JP5641270B1 - 作業船及び枢動アンカー設置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業環境が良好でない場所においても、水底の杭、アンカー等に好適に引張力を与えることができる作業船を提供する。【解決手段】水底に打ち込まれた部材を引き上げる引上装置を用いて前記部材を水底から引き上げる作業船は、水上を移動するための台船と、前記台船に対して移動可能に接続され、水底に設置される反力板と、前記反力板を前記台船に対して移動させる移動機構とを有する。前記反力板は、前記引上装置を支持する支持部を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、作業船、および作業船を用いて枢動アンカーを設置する方法に関する。
海洋、湖沼等の水面上に桟橋等を浮かべ、水上空間を有効に活用することが従来から行われており、近年では、水面上にソーラーパネルを設置し、水上空間をメガソーラーとして有効利用することも行われている。水上に浮かべられる桟橋やソーラーパネル等は、ワイヤーを介して水底に設置された杭やアンカー等に連結され、これにより水面上の定位置に固定されている。
杭やアンカー等の水底への打設は、杭打船によって行われるか、あるいはダイバー(潜水士)が杭打機やハンドブレーカー等の小型建設機械を水中で操作することより行われる。一方で、杭やアンカーの引き抜き(抜去)は、クレーン台船によって水上から杭等に引張力を与えて行われるか、あるいはダイバーが水中で油圧ジャッキ等を操作することにより行われる。クレーン台船を用いた杭の引き抜きは、例えば特許文献1に記載されている。
また、アンカーの一種として、枢動アンカーも使用されている。枢動アンカーの一例は図8(a)に示すとおりであり、アンカー部91とロッド部92とが連結部91Pにおいて枢動可能に連結された構造を有している。
枢動アンカー90を設置する際には、まずアンカー部91に形成された孔91hに打ち込み用ロッド93の一端を挿入し、打ち込み用ロッド93の他端から押圧力を付与してアンカー部91及びロッド部92の一部を地中に打ち込む(図8(b))。次いで打ち込み棒93を抜去し(図8(c))、ロッド部92の地上に残留する部分を油圧ジャッキ等を用いて上方に引っ張る。この引張力によりアンカー部91がロッド部92に対して枢動し、ロッド部92が引っ張られる方向に対して垂直な方向に、最も大きい投影面積を有するように配置される(図8(d))。これによりロッド部92は、高い引抜き耐力を有した状態で地面gに固定される。なお、枢動アンカーについての更なる詳細は、例えば特許文献2に記載されている。
特開2009−52329号公報 米国特許第7789594号公報
上記のようにして固定された枢動アンカーをクレーン船によって船上から引き抜くには、かなりのパワーが必要であった。更に、水深の浅い湖沼に打設された杭、アンカー等を抜去する場合は、クレーン台船を使用することは困難であるため、ダイバーによる水中作業によることが必要であり、海洋においても、水深が浅い場所においてはクレーン台船は使用できず、湖沼と同様にダイバーによる水中作業によっている。水深が浅い場所で、枢動アンカーを設置するためにロッド部に引張力を与える作業も、ダイバーによる水中作業により行うことが必要である。
しかしながら、ダイバーが水中において杭等に引張力を与える場合、水底の地盤が軟弱であったり、泥やヘドロ等の堆積により軟弱となっていると、油圧ジャッキ等を用いた杭等の引っ張りに十分な反力を得ることが困難であった。
そこで本発明は、水深が浅い、水底が軟弱であるなど作業環境が良好でない場所においても、水底の杭、アンカー等に好適に引張力を与えることができる作業船を提供すること、及びこの作業船を用いた枢動アンカー設置方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、
水底に打ち込まれた部材を引き上げる引上装置を用いて前記部材を水底から引き上げる作業船であって、
水上を移動するための台船と、
前記台船に対して移動可能に接続され、水底に設置される反力板と、
前記反力板を前記台船に対して移動させる移動機構とを有し、
前記反力板が、前記引上装置を支持する支持部を備える作業船が提供される。
本発明の作業船は、水上を移動する台船に接続され台船と移動機構とによって水底の自在な位置に設置される反力板を有しており、該反力板は、引上装置を支持する支持部を有している。よって、水底が軟弱であっても、引上装置を反力板によって支持することで、水底に打ち込まれた部材を引き上げる引上装置に対して、引き上げを行うのに必要な反力を与えることができる。また反力板を水底に設置することで、水底からのヘドロや泥の巻き上がりを防止して、引上装置を操作するダイバーの視界を確保することができる。
本発明の作業船において、前記引上装置は、前記反力板に支持され且つ水中に配置された状態で前記部材の引き上げを行うものであってもよい。
本発明の作業船において、前記支持部は、前記反力板の上面に形成された互いに離間する2つの部分であってよく、該2つの部分の間に、平面視において前記反力板が存在しない空洞部が存在してもよい。また前記反力板は一辺の略中央部から内側に向かう切欠きを有する平面視略コ形であってよく、前記空洞部が前記切欠きであってもよい。支持部をこのような配置とすることによって、部材の引き上げ作業に適した状態で引上装置を支持することができる。
