JP6252494B2 - 設計支援装置、設計支援方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、プリント回路基板の構造を設計するための設計支援装置、設計支援方法及びプログラムに関する。
プリント回路基板(Printed Circuit Board、以下、PCBと記述する)上に実装したLSI(Large Scale Integration)に対して動作速度の高速化や動作電圧の低電圧化の要求が高まっており、LSIの動作において許容できるノイズ(ノイズマージン)は減っている。また、製品の開発開始から出荷までの短時間化の要求により、PCB設計の戻り工数の削減が求められている。そのため、製品設計の初期段階で、LSIが仕様を満たし安定動作するように、シミュレータ等を用いてPCBを設計することが重要である。
特に、PCB上で接続されるLSI間で安定に信号伝達動作を行うためには、LSIにおける信号伝達用の回路であるI/O(Input/Output)バッファに供給される電源電圧変動(以下、I/O電源電圧変動と記述する)が、LSIの安定動作する許容可能な範囲に抑えられている必要がある。I/Oバッファの電源電圧変動を許容可能な範囲に抑えるためには、電源からI/Oバッファの電源端子までのPCB、パッケージ、LSI内部配線を含めた電源供給系回路のインピーダンスが目標値以下になる必要がある(以下、この目標値をターゲットインピーダンスと記述する)。
特許文献1には、PCBのレイアウト後に電磁界解析により電源供給系回路とグラウンド系回路の等価回路モデルを導出し、実装されている部品の最適な種類、配置、個数をパラメータとした推定式に基づいて電源供給系回路のインピーダンスをターゲットインピーダンス以下にする技術が記載されている。
また、特許文献2には、PCB全体のレイアウト情報から電源供給部分を電気回路情報に変換し、LSIの電源端子からのインピーダンス特性等、電源供給系回路のインピーダンスを導出する技術が記載されている。
日本国特開2009−223885号公報 日本国特開2005−251223号公報
特許文献1や特許文献2に記載されている技術は、ターゲットインピーダンスの推定に製品設計の初期段階では決定されていないノイズ源となるLSIから流れる電流値を必要とするため、ターゲットインピーダンスの導出が困難である。また、特許文献1や特許文献2に記載されている技術は、I/Oバッファの電源供給系回路の設計に求められる信号品質設計(SI(Signal Integrity)設計)と電源品質設計(PI(Power Integrity)設計)の両方を行う技術ではない。
図13Aおよび13Bは、バッファにおける電源電圧変動とジッタとの関係を示す図である。
一般に、回路ブロックが接続されている電源からの出力に電圧変動が生じると、回路ブロックの動作するタイミングのずれが生じ、出力段の波形においてジッタ(ゆらぎ、遅延)が確認されるようになる。バッファに供給される電圧が図13Aの実線に示すように一定であれば、バッファは安定に動作する。
しかしながら、実際にはバッファ自身のスイッチング動作により電源供給系回路に電流が流れるため、電源供給系回路のインピーダンスによる電源電圧変動が発生し、実際にバッファに供給される電圧は、図13Aの点線に示すように変動してしまう。
この場合、バッファは、一定の電圧が供給されないままスイッチング動作を行うことになるため、出力段の波形はきれいに揃わず、タイミングのずれとしての図13Bに示すようなジッタが生じてしまう。特にLSIのI/Oバッファにおいては、ドライバ(送信側バッファ)の出力端の信号をレシーバ(受信側バッファ)の入力端に伝達することになるため、安定に信号伝達を行うためには、ジッタを許容範囲の時間内に抑えなければならず、電源電圧変動の許容範囲も決まる。
したがって、I/Oバッファの電源供給系回路の設計を行うためには、安定な信号伝達を行うために必要なI/Oバッファの本数やジッタの許容範囲を考慮した、PI設計とSI設計を考慮したターゲットインピーダンスを用意する必要がある。
そこで本発明は、LSIを実装したPCBの電源供給系回路において、LSIが安定動作するために必要となるターゲットインピーダンスを導出する設計支援装置、設計支援方法及びプログラムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の実施形態における設計支援装置は、I/Oバッファに生じる電源電圧変動と前記電源電圧変動により生じるジッタの相関関係を示すジッタ電圧相関情報と、前記生じるジッタに対して信号を安定に伝達するためのジッタ制約の情報とに基づいて、許容可能な前記電源電圧変動を導出する許容電源変動導出部と、前記I/Oバッファの電源供給系回路を流れる信号動作電流の情報と、前記電源電圧変動とに基づいて、電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを導出するターゲットインピーダンス導出部とを備える。
また本発明の実施形態における設計支援方法は、I/Oバッファに生じる電源電圧変動と前記電源電圧変動により生じるジッタの相関関係を示すジッタ電圧相関情報と、前記生じるジッタに対して信号を安定に伝達するためのジッタ制約の情報とに基づいて、許容可能な前記電源電圧変動を導出し、前記I/Oバッファの電源供給系回路を流れる信号動作電流の情報と前記電源電圧変動とに基づいて、電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを導出する。
また本発明の実施形態におけるプログラムは、プリント回路基板設計支援装置のコンピュータを、I/Oバッファに生じる電源電圧変動と前記電源電圧変動により生じるジッタの相関関係を示すジッタ電圧相関情報と、前記生じるジッタに対して信号を安定に伝達するためのジッタ制約の情報とに基づいて、許容可能な前記電源電圧変動を導出する許容電源変動導出手段、前記I/Oバッファの電源供給系回路を流れる信号動作電流の情報と前記電源電圧変動とに基づいて、電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを導出するターゲットインピーダンス導出手段として機能させる。
本発明によれば、PCB設計の初期段階において、容易に電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを見積もることができる。
本発明の実施形態の設計支援装置を示すブロック図である。 本発明の第一および第二の実施形態による設計支援装置を示すブロック図である。 図2に示された記憶部が記憶するジッタ制約の情報の例を示すグラフである。 図2に示された記憶部が記憶するジッタ電圧相関情報のデータベースの例を示す表である。 図2に示された許容電源変動導出部が導出するI/Oバッファの許容可能な電源電圧変動の例を示すグラフである。 図2に示されたターゲットインピーダンス導出部が導出するターゲットインピーダンスの例を示すグラフである。 本発明の第一および第二の実施形態による設計支援装置の処理を示すフローチャートである。 本発明の第二の実施形態において、記憶部が記憶するジッタ電圧相関式の例を示すグラフである。 本発明の第三の実施形態による設計支援装置を示すブロック図である。 本発明の第三の実施形態による設計支援装置の処理を示すフローチャートである。 本発明の第四の実施形態による設計支援装置を示すブロック図である。 本発明の第四の実施形態による設計支援装置の処理を示すフローチャートである。 一般的なI/Oバッファに供給される電圧を示すグラフである。 一般的なI/Oバッファにおける電源電圧変動とジッタとの関係を示すグラフである。 第四実施形態の設計支援装置により設計されるPCBを示す平面図である。 第四実施形態の設計支援装置により設計されるPCBを示す断面図である。 第四実施形態の設計支援装置によりジッタ電圧相関式を求める例を示すグラフである。 図11に示された電源解析モデル生成部が備えるフィールドソルバで作成した電源解析モデルの等価回路示す回路図である。 図17Aに示された等化回路を直列に接続した配線モデルを示す図である。 図17Aに示された等化回路を2次元的に接続した配線モデルを示す図である。 図14に示された信号配線に伝送線路形式の信号配線モデルを用いたI/O入出力構造モデルを示す回路図である。 図11に示された電源解析モデル生成部が生成する電源解析モデルの例を示す図である。 第四実施形態の設計支援装置により行われる電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスとの判定結果の一例を示すグラフである。 第四実施形態の設計支援装置により行われる電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスとの判定結果の他の例を示すグラフである。
図1は、本発明の設計支援装置10の最小構成を示す機能ブロック図である。
本発明の設計支援装置10は、図1に示すように、少なくとも、許容電源変動導出部101と、ターゲットインピーダンス導出部102とを備える。
許容電源変動導出部101およびターゲットインピーダンス導出部102は制御部(例えばCPU、Central Proccessing Unit)がプログラムを実行することにより以下の機能を行い、設計支援装置10を構成する。
許容電源変動導出部101は、I/Oバッファに生じる電源電圧変動とその電源電圧変動により生じるジッタの相関関係を示すジッタ電圧相関情報と、生じるジッタに対して信号を安定に伝達するためのジッタ制約の情報とに基づいて、許容可能な電源電圧変動を導出する機能部である。ここで、ジッタ制約とは、LSIにおいて信号が安定して伝達されるためのジッタの許容可能な範囲である。ジッタ制約に基づいて求められるI/Oバッファの電源電圧変動が、I/Oバッファに生じる電源電圧変動として導出される。
ターゲットインピーダンス導出部102は、I/Oバッファの電源供給系回路を流れる信号動作電流の情報と、許容可能な電源電圧変動とに基づいて、電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを導出する。ここで、信号動作電流とは、I/Oバッファの電源供給系回路を流れる電流である。
