JP2006281574A - 液体噴射装置、記録装置及び液体噴射方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被噴射媒体に対する液体の噴射を短時間で完了させることができるとともに、その噴射精度を向上させることができる液体噴射装置及びその液体噴射装置を備えた記録装置を提供すること。
【解決手段】 液体を噴射する際のマスクパターン60は、噴射比率が副走査方向における中央付近で最大となり、前記副走査方向における両端に向かうに従って徐々に減少し、かつ当該減少部分が各主走査間の重複領域となるように設定されている。これにより、マスクパターンの中央付近は液体噴射ヘッドと被噴射媒体とを主走査方向へ1回移動させるのみで良いので、被噴射媒体に対する液体の噴射を短時間で完了させることができる。さらに、各主走査間の重複領域で噴射比率が傾斜した間引き噴射を順次行うことができるので、噴射精度を向上させることができる。
【選択図】 図4
【解決手段】 液体を噴射する際のマスクパターン60は、噴射比率が副走査方向における中央付近で最大となり、前記副走査方向における両端に向かうに従って徐々に減少し、かつ当該減少部分が各主走査間の重複領域となるように設定されている。これにより、マスクパターンの中央付近は液体噴射ヘッドと被噴射媒体とを主走査方向へ1回移動させるのみで良いので、被噴射媒体に対する液体の噴射を短時間で完了させることができる。さらに、各主走査間の重複領域で噴射比率が傾斜した間引き噴射を順次行うことができるので、噴射精度を向上させることができる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、被噴射媒体に液体を噴射する液体噴射装置及びその液体噴射装置を備えた記録装置に関する。
例えば、記録装置の1つであるインクジェット式プリンタには、記録ヘッドを主走査方向に往復移動させつつ用紙を主走査方向と直交する副走査方向に搬送して記録する方式のものがある。この方式では、各主走査間でいわゆるつなぎスジが入る場合があるため、以下のような対策が提案されている。すなわち、記録ヘッドの記録領域を複数の領域に分割し、用紙上の同一画像領域に対し、記録ヘッドの異なる分割領域を用いて複数回の主走査を行い、各主走査で所定の印字比率の間引き画像を順次記録することにより画像を完成させるという方式である(特許文献1参照)。
上述した従来のインクジェット式プリンタでは、記録ヘッドの記録領域の分割数を多くすればするほど、画像を完成させる際の主走査の回数が多くなるため、いわゆる印字速度が低下することになる。最速の印字速度を得るためには記録ヘッドの記録領域を2分割に留める必要があるが、その場合は各主走査間の印字比率は隣接部の印字比率よりも一段落とした程度となるため、つなぎスジ消し効果が不十分となる。
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、被噴射媒体に対する液体の噴射を短時間で完了させることができるとともに、その噴射精度を向上させることができる液体噴射装置及びその液体噴射装置を備えた記録装置を提供することにある。
上記目的達成のため、本発明の被噴射媒体に液体を噴射する液体噴射装置では、液体噴射ヘッドと被噴射媒体とを主走査方向及び副走査方向に複数回相対移動させる際に、マスクパターンに従って液体を噴射する液体噴射装置であって、前記マスクパターンは、噴射比率が前記副走査方向における中央付近で最大となり、前記副走査方向における両端に向かうに従って徐々に減少し、かつ当該減少部分が各主走査間の重複領域となるように設定されていることを特徴としている。特に、前記マスクパターンは、噴射比率が前記副走査方向における中央付近で最大なまま一定の領域を有する場合、マスクパターンの中央付近は液体噴射ヘッドと被噴射媒体とを主走査方向へ1回移動させるのみで良いので、被噴射媒体に対する液体の噴射を短時間で完了させることができる。さらに、各主走査間の重複領域で噴射比率が傾斜した間引き噴射を順次行うことができるので、噴射精度を向上させることができる。
また、前記マスクパターンにおける噴射比率の減少部分は、比率一定となる部分を含んで設定されていることを特徴としている。また、前記マスクパターンにおける噴射比率の減少部分は、重ね合わせにより最大の噴射比率となるように設定されていることを特徴としている。また、前記各主走査間の重複領域は、前記副走査方向の1回の移動量よりも大きいことを特徴としている。これにより、スジ消し効果を高めることができる。
