JP6252882B1 - 枢動アンカーの検査方法、及び水上太陽光発電システムのメンテナンス方法 - Google Patents

枢動アンカーの検査方法、及び水上太陽光発電システムのメンテナンス方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水底に設置された枢動アンカーの設置状態を、高い信頼性を持って検査することのできる検査方法を提供する。【解決手段】アンカー部と該アンカー部に枢動可能に連結されたロッド部とを有し且つ水底に設置された枢動アンカーの設置状態を検査する方法は、前記ロッド部を引き上げて前記枢動アンカーの引抜き耐力を測定することと、前記測定した引抜き耐力を所定値と比較することを含む。該枢動アンカーは、前記ロッド部を引上げる引上げ構造体であって、引上げ軸を有し且つ該引上げ軸に沿って前記ロッド部を引上げる引上げ装置と、前記引上げ装置による前記ロッド部の引上げ時に前記水底を押圧する底面を有する反力板と、前記引上げ装置と前記反力板とを前記引上げ軸に対して前記底面が回動可能に連結する連結部とを備える引上げ構造体を用いて前記ロッド部を引き上げることにより前記水底に設置された枢動アンカーである。【選択図】図10

Description

本発明は、枢動アンカーの検査方法、及び水上太陽光発電システムのメンテナンス方法に関する。
近年、水面上にソーラーパネルを配列した水上メガソーラーの設置が進んでいる。水上メガソーラーにおいては、水面に浮かぶソーラーパネルと水底に設置したアンカーとをワイヤで連結し、ソーラーパネルを水上の定位置に保持している。水底に設置されるアンカーとして、枢動アンカーも用いられている。
枢動アンカーの一例は図8(a)に示すとおりであり、アンカー部91とロッド部92とが連結部91Pにおいて枢動可能に連結された構造を有している。
枢動アンカー90を設置する際には、まずアンカー部91に形成された孔91hに打込み用ロッド93の一端を挿入し、打込み用ロッド93の他端から押圧力を付与してアンカー部91及びロッド部92の一部を地中に打込む(図8(b))。次いで打込み用ロッド93を抜去し(図8(c))、ロッド部92の地上に残留する部分を油圧ジャッキ等を用いて上方に引っ張る。この引張力によりアンカー部91がロッド部92に対して枢動し、ロッド部92が引っ張られる方向に対して垂直な方向に、最も大きい投影面積を有するように配置される(図8(d))。これによりロッド部92は、高い引抜き耐力を有した状態で地面gに固定される。なお、枢動アンカーについての更なる詳細は、例えば特許文献1に記載されている。
枢動アンカーを効率良く水底に設置する方法として、本出願人に発行された特許文献2に記載の方法が用いられている。特許文献2に記載の方法によれば、台船により容易に移動可能な反力板を用いて、油圧ハンドブレーカー等を用いたアンカー部の水底への打込み、及び中空油圧ジャッキ等を用いたロッド部の上方への引っ張りを高い作業効率で行うことができる。
米国特許第7789594号公報 特許第5641270号公報
本発明は、水底に設置された枢動アンカーの設置状態を、高い信頼性を持って検査することのできる検査方法を提供することを目的の一つとする。
また本発明は、水上太陽光発電システムを、高い信頼性を持って維持、補修することのできるメンテナンス方法を提供することを他の目的の一つとする。
本発明の第1の態様に従えば、
アンカー部と該アンカー部に枢動可能に連結されたロッド部とを有し且つ水底に設置された枢動アンカーの設置状態を検査する方法であって、
該枢動アンカーは、前記ロッド部を引上げる引上げ構造体であって、
引上げ軸を有し且つ該引上げ軸に沿って前記ロッド部を引上げる引上げ装置と、
前記引上げ装置による前記ロッド部の引上げ時に前記水底を押圧する底面を有する反力板と、
前記引上げ装置と前記反力板とを前記引上げ軸に対して前記底面が回動可能に連結する連結部とを備える引上げ構造体を用いて前記ロッド部を引き上げることにより前記水底に設置された枢動アンカーであり、
前記ロッド部を引き上げて前記枢動アンカーの引抜き耐力を測定することと、
前記測定した引抜き耐力を所定値と比較することを含む方法が提供される。
第1の態様の方法において、前記枢動アンカーの引抜き耐力を測定することは、前記引上げ構造体を用いて前記ロッド部を引き上げて前記枢動アンカーの引抜き耐力を測定することであってもよい。
第1の態様の方法において、前記連結部が、前記引上げ装置と前記反力板との間に、前記ロッド部を前記引上げ装置へと案内するための案内空間を画成してもよい。
第1の態様の方法において、前記連結部と前記反力板とは着脱可能であってもよい。
第1の態様の方法において、前記反力板に対して回動する前記引上げ装置の回動中心が、前記反力板の前記底面を含む面内、又は前記面の前記引上げ装置とは反対側にあってもよい。
本発明の第2の態様に従えば、
水上に浮かび且つ太陽光パネルが設置されたフロートと、
水底に設置された複数の枢動アンカーと、
前記フロートと前記複数の枢動アンカーとを繋ぐ複数のワイヤロープとを備える水上太陽光発電システムのメンテナンス方法であって、
第1の態様の方法により前記複数の枢動アンカーの少なくとも1つの設置状態を検査することを含むメンテナンス方法が提供される。
第2の態様のメンテナンス方法は、更に、前記複数の枢動アンカーの前記ロッド部の傾き、該ロッド部の変形、及び/又は該ロッド部の上端の位置に基づいて、前記設置状態の検査対象とする少なくとも1つの枢動アンカーを決定することを含んでも良い。
第2の態様のメンテナンス方法は、更に、前記複数のワイヤロープの少なくとも1つに取り付けられたひずみ測定器の測定結果に基づいて、前記設置状態を検査する少なくとも1つの枢動アンカーを決定することを含んでもよい。
第2の態様のメンテナンス方法は、更に、前記複数のワイヤロープの状態、前記フロートと前記複数のワイヤロープとの接続部の状態、及び/又は前記複数のワイヤロープと前記複数の枢動アンカーの接続部の状態を目視点検することを含んでもよい。
本発明の第3の態様に従えば、
アンカー部と該アンカー部に枢動可能に連結されたロッド部とを有する枢動アンカーを水底に設置し、且つ該枢動アンカーの設置状態を検査する方法であって、
前記ロッド部を引上げる引上げ構造体であって、
引上げ軸を有し且つ該引上げ軸に沿って前記ロッド部を引上げる引上げ装置と、
前記引上げ装置による前記ロッド部の引上げ時に前記水底を押圧する底面を有する反力板と、
前記引上げ装置と前記反力板とを前記引上げ軸に対して前記底面が回動可能に連結する連結部とを備える引上げ構造体を用いて前記ロッド部を引き上げることにより前記水底に前記枢動アンカーを設置することと、
前記ロッド部を引き上げて前記枢動アンカーの引抜き耐力を測定することと、
前記測定した引抜き耐力を所定値と比較することを含む方法が提供される。
第3の態様の方法において、前記枢動アンカーの引抜き耐力を測定することは、前記引上げ構造体を用いて前記ロッド部を引き上げて前記枢動アンカーの引抜き耐力を測定することであってもよい。
第3の態様の方法において、前記連結部が、前記引上げ装置と前記反力板との間に、前記ロッド部を前記引上げ装置へと案内するための案内空間を画成してもよい。
第3の態様の方法において、前記連結部と前記反力板とは着脱可能であってもよい。
第3の態様の方法において、前記反力板に対して回動する前記引上げ装置の回動中心が、前記反力板の前記底面を含む面内、又は前記面の前記引上げ装置とは反対側にあってもよい。
