JP6256803B2 - 用紙搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置、複写機等の画像形成装置に使用される用紙搬送装置、及び、その用紙搬送装置を備えた画像形成装置に関するものである。
記録ヘッドのノズルからインクを吐出して記録媒体の用紙上に画像を形成するインクジェット記録装置では、画質を確保するために、用紙の平面度を維持しながら用紙を記録ヘッドの直下に搬送することが重要である。用紙を搬送する用紙搬送装置として、用紙を支持するプラテン部の板材に複数の吸引孔を穿孔し、これらの吸引孔から空気を吸引することで用紙を平面に広げた状態に吸着して支持しながら搬送するように構成されているものが知られている。
特許文献1の用紙搬送装置を搭載する画像形成装置では、多数の吸引孔が形成されているプラテン部が用紙搬送方向に対し直交する方向である用紙幅方向に複数配列され、各プラテン部の背面側には吸引孔に連通する気室が設けられている。これらの気室には負圧形成部としての吸引ファンがそれぞれ設けられ、吸引ファンを選択的に駆動させることで対応する気室を負圧にしプラテン部上の用紙に対する吸引を個別に行っている。そして、プラテン部上に支持されている用紙上に、用紙幅方向に往復動する記録ヘッドからインクを吐出させ、画像を形成している。
しかしながら、上記特許文献1の用紙搬送装置では、近年の印刷高速化に応じて印字幅が拡大しプラテン部の用紙搬送方向の長さも大きくなる傾向があるため、吸引力によってプラテン部に撓みが生じ易い。この結果、撓んだプラテン部上に支持されている用紙の平面度は悪化する虞があった。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、用紙吸引時のプラテン部の撓みを抑制し、用紙の平面度の悪化を抑制できる用紙搬送装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、搬送する用紙を支持するとともに、厚み方向に貫通する貫通孔である吸引孔が形成されているプラテン部と、該プラテン部の下方にある閉塞空間であって負圧を形成する気室と、該気室に連通して前記気室内に負圧を形成する負圧形成部とを備える用紙搬送装置において、前記プラテン部は、用紙を搬送する用紙搬送方向で複数に分割され、用紙を支持する前記プラテン部の面に凹部を形成し、前記吸引孔が該凹部内に形成されており、前記凹部は、突き合う前記複数のプラテン部に跨り、かつ、当該凹部の空間同士が連通するよう設けられ、前記複数のプラテン部に跨る前記凹部内には、前記複数のプラテン部の少なくともいずれかに前記吸引孔が設けられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、用紙吸引時のプラテン部の撓みを抑制し、用紙の平面度の悪化を抑制できるという特有な効果が得られる。
本実施形態のインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。 本実施形態のインクジェット記録装置の機構部の側面図である。 本実施形態に係る用紙搬送装置の構成を説明する概略断面図である。 本実施形態に係る用紙搬送装置の構成を説明する概略平面図である。 実施例1に係る用紙搬送装置におけるプラテン部の構成を説明する斜視図である。 実施例2に係る用紙搬送装置におけるプラテン部の構成を説明する斜視図である。 実施例2に係る用紙搬送装置におけるプラテン部の一部構成を説明する部分平面図である。 実施例3に係る用紙搬送装置におけるプラテン部の構成を説明する概略断面図である。 (a)は実施例4に係る用紙搬送装置におけるプラテン部の構成を説明する概略平面図であり、(b)は(a)のA−A’線断面図である。 実施例5に係る用紙搬送装置におけるプラテン部の構成を説明する概略平面図である。
以下、本発明に係る用紙搬送装置を搭載したインクジェット記録装置の構成について図面を参照して説明する。図1は本実施形態のインクジェット記録装置の構成を示す斜視図、図2は本実施形態のインクジェット記録装置の機構部の側面図である。なお、図1及び図2に示すインクジェット記録装置は、記録ヘッドを搭載したキャリッジが用紙搬送方向に対し直交する用紙幅方向(以下、主走査方向という。)に往復動するシリアル型のものを例としているが、印刷全幅に記録ヘッドを複数配列したライン型のものであってもよい。
