JP6265527B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
使い捨ておむつ等の吸収性物品において、排泄液の股下からの横漏れを防止する防漏壁として、着用者の肌側へと起立する立体ギャザー部を備えたものがある。この立体ギャザー部の構造としては、例えば、防止性ないし撥水性の立体ギャザー用シートの一端を折り返して内部に伸長状態の弾性部材を挟持させたものなどである。
この立体ギャザー用シートの折り返し部分は、腹側部及び背側部では表面シート等に接合固定され、股下部では他部材と非接合の自由端部とされている。これにより吸収性物品の着用時には、腹側部及び背側部から股下部に向かう長手方向に弾性部材の収縮力が働き、股下部で前記立体ギャザー部が襞を有して肌側へと起立する。起立した立体ギャザー部と表面シートとの間にポケットが形成され、股下からの体液の横漏れが防止される。
このような立体ギャザーに関し、従来いくつかの提案がなされている。
例えば、特許文献1には、生理用ナプキンの立体ギャザーであって、ループ状立体ギャザーと自由端状立体ギャザーとから構成されたものが記載されている。特許文献2には、生理用ナプキンの中空ループ状の防漏壁であって、内部に、下方固定部近傍の立ち上がりを抑制する起立抑制部材を有するものが記載されている。これらはいずれも、立体ギャザー等の内側への倒れ込みを防止することを目的としたものである。
また、特許文献3には、使い捨ておむつのサイドフラップであって、基端部、自由端部及び両部の間の折り返し線を有するものが記載されている。このサイドフラップは、折り返し線で外側に突出し、くの字形状となる。特許文献4には、パンツ型使い捨ておむつの側方カフスであって、該側方カフスの自由端近傍に、吸収性本体の幅方向に伸縮する面状の複合伸縮部を有するものが記載されている。この複合伸縮部は、外側を向いて水平となり肌に面状に密着する部分であり、複数の弾性部材及び接合部の工夫で面状部分に複数の襞を備える。
特開2012−205638号公報 特開2010−94268号公報 特開平9−271489号公報 特開2008−136667号公報
このような立体ギャザー部の自由端部は、前述のとおり股下部で他の部材と非接合とされ、装着時の起立に必要な可撓性を具備する。そのため、パンツ型使い捨ておむつなどでは、両足を通して足元から引き上げて装着する際に、大腿部の内側に前記自由端部の周辺が当たり擦れ易い。その際、着用者の体形や着用時の姿勢、引き上げ力の大きさなどにより、前記自由端部が股下部分において外側を向くことがある。また着用後において、着用者の動き、例えば左右の大腿部による押圧力などによっては、前記自由端部が外側を向くことがある。これはテープ型使い捨ておむつや生理用ナプキンなどでも生じ得る。この場合、体液の横漏れ防止性が低下し兼ねない。
この外側を向く自由端部の挙動の問題について、前記文献の技術は着目するものではない。特許文献1、2及び4では、肌と面状に接して防漏性を備えるものの、比較的外側に向きやすい構造であり改善の余地がある。また特許文献3では、くの字を形成する折り返し線は単に折り目をつけた部分であるため、先端の自由端部が外力で外側に向こうとする動きを防止し得るものではない。
本発明は、上記の点に鑑み、立体ギャザー部の起立性を維持しながら外側への裏返りを防止し、横漏れ防止性を向上させる吸収性物品に関する。
本発明は、表面シート、裏面シート、及び該両シートに挟持された吸収体を有し、前記表面シートの長手方向に沿う両側縁に、着用時に肌側へと起立する一対の立体ギャザー部を備える吸収性物品であって、前記立体ギャザー部は、起立基端部と自由端部とを有し、起立する高さ方向に伸縮性を有する第1構造部及び長手方向に伸縮性を有する第2構造部を、それぞれ、少なくとも1つ備え、前記第1構造部は、高さ方向に伸長された状態で前記第2構造部の内側に位置しており、前記第2構造部よりも高さ方向に縮む応力が高い吸収性物品を提供する。
本発明の吸収性物品は、立体ギャザー部の起立性を維持しながら外側への裏返りを防止し、横漏れ防止性を向上できる。
本発明の吸収性物品の好ましい一実施形態としてのパンツ型使い捨ておむつを概ね着用状態の形状として模式的に示した斜視図である。 図1に示すパンツ型おむつを展開し伸張した状態を肌面側から模式的に示す一部切欠展開平面図である。 図2のIII−III線断面についてやや湾曲させて着用状態を模式的に示す断面図である。 (A)は立体ギャザー部の好ましい態様(第1実施態様)の層構造を示す分解斜視図であり、(B)はその断面図である。 立体ギャザー部の湾曲構造について模式的に示した説明図である。 本実施形態のパンツ型使い捨ておむつの着用状態における立体ギャザーの湾曲構造を示す説明図であり、(A)は足回り開口部を外側から見た図であり、(B)は内側から見た図であり、(C)はその断面を一部拡大して示す部分拡大断面図である。 立体ギャザーによる体液防漏作用を模式的に示した説明図であり、(A)及び(B)は本実施形態を示した図であり、(C)及び(D)は従来例について示した図である。 立体ギャザーの別の好ましい態様(第2実施態様)について示した図4相当の図であり、(A)は立体ギャザー部の構成部材の分解斜視図であり、(B)はその断面図である。 第2実施態様における立体ギャザー部の収縮で形成される襞と肌との関係を模式的に示した説明図であり、(A)は第2実施態様について示した図であり、(B)は従来例について示した図である。 立体ギャザーのさらに別の好ましい態様(第3実施態様)について示した図4相当の図であり、(A)は立体ギャザー部の構成部材の分解斜視図であり、(B)はその断面図である。 立体ギャザーのさらに別の好ましい態様(第4実施態様)について示した図4相当の図であり、(A)は立体ギャザー部の構成部材の分解斜視図であり、(B)はその断面図である。 (A)、(C)及び(E)は立体ギャザー部の好ましい起立状態の具体例を示した説明図であり、(B)及び(D)は好ましくない起立状態の具体例を示した説明図である。 立体ギャザー部の長手方向両端部における好ましい接合形態を示した説明図である。 (A)〜(D)はおむつ試料に中空円柱に装着させて自由端位置を観察する様子を示した図である。
以下、本発明の吸収性物品の好ましい実施形態としてのパンツ型使い捨ておむつについて、図面を参照しながら以下に説明する。