本発明の枢動アンカーの検査方法によれば、水底に設置された枢動アンカーの設置状態を、高い信頼性を持って検査することができる。
本発明の水上太陽光発電システムのメンテナンス方法によれば、水上太陽光発電システムを、より効果的に維持、補修することができる。
図1は、本発明の実施形態の検査方法及びメンテナンス方法において用いられる引上げ構造体を含む作業船の斜視図である。 図2(a)は、引上げ構造体に含まれる中空油圧ジャッキの斜視図である。図2(b)は、図2(a)の中空油圧ジャッキを用いて引上げロッドを引き上げる方法を示す説明図である。 図3は、引上げ構造体を含む作業船を用いて枢動アンカーを設置する方法を示すフローチャートである。 図4(a)〜図4(c)は、枢動アンカー打込み工程の作業内容を示す説明図である。 図5(d)、図5(e)は、引上げ構造体設置工程の作業内容を示す説明図であり、図5(f)は、ロッド部引上げ工程の作業内容を示す説明図である。 図6は、案内空間のより望ましい寸法を説明するための説明図である。 図7は、引上げ構造体の変形例を示す斜視図である。 図8(a)〜図8(d)は、枢動アンカーを地中に設置する手順を示す説明図である。 図9(a)、図9(b)は水上太陽光発電システムの概略的な構成を示す。図9(a)は平面図であり、図9(b)は側面図である。 図10は、本発明の実施形態の枢動アンカー検査方法及び水上太陽光発電システムのメンテナンス方法を示すフローチャートである。 図11は、水底に設置された枢動アンカーの状態を示す説明図である。 図12は、作業船のウインチを用いて枢動アンカーを引き上げる方法を示す説明図である。
<実施形態>
本発明の実施形態に係る枢動アンカーの検査方法、及び水上太陽光発電システムのメンテナンス方法について、図1〜図12を参照して説明する。
水上太陽光発電システム1000は、図9(a)、図9(b)に示す通り、水面Sに浮かぶフロートFLと、フロートFLの上面に敷設された複数の太陽電池モジュールSCと、水底Bに打設された複数の枢動アンカー90と、フロートFLと枢動アンカー90とを繋いでフロートFLを係留する複数のワイヤロープWRとを含む。なお、図9(b)においては、簡単のため、矩形のフロートFLの長手方向の端部に繋がれたワイヤロープWR、及び当該ワイヤロープWRが繋がれた枢動アンカー90のみを示し、その他のワイヤロープWR、枢動アンカー90は図示を省略している。
フロートFLは、例えば、1つの太陽電池モジュールSCを保持できるよう構成された、平面視が略正方形のフロートユニット(不図示)を複数組合せた構成を有する。図9(a)においては、フロートFLの平面視形状は矩形であるが、これには限られず、フロートユニットを組み合せて得られる様々な平面視形状とし得る。枢動アンカー90はフロートFLを囲んで複数(図9(a)では11個)設けられている。1つの枢動アンカー90には、一例として2本のワイヤロープWRが繋がれている。太陽電池モジュールSC、ワイヤロープWR、及び枢動アンカー90の数及び配置も、フロートFLの大きさや形状に応じて適宜変更し得る。
[引上げ構造体、作業船、枢動アンカー設置方法]
まず、水上太陽光発電システム1000に含まれる枢動アンカー90であり、本発明の実施形態の枢動アンカー検査方法の検査対象である枢動アンカー90を水底に設置する方法を説明する。具体的には、引上げ構造体2、引上げ構造体2を備える作業船100、及び作業船100を用いる枢動アンカー設置方法について、これらを用いて傾斜した水底に枢動アンカーを設置する場合を例として説明する。なお、枢動アンカーとしては例えばフォーサイト社のマンタレイ(商品名)を使用し得るが、これには限られない。
図1に示す通り、作業船100は、船外機14を含む台船1と、台船1にワイヤWを介して連結された引上げ構造体2とを主に有する。図1において、台船1は水面に浮かんでおり、引上げ構造体2は水底に接地している。
以下の説明では、図1において船外機14が位置する方向を、作業船100及び台船1の後側とし、その反対側(図1中の向かって左下側)を作業船100及び台船1の前側とする。また、前後方向に直交する水平方向を、作業船100及び台船1の幅方向とする。
台船1は、上板11と、上板11の下方に配置された一対のフロート12と、上板11の略中央から上方に延びるマスト13と、上板11の側面に取り付けられた船外機14とを主に有する。
上板11は、略U字形の平板であり、幅方向の中央部に、前端から後方に向かう切欠き1Sを有する。
一対のフロート12は、各々、略直方体の中空浮体であり、長手方向を前後方向に向けて、切欠き1Sを幅方向に挟むように上板11の下面に取り付けられている。一方のフロート12は、上板11の幅方向の一方の縁に沿って上板11に取り付けられており、他方のフロート12は、上板11の幅方向の他方の縁に沿って上板11に取り付けられている。
マスト13は、上板11の上面に垂直に固定された一対の支柱13aと、一対の支柱13aの上端部を繋いで上板11と平行に延びる梁13bを含む。マスト13は、切欠き1Sを幅方向に跨いでいる。マスト13の一方の支柱13aには油圧ゲージGが取り付けられており、梁13bの幅方向の中央にはウインチ(移動機構)15が取り付けられている。
船外機14は、上板11の後縁に取り付けられている。船外機14は、任意の小型船舶用エンジンであってよい。
その他、台船1は、上板11の上に設置された油圧パワーユニット40を備える。油圧パワーユニット40は、後述する中空油圧ジャッキ23や油圧ブレーカー50の油圧源として用いられる。
引上げ構造体2は、反力板21と、反力板21の上面に設けられた連結部22と、連結部22に回動可能に接続された中空油圧ジャッキ23を主に含む。
反力板21は、中空油圧ジャッキ23を用いた引上げ作業時にその底面211が水底に密着される板部材であり、本実施形態では、鉄、ステンレス等の金属により形成された平板である。反力板21は略U字形であり、所定方向に延びる切欠き2Sを有する。
連結部22は、反力板21から直立する4本の脚部221a、221b、221c、221dと、4本の脚部221a〜221dにより水平に保持された水平板部222と、水平板部222の上面から直立する一対の垂直板部223を含む。
脚部221a〜221dは、切欠き2Sの両側に2本ずつ設けられている。脚部221a、221bは、切欠き2Sの一方側において切欠き2Sの延びる方向に沿って反力板21に接続されており、脚部221c、221dは、切欠き2Sの他方側において切欠き2Sの延びる方向に沿って反力板21に接続されている。
水平板部222は、正方形又は矩形であり、その四隅において、4本の脚部221a〜221dの各々の上端に一体に接続されている。これにより水平板部222は、反力板21の切欠き2Sの上方に、反力板21と平行に保持されている。水平板部222の中央部には、水平板部222を厚さ方向に貫通する貫通孔Hが設けられている。なお、図1においては貫通孔Hの形状は矩形であるが、貫通孔Hは正方形、円形等の任意の形状であってよい。
4本の脚部221a〜221d、反力板21の上面、及び水平板部222の下面により、直方形の案内空間GSが画成(define)される。案内空間GSは、切欠き2S、貫通孔H、及び脚部221a〜221dの隣接する2本の間の隙間を介して、案内空間GSの外側と連通している。
反力板21に直交する方向から見た場合、反力板21の切欠き2Sと、案内空間GSと、貫通孔Hとは重なっている。案内空間GSの寸法の詳細については後述するが、反力板21と水平(平行)な面内において、中空油圧ジャッキ23の外形よりも案内空間GSの外形が大きいことが望ましく、案内空間GSの外形と切欠き2Sの大きさが同一であるか、又は案内空間GSの外形よりも切欠き2Sが大きいことが望ましい。
