JP6259529B2 - 内視鏡用外科手術装置及び外套管 - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡用外科手術装置及び外套管に係り、特に、外套管に設けられた2つの挿通路に挿通された内視鏡と処置具を連動して操作可能な内視鏡用外科手術装置及び外套管に関する。
近年、開腹、開胸等を行う外科手術に比べて患者への侵襲が小さいことから、腹腔鏡等の内視鏡(硬性内視鏡)を用いた内視鏡下外科手術が広く行われている。内視鏡下外科手術においては、患者の体壁に複数の穴を開け、そのうちの1つの穴から内視鏡を体腔内に挿入するとともに、他の穴から処置具を体腔内に挿入するようにしている。そして、内視鏡で体腔内の生体組織を観察しながら処置具で生体組織の処置が行われる。
一般に内視鏡下外科手術においては、1本又は複数本の処置具が内視鏡と同時に使用される。そのため、1人の術者が内視鏡と複数本の処置具を同時に操作することは困難であるので、例えばスコピストと呼ばれる助手に内視鏡を操作させながら術者が両方の手に持った処置具を操作するなどの作業が通常は行われている。
このように内視鏡下外科手術においては、術者の手は処置具の操作で塞がっており、内視鏡の操作は助手により行われるのが一般的である。そのため、内視鏡の観察位置を変更する場合には、術者が助手に対して逐次指示を与えなければならない。それゆえ、内視鏡の向きを術者が望む方向に正しく向ける作業が難しく、術者にストレスがかかりやすい。また、術者が指示を出してから助手が操作するため、手術時間が長期化しやすい傾向がある。また、助手は、術者の手技を邪魔しないように内視鏡を操作しなければならず、操作が複雑となりやすい。
これに対し、本願出願人は、内視鏡と処置具が外套管で組み合わされ、処置具を進退移動させるとそれに連動して内視鏡も進退移動する技術を提案している(特許文献1参照)。具体的には、内視鏡の挿入部と処置具の挿入部とを体腔内に案内する外套管において、内視鏡の挿入部と処置具の挿入部とが互いに平行にされた状態で挿通される筒状の外套管本体を備え、外套管本体の内部には軸方向に進退自在であって内視鏡連結部と処置具連結部とを有する連動部材が設けられる。その連動部材の各連結部により、内視鏡の挿入部と処置具の挿入部とが互いに平行にされた状態で保持され、処置具の挿入部を軸方向に移動させると、これに連動して内視鏡の挿入部も軸方向に移動する。これにより、患者の体壁に開ける穴の数を減らすことができ、患者に対する侵襲を抑えることができる。加えて、助手の手を借りることなく、術者が処置具を操作しながら内視鏡の視野を容易に変更できる。
国際公開第2013/176167号
ところで、内視鏡や処置具の挿入部の外径は必ずしも統一されていない。特に処置具は、用途や製造元が相違する多くの種類のものが存在しており、処置中に異なる種類の処置具に交換することも想定される。その場合に術者が使用したい処置具の挿入部の外径が大きく異なることも考えられる。
しかしながら、本願出願人が特許文献1により提案した技術では、内視鏡や処置具と連動部材との連結は、連動部材のOリングに挿通させた挿入部を押圧保持するものであり、Oリングの内径に対して挿入部の外径が大きく異なるものは使用できない。そのため、使用可能な内視鏡や処置具の種類が制限されてしまうという点で利便性を損ねる可能性がある。
また、処置時において、体内の油分等がOリングに付着する可能性があり、その場合に内視鏡や処置具の挿入部の保持力が変化し、術者が意図していないにもかかわらずOリングに対して挿入部が移動してしまうことがある。一方で油分が付着しても十分な保持力を維持するように初期の保持力を設定すると、使用開始直後などには、術者が意図しているにもかかわらずOリングに対して挿入部が移動しないという事態が生じる可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、使用可能な医療器具の種類の制限を緩和して利便性の向上を図ると共に、操作性の向上を図る内視鏡用外科手術装置及び外套管を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る内視鏡用外科手術装置は、体腔内に挿入される第1挿入部を有する第1医療器具と、体腔内に挿入される第2挿入部を有する第2医療器具と、体壁を貫通して体腔内に挿入され第1挿入部及び第2挿入部を体腔内に案内する外套管と、を備える内視鏡用外科手術装置であって、外套管は、先端と基端と長手軸とを有する外套管本体と、外套管本体の先端に設けられる第1先端開口及び第2先端開口と、外套管本体の基端に設けられる第1基端開口及び第2基端開口と、外套管本体の長手軸に沿って設けられ、第1先端開口と第1基端開口とを連通し、第1挿入部が進退自在に挿通される第1挿通路と、外套管本体の長手軸に沿って設けられ、第2先端開口と第2基端開口とを連通し、第2挿入部が進退自在に挿通される第2挿通路と、第1挿通路に挿通された第1挿入部に連結される第1連結部と、第2挿通路に挿通された第2挿入部に連結される第2連結部とを有し、外套管本体の内部において進退自在に移動する連動部材と、第1連結部及び第2連結部の少なくとも一方の連結部に設けられ、連結部に連結される挿入部の外周面の周方向全体に接触する内周面を有し、かつ多数の空孔を有する発泡弾性体で構成され、空孔に油分を保持させた固定材と、を備える。
本態様によれば、発泡弾性体で構成された固定材の内周面に第1医療器具の第1挿入部又は第2医療器具の第2挿入部の外周面を接触させることで、医療器具と連動部材とを連結(固定)させるため、固定材の内周面の直径に対して比較的大きな直径の挿入部の医療器具であっても固定材の収縮によって連動部材に連結させることができる。
したがって、使用可能な医療器具の種類の制限を緩和することができる。また、固定材の外径を小さくすることも可能となり、外套管の細径化を図ることができる。
また、固定材に油分を保持させたため、処置中に体内の油分等が固定材に付着した場合であっても、固定材による医療器具の保持力の変動を未然に防止することができ、操作性の向上を図ることができる。
本発明の一態様に係る内視鏡用外科手術装置において、固定材は、軸方向の一端部と他端部との間に一端部及び他端部よりも外径が小さく形成された細径部を有する態様とすることができる。
本態様によれば、固定材の収縮に対する復元力と収縮以外の変形に対する復元力との組み合わせで医療器具を固定材に固定することができるため、固定材による医療器具の保持力を増大させることができる。したがって、固定材の小型化を図ることができ、外套管の細径化を図ることもできる。
本発明の一態様に係る内視鏡用外科手術装置において、第1医療器具は、第1挿入部の先端に観察部が設けられた内視鏡であり、第2医療器具は、第2挿入部の先端に処置部が設けられた処置具である態様とすることができる。
本発明の一態様に係る内視鏡用外科手術装置において、固定材は、第2連結部に設けられる態様とすることができる。
即ち、連動部材の第2連結部が処置具と連結する場合に、使用可能な処置具の種類の制限を緩和することができ、多様な処置具の使用が可能となる。
本発明の一態様に係る内視鏡用外科手術装置において、連動部材は、外套管本体の内部において進退自在に配置される連動部材であって、第1挿入部及び第2挿入部のうちのいずれか一方の進退移動に対して第1挿入部及び第2挿入部のうちの他方が連動しない不感帯領域と、第1挿入部及び第2挿入部のうちのいずれか一方の進退移動に対して第1挿入部及び第2挿入部のうちの他方が連動する感帯領域とを有する態様とすることができる。
本態様によれば、例えば処置具の不感帯領域での進退操作に対しては、内視鏡が進退移動しないので安定した観察画像を得ることができる等の利点がある。
