JP6265513B2 - 印刷セキュリティー構造、この印刷セキュリティー構造を具える対象物、およびその製造方法 - Google Patents

Description

本発明は、概して、印刷可能な基材の上に設ける印刷セキュリティー構造に関し、この印刷セキュリティー構造は、印刷領域にわたって所定の分布で印刷された多数の幾何学的要素からなる印刷領域を含む。

欧州特許公開番号第ＥＰ０７１０５７４Ａ２およびＥＰ１２９１１９５Ａ１は、それぞれこのような印刷セキュリティー構造を開示している。

このような既知の印刷セキュリティー構造のさらなる改良は、贋造者による偽造をより困難にすることを必要とする。

したがって、本発明の全般的な目標は、既知の印刷セキュリティー構造を改良することである。

より具体的には、本発明の目的は、偽造が困難であり、適切な方法で製造するのに高精度の印刷装置を必要とするような印刷セキュリティー構造を提供することである。

本発明のさらなる他の目的は、紫外線などの非可視光で照らしたときに簡単に容易に理解できる光学的効果を形成して、簡単なツール（適切なＵＶ光源など）でセキュリティー構造の真偽を制御できるような解決法を提供することである。

これらの目的は、特許請求の範囲に規定された印刷セキュリティー構造によって達成される。

本発明により、印刷可能な基材上に施す印刷セキュリティー構造が提供され、この印刷セキュリティー構造は、印刷領域にわたって所定の分布で印刷された多数の幾何学的要素からなる第１の印刷セクションを少なくとも有する印刷領域を含む。本発明によると、幾何学的要素が、可視白色光で照らしたときに同じかほぼ同じ光学的外観を示す第１および第２のインクで少なくとも印刷され、可視白色光で照らしたときに印刷セキュリティー構造が第１の図形表示を示すようになっている。少なくとも第１のインクは、第２のインクと第１のインクを区別する特徴的な光学反応が生じることで、非可視光励起に反応するインクである。印刷セキュリティー構造は、非可視光に照らしたときに第２の図形表示を示し、この第２の図形表示は、印刷セキュリティー構造を非可視光に照らしたときにだけ現れる特徴的な二次元図形要素を示す。第１の印刷セクションは、特徴的な二次元図形要素の近くにある第１および第２の印刷部分と、特徴的な二次元の図形要素の境界の内側にある第３の印刷部分とを含む少なくとも３つの印刷部分に細分されている。第１の印刷部分では幾何学的要素が第１のインクで印刷され、一方で第２の印刷部分では幾何学的要素が第２のインクで印刷されている。これに対して第３の印刷部分では、幾何学的要素が第１および第２の連続部分に細分されており、第１の連続部分は第１のインクで印刷され、第２の印刷部分は第２のインクで印刷されている。第１のインクと第２のインクは一方が他方に対して位置を合わせて印刷され、特徴的な二次元図形要素の境界は、印刷セキュリティー構造を可視白色光で照らしたときには見えないが、印刷セキュリティー構造を非可視光で照らしたときにだけ特徴的な二次元図形要素が見えるようになっている。

本発明の重要な利点は、少なくとも第１と第２のインクを適切に重ね合わせて印刷するためには精密な印刷工程を必要とし、贋造者はこの印刷工程を容易に利用できない点にある。色彩間の位置のずれが、可視光下で見えるようになる特徴的な二次元図形要素の境界となり、これにより可視光下では通常隠れている二次元図形要素の存在が明らかになる。

特に有利な実施例によると、印刷領域は、第１の印刷セクションに加えて、同様に印刷領域にわたって所定の分布で印刷された多数の幾何学的要素からなる第２の印刷セクションを少なくとも含む。第２の印刷セクションの幾何学的要素は、可視白色光で照らしたときに同じかほぼ同じ光学的外観を示す第３および第４のインクで少なくとも印刷されており、この第３と第４のインクの光学的外観は、第１と第２のインクの光学的外観と異なる。少なくとも第３のインクは、第３のインクを第４のインクから区別する特徴的な光学反応が生じることで非可視光の励起に反応するインクである。この第３のインクの特徴的な光学反応は、第１のインクの特徴的な光学反応と同じかほぼ同じである。この場合、第１の図形表示と第２の図形表示は、第１および第２の印刷セクションが共同で形成する。第２の印刷セクションも同様に少なくとも３つの印刷部分に細分され、特徴的な二次元図形要素の近くにある第１および第２の印刷部分と、特徴的な二次元図形要素の境界の内側にある第３の印刷部分とを含む。第２の印刷セクションの第１の印刷部分では、幾何学的要素が第３のインクで印刷されている。第２の印刷セクションの第２の印刷部分では、幾何学的要素が第４のインクで印刷されている。第２の印刷セクションの第３の印刷部分では、幾何学的要素が第１および第２の連続部分に細分されており、第１の連続部分は第３の第３のインクで印刷され、第２の連続部分は第４のインクで印刷されている。この場合でも第３と第４のインクは一方が他方に対して位置を合わせて印刷され、特徴的な二次元図形要素の境界は、印刷セキュリティー構造を可視白色光で照らしたときには見えないが、印刷セキュリティー構造を非可視光で照らしたときにのみ特徴的な二次元図形要素が見えるようになっている。

本発明の一実施例によると、幾何学的要素は、直線形および曲線形要素などの線形要素とすることができる。この文脈では、線形要素の線幅および／または間隔を調整してハーフトーン画像を生成することが好ましい。

本発明のその他の実施例によると、幾何学的要素は、スクリーンを形成する反復要素とすることができる。この文脈では、反復要素を寸法調整してハーフトーン画像を生成することが好ましい。このような幾何学的要素は、少なくとも第１および第２の特徴的な幾何学的要素を並置することができ、第１および第２の幾何学的要素を印刷されていない分離線で分離してもよい。

幾何学的要素を、ミリメートル当たり２から５０要素の空間周波数で印刷することが好ましい。さらに、印刷セキュリティー構造のインク被覆割合は、３０％から７０％が有利であり、好ましくは４０％から６０％であり、５０％に近いことがより好ましい。

特に好ましい実施例によると（これ以降に説明するように）、第１のインクは、非可視光励起（好ましくは紫外線励起）にさらしたときに第１の蛍光色の可視反応を生成する第１の蛍光インクであり、第１の蛍光色は、印刷セキュリティー構造を非可視光励起にさらしたときに見える特徴的な二次元図形要素の形成に寄与する。この好ましい実施例の特に有利な変形例によると、第２のインクは非可視光励起にさらしたときに第２の蛍光色の可視反応を生成する第２の蛍光インクであり、この第２の蛍光色は第１の蛍光色とは異なる。特徴的な二次元図形要素の境界内では、第１と第２の連続部分が、非可視光励起にさらしたときに、第１と第２の蛍光色の加法混色がもたらす第３の蛍光色を生成してもよい。この第１と第２の蛍光色の加法混色は、連続部分が裸眼では個々に解像できないほど小さな寸法で印刷される場合に、特に増強される。

第２の連続部分の表面に対する第１の連続部分の表面の割合は、特徴的な二次元図形要素の境界内では、都合よく１／２から２の範囲内とすることができ、これにより、印刷セキュリティー構造を非可視光で照らした結果見えるようになる特徴的な二次元図形要素の、色見えの強度を調整する柔軟性を提供する。これは、上記の第１と第２の蛍光インクのそれぞれの寄与度を調整するのに特に有益である。

本発明のさらなる変形例によると、第１と第２の連続部分は、特徴的な二次元図形要素の境界内で、非可視光励起にさらしたときに、幾何学的要素の形状とは異なる特徴的な形状の幾何学パターンを具える構造を形成してもよい。

多数の幾何学的要素は、同時オフセット（Ｓｉｍｕｌｔａｎ−ｏｆｆｓｅｔ）で、つまり第１および第２のオフセット印刷版をそれぞれ第１および第２のインクでインキングして、印刷前に第１および第２のオフセット印刷版から共通のブランケット胴の上に、得られる第１および第２のインクパターンを転写することで印刷されることが好ましい。多数の幾何学的要素を、第１および第２のインクを適切に重ねて印刷するように構成された（凹版印刷などの）他の印刷工程を検討することもできる。

