JP6256872B2 - 内視鏡システム - Google Patents

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Description

本発明は、観察対象の内部の被写体を撮像する内視鏡と、この内視鏡で行われる撮像を制御するとともにその内視鏡から出力される撮像画像を処理する制御装置と、この制御装置から出力される画像を表示する表示装置と、を備えた内視鏡システムに関するものである。
内視鏡手術において、観察対象である人の身体の内部に挿入される挿入部の先端部に撮像素子を配置して、この撮像素子による撮像で得られた画像をモニタに表示させるようにした、いわゆる電子内視鏡を用いた内視鏡システムが広く普及している。このような内視鏡システムでは、注目する病変部を多様な方向から観察したり、高分解能な画像で病変部を詳細に観察したり、広角な画像で病変部の周辺の広い範囲を観察したりすることができるようにすると、手術を手際よく進める上で大きな効果を奏する。
このような要望に関連するものとして、従来、複数の内視鏡を用いて、その複数の内視鏡による複数の撮像画像をモニタの画面に並べて表示し、あるいは複数の撮像画像を選択的に表示する技術が知られている(特許文献1,2参照)。これらの技術を利用すると、多様な画像を同時に取得することができるため、内視鏡手術における術者や補助者がそれぞれ必要とする適切な画像をモニタに表示させることができる。
特開2005−021392号公報 特開平8−018861号公報
しかしながら、前記従来の技術では、複数の内視鏡を必要とすることからコストが嵩むという問題があった。また、内視鏡手術では、切開部から内視鏡の他にメスや鉗子などの種々の手術器具が挿入されるため、複数の内視鏡を用いることは、手術を手際よく進める上で大きな支障になるという問題があった。
また、内視鏡を動かすようにすれば、1つの内視鏡でも多様な画像を表示させることができるが、手術器具と干渉することで内視鏡を自由に動かすことが難しく、また、多様な画像を同時に取得することができないため、内視鏡手術における術者や補助者がそれぞれ必要とする適切な画像をモニタに簡単に表示させることができないという問題があった。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、複数の内視鏡を用いることなく、また、内視鏡を動かすことなく、適切な画像を簡単に表示装置に表示させることができるように構成された内視鏡システムを提供することにある。
本発明の内視鏡システムは、観察対象の内部の被写体を撮像する内視鏡と、この内視鏡で行われる撮像を制御するとともにその内視鏡から出力される撮像画像を処理する制御装置と、この制御装置から出力される表示画像を表示する表示装置と、を備えた内視鏡システムであって、前記内視鏡は、観察対象の内部に挿入される挿入部に複数のカメラ部と、前記カメラ部の視線方向を個別に変更する視線調整機構とを備え、前記制御装置は、注視位置を指定する観察者の指示に応じて、複数の前記カメラ部の各々の視線方向が同一の前記注視位置に向けられるように前記カメラ部の視線方向を設定する視線方向設定部と、この視線方向設定部で設定された視線方向に基づいて、前記視線調整機構を制御するカメラ制御部と、複数の前記カメラ部の各々による複数の撮像画像に対する切替えの調整を行って、前記表示画像を生成する画像出力調整部とを備え、この画像出力調整部で生成した前記表示画像を前記表示装置に表示させる構成とする。
また、観察対象の内部の被写体を撮像する内視鏡と、この内視鏡で行われる撮像を制御するとともにその内視鏡から出力される撮像画像を処理する制御装置と、この制御装置から出力される表示画像を表示する表示装置と、を備えた内視鏡システムであって、前記内視鏡は、観察対象の内部に挿入される挿入部に複数のカメラ部を備えて、被写体上の互いにずれた領域を撮像するように視線方向が設定され、前記制御装置は、複数の前記カメラ部の各々による複数の撮像画像を接合して1つの連続した合成画像を生成し、前記表示画像の表示領域を移動させるパンおよびチルトに関する表示条件を指定する観察者の指示に応じて、前記合成画像から前記表示条件に応じた範囲を切り出して前記表示画像を生成する画像出力調整部を備えて、前記合成画像から切り出す範囲の位置を変更することで、前記表示画像に擬似的なパンおよびチルトの動作を行わせ、前記画像出力調整部で生成した前記表示画像を前記表示装置に表示させる構成とする。
本発明によれば、観察者の指示に応じて、内視鏡の挿入部に設けられた複数のカメラ部の各々の視線方向が、同一の注視位置に向けられるようにカメラ部の視線方向を設定して観察対象の内部の被写体を撮像するため、注目する部分を異なる方向から観察することができる多様な画像を同時に取得することができる。
また、複数のカメラ部を被写体上の互いにずれた領域を撮像するように視線方向を設定して、複数の撮像画像を接合して1つの連続した合成画像を生成し、表示画像の表示領域を移動させるパンおよびチルトに関する表示条件を指定する観察者の指示に応じて、合成画像から表示条件に応じた範囲を切り出して表示画像を生成するようにしたため、表示画像の元になる合成画像の解像度が高いため、高分解能の表示画像で擬似的なパンおよびチルトの動作を行うことができる。
第1実施形態に係る内視鏡システムの全体構成図 内視鏡1の挿入部5に設けられたカメラ部6a〜6eを示す斜視図 カメラ部6a〜6eの構成を示す断面図 第1実施形態に係る内視鏡システムにおける撮像および画像出力調整の要領を説明する説明図 第1実施形態に係るコントローラ2の概略構成を示す機能ブロック図 指示検出器4で観察者が指示を行う状況を示す斜視図 画像切り替え時の画像信号のゲインの変化状況を示す説明図 第2実施形態に係る内視鏡システムにおける撮像および画像出力調整の要領を説明する説明図 第2実施形態に係るコントローラ2の概略構成を示す機能ブロック図 画像合成時の画像信号のゲインの変化状況を示す説明図 第3実施形態に係る内視鏡システムにおける内視鏡1の挿入部5を示す側面図 第3実施形態に係る内視鏡システムにおける撮像および画像出力調整の要領を説明する説明図 第3実施形態に係るコントローラ2の概略構成を示す機能ブロック図 第4実施形態に係る内視鏡システムにおける撮像および画像出力調整の要領を説明する説明図 第4実施形態に係る内視鏡システムにおける画像出力調整の要領を詳しく説明する説明図 第4実施形態に係るコントローラの概略構成を示す機能ブロック図 内視鏡1の挿入部5の変形例を示す側面図 第1実施形態に係る内視鏡システムの変形例を示す説明図
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、観察対象の内部の被写体を撮像する内視鏡と、この内視鏡で行われる撮像を制御するとともにその内視鏡から出力される撮像画像を処理する制御装置と、この制御装置から出力される表示画像を表示する表示装置と、を備えた内視鏡システムであって、前記内視鏡は、観察対象の内部に挿入される挿入部に複数のカメラ部と、前記カメラ部の視線方向を個別に変更する視線調整機構とを備え、前記制御装置は、注視位置を指定する観察者の指示に応じて、複数の前記カメラ部の各々の視線方向が同一の前記注視位置に向けられるように前記カメラ部の視線方向を設定する視線方向設定部と、この視線方向設定部で設定された視線方向に基づいて、前記視線調整機構を制御するカメラ制御部と、複数の前記カメラ部の各々による複数の撮像画像に対する切替えの調整を行って、前記表示画像を生成する画像出力調整部とを備え、この画像出力調整部で生成した前記表示画像を前記表示装置に表示させる構成とする。
これによると、観察者の指示に応じて、内視鏡の挿入部に設けられた複数のカメラ部の各々の視線方向が、同一の注視位置に向けられるようにカメラ部の視線方向を設定して観察対象の内部の被写体を撮像するため、注目する部分を異なる方向から観察することができる多様な画像を同時に取得することができる。