また、本発明の他の態様に係る外套管は、体腔内に挿入される第1挿入部を有する第1医療器具と、体腔内に挿入される第2挿入部を有する第2医療器具と、体壁を貫通して体腔内に挿入され第1挿入部及び第2挿入部を体腔内に案内する外套管と、を備える内視鏡用外科手術装置において用いられる外套管あって、先端と基端と長手軸とを有する外套管本体と、外套管本体の先端に設けられる第1先端開口及び第2先端開口と、外套管本体の基端に設けられる第1基端開口及び第2基端開口と、外套管本体の長手軸に沿って設けられ、第1先端開口と第1基端開口とを連通し、第1挿入部が進退自在に挿通される第1挿通路と、外套管本体の長手軸に沿って設けられ、第2先端開口と第2基端開口とを連通し、第2挿入部が進退自在に挿通される第2挿通路と、第1挿通路に挿通された第1挿入部に連結される第1連結部と、第2挿通路に挿通された第2挿入部に連結される第2連結部とを有し、外套管本体の内部において進退自在に移動する連動部材と、第1連結部及び第2連結部の少なくとも一方の連結部に設けられ、連結部に連結される挿入部の外周面の周方向全体に接触する内周面を有し、かつ多数の空孔を有する発泡弾性体で構成され、空孔に油分を保持させた固定材と、を備える。
本態様によれば、発泡弾性体で構成された固定材の内周面に第1医療器具の第1挿入部又は第2医療器具の第2挿入部の外周面を接触させることで、医療器具と連動部材とを連結(固定)させる。これにより、固定材の内周面の直径に対して比較的大きな直径の挿入部の医療器具であっても固定材の収縮によって連動部材に連結させることができる。
したがって、使用可能な医療器具の種類の制限を緩和することができる。また、固定材の外径を小さくすることも可能となり、外套管の細径化を図ることができる。
また、固定材に油分を保持させたため、処置中に体内の油分等が固定材に付着した場合であっても、固定材による医療器具の保持力の変動を未然に防止することができる。延いては、操作性の向上を図ることができる。
本発明の他の態様に係る外套管において、固定材は、軸方向の一端部と他端部との間に一端部及び他端部よりも外径が小さく形成された細径部を有する態様とすることができる。
本態様によれば、固定材の収縮に対する復元力と収縮以外の変形に対する復元力との組み合わせで医療器具を固定材に固定することができるため、固定材による医療器具の保持力を増大させることができる。したがって、固定材の小型化を図ることができ、外套管の細径化を図ることもできる。
本発明の他の態様に係る外套管において、第1医療器具は、第1挿入部の先端に観察部が設けられた内視鏡であり、第2医療器具は、第2挿入部の先端に処置部が設けられた処置具である態様とすることができる。
本発明の他の態様に係る外套管において、固定材は、第2連結部に設けられる態様とすることができる。
即ち、連動部材の第2連結部が処置具と連結する場合に、使用可能な処置具の種類の制限を緩和することができ、多様な処置具の使用が可能となる。
本発明の他の態様に係る外套管において、連動部材は、外套管本体の内部において進退自在に配置される連動部材であって、第1挿入部及び第2挿入部のうちのいずれか一方の進退移動に対して第1挿入部及び第2挿入部のうちの他方が連動しない不感帯領域と、第1挿入部及び第2挿入部のうちのいずれか一方の進退移動に対して第1挿入部及び第2挿入部のうちの他方が連動する感帯領域とを有する態様とすることができる。
本態様によれば、例えば処置具の不感帯領域での進退操作に対しては、内視鏡が進退移動しないので安定した観察画像を得ることができる等の利点がある。
本発明によれば、使用可能な医療器具の種類の制限を緩和して利便性の向上を図ると共に、操作性の向上を図ることができる。
図1は、本発明に係る内視鏡用外科手術装置の概略構成図である。 図2は、内視鏡挿入部の先端面を示した平面図である。 図3は、外套管に外装管を被嵌した状態を示した斜視図である。 図4は、外套管を示した外観斜視図である。 図5は、外套管の内部構造を示した断面図である。 図6は、図5の一部を拡大して示した拡大断面図である。 図7は、図6におけるA−A矢視断面図である。 図8は、スライダ(連動部材)を後左上方向から示した斜視図である。 図9は、スライダ(連動部材)を後右上方向から示した斜視図である。 図10は、スライダ(連動部材)の作用の説明に使用した説明図である。 図11は、スライダ(連動部材)の作用の説明に使用した説明図である。 図12は、スライダ(連動部材)の作用の説明に使用した説明図である。 図13は、内視鏡用外科手術装置を使用して患者の体腔内の患部の処置を行う際の操作の様子を示した説明図である。 図14は、内視鏡用外科手術装置を使用して患者の体腔内の患部の処置を行う際の操作の様子を示した説明図である。 図15は、スリーブを軸に沿った平面で切断した断面図である。 図16は、スリーブに処置具挿入部を挿通させた状態を示す断面図である。 図17は、圧接部材(発泡ゴム)の内部の空孔を概略的に示す拡大断面図である。 図18は、圧接部材の他の実施の形態を示したスリーブの断面図である。 図19は、圧接部材の他の実施の形態を示したスリーブの断面図である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。なお、いずれの図面も説明のために要部を強調して示したものであり、実際の寸法とは異なる場合がある。
図1は、本発明に係る内視鏡用外科手術装置の概略構成図である。図1に示すように内視鏡用外科手術装置10は、患者の体腔内を観察する内視鏡100と、患者の体腔内の患部を検査又は処置するための処置具200と、体壁に刺入されて内視鏡100及び処置具200を体腔内に案内する外套管300と、外套管300に被嵌される外装管500と、を備える。
内視鏡100は、例えば腹腔鏡などの硬性内視鏡であり、体腔内に挿入され、細長い硬性の筒状体により外周部が囲まれた挿入部102(以下、「内視鏡挿入部102」という。)と、内視鏡挿入部102の基端側に連設され、細長い軟性の筒状体により外周部が囲まれたケーブル部104とを備える。
ケーブル部104は、内視鏡挿入部102の基端から延在するケーブルやライトガイドなどの線材を、例えばポリ塩化ビニルなどの軟性の絶縁性部材により被覆して内部に収容した軟性のケーブルの部分を示す。
このケーブル部104の延在先の端部には、不図示のコネクタが設けられており、そのコネクタを介してプロセッサ装置108と光源装置110の各々が着脱自在に接続される。また、プロセッサ装置108は、ケーブルを介してモニタ112に接続される。
図2に示すように、内視鏡挿入部102の先端面114には、観察窓116及び照明窓118、118が設けられる。
観察窓116は内視鏡100の観察部の構成要素であり、その観察窓116の後方には観察光学系の対物レンズや、この対物レンズの結像位置に配置されたCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子が配設されている。この固体撮像素子に接続された信号ケーブル(不図示)は図1の内視鏡挿入部102及びケーブル部104を挿通してコネクタ(不図示)まで延設され、プロセッサ装置108に接続される。観察窓116から取り込まれた観察像は、撮像素子の受光面に結像されて電気信号(撮像信号)に変換され、この電気信号が信号ケーブルを介してプロセッサ装置108に出力されて映像信号に変換される。そして、この映像信号はプロセッサ装置108に接続されたモニタ112に出力され、モニタ112の画面上に観察画像(内視鏡画像)が表示される。