上記目的達成のため、本発明の被記録媒体に記録する記録装置では、上記各液体噴射装置を備えたことを特徴としている。これにより、上記各作用を奏する記録装置を提供することができる。また、上記目的達成のため、本発明の液体噴射方法では、液体噴射ヘッドと被噴射媒体とを主走査方向及び副走査方向に複数回相対移動させつつ液体を噴射する液体噴射方法であって、噴射比率が前記副走査方向における中央付近で最大となり、前記副走査方向における両端に向かうに従って徐々に減少するように設定されたマスクパターンに基づいて、前記主走査方向への1回の相対移動を行いつつ前記液体を噴射するステップと、当該減少部分が各主走査間の重複領域となるように、前記副走査方向への1回の相対移動を行うステップとを所定回数繰り返すことを特徴としている。
図1は、本発明の実施の形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの構成例を示す斜視図であり、図2は、そのインクジェット式プリンタの主要部の内部構成例を示す斜視図、図3は、その内部構成のさらに主要部の詳細を示す側面図である。図1及び図2に示すインクジェット式プリンタ100は、例えばJIS規格のA1判やJIS規格のB1判といった比較的大型のサイズの記録用紙にまで記録できる大型のプリンタであり、給紙部110、本発明の特徴的な部分を含む記録・搬送部(液体噴射装置)120、排紙部130、脚部140がこの順で上部から配設された構成となっている。
すなわち、最上部に配置された給紙部110から給紙されるロール紙は、下部にて傾斜して配置された記録・搬送部120及び排紙部130の間を斜め下方に向かって搬送されて、最下部に配置された脚部140の間に配置される図示しない排紙受けに排紙されるようになっている。記録・搬送部120と排紙部130は本体として一体化されており、給紙部110及び脚部140とそれぞれ分離可能に構成されている。
給紙部110は、図1に示すように、本体120、130の上部後方に突き出るように設けられている。そして、給紙部110の内部には、図2に示すように、1本のロール紙がセット可能なロール紙ホルダ111が設けられ、給紙部110の前面には、図1及び図2に示すように、跳ね上げ式の開閉可能なロール紙カバー112がロール紙ホルダ111を覆うように取り付けられている。
ロール紙ホルダ111は、図2に示すように、ロール紙を保持するスピンドル113及び一対のフランジ状のロール紙押さえ114と、給紙部110の両側壁内面に取り付けられて、スピンドル113の着脱及び懸架が可能な一対のスピンドル受け115を備えている。そして、スピンドル113は、中央にロール紙が填め込まれてロール紙押さえ114で挟持された状態で、両端がスピンドル受け115に載置され、回転可能に軸支持されるようになっている。ロール紙カバー112は、図1及び図2に示すように、全体が回動可能に支持されており、ユーザが下部を持って持ち上げ、あるいは押し下げることにより開閉するようになっている。
記録・搬送部120は、図2に示すように、本発明の特徴的な部分である記録ヘッド121を搭載したキャリッジ122、記録ヘッド121と記録を実行するための図示しない制御部とを電気的に接続するフレキシブルフラットケーブル(以下、FFCという)123、記録ヘッド121とインクが入ったインクカートリッジ10とをつなぐインクチューブ124等を備えている。そして、記録部120の上面及び前面には、図1及び図2に示すように、上蓋125及び前蓋126が記録ヘッド121やキャリッジ122等を覆うように取り付けられている。
記録ヘッド121は、ブラックインクを吐出するブラックインク用記録ヘッドと、ライトイエロー、イエロー、ライトシアン、シアン、ライトマゼンタ、マゼンタ等の各色のインクを吐出する複数のカラーインク用記録ヘッドとを備えている。そして、記録ヘッド121は、圧力発生室とそれに繋がるノズル開口が設けられており、圧力発生室内にインクを貯留して所定圧で加圧することにより、ノズル開口からロール紙に向けてコントロールされた大きさのインク滴を吐出するようになっている。
キャリッジ122は、図2に示すように、主走査方向に設けられているレール127にコロを介して吊り下げられ、キャリッジベルト128に連結されており、図示しないキャリッジ駆動装置によってキャリッジベルト128が作動すると、キャリッジベルト128の動きに連行され、レール127に案内されて往復移動するようになっている。
FFC123は、図2に示すように、一端が制御部のコネクタに接続され、他端が記録ヘッド121のコネクタに接続されており、記録信号を制御部から記録ヘッド121に送るようになっている。インクチューブ124は、上記各色のインク用が配設されており、図示しないインク加圧供給手段を介して各一端が対応する各色のインクカートリッジ10につながれ、各他端が対応する各色の記録ヘッド121につながれている。そして、インクチューブ124は、インク加圧供給手段によって加圧された各色のインクをインクカートリッジ10から記録ヘッド121に送るようになっている。
前蓋126は、図1及び図2に示すように、下部が回動可能に支持されており、ユーザが上部を持って押し下げ、あるいは押し上げることにより開閉するようになっている。ユーザは、前蓋126を開けることにより記録部120を大きく開放することができるので、記録ヘッド121やキャリッジ122等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
