JP2017193696A - 改質バイオマスの製造方法 - Google Patents

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Takahiro Shimizu
孝浩 清水
卓夫 重久
Takuo Shigehisa
卓夫 重久
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Maki Hamaguchi
眞基 濱口
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Naoki Kikuchi
直樹 菊池
敦志 古谷
Atsushi Furuya
敦志 古谷
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Abstract

【課題】強度に優れ、かつ吸湿を抑制できる植物由来バイオマス燃料を比較的低コストで得られる改質バイオマスの製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、植物由来バイオマスを粉砕する粉砕工程と、粉砕した上記植物由来バイオマス及び溶媒油を混合する混合工程と、上記混合工程で得られるスラリーを加熱するスラリー加熱工程と、上記スラリー加熱工程後の脱水スラリーから上記溶媒油を固液分離する固液分離工程と、上記固液分離工程で得られるケーキを加熱するケーキ加熱工程と、上記ケーキ加熱工程で得られる脱水バイオマスを塊成する塊成工程とを備える改質バイオマスの製造方法である。上記塊成工程を熱間で行うとよい。上記混合工程で、上記植物由来バイオマス及び溶媒油に石炭をさらに混合するとよい。上記固液分離工程で得るケーキの含水率を1質量%以上10質量%以下、含油率を10質量%以上70質量%以下とするとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、改質バイオマスの製造方法に関する。
「バイオマス」という語は、本来、生物学分野において「生物量」等と訳されていた。しかし、現在では生物学分野の垣根を越えて、生物起源の物質からなる食料、資材、燃料など広い概念を意味する語として用いられている。
このバイオマスは、米糠や木炭などのように利用方法が確立しているものもあるが、産業に伴う廃棄物の中にはその処理方法が検討されているものもある。例えば、農業系のバイオマス廃棄物としてはヤシガラ、籾殻、加工残渣のトウモロコシ芯や空果房、林業系では木材チップダストや剪定枝、畜産系では家畜の排泄物、水産系では水産加工に伴う腸や骨などがある。また、所謂生ゴミや下水汚泥等もバイオマスとされており、これらも処理方法が検討されている段階にある。
これらのバイオマスの処理には、コストの低減が必須要件として挙げられるが、これに加えて燃料等の資源として再利用できる処理方法が望まれる。ところがバイオマスには一般に多量の水分が含まれており、この水分が燃料として使用する場合に不都合である。よって、バイオマスを燃料として利用するには先ずこの水分を除去する(乾燥する)ことが必要である。
植物由来のバイオマスの乾燥方法としては、加圧脱水や遠心脱水などの方法がある。しかし、これらの方法では十分に水分を除去することができない。また、バイオマスを高温度のガスに接触させ、ペレットに加工する気流乾燥法も知られているが、この方法では乾燥後のペレットが雨天等の場合に吸湿して崩壊し易いという不都合がある。
これに対し、植物由来のバイオマスの粉砕物を120〜300℃の油中にて、油の蒸気圧以上の加圧下で処理する方法も提案されている(特許第3954544号参照)。しかし、この方法でも乾燥後のバイオマスの強度及び吸湿性には改善の余地がある。
特許第3954544号
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、強度に優れ、かつ吸湿を抑制できる植物由来バイオマス燃料を比較的低コストで得られる改質バイオマスの製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、植物由来バイオマスを溶媒油と混合したスラリーを加熱脱水及び固液分離して得られるケーキを再加熱することで、強度に優れ、かつ吸湿性も抑えられる脱水バイオマスを比較的低コストで得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、上記課題を解決するためになされた発明は、植物由来バイオマスを粉砕する粉砕工程と、粉砕した上記植物由来バイオマス及び溶媒油を混合する混合工程と、上記混合工程で得られるスラリーを加熱するスラリー加熱工程と、上記スラリー加熱工程後の脱水スラリーから上記溶媒油を固液分離する固液分離工程と、上記固液分離工程で得られるケーキを加熱するケーキ加熱工程と、上記ケーキ加熱工程で得られる脱水バイオマスを塊成する塊成工程とを備える改質バイオマスの製造方法である。