図2の照明窓118、118の後方にはライトガイド(不図示)の出射端が配設されている。このライトガイドは、図1の内視鏡挿入部102及びケーブル部104を挿通してコネクタ(不図示)内に入射端が配設される。したがって、このコネクタを光源装置110に連結することによって、光源装置110から照射された照明光がライトガイドを介して照明窓118、118に伝送され、照明窓118、118から前方に照射される。なお、図2では、内視鏡挿入部102の先端面114には2つの照明窓118、118が配設されているが、照明窓118の数には限定はなく、その数は1つでもよいし3つ以上であってもよい。
また、図1に示すように内視鏡100のケーブル部104には、処置具200の操作部204を把持した右手の人差し指を引っ掛けて内視鏡100の前後方向への進退操作を行うための進退操作部130が設けられる。
進退操作部130は、処置具200の操作部204に隣接した位置に配置され、同一構成の例えば3つの引掛部132を有する。各引掛部132は、弾性材料(例えばゴム材料)により円環状(リング状)に形成され、人差し指を貫入することができる大きさの開口を有する。
これによって、術者は、処置具200の操作部204を把持した右手の人差し指を、進退操作部130のいずれかの引掛部132に貫入して内視鏡100の進退操作を行うことができ、右手のみによって処置具200の操作と内視鏡100の進退操作とを容易に行うことができる。なお、内視鏡100は進退操作部130を備えていなくてもよく、進退操作部130の詳細な説明は省略する。
図1に示すように、処置具200は、例えば鉗子からなり、体腔内に挿入される細長い挿入部202(以下、「処置具挿入部202」という。)と、処置具挿入部202の基端側に設けられ、術者に把持される操作部204と、処置具挿入部202の先端側に設けられ、操作部204の操作によって動作可能な処置部206と、を備える。
処置具挿入部202は、筒状のシース208と、このシース208内に軸心方向に移動自在に挿通された操作軸(不図示)とが設けられている。さらに、操作部204は、固定ハンドル210とこの固定ハンドル210に対して回動ピンを介して回動可能に連結された可動ハンドル214が設けられている。そして、可動ハンドル214に操作軸の基端部が連結されている。
処置部206には、開閉可能な一対の把持部材が設けられている。これらの把持部材は操作軸の先端部に図示しない駆動機構を介して連結されている。そして、操作部204の可動ハンドル214の回動操作に伴い操作軸及び駆動機構を介して処置部206の把持部材が開閉されるようになっている。
なお、処置具200としては、鉗子に限らず、例えば、レーザープローブ、縫合器、電気メス、持針器、超音波デバイス、吸引器などの他の処置具であってもよい。
図1に示すように、外套管300は、基端側から内部に挿入された内視鏡挿入部102と処置具挿入部202とを挿通させて先端側から繰り出す。この外套管300を体壁に刺入し、基端側を体外に、先端側を体腔内に配置することにより、1つの外套管300で内視鏡挿入部102と処置具挿入部202とを体腔内に案内する。また、外套管300は、詳細を後述するように内視鏡挿入部102と処置具挿入部202とを連動させて進退移動させる連動機能を備える。これにより、例えば、処置具挿入部202のみの進退操作によって内視鏡挿入部102も進退移動させることができ、内視鏡挿入部102の進退操作を行うことなく適切な観察画像を得ることを可能にしている。外套管300の構成、作用の詳細については後述する。
図1に示す外装管500は、筒状に形成されており、図3に示すように外套管300(後述の外套管長筒体320)の外周面に被嵌(外装)されて固定される。詳細な説明は省略するが、外装管500の外周部には、周方向に沿った横溝520が多数設けられ、かつ、軸方向に沿った縦溝504が周方向の例えば4箇所に設けられる。
これにより、外套管300を外装管500と共に体壁に刺入した状態において、外装管500の多数の横溝520が体壁に対する外装管500の進退移動を規制し、外装管500の4箇所の縦溝が体壁に対する外装管500の周方向(基準軸300a周り)の回転を規制する。したがって、外装管500に固定された外套管300の体壁に対する意図しない回転や進退移動が防止される。
即ち、外套管300(外套管長筒体320)を体壁に刺入した後に、内視鏡挿入部102と処置具挿入部202とを外套管300に挿通させて処置具200の操作などを行っている際に、外套管300が体壁に対して意図せずに基準軸300a周り(軸周り)に回転したり、基準軸300a方向(軸方向)に進退移動してしまうと、内視鏡挿入部102の先端の位置が変動して観察視野が意図せずに変動してしまうという問題がある。外装管500は、このような観察視野の意図しない変動を防止する。
図4は、外套管300を示した外観斜視図である。
同図に示すように、外套管300は、全体が長細い円筒状の形状を有し、その中心軸である長手軸を示す基準軸300aに平行して、内視鏡100の内視鏡挿入部102が進退自在に挿通される内視鏡挿通路306と処置具200の処置具挿入部202が進退自在に挿通される処置具挿通路308とを有する。
内視鏡挿通路306の中心軸を内視鏡挿通軸306aというものとし、処置具挿通路308の中心軸を処置具挿通軸308aというものとすると、内視鏡挿通軸306a及び処置具挿通軸308aは、互いに平行し、基準軸300aとも平行する。これらの内視鏡挿通軸306aと処置具挿通軸308aは、内視鏡挿通路306と処置具挿通路308の各々に挿通された内視鏡挿入部102の中心軸と処置具挿入部202の中心軸の位置に相当する。また、本実施の形態では、基準軸300a、内視鏡挿通軸306a、及び処置具挿通軸308aは同一平面上に配置される。ただし、基準軸300a、内視鏡挿通軸306a、及び処置具挿通軸308aが同一平面上に配置された構成でなくてもよい。
なお、外套管300が配置された空間の位置や向きに関して、基準軸300aに沿った方向の基端面302から先端面304への向きを前、基準軸300aから内視鏡挿通軸306aへの向きを左として、前、後、左、右、上、下という用語を用いる。
外套管300の基端面302には、内視鏡挿入部102を内視鏡挿通路306に挿入する基端開口である第1基端開口310と、処置具挿入部202を処置具挿通路308に挿入する基端開口である第2基端開口314が設けられる。
外套管300の先端面304には、内視鏡挿通路306に挿入された内視鏡挿入部102を外部に繰り出す先端開口である第1先端開口312と、処置具挿通路308に挿入された処置具挿入部202を外部に繰り出す先端開口である第2先端開口316とが設けられる。
図5は、外套管300の内部構造を示した断面図であり、基準軸300aを含み、かつ、上下方向に直交する平面で切断した(基準軸300aに沿って左右方向に切断した)断面を示す。
同図に示すように、外套管300は、前後方向のほぼ全体を占める外套管長筒体320と、外套管300の後端(基端)に取り付けられる基端キャップ340と、先端部に取り付けられる先端キャップ360と、外套管300の内部に配置される連動部材の一形態であるスライダ400と、を有する。
外套管長筒体320は、硬質樹脂や金属等により基準軸300aを中心軸とする長細い円筒状に形成されており、外周を囲む外壁322と、外套管長筒体320の基端から先端まで貫通する空洞部324とを有する。
空洞部324は、内視鏡挿通路306と処置具挿通路308となる空間を内包し、スライダ400等を収容する。
