JP6251517B2 - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録媒体、該記録媒体を用いるインクジェット記録方法、及びインクジェット記録用前処理液に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録媒体に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録媒体として普通紙が使用可能、被印刷物に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。
最近では、印刷物に耐候性や耐水性を付与するために、着色剤として顔料を用いるインクが広く用いられている。
また一方で、上記従来の普通紙、コピー紙と呼ばれる高吸液性記録媒体への印刷に加えて、オフセットコート紙のような低吸液性のコート紙、又はポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂等の非吸液性の合成樹脂フィルムで表面処理した商業印刷向けの記録媒体への印刷が求められてきている。
これら低吸液性、非吸液性の記録媒体上にインクジェット記録方法で印刷を行った場合、液体成分の吸収が遅い、又は吸収されないため乾燥に時間がかかり画像の混色防止性等が劣ることが知られている。
これらの課題を解決するために、インク吸収層を有する記録媒体、記録媒体の処理液、それらを用いる記録方法等が提案されている。
例えば、特許文献1には、コロナ放電処理されたポリエステルフィルム等の疎水性表面に、ポリアクリル酸ナトリウム、オクチルスルホサクシネート、及びシリカ微粉末を含有する水溶液を塗工してなるインクジェットプリント用疎水性表面処理皮膜が開示されている。
特許文献2には、印字品質が良好で、インク吸収性に優れたインクジェット記録用シートとして、水溶性又は水分散性樹脂(A)と、特定のエステル系ノニオン界面活性剤とを特定比で含むインク吸収層を設けてなる記録用シートが開示されている。そして、前記樹脂(A)として、部分ケン化ポリビニルアルコールとカチオン性基を有するカチオン変性ポリビニルアルコールが記載されている。
特許文献3には、塗被層が、コロイダルシリカ、プラスチックピグメント、ポリビニルアルコール及びポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを含有し、ゲル化剤としてポリアクリル酸を用いるゲル化法により塗被された写真印刷用高光沢インクジェット記録用紙が開示されている。
また、特許文献4には、インク受理層が、主としてシリカ又はアルミナ水和物とポリビニルアルコールを含有する塗工組成物から形成されたインクジェット記録媒体が開示されている。そして、前記インク受理層にポリエチレングリコールを含有させると、印字後のカールが少なくなると記載されている。
特開平8−239622公報 特開平9−226231公報 特開2002−362010公報 特開2010−142994公報
しかし、上記特許文献1〜4に記載されたインクジェット記録媒体は、用いたポリマーや剤の組み合わせが適切でないためか、光沢性、画像の混色防止性、耐水性等の印刷品質が充分満足できるものではない。
本発明は、顔料を含有する水系インクを用いて印刷した際に、光沢性が高く、混色防止性、及び耐水性に優れる画像を得ることができるインクジェット記録媒体、該記録媒体を用いるインクジェット記録方法、及びインクジェット記録用前処理液を提供することを課題とする。
本発明者らは、低吸液性又は非吸液性の原紙に、コロイダルシリカと、バインダーとして高分子量のポリアクリル酸、又は高分子量のポリエチレングリコールを含有する処理液を付与すると、印刷品質に優れるインクジェット記録媒体が得られ、顔料を含有する水系インクを用いて印刷した際にも、光沢性が高く、混色防止性、及び耐水性に優れる画像が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[3]を提供する。
[1]原紙に処理液を付与してなるインクジェット記録媒体であって、
原紙と純水との接触時間100m秒における原紙の吸水量が、0g/m2以上、10g/m2以下であり、処理液が、コロイダルシリカと、重量平均分子量が80,000以上のポリアクリル酸又は重量平均分子量が80,000以上のポリエチレングリコールとを含有する水溶液である、インクジェット記録媒体。
[2]前記[1]に記載のインクジェット記録媒体に、顔料を含有する水系インクを用いて、インクジェット記録方式により画像を形成する、インクジェット記録方法。
[3]コロイダルシリカと、重量平均分子量が80,000以上のポリアクリル酸又は重量平均分子量が80,000以上のポリエチレングリコールとを含有する水溶液からなる、インクジェット記録用前処理液。
本発明によれば、顔料を含有する水系インクを用いて印刷した際に、光沢性が高く、混色防止性、及び耐水性に優れる画像を得ることができるインクジェット記録媒体、該記録媒体を用いるインクジェット記録方法、及びインクジェット記録用前処理液を提供することができる。
本発明のインクジェット記録媒体は、原紙に処理液を付与してなるインクジェット記録媒体であって、原紙と純水との接触時間100m秒における原紙の吸水量が、0g/m2以上、10g/m2以下であり、処理液が、コロイダルシリカと、重量平均分子量が80,000以上のポリアクリル酸(以下、単に「ポリアクリル酸」ともいう)又は重量平均分子量が80,000以上のポリエチレングリコール(以下、単に「ポリエチレングリコール」ともいう)とを含有する水溶液であるものである。
本発明によれば、顔料を含有する水系インクを用いて、低吸液性又は非吸液性の記録媒体に印刷した際に、光沢性、画像の混色防止性、及び耐水性に優れる効果を奏する。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
コロイダルシリカと、高分子量のポリアクリル酸又はポリエチレングリコールとを含む水溶液である処理液を記録媒体に付与すると、低吸液性の記録媒体の表面にコロイダルシリカとポリアクリル酸又はポリエチレングリコールからなる薄い被膜が形成される。被膜が形成された用紙の光沢は被膜の凹凸に起因する。バインダーとして用いた高分子量のポリアクリル酸又は高分子量のポリエチレングリコールは、塗工乾燥時のコロイダルシリカの凝集を抑制し、その結果、凹凸を生じることなく光沢性の低下を抑制すると考えられ、かつ適度な粘度を付与し塗工性を改善する。更に、乾燥したコロイダルシリカが水に不溶なため被膜は耐水性を有する。この被膜上に、顔料を含有する水系インクをインクジェット記録方式により画像を形成した場合、記録媒体へ着弾したインク液滴は、被膜を構成するコロイダルシリカ間の空隙に吸収され空隙下部で定着する。次のインク滴が着弾した際には、前に着弾したインクが空隙に吸収されているため、混色性が防止されると考えられる。また、インクはシリカ間の空隙下部に定着されているため、耐水性が向上すると考えられる。
以下、本発明で用いられる原紙、処理液等について説明する。
<原紙>
本発明の記録媒体は、低吸水性の原紙に特定の処理液を付与してなるものである。ここで、「低吸水性」とは、低吸液性、非吸液性を含む概念であり、原紙と純水との接触時間100m秒における原紙の吸水量が0g/m2以上、10g/m2以下であることを意味する。
原紙の前記吸水量は、印刷物の乾燥性を早め、光沢を向上させ、混色を防止する観点から、好ましくは1.0g/m2以上、より好ましくは2.0g/m2以上、更に好ましくは3.0g/m2以上、更に好ましくは4.0g/m2以上であり、印刷物の混色を防止し、印刷濃度を向上させる観点から、好ましくは8.0g/m2以下、より好ましくは7.0g/m2以下、更に好ましくは6.0g/m2以下、更に好ましくは5.5g/m2以下である。
なお、前記吸水量は、実施例に記載の方法により測定される。
本発明に用いられる原紙としては、印刷紙及び合成樹脂フィルムが挙げられる。
印刷紙としては、コート紙(塗工液を片面に20g/m2程度塗工した紙)、アート紙(塗工液を片面に40g/m2程度塗工した紙)、キャスト紙、合成紙等が挙げられる。
コート紙の市販品としては、例えば、王子製紙株式会社製の「OKトップコートプラス」(坪量104.7g/m2、原紙と純水との接触時間100m秒における原紙の吸水量(以下、同じ)4.9g/m2)、王子製紙株式会社製の多色フォームグロス紙(104.7g/m2、吸水量5.2g/m2)、「オーロラコート」(104.7g/m2、吸水量4.5g/m2)、「ユーライト」(104.7g/m2、吸水量5.5g/m2)、UPM社製の「UPM Finesse Gloss」(115g/m2、吸水量3.1g/m2)、「UPM Finesse Matt」(115g/m2、吸水量4.4g/m2)、Stora Enso社製の「TerraPress Silk」(80g/m2、吸水量4.1g/m2)、Stora Enso社製の「LumiArt」(90g/m2)等が挙げられる。
アート紙の市販品としては、例えば、王子製紙株式会社製の「OK金藤+」(127g/m2、吸水量3.5g/m2)、日本製紙株式会社製の「NPI特アート」、三菱製紙株式会社製の「特菱アート」等が挙げられる。
合成樹脂フィルムの材質としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、セロハン、セルロイド等が挙げられる。これらの中では、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミドが好ましい。
これらの合成樹脂フィルムは、必要に応じて、コロナ放電処理、アンカーコート処理、親水化処理等の表面処理を行なうことができる。
一般的に入手できる合成樹脂フィルムとしては、例えば、ルミラーT60(東レ株式会社製、ポリエチレンテレフタレート、厚み125μm、吸水量2.3g/m2)、PVC80B P(リンテック株式会社製、ポリ塩化ビニル、吸水量1.4g/m2)、カイナスKEE70CA(リンテック株式会社製、ポリエチレン)、ユポSG90 PAT1(リンテック株式会社製、ポリプロピレン)、ボニールRX(興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、ポリアミド)等が挙げられる。
上記の原紙の中では、光沢性の観点から、印刷紙が好ましく、コート紙がより好ましい。
<コロイダルシリカとポリアクリル酸又はポリエチレングリコールを含有する処理液>
本発明で使用する処理液は、コロイダルシリカを主成分として含み、ポリアクリル酸又はポリエチレングリコールをバインダーとして含有する。
(コロイダルシリカ)
コロイダルシリカは、一般的に負に帯電した無定形シリカ粒子が1次粒子の単分散体状態で水溶液中に分散したコロイド溶液である。コロイダルシリカ粒子の表面には−SiOH基や−OHイオンが存在し、アルカリイオンにより電気二重層が形成され、粒子間の反発により安定化されている。
コロイダルシリカは、二酸化ケイ素を主成分とするが、少量成分として、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等のアルミン酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の無機塩類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩類を含んでいてもよい。これらの無機塩類や有機塩類は、コロイドの安定化剤として作用する。
コロイダルシリカの分散媒としては、水の他に有機溶媒を含んでいてもよい。有機溶媒は水溶性有機溶媒でも非水溶性有機溶媒でもよいが、メタノール、エタノ−ル、イソプロピルアルコール、n−プロパノール等の水溶性有機溶媒であることが好ましい。