図1及び2に示すように、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ10(以下、おむつ10ともいう。)は、2層からなる外装材2とその肌面に配される吸収性本体3とを備えている。おむつ10は、着用者の腹側に配される腹側部F、着用者の背側に配される背側部R、及び腹側部Fと背側部Rとの間に位置する股下部Cを有する。股下部Cは着用者の排泄部に対応しており排泄液等を直接受け取る部分である。腹側部F及び背側部Rは股下部Cを折り返し軸として相対され両側のサイドシール部11,11で接合されている。これにより胴回り部Dが形成され、胴回り部Dの上端にウエスト開口部12、胴回り部Dの下方の股下部Cの両側に一対のレッグ開口部13,13が形成されている。サイドシール部11は、ヒートシール、超音波シール等の任意の方法により形成される。
本発明において、特に断らない限り、人体に接触する側を肌面側ないし肌当接面側あるいは表面側といい、これと反対側を非肌面側ないし非肌当接面側あるいは裏面側という。着用時に人体の前側に位置する方向を前方といいその端部を前端部とし、後側に位置する方向を後方といいその端部を後端部として説明する。吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向といいその量を厚みという。
おむつ10をサイドシール部11,11で破断して展開した形状は、図2に示すとおり、その長手方向(Y方向)に腹側部F、股下部C及び背側部Rに区分される。外装体2は、その長手方向の中央の両側縁が幅方向(X方向)内方に括れた形状である。吸収性本体3は縦長形状である。外装体2の肌面側において、吸収性本体3がその長手方向をおむつの長手方向(Y方向)に向け、外装体2の股下部Cを中心に腹側部F及び背側部Rへ亘って配設され接合されている。この接合は、ホットメルト接着剤など、この種の物品で採用される接合手段を用いることができる。その塗布方法も螺旋状塗工など部材の剛性を高めず、透液性や通気性等を阻害しない方法が用いられる(以下の接合においても同様。)。
なお、展開した状態で示される幅方向(X方向)は、図1のパンツ型使い捨ておむつ10に組み立てられた状態で、着用者の胴回り方向または両側のサイドシール部を結ぶ方向に一致する。また展開した状態で示される長手方向(Y方向)は、図1のパンツ型使い捨ておむつ10に組み立てられた状態で、股下部F及び背側部Rでは着用者の身丈方向、つまりおむつ10の上下方向に一致し、股下部Cでは着用者の股下を介して腹側から背側へと繋がる前後方向に一致する。
吸収性本体3は、図3に示すように、液透過性の表面シート31、液難透過性の裏面シート32及び両シート間に介在配置される吸収体33を有する。これらはいずれも縦長形状である。表面シート32は吸収体33よりもやや大きい縦長形状であり、吸収体33の肌当接面側を覆い、さらに幅方向外方に延出して吸収体33の非肌当接面と裏面シート32との間で挟持されている。吸収体33の平面形状は、本実施形態の矩形形状に限定されるものではなく、その用途や使用目的等により適宜変更できる。例えば、股下部Cでのフィット性を考慮して、括れた形状を有していてもよい。なお、本明細書において、吸収性本体3は上記の構成部材を有するものとし、後述の立体ギャザー部及び立体ギャザー用複合シート部材と吸収性本体3とを区別して説明する。
吸収性本体3には、表面シート31の長手方向(Y方向)に沿う両側縁に、一対の立体ギャザー部5,5が配設されている。立体ギャザー部5は、少なくとも股下部Cにおいて、長手方向に伸縮性を有し、かつ、おむつ10の着用時に肌側へと起立するようにされている。この立体ギャザー部5は、立体ギャザー用複合シート部材6からなる。立体ギャザー用複合シート部材6は、長手方向の伸縮性を有する部材を備える。この立体ギャザー用複合シート部材6の具体的部材構成については後述する。
立体ギャザー用複合シート部材6は、図3の断面図が示すように、幅方向(X方向)において、吸収体33の非肌当接面側の表面シート31と裏面シート32との間に挟持、接合されている。そこから巻き上げられて表面シートの肌当接面側の両側縁で接合されている。この接合された部分が立体ギャザー部5の起立基端部51となる。一方、長手方向(Y方向)において、立体ギャザー用複合シート部材6は伸長状態とされ、図2の平面図に示すように腹側部F及び背側部Rにおいて表面シート1の肌当接面に接合されている。この接合された部分(前後端接合部53)では、立体ギャザー用複合シート部材6は伸縮力が抑制されている。これにより、おむつ10の着用状態において、立体ギャザー用複合シート部材6の収縮力が前後端接合部53,53の間で働く。このとき、股下部Cにおいては、立体ギャザー用複合シート部材6の肌当接面側の端部は他の部材と接合されていないため、この部分が立体ギャザー部5の自由端部52となり、湾曲しながら着用者の肌側へと起立する。このようにして、起立基端部51と自由端部52とを有する立体ギャザー部5が、少なくとも股下部Cに形成されている。
この起立状態において、立体ギャザー部5は、表面シート31との間にポケット54を形成し(図3参照)、防漏壁として股下部Cにおける横漏れを防ぐ。この立体ギャザー用複合シート部材6は、肌に触れるため不織布等の肌触りのよい素材からなることが好ましく、防漏壁として撥水性又は防水性の素材からなることが好ましい。このように立体ギャザー部5は、立体ギャザー用複合シート部材6のうち起立端部51と自由端部52との間の部分であり、着用時に肌側へ起立する部分をいう。立体ギャザー用複合シート部材6の立体ギャザー部5以外の部分は、延出固定部62という。
なお、本発明において、立体ギャザー用複合シート部材6、表面シート31及び裏面シート32の接合形態は、本実施形態のものに限定されず、この種の物品で採用される形態を任意に設定できる。例えば、立体ギャザー用複合シート部材6は、裏面シート32の非肌当接面に接合されていてもよく、裏面シート32とともに吸収体33の幅方向外方に延出し、延出した部分で起立基端となる接合部が形成されていてもよい。また、表面シート31は、裏面シート32の非肌当接面に接合されていてもよく、裏面シート32及び立体ギャザー用複合シート部材6とともに吸収体33の幅方向外方に延出し、裏面シート33と面状に接合されていてもよい。
