JP6265469B2 - 重合体修飾シリカの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重合体修飾シリカの製造方法に関し、より詳しくは、シリカ表面に、重合体鎖を良好に導入することができる重合体修飾シリカの製造方法に関する。
共役ジエン重合体は、タイヤ用のゴム材料など種々の用途に用いられている。近年、環境問題や資源問題から、自動車用のタイヤには低燃費性が強く求められており、さらに安全性の面からは優れたウエットグリップ性、ドライグリップ性および操縦安定性が求められ、耐久性の面からは優れた耐摩耗性が求められている。これに対し、充填剤としてシリカを配合したゴム組成物は、通常使用されるカーボンブラックを配合したゴム組成物に比べて低発熱性に優れるため、これを用いることにより低燃費なタイヤを製造することができる。しかし、シリカを単に共役ジエン重合体に配合しても、共役ジエン重合体との親和性が十分でないため、分離しやすく、得られるタイヤは低発熱性が不十分となってしまうため、種々のシランカップリング剤を添加して改良することが行われている。しかしながら、シランカップリング剤を併用しても、カーボンブラック配合ゴム組成物に比べて耐摩耗性が不十分である場合があり、さらに、シランカップリング剤が高価であり配合量が多くなると製造コストが高くなるという問題があった。
このような問題を解決するために、変性剤を反応させることによって、共役ジエン重合体自体にシリカとの親和性を持たせる技術が検討されている。たとえば、特許文献1には、シリカとの親和性を向上させた特定の化合物を重合活性末端に反応させた共役ジエン系ゴムが開示されている。しかしながら、近年の自動車用タイヤに対する要求性能の高まりを鑑みると、特許文献1に開示された技術を用いた場合であっても、未だ低発熱性、ウエットグリップ性、耐摩耗性が不十分な場合がある。
一方で、非特許文献1では、シリカの表面に、ビニルベンジルトリクロロシランを反応させて、シリカの表面を、ビニルベンジルトリクロロシランで変性し、n−ブチルリチウムの存在下で、シリカ表面に導入されたビニルベンジルトリクロロシランの炭素−炭素二重結合を起点として、スチレンをアニオングラフト重合させる技術が開示されている。すなわち、この非特許文献1では、シリカに直接、ポリスチレン鎖を導入し、いわゆる重合体修飾シリカとすることにより、重合体とシリカとの親和性の改善を図っている。しかしながら、この非特許文献1の技術では、スチレンをアニオングラフト重合させる際に、活性末端が、シリカの表面に導入された別のビニルベンジルトリクロロシランの炭素−炭素二重結合と反応してしまい、シリカ同士が結合されることによりシリカの凝集を引き起こすおそれがあった。そのため、非特許文献1の技術では、共役ジエンを重合させても、シリカ配合の効果が十分に発揮されないために所望のゴム弾性を発現させることができず、上述したタイヤ用途への適用が期待できないものであった。
特開2003−171418号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、シリカ表面に、重合体鎖を良好に導入することができる重合体修飾シリカの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、シリカに、芳香環のα位に少なくとも1つ水素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基を有する特定の芳香族化合物を反応させ、次いで、有機アルカリ金属化合物を反応させることで、活性点を有する表面変性シリカを得て、得られた活性点を有する表面変性シリカを用い、単量体を重合させることにより、シリカ表面に、重合体鎖が良好に導入された重合体修飾シリカを得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、シリカに、下記一般式(1)で表される化合物を反応させて、表面変性シリカを得る第1工程と、前記表面変性シリカに、有機アルカリ金属化合物を反応させて、活性点を有する表面変性シリカを得る第2工程と、前記活性点を有する表面変性シリカの活性点から単量体を重合させる第3工程と、を備える重合体修飾シリカの製造方法が提供される。
(上記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基であって、そのうちの少なくとも1つは、α位に少なくとも1つ水素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは、化学的な単結合または炭素数1〜10のアルキレン基であり、Xは、ハロゲン原子または炭素数1〜10のヒドロカルビルオキシ基であり、XおよびXは、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子および炭素数1〜10のヒドロカルビルオキシ基からなる群から選択される基であり、nは1〜5の整数である。)
本発明の製造方法においては、前記第2工程の前に、シラノール基と反応する化合物を、前記表面変性シリカに反応させる工程をさらに備えることが好ましい。
また、本発明によれば、上記製造方法により得られる重合体修飾シリカ、および該重合体修飾シリカと、シリカとを混合してなるシリカ含有組成物が提供される。
本発明によれば、シリカ表面に、重合体鎖を良好に導入することのできる重合体修飾シリカの製造方法を提供することができる。特に、本発明により得られる重合体修飾シリカは、シリカの表面に、重合体鎖が導入されたものであるため、シリカと、重合体鎖との親和性が高いものであり、たとえば、単量体として共役ジエン化合物を用い、重合体鎖として共役ジエン重合体鎖を導入することにより、本発明により得られる重合体修飾シリカは、タイヤ用のゴム材料として好適に用いることができる。
図1(A)は、実施例1における、重合体修飾シリカの熱重量測定の結果を示す図であり、図1(B)は、実施例1における、赤外分光分析の測定結果を示す図である。 図2は、実施例1における、重合体修飾シリカの電子顕微鏡写真である。
<重合体修飾シリカの製造方法>
本発明の重合体修飾シリカの製造方法は、シリカに、後述する一般式(1)で表される化合物を反応させて、表面変性シリカを得る第1工程と、前記表面変性シリカに、有機アルカリ金属化合物を反応させて、活性点を有する表面変性シリカを得る第2工程と、前記活性点を有する表面変性シリカの活性点から単量体を重合させる第3工程と、を備える。