ターゲットインピーダンスは、I/Oバッファの電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスである。ターゲットインピーダンスは、I/Oバッファの電源電圧変動を許容可能な範囲に抑えるために必要となり、設計において満足しなければならない特性である。このターゲットインピーダンスの特性は、I/Oバッファの電源供給系回路を流れる信号動作電流の特性に基づく特性となる。例えば、信号動作電流が周波数依存性を有する特性であった場合は、ターゲットインピーダンスも周波数依存性を有する特性となる。
<第一の実施形態>
図2は、本発明の第一の実施形態による設計支援装置10の構成を示す図である。
図2で示すように、第一の実施形態による設計支援装置10は、図1で示した設計支援装置10の最小構成を示す機能に加え、出力制御部103、出力部110、記憶部111を備える。
出力制御部103は、ターゲットインピーダンス導出部102の導出したターゲットインピーダンスを出力部110に出力する機能部である。例えば、出力部110が液晶パネルなどの表示部である場合、出力制御部103はターゲットインピーダンスを表示部にグラフとして表示してもよい。
出力部110は、例えば表示部であり、出力制御部103からターゲットインピーダンスを入力し、表示部に表示する。
記憶部111は、I/Oバッファの回路設計情報であるジッタ制約、信号動作電流といった情報やジッタ電圧相関情報など、設計支援装置10の動作に必要な種々のデータやプログラムを記憶する記憶部である。
図3は、記憶部111が記憶するジッタ制約の情報の例を示す図である。
ジッタ制約は、ユーザが事前に用意しておく情報である。ジッタ制約は、LSIにおいて信号が安定して伝達されるための各瞬間のジッタの許容可能な範囲である。図3に示すように、ジッタ制約は、信号が安定して伝達されるジッタの基準に対して、信号伝達が進む方向の進みジッタに対するジッタ制約と信号伝達が遅れる方向の遅れジッタに対するジッタ制約とが存在する。このジッタ制約はPCB設計の初期段階で用意可能なLSIの設計仕様項目の1つであり、LSIにおいて信号が安定して伝達されるために、このジッタ制約を満足するように設計しなければならない。
図4は、記憶部111が記憶するジッタ電圧相関情報のデータベースの例を示す表である。
ジッタ電圧相関情報は、ユーザが事前に用意しておく情報である。ジッタ電圧相関情報は、I/Oバッファの電源電圧変動ΔVに対してジッタがどれだけ生じるかを示す情報である。このジッタ電圧相関情報は、図4で示すように、動作電圧の違いや信号伝達方式(シングルエンド信号/差動信号)の違い等によるI/Oバッファの種類毎にライブラリ化し、ユーザがLSIで使用するI/Oバッファに応じて選択できるデータベースとして記憶部111に記録されている。
ジッタ電圧相関情報は、過去に設計したLSIの実測結果や解析結果からI/Oバッファの種類毎にライブラリ化し、ユーザがLSIで使用するI/Oバッファに応じて選択できるデータベースとして記憶部111に記録しておけばよい。そうすることで、ユーザが、同様の仕様のLSIや同じラインアップのLSIを用いる新規のPCB設計を行う際にデータベースを再利用でき、更に、PCB設計の初期段階から正確なターゲットインピーダンスの見積もりを迅速に行うことが可能となる。
図5は、I/Oバッファの許容可能な電源電圧変動の例を示す図である。
許容電源変動導出部101は、ジッタ電圧相関情報と、ジッタ制約の情報とに基づいて、I/Oバッファの許容可能な電源電圧変動(以下、許容可能電源電圧変動と記述する)を導出する。許容電源変動導出部101は、図4で示したデータベースからI/Oバッファの許容可能電源電圧変動を導出することができる。
例えば、ユーザがLSIで使用するI/Oバッファの種類がtype1でありジッタ制約がA1の場合、許容電源変動導出部101は、記憶部111から図4で示すデータベースを読み出し、I/Oバッファの電源電圧変動ΔVをaと導出する。図4で示すデータベースから、ユーザがLSIで使用するI/Oバッファの種類がtype1であり、I/Oバッファの電源電圧変動ΔVがaの場合、ジッタ制約はA1となることがわかる。
また、ユーザのLSIで使用するI/Oバッファの種類がtype2であり、ジッタ制約がD2の場合、許容電源変動導出部101は、記憶部111から図4で示すデータベースを読み出し、I/Oバッファの電源電圧変動ΔVをdと導出する。図4で示すデータベースから、ユーザのLSIで使用するI/Oバッファの種類がtype2であり、I/Oバッファの電源電圧変動ΔVがcの場合、ジッタ制約はC2と求めることもできる。
なお、記憶部111の記憶するデータベースにおいて適切な許容可能電源電圧変動とジッタ制約との組み合わせデータが存在しない場合、許容電源変動導出部101は、データベースに存在するデータを補間し、新たに適切な許容可能電源電圧変動とジッタ制約との組み合わせデータを生成してI/Oバッファの許容可能電源電圧変動を導出してもよい。
図6は、ターゲットインピーダンス導出部102の導出するターゲットインピーダンスの例を示す図である。
ターゲットインピーダンス導出部102は、I/Oバッファの電源供給系回路を流れる信号動作電流の情報と、許容可能電源電圧変動とに基づいて、ターゲットインピーダンスを導出する。そして、ターゲットインピーダンス導出部102は、例えば、記憶部111が記憶しているターゲットインピーダンスZtiを表す式(1)を読み出し、読み出した式(1)にユーザが事前に用意した信号動作電流(絶対値)と許容電源変動導出部101が導出した許容可能電源電圧変動(絶対値)とを代入することでPCBにおけるI/Oバッファの電源供給系回路のターゲットインピーダンスZtiを導出することができる。
Figure 0006252494
ただし、この式(1)において、Iiはユーザが事前に用意した信号動作電流(絶対値)、Vdrは許容可能電源電圧変動であり、図5においてI/Oバッファの電源電圧変動ΔVに相当する。
この式(1)はオームの法則に起因するものであり、信号動作電流Iiが流れるほどターゲットインピーダンスZtiが小さくなる、もしくは許容可能電源電圧変動Vdrを厳しく(小さく)見積るほど、ターゲットインピーダンスZtiは小さくなる、という関係を示している。
以上のように、ターゲットインピーダンス導出部102は、PCBにおけるI/Oバッファの電源供給系回路のターゲットインピーダンスを導出することができる。
図7は、本発明の第一の実施形態による設計支援装置10の処理フローを示す図である。
次に、設計支援装置10が記憶部111の記憶する種々の情報に基づいてターゲットインピーダンスを導出する場合を例に、第一の実施形態による設計支援装置10の処理フローを説明する。
まず、ユーザは、例えばデータを記憶部に記録する外部のライタ装置に対するユーザ操作により、設計支援装置10の記憶部111にI/Oバッファの回路設計情報(ジッタ制約の情報、信号動作電流の情報)を書き込む。また同様に、ユーザは、外部のライタ装置に対するユーザ操作により、設計支援装置10の記憶部111にジッタ電圧相関情報を書き込む。
次に、設計支援装置10の許容電源変動導出部101は、記憶部111からI/Oバッファの回路設計情報(ジッタ制約の情報)を読み出す(ステップS1)。また、許容電源変動導出部101は、記憶部111からジッタ電圧相関情報を読み出す(ステップS1)。
そして、許容電源変動導出部101は、記憶部111から読み出したジッタ電圧相関情報とI/Oバッファの回路設計情報であるジッタ制約の情報とに基づいて、許容可能電源電圧変動を導出する(ステップS2)。例えば、ユーザのLSIで使用するI/Oバッファの種類がtype1であり、ジッタ制約がA1の場合、許容電源変動導出部101は、記憶部111から図4で示すデータベースを読み出し、I/Oバッファの電源電圧変動ΔVをaと導出する。そして、許容電源変動導出部101は、導出した許容可能電源電圧変動の情報をターゲットインピーダンス導出部102に出力する。
ターゲットインピーダンス導出部102は、許容電源変動導出部101から許容可能電源電圧変動を入力すると、記憶部111からI/Oバッファの回路設計情報(信号動作電流の情報)を読み出す(ステップS3)。
次に、ターゲットインピーダンス導出部102は、許容可能電源電圧変動の情報とI/Oバッファの回路設計情報である信号動作電流の情報とに基づいて、例えば割り算を実行する機能をハードウエアで実現し許容可能電源電圧変動(絶対値)を信号動作電流(絶対値)で割り算してターゲットインピーダンスを導出する(ステップS4)。また、例えば、ターゲットインピーダンス導出部102は、記憶部111が記憶しているターゲットインピーダンスZtiを表す式(1)を読み出し、読み出した式(1)に信号動作電流と許容可能電源電圧変動とを代入することでPCBにおけるI/Oバッファの電源供給系回路のターゲットインピーダンスZtiを導出してもよい。そして、ターゲットインピーダンス導出部102は、導出したターゲットインピーダンスの情報を出力制御部103に出力する。
出力制御部103は、ターゲットインピーダンス導出部102からターゲットインピーダンスの情報を入力すると、入力したターゲットインピーダンスの情報に基づいて、ターゲットインピーダンスを出力部110に出力する(ステップS5)。例えば、出力制御部103の入力したターゲットインピーダンスの情報が文字情報である場合、出力制御部103は、ターゲットインピーダンスを文字として出力部110に出力する。
以上、本発明の実施形態による設計支援装置10の処理フローについて説明したが、上述の設計支援装置10の処理により、PCB設計の初期段階において、容易に電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを見積もることができ、PCB設計工数の低減やPCB製造コストの低減ができるという効果が得られる。
また、上述の設計支援装置10の処理により、信号動作電流が大きくなる、または許容可能電源電圧変動が厳しい条件になるほど、より厳しい(小さい)ターゲットインピーダンスが見積もられ、I/Oバッファの電源供給系回路の実際の設計に即したターゲットインピーダンスが得られる。
