[第1実施形態]
以下、本発明の「遊技機」としてのパチンコ遊技機10に係る第1実施形態を、図1〜図14に基づいて説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技球が流下可能な遊技領域R1を備え、その遊技領域R1をパチンコ遊技機10の前面から視認可能となっている。遊技領域R1の中央には液晶表示装置12が配置されており、液晶表示装置12の周囲には、図示しない入賞部、役物、障害釘等が配置されている。
パチンコ遊技機10の前面のうち、遊技領域R1の下方には、遊技球を貯留可能な上皿13及び下皿14が上下二段にして設けられている。下皿14の右側方には、発射操作ノブ15が備えられ、この発射操作ノブ15を回動操作することで、図示しない発射装置から遊技領域R1に向かって遊技球が発射される。遊技領域R1を流下する遊技球が入賞部に入球すると、賞球として所定数の遊技球が上皿13に払い出される。また、入賞部への入球を契機として、液晶表示装置12では表示演出が行われる。
パチンコ遊技機10の前面のうち、下皿14の左側方には、遊技ハンドル20(本発明の「移動操作体」に相当する)が設けられている。ここで、液晶表示装置12では、入賞部への入球を契機とする通常の表示演出とは別に、遊技者が参加することができる特殊表示演出が行われる。遊技ハンドル20は、その特殊表示演出時の液晶表示装置12に対する入力手段であり、以下に説明する遊技ハンドル20の操作によって、特殊表示演出の演出内容を、遊技者が任意に変更することが可能になっている。
遊技ハンドル20は、パチンコ遊技機10の前後方向に延びた水平な回転軸回りで回転移動操作することが可能となっている。具体的には、図2及び図3に示すように、第1回動範囲X1と、その第1回動範囲X1より外側の第2回動範囲X2とに亘って回転移動操作することが可能となっている。第2回動範囲X2は、第1回動範囲X1を挟んだ両側に設けられており、遊技ハンドル20は、第1回動範囲X1から、時計回り方向と反時計回り方向とに回転移動操作することができる。図2の実線で示された位置と一点鎖線で示された位置を両端とする回動範囲が、第1回動範囲X1である。また、以下の説明では、図2の実線で示された位置と図3の実線で示された位置を両端とする回動範囲を、「正側の第2回動範囲X2」といい、図2の一点鎖線で示された位置と図3の一点鎖線で示された位置を両端とする回動範囲を、「負側の第2回動範囲X2」という。なお、第1回動範囲X1は、本発明の「第1可動範囲」に相当し、第2回動範囲X2は、本発明の「第2可動範囲」に相当する。また、これら第1回動範囲X1内と第2回動範囲X2内における移動方向が、本発明の「第1移動方向」に相当する。
正負の両第2回動範囲X2内には、それぞれ正側検出位置と負側検出位置とが設定されており、それら正側検出位置と負側検出位置には、それぞれ回転検出センサ48(図9参照)が設けられている。これら回転検出センサ48によって遊技ハンドル20が正側検出位置又は負側検出位置に到達したことが検出されると、これを契機として遊技状態が変化する。即ち、液晶表示装置12における特殊表示演出の演出内容が変更される。
遊技ハンドル20は、上述したように、第1回動範囲X1とその両側の第2回動範囲X2とに亘って回転操作することが可能であるが、遊技者が遊技ハンドル20から手を離した非操作時には、第1回動範囲X1内に位置するように付勢されている。即ち、遊技ハンドル20が第1回動範囲X1から第2回動範囲X2に進入したときに、第1回動範囲X1に押し戻すように付勢されており、その付勢力を上回る力で回転操作された場合に、遊技ハンドル20が正側検出位置又は負側検出位置に到達し得るようになっている。
遊技ハンドル20は、上述した回転移動操作における回転軸方向、即ち、パチンコ遊技機10の前後方向に直動操作することが可能となっている。遊技ハンドル20は、その直動範囲の一端である直動原点位置に付勢されており、遊技ハンドル20から手が離れた非操作時には、直動原点位置に位置決めされている。本実施形態では、パチンコ遊技機10の前後方向に延びた直動範囲の前端位置が、直動原点位置となっており、その前端位置から直動範囲の後端位置に向けて直動操作したときに、遊技ハンドル20を前端位置に押し返すように付勢されている。
さらに、遊技ハンドル20には、本発明の「振動付与手段」としての振動モータ24(図10参照)が内蔵されており、遊技ハンドル20を把持した遊技者に振動を体感させることが可能となっている。この振動により、例えば、遊技者に遊技ハンドル20の操作を喚起させることができる。また、液晶表示装置12の表示演出と連動して遊技ハンドル20を振動させることで、表示演出の趣向性を高めることができる。以上が、遊技ハンドル20の概要であり、以下、遊技ハンドル20とその移動機構の構成について詳説する。
遊技ハンドル20は、図4に示すハンドルアッシ90の一部を構成している。ハンドルアッシ90は、遊技ハンドル20と、パチンコ遊技機10の本体に固定される固定支持ベース70と、固定支持ベース70に対して直動可能に支持された可動支持ベース40とから構成されており、遊技ハンドル20は、可動支持ベース40に対して回動可能に支持されている。
遊技ハンドル20は、パチンコ遊技機10の前方に開放した有底筒状の回転カップ25と、その開口端から前方に突出したバーグリップ21(本発明の「グリップ部」に相当する)とを備えており、回転カップ25の内側に手を入れてバーグリップ21を把持することが可能となっている。バーグリップ21は、略円柱状をなしており、回転カップ25の開口端に架け渡されている。また、バーグリップ21の一端部には、バーグリップ21を把持したまま操作することが可能な押ボタン22が設けられている。