基端キャップ340は、硬質樹脂や金属等により外套管長筒体320の外径よりも拡径された円柱状に形成され、その後側の端面が外套管300の基端面302を構成する。この基端キャップ340には、内視鏡挿通路306と処置具挿通路308の各々の一部を形成する貫通孔342と貫通孔344とが設けられる。基端面302において、貫通孔342の開口が上述の第1基端開口310に相当し、貫通孔344の開口が上述の第2基端開口314に相当する。
また、貫通孔342、344には、弁部材346、348が設けられる。これらの弁部材346、348は、例えば、内視鏡挿入部102や処置具挿入部202を挿通する場合にだけ開口して内視鏡挿入部102や処置具挿入部202の外周面(側面)にほぼ隙間なく密接する。これにより弁部材346、348よりも先端側の空間の気密性が確保され、体腔内に注入した気腹ガスの体外への漏れ等が軽減される。
先端キャップ360は、硬質樹脂や金属等により形成されており、その前側の端面が外套管300の先端面304を構成する。この先端キャップ360には、内視鏡挿通路306と処置具挿通路308の各々の一部を形成する貫通孔362と貫通孔364とが設けられる。先端面304において、貫通孔362の開口が上述の第1先端開口312に相当し、貫通孔364の開口が第2先端開口316に相当する。
なお、以上の外套管長筒体320、基端キャップ340、及び先端キャップ360は、外套管300の外套管本体を構成する構成部材の一形態を示し、外套管本体は、以上の構成に限らない。例えば、外套管長筒体320と基端キャップ340、又は、外套管長筒体320と先端キャップ360とは、一体形成されたものでもよく、また、全体が一体形成されたものでもよい。
また、外套管本体は、次のような構成であればよい。
即ち、外套管本体は、先端と基端と長手軸とを有し、外套管本体の先端に設けられる上述の第1先端開口312及び第2先端開口316に相当する第1先端開口及び第2先端開口と、外套管本体の基端に設けられる上述の第1基端開口310及び第2基端開口314に相当する第1基端開口及び第2基端開口とを備える。そして、外套管本体は、外套管本体の長手軸に沿って設けられる上述の内視鏡挿通路306及び処置具挿通路308に相当する内視鏡挿通路及び処置具挿通路であって、第1先端開口と第1基端開口とを連通し、内視鏡100が進退自在に挿通される内視鏡挿通路と、第2先端開口と第2基端開口とを連通し、処置具200が進退自在に挿通される処置具挿通路と、を備えるものであればよい。
スライダ400は、外套管長筒体320内(空洞部324)に収容され、基準軸300a方向に進退自在に支持される。このスライダ400は、内視鏡挿通路306に挿通された内視鏡挿入部102と、処置具挿通路308に挿通された処置具挿入部202とに連結し、いずれか一方の前後方向(軸方向)への進退移動に対して他方が連動しない不感帯領域と、いずれか一方の進退移動に対して他方が連動する感帯領域とを有する連動部材である。即ち、内視鏡挿入部102は、スライダ400によって、処置具挿入部202の軸方向の進退移動に対して遊びを持って連動するようになっている。
図6は、図5においてスライダ400が配置されている部分を拡大して示した拡大断面図であり、内視鏡挿通路306及び処置具挿通路308の各々に内視鏡挿入部102及び処置具挿入部202を挿通させた状態を示す。図7は、図6におけるA−A矢視断面図である。
また、図8及び図9は、各々、スライダ400を後左上方向及び後右上方向から示した斜視図である。
これらの図に示すように、スライダ400は、スライダ400の構成部品を保持するスライダ本体402を有する。図7に示すように、スライダ本体402の平坦な上面404(図8及び図9参照)及び下面406には、基準軸300a方向(前後方向)に延在する凸条部408、410が形成される。
一方、外套管長筒体320内の上部及び下部の各々には、基端キャップ340と先端キャップ360との間に掛け渡された図7に示す左右一対の長板状のガイド板374、374と、ガイド板376、376とが支持されている。ガイド板374、374との間の隙間とガイド板376、376との間の隙間によって、基端キャップ340から先端キャップ360まで基準軸300a方向に沿って延在するガイド溝370、372が形成される。
スライダ本体402の凸条部408、410の各々は、外套管長筒体320内において、ガイド溝370、372に嵌入し、上面404及び下面406の各々がガイド板374、374、376、376に接触又は近接した状態に配置される。
これにより、スライダ400は、外套管長筒体320内において前後方向に進退移動可能に支持され、かつ、上下左右方向への移動や全方向(前後、左右、上下の3軸周り方向)への回転が規制された状態(少なくとも基準軸300a周りの回転が不能な状態)で支持される。また、スライダ400は、基端キャップ340に当接する位置を後端、先端キャップ360に当接する位置を前端とする移動可能範囲内で進退移動する。
なお、ガイド溝370、372は、外套管長筒体320内に配置されたガイド板374、374、376、376によって形成されるものではなく、外套管長筒体320の外壁322に形成されたものであってもよいし、他の構成により形成されたものであってもよい。
また、スライダ400は、図5に示すように内視鏡挿入部102と連結(係合)する左側の内視鏡連結部420と、処置具挿入部202と連結(係合)する右側の処置具連結部422とを有する。
スライダ本体402の左側に設けられた内視鏡連結部420は、外套管長筒体320内において内視鏡挿通路306となる空間を確保する。また、内視鏡連結部420は、図6のようにして内視鏡挿入部102が挿通される貫通孔424(図7、図8及び図9参照)と、貫通孔424に固定され、内視鏡挿通路306に挿通された内視鏡挿入部102の外周面(側面)に圧接する固定材としての圧接部材426とを備える。
圧接部材426は、図7、図8に示すように弾性材により円筒状に形成される。圧接部材426は、図8のようにスライダ本体402の左側面431に形成された開口430からスライダ本体402の貫通孔424と同軸上となる位置まで嵌入されてスライダ本体402に固定される。
これによって、内視鏡挿通路306に内視鏡挿入部102を挿通させたときには、図6のように内視鏡挿入部102が貫通孔424を挿通し、かつ、内視鏡挿入部102の外周面に圧接部材426が圧接(係合)する。これにより、内視鏡挿入部102の中心軸が内視鏡挿通軸306aと同軸上に配置される。
そして、内視鏡挿入部102とスライダ400(スライダ本体402)とが圧接部材426を介して連動可能に連結(係合)され、内視鏡挿入部102の前後方向(軸方向)への進退移動に連動してスライダ400(スライダ本体402)も一体的に進退移動する状態となる。
なお、ここでの連結は、圧接部材426の弾性力によるものなので、スライダ400(スライダ本体402)に対して連結される内視鏡挿入部102の係合位置(内視鏡挿入部102においてスライダ400が係合される位置)を任意に調整することができる。
図5のようにスライダ本体402の右側に設けられた処置具連結部422は、図6に示すように処置具挿入部202に連結されるスリーブ440(図7及び図9参照)と、スリーブ440を前後方向に進退移動可能にガイドするガイド部460とを備える。
スリーブ440は、図7に示すように円筒状に形成されたスリーブ本体444(枠体)と、スリーブ本体444の内側に固定される固定材としての圧接部材446とを備える。圧接部材446は、弾性材により円筒状に形成されている。
これにより、処置具挿通路308に処置具挿入部202を挿通させたときには、図6のように処置具挿入部202が圧接部材446の内側(図7の貫通孔450)を挿通し、かつ、処置具挿入部202の外周面に圧接部材446が圧接(係合)する。これにより、処置具挿入部202の中心軸が処置具挿通軸308aと同軸上に配置される。
