JP6260850B2 - 流動体攪拌装置、流動体攪拌方法及びトナー製造方法 - Google Patents

流動体攪拌装置、流動体攪拌方法及びトナー製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、気体及び液体のような流体や粉体のように流動性を有する流動体を攪拌する静止型の流動体攪拌装置並びにこの流動体攪拌装置を用いた流動体攪拌方法及びトナー製造方法に関するものである。
従来、複数種の流動体を混ぜて攪拌し、混合する静止型の流動体攪拌装置としては、平板を捻った形状の螺旋状羽根を複数個連結したものを流動体が通過する流路管内に設置したものが知られている(特許文献1や米国特許第4408893号等)。
このような流動体攪拌装置としては、螺旋状羽根として平板を90[°]〜180[°]捻った形状を一単位とし、ある一単位の螺旋状羽根の下流側の縁部と次の一単位の螺旋状羽根の上流側の縁部との角度をずらして配置したものがある。
図8は、従来の流動体攪拌装置10の一例を示す説明図である。図8(a)は、流動体攪拌装置10が備える螺旋状羽根である羽根部材2の斜視説明図であり、図8(b)は、羽根部材2の上面図であり、図8(c)は、流路管1内に羽根部材2を配置した流動体攪拌装置10の断面説明図である。
図8に示す流動体攪拌装置10では、羽根部材2として平板を180[°]捻った形状を第一羽根部材2a及び第二羽根部材2bのように一単位とし、捻り方向が異なる第一羽根部材2aと第二羽根部材2bとを交互に配置している。第一羽根部材2aの下流側の縁部である第一羽根下流縁部2a2と、第二羽根部材2bの上流側の縁部である第二羽根上流縁部2b1とが、90[°]ずれるように配置している。同様に、第二羽根部材2bの下流側の縁部である第二羽根下流縁部2b2と、第一羽根部材2aの上流側の縁部である第一羽根上流縁部2a1とも、90[°]ずれるように配置している。
図8に示す流動体攪拌装置10では、流動体は流路管1を通過する間に羽根部材2によって仕切られた流路(11a及び11b)を螺旋状に進行する。このとき、羽根部材2の上流側の縁部(2a1、2b1)で流れが分割され、羽根部材2の下流側の縁部(2a2、2b2)で流れが合流する。具体的には、第一羽根上流縁部2a1に到達した流動体は、第一羽根部材2aによって仕切られた二つの流路(11a及び11b)に流れが分割され、第一羽根下流縁部2a2に到達すると流れが合流する。このとき、流れが合流するとともに、第一羽根下流縁部2a2に対して第二羽根上流縁部2b1が90[°]ずれるように配置された第二羽根部材2bによって仕切られた二つの流路に流れが分割される。このように、流動体が螺旋状に進行しつつ、流れの分割と合流とが繰り返されることで、流動体を攪拌する。
図8に示すような流動体攪拌装置10は、羽根部材2を連続的に多数配置することで複数種の流動体を十分に混合することができるが、多数の羽根部材2を通過させるために長い流路管が必要となり、混合しきるまでに時間を要するという課題があった。
以下、図9を用いてこの課題について説明する。
図9は、図8に示す流動体攪拌装置10に流動体を通過させたシミュレーションの結果の概略図である。図9は、通過方向に直交する断面での流動体の流れを矢印で示した図であり、矢印の向きと大きさで、ある位置における流動体の移動方向と移動速度とを示しており、矢印が長いほど速度が速いことを示す。
図8に示す流動体攪拌装置10では、羽根部材2によって流動体が螺旋状の流れを形成するように案内されるため、通過方向に直交する断面でみると図9で示すように流動体は流路管1の中心軸周りを旋回するように移動する。流動体は流路管1の径方向への移動速度が小さく流路管1の内壁部付近を流れる流動体はそのまま内壁部付近を流れ、流路管1の中心近傍を流れる流動体はそのまま中心部を流れる傾向がある。このため、あるタイミングで互いに近くに位置していた流動体同士が経時で離れる作用が生じにくく、攪拌作用が生じ難い。この結果、長い流路管が必要となり、混合しきるまでに時間を要していた。
このような課題は、流動体を螺旋状に進行させる部材が、平板を捻った形状の螺旋状羽根である場合に限らず、流路管内で流動体が螺旋状の流れを形成するように流動体を案内する螺旋流形成部材を備える静止型の流動体攪拌装置であれば生じ得る課題である。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、より短い流路管で効率的に攪拌を行うことが可能な静止型の流動体攪拌装置、並びに、これを用いた流動体攪拌方法及びトナー製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、内部を流動体が通過する流路管と、前記流路管内に配置され、前記流路管内を通過する流動体が通過方向に平行な中心軸周りを旋回して螺旋状の流れを形成するように流動体を案内する螺旋流形成部材と、を有する静止型の流動体攪拌装置において、前記流路管の内壁面から内側に向かって突出し、前記螺旋流形成部材によって形成される螺旋状の流れを乱す螺旋流乱し部材と、前記流路管の前記通過方向に直交する断面を部分的に狭くする流路断面制限部材とを備え、前記螺旋流乱し部材は、前記通過方向に向かって延在するように配置された部材であり、前記流路断面制限部材は、前記流路管の内壁面から内側に向かって突出し、前記流路管の前記通過方向に直交する断面の断面形状に合わせた環状の部材であることを特徴とするものである。
本発明によれば、螺旋流乱し部材によって螺旋状の流れが乱され、あるタイミングで互いに近くに位置していた流動体同士が経時で離れる作用が生じ易くなり、攪拌作用が向上し、例えば、より短い流路管で効率的な攪拌が可能となるという優れた効果がある。
流動体攪拌装置の一例を示す説明図、(a)は、羽根部材及び邪魔板の一例を示す斜視説明図、(b)は、流路管内に邪魔板と羽根部材とを配置した流動体攪拌装置の一例を示す断面説明図。 樹脂微粒子B付着工程で、トナーの芯粒子の分散液と樹脂微粒子Bの分散液とを混合する混合装置の一例を示す模式図。 図1に示す流動体攪拌装置に流動体を通過させるシミュレーションの結果の一例を示す概略図。 混合液内の粒子の一例を示す模式図、(a)は、良好な混合が行われた状態の一例を示す説明図、(b)は凝集体が発生した状態の一例を示す説明図。 邪魔板を流路管の内周面に螺旋状に配置した流動体攪拌装置の一例を示す説明図。 流路制限板を設けた流動体攪拌装置の一例を示す説明図。 羽根部材の外径と流路管の内径とが一致する構成の流動体攪拌装置の一例を示す説明図。 従来の流動体攪拌装置の一例を示す説明図、(a)は、羽根部材の一例を示す斜視説明図、(b)は、羽根部材の一例を示す上面図、(c)は、流路管内に羽根部材を配置した流動体攪拌装置の一例を示す断面説明図。 従来の流動体攪拌装置に流動体を通過させたシミュレーションの結果の概略図。 変形例のトナー製造方法で用いる混合装置の一例を示す説明図。 従来のトナー製造方法で用いる混合装置の一例を示す説明図。
以下、本発明を適用した流動体攪拌装置を、電子写真用の重合トナーを製造する際に、複数種類のトナー材料同士を混合する工程に用いた実施形態について説明する。
まず、トナー製造の製造過程の概略について説明する。
重合トナーの製造過程では、油相作製工程、乳化工程、脱溶工程、洗浄・乾燥工程及び外添処理工程を順に実行する。
以下、各工程について説明する。
<油相作製工程>
油相作製工程では、有機溶媒中に樹脂、着色剤などを溶解あるいは分散させた油相を作製する。この油相を作製する方法としては、有機溶媒中に攪拌をしながら樹脂、着色剤などを徐々に添加していき、溶解あるいは分散させる方法が挙げられる。ただし、着色剤として顔料を用いる場合や、離型剤や帯電制御剤などのなかで有機溶媒に溶解しにくいようなものを添加する場合、有機溶媒への添加に先立って粒子を小さくしておくことが好ましい。詳細は後述する着色剤のマスターバッチ化も手段の一つであり、同様の方法を離型剤や帯電制御剤に展開することもできる。
また別の手段として、有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、着色剤、離型剤、帯電制御剤を湿式で分散を行い、ウェットマスターを得ることも可能である。
さらに別の手段として、有機溶媒の沸点未満で溶融するようなものを分散するのであれば、有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、分散質とともに攪拌しながら加熱を行う。そして、一旦溶解させた後、攪拌もしくはせん断しながら冷却を行うことによって晶析を行い、分散質の微結晶を生成させる方法を行っても良い。
以上の手段を用いて分散された着色剤、離型剤、帯電制御剤は、有機溶媒中に樹脂とともに溶解あるいは分散された後、さらに分散を行っても良い。分散に際しては公知のビーズミルやディスクミルなどの分散機を用いることができる。
<乳化工程>
乳化工程では、少なくとも界面活性剤を有する水系媒体中に前述の工程で得られた油相を分散させ、油相からなる芯粒子が分散した分散液を作製する。この分散液を作製する方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備を適用したものを挙げることが出来る。分散体の粒径を2〜20[μm]にするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000[rpm]、好ましくは5000〜15000[rpm]である。
分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常1〜5[分]である。5[分]を超えて分散を行うと、望ましくない小径の粒子が残存してしまったり、分散が過分散状態になって系が不安定になり凝集体や粗大粒子が発生したりすることがあるので好ましくない。逆に1[分]より短いと粒子の均一性が悪く、所望の分布を得ることが難しい。
分散時の温度としては、通常、10〜40[℃]、好ましくは15〜25[℃]である。40[℃]を超えると分子運動が活発になることから分散安定性が低下し凝集体や粗大粒子が発生しやすくなるため好ましくない。また、10[℃]未満になると分散体の粘度が高くなり、分散に必要なせん断エネルギーが増大するため製造効率が低下する。
<樹脂微粒子B付着工程>
本実施形態のトナー製造方法では、乳化工程で得られたトナーの芯粒子の分散液に、ビニル系樹脂等の後述する樹脂微粒子Bの分散液を混合する。
上述の乳化工程で得られた芯粒子分散液は、配管内で送液されている間は安定に芯粒子の液滴を存在させておくことができる。その状態において後述する樹脂微粒子B分散液を投入して芯粒子上に付着させる。
本実施形態では、樹脂微粒子B付着工程で、トナーの芯粒子の分散液に対して、樹脂微粒子Bの分散液を混合する際に、本発明を適用した流動体攪拌装置を用いる。
本発明を適用した流動体攪拌装置を用いることで、芯粒子に対して樹脂微粒子Bが十分な強度で付着する。これは、樹脂微粒子Bが芯粒子の液滴に付着したときに、芯粒子が自由に変形できるために樹脂微粒子B界面と接触面を十分に形成することによるものと思われる。さらに、有機溶媒によって樹脂微粒子Bが膨潤もしくは溶解し、樹脂微粒子Bと芯粒子内の樹脂とが接着しやすい状況になることによると思われる。
この状態において有機溶媒は系内に十分に存在させるために、樹脂微粒子Bもしくは樹脂微粒子B分散液の添加後に、芯粒子分散液へ有機溶媒を添加することが効果的である。有機溶媒を添加することで、樹脂微粒子Bまたは芯粒子表面の膨潤もしくは溶解が促進され、樹脂微粒子Bと芯粒子内の樹脂とが接着しやすい状況になり、樹脂微粒子Bを芯粒子に対して良好に付着させることが出来る。
また、樹脂微粒子を純水に分散させた状態で添加する場合、芯粒子中の有機溶媒が純水側へ溶解することで、樹脂微粒子Bの付着性が悪くなってしまうが、有機溶媒を追加添加することで、付着性の悪化を防止することもできる。有機溶媒の追加添加量は、芯粒子重量に対して5〜50[質量%]が好ましく、10〜30[質量%]がより好ましい。5[質量%]より少ないと、有機溶媒の添加による樹脂微粒子の膨潤乃至溶解が乏しくなり、効果が得られない。50[質量%]より多いと、一度の製造工程で得られる着色樹脂粒子が少なくなり生産効率の低下や、芯粒子の分散安定性が低下して粗大粒子化に繋がる。このため、歩留まりの低下や安定した製造が難しくなることなどから好ましくない。
有機溶媒の投入は、20[秒]以上かけて行うのが良い。20[秒]未満で投入を行うと、一時的・局所的に芯粒子の有機溶媒濃度が狙いよりも高くなり、凝集粒子の発生に繋がるため好ましくない。一方で闇雲に長い時間、例えば60[分]を超えて添加するのは生産効率の面から好ましくはない。一時的・局所的に芯粒子の有機溶媒濃度が狙いよりも高くなることを防ぐために、有機溶媒を時間をかけて投入する以外に、分割投入やシャワリング、流量調整しながらの連続混合などの手段を用いることもできる。
有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2‐ジクロロエタン、1,1,2‐トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に油相作成工程に用いた有機溶媒と同一のものを用いることが望ましい。
次いで、芯粒子表層に樹脂微粒子Bを固定化するために、純水を投入することが効果的である。生産工場では、樹脂微粒子B付着から脱溶剤工程まで10[時間]以上も攪拌待機する場合があり、この間に芯粒子表層からの樹脂微粒子の剥離や、逆に芯粒子内部への過埋没が一部で発生するという問題がある。そこで、樹脂微粒子Bが付着した芯粒子分散液に純水を添加し、芯粒子分散液中の有機溶媒濃度を低下させることで、樹脂微粒子Bの芯粒子表面へ固定化促進、および芯粒子内部への過埋没防止ができる。有機溶媒添加後の芯粒子分散液に添加する純水量は、芯粒子重量に対して25〜200[質量%]が好ましく、75〜125[質量%]がより好ましい。25[質量%]より少ないと、有機溶媒濃度を下げきれず、接着力が弱い樹脂微粒子Bの付着が進行してしまう。200[質量%]より多いと、一度の製造工程で得られる着色樹脂粒子が少なくなり生産効率が低くなるため好ましくない。
純水の添加は、有機溶媒の添加から30[分]以内に実施することが好ましく、15[分]以内にすることがより好ましい。有機溶媒の添加から30[分]以上経過すると、接着力が弱い樹脂微粒子Bの接着が進行し、純水添加の効果が減少してしまう。純水としては、例えばイオン交換水、蒸留水、RO水、超純水などが挙げられる。
芯粒子分散液への有機溶媒および純水の添加は、芯粒子分散液を貯蔵するタンク等の容器内で撹合を行いながら投入するバッチ方法や、スタティックミキサー等を用いて、芯粒子分散液へ流量調整しながら混合する連続方法などがある。
樹脂微粒子B分散液は、芯粒子分散液に投入する前に、適宜濃度調整のために希釈あるいは濃縮しても良い。樹脂微粒子B分散液の濃度は、5〜30[質量%]が好ましく、8〜20[質量%]がより好ましい。5[質量%]未満では、分散液の投入に伴う有機溶媒濃度の変化が大きく、樹脂微粒子Bの付着が不十分になるため好ましくない。また30[質量%]を超えるような場合、樹脂微粒子Bが芯粒子分散液中に偏在しやすくなり、その結果、芯粒子の凝集体の発生や樹脂微粒子Bの付着が不均一になるため避けたほうが良い。
芯粒子に樹脂微粒子Bを付着させるときの温度としては、10〜60[℃]、好ましくは20〜45[℃]である。60[℃]を超えると、製造に必要なエネルギーが増大するために製造環境負荷が大きくなることに加え、低酸価の樹脂微粒子Bが液滴表面に存在することもあり分散が不安定になり粗大粒子が発生する可能性もあるため好ましくない。一方、10[℃]未満では分散体の粘度が高くなり、樹脂微粒子Bの付着が不十分になるため好ましくない。
<脱溶工程>