本発明の作業船において、前記反力板の上面の前記支持部の近傍に、水底に部材を打ち込むための打込装置をガイドするガイド機構が取り付けられていてもよい。枢動アンカーの打ち込みを行う打込装置をこのガイド機構により案内することで、水底に対して枢動アンカーを所望の角度で打ち込むことが容易となる。また、ガイド機構の取り付け位置を支持部の近傍とすることで、枢動アンカーを打ち込んだ後のロッド部の引上作業も好適に行うことができる。
本発明の作業船において、前記反力板は、下面に形成された凹部と、該凹部から水を除去するための開口部とを有してもよい。開口部を介して凹部の水を除去し、凹部内を負圧とすることで、反力板を水底に圧着させ、かつ水底の泥やヘドロを押し固めることができる。これにより枢動アンカーの設置や杭やアンカーの除去等をより安定した作業環境で行うことが可能となる。
本発明の作業船において、前記台船は一辺の略中央部から内側に向かう切欠きを有する平面視略コ形であってよく、前記台船と前記反力板とは、前記台船の切欠きと前記反力板の切欠きとが平面視において互いに重複部を有するように接続されていてもよい。このような構成を有する作業船によれば、台船の切欠きと反力板の切欠きとの重複部に目印が位置するように作業船を配置することで、目印の位置に正確に引上装置、打込み装置を配置することができる。
本発明の作業船において、前記台船は、前記引上装置の動作状態を測定するためのゲージを備えてもよい。これにより、水中の視界が十分でない場合においても、台船上の作業者によって、引上装置の動作状態を正確に計測することができる。
本発明の作業船は、前記引上装置を更に備えてもよい。
本発明の第2の態様に従えば、
第1の態様の作業船を用いる枢動アンカー設置方法であって、
前記水底に打ち込まれた部材が、ロッドと、枢動軸を中心に枢動するアンカーとを有する枢動アンカーであり、
前記作業船を作業位置に移動することと、
前記反力板を水底に設置することと、
前記水底に前記枢動アンカーのアンカーを打ち込むことと、
前記引上装置を前記支持部によって支持して、前記枢動アンカーのロッドを水面方向に引き上げて前記アンカーを水底内で枢動させることとを有する枢動アンカー設置方法が提供される。
本発明の枢動アンカーの設置方法によれば、水底が軟弱であっても、引上装置を反力板によって支持することで、枢動アンカーのロッドを引き上げる引上装置に対して、引き上げを行うのに必要な反力を与えることができる。また反力板を水底に設置することで、水底からのヘドロや泥の巻き上がりを防止して、枢動アンカーの打ち込み、引き上げを行うダイバーの視界を確保することができる。
本発明の作業船、及び枢動アンカー設置方法によれば、作業環境が良好でない場所においても、水底の杭、アンカー等に好適に引張力を与えることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る作業船の斜視図であり、反力板が降下位置にある状態を示す。 図2(a)は反力板の側断面図、図2(b)は反力板の平面図、図2(c)は反力板の底面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る作業船の斜視図であり、反力板が上昇位置にある状態を示す。 図4(a)〜図4(c)は、作業船を用いて水底に枢動アンカーを設置する工程の前半部を示す。 図5(d)〜図5(f)は、作業船を用いて水底に枢動アンカーを設置する工程の後半部を示す。 図6は、作業船を用いて水底に枢動アンカーを設置する工程を示すフローチャートである。 図7(a)は、台座に固定された中空油圧ジャッキの斜視図であり、図7(b)は、中空油圧ジャッキを台座を介して反力板により支持する様子を示す説明図である。 図8(a)〜図8(d)は、枢動アンカーを地中に設置する様子を示す説明図である。
<第1実施形態>
図1〜図8を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の作業船100は、台船1、反力板2、及び台船1と反力板2とを連結するワイヤWを主に有する。図示は省略しているが、図1において、台船1は水面に浮かんでおり、反力板2は水底に接地している。
台船1は、上板11と、上板11の下方に配置されたフロート12と、上板11の略中央において上方に延びるマスト13と、上板11の一側面に取り付けられた船外機14とを有する。なお以下の説明においては、図1において船外機14が位置する方向を、作業船100、台船1、反力板2の後側とし、その反対側(図1中の向かって右上側)を作業船100、台船1、反力板2の前側とする。また、作業船100、台船1、反力板2の右側、左側は、後側から前側を見た場合の右側、左側であるとする。
上板11は、左右方向の中央部に、後側端部から前側に向かって切り込まれた切欠き1Sを有する略コ字形状である。フロート12は、前後方向が長手方向である略直方体の浮体であり、上板11の左側端部に沿って1つと、右側端部に沿ってもう1つの、計2つが配置されている。船外機14は、上板11の後側端部の左端近傍に取り付けられている。船外機14は、任意の小型船舶用エンジンである。