コロイダルシリカの製造方法に特に制限はなく、公知の方法で製造することができる。例えば、(1)珪酸ナトリウム等の珪酸アルカリ金属塩を原料とし、水溶液中で縮合反応させて粒子を成長させる水ガラス法、(2)テトラエトキシシラン等のアルコキシシランを原料とし、アルコール等の水溶性有機溶媒を含有する水中で縮合反応させて成長させるアルコキシシラン法等が挙げられる。
コロイダルシリカとしては、カチオン性コロイダルシリカとアニオン性コロイダルシリカが挙げられる。カチオン性コロイダルシリカは、pHを2〜4に調整することにより、コロイダルシリカをカチオン性に帯電させたり、シリカ粒子の表面のシラノール基に、アミノ基やアンモニウム基等のカチオン性基を導入したものである。
本発明においては、記録媒体の光沢性、画像の混色防止性、及び耐水性を向上させる観点から、アニオン性コロイダルシリカがより好ましい。
アニオン性コロイダルシリカは、シリカ粒子の表面にシラノール基、水酸基と、カルボキシル基やスルホン基等のアニオン性基が存在する無水ケイ酸の超微粒子を、水性液体中に安定に分散したものである。
アニオン性コロイダルシリカを含有する処理液は、コロイドを安定化するために、水酸化ナトリウム、カリウム、アンモニア等を含有させ、25℃でpH8〜11程度のアルカリ性にすることが好ましい。
アニオン性コロイダルシリカとしては、高分子量の無水珪酸の超微粒子を水中に分散させたものが好ましい。市販品としては、日産化学工業株式会社製のスノーテックスシリーズ、具体的にはスノーテックス S、スノーテックス N、スノーテックス C、スノーテックス XL、スノーテックス XS、スノーテックス ZL、スノーテックス 20、スノーテックス 30、スノーテックス 40、スノーテックス MP2040、日揮触媒化成株式会社製のカタロイドシリーズ、具体的にはCataloid SI-350、Cataloid SI-50、Cataloid SI-30、Cataloid S-20L、Cataloid S-20H、Cataloid S-30L、Cataloid S-45P、Cataloid SI-40、Cataloid SI-80P、バイエル社のレバシルシリーズ等が挙げられる。
本発明に用いられるコロイダルシリカの一次粒子の平均粒径(以下、「平均一次粒径」ともいう)は、記録媒体をコロイダルシリカの乾燥ゲルで被覆し、光沢性、画像の混色防止性、耐水性を向上する観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは30nm以上、更に好ましくは40nm以上、より更に好ましくは50nm以上であり、そして、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下、更に好ましくは120nm以下、より更に好ましくは100nm以下である。
コロイダルシリカの平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過電子顕微鏡(TEM)の顕微鏡像について、画像解析装置等を用いて求めることができる。具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
また、コロイダルシリカの二次粒子の平均粒径(以下、単に「コロイダルシリカの平均粒径」ともいう)はレーザー光散乱法を用いて体積平均粒径として測定することができる。
コロイダルシリカの平均粒径は、上記と同様の観点から、好ましくは60nm以上、より好ましくは70nm以上、更に好ましくは80nm以上、より更に好ましくは100nm以上であり、そして、好ましくは300nm以下、より好ましくは250nm以下、更に好ましくは200nm以下、より更に好ましくは180nm以下である。
コロイダルシリカの二次粒子の小粒径側からの累積体積頻度が10%となる粒径(D10)は、記録媒体をコロイダルシリカの乾燥ゲルで被覆し、光沢性、画像の混色防止性、耐水性を向上する観点から、好ましくは20nm以上、より好ましくは40nm以上、更に好ましくは50nm以上であり、そして、好ましくは150nm以下、更に好ましくは120nm以下、より更に好ましくは100nm以下である。
また、コロイダルシリカの二次粒子の小粒径側からの累積体積頻度が90%となる粒径(D90)は、上記と同様の観点から、好ましくは80nm以上、より好ましくは100nm以上、更に好ましくは120nm以上であり、そして、好ましくは250nm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは180nm以下である。
なお、コロイダルシリカの平均粒径を測定するためのレーザー光散乱法としては、大塚電子株式会社のレーザー粒子解析システムELS−8000(キュムラント解析)を用いて、実施例に記載の方法により測定することができる。
(ポリアクリル酸)
ポリアクリル酸は、本発明で使用する処理液中で、コロイダルシリカが記録媒体に定着する際のバインダーとして機能する。コロイダルシリカとポリアクリル酸を併用することにより、光沢性が高く、混色防止性、及び耐水性が優れるだけでなく、処理液を記録媒体に塗工する際の塗工性も改善される。
本発明で用いられるポリアクリル酸は、重量平均分子量が80,000以上のものである。
本発明では、ポリアクリル酸ナトリウム等のポリアクリル酸塩の形態ではなく、下記式(1)で表される酸の形態であるポリアクリル酸を用いる。ポリアクリル酸塩を用いると、処理液の粘度が向上し、処理液を塗工した記録媒体の光沢度が低下するので好ましくない。また、処理液にはコロイダルシリカに由来する以外のナトリウム等のアルカリ金属イオンを含まないことが望ましい。ポリアクリル酸を処理液に含有する場合、処理液のpHは、光沢度の観点から、好ましくは7以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは5以下であり、そして、好ましくは3以上である。
Figure 0006251517
式(1)中の重合度nは、1400以上、140,000以下であることが好ましい。
重合度nは、塗工性、光沢性及び耐水性の観点から、好ましくは1400以上、より好ましくは7000以上であり、そして、好ましくは139,000以下、より好ましくは111,000以下、更に好ましくは55,000以下、より更に好ましくは28,000以下である。
また、ポリアクリル酸の重量平均分子量は、塗工性、光沢性及び耐水性の観点から、好ましくは100,000以上、より好ましくは500,000以上であり、そして、好ましくは10,000,000以下、より好ましくは8,000,000以下、更に好ましくは4,000,000以下、より更に好ましくは2,000,000以下である。
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法により測定することができる。具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリアクリル酸の市販品例としては、和光純薬工業株式会社、製品名:ポリアクリル酸(重量平均分子量5,000、25,000、250,000、1,000,000)、
東亜合成株式会社製、製品名:アロンA−10H(重量平均分子量200,000)、アロンAC−10LHPK(重量平均分子量250,000)、アロンAC−10SHP(重量平均分子量1,000,000)等が好適に挙げられる。
上記のポリアクリル酸は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(ポリエチレングリコール)
ポリエチレングリコールは、ポリアクリル酸と同様に、コロイダルシリカが記録媒体に定着する際のバインダーとして機能する。コロイダルシリカとポリエチレングリコールを併用することにより、光沢性が高く、混色防止性、及び耐水性が優れるだけでなく、処理液を記録媒体に塗工する際の塗工性も改善される。
本発明で用いられるポリエチレングリコールは、重量平均分子量が80,000以上のものである。
ポリエチレングリコールの重量平均分子量は、塗工性、光沢性、及び耐水性の観点から、好ましくは100,000以上、より好ましくは120,000以上、更に好ましくは140,000以上、より更に好ましくは160,000以上であり、そして、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは800,000以下、更に好ましくは600,000以下、より更に好ましくは400,000以下である。
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法により測定することができる。具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリエチレングリコールは、アルカリ触媒の存在下、エチレングリコールやジエチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合して製造することができる。ポリエチレングリコールの分子量は、エチレンオキシドの重合量を調整することにより行うことができる。
また、ポリエチレングリコールは、市販品例としては、和光純薬工業株式会社、製品名:ポリエチレングリコール2,000、20,000、200,000、500,000、2,000,000等が好適に挙げられる。
<処理液の配合割合>
本発明の処理液中のコロイダルシリカの含有量は、光沢性、混色防止性、及び耐水性向上の観点から、好ましくは11質量%以上、より好ましくは12質量%以上、更に好ましくは14質量%以上、より更に好ましくは16質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは28質量%以下、更に好ましくは26質量%以下、より更に好ましくは24質量%以下である。
処理液中のポリアクリル酸の含有量は、塗工性、光沢性、及び混色防止性向上の観点から、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上、より更に好ましくは0.6質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、より更に好ましくは1.8質量%以下である。
処理液中のポリエチレングリコールの含有量は、塗工性、光沢性、及び混色防止性向上の観点から、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上、より更に好ましくは0.6質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、より更に好ましくは1.8質量%以下である。
処理液中の処理液中のポリアクリル酸又はポリエチレングリコール(II)に対するコロイダルシリカ(I)の質量比[(I)/(II)]は、記録媒体をコロイダルシリカとバインダーの薄い被膜で被覆し、塗工性、光沢性、画像の混色防止性、耐水性を向上する観点から、好ましくは4以上、更に好ましくは6以上、より更に好ましくは8以上であり、そして、好ましくは100以下、より好ましくは70以下、更に好ましくは40以下、より更に好ましくは30以下、より更に好ましくは25以下である。
本発明で用いられる処理液中の水の含有量は、塗工性の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは85質量%以上であり、そして、乾燥性の観点から、好ましくは98質量%以下、より好ましくは96質量%以下、更に好ましくは96質量%以下、より更に好ましくは94質量%以下、より更に好ましくは92質量%以下である。
(その他の成分)
本発明で用いられる処理液は、インクジェット記録方法に使用される処理液に通常用いられる水溶性有機溶媒、分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤等を含有することができる。
