以下、発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、各図における共通部分には同じ符号が付与されており、符号は括弧内に記載され、OSU#1(15-1)とOSU#2(15-2)等の個別を特定しない説明ではOSU(15)等と記載する。
図2に光通信システムの一形態である波長可変型WDM/TDM-PONシステムの構成の例を示す。ユーザ端末(27)と上位ネットワーク(30)を接続するシステムである。波長可変型WDM/TDM-PONシステムでは、OLT(20)が複数のOSU(15)から構成され、各OSU(15)は光送受信部TRx(17)、PHY処理部(18)、MAC処理部(19)から構成される。提供するサービスに応じて、OLT制御部(28)の共通制御部(29)の制御に基づき、スイッチSW(21)を使用して、OSU(15)毎に異なる波長の光を送受信する光送受信部TRx(17)を利用する。そして、各ONU(22)は光送受信部TRx(26)、PHY処理部(25)、MAC処理部(24)から構成され、光送受信部TRx(26)では光通信に用いる波長が可変であり、利用するサービスの選択や波長間のトラフィックの偏り解消あるいはOSU(15)の障害回避などのため、OLU制御部(28)の共通制御部(29)の制御に基づき、適切な波長すなわち適切なOSU15を複数の中から選択的に切替えて接続し通信する。
図2に示したシステムではONU#1(22-1)がOSU#1(15-1)、OSU#2(15-2)、OSU#3(15-3)を構成要素とするOLT(20)と通信可能であり、OSU#1(15-1)、OSU#2(15-2)、OSU#3(15-3)はそれぞれ光送受信部TRx(17-1)、光送受信部TRx(17-2)、光送受信部TRx(17-3)によりλ1、λ2、λ3の波長を固定して使用している。なお、ONU(22)からOSU(15)への信号を上り信号、逆にOSU(15)からONU(22)への信号を下り信号と呼ぶ。そして、通常は上り信号用波長λ1u等と下り信号用波長λ1d等は異なるが、ここでは説明を簡単にするためにまとめてλ1等と記載する。また、OSU(15)・波長毎に光送受信部TRx(17)の光デバイスの特性には材質的に個体差があるため、ONU#1(22-1)の通信相手となるOSU(15)・波長毎に光信号の伝送品質(例えばビット誤り率、BER: Bit Error Rate)が異なる。
このような状態において例えば、ONU#1(22-1)とOSU#1(15-1)の間で波長λ1による光伝送の伝送品質が良好(BER=2x10-13<10-12)であって、PHY処理部(18-1)とPHY処理部(25-1)とがFEC非適用で通信できる場合でも(図2に示した実線矢印)、ONU#1(22-1)の利用波長すなわち光送受信部TRx(26-1)の利用波長をλ1からλ3に切替えて接続先を別のOSU#3(15-3)に切替えると伝送品質が劣化(BER=9x10-11>10-12)し、PHY処理部(18-3)とPHY処理部(25-1)とがFEC非適用では通信できなくなる可能性がある(図2に示した点線矢印)。
逆に例えば、PHY処理部(18-3)とPHY処理部(25-1)とがFEC適用して通信している状態からONU#1(22-1)の利用波長をλ1に切替えて、接続先をOSU#1(15-1)に切替えると、伝送品質が良好(BER=2x10-13<10-12)になり、PHY処理部(18-1)とPHY処理部(25-1)とがFECを適用したままではFECパリティ相当のデータ送信帯域(例えば、Reed-Solomon(255,223)符号では約12.5%)が無駄に消費されたり、本来実行しなくても問題ないFECエンコード・デコード処理により計算資源あるいは消費電力が無駄に消費されたりする可能性がある。
そこで、ONU(22)単位でFECを適用するにしてもOSU(15)個別に関する情報を利用してFECの適用を判定する処理を具体化し、無駄を削減する。また、OSU(15)単位でFECを適用する処理を具体化し、さらに無駄を削減する。
図1に波長可変型WDM/TDM-PONシステムの構成例を示す。複数のOSU(15)すなわちOSU#1(15-1)、OSU#2(15-2)、OSU#3(15-3)・・・を備えたOLT(10)と対向して複数のONU(22)すなわちONU#1(22-1)、ONU#2(22-2)、ONU#3(22-3)、ONU#4(22-4)・・・が光ファイバ(31)を介して接続されている。各OSU(15)は光送受信部TRx(17)、PHY処理部(18)、MAC処理部(19)、OSU制御部(16)から構成され、各ONU(22)は波長可変型の光送受信部TRx(26)、PHY処理部(25)、MAC処理部(24)、ONU制御部(23)から構成される。
光送受信部TRx(17、26)はPHY処理部(18、25)から入力される電気信号を光信号に変換して光ファイバ(31)へ出力したり、逆に光ファイバ(31)から入力される光信号を電気信号に変換してPHY処理部(18、25)へ出力したりする。図に示す通り、ONU(22)内の光送受信部TRx(26)は波長可変(λ可変)である。PHY処理部(18、25)はMAC処理部(19、24)から入力されるMACフレームを伝送符号化して光送受信部TRx(17、26)へ出力したり、逆に光送受信部TRx(17、26)から入力される電気信号を伝送復号化しMACフレームを出力したりする。PHY処理部(18、25)では伝送誤りを訂正するための誤り訂正(FEC)処理の符号化及び復号化も実行する。
MAC処理部(19、24)は上位ネットワーク(30)またはユーザ端末(27)から入力されるユーザデータをMACフレームに変換してPHY処理(18、25)へ出力したり、逆にPHY処理部(18、25)から入力されるMACフレームをユーザデータに変換して上位ネットワーク(30)またはユーザ端末(27)へ出力したりする。OSU制御部(16)及びONU制御部(23)はそれぞれ光送受信部TRx(17、26)、PHY処理部(18、25)、MAC処理部(19、24)間の連携動作を制御する。例えば、PHY処理部(18、25)内のFEC処理に関するFEC適用要否やFEC適用種別は制御部経由でPHY処理部(18、25)へ通知され、波長切替指示は制御部経由で光送受信部TRx(26)へ通知される。
また、OLT(10)は複数のOSU(15)を連携制御するためのOLT制御部(11)と複数OSU(15)のトラヒックを集約するスイッチSW(21)も含み、さらにOLT制御部(11)は各OSU制御部(16)やスイッチSW(21)を統合的に制御する共通制御部(12)とFEC適用判定を主導するFEC制御部(13)、FEC判定のための後で説明するテーブル(14)を備える。また、各OSU(15)の光送受信部TRx(17)から出ている複数の光ファイバは合波分波器を通して、集約されている。スイッチSW(21)は上位ネットワーク(30)から入力されるユーザデータを設定に従い適切はOSU(15)へ振り分ける。共通制御部(12)はシステム構成情報として各OSU(15)に登録されているONU(22)を管理した上で、トラフィック状況等に基づいてOSU(15)間のトラフィック調整を判断し、その結果を受けて、各OSU制御部(16)へ設定変更を指示したり、スイッチSW(21)へユーザデータの振り分け設定を指示したりする。OLT(10)に接続されている光ファイバは、光スプリッタを介して、各ONU(22)へ分岐接続されている。