図1及び図2に示す本実施形態のインクジェット記録装置100は、装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ101を備えている。そして、そのキャリッジ101に搭載した記録ヘッド1及び記録ヘッド1に対してインクを供給するインクカートリッジ102等で構成される印字機構部103等を収納する。そして、装置本体の下方部には、前方側から多数枚の記録用紙Pを積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい)104を抜き差し自在に装着されている。また、記録用紙Pを手差しで給紙するために開かれる手差しトレイ105を有する。給紙カセット104あるいは手差しトレイ105から給送される記録用紙Pを取り込み、印字機構部103によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ106に排紙する。
印字機構部103は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド107と従ガイドロッド108とでキャリッジ101を主走査方向に摺動自在に保持している。このキャリッジ101にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する記録ヘッド1を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向に配列する。そして、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ101には記録ヘッド1に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ102を交換可能に装着している。
インクカートリッジ102は上方に大気と連通する大気口、下方には記録ヘッド1へインクを供給する供給口が設けられている。内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド1へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、各色毎に記録ヘッド1を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の液滴吐出ヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ101は後方側(用紙搬送方向の下流側)を主ガイドロッド107に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向の上流側)を従ガイドロッド108に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ101を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ109aで回転駆動される駆動プーリ110と従動プーリ111との間にタイミングベルト112を張装している。このタイミングベルト112をキャリッジ101に固定し、主走査モータ109aの正逆回転によりキャリッジ101が往復に走査される。
一方、給紙カセット104にセットした記録用紙Pを記録ヘッド1の下方側に搬送するために、給紙ローラ113、フリクションパッド114、ガイド部材115、レジストローラ116、搬送コロ117及びレジスト加圧ローラ118を有している。給紙ローラ113及びフリクションパッド114は、給紙カセット104から記録用紙Pを分離給紙する。ガイド部材115は記録用紙Pを案内するガイド部材である。レジストローラ116は、給紙された記録用紙Pを反転させて搬送する搬送ローラである。レジスト加圧ローラ118はレジストローラ116の周面に記録用紙Pを押し付け、レジストローラ116からの記録用紙Pの送り出し角度を規定する。レジストローラ116は副走査モータ109bによってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ101の主走査方向の移動範囲に対応してレジストローラ116から送り出された記録用紙Pを記録ヘッド1の下方側で案内するため用紙ガイド部材である本実施形態の用紙搬送装置119を設けている。この用紙搬送装置119の用紙搬送方向の下流側には、記録用紙Pを排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ120と拍車121を設けている。さらに、記録用紙Pを排紙トレイ106に送り出す排紙ローラ123と拍車124と、排紙経路を形成するガイド部材125、126とを配設している。
このインクジェット記録装置100で記録時には、キャリッジ101を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド1を駆動することにより、停止している記録用紙Pにインクを吐出して1行分を記録し、その後、記録用紙Pを所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または記録用紙Pの後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ記録用紙Pを排紙する。
