JP6262074B2 - 改質石炭の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、改質石炭の製造方法及び改質石炭に関する。
褐炭や亜瀝青炭等の低品位炭(低炭化度炭)は、水分を多く含むため単位質量当たりの発熱量が小さく輸送効率が低い。しかし、低品位炭は、埋蔵量が多いため、資源の有効利用の観点から、乾燥後、一定の大きさに圧縮成形し、単位質量当たりの発熱量とハンドリング性とを高めて燃料使用に供することが行われている。
低品位炭は、輸送効率を高めるために乾燥すると自然発火性を示すため、自然発火性を抑制する必要がある。この自然発火性を抑制する方法として、石炭の脱水後に含水率が3〜10質量%となるように脱水石炭を加湿する改質石炭の製造方法が提案されている(特開2010−116544号公報参照)。上記公報では、水分を多く含む低品位炭を粉砕した粉砕石炭を脱水石炭へ混合し含水率を調整する方法を用いている。
この混合石炭は、例えばスクリューフィーダー等の搬送機器を用いて塊成を行う装置に投入される。その際、混合石炭が搬送機器の排出部に詰まり、混合石炭の排出速度が低下することがある。このため、改質石炭の製造効率を悪化させることがある。
特開2010−116544号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、低品位炭を原料とし自然発火性を低減しつつ効率よく改質石炭を製造できる改質石炭の製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、水分を多く含む低品位炭を粉砕した粉砕石炭を脱水石炭へ混合する際の混合状態により、混合石炭の搬送機器からの排出速度が変化することを知得した。そして、本発明者らは、粉砕石炭を脱水石炭へ混合した混合石炭の含有する水分の標準偏差値(質量%)と水分の平均値(質量%)とによって混合状態を確認することで、安定した塊成石炭の排出速度が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、上記課題を解決するためになされた発明は、低品位炭を原料とする改質石炭の製造方法であって、溶媒油と上記低品位炭との混合によりスラリーを得る工程、上記スラリーの加熱脱水により脱水スラリーを得る工程、上記脱水スラリーからの上記溶媒油の分離によりケーキを得る工程、上記ケーキの加熱により脱水石炭を得る工程、上記低品位炭を粉砕した粉砕石炭を上記脱水石炭へ混合する工程、及び上記混合石炭を塊成する工程を備え、上記混合工程において、上記混合石炭の含有する水分の標準偏差値(質量%)を上記水分の平均値(質量%)で除した評価値Dによって混合状態を確認することを特徴とする。
当該改質石炭の製造方法は、低品位炭を粉砕した粉砕石炭を脱水石炭へ混合する工程を備えるので改質石炭の含水率を調整でき、改質石炭の自然発火性が低減できる。また、この混合工程は、含水率の調整を粉砕石炭によって行っているので、乾燥が必要な処理石炭量が低減され、乾燥に必要なエネルギーが低減できる。さらに、当該改質石炭の製造方法は、混合工程において混合石炭の含有する水分の標準偏差値(質量%)を水分の平均値(質量%)で除した評価値Dによって混合状態を確認するので、混合石炭が搬送機器の排出部に詰まり難く、混合石炭の搬送機器からの排出速度を高められる。このため、当該改質石炭の製造方法は、製造効率に優れる。
上記混合工程において、下記式(1)を満たすように上記粉砕石炭を上記脱水石炭へ混合するとよい。このように式(1)を満たすように上記粉砕石炭を上記脱水石炭へ混合することで、混合石炭の搬送機器からの排出速度をより確実に向上させることができる。
D≦0.09 ・・・(1)
上記混合工程において、含水率が5質量%以上20質量%以下となるように上記粉砕石炭を上記脱水石炭へ混合するとよい。このように上記混合工程において上記含水率が上記範囲内となるように上記粉砕石炭を上記脱水石炭へ混合することで、改質石炭の自然発火性がさらに低減できる。
従って、当該改質石炭の製造方法で得られる改質石炭は、自然発火性が低く、製造効率に優れるため、燃料として好適に用いることができる。