図3にOLT制御部(11)の構成例を示す。OLT制御部(11)は共通制御部(12)、FEC制御部(13)、OSU光送受信部特性テーブル(14-1)、FEC設定管理テーブル(14-2)からなる。共通制御部(12)は各OSU(15)と通知や指示をやり取りし、スイッチSW(21)と通知や指示をやり取りし、FEC判定についてはFEC制御部(13)とやり取りをする。FEC制御部(13)は、例えば共通制御部(12)経由で各OSU(15)から得られるBER計測結果などに基づき、FEC適用判定をしたり、後で説明するOSU光送受信部特性テーブル(14-1)やFEC設定管理テーブル(14-2)などの保持内容を更新したりする。
各ONU(22)は利用サービスの変更やトラフィックの偏り解消などのために波長を切替えて、接続先のOSUを変更する。ONU(22)が複数のOSU(15)のいずれかのOSU(15)との間で通信を行う場合、OSU(15)の光送受信部TRx(17)の特性の違いによって、伝送品質に差が生じる。図1および図2の例では、OSU#1(17-1)の光送受信部TRx(17-1)の受光感度特性が高感度であり、OSU#3(15-3)の光送受信部TRx(17-3)の受光感度特性が低感度であり、ONU#1(22-1)とOSU#1(15-1)が通信した場合のFEC適用無しでのビット誤り率(BER)は10-12以下であるのに対して、ONU#1(22-1)とOSU#3(15-3)が通信した場合のFEC適用無しでのBERは10-12以上である場合を示している。ここで、FEC適用の要否を決める伝送品質の閾値をBER=1x10-12と仮定すると、ONU#1(22-1)とOSU#1(15-1)との伝送品質は良好でありFECを適用する必要がなく、ONU#1(22-1)とOSU#3(15-1)との伝送品質は悪くFEC適用が必要であると判定できる。OLT(10)ではこのような状況で各ONU(22)が接続するOSU(15)を切替える際のFEC適用の適切な設定を判定する手段を提供する。
実施例1では、伝送品質を計測する対象となる1つまたは少数のOSU(15)を予め決めておき、各ONU(22)と伝送品質計測対象であるOSU(15)との間の伝送品質のみを計測し、その計測結果に基づいてFEC適用の要否を判定する。図4AはOSU光送受信部特性テーブル(14-1)の例を示す図である。各OSU(15)に含まれる光送受信部TRx(17)の受光感度や送信パワー等特性情報を予め取得し、光送受信部TRx(17)により性能が最悪のOSU(15)を伝送品質の測定対象として予め決定しておく。
図4Aの例では、OSU-ID(41)がOSU#1の波長(42)がλ1であり、OSU光送信パワー(d)(44)が2.8dBmであって、下り伝送品質に影響する光送受信部TRx(17-1)の光送信パワーが他の3.5dBmや3.0dBmなどと比較して一番悪いため、BER計測対象(d)(46)にフラグ(○)が付き、下り伝送のBER計測対象となっている。また、OSU-ID(41)がOSU#3のOSU受光感度(u)(43)が-26dBmであって、上り伝送品質に影響する光送受信部TRx(17-3)の受光感度特性が他の-30dBmや-32dBmなどと比較して一番悪いため、BER計測対象(u)(45)にフラグ(○)が付き、上り伝送(u)のBER計測対象となっている場合を示している。なお、「u」はONUからOSUへの上り伝送を表し、「d」はOSUからONUへの下り伝送を表す。また、図4Aは上り伝送と下り伝送のBER計測対象が異なるOSU(15)である例を示しているが、同一のOSU(15)で双方向の伝送のBER計測対象となる場合もある。
以下では、予め決めた伝送品質計測対象となるOSU(15)を計測する処理を図5と図6および図7と図8を用いて具体的に説明する。図5と図6を用いた説明では、接続切替あるいは新規登録などにより予め決めた伝送品質計測対象となるOSU(15)への接続が発生した場合に計測する処理を説明する。図7と図8を用いた説明では、任意のOSU(15)に関する新規登録をきっかけとして予め決めた伝送品質計測対象となるOSU(15)を計測する処理を説明する。
図5は上りBER計測とFEC判定のシーケンスの例を示す図である。まず、システム稼働中にサービス利用における何らかの状況変化によりONU#1(22-1)の接続先をOSU#1(15-1)からOSU#3(15-3)へ切替える要求、すなわち、ONU#1(22-1)の波長をλ1からλ3へ切替える要求(51)が発生している。OLT制御部(11)はONU#1(22-1)の波長切替え要求に対応するために、OSU#1(15-1)に対してその時点でOSU#1(15-1)配下にあるONU#1(22-1)の波長をλ3に切替えるよう指示を出す。OSU#1(15-1)はその指示を受けて、ONU#1(22-1)に対して波長切替えの指示(52)を出す。
ここでOLT制御部(11)はONU#1(22-1)の接続切替先であるOSU#3(15-3)に対してONU#1受入の指示(53)を出す。続いて、OLT制御部(11)は光送受信部特性テーブル(14-1)を参照し、BER計測対象(u)(45)に基づき、OSU#3(15-3)がBER計測の対象か否かを判定する。ここではOSU#3(15-3)がBER計測の対象であるので、OLT制御部(11)はOSU#3(15-3)に対して、ONU#1(22-1)との間の上り伝送のBER計測を指示(54)する。OSU#3(15-3)はOLT制御部(11)からBER計測指示(54)を受けると、ONU#1用の受信BERカウンタをリセットし、受信BER計測を開始する。BER計測は例えばユーザデータの送受信の際にPHY処理部(18-3)のFECデコーダで、受信ビット数と共に訂正ビット数をカウントすることで算出可能である。OSU#3(15-3)は通常のDBA(Dynamic Bandwidth Assignment)処理に基づいてONU#1(22-1)に対して上り通信タイミングを割当、GATEメッセージ(55)で上り通信タイミングをONU#1(22-1)に通知する。
ONU#1(22-1)はGATEメッセージ(55)を受け取ると、通常のREPORTメッセージ(56)と共に上りのユーザデータ(57)を送信する。このとき、ONU#1(22-1)が送信する信号は初期状態であるFEC適用した状態(FECu=ON)である。OSU#3(15-3)はONU#1(22-1)からのユーザデータを受信すると受信ビット数と訂正ビット数を更新する。OSU#3(15-3)の上りBERカウンタで受信ビット数あるいはエラービット数が閾値に到達すると、BER計測を終了し、ONU#1(22-1)の識別子(ONU#1)とBER計測値をOLT制御部(11)へ通知(58)する。OLT制御部(11)は通知されたBER計測値に基づいてONU#1(22-1)のFEC適用の要否を判定(59)し、判定結果を保持する。
なお、FEC適用の要否の判定(59)は、OLT制御部(11)の代りに各OSU制御部(16)(図5の例ではOSU#3(15-3)のOSU制御部(16-3))で実施してもよい。FEC判定結果に基づき、OLT制御部(11)がOSU#3(15-3)経由、及び、OSU#3(15-3)がONU#1(22-1)に対して、FEC適用情報(60)を通知する。ONU#1(22-1)は通知されたFEC適用情報(60)に基づいてPHY処理部(18-3)のFEC設定を更新し、それ以降の通信ではその設定に従ったFEC処理を施す。図5の例では、ONU#1(22-1)のFEC適用判定(59)が非適用となり、ONU#1(22-1)のFEC設定を適用(ON)から非適用(OFF)に切替えた場合を示している。
ここでは伝送品質の指標としてBERを用いて説明したが、BERに限定されるものではない。直接的に伝送品質を示す他の指標としてフレームエラー発生率、または、OSNR(Optical Signal to Noise Ratio)を使ってもよいし、間接的に伝送品質を示す他の指標として、ラウンドトリップタイム、送信側の消光比、受信側の受光ダイナミックレンジ等を使ってもよい。さらに、これらの伝送品質の指標を限定するものではない。