脱溶工程では、乳化工程で得られた着色樹脂分散体から有機溶剤を除去する。この有機溶剤を除去する方法としては、系全体を攪拌しながら徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいは、得られた着色樹脂分散体を攪拌しながら乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の有機溶剤を完全に除去する方法を適用することも可能である。また、得られた着色樹脂分散体を攪拌しながら減圧し、有機溶媒を蒸発除去する方法を採用しても良い。さらに、上述した三つの方法のうち、後の二つの手段は、最初の手段と併用することも可能である。
乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
<熟成工程>
末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を添加している場合は、イソシアネートの伸長・架橋反応を進めるために熟成工程を行っても良い。熟成時間は通常10[分]〜30[時間]、好ましくは2〜15[時間]である。反応温度は、通常、20〜65[℃]、好ましくは35〜50[℃]である。
<洗浄・乾燥工程>
洗浄・乾燥工程では、脱溶工程で得られた水系媒体に分散されたトナー粒子を洗浄・乾燥する。水系媒体に分散されたトナー粒子を洗浄し、乾燥する方法としては、公知の技術が用いられる。即ち、遠心分離機、フィルタープレスなどで固液分離した後、得られたトナーケーキを常温〜約40[℃]程度のイオン交換水に再分散させる。更には再度固液分離するという工程を数回繰り返すことにより不純物や界面活性剤などを除去や、酸によるpH調整後、気流乾燥機や循環乾燥機、減圧乾燥機、振動流動乾燥機などにより乾燥することによってトナー粉末を得る。この際、遠心分離などでトナーの微粒子成分を取り除いても良いし、また、乾燥後に必要に応じて公知の分級機を用いて所望の粒径分布にすることができる。
<外添処理工程>
外添処理工程では、乾燥後のトナー粉体に対して帯電制御性微粒子や流動化剤微粒子などの異種粒子を混合する。この工程では、洗浄・乾燥工程で得られた乾燥後のトナー粉体に対して、後述する帯電制御性微粒子や流動化剤微粒子などの異種粒子を混合する。さらに、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止する。
このような外添処理工程の具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法や、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。
このような外添処理工程の具体的な装置としては、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー(日本ニューマチック社製)、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、などがあげられる。
次に、本発明の特徴的な構成を備えた流動体攪拌装置について説明する。
図1は、本実施形態の流動体攪拌装置10の説明図である。図1(a)は、流動体攪拌装置10が備える螺旋状羽根である羽根部材2及び邪魔板3の斜視説明図であり、図1(b)は、流路管1内に邪魔板3と羽根部材2とを配置した流動体攪拌装置10の断面説明図である。
図2は、樹脂微粒子B付着工程で、トナーの芯粒子の分散液と樹脂微粒子Bの分散液とを混合する混合装置100の模式図である。
図2に示す混合装置100は、トナーの芯粒子の分散液を収容する芯粒子液容器30、樹脂微粒子Bの分散液を収容する微粒子液容器40、合流管20、流動体攪拌装置10及び混合液収容器50を備える。
混合装置100では、芯粒子液容器30内からトナーの芯粒子の分散液を一定の流量で合流管20に供給するとともに、微粒子液容器40内から樹脂微粒子Bの分散液を一定の流量で合流管20に供給する。これにより、トナーの芯粒子の分散液と樹脂微粒子Bの分散液とが一定の割合で存在する混合液が、合流管20から流動体攪拌装置10へと供給される。
混合液は、流動体攪拌装置10を通過することで、攪拌される作用を受け、トナーの芯粒子の分散液と樹脂微粒子Bの分散液とが均一に混ざり合った状態で、混合液収容器50へと受け渡される。
流動体攪拌装置10は、内部を流動体である混合液が通過する流路管1と、流路管1を通過する混合液が、螺旋状の流れを形成するように混合液を案内する螺旋流形成部材である羽根部材2とを備える静止型の流動体攪拌装置である。ここで、混合液が形成する螺旋状の流れは、通過方向(図2中の左右方向、図1(b)中の紙面に直行する方向)に平行な中心軸周りを旋回するように形成される。さらに、流動体攪拌装置10は、流路管1の内壁面から内側に向かって突出し、羽根部材2によって形成される螺旋状の流れを乱す螺旋流乱し部材である邪魔板3を備える。
すなわち、図1に示す本実施形態の流動体攪拌装置10は、図8を用いて説明した従来の従来の流動体攪拌装置10に対して羽根部材2と流路管1の内壁面との間に隙間を設け、その隙間に邪魔板3を設けた形状である。
流動体攪拌装置10が備える流路管1の形状は、円筒であることが好ましい。図1に示す流動体攪拌装置10が備える羽根部材2は、平板材を180[°]捻るごとに、羽根部材2を分割し、隣り合う羽根部材2である第一羽根部材2aと第二羽根部材2bとの端部同士を交差させている。さらに、第一羽根部材2aと第二羽根部材2bとは、捻り方向を反転させている。
このように、流動体攪拌装置10が備える羽根部材2は、平板材を捻ったような形状を、90[°]〜270[°]面を捻るごとに、交差し、捻り方向を反転させて連結させる構成を繰り返しているものが好ましい。
流動体攪拌装置10のような静止型の流動体攪拌装置は、トナーの材料同士を混合した混合液以外の流動体の攪拌や混合にも使用することが出来る。攪拌する流動体が低粘度の場合には、90[°]捻るごとに、流動体が高粘度の混合の場合には、180[°]捻るごとに分割して、端部同士を交差させ、捻り方向の反転を繰り返すのが特に好ましい。
また、流路管1の内径である配管径をD、羽根部材2のピッチ(第一羽根部材2aまたは第二羽根部材2bといった一単位分の羽根部材2の長さ)をPとしたときに、ピッチを内径で除した「P/D」の値は、1.0〜2.0が好ましく、特に1.0が好ましい。また邪魔板3の軸中心方向への高さ(H)は、配管径(D)に対して、H/D=0.05〜0.2が好ましく、0.1が特に好ましい。
図3は、図1に示す流動体攪拌装置10に流動体を通過させるシミュレーションの結果を示す概略図である。図3に示すシミュレーションは、邪魔板3を配置した点、及び、邪魔板3の高さの分だけ羽根部材2を短くした点以外は、図9を用いて説明した従来の流動体攪拌装置10のシミュレーションと同じ条件の下で実行した。
図3においても矢印の向きと大きさで、ある位置における流動体の移動方向と移動速度とを示しており、矢印が長いほど速度が速いことを示す。
また、図1に示す流動体攪拌装置10が備える邪魔板3は、三角形の断面形状となっているが、図3に示したシミュレーションでは、四角形の断面形状の邪魔板3を用いる条件で行った。
図1に示す流動体攪拌装置10では、羽根部材2によって流動体が螺旋状の流れを形成するように案内されることで流動体が流路管1の中心軸周りを旋回する流れが形成される。しかし、この旋回する流れは、邪魔板3によって乱されるため、通過方向に直交する断面でみると図3で示すように、図9に示したシミュレーションに比べて、流動体の流路管1の径方向への移動速度が大きくなる。これにより、流路管1の内壁部付近を流れる流動体の一部が流路管1の中心に向かう流れや、流路管1の中心近傍を流れる流動体の一部が流路管1の内壁部付近に向かう流れが形成される。このため、あるタイミングで互いに近くに位置していた流動体同士が経時で離れる作用が大きくなり、図9に示す流動体攪拌装置10に比べて効率良く攪拌を行うことが出来る。
ここで、本発明の流動体攪拌装置を用いない場合の樹脂微粒子B付着工程での課題について説明する。
樹脂微粒子B付着工程では、乳化工程で得られたトナーの芯粒子の分散液に、ビニル系樹脂等の樹脂微粒子の分散液を混合する。このような樹脂微粒子を混合することで、完成後のトナーの帯電性の向上と耐ストレス性の向上とを図ることが出来る。
しかし、トナーの芯粒子の分散液と樹脂微粒子の分散液とを混合した混合液中に、樹脂微粒子の分散液の含有濃度が高い部分が存在すると、トナーの芯粒子同士が凝集し易くなっていた。
図4は、混合液内の粒子の模式図であり、図4(a)は良好な混合が行われた状態の説明図、図4(b)は凝集体が発生した状態の説明図である。良好な混合が行われると、図4(a)に示すように、一つ一つのトナーの芯粒子Tが分離し、その表面に微粒子Mが付着した状態となる。一方、凝集体が発生した場合、図4(b)に示すように、複数のトナーの芯粒子Tが塊を形成し、この塊の周りに微粒子Mが付着した状態となる。
凝集体が発生すると、完成後のトナーの品質の低下および歩留まりの悪化に繋がるため、混合直後から樹脂微粒子の分散液の成分が、トナーの芯粒子の分散液中で、濃度ムラの無いように均一に分散し、凝集させないように混合することが望まれる。
凝集の発生を抑制する混合方法として、回転する攪拌部材を備えた攪拌容器内に、トナーの芯粒子の分散液を所定量充填し、攪拌部材を回転させた状態で樹脂微粒子の分散液を、トナーの芯粒子の分散液に対して所定の割合となるまで供給する方法がある。この方法では、混合液中の樹脂微粒子の分散液の濃度は経時で増加するが、一度に供給される量は少なく、供給されるとすぐに攪拌部材によって攪拌されるため、混合液中に、樹脂微粒子の分散液の含有濃度が高い部分が形成されることを防止できる。
しかしながら、この方法では、攪拌を行うための専用の動力が必要となることでコスト高となり、さらに、流動体である分散液または混合液を攪拌容器内に留めるまでに時間を要し、その間に分散液または混合液が変質しまうことや、歩留まりの悪化につながる。
動力を必要とせず、流動体を留めることに起因する変質や歩留まりの悪化を防止する混合方法としては、静止型の流動体攪拌装置を用いる方法が考えられる。ここで流動体とは、液体や気体などの流体のみではなく、粉体のように流体でないが流動性を有するものも含む。
流動体を攪拌して混合する静止型の流動体攪拌装置としては、特許文献1や米国特許第4408893号に示されているような、螺旋状の羽根を複数個連結したものを配管内に設置したものが知られている。この流動体攪拌装置では、流路を流動体が通流する間に流動体は羽根により仕切られた通路を螺旋状に進行し、各羽根の境界で分割され、各羽根の一単位が終わる時点で分割された流動体が合流されることで、通過する流動体の攪拌を行うものである。また他にも、例えば特許文献2に示すように、通路管の内周壁もしくは流体通路構造体の一部に補助体を設け、通路管を通過する際の流体せん断力を増大させるものもある。さらに、例えば特許文献3に示すように、内周壁全長に螺旋溝を螺刻した筒状の通路管に、外周壁全長に適宜条数の螺旋溝を螺刻した螺旋軸を嵌入し乱流混合を行うものがある。
しかし、特許文献1や米国特許第4408893号に記載された流動体攪拌装置は、通過する流動体の粘度や粘度の差によっては、管内壁近傍を流れる流動体はそのまま内壁近傍を流れ、管中心部近傍を流れる流動体はそのまま中心部近傍を流れる傾向がある。また、特許文献2や特許文献3に記載の構成では、流動体が抵抗の小さい所を通流しようとする性質により、内壁部付近を流れる流動体と管中心部を流れる流動体の移相は頻繁には行われなかった。
これらの攪拌装置では、攪拌装置を通過方向に連結することで十分な攪拌の効果が得ることができるが、流動体が攪拌装置を通過する時間を長くし、結果として、攪拌装置が長尺となってしまっていた。
攪拌装置の長尺化は、装置の設置スペースや作業スペースの確保が困難になるだけでなく、通過する流動体の性質によっては、攪拌装置内部に付着物がつき定期的に洗浄等のメンテナンスを要することが多いため、メンテナンス性にも影響する。また、例えば樹脂の主剤と硬化剤を混合する場合のように、二つの物質をいかに早い段階で完全に混合できるかによって生産物の品質に影響があるような場合には、攪拌装置を連結し、攪拌装置を長くする構成では、品質の向上にはつながらない。
樹脂微粒子B付着工程の攪拌装置に、攪拌装置を長くする構成を用いた場合、攪拌効果を得るまでに時間を要することで、混合液中に、樹脂微粒子の分散液の含有濃度が高い部分が存在する状態が解消されるのに時間がかかり、凝集体が形成されることがあった。
一方、図1に示す本実施形態の流動体攪拌装置10では、邪魔板3によって螺旋状の流れを乱し、効率良く攪拌を行うことが出来るため、動力を要しない静止型の流動体攪拌装置を従来よりも短くすることができる。短い流動体攪拌装置で良好な攪拌を行えるため、混合しきれていない状態の時間を短縮することができ、樹脂微粒子B付着工程に用いた場合に、凝集体の発生を抑制することができる。
本実施形態の流動体攪拌装置10と同様の構成は、トナーの材料を混合する工程に限らず、他の流体を混合する際の攪拌装置として使用しても、従来よりも効率的な混合を行うことが出来る。さらに、気体や液体といった流体を混合するものに限らず、粉体状のトナー粒子に外添剤を添加する粉体を混合するものにも適用可能である。また、複数種の流動体を混合するために攪拌するものに限らず、凝集体の発生等の流動体の変質を防止するために攪拌する構成にも適用可能である。
図1に示す流動体攪拌装置10が備える羽根部材2は、平板形状に対して中心軸を中心に捻りを加えた形状の螺旋状羽根である。ここで中心軸とは、流路管1によって形成される流路の円状の流路断面の中心を通る仮想直線である。流路管1内を通過する流動体が通過方向に平行な中心軸周りを旋回して螺旋状の流れを形成するように流動体を案内する螺旋流形成部材としては、羽根部材2のような形状に限らない。流動体に螺旋状の流れを形成させる部材であればよく、例えば、中心軸を通るように延在する軸部材に螺旋状の羽根を設けたスクリュ形状の部材を用いても良い。
図1に示す流動体攪拌装置10では、邪魔板3の形状が流動体の通過方向に対して平行に延在する直線状となっている。
邪魔板3の形状としては、直線状の形状に限らず、図5に示すように、流路管1内の通過方向における位置によって邪魔板3の位置が変化するように、邪魔板3を流路管1の内周面に螺旋状に配置してもよい。
図5に示すように、邪魔板3を螺旋状に配置した場合、羽根部材2の捻り方向に対して、邪魔板3の延在方向が平行になってしまうと、通過方向で羽根部材2と邪魔板3との距離が変化せず、邪魔板3が螺旋状の流れを乱す効果が低減する。これを防止するために、邪魔板3の延在方向が羽根部材2の捻り方向に対して傾斜をつけて設けることが求められる。
図1に示す流動体攪拌装置10では、邪魔板3は直線状であり、その延在方向は中心軸に平行な方向であるため、邪魔板3の延在方向が羽根部材2の捻り方向に対して傾斜をつけた形状となっている。これにより、邪魔板3が螺旋状の流れを乱す作用を実現できる。
また、図5に示すように、邪魔板3としては直線状に限るものではないが、製造の容易さから、角棒や丸棒など直線状であるような形状が好ましい。
図1に示す流動体攪拌装置10は、羽根部材2の径方向の端部が通る仮想円2dよりも外側に邪魔板3が配置された構成であり、羽根部材2の径方向の端部と邪魔板3の内側端部とが接触する構成である。このような構成の場合、流路管1の内周面と仮想円2dとの間の空間のうち、邪魔板3が配置されていない領域は、流動体が螺旋状の流れを形成せずに、中心軸に平行な流れとして流路管1を通過するショートパスが生じ得る領域となっている。ショートパスが生じると、流動体は所望の攪拌を行うことができなくなる畏れがある。
よって、仮想円2dよりも外側に邪魔板3が配置された構成の場合、ショートパスの発生を防止する構成が望ましい。
図6は、上記流路管の上記通過方向に直交する断面を部分的に狭くする流路断面制限部材である流路制限板5を設け、ショートパスの発生を防止する流動体攪拌装置10の説明図である。図6(a)は、流路制限板5を備えた流動体攪拌装置10が備える羽根部材2と、邪魔板3と、流路制限板5との斜視説明図であり、図6(b)は、図6(a)に示す邪魔板3と羽根部材2と流路制限板5との側面図である。
