JP6264919B2 - アリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途 - Google Patents

アリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途 Download PDF

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Description

本発明は、アリールアミンポリマー、その製造方法及びその用途に関する。
アリールアミンポリマーには優れた正孔輸送特性を示すものがあり、それらは、発光層、キャリア輸送層、発光層等から構成される有機電界発光素子の正孔輸送材料等として用いることができる。
発光層及びキャリア輸送層の材料としては、種々の低分子系及び高分子系材料が用いられており、低分子系材料を用いた有機電界発光素子については、既に携帯電話用表示装置等の用途で実用化が始まっている。ただし、低分子系材料からなる有機電界発光素子は、通常、蒸着による成膜が行われるため、材料の利用効率が低く、高コストであることが課題である。そのため、蒸着成膜から塗布成膜等への転換が求められており、塗布成膜等の製造プロセスに適した高分子系材料の開発が望まれている。
高分子系の正孔注入材料、正孔輸送材料、及び発光ホスト材料としては、例えば、PEDOT−PSS、ポリ−(N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン)等に代表されるアリールアミンポリマー(例えば、特許文献1〜4参照)等が提案されている。
また、近年、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体[Ir(ppy)]のような高い発光効率を示す燐光発光材料を用いた有機電界発光素子の開発が盛んになされている。このような発光材料と組み合わせるキャリア輸送材としては、高い励起三重項準位(2.5eV以上)を有するものが望まれている。即ち、高い励起三重項準位を有するアリールアミンポリマーの開発が望まれている。
特開平11−292829号公報 特開平13−98023号公報 特開2004−292782号公報 特開2005−208110号公報
前述した従来公知の高分子系正孔輸送材料は溶解性が高く、塗布成膜プロセスに適する点で好ましい、しかしながら、当該高分子系正孔輸送材料を実際の塗布成膜プロセスに適用した場合、その上に積層される発光層を塗布成膜する際、正孔輸送層が溶解や剥離して損なわれてしまうという課題があった。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、下記一般式(1)で表されるアリールアミンポリマーが上記課題を解決できるものであることを見出だし、本発明を完成させるに至った。
なお、本発明の化合物は側鎖に長鎖のアルキル基又はアルコキシ基を有することをその特徴とし、本発明は、長鎖のアルキル基又はアルコキシ基を有するモノマー単位を用いて合成した下記一般式(1)で表されるアリールアミンポリマーが優れた物性を示すことを見いだしてなされたものである。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるアリールアミンポリマー(以下、適宜「アリールアミンポリマー(1)」と称する)、その製造方法及び用途、及びアリールアミンポリマー(1)を用いた有機電界発光素子に関する。
Figure 0006264919
[式中、
Arは、各々独立して、総炭素数が6〜16である置換されていてもよいアリーレン基を表す。
Arは、各々独立して、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基または炭素数4〜20のヘテロ芳香族基を表し、これらの置換基は炭素数8〜16のアルキル基及び炭素数8〜16のアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基を少なくとも1つ有する。
Arは、各々独立して、総炭素数が4〜24である置換されていてもよいアリール基を表わす。
Arは、各々独立して、総炭素数が4〜24である置換されていてもよいアリール基を表わす。
nは20以上の整数を表す。
mは0または1を表す。
Xは酸素原子または硫黄原子を表す。]
で表されることを特徴とするアリールアミンポリマー。
アリールアミンポリマー(1)は、励起三重項準位が高いため、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体[Ir(ppy)]などの燐光発光材料と組み合わせて用いることで、駆動電圧、発光効率、電流効率に優れる有機電界発光素子を提供することができる。
また、アリールアミンポリマー(1)は、その構造及び物性的特徴から、正孔注入材料、正孔輸送材料、発光ホスト材料等として極めて有効である。
また、アリールアミンポリマー(1)は塗布プロセスに適するため、蒸着プロセスに比べて、素子製造時の材料利用率を改善することができる。
また、アリールアミンポリマー(1)は、発光層塗布プロセスに適する材料であり、塗布プロセスによる有機EL素子のプロセス工程数及び製造コストを顕著に低減することができるため、工業的に極めて有用である。
更に、アリールアミンポリマー(1)は、その構造及び物性から、有機電界発光素子のみならず、電界効果トランジスタ、光機能素子、色素増感太陽電池等の電子素子に使用される導電性高分子材料として有用であると考えられるため、本発明は工業的に極めて有意義である。
本発明のアリールアミンポリマー(1)は上記一般式(1)で表される。
Arは、各々独立して、総炭素数が6〜16である置換されていてもよいアリーレン基を表す。
Arにおける総炭素数が6〜16である置換されていてもよいアリーレン基としては、特に限定するものではないが、例えば、総炭素数が6〜16である置換されていてもよいフェニレン基、総炭素数が12〜16である置換されていてもよいビフェニルジイル基、総炭素数が12〜16である置換されていてもよいカルバゾールジイル基、総炭素数が13〜16である置換されていてもよいフルオレンジイル基、総炭素数が12〜16である置換されていてもよいジベンゾフランジイル基、又は総炭素数が12〜16である置換されていてもよいジベンゾチオフェンジイル基等が挙げられる。このうち、総炭素数が6〜16である置換されていてもよいフェニレン基、総炭素数が12〜16である置換されていてもよいカルバゾールジイル基、総炭素数が12〜16である置換されていてもよいジベンゾフランジイル基、又は総炭素数が12〜16である置換されていてもよいジベンゾチオフェンジイル基が好ましい。
総炭素数が6〜16である置換されていてもよいフェニレン基としては、特に限定するものではないが、例えば、m−フェニレン基、p−フェニレン基、又は2−メチル−p−フェニレン基が挙げられる。
総炭素数が12〜16である置換されていてもよいビフェニルジイル基としては、特に限定するものではないが、例えば、4,4’−ビフェニルジイル基、3,3’−ビフェニルジイル基、又は3,4’−ビフェニルジイル基等が挙げられる。
総炭素数が12〜16である置換されていてもよいカルバゾールジイル基としては、特に限定するものではないが、例えば、9−フェニルカルバゾール−3,6−ジイル基、9−フェニルカルバゾール−2,7−ジイル基、9−(4−メチルフェニル)カルバゾール−3,6−ジイル基、又は9−(4−メチルフェニル)カルバゾール−2,7−ジイル基等が挙げられる。
総炭素数が13〜16である置換されていてもよいフルオレンジイル基としては、特に限定するものではないが、例えば、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル基、又は9,9−ジフェニルフルオレン−2,7−ジイル基等が挙げられる。
総炭素数が12〜16である置換されていてもよいジベンゾフランジイル基としては、特に限定するものではないが、例えば、ジベンゾフラン−2,8−ジイル基、又はジベンゾフラン−3,7−ジイル基等が挙げられる。
