JP6261115B2 - 粘着シート - Google Patents

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本発明は、粘着シートに関する。
従来より、半導体ウエハの加工においては、半導体ウエハの保護および/または固定のために粘着シートが用いられている。
例えば、所望の厚さにまで半導体ウエハの裏面を研削するバックグラインド工程においては、半導体ウエハを固定し、また研削面とは反対側の面を保護するために、粘着シートが用いられている。バックグラインド工程においては、半導体ウエハ表面の凹凸に起因して、研削時の応力が面内で不均一になり、その結果、研削精度が低下し、平滑性が低下するという問題ある。そのため、バックグラインド工程で用いられる粘着シートは、半導体ウエハの凹凸を埋めるようにして段差に追従することが求められる。近年の半導体ウエハの薄型化に伴い、バックグラインド工程で用いられる粘着シートには、より優れた凹凸追従性が求められている。
また、半導体ウエハは、種々の工程を経て加工されるが、各工程において、粘着シートに求められる特性は異なる。例えば、バックグラインド工程で用いられる粘着シートは、上記のように凹凸追従性が求められる一方で、バックグラインド工程後の露光現像工程、イオン注入工程で用いられる粘着シートは、耐熱性および耐薬品性が求められる。そのため、従来は、各工程に適した粘着シートを、工程毎に貼り替えるということが行われており、作業性が悪い、製造コストが高くなるという問題がある。
特開2010−258426号公報 特開2003−173994号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、凹凸追従性、耐熱性および耐薬品性のすべてに優れ、半導体ウエハ加工時の複数の工程において使用可能な粘着シートを提供することにある。
本発明の粘着シートは、基材層と、紫外線硬化型粘着剤を含む粘着剤層とを備え、該粘着剤層の22℃における貯蔵弾性率G’が、30kPa以上であり、該粘着剤層の85℃における貯蔵弾性率G’が、30kPa以下であり、高圧水銀灯にて特性波長365nmの紫外線を照射積算光量300mJ/cmで照射して、該粘着剤層を硬化させた場合の該粘着剤層の22℃における引っ張り弾性率が、0.1MPa〜54MPaである。
本発明の別の局面においては半導体チップの製造方法が提供される。この半導体チップの製造方法は、上記粘着シートを半導体ウエハに貼着する工程と、該粘着シートの粘着剤層を硬化させる工程と、半導体ウエハの粘着シート貼着面とは反対側の面を研削する工程とを含む。
本発明によれば、特定の貯蔵弾性率G’を有し、かつ、紫外線照射により硬化して特定の引っ張り弾性率を発現し得る粘着剤層を備えることにより、半導体ウエハ加工時の保護・固定用として、複数の工程において使用可能な粘着シートを提供することができる。
本発明の1つの実施形態による粘着シートの概略断面図である。
A.粘着シートの全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による粘着シートの概略断面図である。粘着シート100は、基材層10と、基材層10の片面または両面(図示例では片面)に配置された粘着剤層20とを備える。粘着剤層20は、紫外線硬化型粘着剤を含む。そのため、粘着剤層20は、所定の紫外線を照射することにより、硬化させることができる。図示していないが、本発明の粘着シートは、基材層と粘着剤層との間に、下塗り層、接着剤層等の中間層が設けられていてもよい。また、基材層の外側、または基材層と粘着剤層との間に、導電性物質の蒸着層を設けてもよい。また、粘着剤層の外側に、実用に供するまで粘着剤層を保護するセパレータが設けられていてもよい。
粘着シート100の厚みは、好ましくは50μm〜500μmであり、より好ましくは150μm〜350μmである。このような範囲であれば、凹凸を有する半導体ウエハの保護・固定用粘着シートとして、該凹凸に対する追従性に優れる。また、凹凸を有する半導体ウエハに貼着した際に、基材層背面(貼着面とは反対側の面)に該凹凸の影響が生じ難い。このような粘着シートをバックグラインド工程で用いた場合、研削精度の向上に寄与し得る。
上記粘着剤層に、高圧水銀灯にて特性波長365nmの紫外線を照射積算光量300mJ/cmで照射して、該粘着剤層を硬化させた場合の上記粘着シートの22℃における粘着力は、好ましくは、0.1N/20mm〜5N/20mmであり、より好ましくは0.2N/20mm〜3N/20mmであり、特に好ましくは0.3N/20mm〜1N/20mmである。粘着剤層を硬化させる際の紫外線照射時間は、例えば、1秒〜30分である。1つの実施形態においては、照射エネルギーを54W/cmとし、紫外線照射時間を5.6秒とする。なお、本明細書において粘着力とは、ミラーウエハ(シリコン製)を試験板として、JIS Z 0237(2000)に準じた方法(貼り合わせ条件:2kgローラー1往復、エージング:測定温度下で1時間、剥離速度:300mm/min、剥離角度:90°)により測定した粘着力をいう。また、本明細書において、「特性波長365nmの紫外線」とは、波長365nmの単色成分を最も多く含む複合光(紫外線)を意味する。「特性波長365nmの紫外線」は、例えば、波長200nm〜400nmの光を含む。