また、キャリッジ101の移動方向に向かって右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド1の吐出不良を回復するための回復装置127を配置している。回復装置127はそれぞれ図示していないキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ101は印字待機中にはこの回復装置127側に移動されてキャッピング手段で記録ヘッド1をキャッピングして吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
更に、吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッド1の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出す。吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
図3は、本実施形態に係る用紙搬送装置の構成を説明する概略断面図である。図3に示す用紙搬送装置200は、記録ヘッド1の直下に記録媒体としての用紙を平滑に支持するための平面を有するプラテン部201と、そのプラテン部201の下部側に気室としてのチャンバー202とを備えている。プラテン部201は、用紙搬送方向で複数(図3では2つ)の平板材の第1プラテン部材201a、第2プラテン部材201bを含んで構成されている。第1プラテン部材201a、第2プラテン部材201bでは、平板材に多数の吸引孔201cが平均して分布するように穿孔され、これらの吸引孔201cから空気を吸引することで用紙を平面に広げた状態に吸着して支持しながら摺動させ得るように構成されている。チャンバー202は、第1プラテン部材201a、第2プラテン部材201bのそれぞれの下部を覆うハウジング部材である第1チャンバー202a、第2チャンバー202bを含んで構成されている。第1チャンバー202a、第2チャンバー202bの内部は、第1減圧室202a−1、第2減圧室202b−1が形成されている。これらの減圧室は、用紙の幅全域にわたって設けられている。そして、各減圧室の底部には、第1連通室202a−2、第2連通室202b−2を介して、負圧形成部としての第1吸引ファン202a−3、第2吸引ファン202b−3がそれぞれ装着されている。
次に、かかる構成を有する用紙搬送装置における用紙搬送の動作について説明する。第1吸引ファン202a−3が駆動することで、第1チャンバー202aの第1減圧室202a−1内の空気を、第1連通室202a−2を介して外部に強制排気する。これにより、第1チャンバー202aの第1減圧室202a−1の内部が負圧になる。この結果、空気が第1プラテン部201aの多数の吸引孔201cから流入して第1減圧室202a−1を通り、第1吸引ファン202a−3を駆動させることで底側の第1開口部202a−4を介して排気されるように流れる。レジストローラ301とレジスト加圧ローラ302の間に挟持されて搬送されてくる用紙は、チャンバー202の第1プラテン部201a上に搬送される。第1吸引ファン202a−3を駆動させることで第1減圧室202a−1内に負圧が形成され、第1プラテン部201aの吸引孔201cを通じて用紙に吸引力が付与される。この結果、用紙が第1プラテン部201a上に吸着して平面度が維持される。なお、第2プラテン部201b及び第2チャンバー202bにおいても同様な用紙搬送の動作を行うので説明を省略する。
第1吸引ファン202a−3、第2吸引ファン202b−3は、様々な用紙サイズや種類に対応するために、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御されている。各吸引ファンの駆動モータ(不図示)に供給されるPWM信号のDuty値を変化させることでプラテン部上に用紙を密着させる吸引力を変化させている。
プラテン部201の上部には、インクを吐出するための記録ヘッド1を搭載したキャリッジ101が配置されている。キャリッジ101には、用紙先端や用紙の幅を検知するための光学式センサ(不図示)が搭載されている。キャリッジ101は、主走査ステー130に取り付けられた主ガイドロッド107に沿って用紙の幅方向に往復する。ブラックインク用の記録ヘッド1a及びカラーインク用の記録ヘッド1bによりインクをプラテン部201上の用紙に向かって吐出することで用紙に画像を形成する。