なお、「含水率」とは、石炭に含まれる水の質量をW1、石炭の乾燥質量をW2としたときに、W1/(W1+W2)×100で求められる値である。また、「水分の平均値」とは、混合石炭から石炭をサンプリング数nでサンプリングし、それぞれの石炭の含水率をXiとしたときに、下記式(2)で求められる値である。また、「水分の標準偏差値」とは、混合石炭から石炭をサンプリング数nでサンプリングし、それぞれの石炭の含水率をXi、水分の平均値をXavとしたときに、下記式(3)で求められる値である。
Figure 0006262074
以上説明したように、本発明の改質石炭の製造方法は、低品位炭を原料とし自然発火性を低減しつつ効率よく改質石炭を製造できる。つまり、低品位炭を安全で輸送コスト及びハンドリング性に優れた燃料に低コストで改質することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る改質石炭の製造方法を示すブロック図である。 図2は、ミキサーによるかき回数と評価値Dとの関係を示すグラフである。 図3は、実施例における評価値Dとスクリューフィーダーの排出速度との関係を示すグラフである。 図4は、実施例におけるスクリューフィーダーの排出量(積算)の時間変化を示すグラフである。
以下、本発明の改質石炭の製造方法の実施形態を詳説する。
[第一実施形態]
第一実施形態に係る改質石炭の製造方法は、低品位炭を原料とし、溶媒油と上記低品位炭との混合によりスラリーを得る工程(スラリー生成工程)、上記スラリーの加熱脱水により脱水スラリーを得る工程(スラリー脱水工程)、上記脱水スラリーからの上記溶媒油の分離によりケーキを得る工程(ケーキ生成工程)、上記ケーキの加熱により脱水石炭を得る工程(脱水工程)、上記低品位炭を粉砕した粉砕石炭を上記脱水石炭へ混合する工程(混合工程)、及び上記混合石炭を塊成する工程(塊成工程)を主に備える。
図1は、本発明の第一実施形態に係る改質石炭の製造方法の全体構成を示すブロック図である。以下、当該改質石炭の製造方法について、図1を用いて説明する。
<原料石炭粉砕工程>
まず原料石炭粉砕部1において、原料石炭(低品位炭)を粉砕し粉砕石炭を得る。上記原料石炭粉砕部1は、原料石炭を粉砕する粉砕機を備える。ここで、原料の低品位炭は、無水無灰炭基準の炭素含有量が75質量%以下で、20質量%以上の水分を含有するものをいう。この低品位炭としては、例えばビクトリア炭、ノースダコタ炭、ベルガ炭等の褐炭;西バンコ炭、ビヌンガン炭、サラマンガウ炭等の亜瀝青炭などが挙げられる。また、粉砕前の低品位炭の最大粒子径の上限は特に限定されないが、粉砕機への投入容易性の観点から例えば50mmである。
粉砕後の上記低品位炭の最大粒子径の上限としては、3mmが好ましく、2mmがより好ましく、1mmがさらに好ましい。また低品位炭の粉砕後における粒子径が0.5mm以下の粒子の割合の下限としては、50質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましい。粉砕後の低品位炭の最大粒子径を上記上限以下、又は粒子径が0.5mm以下の粒子の割合を上記下限以上とすることで、後述のスラリー脱水工程における低品位炭のスラリー化を容易にすることができる。なお、低品位炭の0.5mm以下の粒子の割合は、JIS−Z−8815:1994に記載のふるい分け試験方法を用いて計測できる。具体的には、粒子径が0.5mm以下の粒子割合は、目開き0.5mmのふるいによる分級を行い、ふるいにかけた低品位炭の全質量とこのふるい下の低品位炭の質量とから求めることができる。
粉砕後の上記低品位炭は、その一部が後述する混合工程において使用され、残りが次に述べるスラリー生成工程において使用される。
<スラリー生成工程>
次にスラリー生成部2において、脱水のための熱媒体となる溶媒油と上記粉砕された低品位炭とを混合してスラリー(粉砕された低品位炭と溶媒油との流動性のある混合体)を得る。上記スラリー生成部2は低品位炭と溶媒油とを混合するための混合槽、この混合槽に取り付けられた攪拌機等を備える。溶媒油と低品位炭との混合比としては、乾燥無水炭基準の質量比で例えば1.7程度とすることができる。上記溶媒油としては、例えば灯油、軽油、重油等が挙げられ、これらの混合油を用いてもよい。