図6に示す構成では、一単位分の羽根部材2同士の連結箇所に円環状の流路制限板5を配置している。流路制限板5は、断面が三角形状の円環状となっており、流動体の通過方向(図6(b)中の左右方向)の中央部が三角形状の頂点で、円環の内径が最も小さい部分となっている。流路制限板5は、外径が流路管1の内径に一致し、その内径が最も小さくなる部分の内径と、羽根部材2の外径とが一致する形状となっている。
図1に示す構成でショートパスが生じる畏れがあった領域を、図6に示す構成では流路制限板5で塞ぐことが出来るため、ショートパスの発生を防止し、より効率の良い攪拌を行うことが出来る。
流路制限板5の形状は、流路管1が円筒状である場合には、円環状であることが好ましく、流路管1が円筒状以外の形状である場合は、その断面形状に合わせた環状であることが好ましい。
また、本実施形態の流路制限板5のように流路を狭くする流路断面制限部材は、羽根部材2によって形成される螺旋状の流れを乱す機能も有する。
また、図7に示すように、羽根部材2の外径と流路管1の内径とが一致するように、羽根部材2を配置してもショートパスの発生を防止することができる。この場合、羽根部材2と邪魔板3とが交わる部分では、羽根部材2と邪魔板3との何れか一方に切り欠きを設けることで、この切り欠けに他方が嵌るように形成することで、設置が可能となる。図7に示す構成では、羽根部材2が流路管1の内周面に接触するため、図1に示す構成のように、流路管1の内周面近傍を通過するようなショートパスが発生することを抑制でき、図6に示すような流路制限板5を配置する必要性が低減する。
また、螺旋状の流れとは異なる流動体の流れを発生させて攪拌性を向上させる構成としては、邪魔板3や羽根部材2、流路制限板5に流動体が通過可能な孔を設けても良い。邪魔板3、羽根部材2及び流路制限板5のように流動体を案内する部材に孔を設けることで、羽根部材2や流路制限板5に案内される流動体と、孔を通過する流動体とで異なる経路を移動することになる。これにより、あるタイミングで互いに近くに位置していた流動体同士が、邪魔板3、羽根部材2または流路制限板5に案内される流動体と、孔を通過する流動体とに分かれ、経時で離れる作用が生じ易くなり、攪拌性が向上する。
次に、本実施形態のトナーの製造に用いることが出来る各材料や各工程の具体例について説明する。
<芯粒子表面に付着させる樹脂微粒子B>
樹脂微粒子B付着工程で、樹脂微粒子Bをトナーの芯粒子に付着させることによって、帯電性の向上と耐ストレス性の付与を行うことができる。樹脂微粒子Bを構成する材料としては、ポリエステル樹脂、もしくは少なくともスチレン系モノマーからなるモノマー混合物を重合させて得られるビニル系樹脂、もしくはポリエステル樹脂骨格にビニル樹脂成分を有するハイブリッド樹脂が挙げられる。この中でも、トナー表層近傍に分散するワックスとの相溶性を考慮したビニル系樹脂が好ましい。
また、本実施形態のトナー製造工程で得られる着色樹脂粒子を静電潜像現像用トナーなどの帯電することにより機能する粒子として用いるためには、着色樹脂粒子表面は帯電しやすい構造を有しているのがよい。このためには、芳香環構造のように電子が安定に存在できるような電子軌道を持つスチレン系モノマーがモノマー混合物のうち50〜100[質量%]、好ましくは80〜100[質量%]、より好ましくは95〜100[質量%]用いられるのが良い。スチレン系モノマーが50[質量%]未満であると、得られた着色樹脂粒子の帯電性が乏しくなり、着色樹脂粒子のアプリケーションが限定される。
また、樹脂微粒子Bを添加する際、重要なのが樹脂微粒子Bの平均粒子径である。本実施形態では、芯粒子表面に樹脂微粒子Bを添加する際、樹脂微粒子Bの体積平均粒子径が60〜120[nm]、好ましくは60〜110[nm]、更に好ましくは60〜100[nm]に制御されているのが良い。樹脂微粒子Bの粒径が120[nm]より大きいと、粒子を形成する際に樹脂微粒子Bのみで粒子を形成する割合が多くなり、結果として芯粒子表面に分散する樹脂微粒子Bの均一性が低下する。逆に60[nm]より小さいと、樹脂微粒子B単体の凝集性が低下し、芯粒子表面に付着しない浮遊粒子の比率が上昇し、こちらも結果として芯粒子表面に分散する樹脂微粒子Bの均一性が低下する。故に、本実施形態においては芯粒子表面に樹脂微粒子Bを均一に分散させる為の手段として、樹脂微粒子Bを任意の粒径に制御することで、芯粒子表面における樹脂微粒子Bの均一分散が可能になる。
上述したスチレン系モノマーというのは、ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物のことを指す。重合可能な官能基としては、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
具体的なスチレン系モノマーとしては、スチレン、αメチルスチレン、4‐メチルスチレン、4‐エチルスチレン、4‐tert‐ブチルスチレン、4‐メトキシスチレン、4‐エトキシスチレン、4‐カルボキシスチレンもしくはその金属塩、4‐スチレンスルホン酸もしくはその金属塩、1‐ビニルナフタレン、2‐ビニルナフタレン、アリルベンゼン、フェノキシアルキレングリコールアクリレート、フェノキシアルキレングリコールメタクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールアクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールメタクリレート等が挙げられる。この中では、入手が容易で反応性に優れ帯電性の高いスチレンを主に用いるのが好ましい。
上述したビニル系樹脂としては、酸モノマーがモノマー混合物のうち0〜7[質量%]、好ましくは0〜4[質量%]使用するのがよく、より好ましくは酸モノマーを使用しないのが良い。酸モノマーが7[質量%]を超えて使用されると、得られるビニル系の樹脂微粒子Bはそれ自身の分散安定性が高い。このため、油滴が水相中に分散された分散液中にこのような樹脂微粒子Bを添加しても、常温では付着しにくいか、付着をしても脱離しやすい状態にあり、溶媒除去、洗浄、乾燥、外添処理を行う過程で容易に剥がれてしまう。
さらに、酸モノマーの使用量を4[質量%]以下にすることで、得られる着色樹脂粒子が使用される環境によって帯電性の変化が少なくすることができる。ここで、酸モノマーというのは、ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物のことをいい、酸基としては、カルボキシル酸、スルホニル酸、ホスフォニル酸などが挙げられる。
酸モノマーとしては、例えばカルボキシル基含有ビニル系モノマー及びその塩((メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、桂皮酸等)、スルホン酸基含有ビニル系モノマー、ビニル系硫酸モノエステル及びこれらの塩、リン酸基含有ビニル系モノマー及びその塩などがある。
この中では、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキルが好ましい。
ビニル系の樹脂微粒子Bを得る方法としては特に限定されないが、以下の(a)〜(f)が挙げることができる。
(a)モノマー混合物を懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により反応させ、ビニル系樹脂微粒子Bの分散液を製造する。
(b)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子Bを製造する。
(c)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより樹脂微粒子Bを製造する。
(d)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子Bを析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂微粒子Bを製造する。
(e)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する。
(f)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する。
上記(a)〜(f)の方法の中では、製造が容易であり、樹脂微粒子Bを分散液として得られることから次工程への適用がスムーズに行うことができる(a)の方法が好ましい。
(a)の方法において、重合反応を行う際には、水系媒体中に分散安定剤を添加する。もしくは重合反応を行うモノマー中に、重合してできた樹脂微粒子Bの分散安定性を付与できるようなモノマー(いわゆる反応性乳化剤)を添加する。またはこれら二つの手段を併用し、できあがったビニル系樹脂微粒子Bの分散安定性を付与するのがよい。
分散安定剤や反応性乳化剤を使用しないと、粒子の分散状態を維持できないためにビニル系樹脂を微粒子として得ることができなかったり、得られた樹脂微粒子Bの分散安定性が低いために保存安定性に乏しく保管中に凝集してしまったり、する。あるいは上述した樹脂微粒子B付着工程での粒子の分散安定性が低下するために、芯粒子同士が凝集・合一しやすくなり最終的に得られる着色樹脂粒子の粒径や形状・表面などの均一性が悪くなるため、好ましくない。
<分散安定剤>
分散安定剤としては、界面活性剤、無機分散剤などが挙げられる。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α‐オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN‐アルキル‐N,N‐ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
樹脂微粒子Bを製造する場合に、分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、特に制限されないが、好ましくは炭素数3以上の炭化水素基を有するアルキルメルカプタン系の連鎖移動剤を使用することが好ましい。
このような炭素数3以上の炭化水素基を有するアルキルメルカプタン系の疎水性の連鎖移動剤としては、特に制限されないが、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、2‐メルカプトプロピオン酸オクチル、3‐メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸2‐エチルヘキシルエステル、オクタン酸2‐メルカプトエチルエステル、1,8‐ジメルカプト‐3,6‐ジオキサオクタン、デカントリチオール、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。
疎水性連鎖移動剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。連鎖移動剤の添加量は、得られる共重合体を所望の分子量になるように調節できる量であれば特に制限されないが、好ましくは、単量体成分の合計モルに対して、0.01〜30[質量部]、より好ましくは0.1〜25[質量部]である。
連鎖移動剤の添加量が0.01[質量部]未満であると、得られる共重合体の分子量が大きくなりすぎるため、定着性が低下したり、重合反応中にゲル化したりしてしまう可能性がある。逆に、連鎖移動剤の添加量が30[質量部]を超えた場合、未反応の状態で連鎖移動剤が残存し、また得られる共重合体の分子量が小さく、部材汚染を引き起こす。
<有機溶媒中に添加する樹脂>
有機溶媒中に添加する樹脂としては、有機溶媒に少なくとも一部は溶解するようなものを用いるが、その酸価は2〜26[mgKOH/g]であるのが好ましい。
酸価が26[mgKOH/g]を超える場合、水相への移行が起こりやすくなり、その結果製造の過程で物質収支にロスが発生してしまう、あるいは油滴の分散安定性が悪化してしまうなどの問題が発生しやすくなる。
一方、酸価が2[mgKOH/g]未満になると、樹脂の極性が低くなるため、ある程度極性を有する着色剤を油滴内で均一に分散することが難しくなる。
樹脂の種類としては特に限定はないが、電子写真における静電潜像現像用トナーとして用いる場合には、ポリエステル骨格を有する樹脂を用いることにより良好な定着性が得られるので好ましい。
ポリエステル骨格を有する樹脂としては、ポリエステル樹脂や、ポリエステルと他の骨格を有する樹脂とのブロックポリマーがあるが、ポリエステル樹脂を用いたほうが得られる着色樹脂粒子の均一性が高く好ましい。
ポリエステル樹脂としては、ラクトン類の開環重合物、ヒドロキシカルボン酸の縮重合物、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物などが挙げられ、設計の自由度の観点からポリオールとポリカルボン酸との重縮合物が好ましい。
ポリエステル樹脂のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。
1000未満では耐熱保存性が悪化し、30000を超えると静電潜像現像用トナーとしては低温定着性が悪化する。
ポリエステル樹脂を製造するためのポリオール及びカルボン酸について以下説明する。
<ポリオール>
ポリオール(1)としては、ジオール(1‐1)と3価以上のポリオール(1‐2)が挙げられ、(1‐1)単独、または(1‐1)と少量の(1‐2)の混合物が好ましい。
ジオール(1‐1)としては以下のものが挙げられる。
アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2‐プロピレングリコール、1,3‐プロピレングリコール、1,4‐ブタンジオール、1,6‐ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4‐シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;3,3′‐ジフルオロ‐4,4′‐ジヒドロキシビフェニル、等の4,4′‐ジヒドロキシビフェニル類;ビス(3‐フルオロ‐4‐ヒドロキシフェニル)メタン、1‐フェニル‐1,1‐ビス(3‐フルオロ‐4‐ヒドロキシフェニル)エタン、2,2‐ビス(3‐フルオロ‐4‐ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス(3,5‐ジフルオロ‐4‐ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2‐ビス(3‐ヒドロキシフェニル)‐1,1,1,3,3,3‐ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(3‐フルオロ‐4‐ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4‐ヒドロキシフェニル)エーテル類;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物である。特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(1‐2)としては以下のものが挙げられる。
3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物。
<ポリカルボン酸>
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2‐1)と3価以上のポリカルボン酸(2‐2)が挙げられ、(2‐1)単独、または(2‐1)と少量の(2‐2)の混合物が好ましい。
ジカルボン酸(2‐1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)、3‐フルオロイソフタル酸、2‐フルオロイソフタル酸、2‐フルオロテレフタル酸、2,4,5,6‐テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6‐テトラフルオロテレフタル酸、5‐トリフルオロメチルイソフタル酸、2,2‐ビス(4‐カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2‐ビス(3‐カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2'‐ビス(トリフルオロメチル)‐4,4′‐ビフェニルジカルボン酸、3,3'‐ビス(トリフルオロメチル)‐4,4′‐ビフェニルジカルボン酸、2,2'‐ビス(トリフルオロメチル)‐3,3′‐ビフェニルジカルボン酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸(2‐2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
