JP6261836B2 - 測位装置および測位方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発信機からの信号を受信する複数の受信センサによって計測される複数の計測値から外れ値を除外し、除外後の計測値を用いて発信機の位置を計測する測位装置および測位方法に関するものである。
計測値として位相を用いた測位方式の例として、高速道路脇の斜面または山林の斜面をモニタリングし、斜面の崩落の予兆を検知する変位計測システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の従来技術では、斜面等に複数の発信機を配置し、斜面の崩落の前兆で生じる微小な動きをミリオーダーの精度で常時3次元計測するように構成されている。
特許文献1に記載の従来技術では、発信機からの電波を、斜面周辺に設置された複数の受信センサで同期受信し、その受信信号から複数の計測値として複数の位相を計測し、その複数の位相から、各発信機の3次元位置を計測する。しかしながら、マルチパス等によって、計測された位相精度が大幅に劣化する場合がある。このような精度が大幅に劣化した位相は外れ値に該当し、外れ値に該当する位相が複数の位相に含まれた状態で、各発信機の測位計算が行われると、その測位精度が劣化してしまう。
そこで、上記の問題を解決するために、複数の位相の中から、このような外れ値を除外する手法が提案されている(例えば、特許文献2〜5参照)。特許文献2〜5に記載の従来技術では、共通事項として、受信センサで受信した受信信号の電力情報を用いて、外れ値を特定している。例えば、電力の低い受信信号は、マルチパスの影響を受けているものとし、その受信信号から計測された位相は、計測精度が低いとみなし、その位相を外れ値と特定して複数の位相の中から除外している。
特開2006−349515号公報 特許第4397732号公報 特許第4129547号公報 特開2005−227167号公報 特開2005−326184号公報
特許文献2〜5に記載の従来技術では、上述したとおり、電力の低い受信信号に対応した位相を外れ値として特定している。しかしながら、電波環境によっては、受信信号の電力が低い場合であっても、位相誤差が増大しないことがある。また、受信信号の電力が高い場合であっても、位相誤差が増大することがある。つまり、受信信号の電力の大きさと、位相誤差の大きさとの間で、必ずしも相関が高いとはいえず、特許文献2〜5に記載の従来技術では、外れ値を精度良く特定することができない可能性がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、受信センサで受信した受信信号の電力情報を用いなくても、複数の計測値から外れ値を除外可能な測位装置および測位方法を得ることを目的とする。
本発明における測位装置は、発信機からの信号を受信する複数の受信センサによって計測される複数の計測値から、発信機の位置を計測する測位装置であって、複数の計測値の中から外れ値を除外する外れ値除外処理部と、外れ値除外処理部によって外れ値が除外された後の複数の計測値から、発信機の位置を計測する測位計算部と、を備え、外れ値除外処理部は、複数の受信センサから異なる2個を選ぶセンサ組合せごとに、センサ組合せを構成する一方の受信センサによって計測された計測値と、他方の受信センサによって計測された計測値との差である計測値差を計算する計測値差計算部と、計測値差計算部によって計算されたセンサ組合せごとの計測値差から、センサ組合せごとに計測値差残差を計算し、計算されたセンサ組合せごとの計測値差残差から、受信センサごとに残差和を計算する残差和計算部と、残差和計算部によって計算された受信センサごとの残差和のうちの最大残差和を選択する最大残差和選択部と、最大残差和選択部によって選択された最大残差和が閾値よりも大きいか否かを判定する閾値判定部と、閾値判定部によって閾値よりも大きいと判定された最大残差和をとる受信センサを除外し、除外された受信センサに対応する計測値を外れ値として、複数の計測値の中から外れ値を除外する外れ値除外部と、を有するものである。
また、本発明における測位方法は、発信機からの信号を受信する複数の受信センサによって計測される複数の計測値の中から外れ値を除外する外れ値除外処理ステップと、外れ値除外処理ステップで外れ値が除外された後の複数の計測値から、発信機の位置を計測する測位計算ステップと、を備え、外れ値除外処理ステップは、複数の受信センサから異なる2個を選ぶセンサ組合せごとに、センサ組合せを構成する一方の受信センサによって計測された計測値と、他方の受信センサによって計測された計測値との差である計測値差を計算する計測値差計算ステップと、計測値差計算ステップで計算されたセンサ組合せごとの計測値差から、センサ組合せごとに計測値差残差を計算し、計算されたセンサ組合せごとの計測値差残差から、受信センサごとに残差和を計算する残差和計算ステップと、残差和計算ステップで計算された受信センサごとの残差和のうちの最大残差和を選択する最大残差和選択ステップと、最大残差和選択ステップで選択された最大残差和が閾値よりも大きいか否かを判定する閾値判定ステップと、閾値判定ステップで閾値よりも大きいと判定された最大残差和をとる受信センサを除外し、除外された受信センサに対応する計測値を外れ値として、複数の計測値の中から外れ値を除外する外れ値除外ステップと、を有するものである。
本発明によれば、発信機からの信号を受信する複数の受信センサから異なる2個を選ぶセンサ組合せごとに、センサ組合せを構成する一方の受信センサによって計測された計測値と、他方の受信センサによって計測された計測値との差である計測値差を用いて、複数の計測値の中から外れ値を除外するように構成されている。これにより、受信センサで受信した受信信号の電力情報を用いなくても、複数の計測値から外れ値を除外可能な測位装置および測位方法を得ることができる。