また、第2の発明は、観察対象の内部の被写体を撮像する内視鏡と、この内視鏡で行われる撮像を制御するとともにその内視鏡から出力される撮像画像を処理する制御装置と、この制御装置から出力される表示画像を表示する表示装置と、を備えた内視鏡システムであって、前記内視鏡は、観察対象の内部に挿入される挿入部に複数のカメラ部を備えて、被写体上の互いにずれた領域を撮像するように視線方向が設定され、前記制御装置は、複数の前記カメラ部の各々による複数の撮像画像を接合して1つの連続した合成画像を生成し、前記表示画像の表示領域を移動させるパンおよびチルトに関する表示条件を指定する観察者の指示に応じて、前記合成画像から前記表示条件に応じた範囲を切り出して前記表示画像を生成する画像出力調整部を備えて、前記合成画像から切り出す範囲の位置を変更することで、前記表示画像に擬似的なパンおよびチルトの動作を行わせ、前記画像出力調整部で生成した前記表示画像を前記表示装置に表示させる構成とする。
これによると、複数のカメラ部を被写体上の互いにずれた領域を撮像するように視線方向を設定して、複数の撮像画像を接合して1つの連続した合成画像を生成し、表示画像の表示領域を移動させるパンおよびチルトに関する表示条件を指定する観察者の指示に応じて、合成画像から表示条件に応じた範囲を切り出して表示画像を生成するようにしたため、表示画像の元になる合成画像の解像度が高いため、高分解能の表示画像で擬似的なパンおよびチルトの動作を行うことができる。
また、第3の発明は、前記挿入部は、複数の前記カメラ部の間に屈曲部を有し、この屈曲部を屈曲させることで、複数の前記カメラ部の視線方向を変化させるようにした構成とする。
これによると、被写体の極めて広い範囲を同時に撮像することができるため、内視鏡を動かすことなく、被写体の極めて広い範囲を観察することができる。
また、第4の発明は、複数の観察者ごとに複数の前記表示装置を備え、前記制御装置は、観察者の指示に応じて、前記合成画像の任意の範囲を複数の前記表示装置に別々に表示させる構成とする。
これによると、複数の観察者の各々が必要とする被写体の領域を表示装置に表示させることができるため、観察者の利便性を高めることができる。
また、第5の発明は、複数の前記カメラ部のうち、少なくとも1つの前記カメラ部と残りの前記カメラ部とは、視野角が異なるように設定され、前記画像出力調整部は、狭い視野角に設定された前記カメラ部による狭角撮像画像から、被写体上の注視位置を含む狭い範囲を写した注視用の表示画像を生成し、広い視野角に設定された前記カメラ部による広角撮像画像から、被写体上の注視位置を含む広い範囲を写した監視用の表示画像を生成する構成とする。
これによると、高分解能な注視用の表示画像と広い範囲を写した監視用の表示画像とを同時に取得することができる。そして、被写体上で観察者が注目する部分が高分解能な画像で表示されるため、その部分を詳しく観察することができ、同時に、周辺部分の画像が広い範囲で表示されるため、周辺部分を広く観察することができる。
また、第6の発明は、複数の観察者ごとに複数の前記表示装置を備え、前記制御装置は、前記注視用の表示画像および前記監視用の表示画像を別の前記表示装置に表示させる構成とする。
これによると、内視鏡手術の術者など、被写体上の狭い領域を詳しく観察する必要がある観察者が、専用の表示装置で注視用の表示画像を見ることができ、同時に、内視鏡手術の補助者など、被写体上の広い領域を観察する必要がある観察者が、専用の表示装置で監視用の表示画像を見ることができる。
また、第7の発明は、複数の前記カメラ部が広い視野角に設定され、前記画像出力調整部は、広い視野角に設定された複数の前記カメラ部による複数の前記広角撮像画像を接合して1つの連続した合成画像を生成して、その合成画像の全部または一部を前記監視用の表示画像とする構成とする。
これによると、広範囲でかつ高分解能な監視用の表示画像を取得することができる。
また、第8の発明は、前記画像出力調整部は、前記狭角撮像画像と前記広角撮像画像とを合成した合成画像を生成して、その合成画像から前記狭角撮像画像を含む範囲を切り出して、前記注視用の表示画像を生成する構成とする。
これによると、被写体上で観察者が注目する部分を高分解能な画像で観察すると同時に周辺部分も観察することができる。
また、第9の発明は、前記内視鏡は、前記カメラ部の視線方向を個別に変更する視線調整機構をさらに備え、前記制御装置は、前記注視用の表示画像の表示領域を移動させる観察者の指示に応じて、狭い視野角に設定された前記カメラ部の撮像範囲が、前記注視用の表示画像の領域内に位置するように、狭い視野角に設定された前記カメラ部の視線方向を設定する視線方向設定部と、この視線方向設定部で設定された視線方向に基づいて、前記視線調整機構を制御するカメラ制御部と、をさらに備えた構成とする。
これによると、常時、狭い視野角に設定されたカメラ部による高分解能な狭角撮像画像が注視用の表示画像内に位置するため、注視用の表示画像の表示領域を移動させても、被写体上の重要な部分を高分解能な画像で観察することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る内視鏡システムの全体構成図である。この内視鏡システムは、観察対象の内部の被写体を撮像する内視鏡1と、この内視鏡で行われる撮像を制御するとともにその内視鏡から出力される撮像画像を処理するコントローラ(制御装置)2と、このコントローラ2から出力される画像を表示するモニタ(表示装置)3と、モニタ3の表示画面を見ながら行われる観察者の指示動作を検出する指示検出器(指示検出装置)4と、を備えている。
内視鏡1には、観察対象の内部に挿入される挿入部5の先端側に複数のカメラ部6a〜6eが設けられており、このカメラ部6a〜6eの各々から出力される画像信号がコントローラ2に入力する。
次に、図1に示した内視鏡1の挿入部5に設けられたカメラ部6a〜6eについて説明する。図2は、カメラ部6a〜6eを示す斜視図である。図3は、カメラ部6a〜6eの構成を示す断面図である。
図2に示すように、複数のカメラ部6a〜6eは、挿入部5の長手方向に並んで配列され、この配列方向に概ね直交する向きに視線方向が設定されている。すなわち、内部の図示しない撮像素子に被写体からの光を導く撮像窓8が挿入部5の側面に設けられている。複数のカメラ部6a〜6eには、挿入部5が観察対象の内部に挿入された状態で、カメラ部6a〜6eの視線方向を個別に変更する視線調整機構が設けられている。
図3に示すように、カメラ部6a〜6eは、内視鏡1の挿入部5を構成する円筒状をなす筐体9の内部に収容され、カメラ筐体11と、撮像部12と、可動ミラー13と、ミラー回転アクチュエータ14と、カメラ回転アクチュエータ15と、を備えている。
撮像部12は、図示しない撮像素子およびレンズなどの光学系部品を内部に備えている。挿入部5の筐体9には、光透過材料で形成された撮像窓8が設けられており、被写体からの光が、撮像窓8を介してカメラ筐体11の内部に導かれて、可動ミラー13で反射されて撮像部12に入射する。
可動ミラー13は、矢印Cで示すように、支軸17を中心にして回転可能に設けられている。
ミラー回転アクチュエータ14は、電動モータなどで構成され、カメラ筐体11に固定されている。このミラー回転アクチュエータ14は、可動ミラー13に連結されており、ミラー回転アクチュエータ14を動作させると、矢印Cで示すように、可動ミラー13が支軸17を中心にして回転する。これにより、カメラ部6a〜6eの視線方向を、図2の矢印Aで示すように、挿入部5の長手方向に変化させるパン動作が行われ、可動ミラー13と、支軸17と、ミラー回転アクチュエータ14とによりパン動作機構が構成される。