<第1工程>
まず、本発明の製造方法における、第1工程について説明する。本発明の製造方法における、第1工程は、シリカに、下記一般式(1)で表される化合物を反応させて、表面変性シリカを得る工程である。
上記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基であり、好ましくは、炭素数1〜5のアルキル基である。ただし、Rのうちの少なくとも1つは、芳香環(一般式(1)中に示されるベンゼン環)のα位に少なくとも1つ水素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基であり、好ましくは、α位に少なくとも1つ水素原子を有する炭素数1〜5のアルキル基であり、後述する第2工程において反応させる、有機アルカリ金属化合物に対する反応性に優れるという観点より、メチル基が特に好ましい。なお、Rが複数存在する場合(nが2〜5の整数である場合)には、その複数存在するRは、互いに同一の基であっても、互いに異なる基であってもよい。また、Rは、化学的な単結合または炭素数1〜10のアルキレン基であり、好ましくは、化学的な単結合または炭素数1〜10の直鎖アルキレン基であり、より好ましくは、化学的な単結合である。また、Xは、ハロゲン原子または炭素数1〜10のヒドロカルビルオキシ基であり、好ましくは、ハロゲン原子または炭素数1〜5のアルコキシ基である。また、XおよびXは、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子および炭素数1〜10のヒドロカルビルオキシ基からなる群から選択される基であり、好ましくは、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子および炭素数1〜10のヒドロカルビルオキシ基であるが、シリカとの反応性に優れるという観点より、XおよびXの少なくとも一方が、ハロゲン原子または炭素数1〜10のヒドロカルビルオキシ基であることが好ましく、XおよびXの両方が、ハロゲン原子または炭素数1〜10のヒドロカルビルオキシ基であることがより好ましい。XおよびXが、ヒドロカルビルオキシ基である場合には、そのヒドロカルビルオキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基であることがより好ましい。また、nは1〜5の整数であり、後述する第3工程において重合反応を良好に制御する観点からは、nは1であることが好ましい。さらに、上記一般式(1)中、芳香環上の置換基であるRは、別の芳香環上の置換基である−R−SiXに対して、オルト位、メタ位、パラ位のいずれに位置するものであってもよいが、Rが1つの場合(nが1の場合)にはパラ位に位置していることが好ましい。
本発明で用いるシリカとしては、例えば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられる。これらの中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。また、カーボンブラック表面にシリカを担持させたカーボン−シリカデュアル・フェイズ・フィラーを用いてもよい。これらのシリカは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。用いるシリカの窒素吸着比表面積(ASTM D3037−81に準じBET法で測定される)は、好ましくは50〜300m/g、より好ましくは80〜250m/g、特に好ましくは100〜200m/gである。また、シリカのpHは、pH5〜10であることが好ましい。
本発明の第1工程において、シリカに、上記一般式(1)で表される化合物を反応させる際の反応方法としては特に限定されないが、たとえば、反応に不活性な有機溶媒中で、シリカと、上記一般式(1)で表される化合物とを混合することで、上記一般式(1)で表される化合物中のケイ素原子上のハロゲン原子(ハロシリル基)またはケイ素原子上のヒドロカルビルオキシ基(ヒドロカルビルオキシシリル基)と、シリカ表面に存在するシラノール基とを反応させる方法が好適である。
たとえば、上記一般式(1)で表される化合物として、X〜Xの少なくとも1つが、炭素数1〜10のヒドロカルビルオキシ基である化合物を用いる場合には、上記一般式(1)で表される化合物に含まれるケイ素原子上のヒドロカルビルオキシ基、およびシリカ表面のシラノール基に含まれる水酸基を、それぞれ反応点として反応させることにより、シリカ表面に、上記一般式(1)で表される化合物を結合させることができる。あるいは、上記一般式(1)で表される化合物として、X〜Xの少なくとも1つがハロゲン原子である化合物を用いる場合には、上記一般式(1)で表される化合物に含まれるケイ素原子上のハロゲン原子、およびシリカ表面のシラノール基に含まれる水酸基を、それぞれ反応点として反応させることにより、シリカ表面に、上記一般式(1)で表される化合物を結合させることができる。また、X〜Xの少なくとも1つがハロゲン原子である化合物を用いる場合には、反応系中にメタノールやエタノールなどのアルコールを存在させて、シリカと、上記一般式(1)で表される化合物とを混合し、ケイ素原子上のハロゲン原子の少なくとも一部を、ヒドロカルビルオキシ基(アルコキシ基)に置換させて、置換により導入されたケイ素原子上のヒドロカルビルオキシ基(アルコキシ基)、およびシリカ表面のシラノール基に含まれる水酸基を、それぞれ反応点として反応させることにより、シリカ表面に、上記一般式(1)で表される化合物を結合させることもできる。
本発明の製造方法の第1工程において、シリカと、上記一般式(1)で表される化合物とを反応させる際における、これらの使用割合は、特に限定されず、たとえば、シリカの比表面積や、シリカ表面における、シラノール基の存在割合などに応じて適宜調整すればよいが、シリカ100重量部に対する、上記一般式(1)で表される化合物の使用量は、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重量部である。