水溶性有機溶媒の好適例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のポリオール類が挙げられる。
本発明で用いられる処理液は、実質的に着色剤を含まないものであることが好ましい。処理液が実質的に着色剤を含まなければ、水系インクを重ねて印刷した際にインク色相に影響を与えない。
本発明で用いられる処理液の粘度(25℃)は、塗工性の観点、及び光沢性、混色防止性及び耐水性の観点から、好ましくは10mPa・s以上、より好ましくは30mPa・s以上、更に好ましくは60mPa・s以上、より更に好ましくは100mPa・s以上、より更に好ましくは140mPa・s以上であり、そして、好ましくは3000mPa・s以下、より好ましくは2000mPa・s以下、更に好ましくは1000mPa・s以下である。
処理液の粘度は、25℃にてレオメーターを用いて測定することができる。具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
<処理液の調製方法>
本発明に係る処理液の調製は、コロイダルシリカ、ポリアクリル酸又はポリエチレングリコール及び水を適宜混合することにより行うことができる。具体的には、コロイダルシリカ水溶液に、ポリアクリル酸又はポリエチレングリコールの粉末を添加、混合してもよいが、コロイダルシリカの凝集抑制の観点から、ポリアクリル酸又はポリエチレングリコールのバインダー水溶液を予め調製し、コロイダルシリカ水溶液に上記のバインダー水溶液を添加し混合することが好ましい。
<処理液の記録媒体への付与方法>
本発明に係る処理液の記録媒体への付与方法については、特に制限はない。水系インクと同様に、インクジェット記録方式を用いて記録媒体に処理液を付与してもよいが、ワイヤーコーター、ローラー等を用いて、処理液を記録媒体に塗工して、付与することもできる。ワイヤーコーター、ローラー等による塗工方法は、インクジェット記録方式の場合と異なり処理液の吐出性等を考慮する必要がなく、また、本発明に係る処理液は、記録媒体に簡易にかつ均一に付与することができる。
処理液を記録媒体に付与した後の乾燥方法は特に制限されず、自然乾燥、熱風乾燥等公知の方法を採用することができる。
ここで、記録媒体に付与された処理液の固形分濃度は、記録媒体に付与された処理液の質量測定と乾燥後の記録媒体の質量から求めることができる。
記録媒体に対する処理液の付与量は、光沢性、混色防止性、及び耐水性を向上させる観点から、固形分で好ましくは0.5g/m2以上、より好ましくは0.8g/m2以上、更に好ましくは1.0g/m2以上、より更に好ましくは1.2g/m2以上であり、そして、好ましくは20g/m2以下、より好ましくは10g/m2以下、更に好ましくは8g/m2以下、より更に好ましくは5g/m2以下である。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録媒体に、顔料を含有する水系インクを用いて、インクジェット記録方式により画像を形成する方法である。
また、インクジェット記録方式は、前記水系インクを、インク飛翔手段を有するインクジェット記録装置に装着し、インク液滴を飛翔させ、低吸水性の記録媒体上に着弾させて画像を形成し、記録する方法である。
インク飛翔手段としては、サーマル式又はピエゾ式のインクジェット記録ヘッドを用いてインクを飛翔する手段があり、特に限定されない。
<顔料を含有する水系インク>
顔料を含有する水系インクとしては、顔料と分散剤を含む水系インク、自己分散型顔料を含む水系インク、又は顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む水系インクが挙げられる。
顔料を含有する水系インクは、低吸水性の記録媒体への定着強度を向上させる観点から、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子(以下、「顔料含有ポリマー粒子」ともいう)を含む水系インクであることが好ましい。
(顔料)
本発明で用いられる水系インクは、印刷物の混色防止性、耐水性を向上させる観点から、着色剤として、顔料を含有する。
顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物等が挙げられ、特に黒色インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料の具体例としては、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
色相は特に限定されず、イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、レッド、オレンジ、グリーン等の有彩色顔料をいずれも用いることができる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・オレンジ、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、及びC.I.ピグメント・グリーンからなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
本発明においては、自己分散型顔料を用いることもできる。自己分散型顔料とは、親水性官能基(カルボキシ基やスルホン酸基等のアニオン性親水基、又は第4級アンモニウム基等のカチオン性親水基)の1種以上を直接、又は炭素数1〜12のアルカンジイル基等の他の原子団を介して顔料の表面に結合することで、界面活性剤や樹脂を用いることなく水系媒体に分散可能である顔料を意味する。顔料を自己分散型顔料とするには、例えば、親水性官能基の必要量を、常法により顔料表面に化学結合させればよい。
上記の顔料は、単独で又は2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。
<顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子(顔料含有ポリマー粒子)>
(水不溶性ポリマー)
水不溶性ポリマーとは、105℃で2時間乾燥させ、恒量に達したポリマーを、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下であるポリマーをいい、その溶解量は好ましくは5g以下、より好ましくは1g以下である。アニオン性ポリマーの場合、溶解量は、ポリマーのアニオン性基を水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。
用いられる水不溶性ポリマーとしては、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル系ポリマー等が挙げられるが、水系インクの保存安定性を向上させる観点から、ビニル単量体(ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物)の付加重合により得られるビニル系ポリマーが好ましい。
ビニル系ポリマーとしては、(c−1)イオン性モノマー(以下「(c−1)成分」ともいう)と、(c−2)疎水性モノマー(以下「(c−2)成分」ともいう)とを含むモノマー混合物(以下、単に「モノマー混合物」ともいう)を共重合させてなるビニル系ポリマーが好ましい。このビニル系ポリマーは、(c−1)成分由来の構成単位と(c−2)成分由来の構成単位を有する。中でも、更に(c−3)マクロモノマー(以下「(c−3)成分」ともいう)由来の構成単位及び/又は(c−4)ノニオン性モノマー由来の構成単位(以下「(c−4)成分」ともいう)を含有するものが好ましい。
〔(c−1)イオン性モノマー〕
(c−1)イオン性モノマーは、顔料含有ポリマー粒子のインク中における分散安定性を向上させる観点から、水不溶性ポリマーのモノマー成分として用いられることが好ましい。イオン性モノマーとしては、アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーが挙げられ、アニオン性モノマーが好ましい。
アニオン性モノマーとしては、カルボン酸モノマー、スルホン酸モノマー、リン酸モノマー等が挙げられる。
カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。
上記アニオン性モノマーの中では、顔料含有ポリマー粒子のインク中における分散安定性を向上させる観点から、カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
〔(c−2)疎水性モノマー〕
(c−2)疎水性モノマーは、顔料含有ポリマー粒子のインク中における分散安定性を向上させる観点から、水不溶性ポリマーのモノマー成分として用いられることが好ましい。疎水性モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族基含有モノマー等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数1〜22、好ましくは炭素数6〜18のアルキル基を有するものが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在する場合としない場合の双方を意味し、これらの基が存在しない場合には、ノルマルを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及び/又はメタクリレートを示す。
芳香族基含有モノマーとしては、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6〜22の芳香族基を有するビニルモノマーが好ましく、スチレン系モノマー、芳香族基含有(メタ)アクリレートがより好ましい。
スチレン系モノマーとしてはスチレン、2−メチルスチレン、及びジビニルベンゼンが好ましく、スチレンがより好ましい。
また、芳香族基含有(メタ)アクリレートとしては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましく、ベンジル(メタ)アクリレートがより好ましい。
(c−2)疎水性モノマーは、前記のモノマー2種類以上を使用してもよく、スチレン系モノマーと芳香族基含有(メタ)アクリレートを併用してもよい。
〔(c−3)マクロモノマー〕
(c−3)マクロモノマーは、片末端に重合性官能基を有する数平均分子量500以上100,000以下の化合物であり、顔料含有ポリマー粒子のインク中における分散安定性を向上させる観点から、水不溶性ポリマーのモノマー成分として用いられることが好ましい。片末端に存在する重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、メタクリロイルオキシ基がより好ましい。
(c−3)マクロモノマーの数平均分子量は1,000以上10,000以下が好ましい。なお、数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミンを含有するクロロホルムを用いたゲル浸透クロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
(c−3)マクロモノマーとしては、顔料含有ポリマー粒子のインク中における分散安定性を向上させる観点から、芳香族基含有モノマー系マクロモノマー及びシリコーン系マクロモノマーが好ましく、芳香族基含有モノマー系マクロモノマーがより好ましい。
芳香族基含有モノマー系マクロモノマーを構成する芳香族基含有モノマーとしては、前記(c−2)疎水性モノマーで記載した芳香族基含有モノマーが挙げられ、スチレン及びベンジル(メタ)アクリレートが好ましく、スチレンがより好ましい。
スチレン系マクロモノマーの具体例としては、AS−6(S)、AN−6(S)、HS−6(S)(東亞合成株式会社の商品名)等が挙げられる。