本発明の実施の形態1における測位装置を含む測位システムを示す構成図である。 本発明の実施の形態1における測位処理部の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における外れ値除外処理部の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における測位処理部に入力される観測位相の中に外れ値が存在する具体例を示す説明図である。 本発明の実施の形態1におけるセンサ組合せの概念を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における残差和計算処理の手法の概念を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における閾値判定処理の手法の概念を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における受信センサ除外処理の手法の概念を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における測位処理部の構成の別例を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における測位処理部の一連の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1における外れ値除外処理部の一連の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1における計算機シミュレーションを行う際の各発信機および各受信センサの位置座標を示す座標図である。 図12に示す状態において、外れ値除外処理部によって計算される各受信センサに対応する残差和を示すグラフである。 図12に示す状態において、外れ値除外処理部によって計算される各受信センサに対応する残差和を示すグラフである。 図12に示す状態において、外れ値除外処理部によって計算される各受信センサに対応する残差和を示すグラフである。 図12に示す状態において、測位処理部によって計算される特定の発信機の測位結果を示すグラフである。 図12に示す状態において、測位処理部によって計算される特定の発信機の測位結果を示すグラフである。 図16のグラフを移動平均処理した後のグラフである。 図17のグラフを移動平均処理した後のグラフである。 図16のグラフの比較例を示すグラフである。 図17のグラフの比較例を示すグラフである。 図20のグラフを移動平均処理した後のグラフである。 図21のグラフを移動平均処理した後のグラフである。
以下、本発明による測位装置および測位方法を、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一部分または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態では、斜面の変位を計測する特許文献1に記載の測位システムに本願発明を適用する場合を例示する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における測位装置5を含む測位システムを示す構成図である。図1における測位システムは、斜面内の地滑りエリア等の計測エリア2に設置された複数の発信機3と、斜面の静止エリア1に設置された複数の受信センサ4と、測位装置5とを備える。なお、説明を分かりやすくするために、各発信機3を区別する必要がある場合、発信機T1、・・・、Tl、・・・、TL(1≦L)と表記する。同様に、各受信センサ4を区別する必要がある場合、受信センサR1、・・・、Rm、・・・、RM(1<M)と表記する。
計測エリア2内の複数の観測点に設置された発信機3は、各発信機3に割り当てられたわずかに異なる固有の周波数の電波を発信する。各発信機3からの電波は、静止エリア1に設置された複数の受信センサ4によって受信され、RFケーブル等で測位装置5に導かれる。なお、ここでは、発信機3によって発信される信号が電波である場合を例示しているので、受信センサ4としては、受信アンテナを用いればよい。
なお、ここでは、説明を分かりやすくするために、発信機3からの送信信号の波形が正弦波であるものとして説明する。また、発信機Tlにおいて、位置座標を(xl,yl,zl)、発信周波数をfl、送信信号位相をψlと表記する。さらに、受信センサRmにおいて、位置座標を(Xm,Ym,Zm)と表記する。
測位装置5は、複数の受信機6と、複数のA/D変換器7と、複数の離散フーリエ変換部8と、複数の位相算出部9と、測位処理部10とを有する。受信センサ4と受信機6は1対1で対応しており、受信センサ4、受信機6、AD/変換器7および離散フーリエ変換部8のそれぞれの個数は同数である。
受信機6は、各受信センサ4からの受信信号を周波数変換し、周波数変換後の信号をA/D変換器7に出力する。A/D変換器7は、受信機6から入力された信号をディジタル信号に変換する。このディジタル信号は、離散フーリエ変換部8によって周波数領域に変換される。各観測点の発信機3は、わずかに異なる周波数が割り当てられているので、フーリエ変換によって各発信機3の信号を弁別することができる。このように、各受信センサ4の受信信号は、FFT処理によって発信機3ごとに分離される。
発信機3ごとに分離された各受信センサ4の受信信号は、位相算出部9に入力され、位相算出部9は、観測位相を算出する。
このとき、発信機Tlから発信される電波を受信する受信センサRmに対応する観測位相Φl,mは、以下の式(1)のようになる。
Figure 0006261836