さらに、記録・搬送部120は、図3に示すように、給紙部110から延びる平坦な給紙ガイド211、対向配置された接触・離間可能な紙送りローラ212及び従動ローラ213、キャリッジ122に搭載された記録ヘッド121と対向配置された平坦なプラテン214及びこのプラテン214直下の搬送下流側に配置されたペーパーガイド215、プラテン214及びペーパーガイド215上のロール紙を吸着する用紙吸引部216を備えている。なお、キャリッジ122には、記録完了したロール紙を切断するカッタ129が取り付けられている。
紙送りローラ212は、図3に示すように、1本の長尺のローラとして形成されており、記録可能な最大用紙幅より若干大きい周面部分にはセラミック粉等がコーティングされている。これにより、紙送りの際の滑りを防止することができるので、ロール紙を高精度に送り出すことができる。この紙送りローラ212は、図示していないが、両端がサイドフレームに軸受を介して軸支持されており、紙送りモータからプーリ及びベルトを介して伝達される駆動力により正逆回転駆動するようになっている。
従動ローラ213は、図3に示すように、複数個の短尺のローラとして形成されており、紙送りローラ212の上方で軸方向に複数並設された従動ローラ支持部材213aに回動自在に軸支持されている。この従動ローラ213は、従動ローラ支持部材213aに取り付けられているバネ等の付勢部材213bにより紙送りローラ212に押圧されており、紙送りローラ212の正逆回転駆動に追従して正逆回転するようになっている。これにより、ロール紙を両面からしっかりと押さえ込んで送り出すことができるので、高精度な記録を行うことができる。
プラテン214は、図3に示すように、記録可能な最大用紙幅より若干大きい長さの矩形平板状に形成されて紙送りローラ212の搬送下流側の直近に配設されている。ペーパーガイド215は、図3に示すように、記録可能な最大用紙幅より若干大きい長さの矩形平板状に形成されてプラテン214の搬送下流側の直近に配設されている。用紙吸引部216は、図3に示すように、プラテン214及びペーパーガイド215の下部に配設された圧力室216aと、圧力室216aの下部に配設された図示しないファンを備えている。圧力室216aは、上面の一部が開放された箱状に形成されており、上面の開放部にプラテン214及びペーパーガイド215が取り付けられ、底面に装着された管継手216bを介してファンが取り付けられている。
用紙吸引部216のファンを回転させることにより、プラテン214及びペーパーガイド215に穿設されている図示しない吸引孔から圧力室216a内に吸気され、ファンを通って外部に排気される。したがって、プラテン214及びペーパーガイド215の上面にロール紙が供給されると、ロール紙の下面側に負圧が発生するので、ロール紙をプラテン214及びペーパーガイド215の上面に吸着させてロール紙の浮き上がりを完全に防止して紙姿勢を安定化することができ、記録精度を高精度に確実に維持することができる。
カッタ129は、図3に示すように、刃先が下方を向くようにして、上下方向に昇降可能であって主走査方向に移動可能に配設されている。このカッタ129は、例えばソレノイド等により上下方向に昇降され、キャリッジ122とともに主走査方向に移動されるようになっている。したがって、カッタ129を移動させるための手段を別途設ける必要は無いので、省スペースを図ることができるとともに、コストを抑えることができる。なお、カッタ129をキャリッジ122から分離して独自のベルト機構やモータ等により主走査方向に移動するように構成しても良い。
排紙部130は、図1及び図2に示すように、ロール紙を副走査方向に搬送する経路の一部を成す排紙ガイド131と、ロール紙を副走査方向に搬送する図示しない排紙ローラを備えている。排紙ガイド131は、図1及び図2に示すように、前面側に突き出た平坦な傾斜面として形成されており、上方から搬送されてくるロール紙を下方へスムーズに導くことができるようになっている。
脚部140は、図1及び図2に示すように、移動用のコロ141を有する2本の支持柱142と、これらの支持柱142の間に掛け渡されている補強棒143を備えている。そして、支持柱142の上部に給紙部110及び本体120、130が載置されネジ止め固定されるようになっている。支持柱142に移動用のコロ141が配設されていることにより、重量のある給紙部110及び本体120、130を所望の位置へスムーズに移動させて設置することができるようになっている。なお、この脚部140の支持柱142の間には、排紙部130から排出されるロール紙を受ける排紙受け装置を設置することができるようになっている。