一対の垂直板部223は、水平板部222の貫通孔Hを、切欠き2Sの延びる方向に直交する方向に挟んで対向している。一対の垂直板部223の各々には、スリットSが設けられている。スリットSの各々は円弧形状であり、一例として、円弧の中心Soは反力板21の底面211を含む平面内に位置する。
中空油圧ジャッキ23は、枢動アンカー等の引上げを行う引上げ装置であり、図2(a)に示すように、円筒形の中空シリンダー231と、中空シリンダー231の一端側に設けられたソケット232とを有する。
中空シリンダー231の径方向の中心部には、中心軸(引上げ軸)Aに沿って延びる孔231hが画成されている。中空シリンダー231の内部には、リング状のピストン(不図示)が収容されている。
ソケット232は、中空シリンダー231が位置する側とは反対側に開口したカップ状であり、その底部に、中心軸Aを中心とする円形の小孔232hを有する。ソケット232の内表面232i(図2(b))の断面形状は中心軸Aを中心とする円形であり、その径は、下方(中空シリンダー231に近い位置)において小さく、上方(中空シリンダー232から遠い位置)に向かうにしたがって次第に大きくなっている。即ち、ソケット232の内表面232iはテーパ状に形成されている(図2(b))。
中空シリンダー231内の不図示のピストンとソケット232とは連結されており、ピストンが中心軸A方向に移動すると、ソケット232も中心軸A方向に移動する。
中空シリンダー231の、ソケット232が位置する側とは反対側の端部近傍の外周面には、互いに反対側に向かって突出する一対のボスbが固定されている。中空油圧ジャッキ23は、一対のボスbを、連結部22の垂直板部223の一対のスリットSに挿入して、反力板21及び連結部22に回動可能に連結されている。
中空油圧ジャッキ23の回動は、次の特徴を有する。
スリットSはそれぞれ円弧形状であり、円弧の中心Soはそれぞれ反力板21の底面211を含む平面内に位置している。したがって中空油圧ジャッキ23は、ボスbがスリットS内をスライドすることにより、一対の中心Soを結ぶ回動軸X(図1)回りに、切欠き2Sの延びる方向に回動する。なお回動軸Xは、反力板21の底面211を含む平面内において、切欠き2Sの延びる方向に直交している。
中空油圧ジャッキ23の回動する範囲は任意であるが、一例として、中心軸Aが反力板21に対して垂直である位置を基準として、両側にそれぞれ5°〜30°程度の範囲である。この範囲の全てにおいて、中心軸Aが案内空間GS及び切欠き2S内を通過することが望ましいが、これには限られない。
引上げ構造体2の反力板21には、台船1のマスト13に取り付けられたウインチ15から延びるワイヤWの端部が接続されている。台船1と引上げ構造体2とが連結された状態において、引上げ構造体2の切欠き2Sの延びる方向及び中空油圧ジャッキ23の回動方向は、台船1の前後方向に一致する。また、引上げ構造体2の中空油圧ジャッキ23の回動軸Xの延びる方向は、台船1の幅方向に一致する。台船1の上板1の切欠き1Sと反力板21の切欠き2Sとは、延在方向が一致し且つ上下方向に重なる。
次に、図3のフローチャート及び図4、5を参照して、枢動アンカー設置方法の一例を説明する。
枢動アンカー設置方法の一例は、図3に示す通り、枢動アンカーの設置位置を示す目印を水底に配置する目印配置工程S1と、該目印の位置に枢動アンカーを打込む枢動アンカー打込み工程S2と、引上げ構造体2を水底に配置する引上げ構造体配置工程S3と、引上げ構造体2により枢動アンカーのロッド部を引上げるロッド部引上げ工程S4と、枢動アンカーの引抜き耐力を測定する引抜き耐力測定工程S5とを含む。
目印配置工程S1では、枢動アンカー90の設置位置を示す目印Mを水底Bに配置する。目印Mは一例として、一端部に旗を取り付け、他端部に鉄筋を連接した竹竿を用いることができる。GPS測量機及び光学式測量機器を用いてダイバーを誘導しながら、水底Bの枢動アンカー90を打込むべき場所に目印Mの鉄筋を差しこんでいく。目印Mを配置することにより、枢動アンカー90を設置すべき水底Bの位置を、水面S上で旗を視認して容易に把握することが可能となる。
枢動アンカー打込み工程S2では、水底Bの、目印Mによって示される位置に、枢動アンカー90を打込む。具体的な手順の一例は次の通りである。
まず、目印Mの位置に作業船100を移動し、台船1の切欠き部1S及び引上げ構造体2の切欠き部2Sの内部に目印Mが位置した状態で、作業船100を停止する(図4(a))。この時、作業船100の前後方向を、水底Bの傾斜方向に一致させる。
次に、図4(b)に示すように、打込み用ロッド93の上端部を油圧ハンドブレーカー50で保持するとともに、打込み用ロッド93の下端部を枢動アンカー90のアンカー部91の孔部91h(図8(a))に挿入し、目印Mにより指示される水底Bの位置にアンカー部91を押込む。この時、ロッド部92の回動方向を、作業船100の前後方向(即ち、引上げ構造体2の切欠き2Sの延びる方向及び中空油圧ジャッキ23の回動方向)に一致させておく。
その後、油圧ハンドブレーカー50と台船1上の油圧パワーユニット40とを油圧ホース(不図示)で接続して油圧ハンドブレーカー50を作動し、垂直下方に押圧力を加えると、油圧ハンドブレーカー50は枢動アンカー90のアンカー部91を鉛直下方に打込む(図4(c))。打込みが完了した後、油圧ハンドブレーカー50と打込み用ロッド93とを取り除く。
なお、本例の枢動アンカー設置方法では、枢動アンカー90のロッド部92の端部に環部92cを設け、環部92cに金属製の引上げ用ロッド94を着脱可能に接続している。引上げ用ロッド94の接続は、例えば引上げ用ロッドの一端に設けられたロック付のフック等を環部92cに係合させることにより行う。
引上げ構造体配置工程S3では、中空油圧ジャッキ23を用いた枢動アンカー90の引上げを行うために、引上げ構造体2を水底Bに配置する。
具体的には、まず台船1をわずかに前進させて、略垂直に延びる引上げ用ロッド94が、中空油圧ジャッキ23の中空シリンダー231の中心軸Aに近接するよう調整する。次いで、台船1のウインチ15によりワイヤWを繰り出して引上げ構造体2を降下して、引上げ用ロッド94を中空油圧ジャッキ23の中空シリンダー231の孔231hに通し(図5(d))、反力板21を水底Bに接地させる(図5(e))。
ここで、引上げ用ロッド94を中空シリンダー231の孔231hに通す際には、引上げ用ロッド94の上端部を、切欠き2S、案内空間GS、及び貫通孔Hを介して孔231h内に導く。
枢動アンカー90のロッド部92は、作業船100の前後方向、即ち切欠き2Sの延びる方向に回動可能であり、環部92cを介してロッド部92に接続された引上げ用ロッド94も同様である。したがって、引上げ用ロッド94を切欠き2Sの延びる方向に回動させて引上げ用ロッド94の上端を容易に切欠き2S内に導くことができ、その後、脚部221aと脚部221cとの間を介して容易に案内空間GSに導くことができる。
また、引上げ用ロッド94の上端を案内空間GSから孔231hに導く際には、脚221a〜221dの間から案内空間GSを視認して、引上げ用ロッド94の上端を容易に貫通孔Hに案内し、その後、孔231hに容易に案内できる。
図5(d)、図5(e)に示すように、水底が、作業船100の後側の水深が前側の水深よりも深くなるように傾斜している場合には、反力板21が水底Bに接地する際、まず反力板21の前端側が水底Bに接触する。その後、反力板21は、後端側が更に降下するのに伴って傾斜し、最後に後端側が水底Bに接触する。これにより反力板21は、傾斜した水底Bに密着して接地する。
