JP6265461B2 - 共振器装荷型デュアルバンド共振器及びそれを用いたデュアルバンドフィルタ - Google Patents

共振器装荷型デュアルバンド共振器及びそれを用いたデュアルバンドフィルタ Download PDF

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Description

この発明は、高周波やマイクロ波を使った装置、例えば、移動体通信、衛星通信、固定マイクロ波通信、その他の通信技術分野において信号の送受信に利用されるデュアルバンド共振器及びそれを使ったデュアルバンド帯域通過フィルタに関するものである。
特許文献1には、平面回路を用いた狭帯域シャープカットフィルタを提供することを目的として、平面回路で構成される分布定数型共振器と、共振器間を結合する伝送線路と、入出力部に配置された励振線から構成される帯域通過フィルタにおいて、全ての共振器間の結合が中心周波数に相当する波長の(2m−1)/4倍(m:自然数)の長さを有する線路で構成され、共振器を構成する線路との結合部分の長さが実質的に1/4波長に定められていることを特徴とする帯域通過フィルタが、記載されている。
特許文献2には、高い耐電力性を実現しつつ、共振器の放射損失を低減することで低損失材料が本来示すべき高いQ値を実現し、高耐電力性と高Q値とを両立する共振器およびフィルタを提供するために、マイクロストリップライン構造の共振器であって、共振状態で線路内に電流定在波が発生し、隣接する線路間の電流が逆方向となる複数の共振線路と、複数の共振線路を、共振状態における複数の共振線路の電流定在波の節のうち電圧が同位相となる部分同士で接続する接続線路と、で構成される線路構造を有する共振器およびこの共振器を用いて構成されるフィルタの点が、記載されている。
また、従来、通過帯域を二つもつことを特徴とするデュアルバンド帯域通過フィルタは、次のような構成方法が存在する。
一つは、図1に示すように、二つの周波数で共振する複数のデュアルバンド共振器N1、N2、N3が従属結合され、その従属結合の両端の入出力ポートM1、M2とそれぞれ結合することによってフィルタ100を構成している(非特許文献1)。
デュアルバンド共振器N1、N2、N3は偶・奇モードを有し、この二つのモードを制御することで二つの通過帯域を持つデュアルバンド共振器を構成している。このフィルタ100では、入出力ポートM1、M2は両端のデュアルバンド帯域通過共振器N1、N3と直接結合し、二つの通過帯域の両方で所望の特性を同時に得られる接続位置を決定する必要がある。
また、帯域幅は各デュアルバンド共振器N1、N2、N3の共振器間隔によって決定する必要がある。
特開2004−349845号公報 特開2010−81295号公報
Jia-Sheng Hong ,Wenxing Tang, "Dual-band filter based on non-degeneratedual-mode slow-wave open-loop resonators ," IEEE MTT-S International MicrowaveSymposium Digest, pp. 861-864, 2009.
一般的にデュアルバンド帯域通過フィルタは、二つの通過帯域に対してそれぞれ中心周波数と帯域幅を設定し、さらに入出力の整合もとる必要がある。そのため、図1に示すデュアルバンド帯域通過フィルタの帯域幅は各デュアルバンド共振器N1、N2、N3の共振器間隔だけで制御しなければならず、二つの通過帯域で同時に変化してしまうため、設計の自由度が低い。同様に入出力の整合に関しても、一つの入出力ポートM1、M2の調整では二つの通過帯域で同時に入出力の整合が変化してしまい設計の自由度が低い。中心周波数に関してもデュアルバンド共振器N1、N2、N3に発生する偶・奇モードの奇モード部分が偶モードと共通なため、奇モードを調整すると偶モードにも影響を与えることから多段化設計の際には設計が煩雑になる。したがって、設計自由度を高く維持したままでデュアルバンド帯域通過フィルタを設計することが困難であった。特に、二つの通過帯域で同一の比帯域幅を満たすのが大変困難である。
本発明の課題は、上記のような従来技術の課題を解決するためになされたもので、すなわち、二つの通過帯域それぞれの中心周波数、帯域幅、入出力の整合の設計自由度が高いデュアルバンド帯域通過フィルタを実現することにある。特に二つの通過帯域で同一の比帯域幅を満たし多段化に有利なデュアルバンド帯域通過フィルタを実現することにある。
ここで、Q値とは、共振回路の共振のピークの鋭さを表す値で、Quality Factorの略である。
インダクタL、キャパシタC、抵抗Rとすると、直列共振回路の場合、
Q=1/R・(L/C)1/2
であり、
また、共振周波数ωは、ω=(1/LC)1/2
で、Q=ωL/R=1/ωCR
である。
本発明は、図2に示すように、半波長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が
奇モードによる共振器となり、半波長共振器と片端短絡スタブが偶モードによる共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバン
ド共振器であって、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリッ
プ導体は幅c、長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長
さa、幅dの片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込まないときは、偶モード共振導波路として働くことを
特徴とするデュアルバンド共振器である。
また、本発明のデュアルバンド共振器においては、片端短絡スタブ11を、スイッチを介して、開放端の反対側の端面で接続した形状の偶モード共振導波路とすることができる。(図20参照
さらに、本発明は、半波長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が奇モードによる共振器となり、半波長共振器と片端短絡スタブが偶モードによる共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバンド共振器であって、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリップ導体は幅c長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長さa、幅dの片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込まないときは、偶モード共振導波路として働くことを特徴とするデュアルバンド共振器を用いて、片端短絡スタブ11の長さaをトリミング加工して周波数調整するデュアルバンド帯域通過フィルタである。