さらに、本体120、130の前面側から見て左側には、図1及び図2に示すように、各色のインクカートリッジ10を収納保持するホルダ本体151とその前面を覆うカバー152を有するインクカートリッジホルダ150が配設されている。このインクカートリッジホルダ150は、ホルダ本体151に対しカバー152の下部が回動可能に支持されており、ユーザが上部を持って押し下げ、あるいは押し上げることにより開閉するようになっている。ホルダ本体151内に設けられている収納部は、図示左側から順にブラック、ライトイエロー、イエロー、ライトシアン、シアン、ライトマゼンタ、マゼンタの計7色のインクカートリッジ10が個々に引き出し、押し入れ可能なように仕切られている。
また、本体120、130の前面側から見て右側上部には、図1及び図2に示すように、ユーザが記録制御等を操作するための操作パネル160が配設されている。この操作パネル160は、図示しない制御部と電気的に接続された液晶画面と各種ボタンが配設されており、ユーザが液晶画面を見て確認しながらボタン操作できるようになっている。以上のような構成のインクジェット式プリンタ100は、記録ヘッド121を主走査方向に往復移動させつつロール紙を主走査方向と直交する副走査方向に搬送して記録する方式のものである。このため、各主走査間でつなぎスジが入らず、かつ所定の記録を完了するまでの記録速度を高めることができる間引き記録可能なマスクパターンが用いられており、以下で図を参照して説明する。
図4は、上記マスクパターンの一例を用いた記録状態を示す図である。図示黒塗り部分が記録されたドットを表しており、この実施例では説明を容易にするために、15ノズルを有する記録ヘッド121に用いられるマスクパターン50による8ドットで成る1回の主走査(パス)毎の記録状態を8パス分示している。なお、副走査方向はノズル間隔の1/4毎の記録密度とし、紙送り量は1パス〜4パスの間及び5パス〜8パスの間は2.75ノズル、4パス〜5パスの間は3.75ノズル、すなわち平均3ノズルとなっている。
このマスクパターン50は、記録デューティ(噴射比率)が、ノズル1は25%、ノズル2は50%、ノズル3は75%、ノズル4〜12は100%、ノズル13は75%、ノズル14は50%、ノズル15は25%となるように設定されている。すなわち、このマスクパターン50による記録デューティは、副走査方向における中央付近のノズル4〜ノズル12で最大の100%となり、副走査方向における両端に向かうに従って、つまりノズル3〜ノズル1及びノズル13〜ノズル15に向かうに従って、75%〜25%と徐々に減少するように設定されている。
さらに、マスクパターン50は、ノズル13〜ノズル15によるドットが、ノズル3〜ノズル1によるドットにより補完されるように設定されている。すなわち、75%〜25%と徐々に減少するノズル13〜ノズル15の記録デューティとノズル3〜ノズル1の記録デューティが、各主走査間の重複領域となって100%の記録デューティとなるように設定されている。
図5は、図4において同一位置にノズルが来て重複領域となるパスの一例を抜き出して示す図であり、図6は、図5を模式的に示す図である。この実施例では、4パス毎に1つのパスを抜き出しており、1パス、5パス、9パスの各ノズル13〜ノズル15と、5パス、9パス、13パスの各ノズル1〜ノズル3とを重ね合わせることにより、1記録ラインをそれぞれ完成することができる。
すなわち、ノズル13の75%の記録デューティとノズル1の25%の記録デューティ、ノズル14の50%の記録デューティとノズル2の50%の記録デューティ、ノズル15の25%の記録デューティとノズル3の75%の記録デューティを重ね合わせることにより、各パス間の重複領域を100%の記録デューティとすることができる。そして、このとき、ノズル4〜ノズル12は100%の記録デューティであるので、1回のパスで1記録ラインをそれぞれ完成することができる。
図7及び図8は、図5及び図6の実施例に対する比較例を示す図である。この比較例のマスクパターン51でも、4パス毎に1つのパスを抜き出しており、1パス、5パス、9パスの各ノズル13〜ノズル15と、5パス、9パス、13パスの各ノズル1〜ノズル3とを重ね合わせることにより、1記録ラインをそれぞれ完成することができるが、以下の点で異なる構成となっている。
すなわち、ノズル1〜ノズル3及びノズル13〜ノズル15の記録デューティは全て50%の減少一定に設定されており、ノズル13〜ノズル15の50%の記録デューティとノズル1〜3の50%の記録デューティを重ね合わせることにより、各パス間の重複領域を100%の記録デューティとすることができる。そして、このとき、ノズル4〜ノズル12は100%の記録デューティであるので、1回のパスで1記録ラインをそれぞれ完成することができる。
以上のような構成によれば、実施例及び比較例のマスクパターン50、51は共に、ノズル4〜ノズル12の記録デューティが最大(100%)であるので、記録ヘッド121のロール紙に対する1回のパスで1記録ラインをそれぞれ完成することができる。したがって、全ノズルを重ね合わせる必要があるマスクパターンと比べて記録速度を高めることができ、記録時間を大幅に短縮させることができる。