作業船100は、その前後方向が水底Bの傾斜方向に沿うように配置されているため、中空油圧ジャッキ23の回動方向も水底Bの傾斜方向に一致している。したがって、反力板21の傾斜に応じて中空油圧ジャッキ23を回動させ、中空油圧ジャッキ23の中空シリンダー231の中心軸Aを垂直に保ちつつ、反力板21を傾斜した水底Bに接地することができる。
ロッド部引上げ工程S4では、中空油圧ジャッキ23を用いて引き上げ用ロッド94を引上げ、枢動アンカー90を水底Bに固定する。
具体的にはまず、中空油圧ジャッキ23と台船1上の油圧パワーユニット40とを油圧ホース(不図示)で接続する。これにより、中空シリンダー231内に油圧を付与することが可能となる。また、中空油圧ジャッキ23と台船1上に配置された油圧ゲージGも油圧ホース(不図示)で接続する。これにより、中空シリンダー231内のピストン、ひいてはソケット部232にかかる荷重を台船1上の油圧ゲージGで読み取ることが可能となる。
枢動アンカー90のロッド部92を引き上げる際には、図2(b)に示すように、ロッド部92に連結された引上げ用ロッド94を挟むように、ソケット232内に2つのくさび形挟持具233を配置する。くさび形挟持具233は、一例として円錐台を中心軸に沿って2分割した形状を有しており、ソケット232内に配置した状態では、外周面233oがソケット232の内周面232iと接触し、内平面233iが引上げ用ロッド94と接触している。
ここで、くさび形挟持具233の内平面233iは、引上げ用ロッド94に対する摺動が抑制されるよう加工されている。したがってこの状態でソケット232を上方に移動させると、引上げ用ロッド94を挟んで配置された2つのくさび形挟持具233は下方に向かって次第に直径が小さくなるソケット232の内周面232iにより半径方向内側に押圧され、より強固に引上げ用ロッド94を挟持する。くさび形挟持具233はこれと同時に上方にも押圧されるため、くさび形挟持具233に挟持された引上げ用ロッド94も、上方に引き上げられる。これにより、引上げ用ロッド94に接続されたロッド部92が引き上げられて枢動アンカー90のアンカー部91が枢動し、枢動アンカー90が水底Bに固定される(図5(f))。
ロッド部92の引上げ時には、ロッド部92及び引上げ用ロッド94は上方に移動し、ロッド部92の環部92cと、これに接続された引上げ用ロッド94のロック付きフックは切欠き2S及び案内空間GS内を上方に移動する。このように、案内空間GSを有することにより、環部92cやロック付きフックと中空シリンダー231との衝突が抑制されている。
なお、ロッド部92の引き上げ時には、台船1上で油圧ゲージGの示す荷重の値を確認する。油圧ゲージGの示す荷重の値が急上昇すれば、アンカー部91が枢動し、枢動アンカー90が水底Bに固定されたものと推定することができる。台船1上で油圧ゲージGの示す荷重の値の急上昇を確認した作業者から、水中で中空油圧ジャッキ23を操作するダイバーへの連絡は、水中無線等を用いて行うことができる。このように油圧ゲージGを台船1上に配置することで、水中の視界が良好でない場合も、正確に油圧ゲージGの値を把握できる。
引抜き耐力測定工程S5では、枢動アンカー90が十分な引抜き耐力を有して水底Bに設置されているか否かを確認する。
引抜き耐力測定工程S5は、ロッド部引上げ工程S4で用いた中空油圧ジャッキ23及びくさび形挟持具233をそのまま用いる。一例として、引抜き耐力として40kNを有することが望まれる場合は、中空油圧ジャッキ23の油圧を上昇させて、油圧ゲージGの示す荷重の値が40kNに至ることを確認する。この時、枢動アンカー90が引抜かれることなく油圧ゲージGの示す荷重の値が40kNに到達すれば、枢動アンカー90は、十分な引抜き耐力(40kN)を有して水底Bに設置されていると判断できる。一方で、油圧ゲージGの示す荷重の値が40kNに至ることなくアンカー部91が引き上げられれば、枢動アンカー90は、十分な引抜き耐力(40kN)を有していないと判断できる。
設置した枢動アンカー90が十分な引抜き耐力を有することが確認されれば、一本の枢動アンカー90の配置は完了する。配置が完了した枢動アンカー90について、写真を取り、ロッド部92や環部92cの状態(例えば、水底Bに対する位置。具体的には例えば、ロッド部92の傾きや環部92cの水底Bからの高さ)を記録してもよい。この記録は、測定対象決定工程S6において用い得る(詳細後述)。
1本の枢動アンカー90の配置が完了したら、ウインチ15によりワイヤWを巻き上げて引上げ構造体2を上昇させ、次の目印Mが示す位置へと作業船100を移動する。次の目印Mに作業船100を移動した後は、上記の工程S2〜S5を繰り返して2本目の枢動アンカー90を設置する。
すべての枢動アンカー90の設置が完了した後、水面Sの、太陽電池モジュールSCが敷設されたフロートFLと枢動アンカー90とをワイヤロープWRで繋ぎ、フロートFLを係留する。これにより、水上太陽光発電システム1000の設置が完了する。
[検査方法、メンテナンス方法]
次に、水底Bに設置された上記の枢動アンカー90の設置状態を検査する方法、及び当該枢動アンカー90を含む水上太陽光発電システム1000をメンテナンスする方法について説明する。
本実施形態の方法を用いる枢動アンカー90の検査、及び水上太陽光発電システム1000のメンテナンスは、上記の工程により枢動アンカー90を設置し、当該枢動アンカー90を含む水上太陽光発電システム1000を設置した時点から所定の期間が経過した後(一例として5年後、7年後、10年後等であるがこれには限定されない)に実施される。
本実施形態の水上太陽光発電システムのメンテナンス方法は、図10のフローチャートに示す通り、引抜き耐力測定の対象とする枢動アンカー90を決定する測定対象決定工程S6と、測定対象決定工程S6において測定対象と決定された枢動アンカーの引抜き耐力を測定する引抜き耐力測定工程S7と、枢動アンカーの補強を行う補強工程S8と、水上太陽光発電システムのワイヤロープ等の点検を行うワイヤロープ等点検工程S9とを含む。このうち、引抜き耐力測定工程S7が本実施形態の枢動アンカーの検査方法に相当する。
[測定対象決定工程S6]
測定対象決定工程S6においては、水底Bに設置された枢動アンカー90の状態に基づいて、引抜き耐力測定工程S7で引抜き耐力の測定対象とする枢動アンカー90を決定する。
具体的には例えば、水上太陽光発電システム1000に含まれる複数の枢動アンカー90の各々について、ロッド部92の傾きや変形、ロッド部92の上端の環部92cの水底Bからの高さを目視点検し、ロッド部92が水底Bに対して所定の角度を越えて傾いている場合、ロッド部92に変形が生じている場合、及び/又は環部92c(ロット部92の上端)が水底Bよりも所定距離を越えて上方に位置している場合等に、このようなロッド部92や環部92cを有する枢動アンカー90を、引抜き耐力測定の対象と決定する。
なお、枢動アンカー90の設置完了時に撮影した写真記録と、現状との比較に基づいて測定対象決定工程S6を行うことで、決定の信頼性をより高めることができる。
[引抜き耐力測定工程S7]
引抜き耐力測定工程S7では、測定対象決定工程S6において測定対象と決定された枢動アンカー90について、引抜き耐力の再測定を行う。