<スラリー脱水工程>
次にスラリー脱水部3において、上記スラリーを加熱脱水し、脱水スラリーを得る。上記スラリー脱水部3は上記スラリー生成部2で得られたスラリーを予熱するための予熱機、予熱されたスラリーを昇温させるための蒸発器等を備える。スラリー脱水部3による脱水方法としては、不活性雰囲気中で加熱処理する気流乾燥法等を用いることが可能であるが、水分除去率が高いという観点から油中脱水法が好適に用いられる。また、油中脱水法を用いることで、気流乾燥法に比べて脱水に必要なエネルギーを大幅に低減することができる。
上記油中脱水法は、上記蒸発器を用いて、例えば低品位炭を沸点150℃以上300℃以下の石油系軽質油と混合し、この混合物を圧力0.2MPa以上0.5MPa以下、温度120℃以上160℃以下で加圧加熱することにより低品位炭中の水を蒸発させて除去する。このとき、蒸発器からスラリー中の低品位炭に含まれていた水分が排水として排出される。
<ケーキ生成工程>
次にケーキ生成部4において、上記脱水スラリーから溶媒油を分離して泥状のケーキを得る。上記ケーキ生成部4は固液分離機を備える。この固液分離機としては、例えば遠心分離法により脱水スラリーをケーキと溶媒油とに分離する遠心分離機を用いることができる。上記脱水スラリーから分離回収された溶媒油は、循環油としてスラリー生成部2に戻される。スラリー生成部2に戻された溶媒油は、スラリー生成部2でのスラリーの調整に再利用される。
<脱水工程>
次に脱水部5において、上記ケーキを加熱乾燥することで粉末状の改質石炭(脱水石炭)を得る。上記脱水部5は、乾燥機、ガス冷却器等を備える。上記乾燥機としては、例えばドラム内面に複数の加熱用スチームチューブが軸方向に配設されたスチームチューブ式ドライヤを挙げることができる。上記乾燥機内でケーキを加熱することにより、このケーキ中の溶媒油が蒸発する。蒸発した溶媒油は、キャリアガスにより上記乾燥機から上記ガス冷却器へ移送される。ガス冷却器へ移送された溶媒油は、ガス冷却器内で凝縮、回収され、循環油としてスラリー生成部2に戻される。このとき、低品位炭中の溶媒油の含有量の上限としては、3質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。上記低品位炭中の溶媒油の含有量が上記上限を超える場合、溶媒油の回収量が減少するため、製造コストが上がるおそれがある。
<混合工程>
次に混合部6において、原料石炭粉砕部1で粉砕された未乾燥の原料石炭(粉砕石炭)の一部を上記脱水石炭に混合することにより石炭に水添加を行い、石炭の含水率を調整する。上記混合に用いる装置としては、特に限定されず、例えば水平軸回転型ミキサー等を採用することができる。この水添加により、後述する酸化工程における発火危険性の低減効果と酸化の促進効果とが得られる。具体的には、脱水石炭を空気酸化する場合、石炭が発火する危険性が高いが、水添加によりこの危険性を大きく低減できる。また、石炭の酸化効率は共存する水分によって大きく高まることが知られており、この水添加によって酸化工程での酸化効率を大きく高めることができる。この二つの効果は一見相反する現象のようであるが、水添加により石炭を発火させずに酸化促進できることが多くの実験によって確認されている。
上記混合工程において、上記混合石炭の含有する水分の標準偏差値(質量%)を上記水分の平均値(質量%)で除した評価値Dによって混合状態を確認する。具体的には、混合石炭から石炭をサンプリングし、JIS−M−8812:2006に記載の石炭類及びコークス類−工業分析方法に準拠し、例えば107℃で1時間加熱した際の質量減少によって、サンプリングした個々の石炭の含水率を求め、評価値Dを算出する。含水率を求める石炭のサンプリング数としては、特に限定されないが、例えば10以上30以下とすることができる。上記石炭のサンプリング数が上記下限未満である場合、評価値Dの標本誤差が大きくなり、混合状態が正しく評価されないおそれがある。一方、上記石炭のサンプリング数が上記上限を超える場合、含水率の測定に時間を要し改質石炭の生産効率が低下するおそれがある。