当該改質バイオマスの製造方法では、バイオマスを溶媒油と混合したスラリーを加熱脱水及び固液分離して得られるケーキを再加熱することで、水分が少なく強度に優れ、かつ吸湿性が抑制された脱水バイオマスが比較的低コストで得られる。この理由は定かではないが、スラリーをケーキ化して油分を分離してから加熱脱水を行うことで、比較的容易に残留水分が除去され、かつ脱水による孔がバイオマス表面に形成され難いためと考えられる。また、当該バイオマスの製造方法はこのようにして得られた脱水バイオマスを塊成する工程を備えるので、さらに吸湿性が抑制され、かつハンドリング性に優れる燃料として好適な改質バイオマスを得ることができる。
上記塊成工程を熱間で行うとよい。上記塊成工程を熱間で行うことで、成型された改質バイオマスの強度をさらに高められる。
上記混合工程で、上記植物由来バイオマス及び溶媒油に石炭をさらに混合するとよい。このようにバイオマスに石炭を混合することで、得られる改質バイオマスの強度をさらに高めることができる。また、改質バイオマスの発熱量も向上させることができる。
上記固液分離工程で得るケーキの含水率を1質量%以上10質量%以下、含油率を10質量%以上70質量%以下とするとよい。このように加熱脱水を行うケーキの含水率及び含油率をそれぞれ上記範囲内とすることで、容易かつ確実に水分が少なく、かつ吸湿も抑制される改質バイオマスを得ることができる。
なお、「含水率」とは、対象物に含まれる水の質量をW1、対象物の乾燥質量をW0としたときに、W1/(W1+W0)×100で求められる値であり、「含油率」とは、対象物に含まれる油の質量をW2としたときに、W2/(W2+W0)×100で求められる値である。
以上説明したように、本発明の改質バイオマスの製造方法を用いることで、強度に優れ、かつ吸湿を抑制できる植物由来のバイオマス燃料を比較的低コストで得られる。つまり、本発明の改質バイオマスの製造方法は、植物由来バイオマスをハンドリング性に優れた燃料に低コストで改質することができる。
図1は、本発明の一実施形態の改質バイオマスの製造方法を実施するための装置を示すブロック図である。 図2は、図1とは異なる実施形態の改質バイオマスの製造方法を実施するための装置を示すブロック図である。 図3は、実施例及び比較例の比強度を示すグラフである。 図4は、実施例及び比較例の含水率の経時変化を示すグラフである。
以下、本発明の改質バイオマスの製造方法の実施形態を詳説する。
[第一実施形態]
第一実施形態の改質バイオマスの製造方法は、植物由来バイオマスを粉砕する粉砕工程と、粉砕した上記植物由来バイオマス及び溶媒油を混合する混合工程と、上記混合工程で得られるスラリーを加熱するスラリー加熱工程と、上記スラリー加熱工程後の脱水スラリーから上記溶媒油を固液分離する固液分離工程と、上記固液分離工程で得られるケーキを加熱するケーキ加熱工程と、上記ケーキ加熱工程で得られる脱水バイオマスを塊成する塊成工程とを主に備える。
以下、本発明の第一実施形態の改質バイオマスの製造方法について、図1に示す装置を用いて説明する。この改質バイオマスの製造装置は、バイオマス粉砕部1と、混合部2と、スラリー加熱部3と、固液分離部4と、ケーキ加熱部5と、塊成部6とを備える。
<粉砕工程>
まずバイオマス粉砕部1において、植物由来バイオマスAを粉砕し粉砕バイオマスを得る。上記バイオマス粉砕部1は、植物由来バイオマスAを粉砕する粉砕機を備える。
原料として用いる植物由来バイオマスには、農業系や林業系の廃棄物が含まれる。当該改質バイオマスの製造方法で用いる植物由来バイオマスは、典型的にはセルロース、ヘミセルロース及びリグニンを主成分とする。
また、当該改質バイオマスの製造方法は、含水率が20質量%以上90質量%以下の植物由来バイオマスに対し、効果が好適に発揮される。
粉砕前の原料バイオマスの最大粒子径の上限は特に限定されないが、粉砕機への投入容易性の観点から、例えば500mmである。