引抜き耐力測定工程S7は、例えば、引上げ構造体2を用いて、上記の引抜き耐力測定工程S5と実質的に同一の方法により行い得る。即ち、図5(f)に示すように、枢動アンカー90の環部92cに引上げ用ロッド94を連結し、引上げ用ロッド94を中空シリンダー231の孔231hに通す。そして、図2(b)に示すように、引上げ用ロッド94を挟んでソケット232内に2つのくさび形挟持具233を配置し、ソケット232を上方に移動させて、引上げ用ロッド94及びロッド部92を上方に引っ張る。
この時、中空油圧ジャッキ23の油圧を上昇させて、油圧ゲージGの示す荷重の値(或いは油圧ゲージGの計測値から換算される荷重の値)を所定の閾値と比較する。そして、引上げ用ロッド94及びロッド部92(即ち枢動アンカー90)が上方に移動することなく油圧ゲージGの示す荷重の値が所定の閾値を超えた場合には、測定対象とした枢動アンカー90の引抜き耐力は少なくとも所定の閾値よりも大きな値であると判定する。一方で、油圧ゲージGの示す荷重の値が所定の閾値を超える前に引上げ用ロッド94及びロッド部92(即ち枢動アンカー90)が上方に移動した場合には、当該枢動アンカー90の引抜き耐力(即ち、枢動アンカー90が移動を開始した時点における油圧ゲージGの示す荷重の値)は所定の閾値以下であると判定する。
なお、所定の閾値は、上記の、枢動アンカー90の設置時の引抜き耐力測定工程S5において十分であるとみなされる引抜き耐力(上記の例では40kN)と同一としてもよく、状況に応じて、これとは異なる値としてもよい。
[補強工程S8]
補強工程S8においては、引抜き耐力測定工程S7にて引抜き耐力が所定の閾値以下であると判定された枢動アンカー90について、引抜き耐力の補強を行う。
具体的には例えば、引抜き耐力が所定の閾値以下であると判定された枢動アンカー90を抜去し、抜去した枢動アンカー90が設置されていた位置又はその近傍に、新たな枢動アンカー90を設置する。
枢動アンカー90の抜去は、例えば引上げ構造体2を用いて行うことができる。また、新たな枢動アンカー90の設置は、枢動アンカー打込み工程S2、引上げ構造体配置工程S3、ロッド部引上げ工程S4、引抜き耐力測定工程S5を含む上記の枢動アンカー設置方法を用いて行い得る。
補強工程S8においては、引抜き耐力が所定値以下であると判定された枢動アンカー90を抜去することなく、当該枢動アンカー90の近傍に、新たな枢動アンカー90を設置してもよい。この場合は、引抜き耐力が所定値以下であると判定された枢動アンカー90の引抜き耐力と新たな枢動アンカー90の引抜き耐力の合計値が上記の所定の閾値(一例として40kN)以上となるようにする。これにより、2本の枢動アンカー90を、引抜き耐力が上記の所定の閾値以上である1本の枢動アンカー90と等価とみなすことができる。
[ワイヤロープ等点検工程S9]
ワイヤロープ等点検工程S9においては、ワイヤロープWR、ワイヤロープWRとフロートFLとの接続部分を、例えば目視にて点検する。
ワイヤロープWRの点検について、具体的には例えば、ワイヤロープWRのキンクやつぶれ、腐蝕、摩耗等を点検する。接続部分の点検ついて、具体的には例えば、ワイヤロープWRとフロートFLとの間に配置され得るシャックルやチェーンについて、変形、摩耗、き裂等の有無を点検する。
本実施形態の枢動アンカーの検査方法、水上太陽光発電システムのメンテナンス方法の効果を以下にまとめる。
本実施形態の枢動アンカーの検査方法は、引抜き耐力の測定に基づいて枢動アンカーの設置状態を判定している。そのため枢動アンカーの設置状態を、高い信頼性を持って検査することができる。
本実施形態の水上太陽光発電システムのメンテナンス方法は、本実施形態の枢動アンカーの検査方法を含み、枢動アンカーの設置状態を高い信頼性を持って検査することができる。そのため、水上太陽光発電システムを、高い信頼性を持って維持、補修することができる。
また、本実施形態の水上太陽光発電システムのメンテナンス方法は、測定対象決定工程S6により、引抜き耐力の測定対象とする枢動アンカー90を決定した上で、必要な枢動アンカー90についてのみ、引抜き耐力の測定を行う。従って、メンテナンスの作業効率が高い。
上記の引上げ構造体2、作業船100、及び枢動アンカー設置方法の効果を以下にまとめる。
上記の引上げ構造体2は、中空油圧ジャッキ23が反力板21に対して回動可能に連結されているため、水底の状態にかかわらずより確実に、高い作業効率で中空油圧ジャッキ(引上げ装置)23を用いたロッド部の上方への引っ張りを行うことができる。
具体的には例えば、本発明の発明者の知見によれば、枢動アンカーのアンカー部を水底に打込んだ際、ロッド部は必ずしも水底に対して垂直に延びるものではなく、水底に対して90°以外の様々な角度を有し得る。特に傾斜面である水底にロッド部を垂直に設置する場合には、ロッド部は水底に対しては垂直ではない。
上記の引上げ構造体2は、中空油圧ジャッキ23が反力板21に対して回動可能に連結されているため、傾斜した水底においても、中空油圧ジャッキ23を垂直に配置し、且つ反力板21の底面を水底に密着して接地させることができる。また、このように配置された引上げ構造体2により、水底に対して垂直ではないロッド部の引っ張りを容易に行うことができる。
上記の引上げ構造体2は、中空油圧ジャッキ23の中空シリンダー231の孔231hの下方に案内空間GSが画成されており、案内空間GSと切欠き2Sとが連通している。したがって、引上げ用ロッド94を孔231hに通す際には、切欠き2S及び案内空間GSをガイドとして用いることができ、視界の悪い水中であっても、引上げ用ロッド94の端部を容易に孔231hに導くことができる。
また、上記の引上げ構造体2は、中空油圧ジャッキ23の中空シリンダー231の孔231hの下端部と反力板21との間に案内空間GSを有するため、地盤が緩く、引上げ時にロッド部92が大きく上方に移動する場合であっても、ロッド部92の端部に設けられた環部92cと中空油圧ジャッキ23とが衝突し難い。
上記の引上げ構造体2は、中空油圧ジャッキ23を反力板21によって支持した状態で、ロッド部92の引上げ作業を行っており、ロッド部92の引上げに際して生じる反力(水底Bを押圧する力)は、面積の大きい反力板21の底面を介して水底に与えられる。よってロッド部92の引き上げに要する力が比較的大きくても、水底の単位面積当たりに与えられる力は小さくなり、水底が軟弱であっても、ロッド部92の引上げ時に生じる反力を安定して受け止めることができる。換言すれば、中空油圧ジャッキ23の水底への貫入等を生じることなくロッド部92の引上げを行うことができる。
上記の引上げ構造体2は、中空油圧ジャッキ23と反力板21とが一体に接続された構成を有するため、水中において反力板21上に中空油圧ジャッキ23を配置する手間がない。また、台船1を用いた反力板21と中空油圧ジャッキ23の移動、配置を一度に行うことができる。
上記の引上げ構造体2は、反力板21により作業箇所の周囲の水底Bから泥やヘドロが巻き上がることを防止することができ、ダイバーの視界を確保することができる。
上記の作業船100も、引上げ構造体2を備えるため、引上げ構造体2と同じ効果を奏することができる。また、上記の作業船100は、軽量であり喫水の小さい台船1を用いているため、一例として水深が70センチ程度の浅瀬にも進入することができ、浅瀬において杭やアンカーの打込み、引抜き作業を好適に行うことができる。
上記の作業船100は、切欠き1Sを有する平面視略U字形の台船1と、切欠き2Sを有する平面視略U字形の反力板21を有しており、切欠き1Sと切欠き2Sとは平面視において互いに重複する領域を有している。したがって本実施形態の作業船100によれば、切欠き1S、2S内に目印Mを位置させることで、目印Mの真上に作業船100を配置することができ、目印Mによって示された水底Bの位置に、正確に枢動アンカー90を打ち込むことができる。