そして、処置具挿入部202とスリーブ440とが圧接部材446を介して連動可能に連結され、処置具挿入部202の前後方向(軸方向)への進退移動に連動してスリーブ440も一体的に進退移動する。
また、処置具挿入部202の軸周りの回転に連動してスリーブ440もスライダ本体402に対して回転する。
なお、ここでの処置具挿入部202とスリーブ440との連結は、圧接部材446の弾性力によるものなので、スリーブ440に対して連結される処置具挿入部202の係合位置(処置具挿入部202においてスリーブ440が係合される位置)を任意に調整することができる。
一方、処置具連結部422のガイド部460は、図7及び図9に示すように、外套管長筒体320の空洞部324内において基準軸300a(処置具挿通軸308a)方向に延びるスライダ本体402のガイド面462と、外套管長筒体320の内周面とで囲まれた空間により形成される。スリーブ440は、このガイド部460の空間に収容配置され、前後方向に移動可能に、かつ、軸周りに回転可能に支持され、上下左右方向への移動が規制された状態で支持される。
また、ガイド部460は、スライダ本体402の基端から先端までの範囲内となるように設けられ、図6及び図9に示すようにスライダ本体402の基端側と先端側の各々に、ガイド面462の端縁に沿ってガイド面462に直交する方向に突出形成された端縁部466、468を有する。
これらの端縁部466、468は、ガイド部460の空間に配置されたスリーブ440が前後方向に進退移動した際に、スリーブ440の端部に当接してスリーブ440の移動を規制する。
したがって、スリーブ440は、端縁部466に当接する位置を後端とし、端縁部468の当接する位置を前端とする移動可能範囲内で進退移動する。ただし、スリーブ440の移動可能範囲の後端と前端は、端縁部466と端縁部468によって規制されたものでなくてもよい。
以上のように構成されたスライダ400の作用について、内視鏡用外科手術装置10を使用して患者の体腔内の患部の処置を行う際の操作と共に説明する。
まず、図13の(A)部に示すように、外套管300を患者の体壁に刺入し、体腔内に気腹ガスを注入した後、外套管300の内視鏡挿通路306と処置具挿通路308の各々に内視鏡100(内視鏡挿入部102)と、処置具200(処置具挿入部202)とを挿通させて外套管300に内視鏡挿入部102と処置具挿入部202とを装着したものとする。このとき、内視鏡挿入部102は、スライダ400のスライダ本体402に連結され、処置具挿入部202はスライダ400のスリーブ440に連結されている。なお、図13及び以下で示す図14では外装管500を図示していないが、外套管300には図3に示したように外装管500が被嵌される。ただし、外装管500を被嵌しないで外套管300を使用することも可能である。また、内視鏡100の進退操作部130についても図では省略している。
そして、図13の(A)部の状態が、図10に示すようにスリーブ440がスライダ本体402(ガイド部460)に対する移動可能範囲の前端及び後端のいずれにも到達していない状態であるとすると、術者が処置具200の操作部204を把持している手で、処置具挿入部202を微小に前進させると、外套管300(外套管長筒体320)に対してスライダ本体402が移動せず、スライダ本体402に対してスリーブ440のみがスライダ本体402に対する移動可能範囲内で前進移動する。そのため、スリーブ440がスライダ本体402に対する移動可能範囲の前端に到達するまでの処置具挿入部202の前進移動に対しては、図13の(B)部に示すように内視鏡挿入部102が静止した状態で処置具挿入部202のみが前進する。即ち、スライダ400は、処置具挿入部202の進退移動に対して内視鏡挿入部102が連動しない不感帯領域を有し、このときの処置具200の前進操作はスライダ400の不感帯領域での進退操作となる。
同様に、図10に示すようにスリーブ440がスライダ本体402(ガイド部460)に対する移動可能範囲の前端及び後端のいずれにも到達していない状態であるとすると、術者が処置具200の操作部204を把持している手で、処置具挿入部202を微小に後退させると、外套管300(外套管長筒体320)に対してスライダ本体402が移動せず、スライダ本体402に対してスリーブ440のみがスライダ本体402に対する移動可能範囲内で後退移動する。そのため、スリーブ440がスライダ本体402に対する移動可能範囲の後端に到達するまでの処置具挿入部202の後退移動に対しては、図13の(C)部に示すように内視鏡挿入部102が静止した状態で処置具挿入部202のみが後退する。即ち、このときの処置具200の後退操作はスライダ400の不感帯領域での後退操作となる。
したがって、これらの処置具200の微小な進退操作、即ち、不感帯領域での進退操作に対しては、内視鏡100が進退移動しないので、モニタ112に表示される観察画像の範囲は変化せず、処置具200の微小変位に応じて観察対象の大きさが変動してしまうことを防止することができる。これによって、遠近感を適切に保つことができ、安定した観察画像を得ることができる。
一方、図10に示すようにスリーブ440がスライダ本体402に対する移動可能範囲の前端及び後端のいずれにも到達していない状態において、術者が処置具200の操作部204を把持している手で、処置具挿入部202を大きく前進させると、スライダ400のスリーブ440が移動可能範囲の前端に当接するまでの不感帯領域での前進移動の後、図11に示すようにスリーブ440がスライダ本体402に対する移動可能範囲の前端に到達した状態となる。そして、更に、処置具挿入部202が前進移動すると、処置具挿入部202とともにスリーブ440及びスライダ本体402が外套管長筒体320に対して前進移動する。その結果、内視鏡挿入部102が処置具挿入部202と連動して前進移動する。そのため、スリーブ440がスライダ本体402に対する移動可能範囲の前端に到達した後の処置具挿入部202の前進移動に対しては、図13の(A)部と同じ状態を示した図14の(A)部の状態と比べ、図14の(B)部に示すように処置具挿入部202と連動して内視鏡挿入部102が前進する。即ち、スライダ400は、処置具挿入部202の進退移動に対して内視鏡挿入部102が連動する感帯領域を有し、このときの処置具200の前進操作はスライダ400の感帯領域での前進操作となる。
同様に、図10に示すようにスリーブ440がスライダ本体402に対する移動可能範囲の前端及び後端のいずれにも到達していない状態において、術者が処置具200の操作部204を把持している手で、処置具挿入部202を大きく後退させると、スライダ400のスリーブ440が移動可能範囲の後端に当接するまでの不感帯領域での後退移動の後、図12に示すようにスリーブ440がスライダ本体402に対する移動可能範囲の後端に到達した状態となる。そして、更に、処置具挿入部202が後退移動すると、処置具挿入部202とともにスリーブ440及びスライダ本体402が外套管長筒体320に対して後退移動する。その結果、内視鏡挿入部102が処置具挿入部202と連動して後退移動する。そのため、スリーブ440がスライダ本体402に対する移動可能範囲の後端に到達した後の処置具挿入部202の後退移動に対しては、図14の(C)部に示すように処置具挿入部202と連動して内視鏡挿入部102が後退する。即ち、このときの処置具200の後退操作はスライダ400の感帯領域での後退操作となる。