ただし、式(1)において、(xl,yl,zl)は、発信機Tlの位置座標を示し、(Xm,Ym,Zm)は、受信センサRmの位置座標を示す。ψlは、発信機Tlの送信信号位相を示し、ξmは、受信センサRmからA/D変換器7に至る経路のケーブル遅延、または受信機6等に起因した受信系遅延位相量を示し、Nl,mは、位相整数値バイアスである。
受信センサRmの位置座標(Xm,Ym,Zm)は既知数であり、発信機Tlの位置座標(xl,yl,zl)と、発信機Tlの送信信号位相ψlと、受信系遅延位相量ξmは、未知変数である。なお、送信信号位相ψlは毎回ランダムな値をとる。よって、観測位相Φl,mも毎回ランダムな値となる。
ここで、図1に示すとおり、測位システムにおいて、L個の発信機3と、M個の受信センサ4が存在する場合を考える。この場合、観測位相の総数はL×M個であるので、式(1)の方程式の数がL×M個の連立方程式を立てることができる。なお、連立方程式の式の数が未知変数以上であれば、その連立方程式を解くことができ、さらに、L個の発信機3のうちの一部を校正局として用いることで、未知数を減らすことが可能である。
特許文献1に記載の従来技術では、L×M個の観測位相のすべてを用いて上記の連立方程式を立て、その連立方程式を解く測位演算を行うことで、各発信機3の位置を計測する。したがって、受信系遅延位相量ξmに経時変化がある場合であっても、各発信機3の測位精度の向上を図ることが可能となる。なお、上記の連立方程式の具体的な解法の詳細については、特許文献1に開示されているので、ここでは説明を省略する。
しかしながら、L×M個の観測位相の中には、マルチパス等に起因して精度が大幅に劣化している外れ値が含まれると考えられる。このような外れ値に該当する観測位相が含まれた状態で、測位演算を行うと、各発信機3の測位精度が劣化してしまう。
ここで、位相はランダムでも、位相差はランダムでないという性質に着目する。具体的には、ランダムな発信機の初期位相値は位相間の差分をとることでキャンセルされるので、同一発信機からの信号の位相差はランダムでない。したがって、位相差の時間的な推移から外れ値の特定が可能である。
そこで、本願発明では、上記の性質を利用して、L×M個の観測位相の中に含まれる外れ値を特定し、その外れ値を除外して測位演算を行うように、測位処理部10を構成している。
以下、測位処理部10の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の実施の形態1における測位処理部10の構成を示す構成図である。
図2に示すように、測位処理部10は、外れ値除外処理部11と、予測値計算部12と、メモリトラック判定部13と、測位計算部14とを有する。測位処理部10は、例えば、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPUと、システムLSI等の処理回路によって実現される。
外れ値除外処理部11は、複数の位相算出部9から入力されたL×M個の観測位相Φ1,1〜ΦL,Mに対して、発信機3ごとに外れ値除外処理を行うことで、観測位相Φ1,1〜ΦL,Mに含まれる外れ値を除外し、外れ値が除外された観測位相を出力する。
ここで、外れ値除外処理について、図3〜図8を参照しながら説明する。図3は、本発明の実施の形態1における外れ値除外処理部11の構成を示す構成図である。
図3に示すように、外れ値除外処理部11は、計測値差計算部111と、残差和計算部112と、最大残差和選択部113と、閾値判定部114と、外れ値除外部115と、処理終了判定部116と、発信機番号指定部117と、記憶部118とを有する。
図4は、本発明の実施の形態1における測位処理部10に入力される観測位相の中に外れ値が存在する具体例を示す説明図である。
ここで、発信機3ごとに行われる外れ値除外処理を説明するにあたって、外れ値除外処理は、発信機3ごとに行われるので、発信機Tに付したインデックスlを省略する。また、図4に示すように、具体例として、受信センサ4の個数についてM=4とし、発信機Tからの電波の受信センサR1、R2、R3、R4に対応する観測位相のうちの受信センサR3に対応する観測位相が外れ値であるものとする。
計測値差計算部111は、複数の受信センサ4から異なる2個を選ぶセンサ組合せごとに、そのセンサ組合せを構成する一方の受信センサ4によって計測された計測値と、他方の受信センサ4によって計測された計測値との差である計測値差を計算する。残差和計算部112は、センサ組合せごとに、計測値差の予測値と計測値差との残差である計測値差残差を計算する。なお、計測値差の予測値は、後述する予測値計算部12によって計算される。
ここでは、受信センサ4によって計測された計測値は、観測位相であるので、計測値差計算部111は、センサ組合せごとに、以下の式(2)に従って、位相差を計測値差として計算する。また、残差和計算部112は、センサ組合せごとに、以下の式(3)に従って、位相差残差を計測値差残差として計算する。
Figure 0006261836
ただし、上式において、m1およびm2は、センサ組合せを構成する一方の受信センサRm1および他方の受信センサRm2に対応する。Φm1は、受信センサRm1に対応する観測位相を示し、Φm2は、受信センサRm2に対応する観測位相を示し、φm1,m2は、Φm1とΦm2との差である位相差を示す。また、φ(バー)m1,m2はφm1,m2の予測値を示し、zm1,m2は、φ(バー)m1,m2とφm1,m2との位相差残差を示す。なお、位相差の予測値は、後述する予測値計算部12によって計算される。