上記の枢動アンカー設置方法も作業船100を用いるため、作業船100と同様の効果を奏することができる。
上記実施形態の枢動アンカーの検査方法、水上太陽光発電システムのメンテナンス方法において、次の変形態様を採用してもよい。
上記実施形態の枢動アンカーの検査方法は、引抜き耐力測定工程S7のみを含んでいたがこれには限られない。枢動アンカーの検査方法は、更に、枢動アンカー90の環部92cの状態や、枢動アンカー90とワイヤロープWRとの接続部(図11)の状態を点検する設置状態点検工程を含んでもよい。
設置状態点検工程においては、例えば、環部92cを構成する部材(一例としてスイベルアイナット)の変形、摩耗、き裂、傷等の有無や、環部92cとワイヤロープWRとの間に配置されたシャックルSYの変形、摩耗、き裂、傷等の有無を点検する。また、ワイヤロープWRの、シャックルSYとの連結部のロック加工の状態、具体的には例えばスリーブSL(クランプ管)の変形、摩耗、き裂、傷、腐蝕、錆等の有無を点検してもよい。
設置状態点検工程は、例えば、上記の測定対象決定工程S6を行う際に、当該工程と同時に行っても良く、測定対象決定工程S6とは別個に、例えば引抜き耐力測定工程S7の後に行っても良い。
なお、測定対象決定工程S6や設置状態点検工程を行う場合に、枢動アンカー90の環部92cや、枢動アンカー90とワイヤロープWRとの接続部が水底Bに溜まった泥の中に埋もれている場合がある。このような場合には、バキュームポンプ(不図示)を用いて、環部92cの近傍の泥を吸引してもよい。なお、吸引した泥は、その後の点検に悪影響を及ぼさないよう、水中の、点検個所とは離れた場所に排出することが望ましい。
上記実施形態の引抜き耐力測定工程S7においては、引上げ構造体2を用いて、枢動アンカー90の設置時に行われる引抜き耐力測定工程S5と実質的に同一の方法により枢動アンカー90の引抜き耐力を測定していたが、引上げ構造体2を用いずに枢動アンカー90の引抜き耐力を測定することもできる。
具体的には例えば、図12に示すように、ウインチ15から延びるワイヤW1の下端に測定器60を取り付け、測定器60から延びるワイヤW2の下端にフックHKを設けた作業船100を用いた測定を行い得る。測定器60は、例えばクレーンスケール、テンションメーター等である。
このような作業船100を用いる方法においては、ワイヤW2の下端のフックHKを枢動アンカー90の環部92cに係合して、枢動アンカー90を引き上げる方向にウインチ15を作動させる。そして、ロッド部92(即ち枢動アンカー90)が上方に移動することなく測定器60の測定値(或いは測定器60の測定値から換算される値)が所定の閾値を超えた場合には、測定対象とした枢動アンカー90の引抜き耐力は少なくとも所定の閾値よりも大きな値であると判定する。一方で、測定器60の測定値が所定の閾値を超える前にロッド部92(即ち枢動アンカー90)が上方に移動した場合には、当該枢動アンカー90の引抜き耐力(即ち、枢動アンカー90が移動を開始した時点における測定器60の示す測定値)は所定の閾値以下であると判定する。作業船100を用いて枢動アンカー90の引抜き耐力を測定しても、枢動アンカーの設置状態を高い信頼性を持って検査することができる。
また、作業船100を用いる変形態様の方法においては、測定される引抜き耐力は、作業船100の浮力の影響を受けた値となり、引上げ構造体2を用いて測定される引抜き耐力の値とは完全には一致しないものとなり得る。したがって、作業船100の浮力の影響を考慮した引抜き耐力値の換算表を予め準備しておき、作業船100を用いる変形態様の方法において測定された引抜き耐力の値を、当該換算表を用いて、引上げ構造体2を用いる方法において測定される引抜き耐力の値に換算した上で、所定の閾値との比較を行っても良い。これにより、引抜き耐力測定工程S7を、引上げ構造体2を用いない簡易な方法により、引上げ構造体2を用いる方法と同様のより高い精度で行うことができる。
なお、本明細書及び本発明において、「引抜き耐力」は、枢動アンカー90の移動を生じることなく枢動アンカー90に加えることの可能な上方への力の大きさを意味する。上記の説明においては、引抜き耐力の単位をN(ニュートン)で表しているがこれには限られず、t(トン)等のその他の単位で表すこともできる。
上記実施形態の引抜き耐力測定工程S7においては、測定対象決定工程S6において決定された枢動アンカー90について引抜き耐力の測定を行っていたが、これには限られない。引抜き耐力測定工程S7においては、フロートFLの形状等に基づいて予め測定対象と決定されている枢動アンカー90について、引抜き耐力の測定を行ってもよい。
フロートFLを係留する複数のワイヤロープWR及び複数の枢動アンカー90の内、いずれのワイヤロープWR及び枢動アンカー90に、フロートFLの移動等による引張力が大きく加えられるかは、フロートFLの形状等に基づいてある程度予測することができる。そのため、例えば、フロートFLの移動等による引張力が大きく加えられると予想される枢動アンカー90を予め測定対象と決定しておくことができる。
その他の方法として、フロートFLを係留する複数のワイヤロープWRの各々にひずみゲージ(不図示)を取り付けて、ひずみゲージの測定値に基づいて、引抜き耐力の測定対象とする枢動アンカー90を決定してもよい。
ひずみゲージにより、複数のワイヤロープWRの内のいずれかに大きなひずみが生じていることが検知されれば、大きなひずみが生じたワイヤロープWRが繋がれている枢動アンカー90にも、大きな引張力が加わっていると分かる。したがって、あるワイヤロープWRに取り付けられたひずみゲージの測定値が所定の閾値を越えて大きくなった場合には、当該ワイヤロープWRが繋がれた枢動アンカー90を、引抜き耐力の測定対象とし得る。
ワイヤーロープWRに対するひずみゲージの取付け方、ワイヤーロープWRに取り付けたひずみゲージを用いて引抜き耐力の測定対象とする枢動アンカー90を決定する方法、及び測定対象と決定した枢動アンカ−90の引抜き耐力を測定するタイミングについては、様々な態様を採用し得る。
ある態様においては、複数のワイヤーロープWRの全てにひずみゲージを取り付けて、水上太陽光発電システム1000の設置後、所定の期間(例えば数か月)、各ひずみゲージの値のモニタリングを行う。そして、このモニタリングの結果に基づき、予定された時期(例えば5年後)に行うメンテナンスにおいて、引抜き耐力の測定対象とすべき枢動アンカー90を決定する。
例えば、モニタリング期間において、所定の閾値を越えるひずみの発生が検知されたワイヤロープWRや、発生したひずみの累積値が所定の閾値を越えたワイヤロープWRが繋がれた枢動アンカー90を、引抜き耐力の測定対象と決定する。
他の態様においては、ひずみゲージの測定値が所定の閾値を越えた場合に報知を行う報知部を設けておき、報知部による報知に基づいて、報知の原因となったひずみセンサーに関連した枢動アンカー90の引抜き耐力を測定してもよい。この場合は例えば、予定された検査時期やメンテナンス時期にかかわらず、報知がなされた後すみやかに、引抜き耐力の測定を行っても良い。
また、ひずみゲージは、必ずしも全てのワイヤロープWRに取り付ける必要はなく、大きなひずみが生じ得ると考えられる所定のワイヤロープWRのみに取り付けても良い。上述の通り、いずれのワイヤロープWR及び枢動アンカー90に、フロートFLの移動等による引張力が大きく加えられるかは、フロートFLの形状等に基づいてある程度予測することができる。