B.粘着剤層
上記粘着剤層は、紫外線硬化型粘着剤を含み、紫外線照射により硬化し得る。このような粘着剤層は、紫外線照射前後の粘着剤層特性を制御することができる。本発明においては、紫外線照射前後(硬化前後)の粘着剤層の特性を特定範囲に制御することにより、半導体ウエハ加工の際の工程毎に異なる複数の所望物性を満足し得る粘着シートを得ることができる。具体的には、硬化させる前の粘着剤層は、後述のように特定の貯蔵弾性率G’を有し、該粘着剤層を備える粘着シートは、バックグラインド工程に求められる凹凸追従性に優れる。また、該粘着剤層は、後述のように、硬化することにより特定の引っ張り弾性率を発現し得る。このような粘着剤層を備える粘着シートは、イオン注入工程、露光現像工程等に求められる耐熱性および耐薬品性に優れる。粘着剤層の貯蔵弾性率G’および引っ張り弾性率は、例えば、粘着剤層中の粘着剤を構成する樹脂の種類(すなわち、該樹脂のガラス転移温度、分子量等)により制御することができる。粘着剤層中の粘着剤を構成する樹脂のガラス転移温度は、例えば、該樹脂を構成するモノマーを適切に選択して調整することができる。また、粘着剤層に架橋剤を添加して、該架橋剤の種類、添加量等により、粘着剤層硬化後の特性(例えば、引っ張り弾性率)を制御することができる。
上記粘着剤層(硬化前の粘着剤層)の22℃における貯蔵弾性率G’は、30kPa以上である。粘着剤層の22℃における貯蔵弾性率G’が30kPa未満の場合、該粘着剤層は流動性が高く、形状が保持されがたくなるおそれがある。このような粘着剤層を備える粘着シートは、例えば、ロール巻きにした場合に粘着剤層が端部からはみ出るというような不具合が生じやすくなる。上記粘着剤層の22℃における貯蔵弾性率G’は、好ましくは30kPa〜100kPaである。このような範囲であれば、粘着剤層の形状が良好に保持され、かつ、適度な粘着性を発現し得る粘着シートを得ることができる。なお、本発明において貯蔵弾性率G’は、動的粘弾性スペクトル測定により、測定することができる。
上記粘着剤層(硬化前の粘着剤層)の85℃における貯蔵弾性率G’は、30kPa以下であり、好ましくは5kPa〜30kPaである。粘着剤層の85℃における貯蔵弾性率G’がこのような範囲であれば、凹凸追従性、特に、半導体ウエハ加工において半導体ウエハに粘着シートを貼着する際の凹凸追従性に優れる粘着シートを得ることができる。本発明の粘着シートは、凹凸追従性に優れるため、凹凸を有する半導体ウエハに対して良好な粘着性を示す。また、粘着剤層の85℃における貯蔵弾性率G’が上記範囲であれば、凹凸を有する半導体ウエハに貼着した際に、基材層背面(貼着面とは反対側の面)に該凹凸の影響が生じ難い。このような粘着シートをバックグラインド工程における半導体ウエハの保護および固定のために用いた場合、凹凸に起因する研削時の応力不均一性を緩和して、研削精度を向上させることができる。
上記粘着剤層(硬化前の粘着剤層)の22℃における引っ張り弾性率は、好ましくは0.01MPa〜1MPaであり、より好ましくは0.03MPa〜0.8MPaである。引っ張り弾性率の測定方法は後述する。
上記粘着剤層に、高圧水銀灯にて特性波長365nmの紫外線を照射積算光量300mJ/cmで照射して、該粘着剤層を硬化させた場合の該粘着剤層の22℃における引っ張り弾性率は、0.1MPa〜54MPaであり、好ましくは0.2MPa〜50MPaである。このような範囲であれば、粘着力、耐熱性および耐薬品性に優れる粘着シートを得ることができる。なお、粘着剤層の引っ張り弾性率が54MPaより大きい場合、粘着剤層が脆く、粘着剤の欠け落ちが生じ、被着体を汚染するおそれがあり、また、半導体ウエハ加工用の粘着シートとして十分な粘着力が得られないおそれがある。粘着剤層の引っ張り弾性率が0.1MPaより小さい場合、粘着剤の凝集性が低くなり、耐熱性および耐薬品性が不十分となるおそれがある。
上記粘着剤層の厚みは、好ましくは10μm〜500μmであり、より好ましくは50μm〜400μmであり、特に好ましくは100μm〜300μmである。
B−1.粘着剤
上記紫外線硬化型粘着剤としては、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の適切な粘着剤が用いられ得る。
B−1−1.第1の実施形態