したがって、これらの処置具200の大きな進退操作、即ち、感帯領域での進退操作に対しては、内視鏡100が進退移動するので、モニタ112に表示される観察画像の範囲が処置具200の進退移動に追従するように連続的に変更される。これにより、処置具200の操作に応じて観察対象の大きさが変化するので、術者が望む画像を簡単に得ることができる。
以上のように、術者が処置具挿入部202を軸方向に進退操作したとき、処置具挿入部202の軸方向への変位が大きい場合(大振幅の進退動作が行われた場合)には、前後上下左右に内視鏡挿入部102も連動して進退移動するので、術者の意図通りに内視鏡100の視野や向き等を変えることができる。また、視野は常に処置具の先端を撮像することになり、処置するために最適な画像が自動で提供される。処置する箇所以外の部分を確認したい場合は、処置具挿入部202を動かすことにより確認ができ、術者が思い通りに操作できる。したがって、術者とは別に内視鏡100の操作を行う助手(スコピスト)を不要にすることができ、術者が助手に対して内視鏡100の視野や向き等を逐次指示しなければならないという煩わしさも無くすことができる。
また、処置具挿入部202の軸方向への変位が小さい場合(小振幅の進退動作が行われた場合)には、内視鏡挿入部102が連動しないため、観察画像内における観察対象の大きさが不要に変動してしまうことを防止することができ、遠近感を適切に保ち、安定した観察画像を提供することができる。
次に、図7等に示したようにスライダ400のスリーブ440の内側に固定される圧接部材446について説明する。図15は、スリーブ440をその中心を通る軸446x(処置具挿通軸308a)に沿った平面で切断した断面図である。
図7及び図15に示すようにスリーブ440は、硬質のスリーブ本体444と、スリーブ本体444の内側に固定される固定材としての圧接部材446とからなり、圧接部材446は、多数の空孔を有する発泡弾性体の一形態として発泡ゴムにより円筒状に形成される。
上述のように外套管300の処置具挿通路308に挿通された処置具挿入部202は、圧接部材446の貫通孔450を挿通し、かつ、処置具挿入部202の外周面の周方向全体に圧接部材446が圧接して連結(摩擦係合)する。これにより、処置具挿入部202は、圧接部材446を介してスリーブ440と連結してスライダ400の処置具連結部422と連結する。
本実施の形態の内視鏡用外科手術装置10において、使用可能な処置具200は、特定の種類(用途や製造元など)のものに限定されておらず、処置具挿入部202の外径は、使用する処置具200の種類によって異なる。例えば、一般に5mm鉗子と呼ばれる外科鉗子が使用されるが、5mm鉗子の外径は統一されておらず、4mmから6mmの外径のものが存在する。
一方、圧接部材446の貫通孔450の直径は、処置具挿入部202の外周面に圧接させるために、処置具挿入部202の外径よりも小さくする必要がある。したがって、貫通孔450の直径は、内視鏡用外科手術装置10において使用可能な処置具のうち、少なくとも処置具挿入部の外径が最も小さいものの外径よりも小さい。
これによって、使用可能な任意の処置具200の処置具挿入部202が圧接部材446の貫通孔450を挿通すると、図16に示すように処置具挿入部202を挿通可能な大きさに圧接部材446の貫通孔450が拡径する。この時、圧接部材446の元の形状への復元力により圧接部材446の内周面(貫通孔450の周面)が処置具挿入部202の外周面に圧接する。そして、圧接部材446と処置具挿入部202との間に軸446x方向又は軸446x周り方向への一定以上の力を加えない限り、それらの間の摩擦力により圧接部材446に対して処具挿入部202が軸446x方向及び軸446x周り方向に移動しない状態に固定される。
また、圧接部材446は上述のように発泡ゴムで形成される。発泡ゴムは、図17の拡大断面図に示すように多数の気泡である多数の空孔448を内部に有している。発泡ゴムの具体的な材質としては、25%圧縮荷重が35(kPa)以上で、170(kPa)以下である次のいずれかのものが好適である。
・ウレタン
・EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)
・天然ゴム
・NBR(ニトリルゴム)
・フッ素ゴム
・CR(クロロプレンゴム)(polychloroprene)
・シリコーンゴム
なお、圧接部材446を形成する発泡ゴムとして、空孔448が繋がっていない独立気泡のものであってもよいし、空孔448同士が繋がっている開放気泡(連続気泡)のものであってもよい。
また、圧接部材446は、上記材質の発泡ゴム以外の発泡弾性体により形成されたものであってもよい。
このような発泡ゴムにより形成された圧接部材446は収縮が可能であることから、収縮がほとんど生じない中実の弾性体により圧接部材446を形成した場合と比較して次のような利点がある。
まず、図15のように圧接部材446の外周面446aをスリーブ本体444の内周面444aに接触又は近接させて固定する場合であっても、大きな外径の処置具挿入部202が挿通可能である。
例えば、中実の弾性体で圧接部材446を形成した場合には、変形しても体積は保持される。そのため、貫通孔450の直径よりも大きな外径の処置具挿入部202を貫通孔450に挿通させる際には、貫通孔450が拡径する分、圧接部材446が径方向に拡大しようとする。
しかしながら、本実施の形態のように圧接部材446の外周面446aをスリーブ本体444の内周面444aに接触又は近接させている場合には、少なくとも圧接部材446の径方向への拡大が規制され、軸446x方向への拡大のみが許容される。このため、貫通孔450の拡径には大きな力を要し、圧接部材446の貫通孔450に挿通可能な処置具挿入部202の外径は、圧接部材446を発泡ゴムとした場合より小さくなる。
言い換えると、外径の変化が規制された圧接部材446において、圧接部材446を発泡ゴムで形成した場合と、中実の弾性体で形成した場合とを比較すると、貫通孔450の直径が同じであれば、圧接部材446が発泡ゴムの方が大きな外径の処置具挿入部202が挿通可能である。また、同一の外径の処置具挿入部202を挿通可能にするのであれば、圧接部材446が発泡ゴムの方が貫通孔450の最小の直径を小さくすることができる。
したがって、圧接部材446を発泡ゴムで形成することにより、貫通孔450の直径を小さくして圧接部材446の外径を小さくすることができ、スリーブ本体444の外径を小さくすることができる。これによって、スリーブ440の外径を小さくすることができ、外套管300(外套管長筒体320)の細径化を図ることができる。また、貫通孔450の直径を小さくすることで、圧接部材446に係合可能な処置具挿入部202の最小の外径も小さくなるため、圧接部材446に係合可能な処置具挿入部202の外径の範囲も拡大することができる。
また、圧接部材446が中実の弾性体の場合において、圧接部材446の外周面446aとスリーブ本体444の内周面444aとの間に隙間を設けることによって、貫通孔450に挿通可能な処置具挿入部202の外径を大きくすることが可能である。しかしながら、隙間を設ける分だけ、スリーブ440の外径が大きくなる。また、隙間を設けるのであれば、圧接部材446が発泡ゴムの場合には、隙間を設けない場合よりも貫通孔450の直径及び圧接部材446の外径を小さくしてスリーブ440の外径を小さくすることができる。したがって、本実施の形態と異なり、圧接部材446の外周面446aとスリーブ本体444の内周面444aとの間に隙間を設ける形態としたスリーブ440においても、圧接部材446を発泡ゴムで形成することにより、外套管300(外套管長筒体320)の細径化を図ることができ、圧接部材446に係合可能な処置具挿入部202の外径の範囲も拡大することができる。