カメラ筐体11は、支軸18,19に回転可能に支持されている。支軸18,19は、挿入部5の筐体9に固定された支持部材20,21に固定されている。また、支軸18,19は、挿入部5の長手方向に配置されており、カメラ筐体11が、矢印Dで示すように、挿入部5の長手方向に平行となる向きの中心軸を中心にして回転するようになっている。
カメラ回転アクチュエータ15は、電動モータなどで構成され、カメラ筐体11に固定されている。このカメラ回転アクチュエータ15は、一方の支軸18に連結されており、カメラ回転アクチュエータ15を動作させると、矢印Dで示すように、カメラ部6a〜6eが支軸18,19を中心にして回転する。これにより、カメラ部6a〜6eの視線方向を、図2の矢印Bで示すように、挿入部5の長手方向に直交する向きに変化させるチルト動作が行われ、支軸18,19と、カメラ回転アクチュエータ15とによりチルト動作機構が構成される。
なお、挿入部5に、撮像領域を照明する照明部を設けるようにしてもよい。この場合、挿入部5にLEDなどで構成された光源を配置する他、内視鏡1における挿入部5の基部やコントローラ2に光源を配置して、光ファイバを用いて光源の光を挿入部5の先端側に導くようにしてもよい。
次に、第1実施形態に係る内視鏡システムにおける撮像および画像出力調整の要領について説明する。図4は、第1実施形態に係る内視鏡システムにおける撮像および画像出力調整の要領を説明する説明図である。
この第1実施形態では、第1〜第5のカメラ部6a〜6eが、各々の視線方向が被写体上の同一の注視物(注視位置)に向けられるように設定される。これにより、第1〜第5のカメラ部6a〜6eによる第1〜第5の撮像画像の中心に注視物が現れる。また、第1〜第5のカメラ部6a〜6eは、挿入部5の長手方向にずれて配置されているため、第1〜第5のカメラ部6a〜6eによる第1〜第5の撮像画像では、注視物が異なる方向から撮像された状態で現れる。
この第1〜第5のカメラ部6a〜6eによる第1〜第5の撮像画像は切り替えて、すなわち、第1〜第5の撮像画像の中から1つを選択して、モニタ3に表示される。ここで、第1〜第5の撮像画像を切り替える際に、切り替えの指示に応じて順次隣のカメラ部6a〜6eによる撮像画像に切り替えるようにするとよい。これにより、視線方向が順に変わるように画像が表示されるため、被写体上の注視位置の状態を自然に把握することができる。この場合、あたかも1台のカメラが第1から第5のカメラ部6a〜6eの位置まで移動しながら撮影したような映像を観察することとなる。即ち、観察者が移動することによって運動視差が生じ、これにより観察者が被写体を立体的に知覚することによって、被写体の空間構造が理解しやすくなる効果が得られる。なお、任意のカメラ部6a〜6eによる撮像画像に切り替えることができるようにしてもよい。
次に、第1実施形態に係るコントローラ2について説明する。図5は、第1実施形態に係るコントローラ2の概略構成を示す機能ブロック図である。
コントローラ2は、画像処理部31と、画像出力調整部32と、表示制御部33と、カメラ制御部34と、視線方向設定部35と、注視位置設定部36と、注視位置追跡部37と、指示内容取得部38と、を備えている。
画像処理部31では、複数のカメラ部6a〜6eからそれぞれ出力される複数の撮像画像に対して、ゲイン調整やダイナミックレンジ拡大などの処理が行われる。
画像出力調整部32では、画像処理部31で処理された複数の撮像画像に対して、切替えおよび合成の少なくともいずれかの調整を行って、表示画像を生成する処理が行われる。特に、本実施形態では、画像出力調整部32が画像切替部41を備えており、この画像切替部41において、観察者の指示に応じて、複数の撮像画像を切り替えて、すなわち、複数の撮像画像の中から1つを選択して、表示画像として出力する。
表示制御部33では、画像出力調整部32から出力される表示画像をモニタ3に表示させる処理が行われる。
カメラ制御部34では、複数のカメラ部6a〜6eの撮像部12、ミラー回転アクチュエータ14およびカメラ回転アクチュエータ15の制御が行われる。
視線方向設定部35では、観察者の指示に応じて、複数のカメラ部6a〜6eの視線方向、すなわち撮像角度(パン角度およびチルト角度)を設定する処理が行われる。この視線方向設定部35で設定された視線方向に基づいて、カメラ制御部34において、ミラー回転アクチュエータ14およびカメラ回転アクチュエータ15が制御される。これにより、複数のカメラ部6a〜6eの視線方向を手動で調整することができる。
注視位置設定部36では、観察者の指示に応じて、被写体上の注視位置を設定する処理が行われる。この注視位置設定部36で設定された注視位置に基づいて、視線方向設定部35において、複数のカメラ部6a〜6eの各視線方向が被写体上の同一の注視位置を向く、すなわち注視位置が撮像画像の中央になるように、複数のカメラ部6a〜6eの視線方向を設定する処理が行われ、この視線方向設定部35で設定された視線方向に基づいて、カメラ制御部34において、ミラー回転アクチュエータ14およびカメラ回転アクチュエータ15が制御される。
注視位置追跡部37では、内視鏡1が動くことで相対的に移動する被写体上の注視位置を追跡する処理が行われる。この注視位置追跡部37の追跡結果に基づいて、視線方向設定部35において、複数のカメラ部6a〜6eの各視線方向が被写体上の注視位置を向くように、複数のカメラ部6a〜6eの視線方向を設定する処理が行われ、この視線方向設定部35で設定された視線方向に基づいて、カメラ制御部34において、ミラー回転アクチュエータ14およびカメラ回転アクチュエータ15が制御される。なお、この注視位置追跡処理には公知の物体追跡技術を利用すればよい。
指示内容取得部38では、指示検出器4で検出された観察者の指示動作を解析して、その指示動作に対応する指示内容を取得する処理が行われる。特に、本実施形態では、モニタ3の表示画面および複数のカメラ部6a〜6eに関する指示内容を取得する。モニタ3の表示画面に関する指示内容としては、複数のカメラ部6a〜6eによる複数の撮像画像を切り替えてモニタ3に表示させる際の切り替えの指示に関するものである。カメラ部6a〜6eに関する指示内容としては、観察者が注視位置を指定する際の注視位置や、視線方向を手動で調整する際の視線方向に関するものである。
次に、図1に示した指示検出器4について説明する。図6は、指示検出器4で観察者が指示を行う状況を示す斜視図である。
指示検出器4は、モニタ3の表示画面を見ながら行われる観察者の指示動作を検出するものであり、モニタ3の近傍に配置される。特に、本実施形態では、指示検出器4が、観察者が行うジェスチャ、観察者が発話する音声、観察者の視線、観察者が行うタッチ操作、および観察者が行うボタン操作の少なくともいずれかを検出するように構成される。
観察者が行うジェスチャを検出する場合には、指示検出器4を、カメラおよび画像認識部などで構成し、カメラにより観察者を撮像した撮像画像から、画像認識部において公知の画像認識技術を利用してジェスチャ、すなわち手や腕の動きを検出する。また、観察者が発話する音声を検出する場合には、指示検出器4を、マイクおよび音声認識部などで構成し、マイクから入力された音声を、音声認識部において公知の音声認識技術を利用して音声を文字情報に変換する。また、観察者の視線を検出する場合には、指示検出器4を、カメラおよび視線検出部などで構成し、カメラにより観察者の目を撮像した撮像画像から、視線検出部において公知の視線検出技術を利用して観察者の視線、すなわち目の動きを検出する。また、観察者が行うタッチ操作を検出する場合には、指示検出器4を、モニタの画面に重ねて配置されたタッチパネルおよび制御部などで構成し、タッチパネル上で行われるタッチ操作を検出する。また、観察者が行うボタン操作を検出する場合には、指示検出器4を、ボタンが配列された操作部および制御部などで構成し、操作部で行われるボタン操作を検出する。