図4は、本実施形態に係る用紙搬送装置の構成を説明する概略平面図である。図4に示すように、本実施形態に係る用紙搬送装置におけるプラテン部は用紙搬送方向で複数(図4では2つ)に分割されている。そして、第1プラテン部201aと、用紙搬送方向で第1プラテン部201aに対して下流側に配置された第2プラテン部201bとが互いに隣接して設けられている。ブラックインク用の記録ヘッド1aは、カラーインク用の記録ヘッド1bの約2倍の印字幅を持ち、ブラックインク用の記録ヘッド1aとカラーインク用の記録ヘッド1bとの用紙搬送方向における上流端は互いに一致している。カラーインク用の記録ヘッド1bは、Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)の3色としているが、色の数は何色でも同様な効果が得られる。これらの記録ヘッドは、主走査方向に往復動しながら、インクの微小な液滴を飛翔させながら、用紙の平滑な記録面に付着させることにより画像を形成するように構成されている。
次に、上記実施形態の画像形成装置に搭載された用紙搬送装置の動作について説明する。
画像形成装置で用紙に画像を形成する場合には、画像形成装置本体の操作部(不図示)を使用者が操作することにより、画像形成の指示信号が整備魚部(不図示)に送られる。制御部では図2の印字機構部103に制御信号を送り画像形成を行うように制御するとともに、図3の用紙搬送装置200に制御信号を送り用紙をプラテン部上に搬送するように制御する。このとき、用紙がプラテン部201より用紙搬送装置200のある上流側に配置されている用紙位置検知用センサ(不図示)を通過する。用紙を検知したときの信号が制御部に送られ、制御部はPWM信号を図3の第1吸引ファン202a−3、第2吸引ファン202b−3の駆動モータにそれぞれ供給し各吸引ファンを回転駆動させる。すると、第1チャンバー202a、第2チャンバー202bでは、第1吸引ファン202a−3、第2吸引ファン202b−3の空気の吸引作用によって、第1プラテン部201a、第2プラテン部201bの多数の吸引孔201cを通して第1減圧室202a−1、第2減圧室202b−1内に空気が流入する。そして、用紙が第1プラテン部201a、第2プラテン部201b上を順に移動し始めると用紙の先端がプラテン部の平面上の複数のチャンバーに対応する部分を順に通過するよう搬送される。このとき、用紙がプラテン部201の多数の吸引孔201cを塞ぐと、チャンバー202の減圧室が密閉状態となり、その減圧室内の空気圧が減圧されてチャンバー202内の負圧の空気圧に近づいていく。このため、負圧の空気圧に近づいたチャンバー202内に対応するプラテン部201の上面に吸着された用紙は高い平面度に支持される。用紙搬送装置200では、用紙の後端側を用紙搬送方向の上流側に配置されている搬送ローラで挟まれ、しかも後端側を用紙搬送方向の下流側に配置されている排紙ローラで挟まれながら、用紙を搬送する。
(実施例1)
次に、上記実施形態の画像形成装置に搭載された用紙搬送装置におけるプラテン部の一実施例(以下、本実施例を「実施例1」という。)について説明する。
図5は、実施例1に係る用紙搬送装置におけるプラテン部の構成を説明する斜視図である。図5に示す用紙搬送装置200では、主走査方向に、複数(図5では2枚)の第1プラテン部201a、第2プラテン部201bで構成されている。第1プラテン部201a、第2プラテン部201bは、各プラテン部の4つの支持部201dを備えている。これらの支持部201dは、チャンバーを構成する筐体(不図示)から外部へ突き出た円筒状の平面度調整部材203を挟持する部材である。これらの支持部201dに平面度調整部材203を挟持させることで、プラテン部201を支えている。また、平面度調整部材203は3次元(傾き)の位置に調整可能な構成を有しており、組立時に平面度調整部材203を3次元に移動させて狙いの位置に位置決めできたとき平面度調整部材203は治具を用いてチャンバーを構成する筐体に固定される。なお、各プラテン部201の支持部201dの設置箇所は3箇所以上であれば良い。図5のように平面度調整部材203による支持部の少なくとも1箇所は第1プラテン部201aと第2プラテン部201bとの突合せ側に配置し、残りの2箇所は各プラテン部201を隣接させて配置した際の両端位置に配置する。
(実施例2)
次に、上記実施形態の画像形成装置に搭載された用紙搬送装置におけるプラテン部の他の実施例(以下、本実施例を「実施例2」という。)について説明する。
図6は、実施例2に係る用紙搬送装置におけるプラテン部の構成を説明する斜視図である。図7は、実施例2に係る用紙搬送装置におけるプラテン部の一部構成を説明する部分平面図である。図6及び図7に示す用紙搬送装置200では、隣り合う第1プラテン部201aと第2プラテン部201bとの突合せ側に互いの板材をそれぞれ延ばして、各プラテン部201の突合せ側での間隙を覆っている。実施例2では、平面度調整部材204を例えばプラテン部201が2枚の場合で3本ないし4本使用する。この平面度調整部材204は、2箇所の支持部に挟持されている。平面度調整部材204が3本の場合は図6に示すように、第1プラテン部201aと第2プラテン部201bとの突合せ側に1本の平面度調整部材204を配置することで、第1プラテン部201aと第2プラテン部201bとを同時に支持している。