また、上述のFEC適用情報(60)はFEC適用の要否またはFEC種別(強度)とする。すなわち、FEC適用と非適用の2種類でもよいし、FEC強適用、FEC弱適用、FEC非適用の3種類以上でもよい。FEC強度は、誤り訂正アルゴリズムによって異なり、通常はFEC強度が強く、訂正能力が高いほど、FECパリティビットを多く含むため、ユーザデータの送信効率は低下する。なお、FECアルゴリズムを限定するものではない。
以上では上り通信のFEC適用判定処理に関して説明したが、下り通信のFEC適用判定処理については対象とする通信方向が逆になるだけで同様なシーケンスで可能である。下りのBER計測はOSU(15)ではなくONU(22)で実施する。例えば、OSU(15)からONU(22)に対するあるタイミングのGATEメッセージにBER計測開始指示を乗せて通知してもよいし、独立したBER計測開始指示メッセージを用意してもよい。いずれにせよBER計測開始の指示を受けたONU(22)は、BERカウンタをリセットして、BER計測を開始する。BER計測結果は、ONU(22)からOSU(15)へのREPORTメッセージに乗せて通知すればよいが、独立したBER計測結果通知メッセージを用意してもよい。また、図5に特には示していないが、ONU#2(22-2)に対して同時にBER計測を実行しても良い。その際のOSU#3(15-3)におけるONU#1(22-1)とONU#2(22-2)との通信割当を含む通信制御は、従来のPONシステムにおけるDBA処理と同じでよい。
図6にOLT制御部(11)のFEC制御部(13)の処理フローチャートの例を示す。FEC制御部(13)は通常、あるONUすなわちONUi(22-i)の任意のOSUx(15-x)への接続切替の発生(ステップ601)と任意のOSUx(15-x)からのONUi(22-i)の新規登録の発生(ステップ602)を監視している。いずれかの発生を検知すると、OSUx(15-x)がBER(伝送品質)の計測対象か否かをOSU光送受信部特性テーブル(14-1)の参照により判定する(ステップ603)。その判定結果、BER計測対象でなければ初めの監視状態すなわちステップ601に戻る。判定結果、OSUx(15-x)がBER計測対象であった場合、FEC制御部(13)はOSUx(15-x)に対してONUi(22-i)のBER計測を指示する(ステップ604)。
OSUx(15-x)では例えば図5を用いて説明したシーケンスの通りONUi(22-i)との伝送についてBER計測し、BER計測結果(58)をOLT制御部(11)のFEC制御部(13)へ通知する。FEC制御部(13)では、BER計測結果BERiと閾値BER_TH(1x10-12)の大小関係に基づきFEC適用要否を判定し(ステップ606)、BERiが閾値BER_THより大きければFEC適用(FECi=ON)とし(ステップ608)、BERiが閾値BER_TH以下であればFEC非適用(FECi=OFF)とする(ステップ607)。そして、その判定結果に基づいて、OSUx(15-x)に対して、ONUi(22-i)のFEC適用要否を指示する(ステップ609)。その後、FEC制御部(13)は初めの監視状態すなわちステップ601に戻る。
図5と図6を用いて例えば新規登録などの接続の変化したOSU(15)が計測対象の場合に計測する例を説明したが、接続の変化したOSU(15)が計測対象でない場合に計測対象である他のOSU(15)で計測してもよい。図7はこのようなBER計測とFEC判定のシーケンスの例を示す図である。まず、ONU#1(22-1)がディスカバリプロセス(71)を経てシステムへの登録を完了すると、その登録情報はOLT制御部(11)内のFEC制御部(13)へ通知(72)される。図4Aに示したOSU光送受信部特性テーブル(14-1)によるBER計測対象以外のOSU#2(15-2)にONU#1(22-1)が登録された場合、OLT制御部(11)の指示(73)により、ONU#1(22-1)が一旦上り伝送のBER計測対象であるOSU#3(15-3)に接続先を切替える。
OLT制御部(11)はOSU#3(15-3)に対して上りのBER計測指示(74)を出し、OSU#3(15-3)から上りBER計測結果(75)を受け取る。OLT制御部(11)は受け取った上りBER計測結果(75)と閾値の大小関係からFEC適用を判定(76)した後、他のBER計測対象のOSU#1(15-1)への接続切替指示とFEC適用判定結果を、OSU#3(15-3)経由でONU#1(22-1)に対して通知する。次にOLT制御部(11)はOSU#1(15-1)に対して下り伝送のBER計測を指示する。OSU#1(15-1)はONU#1(22-1)に対して下りBER計測を指示(78)し、その結果(79)に基づき同様に閾値判定して、下り伝送に対するFEC適用要否を判定(80)する。図示は省略したが、最後にOLT制御部(11)はOSU#1(15-1)経由で、ONU#1(22-1)がディスカバリしたOSU#2(15-2)への接続変更の指示を出す。
図8は新規登録と計測対象の異なる場合も対応できるFEC制御部(13)の処理フローチャートの例を示す図である。FEC制御部(13)は通常、任意のOSUx(15-x)からのONUi(22-i)の新規登録の発生を監視している(ステップ801)。新規登録を検知すると、OSUx(15-x)がBER(伝送品質)の計測対象か否かを図4Aで示したOSU光送受信部特性テーブル(14-1)の参照により判定する。その判定結果において、OSUx(15-x)が伝送品質の計測対象であればOSUx(15-x)に対してONUi(22-i)のBER計測を指示し(ステップ806)、OSUx(15-x)にてBER計測が完了するとOSUx(15-x)からONUi(22-i)のBER計測結果BERiを受信する(ステップ807)。
OSUx(15-x)が伝送品質の計測対象でなければOSU光送受信器特性テーブル(14-1)を参照してBERを計測するOSUy(15-y)を抽出し(ステップ803)、OSUx(15-x)に対して登録されたONUi(22-i)のOSUy(15-y)への接続切替を指示する(ステップ804)。そして、ステップ806以降の処理を共通にするため便宜的にOSUy(15-y)をOSUx(15-x)とする(ステップ805)。このため、図8にはOSUxと記載するが、実質的にはOSUyであるので、以下の説明ではOSUy(15-y)と記載する。続いて、OLT制御部(11)はONUi(22-i)の接続切替先であるOSUy(15-y)に対してONUi(22-i)のBER計測を指示し(ステップ806)、OSUy(15-y)にてBER計測が完了すると、OSUy(15-y)からONUi(22-i)のBER計測結果BERiを受信する(ステップ807)。
受信したBERiを閾値BER_TH(例えば10-12)との大小関係に基づきFEC適用要否を判定し(ステップ808)、FECiを設定する(ステップ809、810)。判定結果が出ると、OSUy(15-y)(ステップ802がYESの場合は実際はOSUx(15-x))に対して、ONUi(22-i)のFEC設定をFECiとするよう指示し(ステップ811)、続いて上り伝送か下り伝送で伝送品質の計測対象であるOSU(15)がもう一つ別に存在する場合はそのOSU(15)に接続切替するように指示し、計測対象が他にない場合は処理を終了する(ステップ812)。以上の処理はONU(22)毎に存在する。
