JP6264993B2 - コークス炉の擁壁冷却構造 - Google Patents

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本発明は、炉団長方向に炭化室と燃焼室が交互に配置され、炉団長方向両端にコンクリート製の擁壁を設けたコークス炉の擁壁冷却構造に関するものである。
室炉式コークス炉とも呼ばれるコークス炉は、下層部分に蓄熱室、上層部分に炭化室と燃焼室が配置される。下層の蓄熱室と上層との間の部分は蛇腹部とも呼ばれる。炉団長方向に多数の炭化室と燃焼室が交互に配置されている。炉団長方向両端には、コンクリート製の擁壁が設けられ、両擁壁間の煉瓦構築物を保持する機能を果たしている(例えば特許文献1参照)。炭化室の長手方向を炉長方向という。
コークス炉下層において、擁壁と隣接するのは蓄熱室であり、上層において擁壁と隣接するのは燃焼室である。擁壁と隣接する蓄熱室、燃焼室と擁壁との間には煉瓦構造部が設けられる。燃焼室、蓄熱室ともに高温に保持されているので、これら高温部分から煉瓦を経由して擁壁に熱流束が流れる。ポルトランドセメントを用いて構築されるコンクリート製の擁壁は耐熱温度がせいぜい100℃程度であり、100℃を超える温度に長時間さらされるとコンクリートが劣化していく。擁壁の温度を極力低温に抑えるため、燃焼室と擁壁との間の煉瓦構造部の厚みを厚くすることによって対応している。
特開2008−75018号公報
近年、コークス炉の稼働年数が一斉に寿命に達し、再建の時期となっている。煉瓦構造部については、すべて解体して再構築するが、炉団長方向両端のコンクリート製擁壁については解体せずそのまま再利用できればよい。実際、コークス炉を数十年稼働した後に煉瓦構築部を解体してみると、煉瓦構築部に接していた擁壁が劣化してぼろぼろになっている事例が見られる。当該コークス炉の擁壁冷却構造が十分ではなく、擁壁の温度が100℃を超えていたことが原因であると推定される。
本発明は、炉団長方向に炭化室と燃焼室が交互に配置され、炉団長方向両端にコンクリート製の擁壁を設けたコークス炉において、擁壁の温度を低下することによって擁壁の劣化を防止することのできる擁壁冷却構造を提供することを目的とする。
(1)炉団長方向に炭化室と燃焼室が交互に配置され、炉団長方向両端にコンクリート製の擁壁を設けたコークス炉の擁壁冷却構造であって、炭化室の長手方向を炉長方向とし、擁壁と煉瓦部との境界に空気が流通する空洞部を設け、炉長方向に伸びる空洞部(「水平ダクト」という。)を上下方向に2以上設け、各水平ダクトの間に上下方向に伸びる空洞部(「垂直ダクト」という。)を炉長方向に複数箇所設け、各垂直ダクトは隣接する上下の水平ダクトと連通し、擁壁の厚みを貫通する空気導入孔を設け、空気導入孔は前記水平ダクトと同じ高さであって水平ダクトに連通するように設けることを特徴とするコークス炉の擁壁冷却構造。
(2)水平ダクトおよび空気導入孔を上下方向に3以上設けることを特徴とする請求項1に記載のコークス炉の擁壁冷却構造。
(3)上下方向中段の水平ダクトは、燃焼室最下部から2m上方を上限とし、蓄熱室上部の空間部が狭小する部位を下限とする高さ範囲に設けることを特徴とする請求項2に記載のコークス炉の擁壁冷却構造。
(4)擁壁に最も近い燃焼室と擁壁との間の煉瓦部に炉長方向に伸びる空間エリア(「空洞水平孔」という。)を上下方向に2カ所有し、各空洞水平孔の間に上下方向に伸びる空間エリア(「空洞垂直孔」という。)を炉長方向に複数箇所設け、空洞水平孔が炉長方向両端で外気部分と連通していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコークス炉の擁壁冷却構造。