シリコーン系マクロモノマーとしては、片末端に重合性官能基を有するオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
〔(c−4)ノニオン性モノマー〕
水不溶性ポリマーには、顔料含有ポリマー粒子のインク中における分散安定性を向上させる観点から、更に(c−4)ノニオン性モノマーをモノマー成分として用いることが好ましい。
(c−4)成分としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜30、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下同じ)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(n=2〜30)等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(n=1〜30)(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合)(n=1〜30、その中のエチレングリコール:n=1〜29)(メタ)アクリレート等が挙げられる。
商業的に入手しうる(c−4)成分の具体例としては、新中村化学工業株式会社のNKエステルM−20G、同40G、同90G、TM−230G等、日油株式会社のブレンマーPE−90、同200、同350、PME−100、同200、同400等、PP−500、同800、同1000等、AP−150、同400、同550等、50PEP−300、50POEP−800B、43PAPE−600B等が挙げられる。
上記(c−1)〜(c−4)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(モノマー混合物中又はポリマー中における各成分又は構成単位の含有量)
ビニル系ポリマー製造時における、上記(c−1)〜(c−4)成分のモノマー混合物中における含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)又は水不溶性ポリマー中における(c−1)〜(c−4)成分に由来する構成単位の含有量は、顔料含有ポリマー粒子のインク中における分散安定性を向上させる観点から、次のとおりである。
(c−1)成分の含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%、更に好ましくは20質量%以下である。
(c−2)成分の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは86質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
(c−3)成分の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、そして、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは18質量%以下である。
(c−4)成分の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、そして、60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
また、〔(c−1)成分/[(c−2)成分+(c−3)成分]〕の質量比は、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.10以上であり、そして、好ましくは1以下、より好ましくは0.60以下、更に好ましくは0.40以下である。
(水不溶性ポリマーの製造)
前記水不溶性ポリマーは、モノマー混合物を公知の重合法により共重合させることによって製造される。重合法としては溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒に制限はないが、炭素数1〜3の脂肪族アルコール、ケトン類、エーテル類、エステル類等の極性有機溶媒が好ましく、具体的にはメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトンが挙げられ、メチルエチルケトンが好ましい。
重合の際には、重合開始剤や重合連鎖移動剤を用いることができるが、重合開始剤としては、アゾ化合物が好ましく、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)がより好ましい。重合連鎖移動剤としては、メルカプタン類が好ましく、2−メルカプトエタノールがより好ましい。
好ましい重合条件は、重合開始剤の種類等によって異なるが、反応性の観点から、重合温度は50℃以上90℃以下が好ましく、重合時間は1時間以上20時間以下であることが好ましい。また、重合雰囲気は、窒素ガス雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。また、得られたポリマーは、再沈澱、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去することができる。
水不溶性ポリマーは、顔料含有ポリマー粒子の水分散体の生産性を向上させる観点から、重合反応に用いた溶剤を除去せずに、含有する有機溶媒を後述する工程1に用いる有機溶媒として用いるために、そのままポリマー溶液として用いることが好ましい。
水不溶性ポリマー溶液の固形分濃度は、顔料含有ポリマー粒子の水分散体の生産性を向上させる観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上であり、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
本発明で用いられる水不溶性ポリマーの重量平均分子量は、顔料含有ポリマー粒子のインク中における分散安定性を向上させる観点、及び水系インクの低吸水性の記録媒体への定着強度を向上させる観点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上、更に好ましくは20,000以上であり、そして、好ましくは500,000以下、より好ましくは400,000以下、更に好ましくは300,000以下、更に好ましくは200,000である。
なお、重量平均分子量の測定は実施例に記載の方法により行うことができる。
<顔料含有ポリマー粒子の製造>
顔料含有ポリマー粒子は、下記の工程I及び工程IIを有する方法により、水分散体として効率的に製造することができる。
工程I:水不溶性ポリマー、有機溶媒、顔料、及び水を含有する混合物(以下、「顔料混合物」ともいう)を分散処理して、顔料含有ポリマー粒子の分散体を得る工程
工程II:工程Iで得られた分散体から前記有機溶媒を除去して、顔料含有ポリマー粒子の水分散体(以下、「顔料水分散体」ともいう)を得る工程
また、任意の工程であるが、更に工程IIIを行ってもよい。
工程III:工程IIで得られた水分散体と架橋剤を混合し、架橋処理して水分散体を得る工程
(工程I)
工程Iでは、まず、水不溶性ポリマーを有機溶媒に溶解させ、次に顔料、水、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を、得られた有機溶媒溶液に加えて混合し、水中油型の分散体を得る方法が好ましい。水不溶性ポリマーの有機溶媒溶液に加える順序に制限はないが、水、中和剤、顔料の順に加えることが好ましい。
水不溶性ポリマーを溶解させる有機溶媒に制限はないが、炭素数1〜3の脂肪族アルコール、ケトン類、エーテル類、エステル類等が好ましく、ケトン類がより好ましく、メチルエチルケトンが更に好ましい。水不溶性ポリマーを溶液重合法で合成した場合には、重合で用いた溶媒をそのまま用いてもよい。
水不溶性ポリマーがアニオン性ポリマーの場合、中和剤を用いて水不溶性ポリマー中のアニオン性基を中和してもよい。中和剤を用いる場合、pHが好ましくは7.0以上、より好ましくは7.5以上、そして好ましくは11.0以下、より好ましくは9.5以下になるように中和することが好ましい。中和剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、各種アミン等の塩基が挙げられる。また、該水不溶性ポリマーを予め中和しておいてもよい。
水不溶性ポリマーのアニオン性基の中和度は、顔料含有ポリマー粒子のインク中及び顔料水分散体における分散安定性を向上させる観点から、好ましくは30モル%以上、より好ましくは40モル%以上、更に好ましくは50モル%以上であり、そして、好ましくは300モル%以下、より好ましくは200モル%以下、更に好ましくは150モル%以下である。
ここで中和度とは、中和剤のモル当量を水不溶性ポリマーのアニオン性基のモル量で除したものである。
(顔料混合物中の各成分の含有量)
顔料の顔料混合物中の含有量は、顔料含有ポリマー粒子の顔料水分散体中の分散安定性を向上させる観点、顔料水分散体の生産性の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上、更に好ましくは14質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
水不溶性ポリマーの顔料混合物中の含有量は、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性の観点、水系インクの低吸水性の記録媒体への定着強度を向上させる観点から、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは4.0質量%以上、更に好ましくは5.0質量%以上であり、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
有機溶媒の顔料混合物中の含有量は、顔料への濡れ性及び水不溶性ポリマーの顔料への吸着性を向上させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
水の顔料混合物中の含有量は、顔料水分散体の分散安定性を向上させる観点及び顔料水分散体の生産性を向上させる観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは、65質量%以下である。
水不溶性ポリマーに対する顔料の質量比〔顔料/水不溶性ポリマー〕は、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点、水系インクの低吸水性の記録媒体への定着強度を向上させる観点から、好ましくは30/70〜90/10、より好ましくは40/60〜80/20、更に好ましくは50/50〜70/30である。
工程Iにおいて、更に顔料混合物を分散して分散処理物を得る。分散処理物を得る分散方法に特に制限はない。本分散だけで顔料粒子の平均粒径を所望の粒径となるまで微粒化することもできるが、好ましくは顔料混合物を予備分散させた後、更に剪断応力を加えて本分散を行い、顔料粒子の平均粒径を所望の粒径とするよう制御することが好ましい。
工程Iの予備分散における温度は、好ましくは0℃以上であり、そして、好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下、更に好ましくは20℃以下であり、分散時間は好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上であり、そして、好ましくは30時間以下、より好ましくは10時間以下、更に好ましくは5時間以下である。
顔料混合物を予備分散させる際には、アンカー翼、ディスパー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができるが、中でも高速撹拌混合装置が好ましい。