1つの実施形態においては、上記紫外線硬化型粘着剤は、紫外線硬化型ポリマーを含む。該紫外線硬化型ポリマーとしては、好ましくは、側鎖または末端に重合性炭素−炭素二重結合を有し、かつ、粘着性を有するポリマーが用いられる。該ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルアルキルエーテル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン−ジエンブロック共重合体等の樹脂に重合性炭素−炭素二重結合を導入したポリマーが挙げられる。なかでも好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂に重合性炭素−炭素二重結合が導入された(メタ)アクリル系ポリマーである。該(メタ)アクリル系ポリマーを用いれば、粘着剤層の貯蔵弾性率および引っ張り弾性率の調整がしやすく、また、粘着力と剥離性とのバランスに優れた粘着シートを得ることができる。なお、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルをいう。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、任意の適切な(メタ)アクリル系樹脂を採用し得る。(メタ)アクリル系樹脂アクリル系樹脂としては、例えば、炭素数が、好ましくは30個以下、より好ましくは1個〜20個、特に好ましくは4個〜18個である、直鎖または分岐のアルキル基を有するアクリル酸またはメタクリル酸のエステルの1種または2種以上を含むモノマー組成物を重合して得られる重合体が挙げられる。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、へキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基、ドデシル基等が挙げられる。
好ましくは、上記(メタ)アクリル系樹脂を形成する上記モノマー組成物中には、任意の適切な他のモノマーが含まれる。上記他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等のヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基含有モノマー等が挙げられる。カルボキシル基、ヒドロキシル基等の官能基を有するモノマーを用いれば、重合性炭素−炭素二重結合が導入されやすい(メタ)アクリル系樹脂を得ることができる。カルボキシル基またはヒドロキシル基を有するモノマーの含有割合は、上記モノマー組成物の全モノマー100重量部に対して、好ましくは4重量部〜30重量部であり、より好ましくは6重量部〜20重量部である。
また、他のモノマーとして、多官能モノマーを用いてもよい。多官能モノマーを含むモノマー組成物から形成される(メタ)アクリル系樹脂、すなわち架橋された(メタ)アクリル系樹脂を用いれば、粘着剤層の凝集力、耐熱性、接着性等を高めることができる。また、粘着剤層中の低分子量成分が少なくなるため、被着体を汚染し難い粘着シートを得ることができる。多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。多官能モノマーの含有割合は、上記モノマー組成物の全モノマー100重量部に対して、好ましくは1重量部〜100重量部であり、より好ましくは5重量部〜50重量部である。
上記(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量は、好ましくは30万以上、より好ましくは50万以上、特に好ましくは80万〜300万である。このような範囲であれば、上記範囲の貯蔵弾性率G’および引っ張り弾性率を有する粘着剤層を得ることができる。また、低分子量成分のブリードを防止して、低汚染性の粘着シートを得ることができる。(メタ)アクリル系樹脂の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、好ましくは1〜20であり、より好ましくは3〜10である。分子量分布の狭い(メタ)アクリル系樹脂を用いれば、低分子量成分のブリードを防止して、低汚染性の粘着シートを得ることができる。なお、重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定(溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン換算)により求めることができる。
上記の側鎖または末端に重合性炭素−炭素二重結合を有するポリマーは、例えば、任意の適切な重合方法により得られた樹脂と、重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物とを反応(例えば、縮合反応、付加反応)させて得ることができる。(メタ)アクリル系樹脂を用いる場合を例とすれば、任意の適切な官能基を有するモノマー由来の構成単位を有する(メタ)アクリル系樹脂(共重合体)を任意の適切な溶媒中で重合し、その後、該アクリル系樹脂の官能基と、該官能基と反応し得る重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物とを反応させることにより、上記ポリマーを得ることができる。反応させる重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物の量は、上記樹脂100重量部に対して、好ましくは4重量部〜30重量部であり、より好ましくは4重量部〜20重量部である。このような範囲であれば、上記範囲の貯蔵弾性率G’および引っ張り弾性率を有する粘着剤層を得ることができる。上記溶媒としては、例えば、酢酸エチル、メチルチルケトン、トルエン等の各種有機溶剤が挙げられる。
