JP6252832B2 - アルミニウム箔、及びそれを用いた電極、並びに蓄電デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、電解法によって製造したルミニウム箔、及びそれを用いた電極、並びに蓄電デバイスに関する。
アルミニウム箔は、例えば、リチウムイオン二次電池やスーパーキャパシターといった蓄電デバイス等の適用製品に用いられる。
リチウムイオン二次電池やスーパーキャパシターといった蓄電デバイスは、例えば、電解質としてLiPFやNR・BF(Rはアルキル基)などの含フッ素化合物を含んだ有機電解液中に、正極と負極がポリオレフィンなどからなるセパレータを介して配された構造を持つ。正極はLiMn(マンガン酸リチウム)やLiCoO(コバルト酸リチウム)や活性炭などの正極活物質と正極集電体からなるとともに、負極はグラファイトや活性炭などの負極活物質と負極集電体からなり、それぞれの形状は集電体の表面に活物質を塗布してシート状に成型したものが一般的である。各電極とも、大きな電圧がかかることに加え、腐食性が高い含フッ素化合物を含んだ有機電解液に浸漬されることから、特に、正極集電体の材料は、電気伝導性に優れるとともに、耐腐食性に優れることが求められる。このような事情から、現在、正極集電体の材料としては、ほぼ100%に、電気良導体であり、かつ、表面に不働態膜を形成することで優れた耐腐食性を有するアルミニウムが採用されている。なお、負極集電体の材料としては銅やニッケルなどが挙げられる。
これらの用途では、さらなる小型化や高エネルギー密度化が要求されている。
そのための方法の一つとして、シート状に成型された電極を構成する集電体の薄膜化がある。現在のところ、正極集電体は圧延法によって製造された厚みが15〜20μm程度のアルミニウム箔が用いられるのが一般的であるので、このアルミニウム箔の厚みをより薄くすることで目的を達成することができる。しかしながら圧延法では、工業的製造規模でこれ以上、箔の厚みを薄くすることは困難である。
そこで圧延法にかわるアルミニウム箔の製造方法として、アルミニウム箔を電解法によって製造する方法が提案されている。電解法による金属箔の製造は、例えば、ステンレス板などの基材の表面に電気めっきで金属被膜を形成した後、当該被膜を基材から剥離することによって行われる。
特許文献1には、アルミニウム箔を電解法によって製造する方法として、(1)ジアルキルスルホン、(2)アルミニウムハロゲン化物、および、(3)ハロゲン化アンモニウム、第一アミンのハロゲン化水素塩、第二アミンのハロゲン化水素塩、第三アミンのハロゲン化水素塩、一般式:RN・X(R〜Rは同一または異なってアルキル基、Xは第四アンモニウムカチオンに対するカウンターアニオンを示す)で表される第四アンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1つの含窒素化合物を少なくとも含む箔形成用めっき液を用いた電解法によって基材の表面にアルミニウム被膜を形成した後、当該被膜を基材から剥離した電解アルミニウム箔が記載されている(請求項1)。この電解アルミニウム箔は、アルミニウムの含有率が97.0〜99.9mass%で、厚みが1〜15μmであることが記載されている(請求項3)。
また、特許文献2は、アルミニウムの含有率が98wt%以下の電解アルミニウム膜で、ビッカース硬さが250以上のものが開示されている(請求項1)。アルミニウムめっき膜中の不純物量を酸素1.2wt%以上、炭素0.35wt%以上、硫黄0.2wt%以上、塩素0.15wt%以上とすべき点が開示され(段落(0038))、図15には上記範囲で不純物量を増やすにつれてビッカース硬さも大きくなる結果が開示されている。
国際公開第2011/001932号 国際公開第2008/001717号
電解アルミニウム箔は、製造後にロール状に巻き取られ、そこから引き出された状態でコーティングや加工が施されることが多い。例えば、リチウムイオン二次電池やスーパーキャパシターといった蓄電デバイスを製造する場合には電解アルミニウム箔に張力をかけ、その状態で正極活物質が塗布される。電解アルミニウム箔はその張力に耐え、破断しない強度が必要である。電解アルミニウム箔が破断しないためには少なくとも150MPa以上の引張強度が求められる。