粉砕後のバイオマスの最大粒子径の上限としては、3mmが好ましく、2mmがより好ましく、1mmがさらに好ましい。また粉砕後のバイオマスにおける粒子径が0.5mm以下の粒子の割合の下限としては、50質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましい。粉砕後のバイオマスの最大粒子径を上記上限以下、又は粒子径が0.5mm以下の粒子の割合を上記下限以上とすることで、スラリー化を容易にすることができる。なお、粒子径が0.5mm以下の粒子の割合は、JIS−Z−8815:1994に記載のふるい分け試験方法を用いて計測できる。具体的には、粒子径が0.5mm以下の粒子割合は、目開き0.5mmのふるいによる分級を行い、ふるいにかけたバイオマスの全質量とこのふるい下のバイオマスの質量とから求めることができる。
<混合工程>
次に混合(スラリー生成)部2において、上記粉砕工程で粉砕した植物由来バイオマスと脱水のための熱媒体となる溶媒油Bとを混合してスラリー(流動性のある混合体)を得る。上記混合部2は粉砕バイオマスと溶媒油とを混合するための混合槽、この混合槽に取り付けられた攪拌機等を備える。上記溶媒油としては、例えば灯油、軽油、重油等が挙げられ、これらの混合油を用いてもよい。上記溶媒油の沸点としては、加熱脱水の観点から150℃以上300℃以下が好ましい。
粉砕バイオマスに対する溶媒油の混合質量比の下限としては、200%が好ましく、300%がより好ましい。一方、上記溶媒油の混合質量比の上限としては、1000%が好ましい。上記溶媒油の混合質量比が上記下限より小さいと、スラリー化が不十分となるおそれがある。逆に、上記溶媒油の混合質量比が上記上限を超えると、スラリーの溶媒油分離コストが大きくなるおそれがある。
<スラリー加熱工程>
次にスラリー加熱部3において、上記混合工程で得たスラリーを加熱により脱水し、脱水スラリーを得る。スラリー加熱部3は混合部2で得られたスラリーを予熱するための予熱機、予熱されたスラリーを昇温させるための蒸発器等を備える。スラリー加熱部3による脱水方法としては、油中脱水法が用いられる。この油中脱水法を用いることで、水分除去率を高くできると共に、気流乾燥法に比べて脱水に必要なエネルギーを大幅に低減することができる。なお、この工程で発生する水蒸気の蒸発潜熱を回収して再利用することで、製法全体のエネルギー効率を高めることができる。
上記油中脱水法は、上記蒸発器を用いて、スラリーを例えば圧力0.2MPa以上0.5MPa以下、温度120℃以上160℃以下で加圧加熱することによりバイオマス中の水分を蒸発させて除去する。このとき、蒸発器からスラリー中のバイオマスに含まれていた水分が排水Dとして排出される。
<固液分離工程>
次に固液分離(ケーキ生成)部4において、上記スラリー加熱工程後の脱水スラリーから溶媒油を固液分離して泥状のケーキを得る。固液分離部4は固液分離機を備える。この固液分離機としては、例えば遠心分離法により脱水スラリーをケーキと溶媒油とに分離する遠心分離機を用いることができる。上記脱水スラリーから分離回収された溶媒油は、循環油Cとして混合部2に戻される。混合部2に戻された溶媒油は、混合部2でのスラリーの調製に再利用される。
本固液分離工程で固液分離により得るケーキの含水率の下限としては、1質量%が好ましく、3質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましい。一方、上記ケーキの含水率の上限としては、10質量%が好ましく、7質量%がより好ましく、6質量%がさらに好ましい。上記ケーキの含水率が上記下限より小さいと、先のスラリー加熱工程における加熱コストが過度に高くなるおそれや、本工程での固液分離が容易ではなくなるおそれがある。逆に、上記ケーキの含水率が上記上限を超えると、次のケーキ加熱工程での水分除去が不十分となるおそれがある。
本固液分離工程で固液分離により得るケーキの含油率の下限としては、10質量%が好ましく、20質量%がより好ましく、30質量%がさらに好ましい。一方、上記ケーキの含油率の上限としては、70質量%が好ましく、50質量%がより好ましく、40質量%がさらに好ましい。上記ケーキの含油率が上記下限より小さいと、本工程での固液分離が容易ではなくなるおそれがある。逆に、上記ケーキの含油率が上記上限を超えると、次のケーキ加熱工程での水分除去効率が低下するおそれや、脱水後のバイオマスの吸湿性の抑制が不十分となるおそれがある。
<ケーキ加熱工程>