<変性樹脂>
また、油相中に末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を溶解して着色樹脂粒子を得ても良い。変性樹脂を溶解することで、得られる着色樹脂粒子の力学的強度を高めたり、静電潜像現像用トナーとして用いる場合においては先の力学的強度に加え定着時における高温オフセットを防止したりすることが可能となる。
変性樹脂を得る方法としては、イソシアネートを含有するモノマーとともに重合反応をしてイソシアネート基を有する樹脂を得る方法が挙げられる。他の方法として、末端に活性水素を有する樹脂を重合して得た後、ポリイソシアネートと反応させることでポリマー末端にイソシアネート基を導入する方法などが挙げられる。末端にイソシアネート基を導入するという制御性から後者の方法が好ましく採用されうる。
活性水素としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
変性樹脂の骨格としては、粒子の均一性を考慮すると有機溶媒に溶解する樹脂と同じものを用いるのが好ましく、ポリエステル骨格を有するものが良い。
アルコール性水酸基をポリエステルの末端に有する樹脂を得る方法としては、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合において、ポリオールの官能基数をポリカルボン酸の官能基数よりも多めにして重縮合反応を行えばよい。
<結晶性ポリエステル>
また、着色樹脂粒子の低温定着性を向上させるために、結晶性ポリエステルを用いても良い。結晶性ポリエステルは、結晶性をもつがゆえに定着開始温度付近において、急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。つまり、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性が良く、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を起こし、定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性を兼ね備えたトナーを設計することが出来る。また、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度の差)についても、良好な結果を示す。
結晶性ポリエステルは、アルコール成分として炭素数2〜6のジオール化合物、特に1,4‐ブタンジオール、1,6‐ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体を80[モル%]以上、好ましくは85〜100[モル%]含有したものが好ましい。また、少なくとも酸性分としてフマル酸もしくは、二重結合(C=C結合)を有するカルボン酸、およびこれらの誘導体を用いて合成される下記一般式(1)で表される構造を有する結晶性ポリエステルが好ましい。
一般式(1)
[‐O‐CO‐(CR1=CR2)l‐CO‐O‐(CH2)n‐]m・・・(1)
上記一般式(1)では、「n」及び「m」は繰り返し単位の数である。「L」は1〜3の整数である。「R1」及び「R2」は水素原子もしくは炭化水素基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
また、結晶性ポリエステルの結晶性および軟化点を制御する方法として、次のような方法が挙げられる。すなわち、ポリエステル合成時にアルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールや、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行った非線状ポリエステルなどを設計、使用するなどの方法である。
本発明の結晶性ポリエステルの分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。しかし、簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10[cm‐1]もしくは990±10[cm‐1]にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するものを例としてあげることができる。
分子量については、上記の分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れるという観点から、鋭意検討した結果、次のような範囲のものが好ましいことが分かった。すなわち、o‐ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布で、横軸を「log(M)」、縦軸を「質量%」で表した分子量分布図のピーク位置が3.5〜4.0の範囲にある。さらに、ピークの半値幅が1.5以下であり、重量平均分子量(Mw)で1000〜30000、数平均分子量(Mn)で500〜6000、Mw/Mnが2〜8であることが好ましい。
融解温度および1/2流出温度(F1/2温度)については耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが望ましく、好ましくはDSC吸熱ピーク温度が50〜150[℃]である。融解温度およびF1/2温度が50[℃]以下の場合は耐熱保存性が悪化し、現像装置内部の温度でブロッキングが発生しやすくなり、130[℃]以上の場合には定着下限温度が高くなるため低温定着性が得られなくなる。
結晶性ポリエステルの酸価は、紙と樹脂との親和性の観点から、目的とする低温定着性を達成するためにはその酸価が5[mgKOH/g]以上、より好ましくは10[mgKOH/g]以上であることが好ましい。一方、ホットオフセット性を向上させるには45[mgKOH/g]以下のものであることが好ましい。更に、結晶性高分子の水酸基価については、所定の低温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成するためには0〜50[mgKOH/g]、より好ましくは5〜50[mgKOH/g]のものが好ましい。
<無機アルカリ>
芯粒子作製工程における系の水素イオン濃度指数を調整する目的で用いる無機塩基としては、公知の無機塩基を用いることができる。
具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム等の炭酸水素塩;アンモニア溶液、およびこれらの任意の混合物が挙げられる。
上記無機塩基は乳化直前の配管内で水系媒体と混合することが必要である。
無機塩基を水相内で混合させ、滞留させた場合、加水分解により、pHの低下が起こり、芯粒子表面に樹脂微粒子Bを付着させる工程において、付着効率を低下させてしまう。pHの低下を抑えるためには多量に無機塩基を必要とするため、好ましくない。
<有機溶剤>
有機溶剤は、沸点が100[℃]未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。
このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2‐ジクロロエタン、1,1,2‐トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
有機溶媒中に溶解あるいは分散させる樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒もしくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒を用いたほうが溶解性が高く好ましく、このなかでは溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
<水系媒体>
水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。
混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
<界面活性剤>
水系媒体中に油相を分散させて液滴を作製するために界面活性剤が用いられる。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α‐オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN‐アルキル‐N,N‐ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果を上げることができる。
好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸、及び、その金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3‐[ω‐フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]‐1‐アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3‐[ω‐フルオロアルカノイル(C6〜C8)‐N‐エチルアミノ]‐1‐プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N‐プロピル‐N‐(2‐ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)‐N‐エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
<水系媒体に含まれる樹脂微粒子A>
次に、本実施形態で乳化剤として使用している樹脂微粒子Aについて説明する。
帯電性向上や耐ストレス性の付与の目的で、芯粒子形成後に添加している樹脂微粒子Bとは異なり、樹脂微粒子Aは芯粒子形成前の水系媒体に乳化剤として添加することによって、油滴同士の合一を抑制し、造粒性を向上させることが出来る。水系媒体に含まれる樹脂微粒子Aは、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。
例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子Aとしては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。
このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂又はそれらの併用樹脂からなるものが好ましい。
ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーが好ましい。例えば、スチレン‐(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン‐ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸‐アクリル酸エステル重合体、スチレン‐アクリロニトリル共重合体、スチレン‐無水マレイン酸共重合体、スチレン‐(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。樹脂微粒子Aにおいて、その平均粒径は35〜55[nm]である。
<保護コロイド>
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。
例えばアクリル酸、メタクリル酸、α‐シアノアクリル酸、α‐シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β‐ヒドロキシエチル、メタクリル酸β‐ヒドロキシエチル、アクリル酸β‐ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β‐ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ‐ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ‐ヒドロキシプロピル、アクリル酸3‐クロロ2‐ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3‐クロロ‐2‐ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N‐メチロールアクリルアミド、N‐メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長及び/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
<着色剤>
本実施形態の着色剤としては公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
<着色剤のマスターバッチ化>
本実施形態で用いる着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp‐クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン‐p‐クロロスチレン共重合体、スチレン‐プロピレン共重合体、スチレン‐ビニルトルエン共重合体、スチレン‐ビニルナフタリン共重合体、スチレン‐アクリル酸メチル共重合体、スチレン‐アクリル酸エチル共重合体、スチレン‐アクリル酸ブチル共重合体、スチレン‐アクリル酸オクチル共重合体、スチレン‐メタクリル酸メチル共重合体、スチレン‐メタクリル酸エチル共重合体、スチレン‐メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン‐α‐クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン‐アクリロニトリル共重合体、スチレン‐ビニルメチルケトン共重合体、スチレン‐ブタジエン共重合体、スチレン‐イソプレン共重合体、スチレン‐アクリロニトリル‐インデン共重合体、スチレン‐マレイン酸共重合体、スチレン‐マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
<マスターバッチ作製方法>
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得ることができる。マスターバッチを得る際には、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。
いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も好ましく用いられる。この方法では、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がない。
混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。また、水溶性ポリマーの添加により分散液滴の更なる安定化を促進させても良い。
水溶性ポリマーとしては、セルロース系化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらのケン化物など)、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、アクリル酸(塩)含有ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸の水酸化ナトリウム部分中和物、アクリル酸ナトリウム‐アクリル酸エステル共重合体)、スチレン‐無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム(部分)中和物、水溶性ポリウレタン(ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール等とポリイソシアネートの反応生成物等)などが挙げられる。