なお、本発明の製造方法の第1工程において、反応を行う際に用いうる有機溶媒としては、反応に不活性なものであればよく特に限定されないが、炭化水素系溶媒を用いることが好ましい。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類;などが挙げられる。これらのなかでも、脂肪族炭化水素や脂環族炭化水素を溶媒として用いると反応活性が高くなるので好ましい。なお、これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明の製造方法の第1工程において、シリカと、上記一般式(1)で表される化合物とを反応させる際における、反応温度および反応時間は、特に限定されないが、反応温度は、好ましくは0〜200℃、より好ましくは50〜150℃であり、反応時間は、好ましくは1〜100時間、より好ましくは2〜50時間である。
本発明の第1工程において、反応を有機溶媒中で行う場合、得られた表面変性シリカを含有する反応液は、そのまま次の工程に供することもできるし、一旦、反応液から表面変性シリカを回収してから次の工程に供することもできる。表面変性シリカを反応液から回収する場合の回収方法は、特に限定されないが、例えば、反応液の遠心分離操作を行うことにより、反応液中において、表面変性シリカを沈殿させ、沈殿物を抽出し、得られた沈殿物について、有機溶媒を用いた超音波洗浄などにより洗浄を行った後、有機溶媒を乾燥させることで、表面変性シリカを得ることができる。
また、本発明の製造方法においては、上記反応により得られた表面変性シリカについて、シラノール基と反応する化合物と反応させることで、表面変性シリカの表面に残存するシラノール基(すなわち、上記一般式(1)で表される化合物と反応していない未反応のシラノール基)と反応させ、これにより、残存するシラノール基を不活性化する工程をさらに有することが好ましい。このような工程を有することにより、後述する第2工程において、表面変性シリカに、有機アルカリ金属化合物を反応させる際に、表面変性シリカの表面に残存するシラノール基の影響により、有機アルカリ金属化合物の反応性が低下してしまうことを防止することができ、これにより、後述する第2工程における反応を適切に制御することができる。そして、その結果として、最終的に得られる重合体修飾シリカにおいて、シリカ表面に導入される重合体鎖の分子量を適切に制御することができる。
この際に用いる、シラノール基と反応する化合物としては、特に限定されないが、シラノール基との反応性と反応後の不活性化の確実性の観点より、下記一般式(2)で表される化合物を好適に用いることができる。
上記一般式(2)中、Xは、ハロゲン原子または炭素数1〜10のヒドロカルビルオキシ基であり、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜10の炭化水素基である。
表面変性シリカについて、シラノール基と反応する化合物と反応させる際の反応方法としては特に限定されないが、たとえば、反応に不活性な有機溶媒中で、表面変性シリカと、シラノール基と反応する化合物とを混合することで、シラノール基と反応する化合物を、表面変性シリカの表面に残存するシラノール基と反応させる方法が好適である。なお、この際においては、(A)上記第1工程で得られた表面変性シリカを含有する反応液をそのまま用いて、これに、シラノール基と反応する化合物を添加して混合する方法、あるいは、(B)上記第1工程で得られた表面変性シリカを含有する反応液について、例えば、遠心分離、静置による沈殿、濾過などの常法による表面変性シリカの分離、および有機溶媒を用いた洗浄を行った後に、洗浄後の分散液に、シラノール基と反応する化合物を添加して混合する方法、(C)上記第1工程で得られた表面変性シリカを含有する反応液について、常法による表面変性シリカの分離、有機溶媒を用いた洗浄、および乾燥を行った後に、得られた表面変性シリカを再度、有機溶媒に分散させて、ここにシラノール基と反応する化合物を添加して混合する方法などが挙げられる。
なお、表面変性シリカに、シラノール基と反応する化合物と反応させる際に用いる有機溶媒としては、反応に不活性なものであればよく特に限定されないが、炭化水素系溶媒を用いることが好ましく、たとえば、上述した第1工程と同様のものを用いることができる。
また、表面変性シリカに、シラノール基と反応する化合物と反応させる際における、反応温度および反応時間は、特に限定されないが、反応温度は、好ましくは0〜200℃、より好ましくは50〜150℃であり、反応時間は、好ましくは1〜100時間、より好ましくは2〜50時間である。
そして、表面変性シリカとシラノール基と反応する化合物との反応を有機溶媒中で行う場合、残存シラノール基を不活性化させた表面変性シリカを含有する反応液は、そのまま第2工程に供することもできるし、一旦、反応液から表面変性シリカを回収してから次の工程に供することもできる。表面変性シリカを反応液から回収する場合の表面変性シリカの回収方法は、特に限定されないが、例えば、反応液の遠心分離操作を行うことにより、反応液中において、表面変性シリカを沈殿させ、沈殿物を抽出し、得られた沈殿物について、有機溶媒を用いた超音波洗浄などにより洗浄を行った後、有機溶媒を乾燥させることで、表面変性シリカを得ることができる。
<第2工程>
次いで、本発明の製造方法における、第2工程について説明する。
本発明の製造方法における、第2工程は、上述した第1工程で得られた表面変性シリカ(あるいは、残存シラノール基を不活性化させた表面変性シリカ)に、有機アルカリ金属化合物を反応させて、活性点を有する表面変性シリカを得る工程である。すなわち、第2工程では、表面変性シリカの表面に反応させた上記一般式(1)で表される化合物中にRとして少なくとも1つ含まれる、芳香環(一般式(1)中に示されるベンゼン環)のα位に少なくとも1つ水素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基の水素原子を、アルカリ金属原子に置換させて、アルカリ金属原子がα位に結合した炭素数1〜10のアルカリ金属化アルキル基とする。そして、これにより、アルカリ金属原子が芳香環のα位に結合した炭素数1〜10のアルカリ金属化アルキル基を、活性点として有する表面変性シリカを得ることができる。
なお、この際に、アルカリ金属原子が芳香環のα位に結合した炭素数1〜10のアルカリ金属化アルキル基において、前記アルカリ金属原子は、通常、カチオンの状態で存在しており、また、芳香環のα位の炭素原子は、このようなカチオンの状態のアルカリ金属原子と結合するために、通常、アニオンの状態で存在している。そして、このようにカチオンの状態で存在するアルカリ金属原子と、アニオンの状態で存在する炭素原子とがイオン結合を形成し、これにより互いに直接結合した状態となり、アルカリ金属原子が芳香環のα位に結合した炭素数1〜10のアルカリ金属化アルキル基を形成したものとなる。
