JP2012069625A - パイプ型光熱発電デバイス - Google Patents

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宏平 高橋
Tsutomu Sugano
勉 菅野
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章裕 酒井
Atsushi Omote
篤志 表
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Abstract

【課題】良好な集熱機構を実現し、高い発電特性を有する光熱発電デバイスを提供すること。
【解決手段】第1および第2の電極に挟まれ、かつ第1および第2の電極の双方に電気的に接続された積層体を備え、積層体は金属と熱電材料とが交互に積層されてなり、かつ内部に貫通孔を有するデバイス構造をとる。デバイスの貫通孔内部に太陽光を照射することをによって良好な集熱機構を実現しながら発電を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は太陽光などの光から得られる熱エネルギーを電気エネルギーへと変換する熱発電デバイスに関する。
熱発電は、物質の両端に印加された温度差に比例して起電力が生じるゼーベック効果を利用し、熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する技術である。この技術は、僻地用電源、宇宙用電源、軍事用電源等で実用化されている。
従来の熱発電デバイスは、キャリアの符号が異なるP型半導体とN型半導体を組み合わせ、熱的に並列に、かつ電気的に直列につないだ、いわゆるπ型構造と呼ばれる平板状の構造を有している。この平板状のデバイスの一方の面を熱源に接触させ、他方の面を冷却することによってデバイスに温度差を生じさせ、発電を行うような構成となっている。
また、本発明者らは金属と熱電材料であるBiとからなる異種材料の積層構造における熱電気特性の異方性を利用したデバイスにおいて、積層体における各材料の厚さの比(以下、積層比と書く)と積層方向の傾斜角度を適切に選択することによって優れた発電性能が実現することを見いだし、これを利用した熱発電デバイスを発明した(特許文献1)。
特許第4078392号公報
仮に、特許文献1記載の熱発電デバイスを用いて、太陽光などの光から得られる熱で発電する光熱発電デバイスを作製することを考えると、次のような技術が考えられる。すなわち、光を熱発電デバイスの表面に照射することで熱発電デバイスの表面を過熱し、熱発電デバイスの裏面を同時に冷却することで、熱発電デバイスの内部に温度差を作りだし、熱発電を行う技術である。
しかしながら、前記従来のπ型構造や、特許文献1に記載のデバイスはどれも平板状の構造を有しており、その表面付近では空気の流れが起きやすい構造になっている。そのため、熱発電デバイス表面付近で温められた空気は、その周辺の大気中に拡散しやすい構造となる。その結果、熱発電デバイス表面から大気中への放熱は盛んに行われ、熱発電デバイス表面から熱が逃げやすくなる。
このように、従来までの平板状の熱発電デバイスを用いた光熱発電では、光を吸収することによって熱発電デバイス内部につく実効的な温度差は小さくなり、効率よく発電できない。
したがって、光熱発電によって、より多くの用途で実用に足る電力を取り出すためには、熱発電デバイス表面から大気中への放熱を抑える必要がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高い発電特性を達成するために、光から得られる熱を効率よく集熱することができるパイプ型の光熱発電デバイスを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のパイプ型光熱発電デバイスは、金属と熱電材料を交互に積層したようなパイプ状の熱発電デバイスからなり、パイプの内壁を光のエネルギーで温め、パイプ外壁を冷却する構成をとる。
本発明によって、パイプ内部に熱が蓄積される状態、すなわち光を吸収することによって発生した熱が熱発電デバイス表面から逃げにくい状態を実現することができ、光による熱発電量を高めることができる。