図10に示すように、バーグリップ21の内部には、押ボタン22の操作を検出する検出スイッチ23と振動モータ24とが収容されている。振動モータ24は、バーグリップ21の他端寄り位置に配置されており、振動モータ24の回転軸に固定された偏心分銅24Aが回転することで、バーグリップ21を振動させるようになっている。なお、バーグリップ21は、1対のグリップ半割体21B,21Bを合体して構成されており、それらグリップ半割体21B,21Bの間に振動モータ24と検出スイッチ23とが挟持されている。
図12に示すように、回転カップ25は、円形のカップ底壁26の周縁部からカップ周壁27が起立した構造をなしており、カップ周壁27は、カップ底壁26から離れるに従って拡径した円錐台形状をなしている。また、回転カップ25は、バーグリップ21を把持した手が殆ど当たらないような内径と奥行きを有している。
カップ底壁26の外面の中心には、円柱状のセンターポスト28が設けられている。センターポスト28は、回転カップ25の軸方向に突出しており、そのセンターポスト28の軸心部を配線挿通孔28Aが貫通している。また、図11に示すように、センターポスト28は、カップ底壁26に一体形成されたインナー軸部28Bと、インナー軸部28Bの外側に回転不能に嵌合した摺動スリーブ28Cとから構成されている。摺動スリーブ28Cの一端部には円形鍔部28Dが形成されており、その円形鍔部28Dがカップ底壁26の外面におけるインナー軸部28Bの周辺に宛がわれている(図12参照)。
図12に示すように、カップ底壁26の外面の外縁寄り位置には、回転ストッパ突部29とドグ取付軸部30とが設けられている。回転ストッパ突部29とドグ取付軸部30は、センターポスト28を挟んだ両側位置(詳細には、回転カップ25の周方向で互いに180度離れた位置)に設けられている。また、カップ底壁26の外面のうち、センターポスト28寄りの位置には、円柱状のバネ当接ピン32(本発明の「バネ当接部」に相当する)が設けられている。これら回転ストッパ突部29、ドグ取付軸部30及びバネ当接ピン32は、それぞれ回転カップ25の軸方向に突出しており、ドグ取付軸部30の先端には、センサドグ31が固定されている。センサドグ31は、回転検出センサ48(図9参照)の被検出体であり、カップ底壁26の外面と平行な平板状をなしている。
図10に示すように、カップ底壁26の内面には円形の装飾底板33が宛がわれて螺子止めされている。装飾底板33は、カップ底壁26の内面から離間した状態で固定されており、それら装飾底板33とカップ底壁26との間に、配線挿通孔28Aと連通した底部隙間が形成されている。
図12に示すように、回転カップ25の周壁27には、切欠部34と共に固定座部35が形成されている。これら切欠部34と固定座部35は、カップ周壁27の周方向で互いに180度離れた二箇所に形成されており(図10参照)、両固定座部35,35に、バーグリップ21の両端部から突出した固定脚部21A,21A(図4参照)が突き当てられて螺子止めされている。また、図12に示すように、カップ周壁27の外周面には、固定座部35から後方に延びた配線敷設溝36が形成されており、その配線敷設溝36とカップ底壁26とが交差した角部に、前記底部隙間と連通した配線引込孔36Aが貫通形成されている。図示しないが、振動モータ24のリード線と検出スイッチ23のリード線は、バーグリップ21の両固定脚部21A,21Aから引き出され、配線敷設溝36、配線引込孔36A、底部隙間及び配線挿通孔28Aを通ってハンドルアッシ90の後面に取り付けられた中継回路基板78(図11参照)に接続されている。以上が、操作ハンドル20の説明である。
可動支持ベース40は、パチンコ遊技機10の前方に開放した有底筒状の直動カップ41(図13参照)とその直動カップ41の底壁42に固定された後面カバー55(図5参照)とから構成されている。直動カップ41は、上述した遊技ハンドル20における回転カップ25の全体を、その中心軸回りで回転可能に受容している。また、直動カップ41は、軸方向の中間部で、カップ本体59と先端リング58とに分割可能となっている。カップ本体59に遊技ハンドル20を受容した状態で、カップ本体59の開口端に先端リング58が固定されて、カップ本体59と先端リング58との間で回転カップ25が直動不可能に挟まれている。
図13に示すように、直動カップ41は、円形のカップ底壁42の周縁部からカップ周壁43が起立した構造をなしており、カップ底壁42が回転カップ25の底壁26と対向すると共に、カップ周壁43が、回転カップ25の周壁27の外側を包囲している。
直動カップ41の開口端には、径方向内側に張り出した前端フランジ61(図11参照)が形成されている。前端フランジ61は、直動カップ41に受容された回転カップ25の開口端にオーバーラップしており、これにより、遊技ハンドル20が可動支持ベース40から離脱不可能となっている。また、回転カップ25の開口端と前端フランジ61との間には、摺動リング62(図4参照)が挟まれている。摺動リング62により、回転カップ25が直動カップ41の内側で回転したときの摩擦抵抗を軽減することができる。
カップ周壁43のうち軸方向の中間部には、径方向外側に張り出した中間フランジ44が形成されている。カップ周壁43のうち、中間フランジ44よりカップ底壁42側の部分は、中間フランジ44から離れるに従って縮径した円錐台形状をなしており、中間フランジ44より開口端側の部分は、外径が一定の円筒形をなしている。なお、図10及び図11に示すように、中間フランジ44と前端フランジ61は、共に先端リング58に一体形成されている。
図10に示すように、カップ周壁43の左右両側部には、側方張出壁45,45が形成されている。側方張出壁45は、直動カップ41の軸方向の中間部において、カップ周壁43の外周面に沿って円弧状に延びている。また、図13に示すように、側方張出壁45の延在方向における両端位置からは、直動ガイドピン46,46が起立している。図13に示すように、直動ガイドピン46は、カップ周壁43の側方で直動カップ41の中心軸と平行に延びている。また、直動ガイドピン46の外側には、圧縮コイルバネ63が挿通されている。なお、図10に示すように、側方張出壁45,45は、カップ本体59の開口端に一体形成されている。