本発明は、炉団長方向に炭化室と燃焼室が交互に配置され、炉団長方向両端にコンクリート製の擁壁を設けたコークス炉の擁壁冷却構造において、擁壁と煉瓦部との境界に空気が流通する水平ダクトを上下方向に2以上設け、各水平ダクトの間に上下方向に空気が流通する垂直ダクトを炉長方向に複数箇所設け、擁壁の厚みを貫通する空気導入孔であって水平ダクトに連通するものを設けることにより、擁壁を冷却して擁壁の温度を低下することによって擁壁の劣化を防止することができる。
本発明の擁壁の冷却構造を示す図であり、(a)は炉団長方向端部のA−A矢視部分断面図、(b)はB−B矢視断面図である。 本発明の擁壁の冷却構造を示す図であり、(a)は炉団長方向端部のA−A矢視部分断面図、(b)はB−B矢視断面図である。 本発明の擁壁の冷却構造を示す図であり、(a)は炉団長方向端部のA−A矢視部分断面図、(b)はB−B矢視断面図である。
図1〜3に基づいて本発明を説明する。
本発明は、上段の炉団長方向22に炭化室1と燃焼室2が交互に配置され、下段に蓄熱室3が配置され、炉団長方向両端にコンクリート製の擁壁4を設けたコークス炉を対象とする。炉長16m規模のコークス炉の場合、擁壁4の高さは15m程度、擁壁の厚さは1m程度となる。コークス炉の上段において、擁壁4に最も近い燃焼室2Eと擁壁4との間は2m弱の厚さで煉瓦が築造されており、擁壁と煉瓦築造物が接して構築される。コークス炉下段についても、擁壁4に最も近い蓄熱室3Eと擁壁4との間は煉瓦が構築されている。
本発明において、擁壁4と煉瓦部5との境界に空気が流通する空洞部を設ける。空洞部は、空気流通方向に伸び、空気流通方向に垂直な断面において、空洞部の壁を構成する一方の面は擁壁であり、他の面は煉瓦である。即ち、擁壁に接する煉瓦構築部に空気流通方向に伸びる溝を形成することにより、上記空洞部を形成することができる。
本発明の空洞部として、炉長方向に伸びる空洞部(水平ダクト6)と、各水平ダクト6の間に上下方向に伸びる空洞部(垂直ダクト7)とを有している。図1〜3それぞれの(b)は、煉瓦部5の水平ダクト6と垂直ダクト7が配置された部分で切断した断面(B−B矢視断面)であり、図(b)のハッチング部は煉瓦部5の断面を示し、同図の白色部分は水平ダクトと垂直ダクトの擁壁4側の壁が見えている部分である。各垂直ダクト7は、その上下方向両端において隣接する上下の水平ダクト6とつながり、当該連通部分で垂直ダクト7と水平ダクト6との間で空気の流通が可能となっている。水平ダクト6は上下方向に2以上設ける。水平ダクト6は、空気流通断面が0.02m2〜0.13m2程度とすると好ましい。また垂直ダクト7は、複数箇所設ける。空気流通断面が0.01m2〜0.05m2程度とすると好ましい。
擁壁4には、擁壁4の厚みを貫通する孔を設け、空気導入孔8と称する。空気導入孔8は水平ダクト6と同じ高さであって、空気導入孔8の炉内側端部において水平ダクト6とつながり、当該連通部分で両者の間で空気の流通が可能になっている。水平ダクト6は前述のとおり上下方向に2以上設けられ、空気導入孔8についても、水平ダクトの上下方向設置位置に応じて、上下方向の設置位置が2カ所以上となる。空気導入孔8は、空気流通断面が0.03m2〜0.13m2程度とすると好ましい。
図2に示すように、上下方向に水平ダクト6が2カ所設けられた場合について説明する。この場合、空気導入孔8の設置位置も、上下方向に2カ所となる。垂直ダクト7内の空気は、炉内側からの熱を受けて温度が上昇する。垂直ダクト7の上下両端は水平ダクト6と連通し、水平ダクト6と空気導入孔8が連通しているので、垂直ダクト7はその両端において外気とつながっている。そのため、熱せられた垂直ダクト7内の空気は上昇気流を生じ、上方の空気導入孔8を通って外気に放出される。一方、下方の空気導入孔8からは外気が導入され、水平ダクト6を経由して垂直ダクト7の下端に供給されることとなる。