箔の厚さを厚くすることで電界アルミニウム箔の破断を抑制することはできるが、蓄電デバイス用途で小型化や高エネルギー密度化が求められる場合には、薄いままで引張強度を高める必要がある。しかし、従来の電解アルミニウム箔では引張強度が十分ではなかった。
そこで本発明は、引張強度が150MPa以上と十分に大きいルミニウム箔を提供することを目的とする。また、このルミニウム箔を用いた電極、並びに蓄電デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、炭素量が0.03mass%以上0.24mass%以下であり、体積抵抗が3.47×10−6Ω・cm以下かつ引張強度が150MPa以上であることを特徴とするアルミニウム箔である。
前記アルミニウム箔の厚さを1μm以上15μm以下とすることが好ましい。
前記アルミニウム箔は、少なくとも(1)ジアルキルスルホン、(2)アルミニウムハロゲン化物、および、(3)含窒素化合物を含む箔形成用めっき液から電析により得ることができる。
前記含窒素化合物を、ハロゲン化アンモニウム、第一アミンのハロゲン化水素塩、第二アミンのハロゲン化水素塩、第三アミンのハロゲン化水素塩、一般式:R1R2R3R4N・X(R1〜R4は同一または異なるアルキル基、Xは第四アンモニウムカチオンに対するカウンターアニオンを示す)で表される第四アンモニウム塩、含窒素芳香族化合物からなる群から選択される少なくとも1つとすることができる。
上記のアルミニウム箔は、活物質を塗布することで電極として用いることができる。
この電極は蓄電デバイスに用いることができる。
本発明によれば、引張強度が150MPa以上と十分に強度を持つルミニウム箔を提供することができる。本発明のルミニウム箔は張力をかけても破断し難いので、例えば蓄電デバイス用の正極等を製造する際、アルミニウム箔を張った状態での加工や正極活物質等の材料を塗布することができ、ルミニウム箔の適用製品を製造する際の作業性を格段に向上することができる。また、このルミニウム箔を用いた電極、並びに蓄電デバイスを提供できる。
炭素量と引張強度の関係を示す図である。 炭素量とビッカース硬さの関係を示す図である。 炭素量と体積抵抗の関係を示す図である。 本発明のルミニウム箔の断面写真である。 図4の部分模式図である。 ルミニウム箔の適用製品(蓄電デバイス)の一例である。 図6の蓄電デバイスの断面模式図である。
本発明者らは、上記の点に鑑みて鋭意検討を行った結果、電解法によって製造したアルミニウム箔(以下、「電解アルミニウム箔」ともいう。)は、炭素量を所定の範囲にすることで引張強度を向上させることができる点を知見した。
つまり本発明は、電解アルミニウム箔であって、炭素量が0.03mass%以上0.30mass%以下であり、引張強度が150MPa以上であることを特徴とする電解アルミニウム箔である。炭素量が上記範囲を外れると、引張強度が150MPa未満になる。
炭素量が0.04mass%以上0.22mass%以下である場合には、引張強度が200MPa以上である電解アルミニウム箔が得られる。さらに、炭素量が0.06mass%以上0.18mass%以下である場合には、引張強度が220MPa以上である電解アルミニウム箔が得られる。
アルミニウムの含有率は98.0mass%超とすることが好ましい。アルミニウムの含有率が大きくなると体積抵抗が小さくなるので、蓄電デバイス等に用いる場合、蓄電効率を低減できる。また、体積抵抗が小さくなるにつれ、放熱性も向上するので、放熱性が求められる部位に適用する場合も好適である。炭素量が減る分、アルミニウムの含有率は増え、炭素量が0.30mass%以下であれば、十分にアルミニウムの含有率を98.0mass%超とすることができる。アルミニウムの含有率は99.0mass%以上とすることがさらに好ましい。
98.0mass%以下であると、アルミニウム箔を電解製箔する際、陰極上に形成されるアルミニウム膜が硬くなって延性が小さくなり、陰極からアルミニウム箔を引き剥がす際に割れてしまうという問題が出やすい。
本発明の電解アルミニウム箔は、炭素の他にもSとCl等を含んでいてもよい。SとClの含量がともに1.5mass%以下(標準的には0.01〜0.5mass%)であることが好ましい。1.5mass%を超えると、引張強度が低下する可能性がある。