図10及び図11に示すように、カップ底壁42の中心部には、円形のセンター孔42Aが貫通形成されており、そのセンター孔42Aの周縁部には、カップ底壁42の内外に突出した円筒形の軸受筒47が形成されている。軸受筒47の内側に、回転カップ25のセンターポスト28、より詳細には、摺動スリーブ28Cが回転可能に嵌合すると共に(図9参照)、軸受筒47の前端部が摺動スリーブ28Cにおける円形鍔部28D(図12参照)に突き当てられている。
図13に示すように、軸受筒47のうち、カップ底壁42から後面カバー55に向かって突出した部分の外側には、摺動スリーブ64が嵌合している。摺動スリーブ64は、その軸方向の一端に円形鍔部64A(図9参照)を備えており、その円形鍔部64Aが、カップ底壁42の外面に宛がわれている。そして、摺動スリーブ64の外側に、ねじりコイルバネ50(本発明の「操作復帰付勢手段」に相当する)のコイル部51が遊嵌している。
カップ底壁42のうち、軸受筒47(センター孔42A)寄り位置には、ピン貫通円弧孔42Bが貫通形成されている。図9に示すように、ピン貫通円弧孔42Bは、軸受筒47の上方に設けられて、軸受筒47と同心の円弧状に延びている。このピン貫通円弧孔42Bを、回転カップ25の底壁26から起立したバネ当接ピン32(図12参照)が貫通して、カップ底壁42の後方に突出している。即ち、遊技ハンドル20の回転に伴い、バネ当接ピン32が、ピン貫通円弧孔42Bの範囲内で移動可能となっている。
図9に示すように、カップ底壁42の外縁寄り位置には、ストッパ用円弧孔42Cとセンサ用円弧孔42Dとが貫通形成されている。ストッパ用円弧孔42Cとセンサ用円弧孔42Dは、軸受筒47(センター孔42A)を挟んで互いに反対側に配置されており、それぞれ軸受筒47と同心の円弧状に延びている。
ストッパ用円弧孔42Cには、回転カップ25の底壁26から突出した回転ストッパ突部29(図12参照)が突入しており、その回転ストッパ用円弧孔42Cの一端に回転ストッパ突部29が当接した位置と、回転ストッパ用円弧孔42Cの他端に回転ストッパ突部29が当接した位置とを両端とする回動範囲で、遊技ハンドル20が回動可能となっている。また、センサ用円弧孔42Dを、回転カップ25の底壁26から突出したドグ取付軸部30(図12参照)が貫通しており、ドグ取付軸部30の先端に固定されたセンサドグ31が、カップ底壁42より後方で、センサ用円弧孔42Dの範囲内を移動可能となっている。
図9に示すように、カップ底壁42の外面のうち、センサ用円弧孔42Dの両端寄り位置には、それぞれ回転検出センサ48,48(本発明の「操作検出手段」に相当する)が設けられている。回転検出センサ48は、投光器と受光器とを対向配置してなる公知な透過形光センサであり、それら投光器と受光器の間を、平板状のセンサドグ31が進退可能となっている。遊技ハンドル20が、第1回動範囲X1から時計回り方向に回転すると、センサドグ31が、図9における上側の回転検出センサ48に向かって移動し、その上側の回転検出センサ48において、投射光がセンサドグ31によって遮光されることで、遊技ハンドル20が正側検出位置に到達したことが検知される。また、遊技ハンドル20が、第1回動範囲X1から反時計回り方向に回転すると、センサドグ31が、図9における下側の回転検出センサ48に向かって移動し、その下側の回転検出センサ48において、投射光が板状のセンサドグ31によって遮光されることで、遊技ハンドル20が負側検出位置に到達したことが検知される。
図9に示すように、カップ底壁42のうち軸受筒47の真上位置には、バネ係止突壁49が設けられている。図13に示すように、バネ係止突壁49は、ピン貫通円弧孔42Bとストッパ用円弧孔42Cとの間から、後面カバー55に向かって庇状に突出している。また、バネ係止突壁49は、軸受筒47と同心の円弧状に湾曲している。
ねじりコイルバネ50は、摺動スリーブ64の外側に遊嵌されたコイル部51が巻き締め方向に捻られた状態で、コイル部51から側方に突出した1対のバネ端末部52,52が、バネ係止突壁49の両側部に係止されており、常に、遊技ハンドル20の回転軸回りのねじりモーメントを受けた状態で取り付けられている。
図9に示すように、回転カップ25に固定されたバネ当接ピン32は、ピン貫通円弧孔42Bを貫通して、1対のバネ端末部52,52の間に配置されており、遊技ハンドル20が回転したときに、バネ当接ピン32とバネ端末部52とが当接可能となっている。例えば、第1回動範囲X1に位置する遊技ハンドル20が、時計回り方向に回転して、第1回動範囲X1と正側の第2回動範囲X2との境界位置(図2の実線で示した位置)に到達したとき、バネ当接ピン32が、図9における左側のバネ端末部52と当接する。ここから、さらに時計回り方向に回転して、正側の第2回動範囲X2に進入すると、バネ端末部52がバネ当接ピン32に押されてバネ係止突壁49から離間し、遊技ハンドル20がねじりコイルバネ50によって第1回動範囲X1に押し戻す方向に付勢される。また、第2回動範囲X2に進入すると、ねじりコイルバネ50のコイル部51が巻き締め方向に捻れて、ねじりモーメントが増加し、第1回動範囲X1に押し戻す付勢力が徐々に増加する。第1回動範囲X1に位置する遊技ハンドル20が、反時計回り方向に回転した場合も同様である。このように、遊技ハンドル20は、ねじりコイルバネ50のねじりモーメントよって、遊技ハンドル20から手を離した非操作時に、第1回動範囲X1内に位置するように付勢されている。
図13に示すように、カップ底壁42のうち、軸受筒47を挟んだ二位置には、センサドグ53,53が一体形成されている。センサドグ53は、カップ底壁42の外面から直角に起立しかつ、カップ周壁43の側方に張り出した板状をなしている。これらセンサドグ53は、後述する直動検出センサ77の被検出体である。
