JP6262982B2 - 熱交換器 - Google Patents
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Description
ヘアピン管3、Uベンド管4を構成するチューブとしては、熱伝導性、耐食性、加工性、強度等に優れている銅管が広く使用されている。また、フィン2としては軽量性、加工性および熱伝導性に優れるという観点からアルミニウムやアルミニウム合金が広く用いられている。フィン2は、薄肉化、高強度化が進められるとともに、表面処理を施すことで表面の親水性や耐食性の向上が図られている。
熱交換器1は、鉛直方向Vに延びるヘッダ配管6を備えており、このヘッダ配管6に繋がる枝配管7を介してヘアピン管3とUベンド管4からなる冷媒流路に冷媒が供給される。枝配管7は、端板5にろう付けされるとともに端板5を貫通してヘアピン管3に連通している。なお、図示は省略するが、熱交換器1を流れる過程で熱交換された冷媒を排出するためのヘッダ配管も備えている。
そこで本発明は、枝配管7に生ずる曲げ応力をより確実に緩和することのできる熱交換器を提供することを目的とする。
本発明の熱交換器は、熱交換機能を発揮している際に、端板は複数に分割されるので、ヘッダ配管が熱収縮しても、分割される個々のセグメントは、ヘッダ配管に追従して変位することができるので、枝配管に過剰な応力が生じるのを避けることができる。
ここで、本発明において、「熱交換機能を発揮している」とは、例えば空気調和装置を据え付けた後に、一度でも駆動させたならば、それ以後は、実際に空気調和装置を使用する都度に、「熱交換機能を発揮している」ことになる。
この形態の一つの具体的な提案として、端板が、幅方向の一方の縁から他方の縁に向けて所定の位置まで形成されるスリットと、スリットの延長線上に設けられ、端板の表裏を貫通する複数の孔が断続的に形成される切り込みと、を備えることができる。
また、スリットは、中央部を境にして、長手方向の一方側および他方側のそれぞれに一対として設けられ、一対の一方のスリットは、端板の一方の縁から他方の縁に向けて形成され、一対の他方のスリットは、端板の他方の縁から一方の縁に向けて形成され、一方のスリットと他方のスリットは、長手方向に対して同じ向きに傾斜する、という形態にできる。
本実施形態にかかる熱交換器は、先に説明した図1のフィンチューブ型の熱交換器1とは端板10を除く構成は一致するので、以下では、端板10を中心にして説明を行う。熱交換器1は、空気調和装置の室外熱交換器として用いられるものとする。
第1実施形態に係る端板10は、熱交換器1が機能している途中で、過大な応力が加わると、複数に分離することで、枝配管7の曲げ応力を緩和する。
端板10は、図2に示すように、ヘッダ配管6に沿って鉛直方向Vに沿って設けられ、上下の各々に配置される終端部11,11と、終端部11,11の間に挟まれる中央部13と、を備えている。終端部11〜中央部13〜終端部11の全域にかけて、ヘアピン管3(または、Uベンド管4)が端板10を貫通している。また、ヘッダ配管6から分岐する枝配管7の先端が、終端部11〜中央部13〜終端部11の全域に亘って、端板10にろう付けにより接合されている。ただし、図2には、終端部11,11に接続される枝配管7のみが示されている。
切り込み17は、端板10に所定の熱伸びによる応力が生ずると、枝配管7が端板10との接続部分が破壊する前に、破断するように形成されている。つまり、切り込み17は、枝配管7が破壊する身代わりとなるものであり、所定の熱伸びε1により、枝配管7が破壊に到る曲げ応力σ1よりも小さいせん断応力τ1で破断するように設定されている。
ヘッダ配管6の熱伸びがε1に達すると、スリット15の延長線上に設けられる切り込み17が破断することで、枝配管7に生ずる曲げ応力を解消する。
例えば、図3に示す端板20は、スリット15と同様のスリット16を端板20の両縁から形成し、幅方向の中央部分にスリット16,16の先端同士の間に連結部分18を設ける。この端板20は、連結部分18のせん断応力τ2が、枝配管7が破壊に到る曲げ応力σ1よりも小さく設定されており、ヘッダ配管6の熱伸びがε1に達すると、連結部分18が破断することで、枝配管7に生ずる曲げ応力を解消する。
例えば、スリット15と切り込み17、あるいは、スリット16,16を設ける位置は任意であり、ヘッダ配管6の熱伸びに伴って破壊が危惧される枝配管7に対応して設ける位置を定めればよい。
また、以上の端板10は、1つの終端部11についてスリット15と切り込み17の組を一対設けたが、スリット15と切り込み17の組を1つだけ設けることもできる。これも、ヘッダ配管6の熱伸びに伴って破壊が危惧される枝配管7に対応して定めればよい。
また、端板10は、スリット15と切り込み17の長さを同等にしているが、熱伸びがε1に達すると切り込み17が破断するのであれば、スリット15を切り込み17よりも長く、又はその逆にすることもできる。