また、本発明において、このようにして導入されたアルカリ金属原子が芳香環のα位に結合した炭素数1〜10のアルカリ金属化アルキル基は、後述する第3工程において、単量体を重合させ、これにより重合体鎖を導入する際における、重合開始点として作用することとなる。
本発明の製造方法の第2工程において、用いられる有機アルカリ金属化合物は、特に限定されないが、アルキル基またはアリール基を有するアルカリ金属化合物が好適に用いられ、その具体例としては、メチルリチウム、メチルナトリウム、メチルカリウム、エチルリチウム、エチルナトリウム、エチルカリウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルカリウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、n−ブチルナトリウム、n−ブチルカリウム、n−ペンチルリチウム、n−オクチルリチウム、フェニルリチウム、ナフチルリチウム、フェニルナトリウム、ナフチルナトリウムが挙げられる。これらの中でも、有機リチウム金属化合物が好ましく、n−ブチルリチウム、およびsec−ブチルリチウムが特に好ましい。これらの有機アルカリ金属化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、有機アルカリ金属化合物として、アルキル(またはアリール)カリウムやアルキル(またはアリール)ナトリウムを用いる場合は、アルキル基またはアリール基を有するリチウム化合物と、アルコキシ基を有するカリウムまたはナトリウム化合物とを混合することにより、目的とするカリウムまたはナトリウム化合物を得てもよい。このとき用いられるアルコキシ基を有するカリウムまたはナトリウム化合物としては、t−ブトキシカリウムやt−ブトキシナトリウムが例示される。アルコキシ基を有するカリウムまたはナトリウム化合物の使用量は、特に限定されないが、アルキル基またはアリール基を有するリチウム化合物1モルに対して、例えば、0.1〜5.0モル、好ましくは0.2〜3.0モル、より好ましくは0.3〜2.0モルである。
また、上述した第1工程で得られた表面変性シリカに、有機アルカリ金属化合物を反応させる方法は特に限定されるものではないが、不活性雰囲気下、不活性溶媒中で反応させる方法が好ましく用いられる。用いられる不活性溶媒は、反応させる化合物を溶解させ得る溶媒であれば特に限定されないが、炭化水素系溶媒を用いることが好ましい。具体的には、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;などが挙げられる。なお、これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、上述した第1工程で得られた表面変性シリカに対する、有機アルカリ金属化合物の使用量も特に限定されるものではないが、表面変性シリカの表面に反応させた上記一般式(1)で表される化合物中にRとして少なくとも1つ含まれる、芳香環(一般式(1)中に示されるベンゼン環)のα位に少なくとも1つ水素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基1モルに対して、通常0.1〜100モル、好ましくは0.2〜50モル、より好ましくは0.3〜10モル、特に好ましくは0.3〜1.1モルである。この反応の反応時間、反応温度も特に限定されないが、反応時間は、通常1分〜10日、好ましくは1分〜5日の範囲であり、反応温度は、通常−50℃〜100℃の範囲である。
さらに、上述した第1工程で得られた表面変性シリカに、有機アルカリ金属化合物を反応させるにあたり、反応を促進させる目的で、アルカリ金属原子への配位能を有する化合物を共存させてもよい。アルカリ金属原子への配位能を有する化合物としては、ヘテロ原子を含有するルイス塩基化合物が好適に用いられ、これらのなかでも、窒素原子または酸素原子を含有するルイス塩基化合物が特に好適に用いられる。窒素原子または酸素原子を含有するルイス塩基化合物の具体例としては、ジエチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル、ジメトキシベンゼン、ジメトキシエタン、ジグライム、エチレングリコールジブチルエーテルなどの鎖状エーテル化合物;トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの分子内に窒素原子を1つ有する第3級アミン化合物;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの分子内に酸素原子を1つ有する環状エーテル化合物;ピリジン、ルチジン、1−メチルイミダゾールなどの含窒素複素環化合物;ビステトラヒドロフリルプロパンなどの分子内に酸素原子を2つ以上有する環状エーテル化合物;N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、(−)−スパルテイン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンなどの分子内に窒素原子を2つ以上有する第3級アミン化合物;ヘキサメチルホスホアミドなどの分子内に窒素−ヘテロ原子結合を有する第3級アミド化合物;などが挙げられる。
アルカリ金属原子への配位能を有する化合物の使用量は、特に限定されず、その配位能の強さに応じて決定すればよい。例えば、アルカリ金属原子への配位能を有する化合物として、比較的に配位能が弱い化合物である、鎖状エーテル化合物や分子内に窒素原子を1つ有する第3級アミン化合物を用いる場合、その使用量は、上述した第1工程で得られた表面変性シリカと反応させる有機アルカリ金属化合物中のアルカリ金属原子1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは5〜50モル、より好ましくは10〜25モルの範囲である。また、アルカリ金属原子への配位能を有する化合物として、配位能が中程度である化合物である、分子内に酸素原子を1つ有する環状エーテル化合物や含窒素複素環化合物を用いる場合、その使用量は、上述した第1工程で得られた表面変性シリカと反応させる有機アルカリ金属化合物中のアルカリ金属原子1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜20モル、より好ましくは2〜10モルの範囲である。