さらに、カップ底壁42の外面のうち、回転検出センサ48の近傍位置には、後面カバー55に向かって突出した複数の締結ボス54が設けられている。
図5に示すように、後面カバー55は、カップ底壁42の外面に宛がって固定されており、カップ底壁42の外面に組み付けられた回転検出センサ48,48とねじりコイルバネ50を、後方と側方とから覆っている。後面カバー55は、カップ底壁42の外面に対向した主板壁56と、主板壁56の縁部からカップ底壁42に向かって起立した囲壁57とを有している。また、主板壁56は、ピン貫通円弧孔42Bと対向した扇形壁部と、センサ用円弧孔42Dと対向した扇形壁部とを、円形壁部で連絡した構造をなしている。円形壁部には、軸受筒47が突き当てられており、後面カバー55とカップ底壁42との間にねじりコイルバネ50と摺動スリーブ64とが挟まれている。また、円形壁部の中心にはD形のカバー中央孔56Aが貫通形成され、そのカバー中央孔56Aと遊技ハンドル20に設けられた配線挿通孔28A(図12参照)とが同軸上に配置されている。
また、主板壁56の内面からカップ底壁42に向かって、カバー中央孔56Aと同心円弧状の円弧壁56B(図10参照)が突出しており、その円弧壁56Bの内周面と摺動スリーブ64の外周面との間に形成された円弧状空間に、ねじりコイルバネ50のコイル部51が収容されている。後面カバー55に設けられた囲壁57及び円弧壁56Bは、カップ底壁42の外面に突き当てられており、カップ底壁42から後面カバー55に向かって突出したバネ係止突壁49及び締結ボス54が主板壁56の内面に突き合わされている。
バネ係止突壁49は、主板壁56の内面に形成された嵌合凹部56D(図10参照)と凹凸係合している。また、主板壁56の内面から締結ボス54に向かって支持ボス56C(図10参照)が突出しており、締結ボス54の先端が支持ボス56Cの内側に凹凸嵌合している。そして、主板壁56を貫通した複数の螺子が、バネ係止突壁49及び締結ボス54に形成された螺子孔と螺合することで、後面カバー55と直動カップ41とが一体に固定されている。以上が、可動支持ベース40の説明である。
図14に示すように、固定支持ベース70は、前面装飾リング80と、その前面装飾リング80の後面に固定された固定フレーム71とから構成されている。前面装飾リング80は、直動カップ41の先端リング58よりも大径な円形孔81を備えており、固定フレーム71は、その円形孔81と略同一の内径を有する円形周囲壁72を有している。円形周囲壁72と前面装飾リング80は、直動カップ41の外側に遊嵌している。また、円形周囲壁72と前面装飾リング80は、軸方向に離して配置されており、直動カップ41の周壁43から張り出した中間フランジ44が、円形周囲壁72と前面装飾リング80の間に配置されている。
円形周囲壁72の左右両側部には側方膨出部73,73が設けられている。側方膨出部73は、前方(前面装飾リング80の後面)に向かって開放した袋構造をなしており、円形周囲壁72の周方向に沿って円弧状に延びている。直動カップ41の側方張出壁45(図13参照)は、前面装飾リング80と側方膨出部73の後端壁との間で直動可能となっている。
固定フレーム71には、連結脚部74と固定脚部75とがそれぞれ複数ずつ設けられている。連結脚部74は、円形周囲壁72の前方に突出しており、それら複数の連結脚部74の先端が、前面装飾リング80の後面に突き当てられて螺子止めされている。一方、固定脚部75は、側方膨出部73の延在方向における両端位置から、円形周囲壁72の後方に突出している。これら複数の固定脚部75は、その先端部がパチンコ遊技機10の本体に突き当てられて螺子止めされている。
側方膨出部73の延在方向における両端寄り位置には、直動ガイド孔76が形成されている。直動ガイド孔76は、その内側に嵌合した滑り軸受76Aを介して、可動支持ベース40(直動カップ41)に備えた直動ガイドピン46(図13参照)を直動可能に支持している。また、直動ガイドピン46は、その先端部に係止された抜止部材46Aによって、直動ガイド孔76に対して抜け止めされている。さらに、直動ガイドピン46の外側に挿通された圧縮コイルバネ63(図5参照)が、直動カップ41の側方張出壁45と、固定フレーム71における側方膨出部73の後端壁との間で突っ張り状態になっている。そして、これら複数の圧縮コイルバネ63により、可動支持ベース40が、固定支持ベース70に対する直動範囲の前端位置(直動原点位置)に付勢されている。
図9に示すように、側方膨出部73,73の後面には、それぞれ直動検出センサ77,77が固定されている。直動検出センサ77は、回転検出センサ48と同じ構成の透過形光センサであって、側方膨出部73の後面のうち、上下に離して配置された直動ガイド孔76,76の間に配置されている。そして、固定支持ベース70に対する可動支持ベース40の直動に伴い、直動カップ41に形成されたセンサドグ53が、直動検出センサ77の投光器と受光器との間を進退可能となっている。本実施形態では、遊技ハンドル20が、その直動範囲の後端位置から前端位置に向かって移動する過程で、センサドグ53が直動検出センサ77に進入し、直動範囲の中間位置から前端位置までの範囲で、直動検出センサ77における投射光を、センサドグ53が遮光するように構成されている。
図5に示すように、固定フレーム71の後面のうち、側方膨出部73より下方には、中継回路基板78(図11参照)を収容した基板ケース79が固定されている。図11に示すように、基板ケース79は、前後方向の中間部で1対のケース構成体79A,79Aに二分割することが可能となっている。中継回路基板78には、回転検出センサ48及び直動検出センサ77が、図示しないリード線を介して接続されている。また、バーグリップ21からハンドルアッシ90の後面側に引き込まれた振動モータ24及び検出スイッチ23のリード線(図示せず)が、中継回路基板78に接続されている。