<第二の実施形態>
次に、本発明の第二の実施形態による設計支援装置10について説明する。
本発明の第二の実施形態による設計支援装置10の構成は、図2で示した第一の実施形態による設計支援装置10の構成と同一であるため、その説明を省略する。また、第二の実施形態による設計支援装置10の処理フローにおいて、第二の実施形態による許容電源変動導出部101が使用するジッタ電圧相関情報は、I/Oバッファ毎に用意した近似式で表されるジッタ電圧相関式であり、第一の実施形態による許容電源変動導出部101が使用するジッタ電圧相関情報とは異なる様式を持つ。
したがって、第二の実施形態による許容電源変動導出部101が使用する計算式であるジッタ電圧相関情式について以下で詳細に説明する。
図8は、記憶部111が記憶するジッタ電圧相関式の例を示すグラフである。
記憶部111は、複数のI/Oバッファに対して電源電圧変動とジッタとが1対1で対応するジッタ電圧相関式を、LSIのそれぞれのラインアップに対応する識別子に関連付けて記憶している。
このジッタ電圧相関式は、同様のLSIが実装されたPCBにおいて実測された特性や等価回路モデルを用いて導出された特性から、相関性を表す近似式を元に導出されたものである。このジッタ電圧相関式は、I/Oバッファの動作電圧の違いや信号伝達方式の違い等によるI/Oバッファの種類毎にライブラリ化し、ユーザがLSIで使用するI/Oバッファに応じて選択できるデータベースとして記憶部111に記録されている。
また、図7で示される第二の実施形態による設計支援装置10のステップS2の処理は、許容電源変動導出部101が記憶部111から読み出したジッタ電圧相関式にI/Oバッファの回路設計情報であるジッタ制約の情報を代入して、許容可能電源電圧変動を導出する処理である。
図8で示すジッタ電圧相関式の例で表される実線は、I/Oバッファの電源電圧変動ΔVに対するジッタ(実測値、解析値)について、ジッタの条件を変動させて得られた電源電圧変動ΔV(×印)をプロットし、それに対して統計処理を行って求めた近似直線(実線)を引いたものである。一般に、ΔVが大きくなるにつれジッタ(絶対値)が大きくなり、ほぼ比例の関係にある。例えばΔVをVd、ジッタをtjとしたとき、近似直線は式(2)で表すことができる。
Figure 0006252494
ただし、式(2)においてaは直線の傾きである。また、式(2)においてbは、近似直線のジッタ軸上の切片を表す。
ジッタが0の場合、電源電圧変動ΔVとジッタとの関係を表す関係式は理想的に原点を含む関係式であり、実測値より求めた式(2)で表される近似直線は原点付近に切片を持つ。したがって、式(2)におけるbの値はほぼ0であり式(2)の近似式では無視できる値である。
したがって、式(2)を用いて、tjにジッタ制約tjrを代入し、VdにI/Oバッファの許容可能電源電圧変動Vdrを代入すると、許容可能電源電圧変動Vdrは、式(3)で表すことができる。
Figure 0006252494
なお、Vdrの値は負の値をとることもあるが、変動の絶対量が必要となるため、絶対値として導出している。
また、上記の式(2)で表される近似直線は、ジッタの条件を変動させて得られた電源電圧変動ΔVをプロットし、それに対して統計処理を行って求めた近似直線であるが、プロットから設計条件が最も厳しいワーストケースの電源電圧変動ΔVを求めて、許容可能電源電圧変動Vdrを求めてもよい。そうすることで、ワーストケースに相当するターゲットインピーダンスを求めることができ、周囲温度変動や電源電圧変動などの条件変化に対して耐性の強い製品を設計することができる。
なお、第二の実施形態による設計支援装置10のステップS2以外の処理は、第一の実施形態による設計支援装置10の処理と同一である。
以上、本発明の実施形態による設計支援装置10の処理フローについて説明したが、上述の設計支援装置10の処理により、PCB設計の初期段階において、容易に電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを見積もることができ、PCB設計工数の低減やPCB製造コストの低減ができるという効果が得られる。
<第三の実施形態>
図9は、本発明の第三の実施形態による設計支援装置10の構成を示す図である。
図9で示すように、第三の実施形態による設計支援装置10は、図2で示した第一の実施形態による設計支援装置10の構成を示す機能に加え、信号動作電流導出部105を備える。
信号動作電流導出部105は、I/Oバッファの動作電圧、I/Oレシーバの終端条件、I/Oバッファのスイッチング動作数、I/Oバッファの信号伝達方式といった信号動作電流の設計情報から、用意された信号伝達方式に基づく計算式を用いて信号動作電流を導出する機能部である。
ユーザが事前に信号動作電流の情報を用意できない場合、信号動作電流導出部105は、例えば、記憶部111が記憶している信号動作電流Iiを表す式(4)を読み出し、読み出した式(4)にLSIで使用するI/Oバッファの動作電圧、I/Oレシーバの終端条件、スイッチング動作数、信号伝達方式といった信号動作電流の設計情報を代入することで、簡易的に信号動作電流Iiを導出することができる。
Figure 0006252494
この式(4)において、ViはI/Oバッファの動作電圧、NdはI/Oバッファのスイッチング動作数、ZrはI/Oレシーバの終端条件を考慮した入力インピーダンスである。また、この式(4)は、信号伝達方式がシングルエンド信号の場合に対する信号動作電流Iiを導出する式である。
信号伝達方式が差動信号の場合に対する信号動作電流Iiを導出する式は、式(5)で表される。この数式も式(4)と同様記憶部111に記憶されている。
Figure 0006252494
このように、信号動作電流導出部105は、信号動作電流Iiを導出し、導出した信号動作電流Iiの情報をターゲットインピーダンス導出部102に出力する。
ターゲットインピーダンス導出部102は、信号動作電流導出部105から信号動作電流の情報を入力し、許容電源変動導出部101から許容可能電源電圧変動の情報に基づいて、ターゲットインピーダンスを導出する。
図10は、本発明の第三の実施形態による設計支援装置10の処理フローを示すフローチャートである。
設計支援装置10が記憶部111の記憶する種々の情報に基づいてターゲットインピーダンスを導出する場合を例に、第三の実施形態による設計支援装置10の処理フローを説明する。
まず、ユーザは、例えば外部のライタ装置に対するユーザ操作により、設計支援装置10の記憶部111にI/Oバッファの回路設計情報(ジッタ制約の情報、及びI/Oバッファの動作電圧、I/Oレシーバの終端条件、I/Oバッファのスイッチング動作数、I/Oバッファの信号伝達方式といった信号動作電流の設計情報)を書き込む。また同様に、ユーザは、外部のライタ装置に対するユーザ操作により、設計支援装置10の記憶部111にジッタ電圧相関情報を書き込む。
次に、設計支援装置10の許容電源変動導出部101は、記憶部111からI/Oバッファの回路設計情報(ジッタ制約の情報)を読み出す(ステップS1)。また、許容電源変動導出部101は、記憶部111からジッタ電圧相関情報を読み出す(ステップS1)。
許容電源変動導出部101は、記憶部111から読み出したジッタ電圧相関情報とI/Oバッファの回路設計情報であるジッタ制約の情報とに基づいて、許容可能電源電圧変動を導出する(ステップS2)。そして、許容電源変動導出部101は、導出した許容可能電源電圧変動の情報をターゲットインピーダンス導出部102に出力する。
また、信号動作電流導出部105は、I/Oバッファの動作電圧、I/Oレシーバの終端条件、I/Oバッファのスイッチング動作数、I/Oバッファの信号伝達方式といった信号動作電流の設計情報と、信号伝達方式に基づく計算式とを記憶部111から読み出す(ステップS6)。次に、信号動作電流導出部105は、読み出した計算式と信号動作電流の設計情報とに基づいて信号動作電流を導出する(ステップS7)。次に、信号動作電流導出部105は、導出した信号動作電流の情報をターゲットインピーダンス導出部102に出力する。
ターゲットインピーダンス導出部102は、許容電源変動導出部101から許容可能電源電圧変動を入力する。また、ターゲットインピーダンス導出部102は、信号動作電流導出部105から信号動作電流の情報を入力する。
ターゲットインピーダンス導出部102は、許容可能電源電圧変動の情報とI/Oバッファの回路設計情報である信号動作電流の情報とに基づいて、例えば割り算を実行する機能をハードウエアで実現し許容可能電源電圧変動(絶対値)を信号動作電流(絶対値)で割り算してターゲットインピーダンスを導出する(ステップS4)。そして、ターゲットインピーダンス導出部102は、導出したターゲットインピーダンスの情報を出力制御部103に出力する。
出力制御部103は、ターゲットインピーダンス導出部102からターゲットインピーダンスの情報を入力すると、入力したターゲットインピーダンスの情報に基づいて、ターゲットインピーダンスを出力部110に出力する(ステップS5)。
なお、許容電源変動導出部101の行う処理(ステップS1、ステップS2)と信号動作電流導出部105の行う処理(ステップS6、ステップS7)は、独立した処理であるため、その順番を入れ換えることも可能である。
以上、本発明の実施形態による設計支援装置10の処理フローについて説明したが、上述の設計支援装置10の処理により、信号動作電流の情報が入手出来なくても、I/Oバッファの動作電圧、I/Oレシーバの終端条件、I/Oバッファのスイッチング動作数、I/Oバッファの信号伝達方式といった信号動作電流の設計情報を用意することで、信号動作電流を導出できる。そして、PCB設計の初期段階において、容易に電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを見積もることができ、PCB設計工数の低減やPCB製造コストの低減ができるという効果が得られる。
<第四の実施形態>
図11は、本発明の第四の実施形態による設計支援装置10の構成を示す図である。