本分散の剪断応力を与える手段としては、例えば、ロールミル、ニーダー等の混練機、マイクロフルイダイザー(Microfluidics社製)等の高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ビーズミル等のメディア式分散機が挙げられる。市販のメディア式分散機としては、ウルトラ・アペックス・ミル(寿工業株式会社製)、ピコミル(浅田鉄工株式会社製)等が挙げられる。これらの装置は複数を組み合わせることもできる。これらの中では、顔料を小粒子径化する観点から、高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。
高圧ホモジナイザーを用いて本分散を行う場合、処理圧力やパス回数の制御により、顔料を所望の粒径になるように制御することができる。
処理圧力は、生産性及び経済性の観点から、好ましくは60MPa以上、より好ましくは100MPa以上、更に好ましくは130MPa以上であり、そして、好ましくは220MPa以下、より好ましくは200MPa以下、更に好ましくは190MPa以下である。
また、パス回数は、好ましくは3パス以上、より好ましくは10パス以上であり、そして、好ましくは30パス以下、より好ましくは25パス以下である。
(工程II)
工程IIでは、得られた分散体から、公知の方法で有機溶媒を除去することで、顔料含有ポリマー粒子の水分散体を得ることができる。得られた顔料含有ポリマー粒子を含む水分散体中の有機溶媒は実質的に全て除去されていることが好ましいが、本発明の目的を損なわない限り、残存していてもよい。残留有機溶媒の量は好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下である。
また必要に応じて、有機溶媒を留去する前に分散体を加熱撹拌処理することもできる。
得られた顔料含有ポリマー粒子の水分散体は、顔料を含有する固体の水不溶性ポリマー粒子が水を主媒体とする媒体中に分散しているものである。ここで、水不溶性ポリマー粒子の形態は特に制限はなく、少なくとも顔料と水不溶性ポリマーにより粒子が形成されていればよい。例えば、該水不溶性ポリマーに顔料が内包された粒子形態、該水不溶性ポリマー中に顔料が均一に分散された粒子形態、該水不溶性ポリマー粒子表面に顔料が露出された粒子形態等が含まれ、これらの混合物も含まれる。
(工程III)
工程IIIは、任意の工程であるが、工程IIで得られた水分散体と架橋剤を混合し、架橋処理して水分散体を得る工程である。工程IIIを行うことが、水分散体及びインクの保存安定性の観点から好ましい。
ここで、架橋剤は、水不溶性ポリマーがアニオン性基を有するアニオン性水不溶性ポリマーである場合において、該アニオン性基と反応する官能基を有する化合物が好ましく、該官能基を分子中に2以上、好ましくは2〜6有する化合物がより好ましい。
架橋剤の好適例としては、分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物、分子中に2以上のオキサゾリン基を有する化合物、分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げられ、これらの中では、分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物が好ましく、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルがより好ましい。
得られた顔料水分散体の不揮発成分濃度(固形分濃度)は、顔料水分散体の分散安定性を向上させる観点及び水系インクの調製を容易にする観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
顔料水分散体中の顔料含有ポリマー粒子の平均粒径は、粗大粒子を低減し、水系インクの吐出性を向上させる観点から、好ましくは40nm以上、より好ましくは60nm以上、更に好ましくは75nm以上であり、そして、好ましくは150nm以下、より好ましくは120nm以下、更に好ましくは110nm以下である。
なお、顔料含有ポリマー粒子の平均粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
また、水系インク中の顔料含有ポリマー粒子の平均粒径は、顔料水分散体中の平均粒径と同じである。
<水系インクの製造>
水系インクは、顔料含有ポリマー粒子の水分散体、有機溶媒及び水等を混合し、攪拌することによって得ることができる。水系インクには、任意成分として、公知の粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤等の各種添加剤を添加することができる。
有機溶媒としては、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、エチレングリコール等の多価アルコール、2−ピロリドン等のピロリドン、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のグリコールエーテルが好ましく、これらを2つ以上併用することがより好ましい。
本発明において、有機溶媒の含有量は、水系インクの吐出性を向上させる観点から、水系インク中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、低吸水性の記録媒体に印刷した際の混色を防止する観点、水系インクの保存安定性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
(水系インク中の各成分の含有量)
水系インク中の顔料の含有量は、水系インクの印刷濃度を向上させる観点から、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、更に好ましくは2.5質量%以上である。また、顔料の含有量は、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸水性の記録媒体に印刷した際の混色を防止する観点、水系インクの保存安定性を向上させる観点から、水系インク中、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましく7質量%以下である。
顔料水分散体の水系インクへの配合量は、水系インクの印刷濃度を向上させる観点から、水系インク中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。また、顔料水分散体の水系インクへの配合量は、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸水性の記録媒体に印刷した際の混色を防止する観点、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、水系インク中、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。
顔料含有ポリマー粒子の水系インク中の含有量は、水系インクの印刷濃度を向上させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上である。また、顔料含有ポリマー粒子の含有量は、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸水性の記録媒体に印刷した際の混色を防止する観点、水系インクの保存安定性を向上させる観点から、水系インク中、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である。
水不溶性ポリマーの水系インク中の含有量は、水系インクの保存安定性、及び低吸水性の記録媒体への定着強度を向上させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上である。また、水不溶性ポリマーの含有量は、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸水性の記録媒体に印刷した際の混色を防止する観点、水系インクの保存安定性を向上させる観点から、水系インク中、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
(水系インクの物性)
水系インクの32℃の粘度は、水系インクの吐出性を向上させる観点から、好ましくは2.0mPa・s以上、より好ましくは3.0mPa・s以上、更に好ましくは4.0mPa・s以上であり、そして、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、好ましくは12mPa・s以下、より好ましくは10.0mPa・s以下、更に好ましくは8.0mPa・s以下、更に好ましくは7.0mPa・s以下である。
水系インクの表面張力は、低吸水性の記録媒体に印刷した際の混色を防止する観点から、好ましくは25.0mN/m以上、より好ましくは26.0mN/m以上、更に好ましくは26.5mN/m以上であり、そして、好ましくは30.0mN/m以下、より好ましくは29.0mN/m以下、更に好ましくは28.5mN/m以下である。
水系インクのpHは、水系インクの保存安定性を向上させる観点から、好ましくは7.0以上、より好ましくは8.0以上、更に好ましくは8.5以上であり、そして、インクジェット記録装置の部材耐性、皮膚刺激性低下の観点から、好ましくは11.0以下、より好ましくは10.0以下、更に好ましくは9.5以下である。
pHは、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、有機アミン等の塩基性化合物及び酸等のpH調整剤を用いて調整することもできる。なお、pHは、実施例に記載の方法により測定される。
なお、粘度、表面張力、pHは、実施例に記載の方法により測定される。
[インクジェット記録用前処理液]
本発明のインクジェット記録用前処理液は、コロイダルシリカと、重量平均分子量が80,000以上のポリアクリル酸又は重量平均分子量が80,000以上のポリエチレングリコールとを含有する水溶液からなる。
用いられるコロイダルシリカ、ポリアクリル酸、及びポリエチレングリコールは、前記のとおりであり、その含有量等も前記のとおりである。
本発明のインクジェット記録用前処理液は、予め原紙に塗工し録媒体を調製してもよく、インクジェット記録装置内にセットし画像印刷時に原紙に処理液を塗工して、引き続き、水系インクで画像形成してもよい。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下のインクジェット記録方法を開示する。
<1> 原紙に処理液を付与してなるインクジェット記録媒体であって、
原紙と純水との接触時間100m秒における原紙の吸水量が、0g/m2以上、10g/m2以下であり、処理液が、コロイダルシリカと、重量平均分子量が80,000以上のポリアクリル酸又は重量平均分子量が80,000以上のポリエチレングリコールとを含有する水溶液である、インクジェット記録媒体。
<2> 処理液中の処理液中のポリアクリル酸又はポリエチレングリコール(II)に対するコロイダルシリカ(I)の質量比[(I)/(II)]が、好ましくは4以上、更に好ましくは6以上、より更に好ましくは8以上であり、そして、好ましくは100以下、より好ましくは70以下、更に好ましくは40以下、より更に好ましくは30以下、より更に好ましくは25以下である、前記<1>に記載のインクジェット記録媒体。
<3> コロイダルシリカの一次粒子の平均粒径が、好ましくは10nm以上、より好ましくは30nm以上、更に好ましくは40nm以上、より更に好ましくは50nm以上であり、そして、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下、更に好ましくは120nm以下、より更に好ましくは100nm以下である、前記<1>又は<2>に記載のインクジェット記録媒体。