以上のことから、本実施の形態の内視鏡用外科手術装置10において使用可能な処置具200の種類の制限が緩和され、利便性が向上する。
更に、本実施の形態のように圧接部材446を発泡ゴムで形成した場合に、圧接部材446の少なくとも内周面446b(貫通孔450の周面)に沿った領域の空孔448に、油分を保持させておくことができる。
例えば、処置中に体内の油分等が圧接部材446の内周面446bに付着する可能性があり、その場合に、圧接部材446の内周面446bと処置具挿入部202の外周面との間の摩擦力が変化することから、圧接部材446による処置具挿入部202の保持力が変動する。
この保持力の変動が生じると、術者が意図していないにもかかわらず圧接部材446に対して処置具挿入部202が移動してしまう(スリーブ440と処置具挿入部202との係合位置がずれる)ことがある。一方で油分が付着しても十分な保持力を維持するように初期の保持力を設定すると、使用開始直後などには、術者が意図しているにもかかわらず圧接部材446に対して処置具挿入部202が移動しないなどの事態が生じ得る。
このような事態は、圧接部材446の空孔448に事前に油分を保持させておくことにより防止することができる。
即ち、圧接部材446に外部からの油分等の付着が生じた場合であっても、圧接部材446の空孔448に事前に保持させた油分により圧接部材446の内周面446bと処置具挿入部202の外周面との間の摩擦力に大きな変動が生じず、圧接部材446による処置具挿入部202の保持力を設計時等において事前に想定した一定の保持力に維持することができる。これによって、処置具200の操作に関して操作性が向上する。
なお、圧接部材446の全体の空孔448に油分を保持させるようにしてもよいし、上述のように圧接部材446の内周面(貫通孔450の周面)に沿った領域の空孔448にのみ油分を保持させるようにしてもよい。
また、圧接部材446を形成する発泡ゴムを上述の独立気泡とした場合には、圧接部材の内周面の表面に空孔448による微細な凹部が形成されるため、その凹部に油分を保持させることができる。圧接部材446を形成する発泡ゴムを上述の開放気泡とした場合には、圧接部材446の内部の空孔448に油分を保持させることができるので、長時間使用しても油分を維持することができる。
ただし、圧接部材446を形成する発泡ゴムに油分を保持させるか否かは選択可能であり、圧接部材446は油分を保持しないものとしてもよい。
次に、圧接部材446の他の実施の形態について説明する。図18は、他の実施の形態の圧接部材446を備えたスリーブ440を軸446x(処置具挿通軸308a)に沿った平面で切断した断面図であり、図7及び図15と同一又は類似作用の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
同図における圧接部材446は、上記実施の形態と同様に発泡ゴムにより円筒状に形成されている。圧接部材446は、軸446x方向の一端部である先端側の先端部446tと他端部である基端側の基端部446eとの間に、先端部446t及び基端部446eよりも外径が小さく構成された細径部446mを有する。
即ち、先端部446tと基端部446eとは細径部446mよりも大きな外径を有し、圧接部材446の先端側及び基端側の端面となる先端部446tの先端側の端面及び基端部446eの基端側の端面には、処置具挿入部202を挿通させる貫通孔450の開口が形成される。
なお、先端部446tの先端側の端面及び基端部446eの基端側の端面には、貫通孔450の開口のみが設けられ、処置具200の先端の処置部206が引っ掛かるような穴は存在していない。
これによれば、外形が小さくなっている細径部446mにおいて、外周面446aとスリーブ本体444の内周面444aとの間に空間が形成される。そして、圧接部材446の貫通孔450に処置具挿入部202を挿通させた際に、その空間によって、圧接部材446は、収縮による変形だけでなく、収縮以外による変形も生じ易くなる。
したがって、本実施の形態の圧接部材446では、図15に示した圧接部材446のように略収縮のみの変形が生じる場合と比較して変形量を大きくすることができ、小さな体積でありながら、保持力の変動を最小限に抑えつつ大きな変形量を確保できる。このことから、圧接部材446及びスリーブ440の小型化及び細径化を図ることができ、外套管300(外套管長筒体320)の細径化を図ることができる。
なお、本実施の形態の圧接部材446においても上述のように圧接部材446の空孔448に油分を保持させることができる。
また、図18の実施の形態と同様に、図19に示す実施の形態のように圧接部材446に空間を設けて収縮以外の変形を可能にすることもできる。図19は、軸446xに対して直交する平面でスリーブ440を切断した断面図である。同図に示す圧接部材446は、外周面446a側に軸446xに沿った4つの溝446pとの内周面446b側に軸446xに沿った4つの溝446qとを有する。これにより、圧接部材446の外周面446a側と内周面446b側とに複数の空間が設けられている。ただし、圧接部材446の端部を軸446x方向から見たときに貫通孔450以外の開口が存在する。そのため、処置具200を貫通孔450に挿通させる際に、処置具200の先端の処置部206が貫通孔450以外の開口に引っ掛かり、処置具200を貫通孔450に挿通させ難くなる可能性がある。
したがって、少なくとも圧接部材446の基端側は、図18の実施の形態のように貫通孔450の開口以外の穴を設けないようにすることが望ましい。
以上、外套管300の処置具挿通路308に挿通された処置具挿入部202に連結する圧接部材446に関して説明した。しかし、圧接部材446に限らず、外套管300の内視鏡挿通路306に挿通された内視鏡挿入部102に連結する図7、図8に示した固定材である圧接部材426についても圧接部材446に関する上記実施の形態と同様の構成を採用することができる。また、圧接部材426は、発泡ゴムにより形成されたものとすることもできる。また、圧接部材426の少なくとも内周面に沿った領域の空孔に油分を保持させることもできる。
内視鏡100の場合には、異なる種類のものを使用する必要性が処置具200よりも少ないため、使用可能な内視鏡100は、内視鏡挿入部102が特定の外径のものに限定することもできる。しかし、その場合であっても、圧接部材426を発泡ゴムにより形成することで、圧接部材426の細径化を図ることができ、外套管300(外套管長筒体320)の細径化に寄与することができる。また、処置具200と同様に内視鏡挿入部102の外径が異なる内視鏡100を使用可能にすることもでき、利便性の向上を図ることができる。更に、圧接部材426の空孔(発泡ゴムの空孔)に油分を保持させることで操作性の向上を図ることもできる。
なお、内視鏡連結部420と処置具連結部422の少なくとも一方において上記実施の形態のように油分を保持した発泡ゴムの圧接部材426又は圧接部材446を採用し、内視鏡連結部420と処置具連結部422のいずれか一方は上記実施の形態と相違するものであってもよい。
以上、上記実施の形態の内視鏡用外科手術装置10は、内視鏡100の内視鏡挿入部102と処置具200の処置具挿入部202とを体腔内に案内する外套管300を備えるものであったが、本発明は、これに限らず、2つの任意の医療器具を体腔内に案内する外套管を備えた内視鏡用外科手術装置及び外套管に適用できる。
即ち、本発明は、次のような構成の内視鏡用外科手術装置及び外套管を含む。