前面装飾リング80は、上述した遊技ハンドル20と共に、パチンコ遊技機10の前面に露出しており、その外周囲には、例えば、めっき装飾が施されている。また、前面装飾リング80の内部には図示しない発光基板が内蔵されており、その発光基板に実装されたLED等の発光素子によって、前面装飾リング80の前面が発光可能となっている。
前面装飾リング80に形成された円形孔81の内径は、直動カップ41の周壁43から張り出した中間フランジ44よりも小径となっている。圧縮コイルバネ63によって直動範囲の前端位置に付勢された可動支持ベース40は、中間フランジ44が前面装飾リング80の後面に当接することで、直動範囲の前端位置(直動原点位置)に位置決めされている。また、可動支持ベース40を、その直動範囲の前端位置から後端位置に向けて直動させた場合、中間フランジ44が、固定フレーム71の円形周囲壁72に当接することで、それ以上の移動が禁止される。つまり、遊技ハンドル20及び可動支持ベース40は、直動カップ41の中間フランジ44が前面装飾リング80の後面と当接した前端位置と、中間フランジ44が円形周囲壁72の前端面と当接した後端位置との間で、直動可能となっている。なお、中間フランジ44と前面装飾リング80は、本発明の「原点位置決め部」に相当する。
ここで、前面装飾リング80の後面のうち、円形孔81の周縁部には、振動を吸収することが可能な緩衝材82が取り付けられており、遊技ハンドル20がその直動範囲の前端位置に位置するときに、中間フランジ44が当接して、振動モータ24による振動を可動支持ベース40と固定支持ベース70との間で吸収することが可能となっている。これにより、ハンドルアッシ90の外部への漏れ振動を低減することが可能となっている。
本実施形態の構成は以上である。次に、本実施形態の作用を説明する。発射操作ノブ15を回動操作すると、遊技球が遊技領域R1に向けて発射される。遊技領域R1に打ち込まれた遊技球は、遊技領域R1に設けられた図示しない役物や障害釘に接触してランダム経路で流下する。遊技領域R1を流下する途中で、遊技球が入賞部に入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿に払い出されると共に、液晶表示装置12では、入球に応じて所定の表示演出が行われる。
液晶表示装置12では、入賞部への入球を契機にして行われる通常の表示演出とは別に、特殊表示演出が行われることがある。特殊表示演出では、遊技ハンドル20の回転操作によって、演出内容を遊技者自身で任意に変更することができる。即ち、第1回動範囲X1内に位置している遊技ハンドル20を回転操作して、第2回動範囲X2内の正側検出位置又は負側検出位置に到達させると、回転検出センサ48が遊技ハンドル20に対する回転操作を検出し、これを契機として、特殊表示演出の演出内容が変更される。
ここで、遊技ハンドル20は、第2回動範囲X2に進入すると、ねじりコイルバネ50から第1回動範囲X1に押し戻す方向の付勢力を受けるので、正側検出位置又は負側検出位置に到達させるには、ねじりコイルバネ50の付勢力を上回る力で遊技ハンドル20を回転操作する必要がある。そして、遊技ハンドル20を第2回動範囲X2まで回転操作した状態で、力を緩めたり、遊技ハンドル20から手を離すと、遊技ハンドル20は、ねじりコイルバネ50の付勢力によって自動的に第1回動範囲X1に戻される。
ところで、特殊表示演出中は、バーグリップ21が振動することがある。バーグリップ21を把持しているときにバーグリップ21が振動することで、遊技者に遊技ハンドル20の操作を喚起させたり、特殊表示演出の趣向性を高めることができる。
バーグリップ21の振動は、遊技者がバーグリップ21を把持しているか否かに拘わらず行われるので、バーグリップ21から手が離れている非操作時に、バーグリップ21が振動する場合がある。ここで、本発明を適用しなかった場合には、非操作時のバーグリップ21の振動によって遊技ハンドル20が回転移動して正側検出位置又は負側検出位置に到達し、遊技者の意図に反して特殊表示演出の演出内容が勝手に変更されてしまう虞がある。
これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技ハンドル20から手を離した状態でバーグリップ21が振動した場合に、遊技ハンドル20が第1回動範囲X1から第2回動範囲X2に進入することが禁止されている。詳細には、遊技ハンドル20から手を離した状態でバーグリップ21が振動した場合、遊技ハンドル20が、第1回動範囲X1内で移動する可能性はある。しかしながら、遊技ハンドル20が、第1回動範囲X1と第2回動範囲X2の境界位置に到達すると、バネ当接ピン32がねじりコイルバネ50のバネ端末部52に当接する。ねじりコイルバネ50は、常に、遊技ハンドル20の回転軸(コイル部51の中心軸)回りのねじりモーメントを受けた状態となっており、遊技ハンドル20が第2回動範囲X2に進入したときに、ねじりモーメントによって遊技ハンドル20を第1回動範囲X1に押し戻すように付勢する。そして、この付勢力は、遊技ハンドル20が振動により第1可動範囲X1から第2可動範囲X2に進入しない程度の大きさになっている。換言すれば、振動モータ24の振動だけでは、ねじりコイルバネ50の付勢力を上回る回転力を発生させることは不可能となっている。従って、遊技ハンドル20が、振動によって勝手に第2回動範囲X2に進入して、正側検出位置又は負側検出位置に至ることを防ぐことができる。つまり、遊技者の意図に反して特殊表示演出の演出内容(遊技状態)が勝手に変更されることを防止することができ、趣向性の低下を抑えることができる。
[第2実施形態]