<4> コロイダルシリカの二次粒子の平均粒径が、好ましくは60nm以上、より好ましくは70nm以上、更に好ましくは80nm以上、より更に好ましくは100nm以上であり、そして、好ましくは300nm以下、より好ましくは250nm以下、更に好ましくは200nm以下、より更に好ましくは180nm以下である、前記<1>〜<3>のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
<5> コロイダルシリカの二次粒子の小粒径側からの累積体積頻度が10%となる粒径(D10)が、好ましくは20nm以上、より好ましくは40nm以上、更に好ましくは50nm以上であり、そして、好ましくは150nm以下、更に好ましくは120nm以下、より更に好ましくは100nm以下である、前記<1>〜<4>のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
<6> コロイダルシリカの二次粒子の小粒径側からの累積体積頻度が90%となる粒径(D90)が、好ましくは80nm以上、より好ましくは100nm以上、更に好ましくは120nm以上であり、そして、好ましくは250nm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは180nm以下である、前記<1>〜<5>のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
<7> コロイダルシリカが、アニオン性コロイダルシリカである、前記<1>〜<6>のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
<8> ポリアクリル酸の重量平均分子量が、好ましくは100,000以上、より好ましくは500,000以上であり、そして、好ましくは10,000,000以下、より好ましくは8,000,000以下、更に好ましくは4,000,000以下、より更に好ましくは2,000,000以下である、前記<1>〜<7>のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
<9> ポリエチレングリコールの重量平均分子量が、好ましくは100,000以上、より好ましくは120,000以上、更に好ましくは140,000以上、より更に好ましくは160,000以上であり、そして、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは800,000以下、更に好ましくは600,000以下、より更に好ましくは400,000以下である、前記<1>〜<8>のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
<10> 処理液中のコロイダルシリカの含有量が、好ましくは11質量%以上、より好ましくは12質量%以上、更に好ましくは14質量%以上、より更に好ましくは16質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは28質量%以下、更に好ましくは26質量%以下、より更に好ましくは24質量%以下である、前記<1>〜<9>のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
<11> 処理液中のポリアクリル酸の含有量が、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上、より更に好ましくは0.6質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、より更に好ましくは1.8質量%以下である、前記<1>〜<10>のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
<12> 処理液中のポリエチレングリコールの含有量が、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上、より更に好ましくは0.6質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、より更に好ましくは1.8質量%以下である、前記<1>〜<11>のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
<13> 処理液中の水の含有量は、塗工性の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは85質量%以上であり、そして、乾燥性の観点から、好ましくは98質量%以下、より好ましくは96質量%以下、更に好ましくは96質量%以下、より更に好ましくは94質量%以下、より更に好ましくは92質量%以下である、前記<1>〜<12>のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
<14> 処理液の粘度(32℃)が、好ましくは10mPa・s以上、より好ましくは30mPa・s以上、更に好ましくは60mPa・s以上、より更に好ましくは100mPa・s以上、より更に好ましくは140mPa・s以上であり、そして、好ましくは3000mPa・s以下、より好ましくは2000mPa・s以下、更に好ましくは1000mPa・s以下である、前記<1>〜<13>のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
<15> 記録媒体に対する処理液の付与量が、固形分で好ましくは0.5g/m2以上、より好ましくは0.8g/m2以上、更に好ましくは1.0g/m2以上、より更に好ましくは1.2g/m2以上であり、そして、好ましくは20g/m2以下、より好ましくは10g/m2以下、更に好ましくは8g/m2以下、より更に好ましくは5g/m2以下である、前記<1>〜<14>のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
<16> 処理液の調製を、好ましくは、コロイダルシリカ、ポリアクリル酸又はポリエチレングリコール及び水を混合することにより行う、より好ましくは、コロイダルシリカ水溶液に、ポリアクリル酸又はポリエチレングリコールの粉末を添加、混合して行う、更に好ましくは、ポリアクリル酸又はポリエチレングリコールのバインダー水溶液を予め調製し、コロイダルシリカ水溶液に前記のバインダー水溶液を添加、混合して行う、前記<1>〜<15>のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
<17> 前記<1>〜<16>のいずれかに記載のインクジェット記録媒体に、顔料を含有する水系インクを用いて、インクジェット記録方式により画像を形成する、インクジェット記録方法。
<18> 顔料を含有する水系インクが、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む水系インクである、前記<17>に記載のインクジェット記録方法。
<19> 水不溶性ポリマーが、好ましくは(c−1)イオン性モノマー由来の構成単位と(c−2)疎水性モノマー由来の構成単位を含有するビニル系ポリマー、より好ましは更に(c−3)マクロモノマー由来の構成単位又は(c−4)ノニオン性モノマー由来の構成単位を含有するビニル系ポリマーである、前記<18>に記載のインクジェット記録方法。
<20> イオン性モノマーが、好ましくはアニオン性モノマー、より好ましくはカルボン酸モノマー、更に好ましくはアクリル酸又はメタクリル酸である、前記<19>に記載のインクジェット記録方法。
<21> 疎水性モノマーが、好ましくはアルキル(メタ)アクリレート又は芳香族基含有モノマーである、前記<19>又は<20>に記載のインクジェット記録方法。
<22> 芳香族基含有モノマーが、好ましくはヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6〜22の芳香族基を有するビニルモノマー、より好ましくスチレン系モノマー又は芳香族基含有(メタ)アクリレートである、前記<21>に記載のインクジェット記録方法。
<23> (c−3)マクロモノマーが、好ましくは芳香族基含有モノマー系マクロモノマー及びシリコーン系マクロモノマー、より好ましくは芳香族基含有モノマー系マクロモノマーである、前記<19>〜<22>のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
<24> 顔料の水系インク中の含有量が、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、更に好ましくは2.5質量%以上であり、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましく7質量%以下である、前記<17>〜<23>のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
<25> 顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子の水系インク中の含有量が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である、前記<19>〜<24>のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
<26> 水不溶性ポリマーの水系インク中の含有量が、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上であり、そして、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である、前記<18>〜<25>のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
<27> 水系インクの表面張力が、好ましくは25.0以上、より好ましくは26.0以上、更に好ましくは26.5以上であり、そして、好ましくは30.0以下、より好ましくは29.0以下、更に好ましくは28.5以下である、前記<17>〜<23>のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
<28> コロイダルシリカと重量平均分子量が80,000以上のポリアクリル酸又は重量平均分子量が80,000以上のポリエチレングリコールとを含有する水溶液からなる、インクジェット記録用前処理液。
以下の製造例、参考例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「質量部」及び「質量%」である。なお、各物性値等は、以下の方法により測定した。
(1)ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、水不溶性ポリマーの重量平均分子量
N,N−ジメチルホルムアミドに、リン酸及びリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、ゲル浸透クロマトグラフィー法〔東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8120GPC)、東ソー株式会社製カラム(TSK−GEL、α−M×2本)、流速:1mL/min〕により、標準物質として分子量既知のポリスチレンを用いて測定した。
(2)水分散体の固形分濃度
30mLの軟膏容器にデシケーター中で恒量化した硫酸ナトリウム10.0gを量り取り、そこへサンプル約1.0gを添加して、混合させた後、正確に秤量し、105℃で2時間維持して、揮発分を除去し、更にデシケーター内で更に15分間放置し、質量を測定した。揮発分除去後のサンプルの質量を固形分として、添加したサンプルの質量で除して固形分濃度とした。
(3)コロイダルシリカの平均一次粒径