また本発明において、立体ギャザー部5が「表面シート31の両側縁」に配されているとは、立体ギャザー部5の起立状態で、少なくとも自由端部52が表面シート31の両側縁の肌面側上方に配置されていることをいう。この場合、必ずしも起立基端部51が表面シート31の両側縁になくてもよい。さらに立体ギャザー部5において、吸収体33ないし表面シート31側を内側XIといい、レッグ開口部側を外側XUという。この内側XIと外側XUとは、立体ギャザー部の部材厚みにおいて、相対的な位置関係をも意味する。
次に、立体ギャザー部5を構成する立体ギャザー用複合シート部材6について説明する。
立体ギャザー用複合シート部材6は、立体ギャザー部5をなす起立基端部51から自由端部52までの範囲で長手方向の全長において、シート厚み方向に複数の層からなる。図4(A)及び(B)は、その層構造の第1実施態様として、起立する高さ方向(Z方向)に伸縮性を有する第1構造部8と長手方向(Y方向)に伸縮性を有する第2構造部9との2層構造を示している。第1構造部8は表面シートに面する内側XIに配され、第2構造部9はレッグ開口部に面する外側XUに配されている。第1構造部8は高さ方向(Z方向)に伸長した状態で第2構造部9の内側XIに接合されている。すなわち、第1構造部8は高さ方向(Z方向)に伸長した状態で第2構造部9の内側XIに位置している。なお、第1構造部8及び第2構造部9は、別々の独立した部材からなる場合に限らず、一体化された部材構成で機能的に区分される場合も含む。
第1構造部8は、図4(B)が示すように、2枚の不織布81,81の間に弾性部材82を高さ方向(Z方向)に向け伸長状態にして貼り合わせた複合伸縮シート8Aからなる。弾性部材82は、図4(A)が示すように、複数、長手方向(Y方向)に間欠配置されている。前記の貼り合わせは、2枚の不織布81,81間にホットメルト接着剤等を塗布してなされる。このとき、ホットメルト接着剤は不織布81に対して全面塗布されることが好ましい。さらに、高さ方向の上下端部において弾性部材82の両端部はホットメルト接着剤等により2枚の不織布81,81に固定されている。これにより、高さ方向(Z方向)に伸縮性を有する複合伸縮シート8Aの第1構造部8が形成される。不織布81の構成は、別々の部材からなるものでもよく、1枚の部材を折り返したものであってもよい。
第2構造部9は、図4(B)が示すように、2枚の不織布91,91の間に弾性部材92を長手方向(Y方向)に向け伸長状態にして貼り合わせた複合伸縮シート9Aからなる。弾性部材92は、図4(A)が示すように、複数、高さ方向(Z方向)に間欠配置されている。前記の貼り合わせは、2枚の不織布91,91間にホットメルト接着剤等を面塗布してなされる。このとき、ホットメルト接着剤は不織布81に対して全面塗布されることが好ましい。さらに、長手方向の前後端部において弾性部材92の両端部はホットメルト接着剤等により2枚の不織布91,91に接合固定されている。これにより、長手方向(Y方向)に伸縮性を有する複合伸縮シート9Aの第2構造部9が形成される。不織布91の構成は、2枚の別々の部材からなるものでもよく、1枚の部材を折り返したものでもよい。
第1構造部8を高さ方向(Z方向)に伸長させ、これを、長手方向(Y方向)に伸長させた状態の第2構造部9の内側XIに貼り合わせて立体ギャザー部5が形成される。このとき、第2構造部9の長手方向(Y方向)の伸長状態を保持するため、第2構造部9及び第1構造部8の前後端は、前述した表面シート1と立体ギャザー部5とを接合する前後端接合部53で接合固定されている。
このような層構造は、前述のように立体ギャザー用複合シート部材6の立体ギャザー部5においてのみ形成されていてもよく、起立基端部51より外方の延出固定部62(図3参照)にまで及んでいてもよい。前記層構造の伸縮性による吸収体への影響を考慮すれば、延出固定部62は非伸縮性部材とされていることが好ましい。この場合、たとえば、不織部91などが延長した部分が延出固定部62とされてもよい。
立体ギャザー部5では、第1構造部8は第2構造部9よりも高さ方向に縮む応力(収縮応力)が高い。この収縮応力の違いは、次の方法により測定することができる。
まず製品を展開し、前後左右に伸張させた状態で、立体ギャザー部5から、長手方向の中央部を中心に長さ方向と高さ方向の比が2:1となるよう長方形状に試験片を切り出す。その際、高さ方向は吸収体面の起立基端部51から高さ方向上方の自由端部52までの全てを取り出す。前記試験片を高さ方向に2等分し、自由端部52側を上方試験片、起立基端部51側を下方試験片とする。それぞれの試験片につき、高さ方向における上端、下端に任意のつかみ代の線を引き、高さ方向の長さ(上下のつかみ代の内側の長さ)を測定する。
各試験片のシート厚み方向において、コールドスプレー等を用いて構造部ごとに分け、自然状態となった構造部それぞれの高さ方向の長さを測定する。各構造部について、テンシロン試験機(ORIENTEC社製、「RTC−1150A」)等の材料引張試験機によりつかみ代をつかみ自然状態から、引張り速度300mm/minで、試験片サイズの長さまで高さ方向へ引っ張る。これにより、それぞれの構造体の高さ方向(Z方向)における伸長状態を再現する。その時点での引張り荷重を高さ方向の収縮応力として測定する(単位はN)。
この立体ギャザー部5は、前述のような伸長状態で、長手方向の収縮力と内側XIの高さ方向の収縮力とを有する。第2構造部の弾性部材91による長手方向収縮応力で、図5に示すように、立体ギャザー部5は長手方向に沿って下方ZDに湾曲しながら上方ZPに起立する。さらに伸長した状態の第1構造部8が第2構造部9よりも高さ方向(Z方向)に縮む応力(収縮応力)が高く、内側XIでの収縮応力を高める。これにより立体ギャザー部5は、図5に示すように、自由端部52が内側XIへ傾斜しながら、高さ方向に沿って外側XUに湾曲する。このとき第1構造部8の収縮応力の相対的高さが、内側XIへの収縮力として持続し、前記外側XUへの湾曲を維持する力として働く。すなわち立体ギャザー部5では、外力によって自由端部52が外側XUに向こうとしても、第1構造体8の収縮応力が自由端部52を元の内側の位置に戻そうと作用する。これにより、立体ギャザー部5の裏返りが防止され、本来の形状が回復される。