この第1実施形態では、指示検出器4を用いて、複数のカメラ部6a〜6eによる複数の撮像画像を切り替える指示や、注視位置を指定する指示が行われる。例えば、ジェスチャで指示する場合、撮像画像を切り替える指示では、手や腕を横に振る動作で画像の切り替えが行われるようにすればよく、また、注視位置を指定する指示では、モニタ3の画面上に注視位置を示すポインタを表示させ、このポインタを手や腕を振る方向に応じて移動させることで注視位置を指定するようにすればよい。
図7は、画像切り替え時の画像信号のゲインの変化状況を示す説明図である。ここでは、複数のカメラ部6a〜6eによる複数の撮像画像を切り替えて出力する際に、切り替え元の画像信号と切り替え先の画像信号とを合成して出力し、このとき、切り替え元の画像信号および切り替え先の画像信号にゲインを乗じて合成信号を生成するようにしている。特にここでは、切り替え元の画像信号および切り替え先の画像信号にそれぞれ乗じるゲインを徐々に変化させる、すなわち画像信号同士の合成割合を徐々に変化させるようにしている。
図7(A)に示す例では、ゲインを直線状に、すなわち一定の傾きで変化させており、図7(B)に示す例では、ゲインを曲線状に、すなわち傾きを徐々に変えながら変化させている。このように、撮像画像を切り替えて出力する際に、画像信号同士の合成割合を徐々に変化させることにより、モニタ3に表示される画像が時間をかけて入れ替わるため、画像が切り替えられたことを観察者が自然に認識することができる。なお、画像信号にゲインを乗じることなく、切り替え元の画像信号から切り替え先の画像信号に単純に切り替えるようにしてもよい。
なお、この第1実施形態では、複数のカメラ部6a〜6eにより得られた視線方向の異なる複数の画像を、1つのモニタ3で切り替えて表示するようにしたが、視線方向の異なる複数の画像を1つの画面に並べて表示するようにしてもよい。また、モニタ3を複数設けて、視線方向の異なる複数の画像を複数のモニタ3に別々に表示するようにしてもよい。
このように第1実施形態では、観察対象の内部の被写体を複数のカメラ部6a〜6eで撮像して、その複数のカメラ部6a〜6eの各々による複数の撮像画像に対して切替えの調整を行い、これにより生成した表示画像をモニタ3に表示させるようにしたため、内視鏡1を動かすことなく、観察者が必要とする適切な画像を簡単にモニタ3に表示させることができる。
特に、この第1実施形態では、複数のカメラ部6a〜6eが、各々の視線方向が被写体上の同一の注視位置に向けられるように設定されているため、視線方向が異なる複数の撮像画像を同時に取得することができ、これにより、内視鏡1を動かすことなく、被写体上の注目する部分を異なる方向から観察することができる。
また、この第1実施形態では、画像出力調整部32において、観察者の指示に応じて、複数の撮像画像を切り替えて表示画像として出力するようにしたため、1つのモニタ3で被写体上の注目する部分を異なる方向から観察することができる。
また、この第1実施形態では、複数のカメラ部6a〜6eの視線方向を個別に変更する視線調整機構を設け、注視位置を指定する観察者の指示に応じて、複数のカメラ部6a〜6eの各々の視線方向が同一の注視位置に向けられるように複数のカメラ部の視線方向を設定して、その視線方向に基づいて視線調整機構を制御するようにしたため、観察者は注視位置を指定するだけで済み、複数のカメラ部6a〜6eの視線方向を個別に調整する手間を省くことができる。さらに、この第1実施形態では、内視鏡1が動くことで相対的に移動する被写体上の注視位置を追跡するようにしたため、内視鏡1が動いても、注視位置を指定し直す手間を省くことができる。
また、この第1実施形態では、指示検出器4を用いて、モニタ3の表示画面に関する指示や、複数のカメラ部6a〜6eの視線方向に関する指示を行うようにしたため、観察者が必要とするより一層適切な画像を簡単にモニタ3に表示させることができる。
特に、この第1実施形態では、指示検出器4を用いて、観察者が行うジェスチャ、観察者が発話する音声、観察者の視線、観察者が行うタッチ操作、および観察者が行うボタン操作の少なくともいずれかにより観察者が指示を行うため、コントローラ2が観察者の指示内容を的確に取得することができる。特に、ジェスチャを検出する場合には、その場で片手だけで指示を行うことができ、また、音声や視線を検出する場合には、手を使わずに指示を行うことができることから、内視鏡手術において、内視鏡やメスおよび鉗子などの手術器具を保持しているなどの都合で、移動したり手を使ったりすることが面倒な状態でも、観察者が簡単に指示を行うことができるため、術者や補助者の負担を軽減することができる。
また、この第1実施形態では、複数のカメラ部6a〜6eが、挿入部5の長手方向に並んで配列されて、この配列方向に概ね直交する向きに視線方向が設定されるようにしたため、挿入部5を細径に形成することができることから、挿入部5を挿入する作業が容易になる。特に、内視鏡手術では、挿入部5を挿入するための切開部分を小さくすることができるため、患者の負担を軽減することができる。
また、この第1実施形態では、複数のカメラ部6a〜6eの各々が、視線方向を前記挿入部の長手方向に変化させるパン動作機構と、視線方向を前記挿入部の長手方向に直交する向きに変化させるチルト動作機構とを備えたものとしたため、複数のカメラ部6a〜6eの各々の視線方向を任意の方向に変化させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る内視鏡システムについて説明する。なお、ここで特に言及しない点は第1実施形態と同様である。
図8は、第2実施形態に係る内視鏡システムにおける撮像および画像出力調整の要領を説明する説明図である。
この第2実施形態では、第1〜第5のカメラ部6a〜6eが、被写体上の互いにずれた領域を撮像するように視線方向が設定されており、第1〜第5のカメラ部6a〜6eから、互いに撮像領域がずれた第1〜第5の個別撮像画像が出力される。そして、第1〜第5の個別撮像画像を接合して1つの連続した合成画像を生成して、その合成画像の全体を表示画像とし、あるいは合成画像の一部を切り出して表示画像を生成して、その表示画像をモニタ3に表示する。このとき、合成画像の全体を表示画像とし、あるいは合成画像の広い範囲を切り出せば、被写体の広い範囲を写した広角画像が表示され、合成画像の狭い範囲を切り出し、解像度変換し画面全体に拡大表示すれば、被写体の狭い範囲を写した拡大画像が表示される。
図8に示す例では、合成画像から第1〜第3の表示範囲を切り出して第1〜第3の表示画像を生成し、その第1〜第3の表示画像をそれぞれ3つのモニタ3に表示するようにしており、広い第1の表示範囲を切り出した第1の表示画像が表示されるモニタ3では、被写体の広い範囲を写した広角画像が表示されるため、手術の補助者が見る場合に適している。狭い第3の表示範囲を切り出した第3の表示画像が表示されるモニタ3では、被写体の狭い範囲を写した拡大画像が表示されるため、手術の術者が見る場合に適している。
ここで、合成画像から切り出す範囲の位置を変更することで、表示画像に擬似的なパンおよびチルトの動作を行わせることができる。すなわち、切り出す範囲を横方向にずらすことで、パン動作を行わせることができ、切り出す範囲を縦方向にずらすことで、チルト動作を行わせることができる。また、合成画像から切り出す範囲の大きさを拡大・縮小することで、表示画像に擬似的なズーム動作を行わせることができる。すなわち、切り出す範囲の大きさを小さくすることで拡大表示され、切り出す範囲の大きさを大きくすることで縮小表示される。
次に、第2実施形態に係るコントローラ2について説明する。図9は、第2実施形態に係るコントローラ2の概略構成を示す機能ブロック図である。
この第2実施形態では、コントローラ2の画像出力調整部32が、画像合成部42と、画像切り出し部43と、を備えている。