マスト13は、正面視が略コ字形状であり、上板11から鉛直上方に延びる2本の支柱13aと、2本の支柱13aを上端部において水平方向に連結するビーム13bとを有する。マスト13は、支柱13aの一方が切欠き1Sの左側において上板11に、他方が切欠き1Sの右側において上板11に接続しており、切欠き1Sを左右方向に跨いで配置されている。
マスト13の支柱13aには油圧ゲージGが取り付けられており、ビーム13bの左右方向の中央には、ウインチ15が取り付けられている。また、上板11の上には、油圧パワーユニット40、コンプレッサ50が載置されている。
台船1には、マスト13に取り付けられたウインチ15、及びウインチ15によって巻き上げられるワイヤWを介して反力板2が連結されている。
反力板2は、左反力板21、右反力板22、及び連結板23を有し、左反力板21と右反力板22とが前側で連結板23によって連結された略コ字形状である。連結板23の後方には切欠き2Sが形成されている。ワイヤWは、反力板2の重心(反力板2に取り付けられたガイド機構3の重量も考慮した上での重心)の鉛直上方において連結板23の上面に連結されており、台船1と反力板2とは、台船1の切欠き1Sと反力板2の切欠き2Sとが平面視において互いに重複部を有するように連結されている。
左反力板21は、前後方向が長手方向である箱状体であり、図2(b)のA−A断面を示す図2(a)、及び図2(c)のとおり、下面21dに矩形の凹部26を有する。また凹部26と上面21uとは、上面21uの略中央に形成された開口部25により連通されている。また、凹部26の下側の開口部には、フィルタ28が取り付けられている。フィルタ28は、水底の泥、ヘドロ等は通過させずに水だけを通過させるフィルタであり、一例として不織布で形成されている。また、左反力板21の上面21uの左前の角部、及び左後ろの角部近傍には、リング24が形成されている。リング24は例えば、クレーンのフックをひっかけて、反力板2を水中から引き揚げる際に使用する。
右反力板22も、上記の左反力板21と同様の構造を有するが、リング24が、上面22uの右前の角部、及び右後ろの角部近傍に形成されている点は左反力板21と異なる。
反力板2の上面2uには、ガイド機構3が取り付けられている(図1)。ガイド機構3は、後述する油圧ハンドブレーカー70(図4(c))等を鉛直方向にガイドするための機構であり、左反力板21に対して鉛直に取り付けられた左ガイド31と、右反力板22に対して鉛直に取り付けられた右ガイド32と、左ガイド31と右ガイド32に摺動可能に取り付けられた摺動部33とを有する。摺動部33は、左右方向両端部の円管33Cと、左右の円管33Cを連結する板部33Pと、円管33Cから後方に突出する支持アーム33Sを有する。摺動部33は、支持アーム33Sにより油圧ハンドブレーカー70等を支持した状態で左右の円管33Cを左右ガイド31、32に沿って摺動させ、これにより油圧ハンドブレーカー70等を鉛直方向にガイドする。本実施形態においては、ガイド機構3は、2つの支持アーム33Sの左右方向の中心部Aが、切欠き2Sの鉛直上方に位置するように反力板2に取り付けられている。
左反力板21の上面21uの、左ガイド31との接続箇所の後方の領域には、後述する中空油圧ジャッキ80等の引上装置を支持する支持部21Eが画成されている。また右反力板22の上面22uの、右ガイド32との接続箇所の後方の領域には、支持部21Eと協働して引上装置を支持する支持部22Eが画成されている。より具体的には、支持部21E、22Eは、中間部に切欠き2Sを有して左右方向に離間した2つの支持部であって、支持部21Eと支持部22Eとの間に架け渡して配置される台座85(図7(b))を介して、中空油圧ジャッキ80等の引上装置を支持するように画成されている。
本実施形態においては、上記の通りガイド機構3が、支持部21E、支持部22Eの近傍に取り付けられている。「ガイド機構3が支持部21E、22Eの近傍において取り付けられている」とは、ガイド機構3を用いた枢動アンカー90のアンカー部91の打ち込みと、支持部21E、22Eとによって支持された引上装置を用いた枢動アンカー90のロッド部92の引き上げとを好適に実施できる程度に、ガイド機構3が支持部21E,22Eに近接して取り付けられていることを意味する。
また本実施形態においては、支持部21E、22Eが、平面視において反力板2の重心近傍に画成されている。支持部21E、22Eを反力板2の重心近傍に画成することで、より安定した状態で引上装置を支持することが可能となる。
作業船100は、上記の構造を有することにより、水中の自在な位置において、杭の引き抜き作業、枢動アンカーの設置作業等を行うことができる。作業船100の移動時は、ウインチ15によりワイヤWを巻き上げ、反力板2を台船1に接触又は近接させた状態で移動する。この状態においては、図3に示される通り、反力板2に取り付けられたガイド機構3は台船1の切欠き1Sを介して台船1の上方に突出する。
次に、図4、5の説明図及び図6のフローチャートを参照して本実施形態の作業船100の使用方法を説明する。ここでは使用方法の一例として枢動アンカー90(図8)の設置作業について説明するが、その他、杭やアンカーの引き抜き作業においても同様に本実施形態の作業船100を使用できることは、後述する通りである。本実施形態では、枢動アンカーとしてフォーサイト社のマンタレイ(商品名)を使用する。