上記のようにして樹脂と重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物とを反応させる場合、樹脂および重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物はそれぞれ、互いに反応可能な官能基を有する。該官能基の組み合わせとしては、例えば、カルボキシル基/エポキシ基、カルボキシル基/アジリジン基、ヒドロキシル基/イソシアネート基等が挙げられる。これらの官能基の組み合わせの中でも、反応追跡の容易さから、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組み合わせが好ましい。
上記重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、例えば、メタクリロイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(2−イソシアナトエチルメタクリレート)、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。
B−1−2.第2の実施形態
別の実施形態においては、上記紫外線硬化型粘着剤は、粘着性の樹脂と架橋剤とを含む。
粘着性の樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルアルキルエーテル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン−ジエンブロック共重合体等が挙げられる。なかでも、B−1−2項で説明した(メタ)アクリル系樹脂が好ましく用いられ得る。
上記粘着剤に含まれる架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミン化合物、カルボキシル基含有樹脂等が挙げられる。架橋剤の含有割合は、上記粘着性の樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜10重量部であり、さらに好ましくは0.03重量部〜5重量部である。このような範囲であれば、上記範囲の貯蔵弾性率G’および引っ張り弾性率を有する粘着剤層を得ることができる。
B−2.その他の成分
上記粘着剤層は、その他の成分をさらに含み得る。その他の成分としては、例えば、粘着付与剤、重合開始剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤等が挙げられる。その他の成分の種類および使用量は、目的に応じて適切に選択され得る。
上記重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイソプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン類等の芳香族ケトン類;ベンジルジメチルケタール等の芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフェノン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類等が挙げられる。重合開始剤の含有割合は、上記粘着剤中の固形分(例えば、上記第1の実施形態における紫外線硬化型ポリマーまたは第2の実施形態における粘着性の樹脂)100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜20重量部であり、さらに好ましくは0.5重量部〜10重量部である。
上記のように、粘着剤として、紫外線硬化型ポリマーを含む紫外線硬化型粘着剤を用いる場合、該紫外線硬化型粘着剤と、その他の成分としての架橋剤とを併用して、粘着剤層の貯蔵弾性率G’および引っ張り弾性率を調整してもよい。紫外線硬化型ポリマーを含む紫外線硬化型粘着剤と架橋剤とを併用する場合、該架橋剤の含有割合は、紫外線硬化型ポリマー100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜10重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部〜5重量部である。架橋剤としては、B−1項で説明した架橋剤が用いられ得る。
上記粘着剤層は、紫外線硬化型化合物をさらに含んでいてもよい。紫外線硬化型化合物としては、例えば、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。またこれらのモノマーを構成単位としたオリゴマー(例えば、ウレタンオリゴマー)を用いてもよい。紫外線硬化型化合物の種類および添加量により、粘着剤層の貯蔵弾性率G’および引っ張り弾性率を制御することができる。紫外線硬化型化合物を用いる場合、該紫外線硬化型化合物の含有割合は、上記粘着剤中の固形分(例えば、上記第1の実施形態における紫外線硬化型ポリマーまたは第2の実施形態における粘着性の樹脂)100重量部に対して、好ましくは5重量部〜30重量であり、より好ましくは10重量部〜20重量部である。
C.基材層