画像合成部42では、複数のカメラ部6a〜6eで撮像された複数の個別撮像画像を接合(パノラマ合成)して1つの連続した合成画像を生成する処理が行われる。複数のカメラ部6a〜6eの各撮像範囲は、隣り合う2つのカメラ部6a〜6e同士で一部重複するように、各カメラ部6a〜6eの視線方向が設定されており、個別撮像画像に生じる重複部分を利用して個別撮像画像を接合する処理が行われる。
画像切り出し部43では、表示条件を指定する観察者の指示に応じて、合成画像から、表示条件に応じた範囲を切り出して、表示画像を生成する処理が行われる。表示条件は、表示画像の表示領域を移動させるパンおよびチルト、ならびに表示画像の表示領域を拡大および縮小させるズームに関するものであり、観察者の指示に応じて、合成画像から切り出す範囲の位置を変更することで、表示画像に擬似的なパンおよびチルトの動作を行わせ、また、合成画像から切り出す範囲の大きさを変更することで、表示画像に擬似的なズーム動作を行わせることができる。
なお、切り出しを行わずに、合成画像をそのままモニタ3に表示させるようにしてもよい。また、画像切り出し部43で行われる処理は、複数のモニタ3に表示させる表示画像ごとに独立して行われ、これにより、各モニタ3を見る観察者が自由にパンおよびチルトならびにズームの動作を行わせることができる。
また、コントローラ2は、画像重複検出部51を備えている。画像合成部42では、個別撮像画像の重複部分を利用して個別撮像画像を接合する合成処理が行われるが、個別撮像画像の重複状況は、カメラ部6a〜6eから被写体までの距離に応じて変化する。そこで、画像重複検出部51において、個別撮像画像の重複状況を検出する処理が行われる。
この画像重複検出部51で検出された個別撮像画像の重複状況に基づいて、視線方向設定部35において、個別撮像画像に適切な重複部分が生じるように、複数のカメラ部6a〜6eの視線方向を設定する処理が行われる。そして、視線方向設定部35で設定された視線方向に基づいて、カメラ制御部34において、ミラー回転アクチュエータ14およびカメラ回転アクチュエータ15が制御される。
図10は、画像合成時の画像信号のゲインの変化状況を示す説明図である。ここでは、複数のカメラ部6a〜6eによる複数の個別撮像画像を接合する合成処理で、隣り合うカメラ部6a〜6eの2つの個別撮像画像の画像信号、すなわちn番目のカメラ部6a〜6eの画像信号およびn+1番目のカメラ部6a〜6eの画像信号にゲインを乗じた上で2つの画像信号を合成することで、個別撮像画像の重複部分の画像信号を生成するようにしている。特にここでは、画像信号に乗じるゲインを徐々に変化させる、すなわち画像信号同士の合成割合を徐々に変化させるようにしている。
図10(A)に示す例では、ゲインを直線状に、すなわち一定の傾きで変化させており、図10(B)に示す例では、ゲインを曲線状に、すなわち傾きを徐々に変えながら変化させている。このように、個別撮像画像の重複部分の画像信号を生成する際に、画像信号同士の合成割合を徐々に変化させることにより、個別撮像画像の接合部分が目立たなくなり、違和感のない自然な合成画像を得ることができる。
なお、この第2実施形態では、モニタ3を複数設けて、合成画像上での切り出し範囲の異なる表示画像を複数のモニタ3に別々に表示させるようにしたが、このモニタ3の個数は必要に応じて適宜に増減することができ、例えばモニタ3を1つのみとしてもよい。
また、この第2実施形態では、カメラ部6a〜6eにより得られた複数の撮像画像を合成するようにしたが、この複数の撮像画像を合成することなくそのまま出力するようにしてもよい。この場合、1つのモニタ3で複数の撮像画像を切り替えて表示したり、複数の撮像画像を1つの画面に並べて表示したり、複数の撮像画像を複数のモニタ3に別々に表示したりするようにしてもよい。
また、この第2実施形態では、第1実施形態と同様に、カメラ部6a〜6eが、視線方向を機械的に調整する視線調整機構、すなわちパン動作機構およびチルト動作機構を有するものとしたが、この第2実施形態では、このような視線調整機構は必ずしも必要ではなく、視線調整機構を有しない構成も可能である。もっとも、カメラ部6a〜6eから被写体までの距離に関係なく、撮像画像の重複部分を適切に形成する上では、視線調整機構を有するものが望ましい。
このように第2実施形態では、観察対象の内部の被写体を複数のカメラ部6a〜6eで撮像して、その複数のカメラ部6a〜6eの各々による複数の撮像画像に対して合成および切り出しの調整を行い、これにより生成した表示画像をモニタ3に表示させるようにしたため、内視鏡1を動かすことなく、観察者が必要とする適切な画像を簡単にモニタ3に表示させることができる。
また、この第2実施形態では、複数のカメラ部6a〜6eが、被写体上の互いにずれた領域を撮像するように視線方向が設定されるようにしたため、被写体の広い範囲を同時に撮像することができることから、内視鏡1を動かすことなく、被写体の広い範囲を観察することができる。
また、この第2実施形態では、複数の撮像画像を接合して1つの連続した合成画像を生成して、その合成画像の全部または一部を表示画像とするようにしたため、広範囲でかつ高分解能の表示画像を得ることができる。すなわち、複数の撮像画像を接合するため、広範囲の画像を得ることができ、また、複数のカメラ部6a〜6eで分担して被写体を撮像するため、各カメラ部6a〜6eの視野角(画角)を狭く設定することができることから、高分解能の画像を得ることができる。
また、この第2実施形態では、表示画像に関する表示条件を指定する観察者の指示に応じて、合成画像から表示条件に応じた範囲を切り出して表示画像を生成するようにしたため、観察者が必要とする被写体の範囲を自由に表示させることができる。そして、表示画像の元になる合成画像の解像度が高いため、狭い範囲を切り出して表示画像を生成しても、十分な分解能の画像を表示させることができる。
また、この第2実施形態では、合成画像から切り出す範囲の位置を変更することで、表示画像に擬似的なパンおよびチルトの動作を行わせ、また、合成画像から切り出す範囲の大きさを変更することで、表示画像に擬似的なズーム動作を行わせるようにしたため、観察者の利便性を高めることができる。そして、表示画像の元になる合成画像の解像度が高いため、高分解能の表示画像でパンおよびチルトを行うことができ、また、ズームで拡大しても、十分な分解能の画像を表示させることができる。
また、この第2実施形態では、観察者ごとに設けられた複数のモニタ3に、合成画像の任意の範囲を別々に表示させるようにしたため、複数の観察者の各々が必要とする被写体の領域をモニタ3に表示させることができることから、観察者の利便性を高めることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る内視鏡システムについて説明する。なお、ここで特に言及しない点は第1実施形態と同様である。
図11は、第3実施形態に係る内視鏡システムにおける内視鏡1の挿入部5を示す側面図である。
この第3実施形態では、内視鏡1の挿入部5に第1〜第3のカメラ部6a〜6cが配置されている。また、第1〜第3のカメラ部6a〜6cの間には屈曲部61が設けられており、この屈曲部61を屈曲させることで、第1〜第3のカメラ部6a〜6cの視線方向を変化させることができるようになっている。また、屈曲部61の近傍には、屈曲アクチュエータ63が設けられている。この屈曲アクチュエータ63は、電動モータなどで構成され、屈曲部61に屈曲動作を行わせる。
観察対象の内部に挿入部5を挿入する際には、図11(A)に示すように、挿入部5を真直な状態とすると、観察対象に挿入部を挿入する作業が容易になり、観察対象に挿入された後に、図11(B)に示すように、屈曲部61を屈曲させた状態とする。