<離型剤>
また、着色樹脂粒子を静電潜像現像用トナーとして用いる際に、定着離型性を高める目的で離型剤を有機溶媒中に分散させておいても良い。
離型剤としては、ワックスやシリコーンオイルなどの、定着プロセスで加熱されたときに十分に粘度が低く、かつ着色樹脂粒子のほかの物質と定着部材表面に相溶あるいは膨潤しにくい物質が使用される。着色樹脂粒子そのものの保存安定性を考えると、通常保管時に着色樹脂粒子中で固体として存在するワックスを用いるのが好ましい。
ワックスとしては、長鎖炭化水素、カルボニル基含有ワックスなどがある。
長鎖炭化水素としては、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);石油系ワックス(パラフィンワックス、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックスなど);のほか、フィッシャートロプシュワックスも挙げられる。
カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。
この中で、特に離型性がよい長鎖炭化水素が好ましい。さらに、長鎖炭化水素を離型剤として用いる場合、カルボニル基含有ワックスを併用してもよい。
<帯電制御剤>
さらに、必要に応じて帯電制御剤を有機溶媒中に溶解あるいは分散させておいても良い。
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP‐51、含金属アゾ染料のボントロンS‐34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE‐82、サリチル酸系金属錯体のE‐84、フェノール系縮合物のE‐89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP‐302、TP‐415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA‐901、ホウ素錯体であるLR‐147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
次に、本実施形態のトナー製造方法の具体的な実施例を説明する。
<樹脂微粒子A分散液の製造>
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、以下のものを仕込んだ。
・水:683[質量部]
・メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS‐30、三洋化成工業製):11[質量部]
・ドデカノールエチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(キャリポンEN−200、三洋化成工業製):5[質量部]
・スチレン:83[質量部]
・メタクリル酸:83[質量部]
・アクリル酸ブチル:110[質量部]
・過硫酸アンモニウム1[質量部]
これらのものを反応容器に仕込み、400[回転/分]で15[分間]撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
得られた白濁液を加熱して系内温度75[℃]まで昇温し、2[時間]反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30[質量部]を滴下にて加え、75[℃]で8[時間]熟成した。これにより、ビニル系樹脂(スチレン‐メタクリル酸‐アクリル酸ブチル‐メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の固形分20[%]の樹脂微粒子A分散液を得た。液体積平均粒径は38[nm]であった。
<樹脂微粒子B分散液の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7[質量部]、イオン交換水498[質量部]をいれ、攪拌しながら80[℃]に加熱して溶解させた。その後、過硫酸カリウム2.6[質量部]をイオン交換水104[質量部]に溶解させたものを加えた。その15分後に、スチレンモノマー200[質量部]、n‐オクタンチオール4.2[質量部]の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80[℃]に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して体積平均粒子径105[nm]の白色の樹脂微粒子B分散液を得た。
<低分子ポリエステルの合成>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、以下のものを入れた。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物220[質量部]
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物561[質量部]
・テレフタル酸218[質量部]
・アジピン酸48[質量部]
・ジブチルチンオキサイド2[質量部]
これらのものを反応容器を入れ、常圧下、230[℃]で8[時間]反応した。
次いで、10〜15[mmHg]の減圧下で5[時間]反応した後、反応容器内に無水トリメリット酸45[質量部]を入れ、常圧下、180[℃]で2[時間]反応し、[低分子ポリエステル1]を合成した。
得られた低分子ポリエステルは、数平均分子量2,500、重量平均分子量6,700、ガラス転移温度(Tg)43[℃]、酸価25[mgKOH/g]であった。
<結晶性ポリエステルの合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、以下のものを入れた。
・1,4‐ブタンジオール2070[質量部]
・フマル酸2535[質量部]
・無水トリメリット酸291[質量部]
・ハイドロキノン4.9[質量部]
これらのものを反応容器を入れ、160[℃]で5[時間]反応させた後、200[℃]に昇温して1[時間]反応させ、さらに8.3[kPa]にて1[時間]反応させて結晶性ポリエステルを得た。
<結晶性ポリエステル分散液の作製>
結晶性ポリエステルを36[質量%]で酢酸エチル中に混合し、55[℃]で1[時間]溶解させた後、冷却水を用いた外部熱交換器を使用して、20[℃]以下になるまで冷却し、結晶性ポリエステルを析出させて晶析液を得た。
ここで得た結晶性ポリエステル晶析液をビーズミル装置(LMZ25、アシザワファインテック製)を用いて循環粉砕し、結晶性ポリエステル分散液を得た。メディアはビーズ径0.5[mm]のジルコニアビーズを使用した。
<離型剤晶析液の作製>
エステルワックス(LW−13;三洋化成製)12.2[質量%]、分散剤(スチレンアクリル;三洋化成社製)8.5[質量%]、前記低分子ポリエステル36.6[質量%]、を酢酸エチル77.1[質量%]に加え、60[℃]で3[時間]加熱溶融した。その後、外部熱交換器で30[℃]以下になるまで冷却し、離型剤晶析液を作製した。
<離型剤分散液の作製>
この離型剤晶析液をビーズミル装置(LMZ60、アシザワファインテック製)を用いて循環分散し、離型剤分散液を得た。メディアはビーズ径0.3[mm]のジルコニアビーズを使用した。
<低分子ポリエステル溶解液の作製>
前記低分子ポリエステル樹脂を70[質量%]で酢酸エチルに、溶解温度を40[℃]に制御し、溶解させた低分子ポリエステル溶解液を得た。
〔実施例1〕
<油相の作製>
離型剤分散液を215[質量部]、前記低分子ポリエステル溶解液を431[質量部]、黒色顔料C−60を43[質量%]と低分子ポリエステルを57[質量%]混練した。この混練によってマスターバッチ化した材料を91[質量部]、酢酸エチルを153[質量部]、酢酸エチルを106[質量部]、これらをタンク内に投入し、3[時間]溶解、分散した。次に、高能率分散機(エバラマイルダー、荏原製作所製)を用いて、6[時間]循環分散して油相1を得た。
<プレポリマーの合成>
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管を備えた反応槽内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物を795[質量部]、イソフタル酸200[質量部]、テレフタル酸65[質量部]、及びジブチルチンオキサイド2[質量部]をそれぞれ投入した。その後、常圧窒素気流下、210[℃]で8[時間]縮合反応した。
次に、10〜15[mmHg]の減圧下で脱水しながら5[時間]反応を継続し、その後80[℃]まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170[質量部]と2[時間]反応を行い、プレポリマー1を得た。
得られたプレポリマーの重量平均分子量は5,000であった。
<水相の作製>
水1180[質量部]、樹脂微粒子A分散液51[質量部]、50[質量%]のドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液262[質量部]及び酢酸エチル138[質量部]を、それぞれ投入した。これを、混合撹拌して、水相1を得た。ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液としては、三洋化成工業株式会社製のエレミノールMON−7を用いた。
<乳化>
以下のものをパイプラインホモミキサー(プライミクス株式会社製)に供給した。
・油相1を4.20[kg/min]
・プレポリマー1を0.84[kg/min]
・水相1を8.39[kg/min]
・4%水酸化ナトリウム水溶液を0.634[kg/min]
・酢酸エチルを0.42[kg/min]
これらを、パイプラインホモミキサー(プライミクス株式会社製)に供給し、2,960[rpm]の回転数で、60[分間]の連続運転により着色樹脂粒子分散液を得た。
<樹脂微粒子Bの付着>
得られた乳化分散液を内径43[mm]の分散液送液配管(図2中の合流管20)に対して、14.48[kg/min]で送り出す。このように送り出されて分散液送液配管(図2中の合流管20)を通過する乳化分散液に対して、30[質量部]の樹脂微粒子B分散液と45[質量部]の水とを混合したものを、1.448[kg/min]添加する。乳化分散液と樹脂微粒子B分散液とが合流した混合液を本発明を適用した流動体攪拌装置10で混合し、複合粒子分散液を得る。複合粒子分散液を得た後、151[質量部](対芯粒子重量で100[質量%])の純水を添加した。
流動体攪拌装置10内の羽根部材2としては、一単位のひねり角度は180[°]、配管径に対する羽根部材2のピッチ(上記「P/D」)は1.5、配管は内径43[mm]とした。邪魔板は、4[mm]×6[mm]の角棒を軸方向に直線状に配置し、4つを周方向に等配置し、邪魔板の軸中心方向への「高さ(H)」は、「配管径(D)」に対して、「H/D=0.14」とした。エレメントには孔を空けなかった。エレメント数は6個とした。スタティックミキサー長さは150[mm]とした。
このような流動体攪拌装置10を用いて得た混合液に対して、脱溶工程、洗浄・乾燥工程及び外添処理工程を順に実行して、ブラックトナー(1)を得た。
〔実施例2〕
樹脂微粒子B付着工程において、流動体攪拌装置10に流路制限板5として外径が流路管1の内径に一致し、かつ螺旋状の羽根部材2の外径を内径とする円環状の部材を、各エレメントごとに1つずつ設けた。流路制限板5を設けたこと以外は実施例1と同様にして処理を行い、ブラックトナー(2)を得た。
〔実施例3〕
樹脂微粒子B付着工程において、流動体攪拌装置10の螺旋状の羽根部材2に直径4[mm]の孔を1エレメント(一単位)あたり四つ空けた。孔を設けたこと以外は実施例2と同様にして処理を行いブラックトナー(3)を得た。
〔実施例4〕
樹脂微粒子B付着工程において、一単位の羽根部材2の捻り角度を90[°]、配管径に対する羽根部材2のピッチの値を1.0、流路管1は内径37.1[mm]とした。邪魔板3は、3[mm]×3[mm]の角棒を軸方向に直線状に配置し、四つを周方向に等配置し、邪魔板3の軸中心方向への高さ「H」は、配管径「D」に対して、「H/D=0.09」の関係を満たす形状とした。実施例4では、羽根部材2には孔を空けなかった。一単位の羽根部材2の数は12個とした。
ここで説明した内容以外は実施例1と同様にして処理を行いブラックトナー(4)を得た。
〔実施例5〕
樹脂微粒子B付着工程において、流体混合装置に流体通路制限板として外径が通路管の内径に一致し、かつ螺旋状の羽根体の外径を内径とする円環状を各エレメントごとに1つずつ設けること以外は実施例4と同様にして処理を行いブラックトナー(5)を得た。
〔実施例6〕
樹脂微粒子B付着工程において、流動体攪拌装置10の螺旋状の羽根部材2に直径4[mm]の孔を1エレメント(一単位)あたり二つ空けた。孔を設けたこと以外は実施例5と同様にして処理を行いブラックトナー(6)を得た。
上記実施例1〜6の測定結果を表1に示す。
Figure 0006260850
表1中の「ピッチ」は、配管径に対する羽根部材2のピッチの長さ(上記「P/D」)であり、無次元値である。
〔評価項目〕
「トナー体積粒径変化」と「粗大粒子量」の評価は、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」を用い、アパーチャー径100[μm]で前述の方法で測定した。
<トナー体積粒径変化(ΔDv)>
トナー体積粒径変化(ΔDv)は以下の式によって算出した。
乳化工程において、乳化機によりせん断した直後の乳化分散液の体積粒径中央値を「Dv1」とする。樹脂微粒子B付着工程において、樹脂微粒子Bの付着開始より600[秒]経過させる。この経過後の、乳化分散液の体積粒径中央値を「Dv2」とする。このとき、「ΔDv=Dv2−Dv1」とし、10回分の平均値を算出した。
トナー体積粒径変化が大きい場合、トナー粒子の粗大化を招くとともに、トナー粒径制御を困難にするため、「ΔDv」の値は、0.5[μm]未満が好ましく、0.2[μm]未満がより好ましく、0.1[μm]未満が特に好ましい。
作製したトナーのトナー体積粒径変化(ΔDv)の評価基準を以下に示す。
「◎」 : 0.1[μm]未満
「○」 : 0.1[μm]以上0.2[μm]未満
「△」 : 0.2[μm]以上0.5[μm]未満
「×」 : 0.5[μm]以上
<粗大粒子量>
トナーに含まれる粗大粒子量は、は12.7〜40.4[μm]の粒子とし、この測定による結果から10回分の平均値を算出し、トナー重量に対する[体積%]で以下のように評価した。粗大粒子量は多ければ多いほど生産性と歩留の向上低下を招くため、12[%]未満が好ましく、5[%]未満がより好ましく、2[%]未満が特に好ましい。
作製したトナーの粗大粒子量の評価基準を以下に示す。
「S」 : 1[%]未満
「A」 : 1[%]以上、2[%]未満
「B」 : 2[%]以上、5[%]未満
「C」 : 5[%]以上、12[%]未満
「D」 : 12[%]以上
<樹脂微粒子B付着率>
芯粒子に対する樹脂微粒子Bの付着性は、X−Rite社製の分光濃度計X−Rite939を使用した。具体的な測定方法としては、まず、濃度を振った樹脂微粒子B水溶液を調整し、X−Rite939でスペクトルを測定することによって、X−Rite939のスペクトルより樹脂微粒子Bの濃度を導出できる検量線を作成した。次に、樹脂微粒子B付着工程後の分散液を1.6[mL]取って、純水11[mL]に希釈し、遠心分離(2750[rpm]、5[min])を行って上澄み液を得た。この上澄み液を光学セルに移し、X−Rite939を使用してスペクトルを測定した。前述の検量線より、芯粒子に付着せず残留した樹脂微粒子Bの量である「Q1」を算出した。添加した樹脂微粒子Bの総量を「Q0」とすると、樹脂微粒子Bの付着率Rは以下の式で求められる。
