JP6260628B2 - 熱電素子及び熱発電システム - Google Patents

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Description

本発明は、熱電素子及び熱発電システムに関し、さらに詳しくは、太陽光や遠赤外線などの光が持つエネルギーを熱エネルギー及び電気エネルギーに変換することが可能な熱電素子、及び、これを用いた熱発電システムに関する。
太陽光が持つエネルギーを利用する装置は、太陽光を電気エネルギーに直接変換する装置と、太陽光を熱エネルギーに変換する装置に大別される。太陽電池は、前者の例である。後者の例としては、例えば、
(A)太陽熱を利用して温水や温風を作り、これを給湯や冷暖房に利用する太陽熱利用システム、
(B)太陽熱を利用して熱電素子の両端に温度差を発生させ、温度差を電気エネルギーに変換する熱発電システム、
などが知られている。
これらの内、太陽電池は、電力しか得られず、太陽エネルギーを有効に利用できていない。太陽熱温水器は、太陽エネルギーの利用効率は比較的高いが、必要以上に温水ができてしまうので、結果的に太陽エネルギーを有効に利用できていない。また、太陽熱温水器では、電力は得られない。さらに、蒸気タービンを用いた太陽熱発電は、大規模な設備が必要となる。
これに対し、熱電素子を用した熱発電システムは、電力と温水の双方を得ることができ、大規模な設備も必要としないという利点があ。そのため、このような熱電素子を用いた熱発電システムに関し、従来から種々の提案がなされている。
例えば、非特許文献1には、真空容器に入れられた光吸収体(slaor absorber)で太陽光を熱に変換し、その熱を熱電素子により電力に変換する太陽光熱発電装置(solar thermoelectric generators (STEGs))が開示されている。同文献のSTEGsでは、熱電変換効率4.6%を達成している。
同文献では、Bi2Te3系熱電材料を用いて熱電発電を行っているが、高温側が200℃程度であるため、熱電素子に大きな温度差が付かず、熱電変換効率の大幅な向上は望めない。また、電気に変換されなかった熱を利用していないため、太陽エネルギーの利用効率が低い。
非特許文献2には、STEGsの熱電変換効率の計算結果が開示されている。同文献では、光の波長に対して最適なロングパスフィルターの光吸収体を用いることで、高温部の輻射を抑制でき、1000℃で15.9%の変換効率が得られると予測されている。
しかし、耐熱性があり、かつ、カットオフ波長が正確に制御されているロングパスフィルターは現存せず、上記予測は実証されていない。また、高い熱電変換効率を得るには、高温部の温度を上げる必要があるが、高温部の温度を上げると、輻射による熱ロスが大きくなるという問題がある。
特許文献1には、熱電素子の高温側を太陽光を用いて加熱し、熱電素子の低温側をトムソン効果を有する熱電材料を用いて冷却する発電装置が開示されている。
同文献の発電装置は、電力に変換されることなく熱電素子を透過した熱を、トムソン効果を利用したシステムにより取り除くものであり、太陽エネルギーの利用効率が低い。
特許文献2には、水道管の外周面に熱電素子を配設し、屈曲した鏡面体を用いて熱電素子の高温側に太陽光線を照射する電源供給装置が開示されている。
同文献に記載の電源供給装置は、太陽光の集光度が低い場合には、熱電素子の高温部の温度が上がらず、熱電変換効率が低い。一方、集光度が高い場合には、熱電素子が真空容器に入っていないため、高温部の対流による熱ロスを防止できない。さらに、輻射による熱ロス防止機能もない。
特許文献3には、温水タンク内の水を循環させる循環路に太陽熱集熱面を設け、太陽熱を用いて冷水から温水を作り、さらに熱電素子を用いて冷水と温水との間の温度差を電力に変換し、得られた電力を用いて温水を強制循環させる太陽熱利用温水装置が開示されている。
同文献に記載の太陽熱利用温水装置は、すべての熱が熱電素子を通らないため、発電量が少ない。
特許文献4には、太陽光を集光し、波長選択ミラーにより赤外光を熱電素子に、それ以外の光を太陽電池に入射させることで発電し、さらに熱電素子及び太陽電池からの排熱を給湯に利用する給湯装置が開示されている。
同文献には、このような給湯装置の実験結果が記載されていない。また、同文献の給湯装置では、熱電素子の温度が上がらず、熱電素子の発電効率が低い。また、太陽電池及び熱電素子からの排熱は低温となるため、二酸化炭素を冷媒としたヒートポンプを使っているとはいえ、集熱の効率は悪い。さらに、熱電素子と太陽電池を併用しているため、装置の構造が複雑となる。
特許文献5には、太陽熱を化学エネルギーとして蓄えることが可能な蓄熱材を反応器に収容し、反応器内で発生した熱を熱電素子により電力に変換する熱電コジェネレーションシステムが開示されている。
同文献に記載の熱電コジェネレーションシステムは、蓄熱材の可逆反応(例えば、Mg(OH)2⇔MgO+H2O)を用いて蓄熱及び放熱を行うため、熱電素子の高温部が一定に保たれ、電力の安定供給を行えるメリットはある。しかしながら、蓄熱工程でエネルギーロスを生じ、太陽熱エネルギーの利用効率は低い。
さらに、特許文献6には、太陽光を光吸収体で熱に変換し、その熱を熱電素子により電力に変換し、さらに、熱電素子の低温側に流体(例えば、水)を流し、流体を加熱する方法が開示されている。
上述した先行技術文献に記載されているように、光吸収体と熱電素子とを組み合わせると、太陽エネルギーの利用効率をある程度向上させることができる。また、熱電素子の低温側から廃棄される熱を種々の方法により回収すると、太陽エネルギーの利用効率がさらに向上する。
一方、太陽エネルギーの利用効率をさらに向上させるためには、熱電素子の高温部の温度をより高くすることが好ましい。しかしながら、従来の方法では、高温部の温度が高くなるほど、輻射による熱ロスが大きくなるため、利用効率の向上には限界があった。
特開2013−004753号公報 特開2012−222169号公報 特開2002−106964号公報 特開2010−190455号公報 特開2012−211753号公報 特表2010−529395号公報
D. Kraemer et al., Nature Materials 10 532(2011) L. L. Baranowski et al., Energy Enviromental Science 5 9055 (2012)