これをおむつ10における作用として示すと次のようになる。図6(A)及び(B)に示すように、長手方向(Y方向)の収縮応力で、下方ZD方向へ湾曲(矢印F1)しながら肌側に起立する。その際、図6(B)に示すように、おむつ10の内側では立体ギャザー部5に高さ方向(Z方向)に収縮応力(矢印F2)が働く。これにより図6(C)に示すように、外側XUへ湾曲(矢印F3)して自由端部52が内側XIへと傾斜する。この自由端部52の内側傾斜は、前述のとおり外側への外力Pが加わっても安定的に保持される。例えば、おむつ10を丁寧に装着できない場合、具体的には着用者の大腿部が徐々に太くなる部分でおむつ10を素早く引き上げたり、片手のみで引き揚げたりした際に、自由端部52が大腿部に擦れ引っ掛かったとしても形状の回復力が強く、内側傾斜が保持される。
このような作用を奏する立体ギャザー部5の内側XIの高さ方向の収縮応力(V1)と外側XUの高さ方向における収縮応力(V2)の差、すなわち、第1構造部の高さ方向における収縮応力(V1)と第2構造部の高さ方向における収縮応力(V2)の差(V1−V2)は、1N以上が好ましく、2N以上がより好ましく、2.5N以上がさらに好ましい。その上限は、立体ギャザー部5の起立性を保持する観点から、7N以下が好ましく、6N以下がより好ましく、5N以下がさらに好ましい。
また、立体ギャザー部5の第1構造部の高さ方向の収縮応力(V1)と第2構造部の長手方向の収縮応力(V3)との比(V1/V3)は、起立性と内側傾斜との両立の観点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましい。また、V1/V3は、7以下が好ましく、6以下がより好ましく、5以下が更に好ましい。ここで2.5以上とすることで内向き湾曲構造と立体ギャザー自身の立ち上がり性を確保でき、7以下とすることで立体ギャザーの自由端が吸収体から最遠方にある状態を維持できる。
本実施形態においては、前述した収縮応力の組み合わせにより、立体ギャザー部5の起立性を維持しながら外側への裏返りが防止され、内側傾斜が安定的に維持される。このような立体ギャザー部5を有するおむつ10においては、着用時の横漏れ防止性を向上させることができる。この点につき図7を参照して説明する。
図7(A)に示すように、立体ギャザー部5の内側傾斜が維持されることにより、立体ギャザー部5と肌Sとが密着する。また、立体ギャザー部5の起立性が維持されるので、吸収性本体3と立体ギャザー部5とによるポケット54が確実に形成される。これにより、図7(B)に示すように、排泄があっても、立体ギャザー部5が防漏壁としてこれをしっかりと防御し横漏れを防ぐ。しかも、前述のとおり、立体ギャザー部5の内側傾斜は、着用後の外力がっても維持されて排泄液の流出を防御するので、横漏れ防止性が持続する。
これに対し、図7(C)に示す従来例のように、内側の収縮応力が付与されていない状態では、外力によって立体ギャザー部5が外側に向き易く、肌Sとの間に隙間が生じる。この場合、図7(D)に示すように、その隙間から排泄液が漏れやすくなる。この従来例では、本実施形態のような高い横漏れ防止性の安定的な維持には及ばない。
なお、第1実施態様では、立体ギャザー部5を2つの構造部の積層構造として示したが、上記の作用が発現する限りにおいて層の数はこれに限定されない。例えば、第1構造部8が高さ方向に伸長状態で第2構造部9の内側に位置する限り、さらに他の伸縮性のシート部材や非伸縮性のシート部材などを有するものであってもよい。また第1構造部8及び第2構造部9がそれぞれ複数あってもよい。
次に、本実施形態において、立体ギャザー部5の別の好ましい態様(第2実施態様)について図8及び9を参照して説明する。
図8(A)及び(B)に示すように、第2実施態様の立体ギャザー部5では、第1実施態様の立体ギャザー部5における層構造のうち、第2構造部9が、長手方向に収縮性を有する一体型伸縮シート9Bからなる。この一体型伸縮シート9Bとは、弾性繊維と伸長可能な不織布とを溶融状態の弾性繊維により一体化させたシート部材である。具体的には、長手方向(Y方向)に配した多数の弾性繊維を実質非伸長状態で、伸長可能な不織布に融着させて一体化したものである。この一体型伸縮シート9Bの伸縮性は、弾性繊維の弾性により発現する。その際、弾性繊維の溶融で一体化した不織布が追従して伸縮する。すなわち、弾性繊維と不織布との一体化状態が維持されたまま伸長し収縮する。そのため、第2実施態様の一体型伸縮性シート9Bは収縮時に不織布の生地が余らず浮き難い。これに対し、第1実施態様で用いた第2構造部9の複合伸縮シート9Aでは、弾性部材92を伸長状態にして不織布91と間欠的に接合している。そのため、収縮時における不織布9Aの生地(特に非接合部分)余りが大きくなる。この違いから、第2実施態様の一体型伸縮性シート9Bは、第1実施態様の複合伸縮シート9Aよりも比較的細かな襞を形成する。
この一体型伸縮シート9Bとしては、弾性繊維と伸長可能な不織布とが一体化したもので、生地の余りによる大きな襞の形成が抑えられたものを特に制限なく採用できる。例えば、特開2008−179128号に記載の伸縮シートなどが挙げられる。
この一体型伸縮シート9Bからなる第2構造部9を長手方向に伸長させ、第1実施態様と同様に、高さ方向に伸長させた第1構造部8を内側に貼り合わせて第2実施態様の立体ギャザー部5が形成される。すなわち、立体ギャザー部5の最外層に、第2構造部9として、長手方向に伸縮性を有する一体型伸縮シート9Bが配されている。
この第2実施態様の立体ギャザー部5も内側傾斜が維持され、第1実施形態と同様の作用を奏する。さらに、一体型伸縮シート9Bの細かな襞の形成が立体ギャザー部5の防漏壁としての横漏れ防止性を向上させる。これは次の作用による。まず、第2構造部9の一体型伸縮シート9Bの長手方向に収縮で自由端部側に細かな襞を形成する。このとき、第1構造部8は高さ方向にのみ収縮するため自由端部側の襞形成に寄与せず、一体型伸縮シート9Bによる細かな襞が立体ギャザー部5の肌Sに触れる自由端部52の襞となる。これは第1実施態様の複合伸縮シート9Aを用いた場合よりも相対的に襞の細かいものとなる。これにより、図9に示すように、第2実施態様(図9(A))では、着用者の肌Sと襞と隙間が、第1実施態様の複合伸縮シート9Aを用いた場合(図9(B))よりも小さくなる。その結果、第2実施態様は排泄液等の襞からの滲み出し漏れをより低減する。