また、比較例のマスクパターン51では、ノズル1〜ノズル3及びノズル13〜ノズル15の記録デューティはノズル4〜ノズル12の記録デューティに対し1段階だけ減少しているので、図8に示すように、各パス間の重複領域においてパス間のズレによるスジ状の濃淡が2箇所に集中される。これに対し、実施例のマスクパターン50では、ノズル1〜ノズル3及びノズル13〜ノズル15の記録デューティはノズル4〜ノズル12の記録デューティに対し4段階で減少しているので、図6に示すように、各パス間の重複領域においてパス間のズレによるスジ状の濃淡は4箇所に分散される。したがって、実施例のマスクパターン50は比較例のマスクパターン51と比べてスジ消し効果を高めることができ、記録精度を向上させることができる。
図9は、上記マスクパターンの別の一例を用いた記録状態を示す図である。図示黒塗り部分が記録されたドットを表しており、この実施例では説明を容易にするために、21ノズルを有する記録ヘッド121に用いられるマスクパターン60による8ドットで成る1回のパス毎の記録状態を8パス分示している。なお、副走査方向はノズル間隔の1/4毎の記録密度とし、紙送り量は1パス〜4パスの間及び5パス〜8パスの間は2.75ノズル、4パス〜5パスの間は3.75ノズル、すなわち平均3ノズルとなっている。
このマスクパターン60は、記録デューティが、ノズル1は12.5%、ノズル2は25%、ノズル3は37.5%、ノズル4〜ノズル6は50%、ノズル7は62.5%、ノズル8は75%、ノズル9は87.5%、ノズル10〜ノズル12は100%、ノズル13は87.5%、ノズル14は75%、ノズル15は62.5%、ノズル16〜ノズル18は50%、ノズル19は37.5%、ノズル20は25%、ノズル21は12.5%となるように設定されている。すなわち、このマスクパターン60による記録デューティは、副走査方向における中央付近のノズル10〜ノズル12で最大の100%となり、副走査方向における両端に向かうに従って、つまりノズル9〜ノズル1及びノズル13〜ノズル21に向かうに従って、92.5%〜12.5%と徐々に減少するように設定されている。
さらに、マスクパターン60は、ノズル13〜ノズル21によるドットが、ノズル9〜ノズル1によるドットにより補完されるように設定されている。すなわち、92.5%〜12.5%と徐々に減少するノズル13〜ノズル21の記録デューティとノズル9〜ノズル1の記録デューティが、各パス間の重複領域となって100%の記録デューティとなるように設定されている。
図10は、図9において同一位置にノズルが来て重複領域となるパスの一例を抜き出して示す図である。この実施例では、4パス毎に1つのパスを抜き出しており、1パス、5パス、9パスの各ノズル13〜ノズル21と、5パス、9パス、13パスの各ノズル1〜ノズル9とを重ね合わせることにより、1記録ラインをそれぞれ完成することができる。
すなわち、ノズル13の87.5%の記録デューティとノズル1の12.5%の記録デューティ、ノズル14の75%の記録デューティとノズル2の25%の記録デューティ、ノズル15の62.5%の記録デューティとノズル3の37.5%の記録デューティ、ノズル16〜ノズル18は50%の記録デューティとノズル4〜ノズル6は50%の記録デューティ、ノズル19の37.5%の記録デューティとノズル7の62.5%の記録デューティ、ノズル20の25%の記録デューティとノズル8の75%の記録デューティ、ノズル21の12.5%の記録デューティとノズル9の87.5%の記録デューティを重ね合わせることにより、各パス間の重複領域を100%の記録デューティとすることができる。そして、このとき、ノズル10〜ノズル12は100%の記録デューティであるので、1回のパスで1記録ラインをそれぞれ完成することができる。
以上のような構成によれば、マスクパターン60は、ノズル10〜ノズル12の記録デューティが最大(100%)であるので、記録ヘッド121のロール紙に対する1回のパスで1記録ラインをそれぞれ完成することができる。したがって、全ノズルを重ね合わせる必要があるマスクパターンと比べて記録速度を高めることができ、記録時間を大幅に短縮させることができる。
また、マスクパターン60では、ノズル1〜ノズル9及びノズル13〜ノズル21の記録デューティはノズル10〜ノズル12の記録デューティに対し8段階で減少しており、各パス間の重複領域においてノズル数が9と多く、画像全体に重複領域が数回記録されるため、スジ状の濃淡は目立たなくなる。したがって、マスクパターン60はマスクパターン50と比べてさらにスジ消し効果を高めることができ、記録精度をさらに向上させることができる。