本発明が解決しようとする課題は、太陽光や遠赤外線などの光が持つエネルギーを熱エネルギー及び電気エネルギーに変換することが可能な熱電素子、及び、これを用いた熱発電システムを提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、このような熱電素子及び熱発電システムにおいて、排熱ロス及び輻射による熱ロスを低減することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る熱電素子は、以下の構成を備えている。
(1)前記熱電素子は、
熱電材料からなり、かつ、一方の端面から他方の端面に向かって貫通する貫通孔を備えた熱電部材と、
前記貫通孔に挿入された、流体を流通させるための配管と、
前記熱電部材の側面に設けられた均熱部材と
を備えている。
(2)前記配管は、前記熱電部材の一方の電極を兼ねており、
前記均熱部材は、前記熱電部材の他方の電極を兼ねている。
(3)前記均熱部材の表面は、黒化処理が施された黒化面と、鏡面処理が施された鏡面とを備えている。
本発明に係る熱発電システムは、以下の構成を備えている。
(1)前記熱発電システムは、
光を内部に取り込むための採光窓を備えた容器と、
前記容器内に収容された、本発明に係る熱電素子と、
前記配管に前記流体を供給するための流体供給手段と、
前記熱電素子が生成する電力を消費する電力消費源と
を備えている。
(2)前記熱電素子は、前記黒化面が前記採光窓の下に来るように、前記容器内に収容されている。
熱電素子の黒化面に太陽光や遠赤外線などの光を照射すると、光は黒化面に吸収され、熱エネルギーに変換される。この熱エネルギーは、黒化面から均熱部材全体に伝達され、熱電部材の全側面をほぼ均一に加熱する。その結果、熱電部材の側面と貫通孔の内周面との間に温度差(すなわち、起電力)が発生する。
また、黒化面は、光エネルギーの吸収効率は高いが、輻射による熱ロスが大きい。一方、鏡面は、光エネルギーの吸収効率は低いが、輻射による熱ロスが小さい。そのため、均熱部材の表面の内、受光面を黒化面とし、それ以外の部分を鏡面とすれば、輻射による熱ロスを最小限に抑制することができる。
さらに、熱電部材のほぼ中央に挿入された配管に熱交換媒体としての流体を流通させ、あるいは、配管内に化学蓄熱材を充填すると、熱電部材の低温側からの排熱を回収することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る熱電素子の斜視図(図1(A))、及びそのA−A'線断面図(図1(B))である。 本発明の第2の実施の形態に係る熱電素子の斜視図(図2(A))、及びそのA−A'線断面図(図2(B))である。 本発明の第3の実施の形態に係る熱電素子の斜視図(図3(A))、及びそのB−B'線断面図(図3(B))である。
本発明の第4の実施の形態に係る熱電素子の斜視図(図4(A))、及びそのB−B'線断面図(図4(B))である。 本発明の第5の実施の形態に係る熱電素子の斜視図(図5(A))、及びそのB−B'線断面図(図5(B))である。 本発明の第6の実施の形態に係る熱電素子の斜視図である。 本発明の第7の実施の形態に係る熱電素子の斜視図(図7(A))、及びそのB−B'線断面図(図7(B))である。
本発明の一実施の形態に係る熱発電システムの概略図である。 入射エネルギーと高温部の温度Tmaxとの関係を示す図である。 入射エネルギーに対する輻射ロス、高温部の温度Tmax、及び輻射ロス率(但し、Tc=353K)を示す図である。 各種表面の反射率の波長依存性を示す図である。 輻射ロス率QR/Qinの黒化処理比率SB/ST依存性(但し、Tc=353K)を示す図である。
以下に本発明の一実施の形態につて詳細に説明する。
[1. 熱電素子]
本発明に係る熱電素子は、以下の構成を備えている。
(1)前記熱電素子は、
熱電材料からなり、かつ、一方の端面から他方の端面に向かって貫通する貫通孔を備えた熱電部材と、
前記貫通孔に挿入された、流体を流通させるための配管と、
前記熱電部材の側面に設けられた均熱部材と
を備えている。
(2)前記配管は、前記熱電部材の一方の電極を兼ねており、
前記均熱部材は、前記熱電部材の他方の電極を兼ねている。
(3)前記均熱部材の表面は、黒化処理が施された黒化面と、鏡面処理が施された鏡面とを備えている。
[1.1. 熱電部材]
[1.1.1. 熱電材料]
熱電部材は、熱電材料からなる。本発明において、熱電材料の種類は、特に限定されるものではなく、目的に応じて種々の材料を用いることができる。熱電材料は、p型熱電材料でも良く、あるいは、n型熱電材料でも良い。さらに、1個の配管には、複数個の熱電部材を装着することもできる。この場合、複数個の熱電部材は、そのすべてがp型熱電材料又はn型熱電材料のいずれか一方であっても良く、あるいは、双方であっても良い。
p型熱電材料としては、例えば、Bi2Te3系材料、PbTe系材料、Zn4Sb3系材料、CoSb3系材料、Si−Ge系材料、Mn−Si系材料、NaCo24系材料などがある。
n型熱電材料としては、例えば、Bi2Te3系材料、PbTe系材料、Mg2Si系材料、CoSb3系材料、Si−Ge系材料、TiNiSn系材料、Ba8Ga16Ge30系材料などがある。
熱電部材が、p型熱電材料からなる1又は2以上のp型熱電部材と、n型熱電材料からなる1又は2以上のn型熱電部材とを備えている場合、配管には、p型熱電部材及びn型熱電部材を交互に装着し、これらを電気的に直列に接続するのが好ましい。
熱電部材の側面に光が照射された場合、側面(外周面)が高温部となり、貫通孔の内周面が低温部となる。そのため、配管にp型熱電部材とn型熱電部材とを交互に装着する場合には、これらが直列接続となるように、高温部及び低温部を交互に接続する。
[1.1.2. 形状]
熱電部材の形状は、特に限定されるものではなく、目的に応じて種々の形状を用いることができる。熱電部材の形状としては、
(a)円柱の中心に貫通孔が形成されたもの(円筒形)、
(b)角柱の中心に貫通孔が形成されたもの(角筒形)、
などがある。特に、円筒形は、製造が比較的容易で、かつ、温度分布も均一になりやすいため、熱電部材の形状として好適である。
[1.1.3. 貫通孔]
熱電部材は、一方の端面から他方の端面に向かって貫通する貫通孔を備えている。貫通孔は、1個でも良く、あるいは、2個以上でも良い。
貫通孔は、側面(外周面)からの距離ができるだけ長く、かつ、側面からの距離ができるだけ均等になる位置に形成するのが好ましい。
例えば、熱電部材の軸方向断面(貫通孔が設けられている方向に対して垂直な断面)の外形が円であり、かつ、貫通孔の個数が1個である場合、円の中心と貫通孔の中心が一致するように、貫通孔を形成するのが好ましい。