特許請求の範囲には、基材と、この基材の上に設けられた本発明による印刷セキュリティー構造とを具えた対象物も記載されている。この文脈では、印刷セキュリティー構造を非可視光励起の大部分を吸収する基材の部分に設けることが有利である。この部分は、基材自身の一部、またはセキュリティー構造を印刷する前に基材の上に貼った適切な層とすることができる。この部分が、背景は非可視光下でほとんど暗く見えるため、（非可視光で照らしたときに）セキュリティー構造と背景との間の良好なコントラストを確保する。

この対象物は、有価証書（特に紙幣等の高セキュリティー証書）、または偽造から保護すべき物品に貼ることができるセキュリティー要素（特に、例えばホットスタンプで転写可能なホイル要素、または物品の適切な表面上に積層可能なホイル要素などのホイル要素）とすることができる。

特許請求の範囲には、基材と印刷セキュリティー構造とを具える対象物の製造方法であって、印刷可能な基材を提供するステップと、本発明にかかるセキュリティー構造を基材上に印刷するステップとを具える製造方法も記載されている。

本発明のさらなる有利な実施例を以下に説明する。

本発明のその他の特徴と利点は、非限定的な例としてのみ示されている本発明の実施例の以下の詳細な説明と添付図面を読むことでより明らかになるであろう。

図１Ａは、本発明の第１の実施例にかかる印刷セキュリティー構造の概略図であり、可視白色光に照らした際の印刷セキュリティー構造を示している。 図１Ｂは、非可視光で照らしたときの図１Ａの印刷セキュリティー構造の写真イラストであり、この例では紫外線で照らして、可視白色光下では見えない特徴的な二次元図形要素を明らかにしている。 図１Ｃは、図１Ａの印刷セキュリティー構造の印刷領域を、図１Ｂの図形表示と特徴的な二次元図形要素をもたらす印刷部分に相当する部分に細分した概略図である。 図１Ｄは、図１Ａの印刷セキュリティー構造の第１および第２の部分領域の詳細図であり、特徴的な二次元図形要素の境界の内側と外側における、セキュリティー構造の印刷領域を構成する図形要素の詳細を示す。 図１Ｅは、図１Ａの印刷セキュリティー構造の第１および第２の部分領域の詳細図であり、特徴的な二次元図形要素の境界の内側と外側における、セキュリティー構造の印刷領域を構成する図形要素の詳細を示す。 図２Ａは、本発明の第２の実施例にかかる印刷セキュリティー構造の概略図であり、可視白色光に照らした際の印刷セキュリティー構造を示している。 図２Ｂは、非可視光で照らしたときの図２Ａの印刷セキュリティー構造の写真イラストであり、この例では紫外線で照らして、可視白色光下では見えない特徴的な二次元図形要素を明らかにしている。 図３Ａは、本発明の第３の実施例にかかる印刷セキュリティー構造の概略図であり、可視白色光に照らした際の印刷セキュリティー構造を示している。 図３Ｂは、非可視光で照らしたときの図３Ａの印刷セキュリティー構造の写真イラストであり、この例では紫外線で照らして、可視白色光下では見えない特徴的な二次元図形要素を明らかにしている。 図４Ａは、本発明の第４の実施例にかかる印刷セキュリティー構造の概略図であり、可視白色光に照らした際の印刷セキュリティー構造を示している。 図４Ｂは、非可視光で照らしたときの図４Ａの印刷セキュリティー構造の写真イラストであり、この例では紫外線で照らして、可視白色光下では見えない特徴的な二次元図形要素を明らかにしている。 図５Ａは、本発明の第５の実施例にかかる印刷セキュリティー構造の概略図であり、可視白色光に照らした際の印刷セキュリティー構造を示している。 図５Ｂは、非可視光で照らしたときの図５Ａの印刷セキュリティー構造の写真イラストであり、この例では紫外線で照らして、可視白色光下では見えない特徴的な二次元図形要素を明らかにしている。 図６Ａは、本発明の第６の実施例にかかる印刷セキュリティー構造の概略図であり、可視白色光に照らした際の印刷セキュリティー構造を示している。 図６Ｂは、非可視光で照らしたときの図６Ａの印刷セキュリティー構造の写真イラストであり、この例では紫外線で照らして、可視白色光下では見えない特徴的な二次元図形要素を明らかにしている。 図７Ａは、本発明の第７の実施例にかかる印刷セキュリティー構造の概略図であり、可視白色光に照らした際の印刷セキュリティー構造を示している。 図７Ｂは、非可視光で照らしたときの図７Ａの印刷セキュリティー構造の写真イラストであり、この例では紫外線で照らして、可視白色光下では見えない特徴的な二次元図形要素を明らかにしている。 図８Ａは、本発明の第８の実施例にかかる印刷セキュリティー構造の概略図であり、可視白色光に照らした際の印刷セキュリティー構造を示している。 図８Ｂは、非可視光で照らしたときの図８Ａの印刷セキュリティー構造の写真イラストであり、この例では紫外線で照らして、可視白色光下では見えない特徴的な二次元図形要素を明らかにしている。 図９Ａは、本発明の第９の実施例にかかる印刷セキュリティー構造の概略図であり、可視白色光に照らした際の印刷セキュリティー構造を示している。 図９Ｂは、非可視光で照らしたときの図９Ａの印刷セキュリティー構造の写真イラストであり、この例では紫外線で照らして、可視白色光下では見えない特徴的な二次元図形要素を明らかにしている。 図１０Ａは、本発明の第１０の実施例にかかる印刷セキュリティー構造の概略図であり、可視白色光に照らした際の印刷セキュリティー構造を示している。 図１０Ｂは、非可視光で照らしたときの図１０Ａの印刷セキュリティー構造の写真イラストであり、この例では紫外線で照らして、可視白色光下では見えない特徴的な二次元図形要素を明らかにしている。 図１１Ａは、本発明の第１１の実施例にかかる印刷セキュリティー構造の概略図であり、可視白色光に照らした際の印刷セキュリティー構造を示している。 図１１Ｂは、非可視光で照らしたときの図１１Ａの印刷セキュリティー構造の写真イラストであり、この例では紫外線で照らして、可視白色光下では見えない特徴的な二次元図形要素を明らかにしている。

本発明を、特に少なくとも第１および第２の蛍光インクにより印刷された印刷セキュリティー構造の文脈で説明しており、この第１および第２の蛍光インクは非可視光励起にさらしたときに対応する可視反応を生成し、この第１および第２のインクは、互いに異なるそれぞれ第１と第２の蛍光色の明確な可視反応を生成する。以下に説明する実施例では、第１の蛍光インクは緑色の蛍光を発するインクであり、第２の蛍光インクは、赤色の蛍光を発するインクである。これらの実施例は単なる例示であり、特許請求の範囲で規定された本発明の範囲から逸脱せずに他の蛍光色を考慮することもできる。

以下に理解できるように、第１と第２の蛍光インクを有利に組み合わせて、印刷セキュリティー構造の特定の位置で、第１と第２の蛍光色の加法混色がもたらす第３の蛍光色を形成するようにしてもよい。しかしながら、第３の色は実際は、第１と第２のインクで印刷した領域に関連する寸法と、加法混色における第１および第２の蛍光色の関連する寄与度に依存することが理解できるであろう。裸眼では解像できない小さな寸法は、２つのインクで印刷された個々の部分はこれらが連続する領域では裸眼で見えないため、第１および第２の蛍光色の加法混色を増強する。赤の寄与度が高いほど、第３の色は、黄色からオレンジに、そして赤へとより変化していく。緑の寄与度が高いほど、第３の色は、ライトグリーンに、そして緑へとより変化していく。

また、本発明の範囲内で、２つのインクが連続する印刷セキュリティー構造の関連位置を、裸眼で認識可能な蛍光構造を形成するようにすることも検討できる。

いずれにしろ、第１および第２のインクの組合せから生成されて得られた構造体は、裸眼または適切な拡大手段で確認可能な追加的セキュリティーを提供する。

本実施例では、非可視光励起は紫外線励起であると想定されている。しかしながら、非可視光励起は、代替的に、近赤外励起、または適切に可視反応を起こす可視スペクトラムの外側におけるその他の励起とすることができることを理解すべきである。本発明の範囲内において、非可視光励起に反応する１のみ、または２以上のインクを検討することもできる。