次にケーキ加熱部5において、上記固液分離工程で得たケーキを加熱により乾燥することで粉末状の脱水バイオマスを得る。上記ケーキ加熱部5は、乾燥機、ガス冷却器等を備える。上記乾燥機としては、例えばドラム内面に複数の加熱用スチームチューブが軸方向に配設されたスチームチューブ式ドライヤの他に、ロータリーキルン、バンド型乾燥機等を挙げることができるが、連続式でケーキを加熱できるものが好ましい。上記乾燥機内でケーキを加熱することにより、このケーキ中の水分及び油分が蒸発する。このうち蒸発した水分は排水Dとして排出される。また、蒸発した溶媒油は、キャリアガスにより上記乾燥機から上記ガス冷却器へ移送される。ガス冷却器へ移送された溶媒油は、ガス冷却器内で凝縮及び回収され、循環油Cとして混合部2に戻される。
上記加熱温度としては、水分及び溶媒油が蒸発する温度以上であればよいが、例えば150℃以上300℃以下とできる。また、加熱は窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
脱水バイオマスの含水率の上限としては、3質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、0質量%がさらに好ましい。上記脱水バイオマスの含水率が上記上限を超える場合、得られる改質バイオマスの強度が不十分となるおそれがある。
脱水バイオマスの含油率の上限としては、3質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。上記脱水バイオマスの含油率が上記上限を超える場合、得られる改質バイオマスの強度が不十分となるおそれがある。また、溶媒油の回収量が減少するため、製造コストが上がるおそれがある。
<塊成工程>
次に塊成部6において、ハンドリング性を向上するため、上記ケーキ加熱工程で得られる脱水バイオマスを塊成し、改質バイオマスEを得る。この塊成に用いる装置及びその塊成物の形状としては、特に限定されず、例えばダブルロール成形機等を用いた圧縮成形によるブリケット、パン型造粒機等を用いた転動造粒によるペレット、押出成形機を用いた押出成形によるスティック等を採用することができる。特に、取扱い性の観点から豆炭状のブリケットに塊成することが好ましい。
この塊成工程は、熱間で行うとよい。上記塊成工程を熱間で行うことで、成型された改質バイオマスの強度をさらに高められる。
塊成工程を熱間で行う場合の熱間温度の下限としては、50℃が好ましく、60℃がより好ましい。一方、上記熱間温度の上限としては、250℃が好ましく、150℃がより好ましく、100℃がさらに好ましい。上記熱間温度が上記下限より小さいと、成型された改質バイオマスの強度向上効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記熱間温度が上記上限を超えると、成型された改質バイオマスの強度向上効果に比して製造コストの上昇が大きくなり過ぎるため、製造効率が低下するおそれがある。
なお、改質バイオマス1個の平均質量及び平均体積は特に限定されない。
<利点>
当該改質バイオマスの製造方法では、バイオマスを溶媒油と混合したスラリーを加熱脱水及び固液分離して得られるケーキを再加熱することで、水分が少なく強度に優れ、かつ吸湿性が抑制された脱水バイオマスが比較的低コストで得られる。また、当該バイオマスの製造方法はこのようにして得られた脱水バイオマスを塊成する工程を備えるので、さらに吸湿性が抑制され、かつハンドリング性に優れる燃料として好適な改質バイオマスを得ることができる。
[第二実施形態]
第二実施形態の改質バイオマスの製造方法は、植物由来バイオマスを粉砕する粉砕工程と、粉砕した上記植物由来バイオマス、石炭及び溶媒油を混合する混合工程と、上記混合工程で得られるスラリーを加熱するスラリー加熱工程と、上記スラリー加熱工程後の脱水スラリーから上記溶媒油を固液分離する固液分離工程と、上記固液分離工程で得られるケーキを加熱するケーキ加熱工程と、上記ケーキ加熱工程で得られる脱水バイオマスを塊成する塊成工程とを主に備える。
以下、本発明の第二実施形態の改質バイオマスの製造方法について、図2に示す装置を用いて説明する。この改質バイオマスの製造装置は、バイオマス粉砕部1と、混合部2と、スラリー加熱部3と、固液分離部4と、ケーキ加熱部5と、塊成部6とを備える。なお、第一実施形態で用いる改質バイオマスの製造装置と同じ構成については、同一符号を付し、説明を省略する。
<粉砕工程>
粉砕工程では、上記第一実施形態と同様のバイオマス粉砕部1において、植物由来バイオマスA及び石炭Xを粉砕し粉砕バイオマス及び粉砕石炭を得る。
上記石炭Xとしては特に限定されないが、低品位炭を用いることが好ましい。バイオマスと混合する石炭として低品位炭を用いることで、低品位炭の改質を同時に図ることができる。