また、本発明のデュアルバンド帯域通過フィルタにおいては、片端短絡スタブ11を、スイッチを介して、開放端の反対側の端面で接続した形状の偶モード共振導波路とすることができる。
さらにまた、本発明の本発明のデュアルバンド帯域通過フィルタにおいては、図2に示すデュアルバンド共振器を2つ用いて、お互いに180度向きを変えた同一のデュアルバンド共振器を組み合わせて図9に示すデュアルバンド帯域通過フィルタとすることができる。図2に示すように、波半長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が奇モードによる共振器となり、半波長共振器と片端短絡スタブが偶モードによる共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバンド共振器であって、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリップ導体は幅c、長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長さa、幅dのストリップ導線の中央部を深く入り込んだ凹凸状した片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込まないときは、偶モード共振導波路として働くデュアルバンド共振器と、図9に示すように、一定間隔mをおいて、180度向きを変えた同一のデュアルバンド共振器間で、奇モード導波路共振導波路10と片端短絡スタブ11との間に、導波路端部の長さnのH型の導波路12を設けた構造を有するデュアルバンド帯域通過フィルタである。

さらに、本発明のデュアルバンド帯域通過フィルタは、半波長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が
奇モードによる共振器となり、半波長共振器と片端短絡スタブが偶モードによる共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバンド共振器であって、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリップ導体は幅c、長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長さa、幅dのストリップ導線の中央部を深く入り込んだ凹凸状した片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込まないときは、偶モード共振導波路として働くデュアルバンド共振器と、一定間隔mをおいて、180度向きを変えた同一のデュアルバンド共振器の間に、導波路端部の長さnのH型の導波路12を設けた構造を有するデュアルバンド帯域通過フィルタであって、導波路12の端部の長さnを調節することにより、偶モードの通過帯域の結合係数だけを個別に調整できることを特徴とするデュアルバンド帯域通過フィルタである。
さらに、本発明のデュアルバンド帯域通過フィルタは、図2に示すデュアルバンド共振器を2つ用いて、お互いに180度向きを変えた同一のデュアルバンド共振器を組み合わせて図12に示すデュアルバンド帯域通過フィルタとすることができる。図2に示すように、半波長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が奇モードによる共振器となり、半波長共振器と片端短絡スタブが偶モードによる共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバンド共振器であって、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリップ導体は幅c、長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長さa、幅dのストリップ導線の中央部を深く入り込んだ凹凸状した片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込まないときは、偶モード共振導波路として働くデュアルバンド共振器と、図12に示すように、一定間隔mをおいて、180度向きを変えた同一のデュアルバンド共振器間で、奇モード導波路共振導波路10と片端短絡スタブ11との間に、端部の長さnのH型の導波路12を設けた構造を有するデュアルバンド帯域通過フィルタであって、一方の共振器の奇モード共振導波路10に沿って、幅rの間隔で給電導体線13を設け、片端短絡スタブ11と奇モード共振導波路10との接続端面からの距離pであり、かつ、給電導体線13の他方は短絡端(アース端)からの距離qである給電導体線13を設けて入力端とし、180度向きを変えたもう一方の共振器の奇モード共振導波路10に沿って、同様に、幅rの間隔で給電導体線13を設け、片端短絡スタブ11と奇モード共振導波路10との接続端面からの距離pとしてかつ、給電導体線13の他方は短絡端(アース端)からの距離qである給電導体線13を設けこれを出力端とし、距離pを変えることにより奇モードの外部Q値を調整し、その後、距離qを調整することで奇モードの外部Q値を一定に保ちながら偶モードの外部Q値だけを調整できる、デュアルバンド帯域通過フィルタである。