「R=(Q0−Q1)/Q0」
今回は10回分の平均値とを算出した。
「樹脂微粒子B付着率」が低い場合、製造したトナーは十分な帯電量を得ることができず、地汚れのような画像異常を発生する原因となる。また、付着しなかった樹脂微粒子Bが洗浄工程で使用される濾布の目詰まりを発生させ、洗浄効率の低下の原因ともなる。このため、樹脂微粒子Bの付着率は95[%]以上が好ましく、98[%]以上がより好ましく、99[%]以上が特に好ましい。
樹脂微粒子Bの付着率の評価基準を以下に示す。
「◎」 : 99[%]以上
「○」 : 98[%]以上、99[%]未満
「△」 : 95[%]以上、98[%]未満
「×」 : 95[%]未満
また、10回分の付着率の平均値をQ2とし、N回目の付着率Rとして、10回分の平均値と各回の結果のばらつきSを以下の式で算出した。
「S=(Σ|Q2−R|)/10」
ばらつきが大きければ大きいほど生産性と歩留の低下を招くため、ばらつきSは2[%]未満が好ましく、1.5[%]未満がより好ましく、1[%]未満が特に好ましい。
樹脂微粒子Bの付着率のばらつきは以下のように評価した。
「◎」 : 1[%]未満
「○」 : 1[%]以上、1.5[%]未満
「△」 : 1.5[%]以上、2[%]未満
「×」 : 2[%]以上
<樹脂微粒子B付着強度>
樹脂微粒子Bの芯粒子への付着強度は以下の方法で測定した。
110[ml]のガラス容器に5%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液およびトナー母体を4[g]入れ、60[分間]攪拌した溶液を200[ml]ステンレスカップに移した。そして、ステンレスカップごと氷水で冷やしながら超音波ホモジナイザー(SONICS社製、SONICS−VCX750)を用いて80[W]で5[分間]超音波エネルギーを付与する。超音波付与後の溶液を遠心分離機(株式会社松浦製作所製、CN−1040)を用いて3000[rpm]で5[分間]遠心分離した。この遠心分離したものの、上澄み溶液を紫外・可視分光計(島津製作所社製、UV−2550)にて測定したときの800[nm]における透過率を樹脂微粒子B付着強度とした。
この樹脂微粒子B付着強度の値が大きいほど樹脂微粒子Bの遊離が少なく良好なため、60以上が好ましく、70以上がより好ましく、80以上が特に好ましい。
樹脂微粒子B付着強度の評価基準を以下に示す。
「◎」 : 80以上
「○」 : 70以上80未満
「△」 : 60以上70未満
「×」 : 60未満
また、10回分の付着強度の平均値をT0とし、N回目の付着強度Tとして、10回分の平均値と各回での結果のばらつきUを以下の式で導出した。
「U=(Σ|T0−T|)/10」
ばらつきが大きければ大きいほど生産性と歩留の低下を招くため、ばらつきUは8[%]未満が好ましく、5[%]未満がより好ましく、3[%]未満が特に好ましい。
樹脂微粒子Bの付着強度のばらつきは以下のように評価した。
「◎」 : 3[%]未満
「○」 : 3[%]以上、5[%]未満
「△」 : 5[%]以上、8[%]未満
「×」 : 8[%]以上
<感光体地汚れ>
「感光体地汚れ」は、上述した各実施例で作製したトナーをリコー製ipsio SP C220を用いて、測定した。詳しくは、印字率6[%]の所定のプリントパターンを、N/N環境下(23[℃]、45[%])の初期(耐久前)と2000枚連続複写後(耐久後)に、地汚れトナーの「L*」をテープ転写法で求めた。
テープ転写法とは、次のような測定方法である。すなわち、メンディングテープ(住友3M社製)を感光体上に存在するトナー上に貼り付けてカブリトナーをテープ上に転写する。そして、このメンディングテープ及び貼り付け前のメンディングテープをそれぞれ白紙上に貼り付ける。そして、これらの反射濃度をX‐Rite939で測定し、その差「L*」を地汚れの反射濃度として求める方法である。
「感光体地汚れ」の評価基準を以下に示す。
「○」 : 初期と耐久後の「L*」の変化率が2[%]未満
「△」 : 初期と耐久後の「L*」の変化率が2[%]以上、5[%]未満
「×」 : 初期と耐久後の「L*」の変化率が5[%]以上
「感光体地汚れ」は上記評価のうち、「○」および「△」を合格とした。
<定着下限温度>
「定着下限温度」は、リコー製ipsio SP C220の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(リコー社製)に複写テストを行った。具体的には、定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)を求めた。
「定着下限温度」の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150[mm/秒]、面圧を1.2[kgf/cm]、ニップ幅を3[mm]とした。また、「定着上限温度」の評価条件は、紙送りの線速度を50[mm/秒]、面圧を2.0[kgf/cm]、ニップ幅を4.5[mm]とした。
「定着下限温度」の評価基準を以下に示す。
「○」:定着下限温度130[℃]未満
「△」:定着下限温度130[℃]以上140[℃]未満
「×」:定着下限温度140[℃]以上
「定着下限温度」は上記評価のうち、「○」および「△」を合格とした。
<耐熱保存性>
「耐熱保存性」は、針入度として測定した。50[ml]のガラス容器にトナーを充填し、50[℃]の恒温槽に24[時間]放置した。このトナーを24[℃]に冷却し、針入度試験(JIS K2235‐1991)により針入度[mm]を測定し、下記基準に基づいて評価した。なお、前記針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示している。
「耐熱保存性」の評価基準を以下に示す。
「○」 : 針入度25[mm]以上
「△」 : 針入度15[mm]以上25[mm]未満
「×」 : 針入度15[mm]未満
「耐熱保存性」は上記評価のうち、「○」および「△」を合格とした。
〔変形例〕
上述した実施形態のトナー製造の製造過程での樹脂微粒子B付着工程では、乳化工程(芯粒子分散工程)で得られた芯粒子分散液が配管内を送液されている状態において樹脂微粒子B分散液を投入して樹脂微粒子Bを芯粒子上に付着させている。これにより、所定量の芯粒子分散液を充填した攪拌容器内に、樹脂微粒子B分散液を供給する従来のトナー製造方法での樹脂微粒子B付着工程よりも、トナーの粒径、樹脂微粒子Bの芯粒子への付着の割合及び強度(付着強度)のばらつきを抑えることが出来る。
以下、変形例として、乳化工程で得られた芯粒子分散液が配管内を送液されている状態において樹脂微粒子B分散液を投入して樹脂微粒子Bを芯粒子上に付着させる構成を備えたトナー製造方法について説明する。
図10は、変形例のトナー製造方法で用いる混合装置100の説明図である。
有機溶媒中に少なくとも樹脂、離型剤、着色剤を溶解あるいは分散させた油相は油相タンクT1内にあり、油相タンクT1は油相タンク液面計S4を備え、タンク内の油相量を監視する。油相タンクT1は、油相タンク底バルブV1を介し、配管にて分散機M1への供給ラインを構成し、分散機M1への供給は油相フィードポンプP1で行い、その流速は油相流量計S1で監視される。
水系溶媒は水系溶媒タンクT2内にあり、水系溶媒タンクT2は水系溶媒タンク液面計S5を備え、タンク内の水系溶媒量を監視する。水系溶媒タンクT2は、水系溶媒タンク底バルブV2を介し、配管にて分散機M1への供給ラインを構成し、分散機M1への供給は水系溶媒フィードポンプP2で行い、その流速は水系溶媒流量計S2で監視される。
水系溶媒には、樹脂微粒子Aが混合されており、分散機M1では供給された油相と水系溶媒とにせん断力を付与することより、水系溶媒中に油相を分散させた芯粒子分散液が生成される。
分散機M1から流路は、分散機M1に循環するラインと、ミキシングエレメントM2に供給するラインとが配管にて構成される。分散機M1で生成された芯粒子分散液は、一部がミキシングエレメントM2に向けて排出され、他の部分は循環経路を循環して分散機M1に到達し、さらにせん断力の付与を受ける。油相タンクT1及び水系溶媒タンクT2から油相及び水系溶媒が循環経路内に供給されることによって増量した分がオーバーフローして、ミキシングエレメントM2に向けて排出される一部となる。
樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液は樹脂微粒子BタンクT3内にあり、樹脂微粒子BタンクT3は樹脂微粒子タンク液面計S6を備え、タンク内の樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液の量を監視する。樹脂微粒子BタンクT3は、樹脂微粒子タンク底バルブV3を介し、ミキシングエレメントM2への供給ラインを配管にて構成する。ミキシングエレメントM2への樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液の供給は樹脂微粒子BフィードポンプP3で行い、ミキシングエレメントM2への供給量は樹脂微粒子B流量計S3で監視される。
ミキシングエレメントM2では分散機M1で分散されて生成された芯粒子分散液と樹脂微粒子Bとを混合する。ミキシングエレメントM2は、混合分散液タンクT4または廃液タンクT5への混合後のラインを配管にて構成する。
ミキシングエレメントM2から構成される混合後のラインにおける混合分散液タンクT4と廃液タンクT5との分岐部には、切り替えバルブV4により、混合分散液タンクT4への仕込みと廃液タンクT5への送液とを切り分けている。品質が安定する前の混合分散液は廃液タンクT5に送液される。廃液タンクT5は廃液タンク液面計S8を備え、タンク内の廃液量を監視する。品質が安定した後の混合分散液は、混合分散液タンクT4に送液され、混合分散液タンクT4は混合分散液タンク液面計S7を備え、混合分散液の量を監視する。
混合装置100が備える油相タンク底バルブV1、水系溶媒タンク底バルブV2、樹脂微粒子タンク底バルブV3にはボールバルブを用いることができ、切り替えバルブV4にはト型ボールバルブなどを用いることができる。
油相フィードポンプP1にはロータリーポンプなどを用いることができ、水系溶媒フィードポンプP2及び樹脂微粒子BフィードポンプP3にはダイヤフラムポンプなどを用いることができる。油相流量計S1、水系溶媒流量計S2及び樹脂微粒子B流量計S3には質量流量計などを用いることができる。油相タンク液面計S4、水系溶媒タンク液面計S5、樹脂微粒子タンク液面計S6、混合分散液タンク液面計S7及び廃液タンク液面計S8には隔膜式差圧伝送器などを用いることができる。
次に、分散機M1について説明する。
分散機M1には特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の分散機が適用できる。分散体の粒径を2〜20[μm]にするために高速せん断式分散機が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000[rpm]、好ましくは5000〜15000[rpm]である。分散機M1としては、パイプラインホモミクサー2W6型(プライミクス株式会社製)などを用いることが出来る。
次に、ミキシングエレメントM2について説明する。
ミキシングエレメントM2には特に限定されるものではないが、流体がその内側を通流する通路管と、この通路管の内側に複数個の流体通路を形成した流体通路構造体とからなるものである。このミキシングエレメントM2としては、スタティックミキサー(株式会社ノリタケカンパニーリミテド製)などを用いることが出来る。また、上記実施形態で説明した流動体攪拌装置10を用いることでさらに混合が促されるため、より好ましい。
変形例の混合装置100では、有機溶媒中に少なくとも樹脂、離型剤、着色剤を溶解あるいは分散させた油相を、分散機M1において、樹脂微粒子Aを含む水系溶媒中に分散する芯粒子分散工程を実施する。これにより、主成分が油相からなる芯粒子が分散した芯粒子分散液を作成する。次に、分散機M1を通過した芯粒子分散液がミキシングエレメントM2に移動する間に水系溶媒中の主成分が油相からなる微粒子が集まり(収斂し)、ある程度の大きさの芯粒子を形成する。このため、分散機M1からミキシングエレメントM2に向けて芯粒子分散液が移動する工程が収斂工程となる。
次に、収斂工程で得た芯粒子分散液に樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液を添加して、芯粒子表層に付着させる樹脂微粒子B付着工程を実行する。
このような工程を含むトナー製造方法で、変形例の混合装置100は、樹脂微粒子B付着工程として、芯粒子分散液の送液中に樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液を添加し、配管内で混合させる。これにより、芯粒子分散液の送液途中で樹脂微粒子Bを添加し、配管内で混合させ、芯粒子に樹脂微粒子Bを付着させる。これにより、同一で且つ短い収斂時間を経た状態の芯粒子分散液に対して樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液を即座に均一に混ぜることができ、粒径、樹脂微粒子Bの芯粒子への付着の割合及び強度(付着強度)のばらつきを抑えることが出来る。
さらに、変形例の混合装置100では、樹脂微粒子B付着工程となる芯粒子分散液に樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液が添加された後の配管に流動体攪拌装置であるミキシングエレメントM2を配置している。すなわち、樹脂微粒子B付着工程で芯粒子表層に樹脂微粒子Bを付着させる手段としてミキシングエレメントM2を備える。これにより、樹脂微粒子Bと芯粒子分散液との混合が促され、粒径、樹脂微粒子Bの芯粒子への付着の割合及び強度(付着強度)のばらつきを、さらに抑えることが出来る。
ここで、従来のトナー製造方法について説明する。
変形例のトナー製造方法は、電子写真などにおける静電荷現像用トナーとして使用可能で、表面に樹脂微粒子が付着してなる着色トナー微粒子の製造方法に関する。電子写真方式による画像形成装置において、可視像を形成するのに着色剤を含有する着色樹脂粒子がトナーとして用いられる。種々のトナーの中で、小粒径で粒度分布が狭い重合トナーがある。
さらに、結着樹脂として定着性に優れたポリエステルを主成分として用いることのできるトナー製造方法では、まず、少なくともポリエステルなどの結着樹脂と着色剤とを有機溶媒中に溶解もしくは分散させた油相を作製する。次に、この油相を少なくとも界面活性剤を有する水相に投入して分散させることにより油相を水相中に分散させた後、有機溶媒を系中から除去し、得られた樹脂粒子を洗浄、乾燥することによってトナーを得る方法(以下、溶解懸濁法とする)がある。しかし、上記溶解懸濁法等のようにポリエステルを結着樹脂の主成分とするトナーはスチレンアクリル樹脂を主成分とするトナーに比べ、帯電をしにくい傾向がある。
特に一成分現像システムにおいては、トナーは供給ローラなどの供給部材と現像ローラなどの現像剤担持体による攪拌、摺擦や、現像剤担持体と規制ブレードなどの規制部材との摺擦によってトナーを帯電させる。このような一成分現像システムでは、鉄粉などのキャリアと攪拌混合してトナーを帯電させる二成分現像システムと呼ばれる方法に比べて、トナーが帯電する機会が少ないため、帯電性の低さはより大きな課題となる。そのため、いろいろな検討が行われてきたが、その方法のひとつとしてトナー表面に帯電性に優れたビニル系樹脂を存在させる方法が知られている。
そのうち、例えば、水相中に油相を分散させて油滴を作製した後、得られた油滴分散液から溶媒を除去する前にビニル系樹脂微粒子分散液を投入し、粒子の表面にビニル系樹脂を存在させる方法が知られている。上記ビニル系樹脂微粒子分散液は、ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物と、0〜7[質量%]のビニル重合性官能基と酸基を有するモノマー混合物とを重合させて得られる。
