JP6263154B2 - 可溶性塗膜用塗布液 - Google Patents
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Description
光学材料に適用可能となるような透明性を維持することができるナノサイズの無機酸化物粒子を合成することやナノ粒子の凝集粒径を小さくすることは、一般的に非常に困難であり、最大で数μmの厚さに形成して使用される反射防止膜やハードコート用の高屈折率材料を除いては、実用化されていないのが現状である。
一般的なナノ粒子分散膜やゾル−ゲル膜は、容易に膜を再溶解するなどの方法により剥離することは困難である。
〔1〕 金属元素が第4族元素、第5族元素、第13族元素、第14族元素および第15族元素のうちのいずれか1種類以上の金属元素である金属酸化物組成物を含有する塗布液において、金属元素(M)が酸素原子(O)を介して結合した‘−M−O−M−O−’構造が2次元又は3次元でつながっている金属酸化物組成物であり、前記塗布液中にアルカノールアミン、及びカルボン酸及び/又はカルボン酸誘導体を含有させて、前記アルカノールアミン及びカルボン酸及び/又はカルボン酸誘導体が、前記金属元素と前記アルカノールアミンがモノアルカノールアミン化合物の場合は下記化学式1で記載される配位構造を、ジアルカノールアミン化合物の場合は下記化学式2で記載される配位構造を、トリアルカノールアミン化合物の場合は下記化学式3で記載される配位構造を、カルボン酸及び/又はカルボン酸誘導体の場合は下記化学式4で記載される配位構造を形成して存在し、前記金属酸化物組成物の粒径が1から5nmであり、再溶解可能な金属酸化物組成物含有塗膜が形成可能であることを特徴とする塗布液。
〔3〕 前記カルボン酸又は/及びカルボン酸誘導体量が前記金属元素に対し0.5〜1.5モル倍であることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の塗布液。
〔4〕 前記カルボン酸及び/又はカルボン酸誘導体のアシル基が炭素数3〜10であることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の塗布液。
本発明のアルカノールアミン、及びカルボン酸及び/又はカルボン酸誘導体の総添加量は金属元素に対し1〜3モル倍である。アルカノールアミンのみでも効果が発現するが、アルカノールアミン、及びカルボン酸及び/又はカルボン酸誘導体が共存することが好ましい。
本発明では、塗布液中の赤外吸収スペクトルにおいて1000〜1200cm−1、850〜900cm−1付近に次観察されるC−O又はC−N伸縮振動によりアルカノールアミンの配位が確認される。図中のR2は炭素数2〜4の炭化水素である。また、成膜後は赤外吸収スペクトルに於いて3000〜3500cm−1の水酸基の増加を伴わずにトリエタノールアミンのC−O又はC−N伸縮振動に帰属される吸収ピークが850〜900cm−11027cm−1付近に観察され場合を配位構造が形成したと考える。
本発明の塗布液で形成した塗膜の再溶解性は、成膜後溶剤が十分に除去された後に、塗布液で用いた溶剤や他の適切な溶剤で溶解・剥離が可能であることを示す。塗膜の再溶解性は、形成された膜を溶剤中に浸漬、溶剤への浸漬後に超音波処理又は塗膜への溶剤の吹き付けなどで確認される。また、塗布液から溶剤を除去・乾固した後に、粒径の大幅な増加を伴わずに再度元の溶剤や適切な溶剤に再溶解することも本発明の特徴である。
本発明の塗布液の製造方法は、目的とする塗布液が形成可能であれば特に限定されない。金属塩や金属アルコキシドの加水分解により形成した金属酸化物組成物にアルカノールアミン、及びカルボン酸及び/又はカルボン酸誘導体を反応させることで得られる。また、金属塩や金属アルコキシドに予め所定量のアルカノールアミン、及び/又はカルボン酸及び/又はカルボン酸誘導体を反応させた後に加水分解することで得られる。
好ましくはアルカノールアミンと金属アルコキシドを反応した後、カルボン酸及び/又はカルボン酸誘導体との反応により形成される。
目的に応じて溶剤を置換して適時変更する場合は、先に記載した塗布液から溶剤を除去・乾固した後に粒径の大幅な増加を伴わずに再度適切な溶剤に再溶解することが重要となる。
金属酸化物組成物含有塗膜の形成方法は、特に限定されず従来既知の方法により本発明の塗布液を基材に塗布することにより得られる。塗布液をそのまま基材へスピンコート塗布、浸漬塗布、スプレー塗布、泡塗布などのような既知の方法により塗布させ、室温又は加熱により乾燥する方法がある。また、塗布液を構成する溶剤で希釈して、浸漬塗布、スプレー塗布、泡塗布などのような既知の方法により、基材の表面に塗布後、室温又は加熱により乾燥する方法が採られる。