あるいは、熱電部材の軸方向断面が長方形であり、貫通孔の個数が2個以上である場合、長辺及び/又は短辺から各貫通孔までの最短距離がほぼ均等になるように、長辺に対して平行に貫通孔を並べるのが好ましい。
[1.2. 配管]
[1.2.1. 流体]
配管は、熱電部材の貫通孔内に挿入される。配管は、その内部に流体を流すためのものである。流体は、具体的には、
(a)熱電部材の低温側(貫通孔の内周面)からの排熱を回収するために用いられる熱交換媒体、又は、
(b)後述するように、配管内に化学蓄熱材が充填されている場合には、化学蓄熱材の作動媒体、
からなる。
流体の種類は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。流体としては、例えば、
(1)水、油、有機溶剤、溶融塩などの液体、
(2)水蒸気、水素、二酸化炭素、アンモニアなどの気体、
などがある。
[1.2.2. 配管の材料]
配管は、熱電部材から流体(又は、化学蓄熱材)に熱を伝達するためのものであると同時に、熱電部材の一方の電極を兼ねている。そのため、配管の材料は、
(a)流体により腐食したり、あるいは流体に溶解せず、
(b)熱電部材よりも熱伝導度が高く、
(c)熱電部材よりも電気伝導度が高く、かつ、
(d)使用温度に耐える耐熱性を持つ
ものが好ましい。
配管の材料は、上述した条件を満たす限りにおいて、特に限定されない。配管の材料としては、例えば、ステンレス鋼、銅合金、アルミニウム合金などがある。
[1.2.3. 熱電部材と配管の接続]
配管を電極として機能させるためには、熱電部材と配管とが電気的に接続されている必要がある。また、熱電部材と流体(又は、化学蓄熱材)との間の熱伝達ロスを低減するには、熱伝達部材と配管とが熱的に接続されているのが好ましい。
熱電部材と配管の接続方法は、上述した条件を満たす限りにおいて特に限定されない。接続方法としては、例えば、
(a)熱電部材と配管とをはんだ付け、ロウ付け等により接合する方法、
(b)熱電部材と配管の隙間に高電気伝導性及び高熱伝導性のグリースを充填する方法、
(c)熱電部材と配管とを熱圧着させる方法、
などがある。
[1.2.4. 化学蓄熱材]
配管内には、化学蓄熱材が充填されていても良い。ここで、「化学蓄熱材」とは、作動媒体と結合する際に発熱を伴い、作動媒体が脱離する際に吸熱を伴う材料をいう。
熱電素子の外周面側に太陽光を照射すると、太陽熱の一部が電気エネルギーに変換され、残りの熱が貫通孔の内周面から放出される。この時、作動媒体と結合した化学蓄熱材が配管内に充填されていると、熱電部材からの排熱により化学蓄熱材が加熱される。その結果、化学蓄熱材から作動媒体が脱離する。すなわち、熱電部材からの排熱が化学エネルギーとして化学蓄熱材に蓄えられる。
一方、夜間や曇天時に配管内に作動媒体を供給すると、作動媒体と化学蓄熱材とが結合し、熱が放出される。その結果、熱電部材の内周面側(高温部)と外周面側(低温部)との間で温度差が発生する。すなわち、化学蓄熱材が持つ化学エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
本発明において、化学蓄熱材の種類は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な材料を用いることができる。化学蓄熱材としては、例えば、
(a)水、油、有機溶剤、溶融塩などを作動媒体とする化学蓄熱材(例えば、MgO、CaO、MgCl2、CaCl2、Na2S、H2SO4、SrO、BaOなど)、
(b)水素を作動媒体とする化学蓄熱材(例えば、水素吸蔵合金など)、
(c)二酸化炭素を作動媒体とする化学蓄熱材(例えば、MgO、CaO、Li4SiO4など)、
(d)アンモニアを作動媒体とする化学蓄熱材(例えば、FeCl2・NH3などのアンモニア錯体など)、
などがある。
[1.3. 均熱部材]
[1.3.1. 材料]
均熱部材は、熱電部材の側面(貫通孔が形成されている面以外の面)に設けられる。均熱部材は、熱電部材の側面を均一に加熱するためのものである。熱電部材は、通常、熱伝導率が低いため、熱電部材の表面に直接、光を照射すると、受光面のみが局所的に加熱される。一方、熱電部材の側面に均熱部材を設け、均熱部材の表面に光を照射すると、受光面で吸収した熱が受光面以外の面にも伝達される。その結果、熱電部材の側面を均一に加熱することができる。
ここで、「受光面」とは、0.01W/cm2以上の光エネルギーが入射する面をいう。
均熱部材の厚みは、いくつでも良いが、均熱部材が厚すぎると均熱部材の表面積が増大し、その分、輻射による熱ロスが増大する。円筒形であれば、熱電部材の半径と同程度以下の厚みが好ましく、より好ましくは熱電部材の半径の1/10以下である。
また、均熱部材は、熱電部材の側面を均一に加熱するためのものであると同時に、熱電部材の他方の電極を兼ねている。そのため、均熱部材の材料は、
(a)熱電部材よりも熱伝導度が高く、
(b)熱電部材よりも電気伝導度が高く、かつ、
(c)使用温度に耐える耐熱性を持つ
ものが好ましい。
均熱部材の材料は、上述した条件を満たす限りにおいて、特に限定されない。均熱部材の材料としては、例えば、ステンレス鋼、銅合金、アルミニウム合金、銀合金、ニッケル合金、炭素材料、金合金などがある。
均熱部材は、熱電部材の側面の全部に設けられていても良く、あるいは、一部に設けられていても良い。しかし、熱電部材の側面の露出面積が過度に大きくなると、側面の均熱性が悪くなり発電効率が低下する。従って、熱電部材の側面の面積に対する均熱部材の面積の割合(以下、「被覆率」ともいう)は、90%以上が好ましい。被覆率は、好ましくは、95%以上、さらに好ましくは、99%以上である。
[1.3.2. 熱電部材と均熱部材の接続]
均熱部材を電極として機能させるためには、熱電部材と均熱部材とが電気的に接続されている必要がある。また、熱電部材と均熱部材との間の熱伝達ロスを低減するには、熱電部材と均熱部材とが熱的に接続されているのが好ましい。
熱電部材と均熱部材の接続方法は、上述した条件を満たす限りにおいて特に限定されない。接続方法としては、例えば、
(a)熱電部材と均熱部材とをはんだ付け、ロウ付け等により接合する方法、
(b)熱電部材と均熱部材の隙間に高電気伝導性及び高熱伝導性のグリースを充填する方法、
(c)熱電部材と均熱部材とを熱圧着させる方法、
などがある。
[1.3.3. 黒化面及び鏡面]
[A. 定義]
均熱部材の表面は、黒化処理が施された黒化面と、鏡面処理が施された鏡面とを備えている。黒化面は、光エネルギーの吸収効率は高いが、輻射による熱ロスが大きい。一方、鏡面は、光エネルギーの吸収効率は低いが、輻射による熱ロスが小さい。そのため、均熱部材の表面の内、受光面を黒化面とし、それ以外の部分を鏡面とすれば、輻射による熱ロスを最小限に抑制することができる。