図15には、本発明の第2実施形態に係るハンドルアッシ90の背面図が示されている。本実施形態は、遊技ハンドル20を第1回動範囲X1内の回動原点位置(本発明の「第1移動原点位置」に相当する)に付勢する本発明の「第1原点付勢手段」を備えている点、第2回動範囲X2が第1回動範囲X1の一端側だけに設けられており、これに伴い、回転検出センサ48が1つだけになっている点が、上記第1実施形態とは異なる。その他の構成は、上記第1実施形態と同一であるので、同一部位には同一符号を付すことで、重複した説明は省略する。
図15に示すように、ストッパ用円弧孔42C及びセンサ用円弧孔42Dは、上記第1実施形態のものよりも短くなっており、ストッパ用円弧孔42Cによって規定される遊技ハンドル20の全回動範囲のうち、中間部より一端側の範囲が第1可動範囲X1となっており、中間部より他端側の範囲が第2回動範囲X2となっている。
図15に示すように、ばね係止突壁49にはばね固定壁91が一体に設けられている。ばね固定壁91は、ばね係止突壁49の一側部から下方に張り出しており、ばね当接ピン32に側方から対向している。ばね当接ピン32とばね固定壁91との間は、「第1原点付勢手段」としての引張コイルバネ92によって連結されており、ねじりコイルバネ50と引張コイルバネ92とが協働して、非操作時の遊技ハンドル20を、第1回動範囲X1内(詳細には、第1回動範囲X1のほぼ中央)の回動原点位置(図15に示す位置)で静止させるように付勢している。
引張コイルバネ92の付勢力は、遊技者が手を離した非操作時に、振動モータ24による遊技ハンドル20の振動を許容する程度の大きさとなっている。これに対し、ねじりコイルバネ50の付勢力は、引張コイルバネ92の付勢力よりも大きくなっており、非操作時の遊技ハンドル20の振動によって、遊技ハンドル20が第1回動範囲X1から第2回動範囲X2に進入しない程度の大きさとなっている。従って、遊技ハンドル20は、第1回動範囲X1内では、引張コイルバネ92の付勢力に抗して移動し、第2回転範囲X2内では、引張コイルバネ92とねじりコイルバネ50の付勢力とに抗して移動することになる(図16(B)参照)。また、第1回動範囲X1内に位置する遊技ハンドル20が、非操作の状態で振動した場合、遊技ハンドル20は、最大でもばね当接ピン32がバネ端末部52に当接した位置(図16(A)参照)、即ち、第1回動範囲X1と第2回動範囲X2との境界位置までしか回転が許容されず、第1回動範囲X1内でのみ振動する(振動だけでは第2回動範囲X2に進入しない)ように構成されている。本実施形態の構成によっても、上記第1実施形態と同等の効果を奏する。
本実施形態の構成を纏めると以下のようになる。即ち、第1可動範囲と、前記第1可動範囲より外側の第2可動範囲とに亘って移動操作可能な移動操作体と、前記移動操作体を操作して前記第1可動範囲から前記第2可動範囲に進入したときにその移動操作体を前記第1可動範囲に戻すように付勢し、非操作時の前記移動操作体を前記第1可動範囲内に位置させる操作復帰付勢手段と、前記移動操作体を前記第1可動範囲内の第1移動原点位置に付勢する第1原点付勢手段と、前記第2可動範囲内の検出位置に配置され、遊技状態を変化させる契機として前記移動操作体が前記検出位置に到達したことを検出する操作検出手段と、少なくとも前記第1可動範囲内の前記移動操作体に振動を付与する振動付与手段とを備え、前記第1原点付勢手段の付勢力を、前記振動付与手段の振動による前記非操作時の前記移動操作体の振動を前記第1可動範囲内で許容する大きさとする一方、前記操作復帰付勢手段の付勢力を、前記第1可動範囲と前記第2可動範囲の境目では前記第1原点付勢手段の付勢力よりも大きくして、前記非操作時の前記移動操作体が、前記振動付与手段による振動によって前記第1可動範囲から前記第2可動範囲に進入しない大きさとし、前記移動操作体を操作することによって前記第2可動範囲内に進入するときには前記操作復帰付勢手段の付勢力が前記第1原点付勢手段の付勢力よりも小さくなり、前記第2可動範囲内にて非操作状態にしたときには前記第1原点付勢手段の付勢力よりも大きくなることで前記第2可動範囲から前記第1可動範囲に進入する構成である。
この構成により、非操作時の移動操作体は、操作復帰付勢手段と第1原点付勢手段とによって第1可動範囲内の第1移動原点位置に留められており、遊技者が移動操作体を操作すると、それら操作復帰付勢手段と第1原点付勢手段の付勢力に抗して、移動操作体が第1可動範囲から第2可動範囲へと進入する。また、第1可動範囲内に位置する移動操作体は、振動付与手段の振動により、第1原点付勢手段の付勢力に抗して第1可動範囲内で振動する。このとき、操作復帰付勢手段の付勢力は、非操作時の移動操作体が振動により第1可動範囲から第2可動範囲に移動しない程度の大きさになっているから、第1可動範囲内の移動操作体が、振動によって勝手に第2可動範囲に進入して検出位置に到達することを抑制することができる。これにより、遊技者の意図しない遊技状態の変化を抑制することができ、趣向性の低下を抑えることができる。また、移動操作体を操作することにより、第2可動範囲に進入して非操作状態にした場合には、第2可動範囲から第1可動範囲に進入する、即ち、戻すことが可能であり、常時、非操作状態にした場合に、検出手段が検出し続けることを抑制することが可能である。
[第2実施形態]
図17には、本発明の第2実施形態の要部が示されている。上記第1実施形態では、ねじりコイルバネ50を、本発明に係る「操作復帰付勢手段」として備えていたが、本実施形態では、圧縮コイルバネ94を、本発明に係る「操作復帰付勢手段」として備えている。
詳細には、直動カップ41の底壁42の後面には、ピン貫通円弧孔42Bに沿って円弧状に延びた筒状のバネ受容ガイド93が設けられており、そのバネ受容ガイド93内に、圧縮コイルバネ94と、バネ受容ガイド93の延在方向で往復動可能な可動盤95とが収容されている。圧縮コイルバネ94はバネ受容ガイド93の奥壁93Aと可動盤95との間で、常時、突っ張り状態となっており、遊技者が遊技ハンドル20から手を離した非操作時には、圧縮コイルバネ94の付勢力によって可動盤95の縁部がバネ受容ガイド93の開口縁93Bに押し付けられて位置決めされている。その他の構成は、上記第1実施形態と同一であるので、重複した説明は省略する。