上記基材層を構成する材料としては、任意の適切な材料が選択され得る。基材層を構成する材料としては、例えば、樹脂系材料(例えば、シート状、ネット状、織布、不織布、発泡シート)、紙、金属等が挙げられる。基材層は、単層であってもよく、同一材料または異なる材料から構成される複層であってもよい。基材層を構成する樹脂の具体例としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエーテルケトン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエーテル、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンおよびこれらの架橋体等が挙げられる。
上記基材層は、紫外線に対して透過性を有することが好ましい。基材層の波長365nmの紫外線透過率は、好ましくは40%〜100%である。透過性の高い基材層を用いれば、粘着剤層を容易に硬化させることができる。
上記基材層の厚みは、好ましくは10μm〜300μmであり、より好ましくは30μm〜200μmである。
上記基材層は、任意の適切な方法で製造することができる。例えば、カレンダー製膜、キャスティング製膜、インフレーション押し出し、Tダイ押し出し等の方法により製造することができる。また、必要に応じて、延伸処理を行って製造してもよい。
目的に応じて、上記基材層に、任意の適切な表面処理を施してもよい。該表面処理としては、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理、マット処理、コロナ放電処理、プライマー処理、架橋処理等が挙げられる。
D.粘着シートの製造方法
上記粘着シートは、例えば、基材層上に、粘着剤層形成用の組成物を塗布、乾燥して製造することができる。また、粘着シートは、別の基体上に、粘着剤層形成用の組成物を塗布、乾燥して粘着剤層を形成し、該粘着剤層を基材層に貼着して製造してもよい。
上記粘着剤層形成用の組成物は、粘着剤、溶媒、および必要に応じてその他の成分を含む。粘着剤およびその他の成分の詳細は、B項で説明したとおりである。また、粘着剤層形成用の組成物は、溶媒として、例えば、酢酸エチル、メチルチルケトン、トルエン等の各種有機溶剤を含み得る。
上記粘着剤層形成用の組成物の塗布方法としては、例えば、エアドクターコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、電着コーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティング法;フレキソ印刷等の凸版印刷法、ダイレクトグラビア印刷法、オフセットグラビア印刷法等の凹版印刷法、オフセット印刷法等の平版印刷法、スクリーン印刷法等の孔版印刷法等の印刷法が挙げられる。
上記粘着剤層形成用の組成物を塗布した後の乾燥方法としては、任意の適切な乾燥方法(例えば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥)が採用され得る。例えば、加熱乾燥の場合には、乾燥温度は代表的には70℃〜200℃であり、乾燥時間は代表的には1分〜10分である。
別の基体上に形成した粘着剤層を基材層上に転写する場合、粘着剤層と基材層とを貼り合わせて積層体を形成した後、密着化のため、該積層体を、例えば40℃〜80℃の温度下で、12時間〜80時間静置することが好ましい。
E.用途
本発明の粘着シートは、例えば、半導体チップの製造における半導体ウエハの保護および/または固定用の粘着シートとして好適に用いられる。
一例として、本発明の粘着シートを用いる半導体チップの製造方法を以下に説明する。1つの実施形態においては、半導体チップの製造方法は、本発明の粘着シートを半導体ウエハに貼着する工程と、粘着シートの粘着剤層に紫外線を照射して粘着剤層を硬化させる工程と、半導体ウエハの粘着シート貼着面とは反対側の面を研削する工程(バックグラインド工程)とを含む。
半導体ウエハと粘着シートとの貼り合わせは、任意の適切な方法により行われ得る。半導体ウエハを粘着シートに貼り合わせる際の温度は、好ましくは60℃〜90℃である。このような温度下で粘着シートを貼り合わせれば、粘着シートが半導体ウエハの凹凸に追従して、該半導体ウエハを保護する効果が顕著となる。
粘着シートを半導体ウエハに貼り合わせた後、粘着剤層に紫外線を照射する。紫外線を照射することにより粘着剤層が硬化する。本発明の粘着シートは、粘着剤層硬化前においては上記のように凹凸追従性に優れ、張り合わせ後に粘着剤層を硬化させることによりバックグラインド工程における保護・固定用シートとして適度な弾性率を発現する。紫外線の照射条件は、例えば、照射積算光量が50mJ/cm〜2000mJ/cmで、照射時間が1秒〜30分である。
上記バックグラインド工程は、任意の適切な方法により行われ得る。
上記半導体チップの製造方法は、任意の適切な工程をさらに含み得る。例えば、バックグラインド工程の後、露光現像工程、イオン注入工程、ダイシング工程等を含む。本発明の粘着シートは、硬化後の粘着剤層が上記特定の引っ張り弾性率を有するため、露光現像工程、イオン注入工程等の耐熱性および耐薬品性が求められる工程においても有効に用いられ得、工程間での粘着シートの貼り替えを省略することが可能となる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、部は重量部を意味する。