各ワイヤーロープWRに対するひずみゲージの取付け位置も任意である。また、ひずみゲージに代えて、ワイヤーロープWRに生じるひずみを測定し得る任意のひずみ測定器を用い得る。
ワイヤロープWRに取り付けたひずみゲージを用いることで、引抜き耐力測定工程S7において測定対象とする枢動アンカー90を、より効率的に決定することができる。また、引抜き耐力測定工程S7を、より適切なタイミングで実施することも可能となる。したがって、水上太陽光発電システム1000のメンテナンスを、より効率的に、且つより高い信頼性を持って行うことが可能となる。
上記実施形態においては、水上太陽光発電システム1000に含まれる枢動アンカー90に対して本発明の枢動アンカーの検査方法を用いる場合について説明した。しかしながら、本発明の枢動アンカーの検査方法は、水上太陽光発電システム1000に含まれる枢動アンカーのみではなく、任意の枢動アンカー90に対して用いることができる。
上記の引上げ構造体2、作業船100、及び枢動アンカー設置方法において、次の変形態様を採用してもよい。
引上げ構造体2は、必ずしも台船1に連結されている必要はない。台船1を有さない引上げ構造体2を、クレーン船等で移動しながら使用することも可能である。
上記の引上げ構造体2においては、反力板21は、切欠き2Sを有する略U字形であったが、反力板21の形状はこれには限られない。反力板21は、矩形又は正方形の中央部に開口部が設けられた略O字形状であっても良い。その他、任意の形状の板部材に、任意の形状の開口や切込みを設けることによっても、使用可能な反力板を得ることができる。また、反力板は必ずしも1枚ではなくてもよく、連結部22又は中空油圧ジャッキ23に対して接続された複数枚の板部であってもよい。即ち反力板は、中空油圧ジャッキ23に対して反力を提供しうる限り、任意の数及び形状とし得る。
上記の引上げ構造体2において、反力板21の底面211は平坦面であってよいがこれには限られず、例えば底面211に凹凸を設けてすべり止めとしてもよい。また、反力板21の底面211の一部(例えば外縁沿い)に、木製や金属製の角柱を長手方向が反力板21に沿うように固定してすべり止めとしてもよい。
上記の引上げ構造体2においては、連結部22の垂直板部223のスリットSは円弧状であり、円弧の中心Soは反力板21の底面211を含む平面内にあったがこれには限られない。中心Soの位置は任意であるが、反力板21の底面211の、スリットSとは反対側であることがより好ましい。より具体的には、使用時に中心Soが枢動アンカー90の回動の中心(即ち、連結部91P)の近傍となるようにスリットSの形状を決定することが好ましい。
上記の引上げ構造体2においては、連結部22の脚部221a〜221dは反力板21から直立していたがこれには限られない。脚部221a〜221dは、反力板21に対して傾斜していても良い。連結部22の脚部221a〜221dが反力板21に対して傾斜している引上げ構造体2は、より傾斜角の大きい水底に対して好適に使用することができる。
また、脚部221a〜221dの長さ及び/又は脚部221a〜221dの反力板21に対する角度は変更可能であってもよい。脚部221a〜221dの長さを変更可能とすれば、水底の地盤が軟らかい場合は脚部221a〜221dを長くしてロッド部92の環部92cの上方への大きな移動に対応でき、且つ不使用時には脚部221a〜221dを短くして引上げ構造体2をコンパクトにできる。脚部221a〜221dの角度を変更可能とすれば、水底の傾斜角に応じて角度を調整できるため、引上げ構造体2を様々な傾斜角の水底に対して使用可能とすることができる。
連結部22は、反力板21に対して着脱可能であってもよい。これにより、水底の地盤の固さに応じて、反力板21を付け替えることができる。水底の地盤が軟弱である場合には面積の大きな反力板21を使用し、水底の地盤が強固である場合には面積の小さな反力板21を使用する。なお、連結部22と分離された反力板21を容易に移動可能なように、反力板21に、クレーン等のフックを係合するためのリング等を設けても良い。
連結部22の脚部221a〜221dの間の隙間は、板等で塞がれていてもよい。また、案内空間GSが外部から視認できるように、透明な板を用いて塞いでも良い。
上記の引上げ構造体2においては、連結部22は4本の脚部221a〜221dと、水平板部222と、垂直板部223とにより構成されていたが、これには限られない。連結部22は、反力板21と中空油圧ジャッキ23との間に所定の案内空間を与え、且つ反力板21と中空油圧ジャッキ23を回動可能に連結する任意の構成であってよい。具体的には例えば、4本の脚部221a〜221dに代えて、円筒状又は円錐筒状の台部により、水平板部222及び垂直板部223を支持してもよい。この場合は、筒状の台部の内側に案内空間が画成される。
連結部22により画成される案内空間の上下方向(反力板21に垂直な方向)の寸法は、ロッド部92を引き上げる際に、上方に移動する環部92cが中空油圧ジャッキ23に接触しないような寸法とすることが望ましく、具体的には例えば50cm〜150cm程度とし得る。
連結部22により画成される案内空間の、反力板21に水平(平行)な面内における径は、ロッド部92を引き上げる際に、下方から上昇してくる環部92cが案内空間の内部を良好に通過できるような寸法とすることが望ましい。具体的には例えば、図6に示すように、中空油圧ジャッキ23が反力板21の垂直方向に対して傾斜している場合、案内空間が、中空油圧ジャッキ23の外径Dと同程度の径d1を有する案内空間GS1であると、ロッド部92の環部92cは、案内空間GS1を画成する外周壁(例えば、脚部221a〜221dの間の板や円筒状、円錐筒状の台部)に衝突し、上方への移動が妨げられる恐れがある。
一方で、案内空間が、中空油圧ジャッキ23の外径Dよりも大きい径d2を有する案内空間GS2であると、ロッド部92の環部92cは、案内空間GS2を画成する外周壁に衝突することなく、案内空間GS2内を、良好に上方に移動する。このように、案内空間の径は中空油圧ジャッキ23の外径Dよりも大きいことが望ましく、案内空間の径を中空油圧ジャッキ23の外径Dの1.2倍〜2倍程度とすることがより望ましい。なお、このような中空油圧ジャッキ23の外径Dと案内空間の径との大小関係は、少なくとも中空油圧ジャッキ23の回動方向において成立していればよい。
上記の引上げ構造体2において、連結部22は案内空間GSを画成しなくてもよい。そのような連結部は、例えば、図7に示すように、脚部221a〜221dを有さず、水平板部222が反力板21に直接取り付けられた構造を有する。更に、連結部22は、水平板部222を有さなくてもよく、この場合は、垂直板部223が反力板21に直接取り付けられた構造を有する。その他、連結部22に代えて、中空油圧ジャッキ23と反力板21とを、中心軸Aに対して反力板21の底面を回動可能に連結する任意の構成を有する部分を連結部とし得る。案内空間を形成しない引上げ構造体も、環部92cを有さないロッド部92の引上げ等には好適に使用し得る。
上記の引上げ構造体2においては、中空油圧ジャッキ23は、所定の1方向にのみ回動可能に連結部22に連結されていたが、これには限られない。中空油圧ジャッキ23と反力板21との連結にボールジョイント等を用いて、中空油圧ジャッキ23を、反力板21に水平な任意の軸周りに回動可能としてもよい。この構成によれば、引上げ構造体2を水底に配置する際に、中空油圧ジャッキ23の回動方向が水底の傾斜方向に一致するよう調整する必要がない。