図１Ａ−Ｅから図１１Ａ−Ｂまでは、本発明の様々な実施例による印刷セキュリティー構造の例示である。図１Ａ−Ｅから図１１Ａ−Ｂに描かれた印刷セキュリティー構造は、縮尺通りではなく、拡大図で示してあることを理解されたい。実際には、セキュリティー構造全体の寸法は、高さと幅が数センチメートルの範囲内である。

各ケースにおいて、印刷セキュリティー構造が印刷可能な基材上に設けられており、印刷領域にわたって所定の分布で印刷された多数の幾何学的要素（概して参照符合ＧＥが付されている）で構成された印刷領域を含んでいる。この文脈では、印刷セキュリティー構造を非可視光励起の大部分を吸収する基材部分に設けることが有利である。この部分は、基材自身の一部でも、セキュリティー構造を印刷する前に基材の上に貼る適切な層でもよい。この部分が、背景は非可視光下でほとんど暗く見えるため、（非可視光で照らしたときに）セキュリティー構造と背景との間の良好なコントラストを確保する（図１Ｂ、２Ｂ、３Ｂ、４Ｂ、５Ｂ、６Ｂ、７Ｂ、８Ｂ、９Ｂ、１０Ｂおよび１１Ｂの写真イラスト参照）。

以下に説明する例では、幾何学的要素を少なくとも第１および第２のインクで（つまり上述のような緑の蛍光インクと赤の蛍光インクで）印刷することが有利であり、これらは可視白色光で照らしたときに同じかほぼ同じ光学的外観を示し、可視白色光で照らしたときに印刷セキュリティー構造が第１の図形表示（図１Ａ、２Ａ、３Ａ、４Ａ、５Ａ、６Ａ、７Ａ、８Ａ、９Ａ、１０Ａ、１１Ａにおいて参照番号Ａ１からＡ１１を付している）を形成するようになっている。印刷セキュリティー構造は、非可視光に照らしたときに第２の図形表示（図１Ｂ、２Ｂ、３Ｂ、４Ｂ、５Ｂ、６Ｂ、７Ｂ、８Ｂ、９Ｂ、１０Ｂ、１１Ｂにおいて参照番号Ｂ１からＢ１１を付している）を形成し、この第２の図形表示は、印刷セキュリティー構造を非可視光に照らしたときにだけ現れる特徴的な二次元の図形要素（参照番号Ｂを付している）を示す。この例において、特徴的な二次元図形要素は「１００」のパターンを形成しているが、この二次元図形要素は、任意の所望の形状または形態とすることができることを理解されたい。

代替的な（１２番目の）実施例では、第１および第２の蛍光インクに加えて第３および第４の蛍光インクを用いており、この第３および第４の蛍光インクは可視白色光で照らしたときに同じかほぼ同じ光学的外観を示すが、この光学的外観は、第１および第２の蛍光インクの光学的外観とは異なることを理解されたい。この代替的な実施例による印刷セキュリティー構造は、非可視光で照らしたときに、同じ（またはほぼ同じ）第２の図形表示を形成し、この第２の図形表示は、印刷セキュリティー構造を非可視光に照らしたときにだけ現れる特徴的な二次元図形要素Ｂ（つまり「１００」のパターン）を有する。

図１Ａ−Ｅから１１Ａ−Ｂまでのすべての例において、印刷セキュリティー構造の印刷領域は、少なくとも３つの印刷部分に細分された１の印刷セクションを含んでおり、この少なくとも３つの印刷部分は、特徴的な二次元図形要素Ｂの近くにある第１および第２の印刷部分（参照番号Ｐ１、Ｐ２を付してある）と、特徴的な二次元図形要素Ｂの境界２００の内側にある第３の印刷部分Ｐ３を含んでおり、この細分は概略的に図１Ｃに示されている。この第１の印刷部分Ｐ１では、幾何学的要素ＧＥが第１のインクで、つまり例示では緑の蛍光インクで印刷されている。第２の印刷部分Ｐ２では、幾何学的要素ＧＥが第２のインクで、つまり例示では赤の蛍光インクで印刷されている。これに対して、第３の印刷部分Ｐ３（すなわち、特徴的な二次元要素Ｂの境界２００の内側）では、幾何学的要素ＧＥが第１および第２の連続部分（通して参照番号ＧＥ＿ａ、ＧＥ＿ｂが付されている）に細分されており、第１の連続部分ＧＥ＿ａは第１のインク（緑の蛍光色）で印刷され、第２の連続部分ＧＥ＿ｂは第２のインク（赤の蛍光色）で印刷されている。

上述の１２番目の実施例の特定の例示では、印刷セキュリティー構造の印刷領域が、それぞれが同一原理に沿って印刷された２つの印刷セクションを含んでいる。より正確には、印刷セキュリティー構造の下部は、他の実施例と同じように第１および第２の蛍光インクで印刷されている。印刷セキュリティー構造の上部は、上記の第３および第４の蛍光インクで印刷されており、これらは可視光下で第１および第２の蛍光インクと異なる光学的外観を示すが、蛍光特性は第１および第２の蛍光インクと同じである。この上部も同様に少なくとも３つの印刷部分に細分されており、ここでも図１Ｃに概要を示すように、特徴的な二次元図形要素Ｂの近くにある第１および第２の印刷部分と、特徴的な二次元要素Ｂの境界２００の内側にある第３の印刷部分とを含む。この場合、上部の第１の印刷部分では、幾何学的要素ＧＥが第３のインクで、つまり例示では緑の蛍光インクで印刷されている。上部の第２の印刷部分では、幾何学的要素ＧＥが第４のインクで、つまり例示では赤の蛍光インクで印刷されている。同様に、上部の第３の印刷部分（すなわち、特徴的な二次元要素Ｂの境界２００の内側）では、幾何学的要素ＧＥが第１および第２の連続部分（通して参照番号ＧＥ＿ａ、ＧＥ＿ｂを付してある）に細分されており、第１の連続部分ＧＥ＿ａは第３のインク（緑の蛍光色）で印刷され、第２の連続部分ＧＥ＿ｂは第４のインク（赤の蛍光色）で印刷されている。第１および第３の蛍光色と、第２および第４の蛍光色は、それぞれ同一の蛍光色を示すため、非可視光下で明らかとなって得られる（第２の）図形表示は、他の実施例とほぼ同じままである（図８Ｂ参照）。

図示した例では、図１Ｃに示すように、すべてに共通して印刷部分Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３に細分される。しかしながら、本発明はこの特定の細分に限定されることはなく、これは単なる例示である。

本発明によると、第１と第２のインクは、一方が他方に対して位置を合わせて印刷され、特徴的な二次元要素Ｂの境界２００は、印刷セキュリティー構造を可視白色光で照らしたときには見えないが、印刷セキュリティー構造を非可視光で照らしたときにのみ特徴的な二次元図形要素Ｂが見えるようになることを理解すべきである。

図１Ａは、本発明の第１実施例にかかる、参照番号１０が付された印刷セキュリティー構造の概略図であり、可視白色光に照らしたときの印刷セキュリティー構造１０を示している。第１実施例によると、印刷セキュリティー構造１０は、参照番号１５が付された多数の幾何学的要素ＧＥから構成される印刷領域１１を含み、この幾何学的要素は、所定の空間周波数（有利にはミリメートルあたりで２から５０ラインの数とすることができる）で印刷された複数の平行線形要素の形状である。この例では、線形要素の線幅を、ハーフトーン画像Ａ１、つまり有名なマッターホルン（またはモンセルバン）山を形成するように有利に調整している。

図１Ｂは、非可視光で照らしたときの印刷セキュリティー構造１０の写真イラストであり、この例では紫外線で照らして、可視白色光下では見えない第２の図形表示Ｂ１と特徴的な二次元図形要素Ｂとを明らかにしている。より正確には、パターン「１００」の近くの上部にある第１の印刷部分Ｐ１は、緑の蛍光色の領域で現れて、一方でパターン「１００」の近くの下部にある第２の印刷部分Ｐ２は、赤の蛍光色の領域で現れる（図１Ｃの概略図も参照）。二次元図形要素Ｂの境界２００の内側では、第３の印刷部分Ｐ３が現れ、この領域では、緑色の（第１の）蛍光インクと赤色の（第２の）蛍光インクの両方が特徴的な二次元図形要素Ｂの全体の外観に寄与している。