本発明の実施の形態1におけるパイプ型光熱発電デバイスの斜視図 本発明の実施の形態1におけるパイプ型光熱発電デバイスの断面図 本発明の実施の形態1におけるパイプ型光熱発電デバイスの斜視図 本発明の実施の形態1における金属と熱電材料からなる積層体の作製方法の一例を示した図 本発明の実施の形態1におけるパイプ型光熱発電デバイスの断面図 本発明の実施の形態1におけるパイプ型光熱発電デバイスの断面図 本発明の実施の形態1におけるパイプ型光熱発電デバイスの断面図 本発明の実施の形態1におけるパイプ型光熱発電デバイスの断面図 本発明の実施の形態1におけるパイプ型光熱発電デバイスの断面図 本発明の実施の形態1におけるパイプ型光熱発電デバイスの断面図 本発明の実施の形態1におけるパイプ型光熱発電デバイスの断面図 本発明の実施の形態2におけるパイプ型光熱発電デバイスの断面図 本発明の実施の形態3におけるパイプ型光熱発電デバイスの断面図 本発明の実施の形態4におけるパイプ型光熱発電デバイスの断面図 本発明の実施の形態5におけるパイプ型光熱発電デバイスの断面図 本発明の実施の形態6におけるパイプ型光熱発電デバイスの斜視図 本発明の実施の形態6におけるパイプ型光熱発電デバイスの断面図 本発明の実施の形態6におけるパイプ型光熱発電デバイスの斜視図 本発明の実施例1におけるパイプ型光熱発電デバイスによって得られる発電量と直列接続されているデバイス数との関係図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明のパイプ型光熱発電デバイスは、図1に一例を示したとおり、金属11および熱電材料12が交互に一定の積層比で積層されたパイプ状の積層体の両端を第1電極15および第2電極16で挟み込んだような構造である。また、その内部に貫通孔を有している。また図2の断面図に示したように、金属11と熱電材料12の積層面は貫通孔の軸方向13に対して一定の角度θを有していて、積層した際に積層界面に隙間ができにくいようになっている。貫通孔は貫通構造を有していればその断面形状は円に限定されず、楕円、多角形、あるいは不定形の形状でもよい。
角度θと積層比の好適な範囲は金属11と熱電材料12との組み合わせによって異なる。例えばCuとBiの組み合わせであればθは10°以上60°以下の範囲が好ましい。
金属11と熱電材料12を隙間の無いように積層し、本発明のパイプ型光熱発電デバイスの基本構造を形成する。パイプ型光熱発電デバイスの内壁31に太陽光などの光を照射することで、パイプの内壁31と外壁32との間に温度差が生じ、発電を行うことができる。なお、内壁31とは、図2に示す通り、貫通孔が設けられている側のパイプ型光熱発電デバイスの表面を表す。また、外壁32とは、図2に示す通り、パイプ型光熱発電デバイスの外側表面を表す。発電された電力はパイプ型光熱発電デバイスの両端に設けられた第1電極15および第2電極16に電気負荷を接続するなどして取り出すことができる。
また、図3に示すように、金属11と熱電材料12の積層体において、溝部17を設ける事もできる。溝部17には積層体が電気的に短絡しないよう、電気絶縁体を充填する事が好ましい。溝部17に弾力性のある樹脂などを充填すれば、積層体に加わる熱応力を緩和することもできる。溝部17は単なる切り欠きとし、中空にすることも勿論可能である。
金属11は、電気伝導および熱伝導の良い材料であれば特に限定されない。具体的にはCu、Ni、Ag、Al、Au等が良い。
熱電材料12は、Bi、Bi2Te3、YbAl3、PbTeなどが良い。しかし、熱電材料12は、これらの材料に限定されるものではなく、様々な熱電材料を用いることができる。
第1電極15および第2電極16は電気伝導の良い材料であれば特に限定されない。パイプ構造の両端が金属11になるように構成すれば、第1電極15および第2電極16を省略することもできる。
本発明のパイプ型光熱発電デバイスの作製方法は、上記の構造を実現できれば特に限定されず、様々な方法を用いることができる。例えば図4に示すように、予め金属11と熱電材料12をカップ型に加工したものを積み重ねて加熱および加圧を行うことによって接合し、パイプ型の構造を作製することが考えられる。