また、アルカリ金属原子への配位能を有する化合物として、比較的に配位能が強い化合物である、分子内に酸素原子を2つ以上有する環状エーテル化合物や分子内に窒素原子を2つ以上有する第3級アミン化合物や分子内に窒素−ヘテロ原子結合を有する第3級アミド化合物を用いる場合、その使用量は、上述した第1工程で得られた表面変性シリカと反応させる有機アルカリ金属化合物中のアルカリ金属原子1モルに対して、通常0.01〜5モル、好ましくは0.01〜4モル、より好ましくは0.01〜3モルの範囲である。アルカリ金属原子への配位能を有する化合物の使用量が多すぎると、反応が進行しなくなるおそれがある。なお、これらのアルカリ金属原子への配位能を有する化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上述した第1工程で得られた表面変性シリカと反応させる有機アルカリ金属化合物に、有機アルカリ金属化合物を反応させる際の反応効率をより高めることができるという点より、アルカリ金属原子への配位能を有する化合物として、分子内に酸素原子を2つ以上有する環状エーテル化合物、分子内に窒素原子を2つ以上有する第3級アミン化合物、および分子内に窒素−ヘテロ原子結合を有する第3級アミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物を用い、その使用量を、反応に用いる有機アルカリ金属化合物中のアルカリ金属原子1モルに対して、0.02〜1.5モルの範囲とすることが特に好ましい。
上述した第1工程で得られた表面変性シリカに、有機アルカリ金属化合物を反応させるにあたり、アルカリ金属原子への配位能を有する化合物を共存させる場合において、それぞれの添加順序は特に限定されない。ただし、アルカリ金属原子がα位に結合した炭素数1〜10のアルカリ金属化アルキル基の生成効率を特に良好とする観点からは、上述した第1工程で得られた表面変性シリカおよび有機アルカリ金属化合物を共存させた後、その系にアルカリ金属原子への配位能を有する化合物を添加する順序、または、上述した第1工程で得られた表面変性シリカ、およびアルカリ金属原子への配位能を有する化合物を共存させた後、その系に有機アルカリ金属化合物を添加する順序が好適である。このような順序で添加を行うことにより、有機アルカリ金属化合物とアルカリ金属原子への配位能を有する化合物との錯体形成による不溶化が防止され、活性点を有する表面変性シリカの生成効率を特に良好なものとすることができる。
<第3工程>
次いで、本発明の製造方法における、第3工程について説明する。
本発明の製造方法における、第3工程は、上述した第2工程で得られた活性点を有する表面変性シリカの活性点から単量体を重合させる工程である。すなわち、第3工程では、上述した第2工程で得られた活性点を有する表面変性シリカの活性点である、アルカリ金属原子が芳香環のα位に結合した炭素数1〜10のアルカリ金属化アルキル基を重合開始点として、単量体を重合させるものである。そして、これにより、上述した第2工程で得られた活性点を有する表面変性シリカの表面に、重合体鎖が導入されてなる、重合体修飾シリカを得ることができる。なお、本発明の製造方法により得られる重合体修飾シリカは、シリカ表面に導入される重合体鎖の長さにもよるが、通常、シリカ表面を、重合体鎖が覆うようなコアシェル構造をとることとなる。
また、本発明の製造方法の第3工程においては、単量体の重合反応は、リビング性を伴って進行するので、これによりシリカ表面に導入される、重合体鎖も活性末端を有するものとなる。
本発明の製造方法の第3工程においては、重合に用いる単量体としては、特に限定されないが、共役ジエン化合物が好ましく挙げられる。共役ジエン化合物としては、たとえば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−3−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、および1,3−シクロヘキサジエンなどを挙げることができる。これらの共役ジエン化合物のなかでも、1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレンが特に好ましく用いられる。なお、これらの共役ジエン化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の製造方法の第3工程においては、重合に用いる単量体として、共役ジエン化合物以外の他の単量体を用いて重合体鎖を得てもよく、共役ジエン化合物と他の単量体との共重合体鎖を得てもよい。本発明で単量体として使用し得る、共役ジエン化合物以外の化合物としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどの芳香族ビニル化合物;メチルメタクリレート、メチルアクリレートなどのアクリル酸エステル化合物;などを挙げることができる。用いる単量体全体における、共役ジエン化合物以外の単量体の含有量は、特に限定されるものではないが、50重量%以下であることが好ましく、45重量%以下であることがより好ましい。
本発明の製造方法の第3工程において、2種以上の単量体を含む単量体混合物を用いて共重合体を得る場合の、共重合の様式は特に限定されず、ランダム状、ブロック状、テーパー状などのいずれであってもよい。
なお、上述した第2工程で得られた活性点を有する表面変性シリカ中の活性点(アルカリ金属原子)1モルに対する、単量体の使用量は、特に限定されないが、好ましくは300〜20,000モル、より好ましくは900〜15,000モル、特に好ましくは1,200〜10,000モルである。これらの使用量が上記範囲であると、十分な長さの重合体鎖が得られる。
本発明の製造方法の第3工程において、重合反応を行うに際しては、重合速度や得られる重合体鎖のミクロ構造を制御する目的で、重合反応系に、前述したようなアルカリ金属原子への配位能を有する化合物を添加してもよい。これらのアルカリ金属原子への配位能を有する化合物の使用量は、上述した第2工程で得られた活性点を有する表面変性シリカ中のアルカリ金属原子1モルに対して、通常0〜5モル、好ましくは0〜4モル、より好ましくは0〜2モルの範囲である。これらのアルカリ金属原子への配位能を有する化合物の使用量が多すぎると、重合反応を阻害するおそれがある。なお、上述した第2工程において、上述した第1工程で得られた表面変性シリカに、有機アルカリ金属化合物を反応させる際に、アルカリ金属原子への配位能を有する化合物を用いた場合は、その化合物を含有する溶液をそのまま使用することもできる。