なお、BER計測の処理はONU(22)登録直後だけでなく、新規登録や波長切替えがあまり発生しない場合など、システム運用中に定期的に実施することで、光送受信部の材料の経年変化等に伴う伝送品質の変化が発生する場合に対応してFEC適用の要否を適応させてもよい。また、システム全体でBER計測対象を1つのOSU(15)に限定しなくてもよい。特に、光送受信部TRx(17)の上り伝送の特性と下り伝送の特性が同傾向になるとは限らず、上り伝送と下り伝送の特性を示す指標は異なる場合、図4Aに示したように、上り伝送の特性が最悪の光送受信部TRx(17)と下り伝送の特性が最悪の光送受信部TRx(17)とが別々になる場合もあり得る。
また、PtoP(Point to Point)トポロジとPtoMP(Point to Multipoint)トポロジを混在させて運用するシステムにおいては、PtoPトポロジ向け(主に連続的な光信号)とPtoMPトポロジ向けで光送受信部TRx(17)の特性が異なる可能性がある。その場合は、ONU(22)が利用するサービスのトポロジに応じて、BER計測対象とするOSU(15)を、PtoP向けとして性能が最悪な光送受信部TRx(17)を搭載したOSU(15)と、PtoMP向けとして性能が最悪な光送受信部TRx(17)を搭載したOSU(15)の少なくとも2種類設定してもよく、さらに上り伝送と下り伝送で併せて区別されれば4種類を設定してもよい。
図6と図8を用いて説明した処理のフローチャートはONU(22)毎に実行してもよい。この場合に性能の悪いOSU(15)に対して複数のONU(22)とのBERを計測しFEC適用を判定できる。各ONU(22)と性能の悪いOSU(15)との計測したBERとFEC適用の判定はFEC設定管理テーブル(14-2)に格納してもよい。図4Bは複数のONU(22)を対象としたFEC設定管理テーブル(14-2)の例を示す図である。ONU-ID(401)はONU(22)を特定する識別子であり、BERを計測したONU(22)を特定するものである。上りBER(402)は上り伝送において計測したBERの値であり、ここでは便宜上、括弧で閾値10-12との大小関係を示す。
この上りBER(402)の値が閾値以下である場合は既に説明したようにFEC適用が不要であるため、上りFEC適用(403)に不要であるという情報を格納する。
また、図4BにおいてONU-ID(401)の識別子がONU#2である上りBER(402)の値が閾値より大きい場合は既に説明したようにFEC適用が必要であるため、上りFEC適用(403)に必要であるという情報を格納する。なお、不要と必要は判別できる情報であれば、どのような値の情報でもよい。下りBER(404)及び下りFEC適用(405)は下り伝送であるという伝送方向の相違を除き上りBER(402)及び上りFEC適用(403)と同じように情報を格納する。
図4Cも複数のONU(22)を対象としたFEC設定管理テーブル(14-2)の例を示す図である。既に説明したようにBERの計測値に応じてFEC種別(強度)を設けてもよいため、図4Cに示したFEC設定管理テーブル(14-2)はこのようなFEC種別を格納するものである。ONU-ID(401)、上りBER(402)、下りBER(404)に格納する値は図4Bを用いて説明した値と同じである。
この例ではFEC_Aの方がFEC_BよりFEC強度が高く訂正能力が高い。このため、上りBER(402)の値あるいは下りBER(404)の値が閾値10-8より大きい場合は、高いFEC強度が必要であるので上りFEC適用(403)あるいは下りFEC適用(405)にFEC_Aを格納する。上りBER(402)の値あるいは下りBER(404)の値が閾値10-8以下で閾値10-12より大きい場合は、低いFEC強度でも十分であるので上りFEC適用(403)あるいは下りFEC適用(405)にFEC_Bを格納する。以上のように図4Bあるいは図4Cに示したFEC設定管理テーブル(14-2)を参照することによりONU(22)毎にFEC適用を制御することが可能となる。
ONU(22)はFEC適用判定結果を受け取ると、そのONU(22)に対してOSU(15)を接続切替してもFEC適用には変更がないため、OSU(15)の接続切替毎にONU(22)でFEC適用を再設定する必要はないが、設定を保証するために図4Bあるいは図4Cを用いて説明したFEC設定管理テーブル(14-2)に基づき一度計測して判定したFEC適用を通知し再設定してもよい。
以上で説明したように、波長可変型WDM/TDM-PONシステムにおいて伝送品質に基づきFEC適用を制御するため、伝送品質の悪い場合はFECにより補うことができ、伝送品質の良い場合はFECによる無駄な通信を抑えることができる。特に伝送品質の計測をOSU(15)の性能の悪いものに対して行うため、計測のオーバーヘッドを最小に抑えることができる。
実施例2は全てのOSU(15)において伝送品質を計測する処理であり、OSU光送受信部特性テーブル(14-1)の情報が得られない場合やOSU(15)の性能だけでは伝送品質が決まらない場合などにFEC適用を的確に制御できる。波長可変型WDM/TDM-PONシステムの構成の例は図1を用いて既に説明したものと同じである。
図9は全てのOSU(15)でのBER計測とFEC判定のシーケンスの例を示す図である。あるONU(22)すなわち図9ではONU#1(22-1)が全てのOSU(15)すなわち図9ではOSU#1(15-1)、OSU#2(15-2)及びOSU#3(15-3)に順次接続切替して、各OSU(15)との通信におけるBER計測を実施し、最悪のBER値に基づいてFEC適用の要否判断をする。図9において、通信中(BERu計測中)部分(106、107、108)は、先の図5におけるGATEメッセージ、REPORTメッセージ及びDATAメッセージを含んでいる。
図9において詳細は省略するが、ONU#1(22-1)はOSU#1(15-1)に登録直後のシーケンスの例であり、ONU#1(22-1)は最初にOSU#1(15-1)に接続するとOLT制御部(11)からBER計測指示(91)を受けて、OSU#1(15-1)においてBER計測(92)を実施する。OSU#1(15-1)はBER計測結果(93)(ここでは、2x10-13<10-12)をOLT制御部(11)へ通知する。OLT制御部(11)ではONU(22)毎にそれまで計測したBER値をFEC設定管理テーブル(14-2)で保持しており、通知されたBER計測値も併せて保持(94)する。
図10にFEC設定管理テーブル(14-2)の例を示す。ONU-ID(1001)はONU(22)を特定する識別子であり、OSU-ID(1002)はOSU(15)を特定する識別子である。波長(1003)はOSU-ID(1002)の識別子で特定されるOSU(22)の備える光送受信部TRx(17)の波長であり、ONU-ID(1001)の識別子で特定されるONU(22)との通信で使用する波長である。上りBER(1004)は上り伝送で計測されたBERの値であり、下りBER(1006)は下り伝送で計測されたBERの値である。図9の保持(94)においてはONU-ID(1001)の識別子がONU#1とOSU-ID(1002)の識別子がOSU#1の組合せの上りBER(1004)へBER計測結果(93)である2x10-13を格納する。また、通信中部分106において下り伝送のBERを計測した場合は下りBER(1006)へ計測値を格納してもよい。上りFEC適用(1005)と下りFEC適用(1007)については後で説明する。