図１Ｄと１Ｅは、図１Ａの印刷セキュリティー構造の第１および第２の部分領域Ｚ１およびＺ２（図１Ｃに配置されている）の詳細図であり、特徴的な二次元図形要素Ｂの境界２００の内側と外側における、セキュリティー構造１０の印刷領域１１を構成する幾何学的要素ＧＥ（１５）の詳細を示している。図１Ｄと１Ｅは、二次元図形要素Ｂの境界２００の内側、すなわち印刷部分Ｐ３内を示しており、幾何学的要素ＧＥ（１５）は第１および第２の連続部分ＧＥ＿ａおよびＧＥ＿ｂに細分されている。すなわち、第１および第２の連続部分ＧＥ＿ａおよびＧＥ＿ｂは、一方が他方に接合して連続するように印刷されている。第１の連続部分ＧＥ＿ａは第１の蛍光インク（すなわち、図１Ｄおよび１Ｅでソリッドカラーで識別される緑の蛍光インク）で印刷されており、一方で第２の連続部分ＧＥ＿ｂは第２のインク（すなわち、図１Ｄおよび１Ｅで斜線で識別される赤の蛍光インク）で印刷されている。二次元図形要素Ｂの境界２００の外側、つまり第１および第２の印刷部分Ｐ１およびＰ２では、幾何学的要素ＧＥ（１５）は、第１のインク（図１Ｄ参照）または第２のインク（図１Ｅ参照）のみで印刷されている。

第１および第２のインクは一方が他方に対して位置を合わせて印刷され、二次元図形要素Ｂの境界２００は、印刷セキュリティー構造を可視白色光で照らしたときには見えないが、印刷セキュリティー構造を非可視光で照らしたときにだけ特徴的な二次元図形要素Ｂが見えるようになっている。

図２Ａは、本発明の第２実施例にかかる、参照番号２０を付した印刷セキュリティー構造の概略図であり、可視白色光に照らしたときの印刷セキュリティー構造２０を示している。第２の実施例によると、印刷セキュリティー構造２０は、参照番号２５が付された多数の幾何学的要素ＧＥから構成される印刷領域２１を含んでおり、この幾何学的要素は、同心円形の曲線形要素の形状である。この同心円の空間周波数も同様に、ミリメートルあたり２から５０ラインの数とすることができる。第１の実施例に対して、幾何学的要素の線幅（および／または間隔）の目に見える調整は行われず、印刷セキュリティー構造２０は実質的に均一の外観Ａ２を示している。欧州特許公開番号第１２９１１９５Ａ１に説明されている原理によるわずかな調整（この調整は裸眼では容易に見えない）を行うことが有利である。上記文献は全体が参照により本書に組み込まれている。ＥＰ１２９１１９５Ａ１が教示するように、印刷セキュリティー構造２０を設ける基材の裏側に一致するパターンを印刷して、追加的なセキュリティーを提供するいわゆるシースルー特徴を生成することができる。

図２Ｂは、非可視光で照らしたときの印刷セキュリティー構造２０の写真イラストであり、この例では紫外線で照らして、可視白色光下では見えない第２の図形表示Ｂ２と特徴的な二次元図形要素Ｂを明らかにしている。印刷領域２１上の幾何学的要素の特定の配置と分布（これは第１実施例と異なる）を除いて、紫外線光下で得られる図形表示Ｂ２は図１Ｂのものと同様である。特に、印刷領域２１を３つの印刷部分Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３に細分することは図１Ｃの例示と同じである（これと同じことが図３Ａ−Ｂから１１Ａ−Ｂに示した例にもあてはまる）。

図３Ａは、本発明の第３実施例にかかる、参照番号３０を付した印刷セキュリティー構造の概略図であり、可視白色光に照らしたときの印刷セキュリティー構造３０を示している。第３実施例によると、印刷セキュリティー構造３０は、参照番号３５が付された多数の幾何学的要素ＧＥから構成される印刷領域３１を含んでおり、この幾何学的要素は、印刷領域３１の表面にわたって直角に延在する複雑に配置された直線形要素の形状である。第１実施例のように、線形要素ＧＥ（３５）の線幅をハーフトーン画像Ａ３、つまりマッターホルン山の表示を形成するように有利に調整されている。

図３Ｂは、紫外線で照らしたときの印刷セキュリティー構造３０の写真イラストであり、可視白色光下では見えない第２の図形表示Ｂ３と特徴的な二次元図形表示Ｂを明らかにしている。印刷領域３１上の幾何学的要素の特定の配置と分布（これは第１および第２実施例と異なる）を除いて、紫外線光下で得られる図形表示Ｂ３は図１Ｂおよび２Ｂのものと同様である。線形要素ＧＥ（３５）の複雑な配置と、第１および第２のインクの特定の組合せは、識別可能で追加的なセキュリティーを提供する印刷領域Ｐ３内の特定の蛍光構造をもたらしている。

図４Ａ、５Ａ、６Ａ、７Ａ、および８Ａは、本発明の第４から第８実施例にかかる、それぞれに参照番号４０、５０、６０、７０および８０が付された印刷セキュリティー構造の概略図であり、ここでも可視白色光に照らしたときの印刷セキュリティー構造を示している。これらの実施例によると、印刷セキュリティー構造４０、５０、６０、７０、８０は、それぞれ参照番号４５、５５、６５−６６、７５、および８５−８６が付された多数の幾何学的要素ＧＥで構成される印刷領域４１、５１、６１、７１、８１を含んでいる。この幾何学的要素はスクリーンを形成する反復要素の形態であり、この反復要素は、それぞれに対応するハーフトーン画像Ａ４、Ａ５、Ａ６、Ａ７、Ａ８を形成するように寸法調整されて、（第１および第３実施例のように）マッターホルン山を表示する。この反復要素は有利なことに、ミリメートルあたり２から５０要素の空間周波数で印刷することができる。

第４実施例では、反復要素は（ここでは立体形状で設計されている）相互連結した隣接した幾何学的要素４５であるが、第５から第８実施例では、反復要素５５、６５−６６、７１、８５−８６は関連する印刷領域５１、６１、７１、８１の特定の位置において隣接していない。第６実施例では、幾何学的要素ＧＥは、第１および第２の特徴的な幾何学的要素６５−６６、つまり十字形の第１の幾何学的要素６５と、正方形の第２の幾何学的要素６６との並置を含んでいる。第７実施例では、幾何学的要素ＧＥは、印刷領域７１の表面にわたって反復している英数字「１００」の文字列を含んでいる。第８の実施例では、幾何学的要素ＧＥは、印刷されていない分離線８８で分離された第１および第２の幾何学的要素８５、８６の並置を含んでいる。

図４Ｂ、５Ｂ、６Ｂ、７Ｂおよび８Ｂは、紫外線を照らしたときの印刷セキュリティー構造４０、５０、６０、７０、８０のそれぞれの写真イラストであり、ここでも可視白色光下では見えない第２の図形表示Ｂ４、Ｂ５、Ｂ６、Ｂ７、Ｂ８と特徴的な二次元図形要素Ｂを明らかにしている。印刷領域４１、５１、６１、７１、８１の幾何学的要素の特定の分布と配置（これは先の実施例と異なる）を除いて、紫外線光下で得られる図形表示Ｂ４、Ｂ５、Ｂ６、Ｂ７、Ｂ８は図１Ｂ、２Ｂ、３Ｂのものと同様である。特に、印刷領域４１、５１、６１、７１、８１を３つの印刷部分Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３に細分することは図１Ｃの例示と同じである。