本実施形態の作業船100を用いて水底B(図4(a))に枢動アンカー90を設置する工程においては、まず、枢動アンカー90の設置位置を示す目印Mを水底Bに配置する(S1)。目印Mは一例として、上端部に旗を取り付け、下端部に鉄筋を連接した竹竿を用いることができる。目印Mを配置する工程においては、GPS測量機及び光学式測量機器を用いてダイバーを誘導しながら、水底Bの枢動アンカー90を打ち込むべき場所に目印Mの鉄筋を差しこんでいく。目印Mを配置することにより、枢動アンカー90を設置すべき水底Bの位置を、水面S上で旗を視認して容易に把握することが可能となる。
次に、図4(a)に示すように、目印Mの位置に作業船100を移動させる(S2)。作業船100の移動工程においては、台船1の切欠き1Sと反力板2の切欠き2Sとに目印Mが入り込むように作業船100を移動することが望ましく、ガイド機構3の摺動部33が有する2つの支持アーム33Sの中心部Aの近傍(ひいては、反力板2の支持部21E、22Eの近傍)に目印Mが位置するように作業船100を位置付けることがより望ましい。枢動アンカー90の水底Bへの打ち込みはガイド機構3の摺動部33で油圧ハンドブレーカー70を保持して行うため、このように作業船100を配置することで、目印Mの位置に枢動アンカー90を打ち込むことがより容易となる。
作業船100を目印Mに対して適切に位置づけた後、図4(b)に示すようにウインチ15によりワイヤWを繰り出し、反力板2を降下させて水底Bに接地する(S3)。この時、目印Mが示す水底Bの位置がガイド機構3の2つの支持アーム33Sの近傍からずれないように、ダイバ―が反力板2をガイドしながら降下させることが望ましい。なお、作業船100を停止した際に、目印Mと支持アーム33Sとが十分に近接していなかった場合には、反力板2を降下させる工程において、目印Mと支持アーム33Sとが近傍に位置するように、反力板2の位置、ひいてはガイド機構3の位置を調整してもよい。
反力板2を水底Bに接地した後に、反力板2を水底Bに圧着する圧着工程(S4)を行う。圧着工程においては、図4(b)に示すように、ダイバーが反力板2の開口部25にエジェクタ60を取り付け、エジェクタ60と台船1に載置したコンプレッサ50とをエアホースAHにより連結する。また、エジェクタ60から延びる排水ホースWHの開口端WHaを、水面S上に配置する。この状態でコンプレッサ50を作動してエジェクタ60を作動させることにより、反力板2の凹部26内の水が、開口部25、排水ホースWHを介して排水ホースWHの開口端WHaから排出される。
ここで、反力板2の裏面2dと水底Bとは互いに密着しているため、凹部26内の水を排出することにより、凹部26内には負圧が生じる。反力板2の凹部26内に負圧が生じると、反力板2を鉛直下方に押圧する水圧が大きくなるため、この水圧により、反力板2は水底Bに圧着され、水底Bの泥やヘドロを押し固める。これにより反力板2は、より安定した状態で水底に設置される。なお、凹部26の下側の開口部にフィルタ28(図2(a))が取り付けられているため、水底Bの泥やヘドロ等が凹部26内に吸い込まれることが防止され、開口部25やエジェクタ60等において詰まり等の不具合が生じることが防止されている。
圧着工程S4により反力板2を水底Bに圧着した後、枢動アンカー90の打ち込み工程(S5)を行う。打ち込み工程においては、図4(c)に示すように、打ち込み用ロッド93の上端部を油圧ハンドブレーカー70で保持するとともに、打ち込み用ロッド93の下端部を枢動アンカー90のアンカー部91の孔部91h(図8(a))に挿入し、目印Mにより指示される水底Bの位置にアンカー部91を押し込む。そして油圧ハンドブレーカー70のハンドル70Hを、ガイド機構3の2つの支持アーム33Sにより支持する。また、油圧ハンドブレーカー70と台船1上の油圧パワーユニット40とを油圧ホースHで接続する。この状態で、ダイバーが油圧ハンドブレーカー70を作動させて、鉛直下方に押圧力を加えると、油圧ハンドブレーカー70は、ガイド機構3にガイドされて鉛直下方に移動し、枢動アンカー90のアンカー部91を鉛直下方に打ち込む(図5(d))。
次に、引き上げ工程(S6)を行い、枢動アンカー90を水底Bに固定する。
引き上げ工程においては、図5(e)に示すように、油圧ハンドブレーカー70及び打ち込みロッド93を取り除き、枢動アンカー90のロッド部92を取り囲んで中空油圧ジャッキ(引上装置)80を配置する。
中空油圧ジャッキ80は、図7に示すように、中空シリンダー81とソケット82とを有する。中空シリンダー81は、軸Xを中心とする円管形状であり、半径方向の中心部に孔81hを有している。中空シリンダー81の内部には、リング状のピストン(不図示)が収容されている。ソケット82は上方に開口したカップ状であり、底部には軸Xを中心とする円形の小孔82hが形成されている。また、ソケット82の内径は、下方(中空シリンダー81に近い位置)において小さく、上方(中空シリンダー82から遠い位置)に向かうにしたがって次第に大きくなっており、内表面82iがテーパ状に形成されている(図7(b))。中空油圧ジャッキ80においては、中空シリンダー81内のピストンとソケット82とが連結されており、ピストンの移動に伴ってソケット82も移動する。