次に、何らかの状況変化によりONU#1(22-1)のλ2への波長切替要求が発生した場合、OLT制御部(11)は、OSU#1(15-1)経由でONU#1(22-1)に対して、波長切替(ここではλ2)を指示(95)する。ONU#1(22-1)は波長切替指示(95)を受信すると、自身の光送受信部TRx(26-1)の波長を指示された波長(λ2)に切替え、対応したOSU(15)ここではOSU#2(15-2)に接続先を変更する。OSU#2(15-2)はONU#1(22-1)を配下に収めると、OLT制御部(11)からBER計測指示(96)を通知され、BER計測(97)を開始する。OSU#2はBER計測(97)が終わると、BER計測結果(98)(ここでは、8x10-14<10-12)をOLT制御部(11)へ通知する。
OLT制御部(11)では、通知されたBER計測値(98)も併せてFEC設定管理テーブル(14-2)に保持(99)する。さらに、何らかの状況変化によりONU#1のλ3への波長切替要求が発生すると、OLT制御部(11)はOSU#2(15-2)経由でONU#1(22-1)に対して、再度波長切替(ここではλ3)を指示(100)する。ONU#1(22-1)は、波長切替指示(100)を受信すると、自身の光送受信部TRx(26-1)の波長を指示された波長(λ3)に切替え、対応したOSU(15)ここではOSU#3(15-3)に接続先を変更する。OSU#3(15-3)はONU#1(22-1)を配下に収めると、OLT制御部(11)からBER計測指示(101)を通知され、BER計測(102)を開始する。OSU#3はBER計測(102)が終わると、BER計測結果(103)(ここでは、8x10-13<10-12)をOLT制御部(11)へ通知する。
OLT制御部(11)ではONU#1(22-1)に対する全てのOSU(15)でのBER値が揃うと、その最悪値と閾値(10-12)を比較して、ONU#1(22-1)に対するFEC適用の要否を判定(104)する。図10に示したFEC設定管理テーブル(14-2)では、既に説明したように保持したBER測定結果(93、98、103)すなわちONU#1(22-1)に関する全てのBER計測値が閾値10-12未満だったため、ONU#1(22-1)は“FEC非適用”と判定されている。この判定結果は、FEC設定管理テーブル(14-2)の上りFEC適用(1005)へ不要と設定し、OLT制御部(11)からOSU#3(15-3)経由でONU#1(22-1)に通知(105)される。
ONU#1(22-1)は通知されたFEC適用情報に従い、自身のFEC設定を更新する。図9では、ONU#1がFEC適用(ON)からFEC非適用(OFF)に設定変更している。なお、図10に示したFEC設定管理テーブル(14-2)のONU-ID(1001)がONU#2の場合のように上りBER(1004)の計測値のいずれかが閾値10-12以上であると、上りFEC適用(1005)へ必要と設定し、下りBER(1006)の計測値のいずれかが閾値10-12以上であると、下りFEC適用(1007)へ必要と設定する。また、図10に示したFEC設定管理テーブル(14-2)の上りFEC適用(1005)と下りFEC適用(1007)をFEC強度としてもよい。
以下では、接続切替あるいは新規登録により接続したONU(22)とOSU(15)との計測を蓄積することにより結果として全てのOSU(15)において計測する処理について図11を用いて説明し、任意のOSU(15)に関する新規登録をきっかけとして未計測のOSU(15)へ順次に接続切替し全てのOSU(15)において計測する処理について図12を用いて説明する。
図11に全てのOSU(15)で計測するOLT制御部(11)内のFEC制御部(13)の処理フローチャートの例を示す。FEC制御部(11)は通常、あるONUすなわちONUi(22-i)の任意のOSUx(15-x)への接続切替の発生(ステップ1101)と任意のOSUx(15-x)からのONUi(22-i)の新規登録の発生(ステップ1102)を監視している。いずれかの発生を検知すると、ONUi(22-i)とOSUx(15-x)間のBER (伝送品質)が計測済みか否かを、FEC設定管理テーブル(14-2)に基づいて判定する(ステップ1103)。その判定の結果、BER計測済みであれば初めの監視状態すなわちステップ1101に戻る。判定の結果、伝送品質を計測済みでない場合、FEC制御部(11)はOSUx(15-x)に対してONUi(22-i)との間のBERを計測するよう指示する(ステップ1104)。
OSUx(15-x)はONUi(22-i)とのBERを計測し、BER計測結果をFEC制御部(13)へ通知し、FEC制御部(13)は受信する(ステップ1105)。FEC制御部(13)ではBER計測結果BERiと閾値BER_TH(1x10-12)の大小関係に基づきFEC適用要否を判定し(ステップ1106)、BERiが閾値BER_THより大きければFEC適用(FECi=ON)とする(ステップ1107)。BERiが閾値BER_TH以下の場合でも、ONUi(22-i)が全OSU(15)とのBER計測を完了していない場合(ステップ1108)と、それまでに計測済みのBER値の中の最大値(BERi_max)が閾値BER_TH(1x10-12)より大きい場合(ステップ1109)は、やはりFEC適用(FECi=ON)とする(ステップ1107)。BERiが閾値BER_TH以下で、かつ、ONUi(22-i)が全OSU(15)とのBER計測を完了しており、ONUi(22-i)が全OSU(15)との間で計測したBERの最大値BERi_maxが閾値BER_TH以下の場合は、FEC非適用(FECi=OFF)と判定する(ステップ1110)。以上の判定に基づきOSUx(15-x)に対してONUi(22-i)のFEC適用要否FECiを指示する(ステップ1111)。その後、OLT制御部(11)は初めの監視状態すなわちステップ1101に戻る。
なお、ONU#1(22)に対する全てのOSU(15)でのBER計測を実施するために、システム運用中にOSU(15)接続先が変更される度にBER計測を実施し、BER計測データを少しずつ蓄えるようにしてもよいし、ONU(22)の登録時にOLT制御部(11)の指示で順次全てのOSU(15)とBER計測してもよい。前者が上記で説明した手順であり、FEC適用判定までに必要な時間はかかるが、強制的に特定のOSU(15)でのBER計測を避けられるため、本来のシステム運用を妨げないBER計測手順である。後者はシステム運用の準備期間が十分取れる場合のBER計測手順である。
図12はONU(22)登録時にOLT制御部(11)の指示で順次強制的に全てのOSU(15)とのBER計測をする処理のフローチャートの例を示す図である。FEC制御部(11)は任意のOSUx(15-x)への任意のONUi(22-i)の新規登録を監視し(ステップ1201)、OSUx(15-x)での新規登録を検知すると、OSUx(15-x)に対してONUi(22-i)のBERiを計測するよう指示を出す(ステップ1202)。ここで、指示を受けたOSUx(15-x)はONUi(22-i)との間でBERiを計測し、FEC制御部(13)へBER計測結果を通知する。FEC制御部(13)はOSUx(15-x)からONUi(22-i)のBER計測結果BERixを受理し、その値をFEC設定管理テーブル(14-2)に保存する(ステップ1203)。ここで、ONUi(22-i)が接続中のOSU(15)をOSUz(15-z)とし、値としてOSUxをOSUzの初期値とする(ステップ1204)。
FEC制御部(13)はONUi(22-i)が未計測のOSU(15)があるかをFEC設定管理テーブル(14-2)に基づき判定し(ステップ1205)、未計測のOSU(OSUy)がある場合、OSUz(15-z)に対してONUi(22-i)がOSUy(15-y)に接続切替するよう指示する(ステップ1206)。FEC制御部(13)はOSUy(15-y)に対してONUi(22-i)のBER計測を指示し(ステップ1207)、計測結果BERiyをOSUy(15-y)から受信し、FEC設定管理テーブル(14-2)に保存する(ステップ1208)。OSUy(15-y)を接続中のOSU(OSUz)とし、前記ONUi(22-i)が未計測のOSUがあるか否かの判定すなわちステップ1205に戻り、未計測のOSU(15)が無くなるまでOSU(15)の接続切替とBER計測を繰り返す。