総炭素数が12〜16である置換されていてもよいジベンゾチオフェンジイル基としては、特に限定するものではないが、例えば、ジベンゾチオフェン−2,8−ジイル基、又はジベンゾチオフェン−3,7−ジイル基等が挙げられる。
なお、アリールアミンポリマー(1)において、Arは、正孔輸送特性に優れる点で、各々独立して、m−フェニレン基、p−フェニレン基、9−フェニルカルバゾール−3,6−ジイル、ジベンゾチオフェン−2,8−ジイル、又はジベンゾフラン−2,8−ジイル基であることがより好ましく、原料入手の容易性から、m−フェニレン基またはp−フェニレン基であることがさらに好ましい。
Arは、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基または炭素数4〜20のヘテロ芳香族基を表し、これらの置換基は炭素数8〜16のアルキル基及び炭素数8〜16のアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基を少なくとも1つ有する。
前記炭素数6〜24の芳香族炭化水素基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、又はフルオレニル基等が挙げられる。
前記炭素数4〜20のヘテロ芳香族炭化水素基としては、特に限定するものではないが、例えば、ピリジル基、カルバゾリル基、チエニル基、ビチエニル基、フリル基、ジベンゾフリル基、又はジベンゾチエニル基等が挙げられる。
前記炭素数8〜16のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、又はヘプタデシル基等が挙げられる。このうち、原料入手の容易性と生成物のガラス転移温度を著しく低下させない点で、n−オクチル基又はn−ドデシル基が特に好ましい。
同様に、炭素数8〜16のアルコキシ基としては、特に限定するものではないが、例えば、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、又はヘキサデシルオキシ基等が挙げられる。これらのうち、原料入手の容易性と生成物のガラス転移温度を著しく低下させない点で、n−オクチルオキシ基又はn−ドデシル基が特に好ましい。
なお、前述したAr上の炭素数8〜16のアルキル基及び炭素数8〜16のアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基の数は、1つ又は2つが好ましく、原料入手の容易性から1つであることがより好ましい。
すなわち、Arは、原料入手の容易性と生成物のガラス転移温度を著しく低下させない点で、各々独立して、フェニル基、ビフェニル基、m−ターフェニル基、9−フェニルカルバゾール−3−イル基、ジベンゾチオフェン−3−イル基、又はジベンゾフラン−3−イル基(これらの置換基は、炭素数8〜16のアルキル基及び炭素数8〜16のアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基を少なくとも1つ有する)であることが好ましく、各々独立して、フェニル基、ビフェニル基、m−ターフェニル基、9−フェニルカルバゾール−3−イル基、ジベンゾチオフェン−3−イル基、又はジベンゾフラン−3−イル基(これらの置換基は、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基からなる群より選ばれる置換基を少なくとも1つ有する)であることがさらに好ましく、フェニル基、9−フェニルカルバゾール−3−イル基、ジベンゾチオフェン−3−イル基、又はジベンゾフラン−3−イル基(これらの置換基は、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−オクチルオキシ基、及びn−ドデシルオキシ基からなる群より選ばれる置換基を少なくとも1つ有する)であることがさらに好ましい。
Arは、各々独立して、総炭素数が4〜24である置換されていてもよいアリール基を表わす。
Arにおける総炭素数が4〜24である置換されていてもよいアリール基としては、特に限定するものではないが、例えば、総炭素数が6〜24である置換されていてもよいフェニル基、総炭素数が12〜24である置換されていてもよいビフェニリル基、総炭素数が12〜24である置換されていてもよいカルバゾール基、総炭素数が13〜24である置換されていてもよいフルオレニル基、総炭素数が12〜24である置換されていてもよいジベンゾフラニル基、又は総炭素数が12〜24である置換されていてもよいジベンゾチオフェニル基等が挙げられる。このうち、総炭素数が6〜24である置換されていてもよいフェニル基、総炭素数が12〜24である置換されていてもよいカルバゾリル基、総炭素数が12〜24である置換されていてもよいジベンゾフラニル基、又は総炭素数が12〜24である置換されていてもよいジベンゾチオフェニル基が好ましい。
総炭素数が6〜24である置換されていてもよいフェニル基としては、特に限定するものではないが、例えば、無置換のフェニル基、又は炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜5のアルコキシ基を有するフェニル基(たとえば、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、3−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、3−ヘキシルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル基、3−ブトキシフェニル基、4−ヘキシルオキシフェニル基、3−ヘキシルオキシフェニル基、又は3,5−ジメトキシフェニル基等)等が挙げられる。
総炭素数が12〜24である置換されていてもよいビフェニリル基としては、特に限定するものではないが、例えば、4−ビフェニリル基、又は3−ビフェニリル基等が挙げられる。
総炭素数が12〜24である置換されていてもよいカルバゾリル基としては、特に限定するものではないが、例えば、9−フェニルカルバゾール−3−イル基、又は9−フェニルカルバゾール−2−イル基等が挙げられる。
総炭素数が13〜24である置換されていてもよいフルオレンジイル基としては、特に限定するものではないが、例えば、9,9−ジメチルフルオレン−2−イル基、9,9−ジメチルフルオレン−3−イル基、9,9−ジフェニルフルオレン−2−イル基、又は9,9−ジフェニルフルオレン−3−イル基等が挙げられる。
総炭素数が12〜24である置換されていてもよいジベンゾフランジイル基としては、特に限定するものではないが、例えば、ジベンゾフラン−2−イル基、又はジベンゾフラン−3−イル基等が挙げられる。
総炭素数が12〜24である置換されていてもよいジベンゾチオフェンジイル基としては、特に限定するものではないが、例えば、ジベンゾチオフェン−2−イル基、又はジベンゾチオフェン−3−イル基等が挙げられる。
なお、アリールアミンポリマー(1)において、Arは、正孔輸送特性に優れる点で、各々独立して、無置換のフェニル基、又は炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数1〜6のアルコキシ基を有してもよいフェニル基(たとえば、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、3−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、3−ヘキシルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル基、3−ブトキシフェニル基、4−ヘキシルオキシフェニル基、3−ヘキシルオキシフェニル基、又は3,5−ジメトキシフェニル基等)であることが好ましく、各々独立して、無置換のフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、又は4−メトキシフェニル基であることがより好ましい。
Arは、各々独立して、総炭素数が4〜24である置換されていてもよいアリール基を表わす。