低品位炭は、無水無灰炭基準の炭素含有量が75質量%以下で、20質量%以上の水分を含有するものをいう。この低品位炭としては、例えばビクトリア炭、ノースダコタ炭、ベルガ炭等の褐炭;西バンコ炭、ビヌンガン炭、サラマンガウ炭等の亜瀝青炭などが挙げられる。
粉砕後の石炭の最大粒子径の上限としては、3mmが好ましく、2mmがより好ましく、1mmがさらに好ましい。また、粉砕後の石炭における粒子径が0.5mm以下の粒子の割合の下限としては、50質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましい。石炭の最大粒子径を上記上限以下、又は粒子径が0.5mm以下の粒子の割合を上記下限以上とすることで、スラリー化を容易にすることができる。
<混合工程>
混合工程では、上記第一実施形態と同様の混合部2において、粉砕した植物由来バイオマスA及び石炭Xと、溶媒油Bとを混合し、スラリーを得る。なお、石炭XをバイオマスAと別の工程(バイオマス粉砕部1以外の設備)で粉砕し、混合部2に供給してもよい。また、石炭Xの粒子径によっては粉砕を省略してもよい。
上記溶媒油としては、第一実施形態と同様とすることができる。
粉砕バイオマスに対する石炭の混合質量比は特に限定されないが、その下限としては、50%が好ましく、80%がより好ましい。一方、上記石炭の混合質量比の上限としては、150%が好ましく、100%がより好ましい。上記石炭の混合質量比が上記下限より小さいと、改質バイオマスの強度向上効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記石炭の混合質量比が上記上限を超えると、バイオマスの利用効率が低下するおそれがある。
粉砕バイオマス及び石炭の合計に対する溶媒油の混合質量比の下限としては、200%が好ましく、300%がより好ましい。一方、上記溶媒油の混合質量比の上限としては、1000%が好ましい。上記溶媒油の混合質量比が上記下限より小さいと、スラリー化が不十分となるおそれがある。逆に、上記溶媒油の混合質量比が上記上限を超えると、スラリーの溶媒油分離コストが大きくなるおそれがある。
<スラリー加熱工程>
スラリー加熱工程では、上記第一実施形態と同様のスラリー加熱部3で、上記混合工程で得たバイオマス及び石炭を含むスラリーを加熱により脱水し、脱水スラリーを得る。スラリー加熱部3による脱水方法としては、上記第一実施形態と同様の油中脱水法が用いられる。このとき、スラリー中のバイオマス及び石炭に含まれていた水分が排水Dとして排出される。
<固液分離工程>
固液分離工程では、上記第一実施形態と同様の固液分離部4において、上記スラリー加熱工程後の脱水スラリーから溶媒油を固液分離して泥状のケーキを得る。このケーキはバイオマス及び石炭を含む。また、上記脱水スラリーから分離回収された溶媒油は、循環油Cとして混合部2に戻される。
固液分離により得るケーキの含水率及び含油率は、上記第一実施形態と同様である。
<ケーキ加熱工程>
ケーキ加熱工程では、上記第一実施形態と同様のケーキ加熱部5において、上記固液分離工程で得たケーキを加熱により乾燥することで粉末状の脱水バイオマスを得る。この脱水バイオマスは、脱水により改質された粉末状の石炭を含有する。本工程での加熱温度は上記第一実施形態と同様である。また、ケーキ加熱部5で回収された溶媒油は、循環油Cとして混合部2に戻される。
脱水バイオマス(改質石炭も含む)の含水率及び含油率は、上記第一実施形態と同様とすることができる。
<塊成工程>
塊成工程では、上記第一実施形態と同様の塊成部6において、上記ケーキ加熱工程で得られる改質石炭を含む脱水バイオマスを塊成し、改質バイオマスEを得る。この改質バイオマスEは、改質されたバイオマスと石炭との混合体である。
<利点>
当該改質バイオマスの製造方法は、バイオマスに石炭を混合することで、得られる改質バイオマスの強度をさらに高めることができる。また、改質バイオマスの発熱量も向上させることができる。
[その他の実施形態]
当該改質バイオマスの製造方法は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば固液分離工程又はケーキ加熱工程で分離した溶媒油を必ずしも混合工程で再利用(循環)しなくてもよい。
また、上記第二実施形態において、自然発火性を低減するために塊成工程後に改質石炭を含む改質バイオマスを酸化(エイジング)する工程を行ってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