中空油圧ジャッキ80を配置する際には、枢動アンカー90のロッド部92が、中空シリンダー81の孔81h及びソケット82の小孔82hを貫通するように、中空油圧ジャッキ80を上方から配置する。そして、中空油圧ジャッキ80によりロッド部92を取り囲んだ状態で、図7(b)に示すように、台座85の2つの係合片85Eを、左反力板21の支持部21E上及び右反力板22の支持部22E上に配置する。これにより、中空油圧ジャッキ80は、台座85を介して反力板2上に安定して支持される。
中空油圧ジャッキ80を配置した後に、図5(e)に示すように、中空油圧ジャッキ80と台船1上の油圧パワーユニット40とを油圧ホースHで接続する。これにより、中空シリンダー81内に油圧を付与することが可能となる。また、中空油圧ジャッキ80と台船1上に配置された油圧ゲージGも油圧ホースHで接続する。これにより、中空シリンダー81内のピストン、ひいてはソケット部82にかかる荷重を台船1上の油圧ゲージGで読み取ることが可能となる。
枢動アンカー90のロッド部92を引き上げる際には、ロッド部92を挟むように、ソケット82内に2つのくさび形挟持具83を配置する(図7(b))。
くさび形挟持具83は、一例として円錐台を中心軸に沿って2分割した形状を有しており、ソケット82内に配置した状態では、外周面83oがソケット82の内周面82iと接触し、内平面83iがロッド部92と接触している。ここで、くさび形挟持具83の内平面83iは、ロッド部92に対する摺動が抑制されるよう加工されている。したがってこの状態でソケット82を上方に移動させると、ロッド部92を挟んで配置された2つのくさび形挟持具83は下方に向かって次第に直径が小さくなるソケット82の内周面82iにより半径方向内側に押圧され、より強固にロッド部92を挟持する。くさび形挟持具83はこれと同時に上方にも押圧されるため、くさび形挟持具83に挟持されたロッド部92も、上方に引き上げられる。これにより、枢動アンカー90のアンカー部91が枢動し、枢動アンカー90が水底Bに固定される(図5(f))。
本実施形態ではこのように、中空油圧ジャッキ80を台座85、支持部21E、22Eを介して、反力板2によって支持した状態で、ロッド部92の引き上げ作業を行っており、ロッド部92の引き上げに際して生じる反力(水底Bを押圧する力)は、面積の大きい反力板2の底面を介して水底に与えられる。よってロッド部92の引き上げに要する力が比較的大きくても、水底の単位面積当たりに与えられる力は小さくなり、水底が軟弱であっても、ロッド部92の引き上げ時に生じる反力を安定して受け止めることができる。換言すれば、中空油圧ジャッキ80の水底への貫入等を生じることなくロッド部92の引き上げを行うことができる。
ロッド部92の引き上げ時には、台船1上で油圧ゲージGの示す荷重の値を確認する。油圧ゲージGの示す荷重の値が急上昇すれば、アンカー部91が枢動し、枢動アンカー90が水底Bに固定されたものと推定することができる。台船1上で油圧ゲージGの示す荷重の値の急上昇を確認した作業者から、水中で中空油圧ジャッキ80を操作するダイバーへの連絡は、水中無線等を用いて行うことができる。
最後に、引抜き耐力測定工程を行い、枢動アンカー90が十分な引抜き耐力を有して水底Bに設置されているか否かを確認する(S7)。引抜き耐力測定工程においては、前述した引き上げ工程で用いた中空油圧ジャッキ80及びくさび形挟持具83をそのまま用いる。一例として、引き抜き耐力として40kNを有することが望まれる場合は、中空油圧ジャッキ80の油圧を上昇させて、油圧ゲージGの示す荷重の値が40kNに至ることを確認する。この時、枢動アンカー90が引き抜かれることなく油圧ゲージGの示す荷重の値が40kNに到達すれば、枢動アンカー90は、十分な引抜き耐力(40kN)を有して水底Bに設置されていると判断できる。一方で、油圧ゲージGの示す荷重の値が40kNに至ることなくアンカー部91が引き上げられれば、枢動アンカー90は、十分な引抜き耐力(40kN)を有していないと判断できる。
設置した枢動アンカー90が十分な引抜き耐力を有することが確認されれば、一本の枢動アンカー90の配置は完了する。完了後は、反力板2の凹部26に水を送り反力板2と水底Bとの圧着を解除し、ウインチ15を作動させ反力板2を上昇させて、次の目印Mが示す位置へと作業船100を移動する。次の目印Mに作業船100を移動した後は、上記の工程S3〜S7を繰り返して2本目の枢動アンカー90を設置する。
本実施形態の作業船100、及び作業船100を用いた枢動アンカー設置作業の効果を以下にまとめる。
本実施形態の作業船100は、台船1と反力板2とがワイヤWを介して連結されており、反力板2は台船1に対して水中で鉛直方向に移動可能である。したがって本実施形態の作業船100によれば、台船1とウインチ15とを操作するだけで、水底Bの任意の位置に容易に反力板2を配置することができ、ひいては水底Bの任意の位置において容易に杭やアンカーの打ち込み、引き抜き作業を行うことができる。