上記の引上げ構造体2においては、引上げ装置として中空油圧ジャッキ23を用いているがこれには限られない。引上げ装置はロッド部92等の水底に設置された部材を水面方向に引き上げ可能な装置であればよく、中空油圧ジャッキ23に代えてチェーンブロック、ウインチ等を用いることもできる。
上記の作業船100では、ワイヤWは、引上げ構造体2の重心位置において反力板21に接続されているため、1本のワイヤにより引上げ構造体2の浮上及び降下を安定して行うことができる。しかしながら、台船1と引上げ構造体2との接続は、複数のワイヤWを用いて行っても良い。また、移動機構として、ウインチ15に代えてレバーブロック(登録商標)等の手動でワイヤWを巻き取る機構を用いても良い。
上記の枢動アンカー設置方法では、枢動アンカー90の打込みを台船1の上から行っていたが、枢動アンカー90の打込みを水中で行ってもよく、特許文献2に開示される作業船を用いて行ってもよい。
上記の枢動アンカー設置方法では、枢動アンカー90のロッド部92に引上げ用ロッド94を連結して、中空油圧ジャッキ23により引上げ用ロッド94を介してロッド部92を引上げているがこれには限られない。引上げ用ロッド94に代えてワイヤを用いても良く、引上げ用ロッド94を用いず中空油圧ジャッキ23により直接ロッド部92を引上げてもよい。
上記においては、作業船100を用いて枢動アンカーを設置する方法を説明したが、既に設置された杭・アンカー等を抜去する場合に、引上げ構造体2又は作業船100を使用することも可能である。特に、引上げ構造体2又は作業船100は、水底に対して垂直から傾いて設置されている杭・アンカーの抜去に好適に用い得る。
本発明の特徴を維持する限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
本発明の枢動アンカーの検査方法、及び水上太陽光発電システムのメンテナンス方法によれば、枢動アンカーの検査、水上太陽光発電システムのメンテナンスを高い信頼性をもって行うことができる。したがって、本発明の枢動アンカーの検査方法、及び水上太陽光発電システムのメンテナンス方法によれば水上空間の有効利用をより一層促進することができる。
1000 水上太陽光発電システム
100 作業船
1 台船
11 上板
12 フロート
13 マスト
14 船外機
15 ウインチ
1S 切欠き
2 引上げ構造体
21 反力板
22 連結部
23 中空油圧ジャッキ
40 油圧パワーユニット
50 油圧ハンドブレーカー
60 測定器
90 枢動アンカー
FL フロート
SC 太陽電池モジュール
W、W1、W2 ワイヤ
WR ワイヤーロープ

Claims (14)

  1. アンカー部と該アンカー部に枢動可能に連結されたロッド部とを有し且つ水底に設置された枢動アンカーの設置状態を検査する方法であって、
    該枢動アンカーは、前記ロッド部を引上げる引上げ構造体であって、
    引上げ軸を有し且つ該引上げ軸に沿って前記ロッド部を引上げる引上げ装置と、
    前記引上げ装置による前記ロッド部の引上げ時に前記水底を押圧する底面を有する反力板と、
    前記引上げ装置と前記反力板とを前記引上げ軸に対して前記底面が回動可能に連結する連結部とを備える引上げ構造体を用いて前記ロッド部を引き上げることにより前記水底に設置された枢動アンカーであり、
    前記ロッド部を引き上げて前記枢動アンカーの引抜き耐力を測定することと、
    前記測定した引抜き耐力を所定値と比較することを含む方法。
  2. 前記枢動アンカーの引抜き耐力を測定することは、前記引上げ構造体を用いて前記ロッド部を引き上げて前記枢動アンカーの引抜き耐力を測定することである請求項1に記載の方法。
  3. 前記連結部が、前記引上げ装置と前記反力板との間に、前記ロッド部を前記引上げ装置へと案内するための案内空間を画成する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記連結部と前記反力板とは着脱可能である請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記反力板に対して回動する前記引上げ装置の回動中心が、前記反力板の前記底面を含む面内、又は前記面の前記引上げ装置とは反対側にある請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 水上に浮かび且つ太陽光パネルが設置されたフロートと、
    水底に設置された複数の枢動アンカーと、
    前記フロートと前記複数の枢動アンカーとを繋ぐ複数のワイヤロープとを備える水上太陽光発電システムのメンテナンス方法であって、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法により前記複数の枢動アンカーの少なくとも1つの設置状態を検査することを含むメンテナンス方法。
  7. 更に、前記複数の枢動アンカーの前記ロッド部の傾き、該ロッド部の変形、及び/又は該ロッド部の上端の位置に基づいて、前記設置状態の検査対象とする少なくとも1つの枢動アンカーを決定することを含む請求項6に記載のメンテナンス方法。
  8. 更に、前記複数のワイヤロープの少なくとも1つに取り付けられたひずみ測定器の測定結果に基づいて、前記設置状態を検査する少なくとも1つの枢動アンカーを決定することを含む請求項6に記載のメンテナンス方法。
  9. 更に前記複数のワイヤロープの状態、前記フロートと前記複数のワイヤロープとの接続部の状態、及び/又は前記複数のワイヤロープと前記複数の枢動アンカーの接続部の状態を目視点検することを含む請求項6〜8のいずれか一項に記載のメンテナンス方法。
  10. アンカー部と該アンカー部に枢動可能に連結されたロッド部とを有する枢動アンカーを水底に設置し、且つ該枢動アンカーの設置状態を検査する方法であって、
    前記ロッド部を引上げる引上げ構造体であって、
    引上げ軸を有し且つ該引上げ軸に沿って前記ロッド部を引上げる引上げ装置と、
    前記引上げ装置による前記ロッド部の引上げ時に前記水底を押圧する底面を有する反力板と、
    前記引上げ装置と前記反力板とを前記引上げ軸に対して前記底面が回動可能に連結する連結部とを備える引上げ構造体を用いて前記ロッド部を引き上げることにより前記水底に前記枢動アンカーを設置することと、
    前記ロッド部を引き上げて前記枢動アンカーの引抜き耐力を測定することと、
    前記測定した引抜き耐力を所定値と比較することを含む方法。
  11. 前記枢動アンカーの引抜き耐力を測定することは、前記引上げ構造体を用いて前記ロッド部を引き上げて前記枢動アンカーの引抜き耐力を測定することである請求項10に記載の方法。
  12. 前記連結部が、前記引上げ装置と前記反力板との間に、前記ロッド部を前記引上げ装置へと案内するための案内空間を画成する請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記連結部と前記反力板とは着脱可能である請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記反力板に対して回動する前記引上げ装置の回動中心が、前記反力板の前記底面を含む面内、又は前記面の前記引上げ装置とは反対側にある請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法。
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