さらに、本発明は、図2に示すデュアルバンド共振器を3つ用いて、180度づつ向きを変えた同一のデュアルバンド共振器3つを組み合わせて図15に示すデュアルバンド帯域通過フィルタとすることができる。図2に示すように、半波長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が奇モードによる共振器となり、半波長共振器と片端短絡スタブが偶モードによる共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバンド共振器であって、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリップ導体は幅c、長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長さa、幅dのストリップ導線の中央部を深く入り込んだ凹凸状した片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込まないときは、偶モード共振導波路として働く第一のデュアルバンド共振器と、図15に示すように、一定間隔mをおいて、180度向きを変えた第二の同一のデュアルバンド共振器を設け、第一のデュアルバンド共振器と第二の同一のデュアルバンド共振器間で、奇モード導波路共振導波路10と片端短絡スタブ11との間に、導波路端部の長さnのH型の導波路12を設け、さらに、一定間隔mをおいて、第二の同一のデュアルバンド共振器と180度向きを変えた第三の同一のデュアルバンド共振器を設け、第二の同一のデュアルバンド共振器と第三の同一のデュアルバンド共振器間で、奇モード導波路共振導波路10と片端短絡スタブ11との間に、導波路端部の長さnのH型の導波路12を設けた構造を有するデュアルバンド帯域通過フィルタであって、第一の共振器の奇モード共振導波路10に沿って、幅rの間隔で給電導体線13を設け、片端短絡スタブ11と奇モード共振導波路10との接続端面からの距離pであり、かつ、給電導体線13の他方は短絡端(アース端)からの距離qである給電導体線13を設けて入力端とし、さらに、第三の共振器の奇モード共振導波路10に沿って、幅rの間隔で給電導体線13を設け、第三の片端短絡スタブ11と奇モード共振導波路10との接続端面からの距離pであり、かつ、給電導体線13の他方は短絡端(アース端)からの距離qである給電導体線13を設けて出力端とすることを特徴とするデュアルバンド帯域通過フィルタである。





また、本発明は、図2に示すデュアルバンド共振器を4つ用いて、180度づつ向きを変えた同一のデュアルバンド共振器4つを組み合わせて図18に示すデュアルバンド帯域通過フィルタとすることができる。図2に示すように、半波長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が奇モードによる共振器となり、半波長共振器と片端短絡スタブが偶モードによる共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバンド共振器であって、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリップ導体は幅c、長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長さa、幅dのストリップ導線の中央部を深く入り込んだ凹凸状した片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込まないときは、偶モード共振導波路として働く第一のデュアルバンド共振器と、図18に示されるように、である一定間隔mをおいて、180度向きを変えた第二の同一のデュアルバンド共振器を設け、第一のデュアルバンド共振器と第二の同一のデュアルバンド共振器間で、奇モード導波路共振導波路10と片端短絡スタブ11との間に、導波路端部の長さnのH型の導波路12を設け、さらに、一定間隔mをおいて、第二の同一のデュアルバンド共振器と180度向きを変えた第三の同一のデュアルバンド共振器を設け、第二の同一のデュアルバンド共振器と第三の同一のデュアルバンド共振器間で、奇モード導波路共振導波路10と片端短絡スタブ11との間に、導波路端部の長さnのH型の導波路12を設け、さらに、一定間隔mをおいて、第三の同一のデュアルバンド共振器と180度向きを変えた第四の同一のデュアルバンド共振器を設けた構造を有するデュアルバンド帯域通過フィルタであって、第一の共振器の奇モード共振導波路10に沿って、幅rの間隔で給電導体線13を設け、片端短絡スタブ11と奇モード共振導波路10との接続端面からの距離pであり、かつ、給電導体線13の他方は短絡端(アース端)からの距離qである給電導体線13を設けて入力端とし、さらに、第四の共振器の奇モード共振導波路10に沿って、幅rの間隔で給電導体線13を設け、第四の片端短絡スタブ11と奇モード共振導波路10との接続端面からの距離pであり、かつ、給電導体線13の他方は短絡端(アース端)からの距離qである給電導体線13を設けて出力端とすることを特徴とするデュアルバンド帯域通過フィルタである。
また、本発明のデュアルバンド帯域通過フィルタでは、ストリップ導体マイクロストリップライン構造もしくはストリップライン構造とすることができる。
さらに、本発明のデュアルバンド帯域通過フィルタでは、ストリップ導体超伝導体とすることができる。



本発明によれば、二つの通過帯域それぞれの中心周波数、帯域幅、入出力の整合の設計自由度が高く、さらに小型化が可能なデュアルバンド帯域通過フィルタを提供することができる。
従来例 本発明で用いたデュアルバンド共振器(実施例1) 本発明で用いたデュアルバンド共振器の断面図(実施例1) hの長さによる奇モード、偶モードの周波数特性(実施例1) aの長さによる奇モード、偶モードの周波数特性(実施例1) 本発明のデュアルバンド共振器(実施例1) 図6右側構造の奇モード、偶モードの周波数特性(実施例1) 図6左側構造の奇モード、偶モードの周波数特性(実施例1) 本発明のデュアルバンド帯域通過フィルタの一例(実施例2) 導波路12を用いない時の共振器間距離mと結合係数kの関係 共振器間距離mが一定で、導波路12のnの長さを変えた時の各通過帯域の結合係数k 2段デュアルバンド帯域通過フィルタ(実施例3) 給電導体線13の位置pによる外部Q値の変化 給電導体線13と片端短絡スタブ11の接続位置qによる外部Q値の変化 3段デュアルバンド帯域通過フィルタの概略図(実施例4) 3段デュアルバンド帯域通過フィルタのシミュレーションによる周波数特性 超伝導体を用いた時の3段デュアルバンド帯域通過フィルタのシミュレーションと測定による周波数特性 4段デュアルバンド帯域通過フィルタの概略図(実施例6) 4段デュアルバンド帯域通過フィルタのシミュレーションによる周波数特性(実施例6) 図2に示した共振器をデュアルバンド動作とシングルバンド動作の切り替え可能に変形した例(実施例7) スイッチ16をオン、オフした時の通過特性(S21)の変化をシミュレーションで求めた結果(実施例7) レーザトリミング加工前と加工後の図(実施例8) レーザトリミングによって増加した片端短絡スタブ11の長さaの変化量に対する共振周波数の変化(実施例8)