図5は、本発明の実施の形態1におけるセンサ組合せの概念を示す説明図である。例えば、上記の図4に示す状況のとき、センサ組合せの総数は、以下の式(4)のとおり、「6」となり、各センサ組合せは、図5に示すとおり、(R1,R2)、(R1,R3)、(R1,R4)、(R2,R3)、(R2,R4)、(R3,R4)となる。この場合、センサ組合せに対応する位相差φ1,2、φ1,3、φ1,4、φ2,3、φ2,4、φ3,4が計算されるとともに、センサ組合せに対応する位相差残差z1,2、z1,3、z1,4、z2,3、z2,4、z3,4が計算される。
Figure 0006261836
ここで、仮に、式(3)で計算された位相差残差が大きい場合、位相差を計算する際に用いた2つの観測位相のうちのどちらが、位相差残差が大きくなる原因となっているか判別することができない。
そこで、残差和計算部112は、位相差残差に対応するセンサ組合せを構成する2つの受信センサ4のそれぞれにその位相差残差を加算する処理を、計算されたすべての位相差残差について行う残差和計算処理を行う。残差和計算部112は、このような残差和計算処理を行うことで、受信センサ4ごとに残差和を計算する。
具体的には、残差和計算部112は、以下の式(5)に従って、受信センサ4ごとに残差和を計算する。なお、各受信センサ4において、対応する残差和は、加算される位相差残差の総数で割ることで、平均化されている。
Figure 0006261836
ただし、式(5)において、zmは、受信センサRmに対応する残差和を示し、Nmは、受信センサRmにおいて加算される位相差残差の総数を示し、Ccombは、すべてのセンサ組合せを示す。
図6は、本発明の実施の形態1における残差和計算処理の手法の概念を示す説明図である。例えば、上記の図4に示す状況のとき、図6に示すとおり、位相差残差z1,2に着目すると、その位相差残差z1,2に対応するセンサ組合せを構成する2つの受信センサR1、R2のそれぞれにその位相差残差z1,2が加算される。同様に、位相差残差z1,4に着目すると、その位相差残差z1,4に対応するセンサ組合せを構成する2つの受信センサR1、R4のそれぞれにその位相差残差z1,4が加算される。このように、式(5)に従った残差和計算処理が行われることで、受信センサR1、R2、R3、R4に対応する残差和z1、z2、z3、z4が計算される。
ここで、仮に、各受信センサ4に対応する残差和について、以下の式(6)に従って閾値判定を行い、残差和が閾値ζよりも大きい受信センサ4に対応する観測位相を外れ値とみなす場合を考える。この場合、閾値ζの値を設定することが難しい。
Figure 0006261836
図7は、本発明の実施の形態1における閾値判定処理の手法の概念を示す説明図である。例えば、上記の図4に示す状況のとき、受信センサR3に対応する観測位相が外れ値である。また、残差和計算処理では、観測位相が外れ値でない受信センサR1、R2、R4に、受信センサR3に対応する観測位相が外れ値であることに起因した大きな位相差残差z1,3、z2,3、z3,4がそれぞれ加算されることとなる。
したがって、図7に示すとおり、閾値ζの設定によっては、観測位相が外れ値でない受信センサR1、R2、R4についても、残差和が閾値ζよりも大きくなり、その結果、受信センサR1、R2、R4に対応する観測位相を外れ値であるとみなす可能性がある。
例えば、観測位相の計測精度σΦを用いて、位相差の計測精度σ(=√2×σΦ)を求め、3σの値を閾値ζとして設定した場合であっても、観測位相が外れ値である受信センサR3以外の受信センサR1、R2、R4に対応する残差和が閾値ζよりも大きくなってしまう。ここで、閾値ζをより大きくすればよいという考え方もある。しかしながら、外れ値が真値に対してどの程度外れているかの先験情報がなければ、閾値ζをどの程度大きくすればよいか判断することができない。また、外れ値の数が多いほど、このような状況がさらに顕著になる。
そこで、本実施の形態1では、各受信センサ4に対応する残差和を計算し、計算された残差和のうちの閾値ζよりも大きい残差和の中で最大の残差和をとる受信センサ4を除外し、除外後の各受信センサ4に対応する残差和を再度計算する処理を、閾値ζよりも大きい残差和が存在しなくなるまで繰り返すように構成している。
最大残差和選択部113は、残差和計算部112によって計算された各受信センサ4に対応する残差和のうちの最大の残差和を最大残差和として選択する。閾値判定部114は、最大残差和選択部113によって選択された最大残差和が式(6)を満たすか否かを判定する。
外れ値除外部115は、閾値判定部114によって、式(6)を満たさない、すなわち、閾値ζよりも大きいと判定された最大残差和をとる受信センサ4を除外する。また、外れ値除外部115は、除外された受信センサ4に対応する観測位相を外れ値として、観測位相の中から外れ値を除外する。残差和計算部112は、外れ値除外部115によって除外された受信センサ4以外の残りの各受信センサ4に対応する残差和を再度計算する。
このように、残差和計算部112は計算されたセンサ組合せごとの計測値差残差から、受信センサ4ごとに残差和を計算する。また、最大残差和選択部113は、残差和計算部112によって計算された受信センサ4ごとの残差和のうちの最大残差和を選択する。閾値判定部114は、最大残差和選択部113によって選択された最大残差和が閾値ζよりも大きいか否かを判定する。また、外れ値除外部115は、閾値判定部114によって閾値ζよりも大きいと判定された最大残差和をとる受信センサ4を除外し、除外された受信センサ4に対応する計測値を外れ値として、複数の計測値の中から外れ値を除外する。
また、残差和計算部112による動作と、最大残差和選択部113による動作と、閾値判定部114による動作と、外れ値除外部115による動作とからなる処理が、閾値判定部114によって最大残差和が閾値未満であると判定されるまで、繰り返し実行されるように構成されている。