本発明のパイプ型光熱発電デバイスの内径および外経は、パイプ長さ方向に沿って均一である必要は無く、例えば、上部あるいは下部の内径および外径を小さくして、図5に示すように、山型あるいは、図6に示すように、お椀型にしてもよい。また、本発明のパイプ型熱発電デバイスにおいて、内壁および外壁は必ずしも平坦な円筒状である必要はない。例えば図7および図8に示すように一部を突起状にしてもよい。さらに、本発明のパイプ型光熱発電デバイスの下部は、必ずしも開いている必要は無く、図9に示すように、下蓋26をはめ込んで閉じた構造であっても良い。
本発明のパイプ型光熱発電デバイスの内壁31に太陽光などの光を照射することで、図2の内壁31の温度を上昇させることが出来る。同時に、外壁32を冷却することで、内壁31と外壁32の間で温度差を作りだし、発電が可能となる。この際、内壁31にだけ光線21が入射し、外壁32には光線21が入射しないようにする必要があり、その手法としては、図10に示すような構成が考えられる。パイプの内径と同程度の穴が開いた光遮断板18をパイプ型光熱発電デバイスの直上部に設置したり、又は、パイプ型光熱発電デバイスを地中にあるいは光が遮断される物体にはめ込めばよい。一方、パイプ外壁32の冷却には、ファンによる風、あるいは、冷却された液体に接触させる方法等がある。
本発明のパイプ型光熱発電デバイスの内壁31に、図11に示すように、光吸収層19を設けることで、太陽光などの光を効率よく吸収し、パイプ型光熱発電デバイスの内壁温度を高めることができる。光吸収層19の材料としては、カーボンペースト、金黒、白金黒などの金属多孔体、又は、アルミナ等が良いが、用いる光を吸収する絶縁材料であれば特に限定されない。なお、光吸収層19の材料は、導体でも良い。しかし、その場合は、光吸収層とパイプ型光熱発電デバイスの内壁との間に、絶縁層を設ける必要がある。絶縁層の材料としては、アルミナやSiO2など抵抗率の高い材料であれば特に限定されない。
本発明のパイプ型光熱発電デバイスを複数組み合わせ、導線で直列に接続することで、より多くの電力を取り出す事が出来る。
(実施の形態2)
本実施の形態の発明は、実施の形態1のパイプ型光熱発電デバイスの上部に図12に示すように、レンズ20をはめ込む構成を有している。この構成により、パイプ型熱発電デバイスにほぼ平行方向に入射する光線21を発散させ、内壁に効率よく光を照射させることができる。レンズ20の種類は特に限定されず、光を発散させることができれば凸レンズでも凹レンズでも良い。また、レンズ20の材料は特に限定されないが、用いる光に対して透過率が高いものが良い。なお、レンズ20はパイプ型光熱発電デバイス上部あるいは内部の内径にはめ込む構成でも、別の支持体により、固定する構成でもよい。
(実施の形態3)
本実施の形態の発明は、実施の形態1のパイプ型光熱発電デバイスの上部に、図13に示すように、パイプ型光熱発電デバイスの内径より大きな径のレンズ20を別の支持体22で固定する構成を有している。パイプ型光熱発電デバイスに入射する光を集光させることで、パイプ型光熱発電デバイス内部に入射する光のパワーを増大させることができる。レンズ20の種類は特に限定されず、光を集光できれば、球面レンズ、非球面レンズ、フレネルレンズでも良い。また、レンズの材料は特に限定されないが、用いる光に対して透過率が高いものが良い。
(実施の形態4)
本実施の形態の発明は、実施の形態1のパイプ型光熱発電デバイスの内部に、図14に示すように、円錐状に加工したミラー23を設ける構成を有している。これにより、パイプ型光熱発電デバイスの内部に入射される光を効率よくパイプ型光熱発電デバイスの内壁に照射することができる。ミラー23の材料は、金、銀、アルミなど、用いる光に対して反射率が高い材料であれば特に限定されない。
なお、ミラー23の形状は、円錐に限定されるものではなく、三角錐や四角錐などでもよい。また、反射された光がパイプ内壁31に照射される仕様であれば、円錐や三角錐の高さは特に限定されるものではない。
(実施の形態5)