ここで、「黒化面」とは、波長500〜1800nmの光の反射率が20%以下となる面をいう。反射率が低くなるほど、光の吸収率が高くなり、かつ、放射のエネルギー損失が低くなる。反射率は、好ましくは、10%以下、さらに好ましくは、5%以下である。
このような黒化面を得るための処理(黒化処理)としては、例えば、
(1)表面に市販の黒化塗料を塗布する処理、
(2)電解発色法により黒色発色を行う処理、
(3)蒸着やスパッタ法により各種金属や半導体吸収膜を成膜する処理、
などがある。
「鏡面」とは、波長500〜1800nmの光の反射率が全波長平均で80%以上となる面をいう。反射率が高くなるほど、放射のエネルギー損失が低くなる。反射率は、好ましくは、90%以上である。
このような鏡面を得るための処理(鏡面処理)としては、例えば、
(1)メッキ処理、
(2)スパッタリング法又は蒸着法によるAg、Al、Au等の金属膜の形成、
(3)バフ研磨による金属光沢仕上げ、
などがある。
[B. 黒化処理比率]
黒化面は、均熱部材の受光面上に形成される。受光面の大きさや形状は、熱電部材の形状、光の集光の有無、光の照射方向などにより異なる。黒化面は、理想的には、受光面と完全に一致しているのが好ましいが、若干ずれていても良い。しかし、黒化面と受光面のずれが過度に大きくなると、エネルギー損失が増大する。
また、均熱部材の表面は、黒化面と鏡面のみからなるのが好ましいが、黒化面及び鏡面以外の面(以下、「その他の面」ともいう)が含まれていても良い。しかし、その他の面の面積が過度に大きくなると、エネルギー損失が増大する。
エネルギー損失を低減するためには、均熱部材は、次の(1)〜(3)式の関係を満たしているのが好ましい。
T=SB+SM+SO ・・・(1)
0<SB/ST≦0.6 ・・・(2)
0≦SO/ST≦0.1 ・・・(3)
但し、
Tは、前記均熱部材の表面の総面積、
Bは、前記黒化面の面積、
Mは、前記鏡面の面積、
Oは、前記均熱部材の表面の内、前記黒化面及び前記鏡面以外の面の面積。
(1)式は、均熱部材の表面が黒化面、鏡面、及びその他の面からなることを表す。
(2)式中、「SB/ST」は、均熱部材の表面の総面積に対する黒化面の面積の割合(黒化処理比率)を表す。また、(2)式は、SB/STの許容範囲を表す。
光を集光する場合、受光面の面積を限りなく小さくすることができる。従って、SB/STは、0超が好ましい。
一方、被覆率が100%であり、かつ、平行光線を均熱部材に照射する場合、受光面の面積は、最大でもSTの50%である。すなわち、SB/STの最大値は、理論的には0.5であるが、SB/STは、0.5より大きくても良い。しかし、SB/STが過度に大きくなると、エネルギー損失が増大する。従って、SB/STは、0.6以下が好ましい。
(3)式中、「SO/ST」は、均熱部材の表面の総面積に対するその他の面の面積の割合を表す。また、(3)式は、SO/STの許容範囲を表す。
その他の面は、エネルギー効率の向上に寄与しないので、その面積が過度に大きくなると、エネルギー損失が増大する。従って、SO/STは、0以上0.1以下が好ましい。SO/STは、好ましくは、0.05以下、さらに好ましくは、0.01以下である。
[2. 熱電素子の具体例]
[2.1. 第1の具体例]
図1に、本発明の第1の実施の形態に係る熱電素子の斜視図(図1(A))、及びそのA−A'線断面図(図1(B))を示す。図1において、熱電素子10aは、熱電部材12と、配管14と、均熱部材16とを備えている。なお、図1においては、見やすくするために、各部の寸法の一部を実際の寸法より大きく描いてある。この点は、後述する図2〜図8も同様である。
本実施の形態において、熱電部材12は、円筒状を呈しており、一方の端面から他方の端面に向かって貫通する貫通孔を備えている。貫通孔には、流体(水などの熱交換媒体)を流通させるための配管14が挿入されている。配管14は、熱電部材12の一方の電極を兼ねており、熱電部材12と熱的及び電気的に接続されている。
熱電部材12の側面(貫通孔が設けられている端面以外の面)の全面には、均熱部材16が設けられている。均熱部材16は、熱電部材12の他方の電極を兼ねており、熱電部材12と熱的及び電気的に接続されている。
均熱部材16の表面の内、受光面側には黒化面18が形成され、非受光面側には鏡面20が形成されている。本実施の形態においては、平行光線が円筒状の熱電部材12の側面に照射されることを想定しているため、SB/ST=0.5になっている。
さらに、配管14及び均熱部材16には、それぞれ、負荷(図示せず)を接続するためのリード線22、22が接合されている。
このような構成を備えた熱電素子10aの黒化面18に光を照射すると、光は黒化面18に吸収され、熱エネルギーに変換される。黒化面18が吸収した熱は、均熱部材16に伝達される。均熱部材16には、熱伝導率の高い材料が用いられているため、均熱部材16の受光面側の温度だけでなく、非受光面側の温度も上昇する。そのため、熱電部材12の側面(外周面)の温度がほぼ均一に上昇する。
熱電部材12の側面の温度が上昇すると、熱電部材12の側面近傍においてキャリア(p型熱電材料の場合はホール(h+)、n型熱電材料の場合は、電子(e-))が励起される。励起されたキャリアは、熱電部材12の内周面側に向かって拡散する。その結果、配管14と均熱部材16とを負荷に接続すれば、電力を取り出すことができる。
また、黒化面18が吸収した熱エネルギーの内、電力に変換されなかったものは、熱電部材12を介して配管14まで伝達される。そのため、配管14に低温の熱交換媒体を流すと、加温された熱交換媒体を得ること(すなわち、熱電部材12からの排熱を回収すること)ができる。例えば、熱交換媒体として水を用いると、電力とともに温水を得ることができる。
[2.2. 第2の具体例]
図2に、本発明の第2の実施の形態に係る熱電素子の斜視図(図2(A))、及びそのA−A'線断面図(図2(B))を示す。図2において、熱電素子10bは、熱電部材12と、配管14と、均熱部材16とを備えている。
本実施の形態において、熱電部材12は、角筒状を呈しており、一方の端面から他方の端面に向かって貫通する貫通孔を備えている。貫通孔には、流体(水などの熱交換媒体)を流通させるための配管14が挿入されている。