例えば、第1回動範囲X1に位置する遊技ハンドル20が、時計回り方向に回転して、第1回動範囲X1と正側の第2回動範囲X2との境界位置(図2の実線で示した位置)に到達したとき、バネ当接ピン32が、図17における左側の可動盤95と当接する。ここから、さらに時計回り方向に回転して、正側の第2回動範囲X2に進入すると、可動盤95がバネ当接ピン32に押されて圧縮コイルバネ94が圧縮され、遊技ハンドル20が圧縮コイルバネ94によって第1回動範囲X1に押し戻す方向に付勢される。第1回動範囲X1に位置する遊技ハンドル20が、反時計回り方向に回転した場合も同様である。つまり、遊技ハンドル20は、圧縮コイルバネ94によって非操作時に第1回動範囲X1内に位置するように付勢されている。
また、バネ当接ピン32から力を受けていない状態の圧縮コイルバネ94の弾発力は、非操作時の遊技ハンドル20が、振動モータ24による振動によって第1可動範囲X1から第2可動範囲X2に進入しない程度の大きさとなっている。つまり、非操作の状態で遊技ハンドル20が振動した場合、遊技ハンドル20は、最大でも、バネ当接ピン32が可動盤95と当接する位置、即ち、第1回動範囲X1と第2回動範囲X2との境界位置までしか回動することはなく、遊技ハンドル20が振動だけで第2回動範囲X2に進入することは禁止されている。このように、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同等の効果を奏する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、パチンコ遊技機10に、本発明を適用していたが、スロットマシンや、アレンジボール等に本発明を適用してもよい。
(2)上記実施形態では、発射操作ノブ15とは別に設けた遊技ハンドル20に本発明を適用していたが、発射操作ノブ15に本発明を適用してもよい。また、本実施形態の遊技ハンドル20以外に、既存のパチンコ遊技機に備えられた移動操作部に、本発明を適用してもよい。
(3)上記実施形態では、遊技ハンドル20の回転操作と、その回転軸方向への直動操作とが可能で、回転操作方向に、本発明の「第1可動範囲」に相当する第1回動範囲X1と、「第2可動範囲」に相当する第2回動範囲X2とを設けていたが、直動操作方向に、本発明に係る「第1可動範囲」と「第2可動範囲」とを設けてもよい。
(4)上記第1及び第3実施形態では、第1回動範囲X1を挟んだ両側に第2回動範囲X2を設けていたが、第2実施形態のように、第1回動範囲X1の一端部側だけに第2回動範囲X2を設けてもよい。
(5)上記実施形態では、「移動操作部」としての操作ハンドル20が、回転操作と、その回転軸方向への直動操作とが可能となっていたが、移動操作部を互いに直交する2方向又は3方向に直動操作可能として、何れかの直動操作方向に、「第1可動範囲」と「第2可動範囲」とを設けた構成にしてもよい。
(6)上記実施形態では、固定支持ベース70における前面装飾リング80の後面に、振動を吸収する緩衝材82が配置されていたが、固定支持ベース70における円形周囲壁72の前端面に振動を吸収する緩衝材を配置してもよい。
(7)上記実施形態では、本発明の「振動付与手段」の一例として振動モータ24を例示したが、「振動付与手段」は、モータ以外のアクチュエータ(例えば、圧電素子等)によって振動を発生させるものでもよい。
(8)上記第2実施形態では、「第1原点付勢手段」として、引張コイルバネ92を例示したが、引張コイルバネ以外の付勢手段であってもよい。例えば、遊技ハンドル20の周方向の一部に配置したウェイト(錘)の自重によって、遊技ハンドル20を第1回動範囲X1内の回動原点位置に付勢する構成にしてもよい。このようにすれば、上記第1及び第3実施形態のように、第1回動範囲X1を挟んだ両側に第2回動範囲X2を設けることが可能になる。
なお、前記第1〜第3実施形態、及び他の実施形態(1)〜(8)を概念化すると、以下の[1]〜[7]の発明となる。
[1]第1可動範囲と、前記第1可動範囲より外側の第2可動範囲とに亘って移動操作可能な移動操作体と、
前記移動操作体を操作して前記第1可動範囲から前記第2可動範囲に進入したときにその移動操作体を前記第1可動範囲に戻すように付勢し、非操作時の前記移動操作体を前記第1可動範囲内に位置させる操作復帰付勢手段と、
前記第2可動範囲内の検出位置に配置され、遊技状態を変化させる契機として前記移動操作体が前記検出位置に到達したことを検出する操作検出手段と、
少なくとも前記第1可動範囲内の前記移動操作体に振動を付与する振動付与手段とを備え、
前記振動付与手段の振動による前記非操作時の前記移動操作体の振幅を、前記第1可動範囲内の大きさとしたことを特徴とする遊技機。
[1]に係る遊技機によれば、非操作時の移動操作体は、操作復帰付勢手段によって第1可動範囲内に留められ、操作復帰付勢手段の付勢力は、非操作時の移動操作体が振動によって第1可動範囲から第2可動範囲に移動しない程度の大きさになっているから、第1可動範囲内の移動操作体が、振動によって勝手に第2可動範囲に進入して検出位置に到達することを抑制することができる。これにより、遊技者の意図しない遊技状態の変化を抑制することができ、趣向性の低下を抑えることができる。
[2]第1可動範囲と、前記第1可動範囲より外側の第2可動範囲とに亘って移動操作可能な移動操作体と、
前記移動操作体を操作して前記第1可動範囲から前記第2可動範囲に進入したときにその移動操作体を前記第1可動範囲に戻すように付勢し、非操作時の前記移動操作体を前記第1可動範囲内に位置させる操作復帰付勢手段と、
前記移動操作体を前記第1可動範囲内の第1移動原点位置に付勢する第1原点付勢手段と、