Arにおける総炭素数が4〜24である置換されていてもよいアリール基については、特に限定するものではないが、前述のArにおいて例示した置換基と同じ置換基を例示することができる。
なお、アリールアミンポリマー(1)において、Arは、正孔輸送特性に優れる点で、各々独立して、無置換のフェニル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を有してもよいフェニル基(たとえば、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、3−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、3−ヘキシルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル基、3−ブトキシフェニル基、4−ヘキシルオキシフェニル基、3−ヘキシルオキシフェニル基、又は3,5−ジメトキシフェニル基等)であることが好ましく、各々独立して、無置換のフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、又は4−メトキシフェニル基であることがより好ましい。
nは、サイズ排除液体クロマトグラフィー測定から求められる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量から算出されるポリマー骨格の繰り返し数であって、20以上の整数を表す。アリールアミンポリマー(1)の正孔輸送特性または積層塗布における残膜率の点で、nは50以上の整数であることが好ましく、nは100以上であることがより好ましい。
mは、0または1を表わす。原料入手の容易性からmは0であることがより好ましい。
nが20より低い場合、アリールアミンポリマーは、発光層の積層に用いられるケトン系やアルカン系溶媒への溶解性が著しく高くなる。このため、発光層を塗布する成膜プロセスにおいては、塗布した正孔輸送層が損なわれるのみならず、発光層が設計通りに積層できなくなる。
本発明のアリールアミンポリマー(1)としては、前述の定義に該当すれば特に限定するものではないが、有機電界発光素子の発光効率及び寿命等の物性の点で、下記一般式(4)〜(31)のいずれかに表される構造が好ましい。
なお、式(4)〜(31)において、Rは、各々独立して、炭素数8〜16のアルキル基または炭素数8〜16のアルコキシ基を表し、R及びRは、各々独立して、水素原子、炭素数8〜16のアルキル基または炭素数8〜16のアルコキシ基を表す。但し、RとRとが同時に水素原子となることはない。
Figure 0006264919
Figure 0006264919
式(4)〜(31)で示したR、R、及びRにおいて、炭素数8〜16のアルキル基および炭素数8〜16のアルコキシ基としては、例えば、Arで示した炭素数8〜16のアルキル基および炭素数8〜16のアルコキシ基と同じものを例示することができる。なお、Rは、原料入手の容易性と生成物のガラス転移温度を著しく低下させない点で、各々独立して、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−オクチルオキシ基、又はn−ドデシルオキシ基であることが好ましい。R及びRについては、原料入手の容易性と生成物のガラス転移温度を著しく低下させない点で、各々独立して、水素原子、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−オクチルオキシ基、又はn−ドデシルオキシ基であって、少なくとも一方がn−オクチル基、n−ドデシル基、n−オクチルオキシ基、又はn−ドデシルオキシ基であるものが好ましい。
次にアリールアミンポリマー(1)の製造方法について説明する。
アリールアミンポリマー(1)は、特に限定するものではないが、例えば、下記(反応式1)で示される重合工程によって一般式(32)で表される構造を有する化合物を製造した後、当該一般式(32)で表される構造を有する化合物の末端の二級アミノ基及びハロゲン基を保護する保護化工程を経ることによって製造することができる。
Figure 0006264919
[上記(反応式1)中、
Arは、各々独立して、総炭素数が6〜16である置換されていてもよいアリーレン基を表す。
Arは、各々独立して、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基または炭素数4〜20のヘテロ芳香族基を表し、これらの置換基は炭素数8〜16のアルキル基及び炭素数8〜16のアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基を少なくとも1つ有する。
Arは、各々独立して、総炭素数が4〜24である置換されていてもよいアリール基を表わす。
Arは、各々独立して、総炭素数が4〜24である置換されていてもよいアリール基を表わす。
nは20以上の整数を表す。
mは0または1を表す。
Xは酸素原子または硫黄原子を表す。
YおよびZは各々独立して塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。]
なお、重合工程から得られる、一般式(32)で表される構造を有する化合物は、高いキャリア輸送特性を有するため、キャリア輸送材等として好ましく用いることができる。
重合工程は、パラジウム触媒及び塩基の存在下、一般式(2)で表される芳香族アミン化合物と一般式(3)で表される芳香族ジハロゲン化合物との反応によっておこなわれる。
上記の一般式(2)で表されるアミン化合物および一般式(3)で表される芳香族ジハロゲン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、一般公知の方法に倣って合成したものを用いることができる。なお、合成の実例については、実施例1において、化合物(4−1)を合成例として詳細に後述している。
重合工程において、芳香族アミン化合物と芳香族ジハロゲン化合物の混合比は、特に限定するものではないが、例えばジアミン化合物1モルに対して、ジハロゲン化合物が0.75〜1.50倍モルの範囲で行われる。このうち、重合物を得る点で、0.90〜1.10倍モルの範囲が好ましい。
重合工程より得られる一般式(32)で表される構造を有する化合物は、通常、末端が二級アミノ基又はハロゲン基、又は二級アミノ基とハロゲン基の両方である。
保護化工程は、パラジウム触媒及び塩基の存在下、重合工程で得られた一般式(32)で表される構造を有する化合物とブロモベンゼンまたはヨードベンゼンおよびジフェニルアミンとの逐次反応によって行われる。
保護化工程の生成物として、一般式(1)で表される本発明のアリールアミンポリマーが得られる。
なお、保護化工程は、重合工程に引き続きワンポットで行なってもよいし、一旦、重合工程の生成物である一般式(32)のアリールアミンポリマーを単離した後、別途、パラジウム触媒及び塩基の存在下行なってもよい。
保護化工程において、反応効率の点から、Ar−Xで表される化合物による反応と、Ar−NH−Arで表される化合物による反応は、それぞれ別々に行うことが好ましい。また、別々に反応を行う場合、Ar−Xで表される化合物を用いる反応とAr−NH−Arで表される化合物を用いる反応はどちらを先に行ってもよい。
なお、保護化工程において、Ar−Xで表される化合物を用いる反応とAr−NH−Arで表される化合物を用いる反応は、ワンポットで連続的に行うこともできるし、一方の反応後、反応施生物を単離して別バッチで他方の反応を行うこともできる。
重合工程及び保護化工程は、いずれも、パラジウム触媒及び塩基存在下に行われることを特徴とし、それらの反応条件については、特に限定するものではないが、いずれも以下に示すものを用いることができる。なお、パラジウム触媒は、通常、パラジウム化合物及び電子供与性配位子を含んでなる。