熱電部材12の側面(貫通孔が設けられている端面以外の面)の全面には、均熱部材16が設けられている。均熱部材16の表面の内、受光面側には黒化面18が形成され、非受光面側には鏡面20が形成されている。本実施の形態においては、平行光線が角筒状の熱電部材12の1つの側面に照射されることを想定しているため、SB/ST=0.25になっている。
その他の点については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[2.3. 第3の具体例]
図3に、本発明の第3の実施の形態に係る熱電素子の斜視図(図3(A))、及びそのB−B'線断面図(図3(B))を示す。図3において、熱電素子10cは、熱電部材12a、12bと、配管14と、均熱部材16a、16b、16cとを備えている。
本実施の形態において、熱電部材12aはp型熱電材料からなり、熱電部材12bはn型熱電部材からなる。熱電部材12a、12bは、いずれも円筒状を呈しており、一方の端面から他方の端面に向かって貫通する貫通孔を備えている。貫通孔には、流体(水などの熱交換媒体)を流通させるための配管14が挿入されている。
配管14は、導電性材料からなる2つの導電管14a、14bの間に、絶縁材料からなる絶縁管14cが挿入されたものからなる。導電管14a、14bは、電極を兼ねており、それぞれ、熱電部材12a、12bと電気的及び熱的に接続されている。絶縁管14cは、熱電部材12a、12bの間に来るように配置されている。
熱電部材12a、12bの側面の内、非受光面には、それぞれ、均熱部材16a、16bが独立に設けられている。熱電部材12aの受光面近傍と熱電部材12bの受光面近傍とは、板状の均熱部材16cで連結されている。均熱部材16cは、熱電部材12aの高温部と熱電部材12bの高温部とを熱的及び電気的に接続する電極を兼ねている。均熱部材16cにより、熱電部材12a、12bは、直列接続となる。
均熱部材16cの表面には、黒化面18が形成されている。一方、均熱部材16a、16bの表面には、それぞれ、鏡面20a、20bが形成されている。本実施の形態においては、集光された光が円筒状の熱電部材12a、12bの側面に照射されることを想定しているため、SB/ST<0.5になっている。
さらに、導電管14a、14bには、それぞれ、負荷(図示せず)を接続するためのリード線22、22が接合されている。
このような構成を備えた熱電素子10cの黒化面18に光を照射すると、光は黒化面18に吸収され、熱エネルギーに変換される。黒化面18が吸収した熱は、均熱部材16a〜16cを介して、熱電部材12a、12bの側面に伝達される。その結果、熱電部材12a、12bの側面(外周面)の温度がほぼ均一に上昇する。
熱電部材12aの側面の温度が上昇すると、熱電部材12aの側面近傍においてホール(h+)が励起され、励起されたホールは、熱電部材12aの内周面側に向かって拡散する。一方、熱電部材12bの側面の温度が上昇すると、熱電部材12bの側面近傍において電子(e-)が励起され、励起された電子は、熱電部材12bの内周面側に向かって拡散する。そのため、熱電部材12a、12bの高温部を均熱部材16cにより電気的に直列に接続し、リード線22を介して導電管14a、14bを負荷に接続すれば、電力を取り出すことができる。
また、黒化面18が吸収した熱エネルギーの内、電力に変換されなかったものは、熱電部材12a、12bを介して配管14まで伝達される。そのため、配管14に低温の熱交換媒体を流すと、加温された熱交換媒体を得ること(すなわち、熱電部材12a、12bからの排熱を回収すること)ができる。
[2.4. 第4の具体例]
図4に、本発明の第4の実施の形態に係る熱電素子の斜視図(図4(A))、及びそのB−B'線断面図(図4(B))を示す。図4において、熱電素子10dは、熱電部材12a、12bと、配管14と、均熱部材16とを備えている。
本実施の形態において、熱電部材12aはp型熱電材料からなり、熱電部材12bはn型熱電部材からなる。熱電部材12a、12bは、いずれも円筒状を呈しており、一方の端面から他方の端面に向かって貫通する貫通孔を備えている。貫通孔には、流体(水などの熱交換媒体)を流通させるための配管14が挿入されている。さらに、熱電部材12a、12bの間には、絶縁材料からなる円筒状のスペーサー24が挿入されている。スペーサー24の外径は、熱電部材12a、12bの外径とほぼ等しくなっており、内径は、配管14の内径とほぼ等しくなっている。
配管14は、導電性材料からなる2つの導電管14a、14bからなる。導電管14a、14bは、分離しており、導電管14a、14bの間は、スペーサー24で絶縁されている。導電管14a、14bは、電極を兼ねており、それぞれ、熱電部材12a、12bと電気的及び熱的に接続されている。
熱電部材12a、12bの側面、及びスペーサー24の側面には、均熱部材16が設けられている。均熱部材16の表面には、SB/ST<0.5となるように、黒化面18及び鏡面20が形成されている。図4に示すように、熱電部材12a、12bの側面、及びスペーサー24の側面を覆う単一の均熱部材16を用いると、図3に比べて部品点数が少なくなるだけでなく、熱電部材12a、12b間の抵抗を低減することができる。
その他の点については、第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[2.5. 第5の具体例]
図5に、本発明の第5の実施の形態に係る熱電素子の斜視図(図5(A))、及びそのB−B'線断面図(図5(B))を示す。図5において、熱電素子10eは、熱電部材12a〜12dと、配管14と、均熱部材16a、16bとを備えている。
熱電素子10eは、基本的には、図4に示す2個の熱電素子10dを直列に接続したものである。すなわち、熱電部材12a、12cはp型熱電材料からなり、熱電部材12b、12dはn型熱電部材からなる。熱電部材12a〜12dは、いずれも円筒状を呈しており、一方の端面から他方の端面に向かって貫通する貫通孔を備えている。但し、熱電部材12a、12bの高温端と熱電部材12c、12dの高温端との間の絶縁を容易化するために、後者の外径は、前者より小さくなっている。
貫通孔には、流体(水などの熱交換媒体)を流通させるための配管14が挿入されている。さらに、熱電部材12a、12bの間、及び、熱電部材12c、12dの間には、それぞれ、絶縁材料からなる円筒状のスペーサー24a、24bが挿入されている。
配管14は、導電性材料からなる3つの導電管14a〜14cからなる。導電管14a〜14cは、互いに分離しており、導電管14a、14bの間及び導電管14b、14cの間は、それぞれ、スペーサー24a、24bで絶縁されている。