内視鏡用外科手術装置は、体腔内に挿入される第1挿入部を有する第1医療器具と、体腔内に挿入される第2挿入部を有する第2医療器具と、体壁を貫通して体腔内に挿入され第1挿入部及び第2挿入部を体腔内に案内する外套管と、を備える。上記実施の形態における内視鏡100及び内視鏡挿入部102は、第1医療器具及び第1挿入部の一形態であり、処置具200及び処置具挿入部202は、第2医療器具及び第2挿入部の一形態である。
そして、外套管は、先端と基端と長手軸とを有する外套管本体と、外套管本体の先端に設けられる上述の第1先端開口312及び第2先端開口316に相当する第1先端開口及び第2先端開口と、外套管本体の基端に設けられる上述の第1基端開口310及び第2基端開口314に相当する第1基端開口及び第2基端開口と、外套管本体の長手軸に沿って設けられ、第1先端開口と第1基端開口とを連通し、第1挿入部が進退自在に挿通される上述の内視鏡挿通路306に相当する第1挿通路と、外套管本体の長手軸に沿って設けられ、第2先端開口と第2基端開口とを連通し、第2挿入部が進退自在に挿通される上述の処置具挿通路308に相当する第2挿通路と、第1挿通路に挿通された第1挿入部に連結される上述の内視鏡連結部420に相当する第1連結部と、第2挿通路に挿通された第2挿入部に連結される上述の処置具連結部422に相当する第2連結部とを有し、外套管本体の内部において進退自在に移動する上述のスライダ400に相当する連動部材と、第1連結部及び第2連結部の少なくとも一方の連結部に設けられ、連結部に連結される挿入部の外周面の周方向全体に接触する内周面を有し、かつ多数の空孔を有する発泡ゴム等の発泡弾性体で構成され、空孔に油分を保持させた上述の圧接部材426又は圧接部材446に相当する固定材と、を備える。
10…内視鏡用外科手術装置、100…内視鏡、102…内視鏡挿入部、104…ケーブル部、108…プロセッサ装置、110…光源装置、112…モニタ、116…観察窓、118…照明窓、130…進退操作部、200…処置具、202…処置具挿入部、204…操作部、206…処置部、300…外套管、300a…基準軸、302…基端面、306…内視鏡挿通路、306a…内視鏡挿通軸、308…処置具挿通路、308a…処置具挿通軸、310…第1基端開口、312…第1先端開口、314…第2基端開口、316…第2先端開口、320…外套管長筒体、340…基端キャップ、360…先端キャップ、400…スライダ、402…スライダ本体、420…内視鏡連結部、422…処置具連結部、426,446…圧接部材、440…スリーブ、444…スリーブ本体、446a…外周面、446e…基端部、446m…細径部、446t…先端部、446x…軸、448…空孔、460…ガイド部、462…ガイド面、466,468…端縁部、500…外装管

Claims (10)

  1. 体腔内に挿入される第1挿入部を有する第1医療器具と、体腔内に挿入される第2挿入部を有する第2医療器具と、体壁を貫通して体腔内に挿入され前記第1挿入部及び前記第2挿入部を体腔内に案内する外套管と、を備える内視鏡用外科手術装置であって、
    前記外套管は、
    先端と基端と長手軸とを有する外套管本体と、
    前記外套管本体の先端に設けられる第1先端開口及び第2先端開口と、
    前記外套管本体の基端に設けられる第1基端開口及び第2基端開口と、
    前記外套管本体の長手軸に沿って設けられ、前記第1先端開口と前記第1基端開口とを連通し、前記第1挿入部が進退自在に挿通される第1挿通路と、
    前記外套管本体の長手軸に沿って設けられ、前記第2先端開口と前記第2基端開口とを連通し、前記第2挿入部が進退自在に挿通される第2挿通路と、
    前記第1挿通路に挿通された前記第1挿入部に連結される第1連結部と、前記第2挿通路に挿通された前記第2挿入部に連結される第2連結部とを有し、前記外套管本体の内部において進退自在に移動する連動部材と、
    前記第1連結部及び前記第2連結部の少なくとも一方の連結部に設けられ、前記少なくとも一方の連結部に連結される挿入部の外周面の周方向全体に接触する内周面を有し、かつ多数の空孔を有する発泡弾性体で構成され、前記空孔に油分を保持させた固定材と、
    を備える内視鏡用外科手術装置。
  2. 前記固定材は、軸方向の一端部と他端部との間に前記一端部及び前記他端部よりも外径が小さく形成された細径部を有する請求項1に記載の内視鏡用外科手術装置。
  3. 前記第1医療器具は、前記第1挿入部の先端に観察部が設けられた内視鏡であり、
    前記第2医療器具は、前記第2挿入部の先端に処置部が設けられた処置具である請求項1又は2に記載の内視鏡用外科手術装置。
  4. 前記固定材は、前記第2連結部に設けられる請求項3に記載の内視鏡用外科手術装置。
  5. 前記連動部材は、前記外套管本体の内部において進退自在に配置される連動部材であって、前記第1挿入部及び前記第2挿入部のうちのいずれか一方の進退移動に対して前記第1挿入部及び前記第2挿入部のうちの他方が連動しない不感帯領域と、前記第1挿入部及び前記第2挿入部のうちのいずれか一方の進退移動に対して前記第1挿入部及び前記第2挿入部のうちの他方が連動する感帯領域とを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の内視鏡用外科手術装置。
  6. 体腔内に挿入される第1挿入部を有する第1医療器具と、体腔内に挿入される第2挿入部を有する第2医療器具と、体壁を貫通して体腔内に挿入され前記第1挿入部及び前記第2挿入部を体腔内に案内する外套管と、を備える内視鏡用外科手術装置において用いられる外套管あって、
    先端と基端と長手軸とを有する外套管本体と、
    前記外套管本体の先端に設けられる第1先端開口及び第2先端開口と、
    前記外套管本体の基端に設けられる第1基端開口及び第2基端開口と、
    前記外套管本体の長手軸に沿って設けられ、前記第1先端開口と前記第1基端開口とを連通し、前記第1挿入部が進退自在に挿通される第1挿通路と、
    前記外套管本体の長手軸に沿って設けられ、前記第2先端開口と前記第2基端開口とを連通し、前記第2挿入部が進退自在に挿通される第2挿通路と、
    前記第1挿通路に挿通された前記第1挿入部に連結される第1連結部と、前記第2挿通路に挿通された前記第2挿入部に連結される第2連結部とを有し、前記外套管本体の内部において進退自在に移動する連動部材と、
    前記第1連結部及び前記第2連結部の少なくとも一方の連結部に設けられ、前記少なくとも一方の連結部に連結される挿入部の外周面の周方向全体に接触する内周面を有し、かつ多数の空孔を有する発泡弾性体で構成され、前記空孔に油分を保持させた固定材と、
    を備える外套管。
  7. 前記固定材は、軸方向の一端部と他端部との間に前記一端部及び前記他端部よりも外径が小さく形成された細径部を有する請求項6に記載の外套管。
  8. 前記第1医療器具は、前記第1挿入部の先端に観察部が設けられた内視鏡であり、
    前記第2医療器具は、前記第2挿入部の先端に処置部が設けられた処置具である請求項6又は7に記載の外套管。
  9. 前記固定材は、前記第2連結部に設けられる請求項8に記載の外套管。
  10. 前記連動部材は、前記外套管本体の内部において進退自在に配置される連動部材であって、前記第1挿入部及び前記第2挿入部のうちのいずれか一方の進退移動に対して前記第1挿入部及び前記第2挿入部のうちの他方が連動しない不感帯領域と、前記第1挿入部及び前記第2挿入部のうちのいずれか一方の進退移動に対して前記第1挿入部及び前記第2挿入部のうちの他方が連動する感帯領域とを有する請求項6〜9のいずれか1項に記載の外套管。
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