[製造例1]粘着剤溶液Aの調製
アクリル酸ブチル371部と、アクリル酸−2−ヒドロキシルエチル27部と、重合開始剤(2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN))0.8部と、溶媒(メチルエチルケトン(MEK))315部とを混合してモノマー組成物を調製した。
該モノマー組成物を、1L丸底セパラブルフラスコに、セパラブルカバー、分液ロート、温度計、窒素導入管、リービッヒ冷却器、バキュームシール、攪拌棒、攪拌羽が装備された重合用実験装置に投入し、撹拌しながら、常温で6時間、窒素置換した。その後、窒素を流入下、攪拌しながら、65℃下で6時間保持して重合し、樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液を室温まで冷却した。その後、該樹脂溶液に、重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物として、2−イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工社製、商品名「カレンズMOI」)18部を加えた。さらに、ジラウリン酸ジブチルスズIV(和光純薬工業社製)0.11部を添加し、空気雰囲気下、50℃で24時間攪拌した。その後、重合禁止剤(チバ・ジャパン社製商品名「イルガノックス1010」)0.42部を添加して、紫外線硬化型ポリマーaを含む粘着剤溶液Aを得た。
[製造例2]粘着剤溶液Bの調製
アクリル酸−2−エチルヘキシル371部と、アクリル酸−2−ヒドロキシルエチル27部と、重合開始剤(2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN))0.8部と、溶媒(メチルエチルケトン(MEK))315部とを混合してモノマー組成物を調製した。
該モノマー組成物を、1L丸底セパラブルフラスコに、セパラブルカバー、分液ロート、温度計、窒素導入管、リービッヒ冷却器、バキュームシール、攪拌棒、攪拌羽が装備された重合用実験装置に投入し、撹拌しながら、常温で6時間、窒素置換した。その後、窒素を流入下、攪拌しながら、65℃下で6時間保持して重合し、樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液を室温まで冷却した。その後、該樹脂溶液に、重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物として、2−イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工社製、商品名「カレンズMOI」)30部を加えた。さらに、ジラウリン酸ジブチルスズIV(和光純薬工業社製)0.16部を添加し、空気雰囲気下、50℃で24時間攪拌した。その後、重合禁止剤(チバ・ジャパン社製商品名「イルガノックス1010」)0.43部を添加して、紫外線硬化型ポリマーbを含む粘着剤溶液Bを得た。
[製造例3]粘着剤溶液Cの調製
アクリル酸エチル235部と、アクリル酸ブチル183部と、アクリル酸−2−ヒドロキシルエチル94部と、重合開始剤(過酸化ベンゾイル(BPO))1.4部と、溶媒(トルエン)1189部とを混合してモノマー組成物を調製した。
該モノマー組成物を、1L丸底セパラブルフラスコに、セパラブルカバー、分液ロート、温度計、窒素導入管、リービッヒ冷却器、バキュームシール、攪拌棒、攪拌羽が装備された重合用実験装置に投入し、撹拌しながら、常温で6時間、窒素置換した。その後、窒素を流入下、攪拌しながら、61℃下で6時間保持して重合し、樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液を室温まで冷却した。その後、該樹脂溶液に、重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物として、2−イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工社製、商品名「カレンズMOI」)100部を加えた。さらに、ジラウリン酸ジブチルスズIV(和光純薬工業社製)0.61部を添加し、空気雰囲気下、50℃で24時間攪拌した。その後、重合禁止剤(チバ・ジャパン社製商品名「イルガノックス1010」)0.52部を添加して、紫外線硬化型ポリマーcを含む粘着剤溶液Cを得た。
[製造例4]粘着剤溶液Dの調製
アクリル酸エチル200部と、アクリル酸ブチル200部と、アクリル酸20部と、重合開始剤(過酸化ベンゾイル(BPO))0.5部と、溶媒(トルエン)967部とを混合してモノマー組成物を調製した。
該モノマー組成物を、1L丸底セパラブルフラスコに、セパラブルカバー、分液ロート、温度計、窒素導入管、リービッヒ冷却器、バキュームシール、攪拌棒、攪拌羽が装備された重合用実験装置に投入し、撹拌しながら、常温で6時間、窒素置換した。その後、窒素を流入下、攪拌しながら、71℃下で6時間保持して重合し、その後、重合禁止剤(チバ・ジャパン社製商品名「イルガノックス1010」)0.42部を添加して樹脂溶液を得た。