本実施の形態の発明は、実施の形態1に記載した本発明のパイプ型光熱発電デバイスを複数組み合わせ、図15の断面図のように略同心円状に多層化して構成を有している。この際、各々のパイプ型光熱発電デバイスを熱的に接続しながら電気的には絶縁するために、電気絶縁層101を配置する。各々のパイプ型光熱発電デバイスの第1電極102a、102b、102cと第2電極103a、103b、103cを適切に組み合わせ電気的に接続することにより、1本のパイプ型光熱発電デバイスから生じる電圧をより大きくすることができる。例えば第1電極102aと102bを、そして第2電極103bと103cを接続することによって、第1電極102cと第2電極103aとの間に生じる電圧を外部に取り出すことができる。
(実施の形態6)
本実施の形態の発明は、実施の形態1に記載した本発明のパイプ型光熱発電デバイスにおける内壁31を低温側、外壁32を高温側とした光熱発電デバイスである。この場合、高温部となるパイプ外壁表面から大気中への放熱は、従来までの平板状の熱発電デバイスと同様に大きくなる。
しかしながら、本発明のパイプ型光熱発電デバイスを、図16の水道パイプ等の冷却パイプ24と接続させることで、冷却された流体で効率よくパイプ内壁を冷却することができる。
従来までの平板状の熱発電デバイスを流体低温熱源で冷却するには、流体低温熱源が流れる配管と熱発電デバイスとの間に生じる隙間を何らかの形で埋める工程を設けたり、配管の表面を平面にしなければならなかったりと制約が大きかった。さらに、低温熱源と熱発電デバイスとの接続に熱伝導性グリースや接着剤、両面テープ等を用いなければならず、低温熱源への効率よい放熱を行うことができなかった。
これに対して、本発明のパイプ型光熱発電デバイスではそのような問題は起きず、パイプ型光熱発電デバイス低温側において、良好な放熱特性が得られる。その結果、従来に比べて多くの発電量が得られる。なおこの構成では、用いる光を効率よく吸収するための光吸収層はパイプ外壁32に付加する。
一方、この構成の場合、地面に面するパイプ外壁の半分は、光が当たらなくなる。したがって、パイプ型光熱発電デバイスを地面から数cmから数十cm離して、その下に図16(斜視図)に示すように、ミラーを置くことで、パイプ外壁全体に光を当てることができる。また、図17(断面図)および図18(斜視図)に示すように、別の支持体で固定したレンズ20や放物面鏡25を使用することで、パイプ型光熱発電デバイスに照射される光を集光することができ、より多くの発電量が得られる。
以下、本発明のより具体的な実施例を説明する。
金属11として銅を、熱電材料12としてBi2Te3を用いて本発明のパイプ型光熱発電デバイスを作製した。なおBi2Te3にはSbを一部ドープした。予め鋳造およびプレス加工によって銅とBi2Te3を図4のようなカップ状に成形した。カップ状の銅からなる部品は最大外径10.1mm、最小内径5.1mm、高さ4mmとし、カップ状のBi2Te3からなる部品は外径10.1mm、最小内径5.1mm、高さ3.2mmとした。また、カップ状の部品を積層した際の積層面は、積層方向に対して10°の角度となるようにした。200個のカップ状のBi2Te3からなる部品と、199個のカップ状の銅からなる部品を、両端におねじ部を有する外径4mmのステンレス製の丸棒に交互に通した後、両端をナットで締め付けることにより固定した。この際、一方の端にナットを組み付ける前にインコネル製のばねを挿入しておくことで、カップ状の部品の積層方向に一定の圧力がかかるようにした。このようにして組み立てた部品をArフローした管状炉において、500℃で2時間加熱した。室温まで冷やした後で部品を取り出し、ナットおよび丸棒を取り外すと、銅とBi2Te3からなる外径約10mm、内径約5mm、長さ約500mmのパイプ型熱発電デバイスが得られた。さらに、このパイプ型熱発電デバイスを50mm間隔で切断し、外径約10mm、内径約5mm、長さ約50mmのパイプ型熱発電デバイスを合計10個作製した。カーボン黒体スプレーを用いて、それぞれのパイプ型熱発電デバイスの内壁に光吸収層を設けた後、パイプ型熱発電デバイスの上部に直径5mmの凹レンズをはめ込んだ。上述の手順で得られたパイプ型光熱発電デバイスの両端部にインジウムを用いて2本の銅線を接続した。