図8は、本発明の実施の形態1における受信センサ除外処理の手法の概念を示す説明図である。例えば、上記の図4に示す状況のとき、図8に示すとおり、各受信センサ4に対応する残差和がすべて閾値ζよりも大きい。この場合、最大残差和選択部113は、各受信センサ4に対応する残差和のうち、受信センサR3に対応する残差和を最大残差和とする。
続いて、受信センサR3に対応する残差和が閾値ζよりも大きいので、閾値判定部114は、最大残差和選択部113によって選択された最大残差和が閾値ζよりも大きいと判定する。外れ値除外部115は、閾値判定部114によって閾値ζよりも大きいと判定された最大残差和をとる受信センサ4として、受信センサR3を除外する。
残差和計算部112は、外れ値除外部115によって除外された受信センサR3以外の残りの受信センサR1、R2、R4に対応する残差和を再度計算する。すなわち、残差和計算部112は、受信センサR3を含むセンサ組合せを除外した残りのセンサ組合せを基に、残差和計算処理を行うことで、残りの受信センサR1、R2、R4に対応する残差和を再度計算する。このように計算することで得られた残りの受信センサR1、R2、R4に対応する残差和は、閾値ζを下回るので、処理が終了となる。
このように、1回の処理を行うことで、閾値ζよりも大きい最大残差和をとる受信センサ4を特定することができ、その受信センサ4に対応する観測位相を外れ値とすることができる。したがって、本処理を外れ値の数だけ行えば、すべての外れ値を特定することができる。
外れ値除外処理部11は、複数の位相算出部9から入力されたL×M個の観測位相Φ1,1〜ΦL,Mに対して、以上に示す外れ値除外処理を発信機3ごとに行うことで、観測位相Φ1,1〜ΦL,Mに含まれる外れ値を特定し、観測位相Φ1,1〜ΦL,Mの中から特定した外れ値を除外する。また、外れ値除外処理部11は、外れ値が除外された観測位相を出力する。
なお、ここでは、説明を分かりやすくするため、残差和計算部112は、計算されたセンサ組合せごとの計測値差残差から、受信センサ4ごとに、対応する計測値差残差を加算することで、残差和を計算するように構成される場合を例示している。すなわち、式(3)および式(5)から分かるように、残差二次形式を用いずに、単純に予測値と実測値との差の絶対値の加算平均を用いて、各受信センサ4に対応する残差和を計算するように構成する場合を例示している。
しかしながら、各受信センサ4に対応する残差和をより厳密に計算したいのであれば、残差二次形式を用いてもよい。この場合、式(3)、式(5)および式(6)の代わりに、以下の式(7)〜式(9)を用いて、外れ値除外処理を行うように構成する。
Figure 0006261836
ただし、式(9)において、γは、ゲートサイズパラメータと呼ばれる閾値パラメータである。
このように、残差和計算部112は、計算されたセンサ組合せごとの計測値差残差から、受信センサ4ごとに、対応する計測値差残差の2乗値を加算することで、残差和を計算するように構成されてもよい。
図2の説明に戻り、予測値計算部12は、外れ値除外処理部11から入力された位相差を用いて、追尾処理を行うことで、位相差の予測値を計算する。なお、予測値計算部12として、例えば、追尾フィルタを用いることができる。例えば、αフィルタで追尾処理を行う場合には、以下の式(10)および式(11)に従う。なお、αフィルタの代わりに、α−βフィルタまたはカルマンフィルタ等を用いてもよい。
Figure 0006261836
図9は、本発明の実施の形態1における測位処理部10の構成の別例を示す構成図である。なお、ここでは、追尾処理を行うことで位相差の予測値を計算する場合を例示している。しかしながら、図9に示すとおり、測位処理部10において、追尾処理の代わりに、測位結果から位相差の予測値を計算するように、予測値計算部12を構成してもよい。
図9において、予測値計算部12は、以下の式(12)および式(13)に従って、位相差の予測値を計算する。なお、ここでは、説明を分かりやすくするために、発信機Tに付したインデックスlを省略し、整数値バイアスが正しく解けていると仮定している。
Figure 0006261836
なお、各発信機3の位置を計測するための連立方程式において、観測位相から外れ値が除外されると観測位相の総数が減るので、その連立方程式の式の数も減る。この場合、連立方程式の解の精度が劣化する恐れがある。
そこで、本実施の形態1では、外れ値が除外された後の観測位相を用いて立てられる連立方程式を解く場合のDOP(Dilution of Precision)を評価し、評価結果に従って、各発信機3の位置を計測するように構成されている。
メモリトラック判定部13は、外れ値が除外された後の観測位相を用いて立てられる連立方程式を解く場合のDOPを計算し、そのDOPとDOPallとを比較することで、そのDOPが十分に小さいか判断する。なお、DOPallは、外れ値が除外される前の観測位相を用いて立てられる連立方程式を解く場合のDOPである。
具体的には、メモリトラック判定部13は、以下の式(14)に従って、外れ値が除外された後の観測位相を用いて立てられる連立方程式を解く場合のDOPがκDOPallよりも大きければ、そのDOPが十分に小さくないと判断する。なお、設定パラメータκについて、κ≧1を満たす。
Figure 0006261836
この場合、メモリトラック判定部13は、メモリトラック処理を行い、その処理結果を測位結果として出力し、測位計算部14は、動作しない。
一方、メモリトラック判定部13は、外れ値が除外された後の観測位相を用いて立てられる連立方程式を解く場合のDOPがκDOPall未満であれば、そのDOPが十分に小さいと判断する。この場合、測位計算部14は、外れ値が除外された後の観測位相を用いて立てられる連立方程式を解くことで、各発信機3の位置を計測し、その測位結果を出力する。
