JP6266261B2 - 自動車用バッテリ - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の前段に記載の自動車用バッテリに関する。

慣例的に知られている、例えばハイブリッド車両又は電気車両におけるエネルギー蓄積機構又はメインバッテリとして用いられている自動車用バッテリは、典型的には複数のバッテリモジュールを有し、各バッテリモジュールが複数のバッテリセルを有する。

公知の自動車用バッテリのバッテリモジュールは、バッテリセル、ひいてはそれぞれのバッテリモジュールの境界を画定するバッテリモジュール壁を介してバッテリハウジングの壁又は自動車の車体構造の壁に固定される。例えば追突の場合など、自動車用バッテリ、すなわちそのバッテリモジュールに大きい力が作用する場合は常に、バッテリモジュール又はバッテリモジュールのバッテリセルが破損し得る。

これを出発点として考えて、本発明は、新規の自動車用バッテリを提供するという目的に基づく。

この目的は、請求項１に係る自動車用バッテリにより達成される。本発明の明細書内では、いずれの場合も、それぞれのバッテリモジュールのバッテリモジュール壁であって、それぞれのバッテリモジュールをバッテリハウジングの壁又は車体構造の壁に固定するのに用いられるバッテリモジュール壁と、バッテリハウジングのそれぞれの壁又は車体構造のそれぞれの壁との間に変形要素が位置決めされ、前記変形要素は、それぞれのバッテリモジュールをバッテリハウジング又は車体構造に間接的に固定する働きをする。

本発明に係る自動車用バッテリの場合、例えば交通事故が起きた際にバッテリモジュール又はバッテリモジュールのバッテリセルが破損から保護されるように、各バッテリモジュールがバッテリハウジングの壁又は車体構造の壁に変形要素を介して間接的に固定される。変形要素は力及びモーメントを吸収し、ひいては許容されないほどの高荷重からバッテリモジュール又はバッテリセルを保護することができる。

本発明の有利な発展形態によれば、それぞれの変形要素は、断面が溝状となるか、又は断面がＵ字状となるように底壁と側縁部とを備えて形成され、ここでそれぞれの変形要素の底壁は、バッテリハウジングのそれぞれの壁又は車体構造のそれぞれの壁に係合し、及びそれぞれの変形要素の側縁部は、それぞれのバッテリモジュール壁に対し、それぞれの変形要素の底壁とそれぞれのバッテリモジュール壁との間に間隙を形成するように係合する。このような変形要素の設計は単純であり、且つ高荷重力を確実に吸収することを可能にする。

それぞれの変形要素の底壁は、好ましくはバッテリハウジングのそれぞれの壁又は車体構造のそれぞれの壁に着脱可能に固定され、一方でそれぞれの変形要素の側縁部は、それぞれのバッテリモジュールのそれぞれのバッテリモジュール壁に着脱不能に固定される。これにより、自動車用バッテリのバッテリモジュールを単純な方法でバッテリハウジングの壁又は車体構造の壁から取り外しできること、又はそこに取り付けできることが確実となる。

本発明のさらなる有利な発展形態によれば、変形要素は、自動車の長手方向に対して横断方向に延在する。変形要素の前記延在のし方は、交通事故が起こった場合に作用する力を吸収するのに特に好ましい。

本発明の好ましい発展形態は、従属請求項及び以下の説明から明らかとなる。本発明の例示的実施形態を、図面を参照してさらに詳細に説明するが、それらに限定されるものではない。

本発明に係る自動車用バッテリのバッテリモジュールの斜視図を示す。 図１のバッテリモジュールの側面図の一部を、バッテリハウジングの壁と共に示す。 図１のバッテリモジュールを、図２に対して９０°回転した側面図で示す。 自動車用バッテリの斜視図を示す。

本発明は、ハイブリッド車両又は電気車両におけるメインバッテリとして、又は電気エネルギー蓄積機構として使用される自動車用バッテリに関する。自動車用バッテリは、自動車の電気エンジンのモータ駆動モードでより高度に放電し、発電機モードでより強度に充電することができる。

自動車用バッテリは、好ましくは複数のバッテリモジュール１０を有する。図１〜図３は、かかるバッテリモジュール１０の様々な図を示す。

バッテリモジュール１０は複数のバッテリセル１１を有し、これらはスタックの形で縦並び又は横並びに配置される。

バッテリモジュール１０のバッテリモジュール壁１２及び１３は（これらのバッテリモジュール壁は、バッテリセル１１、ひいてはバッテリモジュール１０の側面の境界を画定する）、バッテリセル１１のかかるスタックの側壁と平行に、ひいてはバッテリモジュール１０の側壁に位置決め又は形成される。