第４の実施例の幾何学的要素ＧＥ（４５）を連続部分ＧＥ＿ａとＧＥ＿ｂに細分することは、第１から第３実施例の文脈で採用されている細分と原理的に同様であり、つまり幾何学的要素ＧＥ（４５）の関連する形状に実質的に続いている。これに対して、第５から第８実施例の文脈では、第１および第２の連続部分ＧＥ＿ａとＧＥ＿ｂは、非可視光励起にさらしたときに、幾何学的要素ＧＥ（５５、６５−６６、７５、８５−８６）の形状とは異なる特徴的な形状の幾何学パターンを具える構造を形成している。より正確には、第５および第８実施例（図５Ｂ、８Ｂ）に示す構造は、幾何学的要素ＧＥ（５５、８５−８６）から容易に区別することができる反復する三角形のパターンを示している。同様に、第６実施例（図６Ｂ）では、構造は個々に正方形の要素を有するチェス盤のパターンのように見え、これは幾何学的要素ＧＥ（６５−６６）から区別することができる。第７実施例（図７Ｂ）では、構造は英数字「１００」の文字列から区別することができる交互の水平線を示している。この原理は幾何学的要素ＧＥの実際の形状に関わらず適用可能であり、例えば第１から第３（および第９から第１１の）実施例の文脈に適用することができる。

図９Ａ、１０Ａおよび１１Ａは、本発明の第９から第１１実施例にかかる、それぞれに参照番号９０、１００、および１１０を付した印刷セキュリティー構造の概略図であり、ここでも可視白色光に照らしたときの印刷セキュリティー構造を示している。これらの実施例によると、印刷セキュリティー構造９０、１００、１１０は、それぞれ参照番号９５−９７、１０５−１０７、１１５−１１７が付された多数の幾何学的要素ＧＥから構成される印刷領域９１、１０１、１１１をそれぞれ含み、この幾何学的要素は、印刷領域９１、１０１、１１１のそれぞれの表面にわたって延在する複雑に配置された線形要素、つまり直線形と曲線形の要素の形状である。線形要素は対応するハーフトーン画像Ａ９、Ａ１０、Ａ１１をそれぞれ形成するように寸法調整されており、ここでも（第１および第３から第８実施例のように）マッターホルン山を表示する。

図９Ｂ、１０Ｂ、１１Ｂは、紫外線を照らしたときの印刷セキュリティー構造９０、１００、１１０のそれぞれの写真イラストであり、ここでも可視白色光下では見えない第２の図形表示Ｂ９、Ｂ１０、Ｂ１１と特徴的な二次元図形要素Ｂを明らかにしている。印刷領域９１、１０１、１１１の幾何学的要素の特定の配置と分布（これは先の実施例と異なる）を除いて、紫外線光下で得られる図形表示Ｂ９、Ｂ１０、Ｂ１１は、先の実施例のものと同様である。線形要素ＧＥ（９５−９７、１０５−１０７、１１５−１１７）の複雑な配置と、第１および第２のインクの特定の組合せは、識別可能で追加的なセキュリティーを提供する印刷領域Ｐ３内の特定の蛍光構造をもたらしている。

本発明の第１２実施例による印刷セキュリティー構造の例示を参照していくが、この第１２実施例は図８Ａ−Ｂに示す第８実施例の変形例である。

この第１２実施例（図示せず）によると、印刷セキュリティー構造が、多数の幾何学的要素ＧＥから構成される印刷領域を含む。例として、多数の幾何学的要素は、スクリーンを形成する反復要素の形状であり、この反復要素は寸法調整されて、図８Ａのハーフトーン画像Ａ８と似た対応するハーフトーン画像を形成し、同様に（第１および第３から第１１実施例の場合のように）マッターホルン山を表示する。この反復要素も有利なことに、ミリメートルあたり２から５０要素の空間周波数で印刷することができる。

第８実施例に比べて、印刷領域はこの例示では、第１の（下部）セクション（この場合マッターホルン山の景色を表示する）と、第２の（上部）セクション（この場合マッターホルン山の周りの空を表示する）とを含む。この第１と第２のセクションへの細分は、当然ながら単なる例示である。

この例示では、（幾何学的要素を構成する）第１の（下部）セクションは、他の実施例と同じように第１および第２の蛍光インクで印刷されている。したがって、上記の説明は第１のセクションにも当てはまり、上記とまったく同じように印刷される。

この例示では、（幾何学的要素を構成する）第２の（上部）セクションは、可視光で照らしたときに同じかほぼ同じ光学的外観を示す第３と第４の蛍光インクで印刷されているが、この光学的外観は第１と第２の蛍光インクの光学的外観とは異なる。このようにして、第１２実施例による印刷セキュリティー構造の第１と第２の印刷セクションの間の明確な区別を形成することができる。

しかしながら、第３のインクは、第１の蛍光インク（例えばこの例では緑の蛍光色）と同じかほぼ同じ第１の蛍光色を示す。同様に、第４の蛍光インクは、第２の蛍光インク（例えばこの例では赤の蛍光色）と同じかほぼ同じ第２の蛍光色を示す。

第２の（上部）セクションは、第３と第４の蛍光インクで印刷され、第１の（下部）セクションの場合と同じ基本的な原理に従っている。このようにして、非可視光で照らしたときに、この第１２実施例による印刷セキュリティー構造は、特徴的な二次元図形要素Ｂを有する同じ（またはほぼ同じ）第２の図形表示を形成し、この図形要素は印刷セキュリティー構造を非可視光で照らしたときにのみ現れる（つまりこの例では「１００」のパターンである）。この点では、この例示において、第２の図形表示は図８Ｂに示す第２の図形表示Ｂ８と基本的に同じである。

したがって、この例示において、上部も同様に少なくとも３つの部分に細分されており、ここでも図１Ｃに概要を示すように、特徴的な二次元図形要素Ｂの近くにある第１および第２の印刷部分と、特徴的な二次元図形要素Ｂの境界２００の内側にある第３の印刷部分とを含む。この場合、上部の第１の印刷部分では、幾何学的要素ＧＥが第３のインクで、つまり例示では緑の蛍光インクで印刷されている。上部の第２の印刷部分では、幾何学的要素ＧＥが第４のインクで、つまり例示では赤の蛍光インクで印刷されている。同様に、上部の第３の印刷部分（すなわち、特徴的な二次元要素Ｂの境界２００の内側）では、幾何学的要素ＧＥが第１および第２の連続部分に細分されており、第１の印刷部分が第３のインク（緑の蛍光色）で印刷され、第２の連続部分が第４のインク（赤の蛍光色）で印刷されている。第１と第３の蛍光インク、第２と第４の蛍光インクはそれぞれ同じ蛍光色を示すため、非可視光下で明らかとなり得られる（第２の）図形表示は、図８Ａ−Ｂの実施例とほぼ同じままである。

第１２実施例に関して説明した原理は、説明した特定の例示に限定されるものではなく、可視光下で異なる光学的外観を示す少なくとも２つの印刷セクションを有するセキュリティー構造の提供を望む場合に、直ちに適用できることを理解できるであろう。したがって、この原理を、２以上のこのような印刷セクションを有する印刷セキュリティー構造に拡大することができ、特に本明細書に記載したいずれかの他の実施例の文脈で適用することができる。

前述の実施例では、第１の連続部分ＧＥ＿ａの表面の、第２の連続部分ＧＥ＿ｂの表面に対する割合は、二次元図形要素Ｂの境界２００の内側でほぼ１に等しい。すなわち、図１Ａ−Ｅから１１Ａ−Ｂのイラストにおいて、それぞれの連続部分の領域は、対応する幾何学的要素ＧＥの領域の約半分（つまり５０％）である。この割合は必要であれば変えることができる。この割合を１／２から２の範囲内とすることで、前述の好ましい実施例で用いる第１と第２の蛍光インクのそれぞれの寄与度を調整する柔軟性を提供することが好ましい。

本発明の文脈では、幾何学的要素ＧＥでカバーされた有効印刷領域（つまりインクで有効にカバーされた領域）を、３０％から７０％の範囲内、好ましくは４０％から６０％の範囲内、より好ましくは５０％近く確保することが有利である。つまり、本発明の印刷セキュリティー構造のインク被覆割合は、３０％から７０％の範囲内で、好ましくは４０％から６０％の範囲内であり、５０％に近いことがより好ましい。

幾何学的要素ＧＥの寸法とその空間周波数を検討するかぎり、ミリメートルあたり２から５０要素の数の空間周波数で印刷領域に印刷された幾何学的要素ＧＥを確保することが好ましい。