次に、本実施形態において、立体ギャザー部5のさらに別の好ましい態様(第3実施態様)について図10を参照して説明する。
図10に示すように、第3実施態様の立体ギャザー部5は、第1実施態様の立体ギャザー部5における層構造のうち、第1構造部8を、高さ方向に収縮性を有する一体型伸縮シート8Bからなるものとした。すなわち、立体ギャザー部5の最内層に、第1構造部8として、長手方向に伸縮性を有する一体型伸縮シート8Bが配されている。この一体型伸縮シート8Bは、第2実施形態における一体型伸縮シート9Bと同様の、弾性繊維と不織布とが一体化した構造を有する。そのため、一体型伸縮シート8Bは、高さ方向の収縮時に生じる襞が細かなものとなる。一体型伸縮シート8Bが、第1構造部8として、高さ方向に伸長した状態で第2構造部9の内側XIに接合されて第3実施態様の立体ギャザー部5となる。この第3実施態様の立体ギャザー部5は、第1実施態様と同様の作用を奏しながら、内側XIに生じる襞がより細かいものとなる。これにより、立体ギャザー部5において、内側傾斜した湾曲構造の形成に対する抵抗が低減する。その結果、内側傾斜がより確かなものとなり、外力に対する維持性耐性ないし回復性がより向上する。
このように一体型伸縮シート9B及び8Bが少なくとも1つ以上、立体ギャザー部5の複数層に含まれていると細かな襞が生じ易くなる。このような構成は、排泄液の横漏れ防止性の向上の観点から好ましい。特に、長手方向に伸縮する一体型伸縮シート9Bが第2構造部9として、立体ギャザー部5の最外側に配されていると、伸縮時の襞が細かいものとなる。これにより、着用者の肌と襞との隙間が、第1実施態様の複合伸縮シート9Aを用いた場合(図9(B))よりも小さくなる。その結果、排泄液等の襞からの滲み出し漏れをより低減することとなり好ましい。また、高さ方向に伸縮する一体型伸縮シート8Bが第1構造部8として、立体ギャザー部5の最内側に配されていると、内側に生じる襞がより細かいものとなる。これにより、立体ギャザー部5が内側傾斜した湾曲構造に形成される際に、隣接する襞同士がぶつかることによる抵抗が低減する。その結果、内側傾斜がより確かなものとなり、外力に対する維持性耐性ないし回復性がより向上することとなり好ましい。
また第2実施態様及び第3実施形態のより細かな襞の形成によるそれぞれの作用を併せ持つ態様であってもよい。すなわち、一体型伸縮性シート8Bの第1構造部8と一体型伸縮シート9Bの第2構造部9とによる立体ギャザー部5であってもよい。この第2実施態様及び第3実施形態の両者の作用を奏する別の態様として次の第4実施態様のものが挙げられる。
図11に示すように、第4実施態様の立体ギャザー部5は、第2実施態様の一体型伸縮シート9Bからなる第2構造部9と、高さ方向及び長手方向に伸縮性を有する一体型伸縮シート8Cからなる第1構造部8とを有する。この一体型伸縮シート8Cからなる第1構造部8が、高さ方向に伸長状態で第2構造部9の内側XIに接合されて第3実施態様の立体ギャザー部5となる。すなわち、立体ギャザー部5の最内層に、第1構造部8として、高さ方向及び長手方向に伸縮性を有する一体型伸縮シート8Cが配されている。立体ギャザー部5の最外層に、第2構造部9として、長さ方向に伸縮性を有する一体型伸縮シート9Bが配されている。このとき、おむつ10の表面シート31の前後端部において第2構造部9をなす一体型伸縮シート9Bが伸長状態で固定されている。第1構造部8をなす一体型伸縮シート8Cは、一体型伸縮シート9Bと同様に伸長状態でおむつ10の表面シート31の前後端部において固定された状態となっている。
この第4実施態様の立体ギャザー部5は、第1実施態様と同様の作用を奏しながら、自由端部52に生じる襞及び内側XIに生じる襞がより細かいものとなる。これにより、肌と自由端部52との隙間が抑えられ、立体ギャザー部5が内側傾斜する湾曲構造の形成の抵抗が低減する。その結果、肌と自由端部52との隙間からの滲み出しが抑制され、内側傾斜がより確かなものとなり外力に対する耐性ないし回復性がより向上する。また、第1構造部8をなす一体型伸縮シート8Cの長手方向の伸縮性は、着用時に立体ギャザー部が一部伸縮状態となった際に、余ったシートが弛み、吸収体上に年在することにより、吸収可能な面積が減少されること、つまり、ポケット容量が低減することを防止する作用を奏し、おむつ10にとって吸収容量の低減防止となる。
一体型伸縮シート8Cとしては、高さ方向と長手方向の2方向に伸縮性を有し、生地の余りによる大きな襞の形成が抑えられたものを特に制限なく採用できる。例えば、特開2004−244790号に記載の伸縮性不織布などが挙げられる。
次に、前述した立体ギャザー部5において、内側傾斜となる湾曲形状の好ましい態様について説明する。立体ギャザー部5は、内側XIに傾斜しつつも、起立性がしっかりと維持されることが横漏れ防止性の観点から好ましい。すなわち内側傾斜と起立性との両立である。これにより、吸収性本体2との間にポケット54がしっかりと形成され、自由端部52及びその近傍が肌に当接する状態となる。
この内側傾斜と起立性との両立のため、おむつ10の着用状態において、立体ギャザー部5の自由端部52の位置が高さ方向(Z方向)において最も吸収体33(ないし吸収性本体3)から離れている(離間幅H1)ことが好ましい。例えば、図12(A)の具体例に示すように、立体ギャザー部5の湾曲形状のなかで、自由端部52が吸収体33の位置から最遠方にある起立状態である。図12(B)のように、吸収体33から最遠方となる部分が自由端部52(離間幅H2)ではなく途中の湾曲部W1(離間幅H3)であると、起立高さが不十分となる。また自由端部52が倒れやすくなる。この場合、肌との密着性が低下し、ポケット54の空間が小さくされることに加えて、部分的にむしろ横漏れを誘発しかねない形状になりうる。このような横漏れを防止する態様として、図12(A)のように自由端部52が最遠方にあることが好ましい。