本発明のデュアルバンド帯域通過フィルタは、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ等の周知の用途に用いることが出来る。
また、本発明で用いる誘電体は、周知の誘電体を用いることが出来、成形性に優れたものが好ましい。誘電体損を抑えるために、誘電正接の小さい材料が望ましい。また、温度上昇を抑えるために熱伝導率の高い材料が望ましい。
ストリップ導体、マイクロストリップラインに用いる常伝導体や超伝導体についても、知られているどのようなものでも用いることが出来る。
本発明で用いる共振器の代表的な構成単位としての構造を図2の中央部に示す。図2は、半波長共振器10に片側が短絡された片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器のスタブ11の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が奇モードによる共振器となり、半波長共振器10と片端短絡スタブ11が偶モードによる四分の一波長共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバンド共振器である。
本発明は半波長共振器(奇モード共振)10として、図2左側に示すような基本的にはヘアピン形状をした左右対称のマイクロストリップライン構造である。
その構造について詳述するが、当業者であればこの構造を摸して似た構造のデュアルバンド帯域通過フィルタを作ることが可能であるので、本発明はこの構造のみに限定されるべきではない。
すなわち、本発明のストリップライン構造又はマイクロストリップライン構造は、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリップ導体は幅c、長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長さa、幅dの片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなっている。ここで、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込まないときは、偶モード共振導波路として働くことが判明している。
図2に示した半波長共振器(奇モード共振)10は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)以外はすべてつながっている1本のストリップライン若しくはマイクロストリップラインであり
本発明では、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、1本の細い導体からなるヘアピン形状の奇モード共振導波路と細い導体(片端短絡スタブ:偶モード共振導波路の一部)からなり前記奇モード共振導波路の中央部で開放端(ストリップが繋がっていない箇所)でない側に設けられている。
本発明では、図2に示す新しい構造のデュアルバンド共振器とこれを用いたデュアルバンド帯域通過フィルタを作り出すことに成功した。
次に実施例を示すが、本発明はこの構造のみに限定されるべきではない。
本発明の実施形態の共振器はマイクロストリップライン構造である。ストリップラインでも同様である。図2は本発明に従って構成されたデュアルバンド共振器の一実施例の平面図であり、図3は図2の断面図である。これらの図中の22は所定の厚さの誘電体で、誘電体22の下面に接地導体21が配置され、上面にデュアルバンド共振器を構成するストリップ導体23が配置されている。かかる誘電体22は誘電体損を抑えるために、誘電正接の小さい材料を用いて形成することが望ましい。また、温度上昇を抑えるために熱伝導率の高い材料を用いて形成することが望ましい。接地導体21は導体損の小さい材料で特に超伝導材料が望ましい。ストリップ導体も導体損失の小さい材料で特に超伝導材料が望ましい。
これは、マイクロストリップライン構造若しくはストリップライン構造を用いた共振器、フィルタを示す全ての図面において同様である。
図2のデュアルバンド共振器のA−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器となる。基本的構造は半波長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造である。半波長共振器10が奇モードによる共振器となり、半波長共振器10と片端短絡スタブ11が偶モードによる四分の一波長共振器となる。本共振器では、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整した。場合によっては奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整することも可能である。半波長共振器10及びスタブ11をステップインピーダンス構造にすることで、小型化と高調波成分を基本波から遠ざけることができ,良好な帯域外遮断特性を得られる.
本共振器の大きな特徴は以下の2点である。
まず、二つの通過帯域で個別に共振周波数を調整できる。非特許文献1では片端開放スタブが半波長共振器に単純に付加されているため、偶モードは奇モードの半波長共振器と共通であることから、奇モードの共振周波数を調整すると偶モードの共振周波数も変化し問題となる。この問題に対し、本共振器構造では、図2のhの長さを調整することで 偶モードの共振周波数が変化することなく奇モードだけ共振周波数を調整できる。片端短絡スタブ11に流れる高周波電流は線路の幅方向の端部に集中する。そのため、hの長さが変化しても、偶モードの電流経路に変化がないため偶モードの共振周波数に影響を与えない。偶モードの共振周波数を調整するには片端短絡スタブ11の長さaを調整することで、奇モードの共振周波数の変化なしに偶モードの共振周波数を調整できる。図4はhの変化に対する奇モードの共振周波数と偶モード共振周波数の変化を示す。図4よりhを変化させることで奇モードの共振周波数だけを調整できる。図5はhを固定したときのaの変化に対する奇モードの共振周波数と偶モードの共振周波数の変化を示す。図5より、aを変化させることで、偶モードの共振周波数だけを調整できる。