次に、第3実施形態に係る内視鏡システムにおける撮像および画像出力調整の要領について説明する。図12は、第3実施形態に係る内視鏡システムにおける撮像および画像出力調整の要領を説明する説明図である。
この第3実施形態では、第1〜第3のカメラ部6a〜6cにおいて、撮像窓8が設けられた側が優角(180度より大きな角度)となり、撮像窓8と相反する側が劣角(180度より小さな角度)となるように屈曲部61を屈曲させている。これにより、第1〜第3のカメラ部6a〜6cの視線方向が放射状に広がる状態とすることができる。
画像出力調整の要領は、第2実施形態と同様であり、第1〜第3のカメラ部6a〜6cから、互いに撮像領域がずれた第1〜第3の個別撮像画像が出力され、この第1〜第3の個別撮像画像を接合して合成画像を生成する。そして、合成画像の全体、あるいはその一部を切り出して表示画像を生成し、その表示画像をモニタ3に表示する。
このとき、合成画像の全体を表示画像とし、あるいは合成画像の広い範囲を切り出して表示画像とすれば、被写体の広い範囲を写した広角画像をモニタ3に表示させることができる。また、合成画像の狭い広い範囲を切り出せば、被写体の狭い範囲を写した拡大画像をモニタ3に表示させることができる。また、合成画像から切り出す範囲の位置を変更することで、表示画像に擬似的なパンおよびチルトの動作を行わせることができ、また、合成画像から切り出す範囲の大きさを変更することで、表示画像に擬似的なズーム動作を行わせることができる。
次に、第3実施形態に係るコントローラ2について説明する。図13は、第3実施形態に係るコントローラ2の概略構成を示す機能ブロック図である。
この第3実施形態では、コントローラ2が、屈曲角設定部65と、屈曲制御部66と、を備えている。屈曲角設定部65では、観察者の指示に応じて、屈曲部61の屈曲角を設定する処理が行われる。屈曲制御部66では、屈曲角設定部65で設定された屈曲角となるように屈曲アクチュエータ63を制御する。これにより、観察者の指示に応じた任意の屈曲角に設定することができる。
なお、屈曲部61の屈曲角を一定として、観察者の指示に応じて、所定の屈曲角となるように屈曲アクチュエータ63を制御する構成としてもよい。
なお、この第3実施形態では、屈曲部61の近傍に屈曲アクチュエータ63を設けて、屈曲部61に屈曲動作を行わせるようにしたが、この屈曲動作機構には種々の構成が可能であり、例えば、挿入部5の基部に屈曲アクチュエータを設けて、この屈曲アクチュエータにより、挿入部5に挿通されたワイヤを押し引きすることで、屈曲部61に屈曲動作を行わせる構成としてもよい。
このように第3実施形態では、複数のカメラ部6a〜6cの間に屈曲部61を設けて、この屈曲部61を屈曲させることで、複数のカメラ部6a〜6cの視線方向を変化させるようにしたため、全体として極めて広い視野角、例えば180度を超える大きな視野角を実現することができる。このため、被写体の極めて広い範囲を同時に撮像することができ、これにより、内視鏡を動かすことなく、被写体の極めて広い範囲を観察することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る内視鏡システムについて説明する。なお、ここで特に言及しない点は第1実施形態と同様である。
図14は、第4実施形態に係る内視鏡システムにおける撮像および画像出力調整の要領を説明する説明図である。図15は、第4実施形態に係る内視鏡システムにおける画像出力調整の要領を詳しく説明する説明図である。
この第4実施形態では、図14に示すように、内視鏡1の挿入部5に第1〜第3の3つのカメラ部6a〜6cが配置され、両側の第1,第3のカメラ部6a,6cは広角(広い視野角)に設定され、中間の第2のカメラ部6bは狭角(狭い視野角)に設定されており、第1,第3のカメラ部6a,6cによる第1,第3の個別撮像画像(広角撮像画像)から、被写体上の注視位置を含む広い範囲を写した第1の表示画像(監視用の表示画像)を生成し、第2のカメラ部6bによる第2の個別撮像画像(狭角撮像画像)から、被写体上の注視位置を含む狭い範囲を写した第2の表示画像(注視用の表示画像)を生成する。
また、この第4実施形態では、術者用および補助者用の2つのモニタ3が設けられ、補助者用のモニタ3に第1の表示画像(監視用の表示画像)が表示され、術者用のモニタ3に第2の表示画像(注視用の表示画像)が表示される。
特に、この第4実施形態では、図15に示すように、第1,第3のカメラ部6a,6cによる第1,第3の個別撮像画像を接合して1つの連続した1次合成画像を生成し、この1次合成画像の全体を第1の表示画像(監視用の表示画像)とし、あるいは一部を広い範囲で切り出して第1の表示画像を生成する。第1,第3のカメラ部6a,6cは、撮像範囲が一部重複するように設定されており、第1,第3のカメラ部6a,6cによる第1,第3の個別撮像画像の重複部分を利用して、第1,第3の個別撮像画像を接合する。
ここで、1次合成画像の一部を切り出して第1の表示画像を生成した場合、前記の実施形態と同様に、観察者の指示に応じて、1次合成画像から切り出す範囲の位置を変更することで、第1の表示画像に擬似的なパンおよびチルトの動作を行わせることができ、また、1次合成画像から切り出す範囲の大きさを変更することで、第1の表示画像に擬似的なズーム動作を行わせることができる。
また、この第4実施形態では、第2のカメラ部6bによる第2の個別撮像画像(狭角撮像画像)と1次合成画像とを合成する、すなわち、1次合成画像上で第2の個別撮像画像と同じ領域を撮像した部分を検出して、その部分に第2の個別撮像画像を埋め込む処理を行って、1つの連続した2次合成画像を生成し、その2次合成画像から第2の個別撮像画像を含む範囲を切り出して、第2の表示画像(注視用の表示画像)を生成する。即ち、第2の個別撮像画像(狭角撮像画像)は撮像範囲が狭いため一般的に解像度が高くなるため、解像度変換などによって1次合成画像との表示領域の位置・拡大率の整合性をとる。このとき、第2の表示画像の略中心に第2の個別撮像画像が位置するように切り出す。
ここで、前記の実施形態と同様に、観察者の指示に応じて、2次合成画像から切り出す範囲の位置を変更することで、第2の表示画像に擬似的なパンおよびチルトの動作を行わせることができ、また、2次合成画像から切り出す範囲の大きさを変更することで、第2の表示画像に擬似的なズーム動作を行わせることができる。このとき、被写体の広い範囲を表示する補助者用のモニタ3の画面を見て、パンおよびチルトの方向を指定するようにしてもよい。
また、この第4実施形態では、第2の表示画像(注視用の表示画像)にパンおよびチルトの表示動作を行わせる際に、第2のカメラ部6bによる第2の個別撮像画像(狭角撮像画像)が第2の表示画像の略中央に位置するように、第2のカメラ部6bの視線方向が制御される。
次に、第4実施形態に係るコントローラ2について説明する。図16は、第4実施形態に係るコントローラの概略構成を示す機能ブロック図である。
この第4実施形態では、第2実施形態と同様に、コントローラ2の画像出力調整部32が、画像合成部42と、画像切り出し部43と、を備えている。
画像合成部42では、第1,第3のカメラ部6a,6cによる第1,第3の個別撮像画像(広角撮像画像)を接合して1次合成画像を生成する処理が行われる。また、第2のカメラ部6bによる第2の個別撮像画像(狭角撮像画像)を1次合成画像と合成して2次合成画像を生成する処理が行われる。
画像切り出し部43では、1次合成画像から所要の表示範囲を切り出して第1の表示画像(監視用の表示画像)を生成する処理が行われる。また、2次合成画像から所要の表示範囲を切り出して第2の表示画像(注視用の表示画像)を生成する処理が行われる。