熱電部材12a、12bの側面、及びスペーサー24aの側面には、均熱部材16aが設けられている。同様に、熱電部材12c、12dの側面、及びスペーサー24bの側面には、均熱部材16bが設けられている。均熱部材16a、16bの端部は、接触していないが、配管14の軸方向に対して垂直方向から見た時に両者の端部が互いに重なり合うように、それぞれ、端部が延長されている。これは、光が導電管14bに直射しないようにするためである。
均熱部材16aの表面には、SB/ST<0.5となるように、黒化面18a及び鏡面20aが形成されている。同様に、均熱部材16bの表面には、SB/ST<0.5となるように、黒化面18b及び鏡面20bが形成されている。
その他の点については、第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[2.6. 第6の具体例]
図6(A)及び図6(B)に、本発明の第6の実施の形態に係る熱電素子の斜視図を示す。図6(A)において、熱電素子10fは、図5に示す熱電素子10eを横一列に並べ、かつ、各熱電素子10eを電気的に直列に接続したものからなる。中央にある熱電素子10eのn型熱電部材とp型熱電部材の配置は、両端の熱電素子10eのそれとは逆になっている。この場合、隣接する熱電素子10eの均熱部材は、互いに絶縁されている必要がある。すなわち、隣接する熱電素子10eを離間させるか、あるいは、隣接する熱電素子10eの隙間に絶縁材料を充填する必要がある。
図6(B)において、熱電素子10gは、図5に示す熱電素子10eを横一列に並べ、かつ、各熱電素子10eを電気的に並列に接続したものからなる。各熱電素子10eのn型熱電部材とp型熱電部材の配置は、同一である。この場合、隣接する熱電素子10eの均熱部材は、必ずしも互いに絶縁されている必要はない。
図6に示すように、熱電素子10eを横一列に並べると、黒化面18の総面積を大きくすることができる。この場合、図6に示すように、大径部同士が隣接するように各熱電素子10eを並べても良い。あるいは、図示はしないが、大径部と小径部が千鳥格子状に配列するように、各熱電素子10eを並べても良い。後者の場合、各熱電素子10eの隙間を通過する光を少なくすることができる。このような構成を備えた熱電素子10f、10gは、例えば、輻射熱を電力に変換する場合に有効である。
その他の点については、第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[2.7. 第7の具体例]
図7に、本発明の第7の実施の形態に係る熱電素子の斜視図(図7(A))、及びそのB−B'線断面図(図7(B))を示す。図7において、熱電素子10hは、熱電部材12と、配管14と、均熱部材16と、化学蓄熱材26とを備えている。
本実施の形態において、配管14内には、化学蓄熱材26が充填されている。この点が第1の実施の形態と異なる。その他の点については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
このような熱電素子10hの黒化面18に光を照射すると、電力に変換されなかった熱エネルギーが熱電部材12の内周面側から放出され、この熱により化学蓄熱材26が加熱される。その結果、化学蓄熱材26から作動媒体(例えば、水蒸気)が脱離する。一方、黒化面18に光が照射されていない状態(例えば、夜間や曇天時)で配管14に作動媒体を供給すると、化学蓄熱材26と作動媒体が結合し、熱が放出される。この熱を熱電部材12により電力として取り出すことができる。
[3. 熱発電システム]
図8に、本発明の一実施の形態に係る熱発電システムの概略図を示す。図8において、熱発電システム30は、以下の構成を備えている。
(1)熱発電システム30は、
光を内部に取り込むための採光窓42を備えた容器40と、
容器40内に収容された、本発明に係る熱電素子10と、
配管14に流体を供給するための流体供給手段(図示せず)と、
熱電素子10が生成する電力を消費する電力消費源(図示せず)と
を備えている。
(2)熱電素子10は、黒化面18が採光窓42の下に来るように、容器40内に収容されている。
熱発電システム30は、
(a)光を集光し、集光された光を採光窓42に向かって照射するための集光装置44、及び/又は、
(b)熱電素子10の受光面を光源に向けるための追尾装置(図示せず)
をさらに備えていても良い。
[3.1. 容器]
容器40は、熱電素子10を収容するためのものである。熱電素子10の配管14の両端は、容器40の外側まで延長されている。容器40には、外部から光を取り込むための採光窓42が設けられている。熱電素子10は、黒化面18が採光窓42の下に来るように、容器40内に収容されている。
容器40内には、大気が存在していてもよい。しかし、容器40内に大気が存在すると、熱電素子10の高温部からの対流による熱ロスが大きくなる。そのため、高い熱効率を得るためには、容器40は、真空容器が好ましい。真空容器は、封止したものでも良く、あるいは、容器40内を排気するための真空ポンプを備えているものでも良い。
[3.2. 熱電素子]
[3.2.1. 熱電素子の構成]
容器40内には、熱電素子10が収容されている。容器40内には、1個の熱電素子10が収容されていても良く、あるいは、2個以上が収容されていても良い。熱電素子10(10a〜10h)の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[3.2.2. 黒化処理比率、受光面比率]
熱電素子10は、次の(1)〜(5)式の関係を満たしているのが好ましい。
T=SB+SM+SO ・・・(1)
0<SB/ST≦0.6 ・・・(2)
0≦SO/ST≦0.1 ・・・(3)
0<SL/ST≦0.5 ・・・(4)
L/ST≦SB/ST≦SL/ST+0.1 ・・・(5)
但し、
Tは、前記均熱部材の表面の総面積、
Bは、前記黒化面の面積、
Mは、前記鏡面の面積、
Oは、前記均熱部材の表面の内、前記黒化面及び前記鏡面以外の面の面積、
Lは、前記熱電素子の受光面の面積。
これらの内、(1)〜(3)式については上述した通りであるので、説明を省略する。
(4)式中、「SL/ST」は、均熱部材16の表面の総面積に対する受光面の面積の割合(受光面比率)を表す。また、(4)式は、SL/STの許容範囲を表す。
上述したように、光を集光する場合、SL/STを限りなく小さくすることができる。一方、被覆率が100%であり、かつ、平行光線を均熱部材16に照射する場合、SL/STは、最大でも0.5である。そのため、SL/STは、0超0.5以下の範囲で任意に選択することができる。