走査型電子顕微鏡(SEM)(日立製作所株式会社製、FE−SEM(S-4800形))で得られた一次粒子の画像から、一次粒子の粒径を測定した。SEM像は以下の手順で得た。1%に希釈したコロイダルシリカ水溶液を、ワイヤーコーターを用いて、記録媒体に対する処理液の付与量1.6g/m2となる(質量測定と乾燥後の記録媒体の質量から算出。紙の重さから算出した膜厚が16μm。)量を、汎用光沢紙(王子製紙株式会社、「OKトップコートプラス」、100m秒の吸水量4.9g/m2)の紙面上に塗工し、測定用のサンプルを作製した。この測定用サンプルをSEM観察することで、粒子の10万倍の拡大画像を得た。画像から、重なっていない独立した顔料の一次粒子50個の短径と長径を測定し、平均値を算出した。
(4)顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子及びコロイダルシリカの平均粒径
レーザー粒子解析システム(大塚電子株式会社、型番:ELS−8000、キュムラント解析)を用いて測定した。測定する粒子の濃度を、約5×10-3%になるよう水で希釈した分散液を用いた。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力した。また、粒径測定範囲は3nm〜5μmである。
(5)処理液の粘度
MCR301レオメーター(Anton Paar社製、CP50−1コーンプレート使用)を用いて、25℃にて、せん断速度0.1(1/s)から1000(1/s)へと200秒かけて上昇させた際の、せん断速度200(1/s)での粘度を採用した。
(6)水系インクの粘度
E型粘度計「TV−25」(東機産業株式会社製、標準コーンロータ1°34’×R24使用、回転数50rpm)を用いて、32℃にて粘度を測定した。
(7)水系インクの表面張力
白金プレートを20℃に調整したインク5gの入った円柱ポリエチレン製容器(直径3.6cm×深さ1.2cm)に浸漬させ、表面張力計「CBVP-Z」(協和界面化学株式会社製)を用いて、ウィルヘルミ法で測定した。
(8)水系インクのpH
pH電極「6337−10D」(株式会社堀場製作所製)を使用した卓上型pH計「F−71」(株式会社堀場製作所製)を用いて、25℃におけるインクのpHを測定した。
(9)記録媒体と純水との接触時間100m秒における吸水量
自動走査吸液計(熊谷理機工業株式会社製、KM500win)を用いて、23℃、相対湿度50%の条件下にて、純水の接触時間100msにおける転移量を測定し、100m秒の吸水量とした。測定条件を以下に示す。
「Spiral Method」
Contact Time : 0.010〜1.0(sec) Pitch (mm): 7
Length Per Sampling (degree): 86.29
Start Radius (mm): 20 End Radius (mm) : 60
Min Contact Time (ms): 10 Max Contact Time (ms) : 1000
Sampling Pattern (1-50): 50
Number of Sampling Points (>0): 19
「Square Head」
Slit Span (mm): 1 Slit Width (mm) : 5
製造例1(処理液Aの製造)
アニオン性コロイダルシリカA(日揮触媒化成株式会社製、濃度40%、球状で平均一次粒径80nm、レーザー粒子解析システム測定値:平均粒径120.4nm;D10 82.5nm;D90 157.1nm、pH10.1)50部に、ポリアクリル酸(和光純薬工業株式会社製、分子量1,000,000)1部をイオン交換水49部に溶解させたポリアクリル酸水溶液(濃度2%)を50部混合し、コロイダルシリカ20部、ポリアクリル酸1部、及び水79部からなる水溶液(濃度21%)(処理液A)を調製した。pHは4.5であった。
比較製造例2(処理液Bの製造)
製造例1において、前記コロイダルシリカA 50部(濃度40%)、及び水50部からなる水溶液(濃度20%)を用いた以外は、製造例1と同様にして処理液Bを調製した。pHは9.6であった。
比較製造例3(処理液Cの製造)
製造例1において、コロイダルシリカを用いずに、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA417)10部をイオン交換水90部に溶解させた水溶液(濃度10%)を用いた以外は、製造例1と同様にして処理液Cを調製した。
比較製造例4〜6(処理液D〜Fの製造)
前記コロイダルシリカA 50部(濃度40%)に、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA417、比較製造例4)、ヒドロキシエチルセルロース(ダイセルファインケム株式会社製、SE600、比較製造例5)、又はカルボキシメチルセルロース(ダイセルファインケム株式会社製、L100、比較製造例6)1部をイオン交換水49部に溶解させたポリビニルアルコール水溶液(濃度2%)を50部混合し、コロイダルシリカ20部、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロース1部、及び水79部からなる水溶液(濃度21%)(処理液D〜F)を調製した。pHは、それぞれ9.4、9.5、9.5であった。
比較製造例7(処理液Gの製造)
前記コロイダルシリカA 50部(濃度40%)に、ポリアクリル酸(和光純薬工業株式会社製、分子量1,000,000)1部と5N水酸化ナトリウム水溶液3.5部とイオン交換水45.5部を混合しナトリウム中和したポリアクリル酸ナトリウム水溶液(濃度2%)を50部混合し、コロイダルシリカ20部、中和されたポリアクリル酸1部からなる水溶液(濃度21%)(処理液G)を調製した。pHは10.4であった。
比較製造例8(処理液Hの製造)
前記コロイダルシリカA 50部(濃度40%)に、ポリアクリル酸(和光純薬工業株式会社製、分子量1,000,000)1部と5N水酸化ナトリウム水溶液1.75部とイオン交換水47.25部を混合しナトリウム中和したポリアクリル酸ナトリウム水溶液(濃度2%)を50部混合し、コロイダルシリカ20部、中和されたポリアクリル酸1部からなる水溶液(濃度21%)(処理液H)を調製した。pHは7.2であった。
製造例9(処理液Iの製造)
アニオン性コロイダルシリカB(日揮触媒化成株式会社製、濃度40%、球状で平均一次粒径45nm、レーザー粒子解析システム測定値:平均粒径69.2nm;D10 49.8nm;D90 89.6nm、pH10.0)50部に、ポリアクリル酸(和光純薬工業株式会社製、分子量1,000,000)1部をイオン交換水49部に溶解させたポリアクリル酸水溶液(濃度2%)を50部混合し、コロイダルシリカ20部、ポリアクリル酸1部、及び水79部からなる水溶液(濃度21%)(処理液I)を調製した。pHは4.4であった。
製造例10(処理液Jの製造)
製造例9において、アニオン性コロイダルシリカBをアニオン性コロイダルシリカC(日揮触媒化成株式会社製、濃度40%、球状で平均一次粒径20nm、レーザー粒子解析システム測定値:平均粒径35.4nm;D10 22.2nm;D9046.9nm、pH9.2)に変更した以外は、製造例9と同様にして処理液Jを調製した。pHは4.2であった。
製造例11〜13(処理液K〜Mの製造)
前記コロイダルシリカA 50部(濃度40%)に、ポリエチレングリコール(分子量200,000、和光純薬工業株式会社製)1部、ポリエチレングリコール(分子量500,000、和光純薬工業株式会社製)1部、又はポリエチレングリコール(分子量2,000,000、和光純薬工業株式会社製)をイオン交換水49部に溶解させたポリエチレングリコール水溶液(濃度2%)を50部混合し、コロイダルシリカ20部、ポリエチレングリコール1部、及び水79部からなる水溶液(濃度21%)(処理液K〜M)を調製した。pHは、それぞれ9.5、9.5、9.5であった。
比較製造例14及び15(処理液N及びOの製造)
製造例11〜13において、分子量の異なるポリエチレングリコール(分子量2,000、和光純薬工業株式会社製)、又はポリエチレングリコール(分子量20,000、和光純薬工業株式会社製)を用いた以外は、製造例11〜13と同様にして処理液N及びOを調製した。pHは、それぞれ9.4、9.6であった。
製造例16及び17(処理液P及びQの製造)
製造例12において、コロイダルシリカAを前記コロイダルシリカB又は前記コロイダルシリカCに変更した以外は、製造例12と同様にして処理液P及びQを調製した。
製造例18(処理液Rの製造)
製造例1において、ポリアクリル酸(和光純薬工業株式会社製、分子量1,000,000)をポリアクリル酸(和光純薬工業株式会社製、分子量250,000)に変更した以外は、製造例1と同様にして処理液Rを調製した。pHは4.5であった。
比較製造例19〜20(処理液S〜Tの製造)
製造例18において、ポリアクリル酸(和光純薬工業株式会社製、分子量250,000)をポリアクリル酸(和光純薬工業株式会社製、分子量5,000)、及びポリアクリル酸(和光純薬工業株式会社製、分子量25,000)に変更した以外は、製造例18と同様にして処理液S〜Tを調製した。pHは、それぞれ4.1、4.3であった。
製造例21〜22(処理液U〜Vの製造)
製造例18において、ポリアクリル酸水溶液の濃度を2%から4%、10%に変更し、処理液中のポリアクリル酸の濃度を1%から2%、5%に変更した以外は、製造例18と同様にして処理液U〜Vを調製した。
製造例23(処理液Wの製造)
製造例1において、ポリアクリル酸水溶液の濃度を2%から1%に変更し、処理液中のポリアクリル酸の濃度を1%から0.5%に変更した以外は、製造例1と同様にして処理液Wを調製した。
製造例24(処理液Xの製造)
製造例18において、ポリアクリル酸水溶液の濃度を0.6%に変更し、処理液中のポリアクリル酸の濃度を0.3%に変更した以外は、製造例18と同様にして処理液Xを調製した。
製造例25(処理液Yの製造)
製造例1において、ポリアクリル酸水溶液の濃度を0.4%に変更し、処理液中のポリアクリル酸の濃度を0.2%に変更した以外は、製造例1と同様にして処理液Yを調製した。
製造例26〜30(処理液Z、AA〜ADの製造)
製造例12において、ポリエチレングリコール水溶液の濃度を4%、10%、1%、0.6%及び0.4%に変更し、処理液中のポリアクリル酸の濃度を2%、5%、0.5%、0.3%、及び0.2%に変更した以外は、製造例12と同様にして処理液Z、AA〜ADを調製した。
調製例1(水系インクAの調製)
(1)アニオン性水不溶性ポリマーの合成
スチレン46部、メタクリル酸14部、スチレンマクロマー(東亞合成株式会社製、商品名:AS−6(S)、固形分濃度50%、数平均分子量6000)30部、ポリプロピレングリコールメタクリレート(日油株式会社、商品名:ブレンマーPP−1000、平均付加モル数5)50部を混合し、モノマー混合液を調製した。
反応容器内に、メチルエチルケトン18部、2−メルカプトエタノール(連鎖移動剤)0.03部、及び前記モノマー混合液の10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行った。
一方、モノマー混合液の残りの90%と前記連鎖移動剤0.27部、メチルエチルケトン42部、及び重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社製、商品名:V−65)3部を入れて混合した混合液を滴下ロートに入れ、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了から75℃で2時間経過後、前記重合開始剤3部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶液を加え、更に75℃で2時間、80℃で2時間熟成させ、アニオン性水不溶性ポリマー溶液(重量平均分子量:100,000)を得た。