また、本発明の製造方法の第3工程においては、分子内に酸素原子を2つ以上有する環状エーテル化合物、分子内に窒素原子を2つ以上有する第3級アミン化合物、および分子内に窒素−ヘテロ原子結合を有する第3級アミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物を、アルカリ金属を有する化合物(上述した第2工程で得られた活性点を有する表面変性シリカに加えて、反応系中に存在し、重合開始剤として働く他のアルカリ金属化合物全てを含むアルカリ金属を有する化合物)中のアルカリ金属原子1モルに対して、0.02〜2.0モルの範囲で存在させることが好ましい。このようにすることで、単量体として共役ジエン化合物を用いた場合に、適度なビニル結合含有量を有する共役ジエン重合体が得られる。
本発明の製造方法の第3工程における重合様式は特に限定されないが、重合反応を良好に行うことができるという点より、溶液重合法を用いることが好ましい。溶液重合法を用いる場合、用いる溶媒は、重合反応において不活性であり、単量体混合物を溶解させることができ、かつ、上述した第2工程で得られた活性点を有する表面変性シリカを溶解あるいは良好に懸濁させることができる溶媒であれば特に限定されないが、炭化水素系溶媒を用いることが好ましい。具体的には、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素などが挙げられる。なかでも、脂肪族炭化水素や脂環族炭化水素を溶媒として用いると重合活性が高くなるので好ましい。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
溶液重合法を用いる場合、重合溶液中の単量体の濃度は、特に限定されないが、通常1〜50重量%、好ましくは2〜45重量%、より好ましくは5〜40重量%の範囲で選択される。溶液中の単量体の濃度が低すぎると、生産性が悪くなるおそれがあり、濃度が高すぎると、溶液の粘度が高くなりすぎて、その取り扱いが困難となる場合がある。また、重合温度にも特に制限はないが、通常−30℃〜200℃、好ましくは0℃〜180℃の範囲である。重合時間にも特に制限は無く、通常1分間〜100時間の範囲である。
本発明の製造方法の第3工程においては、通常、重合反応がリビング性を伴って進行するので、重合反応系には、活性末端を有する重合体鎖が形成されることとなる。この活性末端を有する重合体鎖には、アルコールや水などの反応停止剤を反応させてもよいが、この活性末端と反応しうる任意の変性剤を反応させて、末端変性重合体鎖としてもよい。このように、シリカ表面に導入される重合体鎖を、末端変性重合体鎖とすることにより、得られる、重合体修飾シリカを変性剤により改質することができ、たとえば、シリカやカーボンブラックなどの充填剤に対する親和性を改良することができ、これにより低発熱性を向上させることができるため、タイヤ用途などに好適に用いることができる。
シリカ表面に導入される重合体鎖を変性させるために用いる変性剤は、重合体鎖の活性末端と反応しうる変性剤であれば、特に限定されず、通常、タイヤ用途のゴム分野で用いられる変性剤が使用できる。
本発明の第3工程を溶液重合法で行う場合に、反応液から重合体修飾シリカを回収する方法は、特に限定されないが、例えば遠心分離操作を行うことにより、反応液中において、表面変性シリカを沈殿させ、沈殿物を抽出し、得られた沈殿物について、有機溶媒を用いて超音波洗浄などにより洗浄を行った後、有機溶媒を乾燥させることで、重合体修飾シリカを回収することができる。
なお、本発明の製造方法により得られる重合体修飾シリカは、シリカやカーボンブラックなどの充填剤や、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)などのその他のゴムと混合することで、組成物としてもよく、この場合においては、架橋剤、架橋促進剤、架橋活性化剤、シランカップリング剤、老化防止剤、活性剤、プロセス油、可塑剤、滑剤などの配合剤をそれぞれ必要量配合してもよい。
さらに、本発明の製造方法により得られる重合体修飾シリカは、たとえば、シリカ表面に重合させる単量体として、共役ジエン化合物を用い、重合体鎖として共役ジエン重合体鎖を導入することにより、特に耐摩耗性や低発熱性に優れた架橋物を与えるものとすることができる。なお、この際には、充填剤を配合した組成物としてもよく、この場合においても、同様に、耐摩耗性や低発熱性に優れた架橋物を与えるものとすることができる。そして、これらを用いて得られる架橋物は、タイヤにおいて、キャップトレッド、ベーストレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部などのタイヤ各部位の材料や、ホース、ベルト、マット、防振ゴムその他の各種工業用品の材料、また、接着剤、樹脂の耐衝撃性改良剤、樹脂フィルム緩衝剤、靴底、ゴム靴、ゴルフボール、玩具として用いることができ、なかでも、優れた耐摩耗性および低発熱性を活かして、低燃費タイヤとして特に好適に用いることができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。なお、以下において、「部」および「%」は、特に断りのない限り重量基準である。また、試験および評価は下記に従った。
[重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定]
重合体の数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求めた。具体的な測定条件は、以下のとおりとした。
測定器:高速液体クロマトグラフ(東ソー社製、商品名「HLC−8320」)
カラム:東ソー社製、商品名「TSKgel G5000HHR」と「TSKgel G3000HHR」を直列に連結した。
検出器:示差屈折計
溶離液:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
[シリカ表面に導入された重合体鎖の熱重量測定による確認]
得られた重合体修飾シリカについて、熱重量測定を行うことにより、シリカ表面に結合した重合体鎖の有無を確認した。具体的には、以下の測定条件で、重合体修飾シリカを大気中で30℃/minで昇温し、200℃〜300℃の間に20%以上の重量減少がある場合に、シリカ表面に重合体鎖が結合していると判定した。図1(A)に、実施例1における、熱重量測定の結果を示す。