含水率75質量%のトウモロコシの芯を粒径1mm以下に粉砕し、この粉砕トウモロコシに対し灯油を質量比が1:4となるよう混合してスラリー化した。このスラリーを圧力0.3MPa、温度147℃で加熱し、脱水した。その後、脱水したスラリーを遠心分離によって、灯油とケーキ(灯油を含んだ粉砕トウモロコシ)とに固液分離した。さらにこのケーキを窒素中200℃で加熱し灯油を蒸発させ、脱水バイオマスを得た。この脱水バイオマスを圧縮成型により直径30mm、厚み8mmの円盤状に塊成し、改質バイオマスとしての塊成物を得た。なお、この塊成は、25℃の冷間塊成とした。
[実施例2]
含水率75質量%のトウモロコシの芯及び含水率60質量%の石炭をそれぞれ粒径1mm以下に粉砕すると共に質量比50:50で混合し、さらにこの粉砕トウモロコシ及び石炭の合計に対し灯油を質量比が1:4となるよう混合してスラリー化した。このスラリーを圧力0.3MPa、温度147℃で加熱し、脱水した。その後、脱水したスラリーを遠心分離によって、灯油とケーキ(灯油を含んだ粉砕トウモロコシ及び石炭)とに固液分離した。さらにこのケーキを窒素中200℃で加熱し灯油を蒸発させ、脱水バイオマスを得た。この脱水バイオマスを圧縮成型により直径30mm、厚み8mmの円盤状に塊成し、改質バイオマスとしての塊成物を得た。なお、この塊成は、25℃の冷間塊成とした。
[実施例3]
実施例1の塊成を、70℃の熱間塊成とした以外は、実施例1と同様にして改質バイオマスとしての塊成物を得た。
[比較例1]
含水率75質量%のトウモロコシの芯を粒径1mm以下に粉砕し、温度107℃で2時間、気流乾燥し、乾燥バイオマスを得た。この乾燥バイオマスを圧縮成型により直径30mm、厚み8mmの円盤状に塊成し、塊成物を得た。なお、この塊成は、25℃の冷間塊成とした。
[評価]
上記実施例1〜3及び比較例1の塊成物について、圧壊強度を測定した。また、上記実施例1、2及び比較例1の塊成物について、含水率の経時変化を測定した。
圧壊強度は、圧縮荷重を加えた際の破壊時の荷重を圧壊強度計で測定した。その結果を図3に示す。
含水率の経時変化は、塊成物を含水率が0質量%になるまで乾燥し、室温かつRH75%の湿度で放置した際の含水率の変化を測定した。その結果を図4に示す。
図3に示されるように実施例1〜3は比較例1よりも圧壊強度に優れる。また、図4に示されるように実施例1及び実施例2は比較例1よりも吸湿性が抑制されている。つまり、植物由来バイオマスを溶媒油と混合したスラリーを加熱脱水及び固液分離して得られるケーキを再加熱することで、強度に優れ、かつ吸湿性が抑制された脱水バイオマスが得られることが分かる。
また、実施例1と実施例3とを比較すると、熱間塊成を行った実施例3の方が冷間塊成を行った実施例1よりも圧壊強度に優れる。つまり、塊成工程を熱間で行うことで、成型されたバイオマスの強度をさらに高められることが分かる。
以上説明したように、本発明の改質バイオマスの製造方法は、強度に優れ、かつ吸湿を抑制できる植物由来バイオマス燃料を比較的低コストで得られる。つまり、植物由来バイオマスをハンドリング性に優れた燃料に低コストで改質することができる。このような改質バイオマスは、例えば火力発電所等の燃料として好適に用いることができる。
1 バイオマス粉砕部
2 混合部
3 スラリー加熱部
4 固液分離部
5 ケーキ加熱部
6 塊成部
A 植物由来バイオマス
B 溶媒油
C 循環油
D 排水
E 改質バイオマス
X 石炭

Claims (4)

  1. 植物由来バイオマスを粉砕する粉砕工程と、
    粉砕した上記植物由来バイオマス及び溶媒油を混合する混合工程と、
    上記混合工程で得られるスラリーを加熱するスラリー加熱工程と、
    上記スラリー加熱工程で得られる脱水スラリーから上記溶媒油を固液分離する固液分離工程と、
    上記固液分離工程で得られるケーキを加熱するケーキ加熱工程と、
    上記ケーキ加熱工程で得られる脱水バイオマスを塊成する塊成工程と
    を備える改質バイオマスの製造方法。
  2. 上記塊成工程を熱間で行う請求項1に記載の改質バイオマスの製造方法。
  3. 上記混合工程で、上記植物由来バイオマス及び溶媒油に石炭をさらに混合する請求項1又は請求項2に記載の改質バイオマスの製造方法。
  4. 上記固液分離工程で得るケーキの含水率を1質量%以上10質量%以下、含油率を10質量%以上70質量%以下とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の改質バイオマスの製造方法。
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