本発明においては、コークス炉の炉長方向21(炭化室の長手方向)において、垂直ダクト7の本数は、擁壁の冷却の均一性が確保できるように決定する。擁壁4の温度上昇をできるだけ均一に低減するためには、垂直ダクト7の設置本数を増やし、炉長方向における垂直ダクト7の間隔を狭めるほど良好な結果を得ることができる。たとえば、空気流通断面が0.01m2〜0.05m2程度の垂直ダクト7であれば、炉長方向に8カ所以上設けるのが好ましい。
空気導入孔8の設置個数については、同一高さにおいて炉長方向21に1個以上を設置すればよい。空気導入孔8を出入りする空気は、空気導入孔8が通じている水平ダクト6を経由して炉長方向に流れることができるので、空気導入孔8の設置数が少なくても、水平ダクト6を経由して空気導入孔8に隣接する複数の垂直ダクト7と空気を流通することができる。一方、空気導入孔8の個数が増えれば空気導入孔1孔あたりで担当する垂直ダクト7の数が減少するので好ましい。同一高さでの炉長方向の空気導入孔8の設置数を3以上とすると好ましい。一方、数が多いとコンクリートパネルとしての強度が低下するため、1段に10個以下が好ましい。
水平ダクトの炉長方向両端は、コークス炉の炉長方向端部に開口することとしてもよい。この場合には、水平ダクトの開口部も空気流通孔として機能する。従って、上記空気導入孔の設置個数が同一高さで1個であっても、炉長方向中央に空気導入孔を設置し、炉長方向両端の水平ダクト開口部とあわせて3カ所から空気流入・流出を行うことができる。
図2に示すように水平ダクト6を上下方向に2カ所設ける場合、下方の水平ダクト6は蓄熱室3の下端付近、上方の水平ダクト6は燃焼室2の上端付近を上下方向の設置位置とすると好ましい。これにより、蓄熱室3からの熱流束と燃焼室2からの熱流束のいずれも、上下の水平ダクト間に配設された垂直ダクト中の空気を加熱・昇温し、垂直ダクト中の高温の上昇気流となって上部の空気導入孔8から排出され、一方で下部の空気導入孔8から常温の空気が垂直ダクト下端に供給されることとなる。これにより、擁壁の上下方向いずれの箇所についても十分に温度を低下することができる。
図1に示すように、水平ダクト6を上下方向に3カ所以上設けることとするとより好ましい。水平ダクト6を3カ所設ける場合、上部と下部の水平ダクト6の上下方向設置位置は上記水平ダクト6を2カ所設ける場合と同様である。中段の水平ダクト6については、蓄熱室3と燃焼室2との中間位置に当たる蛇腹部付近とすると好ましい。擁壁の上下方向において、蛇腹部付近が最も温度上昇が激しくなるからである。この場合、中段の水平ダクト6と同じ高さであって水平ダクト6に連通するように、中段の空気導入孔8を擁壁4に設ける。
図1に示すように水平ダクト6を上下方向に3カ所設ける場合、中段の水平ダクト6は、燃焼室最下部から2m上方を上限とし、蓄熱室上部の空間部が狭小する部位を下限とする高さ範囲(高温度高さ範囲23)に設けると好ましい。当該高温度高さ範囲23が、擁壁4にとってもっとも温度上昇が激しい部位だからである。
本発明の擁壁冷却構造は、上記のように擁壁と煉瓦部との境界に水平ダクトと垂直ダクトを設置することに加え、図3に示すように、擁壁4に最も近い燃焼室2Eと擁壁4との間の煉瓦部5に追加の冷却構造を設けることとすると好ましい。当該煉瓦部に設ける冷却構造は、炉長方向に伸びる上下2カ所の空間エリア(空洞水平孔9)と、各空洞水平孔9の間に上下方向に伸びる空間エリア(空洞垂直孔10)からなる。空洞水平孔9は水平方向に伸びて空気を流通する空間であり、空洞垂直孔10は垂直方向に伸びて空気を流通する空間であり、空洞垂直孔10の上下両端で空洞水平孔9と連結して空気が相互間で流通可能となっている。水平空洞孔9は、空気流通断面が0.02m2〜0.1m2程度とすると好ましい。垂直空洞孔10は、1個あたりの空気流通断面が0.01m2〜0.04m2程度とすると好ましい。