測定器:TA instruments社製、商品名「TGA2950」
測定溶媒:重クロロホルム
[シリカ表面に導入された重合体鎖の赤外分光分析による確認]
得られた重合体修飾シリカについて、赤外分光分析を行うことにより、シリカ表面に結合した重合体鎖の有無を確認した。具体的には、以下の測定条件で、赤外分光分析を行い、炭素−炭素二重結合の伸縮振動由来のピーク(1500cm−1)およびメチル基とメチレン基の伸縮振動由来のピーク(3000cm−1)が確認された場合に、シリカ表面に重合体鎖が結合していると判定した。図1(B)に、実施例1における、赤外分光分析の測定結果を示す。
測定器:日本分光社製、商品名「FT/IR−4100」
測定法:KBr錠剤法
[重合体修飾シリカの電子顕微鏡写真撮影]
実施例1で得られたシリカ表面に、イソプレン重合体鎖が導入されてなる重合体修飾シリカをトルエンに分散させ、スーパーウルトラハイレゾリューションカーボン支持膜TEM用メッシュに滴下後乾燥させ、以下の条件で電子顕微鏡写真を撮影した。撮影した写真を図2に示す。
測定器:JEOL社製、商品名「JEM−4000EX II」
加速電圧:200kV
[製造例1]
磁気攪拌子を入れたガラス反応容器に、コロイダルシリカ(商品名「MEK−ST−ZL」、日産化学工業社製、粒子径:70〜100nm)50部、p−トリルトリメトキシシラン0.609部、およびトルエン40部を加えた。次に、この反応容器を110℃に加熱して、24時間攪拌した。そして、得られた反応液を遠心管に移し、遠心分離機を用いて30分間10,000rpmの条件で遠心分離を行い、固形分を沈殿させた。次いで、回収した沈殿物にトルエン20部を加えた後、超音波洗浄機で60分間超音波を照射することで洗浄を行った。そして、この遠心分離と超音波照射の工程を3回繰り返した後、固形分(p−トリルトリメトキシシランで処理したシリカ(表面変性シリカ))49.5部を回収した。次いで、磁気攪拌子を入れたガラス反応容器に、このp−トリルトリメトキシシランで処理したシリカ49.5部、クロロトリメチルシラン0.514部、およびトルエン70部を加えた。次に、この反応容器を110℃に加熱して、24時間撹拌した。そして、得られた反応液を遠心管に移し、遠心分離機を用いて30分間10,000rpmの条件で遠心分離を行い、固形分を沈殿させた。次いで、回収した沈殿物にトルエン20部を加えた後、超音波洗浄機で60分間超音波を照射することで洗浄を行った。この遠心分離と超音波照射の工程を3回繰り返した後、乾燥させることで、固形分(p−トリルトリメトキシシランおよびクロロトリメチルシランで処理したシリカ(残存シラノール基を不活性化させた表面変性シリカ))49.0部を回収した。
[製造例2]
磁気攪拌子を入れたガラス反応容器に、コロイダルシリカ(商品名「MEK−ST−ZL」、日産化学工業社製、粒子径:70〜100nm)50部、p−トリルトリメトキシシラン0.609部、およびトルエン40部を加えた。次に、この反応容器を110℃に加熱して、24時間攪拌した。そして、得られた反応液を遠心管に移し、遠心分離機を用いて30分間10,000rpmの条件で遠心分離を行い、シリカの粒子を沈殿させた。次いで、回収した沈殿物にトルエンを20部加えた後、超音波洗浄機で60分間超音波を照射した。この遠心分離と超音波照射の工程を3回繰り返した後、乾燥させることで、固形分(p−トリルトリメトキシシランで処理したシリカ(表面変性シリカ))49.5部を回収した。
[実施例1]
窒素雰囲気下、磁気攪拌子を入れたガラス反応容器に、製造例1で得られたp−トリルトリメトキシシランおよびクロロトリメチルシランで処理したシリカ(残存シラノール基を不活性化させた表面変性シリカ)0.100部、テトラメチルエチレンジアミン0.174部、およびシクロヘキサン5部を加えた。次に攪拌しながら、sec−ブチルリチウム0.032部を加え、40℃で2時間反応させた。次いで、この反応容器にイソプレン0.681部を加えた後、40℃で2時間撹拌を行うことにより、重合反応を行った。次いで、少量のメタノールを添加して重合反応を停止し、メタノールで触媒残渣を抽出洗浄した後に溶媒を留去した。そして、得られた重合体にトルエン20部を加えて溶解させ、遠心管に移し、遠心分離機を用いて10分間3,000rpmの条件で遠心分離を行い、シリカ粒子を沈殿させた。なお、遠心分離後の液相について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定を行ったところ、Mnが1,600、Mw/Mnが1.37の遊離の重合体が確認された。次いで、回収した沈殿物にトルエンを20部加えた後、超音波洗浄機で60分間超音波を照射した。この遠心分離と超音波照射の工程を3回繰り返した後、固形分(シリカ表面に、イソプレン重合体鎖が導入されてなる重合体修飾シリカ)0.801部を回収した。そして、得られた固形分について、熱重量測定および赤外分光分析を行ったところ、シリカ表面に重合体鎖が結合していることが確認された。また、シリカ表面に結合している重合体鎖のMnおよびMw/Mnは、遠心分離後の液相中に含まれている遊離の重合体と同程度であると推定される(後述する実施例2〜5においても同様。)。
[実施例2]
イソプレンの添加量を0.681部から1.362部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、固形分(シリカ表面に、イソプレン重合体鎖が導入されてなる重合体修飾シリカ)1.448部を得た。そして、得られた固形分について、熱重量測定および赤外分光分析を行ったところ、シリカ表面に重合体鎖が結合していることが確認された。また、遠心分離後の液相についてのゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定の結果より、Mnが2,700、Mw/Mnが1.41の遊離の重合体が確認された。
[実施例3]
イソプレンの添加量を0.681部から2.044部に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、固形分(シリカ表面に、イソプレン重合体鎖が導入されてなる重合体修飾シリカ)2.046部を得た。そして、得られた固形分について、熱重量測定および赤外分光分析を行ったところ、シリカ表面に重合体鎖が結合していることが確認された。また、遠心分離後の液相についてのゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定の結果より、Mnが3,400、Mw/Mnが1.84の遊離の重合体が確認された。