(5)式は、SB/STの許容範囲を表す。黒化処理比率(SB/ST)が受光面比率(SL/ST)より小さくなると、光の一部が鏡面で反射される。従って、SL/ST≦SB/STが好ましい。
一方、黒化処理比率が受光面比率に比べて過度に大きくなると、黒化面からの輻射ロスが大きくなる。従って、SB/ST≦SL/ST+0.1が好ましい。
[3.3. 流体供給手段]
配管14には、流体を供給するための流体供給手段が接続されている。流体供給手段は、特に限定されるものではなく、流体の種類に応じて最適なものを選択することができる。
例えば、本発明に係る熱発電システム30を給湯システムに応用する場合、配管14を給水タンク及び給水ポンプに接続する。給水ポンプを作動させ、配管14内に冷水を供給しながら熱電素子10で発電を行うと、配管14から温水を排出することができる。
あるいは、配管14内に化学蓄熱材が充填されており、作動媒体が水(水蒸気)である場合には、配管14を水蒸気発生器及び水タンクに接続する。
[3.4. 電力消費源]
熱電素子10のリード線22、22には、熱電素子10が生成する電力を消費する電力消費源が接続されている。電力消費源は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。
電力消費源としては、例えば、
(a)配管14に水を供給するための給水ポンプ、
(b)熱電素子10の受光面を光源に向けるための追尾装置、
(c)電力を蓄えるためのバッテリー、
(d)OA機器、照明器具、空調機器、家電機器、又は工場設備機器、
などがある。
[3.5. 集光装置]
集光装置44は、光(例えば、太陽光)を集光し、集光された光を採光窓42に向かって照射するためのものである。集光装置44としては、例えば、フレネルレンズ、集光鏡、凸レンズなどがある。集光装置44は、必ずしも必要ではないが、集光装置44を用いると、熱電素子10により大きな温度差を発生させることができる。
[3.6. 追尾装置]
追尾装置は、熱電素子10の受光面を光源に向けるためのものである。高い熱効率を得るためには、光は、受光面に対して垂直に入射させるのが好ましい。例えば、高温炉からの輻射熱(遠赤外線)を受光面に照射する場合のように、光源が固定されている場合、追尾装置は不要である。一方、太陽光のように、光の入射方向が時々刻々変化する場合、追尾装置を用いて、受光面を太陽の方向に向けるのが好ましい。
[4. 作用]
本発明に係る熱電素子は、熱電部材の側面に均熱部材が設けられている。また、均熱部材の表面の内、受光面には黒化処理が施され、非受光面には鏡面処理が施されている。熱電素子の黒化面に太陽光や遠赤外線などの光を照射すると、光は黒化面に吸収され、熱エネルギーに変換される。この熱エネルギーは、均熱部材を介して熱電部材に伝達されるため、受光面が局所的に加熱されることはなく、熱電部材の全側面がほぼ均一に加熱される。その結果、熱電部材の側面と貫通孔の内周面との間に相対的に大きな温度差(すなわち、起電力)が発生する。
また、黒化面は、光エネルギーの吸収効率は高いが、輻射による熱ロスが大きい。一方、鏡面は、光エネルギーの吸収効率は低いが、輻射による熱ロスが小さい。そのため、均熱部材の表面の内、受光面を黒化面とし、それ以外の部分を鏡面とすれば、輻射による熱ロスを最小限に抑制することができ、熱電部材に効率よく熱を流すことができる。
さらに、熱電部材に挿入された配管に流体を流通させると、電力に変換されることなく熱電部材を透過した熱を回収して利用することができる。すなわち、本発明は、光エネルギーを電気エネルギー及び熱エネルギーとして利用するため、エネルギーの利用効率が高い。そのため、本発明によれば、太陽光や工場排熱などを利用したエネルギー利用効率の高い熱発電+熱利用ハイブリッドシステムを実現できる。
[1. 熱発電システムの作製]
[1.1. モデル1]
図8に示す熱発電システム30を作製した。容器40内は、ロータリーポンプを用いて10Pa以下の真空度とした。熱電部材12には、CoSb3系の熱電材料からなる円筒状の部材(外径:12mm、内径:3mm、長さ:7.5mm)を用いた。均熱部材16には、鉄ニッケル合金を用い、受光面及び非受光面に、それぞれ、黒化処理及び鏡面処理を施した。黒化処理には、ジャパンセンサー社製の黒化塗料(JSC3号)を用いた。鏡面処理には、Agメッキを用いた。さらに、SB/ST=0.5とした。
[1.2. モデル2]
均熱部材16の表面の全面に黒化処理を施した以外は、モデル1と同様にして、熱発電システムを作製した。
[2. 試験方法及び結果]
[2.1. 入射光エネルギー依存性]
受光面に太陽光を照射し、高温部の温度Tmaxを測定した。集光倍率は、400〜1600倍とした。図9に、入射エネルギーと熱電素子10の高温部の温度(外周温度)Tmaxとの関係を示す。実験値は、シミュレーションと良い一致を示している。これは、黒化処理を施した熱電素子10の高温部の熱の内、輻射による熱ロス以外の熱が熱電部材12に流れていることを意味している。
図10に、入射エネルギーに対する輻射ロス、高温部の温度Tmax、及び輻射ロス率(但し、Tc=353K)を示す。図10より、均熱部材16の表面の半分を黒化処理し、かつ、残り半分を鏡面処理すると、均熱部材16の表面の全面を黒化処理した場合に比べて、輻射による熱ロスを半分程度に低減できることがわかる。すなわち、入射エネルギーが同じであれば、その分、高温部の温度Tmaxが上がり、より多くの電力が得られる。
[2.2. 反射率]
図11に、各種表面の反射率の波長依存性を示す。ジャパンセンサー社製の黒化塗料(JSC3号)を用いることで、500〜1800nmの波長の光の平均反射率は5%となり、ほぼ太陽光を吸収できた。一方、鉄ニッケル合金の表面にAgメッキを施すことで、500〜1800nmの波長の光の平均反射率は90%を超え、ほぼ輻射しなかった。従って、均熱部材16の表面に黒化処理及び鏡面処理を施せば、エネルギーロスを最小限に抑制することができる。
[2.3. 給湯試験]
配管14に温度30℃程度の水を流しながら、熱電素子10の受光面に太陽光を照射し、発電を行った。その結果、配管14の出口から、50〜80℃の温水が得られた。
[2.4. 輻射ロス率の黒化処理比率依存性]
モデル計算により、輻射ロス率QR/Qinの黒化処理比率SB/ST依存性(但し、Tc=353K)求めた。計算では、均熱部材の上半分の全面に光が当たっていると仮定した。図12に、その結果を示す。
なお、SB/ST=0.5、SM/ST=0.5である場合、受光面の面積SL(<ST)=黒化面の面積SBとなり、受光面以外の面は、すべて鏡面SMとなる。