幾何学的要素ＧＥの印刷は、同時オフセット（Ｓｉｍｕｌｔａｎ−ｏｆｆｓｅｔ）で、つまり第１および第２のオフセット印刷版をそれぞれ第１および第２のインクでインキングして、印刷前に第１および第２のオフセット印刷版から共通のブランケット胴の上に、得られる第１および第２のインクパターンを転写することで実行することが好ましい。多数の幾何学的要素を、第１および第２のインクを適切に重ねて印刷するように構成された（凹版印刷などの）他の印刷工程を検討することもできる。適切な同時オフセット印刷機は、例えば欧州特許公開番号第ＥＰ０９４９０６９Ａ１に開示されており、この内容は参照により本明細書に組み込まれている。前述のセキュリティー構造１０、２０、３０、４０、５０、６０、７０、８０、９０、１００、１１０は、シート（またはその他の適切な基材）の一方または他方の面に、ＥＰ０９４９０６９Ａ１の印刷機のメイン印刷グループにおける一方または他方のブランケット胴と協働する少なくとも２つの４版胴を用いて、都合よく印刷することができる（上記文献の図１における、共通のブランケット胴２、３とそれぞれ協働する関連する版胴に付された参照番号４−７と８−１１を参照）。上記に記載した第１２実施例は、一方または他方のブランケット胴２または３と協働するすべての４つの版胴４−７または８−１１を用いて印刷できることが理解できるであろう。代替的に、前述のセキュリティー構造１０、２０、３０、４０、５０、６０、７０、８０、９０、１００、１１０は、シートの一方の面に、ＥＰ０９４９０６９Ａ１の印刷機の追加的な印刷グループにおけるブランケット胴と協働する２つの版胴を用いて印刷することもできる（上記文献の図１における、共通のブランケット胴２２と協働する関連する版胴に付された参照番号２３、２４参照）。

様々な変形例および改良例を、添付した特許請求の範囲により規定される本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施例に作成することができる。

前述のように、本発明の範囲内で、印刷領域は、セキュリティー構造の印刷領域にわたって所定の分布で印刷された多数の幾何学的要素から構成することができる。したがって、本発明は示した例に限定されず、添付した特許請求の範囲により規定される本発明の範囲から逸脱することなく、その他の幾何学的要素を検討することもできる。

符合の説明

Ｂ 印刷セキュリティー構造１０、２０、３０、４０、５０、６０、７０、８０、９０、１００または１１０を非可視光で照らしたときに明らかになる（例えば「１００」のパターンである）特徴的な二次元図形要素（図１Ｂ、１Ｃ、２Ｂ、３Ｂ、４Ｂ、５Ｂ、６Ｂ、７Ｂ、８Ｂ、９Ｂ、１０Ｂ、１１Ｂ）
２００ 二次元図形要素Ｂの境界（可視白色光で照らしたときには見えない）
ＧＥ 印刷セキュリティー構造１０、２０、３０、４０、５０、６０、７０、８０、９０、１００または１１０を形成する幾何学的要素
ＧＥ＿ａ 特徴的な二次元図形要素Ｂの境界２００の内側にある幾何学的要素ＧＥの第１の（連続）部分であって、非可視光励起に反応して特徴的な光学的反応を生成する第１（第３）のインクで印刷された第１の（連続）部分／例えば、（第１と第３の）蛍光インクは、非可視光励起（例えば紫外線励起）にさらしたときに、（第１の）蛍光色（例えば緑）を生成する。
ＧＥ＿ｂ 第２（第４）のインクで印刷されている、特徴的な二次元図形要素Ｂの境界２００の内側にある幾何学的要素ＧＥの第２の（連続）部分／例えば（第２と第４の）蛍光インクは、非可視光励起（例えば紫外線光励起）にさらしたときに、（第２の）蛍光色（例えば赤）を生成する。

１０ 印刷セキュリティー構造（図１Ａ−１Ｅの第１実施例）
１１ 印刷セキュリティー構造１０の印刷領域
１５ 印刷セキュリティー構造１０を形成する幾何学的要素
Ａ１ 印刷セキュリティー構造１０を可視白色光で照らしたときに見える第１の図形表示（図１Ａ）
Ｂ１ 印刷セキュリティー構造１０を非可視光で照らしたときに見えるようになる第２の図形表示（図１Ｂ）
Ｚ１ 印刷セキュリティー構造１０の拡大部分（図１Ｃ、１Ｄ）
Ｚ２ 印刷セキュリティー構造１０の拡大部分（図１Ｃ、１Ｅ）

２０ 印刷セキュリティー構造（図２Ａ、２Ｂの第２実施例）
２１ 印刷セキュリティー構造２０の印刷領域
２５ 印刷セキュリティー構造２０を形成する幾何学的要素
Ａ２ 印刷セキュリティー構造２０を可視白色光で照らしたときに見える第１の図形表示（図２Ａ）
Ｂ２ 印刷セキュリティー構造２０を非可視光で照らしたときに見えるようになる第２の図形表示（図２Ｂ）

３０ 印刷セキュリティー構造（図３Ａ、３Ｂの第３実施例）
３１ 印刷セキュリティー構造３０の印刷領域
３５ 印刷セキュリティー構造３０を形成する幾何学的要素
Ａ３ 印刷セキュリティー構造３０を可視白色光で照らしたときに見える第１の図形表示（図３Ａ）
Ｂ３ 印刷セキュリティー構造３０を非可視光で照らしたときに見えるようになる第２の図形表示（図３Ｂ）

４０ 印刷セキュリティー構造（図４Ａ、４Ｂの第４実施例）
４１ 印刷セキュリティー構造４０の印刷領域
４５ 印刷セキュリティー構造４０を形成する幾何学的要素
Ａ４ 印刷セキュリティー構造４０を可視白色光で照らしたときに見える第１の図形表示（図４Ａ）
Ｂ４ 印刷セキュリティー構造４０を非可視光で照らしたときに見えるようになる第２の図形表示（図４Ｂ）

５０ 印刷セキュリティー構造（図５Ａ、５Ｂの第５実施例）
５１ 印刷セキュリティー構造５０の印刷領域
５５ 印刷セキュリティー構造５０を形成する幾何学的要素
Ａ５ 印刷セキュリティー構造５０を可視白色光で照らしたときに見える第１の図形表示（図５Ａ）
Ｂ５ 印刷セキュリティー構造５０を非可視光で照らしたときに見えるようになる第２の図形表示（図５Ｂ）

６０ 印刷セキュリティー構造（図６Ａ、６Ｂの第６実施例）
６１ 印刷セキュリティー構造６０の印刷領域
６５−６６ 印刷セキュリティー構造６０を形成する（第１および第２の）幾何学的要素
Ａ６ 印刷セキュリティー構造６０を可視白色光で照らしたときに見える第１の図形表示（図６Ａ）
Ｂ６ 印刷セキュリティー構造６０を非可視光で照らしたときに見えるようになる第２の図形表示（図６Ｂ）

７０ 印刷セキュリティー構造（図７Ａ、７Ｂの第７実施例）
７１ 印刷セキュリティー構造７０の印刷領域
７５ 印刷セキュリティー構造７０を形成する幾何学的要素
Ａ７ 印刷セキュリティー構造７０を可視白色光で照らしたときに見える第１の図形表示（図７Ａ）
Ｂ７ 印刷セキュリティー構造７０を非可視光で照らしたときに見えるようになる第２の図形表示（図７Ｂ）

８０ 印刷セキュリティー構造（図８Ａ、８Ｂの第８実施例）
８１ 印刷セキュリティー構造８０の印刷領域
８５−８６ 印刷セキュリティー構造８０を形成する（第１および第２の）幾何学的要素
８８ 第１および第２の幾何学的要素８５−８６の間の印刷されていない分離線
Ａ８ 印刷セキュリティー構造８０を可視白色光で照らしたときに見える第１の図形表示（図８Ａ）
Ｂ８ 印刷セキュリティー構造８０を非可視光で照らしたときに見えるようになる第２の図形表示（図８Ｂ）

９０ 印刷セキュリティー構造（図９Ａ、９Ｂの第９実施例）
９１ 印刷セキュリティー構造９０の印刷領域
９５−９７ 印刷セキュリティー構造９０を形成する幾何学的要素
Ａ９ 印刷セキュリティー構造９０を可視白色光で照らしたときに見える第１の図形表示（図９Ａ）
Ｂ９ 印刷セキュリティー構造９０を非可視光で照らしたときに見えるようになる第２の図形表示（図９Ｂ）