パラジウム触媒の構成成分であるパラジウム化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、4価のパラジウム化合物類[具体的には、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム等)、2価のパラジウム化合物類(例えば、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)、パラジウム(II)トリフルオロアセテート等]、及び0価のパラジウム化合物類[具体的には、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)クロロホルム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等]が挙げられる。
パラジウム触媒の構成成分である電子供与性配位子としては、特に限定するものではないが、パラジウムに配位可能なものであればよく、例えば、トリアルキルホスフィン化合物、アリールホスフィン化合物、カルベン化合物等が挙げられる。
トリアルキルホスフィン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、トリエチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−sec−ブチルホスフィン、又はトリ−tert−ブチルホスフィン等が挙げられる。これらのうち触媒として特に高い反応活性を有することから、トリ−tert−ブチルホスフィンを使用することが好ましい。
アリールホスフィン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(m−トリル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、トリメシチルホスフィン、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノプロパン、又はジフェニルホスフィノフェロセン等が挙げられる。
カルベン化合物としては、例えば、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン塩酸塩等が挙げられる。
パラジウム触媒における電子供与性配位子の使用量は、特に限定するものではないが、パラジウム化合物中のパラジウム原子1モルに対して通常0.01〜10000倍モルの範囲で使用すればよく、高価なトリアルキルホスフィン化合物、アリールホスフィン化合物、カルベン化合物を使用することから、パラジウム化合物中のパラジウム原子1モルに対して0.1〜10倍モルの範囲が好ましい。
重合工程におけるパラジウム触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、原料である一般式(3)で表される芳香族ジハロゲン化合物のハロゲン原子1モルに対し、パラジウム原子換算で通常0.0000001〜0.20倍モルの範囲であることが好ましい。このうち、パラジウム触媒活性の点、及び高価なパラジウム化合物を使用する点から、通常0.00001〜0.05倍モルの範囲であることがより好ましい。
保護化工程におけるパラジウム触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、Ar−Xで表される化合物、又は一般式(32)で表される重合物のハロゲン原子1モルに対し、パラジウム原子換算で通常0.0000001〜0.20倍モルの範囲であることが好ましい。このうち、触媒活性の点、及び高価なパラジウム化合物を使用する点から、通常0.00001〜0.10倍モルの範囲であることがより好ましい。
重合工程及び保護化工程におけるパラジウム触媒の添加方法としては、特に限定するものではないが、重合工程又は保護化工程の反応系にパラジウム化合物及び電子供与性配位子、並びにその他成分をそれぞれ単独に加えても良いし、予めこれらを混合してパラジウム錯体の形態に調製したものを添加してもよい。
重合工程及び保護化工程に用いる塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、アルカリ金属(具体的には、ナトリウム、カリウム等)の水酸化物、炭酸塩、アルコキシド等の無機塩基、又は3級アミン等の有機塩基が挙げられる。これらのうち、好ましくはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドであり、それらは反応系にそのまま加えることもできるし、アルカリ金属、水素化アルカリ金属又は水酸化アルカリ金属とアルコールを反応系に供して、その場で調製することもできる。より好ましくは、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属3級アルコキシドを反応系にそのまま加える方法である。
重合工程における塩基の使用量は、特に限定するものではないが、通常、一般式(3)で表される芳香族ジハロゲン化合物、またはブロモベンゼンまたはヨードベンゼンのハロゲン原子1モルに対して1〜1000倍モルの範囲から選ばれる。このうち、反応終了後の後処理操作を考慮すれば、1〜20倍モルの範囲がより好ましい。
保護化工程における塩基の使用量は、特に限定するものではないが、通常、ブロモベンゼンまたはヨードベンゼンのハロゲン原子1モルに対して1〜1000倍モルの範囲、好ましくは1〜20倍モルの範囲、又は一般式(32)で表される構造を有する重合物のハロゲン原子1モルに対して1〜100000倍モルの範囲、好ましくは1〜1000倍モルの範囲から選ばれる。
重合工程及び保護化工程は、いずれも通常は不活性溶媒存在下で実施することが好ましい。使用する溶媒としては、本反応を著しく阻害しない溶媒であればよく、特に限定するものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホトリアミド等を挙げることができる。これらのうち、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒である。
なお、重合工程における溶媒量は一般式(1)で表される化合物の理論収量に対して、5重量倍から20重量倍までの範囲であればよく、溶解度を保持しつつ、高分子量体が得られることから、6.7重量倍から15重量倍の範囲がより好ましい。
重合工程及び保護化工程は、いずれも好ましくは常圧下、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で実施するが、例え加圧条件であっても実施することは可能である。
重合工程及び保護化工程における反応温度は、いずれも経済的に許容できる速度で反応が進行する温度であれば特に限定するものではないが、通常20〜300℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは100〜150℃の範囲である。
重合工程及び保護化工程における反応時間は、いずれも製造するアリールアミンポリマー、パラジウム触媒、反応温度等により一定ではないため特に限定するものではないが、多くの場合、数分〜72時間の範囲から選択すればよい。好ましくは24時間未満である。
重合工程及び保護化工程によって製造されたアリールアミンポリマー(1)は、再沈殿等により未反応の低分子量化合物等から分離し、精製することができる。また、パラジウム触媒の構成成分等の不純物の除去のためにシリカゲルや活性アルミナ等による吸着処理を行うことも可能である。
本発明においてアリールアミンポリマー(1)の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で10,000〜300,000の範囲であることが好ましく、20,000〜200,000の範囲であることがより好ましい。
アリールアミンポリマー(1)及び一般式(32)で表される構造を有する重合物は、高いキャリア輸送性を示すため、電界効果トランジスタ、光機能素子、色素増感太陽電池、有機電界発光素子等の電子素子における導電性高分子材料として使用される。アリールアミンポリマー(1)については、特に、その構造的特徴から、有機電界発光素子のキャリア輸送材として有用であり、正孔注入材料、正孔輸送材料、発光材料、発光材ホスト材料、又はバッファー材料等として特に有用であり、正孔注入材料、正孔輸送材料、又は発光材ホスト材料として極めて有用である。