(実施例3)
次に、上記実施形態の画像形成装置に搭載された用紙搬送装置におけるプラテン部の更に他の実施例(以下、本実施例を「実施例3」という。)について説明する。
図8は、実施例3に係る用紙搬送装置におけるプラテン部の構成を説明する概略断面図である。図8に示すように、実施例3では、平面度調整部材204を4本使用した例である。平面度調整部材204が4本の場合は第1プラテン部201aと第2プラテン部201bとの突合せ側に平面度調整部材204を1本ずつ配置し、プラテン部201を各自独立した状態で保持する。
(実施例4)
次に、上記実施形態の画像形成装置に搭載された用紙搬送装置におけるプラテン部の更に他の実施例(以下、本実施例を「実施例4」という。)について説明する。
図9は、実施例4に係る用紙搬送装置におけるプラテン部の構成を説明する図である。図9(a)は概略平面図であり、図9(b)は図9(a)のA−A’線断面図である。図9(a)、(b)に示すように、プラテン部201を2枚並べたときの第1プラテン部201aと第2プラテン部201bとが突合せる場所に、少なくとも1つの凹部401(例えば、切り欠き)が各プテン部に跨がせて設けている。凹部401内には少なくとも1つ以上の吸引孔201cが存在している。凹部401は、隔壁402で周囲を囲まれて形成されている。このような構成を備えたことにより、突き合わせたプラテン部の凹部401の空間同士が連通することで、プラテン部同士の繋ぎ目の場所でも用紙の吸引が行われて吸引状態を維持することができ、用紙の高い平面度を確保することができる。凹部401の開口部を覆う用紙の面積を拡大でき、吸引孔201cからの吸引を用紙に付与し易くなる。なお、凹部401の開口断面形状は、図9に示すような搬送方向に長尺となる形状である必要はない。また、凹部401は、図9に示すような用紙搬送方向に対し直交する主走査方向で互い違いに配列されているが、このような配列でなくてもよくて主走査方向で互いに揃っていてもよい。
(実施例5)
次に、上記実施形態の画像形成装置に搭載された用紙搬送装置におけるプラテン部の更に他の実施例(以下、本実施例を「実施例5」という。)について説明する。
図10は、実施例6に係る用紙搬送装置におけるプラテン部の構成を説明する概略平面図である。図10に示すように、第1プラテン部201aと第2プラテン部201bとに対応して第1チャンバー202aと第2チャンバー202bがそれぞれ個別に設けられている。この場合、第1プラテン部201aと第2プラテン部201bとの突合せ側に、外部と連通する隙間が存在している。実施例5では、その隙間に例えばスポンジ、ゴムなどの封止剤501を挟み込む構成を備えている。なお、封止剤501はプラテン部同士の繋ぎ目全ての範囲に挟み込んでいる。これにより、第1吸引ファン202a−3、第2吸引ファン202b−3で吸引したときに、プラテン部同士の隙間から外部の空気を吸引することを防ぎ、記録用紙Pを吸引する吸引力の低下を抑制できる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
搬送する用紙を支持するとともに、厚み方向に貫通する貫通孔である吸引孔201cが形成されているプラテン部201と、該プラテン部201の下方にある閉塞空間であって負圧を形成する気室としてのチャンバー202と、そのチャンバー202に連通してチャンバー内に負圧を形成する負圧形成部としての吸引ファンとを備える用紙搬送装置200において、プラテン部201は、用紙を搬送する用紙搬送方向で複数に分割されている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、プラテン部全体を細分化して各プラテン部の用紙搬送面の面積を縮小することで、従来の構成よりプラテン部の剛性を高めることできる。この結果、プラテン部は吸引ファンによってチャンバー内に形成された負圧による吸引力に対して対抗でき、プラテン部の撓みを抑制できる。よって、プラテン部上で支持する用紙の平面度の悪化を抑制できる。
(態様2)
(態様1)において、プラテン部201は、プラテン部201の傾きを調整する傾き調整部としての平面度調整部材203、204を備えている。これによれば、上記実施形態の実施例1について説明したように、平面度調整部材203、204を用いてプラテン部201の傾きが互いに一致させる。これにより、用紙が複数のプラテン部201を跨いで搬送されたとしても用紙の平面度は確保できる。
(態様3)