上記混合工程において、下記式(1)を満たすように上記粉砕石炭を上記脱水石炭へ混合するとよい。また、式(1)の右辺は0.07がより好ましい。このように式(1)を満たすように上記粉砕石炭を上記脱水石炭へ混合することで、後述する混合石炭の搬送機器からの排出速度をさらに向上することができる。
D≦0.09・・・(1)
ここで上記評価値Dにより混合状態が確認できることを説明する。まず、粉砕石炭と脱水石炭との混合割合を変えることで、含水率が18質量%の混合石炭と、含水率が10質量%の混合石炭とを用意した。この含水率が18質量%の混合石炭をミキサーA(リボン型ミキサー)を用いて撹拌し、かき回数と評価値Dとの関係を求めた。同様に含水率が10質量%の混合石炭をミキサーB(パドル型ミキサー)を用いて撹拌し、かき回数と評価値Dとの関係を求めた。これらの結果を図2に示す。図2から評価値Dはかき回数にほぼ比例して減少することが分かる。また、かき回数が小さい場合、ミキサーの種類や含水率によらず評価値Dは同等の値となっていることが分かる。以上のことから、粉砕石炭と脱水石炭との混合割合、含水率、ミキサーの種類等に依存せず、上記評価値Dにより混合状態を評価できることが確認できる。このような関係に基づき、本発明者らは、上記式(1)を導いた。
また、上記混合工程後の混合石炭の含水率が一定範囲内となるように粉砕石炭の混合量を調整するとよい。上記混合工程後の混合石炭の含水率の下限としては、5質量%が好ましく、6質量%がより好ましく、8質量%がさらに好ましい。また、上記混合工程後の混合石炭の含水率の上限としては、20質量%が好ましく、16質量%がより好ましく、15質量%がさらに好ましい。上記混合工程後の混合石炭の含水率が上記下限未満である場合、次の塊成工程における熱間成形や酸化工程における酸化発熱により短時間で水分が失われ、発火危険性が高まるおそれがある。一方、上記混合工程後の混合石炭の含水率が上記上限を超える場合は、酸化工程時の石炭の温度が低下し、必要な酸化温度を維持するために、多量の空気又は高温の空気を供給することが必要となり不経済である。
また、混合の際、乾燥した脱水石炭に水が吸着することによって湿潤熱が発生し、その急激な温度上昇によって石炭の被酸化性が短期的に増大し、発火危険性が高まることがある。このため混合は酸素を含まない不活性雰囲気で行うとよい。また、混合時の脱水石炭の温度としては、特に限定されないが、不活性雰囲気では酸化のおそれがないため、100℃以上であってもよい。従って油中脱水工程で得られた直後の100℃以上の高温の脱水石炭に粉砕石炭を混合することができる。
上記混合工程において、上記粉砕石炭の混合に加えて上記式(1)を満たす範囲で水添加を行ってもよい。このように水添加を直接行うことで、含水率の調整が行い易くなる。また、この水添加の水としては、例えばスラリー脱水工程で排出された排水を再利用することができる。
<塊成工程>
次に塊成部7において、後述するエイジングを容易にするため、上記混合石炭を塊成する。この塊成に用いる装置及びその塊成石炭の形状としては、特に限定されず、例えばダブルロール成形機等を用いた圧縮成形によるブリケット、パン型造粒機等を用いた転動造粒によるペレット、押出成形機を用いた押出成形によるスティック等を採用することができる。特に、取扱い性の観点から豆炭状のブリケットに塊成することが好ましい。
なお、塊成石炭1個の平均質量及び平均体積は特に限定されない。
<酸化工程>
次にエイジング部8において、上記塊成石炭を空気中に保持し、酸素と反応させて緩慢に酸化することでエイジングを行う。この酸化工程の目的は、改質石炭の活性点を酸化し、不活性な二酸化炭素(CO)に変化させるか、あるいは酸化され難い安定な有機酸化物に変えて、改質石炭の酸化活性点を減少させることである。
このエイジングの方法としては特に限定されず、周知の方法を用いることができる。具体的には、例えば塊成石炭を密封容器(嫌気箱)内に投入し、この密封容器の内部に下方から上方へ空気を一定量流通させる方法を用いることができる。
