けられたドリブンギヤ23は、クランクシャフト2の第4ジャーナル2bの右方に配置され、ドライブギヤ26は、第4ジャーナル2bと第4クランクピン2aとの間に両者を連結するように設けられている。
第2バランサシャフト12は、左側の第2バランサジャーナル31から軸線に沿って左方へ延出する延長部38を有し、延長部38の先端にバランサホルダ13によって軸支される第3バランサジャーナル39が形成されている。スラストプレート33は、第3バランサジャーナル39から左方に突出する部分に設けられ、左方に突出する部分の左端にドリブンスプロケット35がボルト34によって締結されている。第3バランサジャーナル39は、バランサチェーン36から上向きの力を受けるドリブンスプロケット35が左側の第2バランサジャーナル31から離れていることから、延長部38の撓みを抑制するために設けられている。
バランサホルダ13は、上記2つのジャーナル軸受41に加え、第3バランサジャーナル39を軸支すべく追加された追加ジャーナル軸受48を更に有している。また、バランサホルダ13は、第1実施形態に比べて軸方向に長く形成されたカバー部42に加え、左側のジャーナル軸受41と追加ジャーナル軸受48とを連結するように追加的に設けられて延長部38を収容する円筒状の追加カバー部49を更に有している。
バランサ装置10がこのように構成されると、バランサ装置10の軸方向長さが第1実施形態に比べて長くなり、左右方向において装置が大型化する。一方で、バランサ装置10がこのように配置されることにより、第1アンバランスウェイト22及び第2アンバランスウェイト32の上下方向の慣性力をエンジン1の気筒列方向の中央で発生させることができるため、偶力を発生させることなくエンジン1の二次振動を打ち消すことが可能になる。
図11は、図9の拡大図であり、バランサ装置10の要部の断面図を示している。図11に示されるように、第1アンバランスウェイト22は、第1実施形態と同様、一定の壁厚を有して右方から左方に向けて拡径する円錐台形の半円筒状を呈している。第1アンバランスウェイト22は、円筒状の壁から径方向の一側の大部分を切り欠いて形成されるような半円筒形状とされたことにより、重心を回転軸に対して径方向の他側であるウェイト部22b側に偏心させている。図示例では、第1アンバランスウェイト22の軸方向の両端において壁が円筒状に形成されている。第1アンバランスウェイト22が円錐台形状とされたことにより、第1アンバランスウェイト22の内周面22cは、左側ほど径が大きくなる(回転軸から離れる)傾斜面になっている。一方、第2アンバランスウェイト32は概ね一定の断面を有する形状とされている。
図12は、図11中のXII−XII断面図であり、第1実施形態の図6に相当する。図11及び図12に示されるように、貫通孔22dは、第1アンバランスウェイト22の左端近傍、即ち、内周面22cの径が最も大きい領域に形成されている。本実施形態では、オイル排出口45がカバー部42のうち最も高い右上に配置されている。
第1アンバランスウェイト22がこのように構成されたことによっても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。即ち、第1バランサシャフト11の内方に漏れたオイルが開口部22aからだけでなく貫通孔22dからも外部に排出され、第1バランサシャフト11の内部にオイルが溜まり難くなる。その上、第1バランサシャフト11の内部に排出されたオイルは、第1アンバランスウェイト22から遠心力を受けてその内周面22cの径が大きい左方へ流れて貫通孔22dの周辺に集まるため、オイルが貫通孔22dから即座に排出され易い。
<変形例2−1>
図13は、一変形例に係る第1バランサシャフト11を備えたバランサ装置10の図11に相当する断面図である。この例では、第1バランサシャフト11は、径が一定である外周面22eを有する円筒状の第1アンバランスウェイト22を有している。即ち、第1アンバランスウェイト22には、上記第2実施形態の開口部22aと相反する側に径外方向に突出するように肉厚とされたウェイト部22bが軸方向の大半に亘る領域に且つ軸方向の中央に設けられている。このようなウェイト部22bが形成されたことにより、第1アンバランスウェイト22の重心は回転軸に対してウェイト部22b側に偏心している。
第1アンバランスウェイト22の内周面22cの径は、クランク軸方向の中央からクランク軸方向の両方に向けて大きくなるように変化している。即ち、円筒状の壁の肉厚が、クランク軸方向の中央で最も厚く、クランク軸方向の両方に向けて薄くなっている。そして、第1アンバランスウェイト22のウェイト部22b側には、軸方向の両端部領域(具体的には、両端の近傍)に2つの貫通孔22dが形成されている。また、第1アンバランスウェイト22のウェイト部22bと相反する側には、軸方向の両端部領域(具体的には、両端部の近傍の貫通孔22dに整合する位置)に2つの追加の貫通孔22fが形成されている。
第1アンバランスウェイト22がこのように構成され、その肉厚がクランク軸方向の両方で対称的にされることにより、第1アンバランスウェイト22の重心がエンジン1の気筒列方向の中央に配置される。その上、オイルが第1アンバランスウェイト22の軸方向の両端部に集まり、2つの貫通孔22d及び2つの追加の貫通孔22fから外部に効果的に排出される。なお、エンジン1の運転時におけるオイルパン6内の油面6oの高さが第1アンバランスウェイト22の上端よりも低く、カバー部42内の上部に気層が存在することから、第2バランサジャーナル31から第1アンバランスウェイト22内に排出されたオイルが即座に外部に排出される点は、図7を参照して説明した第1実施形態の一変形例と同様である。
<変形例2−2>
図14は、他の変形例に係る第1バランサシャフト11を備えたバランサ装置10の図11に相当する断面図である。この例では、第1アンバランスウェイト22の内周面22cの径が、クランク軸方向の中央からクランク軸方向の両方に向けて小さくなるように変化している。即ち、円筒状の壁の肉厚が、クランク軸方向の中央で最も薄く、クランク軸方向の両方に向けて厚くなっている。そして、第1アンバランスウェイト22の軸方向の中央部領域(具体的には、中央)には、ウェイト部22b側に1つの貫通孔22dが形成され、ウェイト部22bと相反する側に1つの追加の貫通孔22fが形成されている。
第1アンバランスウェイト22がこのように構成され、その肉厚がクランク軸方向の両方で対称的にすることにより、第1アンバランスウェイト22の重心がエンジン1の気筒列方向の中央に配置される。その上、オイルが第1アンバランスウェイト22の軸方向の中央部に集まり、貫通孔22d及び追加の貫通孔22fから外部に効果的に排出される。また、エンジン1の運転時におけるオイルパン6内の油面6oの高さが第1アンバランスウェイト22の上端よりも低いため、第1アンバランスウェイト22内に排出されたオイルが即座に外部に排出される。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、一例として直列4気筒のエンジン1の二次バランサに本発明を適用したが、他の形式の内燃機関の二次バランサや一次バランサ、或いは二次バランサの一部と一次バランサとを組み合わせたものに適用してもよい。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、角度など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示したバランサ装置10の各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。