(態様2)において、平面度調整部材203、204は軸部材で構成する。これによれば、上記実施形態の実施例1、実施例2及び実施例3について説明したように、軸部材の平面度調整部材203、204を3次元に軸動することで複数のプラテン部201の傾きを互いに一致させることができる。これにより、用紙が複数のプラテン部201を跨いで搬送されたとしても用紙の平面度を確保することができる。
(態様4)
(態様1)〜(態様3)のいずれかにおいて、プラテン部201の片側面に凹部401を形成し、凹部401内に吸引孔201cが形成されている。これによれば、上記実施形態の実施例5について説明したように、凹部401内には吸引孔201aが存在していることで、凹部401の開口部を覆う用紙の面積が拡大でき、吸引孔201aからの吸引を用紙に付与し易くなる。突き合わせたプラテン部の凹部401の空間同士が連通することで、プラテン部同士の繋ぎ目の場所でも用紙の吸引が行われて吸引状態を維持することができ、用紙の高い平面度を確保することができる。
(態様5)
(態様1)〜(態様4)のいずれかにおいて、隣り合うプラテン部との間の繋ぎ部分の隙間を塞ぐ封止部材としての封止剤501を設けた。これによれば、上記実施形態の実施例5について説明したように、プラテン部同士の隙間から第1吸引ファン202a−3、第2吸引ファン202b−3で吸引したときに外部から空気を吸引することを防ぎ、吸引力の低下を抑制できる。
(態様6)
給紙装置から給紙された用紙を搬送する用紙搬送装置119と、用紙上に記録剤の液滴を吐出して画像を形成する画像形成手段である印字機構部103とを備える画像形成装置としてのインクジェット記録装置100において、用紙搬送装置119として、(態様1)〜(態様5)のいずれかの用紙搬送装置を用いた。これによれば、上記実施形態について説明したように、用紙吸引時に生じるプラテン部の撓み発生を抑制でき、用紙の平面度を高めることできるので、用紙の狙いの位置に記録剤を着弾でき、高画質かつ高生産な画像形成装置を提供することができる。
100 インクジェット記録装置
200 用紙搬送装置
201 プラテン部
201a 第1プラテン部
201b 第2プラテン部
201c 吸引孔
201d 支持部
202 チャンバー
202a 第1チャンバー
202b 第2チャンバー
202a−1 第1減圧室
202a−2 第1連通室
202a−3 第1吸引ファン
202a−4 第1開口部
202b−1 第2減圧室
202b−2 第2連通室
202b−3 第2吸引ファン
202b−4 第2開口部
203 平面度調整部材
204 平面度調整部材
301 レジストローラ
302 レジスト加圧ローラ
401 凹部
402 隔壁
501 封止剤
特開2011−056694号公報

Claims (6)

  1. 搬送する用紙を支持するとともに、厚み方向に貫通する貫通孔である吸引孔が形成されているプラテン部と、該プラテン部の下方にある閉塞空間であって負圧を形成する気室と、該気室に連通して前記気室内に負圧を形成する負圧形成部とを備える用紙搬送装置において、
    前記プラテン部は、用紙を搬送する用紙搬送方向で複数に分割され
    用紙を支持する前記プラテン部の面に凹部を形成し、前記吸引孔が該凹部内に形成されており、
    前記凹部は、突き合う前記複数のプラテン部に跨り、かつ、当該凹部の空間同士が連通するよう設けられ、
    前記複数のプラテン部に跨る前記凹部内には、前記複数のプラテン部の少なくともいずれかに前記吸引孔が設けられていることを特徴とする用紙搬送装置。
  2. 請求項1記載の用紙搬送装置において、
    突き合う前記複数のプラテン部に跨る前記凹部内の前記吸引孔は、前記複数のプラテン部のそれぞれに設けられていることを特徴とする用紙搬送装置。
  3. 請求項1又は2に記載の用紙搬送装置において、
    前記プラテン部は、当該プラテン部の傾きを調整する傾き調整部を備えていることを特徴とする用紙搬送装置。
  4. 請求項に記載の用紙搬送装置において、
    前記傾き調整部は、軸部材で構成することを特徴とする用紙搬送装置
  5. 求項1〜4のいずれかに記載の用紙搬送装置において、
    隣り合う前記プラテン部との間の繋ぎ部分の隙間を塞ぐ封止部材を設けたことを特徴とする用紙搬送装置。
  6. 給紙装置から給紙された用紙を搬送する用紙搬送手段と、用紙上に記録剤の液滴を吐出して画像を形成する画像形成手段とを備える画像形成装置において、
    前記用紙搬送手段として、請求項1〜5のいずれかに記載の用紙搬送装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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