上記空気中での酸化温度の下限としては、70℃が好ましく、80℃がより好ましい。また、上記空気中での酸化温度の上限としては、105℃が好ましく、100℃がより好ましい。上記空気中での酸化温度が上記下限未満である場合、CO等に至らない途中の酸化状態で留まってしまう過酸化物が発生するおそれがある。この過酸化物は、さらなる酸化に対しては安定であるが、僅かな温度上昇によって分解し、酸化石炭の活性点が再生されて新たな酸化を招くことが知られている。このため、上記空気中での酸化温度が上記下限未満である場合、酸化石炭が自然発火するおそれがある。一方、上記空気中での酸化温度が上記上限を超える場合、酸化石炭が完全に乾燥し、酸化工程における発火可能性が高まるおそれがある。
上記空気中での酸化時間の下限としては、1時間が好ましく、1.5時間がより好ましい。また、上記空気中での酸化時間の上限としては、3時間が好ましく、2.5時間がより好ましい。上記空気中での酸化時間が上記下限未満である場合、改質石炭の自然発火性が十分に低減されないおそれがある。一方、上記空気中での酸化時間が上記上限を超える場合、酸化石炭が完全に乾燥し、酸化工程における発火可能性が高まるおそれがある。
上記酸化工程後の酸化石炭の反応速度(酸素消費速度)の上限としては、1mg/g/dayが好ましく、0.5mg/g/dayがより好ましい。酸化工程後の酸化石炭の酸素消費速度が上記上限を超える場合、酸化石炭又はこの酸化石炭を粉砕した石炭が自然発火するおそれがある。エイジング後の酸化石炭の酸素消費速度を上記上限以下とすることで、酸化工程後においても空気雰囲気中で石炭のエイジングを安定して進行させることができ、当該改質石炭の製造方法で得られる改質石炭の安定性を高めることができる。なお、酸素消費速度とは、30℃、酸素濃度21%の雰囲気中に石炭を配置したときの石炭の単位質量当たりの1日の酸素反応量を意味する。
このようにして得られた改質石炭は、自然発火性が低く、製造コストが低いため、燃料として好適に用いることができる。
<利点>
当該改質石炭の製造方法は、低品位炭を粉砕した粉砕石炭を脱水石炭へ混合する工程を備えるので改質石炭の含水率を調整でき、改質石炭の自然発火性が低減できる。また、この混合工程は、含水率の調整を粉砕石炭によって行っているので、乾燥が必要な処理石炭量が低減され、乾燥に必要なエネルギーが低減できる。さらに、当該改質石炭の製造方法は、混合工程において混合石炭の含有する水分の標準偏差値(質量%)を水分の平均値(質量%)で除した評価値Dによって混合状態を確認するので、混合石炭が搬送機器の排出部に詰まり難く、混合石炭の搬送機器からの排出速度を高められる。このため、当該改質石炭の製造方法は、製造効率に優れる。
[その他の実施形態]
当該改質石炭の製造方法は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態において、酸化工程後に酸化石炭を粉砕する工程を行ってもよい。
また、上記実施形態の改質石炭の製造方法は酸化工程を有するが、酸化工程は必須ではない。酸化工程を有さない改質石炭の製造方法においても、同様の効果を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
含水率60%のインドネシア産褐炭を直径1mm以上の粒子が10%程度になるよう粉砕し、この粉砕褐炭と灯油との比が2.5:3となるように灯油を混合してスラリー化した。このスラリーを圧力0.3MPa、温度147℃で加熱し、脱水した。その後、脱水したスラリーを遠心分離によって、灯油と固形分(灯油を含んだ石炭)とに分離した。さらにこの固形分を窒素中200℃で加熱し灯油を蒸発させ、油中脱水石炭を得た。得た油中脱水石炭に、上記粉砕褐炭(未乾燥の粉砕石炭)を油中脱水石炭に対して15質量%混合し、含水率10質量%の混合石炭を得た。この混合石炭をミキサーA(リボン型ミキサー)を用いて、混合石炭の混合状態を示す評価値Dが上記式(1)を満たす0.085となるまで撹拌した。この撹拌時のかき回数を表1に示す。次に混合石炭をスクリューフィーダーに投入した。このスクリューフィーダーから混合石炭を排出した。