金属アルコキシド溶液に金属アルコキシル基の数の0.5モル倍の水(必要に応じて触媒を添加)を添加して加水分解し、室温で2時間撹拌した。得られた反応液に所定量のアルカノールアミン及びカルボン酸を添加し、更に1時間撹拌することでアルカノールアミン及びカルボン酸が配位構造を形成した本発明の金属酸化物組成物を含有する塗布液を得た。
実施例及び比較例について、金属アルコキシドの金属種及びアルコキシル基、金属酸化物濃度(配位結合金属酸化物組成物からアルキル基等の有機基および配位化合物を除外した計算値)、溶媒の種類、添加したアルカノールアミン及びカルボン酸の種類と量、金属酸化物組成物の粒径、配位構造の有無を表1にまとめる(表中のMPは1−メトキシ−2−プロパノール、IPAは2−プロパノール、MEAはモノエタノールアミン、DEAはジエタノールアミン、TEAはトリエタノールアミンを示す)。
メタクリル酸で存在する1700cm−1のC=O伸縮振動の吸収ピークが消失し、1550cm−1付近に配位構造に帰属されるC=O伸縮振動の吸収ピークの出現により確認した。実施例6の塗布液では、1550cm−1付近に配位構造に帰属されるC=O伸縮振動の吸収ピーク、及びトリエタノールアミンのC−O又はC−N伸縮振動に帰属される1027cm−1付近の吸収ピークが確認された(図1)。また、他の本発明の実施例に於いても同様の吸収ピークが確認された。
本発明の塗布液中には、1.5〜3.0nmに一つのピークトップ、1.7〜3.3nmに平均粒径を有する金属酸化物組成物が観察された。実施例6のピーク分布を図2に示す。
ジルコニウムアルコキシドを用い実施例1と同じ方法で作成し、メタクリル酸を添加せずに塗布液とした。得られた塗布液を用い、Si基板上にスピンコート法により成膜後、120℃で30分加熱処理を行い、塗布膜を形成した。得られた塗布膜は透明で屈折率1.64であった。実施例と同じ方法で剥離試験を行ったが、膜の剥離は観察されなかった。
ジルコニウムアルコキシドを用い実施例1と同じ方法で作成し、メタクリル酸をジルコニウムに対し0.9モル倍添加し塗布液とした。得られた塗布液を用い、Si基板上にスピンコート法により成膜後、120℃で30分加熱処理を行い、塗布膜を形成した。得られた塗布膜は透明で屈折率1.63であった。実施例と同じ方法で剥離試験を行ったが、膜の剥離は観察されなかった。
テトラ−n−ブトキシジルコニウムをトルエンに溶解した後、メタクリル酸をジルコニウムに対し4モル倍添加し透明溶液を得た。得られた溶液を1時間放置すると白色の析出物が形成した。得られた析出物はトルエン、MPなどのアルコールなどへ不溶であった。赤外吸収スペクトルの測定より、ジルコニウムテトラメタクリレートの生成が確認された。
Claims (4)
- 金属元素が第4族元素、第5族元素、第13族元素、第14族元素および第15族元素のうちのいずれか1種類以上の金属元素である金属酸化物組成物を含有する塗布液において、金属元素(M)が酸素原子(O)を介して結合した‘−M−O−M−O−’構造が2次元又は3次元でつながっている金属酸化物組成物であり、前記塗布液中にアルカノールアミン、及びカルボン酸及び/又はカルボン酸誘導体を含有させて、前記アルカノールアミン及びカルボン酸及び/又はカルボン酸誘導体が、前記金属元素と前記アルカノールアミンがモノアルカノールアミン化合物の場合は下記化学式1で記載される配位構造を、ジアルカノールアミン化合物の場合は下記化学式2で記載される配位構造を、トリアルカノールアミン化合物の場合は下記化学式3で記載される配位構造を、カルボン酸及び/又はカルボン酸誘導体の場合は下記化学式4で記載される配位構造を形成して存在し、前記金属酸化物組成物の粒径が1から5nmであり、再溶解可能な金属酸化物組成物含有塗膜が形成可能であることを特徴とする塗布液。
- 前記アルカノールアミン量が前記金属元素に対し0.5〜2モル倍であることを特徴とする請求項1に記載の塗布液。
- 前記カルボン酸又は/及びカルボン酸誘導体量が前記金属元素に対し0.5〜1.5モル倍であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗布液。
- 前記カルボン酸及び/又はカルボン酸誘導体のアシル基が炭素数3〜10であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の塗布液。
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