自由端部52が最遠方にある立体ギャザー部5の起立状態とする1つの方法として、湾曲したときの内側と外側の長さを好適に設定する方法が挙げられる。これは湾曲時の内輪差を好適に設定する方法である。具体的には、装着時の起立状態で、図12(C)に示すように、第2構造部9の部材幅の中心を通る曲線の長さ(9J)が第1構造部8の部材幅の中心を通る曲線の長さ(8J)の1倍以上が好ましく、1.1倍以下が好ましい。1.1倍以下とすることで、外側の第2構造部9が長くなり過ぎず、自由端部52が内側で下向きになることを防ぐことができる。また別の方法として、第2構造部9の長手方向(Y方向)の収縮応力と内側XIの第1構造部8の高さ方向(Z方向)の収縮応力とを好適に設定する方法が挙げられる。具体的には、起立基端部51と自由端部52との間の高さ方向における中央から自由端部52に向かって4分の1の位置までの範囲で、長手方向(Y方向)の収縮応力を第1構造部8の高さ方向(Z方向)の収縮応力よりも小さくする方法が挙げられる。第1構造部8の高さ方向の収縮応力(弾性部材92の収縮力など)が強すぎると、図12(D)に示すように、途中の湾曲部W2よりも自由端52が下方に位置し、自由端部52が吸収体33から最遠方でなくなってしまう。
また、前述した内側傾斜と起立性との両立のため、内側の第2構造部8による高さ方向(Z方向)の収縮応力が及ぶ範囲を好適に設定することが好ましい。具体的には、立体ギャザー部5の起立幅(起立基端部51から自由端部52までの部材の長さ)を高さ方向に二分(中央部58で二分)した際、前記自由端部52側に位置する部分のみが高さ方向に収縮力を有することが好ましい。このようにすることで、図12(E)に示すように、立体ギャザー部5の起立端部51付近の立ち上がり角度が大きくなり、自由端部52側での内側傾斜が効果的に生じる。これにより、立体ギャザー部5の起立高さとポケット54の空間を良好に確保できる。また、自由端部52が内側傾斜した状態で肌にしっかりと当接される。これにより横漏れ防止性がより確実なものとなる。
さらに、図13に示すように、立体ギャザー部5の長手方向両端部分と表面シート31との接合部(図2に示す、4か所の前後端接合部53)において、自由端部52が内向きに折り込まれて接合されていることが好ましい。これにより、股下部Cにおける第1構造部8の高さ方向(Z方向)の収縮応力を適度に抑えて起立性を確保しながら、内側傾斜をより確実なものとすることができる。すなわち内側傾斜と起立性とを両立できる。
おむつ10を構成する部材を構成素材は、この種の物品に用いられるものを特に制限なく用いることができる。
例えば、立体ギャザー用複合シート部材6の延出固定部62、複合伸縮シート8A及び9Bを構成する不織布81及び91は、撥水性の不織布が好ましく、カード法により製造された不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、ニードルパンチ不織布等の中から撥水性の物、または撥水処理した種々の不織布を用いることができる。特に好ましくは、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン(SM)不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド(SMMS)、スパンボンド−スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SSMS)不織布等が用いられる。
また、複合伸縮シート8A及び9Bを構成する弾性部材82及び92には、この種の物品に用いられる通常の弾性部材を用いることができ、例えば素材としては、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができ、形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状ないし紐状(平ゴム等)のもの、もしくはマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を用いることができる。具体的に糸ゴムについては前述したような繊度のものが用いられる。
立体ギャザー用複合シート部材6の一体型伸縮シート8B及び8C、並びに一体型伸縮シート9Bには、前述した公報に記載した素材などを用いることができる。
外装体2は、1層からなる構成でも2層以上からなる構成でもよく、いずれの場合もその構成部材としては、不織布、不織布と樹脂フィルムとの積層材、多孔性フィルム等が挙げられる。また外装体は液不透過性を有していた方が防漏性の観点から好ましく、通気性及び水蒸気の透過性を有していた方が、おむつ内の過度の湿度の上昇を防ぐために好ましい。
吸収性本体3をなす表面シート31は、排泄された体液を速やかに吸収し、吸収体に伝達する観点と肌触りのよさの観点とから親水性のサーマルボンド不織布が好ましく、特にエアスルー不織布が好ましい。表面シート31は親水化処理された熱可塑性樹脂繊維であり、かつ、該繊維が2次クリンプ又は3次クリンプのような立体捲縮がなされた繊維であることが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、及びこれらの複合繊維を作成し、所定の長さにカットしてステープルを形成する前の段階で、各種親水化剤を塗工する。親水化剤としては、αオレフィンスルホン酸塩に代表される各種アルキルスルホン酸塩、アクリル酸塩、アクリル酸塩/アクリルアミド共重合体、エステルアミド、エステルアミドの塩、ポリエチレングリコール及びその誘導物、水溶性ポリエステル樹脂、各種シリコーン誘導物、各種糖類誘導物、及びこれらの混合物など、当業者公知の親水化剤による親水化処理を用いることができる。
裏面シート32としては、液の透過を防ぎ透湿性を有していれば特に限定されないが、例えば疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー又は相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる多孔性フィルムが挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが挙げられる。該ポリオレフィンとしては、高〜低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられ、これらを単独で又は混合して用いることができる。