さらに、偶モード共振器の小型化と同時に奇モード共振器付近に発生する偶モード共振器の高調波成分を高周波側にシフトさせることができる。非特許文献1では片端開放スタブが半波長共振器に付加されているため、偶モード共振器は半波長共振器となるが、本共振器構造は、片端短絡スタブ11を用いることから偶モード共振器は四分の一波長共振器となり、片端開放スタブを用いたデュアルバンド帯域通過共振器の約半分のサイズを実現できる。また、偶モード共振器を構成する半波長共振器10及び片端短絡スタブ11の長さa,b及び線路太さc,dを適切なサイズにすることで、偶モード共振器全体がステップインピーダンス共振器構造となり、偶モード共振器の小型化が実現できる。図6は図2中央の提案共振器の半波長共振器10及び片端短絡スタブ11の長さa,b及び線路太さc,dを変えた二つ共振器構造を示す。いずれも、偶モードの共振周波数を800
MHzとし、奇モードの共振周波数を2.5 GHzとなるように各部のサイズを調整した。図6より半波長共振器10及び片端短絡スタブ11の長さa,b及び線路太さc,dを調整することで全体の共振器サイズを短くできることがわかる。図6の右側の共振器構造による周波数特性を図7に、左側の共振器構造による周波数特性を図8に示す。図7、8を比較すると、図7の場合、奇モード共振のすぐ低周波側に偶モードの2次共振が発生し、その共振がスプリアス共振として帯域外遮断特性を劣化させる。一方、図8では偶モードの2次共振が4GHzまでシフトし、奇モード周辺の帯域外遮断特性が改善されているのがわかる。
以上のことから、半波長共振器10及び片端短絡スタブ11の長さa,b及び線路太さc,dを適切なサイズを選択することで共振器サイズの小型化と高調波の高周波化が可能となる。
図9は本発明に従って構成された2段デュアルバンド帯域通過フィルタの一実施例の平面図であり、マイクロストリップライン構造を用いている。2段デュアルバンド帯域通過フィルタは図2に示したデュアルバンド帯域通過共振器を二つ配置し、二つのデュアルバンド帯域通過共振器の片端短絡スタブ11と半波長共振器10との間に導波路12が配置されている。ここで、片端短絡スタブ11は折り曲げることで偶モード共振器全体のサイズを短くし小型化している。片端短絡スタブ11はストリップ導線の中央部を深く入り込んだ凹凸状に折り曲げることが好ましい。フィルタを設計するためには設計条件が必要である。ここでは、デュアルバンド帯域通過フィルタにおいて二つの通過帯域で設計が困難である同一比帯域幅を有するデュアルバンド帯域通過フィルタについて例を上げて説明する。設計にはチェビシェフ関数型フィルタを用いた。設計条件は低周波側の中心周波数を800 MHz、比帯域幅2%、リップル0.1dBとし、高周波側の中心周波数を2.4 GHz、比帯域幅2%、リップル0.1
dBとした。このとき、二つの通過帯域で比帯域幅を決める共振器間の結合の強さを表す結合係数は同一の値となり、入出力の整合を表す外部Q値も二つの通過帯域で同一の値となる。
本発明の大きな特徴は導波路12を用いることで偶モードだけの結合係数を個別に調整できるようにした点である。
一般的には共振器間の結合係数は磁界結合成分と電界結合成分の合成効果として扱い、共振器間の距離よって調整する。図10は導波路12を用いない時の共振器間距離mと結合係数kの関係を示す。図10より、共振器間の距離mを変化させた場合、二つの通過帯域で同一の結合係数を実現することは困難である。言いかえると、ある共振器間距離mを決めると、一意的に二つの通過帯域の結合係数が決まることから、帯域幅の設計自由度がなく問題であった。
この問題に対して、本発明は導波路12によって偶モードの通過帯域の帯域幅をだけを調整する。導波路12は片端短絡スタブ11と半波長共振器10との間に配置されていることから、偶モードだけにしか寄与せず、奇モードである半波長共振器10による結合には全く影響を与えず、偶モードの通過帯域の帯域幅だけを調整できる。
図11は図9の共振器間距離mが一定で、導波路12のnの長さを変えた時の各通過帯域の結合係数kを示す。図11より、奇モードの通過帯域における結合係数を変化させずに、偶モードの通過帯域の結合係数だけを個別に調整できることがわかる。また、奇モードと偶モードの通過帯域で同一の結合係数を実現することが可能であることから、二つの帯域で同一の比帯域幅を実現できる。
図12は本発明に従って構成された2段デュアルバンド帯域通過フィルタの入出力の整合方法に関する一実施例の平面図であり、マイクロストリップライン構造を用いている。このようなフィルタにあっては、入出力を得るために給電が必要である。図12に示した2段デュアルバンド帯域通過フィルタに給電導体線13を配置し給電する。給電導体線13は奇モードである半波長共振器10とギャップ給電し、偶モードである片端短絡スタブ11と半波長共振器10の片端短絡スタブ11に直接給電することを特徴とする。従来は、非特許文献1に示すように二つの通過帯域に対して、入出力の整合は一つの給電導体線で行われており、直接、給電線を共振器に接続する直接給電が用いられてきた。そのため、帯域幅と同様に二つの通過帯域で個別に入出力の整合を取ることが困難であった。この問題に対し、本発明の特徴は、奇モードに対して、給電導体線13にシングルバンドフィルタでは一般的に用いられるギャップ給電を用い、パラメータpを用いて入出力の整合を調整し、偶モードに対して、給電導体線13にシングルバンドフィルタでは一般的に用いられる直接給電を用い、パラメータqを用いて入出力の整合を調整し、二つの帯域で個別に入出力の整合に関わる外部Q値の調整を可能にしたことに特徴を有する。特に二つの通過帯域で同一比帯域幅を実現するために二つの通過帯域で同一の外部Q値を実現することを特徴とする。
はじめに、奇モードの外部Q値を調整するために給電導体線13の位置pを調整する。図13に給電導体線13の位置pによる外部Q値の変化を示す。図13より、給電導体線13の位置pが9.7mmのとき奇モードの外部Q値が目的の値となる。しかし、偶モードの外部Q値はpによって増加し、同一の値を得ることが困難である。そこで、次に偶モードの外部Q値を目的の値にするために給電導体線13と片端短絡スタブ11との接続位置qを調整する。図14に給電導体線13と片端短絡スタブ11との接続位置qの関係を示す。図14より、奇モードの外部Q値はほぼ一定なのに対して、偶モードの外部Q値だけが大きく変化し、二つの通過帯域で奇モードと偶モードが同一の外部Q値を実現できることを明らかにした。言いかえると、奇モードと偶モードで外部Q値を個別に調整できることを明らかにした。