次に、本実施の形態1における測位処理部10の一連の動作について、図10を参照しながら説明する。図10は、本発明の実施の形態1における測位処理部10の一連の動作を示すフローチャートである。
ステップS101において、外れ値除外処理部11には、時刻kの観測位相が入力され、処理がステップS102へと進む。
ステップS102において、予測値計算部12は、外れ値除外処理部11から入力された時刻k−1の位相差を用いて、追尾処理を行うことで、時刻kの位相差の予測値を計算し、処理がステップS103へと進む。
ステップS103において、外れ値除外処理部11は、外れ値除外処理を行い、処理がステップS104へと進む。
ここで、外れ値除外処理部11による外れ値除外処理について、図11を参照しながら説明する。図11は、本発明の実施の形態1における外れ値除外処理部11の一連の動作を示すフローチャートである。
ステップS201において、計測値差計算部111には、時刻kの観測位相が入力され、処理がステップS202へと進む。また、記憶部118は、入力された時刻kの観測位相を記憶する。
ステップS202において、発信機番号指定部117は、発信機番号を示す変数jについて、j=1に指定し、処理がステップS203へと進む。
ステップS203において、計測値差計算部111は、発信機Tjについて、センサ組合せごとに時刻kの位相差を計算する。さらに、残差和計算部112は、その時刻kの位相差と、ステップS102で計算された時刻kの位相差の予測値とから、センサ組合せごとに、時刻kの位相差残差を計算し、処理がステップS204へと進む。
ステップS204において、残差和計算部112は、ステップS203でセンサ組合せごとに計算された時刻kの位相差残差を用いて、受信センサ4ごとに残差和を計算し、処理がステップS205へと進む。
ステップS205において、最大残差和選択部113は、ステップS204で受信センサ4ごとに計算された残差和の中から、最大残差和を選択し、処理がステップS206へと進む。
ステップS206において、閾値判定部114は、ステップS205で選択された最大残差和が閾値ζよりも大きいか否かを判定する。最大残差和が閾値ζよりも大きい(すなわち、Yes)と判定された場合には、処理がステップS207へと進む。一方、最大残差和が閾値ζ未満(すなわち、No)と判定された場合には、処理がステップS208へと進む。
ステップS207において、外れ値除外部115は、ステップS205で選択された最大残差和をとる受信センサ4を除外し、処理がステップS204へと戻り、ステップS204以降の処理が再度行われる。また、記憶部118は、外れ値除外部115によって外れ値が除外された後の観測位相を記憶する。
このように、最大残差和が閾値ζ未満となるまで、ステップS204〜ステップS207の処理が繰り返し行われる。
ステップS208において、処理終了判定部116は、すべての発信機3について処理が終了したか否かを判定する。処理終了である(すなわち、Yes)と判定された場合には、一連の処理が終了となる。一方、処理終了でない(すなわち、No)と判定された場合には、ステップS209へと進む。
ステップS209において、発信機番号指定部117は、変数jについて、j=j+1に指定し、処理がステップS203へと戻り、次の発信機Tj+1について、ステップS203以降の処理が再度行われる。
このように、すべての発信機3について外れ値除外処理が行われるまで、ステップS203〜ステップS209の処理が繰り返し行われる。
図10の説明に戻り、ステップS104において、メモリトラック判定部13は、ステップS103で特定された外れ値を除外した後の観測位相を用いて立てられる連立方程式について、DOPを計算し、処理がステップS105へと進む。
ステップS105において、メモリトラック判定部13は、ステップS104で計算されたDOPが十分小さいか否かを判定する。DOPが十分小さい(すなわち、Yes)と判定された場合には、処理がステップS106へと進む。一方、DOPが十分小さくない(すなわち、No)と判定された場合には、処理がステップS107へと進む。
ステップS106において、測位計算部14は、ステップS103で特定された外れ値を除外した後の観測位相を用いて立てられる連立方程式を解くことで、各発信機3の位置を計測し、その測位計算によって得られる測位結果を出力し、処理がステップS108へと進む。
ステップS107において、メモリトラック判定部13は、メモリトラック処理を行い、その処理結果を測位結果として出力し、処理がステップS108へと進む。
ステップS108において、測位処理部10は、ステップS106またはステップS107で得られた測位結果を、例えば表示装置を介して表示し、処理がステップS109へと進む。
ステップS109において、測位処理部10は、処理を終了させるか否かを判定する。処理を終了させる(すなわち、Yes)と判定された場合には、一連の処理が終了となる。一方、処理を終了させないと判定された場合には、処理がステップS110へと進む。
ステップS110において、測位処理部10は、時刻kについて、k=k+1に設定し、処理がステップS101へと戻り、時刻k+1の観測位相について、ステップS101以降の処理が再度行われる。
このように、時刻kが設定値に達して処理が終了となるまで、ステップS101〜ステップS110の処理が繰り返し行われる。
次に、計算機シミュレーションに従って、本実施の形態1における測位装置5を動作させたときに得られる結果について、図12〜図23を参照しながら説明する。図12は、本発明の実施の形態1における計算機シミュレーションを行う際の各発信機3および各受信センサ4の位置座標を示す座標図である。