さらに、スリット16とスリット16の間の連結部分18の寸法をどの程度に設定するかについても同様であり、熱伸びがε1に達すると連結部分18が破断するように設定すればよい。
次に、本発明の第2実施形態を、図4を参照して説明する。
第2実施形態の端板30は、3セグメント構造をなしており、熱交換器1の組立が終わるまでは3つのセグメントが一体的に接合されているが、熱交換器1の組立を追えた後には、接合が解除される。
終端セグメント31,31と中央セグメント33は、前述したように、上側の終端セグメント31と中央セグメント33が接合され、また、下側の終端セグメント31と中央セグメント33が接合されることで、一体化されている。端板30が一体化された状態で、フィン2、ヘアピン管3及びUベンド管4の組み付けが行なわれる。この段階で終端セグメント31,31と中央セグメント33が分離されていると、フィン2、ヘアピン管3及びUベンド管4の組み付けに不自由を来たすからである。
終端セグメント31,31と中央セグメント33は、接合縁35と接合縁37,37が上下に重ね合わされた状態で、ボルト・ナットのような締結手段、接着剤、両面粘着テープなどの手段で接合される。接合には、フィン2、ヘアピン管3及びUベンド管4の組み付けに不自由を来たさない程度の強度が求められる。
その後、接合縁35と接合縁37の接合を解除すれば、終端セグメント31,31と中央セグメント33の3つのセグメントが独立して変位ができるようになる。
例えば、ボルト・ナットにより接合しているのであれば、締結を緩めてボルト・ナットを取り外す、接着剤で接合しているのであれば、接着剤を溶解するなどして除去する、というように、人手の作業によって接合を解除することができる。一方で、人手に頼ることなく、例えば、接着剤、両面粘着テープにより接合しているのであれば、外気に曝しておくことで、自然に接合力が消失することを期待することもできる。
例えば、分割するセグメントの数は3つに限るものでなく、ヘッダ配管6の熱伸びに伴って破壊が危惧される枝配管7に対応して分割する数、あるいは位置を定めればよい。ただし、分割する位置については、第1実施形態と同様の理由により、最も終端セグメント31の最も端の近くに設けられる枝配管7よりも中央寄りに設けることが好ましい。
また、接合縁35,37は、以上の説明では、幅方向の全域に設けたが、接合箇所は任意である。フィン2、ヘアピン管3及びUベンド管4の組み付けに不自由を来たさない程度の接合力が得られるのであれば、例えば、幅方向の所定の部位だけを接合することもできる。
例えば、ヘアピン管3、Uベンド管4の配列などの熱交換器1の具体的な構成は任意であり、本発明は、ヘッダ配管から枝配管を介して冷媒が流入する構成及び端板を備える熱交換器に広く適用することができる。
2 フィン材
3 ヘアピン管
4 ベンド管
5 端板
6 ヘッダ配管
7 枝配管
10,20,30 端板
11 終端部
13 中央部
15,16 スリット
18 連結部分
31 終端セグメント
33 中央セグメント
35,37 接合縁
Claims (4)
- 相互に間隔をおいて配置された複数の板状のフィンと、
真直ぐに延出し前記フィンを貫通する複数の直管と、隣接する前記直管の端部を繋ぐ曲管と、を備え、冷媒流路が蛇行して設けられるチューブと、
前記フィンを挟んで配置され、前記チューブの前記曲管が貫通する端板と、
冷媒が供給されるとともに、前記チューブに形成される前記冷媒流路に向けて前記冷媒を送るヘッダ配管と、
前記ヘッダ配管に一端が接続されるとともに、他端が前記端板に接続され、前記冷媒流路と連通する枝配管と、を備える熱交換器であって、
前記端板には、幅方向の一方の縁から他方の縁に向けて所定の位置まで形成されるスリットが、前記端板の長手方向の中央部を境にして間隔を空けて設けられる少なくとも2つの前記枝配管の間に設けられ、
熱交換機能を発揮している際に、前記端板が複数に分割される、
ことを特徴とする熱交換器。 - 前記端板は、
前記ヘッダ配管に所定の熱伸びが生じると、前記スリットの延長線上に沿って破断することにより、複数に分割される、請求項1に記載の熱交換器。 - 前記端板は、
前記スリットの延長線上に設けられ、前記端板の表裏を貫通する複数の孔が断続的に形成される切り込みを備える請求項2に記載の熱交換器。 - 前記スリットは、
前記中央部を境にして、前記長手方向の一方側および他方側のそれぞれに一対として設けられ、
一対の一方の前記スリットは、前記端板の一方の縁から他方の縁に向けて形成され、
一対の他方の前記スリットは、前記端板の前記他方の縁から前記一方の縁に向けて形成され、
一方の前記スリットと他方の前記スリットは、前記長手方向に対して同じ向きに傾斜している、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の熱交換器。
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