図15は3段デュアルバンド帯域通過フィルタの概略図であり、マイクロストリップライン構造若しくはストリップライン構造を用いることができる。
所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリップ導体は幅c長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長さa、幅dのストリップ導線の中央部を深く入り込んだ凹凸状とした片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込まないときは、偶モード共振導波路として働く第一のデュアルバンド共振器と、一定間隔mをおいて、180度向きを変えた第二の同一のデュアルバンド共振器を設け、第一のデュアルバンド共振器と第二の同一のデュアルバンド共振器間で、奇モード導波路共振導波路10と片端短絡スタブ11との間に、導波路端部の長さnのH型の導波路12を設け、さらに、一定間隔mをおいて、第二の同一のデュアルバンド共振器と180度向きを変えた第三の同一のデュアルバンド共振器を設け、第二の同一のデュアルバンド共振器と第三の同一のデュアルバンド共振器間で、奇モード導波路共振導波路10と片端短絡スタブ11との間に、導波路端部の長さnのH型の導波路12を設けた構造を有するデュアルバンド帯域通過フィルタであって、第一の共振器の奇モード共振導波路10に沿って、幅rの間隔で給電導体線13を設け、片端短絡スタブ11と奇モード共振導波路10との接続端面からの距離pであり、かつ、給電導体線13の他方は短絡端(アース端)からの距離qである給電導体線13を設けて入力端とし、さらに、第三の共振器の奇モード共振導波路10に沿って、幅rの間隔で給電導体線13を設け、第三の片端短絡スタブ11と奇モード共振導波路10との接続端面からの距離pであり、かつ、給電導体線13の他方は短絡端(アース端)からの距離qである給電導体線13を設けて出力端とすることを特徴とするデュアルバンド帯域通過フィルタ構造である。
また、図16に図15のデュアルバンド帯域通過フィルタのシミュレーションによる周波数特性を示す。図16より二つの通過帯域を有する良好なデュアルバンド帯域通過フィルタが設計でき、なおかつ、二つの通過帯域で同一比帯域幅でも設計できることが明らかとなり、本発明は有効であることがわかる。
次に、実施例4で設計した3段デュアルバンド帯域通過フィルタのストリップ導体に超伝導体を用いてフィルタを作製し、設計と同様の結果が得られるか確認した。誘電体基板はサファイアを用い、超伝導体はYBa2Cu3O7(YBCO)薄膜を用いた。設計条件は実施例2で示した設計条件と同じである。低周波側の中心周波数を800 MHz、比帯域幅2%、リップル0.1dBとし、高周波側の中心周波数を2.4 GHz、比帯域幅2%、リップル0.1
dBとした。図17は図15の導体材料に超伝導体を用いた時のデュアルバンド帯域通過フィルタのシミュレーションと測定による周波数特性である。図17より、超伝導体を用いたデュアルバンド帯域通過フィルタは設計とほぼ同等の周波数特性を示し、大変挿入損失の小さいデュアルバンド帯域通過フィルタを実現できることが明らかとなり、提案する設計手法の有効性が明らかとなった。
従来のデュアルバンド帯域通過フィルタでは二つの通過帯域で同一の比帯域幅を有するフィルタを設計することが困難であり、なおかつ段数が4段以上のフィルタを設計するには、二つの帯域で個別に共振周波数、帯域幅、入出力の整合を調整できなければならず、同一比帯域幅を有する多段化設計はより困難となる。そこで、本発明を用いて次の設計条件を満たすフィルタの設計を行った。設計条件は段数4段で低周波側の中心周波数を800 MHz、比帯域幅2%、リップル0.1dBとし、高周波側の中心周波数を2.4 GHz、比帯域幅2%、リップル0.1
dBとした。構造はマイクロストリップライン構造である。(導体材料には超伝導体を想定し、誘電体にはサファイアを想定した。)図18に設計した4段デュアルバンド帯域通過フィルタの概略図を示す。図19に図18の4段デュアルバンド帯域通過フィルタの周波数特性を示す。図19より、反射特性(S11)、通過特性(S21)共に設計条件をみたした良好な周波数特性をもつデュアルバンド帯域通過フィルタを設計できた。以上より、本発明は同一比帯域幅を有する多段フィルタの設計にも有効である。
これまでの、各実施形態による共振器及びフィルタは周波数が大きく離れた二つの周波数帯域の信号に対して同時に動作可能であり、二つの周波数帯でのサービスが提供されている環境においては広帯域の通信を可能にする。しかしながら、そのようなフィルタを使用した例えば携帯電話のような移動機が一方の周波数帯でしかサービスを提供していない領域にローミングした場合、他方の周波数帯では受信される不要な信号は干渉信号となるので、デュアルバンドで動作させるのは好ましくない。
そこで、デュアルバンド帯域通過共振器(またはデュアルバンド帯域通過フィルタ)として動作するか、シングルバンド帯域通過共振器(またはシングルバンド帯域通過フィルタ)として動作するか切り替え可能とした。

図20は図2に示した共振器をデュアルバンド動作とシングルバンド動作の切り替え可能に変形した例を示し、この実施形態は図2における半波長共振器10とスタブ11との接続部分を切断し、スイッチ16を直列に挿入したものであり、その他の構成は図2の場合とまったく同じである。スイッチとしては例えば、トランジスタスイッチ、ダイオードスイッチなどの半導体スイッチや、MEMS(micro-electro-mechanical system)スイッチなど、どのようなものでもよい。

図21は図20においてスイッチ16をオン、オフした時の通過特性(S21)の変化をシミュレーションで求めた結果を示す。シミュレーションは、スイッチの非導通状態を、単にスイッチの位置で導体を切断して線路幅と同程度の空隙を形成したものとして行っている。スイッチがオンのときは図4と同様にデュアルバンド帯域通過共振器として動作し、二つの帯域で共振している。スイッチがオフのときは高周波側の奇モードだけしか共振せず、シングルモードの共振器として動作する。
マイクロストリップラインやストリップラインを用いてフィルタを形成する場合,実際に使用する誘電体基板の誘電率や厚さが設計に用いた値とわずかに違う場合,測定した周波数特性は設計条件の共振周波数からわずかにシフトしてしまうことがある.そこで,この問題を解決するためにレーザトリミングによって片端短絡スタブ11の長さaを変化させ共振周波数を調整する.