前記の電解アルミニウム箔は、少なくとも(1)ジアルキルスルホン、(2)アルミニウムハロゲン化物、および、(3)含窒素化合物を含む箔形成用めっき液から電析により得ることが可能である。圧延法では製造が非常に困難である厚みが1μm以上15μm以下のアルミニウム箔、さらには厚みが10μm以下のアルミニウム箔を、電解法によって容易に製造することができる。
電解アルミニウム箔中の炭素量は、例えば、(1)箔形成用めっき液の処理温度、(2)電析する際の電流密度、(3)上記の含窒素化合物の添加量、により変えることができる。箔形成用めっき液の組成によりこれらの値を適宜設定する必要があるが、当業者であれば容易に調製可能である。
箔形成用めっき液の温度は、高すぎても低すぎても炭素量が増大して本発明で規定する炭素量の範囲外になりやすい。箔形成用めっき液の温度は、例えば60〜150℃とすることができる。温度が60℃未満になると、炭素量が増大して本発明で規定する炭素量の範囲外になり、引張強度が低下する。その他にも、イオンの供給不足のためヤケ(アルミニウムの錯イオンの不足または電子過剰により生じ、黒色を呈することの多い副反応性生物)が生じやすくなるという問題が出る。一方、150℃を超えても炭素量が増大して引張強度が低下する。その他にも、アルミニウムハロゲン化物とアルキルスルホンとによって形成される錯体の構造が時間とともに変化し、均質な箔が連続して得難くなる。箔形成用めっき液の温度は、80℃以上120℃以下がより好ましく、100℃以上110℃以下がさらに好ましい。
電析する際の電流密度が小さいと炭素量が増大する傾向にあり、大きいと炭素量が減少する傾向にある。電流密度は、例えば0.25〜25A/dm2とすることができる。電流密度が0.25A/dm2未満になると炭素量が増大して本発明で規定する炭素量の範囲外になりやすくなる他、めっき膜の成膜効率が低下する恐れがある。一方、25A/dm2を超えると炭素量が減少して本発明で規定する炭素量の範囲外になりやすくなる他、含窒素化合物の分解などが原因で安定なめっき処理が難しくなりやすい。また、電子過剰により被膜のヤケが顕著となりやすい。電流密度は、8A/dm2以上23A/dm2以下がより好ましく、10A/dm2以上21A/dm2以下がさらに好ましい。
ジアルキルスルホンの量に対して含窒素化合物の添加量が小さいと炭素量が増大する傾向にあり、大きいと炭素量が減少する傾向にある。含窒素化合物の添加量は、例えばジアルキルスルホン10molに対して0.001〜2.0mol添加することができる。ジアルキルスルホンが0.001mol未満では炭素量が増大して本発明で規定する炭素量の範囲外になりやすい他、箔にヤケが発生しやすい。一方、2.0mol超では、炭素量が減少して本発明で規定する炭素量の範囲外になりやすい他、箔形成用めっき液中の水分量が増大して、アルミニウム箔の電析が難しくなる。含窒素化合物の添加量は、ジアルキルスルホン10molに対して0.005〜0.2mol添加することがより好ましい。
少なくとも前記の(1)ジアルキルスルホン、(2)アルミニウムハロゲン化物、および、(3)含窒素化合物を含む箔形成用めっき液は、例えば、以下に記述するものを用いることができる。
箔形成用めっき液に含ませるジアルキルスルホンとしては、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジヘキシルスルホン、メチルエチルスルホンなどのアルキル基の炭素数が1〜6のもの(直鎖状でも分岐状でもよい)を例示することができるが、良好な電気伝導性や入手の容易性などの観点からはジメチルスルホンを好適に採用することができる。
アルミニウムハロゲン化物としては、塩化アルミニウムや臭化アルミニウムなどを例示することができるが、アルミニウムの析出を阻害する要因となるめっき液に含まれる水分の量を可能な限り少なくするという観点から、用いるアルミニウムハロゲン化物は無水物であることが望ましい。