また本実施形態の作業船100は、大きい底面積を有する反力板2に支持部21E、22Eが画成されており、支持部21E、22Eを介して反力板2によって中空油圧ジャッキ80を支持することができる。よって水底Bが軟弱であっても、杭やアンカーの引抜き作業に必要な十分な反力を中空油圧ジャッキ80に与えることができる。また、反力板2の底面積が大きいため、杭やアンカーの打ち込み、引き抜き作業時に、作業箇所の周囲の水底Bから泥やヘドロが巻き上がることを防止することができ、ダイバーの視界を確保することができる。
本実施形態の作業船100は、軽量であり喫水の小さい台船1を用いているため、水深が70センチ程度の浅瀬にも侵入することができ、浅瀬において杭やアンカーの打ち込み、引き抜き作業を好適に行うことができる。
本実施形態の作業船100は、切欠き1Sを有する平面視略コ形の台船1と、切欠き2Sを有する平面視略コ形の反力板2を有しており、切欠き1Sと切欠き2Sとは平面視において互いに重複する領域を有している。また、ガイド機構3は、2つの支持アーム33Sの左右方向の中心部Aが、切欠き2Sの上方に位置するように反力板2に取り付けられている。したがって本実施形態の作業船100によれば、目印Mとガイド機構3とを容易に接近させることができ、目印Mによって示された水底Bの位置に、正確に枢動アンカー90を打ち込むことができる。
本実施形態の作業船100は、ガイド機構3が支持部21E、22Eの近傍に設けられている。したがって、ガイド機構3を用いた枢動アンカー90の打ち込み作業と、支持部21E、22Eによって中空油圧ジャッキ80を支持して行う枢動アンカー90の引き上げ作業とを、互いに近接した位置で行うことができ、枢動アンカー90を正確な位置に設置することができる。
本実施形態の作業船100は、支持部21E、22Eが、平面視において反力板2の重心の近傍に画成されているため、安定した状態で引上装置を支持することが可能である。
本実施形態の作業船100は、反力板2が凹部26を有しており、開口部25を介して凹部26の内部に負圧を与えることが可能となっている。したがって凹部26内を負圧とすることにより、反力板2を水底Bに圧着させ、かつ水底の泥やヘドロを押し固めることができる。よって枢動アンカー90の設置や杭やアンカーの除去等をより安定した作業環境で行うことが可能である。
また本実施形態の作業船100は、台船1の上に油圧ゲージGが配置されており、この油圧ゲージGを中空油圧ジャッキ80に接続することで、中空油圧ジャッキ80の荷重を読み取れるよう構成されている。したがって本実施形態の作業船100によれば、ヘドロや泥等によって水中の視界が十分でない場合であっても、中空ジャッキ80の荷重の読み取りを良好に行うことができ、ひいては、アンカー部91の枢動の検知、設置した枢動アンカ−90の引張耐力の測定を、容易かつ正確に行うことができる。
作業船100を用いた本実施形態の枢動アンカー設置方法においても、作業船100について記載した上記の効果を得ることができる。
次に、本実施形態の作業船100の製造方法を説明する。
作業船100の台船1は、2つのフロート12を、山形鋼などの鋼材で組んだフレーム(不図示)により連結し、該フレーム上に上板11を取り付けることにより得られる。上板11は、木、アルミ等の任意の材質であってよいが、軽量であることが好ましい。フロート12は、ポリエチレン等任意の材質で形成することができる。マスト13は一例として、3本の鋼管を略コ字状に溶接して得ることができ、フロート12を連結する前記のフレームに対して挿脱可能に取り付けることができる。
作業船100の反力板2は、一例として鋼材(スチール)により形成することができる。本実施形態では、左反力板21、右反力板22、連結板23を別個に形成して、これらを溶接により一体に連結しているが、これらは一体に成形されていてもよい。
本実施形態の作業船100、及び枢動アンカー設置方法は、下記の通り変更されたものであってもよい。
本実施形態の作業船100において、上板11、フロート12、マスト13、及び不図示のフレームをそれぞれ取り外し可能とし、また、マスト13からウインチ15を、フレームから船外機14を取り外し可能としてもよい。また、ワイヤWと反力板2とを取り外し可能としてもよい。これにより、現場で組み立て可能な作業船100を得ることができ、使用前、使用後の作業船100の運搬を、コンパクトに行うことが可能となる。なお、上板11、フロート12は一体ではなく、いくつかの部分から構成されていてもよい。これにより、作業船100の運搬をよりコンパクトに行うことが可能となる。
上記の実施形態の作業船100において、台船1の上板11は切欠き1Sを有さなくてもよく、また平面視略コの字状ではなく平面視略ロの字状であってもよい。このような台船1によっても、反力板2を台船1に接触又は近接させた時にガイド機構3がロ形の中央部の開口を介して上方に突出するように台船1と反力板2とを接続すれば、反力板2にガイド機構3を取り付けた状態のまま、反力板2の引き揚げ、降下を行うことができる。平面視略ロの字状の台船1を用いた場合には、台船1の端部に目印Mが来るように台船1を移動させた状態で反力板2を降下することで、目印Mの近傍に反力板2のガイド機構3、支持部21E、22Eを配置することができる。