また、コントローラ2の視線方向設定部35では、注視用の表示画像の表示領域を移動させる観察者の指示、パンおよびチルトの指示に応じて、第2のカメラ部6bの撮像範囲が、注視用の表示画像の領域内、特に注視用の表示画像の略中心に位置するように、第2のカメラ部6bの視線方向を設定する処理が行われ、ここで設定された視線方向に基づいて、カメラ制御部34において第2のカメラ部6bの視線調整機構を構成するミラー回転アクチュエータ14およびカメラ回転アクチュエータ15が制御される。
なお、この第4実施形態では、モニタ3を2つ設けて、注視用の表示画像および監視用の表示画像を2つのモニタ3に別々に表示するようにしたが、モニタ3を1つのみとして、その1つのモニタ3で注視用の表示画像および監視用の表示画像を切り替えて表示し、あるいは1つの表示画面に注視用の表示画像および監視用の表示画像を並べて表示するようにしてもよい。
また、この第4実施形態では、2つのカメラ部6a,6cを広い視野角に設定し、1つのカメラ部6bを狭い視野角に設定したが、狭い視野角に設定するカメラ部を2つ以上とすることも可能であり、また、広い視野角に設定するカメラ部を1つのみ設けたり3つ以上設けたりしてもよい。
また、この第4実施形態では、注視用の表示画像を、2次合成画像から狭角撮像画像とその周辺部を含む範囲を切り出して生成するようにしたが、狭角撮像画像をそのまま注視用の表示画像とし、あるいは狭角撮像画像の一部を切り出して注視用の表示画像を生成するようにしてもよい。この場合は、第2の個別撮像画像(狭角撮像画像)は撮像範囲が狭いため一般的に解像度が高くなるため、解像度変換による1次合成画像との表示領域の位置・拡大率の整合性をとる処理を行わなくてもよい。
このように第4実施形態では、狭い視野角に設定された第2のカメラ部6bによる狭角撮像画像から、被写体上の注視位置を含む狭い範囲を写した注視用の表示画像を生成し、広い視野角に設定された第1,第3のカメラ部6a,6cによる広角撮像画像から、被写体上の注視位置を含む広い範囲を写した監視用の表示画像を生成するようにしたため、高分解能な注視用の表示画像と広い範囲を写した監視用の表示画像とを同時に取得することができる。そして、被写体上の注視位置が高分解能な画像で表示されるため、注視位置を詳しく観察することができ、同時に、注視位置の周辺部分が広い範囲で表示されるため、周辺部分を広く観察することができる。
また、この第4実施形態では、観察者ごとに設けられた複数のモニタ3に、注視用の表示画像および監視用の表示画像を別々に表示させるようにしたため、内視鏡手術の術者など、被写体上の狭い領域を詳しく観察する必要がある観察者が、専用のモニタ3で注視用の表示画像を見ることができ、同時に、内視鏡手術の補助者など、被写体上の広い領域を観察する必要がある観察者が、専用のモニタ3で監視用の表示画像を見ることができる。
また、この第4実施形態では、複数のカメラ部6a,6cが広い視野角に設定され、これらのカメラ部6a,6cによる複数の広角撮像画像を接合して1つの連続した合成画像を生成して、その合成画像の全部または一部を監視用の表示画像とするようにしたため、広範囲でかつ高分解能な監視用の表示画像を取得することができる。
また、この第4実施形態では、狭角撮像画像と広角撮像画像とを合成した合成画像を生成して、その合成画像から狭角撮像画像を含む範囲を切り出して、注視用の表示画像を生成するようにしたため、被写体上で観察者が注目する部分を高分解能な画像で観察すると同時に周辺部分も観察することができる。
また、この第4実施形態では、複数のカメラ部6a〜6cの視線方向を個別に変更する視線調整機構を設け、注視用の表示画像の表示領域を移動させる観察者の指示に応じて、狭い視野角に設定された第2のカメラ部6bの撮像範囲が、注視用の表示画像の領域内に位置するように、第2のカメラ部6bの視線方向を設定して、その視線方向に基づいて第2のカメラ部6bの視線調整機構を制御するようにしたため、常時、第2のカメラ部6bによる高分解能な狭角撮像画像が注視用の表示画像内に位置し、注視用の表示画像の表示領域を移動させても、被写体上の重要な部分を高分解能な画像で観察することができる。
次に、第1〜第4の実施形態に係る内視鏡システムの変形例について説明する。
図17は、内視鏡1の挿入部5の変形例を示す側面図である。ここでは、前記の例と同様に、挿入部5に複数のカメラ部6a〜6eが並んで設けられているが、特にここでは、挿入部5におけるカメラ部6a〜6eより基端側の位置に屈曲部71が設けられている。
このように構成すると、観察対象の内部に挿入部5を挿入する際、図17(A)に示すような真直な状態とすることで、挿入部5を挿入する作業が容易になる。そして、観察対象の内部に挿入部5が挿入されて、観察対象の内部を観察する際には、必要に応じて、図17(A)に示すような真直な状態としたり、図17(B)に示すような屈曲した状態としたりすることで、観察対象の内部を自由に観察することができる。
図18は、第1実施形態に係る内視鏡システムの変形例を示す説明図である。ここでは、内視鏡1の挿入部5に複数のカメラ部81a〜81cが設けられており、このカメラ部81a〜81cは、前記の実施形態とは異なり、視線方向を機械的に調整する視線調整機構、すなわちパン動作機構およびチルト動作機構を備えておらず、複数のカメラ部81a〜81cの視線方向は一定となっている。
このような構成で、複数のカメラ部81a〜81cにより注視物が映る撮像画像を取得して、その撮像画像から注視物を含む領域を切り出して表示画像を生成すると、複数のカメラ部81a〜81cの視線方向を調整することなく、画像出力調整部32における切り出しの調整のみで、第1実施形態と同様に、視線方向が異なる複数の表示画像を取得することができる。
この場合、画像出力調整部32は、注視位置を指定する観察者の指示に応じて、注視位置の領域を各撮像画像から検出して、その注視位置の領域を含む範囲を撮像画像から切り出すようにすればよい。
以上、本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。また、上記実施形態に示した本発明に係る内視鏡システムの各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
例えば、第1〜第4の各実施形態では、それぞれ特徴ある構成について説明したが、この第1〜第4の各実施形態で説明した構成を適宜に組み合わせることも可能である。例えば、第1実施形態を視点移動モード、第2実施形態を高分解能モード、第3実施形態を超広角化モード、第4実施形態を広角・狭角併用モードとして、これらの動作モードを必要に応じて切り替えるようにする。この場合、挿入部が屈曲する構成とすることで、第3実施形態の超広角化モードと他の動作モードとを同一のシステムで実現することができる。また、カメラ部にズーム機能を付加すれば、視野角(画角)を変更することができるため、第4実施形態の広角・狭角併用モードと他の動作モードとを同一のシステムで実現することができる。
また、第1,第2の各実施形態では、カメラ部を5つ配置し、第3,第4の各実施形態では、カメラ部を3つ配置したが、カメラ部の配置数はこれに限定されるものではなく、2つや4つ、あるいは6つ以上配置することも可能である。
また、第1〜第4の各実施形態では、複数のカメラ部が挿入部の長手方向に並んで配列された構成としたが、カメラ部の配置はこのような1次元的なものに限定されず、複数のカメラ部を2次元的に配置することも可能である。
また、第1〜第4の各実施形態では、2次元の画像をモニタで表示するようにしたが、複数のカメラ部による撮像画像から3次元画像を生成して、その3次元画像を3次元モニタに表示するようにしてもよい。このようにすると、臓器などの被写体を立体的に観察することができるため、手術や検査の効率を向上させることができる。この場合、2つのカメラ部による撮像画像を用いて2視点による3次元表示を行う他、3つ以上のカメラ部による撮像画像を用いて多視点による3次元表示を行うことも可能である。また、3次元表示方式も、眼鏡式、裸眼式、およびヘッドマウントディスプレイなど、種々の方式を採用することができる。