ジアルキルスルホン10モルに対し、アルミニウムハロゲン化物は1.5〜6.0モルが望ましく、2.0〜4.0モルがより望ましい。アルミニウムハロゲン化物の配合量がジアルキルスルホン10モルに対し1.5モルを下回ると形成されるアルミニウム被膜にヤケが発生する恐れや成膜効率が低下する恐れがある。一方、6.0モルを越えるとめっき液の液抵抗が高くなりすぎることでめっき液が発熱して分解する恐れがある。
含窒素化合物は、ハロゲン化アンモニウム、第一アミンのハロゲン化水素塩、第二アミンのハロゲン化水素塩、第三アミンのハロゲン化水素塩、一般式:RN・X(R〜Rは同一または異なってアルキル基、Xは第四アンモニウムカチオンに対するカウンターアニオンを示す)で表される第四アンモニウム塩、含窒素芳香族化合物からなる群から選択される少なくとも1つを用いることができる。これらの含窒素化合物は単独で用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
含窒素化合物として採用することができるハロゲン化アンモニウムとしては、塩化アンモニウムや臭化アンモニウムなどを例示することができる。また、第一アミン〜第三アミンとしては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ヘキシルアミン、メチルエチルアミンなどのアルキル基の炭素数が1〜6のもの(直鎖状でも分岐状でもよい)を例示することができる。ハロゲン化水素としては、塩化水素や臭化水素などを例示することができる。一般式:RN・X(R〜Rは同一または異なるアルキル基、Xは第四アンモニウムカチオンに対するカウンターアニオンを示す)で表される第四アンモニウム塩におけるR〜Rで示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基などの炭素数が1〜6のもの(直鎖状でも分岐状でもよい)を例示することができる。Xとしては塩素イオンや臭素イオンやヨウ素イオンなどのハロゲンイオンの他、BF やPF などのハロゲン化物イオンを例示することができる。具体的な化合物としては、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、四フッ化ホウ素テトラエチルアンモニウムなどを例示することができる。含窒素芳香族化合物としては、フェナントロリンなどを例示することができる。好適な含窒素化合物としては、速い成膜速度で延性に富む高純度のアルミニウム箔の製造を容易にする点において第三アミンの塩酸塩、例えばトリメチルアミン塩酸塩を挙げることができる。
箔形成用めっき液の調製は、窒素ガスや不活性ガスの雰囲気下、これらの成分の混合物をジアルキルスルホンの融点まで加温し、アルミニウムハロゲン化物と含窒素化合物を溶融したジアルキルスルホンに溶解させることで行うことが望ましい。
アルミニウム箔を形成するための基材(陰極)としては、ステンレス板、チタン板、アルミニウム板、ニッケル板、銅板などを例示することができる。通常、基材からのアルミニウム被膜の剥離を容易ならしめるためには、基材の表面は鏡面加工が施されるなどすることによって可能な限り平滑であることが望ましい。その理由は必ずしも明らかではないが基材の表面にアルミニウム被膜が形成される際に基材に接する側のアルミニウム被膜の表面付近に箔形成用めっき液に由来するSとClが濃化することが関係しているものと推察される。なお、陽極の材料としては、例えばアルミニウムを例示することができる。基材からのアルミニウム被膜の剥離はバッチ的に行うことができる他、例えば特開平6−93490号公報に記載されるように、陰極ドラムを用いてアルミニウム被膜の形成と剥離を連続的に行うこともできる。
電気めっき処理の環境は、箔形成用めっき液の劣化を防いでその寿命の延長を図る観点から、乾燥雰囲気にすることが望ましい。
本発明の電解アルミニウム箔は、SとClの含量がともに1.5mass%以下(標準的には0.01〜0.5mass%)であることが好ましい。1.5mass%を超えると、引張強度が低下する可能性がある。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
電解アルミニウム箔を以下の条件で製造し、含まれる炭素量を0.025mass%〜0.367mass%の範囲で変え、得られた電解アルミニウム箔の引張強度との関係を調べた。