この方法を用いて製造されたトナーは芯粒子表面における樹脂微粒子の付着性が悪く、帯電性の向上が見られなかったため、電子写真プロセスで帯電不良による不具合が発生することがあり、トナーとして満足できるような粒子を得ることができなかった。これに対して、樹脂微粒子の付着率を改善するために、次のような方法が知られている。すなわち、水相中に油相を分散させて油滴を作製した後、減圧下で加熱処理を行い、芯粒子を分散した水系媒体中の有機溶媒の濃度を0.10[質量%]以上、5.00[質量%]以下に調整した後に、ビニル系樹脂微粒子と混合する方法が知られている。
しかしながら、この方法では、樹脂微粒子の付着に多大な時間が必要とされるため、生産性の低下を引き起こすという問題がある。また、ビニル系樹脂を芯粒子に固着させるために70[℃]以上の高温で加熱を行う必要がある。しかし、低温定着性が求められるトナーにおいて、このような高温での加熱は樹脂の変性を引き起こし、低温定着性が悪化するという問題が発生する。加えて、工業的に生産を行う上でも多大なエネルギーを必要とするため、経済的にも環境負荷を考える上でも好ましい方法とはいえない。
これに対して、高温での加熱を行うことなく、粒子表面に樹脂微粒子を効率よく付着させることができ、電子写真用の静電潜像現像用トナーとして、低温定着性と帯電安定性とを両立させることのできる着色樹脂微粒子の製造方法として次のような方法がある。すなわち、有機溶媒中に少なくとも樹脂、離型剤、着色剤を溶解あるいは分散させた油相を、樹脂微粒子Aを含む水系溶媒中に分散させ、主成分が油相からなる芯粒子が分散した芯粒子分散液を作成する芯粒子分散工程を実施する。次に、分散液中の芯粒子を収斂させる収斂工程を実施し、収斂工程で得た芯粒子分散液中に、樹脂微粒子Bもしくは樹脂微粒子B分散液を添加して、芯粒子表層に樹脂微粒子Bを付着させる樹脂微粒子B付着工程を実施する。このように、芯粒子分散工程、収斂工程及び樹脂微粒子B付着工程を含むトナーの製造方法であって、樹脂微粒子B付着工程が芯粒子分散液を槽に受け入れ、樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液を添加し、槽内で混合させる方式が知られている。この方式は、バッチ方式と呼ばれ、槽内で混合させることで芯粒子に樹脂微粒子Bを付着させる。
しかし、このバッチ方式では槽に分散液を受け入れた後に樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液を添加するため、槽内で収斂時間が同じでない芯粒子に対して樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液を添加することとなる。そして、収斂時間が長い芯粒子が存在することで芯粒子が粗大化する。また、芯粒子の収斂時間がばらつき、さらに、芯粒子分散液に樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液が均一に混ざるまでの時間がかかる。
これにより芯粒子の粒径及び、樹脂微粒子Bの芯粒子への付着の割合(樹脂微粒子B付着率)及び強度(樹脂微粒子B付着強度)などがばらつき、品質が安定しない。
ここで述べた樹脂微粒子B付着率は次式にて計算する。
「樹脂微粒子B付着率=(添加した樹脂微粒子B−芯粒子に付着しなかった樹脂微粒子B)/添加した樹脂微粒子B」
また、樹脂微粒子B付着強度とは芯粒子に樹脂微粒子Bが付着した後、外部ストレスを受けた際の樹脂微粒子Bの剥がれにくさの指標である。
さらに、バッチ方式では次のような問題がある。すなわち、芯粒子分散工程、収斂工程及び樹脂微粒子B付着工程を実行し、バッチを完了させないと品質結果が判明せず、品質不良が生じるときには、1バッチ分の品質不良品を製造してしまうという問題があった。
特許文献4には、樹脂粒子表面に微粒子が均一に固着したトナー粒子を有するトナーの製造目的で、次のようなトナー製造方法が開示されている。すなわち、少なくとも第一の樹脂及び着色剤を含むトナー芯粒子と、第二の樹脂からなる樹脂微粒子とを含み、前記樹脂微粒子の一部分が前記トナー芯粒子に埋没し、前記樹脂微粒子の他の部分が前記トナー芯粒子表面から露出して突起部を形成する製造方法である。
特許文献4に記載の製造方法は、変形例とは粒子に対して微粒子を被覆させる点では似ている点がある。しかし、芯粒子の粒径及び、樹脂微粒子Bの芯粒子への付着の割合(付着率)及び強度(樹脂微粒子B付着強度)がばらつき、品質が安定しないという問題は解消できていない。
また、特許文献5には、樹脂粒子表面に微粒子が均一に固着したトナー粒子を有するトナーを製造する目的で、次のようなトナー製造方法が開示されている。すなわち、懸濁重合法によって得られた樹脂粒子と微粒子とを混合後、撹拌して、樹脂粒子に微粒子を付着させる。付着後の樹脂粒子を水系媒体中に分散させた後、該樹脂粒子に高いせん断力を加えながら水系媒体の温度を該樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)より高い62℃の温度から90℃以下の温度の範囲内に制御する。これによって樹脂粒子表面に該微粒子を固着させ製法が開示されている。
特許文献5に記載の製造方法は、変形例とは粒子に対して微粒子を被覆させる点では似ている点がある。しかし、芯粒子の粒径及び、樹脂微粒子Bの芯粒子への付着の割合(付着率)及び強度(付着強度)がばらつき、品質が安定しないという問題は解消できていない。
次に、従来の樹脂微粒子B付着工程における設備の一例について説明する。
図11は、従来のトナー製造方法で用いる混合装置100の一例の説明図である。
有機溶媒中に少なくとも樹脂、離型剤、着色剤を溶解あるいは分散させた油相は油相タンクT1内にあり、油相タンクT1は油相タンク液面計S4を備え、タンク内の油相量を監視する。油相タンクT1は、油相タンク底バルブV1を介し、配管にて分散機M1への供給ラインを構成し、分散機M1への供給は油相フィードポンプP1で行い、その流速は油相流量計S1で監視される。
水系溶媒は水系溶媒タンクT2内にあり、水系溶媒タンクT2は水系溶媒タンク液面計S5を備え、タンク内の水系溶媒量を監視する。水系溶媒タンクT2は、水系溶媒タンク底バルブV2を介し、配管にて分散機M1への供給ラインを構成し、分散機M1への供給は水系溶媒フィードポンプP2で行い、その流速は水系溶媒流量計S2で監視される。
水系溶媒には、樹脂微粒子Aが混合されており、分散機M1では供給された油相と水系溶媒とにせん断力を付与することより、水系溶媒中に油相を分散させた芯粒子分散液が生成される。
分散機M1からの流路は、樹脂付着タンク切り替えバルブV5を介して第一樹脂微粒子付着タンクT6及び第二樹脂微粒子付着タンクT7に供給するラインと、分散機M1に循環するラインとが配管にて構成される。分散機M1で生成された芯粒子分散液は、一部が樹脂付着タンク切り替えバルブV5に向けて排出され、他の部分は循環経路を循環して分散機M1に到達し、さらにせん断力の付与を受ける。油相タンクT1及び水系溶媒タンクT2から油相及び水系溶媒が循環経路内に供給されることによって増量した分がオーバーフローして、樹脂付着タンク切り替えバルブV5に向けて排出される一部となる。
分散機M1の循環経路からオーバーフローした芯粒子分散液は、樹脂付着タンク切り替えバルブV5を介して第一樹脂微粒子付着タンクT6もしくは第二樹脂微粒子付着タンクT7に仕込まれる。
第一樹脂微粒子付着タンクT6は、第一樹脂微粒子付着タンク液面計S9を備え、タンク内の芯粒子分散液及び混合分散液の液量を監視する。第一樹脂微粒子付着タンクT6は、第一樹脂微粒子付着タンク底バルブV6を介し、混合分散液タンクT4と廃液タンクT5とへの供給ラインを配管にて構成する。第一樹脂微粒子付着タンクT6から混合分散液タンクT4または廃液タンクT5への混合分散液の供給は混合分散液移送ポンプP4で行う。
第二樹脂微粒子付着タンクT7は、第二樹脂微粒子付着タンク液面計S10を備え、タンク内の芯粒子分散液及び混合分散液の液量を監視する。第二樹脂微粒子付着タンクT7は、第二樹脂微粒子付着タンク底バルブV7を介し、分散液タンクT4と廃液タンクT5とへの供給ラインを配管にて構成する。第二樹脂微粒子付着タンクT7から混合分散液タンクT4または廃液タンクT5への混合分散液の供給は混合分散液移送ポンプP4で行う。
樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液は樹脂微粒子BタンクT3内にあり、樹脂微粒子BタンクT3は樹脂微粒子タンク液面計S6を備え、タンク内の樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液の量を監視する。樹脂微粒子BタンクT3は、樹脂微粒子タンク底バルブV3及び第一樹脂微粒子投入バルブV8を介し、第一樹脂微粒子付着タンクT6への供給ラインを配管にて構成する。また、樹脂微粒子BタンクT3は、樹脂微粒子タンク底バルブV3及び第二樹脂微粒子投入バルブV9を介し、第二樹脂微粒子付着タンクT7への供給ラインを配管にて構成する。第一樹脂微粒子付着タンクT6及び第二樹脂微粒子付着タンクT7への樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液の供給は樹脂微粒子BフィードポンプP3で行い、その流量は樹脂微粒子B流量計S3で監視される。
図11に示す混合装置100では、分散機M1の循環経路からオーバーフローした芯粒子分散液を、第一樹脂微粒子付着タンクT6または第二樹脂微粒子付着タンクT7に充填する。芯粒子分散液を所定量充填した後に樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液を投入し、芯粒子分散液と樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液とを混合する。第一樹脂微粒子付着タンクT6及び第二樹脂微粒子付着タンクT7からの流路は、混合分散液タンクT4または廃液タンクT5へ送液されるように混合後のラインが配管にて構成されている。第一樹脂微粒子付着タンクT6と第二樹脂微粒子付着タンクT7とは交互にその役割を行う。
混合分散液タンクT4と廃液タンクT5との分岐部には切り替えバルブV4が配置されており、混合分散液タンクT4への仕込みと廃液タンクT5への送液とを切り分けている。品質が安定する前の混合分散液は廃液タンクT5に送液され、廃液タンクT5は廃液タンク液面計S8を備え、タンク内の廃液量を監視する。品質が安定した後の混合分散液は混合分散液タンクT4に送液され、混合分散液タンクT4は混合分散液タンク液面計S7を備え、混合分散液の液量を監視する。
図11に示す混合装置100のように、バッチ方式で混合を行う構成では、混合槽(第一樹脂微粒子付着タンクT6または第二樹脂微粒子付着タンクT7)に芯粒子分散液を所定量充填した後に、樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液を添加する。このため、混合槽内で収斂時間(分散機M1で水系溶媒中に油相を分散させてからの経過時間)が同じでない芯粒子分散液に対して樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液を添加することになる。この結果、芯粒子の粒径、及び、樹脂微粒子Bの芯粒子への付着の割合(付着率)及び強度(付着強度)などがばらつき、品質が安定しない。
一方、図10に説明した変形例の混合装置100では、樹脂微粒子B付着工程にて、芯粒子分散液の送液中に樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液を添加し、配管内で混合させ、芯粒子表層に樹脂微粒子Bを付着させる。これにより、同一で且つ短い収斂時間を経た状態の芯粒子分散液に対して樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液を即座に均一に混ぜることができる。よって、芯粒子の粒径、樹脂微粒子Bの芯粒子への付着の割合(付着率)及び強度(付着強度)のばらつきを抑え、品質を安定させることが出来る。
また、図11に示す従来例の混合装置100では、第一樹脂微粒子付着タンクT6または第二樹脂微粒子付着タンクT7に所定量の芯粒子分散液を充填する。そして、所定の割合の樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液を添加して混合するという1バッチを終了しないと、品質確認が出来ない。一方、図10に示す変形例の混合装置100では、ミキシングエレメントM2から排出される混合分散液を確認することで、品質を連続的に確認でき、品質の安定したトナーの製造を実現することが出来る。また、品質を連続的に確認できることで、品質不良が生じたときに、1バッチ分の品質不良品を製造することを防止できる。
変形例のトナー製造方法では、上述した実施形態で説明した「油相作製工程」、「乳化工程」、「<樹脂微粒子B付着工程」、「脱溶工程」、「洗浄・乾燥工程」及び「外添処理工程」と同様の各工程を実行することができる。
変形例のトナー製造方法で用いる「樹脂微粒子B」としては、上述した実施形態の樹脂微粒子Bと同様のものを用いることができる。また、「分散安定剤」、「有機溶媒中に添加する樹脂」、「変性樹脂」、「結晶性ポリエステル」、「無機アルカリ」、「有機溶剤」、「水系媒体」、「界面活性剤」及び「水系媒体に含まれる樹脂微粒子A」上述した実施形態と同様のものを用いることができる。さらに、「保護コロイド」、「着色剤」、「離経剤」及び「帯電制御剤」も上述した実施形態と同様のものを用いることができる。また、本変形例で用いる着色剤も上述した実施形態と同様に樹脂と複合化された「マスターバッチ」として用いることができ、「マスターバッチ作成方法」としては上述した実施形態と同様のものを用いることができる。
以下、変形例のトナー製造方法の具体的な構成例について説明する。
「樹脂微粒子A分散液の製造」から「低分子ポリエステル溶解液の作製」までの工程は、上記実施形態の具体的な実施例と同様の処理を行った。
〔変形例1〕
「油相の作製」から「乳化工程」までの工程は上記実施例1と同様の処理を行った。
<樹脂微粒子B付着工程>
乳化工程で得られた乳化分散液を内径43[mm]の分散液送液配管に対して、14.48[kg/min]で送り出す。このように送り出されて分散液送液配管を通過する乳化分散液に対して、30[質量部]の樹脂微粒子B分散液と45[質量部]の水とを混合したものを、1.448[kg/min]添加する。乳化分散液と樹脂微粒子B分散液とを配管内で混合し、複合粒子分散液を得る。複合粒子分散液を得た後、151[質量部](対芯粒子重量で100[質量%])の純水を添加した。
変形例1では、図10中のミキシングエレメントM2を用いず、通常の配管内で芯粒子分散液と樹脂微粒子B分散液との混合を行った。
<脱溶>
樹脂微粒子B付着工程を経た乳化分散液を、温水ジャケット及び減圧ラインを具備するSUS製のタンク内に溜め、攪拌翼外周端周速10.5[m/秒]の攪拌下、突沸を回避しつつ、徐々に減圧を行い、脱溶剤後スラリーを得た。
<洗浄・乾燥工程>
スラリーをフィルタープレスで加圧濾過した後、濾過ケーキ(1)を得た。次に、固形分濃度が20[質量%]になるように、濾過ケーキ(1)に水を加え、ディスパーを用いて分散させた後、pHが5.0になるように、10[質量%]の塩酸を加え、30分間洗浄し、洗浄液を得た。さらに、洗浄液をフィルタープレスで加圧濾過した後、貫通洗浄し、濾過ケーキ(2)を得た。次に、固形分濃度が25[質量%]になるように、濾過ケーキ(2)に水を加え、ディスパーを用いて分散させ、洗浄スラリー(1)を得た。得られた洗浄スラリー(1)の電気伝導度は50[μS/cm]に制御した。