[実施例4]
イソプレン0.681部に代えて、イソプレン1.362部およびスチレン0.896部を添加した以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、固形分(シリカ表面に、イソプレン重合体鎖が導入されてなる重合体修飾シリカ)2.293部を得た。そして、得られた固形分について、熱重量測定および赤外分光分析を行ったところ、シリカ表面に重合体鎖が結合していることが確認された。また、遠心分離後の液相についてのゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定の結果より、Mnが3,700、Mw/Mnが1.45の遊離の重合体が確認された。
[実施例5]
窒素雰囲気下、磁気攪拌子を入れたガラス反応容器に、製造例2で得られたp−トリルトリメトキシシランで処理したシリカ0.100部、テトラメチルエチレンジアミン0.174部、およびシクロヘキサン5部を加えた。次に攪拌しながら、sec−ブチルリチウム0.032部を加え、40℃で2時間反応させた。次いで、この反応容器にイソプレン1.362部を加えた後、40℃で2時間撹拌を行うことにより、重合反応を行った。そして、少量のメタノールを添加して重合反応を停止し、メタノールで触媒残渣を抽出洗浄した後に溶媒を留去した。そして、得られた重合体にトルエンを20部加えて溶解させ、遠心管に移し、遠心分離機を用いて10分間3,000rpmの条件で遠心分離を行い、シリカの粒子を沈殿させた。なお、遠心分離後の液相について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定を行ったところ、Mnが15,000、Mw/Mnが2.32の重合体が確認された。次いで、回収した沈殿物にトルエンを20部加えた後、超音波洗浄機で60分間超音波を照射した。この遠心分離と超音波照射の工程を3回繰り返した後、固形分1.423部を回収した。この固形分について、熱重量測定および赤外分光分析を行ったところ、シリカに重合体が結合していることが確認された。
[比較例1]
窒素雰囲気下、磁気攪拌子を入れたガラス反応容器に、溶媒を留去したコロイダルシリカ(商品名「MEK−ST−ZL」、日産化学工業社製、粒子径:70〜100nm)微粒子0.100部、テトラメチルエチレンジアミン0.174部、およびシクロヘキサン5部を加えた。次に攪拌しながら、sec−ブチルリチウム0.032部を加え、40℃で2時間反応させた。次いで、この反応容器にイソプレン0.681部を加えた後、40℃で2時間撹拌を行うことにより、重合反応を行った。そして、少量のメタノールを添加して重合反応を停止し、メタノールで触媒残渣を抽出洗浄した後に溶媒を留去した。そして、得られた重合体にトルエン20部を加えて溶解させ、遠心管に移し、遠心分離機を用いて10分間3,000rpmの条件で遠心分離を行い、シリカ粒子を沈殿させた。次いで、回収した沈殿物にトルエンを20部加えた後、超音波洗浄機で60分間超音波を照射した。この遠心分離と超音波照射の工程を3回繰り返した後、固形分0.092部を回収した。この固形分について、熱重量測定および赤外分光分析を行ったところ、シリカに結合した重合体鎖は確認されなかった。
<評価>
以上のように、シリカとして、p−トリルトリメトキシシランおよびクロロトリメチルシランで処理したシリカ(残存シラノール基を不活性化させた表面変性シリカ)を用いた実施例1〜4、p−トリルトリメトキシシランで処理したシリカ(表面変性シリカ)を用いた実施例5においては、いずれもシリカ表面に、重合体鎖を良好に導入された重合体修飾シリカが得られていることが確認できた。
なお、図1(A)に、実施例1により得られた重合体修飾シリカの熱重量測定の結果を、図1(B)に、赤外分光分析の測定結果を、図2に、電子顕微鏡写真をそれぞれ示す。図1(A)、図1(B)においては、比較のため、未処理のシリカについて測定を行った結果も併せて示している。図1(A)に示すように、実施例1で得られた重合体修飾シリカは、200℃〜300℃の間に、重合体鎖に基づく、重量減少が明確に確認でき、また、図1(B)に示すように、実施例1で得られた重合体修飾シリカは、炭素−炭素二重結合の伸縮振動由来のピーク(1500cm−1)およびメチル基とメチレン基の伸縮振動由来のピーク(3000cm−1)が確認できる。さらに、図2に示すように、実施例1で得られた重合体修飾シリカは、シリカの表面に、重合体鎖による層が形成されており、コアシェル構造を形成していることが確認できる。なお、図1(A)、図1(B)、図2においては、実施例1を代表例として示したが、実施例2〜5においても同様の傾向が確認された。
一方、シリカとして、未処理シリカを用いた比較例1においては、シリカ表面に、重合体鎖が導入されない結果となった。

Claims (3)

  1. シリカに、下記一般式(1)で表される化合物を反応させて、表面変性シリカを得る第1工程と、
    前記表面変性シリカに、有機アルカリ金属化合物を反応させて、活性点を有する表面変性シリカを得る第2工程と、
    前記活性点を有する表面変性シリカの活性点から単量体を重合させる第3工程と、を備える重合体修飾シリカの製造方法。
    (上記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基であって、そのうちの少なくとも1つは、α位に少なくとも1つ水素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは、化学的な単結合または炭素数1〜10のアルキレン基であり、Xは、ハロゲン原子または炭素数1〜10のヒドロカルビルオキシ基であり、XおよびXは、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子および炭素数1〜10のヒドロカルビルオキシ基からなる群から選択される基であり、nは1〜5の整数である。)
  2. 前記第2工程の前に、シラノール基と反応する化合物を、前記表面変性シリカに反応させる工程をさらに備える請求項1に記載の重合体修飾シリカの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法により得られる重合体修飾シリカ。
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