該樹脂溶液に、該樹脂溶液中の樹脂100部に対して0.05部の割合で、エポキシ系架橋剤(三菱ガス化学社製商品名「テトラッドC」)を添加して、粘着性の樹脂dとエポキシ系架橋剤d’とを含む粘着剤溶液Dを得た。
[実施例1、2および4、ならびに比較例2および4]
(粘着剤層形成用組成物の調製)
製造例1〜のいずれかで得られた粘着剤溶液と、その他の成分(架橋剤、光重合開始剤および/または紫外線硬化型化合物)とを表1に示す配合量で混合し、粘着剤層形成用組成物を調製した。その他の成分としての架橋剤は、ポリイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」)を用いた。光重合開始剤は、チバ・ジャパン社製の商品名「イルガキュア651」を用いた。紫外線硬化型化合物は、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート(東亜合成社製、商品名「アロニックスM−321」)を用いた。
Figure 0006261115
(粘着シートの作製)
基材層として、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂から形成され、片面がコロナ処理されたフィルム(厚さ:100μm)を準備した。
該基材層のコロナ処理面に、上記粘着剤層形成用組成物を塗布し、その後乾燥(120℃、3分)して、厚さ200μmの粘着剤層を形成して、粘着シートを得た。
[評価]
実施例および比較例で得られた粘着シートを以下の評価に供した。結果を表2に示す。
1、粘着剤層の貯蔵弾性率G’
基材層上に形成した粘着剤層と同様の評価用粘着剤層を積層して厚さ1mm、直径8mmの測定用試料を作製した。
該測定用試料の22℃下および85℃下における貯蔵弾性率G’を、動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製、形式:RMS−800)を用いて測定し、得られた測定値を粘着剤層の貯蔵弾性率G’とした。なお、測定周波数は1Hzとし、歪みは0.1%〜3%として測定した。
2、硬化後の粘着剤層の引っ張り弾性率
2対のPETセパレータ間に粘着剤層(厚さ:20μm)を形成した。該粘着剤層に、紫外線照射装置(日東精機社製、商品名「UM−810」)を用いて、高圧水銀灯の紫外線(特性波長:365nm)を照射した。紫外線照射積算光量は300mJ/cm(照射エネルギー:54W/cm、照射時間:5.6秒)とした。
硬化後の粘着剤層を取り出した。取り出した硬化後の粘着剤層を50mm×30mmにカットし、気泡が入らないようにして丸め、長さ30mm/直径1mmの棒状試料を作製した。
該棒状試料の引っ張り弾性率を、引っ張り試験機(ORIENTEC社製、商品名「RTC−1150A」)を用いて、測定温度22℃、チャック間距離10mm、速度10mm/minの条件下でSSカーブを測定した。該SSカーブの立ち上がりから初期弾性率を求め、これを硬化後の粘着剤層の引っ張り弾性率とした。
3、粘着剤層の形態保持性
実施例および比較例で得られた粘着シート(幅20mm×長さ100mm)を、PETセパレータを介して、粘着剤層を下にして、シリコン製ミラーウエハ上に載せた。その後、常温下で、該粘着シートの上面で2kgローラ(幅30mm、直径110mm)を速度10mm/secにて5往復させて、該粘着シートを加圧した。
加圧後、粘着剤層のはみ出し量[(加圧後の粘着剤層幅−加圧前の粘着剤層幅(=20mm))/2]を測定した。はみ出し量が0.5mm未満の場合を合格(表中○)、0.5mm以上の場合を不合格(表中×)とした。
4、凹凸追従性
直径8インチの半導体ウエハ(シリコン製)上に形成された高さ40μm/幅2mmの凸部に対して、実施例および比較例で得られた粘着シート(硬化前)の追従性を測定した。なお、該凸部は、半導体ウエハの幅5mmの外周部を除いた部分に、格子状に形成し、凸部の間隔は20mmとした。
上記半導体ウエハ全体を覆うようにして、粘着シートを貼着し、光学顕微鏡(50倍)で観察して、粘着剤層とウエハ表面との間のボイドの有無を確認した。段差に良好に追従してボイドが生じていない場合を合格(表中○)、段差に対する追従性が悪く粘着シートが浮いてボイドが生じた場合を不合格(表中×)とした。
なお、粘着シートの貼着は、日東精機社製の商品名「DR−3000II」を用いて、貼付速度3mm/sec、貼付圧力0.5MPa、テーブル温度85℃の条件で行った。
5、粘着シート背面の凹凸
上記凹凸追従性の評価と同様の凸部付き半導体ウエハを用い、該半導体ウエハに実施例および比較例で得られた粘着シートを貼着した。
粘着シートの基材層背面(貼着面とは反対側の面)に生じた凹凸量(凸部上面から凹部底面までの距離)を、ケーエルエー・テンコール社製の商品名「P−15」を用いて測定し、以下の基準で評価した。
◎:凹凸量≦4μm
○:4μm<凹凸量≦5μm
×:5μm<凹凸量
6、バックグラインド特性