空洞水平孔9は炉長方向両端の開口部31で外気部分と連通している。これにより、垂直空洞孔10内の空気が周囲の高温の煉瓦からの熱流束で加熱・昇温されて上昇気流となり、垂直空洞孔上端で上部の水平空洞孔9へ流れ、水平空洞孔端部の開口部31から外気に放出される。一方、下部の水平空洞孔両端の開口部31から常温の外気が水平空洞孔9に供給され、垂直空洞孔10の下端から垂直空洞孔10に供給される。これにより、高温の燃焼室2Eから低温の擁壁4に向かう熱流束の一部が外部に放出される。また、垂直空洞孔10が断熱機能をも果たす。これらの相乗効果により、擁壁4の温度をより一層降下させることができる。
垂直空洞孔10は炉長方向に複数箇所設ける。これにより、垂直空洞孔10が設けられた上下方向全域を冷却するとともに、炉長方向についても、均一に冷却を行うことが可能となる。
図1〜3に示す、炭化室の高さが6m、全高が煉瓦部分で12m、炉長が15mの炭化室と燃焼室を合計で50窯配置して1炉団を構成するコークス炉にて、本発明を適用した。炉団の端の燃焼室2E中心から擁壁4までの距離が1.9m、擁壁4の厚みは0.8mである。
(比較例)
比較例として、水平ダクト、垂直ダクト、水平空洞孔、垂直空洞孔などの冷却機構を一切設けないコークス炉にて評価を行った。
上記比較例において、擁壁4の煉瓦に接する側の表面温度は100℃を遙かに上回り、上段(燃焼室上部相当高さ)が140℃、中段(燃焼室下部相当高さ)が150℃、下段(蓄熱室下部相当高さ)が60℃前後であった。コアサンプリングし分析した結果、長期間の操業により骨材とセメントペースト間が剥離し、亀裂が多数入り脆くなっており、更にコンクリートと鉄筋の接合が剥離する状態になっていた。
(実施例1)
実施例1では、図2に示すように、本発明の水平ダクト6を上下2カ所、垂直ダクト7を炉長方向21に14カ所、空気導入孔8を上下それぞれ炉長方向21に6カ所設置した。水平ダクト6は空気流通断面積が0.045m2、垂直ダクト7は1個あたりの空気流通断面積が0.01m2、空気導入孔8は空気流通断面積が0.05m2である。
上記実施例1において、擁壁の煉瓦に接する側の表面温度は、上段(燃焼室上部相当高さ)が120℃、中段(燃焼室下部相当高さ)が130℃、下段(蓄熱室下部相当高さ)が50℃前後であった。これより、上記比較例と対比し、水平ダクト6、垂直ダクト7、空気導入孔8を設置する本発明の構成を追加することによる擁壁の冷却効果が明らかである。本法によれば、比較例に比べ若干コンクリート状態が改善される状態であった。が、コンクリート温度が100℃を超える状態であることから、今後の更なる脆弱化が進むことが懸念された。
(実施例2)
図1に示すように、上記実施例1の構成に加え、水平ダクト6を上下方向に3カ所に増加した。あわせて空気導入孔8も高さ方向に3カ所としている。上部と下部の水平ダクト6は実施例1と同様の位置であり、中段の水平ダクト6は上下方向位置を蛇腹部に相当する位置とした。中段の水平ダクト6と空気導入孔8の空気流通断面積、空気導入孔個数は上段、下段のものと同様である。
上記実施例2において、擁壁の煉瓦に接する側の表面温度は、上段(燃焼室上部相当高さ)が94℃、中段(燃焼室下部相当高さ)が98℃、下段(蓄熱室下部相当高さ)が40℃であった。