図11に示すように、第四の実施形態による設計支援装置10は、図9で示した第三の実施形態による設計支援装置10の構成を示す機能に加え、インピーダンス導出部106、インピーダンス判定部107を備える。
設計支援装置10の外部には、基板情報、部品情報などを記憶している外部記憶装置20が存在する。
また、本実施形態では、ターゲットインピーダンス導出部102は、導出したターゲットインピーダンスを、インピーダンス判定部107に出力する機能を有する。
インピーダンス導出部106は、プリント回路基板の構造と電気特性から成る基板情報と、プリント回路基板に実装する部品の構造と電気特性から成る部品情報とから、プリント回路基板の電源供給系回路の等価回路モデルを示す電源解析モデルを生成し、電源解析モデルを用いて解析を行い、電源供給系回路のインピーダンスを導出する機能部である。
インピーダンス判定部107は、I/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスとを比較し、電源供給系回路のインピーダンスがターゲットインピーダンスより小さいか否かを判定する機能部である。また、インピーダンス判定部107は、その判定結果を反映し、記憶部に記憶された前記基板情報と前記部品情報の書き換えを行う機能も有する。
電源解析モデル生成部108は、プリント回路基板の構造と電気特性から成る基板情報と、プリント回路基板に実装する部品の構造と電気特性から成る部品情報とから、プリント回路基板の電源供給系回路の等価回路モデルを示す電源解析モデルを生成する機能部である。
インピーダンス解析部109は、電源解析モデルを用いて解析を行い、電源供給系回路のインピーダンスを導出する機能部である。
インピーダンス導出部106は、電源解析モデル生成部108、インピーダンス解析部109を備える。
電源解析モデル生成部108は、プリント回路基板の構造と電気特性から成る基板情報と、プリント回路基板に実装する部品の構造と電気特性から成る部品情報とを外部記憶装置20から読み出す。電源解析モデル生成部108が行うこの呼び出しは、例えば、許容電源変動導出部101または信号動作電流導出部105が記憶部111からI/Oバッファの回路設計情報を読み出すことをトリガとして開始されてもよい。また、電源解析モデル生成部108が行うこの呼び出しは、インピーダンス解析部109の処理を除く、インピーダンス判定部107が処理を開始する前の処理であれば、そのステップの処理をトリガにして開始してもよい。
次に、電源解析モデル生成部108は、外部記憶装置20より読み出した基板情報と部品情報とから、電源解析モデルを生成する。この電源解析モデルは、インピーダンスを導出するためのモデルであればよく、SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)等のソフトウェアを用いて回路解析を行う際に使用する回路解析用モデルであってもよい。また、電源解析モデルは、FDTD法(Finite−Difference Time−Domain method)等を用いて電磁界解析を行う際に使用する電磁界解析用モデルであってもよい。
電源解析モデル生成部108が電源解析モデルを生成する際に使用する基板情報は、例えばPCB設計で使用するCAD(Computer Aided Design)のレイアウト情報である。また、電源解析モデル生成部108が電源解析モデルを生成する際に使用する部品情報は、作製するPCBに実装する部品の情報である。そして、これらのレイアウト情報や部品情報からモデルパラメータを抽出し、回路解析用モデルや電磁界解析用モデルを生成する技術は、既存の技術として市販ツール等に採用されている。
そのため、外部記憶装置20に基板情報としてCADのレイアウト情報を記録し、部品情報としてPCBに実装する部品の情報を記録すれば、電源解析モデル生成部108は、上述の既存技術を用いることで電源解析モデルを生成することが可能である。
電源解析モデル生成部108は、生成した電源解析モデルをインピーダンス解析部109に出力する。
インピーダンス解析部109は、電源解析モデル生成部108から電源解析モデルを入力すると、入力した電源解析モデルを用いてI/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンスを解析する。
例えば、インピーダンス解析部109の入力した電源解析モデルがSPICEによる回路解析用モデルである場合には、インピーダンス解析部109は、SPICEを用いた回路解析を実行できる機能を備えていればインピーダンスを解析することが可能である。また、インピーダンス解析部109の入力した電源解析モデルがFDTD法を用いた電磁界解析用モデルである場合には、インピーダンス解析部109は、FDTD法を用いた電磁界解析を実行できる機能を備えていればインピーダンスを解析することが可能である。
次に、インピーダンス解析部109は、I/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンスを解析した結果をインピーダンス判定部107に出力する。
なお、インピーダンス解析部109が導出するI/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンスは、周波数依存性を有する場合もあれば、周波数依存性の無い一定の場合もあり、I/Oバッファの電源供給系回路の設計に使用する情報により異なる。
インピーダンス判定部107は、インピーダンス導出部109によって出力されたI/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンスと、ターゲットインピーダンス導出部102によって出力されたターゲットインピーダンスとを比較し、電源供給系回路のインピーダンスがターゲットインピーダンスより小さいか否かを判定する。
電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスの周波数依存性が異なる場合、インピーダンス判定部107は、電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスのうち一方に合わせた比較を行えばよい。例えば、電源供給系回路のインピーダンスが周波数依存性を有し、ターゲットインピーダンスが周波数依存性の無い一定の場合、インピーダンス判定部107は、電源供給系回路のインピーダンスの周波数依存性を示す周波数範囲でターゲットインピーダンスは一定として比較すればよい。あるいは、インピーダンス判定部107は、I/Oスイッチング動作周波数における電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスとを比較すればよい。
次に、インピーダンス判定部107は、電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスとの判定結果を出力制御部103に出力する。このインピーダンス判定部107の出力する判定結果は、電源供給系回路のインピーダンスがターゲットインピーダンスを満たしたか否かの情報のほか、具体的な電源供給系回路のインピーダンス、具体的なターゲットインピーダンス、両者の比較を行ったグラフ等である。
また、インピーダンス判定部107は、判定結果を外部記憶装置20に出力し、外部記憶装置20の記憶する基板情報や部品情報を判定結果に応じて書き換えてもよい。例えば、I/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンスがターゲットインピーダンスを満たさないという判定結果であった場合、インピーダンス判定部107は、外部記憶装置20に基板情報と部品情報として“エラー”を書き込む。また、例えば、基板情報がCADのレイアウト情報であり、ユーザインターフェースを介してユーザがPCBのレイアウト形状を確認できる場合、ターゲットインピーダンスを満たさなかった電源供給系回路をCADのレイアウト上にエラーであると識別できるように表示してもよい。また、CADのレイアウト上のエラーをユーザ操作により選択することで、インピーダンス判定部107がエラーと判断するのに用いた具体的な電源供給系回路のインピーダンス、具体的なターゲットインピーダンス、両者の比較を行ったグラフ等を表示してもよい。
図12は、本発明の第四の実施形態による設計支援装置10の処理フローを示す図である。
次に、設計支援装置10が記憶部111の記憶する種々の情報と、外部記憶装置20の記憶する基板情報と部品情報とに基づいてターゲットインピーダンスを導出する場合を例に、第四の実施形態による設計支援装置10の処理フローを説明する。
まず、ユーザは、例えば外部のライタ装置に対するユーザ操作により、設計支援装置10の記憶部111にI/Oバッファの回路設計情報(ジッタ制約の情報、及びI/Oバッファの動作電圧、I/Oレシーバの終端条件、I/Oバッファのスイッチング動作数、I/Oバッファの信号伝達方式といった信号動作電流の設計情報)を書き込む。また同様に、ユーザは、外部のライタ装置に対するユーザ操作により、設計支援装置10の記憶部111にジッタ電圧相関情報を書き込む。また同様に、ユーザは、外部のライタ装置に対するユーザ操作により、外部記憶装置20に基板情報と部品情報とを書き込む。
次に、設計支援装置10の許容電源変動導出部101は、記憶部111からI/Oバッファの回路設計情報(ジッタ制約の情報)を読み出す(ステップS1)。また、許容電源変動導出部101は、記憶部111からジッタ電圧相関情報を読み出す(ステップS1)。
次に、許容電源変動導出部101は、記憶部111から読み出したジッタ電圧相関情報とI/Oバッファの回路設計情報であるジッタ制約の情報とに基づいて、許容可能電源電圧変動を導出する(ステップS2)。そして、許容電源変動導出部101は、導出した許容可能電源電圧変動の情報をターゲットインピーダンス導出部102に出力する。
信号動作電流導出部105は、I/Oバッファの動作電圧、I/Oレシーバの終端条件、I/Oバッファのスイッチング動作数、I/Oバッファの信号伝達方式といった信号動作電流の設計情報と、信号伝達方式に基づく計算式とを記憶部111から読み出す(ステップS6)。次に、信号動作電流導出部105は、読み出した計算式と信号動作電流の設計情報とに基づいて信号動作電流を導出する(ステップS7)。次に、信号動作電流導出部105は、導出した信号動作電流の情報をターゲットインピーダンス導出部102に出力する。