未計測のOSU(15)が無くなると、FEC制御部(13)はONUi(22-i)について計測したBERiの最大値BERi_maxを求めて閾値BER_THと比較し(ステップ1210)、その値が閾値BER_TH(1x10-12)より大きければONUi(22-i)のFEC適用(FECi=ON)とし(ステップ1211)、閾値BER_TH以下であればFEC非適用(FECi=OFF)とする(ステップ1212)。最後にOSUz(15-z)に対してONUi(22-i)のFEC設定FECiを通知し(ステップ1213)、さらにOSUz(15-z)に対してONUi(22-i)をOSUx(15-x)に接続を戻すように接続切替を指示する(ステップ1214)。ここで、OSUz(15-z)経由でONUi(22-i)に対するFEC設定と接続切替の指示は同時に1つのメッセージで実現してもよい。
以上で説明したように、波長可変型WDM/TDM-PONシステムにおいて伝送品質に基づきFEC適用を制御するため、伝送品質の悪い場合はFECにより補うことができ、伝送品質の良い場合はFECによる無駄な通信を抑えることができる。特に全てのOSU(15)において伝送品質の計測するため、正確な伝送品質を得ることができ、正確なFEC適用の制御が可能となる。
実施例3は各ONU(22)が全OSU(15)とのBER計測を実施する点において実施例2と同じであるが、FEC適用判定結果が各ONU(22)に1通りずつの固定ではなく、ONU(22)が接続するOSU(15)毎に区別してFEC適用要否を保持し、OSU(15)を切替える度にFEC適用設定を切替える点が実施例2と異なる。波長可変型WDM/TDM-PONシステムの構成の例は図1を用いて既に説明したものと同じである。
図13はONU#1(22-1)が順次各OSU(22)と上りBER計測を実施するシーケンスの例を示す図である。図13において“通信中”部分(1311、1312、1313、1314)は図5におけるGATEメッセージ、REPORTメッセージ及びDATAメッセージを含むものである。まず、ONU#1(22-1)がOSU#1(15-1)に接続され、BER計測(1301)を開始する。OSU#1(15-1)はONU#1(22-1)とのBER計測(1301)が終わると、BER計測結果(1302)(ここでは、2x10-13<10-12)をOLT制御部(11)へ通知する。OLT制御部(11)内のFEC制御部(13)では、通知されたBER計測値に基づいてFEC適用の要否を判定(FEC非適用または不要)し、図14に示すFEC設定管理テーブル(14-2)のONU-ID(1001)がONU#1でありOSU-ID(1002)がOSU#1である組合せで決まる行の上りBER(1004)と上りFEC適用(1005)の値を更新(1303)する。
続いてOSU#1(15-1)は、FEC適用判定結果に従い、OSU#1(15-1)経由でONU#1(22-1)へFEC適用情報(ここではFEC非適用またはFECu=OFF)を通知(1304)する。実施例2はこの時点でOLT制御部(11)がBERの計測結果を保持するだけであるが、FEC適用判定とFEC適用情報を通知して対象となるOSU(15)またはONU(22)でFEC適用情報を設定する点で実施例2と異なる。ここでOSU#1(15-1)からONU#1(22-1)への通知は、例えばGATEメッセージにFEC適用情報を含めることにより実現可能である。ONU#1(22-1)はFEC非適用への設定変更の指示(1304)を受けて、自身のPHY処理部(25-1)のFEC設定を変更する(ここではFEC適用(ON)からFEC非適用(OFF)へ変更する)。
この例では、次にOSU#1(15-1)とONU#1(22-1)との間で通常の通信状態(1312)が続いた後、OLT制御部(11)において、ONU#1(22-1)に対して波長をλ3に切替える(接続先OSUをOSU#3(15-3)に切替える)要求(1305)が発生した場合を示している。ここで、OLT制御部(11)は主導的に全てのOSU(15)でBER計測できるようにONU#1(15-1)の接続先OSUをONU(22)の登録直後から積極的に順次切替えても良い。OLT制御部(11)は、FEC設定管理テーブル(14-2)を参照し、その内容がこの時点ではONU#1(22-1)とOSU#3(15-3)のBER計測が未実施であるとすると、ONU#1(22-1)のFEC適用をデフォルトの“必要(ON)”に変更することが必要であり、OSU#1(15-1)経由でONU#1(22-1)に対して、波長をλ3に切替えると同時にFEC設定を適用(ON)に変更する指示を通知(1306)する。ここでのOSU#1(15-1)からONU#1(22-1)への通知も例えばGATEメッセージに切替先の波長情報とFEC適用情報を含めることにより実現可能である。
OLT制御部(11)はさらに、ONU#1(22-1)の接続切替先であるOSU#3(15-3)に対して、ONU#1(22-1)が接続されるべきことを通知する。ONU#1(22-1)は波長切替とFEC設定切替の通知(1306)を受けると、自身の光送受信部TRx(26-1)の送信波長をλ3に切替えると同時にPHY処理部(25-1)においてFECを適用(ON)に切替える。ここでOSU#3(15-3)はONU#1(22-1)とのBER計測が未実施の想定であり、上りBER計測を開始するために、上りBERカウンタをリセットする。OSU#3(15-3)はユーザデータの通信を通して受信ビット数と受信誤りビット数をカウントし続けて(1307)、受信ビット数あるいは受信誤りビット数が閾値に達すると、計算されたBER値(ここでは、9x10-11)をOLT制御部(11)へ通知(1308)する。
OLT制御部(11)ではFEC適用が必要であると判定し、FEC設定管理テーブル(14-2)のONU-ID(1001)がONU#1でありOSU-ID(1002)がOSU#3である行の上りBER(1004)と上りFEC適用(1005)の値をそれぞれ更新(1309)する。OLT制御部(11)はOSU#3(15-3)を経由してONU#1(22-1)にFEC適用が必要あることを通知(1310)する。この例でのONU#1(22-1)におけるFEC設定の値に変更はない(FEC ON)ので、FEC設定指示の通知(1310)は必ずしも必要ではないが、FEC設定指示を通知(1310)することが信頼性を担保するために有効な場合がある。OSU#3(15-3)が配下のONU(22)のFEC設定状態も含めて状態管理をしていれば、OSU#3(15-3)はONU#1(22-1)へのFEC設定指示の要否を判断でき、省略可能な場合は省略してもよい。FEC設定指示を通知(1310)した以降、OSU#3(15-3)とONU#1(22-1)がFEC適用した状態で通信(1314)を続けることになる。図示は省略するが、ONU#1(22-1)がさらに他の波長(すなわち、さらに他のOSU(15))へ変更してもよい。
なお、図13のシーケンスでは、BER計測及び結果通知やFEC適用要否判定及び設定に関して、上り通信のみを図示して下り通信について図示を省略しているが、下り通信についても上り通信の場合とほぼ同じタイミングでBER計測及び結果通知やFEC適用要否判定及び設定を実施することとする。なお、下り通信の場合は、図7で説明したように、BER計測は基本的にはONUで実施し、OSUでは実施しない。