なお、計算機シミュレーションでは、図12に示すように、発信機T1〜T6と、受信センサR1〜R8を使用し、さらに、発信機T1は、校正用発信機であるものとする。また、観測位相の誤差の標準偏差は、3/√2degであり、位相差の誤差の標準偏差は、3degであるものとする。さらに、時刻k=60の観測位相が測位処理部10に入力されるとき、発信機T3からの電波を受信する受信センサR3に対応する観測位相Φ3,3と、発信機T3からの電波を受信する受信センサR5に対応する観測位相Φ3,5とは、外れ値であるものとする。
図13〜図15は、図12に示す状態において、外れ値除外処理部11によって計算される各受信センサ4に対応する残差和を示すグラフである。
時刻k=60の場合において、外れ値除外処理部11は、図11のフローチャートの処理を実行する。特に、変数jがj=3に達したとき、発信機T3について、ステップS203以降の処理が実行される。ステップS203およびステップS204が順次実行されれば、図13に示すとおり、各受信センサR1〜R8に対応する残差和が計算される。また、図13から分かるように、受信センサR5が最大残差和をとり、さらに、その最大残差和は閾値ζよりも大きい。
続いて、図13に示す状態において、ステップS205〜ステップS207が順次実行されれば、閾値ζよりも大きい最大残差和をとる受信センサR5が除外される。つまり、外れ値除外処理部11は、観測位相Φ3,5が外れ値であると特定している。その後、ステップS204が実行されれば、図14に示すとおり、除外された受信センサR5以外の残りの受信センサR1〜R4、R6〜R8に対応する残差和が計算される。また、図14から分かるように、受信センサR3が最大残差和をとり、さらに、その最大残差和は閾値ζよりも大きい。
続いて、図14に示す状態において、ステップS205〜ステップS207が順次実行されれば、閾値ζよりも大きい最大残差和をとる受信センサR3が除外される。つまり、外れ値除外処理部11は、観測位相Φ3,3が外れ値であると特定している。その後、ステップS204が実行されれば、図15に示すとおり、除外された受信センサR3以外の残りの受信センサR1、R2、R4、R6〜R8に対応する残差和が計算される。また、図15から分かるように、受信センサR2が最大残差和をとり、さらに、その最大残差和は閾値ζ未満である。
続いて、図15に示す状態において、ステップS205、ステップS206、ステップS208およびステップS209が順次実行され、発信機T4について、ステップS203以降の処理が実行される。
以上、図13〜図15から、外れ値除外処理部11は、外れ値除外処理を実行することで、観測位相Φ3,3および観測位相Φ3,5が外れ値であることを正確に特定することができることが分かる。
図16および図17は、図12に示す状態において、測位処理部10によって計算される特定の発信機T3の測位結果を示すグラフである。図18は、図16のグラフを移動平均処理した後のグラフである。図19は、図17のグラフを移動平均処理した後のグラフである。
なお、図16では、時刻k=0の測位結果におけるx座標の値を基準として、その基準に対して、各時刻kの測位結果におけるx座標の値がどの程度変化しているかを変位xhで示している。同様に、図17では、時刻k=0の測位結果におけるy座標の値を基準として、その基準に対して、各時刻kの測位結果におけるy座標の値がどの程度変化しているかを変位yhで示している。
ここで、本実施の形態1における測位処理装置の比較例として、外れ値除外処理が行われていない場合に得られる発信機T3の測位結果について、図20〜図23に示す。
図20は、図16のグラフの比較例を示すグラフである。図21は、図17のグラフの比較例を示すグラフである。図22は、図20のグラフを移動平均処理した後のグラフである。図23は、図21のグラフを移動平均処理した後のグラフである。
例えば、図16〜図23の各グラフにおいて、時刻k=60に着目する。ここで、時刻k=60は、上述したとおり、観測位相に外れ値が含まれる時刻である。
図20〜図23から、外れ値除外処理が行われていない場合、時刻k=60において、外れ値が除外されていないことに起因して、変位計測誤差が増大していることが分かる。これに対して、図16〜図19から、外れ値除外処理が行われている場合、時刻k=60において、外れ値が除外されていることから、変位計測誤差が増大しておらず、比較例と比べて、測位精度が良好であることが分かる。
以上、本実施の形態1によれば、発信機からの信号を受信する複数の受信センサから異なる2個を選ぶセンサ組合せごとに、センサ組合せを構成する一方の受信センサによって計測された計測値と、他方の受信センサによって計測された計測値との差である計測値差を用いて、複数の計測値の中から外れ値を除外するように構成されている。なお、本実施の形態1では、計測値が観測位相である場合を例示している。
これにより、受信センサで受信した受信信号の電力情報を用いなくても、複数の計測値から外れ値を除外可能な測位装置を得ることができる。
また、受信機間での観測位相の差、すなわち、位相差を用い、受信機の組み合わせを変えて異なる受信機間の位相差の時間的な推移をモニタするように構成されているので、他の観測位相と比べて著しく値の異なる観測位相、すなわち、外れ値を特定することができる。
実施の形態2.
なお、先の実施の形態1では、受信センサ4によって計測された計測値が観測位相である場合を例示したが、受信センサ4によって計測された計測値が時間計測値であっても、本願発明を適用可能である。この場合、時間計測値TOAは、以下の式(15)で与えられる。
Figure 0006261836
ただし、cは光速を示し、μl及びηmはそれぞれ発信機Tl、および受信センサRmに対応する受信機内で生じる何らかの時間遅延を示す。
また、外れ値除外処理部11は、観測位相の代わりに、時間計測値TOAに対して、先の実施の形態1と同様の外れ値除外処理を行う。
実施の形態3.