作製したパイプ型光熱発電デバイスを水温20℃に保持した水槽中に沈め、直径5mmの穴を開けた光遮断板をパイプ型光熱発電デバイスの直上部に設置し、太陽光がパイプ型光熱発電デバイスの内部にのみ照射されるようにした。その結果、1つのパイプ型光熱発電デバイスあたり約60nWの電力を取り出す事ができた。なお、光遮断板をパイプ型光熱発電デバイスの上部から5cm離れた位置に設置した場合も同様の発電量が得られた。作製したパイプ型光熱発電デバイスを銅線で直列に接続して、得られた発電量を、直列接続したデバイスの数に対してプロットした図を図19に示す。デバイス数が増えるに従って、ほぼ直線的に発電量が増加することがわかった。
上記と同様の手順により、金属11と熱電材料12の種類を変え、さらに両者の積層方向に対する傾斜角を変化させたパイプ型光熱発電デバイスを作製した。作製したパイプ型光熱発電デバイスを水温20℃に保持した水槽中に沈め、太陽光の下に設置した場合に得られたパイプ型光熱発電デバイス1つあたりの発電量を表1(a)に示す。金属11と熱電材料12の組み合わせ、および両者の積層方向における傾斜角を変化させても発電することが確認できた。Bi2Te3とNiの組み合わせでθ=10°の場合には最大205nWの電力が得られた。
Figure 2012069625
さらに、同じパイプ型光熱発電デバイスを用いて、太陽光の代わりに、500mW/cm2のパワー密度の赤外線ランプを使用して同様の実験を行った。金属11と熱電材料12の組み合わせおよび両者の積層方向における傾斜角を変化させた場合に得られた発電量を表1(b)に示す。太陽光の代わりに、他の光源を用いた場合でも、パイプ型光熱発電デバイスから電力を取り出すことが可能であることが確認できた。
Figure 2012069625
実施例1と同様の手法で外径約10mm、内径約5mm、長さ約50mmのパイプ型光熱発電デバイスを作製した。カーボン黒体スプレーを用いて、パイプ型熱発電デバイスの内壁に光吸収層を設けた後、パイプ型熱発電デバイスの下部に、高さ4mm、底面の直径5mmの円錐状に加工したミラーをはめ込んだ。上述の手順で得られたパイプ型光熱発電デバイスの両端部にインジウムを用いて2本の銅線を接続した。
作製したパイプ型光熱発電デバイスを水温20℃に保持した水槽中に沈め、直径200mmのフレネルレンズを用いて直径10mmに集光した太陽光を、パイプ型光熱発電デバイス内部に照射した。このとき、レンズはパイプ型光熱発電デバイスの上部から10cm上に設置した。金属11と熱電材料12の種類を変え、さらに両者の積層方向に対する傾斜角を変化させた場合にパイプ型光熱発電デバイスで得られた発電量を表2にまとめる。金属11と熱電材料12の組み合わせ、および両者の積層方向における傾斜角を変化させても発電することが確認できた。Bi2Te3とNiの組み合わせでθ=10°の場合には最大475nWの電力が得られた。
Figure 2012069625
実施例1と同様の手法で、外径および内径が異なる三種類のパイプ型光熱発電デバイスを作製した。作製したパイプ型光熱発電デバイスの形状はそれぞれ、(1)外径約10mm、内径約5mm、長さ約50mm、(2)外径約16mm、内径約11mm、長さ約50mm、(3)外径約23mm、内径約17mm、長さ約50mmである。この三種類のパイプ型光熱発電デバイスを、実施の形態5に示したように、略同心円状に多層化した。この際、各々のパイプ型光熱発電デバイスを熱的に接続しながら電気的には絶縁するために、液状エポキシ樹脂をそれぞれのパイプの間に注入した。また、各々のパイプ型光熱発電デバイスを銅線で電気的に直列に接続し、最内部のパイプ型光熱発電デバイス上部と最外部のパイプ型光熱発電デバイス下部に取り出し電極を配線した。カーボン黒体スプレーを用いて、パイプ型光熱発電デバイスの内壁に光吸収層を設けた後、パイプ型光熱発電デバイスの下部に、高さ4mm、底面の直径5mmの円錐状に加工したミラーをはめ込んだ。