[実施例2]
混合石炭を評価値Dが0.049となるまで撹拌した以外は実施例1と同様にしてスクリューフィーダーから混合石炭を排出した。
[実施例3、4]
混合石炭を撹拌するミキサーB(パドル型ミキサー)とし、評価値Dが表1に示す値となるまで撹拌した以外は実施例1及び実施例2と同様にしてスクリューフィーダーから混合石炭を排出した。
[比較例1]
混合石炭を撹拌しなかった以外は実施例1と同様にしてスクリューフィーダーから混合石炭を排出した。なお、比較例1において混合石炭の評価値Dは0.113であった。
[評価]
上記実施例1〜4及び比較例1について、スクリューフィーダーからの混合石炭の排出速度を評価した。
(混合石炭の排出速度)
スクリューフィーダーからの混合石炭の排出速度は、排出される混合石炭量を経時的に計量し、1秒間にスクリューフィーダーから排出される質量を算出した。この結果を表1に示す。
Figure 0006262074
表1の結果から、ミキサー型式が異なりかき回数が違っている場合であっても、評価値Dが同等である実施例1及び実施例3と、実施例2及び実施例4とは同等のスクリューフィーダーの排出速度を有している。このことから、混合石炭の含有する水分の標準偏差値(質量%)を上記水分の平均値(質量%)で除した評価値Dによって混合状態を確認できることが分かる。
また、実施例1〜4及び比較例1の測定結果について上記評価値Dとスクリューフィーダーの排出速度との関係を図3に示す。図3から、評価値Dが0.09以下となるように混合石炭を撹拌することでスクリューフィーダーからの混合石炭の排出速度を0.45kg/s以上とできることが分かる。このことから、評価値Dが0.09以下となるように混合石炭を撹拌したことで、混合石炭のスクリューフィーダーからの排出速度がさらに高められていることが分かる。
さらに、評価値Dが0.049である実施例2及び評価値Dが0.113である比較例1のスクリューフィーダーの排出量(積算)の時間変化を図4に示す。図4から、実施例2では混合石炭が排出開始より安定し、一定の速度で排出されているが、比較例1では不安定で排出速度が変動していることが分かる。このことから、評価値Dが0.09以下となるように混合石炭を撹拌したことで、混合石炭がスクリューフィーダーの排出部に詰まり難くなり、混合石炭のスクリューフィーダーからの排出速度が安定し易くなっていることが分かる。
以上説明したように、本発明の改質石炭の製造方法は、低品位炭を原料とし自然発火性を低減しつつ効率よく改質石炭を製造できる。つまり、低品位炭を安全で輸送コスト及びハンドリング性に優れた燃料に低コストで改質することができる。このような改質石炭は、例えば火力発電所等の燃料として好適に用いることができる。
1 原料石炭粉砕部
2 スラリー生成部
3 スラリー脱水部
4 ケーキ生成部
5 脱水部
6 混合部
7 塊成部
8 エイジング部

Claims (1)

  1. 低品位炭を原料とする改質石炭の製造方法であって、
    溶媒油と上記低品位炭との混合によりスラリーを得る工程、
    上記スラリーの加熱脱水により脱水スラリーを得る工程、
    上記脱水スラリーからの上記溶媒油の分離によりケーキを得る工程、
    上記ケーキの加熱により脱水石炭を得る工程、
    上記低品位炭を粉砕した粉砕石炭を上記脱水石炭へ混合する工程、及び
    上記混合石炭を塊成する工程
    を備え、
    上記混合工程において、
    上記混合石炭の含水率が5質量%以上20質量%以下であり、
    サンプリング数が10以上30以下で上記混合石炭から石炭をサンプリングして、上記混合石炭の含有する水分の標準偏差値(質量%)を上記水分の平均値(質量%)で除した評価値Dによって混合状態を確認し、
    上記評価値Dが下記式(1)を満たした後に、上記混合石炭をスクリューフィーダーで排出することを特徴とする改質石炭の製造方法。
    D≦0.09 ・・・(1)
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