前記第2可動範囲内の検出位置に配置され、遊技状態を変化させる契機として前記移動操作体が前記検出位置に到達したことを検出する操作検出手段と、
少なくとも前記第1可動範囲内の前記移動操作体に振動を付与する振動付与手段とを備え、
前記第1原点付勢手段の付勢力を、前記振動付与手段の振動による前記非操作時の前記移動操作体の振動を許容する大きさとする一方、前記操作復帰付勢手段の付勢力を、前記第1原点付勢手段の付勢力よりも大きくして、前記非操作時の前記移動操作体が、前記振動付与手段による振動によって前記第1可動範囲から前記第2可動範囲に進入しない程度の大きさとしたことを特徴とする遊技機。
[2]の構成とした場合、非操作時の移動操作体は、操作復帰付勢手段と第1原点付勢手段とによって第1可動範囲内の第1移動原点位置に留められており、遊技者が移動操作体を操作すると、それら操作復帰付勢手段と第1原点付勢手段の付勢力に抗して、移動操作体が第1可動範囲から第2可動範囲へと進入する。また、第1可動範囲内に位置する移動操作体は、振動付与手段の振動により、第1原点付勢手段の付勢力に抗して第1可動範囲内で振動する。このとき、操作復帰付勢手段の付勢力は、非操作時の移動操作体が振動により第1可動範囲から第2可動範囲に移動しない程度の大きさになっているから、第1可動範囲内の移動操作体が、振動によって勝手に第2可動範囲に進入して検出位置に到達することを抑制することができる。これにより、遊技者の意図しない遊技状態の変化を抑制することができ、趣向性の低下を抑えることができる。
[3]前記第2可動範囲は、前記第1可動範囲を挟んだ両側に設けられ、
前記操作検出手段は、前記第2可動範囲のうち前記第1可動範囲の一端部より外側の第1検出位置と、前記第2可動範囲のうち前記第1可動範囲の他端部より外側の第2検出位置とに配置されたことを特徴とする[1]又は[2]に記載の遊技機。
[3]の構成にした場合、移動操作体は、第1可動範囲を挟んで両側に移動操作することができ、移動操作体の操作による遊技の趣向性が向上する。
[4]前記移動操作体を、前記第1及び第2の可動範囲内の移動方向である第1移動方向に移動可能に支持する第1支持ベースと、
前記第1支持ベースを前記第1移動方向と異なる第2移動方向に移動可能に支持する第2支持ベースと、
前記第1支持ベースを前記第2移動方向における第2移動原点位置に付勢する第2原点付勢手段と、
前記第2支持ベースと前記第1支持ベースとに設けられて、前記第1支持ベースを前記第2移動原点位置に位置決めする原点位置決め部と、
前記原点位置決め部に設けられて、前記移動操作体からの振動を前記第1支持ベースと前記第2支持ベースとの間で吸収するための緩衝材とを備えたことを特徴とする[1]乃至[3]の何れかに記載の遊技機。
[4]の構成にした場合、移動操作体は、第1移動方向と、第1移動方向とは異なる第2移動方向とに移動操作することができるから、移動操作体の操作による遊技の趣向性が向上する。また、非操作時の移動操作体は、第1移動方向における第1可動範囲に位置すると共に、第2原点付勢手段と原点位置決め部とによって第2移動方向における第2移動原点位置に停止位置決めされ、原点位置決め部には、移動操作体から伝搬した振動を、第1支持ベースと第2支持ベースとの間で吸収する緩衝材が設けられたから、第2支持ベースの外部への漏れ振動を低減することができる。
[5]前記移動操作体は、前記第1支持ベースに対して回動可能に支持される一方、
前記第1支持ベースは、前記第2支持ベースに対して、前記移動操作体の回転軸と平行な方向に直動可能に支持され、
前記操作復帰付勢手段は、前記移動操作体の回転軸回りに巻回されたコイル部を前記回転軸回りに捻った状態で、そのコイル部の両端部から側方に突出した1対のバネ端末部を前記第1支持ベースに係止してなるねじりコイルバネであり、
前記移動操作体には、前記1対のバネ端末部の間に配置されて、前記移動操作体が前記第1可動範囲から前記第2可動範囲に進入したときに、一方の前記バネ端末部と当接して前記ねじりコイルバネから付勢力を受けるバネ当接部が備えられたことを特徴とする[4]に記載の遊技機。
[5]の構成にした場合、移動操作体は、回転移動操作とその回転軸と平行な方向への直動操作とが可能となり、移動操作体の操作による遊技の趣向性を向上させることができる。また、移動操作体の回転軸回りにねじりモーメントを受けた状態のねじりコイルバネを、操作復帰付勢手段として備えており、移動操作体の回転移動によって移動操作体が第1可動範囲から第2可動範囲に進入すると、移動操作体に備えたバネ当接部がねじりコイルバネにおける一方のバネ端末部と当接してねじりモーメントを受ける。これにより、第2可動範囲に進入した移動操作体を第1可動範囲に戻すように付勢することができる。
[6]前記第1支持ベースと前記第2支持ベースとの何れか一方に設けられて前記移動操作体の回転軸と平行に延びた複数の直動ガイド軸部と、他方に形成されて前記直動ガイド軸部が直動可能かつ抜け止め状態で貫通した複数の直動ガイド孔と、前記直動ガイド軸部に挿通されて前記第2支持ベースと前記第1支持ベースとの間で突っ張り状態にされた前記第2原点付勢手段としての圧縮コイルバネとを備えたことを特徴とする[5]に記載の遊技機。
[6]のの構成にした場合、直動ガイド軸部と直動ガイド孔とによって、第2支持ベースに対する第1支持ベースの直動が案内されるから、直動操作を円滑に行うことができる。また、直動ガイド軸部に挿通されて、第2支持ベースと第1支持ベースとの間で突っ張り状態にされた圧縮コイルバネによって、移動操作体とこれを支持した第1支持ベースとを、第2移動方向における第2移動原点位置に付勢することができる。
[7]前記移動操作体は移動操作するときに把持可能なグリップ部を有し、そのグリップ部に、前記振動付与手段としての振動モータが内蔵されたことを特徴とする[1]乃至[6]の何れかに記載の遊技機。
[7]の構成にした場合、グリップ部を把持した手で振動を体感することができる。