作製したパイプ型光熱発電デバイスを水温20℃に保持した水槽中に沈め、直径200mmのフレネルレンズを用いて直径10mmに集光した太陽光を、パイプ型光熱発電デバイス内部に照射した。このとき、レンズはパイプ型光熱発電デバイスの上部から10cm上に設置した。金属11と熱電材料12の種類を変え、さらに両者の積層方向に対する傾斜角を変化させた場合にパイプ型光熱発電デバイスで得られた発電量を表3にまとめる。金属11と熱電材料12の組み合わせ、および両者の積層方向における傾斜角を変化させても発電することが確認できた。Bi2Te3とNiの組み合わせでθ=10°の場合には最大975mWの電力が得られた。
Figure 2012069625
実施例1と同様の手法で外径約10mm、内径約5mm、長さ約500mmのパイプ型光熱発電デバイスを作製した。カーボン黒体スプレーを用いて、パイプ型光熱発電デバイスの外壁に光吸収層を設けた。図16に示すように、パイプ型光熱発電デバイスを地面から100mm離して、地面から±45度傾斜させた二組のミラーをその真下に設置した。パイプ型光熱発電デバイスの両端にシリコーンチューブを接続し、20℃に冷却した水を循環させた。金属11と熱電材料12の種類を変え、さらに両者の積層方向に対する傾斜角を変化させた場合にパイプ型光熱発電デバイスで得られた発電量を表4にまとめる。金属11と熱電材料12の組み合わせ、および両者の積層方向における傾斜角を変化させても発電することが確認できた。Bi2Te3とNiの組み合わせでθ=10°の場合には最大35mWの電力が得られた。
Figure 2012069625
実施例1と同様の手法で外径約10mm、内径約5mm、長さ約10mmのパイプ型光熱発電デバイスを作製した。カーボン黒体スプレーを用いて、パイプ型光熱発電デバイスの外壁に光吸収層を設けた。パイプ型光熱発電デバイスは地面から300mm離して設置した。図17および図18に示すように、パイプ型光熱発電デバイスの上部に直径200mmのフレネルレンズを設置した。フレネルレンズに入射する太陽光が、パイプ型光熱発電デバイスの上部表面で直径10mmに集光されるようにした。このとき、レンズはパイプ型光熱発電デバイスの上部から10cm上に設置した。また、パイプ型光熱発電デバイスの左下および右下に外形200mmの軸外放物面鏡を設置した。軸外放物面鏡に入射する太陽光が、パイプ型光熱発電デバイスの左下表面および右下表面で直径10mmに集光されるようにした。このとき軸外放物面鏡はパイプ型光熱発電デバイスから10cm離して設置した。パイプ型高熱発電デバイスの両端にシリコーンチューブを接続し、20℃に冷却した水を循環させた。。金属11と熱電材料12の種類を変え、さらに両者の積層方向に対する傾斜角を変化させた場合にパイプ型光熱発電デバイスで得られた発電量を表4にまとめる。金属11と熱電材料12の組み合わせ、および両者の積層方向における傾斜角を変化させても発電することが確認できた。Bi2Te3とNiの組み合わせでθ=10°の場合には最大5Wの電力が得られた。
Figure 2012069625
上記実施例1から実施例5までに記載のパイプ型光熱発電デバイスは、上記のような充分実効的な発電量を得ることができる。
(比較例)
たとえば、実施例1における最低発熱量は、金属をCu、熱電材料をPbTe、積層方向の傾斜角度60°としたときにおける30pWであるが、同一条件で、特許文献1記載の熱発電デバイスを用いて作成した熱発電デバイスの発熱量は10pWである。なお同一条件とは、デバイス表面積およびデバイス表面において照射される光パワーを同程度とした場合である。その他の金属と熱電材料の組み合わせ及び積層方向の傾斜角度を変化させた場合の比較例を表6にまとめる。
Figure 2012069625
実施例1記載の結果と比較例の結果とを比較して分かるように、熱発電デバイスの熱電材料、金属、及び傾斜角度を変えても、実施例1記載の熱発電デバイスの発電量の方が、比較例の熱発電デバイスの発電量よりも大きい事が分かる。
本発明にかかるパイプ型光熱発電デバイスは、パイプ型の形状を有し、デバイス内部に太陽光などの光を照射することによって、熱発電量を高めることができるので、太陽光などの光を利用した熱発電デバイスとして有用である。
11 金属
12 熱伝材料
13 貫通孔の軸方向
15 第1電極
16 第2電極
17 溝部
18 光遮断板
19 光吸収層
20 レンズ
21 光線
22 支持体
23 ミラー
24 冷却パイプ
25 放物面鏡
26 下蓋
31 パイプ内壁
32 パイプ外壁