上記凹凸追従性の評価と同様の凸部付き半導体ウエハ(厚み:725nm)を用い、該半導体ウエハに実施例および比較例で得られた粘着シートを貼着した。その後、粘着シートに、紫外線照射装置(日東精機社製、商品名「UM−810」)を用いて、高圧水銀灯の紫外線(特性波長:365nm)を照射した。紫外線照射積算光量は300mJ/cm(照射エネルギー:54W/cm、照射時間:5.6秒)とした。次いで、ディスコ社製の商品名「DFG−8560」を用いて、半導体ウエハの裏面(粘着シートを貼着した面とは反対側の面)を研削した。
半導体ウエハの厚さが0.2mmになるまで研削し、半導体ウエハが割れることなく研削できた場合を合格(表中○)とした。また、該研削中に、半導体ウエハが割れた場合を不合格(表中×)とした。
7、バックグラインド精度
上記バックグラインド特性の評価と同様にして、半導体ウエハに粘着シートを貼着し、粘着剤層を硬化させ、半導体ウエハを厚さが0.2mmになるまで研削した。研削後の半導体ウエハ全体の厚みを測定した。表中、厚みの最大値と最小値との差が6μm未満である場合を◎、6μm以上8μm未満である場合を○、8μm以上である場合を×とした。
8、耐酸性
上記凹凸追従性の評価と同様の凸部付き半導体ウエハを用い、該半導体ウエハに実施例および比較例で得られた粘着シートを貼着した。その後、粘着シートに、紫外線照射装置(日東精機社製、商品名「UM−810」)を用いて、高圧水銀灯の紫外線(特性波長:365nm)を照射した。紫外線照射積算光量は300mJ/cm(照射エネルギー:54W/cm、照射時間:5.6秒)とした。
次いで、粘着シート付き半導体ウエハに、スピンウエットエッチャーを用いて、25℃の酸性液(5%HF/20%HNO/7.5%HSO/17.5%HPO/50%CHCOOH)を1.5分間、滴下した。
滴下終了後も粘着シートが半導体ウエハから剥がれない場合を合格(表中○)、滴下終了後粘着剤層が溶出して粘着シートが剥がれた場合を不合格(表中×)とした。
9、耐溶剤性
上記凹凸追従性の評価と同様の凸部付き半導体ウエハを用い、該半導体ウエハに実施例および比較例で得られた粘着シートを貼着した。その後、粘着シートに、紫外線照射装置(日東精機社製、商品名「UM−810」)を用いて、高圧水銀灯の紫外線(特性波長:365nm)を照射した。紫外線照射積算光量は300mJ/cm(照射エネルギー:54W/cm、照射時間:5.6秒)とした。
次いで、粘着シート付き半導体ウエハを、室温下で、メタノールに5分間に浸漬させた。
浸漬終了後も粘着シートが半導体ウエハから剥がれない場合を合格(表中○)、滴下終了後粘着剤層が溶出して粘着シートが剥がれた場合を不合格(表中×)とした。
10、耐熱性
上記凹凸追従性の評価と同様の凸部付き半導体ウエハを用い、該半導体ウエハに実施例および比較例で得られた粘着シートを貼着した。その後、粘着シートに、紫外線照射装置(日東精機社製、商品名「UM−810」)を用いて、高圧水銀灯の紫外線(特性波長:365nm)を照射した。紫外線照射積算光量は300mJ/cm(照射エネルギー:54W/cm、照射時間:5.6秒)とした。
次いで、粘着シート付き半導体ウエハの裏面(粘着シートを貼着した面とは反対側の半導体ウエハ面)を200℃のホットプレートに接触させ、15分間放置した。その後、室温まで冷却し、30分間放置した。
次いで、粘着シートを半導体ウエハから剥離した。剥離後、半導体ウエハ表面に粘着剤層が残っていない場合を合格(表中○)、半導体ウエハ表面に粘着剤層成分が付着して残っていた場合を不合格(表中×)とした。
Figure 0006261115
表2から明らかなように、本発明の粘着シートは、凹凸追従性、耐熱性および耐薬品性のすべてに優れる。このような粘着シートは、半導体ウエハの加工における複数の工程において使用可能である。
本発明の粘着シートは、例えば、半導体装置製造の際のワーク(半導体ウエハ等)の仮固定、および保護に好適に用いることができる。
10 基材層
20 粘着剤層
100 粘着シート

Claims (2)

  1. 基材層と、紫外線硬化型粘着剤を含む粘着剤層とを備える粘着シートであって、
    紫外線硬化型粘着剤が、(メタ)アクリル系樹脂に重合性炭素−炭素二重結合が導入された(メタ)アクリル系ポリマー、または、(メタ)アクリル系樹脂を含み、
    該粘着剤層の22℃における貯蔵弾性率G’が、30kPa〜100kPaであり、
    該粘着剤層の85℃における貯蔵弾性率G’が、5kPa〜30kPaであり、
    該粘着剤層の硬化前の22℃における引っ張り弾性率が、0.01MPa〜1MPaであり、
    高圧水銀灯にて特性波長365nmの紫外線を照射積算光量300mJ/cmで照射して、該粘着剤層を硬化させた場合の該粘着剤層の22℃における引っ張り弾性率が、0.1MPa〜54MPaであり、
    該粘着シートの厚みが、50μm〜500μmであり、
    該粘着剤層の厚みが、10μm〜500μmである、
    粘着シート。
  2. 請求項1に記載の粘着シートを半導体ウエハに貼着する工程と、
    該粘着シートの粘着剤層を硬化させる工程と、
    該半導体ウエハの粘着シート貼着面とは反対側の面を研削する工程とを含む、
    半導体チップの製造方法。
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