本発明の有機電界発光素子は、アリールアミンポリマー(1)を含有する有機層を備えていれば、素子構造は特に限定されない。アリールアミンポリマー(1)は、溶解性に優れることから、例えば、アリールアミンポリマー(1)そのもの、もしくはその溶液、混合液、又は溶融液等を使用して、スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法等の従来公知の塗布法によって、アリールアミンポリマー(1)を含有する有機層を備えた前記素子を作製することができる。また、インクジェット法、ラングミュア−ブロジェット法等によっても本発明のアリールアミンポリマー(1)を含有する有機層を備えた前記素子を作製することができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
ポリマー分子量:THF系GPC[HLC−8220(東ソー社製)。カラムはTSKgel−SuperH3000、TSKgel−SuperH2000、及びTSKgel−SuperH1000(いずれも東ソー社製)を連結した。]にて、合成したポリマーの分子量測定を行った。分子量は標準ポリスチレン換算で示した。
ガラス転位温度:DSC200F3(ネッチ社製)を用いて測定した。
HOMO準位:大気中光電子分光装置測定装置AC−3(理研計器株式会社製)を用いて測定した。
LUMO準位:UV−vis吸収スペクトルの吸収端からエネルギーギャップ(Eg)を算出し、HOMOから差し引くことで求めた。
元素分析:全自動元素分析装置2400II(パーキンエルマー社製)を用いて分析した。
実施例1 アリールアミンポリマー(4−1)の合成
冷却管、温度計を装着した50mL三つ口丸底フラスコに、室温、窒素雰囲気下において、n−オクチルアニリン 0.63g(3.07mmol)、2,8−ジブロモジベンゾフラン 1.00g(3.07mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 1.18g(12.28mmol)及びo−キシレン 10.2gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0) 28.1mg(0.031mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 0.050g(0.25mmol)のo−キシレン(0.20g)溶液を添加した。得られた混合液について、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら20時間熟成した。
次いで、ブロモベンゼン 0.193g(1.23mmol)を反応溶液に添加し、さらに120℃で3時間反応を行った。次いで、ジフェニルアミン 0.62g(3.7mmol)を反応溶液に添加し、さらに120℃で3時間反応を行なった。
次いで、約80℃まで放冷した反応混合物を、90%エタノール水溶液(1000mL)の攪拌溶液中へゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により析出固体をろ別回収し、エタノール、水、エタノールの順番で洗浄した後、減圧乾燥して微黄色固体を0.54g得た。
次いで、得られた微黄色固体をクロロベンゼン 4.86gに溶解させ、攪拌中のアセトン 54mLとテトラヒドロフラン 54mLとの混合溶媒にゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により固体をろ別回収し、エタノールで洗浄した後、減圧乾燥して微黄色固体を0.26g(収率23%)得た。
Figure 0006264919
得られたアリールアミンポリマー(4−1)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量126,000(n=341)及び数平均分子量15,000(分散度8.4)であった。
ガラス転移温度は158℃であった。
HOMO準位は5.49eV、LUMO準位は2.57eVであった。
元素分析の測定結果を表1に示す。
理論値は、理論的にすべての原料が反応して得られるポリマー構造に基づいて算出した。
Figure 0006264919
実施例2 アリールアミンポリマー(4−2)の合成
冷却管、温度計を装着した50mL三つ口丸底フラスコに、室温、窒素雰囲気下において、n−ドデシルアニリン 0.80g(3.07mmol)、2,8−ジブロモジベンゾフラン 1.00g(3.07mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 1.18g(12.28mmol)及びo−キシレン 16.1gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0) 28.1mg(0.031mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 0.050g(0.25mmol)のo−キシレン(0.20g)溶液を添加した。得られた混合液について、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら20時間熟成した。
次いで、ブロモベンゼン 0.193g(1.23mmol)を反応溶液に添加し、さらに120℃で3時間反応を行った。次いで、ジフェニルアミン 0.62g(3.7mmol)を反応溶液に添加し、さらに120℃で3時間反応を行なった。
次いで、約80℃まで放冷した反応混合物を、90%エタノール水溶液(1000mL)の攪拌溶液中へゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により析出固体をろ別回収し、エタノール、水、エタノールの順番で洗浄した後、減圧乾燥して黄色固体を0.66g得た。
次いで、得られた微黄色固体をクロロベンゼン 5.94gに溶解させ、攪拌中のアセトン 53mLとテトラヒドロフラン 79mLとの混合溶媒にゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により固体をろ別回収し、エタノールで洗浄した後、減圧乾燥して黄色固体を0.20g(収率11%)得た。
Figure 0006264919
得られたアリールアミンポリマー(4−2)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量137,000(n=322)及び数平均分子量21,000(分散度6.2)であった。
ガラス転移温度は137℃であった。
HOMO準位は5.47eV、LUMO準位は2.53eVであった。
元素分析の測定結果を表2に示す。
Figure 0006264919
実施例3 アリールアミンポリマー(6−1)の合成
n−オクチルアニリン 0.63g(3.07mmol)の代わりに4’−n−オクチルビフェニル−4−アミン 0.86g(3.07mmol)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、アリールアミンポリマー(6−1)の微黄色固体を得た(収率33%)。
Figure 0006264919
得られたアリールアミンポリマー(6−1)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量92,000(n=206)及び数平均分子量20,000(分散度4.6)であった。
ガラス転移温度は176℃であった。
HOMO準位は5.52eV、LUMO準位は2.57eVであった。
元素分析の測定結果を表3に示す。
Figure 0006264919
実施例4 アリールアミンポリマー(7−1)の合成
2,8−ジブロモジベンゾフラン 1.00g(3.07mmol)の代わりに2,8−ジブロモジベンゾチオフェンを 1.05g(3.07mmol)使用し、n−オクチルアニリン 0.63g(3.07mmol)の代わりに4’−n−オクチルビフェニル−4−アミン 0.86g(3.07mmol)を使用したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、アリールアミンポリマー(7−1)の微黄色固体を得た(収率35%)。
Figure 0006264919