１００ 印刷セキュリティー構造（図１０Ａ、１０Ｂの第１０実施例）
１０１ 印刷セキュリティー構造１００の印刷領域
１０５−１０７ 印刷セキュリティー構造１００を形成する幾何学的要素
Ａ１０ 印刷セキュリティー構造１００を可視白色光で照らしたときに見える第１の図形表示（図１０Ａ）
Ｂ１０ 印刷セキュリティー構造１００を非可視光で照らしたときに見えるようになる第２の図形表示（図１０Ｂ）

１１０ 印刷セキュリティー構造（図１１Ａ、１１Ｂの第１１実施例）
１１１ 印刷セキュリティー構造１１０の印刷領域
１１５−１１７ 印刷セキュリティー構造１１０を形成する幾何学的要素
Ａ１１ 印刷セキュリティー構造１１０を可視白色光で照らしたときに見える第１の図形表示（図１１Ａ）
Ｂ１１ 印刷セキュリティー構造１１０を非可視光で照らしたときに見えるようになる第２の図形表示（図１１Ｂ）

Ｐ１ 特徴的な二次元図形要素Ｂの近くにあり、第１（第３）のインクでのみ印刷された幾何学的要素から構成されている、印刷領域１１、２１、３１、４１、５１、６１、７１、８１、９１、１０１、１１１の関連するセクションの（第１の）印刷部分。
Ｐ２ 特徴的な二次元図形要素Ｂの近くにあり、第２（第４）のインクでのみ印刷された幾何学的要素から構成されている、印刷領域１１、２１、３１、４１、５１、６１、７１、８１、９１、１０１、１１１の関連するセクションの（第２の）印刷部分。
Ｐ３ 特徴的な二次元図形要素Ｂの境界２００の内側にあり、第１（第３）のインクで印刷された第１の連続部分ＧＥ＿ａと、第２（第４）のインクで印刷された第２の連続部分とに細分された幾何学的要素から構成されている、印刷領域１１、２１、３１、４１、５１、６１、７１、８１、９１、１０１、１１１の関連するセクションの（第３）の印刷部分。

Claims (24)