図14はOLT制御部(11)で保持しているFEC設定管理テーブル(14-2)の例を示す図であり、各ONU(22)と複数OSU(15)の全ての通信における上りBER(1004)と上りFEC適用(1005)の要否と、下りBER(1006)と下りFEC適用(1007)の要否が一通り埋まった例を示している。ONU(22)とOSU(15)の組合せに対して、波長(1003)の値、計測済みの上りBER(1004)と下りBER(1006)の値、BER値に基づく上りFEC適用(1005)と下りFEC適用(1007)の設定値を保持する。また、上りFEC適用(1005)と下りFEC適用(1007)をFEC強度としてもよい。
図15はシステム運用中の波長切替に伴うFEC適用の設定変更シーケンスの例を示す図である。すなわち、ONU#1(22-1)がOSU#3(15-3)と波長λ3で上り通信をしている状態から、ONU#1(22-1)が波長をλ2に切替えて上り通信に関してFEC適用からFEC非適用に切替えるシーケンスの例である。詳細な説明は省略するが、この例は利用サービスの変更やトラフィック制御などにより、OLT制御部(11)にてONU#1(22-1)に対する波長切替要求(1501)が発生する場合を想定している。
波長切替要求(1501)が発生すると、OLT制御部(11)が、自身で保持している図14に示したFEC設定管理テーブル(14-2)を参照し、波長(1003)のλ2に切替後は上りFEC適用(1005)が不要であることから非適用にできると判定し、OSU#3(15-3)経由でONU#1(22-1)に対して波長切替(ここではλ3からλ2への変更)と同時に上りのFEC設定変更(ここではFEC非適用へ)と下りのFEC設定変更(ここではFEC非適用へ)を指示(1502)する。次に、OLT制御部(11)はOSU#2(15-2)に対してONU#1(22-1)の受入指示(1503)を出す。OSU#2(15-2)はOLT制御部(11)からのONU受入指示(1503)を受けて、ONU#1(22-1)の登録処理(1504)を実施する。これに対して、ONU#1(22-1)はOLT制御部(11)からの指示を受けて自身の光送受信部TRx(26-1)の上り波長をλ2に切替えると共に、PHY処理部(25-1)の上りFEC設定を非適用に切替える。その結果、ONU#1(22-1)とOSU#2(15-2)がFEC非適用の通信ができるようになる。
なお、この例においては、波長をλ3からλ2へ切替えても、下りFEC設定は非適用のままで変更されないため、下りFEC設定は特にメッセージに載せてONUへ通知しなくてもよい。また、FEC設定の切替手段が、送信側の設定切替のみ必要で受信側での設定切替が不要である場合も想定でき、その場合はOLT制御部から切替前のOSU#3(15-3)経由でONU#1(22-1)へ上り通信に関するFECuのみを通知し、切替後のOSU#2(15-2)へは下り通信に関するFECdのみを通知すれば済む。
このようにシステム運用中の波長切替であってもFEC設定管理テーブル(14-2)の上りFEC適用(1005)、下りFEC適用(1007)に既に判定の結果が保持されていれば、その情報に基づきFEC適用を制御できるが、必ずしも判定の結果が保持されているとは限らない。このため、FEC設定管理テーブル(14-2)が構築できるまでは、各ONU(22)はFEC適用で通信し、各OSU(15)との通信実績からBER計測が実行され、FEC設定管理テーブル(14-2)が構築されるにつれて、OSU(15)毎にきめ細かく適切なFEC適用設定をしてもよい。FEC非適用で通信できる場面が増えるほど、通信帯域の利用効率を向上できる。
図16はFEC設定管理テーブル(14-2)の構築前の初期状態と一部が更新された構築中の状態の例を示す図である。(1)初期状態では、上りBER(1004)と下りBER(1006)の全てのBER値が空欄(または閾値より大きなBER値を入れておいてもよい)であってBER計測未実施を表し、上りFEC適用(1005)と下りFEC適用(1007)も全て“必要”となっている。(2)上りFEC適用が一部更新された状態では、ONU-ID(1001)とOSU-ID(1002)の組合せとしてONU#1−OSU#1間の通信、ONU#1−OSU#3の通信、ONU#2−OSU#1間の通信、ONU#2−OSU#2の通信について、上りと下りのBER計測が少なくとも1回ずつ実施されて上りBER(1004)と下りBER(1006)にBER値が保持され、その中でONU#1−OSU#1間の通信、ONU#2−OSU#2の通信については上りBER値に基づき上りFEC適用(1005)として“不要”と判定し保持し、ONU#1−OSU#3の通信については下りBER値に基づき下りFEC適用(1007)として“不要”と判定し保持した例を示している。なお、図14のようなFEC設定管理テーブル(14-2)を完成させるために、ONU(22)の新規登録後に強制的にONU(22)が接続するOSU(15)を順次切替えて全OSU(15)との上りと下りのBER(1004と1006)を起動直後に計測してもよいが、運用中に接続される要求があった時にBER計測をする方が効率的である。
以下では、接続切替あるいは新規登録により接続したONU(22)とOSU(15)の組合せを計測して判定し、計測値と判定結果を蓄積することにより結果として全てのOSU(15)毎にFEC設定可能とする処理について図17を用いて説明する。また、任意のOSU(15)に関する新規登録をきっかけとして未計測のOSU(15)へ順次に接続切替し、全てのOSU(15)で計測して判定し、全てのOSU(15)毎にFEC設定可能とする処理について図18を用いて説明する。
図17にOSU(15)を切替える度にFEC適用設定を切替えるFEC制御部(13)の処理フローチャートの例を示す。FEC制御部(13)は常に、ONUi(22-i)の任意のOSUx(15-x)への接続切替要求の有無(ステップ1701)と、ONUi(22-i)の任意のOSUx(15-x)への新規登録の有無(ステップ1712)を監視している。ONUi(22-i)のOSUx(15-x)への新規登録が発生し、ONUi(22-i)とOSUx(15-x)間の伝送品質を計測済みの場合(ステップ1713)、FEC制御部(13)はOSUx(15-x)に対してONUi(22-i)のFEC設定をFECixと設定するように指示し(ステップ1714)、前記の監視状態すなわちステップ1701に戻る。また、ONUi(22-i)の任意のOSUx(15-x)への接続切替要求が発生し、ONUi(22-i)とOSUx(15-x)間の伝送品質を計測済みの場合(ステップ1702)、FEC制御部(13)はONUi(22-i)が接続中のOSUz(15)に対して、ONUi(22-i)のOSUx(15-x)への接続切替とFEC設定のFECixへの変更を指示し(ステップ1715)、ONUi(22-i)の接続切替先であるOSUx(15-x)に対してONU受入指示し(ステップ1716)、前記の監視状態すなわちステップ1701に戻る。