第１のバッテリモジュール壁１２は、それぞれのバッテリモジュール１０の２つの対向する側面に延在し、ここで前記第１のバッテリモジュール壁１２は、自動車用バッテリが自動車に取り付けられたときに自動車の長手方向に対して横断方向に延在する。

第２のバッテリモジュール壁１３は、それぞれのバッテリモジュール１０のもう一方の２つの対向する側面に延在し、すなわち、自動車用バッテリが取り付けられた状態で、前記バッテリモジュール壁が自動車の長手方向に延在するような形で延在する。

自動車用バッテリのバッテリモジュール１０は、バッテリハウジングの壁１４又は自動車の車体構造の壁に固定される。前記壁１４は（図２には、そのうち一つの壁のみを示す）、自動車用バッテリが取り付けられた状態で自動車の長手方向に対して横断方向に延在するバッテリモジュール壁１２と平行に延在し、ここでバッテリモジュール１０は、バッテリモジュール壁１２によりバッテリハウジング又は車体構造の壁１４に直接固定されるのでなく、変形要素１５を介して間接的に固定される。

それぞれの変形要素１５は、断面が溝状又はＵ字状となるように底壁１６と側縁部１７とを備えて形成される。それぞれの変形要素１５の底壁１６が、バッテリハウジング又は車体構造のそれぞれの壁１４に係合する。

一方、それぞれの変形要素１５の側縁部１７は、それぞれのバッテリモジュール壁１２に対し、それぞれの変形要素１５の底壁１６とそれぞれのバッテリモジュール壁１２との間に間隙１８（図２を参照）を形成するように係合する。

交通事故が起きた際に自動車用バッテリ又はそのバッテリモジュール１０に大きい力が作用する場合、常に前記間隙１８が、変形要素１５が変形するための変形間隙として用いられ得る。この場合、それぞれの変形要素１５が力及びモーメント又は運動エネルギーを吸収することができ、それによりそれぞれのバッテリモジュール１０のバッテリセル１１が破損から保護される。

それぞれの変形要素１５の底壁１６は、バッテリハウジングのそれぞれの壁１４又は車体構造の壁に着脱可能に、すなわち示される例示的実施形態では締付けボルト１９により、固定される。

一方、変形要素１５の側縁部１７は、それぞれのバッテリモジュール１０のそれぞれのバッテリモジュール壁１２に対し、特に溶接によって、着脱不能に連結される。

このようにして、それぞれのバッテリモジュール１０を単純な方法で変形要素１５を介してバッテリハウジング又は車体構造の壁１４に取り付けたり、そこから取り外したりすることができる。

衝突が起こった場合にそれぞれの変形要素１５により提供される変形可能性は、図２で寸法Ａにより可視化され、これは実質的に、変形要素１５の底壁１６とバッテリモジュール壁１２との間、又は締付けボルト１９とそれぞれのバッテリモジュール１０のバッテリモジュール壁１２との間の距離に対応する。

図２では、衝突が起こった場合に自動車用バッテリの示されるバッテリモジュール１０に作用する力が、矢印２０によって可視化される。矢印２１は、通常運転時、すなわち走行時に自動車用バッテリのバッテリモジュール１０に作用する力を可視化する。

図２から最も良く判断し得るとおり、バッテリモジュール壁１３はリブ２２を有し、これらのリブ２２は自動車の長手方向に延在し、且つそれぞれのバッテリモジュール１０の全てのバッテリセル１１の上にわたり延在している。これらのバッテリセルはスタックの形で縦並び又は横並びに位置決めされている。ここで前記バッテリセルを確実に案内して収容するため、個々のバッテリセル１１が２つの対向するバッテリモジュール壁１３上に形成される前記リブ２２によって圧迫されてもよく、それによりそれぞれのバッテリモジュール１０を形成してもよい。

図４は、部分的に開放した自動車用バッテリの斜視図を示す。自動車用バッテリは、複数のバッテリモジュール１０、すなわち、示される例示的実施形態ではいずれの場合も４つのバッテリモジュール１０の上下に位置決めされた２つの層を収容するハウジング２３を含む。各バッテリモジュール１０が、多数の個別的なバッテリセル１１を有する。いずれの場合も複数のバッテリモジュール１０の２つの層がバッテリハウジング２３に収容され、ここで示される例示的実施形態では、バッテリハウジング２３は内側ハウジング２４と外側ハウジング２５とによって形成される。