ターゲットインピーダンス導出部102は、許容電源変動導出部101から許容可能電源電圧変動を入力する。また、ターゲットインピーダンス導出部102は、信号動作電流導出部105から信号動作電流の情報を入力する。
次に、ターゲットインピーダンス導出部102は、許容可能電源電圧変動の情報とI/Oバッファの回路設計情報である信号動作電流の情報とに基づいて、例えば割り算を実行する機能をハードウエアで実現し許容可能電源電圧変動(絶対値)を信号動作電流(絶対値)で割り算してターゲットインピーダンスを導出する(ステップS4)。そして、ターゲットインピーダンス導出部102は、導出したターゲットインピーダンスの情報をインピーダンス判定部107に出力する。
許容電源変動導出部101の行うステップS1の処理に応じて、電源解析モデル生成部108は、外部記憶装置20から基板情報と部品情報とを読み出す(ステップS8)。次に、電源解析モデル生成部108は、読み出した基板情報と部品情報とに基づいて電源解析モデルを生成する(ステップS9)。そして、電源解析モデル生成部108は、生成した電源解析モデルの情報をインピーダンス解析部109に出力する。
インピーダンス解析部109は、電源解析モデル生成部108から電源解析モデルの情報を入力すると、入力した電源解析モデルの情報に基づいて、電源供給系回路のインピーダンスを導出する(ステップS10)。そして、インピーダンス解析部109は、導出した電源供給系回路のインピーダンスの情報をインピーダンス判定部107に出力する。
インピーダンス判定部107は、ターゲットインピーダンス導出部102からターゲットインピーダンスを入力しインピーダンス解析部109から電源供給系回路のインピーダンスを入力すると、入力したターゲットインピーダンスと電源供給系回路のインピーダンスとを比較し、電源供給系回路のインピーダンスがターゲットインピーダンスより小さいか否かを判定する(ステップS11)。次に、インピーダンス判定部107は、電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスとの判定結果に基づいて、判定結果を外部記憶装置20に記録し基板情報と部品情報を書き換える(ステップS12)。また、インピーダンス判定部107は、電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスとの判定結果を出力制御部103に出力する。
出力制御部103は、インピーダンス判定部107から電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスとの判定結果を入力すると、入力した判定結果に基づいて、判定結果を出力部110に出力する(ステップS13)。
なお、許容電源変動導出部101の行う処理(ステップS1、ステップS2)と信号動作電流導出部105の行う処理(ステップS6、ステップS7)は、独立した処理であるため、その順番を入れ換えることも可能である。
また、上述の実施形態の説明では、電源解析モデル生成部108の処理は、許容電源変動導出部101の処理をトリガにして開始したが、必要に応じて正常な処理の範囲でトリガを変更してもよい。また、必要に応じて正常な処理を行う範囲で、許容電源変動導出部101、信号動作電流導出部105、ターゲットインピーダンス導出部102の行う処理(ステップS1、S2、S6、S7、S4)とインピーダンス導出部106の電源解析モデル生成部108とインピーダンス解析部109の行う処理(ステップS8、S9、S10)を入れ換えてもよい。
以上、本発明の実施形態による設計支援装置10の処理フローについて説明したが、上述の設計支援装置10の処理により、PCB設計について豊富な知識を持たない設計者でも、CADのレイアウト情報である基板情報と実装する部品の情報である部品情報とを用意すれば、PCBのI/Oバッファの電源供給系回路のターゲットインピーダンスを満たす設計か否かを容易に判定することができる。また、基板情報や部品情報がインピーダンスの判定結果に応じて書き換えられることにより、ターゲットインピーダンスを満たすように設計されていない場合、どの周波数のI/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンスがどの程度ターゲットインピーダンスを満たしていないかを定量的に評価することが可能となる。
本発明の実施形態による設計支援装置10は、記憶部111を備えるものとして説明したが、設計支援装置10が記憶部111の記憶する情報を取得できるのであれば、記憶部111はどこに存在してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の設計支援装置10は内部に、コンピュータシステムを有している。上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
次に、本発明の第四の実施形態による設計支援装置10を用いた、PCBにおけるI/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンス設計のより具体的な例を説明する。
図14は、PCBの水平面構造の例を示す図である。
このPCBは、パッケージを有した2つのLSIを実装している。その2つのLSIは、送信側LSI21と受信側LSI22であり、信号配線23を介して信号電流25が流れることにより信号を伝達する。また、PCBが実装しているLSI以外の実装部品24は、信号配線の終端条件を調整する終端抵抗や、電源電圧変動を抑制するためのデカップリングコンデンサ等である。
送信側LSI21と受信側LSI22とに給電する電源は別々に存在し、送信側LSI21は送信側IO電源26から、受信側LSI22は受信側IO電源27から給電される。それぞれのIO電源は、プレーン構造をしており、PCB上に存在する。
図15は、PCBの断面構造の例を示す図である。
PCBは、誘電体層32を複数の導体層31,33で挟んだ多層構造35になっている。PCBの表面導体層31には、信号配線や別の部品を実装するための部品実装パッドが設けられている。PCBの内部導体層33には、グラウンドや電源のプレーンが構築されている。部品の電源端子を電源のプレーンに接続し、グラウンド端子をグラウンドのプレーンに接続するなど、各層同士を電気的に導通させる必要がある場合には、ヴィア34で層同士が接続される。なお、図15はPCBの断面構造の必要最低限の情報のみを示しており、実際のPCBは導体層の数が多いなど、より複雑な構造のものも存在する。
ここで、例えば、LSIに対して、スイッチング動作周波数は100メガヘルツ、I/Oバッファ動作電圧は1.8ボルト、同時にスイッチング動作するI/Oバッファ数は16個、信号伝達方式はシングルエンド信号、という動作条件が要求されていると仮定する。また、送信側LSI21の出力インピーダンスは50Ωとし、信号伝達においてインピーダンスのミスマッチングが生じないように信号配線の特性インピーダンスを50Ω、受信側LSI22の入力インピーダンスも50Ωとなるように、配線構造や実装部品(終端抵抗)24を用いて調整されていると仮定する。このとき、I/Oバッファの動作電圧、同時にスイッチング動作するI/Oバッファ数、入力インピーダンス50Ω、信号伝達方式はシングルエンド信号、という情報が信号動作電流の設計情報となる。また、PCB上の信号を安定に伝達させるためのジッタ制約は、100ピコ秒(スイッチング周波数100メガヘルツのときの周期10ナノ秒の100分の1)であると仮定する。これらの情報はPCB設計の初期段階でLSIに要求される仕様であり、設計者が容易に用意できる情報である。そのため、これらの情報を事前に用意し、設計支援装置10を利用することで、PCB設計の初期段階におけるI/Oバッファの電源供給系回路のターゲットインピーダンスを導出することが可能となる。このターゲットインピーダンスの導出には、図11で示した構成の設計支援装置10と図12で示したフローチャートとが使用される。
ターゲットインピーダンスは、スイッチング動作周波数100メガヘルツの高調波として1ギガヘルツの周波数範囲まで一定値を取ると仮定して求めるものとする。もし、設計者が事前に用意する信号動作電流などの情報がそれぞれ異なる周波数依存性を有する場合には、それぞれの周波数で異なるターゲットインピーダンスを導出する、またはスイッチング動作周波数などの特定の周波数に対してターゲットインピーダンスを導出すればよい。ただし、ここではPCB設計の初期段階であるため、スイッチング動作周波数の高調波でも同じだけの信号動作電流が流れるものとし、高調波としても第10高調波まで考慮すれば問題ないという設計指針に従い、前述のようなターゲットインピーダンスとして求めることにする。
図16は、ジッタ電圧相関式を求める例を示すグラフである。
設計支援装置10の記憶部111は、外部のライタ装置に対するユーザ操作によって、該当するI/Oバッファ(動作電圧1.8ボルト、スイッチング動作周波数100メガヘルツ、信号伝達方式はシングルエンド信号)におけるジッタ電圧相関式を予め記憶している。このI/Oバッファにおける電源電圧変動ΔVとジッタは、図16で示すようにΔVが−0.04ボルト〜0.04ボルトまで(動作電圧が1.76ボルト〜1.84ボルトまで)変動すると、ジッタは“◇”印でプロットされるように変動する。そして、ジッタtjと電圧変動Vdの近似式は、式(2)よりtj=−6−10×Vd−5−12と導出される。ただし、bはジッタ制約に比べ十分に小さい為0としてよい。従って、ジッタ制約tjrと許容電源変動vdrの関係は、式(3)よりVdr=|tjr/(−6−10)|となり、この近似式がジッタ電圧相関式として用意されているものとする。
図12で示した処理フローに従い、設計支援装置10が行う一連の処理によりPCBのI/Oバッファの電源供給系回路のターゲットインピーダンスを導出する。
設計支援装置10の許容電源変動導出部101、信号動作電流導出部105、ターゲットインピーダンス導出部102が行うステップS1、S2、S6、S7、S4の一連の処理によりターゲットインピーダンスを導出する。