実施例2で中段の水平ダクト6を設置した蛇腹部高さ位置は、燃焼室最下部から2m上方を上限とし、蓄熱室上部の空間部が狭小する部位を下限とする高さ範囲(「高温度高さ範囲23」という。)に含まれる。高温度高さ範囲23は、蓄熱室3の外部煉瓦構造、即ち燃焼ガスと燃焼用空気を下部から供給するダクトが輻輳している部位に該当し、特に擁壁表面が高温にさらされる部位に対応している。
実施例2で水平ダクトと空気導入孔を上下方向3カ所に設置し、特に上段と中段にコンクリートを貫通する空気導入孔を設けたことにより、擁壁の上部から下部にかけての全域において、煉瓦に接する擁壁表面温度が100℃を超える部位がなくなり、擁壁全面において100℃を下回ることができた。本法の試験結果では、コンクリートの温度は大幅に低下し、中性化による劣化に関する懸念はまったくなくなり、健全な状態が維持できていることを確認した。今後もこの状態を継続できる見通しを得た。
(実施例3)
図3に示すように、上記実施例2の構成に加え、擁壁4に最も近い燃焼室2Eと擁壁4との間の煉瓦部5に、炉長方向に伸びる上下2カ所の水平空洞孔9と、空洞水平孔9の間に上下方向に伸びる空洞垂直孔10のみを設けたコークス炉にて評価を行った。上部の水平空洞孔9は燃焼室2の上端付近、下部の水平空洞孔9は燃焼室2の下端付近に設置した。垂直空洞孔10は炉長方向に同一間隔で合計18箇所配置している。水平空洞孔9は空気流通断面積が0.03m2、垂直空洞孔10は1個あたりの空気流通断面積が0.01m2である。空洞水平孔は炉長方向両端の開口部31で外気部分と連通している。
実施例3により、擁壁の煉瓦に接する側の表面温度は、上段(燃焼室上部相当高さ)が92℃、中段(燃焼室下部相当高さ)が96℃と低下した。下段(蓄熱室下部相当高さ)は実施例2と同様40℃であった。もっとも高温になりやすい蛇腹部から燃焼室下部の領域の温度が95℃まで低下して成果は、今後燃焼室側の予期温度上昇にも対応できるものと期待された。
1 炭化室
2 燃焼室
3 蓄熱室
4 擁壁
5 煉瓦部
6 水平ダクト
7 垂直ダクト
8 空気導入孔
9 空洞水平孔
10 空洞垂直孔
21 炉長方向
22 炉団長方向
23 高温度高さ範囲
31 開口部
32 開口部

Claims (4)

  1. 炉団長方向に炭化室と燃焼室が交互に配置され、炉団長方向両端にコンクリート製の擁壁を設けたコークス炉の擁壁冷却構造であって、炭化室の長手方向を炉長方向とし、
    擁壁と煉瓦部との境界に空気が流通する空洞部を設け、炉長方向に伸びる空洞部(「水平ダクト」という。)を上下方向に2以上設け、各水平ダクトの間に上下方向に伸びる空洞部(「垂直ダクト」という。)を炉長方向に複数箇所設け、各垂直ダクトは隣接する上下の水平ダクトと連通し、擁壁の厚みを貫通する空気導入孔を設け、空気導入孔は前記水平ダクトと同じ高さであって水平ダクトに連通するように設けることを特徴とするコークス炉の擁壁冷却構造。
  2. 水平ダクトおよび空気導入孔を上下方向に3以上設けることを特徴とする請求項1に記載のコークス炉の擁壁冷却構造。
  3. 上下方向中段の水平ダクトは、燃焼室最下部から2m上方を上限とし、蓄熱室上部の空間部が狭小する部位を下限とする高さ範囲に設けることを特徴とする請求項2に記載のコークス炉の擁壁冷却構造。
  4. 擁壁に最も近い燃焼室と擁壁との間の煉瓦部に炉長方向に伸びる空間エリア(「空洞水平孔」という。)を上下方向に2カ所有し、各空洞水平孔の間に上下方向に伸びる空間エリア(「空洞垂直孔」という。)を炉長方向に複数箇所設け、空洞水平孔が炉長方向両端で外気部分と連通していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコークス炉の擁壁冷却構造。
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