図22は誘電体22に実際にマイクロストリップラインを用いてデュアルバンド共振器を形成したときの上面図であり,レーザトリミング加工前と加工後である.図2の片端短絡スタブ11の短絡部分はグランドパッド17に接続することで短絡する.レーザトリミングはこの片端短絡スタブ11とグランドパッドの接続部分をレーザビームで焼き切ることで片端短絡スタブ11の長さaが長くなり,片端短絡スタブ11と半波共振器10から形成される偶モード共振器の共振周波数だけを独立に調整できる.図23はレーザトリミングによって増加した片端短絡スタブ11の長さaの変化量に対する共振周波数の変化を広帯域特性と800 MHz帯と2.5 GHzに分けて表示した.図23(a)の広帯域特性では共振周波数の変化が見えないが,図23(b)の800 MHz帯では片端短絡スタブ11の長さが増加することで共振周波数がシフトしているのが確認でき,共振周波数の調整にレーザトリミングが有効であることがわかる.また,図23(c)の2.5 GHz帯では片端短絡スタブ11の長さが変化しても共振周波数が変化していないことから,本発明は800 MHz帯の共振周波数だけを個別に調整できることが明らかとなった.

本発明のデュアルバンド帯域通過フィルタは、二つの通過帯域それぞれの中心周波数、帯域幅、入出力の整合の設計自由度が高く、さらに小型化が可能であり、あらゆる種類の通信用フィルタに転用可能であり、通信業界の発展に寄与できるので、産業上きわめて利用可能性が高いものである。
10 半波長共振器
11 片端短絡スタブ゛
12 導波路
13 給電導体線
16 スイッチ
17 グランドパッド
21 接地導体
22 誘電体
23 ストリップ導体

Claims (11)

  1. 半波長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が
    奇モードによる共振器となり、半波長共振器と片端短絡スタブが偶モードによる共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバン
    ド共振器であって、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリッ
    プ導体は幅c、長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長
    さa、幅dの片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込まないときは、偶モード共振導波路として働くことを
    特徴とするデュアルバンド共振器。
  2. 片端短絡スタブ11を、スイッチを介して、開放端の反対側の端面で接続した形状の偶モード共振導波路である請求項1に記載したデュアルバンド共振器。
  3. 半波長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が
    奇モードによる共振器となり、半波長共振器と片端短絡スタブが偶モードによる共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバン
    ド共振器であって、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリッ
    プ導体は幅c長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長さ
    a、幅dの片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込まないときは、偶モード共振導波路として働くことを特
    徴とするデュアルバンド共振器を用いて、片端短絡スタブ11の長さaをトリミング加工して周波数調整するデュアルバンド帯域通過フィルタ。
  4. 片端短絡スタブ11を、スイッチを介して、開放端の反対側の端面で接続した形状の偶モード共振導波路である請求項3に記載したデュアルバンド帯域通過フィルタ。
  5. 波半長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が
    奇モードによる共振器となり、半波長共振器と片端短絡スタブが偶モードによる共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバン
    ド共振器であって、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリッ
    プ導体は幅c、長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長
    さa、幅dのストリップ導線の中央部を深く入り込んだ凹凸状した片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込
    まないときは、偶モード共振導波路として働くデュアルバンド共振器と、一定間隔mをおいて、180度向きを変えた同一のデュアルバンド共振器間で、奇モード導波路共振導波路10と片端短絡スタブ11との間に、導波路端部の長さnのH型の導波路12を設けた
    構造を有するデュアルバンド帯域通過フィルタ。
  6. 半波長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が
    奇モードによる共振器となり、半波長共振器と片端短絡スタブが偶モードによる共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバン
    ド共振器であって、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリッ
    プ導体は幅c、長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長
    さa、幅dのストリップ導線の中央部を深く入り込んだ凹凸状した片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込
    まないときは、偶モード共振導波路として働くデュアルバンド共振器と、一定間隔mをおいて、180度向きを変えた同一のデュアルバンド共振器の間に、導波路端部の長さnのH型の導波路12を設けた構造を有するデュアルバンド帯域通過フィルタであって、導波
    路12の端部の長さnを調節することにより、偶モードの通過帯域の結合係数だけを個別に調整できることを特徴とするデュアルバンド帯域通過フィルタ。
  7. 半波長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が
    奇モードによる共振器となり、半波長共振器と片端短絡スタブが偶モードによる共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバン
    ド共振器であって、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリッ
    プ導体は幅c、長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長