101 電気絶縁層
102a 第1電極
102b 第1電極
102c 第1電極
103a 第2電極
103b 第2電極
103c 第2電極

Claims (18)

  1. 積層方向に貫通する貫通孔を内部に有するよう、金属と熱電材料が交互に積層され、前記貫通孔の貫通方向に平行な断面において、前記貫通方向に対して、前記金属と熱電材料とが、傾斜している積層体と、
    前記貫通孔側の表面、または、前記積層体の積層方向に平行な前記積層体の外部表面に設けられた光吸収層と、
    前記積層体の両端に設けられた第1電極と第2電極と、
    を具備する、発電デバイス。
  2. 前記外部表面、または、前記貫通孔側の表面に突起が設けられている、請求項1に記載の光熱発電デバイス。
  3. さらに、前記貫通孔を通る線上に、前記貫通孔表面に対して、入射光を発散させるレンズを有する、請求項1記載の発電デバイス。
  4. さらに、前記貫通孔に入射する光を前記貫通孔表面に対して反射させるミラーを、前記貫通孔を通る線上に、有する、請求項1記載の熱発電デバイス。
  5. 前記レンズの径は、前記貫通孔の径よりも大きい、請求項3記載の熱発電デバイス。
  6. さらに、前記積層体の両端のうち、光が入射する方に、前記貫通孔の直径と同程度の穴を有する、光遮断板を具備する、請求項1記載の光熱発電デバイス。
  7. さらに、前記光吸収層が、前記積層体の外周表面に設けられているときに、入射する光を反射するよう、前記積層体の外周に備えられた光反射用ミラーを具備する、請求項1記載の光熱発電デバイス。
  8. さらに、前記積層体の両端のうち、光が入射する方に、設けられた集光用のレンズを具備する請求項1記載の光熱発電デバイス。
  9. 前記光反射ミラーの形状が、前記積層体の前記貫通孔方向の長さよりも大きい、外形の方物面状である、請求項7記載の光熱発電デバイス。
  10. 積層方向に貫通する貫通孔を内部に有するよう、金属と熱電材料が交互に積層され、前記貫通孔の貫通方向に平行な断面において、前記貫通方向に対して、前記金属と熱電材料とが、傾斜している積層体に対して照射された光を、前記貫通孔側の表面、または、前記積層体の積層方向に平行な前記積層体の外部表面に設けられた光吸収層で吸収する第1ステップと、
    前記光吸収層が前記貫通孔側の表面に備えられているときは、前記外部表面、または、前記光吸収層が前記外部表面に備えられているときは、前記貫通孔側の表面を冷却する第2ステップと、
    前記第1ステップと第2ステップとによる前記貫通孔側の表面と前記外部表面との間の温度差によって生じる起電力を、前記積層体の両端に設けられた第1電極と第2電極と、を介して取り出す第3ステップと、
    を具備する光熱発電方法。
  11. 前記積層体の積層方向に平行な前記積層体の外部表面、または、前記貫通孔側の表面に突起が設けられている、請求項10に記載の光熱発電方法。
  12. 前記貫通孔を通る線上に備えられるレンズにより、前記光を発散させる、請求項10に記載の光熱発電方法。
  13. 前記貫通孔を通る線上に備えられたミラーにより、前記光を前記貫通孔表面に対して反射させる、請求項10に記載の発電方法。
  14. 径が前記貫通孔の径よりも大きい前記レンズにより、前記光を発散させる、請求項12に記載の光熱発電方法。
  15. 前記積層体の両端のうち、前記光が入射する方に備えられ、前記貫通孔の直径と同程度の穴を有する光遮断板により、前記光を遮断する、請求項10記載の光熱発電方法。
  16. 前記光吸収層が、前記積層体の外周表面に設けられているときに、前記積層体の外周に備えられた光反射用ミラーにより、前記光を反射する、請求項10記載の光熱発電方法。
  17. 前記積層体の両端のうち、前記光が入射する方に設けられた集光用のレンズにより、前記光を前記貫通孔側の表面に集光する、請求項10記載の光熱発電方法。
  18. 前記積層体の前記貫通孔方向の長さよりも大きい、外形の方物面状である前記光反射ミラーにより、前記光を反射する、請求項16記載の光熱発電方法。
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