得られたアリールアミンポリマー(7−1)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量92,000(n=199)及び数平均分子量20,000(分散度4.6)であった。
ガラス転移温度は176℃であった。
HOMO準位は5.30eV、LUMO準位は2.41eVであった。
元素分析の測定結果を表4に示す。
Figure 0006264919
実施例5 アリールアミンポリマー(12−1)の合成
n−オクチルアニリン 0.63g(3.07mmol)の代わりに9,9−ジメチル−7−n−オクチルフルオレン−2−アミンを 0.99g(3.07mmol)使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、アリールアミンポリマー(12−1)の微黄色固体を得た(収率29%)。
Figure 0006264919
得られたアリールアミンポリマー(12−1)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量97,000(n=200)及び数平均分子量12,000(分散度8.1)であった。
ガラス転移温度は180℃であった。
HOMO準位は5.46eV、LUMO準位は2.50eVであった。
元素分析の測定結果を表5に示す。
Figure 0006264919
実施例6 アリールアミンポリマー(14−1)の合成
n−オクチルアニリン 0.63g(3.07mmol)の代わりに9−(4−n−オクチルフェニル)カルバゾール−2−アミンを 1.14g(3.07mmol)使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、アリールアミンポリマー(14−1)の黄色固体を得た(収率42%)。
Figure 0006264919
得られたアリールアミンポリマー(14−1)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量102,000(n=191)及び数平均分子量24,000(分散度4.3)であった。
ガラス転移温度は181℃であった。
HOMO準位は5.45eV、LUMO準位は2.49eVであった。
元素分析の測定結果を表6に示す。
Figure 0006264919
実施例7 アリールアミンポリマー(26−1)の合成
n−オクチルアニリン 0.63g(3.07mmol)の代わりにN−4−n−オクチルフェニル−N−フェニル−p−フェニレンジアミンを 1.14g(3.07mmol)使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、アリールアミンポリマー(26−1)の黄色固体を得た(収率40%)。
Figure 0006264919
得られたアリールアミンポリマー(26−1)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量106,000(n=197)及び数平均分子量18,000(分散度5.8)であった。
ガラス転移温度は162℃であった。
HOMO準位は5.48eV、LUMO準位は2.55eVであった。
元素分析の測定結果を表7に示す。
Figure 0006264919
実施例8 アリールアミンポリマー(27−1)の合成
n−オクチルアニリン 0.63g(3.07mmol)の代わりにN−4−n−オクチルフェニル−N−フェニル−p−フェニレンジアミンを 1.14g(3.07mmol)使用し、2,8−ジブロモジベンゾフラン 1.00g(3.07mmol)の代わりに、2,8−ジブロモジベンゾチオフェン 1.05g(3.07mmol)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、アリールアミンポリマー(27−1)の黄色固体を得た(収率35%)。
Figure 0006264919
得られたアリールアミンポリマー(27−1)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量137,000(n=248)及び数平均分子量32,000(分散度4.3)であった。
ガラス転移温度は160℃であった。
HOMO準位は5.42eV、LUMO準位は2.49eVであった。
元素分析の測定結果を表8に示す。
Figure 0006264919
比較例1 アリールアミンポリマー(A)の合成
冷却管、温度計を装着した50mL三つ口丸底フラスコに、室温、窒素雰囲気下において、4−n−ブチルアニリン 0.46g(3.07mmol)、2,8−ジブロモジベンゾフラン 1.00g(3.07mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 1.18g(12.28mmol)及びo−キシレン 8.7gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0) 28.1mg(0.031mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 0.050g(0.25mmol)のo−キシレン(0.20g)溶液を添加した。得られた混合液について、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら20時間熟成した。
次いで、ブロモベンゼン 0.193g(1.23mmol)を反応溶液に添加し、さらに120℃で3時間反応を行った。次いで、ジフェニルアミン 0.62g(3.7mmol)を反応溶液に添加し、さらに120℃で3時間反応を行なった。
次いで、約80℃まで放冷した反応混合物を、90%エタノール水溶液(1000mL)の攪拌溶液中へゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により析出固体をろ別回収し、エタノール、水、エタノールの順番で洗浄した後、減圧乾燥して微黄色固体を0.88g得た。
次いで、得られた微黄色固体をクロロベンゼン 44gと混合したが、溶解しなかったため、ろ過により固体と溶液とに分離した。クロロベンゼン溶液を5gまで減圧濃縮し、攪拌中の100mLのエタノールにゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により固体をろ別回収し、減圧乾燥して微黄色固体を0.15g得た。
Figure 0006264919
得られたアリールアミンポリマー(A)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量2,200(n=7)及び数平均分子量1,500(分散度1.5)であった。
比較例2 アリールアミンポリマー(B)の合成
冷却管、温度計を装着した50mL三つ口丸底フラスコに、室温、窒素雰囲気下において、p−トルイジン 0.33g(3.07mmol)、2,8−ジブロモジベンゾフラン 1.00g(3.07mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 1.18g(12.28mmol)及びo−キシレン 8.7gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0) 28.1mg(0.031mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 0.050g(0.25mmol)のo−キシレン(0.20g)溶液を添加した。得られた混合液について、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら20時間熟成した。
次いで、ブロモベンゼン 0.193g(1.23mmol)を反応溶液に添加し、さらに120℃で3時間反応を行った。次いで、ジフェニルアミン 0.62g(3.7mmol)を反応溶液に添加し、さらに120℃で3時間反応を行なった。
次いで、約80℃まで放冷した反応混合物を、90%エタノール水溶液(1000mL)の攪拌溶液中へゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により析出固体をろ別回収し、エタノール、水、エタノールの順番で洗浄した後、減圧乾燥して微黄色固体を0.75g得た。