上記実施形態の作業船100において、反力板2は、切欠き2Sを有さなくてもよい。この場合、反力板2は平面視略コの字状ではなく平面視略ロの字状であってもよい。この場合は、ガイド機構3は、支持アーム33Sの左右方向の中央部Aがロ形の中央部の開口の上方に位置するように反力板2に取り付けられ、支持部21E、22Eは、ロ形の中央部の開口を画成する対向する2辺上に画成される。目印Mを用いずに枢動アンカー90の設置を行う場合や、既に設置された杭や枢動アンカー90を除去する場合などは、平面視がロ形の台船1や平面視がロ形の反力板2であっても、適切な位置で作業を行うことができる。なお平面視が略ロ形の反力板を用いた場合は、平面視が略コ形の反力板2を用いた場合よりも、更に良好に泥やヘドロの巻き上がりを防止し得る。
上記実施形態の作業船100においては、支持部21E、22Eが、平面視において反力板2の重心の近傍に画成されているが、支持部21E、22Eの位置はこれには限られない。反力板2上の支持部21E、22Eの位置は任意である。また支持部21E、22Eは、平面視において反力板2の外縁から突出して設けられたアーム等の上に画成されていてもよい。この場合反力板2は、切欠き2Sや開口部を有さない矩形であってもよい。
上記実施形態の作業船100においては、ガイド機構3は反力板2に対して直交して取り付けられていたが、ガイド機構3は、反力板2に対して所定の傾斜角を有して取り付けられていてもよい。このようなガイド機構3によれば、水底Bに対して所定の傾斜角で、枢動アンカー90を打ち込むことができる。またガイド機構3と反力板2との間の角度が調節可能であってもよい。なお、反力板2にガイド機構3が取り付けられていなくてもよい。枢動アンカー90を鉛直に打ち込む必要のない場合や、作業者の熟練度が高い場合は、枢動アンカー90をガイド機構3を用いずに打ち込んでも、使用に耐えうる状態で枢動アンカー90を設置することができる。
上記実施形態の作業船100において、反力板2は開口部25、凹部26を有さなくてもよい。
上記実施形態の作業船100においては、ウインチ15はマスト13に固定されているが、ウインチ15に代えて、マスト13のビーム13bに吊り下げ式ホイストを着脱可能に吊り下げてもよい。また、レバーブロック(登録商標)を用いて人力で反力板2を昇降する構造としてもよい。また、台船1と反力板2との連結は、ワイヤWに代えてチェーンでなされていてもよい。ワイヤ、チェーン等の索状部材は1本には限られず、2本以上の複数本の索状部材を用いて反力板2を鉛直方向に移動させる構造であってもよい。
上記実施形態の枢動アンカー設置方法においては、ハンドブレーカー70を用いた枢動アンカー90の打ち込み作業をすべて水中にて行っているが、水深が浅い場合や、枢動アンカ−90を地中深くまで埋め込む必要がある場合は、枢動アンカー90の打ち込みを、水上と水中とで共同して行うことも可能である。例えば水深が浅い場合は、反力板2を水底Bに接地した状態でもなおガイド機構3の支持アーム33Sが水面S上に出ていることがある。この場合は、まず、台船1の上の作業者が、油圧ハンドブレーカー70を操作し、枢動アンカー90を所定距離だけ水底Bに打ち込む。これにより、油圧ハンドブレーカー70及び支持アーム33Sが降下する。その後、油圧ハンドブレーカー70のハンドル70Hが水中に至れば、ダイバーが油圧ハンドブレーカー70を受け取り、残りの打ち込み作業を行う。上記実施形態の作業船100は、反力板2を台船1に近接させた状態において、反力板2に取り付けられたガイド機構3が台船1の切欠き1Sを介して台船1の上方に突出する構造である。よって台船1上の作業者は切欠き1Sをまたぎ、水中へ落下する恐れなく油圧ハンドブレーカー70を操作できる。また油圧ハンドブレーカー70のダイバーへの受け渡しも、切欠き1Sを介して安全に行うことができる。
また、枢動アンカー90を水底深くまで打ち込む必要があるときは、長い打ち込みロッド93を使用する。この場合、打ち込みロッド93が作業地点の水深より長い場合は、打ち込み作業の開始時点においては、油圧ハンドブレーカー70は水上に位置している。したがって台船1上の作業者と水中のダイバーとによって、上記と同様の分担によって打ち込み作業を行う。
上記実施形態の枢動アンカー設置方法においては、枢動アンカー90の打ち込みを油圧ハンドブレーカー70を用いて行ったが、油圧ハンドブレーカー70に代えて油圧杭打ち機、機械式杭打ち機(モンケン式)等を用いることもできる。また、上記実施形態の枢動アンカー設置方法において、ロッド部92の引き上げを中空油圧ジャッキ80を用いて行ったが、引上装置は、ロッド部92等の水底に設置された部材を水面方向に引き上げ可能な装置であればよく、中空油圧ジャッキ80に代えてチェーンブロック、ウインチ等を用いることもできる。また、上記実施形態において、引上装置は作業船1に備えられたものであってもよい。また、上記実施形態で用いた枢動アンカ―90は、ロッド部92がワイヤーで形成されていてもよい。
上記実施形態の枢動アンカー設置方法においては、中空油圧ジャッキ80に固定された台座85を用いたが、台座85は、中空油圧ジャッキ80等の引上装置に固定されていなくてもよい。この場合は、反力板2の支持部21E、22Eに台座85を載置してこれを支持し、かつ台座85に引上装置を載置してこれを支持する。または、台座85を用いることなく、支持部21E、22Eと引上装置の一部とを接触させ、支持部21E、22Eにより直接引上装置を支持してもよい。また、上記の実施形態における凹部26からの水の除去は、エジェクタ60を用いた方法に限られず、他のポンプシステムを用いた任意の方法で行うことができる。