箔形成用めっき液は、ジメチルスルホン10molに対して、無水塩化アルミニウムを3.8mol添加し、また、トリメチルアミン塩酸塩をジメチルスルホン10molに対して0.01mol以上0.05mol以下の範囲で変えて混合したものを用いた。
箔形成用めっき液の温度は、100℃以上110℃以下の範囲で変えて評価した。
電析する際の電流密度は8A/dm2以上12A/dm2以下の範囲で変えて評価した。
陽極には純度99%のアルミニウム板、陰極(アルミニウム被膜を形成するための基材)には平滑な銅板を用いた。
上記の条件で銅板に電解アルミニウム膜を析出させた後、その電解アルミニウム膜を銅板から剥離させて電解アルミニウム箔を得た。
得られた電解アルミニウム箔は、厚さが8μm〜15μm、幅が200mm、長さが400mmであった。
図4は本実施形態の電解法によって得たアルミニウム箔の断面写真である。図5はその模式図である。図中、bが箔の表面である。このアルミニウム箔は、箔の厚み方向に伸びるアルミニウム結晶粒aが多数観察され、圧延箔とは全く異なる組織形態であった。
[炭素量測定]
電解アルミニウム箔の炭素量を測定するため、ガス分析装置(堀場製作所:EMIA-820W)による測定を行った。
[アルミニウム量測定]
電解アルミニウム箔のアルミニウム量を測定するため、蛍光X線分析結果を行った。但し、蛍光X線分析では炭素量等の軽金属は測定誤差が大きいため、原子番号順にフッ素からウランまでの各元素のピーク強度を感度係数で補正したFP法(ファンダメンタルパラメーター法)により算出したもので、検出された元素を組成比率で求めた。
[引張強度測定]
電解アルミニウム箔の引張強度を測定するため、オートグラフ(島津製作所:EZ-SX)を用い、JIS Z 2241(金属材料 引張試験方法)に準拠して測定を行った。
[硬さ測定]
電解アルミニウム箔のビッカース硬さを測定した。使用した測定装置は微小硬度計(型式:MVK-G2、明石製作所製)である。測定箇所は箔の中央部付近の任意の点を5点測定しその平均値とした。
図1は、横軸が電解アルミニウム箔の炭素量、縦軸がその箔の引張強度を示した図である。表1に、図1の各プロットの数値を示す。
電解アルミニウム箔の炭素量が0.03mass%以上0.30mass%以下の範囲では引張強度が高まり、150MPa以上の引張強度を持つ電解アルミニウム箔が得られた。
さらに、炭素量が0.04mass%以上0.22mass%以下の範囲では、200MPa以上の引張強度を持つ電解アルミニウム箔が得られた。さらに、炭素量が0.06mass%以上0.18mass%以下の範囲では、220MPa以上の引張強度を持つ電解アルミニウム箔が得られた。
Figure 0006252832
図2は、横軸が電解アルミニウム箔の炭素量、縦軸がその箔のビッカース硬さである。表1に図2の各プロットの数値を示す。
ビッカース硬さは、引張強度とは異なり、基本的に炭素量が多くなるにつれて大きくなる傾向がある。
(実施例2)
実施例1と同様に電解アルミニウム箔を製造し、含まれる炭素量を0.037mass%〜0.240mass%の範囲で変え、得られた電解アルミニウム箔の体積抵抗との関係を調べた。
Figure 0006252832
図3は、横軸が電解アルミニウム箔の炭素量、縦軸がその箔の体積抵抗である。表2は図3の各プロットの数値を示したものである。
[体積抵抗]
電解アルミニウム箔の体積抵抗を測定するため、体積抵抗測定器(三菱化学アナリテック:ロレスタGP MCP-T610)を用いて測定を行った。
電解アルミニウム箔の体積抵抗は、引張強度とは異なり、基本的に炭素量が多くなるにつれて大きくなる傾向がある。体積抵抗は小さい方が電気伝導率が良いので、例えば電極の集電体として用いる場合などには炭素量を0.3mass%以下、より好ましくは0.2mass%以下として、体積抵抗を小さくすることが好ましい。
炭素量が上記範囲になるように含窒素化合物の添加量、箔形成用めっき液の温度、電析する際の電流密度を設定することで、十分な引張強度を持つ電解アルミニウム箔が得られ、電解アルミニウム箔の適用製品、例えば、リチウムイオン二次電池やスーパーキャパシターといった蓄電デバイスの製造において作業性に優れた箔を提供できる。
(実施例3)