なお、先の実施の形態1では、受信センサ4によって計測された計測値が観測位相である場合を例示したが、受信センサ4によって計測された計測値がドップラー計測値であっても、本願発明を適用可能である。この場合、ドップラー計測値FOAは、以下の式(16)で与えられる。
Figure 0006261836
ただし、
Figure 0006261836
は、発信機Tlの3次元速度ベクトルを示し、pl=[xlllTは発信機Tlの3次元位置ベクトル、Pm=[XmmmTは受信センサRmの3次元位置ベクトルである。また、λは波長を示し、ρlおよびυmはそれぞれ発信機Tl、および受信センサRmに対応する受信機内で生じる何らかの周波数シフト値である。
また、外れ値除外処理部11は、観測位相の代わりに、ドップラー計測値FOAに対して、先の実施の形態1と同様の外れ値除外処理を行う。
なお、本願発明は、斜面のモニタリングだけでなく、橋梁、ダム、トンネルなど、あらゆる構造物のモニタリングにも適用可能である。また、GPS等の測位システムにおいても、位相を用いており、このような測位システムにも本願発明を適用可能である。このように、本願発明は、幅広い分野への応用が可能である。

Claims (8)

  1. 発信機からの信号を受信する複数の受信センサによって計測される複数の計測値から、発信機の位置を計測する測位装置であって、
    前記複数の計測値の中から外れ値を除外する外れ値除外処理部と、
    前記外れ値除外処理部によって前記外れ値が除外された後の前記複数の計測値から、前記発信機の位置を計測する測位計算部と、
    を備え、
    前記外れ値除外処理部は、
    前記複数の受信センサから異なる2個を選ぶセンサ組合せごとに、前記センサ組合せを構成する一方の受信センサによって計測された計測値と、他方の受信センサによって計測された計測値との差である計測値差を計算する計測値差計算部と、
    前記計測値差計算部によって計算された前記センサ組合せごとの計測値差から、前記センサ組合せごとに計測値差残差を計算し、計算された前記センサ組合せごとの計測値差残差から、受信センサごとに残差和を計算する残差和計算部と、
    前記残差和計算部によって計算された前記受信センサごとの残差和のうちの最大残差和を選択する最大残差和選択部と、
    前記最大残差和選択部によって選択された前記最大残差和が閾値よりも大きいか否かを判定する閾値判定部と、
    前記閾値判定部によって前記閾値よりも大きいと判定された前記最大残差和をとる受信センサを除外し、除外された前記受信センサに対応する計測値を前記外れ値として、前記複数の計測値の中から前記外れ値を除外する外れ値除外部と、
    を有する測位装置。
  2. 前記残差和計算部による動作と、前記最大残差和選択部による動作と、前記閾値判定部による動作と、前記外れ値除外部による動作とからなる処理が、前記閾値判定部によって前記最大残差和が閾値未満であると判定されるまで、繰り返し実行されるように構成されている
    請求項1に記載の測位装置。
  3. 前記残差和計算部は、
    計算された前記センサ組合せごとの計測値差残差から、受信センサごとに、対応する計測値差残差を加算することで、前記残差和を計算する
    請求項1または2に記載の測位装置。
  4. 前記残差和計算部は、
    計算された前記センサ組合せごとの計測値差残差から、受信センサごとに、対応する計測値差残差の2乗値を加算することで、前記残差和を計算する
    請求項1または2に記載の測位装置。
  5. 前記計測値は、観測位相である
    請求項1から4のいずれか1項に記載の測位装置。
  6. 前記計測値は、時間計測値である
    請求項1から4のいずれか1項に記載の測位装置。
  7. 前記計測値は、ドップラー計測値である
    請求項1から4のいずれか1項に記載の測位装置。
  8. 発信機からの信号を受信する複数の受信センサによって計測される複数の計測値の中から外れ値を除外する外れ値除外処理ステップと、
    前記外れ値除外処理ステップで前記外れ値が除外された後の前記複数の計測値から、前記発信機の位置を計測する測位計算ステップと、
    を備え、
    前記外れ値除外処理ステップは、
    前記複数の受信センサから異なる2個を選ぶセンサ組合せごとに、前記センサ組合せを構成する一方の受信センサによって計測された計測値と、他方の受信センサによって計測された計測値との差である計測値差を計算する計測値差計算ステップと、
    前記計測値差計算ステップで計算された前記センサ組合せごとの計測値差から、前記センサ組合せごとに計測値差残差を計算し、計算された前記センサ組合せごとの計測値差残差から、受信センサごとに残差和を計算する残差和計算ステップと、
    前記残差和計算ステップで計算された前記受信センサごとの残差和のうちの最大残差和を選択する最大残差和選択ステップと、
    前記最大残差和選択ステップで選択された前記最大残差和が閾値よりも大きいか否かを判定する閾値判定ステップと、
    前記閾値判定ステップで前記閾値よりも大きいと判定された前記最大残差和をとる受信センサを除外し、除外された前記受信センサに対応する計測値を前記外れ値として、前記複数の計測値の中から外れ値を除外する外れ値除外ステップと、
    を有する測位方法。
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