上記の実施形態においては、作業船100を用いて枢動アンカを設置する方法を説明したが、作業船100を用いて、既に設置された杭・アンカー等を抜去する場合に、作業船100を使用することも可能である。この場合は、特に上記の引き上げ工程S6を行って杭・アンカーに引張力を与え、杭・アンカーを抜去する。
本発明の作業船100及び作業船100を用いた枢動アンカー設置方法によれば、浅瀬や軟弱な水底など不利な作業環境においても、杭・アンカーの抜去作業や、枢動アンカーの設置作業を容易に行うことができる。したがって本発明の作業船100及び作業船100を用いた枢動アンカー設置方法によれば、水上空間の有効利用をより一層促進することができる。
100 作業船
1 台船
11 上板
12 フロート
13 マスト
14 船外機
15 ウインチ
1S 切欠き
2 反力板
21 左反力板
22 右反力板
23 連結板
21E、22E 支持部
2S 切欠き
3 ガイド機構
40 油圧パワーユニット
50 コンプレッサ
60 エジェクタ
70 油圧ハンドブレーカー
80 中空油圧シリンダー
85 台座
90 枢動アンカー
W ワイヤ

Claims (12)

  1. 水底に打ち込まれた部材を引き上げる引上装置を用いて前記部材を水底から引き上げる作業船であって、
    水上を移動するための台船と、
    前記台船に対して移動可能に接続され、水底に設置される反力板と、
    前記反力板を前記台船に対して移動させる移動機構とを有し、
    前記反力板が、前記引上装置を支持する支持部を備え
    前記支持部は、前記反力板の上面に形成された互いに離間する2つの部分であり、該2つの部分の間に、平面視において前記反力板が存在しない空洞部が存在する作業船。
  2. 前記反力板は一辺の略中央部から内側に向かう切欠きを有する平面視略コ形であって、前記空洞部が前記切欠きである請求項1に記載の作業船。
  3. 前記反力板の上面の前記支持部の近傍に、水底に部材を打ち込むための打込装置をガイドするガイド機構が取り付けられている請求項1又は2に記載の作業船。
  4. 前記反力板は、下面に形成された凹部と、該凹部から水を除去するための開口部とを有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の作業船。
  5. 水底に打ち込まれた部材を引き上げる引上装置を用いて前記部材を水底から引き上げる作業船であって、
    水上を移動するための台船と、
    前記台船に対して移動可能に接続され、水底に設置される反力板と、
    前記反力板を前記台船に対して移動させる移動機構とを有し、
    前記反力板が、前記引上装置を支持する支持部を備え、
    前記反力板の上面の前記支持部の近傍に、水底に部材を打ち込むための打込装置をガイドするガイド機構が取り付けられている作業船。
  6. 水底に打ち込まれた部材を引き上げる引上装置を用いて前記部材を水底から引き上げる作業船であって、
    水上を移動するための台船と、
    前記台船に対して移動可能に接続され、水底に設置される反力板と、
    前記反力板を前記台船に対して移動させる移動機構とを有し、
    前記反力板が、前記引上装置を支持する支持部を備え、
    前記反力板は、下面に形成された凹部と、該凹部から水を除去するための開口部とを有する作業船。
  7. 前記引上装置は、前記反力板に支持され且つ水中に配置された状態で前記部材の引き上げを行う請求項1〜6のいずれか一項に記載の作業船。
  8. 前記台船は一辺の略中央部から内側に向かう切欠きを有する平面視略コ形であり、前記反力板は一辺の略中央部から内側に向かう切欠きを有する平面視略コ形であり、前記台船と前記反力板とは、前記台船の切欠きと前記反力板の切欠きとが平面視において互いに重複部を有するように接続されている請求項1、5及び6のいずれか一項に記載の作業船。
  9. 前記台船は一辺の略中央部から内側に向かう切欠きを有する平面視略コ形であって、前記台船と前記反力板とは、前記台船の切欠きと前記反力板の切欠きとが平面視において互いに重複部を有するように接続されている請求項2に記載の作業船。
  10. 前記台船が、前記引上装置の動作状態を測定するためのゲージを備える請求項1〜9のいずれか一項に記載の作業船。
  11. 前記引上装置を更に備える請求項1〜10のいずれか一項に記載の作業船。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の作業船を用いる枢動アンカー設置方法であって、
    前記水底に打ち込まれた部材が、ロッドと、枢動軸を中心に枢動するアンカーとを有する枢動アンカーであり、
    前記作業船を作業位置に移動することと、
    前記反力板を水底に設置することと、
    前記水底に前記枢動アンカーのアンカーを打ち込むことと、
    前記引上装置を前記支持部によって支持して、前記枢動アンカーのロッドを水面方向に引き上げて前記アンカーを水底内で枢動させることとを有する枢動アンカー設置方法。
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