次いで、得られた微黄色固体をクロロベンゼン 37gと混合したが、溶解しなかったため、ろ過により固体と溶液とに分離した。クロロベンゼン溶液を5gまで減圧濃縮し、攪拌中の100mLのエタノールにゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により固体をろ別回収し、減圧乾燥して微黄色固体を0.10g得た。
Figure 0006264919
得られたアリールアミンポリマー(B)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量1,700(n=6)及び数平均分子量1,300(分散度1.3)であった。
比較例3 アリールアミンポリマー(C)の合成
冷却管、温度計を装着した50mL三つ口丸底フラスコに、室温、窒素雰囲気下において、4−n−オクチルアニリン 0.63g(3.07mmol)、2,8−ジブロモジベンゾフラン 1.00g(3.07mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 1.18g(12.28mmol)及びo−キシレン 56.7gを仕込んだ。この混合液に、予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0) 28.1mg(0.031mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 0.050g(0.25mmol)のo−キシレン(0.20g)溶液を添加した。得られた混合液について、窒素雰囲気下、温度を120℃まで昇温し、120℃で加熱攪拌しながら20時間熟成した。
次いで、ブロモベンゼン 0.193g(1.23mmol)を反応溶液に添加し、さらに120℃で3時間反応を行った。次いで、ジフェニルアミン 0.62g(3.7mmol)を反応溶液に添加し、さらに120℃で3時間反応を行なった。
次いで、約80℃まで放冷した反応混合物を、90%エタノール水溶液(1000mL)の攪拌溶液中へゆっくり加え、固体を析出させた。ろ過により析出固体をろ別回収し、エタノール、水、エタノールの順番で洗浄した後、減圧乾燥して微黄色固体を0.91g得た。
得られたアリールアミンポリマー(C)は、ポリスチレン換算で重量平均分子量4,200(n=11)及び数平均分子量1,700(分散度2.5)であった。
実施例9 アリールアミンポリマー(4−1)の励起三重項準位の測定
UV−Visスペクトル測定用サンプルチューブ内でアリールアミンポリマー(4−1) 1mgと2−メチルテトラヒドロフラン 1mLとをよく混合し、均一な溶液を調製した。この溶液を窒素ガスで10分間バブリングすることによって脱気した後、このサンプルチューブを密栓し、燐光スペクトルを測定した。燐光スペクトルから算出されたアリールアミンポリマー(4−1)の励起三重項準位は、2.71eVであった。
実施例10 アリールアミンポリマー(4−2)の励起三重項準位の測定
実施例9においてアリールアミンポリマー(4−1)の代わりにアリールアミンポリマー(4−2)を用いた以外は実施例9と同様の操作を行なって燐光スペクトルを測定したところ、アリールアミンポリマー(4−2)の励起三重項準位は、2.71eVであった。
実施例11 アリールアミンポリマー(6−1)の励起三重項準位の測定
実施例9においてアリールアミンポリマー(4−1)の代わりにアリールアミンポリマー(6−1)を用いた以外は実施例9と同様の操作を行なって燐光スペクトルを測定したところ、アリールアミンポリマー(6−1)の励起三重項準位は、2.51eVであった。
実施例12 アリールアミンポリマー(7−1)の励起三重項準位の測定
実施例9においてアリールアミンポリマー(4−1)の代わりにアリールアミンポリマー(7−1)を用いた以外は実施例9と同様の操作を行なって燐光スペクトルを測定したところ、アリールアミンポリマー(7−1)の励起三重項準位は、2.50eVであった。
実施例13 アリールアミンポリマー(12−1)の励起三重項準位の測定
実施例9においてアリールアミンポリマー(4−1)の代わりにアリールアミンポリマー(12−1)を用いた以外は実施例9と同様の操作を行なって燐光スペクトルを測定したところ、アリールアミンポリマー(12−1)の励起三重項準位は、2.51eVであった。
実施例14 アリールアミンポリマー(14−1)の励起三重項準位の測定
実施例9においてアリールアミンポリマー(4−1)の代わりにアリールアミンポリマー(14−1)を用いた以外は実施例9と同様の操作を行なって燐光スペクトルを測定したところ、アリールアミンポリマー(14−1)の励起三重項準位は、2.50eVであった。
実施例15 アリールアミンポリマー(26−1)の励起三重項準位の測定
実施例9においてアリールアミンポリマー(4−1)の代わりにアリールアミンポリマー(26−1)を用いた以外は実施例9と同様の操作を行なって燐光スペクトルを測定したところ、アリールアミンポリマー(26−1)の励起三重項準位は、2.62eVであった。
実施例16 アリールアミンポリマー(27−1)の励起三重項準位の測定
実施例9においてアリールアミンポリマー(4−1)の代わりにアリールアミンポリマー(27−1)を用いた以外は実施例9と同様の操作を行なって燐光スペクトルを測定したところ、アリールアミンポリマー(27−1)の励起三重項準位は、2.62eVであった。
参考例1 ポリ−(N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン)(ADS254BE:アメリカン・ダイ・ソース社製)の励起三重項準位の測定
実施例9においてアリールアミンポリマー(4−1)の代わりに、市販のポリ−(N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン)を用いた以外は実施例9と同様の操作を行なって燐光スペクトルを測定したところ、ポリ−(N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン)の励起三重項準位は、2.35eVであった。
実施例17 アリールアミンポリマー(4−1)の耐溶剤性の評価
アリールアミンポリマー(4−1) 10.0mgをクロロベンゼン 1.00gとよく混合して溶解させ、均一な溶液を調製した。この溶液を1500rpmで30秒間、石英板上にスピンコートした。次いで、ホットプレート上、150℃で10分間真空下、加熱乾燥しポリマー薄膜を作製した。加熱後にシクロヘキサノンをポリマー薄膜上に塗布し、1000rpmで30秒間スピンコートした。シクロヘキサノンのスピンコート前後でUV−visスペクトルにおける吸収極大の吸光度(Abs)を測定し、スピンコート前後の吸光度比から、ポリマー薄膜の残膜率を見積もった。結果を表9に示した。
実施例2〜実施例8で合成したアリールアミンポリマーおよび比較例1〜3で合成したアリールアミンポリマーについても実施例17と同様に耐溶剤性を評価し、それぞれ実施例18〜実施例24、比較例4〜比較例6として結果を表9にまとめた。
Figure 0006264919
実施例および比較例の比較にしめしたように、本発明のアリールアミンポリマーはポリマー薄膜の残膜率が高いものである。当該残膜率の高さは、本発明のアリールアミンポリマーの耐溶剤性又は選択的溶剤溶解性に基づくものであり、本発明のアリールアミンポリマーを用いれば、従来公知の材料では困難であった塗布成膜による有機薄膜の積層構造の作製を高効率に歩留りよく行うことが可能である。
実施例25(有機電解発光素子の作製と評価)
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を積層したガラス基板をアセトンおよび純水による超音波洗浄、イソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行った。さらに紫外線オゾン洗浄を行った。