    さa、幅dのストリップ導線の中央部を深く入り込んだ凹凸状した片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込
    まないときは、偶モード共振導波路として働くデュアルバンド共振器と、一定間隔mをおいて、180度向きを変えた同一のデュアルバンド共振器間で、奇モード導波路共振導波路10と片端短絡スタブ11との間に、端部の長さnのH型の導波路12を設けた構造を
    有するデュアルバンド帯域通過フィルタであって、一方の共振器の奇モード共振導波路10に沿って、幅rの間隔で給電導体線13を設け、片端短絡スタブ11と奇モード共振導波路10との接続端面からの距離pであり、かつ、給電導体線13の他方は短絡端(アー
    ス端)からの距離qである給電導体線13を設けて入力端とし、180度向きを変えたもう一方の共振器の奇モード共振導波路10に沿って、同様に、幅rの間隔で給電導体線13を設け、片端短絡スタブ11と奇モード共振導波路10との接続端面からの距離pとし
    てかつ、給電導体線13の他方は短絡端(アース端)からの距離qである給電導体線13を設けこれを出力端とし、距離pを変えることにより奇モードの外部Q値を調整し、その後、距離qを調整することで奇モードの外部Q値を一定に保ちながら偶モードの外部Q値だ
    けを調整できる、デュアルバンド帯域通過フィルタ。
  8. 半波長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が
    奇モードによる共振器となり、半波長共振器と片端短絡スタブが偶モードによる共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバン
    ド共振器であって、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリッ
    プ導体は幅c、長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長
    さa、幅dのストリップ導線の中央部を深く入り込んだ凹凸状した片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込
    まないときは、偶モード共振導波路として働く第一のデュアルバンド共振器と、一定間隔mをおいて、180度向きを変えた第二の同一のデュアルバンド共振器を設け、第一のデュアルバンド共振器と第二の同一のデュアルバンド共振器間で、奇モード導波路共振導波
    路10と片端短絡スタブ11との間に、導波路端部の長さnのH型の導波路12を設け、さらに、一定間隔mをおいて、第二の同一のデュアルバンド共振器と180度向きを変えた第三の同一のデュアルバンド共振器を設け、第二の同一のデュアルバンド共振器と第三
    の同一のデュアルバンド共振器間で、奇モード導波路共振導波路10と片端短絡スタブ11との間に、導波路端部の長さnのH型の導波路12を設けた構造を有するデュアルバンド帯域通過フィルタであって、第一の共振器の奇モード共振導波路10に沿って、幅rの
    間隔で給電導体線13を設け、片端短絡スタブ11と奇モード共振導波路10との接続端面からの距離pであり、かつ、給電導体線13の他方は短絡端(アース端)からの距離qである給電導体線13を設けて入力端とし、さらに、第三の共振器の奇モード共振導波路
    10に沿って、幅rの間隔で給電導体線13を設け、第三の片端短絡スタブ11と奇モード共振導波路10との接続端面からの距離pであり、かつ、給電導体線13の他方は短絡端(アース端)からの距離qである給電導体線13を設けて出力端とすることを特徴とす
    るデュアルバンド帯域通過フィルタ。
  9. 半波長共振器10に片端短絡スタブ11を付加した構造であるデュアルバンド共振器の対称面A−B面は電気/磁気壁をなし、奇モード共振と偶モード共振によって、2周波数帯域で動作するデュアルバンド共振器であって、半波長共振器10が
    奇モードによる共振器となり、半波長共振器と片端短絡スタブが偶モードによる共振器となり、奇モードを高周波側、偶モードを低周波側で共振するように共振器長を調整し、若しくは、奇モードを低周波側、偶モードを高周波側で共振することができるデュアルバン
    ド共振器であって、所定の厚さの誘電体の下面に接地導体が配置され、上面にストリップ導体が配置され、当該ストリップ導体は、開放端(ストリップが繋がっていない箇所)で切断されている1本の細いストリップ導体であって、深く入り込んだ溝を有し、ストリッ
    プ導体は幅c、長さbであり、溝の先端部とストリップ導体の端面は幅hであり、かつ、解放端と反対側のストリップ導体の幅は、溝の先端部付近で、hと同程度まで急激に細くなっている左右対称形の1本のストリップ導体からなる形状の奇モード共振導波路と、長
    さa、幅dのストリップ導線の中央部を深く入り込んだ凹凸状した片端短絡スタブ11を開放端の反対側の端面に接続した形状の偶モード共振導波路からなり、対称面A−B面に電流が流れ込むときは、奇モード共振導波路として働き、対称面A−B面に電流が流れ込
    まないときは、偶モード共振導波路として働く第一のデュアルバンド共振器と、一定間隔mをおいて、180度向きを変えた第二の同一のデュアルバンド共振器を設け、第一のデュアルバンド共振器と第二の同一のデュアルバンド共振器間で、奇モード導波路共振導波
    路10と片端短絡スタブ11との間に、導波路端部の長さnのH型の導波路12を設け、さらに、一定間隔mをおいて、第二の同一のデュアルバンド共振器と180度向きを変えた第三の同一のデュアルバンド共振器を設け、第二の同一のデュアルバンド共振器と第三
    の同一のデュアルバンド共振器間で、奇モード導波路共振導波路10と片端短絡スタブ11との間に、導波路端部の長さnのH型の導波路12を設け、さらに、一定間隔mをおいて、第三の同一のデュアルバンド共振器と180度向きを変えた第四の同一のデュアルバ
    ンド共振器を設けた構造を有するデュアルバンド帯域通過フィルタであって、第一の共振器の奇モード共振導波路10に沿って、幅rの間隔で給電導体線13を設け、片端短絡スタブ11と奇モード共振導波路10との接続端面からの距離pであり、かつ、給電導体線
    13の他方は短絡端(アース端)からの距離qである給電導体線13を設けて入力端とし、さらに、第四の共振器の奇モード共振導波路10に沿って、幅rの間隔で給電導体線13を設け、第四の片端短絡スタブ11と奇モード共振導波路10との接続端面からの距離p
    であり、かつ、給電導体線13の他方は短絡端(アース端)からの距離qである給電導体線13を設けて出力端とすることを特徴とするデュアルバンド帯域通過フィルタ。
  10. ストリップ導体がマイクロストリップライン構造もしくはストリップライン構造である請求項3ないし請求項9のいずれかに記載したデュアルバンド帯域通過フィルタ。
  11. ストリップ導体が超伝導体である請求項3ないし請求項9のいずれかに記載したデュアルバンド帯域通過フィルタ。

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