(2)顔料を含有するアニオン性水不溶性ポリマー粒子の水分散体の調製
前記(1)で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー66部をメチルエチルケトン157部に溶かし、その中に中和剤として5N水酸化ナトリウム水溶液13.2部と25%アンモニア水12.2部、及びイオン交換水510部を加え、更にシアン顔料(大日精化工業株式会社製、品番:CFB−6338JC)100部を加え、ディスパー翼を用いて7000rpm、20℃の条件下で1時間混合した後、得られた分散液をマイクロフルイダイザー(Microfluidics社製、商品名、型式:M-140K、高圧ホモジナイザー)を用いて、180MPaの圧力でさらに15パス分散処理した。
得られた分散液を、減圧下60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、遠心分離し、フィルター(ザルトリウス社製、ミニザルトシリンジフィルター、孔径:5μm、材質:酢酸セルロース)でろ過して粗大粒子を除き、顔料を含有するアニオン性水不溶性ポリマー粒子の水分散体1(固形分濃度:20%、平均粒径100nm)を得た。
(3)水系インクの調製
前記(2)で得られた水分散体1(固形分濃度:20%)25.3部(顔料3.04部、樹脂2.03部)に対し、グリセリン10部、ジエチレングリコール25部、サーフィノール104(日信化学工業株式会社製、アセチレンジオール)1部、エマルゲン120(花王株式会社製、ラウリルアルコールのエチレングリコール12モル付加物)2部、及び残量にイオン交換水添加し全量を100部とし、混合し、得られた混合液を1.2μmのフィルター〔ザルトリウス社製、ミニザルトシリンジフィルター〕で濾過し、水系インクAを得た。32℃における水系インクAの粘度は5mPa・s、20℃における水系インクAの表面張力は28.9mN/m、pHは9.0であった。
参考例1(記録用紙の製造)
(1)記録用紙の製造
製造例1で得られた処理液Aを、ワイヤーコーターを用いて、記録媒体に対する処理液(固形分)の付与量1.6g/mとなる(紙の重さから算出した膜厚が16μm。処理液の密度を1として算出した。)量を、汎用光沢紙(王子製紙株式会社、「OKトップコートプラス」、100m秒の吸水量4.9g/m)の紙面上に塗工し、記録用紙を得た。
処理液塗工の際の塗工性を、下記の基準により評価した。
(塗工性の評価基準)
A:適切な粘度で均一な塗工ができる。
B:粘度が低すぎて均一な塗工できない。
(2)記録用紙の評価
処理液塗工後、100℃、10分間乾燥させた後に、処理液Aが塗工された記録用紙に、水系インクAを用いて、以下のインクジェット記録方式により画像を形成した。
(インクジェット記録方式)
温度25±1℃、相対湿度30±5%の環境で、インクジェットヘッド(京セラ株式会社製、「KJ4B-HD06MHG-STDV」、ピエゾ式)を装備した印刷評価装置(株式会社トライテック製)に水系インクAを充填した。
ヘッド電圧26V、周波数30kHz、吐出液適量7pl、ヘッド温度32℃、解像度600dpi、吐出前フラッシング回数200発、負圧−4.0kPaを設定し、記録媒体の長手方向と搬送方向が同じになる向きに、記録媒体を搬送台に減圧で固定した。
前記印刷評価装置に印刷命令を転送し、高精細カラーディジタル標準画像 ISO/JIS-SCIDのN1A (ポートレート)画像を印刷し、下記の方法により、画質を評価した。結果を表1に示す。
(i)用紙光沢の評価
得られた記録用紙を、25℃で24時間放置後、60°の光沢度を光沢計(日本電色工業株式会社製、商品名:HANDY GLOSSMETER 、品番:PG−1)で5回測定し、平均値を求めた。数値が大きい方が、処理液を塗工した紙の光沢度が高い。
(ii)混色防止性の評価
印刷された高精細カラーディジタル標準画像 ISO/JIS-SCIDのN1A (ポートレート)画像を目視により、下記の基準で評価した。
(評価基準)
A:女性の髪部分の滲みがなく、首もとの輪郭も鮮明。
B:女性の髪部分が少し滲み、首もとの輪郭もやや不明瞭。
C:女性の髪部分が滲み、全体的に輪郭が不明瞭。
(iii)耐水性の評価
処理液を塗工した記録用紙に印刷後、100℃で10分間乾燥させた後に、次のように印刷面に水を滴下して、弱い耐擦過評価を行うことで耐水性の評価を行った。
印刷物の長辺方向を擦過するように、金属のおもり(質量450g、底面形状2.5cm×2.5cm)を往復させる機構を有する擦過評価装置に印刷サンプルをセットする。OKトップコート紙を2.5cm×7cmに切り出し、おもりにたるみが出ないように巻きつけた。その紙の面と印刷面が接するようにおもりを装置にセットした。
印刷面にピペッターにて0.2mlのイオン交換水を滴下し、おもりを約30cm/secの速さで、滴下した水の上を、印刷物の長辺方向に2往復させた後、おもりに巻きつけていた擦過用のOKトップコート紙をとりはずし、印刷物の表面を目視で観察し、下記の基準で耐水性を評価した。
(評価基準)
A:画像の乱れが見られない又は殆ど見られない。
B:擦った跡がはっきりと見えるが画像は認識できる。
C:画像が認識できない。
比較例1〜8(記録用紙の製造)
参考例1において、処理液を変えた以外は、参考例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
Figure 0006251517

表1から、参考例1で得られた記録用紙は、比較例1〜8で得られた記録用紙に比べ、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む水系インクを用いて記録媒体に印刷した際に、光沢性が高く、混色防止性、及び耐水性に優れる画像を得ることができることが分かる。
参考例2、及び比較例9〜11(記録用紙の製造)
参考例1においてOKトップコートプラスを合成樹脂フィルムであるルミラーT60(東レ株式会社製、ポリエチレンテレフタレート、厚み125μm、吸水量2.3g/m)に変えた以外は、参考例1と同様に行った。結果を表2に示す。
Figure 0006251517

表2から合成樹脂フィルムを使用した際にも、印刷紙を使用した場合(表1)と同様に、参考例2で得られた記録用紙は、比較例9〜11で得られた記録用紙に比べ、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む水系インクを用いて記録媒体に印刷した際に、光沢性が高く、混色防止性、及び耐水性に優れる画像を得ることができることが分かる。
参考例3、及び4(記録用紙の製造)
参考例1において、平均一次粒径の異なるコロイダルシリカに変えた以外は、参考例1と同様に行った。結果を表3に示す。
Figure 0006251517

表3から、参考例3及び4の記録用紙は、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む水系インクを用いて記録媒体に印刷した際に、参考例1の記録用紙と比較し、同等の光沢性、混色防止性、及び耐水性を有する画像を得ることができると分かる。また、参考例4の混色防止性はBであるが、実用上の基準に達している。
実施例5〜7、及び比較例12〜13(記録用紙の製造)
参考例1において、処理液のバインダーを重量平均分子量の異なるポリエチレングルコールに変えた以外は、参考例1と同様に行った。結果を表4に示す。
Figure 0006251517
表4から、実施例5〜7で得られた記録用紙は、比較例1、12及び13で得られた記録用紙に比べ、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む水系インクを用いて記録媒体に印刷した際に、塗工性が良く、光沢性が高く、混色防止性、及び耐水性に優れる画像を得ることができることが分かる。
実施例8〜10、及び比較例14〜15(記録用紙の製造)
実施例5〜7、及び比較例12〜13において、原紙であるOKトップコートプラスを合成樹脂フィルムであるルミラーT60(東レ株式会社製、ポリエチレンテレフタレート、厚み125μm、吸水量2.3g/m2)に変えた以外は、実施例5〜7、及び比較例12〜13と同様に行った。結果を表5に示す。
Figure 0006251517
表5から、原紙に合成樹脂フィルムを使用した際にも、印刷紙を使用した場合(表4)と同様に、実施例8〜10で得られた記録用紙は、比較例9、14及び15で得られた記録用紙に比べ、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む水系インクを用いて記録媒体に印刷した際に、塗工性が良く、光沢性が高く、混色防止性、及び耐水性に優れる画像を得ることができることが分かる。
実施例11及び12(記録用紙の製造)
参考例2において、平均一次粒径の異なるコロイダルシリカに変えた以外、参考例2と同様に行った。結果を表6に示す。
Figure 0006251517
表6から、実施例11及び12の記録用紙は、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む水系インクを用いて記録媒体に印刷した際に、実施例9の記録用紙と比較し、同等の光沢性、混色防止性、及び耐水性を有する画像を得ることができると分かる。また、実施例12の混色防止性はBであるが、実用上の基準に達している。
参考例13、及び比較例16〜17(記録用紙の製造)
参考例1において、処理液のバインダーを重量平均分子量の異なるポリアクリル酸に変えた以外、参考例1と同様に行った。結果を表7に示す。
Figure 0006251517

表7から、参考例13で得られた記録用紙は、比較例1、16及び17で得られた記録用紙に比べ、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む水系インクを用いて記録媒体に印刷した際に、塗工性が良く、光沢性が高く、混色防止性、及び耐水性に優れる画像を得ることができることが分かる。
参考例14〜18(記録用紙の製造)
参考例1において、処理液のバインダーの量を変えた以外、参考例1と同様に行った。
結果を表8に示す。
Figure 0006251517

表8から、参考例14〜18の記録用紙は、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む水系インクを用いて記録媒体に印刷した際に、参考例1の記録用紙と比較し、同等の光沢性、混色防止性、及び耐水性を有する画像を得ることができると分かる。
実施例19〜23(記録用紙の製造)
参考例1において、処理液のバインダーの種類と量を変えた以外、参考例1と同様に行った。結果を表9に示す。
Figure 0006251517
表9から、実施例19〜23の記録用紙は、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子を含む水系インクを用いて記録媒体に印刷した際に、実施例6の記録用紙と比較し、同等の光沢性、混色防止性、及び耐水性を有する画像を得ることができると分かる。

Claims (1)

  1. アニオン性コロイダルシリカと、重量平均分子量が80,000以上のポリエチレングリコールとを含有するpH8〜11のアルカリ性水溶液からなる、インクジェット記録用前処理液であって、
    前処理液中のアニオン性コロイダルシリカの二次粒子の平均粒径が、60nm以上300nm以下であり、
    重量平均分子量が80,000以上のポリエチレングリコールに対するアニオン性コロイダルシリカの質量比[アニオン性コロイダルシリカ/ポリエチレングリコール]が、4以上100以下である、インクジェット記録用前処理液。
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