許容電源変動導出部101は、回路設計情報(ジッタ制約の情報)とジッタ電圧相関情報とを読み出す(ステップS1)。具体的には、許容電源変動導出部101は、記憶部111からジッタ制約100ピコ秒と対象となるI/Oバッファのジッタ電圧相関式としてVdr=|tjr/(−6−10)|を読み出す。
次に、許容電源変動導出部101は、許容可能電源電圧変動を導出する(ステップS2)。具体的には、許容電源変動導出部101は、ジッタ制約100ピコ秒とVdr=|tjr/(−6−10)|より、許容電圧変動VdrをVdr=|100−12/(−6−10)|=|−167−3|=167ミリボルトと導出する。ここで、Vdrは負の値であり、電源電圧はマイナス方向に変動する(動作電圧である1.8ボルトから低下する)が、変動の絶対量が必要となるために絶対値として導出している。
次に、信号動作電流導出部105は信号動作電流の設計情報と、信号伝達方式に基づく計算式とを読み出す(ステップS6)。具体的には、信号動作電流導出部105は、I/Oバッファの動作電圧、同時にスイッチング動作するI/Oバッファ数、入力インピーダンス50Ω、信号伝達方式はシングルエンド信号、といった信号動作電流の設計情報と、信号伝達方式のシングルエンドに対応する計算式である式(4)を記憶部111から読み出す。
次に、信号動作電流導出部105が信号動作電流を導出する(ステップS7)。具体的には、信号動作電流導出部105は、式(4)を用いて、信号動作電流Ii=1.8×16/50=0.576=576ミリアンペアと導出する。
次に、ターゲットインピーダンス導出部102は、ターゲットインピーダンスを導出する(ステップS4)。具体的には、ターゲットインピーダンス導出部102は、許容電源変動導出部101の導出した許容電源変動Vdrと、信号動作電流導出部105の導出した信号動作電流Iiとから、許容可能電源電圧変動(絶対値)を信号動作電流(絶対値)で割り算してターゲットインピーダンスZtiを、Zti=167/576≒0.289=289ミリオームと導出する。
以上のように、設計支援装置10が行うステップS1、S2、S6、S7、S4の一連の処理によりターゲットインピーダンスが導出される。よって、設計者はこのターゲットインピーダンスを満たすように、PCBにおけるI/Oバッファの電源供給系回路を設計すればよいことになる。
次に、図12で示した処理フローに従い、設計支援装置10が行う一連の処理によりPCBにおける実際のI/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンスが導出される。
設計支援装置10の電源解析モデル生成部108、インピーダンス解析部109が行うステップS8、S9、S10の一連の処理により電源供給系回路のインピーダンスを導出する。なお、この一連の処理は前述のターゲットインピーダンスを見積る一連の処理とは時間をおいて行われてもよく、PCBの設計が進み、I/Oバッファの電源供給系回路に対するPCBの構造がある程度決定されてから行われても問題ない。
またこれらの一連の処理を行う段階では、PCBの設計情報として、図14及び図15で示した基板情報及び図14で示したPCB上に実装する部品情報が、外部記憶装置20に記録されていると仮定する。基板情報は具体的には、図14で示したPCBの平面構造情報(各層毎の導体の存在位置及び部品との接続情報など)を示す2次元CADレイアウト情報と図15で示した基板の層構造情報(層構成情報35とそれぞれの層の電気特性など)である。また部品情報は、図14で示した実装する部品の情報(基板との接続情報及び部品の電気特性など)である。基板情報や部品情報のうち、どの部分がI/Oバッファの電源供給系回路に関連するかの判定は、例えば2次元CADレイアウト情報には属性が記録されているものがあり(例えば、導体層のプレーンにI/Oバッファの電源供給系回路やグラウンドを表す属性が記録されている)、それらを参照して判別されるとすればよい。また基板情報や部品情報のうち、どの部分がI/Oバッファの電源供給系回路に関連するかの判定は、図14や図15で示すようなPCBの基板及び実装する部品の情報から、属性情報に従いI/Oバッファの電源供給系回路に関連する情報を抽出して行ってもよい。
実際のI/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンスを導出する一連の処理として、まず、電源解析モデル生成部108は、基板情報と部品情報とを読み出す(ステップS8)。具体的には、電源解析モデル生成部108は、外部記憶装置20の記録する図14及び図15で示したPCBの基板情報と部品情報を読み出す。
次に、電源解析モデル生成部108は、電源解析モデルを生成する(ステップS9)。具体的には、電源解析モデル生成部108は、読み出した基板情報と部品情報とから、I/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンスを導出するために使用する電源解析モデルを作成する。ここで、電源解析モデル生成部108は、プリント基板や配線の構造及び電気特性から、電源プレーンや信号配線の等価回路モデルを作成するフィールドソルバ(電磁界解析エンジンによる等価回路モデル作成手段)や、部品情報から部品の等価回路モデルを作成する部品等価回路モデル作成ツール、さらには作成されたモデル同士を結合してI/Oバッファの電源供給系回路の等価回路モデルを作成する回路モデル結合ツールなどの機能を備えるものとする。これらのツールは、市販のCADツールに搭載されていることも多く、それらを流用してもよい。
図17A,17Bおよび17Cは、電源解析モデル生成部108の備えるフィールドソルバで作成した電源解析モデルの例を示す図である。
図17Aは、電源解析モデル生成部108の備えるフィールドソルバにより求めた単位長さ辺りの等価回路であり、単位長さ辺りのインピーダンスZu(単位長さ辺りの抵抗RuとインダクタンスLu)及び単位長さ辺りのアドミタンスYu(単位長さ辺りのキャパシタンスCuとコンダクタンスGu)とで構成される。
図17Bは、この等価回路を直列に接続した配線モデルである。また、図17Cは、この等価回路を2次元的に接続した平面モデルである。
一般に、I/Oバッファの電源供給系回路における信号配線は、図17Bで示した配線モデルで表すことができ、基板上の電源プレーンは図17Cで示した平面モデルで表すことができる。パッケージに関してはパッケージの構造によって異なるが、例えばDIP(Dual Inline Package)のようにリードフレームを使用している場合、図17Bのような配線モデルを用いて表すことができる。また、扱う信号の波長に対して信号配線が十分に長い場合、伝送線路は分布定数の形式の等価回路モデルで表現すればよい(単位長さ辺りの電気特性は変更なし)。
図18は、図14で示した信号配線23に伝送線路形式の信号配線モデル43を用いたI/O入出力構造モデルの例を示す図である。
この図で示すI/O入出力構造モデルは、送信側LSI21内のI/Oドライバ(出力バッファ)の等価回路であるI/Oドライバモデル41と、受信側LSI22内のI/Oレシーバ(入力バッファ)の等価回路であるI/Oレシーバモデル42とを信号配線モデル43で接続し、I/Oレシーバの入力インピーダンスを調整するための終端抵抗モデル44がI/Oレシーバモデル42側に接続されたモデル構造となっている。I/Oドライバモデル41は、ドライババッファモデル45とスイッチング動作コントロール電源46とで構成される。
I/Oドライバモデル41は、スイッチング動作コントロール電源46の出力電圧(振幅1.8ボルトの100メガヘルツでスイッチング動作する波形)に従い、ドライババッファモデル45のトランジスタがON/OFFを繰り返すことにより、I/Oドライバから100メガヘルツのスイッチング動作する信号を出力する。I/Oレシーバモデル42は、I/Oレシーバの持つ容量で表現されたモデルとなっている。終端抵抗モデルは、電源側とグラウンド側のそれぞれに抵抗素子が接続された構造であり、I/Oレシーバの入力インピーダンスを調整する。I/Oドライバの出力インピーダンス、I/Oレシーバと終端抵抗で決定される入力インピーダンス、信号配線の特性インピーダンスは、それぞれ50オームになるように設計されている。図18に示すI/O入出力構造モデルにおけるI/Oドライバモデル41の出力インピーダンス、I/Oレシーバモデル42の入力インピーダンス、及び信号配線モデル43の特性インピーダンスは、この50オームを実現している。
図19は、電源解析モデル生成部108の生成する電源解析モデルの例を示す図である。
この図で示す電源解析モデルは、図18で示したI/O入出力構造モデル51に、I/Oバッファの電源供給系回路の構成要素の等価回路モデルであるパッケージモデル52(図17Bで示した配線モデル)、I/O電源プレーンモデル(送信側53、受信側54、図17Cで示した平面モデル)、実装部品(コンデンサ)モデル55が接続された構成である。送信側I/O電源プレーンモデル53及び受信側I/O電源プレーンモデル54にはそれぞれ、電源の接続位置に応じて直流電源1.8ボルトが供給される給電モデル(送信側56、受信側57)が接続されている。なお、この図面ではI/O入出力構造モデル51やパッケージモデル52、実装部品モデル55は最低限の数しか記載されていないが、同時にスイッチング動作するI/Oバッファの数や実装する部品の数により、実際のモデル形状はより複雑なものとなる。
次に、インピーダンス解析部109は、電源供給系回路のインピーダンスを導出する(ステップS10)。具体的には、インピーダンス解析部109は、SPICEのような等価回路モデルを用いて電気特性を解析することができる解析エンジンを備えている。インピーダンス解析部109に備えられる解析エンジンは、市販ツールとしても普及しているものを流用してもよい。ここで、インピーダンス解析部109は、図19で示したPCBの電源解析モデルを解析することによって、PCBの電源供給系回路のインピーダンスを導出する。なお、この例において電源供給系回路のインピーダンスは、スイッチング動作周波数100メガヘルツの第10高調波である1ギガヘルツまでのインピーダンスを100メガヘルツ刻みで求めるものとする。