B/ST<1で輻射ロス低減効果が現れ、SB/ST=0.5に近づくにつれて輻射ロス率が低減した。すなわち、どのような形状・集光条件でも、受光面の面積SL=黒化面の面積SBとし、それ以外を鏡面SMとすることで、エネルギー利用効率が最大となることがわかった。集光を含めて通常の場合、SL/ST≦0.5であるので、輻射ロス率を低減するためには、理想的にはSB/ST≦0.5である。しかし、素子の微妙な回転等によって集光面がずれることや、集光条件によっては熱電素子10の下半分にも光が当たることがある。これらを考慮すると、実用上、SB/ST≦0.6が好ましい。
また、例えば、太陽光を追尾しながら太陽光を集光して使用する場合、色収差が生じたり、追尾中のモーターの動きにより受光面の位置がある範囲で移動する。そのため、黒化面の面積SBは、受光面の面積SLに対して広めにとるのが実用的である。従って、SL/SB≦SB/ST≦SL/ST+0.1が好ましい。図12では、SL/ST=0.5であるため、SB/ST=SL/ST+0.1(SB/ST=0.6とした場合 でも、QRの増大は、SB/ST=SL/ST(SB/ST=0.5)の1.2倍に抑えることができる。
実際に、今回の検証では、5mm角程度に集光し、1mm程度の色収差及び追尾モーターの動きにより、受光面の位置が1mm程度動くことを確認している。
熱電部材12の高温部では、電極接合などにより、鏡面及び黒化面以外の面SOが生じることがある。高い効率を得るためには、SOは、必要最小限の範囲(0≦SO/ST≦0.1)に留めるのが望ましい。
なお、「受光面」は、0.01W/cm2以上の光エネルギーが入射する面と定義する。この値は、熱電変換効率が10%の熱電素子を用いた場合に10×10m2の面積で1kWの電力が得られる条件であり、これ以下であると採算は取れない。ちなみに、太陽光は、0.1W/cm2程度である。
[2.5. 輻射ロス率の熱伝導率依存性]
モデル計算により、輻射ロス率QR/Qinの熱電部材12の熱伝導率依存性(但し、Tc=353K)求めた。計算では、均熱部材の上半分の全面に光が当たっていると仮定した。表1に、その結果を示す。
Figure 0006260628
熱電部材12の熱伝導率κが変わっても、SB/ST=0.5、かつ、SM/ST=0.5の時(モデル1、3、4)のQRは、SB/ST=1.0、かつ、SM/ST=0の時(モデル2)の1/2以下であり、輻射ロスを低減できる。従って、高温部の温度Tmaxが同じであれば、熱電部材12の熱伝導率κが高い(熱電素子を流れる熱量(Qin−QR)が多い)方が、輻射ロスを低減できる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本発明に係る熱電素子及び熱発電システムは、太陽光や工場排熱を利用した発電・給湯システムなどに使用することができる。
10(10a〜10h) 熱電素子
12(12a〜12d) 熱電部材
14 配管
16(16a〜16c) 均熱部材
18(18a〜18b) 黒化面
20(20a〜20b) 鏡面
30 熱電発電システム
40 容器
42 採光窓
44 集光装置

Claims (10)

  1. 以下の構成を備えた熱電素子。
    (1)前記熱電素子は、
    熱電材料からなり、かつ、一方の端面から他方の端面に向かって貫通する貫通孔を備えた熱電部材と、
    前記貫通孔に挿入された、流体を流通させるための配管と、
    前記熱電部材の側面に設けられた均熱部材と
    を備えている。
    (2)前記配管は、前記熱電部材の一方の電極を兼ねており、
    前記均熱部材は、前記熱電部材の他方の電極を兼ねている。
    (3)前記均熱部材の表面は、黒化処理が施された黒化面と、鏡面処理が施された鏡面とを備えている。
  2. 次の(1)〜(3)式の関係を満たす請求項1に記載の熱電素子。
    T=SB+SM+SO ・・・(1)
    0<SB/ST≦0.6 ・・・(2)
    0≦SO/ST≦0.1 ・・・(3)
    但し、
    Tは、前記均熱部材の表面の総面積、
    Bは、前記黒化面の面積、
    Mは、前記鏡面の面積、
    Oは、前記均熱部材の表面の内、前記黒化面及び前記鏡面以外の面の面積。
  3. 前記熱電部材は、p型熱電材料からなる1又は2以上のp型熱電部材と、n型熱電材料からなる1又は2以上のn型熱電部材とを備え、
    前記配管には、前記p型熱電部材及び前記n型熱電部材が交互に装着されており、
    前記p型熱電部材と前記n型熱電部材とは、電気的に直列に接続されている
    請求項1又は2に記載の熱電素子。
  4. 前記熱電部材は、円柱の中心に前記貫通孔が形成された円筒形を呈している請求項1から3までのいずれか1項に記載の熱電素子。
  5. 前記配管内には、化学蓄熱材が充填されている請求項1から4までのいずれか1項に記載の熱電素子。
  6. 以下の構成を備えた熱発電システム。
    (1)前記熱発電システムは、
    光を内部に取り込むための採光窓を備えた容器と、
    前記容器内に収容された、請求項1から5までのいずれか1項に記載の熱電素子と、
    前記配管に前記流体を供給するための流体供給手段と、
    前記熱電素子が生成する電力を消費する電力消費源と
    を備えている。
    (2)前記熱電素子は、前記黒化面が前記採光窓の下に来るように、前記容器内に収容されている。
  7. 前記熱電素子は、次の(1)〜(5)式の関係を満たす請求項6に記載の熱発電システム。
    T=SB+SM+SO ・・・(1)
    0<SB/ST≦0.6 ・・・(2)
    0≦SO/ST≦0.1 ・・・(3)
    0<SL/ST≦0.5 ・・・(4)
    L/ST≦SB/ST≦SL/ST+0.1 ・・・(5)
    但し、
    Tは、前記均熱部材の表面の総面積、
    Bは、前記黒化面の面積、
    Mは、前記鏡面の面積、
    Oは、前記均熱部材の表面の内、前記黒化面及び前記鏡面以外の面の面積、
    Lは、前記熱電素子の受光面の面積。
  8. 光を集光し、集光された前記光を前記採光窓に向かって照射するための集光装置をさらに備えた請求項6又は7に記載の熱発電システム。
  9. 前記熱電素子の受光面を光源に向けるための追尾装置をさらに備えた請求項6から8までのいずれか1項に記載の熱発電システム。
  10. 前記容器は、真空容器である請求項6から9までのいずれか1項に記載の熱発電システム。
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