外側ハウジング２５は場合により省略されてもよく、このときハウジング２３は、内側ハウジング２４のみによって形成される。

図４の変形例では、自動車用バッテリの個々のバッテリモジュール１０は、バッテリハウジング２３、すなわちバッテリハウジング２３の内側ハウジング２４のハウジング壁１４に固定され、ここで個々のバッテリモジュール１０が変形要素１５を介して間接的に固定される前記ハウジング壁１４は、自動車用バッテリが取り付けられた状態で自動車の長手方向に対して横断方向に延在する。いずれの場合も自動車の長手方向に延在するさらなるハウジング壁２６が、ハウジング壁１４と一体になって、バッテリハウジング２３、すなわちその内側ハウジング２４を画成する。

１０ バッテリモジュール
１１ バッテリセル
１２ バッテリモジュール壁
１３ バッテリモジュール壁
１４ バッテリハウジング又は車体構造の壁
１５ 変形要素
１６ 底壁
１７ 側縁部
１８ 間隙
１９ ボルト
２０ 矢印
２１ 矢印
２２ リブ
２３ バッテリハウジング
２４ 内側ハウジング
２５ 外側ハウジング
２６ ハウジング壁
Ａ 寸法

Claims (7)

1. 少なくとも１つのバッテリモジュール（１０）を含む自動車用バッテリであって、前記各バッテリモジュール（１０）が、バッテリモジュール壁（１２）により境界が画定される複数のバッテリセル（１１）を有し、前記各バッテリモジュール（１０）が、２つの対向するバッテリモジュール壁（１２）を介してバッテリハウジングの壁又は車体構造の壁（１４）に固定される、自動車用バッテリにおいて、いずれの場合も、それぞれのバッテリモジュールを前記バッテリハウジング又は前記車体構造の壁（１４）に固定するのに用いられる前記バッテリモジュール壁（１２）と、前記バッテリハウジング又は前記車体構造の前記それぞれの壁（１４）との間に変形要素（１５）が位置決めされ、前記変形要素が、前記それぞれのバッテリモジュールを前記バッテリハウジング又は前記車体構造に間接的に固定する働きをし、
   前記それぞれの変形要素（１５）が、断面が溝状又はＵ字状となるように底壁（１６）と側縁部（１７）とを備えて形成され、前記それぞれの変形要素（１５）の前記底壁が、前記バッテリハウジング又は前記車体構造の前記それぞれの壁（１４）に係合し、且つ前記それぞれの変形要素（１５）の前記側縁部が、前記それぞれのバッテリモジュール壁（１２）に対し、前記それぞれの変形要素（１５）の前記底壁（１６）と前記それぞれのバッテリモジュール壁（１２）との間に間隙（１８）を形成するように係合することを特徴とする、自動車用バッテリ。
2. 前記それぞれの変形要素（１５）の前記底壁（１６）が、前記バッテリハウジング又は前記車体構造の前記それぞれの壁（１４）に着脱可能に固定されることを特徴とする、請求項１に記載の自動車用バッテリ。
3. 前記それぞれの変形要素（１５）の前記底壁（１６）が、前記バッテリハウジング又は前記車体構造の前記それぞれの壁（１４）にボルト（１９）によって固定されることを特徴とする、請求項２に記載の自動車用バッテリ。
4. 前記それぞれの変形要素（１５）の前記側縁部（１７）が、前記それぞれのバッテリモジュール（１０）の前記それぞれのバッテリモジュール壁（１２）に着脱不能に固定されることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一項に記載の自動車用バッテリ。
5. 前記それぞれの変形要素（１５）の前記側縁部（１７）が、前記それぞれのバッテリモジュール（１０）の前記それぞれのバッテリモジュール壁（１２）に溶接されることを特徴とする、請求項４に記載の自動車用バッテリ。
6. 前記変形要素（１５）が、前記自動車の長手方向に対して横断方向に延在することを特徴とする、請求項１〜５のいずれか一項に記載の自動車用バッテリ。
7. ハイブリッド車両又は電気車両のメインバッテリとして設計されることを特徴とする、請求項１〜６のいずれか一項に記載の自動車用バッテリ。

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