この基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、Baytron P CH8000)の懸濁液を、スピンコート法により塗布し、200℃にて1時間乾燥した。その結果、80nmの厚みの正孔注入層が製膜された。
次に、実施例1で取得したアリールアミンポリマー(4−1)の0.5wt%クロロベンゼン溶液をスピンコート法によって塗布し、160℃で3時間乾燥した。その結果、アリールアミンポリマー(4−1)の20nmの正孔輸送層が製膜された。
次に、真空蒸着装置へ設置後、5×10−4Pa以下になるまで真空ポンプにて排気した。続いて、燐光ドーパント材料であるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))とホスト材料である4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(CBP)を重量比が1:11.5になるように蒸着速度0.25nm/秒で共蒸着し、30nmの発光層とした。
次に、BAlq(ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(p−フェニルフェノラト)アルミニウム)を蒸着速度0.3nm/秒で蒸着し、5nmのエキシトンブロック層とした後、さらにAlq(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)を0.3nm/秒で蒸着し、45nmの電子輸送層とした。引続き、電子注入層として沸化リチウムを蒸着速度0.01nm/秒で0.5nm蒸着し、さらにアルミニウムを蒸着速度0.25nm/秒で100nm蒸着して陰極を形成した。窒素雰囲気下、封止用のガラス板をUV硬化樹脂で接着し、評価用の有機EL素子とした。
このように作製した素子に20mA/cmの電流を印加し、駆動電圧および電流効率を測定した。結果を下記の表10に示す。
実施例2〜実施例8で合成したアリールアミンポリマーおよび参考例1で励起三重項準位を測定したポリ−(N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン)(ADS254BE:アメリカン・ダイ・ソース社製)についても実施例25と同様に素子を作製して発光特性を測定した。それぞれ実施例26〜実施例32、比較例7として結果を下記の表10に示す。
なお、表には、実施例25〜実施例32の測定結果を、比較例7の駆動電圧、発光効率の測定値を100と規格化した相対値で示した。
Figure 0006264919
このように、本発明のアリールアミンポリマーは、輝度が高く、消費電力の少ない有機EL素子を提供するものである。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0006264919
    [式中、
    Arは、各々独立して、総炭素数が6〜16である置換されていてもよいアリーレン基を表す。
    Arは、各々独立して、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基または炭素数4〜20のヘテロ芳香族基を表し、これらの置換基は炭素数8〜16のアルキル基及び炭素数8〜16のアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基を少なくとも1つ有する。
    Arは、各々独立して、総炭素数が4〜24である置換されていてもよいアリール基を表わす。
    Arは、各々独立して、総炭素数が4〜24である置換されていてもよいアリール基を表わす。
    nは20以上の整数を表す。
    mは0または1を表す。
    Xは酸素原子または硫黄原子を表す。]
    で表されることを特徴とするアリールアミンポリマー。
  2. Arが、各々独立して、フェニル基、ビフェニル基、m−ターフェニル基、9−フェニルカルバゾール−3−イル基、ジベンゾチオフェン−3−イル基、又はジベンゾフラン−3−イル基(これらの置換基は、炭素数8〜16のアルキル基及び炭素数8〜16のアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基を少なくとも1つ有する)である、請求項1に記載のアリールアミンポリマー。
  3. Arが、各々独立して、フェニル基、ビフェニル基、m−ターフェニル基、9−フェニルカルバゾール−3−イル基、ジベンゾチオフェン−3−イル基、又はジベンゾフラン−3−イル基(これらの置換基は、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基からなる群より選ばれる置換基を少なくとも1つ有する)である、請求項1又は2に記載のアリールアミンポリマー。
  4. Arが、p−フェニレン基である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアリールアミンポリマー。
  5. Arが、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を有してもよいフェニル基である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアリールアミンポリマー。
  6. Arが、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を有してもよいフェニル基である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアリールアミンポリマー。
  7. パラジウム触媒、塩基及び溶媒の存在下、一般式(2)で表されるアミン化合物と一般式(3)で表される芳香族ジハロゲン化合物とを反応させた後、得られた重合物とZ−Arで表される化合物及び/又はAr−NH−Arで表される化合物とを逐次的に反応させることを特徴とする、一般式(1)で表されるアリールアミンポリマーの製造方法。
    Figure 0006264919
    [反応式1中、
    Arは、各々独立して、総炭素数が6〜16である置換されていてもよいアリーレン基を表す。
    Arは、各々独立して、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基または炭素数4〜20のヘテロ芳香族基を表し、これらの置換基は炭素数8〜16のアルキル基及び炭素数8〜16のアルコキシ基からなる群より選ばれる置換基を少なくとも1つ有する。
    Arは、各々独立して、総炭素数が4〜24である置換されていてもよいアリール基を表わす。
    Arは、各々独立して、総炭素数が4〜24である置換されていてもよいアリール基を表わす。
    nは20以上の整数を表す。
    mは0または1を表す。
    Xは酸素原子または硫黄原子を表す。]
    YおよびZは、各々独立して塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。]
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のアリールアミンポリマーを含むことを特徴とするキャリア輸送材料。
  9. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のアリールアミンポリマーを含むことを特徴とする正孔注入材料、正孔輸送材料、発光材料、発光材ホスト材料、又はバッファー材料。
  10. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のアリールアミンポリマーを含むことを特徴とする有機電界発光素子。
  11. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のアリールアミンポリマーを正孔輸送層、正孔注入層、又は発光層のいずれか1層又は2層以上に含むことを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光素子。
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