1. 印刷可能な基材の上に設けられる印刷セキュリティー構造（１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）において、当該印刷セキュリティー構造（１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）が、印刷領域（１１；２１；３１；４１；５１；６１；７１；８１；９１；１０１；１１１）にわたって所定の分布で印刷された多数の幾何学的要素（ＧＥ；１５；２５；３５；４５；５５；６５−６６；７５；８５−８６；９５−９７；１０５−１０７；１１５−１１７）から構成されている少なくとも第１の印刷セクションを有する印刷領域（１１；２１；３１；４１；５１；６１；７１；８１；９１；１０１；１１１）を具え、
   前記幾何学的要素（ＧＥ；１５；２５；３５；４５；５５；６５−６６；７５；８５−８６；９５−９７；１０５−１０７；１１５−１１７）が、可視白色光で照らしたときに同じかほぼ同じ光学的外観を示す第１および第２のインクで少なくとも印刷され、前記印刷セキュリティー構造（１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）は、可視白色光で照らしたときに第１の図形表示（Ａ１；Ａ２；Ａ３；Ａ４；Ａ５；Ａ６；Ａ７；Ａ８；Ａ９；Ａ１０；Ａ１１）を形成し、少なくとも前記第１のインクが、第１のインクを第２のインクと区別する特徴的な光学反応が生じることで非可視光励起に反応するインクであり、
   前記印刷セキュリティー構造（１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）は、非可視光に照らしたときに第２の図形表示（Ｂ１；Ｂ２；Ｂ３；Ｂ４；Ｂ５；Ｂ６；Ｂ７；Ｂ８；Ｂ９；Ｂ１０；Ｂ１１）を形成し、当該第２の図形表示（Ｂ１；Ｂ２；Ｂ３；Ｂ４；Ｂ５；Ｂ６；Ｂ７；Ｂ８；Ｂ９；Ｂ１０；Ｂ１１）が、前記印刷セキュリティー構造（１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）を非可視光で照らしたときにのみ現れる特徴的な二次元図形要素（Ｂ）を示し、
   前記第１の印刷セクションが、前記特徴的な二次元図形要素（Ｂ）の近くにある第１および第２の印刷部分（Ｐ１、Ｐ２）と、前記特徴的な二次元図形要素（Ｂ）の境界（２００）の内側にある第３の印刷部分（Ｐ３）と、を含む少なくとも３つの印刷部分（Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３）に細分されており、
   前記第１の印刷部分（Ｐ１）では、前記幾何学的要素（ＧＥ；１５；２５；３５；４５；５５；６５−６６；７５；８５−８６；９５−９７；１０５−１０７；１１５−１１７）が前記第１のインクで印刷されており、
   前記第２の印刷部分（Ｐ２）では、前記幾何学的要素（ＧＥ；１５；２５；３５；４５；５５；６５−６６；７５；８５−８６；９５−９７；１０５−１０７；１１５−１１７）が前記第２のインクで印刷されており、
   前記第３の印刷部分（Ｐ３）では、前記幾何学的要素（ＧＥ；１５；２５；３５；４５；５５；６５−６６；７５；８５−８６；９５−９７；１０５−１０７；１１５−１１７）が第１および第２の連続部分（ＧＥ＿ａ、ＧＥ＿ｂ）に細分されて、前記第１の連続部分（ＧＥ＿ａ）が前記第１のインクで印刷され、前記第２の連続部分（ＧＥ＿ｂ）が前記第２のインクで印刷されており、
   前記第１および第２のインクが、一方が他方に対して位置を合わせて印刷され、前記特徴的な二次元図形要素（Ｂ）の境界（２００）は、前記印刷セキュリティー構造（１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）を可視光で照らしたときには見えないが、前記印刷セキュリティー構造（１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）を非可視光で照らしたときにのみ、前記特徴的な二次元図形要素（Ｂ）が見えるようになることを特徴とする印刷セキュリティー構造。
2. 請求項１に記載の印刷セキュリティー構造において、前記印刷領域が、前記第１の印刷セクションに加えて、前記印刷領域にわたって所定の分布で印刷された多数の幾何学的要素（ＧＥ）から構成されている第２の印刷セクションを少なくとも具え、
   前記第２の印刷セクションの幾何学的要素（ＧＥ）が、可視白色光で照らしたときに同じかほぼ同じ光学的外観を示す第３および第４のインクで少なくとも印刷されており、前記第３および第４のインクの光学的外観は、前記第１および第２のインクと光学的外観と異なり、
   少なくとも前記第３のインクが、前記第３のインクと第４のインクを区別する特徴的な光学反応が生じることで非可視光励起に反応するインクであり、前記第３のインクの特徴的な光学反応が、前記第１のインクの特徴的な光学反応と同じかほぼ同じであり、
   前記第１の図形表示と前記第２の図形表示を、前記第１および第２の印刷セクションが協働で形成しており、
   前記第２の印刷セクションが、前記特徴的な二次元図形要素（Ｂ）の近くにある第１および第２の印刷部分（Ｐ１、Ｐ２）と、前記特徴的な二次元図形要素（Ｂ）の境界（２００）の内側にある第３の印刷部分（Ｐ３）と、を含む少なくとも３つの印刷部分（Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３）に細分されており、
   前記第２の印刷セクションの第１の印刷部分（Ｐ１）では、前記幾何学的要素（ＧＥ）が前記第３のインクで印刷されており、
   前記第２の印刷セクションの第２の印刷部分（Ｐ２）では、前記幾何学的要素（ＧＥ）が前記第４のインクで印刷されており、
   前記第２の印刷セクションの第３の印刷部分（Ｐ３）では、前記幾何学的要素（ＧＥ）が第１および第２の連続部分（ＧＥ＿ａ、ＧＥ＿ｂ）に細分されて、前記第１の連続部分（ＧＥ＿ａ）が前記第３のインクで印刷され、前記第２の連続部分（ＧＥ＿ｂ）が前記第４のインクで印刷されており、
   前記第３および第４のインクが、一方が他方に対して位置を合わせて印刷され、前記特徴的な二次元図形要素（Ｂ）の境界（２００）は、前記印刷セキュリティー構造を可視白色光で照らしたときには見えないが、前記印刷セキュリティー構造を非可視光で照らしたときにのみ、前記特徴的な二次元図形要素（Ｂ）が見えるようになることを特徴とする印刷セキュリティー構造。
3. 請求項１または２に記載の印刷セキュリティー構造（１０；２０；３０；９０；１００；１１０）において、前記幾何学的要素（ＧＥ；１５；２５；３５；９５−９７；１０５−１０７；１１５−１１７）が、直線形または曲線形の要素のような線形要素であることを特徴とする印刷セキュリティー構造。
4. 請求項３に記載の印刷セキュリティー構造（１０；２０；３０；９０；１００；１１０）において、前記線形要素の線幅および／または間隔を調整してハーフトーン画像を形成していることを特徴とする印刷セキュリティー構造。
5. 請求項１または２に記載の印刷セキュリティー構造（４０；５０；６０；７０；８０）において、前記幾何学的要素（ＧＥ；４５；５５；６５−６６；７５；８５−８６）が、スクリーンを形成する反復要素であることを特徴とする印刷セキュリティー構造。
6. 請求項５に記載の印刷セキュリティー構造（４０；５０；６０；７０；８０）において、前記反復要素を寸法調整してハーフトーン画像を形成していることを特徴とする印刷セキュリティー構造。
7. 請求項５または６に記載の印刷セキュリティー構造（６０；８０）において、前記幾何学的要素（ＧＥ；６５−６６；８５−８６）が、少なくとも第１および第２の特徴的な幾何学的要素（６５−６６；８５−８６）の並置を含むことを特徴とする印刷セキュリティー構造。
8. 請求項７に記載の印刷セキュリティー構造（８０）において、前記第１および第２の特徴的な幾何学的要素（８５；８６）が、印刷されていない分離線（８８）によって分離されていることを特徴とする印刷セキュリティー構造。
9. 請求項１乃至８のいずれか１項に記載の印刷セキュリティー構造(１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）において、前記幾何学的要素（ＧＥ；１５；２５；３５；４５；５５；６５−６６；７５；８５−８６；９５−９７；１０５−１０７；１１５−１１７）が、ミリメートルあたり２から５０要素の空間周波数で印刷されていることを特徴とする印刷セキュリティー構造。
10. 請求項１乃至９のいずれか１項に記載の印刷セキュリティー構造(１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）において、前記印刷セキュリティー構造のインク被覆割合が、３０％から７０％の範囲内であることを特徴とする印刷セキュリティー構造。
11. 請求項１乃至１０のいずれか１項に記載の印刷セキュリティー構造(１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）において、前記第１のインクが、非可視光励起にさらしたときに第１の蛍光色の可視反応を生成する第１の蛍光インクであり、
    前記第１の蛍光色が、前記印刷セキュリティー構造(１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）を非可視光励起にさらしたときに見える特徴的な二次元図形要素（Ｂ）の形成に寄与することを特徴とする印刷セキュリティー構造。
12. 請求項１１に記載の印刷セキュリティー構造(１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）において、前記第２のインクが、非可視光励起にさらしたときに第２の蛍光色の可視反応を生成する第２の蛍光インクであり、前記第２の蛍光色は前記第１の蛍光色と異なることを特徴とする印刷セキュリティー構造。
13. 請求項２に記載の印刷セキュリティー構造において、前記第１のインクが、非可視光励起にさらしたときに第１の蛍光色の可視反応を生成する第１の蛍光インクであり、前記非可視光励起が紫外線励起であり、
    前記第１の蛍光色が、前記印刷セキュリティー構造を前記非可視光励起にさらしたときに見える特徴的な二次元図形要素（Ｂ）の形成に寄与し、
    前記第３のインクが、前記非可視光励起にさらしたときに、前記第１の蛍光インクと同じかほぼ同じ第１の蛍光色の可視反応を生成する蛍光インクであることを特徴とする印刷セキュリティー構造。
14. 請求項１３に記載の印刷セキュリティー構造において、前記第２のインクが、前記非可視光励起にさらしたときに第２の蛍光色の可視反応を生成する第２の蛍光インクであり、前記第２の蛍光色が前記第１の蛍光色と異なり、
    前記第４のインクが、前記非可視光励起に照らしたときに、前記第２の蛍光インクと同じかほぼ同じ第２の蛍光色の可視反応を生成する蛍光インクであることを特徴とする印刷セキュリティー構造。
15. 請求項１２または１４に記載の印刷セキュリティー構造(１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）において、前記特徴的な二次元図形要素（Ｂ）の境界（２００）の内側では、前記第１および第２の連続部分（ＧＥ＿ａ、ＧＥ＿ｂ）が、前記非可視光励起にさらしたときに、前記第１および第２の蛍光色の加法混色がもたらす第３の蛍光色を形成することを特徴とする印刷セキュリティー構造。
16. 請求項１１乃至１５のいずれか１項に記載の印刷セキュリティー構造(１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）において、前記非可視光励起が紫外線励起であることを特徴とする印刷セキュリティー構造。
17. 請求項１乃至１６のいずれか１項に記載の印刷セキュリティー構造(１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）において、前記第１の連続部分（ＧＥ＿ａ）の表面の、前記第２の連続部分（ＧＥ＿ｂ）に対する割合が、前記特徴的な二次元図形要素（Ｂ）の境界（２００）の内側で、１／２から２の範囲内であることを特徴とする印刷セキュリティー構造。
18. 請求項１乃至１７のいずれか１項に記載の印刷セキュリティー構造（５０；６０；７０；８０）において、前記特徴的な二次元図形要素（Ｂ）の境界（２００）の内側で、前記第１および第２の連続部分（ＧＥ＿ａ、ＧＥ＿ｂ）が、前記非可視光励起にさらしたときに、前記幾何学的要素（ＧＥ；５５；６５−６６；７５；８５−８６）の形状とは異なる特徴的な形状の幾何学パターンを具える構造を形成することを特徴とする印刷セキュリティー構造。
19. 基材と、請求項１乃至１８のいずれか１項に記載印刷セキュリティー構造(１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）とを具える対象物であって、前記印刷セキュリティー構造(１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）が前記基材の上に設けられていることを特徴とする対象物。
20. 請求項１９に記載の対象物において、前記印刷セキュリティー構造(１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）が、非可視光励起の大部分を吸収する基材の部分に設けられていることを特徴とする対象物。
21. 請求項１９または２０に記載の対象物において、前記対象物が、有価証書であり、または偽造から保護すべき物品に貼ることができるセキュリティー要素であることを特徴とする対象物。
22. 基材と印刷セキュリティー構造を具える対象物の製造方法において、当該方法が：
    印刷可能な基材を提供するステップと；
    請求項１乃至１８のいずれか１項に記載印刷セキュリティー構造(１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）を、前記基材の上に印刷するステップと；
    を具えることを特徴とする方法。
23. 請求項２２に記載の方法において、前記印刷セキュリティー構造(１０；２０；３０；４０；５０；６０；７０；８０；９０；１００；１１０）の前記多数の幾何学的要素（ＧＥ；１５；２５；３５；４５；５５；６５−６６；７５；８５−８６；９５−９７；１０５−１０７；１１５−１１７）が、同時オフセット（Ｓｉｍｕｌｔａｎ−ｏｆｆｓｅｔ）で、すなわち、第１および第２のオフセット印刷版をそれぞれ前記第１および第２のインクでインキングして、印刷前に前記第１および第２のオフセット印刷版から共通のブランケット胴の上に、得られる第１および第２のインクパターンを転写することで印刷されることを特徴とする方法。
24. 請求項２に記載のセキュリティー構造の印刷用の請求項２３に記載の方法において、前記第２の印刷セクションの多数の幾何学的要素（ＧＥ）も同時オフセットで、第３および第４のオフセット印刷版をそぞれぞれ第３および第４のインクでさらにインキングして、印刷前に前記第３および第４のオフセット印刷版から共通のブランケット胴の上に、得られる第３および第４のインクパターンを転写することで印刷することを特徴とする方法。

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