図11及び図12は、図10の実施例のドットの配置とそれに対する比較例のドットの配置を示す図である。これらの例は、紙送り量を上記各実施例のときよりも若干大きく設定した場合、すなわち各パス間の重複領域が1回の紙送り量よりも大きくなるように設定した場合である。なお、図12に示すドットは、ノズル1〜ノズル9及びノズル13〜ノズル21の記録デューティが、ノズル10〜ノズル12の記録デューティ(100%)に対し1段階だけ減少した記録デューティ(50%)を有するマスクパターンによるものである。
図11に示すように、実施例のマスクパターン60では、パス間の重複領域のドット間隔の広い個所が重複領域内に散らばるので目立たなくなる。一方、図12に示すように、比較例のマスクパターンでは、パス間の重複領域のドット間隔の広い個所が集まるので白スジとして認識されることになる。なお、上述したインクジェット式プリンタ100に適用するのみならず、シリアル記録を行う例えばSIDM・サーマルプリンタ等にも同様に適用することにより同様の効果を得ることができる。
液体噴射装置を備えた記録装置であれば、例えばファクシミリ装置、コピー装置等であっても適用可能である。また、記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を液体噴射ヘッドから被噴射媒体に噴射して液体を被噴射媒体に付着させる液体噴射装置の意味として、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等を備えた装置にも適用可能である。
10 インクカートリッジ、50、51、60 マスクパターン、100 インクジェット式プリンタ、110 給紙部、120 記録・搬送部、121 記録ヘッド、122 キャリッジ、130 排紙部、140 脚部、150 インクカートリッジホルダ
Claims (7)
- 液体噴射ヘッドと被噴射媒体とを主走査方向及び副走査方向に複数回相対移動させる際に、マスクパターンに従って液体を噴射する液体噴射装置であって、
前記マスクパターンは、噴射比率が前記副走査方向における中央付近で最大となり、前記副走査方向における両端に向かうに従って徐々に減少し、かつ当該減少部分が各主走査間の重複領域となるように設定されていることを特徴とする液体噴射装置。 - 前記マスクパターンによる噴射比率が中央付近で最大のまま一定となる領域を有することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記マスクパターンにおける噴射比率の減少部分は、比率一定となる部分を含んで設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射装置。
- 前記マスクパターンにおける噴射比率の減少部分は、重ね合わせにより最大の噴射比率となるように設定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかの一項に記載の液体噴射装置。
- 前記各主走査間の重複領域は、前記副走査方向の1回の移動量よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射装置。
- 被記録媒体に記録する記録装置であって、
請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射装置を備えたことを特徴とする記録装置。 - 液体噴射ヘッドと被噴射媒体とを主走査方向及び副走査方向に複数回相対移動させつつ液体を噴射する液体噴射方法であって、
噴射比率が前記副走査方向における中央付近で最大となり、前記副走査方向における両端に向かうに従って徐々に減少するように設定されたマスクパターンに基づいて、前記主走査方向への1回の相対移動を行いつつ前記液体を噴射するステップと、
当該減少部分が各主走査間の重複領域となるように、前記副走査方向への1回の相対移動を行うステップとを所定回数繰り返すことを特徴とする液体噴射方法。
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JP2005103894A JP2006281574A (ja) | 2005-03-31 | 2005-03-31 | 液体噴射装置、記録装置及び液体噴射方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2011084005A (ja) * | 2009-10-16 | 2011-04-28 | Ricoh Co Ltd | 画像形成方法、画像処理方法、プログラム、記憶媒体、画像処理装置、画像形成装置 |
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2005
- 2005-03-31 JP JP2005103894A patent/JP2006281574A/ja active Pending
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