次に、得られた洗浄スラリー(1)の固形分濃度が20[質量%]になるように、第三の液に水を加え、ディスパーを用いて混合した。その後、固形分に対して、0.2[質量%]の帯電制御剤が添加されるように、メタノール水溶液を添加し、30分間攪拌し、母体粒子を生成させ、洗浄スラリー(2)を得た。ここで添加したメタノール水溶液は、N、N、N−トリメチル−[3−(4−ぺルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウムヨージドのフタージェント310(ネオス社製)の1[質量%]のメタノール水溶液である。さらに、遠心分離機を用いて、洗浄スラリー(2)を固液分離した後、減圧乾燥機を用いて、40[℃]で24時間乾燥してトナー母体を得た。
次に、得られたトナー母体100[質量%]に対し、疎水化酸化チタン0.4[質量%]、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5[質量%]添加し、ヘンシェルミキサーにて混合した。混合して得たものを目開き37[μm]のスクリーンを用い粗大粒子を除去して、ブラックトナー(1a)を作製した。
さらに、同条件で9回ブラックトナー(1a)を作製し、計10回分のブラックトナー(1a)を作製した。
〔変形例2〕
「樹脂微粒子B付着工程」において、分散液送液配管の内径を37.1[mm]とする以外は変形例1と同様にして処理を行いブラックトナー(2a)を得た。
〔変形例3〕
「樹脂微粒子B付着工程」において、分散液送液配管で芯粒子分散液と樹脂微粒子Bとの合流後にミキシングエレメントM2として配管と同径の長さ150[mm]のスタティックミキサーを用いて混合した。ミキシングエレメントM2を用いた点以外は変形例1と同様にして処理を行いブラックトナー(3a)を得た。
〔変形例4〕
「樹脂微粒子B付着工程」において、分散液送液配管で芯粒子分散液と樹脂微粒子Bとの合流後にミキシングエレメントM2として配管と同径の長さ300[mm]のスタティックミキサーを用いて混合した。ミキシングエレメントM2を用いた点以外は変形例1と同様にして処理を行いブラックトナー(4a)を得た。
〔変形例5〕
「樹脂微粒子B付着工程」において、分散液送液配管の内径を37.1[mm]とし、分散液送液配管で芯粒子分散液と樹脂微粒子Bとの合流後にミキシングエレメントM2として配管と同径の長さ150[mm]のスタティックミキサーを用いて混合した。配管の内径を変更し、ミキシングエレメントM2を用いた点以外は変形例1と同様にして処理を行いブラックトナー(5a)を得た。
〔変形例6〕
「樹脂微粒子B付着工程」において、分散液送液配管の内径を37.1[mm]とし、分散液送液配管で芯粒子分散液と樹脂微粒子Bとの合流後にミキシングエレメントM2として配管と同径の長さ300[mm]のスタティックミキサーを用いて混合した。配管の内径を変更し、ミキシングエレメントM2を用いた点以外は変形例1と同様にして処理を行いブラックトナー(6a)を得た。
〔比較例〕
「樹脂微粒子B付着工程」において、「乳化工程」で得られた乳化分散液をSUS製のタンク内に溜め、樹脂微粒子B分散液30[質量%]と水45[質量%]を混合したものを2[分間]かけて添加した後に3[分間]混合攪拌するように変更した。樹脂微粒子B付着工程を変更した以外は変形例1と同様にして処理を行いブラックトナー(7a)を得た。
上記変形例1〜6及び比較例の測定結果を表2に示す。
Figure 0006260850
表2における「樹脂微粒子B添加方法」、「ミキシングエレメントの有無」及び「ミキシングエレメントの長さ」以外の評価項目は、上記表1と共通する評価項目であり上記実施形態で説明した方法で評価した。なお、上記表1の実施例1〜6では、「樹脂微粒子B添加方法」は全て「配管内」であり、「ミキシングエレメントの有無」は全て「有」であり、「ミキシングエレメントの長さ」は全て「150mm」である。
変形例1〜6は、全て「邪魔板」を備えていないため、表1中の評価項目の「邪魔板」及び「H/D」は表2の評価項目として記載していない。また、変形例1〜6は、全て「流路制限板」及び「孔」を備えていないため、これらの評価項目も表2には記載していない。
表2より、芯粒子分散液の送液配管に樹脂微粒子Bを添加した変形例1〜6のトナーは、タンク内で樹脂微粒子Bを添加した比較例よりも、樹脂微粒子B付着率及びそのばらつき、樹脂微粒子B付着強度及びそのばらつきの点で良好であることが分かる。
また、表2より、配管径及びミキシングエレメントの内径が小さい方が好ましいということが分かる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
内部を分散液等の流動体が通過する流路管1等の流路管と、流路管内に配置され、流路管内を通過する流動体が通過方向に平行な中心軸周りを旋回して螺旋状の流れを形成するように流動体を案内する羽根部材2等の螺旋流形成部材と、を有する流動体攪拌装置10等の静止型の流動体攪拌装置において、流路管の内壁面から内側に向かって突出し、螺旋流形成部材によって形成される螺旋状の流れを乱す邪魔板3等の螺旋流乱し部材を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、螺旋流乱し部材によって螺旋状の流れが乱され、あるタイミングで互いに近くに位置していた流動体同士が経時で離れる作用が生じ易くなる。これにより、攪拌作用が向上し、従来の静止型の流動体攪拌装置よりも短い流路管で効率的な攪拌が可能となる。
(態様B)
態様Aにおいて、羽根部材2等の螺旋流形成部材は、平板形状に対して中心軸を中心に捻りを加えた形状の螺旋状羽根である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、簡易な形状で、螺旋流を形成させる部材を実現できるとともに、螺旋流形成部材の周りに流動体が滞留する部分が形成され難くなる。
(態様C)
態様Bにおいて、邪魔板3等の螺旋流乱し部材は、通過方向に向かって延在するように配置され、螺旋状羽根の捻り方向に対して傾斜をつけて設けられている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、通過方向で羽根部材2等の螺旋状羽根と螺旋流乱し部材との距離が変化し、螺旋流乱し部材が螺旋状の流れを乱す作用を実現できる。
(態様D)
態様A乃至Cの何れかの態様において、邪魔板3等の螺旋流乱し部材と羽根部材2等の螺旋流形成部材との両方または一方に流動体が通過可能な孔を設ける。
これによれば、上記実施形態について説明したように、あるタイミングで互いに近くに位置していた流動体同士が、螺旋流乱し部材や螺旋流形成部材に案内される流動体と、孔を通過する流動体とに分かれ、経時で離れる作用が生じ易くなり、攪拌性が向上する。
(態様E)
態様A乃至Dの何れかの態様において、流路管1等の流路管の通過方向に直交する断面を部分的に狭くする流路制限板5等の流路断面制限部材を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、流路管内で流動体がショートパスすることを防止し、より効率の良い攪拌を行うことが出来る。
(態様F)
態様Eにおいて、流路制限板5等の流路断面制限部材に流動体が通過可能な孔を設ける。
これによれば、上記実施形態について説明したように、あるタイミングで互いに近くに位置していた流動体同士が、流路断面制限部材に案内される流動体と、孔を通過する流動体とに分かれ、経時で離れる作用が生じ易くなり、攪拌性が向上する。
(態様G)
静止型流動体攪拌手段を用いて流動体を攪拌する流動体攪拌方法において、静止型流動体攪拌手段として、態様A乃至Fの何れかの態様の流動体攪拌装置10等の流動体攪拌装置を用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、螺旋流乱し部材によって螺旋状の流れが乱され、あるタイミングで互いに近くに位置していた流動体同士が経時で離れる作用が生じ易くなる。これにより、攪拌作用が向上し、従来の静止型の流動体攪拌装置を用いた流動体攪拌方法よりも短い流路管で効率的な攪拌が可能となる。
(態様H)
トナーの芯粒子の分散液や樹脂微粒子Bの分散液等の電子写真用トナーの材料を含有する流動体を攪拌して混合する攪拌混合工程を備えるトナー製造方法において、攪拌混合工程で態様A乃至Fの何れかの態様の流動体攪拌装置10等の流動体攪拌装置を用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、短い流動体攪拌装置で良好な攪拌を行えるため、混合しきれていない状態の時間を短縮することができ、混合時間が長くなることに起因する品質の低下を防止できる。
(態様I)
電子写真用トナーの材料を含有する複数種類の流動体のうち二種以上の流動体を混合する樹脂微粒子B付着工程等の混合工程を少なくとも含むトナー製造方法において、混合工程では、第一の流動体を移送中の配管内に樹脂微粒子Bまたは樹脂微粒子B分散液等の少なくとも一種類以上の流動体を供給し、添加・混合する。
これによれば、上記変形例について説明したように、従来のバッチ式で混合するトナー製造方法に比べて、トナーの品質が安定する。
(態様J)
態様Iにおいて、有機溶媒中に少なくとも樹脂、離型剤、着色剤を溶解あるいは分散させた油相を、水系溶媒中に分散し、主成分が油相からなる芯粒子が分散した第一の流動体としての芯粒子分散液を作成する芯粒子分散工程と、芯粒子分散工程で得た芯粒子分散液に、一種類以上の流動体である樹脂微粒子B等の樹脂微粒子または樹脂微粒子B分散液等の樹脂微粒子分散液を添加して、芯粒子に樹脂微粒子を付着させる混合工程としての樹脂微粒子B付着工程等の樹脂微粒子付着工程とを実行する。
これによれば、上記変形例について説明したように、同一で且つ短い収斂時間を経た状態の芯粒子分散液に対して樹脂微粒子または樹脂微粒子分散液を即座に均一に混ぜることができる。このため、芯粒子の粒径、樹脂微粒子の芯粒子への付着の割合及び強度(付着強度)のばらつきを抑えることが出来、トナーの品質が安定する。
(態様K)
態様IまたはJにおいて、配管内で流動体を混合する混合手段として、ミキシングエレメントM2等の静止型の流動体攪拌装置を用いる。
これによれば、上記変形例について説明したように、流動体の混合が促され、トナーの品質が安定する。
(態様L)
態様Kにおいて、ミキシングエレメントM2等の静止型の流動体攪拌装置として、態様A乃至Fの何れかに記載の流動体攪拌装置10等の流動体攪拌装置を用いる。
これによれば、上記変形例について説明したように、流動体の混合がさらに促され、トナーの品質が安定する。
1 流路管
2 羽根部材
2a 第一羽根部材
2a1 第一羽根上流縁部
2a2 第一羽根下流縁部
2b 第二羽根部材
2b1 第二羽根上流縁部
2b2 第二羽根下流縁部
2d 仮想円
3 邪魔板
5 流路制限板
10 流動体攪拌装置
20 合流管
30 芯粒子液容器
40 微粒子液容器
50 混合液収容器
100 混合装置
M1 分散機
M2 ミキシングエレメント
P1 油相フィードポンプ
P2 水系溶媒フィードポンプ
P3 樹脂微粒子Bフィードポンプ
P4 分散液移送ポンプ
S1 油相流量計
S2 水系溶媒流量計
S3 樹脂微粒子B流量計
S4 油相タンク液面計
S5 水系溶媒タンク液面計
S6 樹脂微粒子タンク液面計
S7 分散液タンク液面計
S8 廃液タンク液面計
S9 第一樹脂微粒子付着タンク液面計
S10 第二樹脂微粒子付着タンク液面計
T1 油相タンク
T2 水系溶媒タンク
T3 樹脂微粒子Bタンク
T4 分散液タンク
T5 廃液タンク
T6 第一樹脂微粒子付着タンク
T7 第二樹脂微粒子付着タンク
V1 油相タンク底バルブ
V2 水系溶媒タンク底バルブ
V3 樹脂微粒子タンク底バルブ
V4 切り替えバルブ
V5 樹脂付着タンク切り替えバルブ
V6 第一樹脂微粒子付着タンク底バルブ
V7 第二樹脂微粒子付着タンク底バルブ
V8 第一樹脂微粒子投入バルブ
V9 第二樹脂微粒子投入バルブ
特開平02−43932号公報 特開2005−305219号公報 特公平02−004334号公報 特開2012−008555号公報 特許4154073号

Claims (12)

  1. 内部を流動体が通過する流路管と、
    前記流路管内に配置され、前記流路管内を通過する流動体が通過方向に平行な中心軸周りを旋回して螺旋状の流れを形成するように流動体を案内する螺旋流形成部材と、を有する静止型の流動体攪拌装置において、
    前記流路管の内壁面から内側に向かって突出し、前記螺旋流形成部材によって形成される螺旋状の流れを乱す螺旋流乱し部材と、
    前記流路管の前記通過方向に直交する断面を部分的に狭くする流路断面制限部材とを備え、
    前記螺旋流乱し部材は、前記通過方向に向かって延在するように配置された部材であり、
    前記流路断面制限部材は、前記流路管の内壁面から内側に向かって突出し、前記流路管の前記通過方向に直交する断面の断面形状に合わせた環状の部材であることを特徴とする流動体攪拌装置。
  2. 請求項1の流動体攪拌装置において、
    前記螺旋流形成部材は、平板形状に対して前記中心軸を中心に捻りを加えた形状の螺旋状羽根であることを特徴とする流動体攪拌装置。
  3. 請求項2の流動体攪拌装置において、
    前記螺旋流乱し部材は、前記螺旋状羽根の捻り方向に対して傾斜をつけて設けられていることを特徴とする流動体攪拌装置。
  4. 請求項2または3の流動体攪拌装置において、
    前記螺旋状羽根は、前記平板形状に捻りを加えた形状を、90[°]〜270[°]面を捻るごとに、交差し、捻り方向を反転させて連結させる構成であることを特徴とする流動体攪拌装置。
  5. 請求項2乃至4の何れかの流動体攪拌装置において、
    前記螺旋状羽根のピッチを前記流路管の内径で除した値が、1.0〜2.0の範囲であることを特徴とする流動体攪拌装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかの流動体攪拌装置において、
    前記流路断面制限部材の軸中心方向への高さを前記流路管の内径で除した値が、0.05〜0.2の範囲であることを特徴とする流動体攪拌装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかの流動体攪拌装置において、
    前記螺旋流乱し部材と前記螺旋流形成部材との両方または一方に前記流動体が通過可能な孔を設けたことを特徴とする流動体攪拌装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかの流動体攪拌装置において、
    前記流路断面制限部材に前記流動体が通過可能な孔を設けたことを特徴とする流動体攪拌装置。
  9. 静止型流動体攪拌手段を用いて流動体を攪拌する流動体攪拌方法において、
    前記静止型流動体攪拌手段として、請求項1乃至8の何れかに記載の流動体攪拌装置を用いることを特徴とする流動体攪拌方法。
  10. 電子写真用トナーの材料を含有する流動体を攪拌して混合する攪拌混合工程を備えるトナー製造方法において、
    前記攪拌混合工程で請求項1乃至8の何れかに記載の流動体攪拌装置を用いることを特徴とするトナー製造方法。
  11. 電子写真用トナーの材料を含有する複数種類の流動体のうちの二種以上の流動体を混合する混合工程を少なくとも含むトナー製造方法において、
    前記混合工程では、第一の流動体を移送中の配管内に少なくとも一種類以上の流動体を供給し、添加・混合し、
    前記配管内で流動体を混合する混合手段として、請求項1乃至8の何れかに記載の流動体攪拌装置を用いることを特徴とするトナー製造方法。
  12. 請求項11のトナー製造方法において、
    有機溶媒中に少なくとも樹脂、離型剤、着色剤を溶解あるいは分散させた油相を、水系溶媒中に分散し、主成分が油相からなる芯粒子が分散した前記第一の流動体としての芯粒子分散液を作成する芯粒子分散工程と、
    前記芯粒子分散工程で得た前記芯粒子分散液に、前記一種類以上の流動体である樹脂微粒子または樹脂微粒子分散液を添加して、前記芯粒子に樹脂微粒子を付着させる前記混合工程としての樹脂微粒子付着工程とを実行することを特徴とするトナー製造方法。
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