次に、図12で示した処理フローに従い、設計支援装置10が行う一連の処理により、電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスとが比較される。
図20と図21は、電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスとの判定結果の例を示す図である。
インピーダンス判定部107は、ターゲットインピーダンスと電源供給系回路のインピーダンスとを比較し、電源供給系回路のインピーダンスがターゲットインピーダンスより小さいか否かを判定する(ステップS11)。
図20と図21とで示される電源供給系回路のインピーダンス(実線)は、図19で示した電源解析モデルを用いて導出したインピーダンスである。また、図20と図21で示されるターゲットインピーダンス(点線)はターゲットインピーダンス導出部102が導出した値(289ミリオーム)であり周波数によらず一定である。
図20に示す例の場合、インピーダンス判定部107は、電源供給系回路のインピーダンスが100メガヘルツ以上300メガヘルツ未満の周波数帯域でターゲットインピーダンスを超えているため、電源供給系回路のインピーダンスはターゲットインピーダンスを満たしていないと判定する。また、図21で示す例の場合、インピーダンス判定部107は、100メガヘルツ以上のすべての周波数帯域で電源供給系回路のインピーダンスはターゲットインピーダンスよりも小さくなっていると判定する。
次に、図12で示した処理フローに従い、設計支援装置10が行う一連の処理により電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスとの判定結果に応じて基板情報と部品情報が書き換えられる。
インピーダンス判定部107は、電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスとの判定結果に基づいて、基板情報と部品情報を書き換える(ステップS12)。具体的には、インピーダンス判定部107は、I/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンスが図20で示したようにターゲットインピーダンスを満たさないと判定した場合、基板情報及び部品情報にエラーがあるというように書き換える。
また、例えば、書き換えられたPCBの基板情報及び部品情報は、設計者がI/Oバッファの電源供給系回路を構成する基板や部品のレイアウトをクリックすることで、2次元CADレイアウト情報として見ることができ、電源供給系回路のインピーダンスがターゲットインピーダンスを満たさないと判定した場合にエラーメッセージが出力されるようになっていてもよい。
また、エラーメッセージの出力と共に、図20に示すような電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスの比較波形が同時に出力されてもよい。
また、インピーダンス判定部107は、I/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンスが図21で示したようにターゲットインピーダンスを満たすと判定した場合、基板情報及び部品情報にジッタ制約に基づいてターゲットインピーダンスを満たしているというように情報を書き換える。また、例えば、設計者がI/Oバッファの電源供給系回路を構成する基板や部品のレイアウトをクリックすると、2次元CADレイアウト情報として見ることができ、PCBの基板情報及び部品情報は、電源供給系回路のインピーダンスがターゲットインピーダンスを満たすと判定した場合に、OKメッセージが出力されてもよい。また、OKメッセージの出力と共に、図21に示すような電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスの比較波形が同時に出力されてもよい。
次に、図12で示した処理フローに従い、設計支援装置10が行う一連の処理により判定結果を出力する。
出力制御部103は、インピーダンス判定部107から電源供給系回路のインピーダンスとターゲットインピーダンスとの判定結果を入力すると、入力した判定結果に基づいて、判定結果を出力部110に出力する(ステップS13)。具体的には、インピーダンス判定部107が、I/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンスが図20で示したようにターゲットインピーダンスを満たさないと判定した場合、出力部110にターゲットインピーダンスを満たさない、という文字情報が出力される。このとき、文字情報と共に図20に示したような比較波形が同時に出力されてもよい。
また、インピーダンス判定部107が、I/Oバッファの電源供給系回路のインピーダンスが図21で示したようにターゲットインピーダンスを満たすと判定した場合、出力部110にターゲットインピーダンスを満たす、という文字情報が出力される。このとき、文字情報と共に図21に示したような比較波形が同時に出力されてもよい。
以上、本実施例による設計支援装置10の一連の処理により、PCB設計の初期段階において、I/Oバッファの電源供給系回路におけるターゲットインピーダンスを導出することが可能となる。また、PCB設計が進んだ場合、設計したPCBの電源供給系回路インピーダンスがターゲットインピーダンスを満たしているか否かを判定することも可能となるため、設計途中で正しい設計が行えているか否かの確認を容易に行うことも可能となる。さらに、設計支援装置10は、図20及び図21で示したような設計したPCBの電源供給系回路インピーダンスとターゲットインピーダンスとの比較波形を出力することにより、設計者がPCBの電源供給系回路インピーダンスが、ターゲットインピーダンスに対してどれだけのマージンを持って設計されているかを判断することが可能となる。さらに、PCB設計の初期段階におけるLSIの仕様、設計途中におけるPCBの2次元CADレイアウト情報や層構造の情報、実装する部品情報を用意すれば、ターゲットインピーダンスの導出や電源供給系回路インピーダンスの導出処理が行われるため、PCB設計について豊富な知識を持たない設計者でも、PCBの電源供給系回路の設計を容易に行うことが可能となる。
なお、本発明は上記の実施形態及び実施例に限定されるものではない。例えば、LSIのI/Oバッファの電源供給系回路に限らず、LSIのコア電源供給系回路でも同様の装置や方法を用いて設計を行うことが可能である。その場合のジッタ制約は、I/Oバッファの電源電圧変動におけるI/Oバッファにおける動作信号のジッタの許容値ではなく、例えばコア電源供給系回路に接続されるPLL(Phase Locked Loop)の安定動作のためのジッタ制約などである。
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)I/Oバッファに生じる電源電圧変動と前記電源電圧変動により生じるジッタの相関関係を示すジッタ電圧相関情報と、前記生じるジッタに対して信号を安定に伝達するためのジッタ制約の情報とに基づいて、許容可能な前記電源電圧変動を導出する許容電源変動導出部と、
前記I/Oバッファの電源供給系回路を流れる信号動作電流の情報と、前記電源電圧変動とに基づいて、電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを導出するターゲットインピーダンス導出部と、
を備える設計支援装置。
(付記2)前記I/Oバッファの動作電圧、I/Oレシーバの終端条件、前記I/Oバッファのスイッチング動作数、前記I/Oバッファの信号伝達方式といった信号動作電流の設計情報から、用意された信号伝達方式に基づく計算式を用いて前記信号動作電流を導出する信号動作電流導出部
を備える付記1に記載の設計支援装置。
(付記3)前記電源供給系回路のインピーダンスを導出するインピーダンス導出部と、
前記電源供給系回路のインピーダンスと前記ターゲットインピーダンスとを比較し、前記電源供給系回路のインピーダンスが前記ターゲットインピーダンスより小さいか否かを判定するインピーダンス判定部と、
を備える付記1または付記2に記載の設計支援装置。
(付記4)前記許容電源変動導出部は、
前記I/Oバッファに生じる前記電源電圧変動と前記電源電圧変動により生じるジッタの関係を示した近似式であるジッタ電圧相関式に基づいて、前記許容可能な電源電圧変動を導出する
付記1から付記3の何れか一項に記載の設計支援装置。
(付記5)前記ターゲットインピーダンス導出部は、
前記信号動作電流と前記許容可能な電源電圧変動とから電圧と電流の関係に基づく計算式を用いて前記ターゲットインピーダンスを導出する
付記1から付記4の何れか一項に記載の設計支援装置。
(付記6)前記インピーダンス導出部は、
プリント回路基板の構造と電気特性から成る基板情報と、前記プリント回路基板に実装する部品の構造と電気特性から成る部品情報とから、前記プリント回路基板の電源供給系回路の等価回路モデルを示す電源解析モデルを生成し、前記電源解析モデルを用いて解析を行い、前記電源供給系回路のインピーダンスを導出する
付記3に記載の設計支援装置。
(付記7)前記インピーダンス判定部は、
当該インピーダンス判定部における判定結果を反映し、記憶部に記憶された前記基板情報と前記部品情報の書き換えを行う
付記3に記載の設計支援装置。
(付記8)I/Oバッファに生じる電源電圧変動と前記電源電圧変動により生じるジッタの相関関係を示すジッタ電圧相関情報と、前記生じるジッタに対して信号を安定に伝達するためのジッタ制約の情報とに基づいて、許容可能な前記電源電圧変動を導出し、
前記I/Oバッファの電源供給系回路を流れる信号動作電流の情報と前記電源電圧変動とに基づいて、電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを導出する、
設計支援方法。
(付記9)前記I/Oバッファの動作電圧、I/Oレシーバの終端条件、前記I/Oバッファのスイッチング動作数、前記I/Oバッファの信号伝達方式といった信号動作電流の設計情報から、用意された信号伝達方式に基づいた計算式を用いて前記信号動作電流を導出する