また、ONUi(22-i)の任意のOSUx(15-x)への接続切替が発生すると共に、ONUi(22-i)とOSUx(15-x)との間の伝送品質の計測が完了していない場合、FEC制御部(13)はONUi(22-i)が接続中のOSUz(15)に対して、ONUi(22-i)のOSUx(15-x)への接続切替を指示し(ステップ1703)、OSUx(15-x)に対してはONUi(22-i)の受入指示を出す(ステップ1704)。FEC制御部(13)は続いてOSUx(15-x)に対してONUi(22-i)のBER計測を指示し(ステップ1705)、その計測結果BERixをOSUxから受信し、FEC設定管理テーブル(14-2)に保持する(ステップ1706)。そして、BERixを閾値BER_TH(1x10-12)と比較し(ステップ1707)、閾値BER_THより大きければONUi(22-i)のFEC適用(FECix=ON)とし(ステップ1708)、閾値BER_TH以下であればFEC非適用(FECix=OFF)とし(ステップ1709)、結果をFEC設定管理テーブル(14-2)に保持し(ステップ1710)、OSUx(15-x)に対してONUi(22-i)のFEC設定をFECixとするよう指示し(ステップ1711)、上記の監視状態すなわちステップ1701に戻る。
また、ONUi(22-i)の任意のOSUx(15-x)からの新規登録が発生し、ONUi(22-i)とOSUx(15-x)との間の伝送品質の計測が完了していない場合、FEC制御部(13)はOSUx(15-x)に対してONUiのBER計測指示をし(ステップ1705)、その計測結果BERixをOSUxから受信し、FEC設定管理テーブルに保持する(ステップ1706)。そして、BERixを閾値BER_TH(1x10-12)と比較し、閾値BER_THより大きければONUi(22-i)のFEC適用(FECix=ON)とし(ステップ1708)、閾値BER_TH以下であればFEC非適用(FECix=OFF)とし(ステップ1709)、結果をFEC設定管理テーブル(14-2)に保持し(ステップ1710)、OSUx(15-x)に対してONUi(22-i)のFEC設定をFECixとするよう指示し(ステップ1711)、上記の監視状態すなわちステップ1701に戻る。
図18に新規登録時にFEC設定するFEC制御部(13)の処理フローチャートの例を示す。この例はBER計測を積極的に実施するものである。OSUx(15-x)からONUi(22-i)の登録を検知すると(ステップ1801)、OSUx(15-x)に対してONUi(22-i)とのBER計測を指示し(ステップ1802)、BER計測が終了してOSUx(15-x)からONUi(22-i)との伝送におけるBER計測結果BERixを受け取り保存する(ステップ1803)。受け取ったBERixを閾値BER_THと比較してFEC適用判定をする(ステップ1804)。BER計測値が閾値BER_THより大きければFEC適用とし(ステップ1805)、BER計測値が閾値BER_TH以下であればFEC非適用とする(ステップ1806)。FEC制御部(13)はOSUx(15-x)とONUi(22-i)のFEC設定をFECixとし、FEC設定管理テーブル(14-2)にその情報を保持する(ステップ1807)。
次にFEC制御部(13)はONUi(22-i)にBER未計測のOSUy(15-y)がないかどうか判定し(ステップ1808)、ONUi(22-i)にBER未計測のOSUy(15-y)がある場合、OSUx(15-x)に対してONUi(22-i)の接続先をOSUy(15-y)に切替えるように指示を出し(ステップ1809)、OSUy(15-y)をOSUxとして(ステップ1810)、OSUx(15-x)に対してBER計測指示を出すステップ1802に戻る。ONUi(22-i)にBER未計測のOSUy(15-y)がない場合、OSUx(15-x)に対してFEC設定をFECixとするよう指示する(ステップ1811)。その後、ONUi(22-i)に対して他のOSUz(15-z)への接続切替要求が発生した場合(ステップ1812)、OSUx(15-x)に対してONUi(22-i)をOSUz(15-z)に接続切替し、FEC設定をFECizとするように指示する(ステップ1813)。そして、ステップ1812とステップ1813の繰り返しになる。
なお、波長可変型WDM/TDM-PONシステムに限らず、従来の単一波長のTDM-PONシステム等も含めて、高信頼化のためにOSUの予備系を搭載しているOLTや光通信システム、OLTの予備系を備える光通信システムにおいてもFEC適用を制御することが可能である。すなわち、FEC適用とFEC非適用あるいはFEC強度を選択できる場合に、予備系のOSUに切替える際に、以上で説明したFEC適用判定処理により、FEC適用の適切な設定が可能となり、通信帯域の効率向上が得られる。
以上で説明したように、伝送品質に基づきFEC適用を制御するため、伝送品質の悪い場合はFECにより補うことができ、伝送品質の良い場合はFECによる無駄な通信を抑えることができる。特にONU(22)とOSU(15)のそれぞれの組合せにおいて伝送品質を計測してFEC適用を個別に制御するため、正確なFEC適用の制御が可能となる。
なお、波長可変型WDM/TDM-PONに限らず、従来の単一波長のTDM-PONシステム等も含めて、高信頼化のために予備のOSUを搭載しているOLTや光通信システム、OLTの予備系を備える光通信システムにも以上で説明した実施の形態を適用することが可能である。すなわち、FEC非適用、あるいは、FEC強度を選択できる場合に、各ONUと予備のOSUに対しても事前にBER計測をしBER適用判定結果を保持しておき、OSUの1つに障害が発生し予備のOSUに切替える際に、FEC適用の適切な設定が可能となり、通信帯域の効率向上が得られる。
図19に複数OLT(10)をさらに含む光通信システムの構成の例を示す。図19に示したOLT(10)それぞれの構造は図1などを用いて説明したOLU(10)の構造と同じであるので、それらの説明は省略する。複数のOLT(10)間でのONU(22)接続先変更のための情報管理及び制御を実施するシステム制御部(19)が追加され、システム制御部(19)と各OLT(10)のOLT制御部(11)が制御信号を送受信するために接続される。さらに各OLT(10)と各ONU(22)との間がOptical Distribution NetworkすなわちODN(32)を介して接続され光通信路を形成している点が図1に示したシステムの構成例と異なる。このような構成によりONU#1(22-1)は波長λ11によりOLT#1(10-1)のOSU#1(15-1)と通信し、ONU#2(22-2)とONU#3(22-3)とONU#4(22-4)は波長λ2n(nは自然数)によりOLT#2(10-2)と通信するということが可能になる。
なお、システム制御部(19)はOLT制御部(11-1)などと同じ構成であって、テーブル(14-0)がテーブル(14-1)などに相当し、FEC制御部(13-0)がFEC制御部(13-1)などに相当し、共通制御部(12-0)が共通制御部(12-1)などに相当する。OLT制御部(11-1)のテーブル(14-1)ではONU(22)とOSU(15)との通信の組合せに対するBER計測対象やBER計測値やFEC適用の情報を格納したが、テーブル(14-0)ではONU(22)とOLT(10)との通信の組合せに対するこれらの情報を格納する。これらの情報に対するFEC制御部(13-0)の判定などの処理を既に説明した処理と同様である。共通制御部(12-0)はシステム制御部(19)と各OLT(10)のOLT制御部(11)とを接続するものである。
図19に示した光通信システムにおいては、実施例1から3で説明した処理により各OLT(10)内での接続切替に対応したFEC適用判定をするのみならず、複数のOLT(10)間での接続切替に対応したFEC適用判定をしてもよい。例えば一部のOLT(10)での障害発生やODN(32)内での障害発生などにより経路変更する場合、ONU(22)が接続するOLT(10)を切替えることもあり、そのようなOLT(10)間での接続切替にはシステム制御部(19)が各OLT(10)と情報連携をしてFEC適用を制御することが有効である。