本発明の電解アルミニウム箔を蓄電デバイス用の正極集電体として利用した電解アルミニウム箔の適用製品を作製した。
実施例1で得た電解アルミニウム箔(炭素量0.10mass%)を正極集電体として利用し、その表面に正極活物質を塗布したものを正極として、図6に示す蓄電デバイスを作製した。また、図7は図6のA−A断面である。蓄電デバイス100は、筐体10の内部にフッ素化合物を含んだ有機電解液が充填され、その有機電解液中に電極ユニット8が浸漬された構成を有する。電極ユニット8は、薄い箔で帯状の正極1、負極2、セパレータ3を、正極−セパレータ−負極−セパレータの順に重ねて積層体とし、この積層体を倦回した構造である。筐体10は金属材料からなり、その内側には絶縁層4が形成されている。また、筐体10には外部機器との接続端子となる正極端子5と負極端子6が形成され、正極端子5と電極ユニット8の正極が、負極端子6と電極ユニット8の負極が、それぞれ電気的に接続されている。図7に示すように、正極1と負極2はセパレータ3によって物理的に隔離されているので両者は直接通電しない。しかしながら、セパレータ3は有機電解液7が透過しうる多孔質な材質からなり、正極1と負極2は有機電解液7を介して電気的に接続された状態である。
正極1は、電解アルミニウム箔を正極集電体とし、その表面に正極活物質としてLiMnを塗布したものである。
本発明の電解アルミニウム箔の長手方向に220MPaの張力を印加しながら正極活物質を吹き付けて塗布した。その際に電解アルミニウム箔は破断や亀裂が生じることがなく、作業性は非常に良好であった。
また、箔の厚さを1μm以上15μm以下の範囲で変えて同様に長手方向に220MPaの張力を印加しながら正極活物質を吹き付けて塗布したところ、同じ効果が得られた。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 絶縁層
5 正極端子
6 負極端子
7 有機電解液
8 電極ユニット
10 筐体
100 蓄電デバイス


Claims (8)

  1. 炭素量が0.03mass%以上0.24mass%以下であり、体積抵抗が3.47×10−6Ω・cm以下かつ引張強度が150MPa以上であることを特徴とするアルミニウム箔。
  2. ビッカース硬さが48.05Hv以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム箔。
  3. 炭素性粒子を含まないことを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム箔。
  4. 箔の厚さが1μm以上15μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアルミニウム箔。
  5. 少なくとも(1)ジアルキルスルホン、(2)アルミニウムハロゲン化物、および、(3)含窒素化合物を含む箔形成用めっき液から電析により、炭素量が0.03mass%以上0.24mass%以下であり、体積抵抗が3.47×10−6Ω・cm以下かつ引張強度が150MPa以上であるアルミニウム箔を得ることを特徴とするアルミニウム箔の製造方法。
  6. 前記含窒素化合物が、ハロゲン化アンモニウム、第一アミンのハロゲン化水素塩、第二アミンのハロゲン化水素塩、第三アミンのハロゲン化水素塩、一般式:RN・X(R〜Rは同一または異なるアルキル基、Xは第四アンモニウムカチオンに対するカウンターアニオンを示す)で表される第四アンモニウム塩、含窒素芳香族化合物からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項5に記載のアルミニウム箔の製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のアルミニウム箔の表面上に活物質を有することを特徴とする電極。
  8. 請求項7に記載の電極を用いたことを特徴とする蓄電デバイス。
JP2013203817A 2013-09-30 2013-09-30 アルミニウム箔、及びそれを用いた電極、並びに蓄電デバイス Active JP6252832B2 (ja)

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