付記8に記載の設計支援方法。
(付記10)前記電源供給系回路のインピーダンスを導出し、
前記電源供給系回路のインピーダンスと前記ターゲットインピーダンスとを比較し、前記電源供給系回路のインピーダンスが前記ターゲットインピーダンスより小さいか否かを判定する、
付記8または付記9に記載の設計支援方法。
(付記11)前記I/Oバッファに生じる前記電源電圧変動と前記電源電圧変動により生じるジッタの関係を示した近似式であるジッタ電圧相関式に基づいて、前記許容可能な電源電圧変動を導出する
付記8から付記10の何れか一項に記載の設計支援方法。
(付記12)前記信号動作電流と前記許容可能な電源電圧変動とから電圧と電流の関係に基づく計算式を用いて前記ターゲットインピーダンスを導出する
付記8から付記11の何れか一項に記載の設計支援方法。
(付記13)プリント回路基板の構造と電気特性から成る基板情報と、前記プリント回路基板に実装する部品の構造と電気特性から成る部品情報とから、前記プリント回路基板の電源供給系回路の等価回路モデルを示す電源解析モデルを生成し、前記電源解析モデルを用いて解析を行い、前記電源供給系回路のインピーダンスを導出する
付記10に記載の設計支援方法。
(付記14)前記判定の結果を反映し、記憶部に記憶された前記基板情報と前記部品情報の書き換えを行う
付記10に記載の設計支援方法。
(付記15)プリント回路基板設計支援装置のコンピュータを、
I/Oバッファに生じる電源電圧変動と前記電源電圧変動により生じるジッタの相関関係を示すジッタ電圧相関情報と、前記生じるジッタに対して信号を安定に伝達するためのジッタ制約の情報とに基づいて、許容可能な前記電源電圧変動を導出する許容電源変動導出手段、
前記I/Oバッファの電源供給系回路を流れる信号動作電流の情報と前記電源電圧変動とに基づいて、電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを導出するターゲットインピーダンス導出手段、
として機能させるプログラム。
(付記16)前記I/Oバッファの動作電圧、I/Oレシーバの終端条件、前記I/Oバッファのスイッチング動作数、前記I/Oバッファの信号伝達方式といった信号動作電流の設計情報から、用意された信号伝達方式に基づく計算式を用いて前記信号動作電流を導出する信号動作電流導出手段
として機能させる付記15に記載のプログラム。
(付記17)前記電源供給系回路のインピーダンスを導出するインピーダンス導出手段、
前記電源供給系回路のインピーダンスと前記ターゲットインピーダンスとを比較し、前記電源供給系回路のインピーダンスが前記ターゲットインピーダンスより小さいか否かを判定するインピーダンス判定手段、
として機能させる付記15または付記16に記載のプログラム。
(付記18)前記許容電源変動導出手段は、
前記I/Oバッファに生じる前記電源電圧変動と前記電源電圧変動により生じるジッタの関係を近似式であるジッタ電圧相関式に基づいて、前記許容可能な電源電圧変動を導出する
付記15から付記17の何れか一項に記載のプログラム。
(付記19)前記ターゲットインピーダンス導出手段は、
前記信号動作電流と前記許容可能な電源電圧変動とから電圧と電流の関係に基づく計算式を用いて前記ターゲットインピーダンスを導出する
付記15から付記18の何れか一項に記載のプログラム。
(付記20)前記インピーダンス導出手段は、
プリント回路基板の構造と電気特性から成る基板情報と、前記プリント回路基板に実装する部品の構造と電気特性から成る部品情報とから、前記プリント回路基板の電源供給系回路の等価回路モデルを示す電源解析モデルを生成し、前記電源解析モデルを用いて解析を行い、前記電源供給系回路のインピーダンスを導出する
付記17に記載のプログラム。
(付記21)前記インピーダンス判定手段を、
当該インピーダンス判定手段における判定結果を反映し、記憶部に記憶された前記基板情報と前記部品情報の書き換えを行う手段
として機能させる付記17に記載のプログラム。
本願は、2013年1月17日に、日本に出願された特願2013−5962号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本発明は、プリント回路基板の構造を設計するための設計支援装置に適用することができ、PCB設計の初期段階において、容易に電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを見積もることができる。
10・・・設計支援装置
20・・・外部記憶装置
21・・・送信側LSI
22・・・受信側LSI
23・・・信号配線
24・・・実装部品
25・・・信号電流
26・・・送信側I/O電源
27・・・受信側I/O電源
31・・・表面導体層
32・・・誘電体層
33・・・内部導体層
34・・・ヴィア
35・・・層構成
41・・・I/Oドライバモデル
42・・・I/Oレシーバモデル
43・・・信号配線モデル
44・・・終端抵抗モデル
45・・・ドライババッファモデル
46・・・スイッチング動作コントロール電源
51・・・I/O入出力構造モデル
52・・・パッケージモデル
53・・・送信側I/O電源プレーンモデル
54・・・受信側I/O電源プレーンモデル
55・・・実装部品モデル
56・・・送信側給電モデル
57・・・受信側給電モデル
101・・・許容電源変動導出部
102・・・ターゲットインピーダンス導出部
103・・・出力制御部
105・・・信号動作電流導出部
106・・・インピーダンス導出部
107・・・インピーダンス判定部
108・・・電源解析モデル生成部
109・・・インピーダンス解析部
110・・・出力部
111・・・記憶部

Claims (10)

  1. I/Oバッファに生じる電源電圧変動と前記電源電圧変動により生じるジッタの相関関係を示すジッタ電圧相関情報と、前記生じるジッタに対して信号を安定に伝達するためのジッタ制約の情報とに基づいて、許容可能な前記電源電圧変動を導出する許容電源変動導出部と、
    前記I/Oバッファの電源供給系回路を流れる信号動作電流の情報と、許容可能な前記電源電圧変動とに基づいて、電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを導出するターゲットインピーダンス導出部と、
    を備える設計支援装置。
  2. 前記I/Oバッファの動作電圧、I/Oレシーバの終端条件、前記I/Oバッファのスイッチング動作数、前記I/Oバッファの信号伝達方式といった信号動作電流の設計情報から、用意された信号伝達方式に基づく計算式を用いて前記信号動作電流を導出する信号動作電流導出部
    を備える請求項1に記載の設計支援装置。
  3. 前記電源供給系回路のインピーダンスを導出するインピーダンス導出部と、
    前記電源供給系回路のインピーダンスと前記ターゲットインピーダンスとを比較し、前記電源供給系回路のインピーダンスが前記ターゲットインピーダンスより小さいか否かを判定するインピーダンス判定部と、
    を備える請求項1または請求項2に記載の設計支援装置。
  4. 前記許容電源変動導出部は、
    前記I/Oバッファに生じる前記電源電圧変動と前記電源電圧変動により生じるジッタの関係を示した近似式であるジッタ電圧相関式に基づいて、前記許容可能な電源電圧変動を導出する
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の設計支援装置。
  5. 前記ターゲットインピーダンス導出部は、
    前記信号動作電流と前記許容可能な電源電圧変動とから電圧と電流の関係に基づく計算式を用いて前記ターゲットインピーダンスを導出する
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載の設計支援装置。
  6. 設計支援装置が、
    I/Oバッファに生じる電源電圧変動と前記電源電圧変動により生じるジッタの相関関係を示すジッタ電圧相関情報と、前記生じるジッタに対して信号を安定に伝達するためのジッタ制約の情報とに基づいて、許容可能な前記電源電圧変動を導出し、
    前記I/Oバッファの電源供給系回路を流れる信号動作電流の情報と許容可能な前記電源電圧変動とに基づいて、電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを導出する、
    設計支援方法。
  7. 前記I/Oバッファの動作電圧、I/Oレシーバの終端条件、前記I/Oバッファのスイッチング動作数、前記I/Oバッファの信号伝達方式といった信号動作電流の設計情報から、用意された信号伝達方式に基づいた計算式を用いて前記信号動作電流を導出する
    請求項6に記載の設計支援方法。
  8. 前記電源供給系回路のインピーダンスを導出し、
    前記電源供給系回路のインピーダンスと前記ターゲットインピーダンスとを比較し、前記電源供給系回路のインピーダンスが前記ターゲットインピーダンスより小さいか否かを判定する、
    請求項6または請求項7に記載の設計支援方法。
  9. プリント回路基板設計支援装置のコンピュータを、
    I/Oバッファに生じる電源電圧変動と前記電源電圧変動により生じるジッタの相関関係を示すジッタ電圧相関情報と、前記生じるジッタに対して信号を安定に伝達するためのジッタ制約の情報とに基づいて、許容可能な前記電源電圧変動を導出する許容電源変動導出手段、
    前記I/Oバッファの電源供給系回路を流れる信号動作電流の情報と許容可能な前記電源電圧変動とに基づいて、電源供給系回路の許容可能な範囲のインピーダンスであるターゲットインピーダンスを導出するターゲットインピーダンス導出手段、
    として機能させるプログラム。
  10. 前記I/Oバッファの動作電圧、I/Oレシーバの終端条件、前記I/Oバッファのスイッチング動作数、前記I/Oバッファの信号伝達方式といった信号動作電流の設計情報から、用意された信号伝達方式に基づく計算式を用いて前記信号動作電流を導出する信号動作電流導出手段
    として機能させる請求項9に記載のプログラム。
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