吸収体33としては、親水性繊維と高吸水性ポリマー粒子との混合物、親水性繊維と高吸水性ポリマー粒子と熱可塑性合成樹脂繊維との混合物、または、複数の繊維シートの間に高吸水性ポリマー粒子が挟まれた吸水性シートなどが挙げられる。前記親水性繊維としては、親水性表面を有する繊維を用いることができ、例えばセルロース繊維や、合成繊維を必要に応じ界面活性剤等により親水化処理したものが挙げられる。前記混合物の場合、その型崩れやポリマー粒子の脱落を防ぐため、その全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等の透液性シートに被覆されている。ポリマー粒子としては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のものを使用することができる。
本発明の吸収性物品は、上記の実施形態のパンツ型使い捨ておむつのほか、展開型使い捨ておむつ、生理用ショーツ、ショーツ型ナプキン、失禁パンツなどで、立体ギャザー部を有する吸収性物品を含む概念である。また、上記の構成に用途や機能に合わせ他の部材を適宜組み込んでもよい。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の吸収性物品及びその製造方法を開示する。
<1>表面シート、裏面シート、及び該両シートに挟持された吸収体を有し、前記表面シートの長手方向に沿う両側縁に、長手方向に伸縮性を有し、かつ着用時に肌側へと起立する一対の立体ギャザー部を備える吸収性物品であって、
前記立体ギャザー部は、起立基端部と自由端部とを有し、起立する高さ方向に伸縮性を有する第1構造部及び長手方向に伸縮性を有する第2構造部を、それぞれ、少なくとも1つ備え、
前記第1構造部は、高さ方向に伸長された状態で前記第2構造部の内側に位置しており、前記第2構造部よりも高さ方向に縮む応力が高い吸収性物品。
<2>前記立体ギャザー部は、前記吸収性物品の装着時に、自由端部が内側へ傾斜しながら、高さ方向に沿って外側に湾曲する前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>前記第1構造部は高さ方向に伸長した状態で前記第2構造部9の内側に接合されている前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>前記第2構造部及び第1構造部の前後端は、前記表面シート1と立体ギャザー部とを接合する前後端接合部で接合固定されている前記<1>〜<3>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<5>前記立体ギャザー部を構成する構造部のうち1つ以上が、弾性繊維と伸長可能な不織布とが一体化された一体型伸縮シートからなる、前記<1>〜<4>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<6>前記一体型伸縮シートは、多数の弾性繊維を実質非伸長状態で、伸長可能な不織布に融着させて一体化したものである前記<5>に記載の吸収性物品。
<7>前記一体型伸縮シートは、高さ方向と長手方向の2方向に伸縮性を有する前記<5>又は<6>に記載の吸収性物品。
<8>前記立体ギャザー部の最外側に、前記第2構造部として、長手方向に伸縮性を有する一体型伸縮シートが配されている前記<5>〜<7>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<9>前記第1構造部は、2枚の不織布の間に弾性部材を高さ方向に向け伸長状態にして貼り合わせた複合伸縮シートからなる前記<8>に記載の吸収性物品。
<10>前記立体ギャザー部の最内側に、前記第1構造部として、高さ方向に伸縮性を有する一体型伸縮シートが配されている前記<5>〜<7>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<11>前記第2構造部は、2枚の不織布の間に弾性部材を長手方向に向け伸長状態にして貼り合わせた複合伸縮シートからなる前記<10>に記載の吸収性物品。
<12>前記立体ギャザー部の最内側に、前記第1構造部として、高さ方向と長さ方向に伸縮性を有する一体型伸縮シートが配されており、最外側に、前記第2構造部として、長さ方向に伸縮性を有する一体型伸縮シートが配されている前記<5>〜<7>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<13>着用状態において、前記立体ギャザー部の前記自由端部の位置が高さ方向に最も吸収体から離れている前記<1>〜<12>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<14>前記吸収性物品の装着時における前記立体ギャザー部の起立状態で、前記第2構造部の部材幅の中心を通る曲線の長さが第1構造部8の部材幅の中心を通る曲線の長さの1倍以上が好ましく、1.1倍以下が好ましい、前記<1>〜<13>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<15>前記起立基端部と自由端部との間の高さ方向における中央から自由端部に向かって4分の1の位置までの範囲で、前記第2構造部の長手方向の収縮応力が前記第1構造部8の高さ方向の収縮応力よりも小さくされている前記<1>〜<14>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<16>前記立体ギャザー部の起立幅を高さ方向に二分した際、前記自由端部側に位置する部分のみが高さ方向に収縮力を有する前記<1>〜<15>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<17>前記立体ギャザー部の長手方向両端部に位置する表面シートとの接合部において、前記自由端部が内向きに折り込まれて接合されている、前記<1>〜<16>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<18>前記第1構造部の高さ方向における収縮応力と前記第2構造部の高さ方向における収縮応力の差は、1N以上が好ましく、2N以上がより好ましく、2.5N以上がさらに好ましい、前記<1>〜<17>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<19>前記第1構造部の高さ方向における収縮応力と前記第2構造部の高さ方向における収縮応力の差は、7N以下が好ましく、6N以下がより好ましく、5N以下がさらに好ましい、前記<1>〜<18>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<20>前記立体ギャザー部の第1構造部の高さ方向の収縮応力と第2構造部の長手方向の収縮応力との比は、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましい、前記<1>〜<19>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<21>前記立体ギャザー部の第1構造部の高さ方向の収縮応力と第2構造部の長手方向の収縮応力との比は、7以下が好ましく、6以下がより好ましく、5以下が更に好ましい、前記<1>〜<20>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<22>前記吸収性物品が、パンツ型使い捨ておむつ、展開型使い捨ておむつ、生理用ショーツ、ショーツ型ナプキン及び失禁パンツのいずれかである前記<1>〜<21>のいずれか1に記載の吸収性物品。
以下に、本発明について実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
図4に示す第1実施態様の立体ギャザー部を、大人用パンツ型使い捨ておむつである花王株式会社製「リリーフ はつらつパンツ 安心のうす型」(商品名)の立体ギャザー部として取り付けた。これを実施例1の試料S1とした。
(実施例2)
図11に示す第4実施態様の立体ギャザー部を、大人用パンツ型使い捨ておむつである花王株式会社製「リリーフ はつらつパンツ 安心のうす型」(商品名)の立体ギャザー部として取り付けた。これを実施例2の試料S2とした。
(比較例)
大人用パンツ型使い捨ておむつである花王株式会社製「リリーフ はつらつパンツ 安心のうす型」(商品名)の立体ギャザー部そのものを比較例の試料C1とした。
(評価)
上記の試料S1,S2及びC1について、次の方法によりおむつ装着状態における立体ギャザー部の起立状態について評価した。まず、試料の自然状態時のウエスト開口部の内部周長に合わせて中空円柱を作製した。中空円柱の素材は、変形性の低い厚紙を用いた(図14(A)参照)。次いで、作製した中空円柱の円周に沿うようにウエスト開口部を装着させ(図14(B)参照)、ウエスト開口部またはレッグ開口部から覗き込み(図14(C)及び(D)参照)、自由端位置が吸収体位置から最遠方に位置するか金尺を用いて測定した。
上記の中空円柱に装着した各試料の立体ギャザー部の起立状態について、実施例1及び実施例2では、いずれも自由端部52が起立基端部51よりも吸収性本体3側、すなわち内側XIにあり、立体ギャザー部の裏返りが防止される状態となっていた。一方、比較例では、自由端部52が、吸収体面と垂直で起立基端部51の延長線上に自由端部52があり、裏返りやすい状態となっていた。
2 外装体
3 吸収性本体
31 表面シート
32 裏面シート
33 吸収体
5 立体ギャザー部
51 起立基端部
52 自由端部
53 前後端接合部
54 ポケット
6 立体ギャザー用複合シート部材
8 第1構造部
8A 複合伸縮シート
8B、8C 一体型伸縮シート
9 第2構造部
9A 複合伸縮シート
9B 一体型伸縮シート
10 パンツ型使い捨ておむつ
13 レッグ開口部

Claims (7)

  1. 表面シート、裏面シート、及び該両シートに挟持された吸収体を有し、前記表面シートの長手方向に沿う両側縁に、着用時に肌側へと起立する一対の立体ギャザー部を備える吸収性物品であって、
    前記立体ギャザー部は、起立基端部と自由端部とを有し、起立する高さ方向に伸縮性を有する第1構造部及び長手方向に伸縮性を有する第2構造部を、それぞれ、少なくとも1つ備え、
    前記第1構造部は、前記起立基端部から自由端部まで、高さ方向に伸長された状態で前記第2構造部の内側に位置しており、前記第2構造部よりも高さ方向に縮む応力が高い吸収性物品。
  2. 表面シート、裏面シート、及び該両シートに挟持された吸収体を有し、前記表面シートの長手方向に沿う両側縁に、着用時に肌側へと起立する一対の立体ギャザー部を備える吸収性物品であって、
    前記立体ギャザー部は、起立基端部と自由端部とを有し、起立する高さ方向に伸縮性を有する第1構造部及び長手方向に伸縮性を有する第2構造部を、それぞれ、少なくとも1つ備え、
    前記第1構造部は、高さ方向に伸長された状態で前記第2構造部の内側に位置しており、前記第2構造部よりも高さ方向に縮む応力が高く、
    前記立体ギャザー部の起立幅を高さ方向に二分した際、前記自由端部側に位置する部分のみが高さ方向に収縮力を有する吸収性物品。
  3. 前記立体ギャザー部を構成する構造部のうち1つ以上が、弾性繊維と伸長可能な不織布とが一体化された一体型伸縮シートからなる、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記立体ギャザー部の最外側に、前記第2構造部として、長手方向に伸縮性を有する一体型伸縮シートが配されている請求項に記載の吸収性物品。
  5. 前記立体ギャザー部の最内側に、前記第1構造部として、高さ方向に伸縮性を有する一体型伸縮シートが配されている請求項又はに記載の吸収性物品。
  6. 前記立体ギャザー部の最内側に、前記第1構造部として、高さ方向と長さ方向に伸縮性を有する一体型伸縮シートが配されており、最外側に、前記第2構造部として、長さ方向に伸縮性を有する一体型伸縮シートが配されている請求項又はに記載の吸収性物品
  7. 前記立体ギャザー部の長手方向両端部に位置する表面シートとの接合部において、前記自由端部が内向きに折り込まれて接合されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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