また、第1〜第4の各実施形態では、複数のカメラ部に、視線方向を変更する視線調整機構(パン動作機構およびチルト動作機構)を設けるようにしたが、カメラ部に視線調整機構を設けない構成も可能である。
すなわち、第1実施形態では、図18に示したように、切り出しの調整を行うことで、視線調整機構のない構成でも同様の機能を実現することができる。また、カメラ部から所定の距離にある点を注視位置に予め設定して、その注視位置に各々の視線方向が向けられるように複数のカメラ部を設定するようにしてもよい。
また、第2〜第4の実施形態では、視線調整機構がない場合、個別撮像画像に適切な重複部分が生じるように視線方向を設定する位置合わせの処理ができないが、個別撮像画像に重複部分が生じる範囲内で使用するようにすれば、視線調整機構のない構成でも同様の機能を実現することができる。
また、第1〜第4の各実施形態では、複数のカメラ部の全てに視線調整機構を設けるようにしたが、複数のカメラ部の一部に視線調整機構を設ける構成も可能である。例えば、第2〜第4の実施形態では、1つのカメラ部を除く残りのカメラ部に視線調整機構を設ければ、個別撮像画像に適切な重複部分が生じるように視線方向を設定する位置合わせの処理が可能になる。
本発明にかかる内視鏡システムは、複数の内視鏡を用いることなく、また、内視鏡を動かすことなく、適切な画像を簡単に表示装置に表示させることができる効果を有し、観察対象の内部の被写体を撮像する内視鏡と、この内視鏡で行われる撮像を制御するとともにその内視鏡から出力される撮像画像を処理する制御装置と、この制御装置から出力される画像を表示する表示装置と、を備えた内視鏡システムなどとして有用である。
1 内視鏡
2 コントローラ(制御装置)
3 モニタ(表示装置)
4 指示検出器(指示検出装置)
5 挿入部
6a〜6e カメラ部
12 撮像部
13 可動ミラー
14 ミラー回転アクチュエータ
15 カメラ回転アクチュエータ
31 画像処理部
32 画像出力調整部
33 表示制御部
34 カメラ制御部
35 視線方向設定部
36 注視位置設定部
37 注視位置追跡部
38 指示内容取得部
41 画像切替部
42 画像合成部
43 画像切り出し部
51 画像重複検出部
61 屈曲部
63 屈曲アクチュエータ
65 屈曲角設定部
66 屈曲制御部

Claims (9)

  1. 観察対象の内部の被写体を撮像する内視鏡と、
    この内視鏡で行われる撮像を制御するとともにその内視鏡から出力される撮像画像を処理する制御装置と、
    この制御装置から出力される表示画像を表示する表示装置と、
    を備えた内視鏡システムであって、
    前記内視鏡は、
    観察対象の内部に挿入される挿入部に複数のカメラ部と、前記カメラ部の視線方向を個別に変更する視線調整機構とを備え、
    前記制御装置は、
    注視位置を指定する観察者の指示に応じて、複数の前記カメラ部の各々の視線方向が同一の前記注視位置に向けられるように前記カメラ部の視線方向を設定する視線方向設定部と、この視線方向設定部で設定された視線方向に基づいて、前記視線調整機構を制御するカメラ制御部と、複数の前記カメラ部の各々による複数の撮像画像に対する切替えの調整を行って、前記表示画像を生成する画像出力調整部とを備え、
    この画像出力調整部で生成した前記表示画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする内視鏡システム。
  2. 観察対象の内部の被写体を撮像する内視鏡と、
    この内視鏡で行われる撮像を制御するとともにその内視鏡から出力される撮像画像を処理する制御装置と、
    この制御装置から出力される表示画像を表示する表示装置と、
    を備えた内視鏡システムであって、
    前記内視鏡は、観察対象の内部に挿入される挿入部に複数のカメラ部を備えて、被写体上の互いにずれた領域を撮像するように視線方向が設定され、
    前記制御装置は、
    複数の前記カメラ部の各々による複数の撮像画像を接合して1つの連続した合成画像を生成し、前記表示画像の表示領域を移動させるパンおよびチルトに関する表示条件を指定する観察者の指示に応じて、前記合成画像から前記表示条件に応じた範囲を切り出して前記表示画像を生成する画像出力調整部を備えて、前記合成画像から切り出す範囲の位置を変更することで、前記表示画像に擬似的なパンおよびチルトの動作を行わせ、
    前記画像出力調整部で生成した前記表示画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする内視鏡システム。
  3. 前記挿入部は、複数の前記カメラ部の間に屈曲部を有し、この屈曲部を屈曲させることで、複数の前記カメラ部の視線方向を変化させるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
  4. 複数の観察者ごとに複数の前記表示装置を備え、
    前記制御装置は、観察者の指示に応じて、前記合成画像の任意の範囲を複数の前記表示装置に別々に表示させることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の内視鏡システム。
  5. 複数の前記カメラ部のうち、少なくとも1つの前記カメラ部と残りの前記カメラ部とは、視野角が異なるように設定され、
    前記画像出力調整部は、狭い視野角に設定された前記カメラ部による狭角撮像画像から、被写体上の注視位置を含む狭い範囲を写した注視用の表示画像を生成し、広い視野角に設定された前記カメラ部による広角撮像画像から、被写体上の注視位置を含む広い範囲を写した監視用の表示画像を生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内視鏡システム。
  6. 複数の観察者ごとに複数の前記表示装置を備え、
    前記制御装置は、前記注視用の表示画像および前記監視用の表示画像を別の前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡システム。
  7. 複数の前記カメラ部が広い視野角に設定され、
    前記画像出力調整部は、広い視野角に設定された複数の前記カメラ部による複数の前記広角撮像画像を接合して1つの連続した合成画像を生成して、その合成画像の全部または一部を前記監視用の表示画像とすることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の内視鏡システム。
  8. 前記画像出力調整部は、前記狭角撮像画像と前記広角撮像画像とを合成した合成画像を生成して、その合成画像から前記狭角撮像画像を含む範囲を切り出して、前記注視用の表示画像を生成することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の内視鏡システム。
  9. 前記内視鏡は、前記カメラ部の視線方向を個別に変更する視線調整機構をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記注視用の表示画像の表示領域を移動させる観察者の指示に応じて、狭い視野角に設定された前記カメラ部の撮像範囲が、前記注視用の表示画像の領域内に位置するように、狭い視野角に設定された前記カメラ部の視線方向を設定する視線方向設定部と、
    この視線方向設定部で設定された視線方向に基づいて、前記視線調整機構を制御するカメラ制御部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項5から請求項8のいずれかに記載の内視鏡システム。
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