JP6251377B1 - パラフィンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に入手可能な高純度オレフィンから高純度のパラフィンを、副反応を抑制しつつ、不純物生成量にバラツキを生じることなく、安定して効率良く製造できる方法を提供する。【解決手段】触媒活性を有しない複数の粒状部材を反応塔10に充填し、前記粒状部材の中の少なくとも一部を、触媒を担持した担体とし、前記反応塔10での前記触媒の存在下における気相状態のオレフィンと水素との反応によりパラフィンを製造する。前記担体各々の重量と前記担体各々が担持した前記触媒の重量との和に対する、前記担体各々が担持した前記触媒の重量の割合を、0.001%以上かつ0.01%未満とする。【選択図】図1

Description

本発明は、触媒の存在下におけるオレフィンへの水素添加反応により高純度のパラフィンを製造する方法に関する。
近年、高純度エタン、高純度プロパン等の高純度パラフィンの必要性が高まっている。例えば、高耐圧炭化珪素(SiC )半導体の原料としての高純度プロパンは、炭化珪素の高耐圧性を実現するため、含有する不純物各々の濃度を1.0vol ppm 未満にすることが要求されている。
高純度パラフィンの製造方法として低純度パラフィンを蒸留精製する方法が知られている。しかし、この方法では不純物を分離するための蒸留設備が大規模となり投資額が大きくなる。また、設備が大規模になるため運転に多大なエネルギーを要する。特に、プロピレンを不純物として含む低純度プロパンを蒸留する場合、プロパンとプロピレンの沸点差が小さいため蒸留での精製が困難であった。
また、触媒の存在下における液相プロピレンへの水素添加反応によりプロパンを製造する方法が知られている(特許文献1)。しかし、原料のプロピレンが液相である場合、原料濃度が高くなると反応熱が大きくなって除熱が困難になり、過度な温度上昇によりプロピレンが分解されて不純物となり、不純物濃度が高くなる。そのため、液相原料への水素添加反応により高純度のパラフィンを製造するためには、原料濃度を25%程度以下にする必要があるので、効率良く高純度のパラフィンを製造するのが困難である。
そこで、気相状態のオレフィンへの水素添加反応によりパラフィンを製造することが提案されている(特許文献2)。この際、担体が担持する触媒と触媒活性を有しないアルミナボール等とを反応塔に充填し、触媒の存在下における水素添加反応による反応熱をアルミナボール等への放散や伝熱等により除去している。これにより、過度な温度上昇によるオレフィンの分解を防止し、不純物濃度を低減している。さらに、反応塔におけるガス流れの下流に向かうに従いアルミナボール等を減少させ、触媒の割合を増加させている。これにより、オレフィンと水素を確実に反応させ、未反応のオレフィンがパラフィンに混入するのを防止し、不純物濃度を低減している。
米国特許第3509226号明細書 特開2014−84285号公報
特許文献2に記載の方法によれば、気相のオレフィンを原料としているので、液相の原料を用いる場合よりも原料濃度を高くしても反応熱の除去は容易である。しかし、不純物生成量にバラツキがあり、高純度のパラフィンを安定して効率良く製造することができないという問題がある。
本発明は、気相状態のオレフィンと水素との反応によりパラフィンを製造する方法における上記従来技術の問題を解決することを目的とする。
本発明は、触媒活性を有しない複数の粒状部材を反応塔に充填し、前記粒状部材の中の少なくとも一部を、触媒を担持した担体とし、前記反応塔での前記触媒の存在下における気相状態のオレフィンと水素との反応によりパラフィンを製造する方法において、前記担体を含む全ての前記粒状部材の総重量と全ての前記担体が担持した前記触媒の総重量との和に対する、全ての前記担体が担持した前記触媒の総重量の割合を、0.001%以上かつ0.01%未満とし、前記担体各々の重量と前記担体各々が担持した前記触媒の重量との和に対する、前記担体各々が担持した前記触媒の重量の割合を、0.001%以上かつ0.01%未満とすることを特徴とする。
本発明は以下の知見に基づく。
特許文献2に記載の従来技術においては、反応が活発なガスの流れの上流領域で、アルミナボール等と触媒を担持した担体を混合し、アルミナボール等の体積と触媒を担持した全担体の体積との和に対するアルミナボール等の体積の割合を90〜99%としている。このように触媒活性を有しないアルミナボール等の割合が高い場合、反応塔において触媒が偏在し、また、混合状態の再現性もない。さらに特許文献2においては、担体各々の重量と担体各々が担持した触媒の重量との和に対する、担体各々が担持した触媒の重量の割合は0.1〜1.0%とされている。そのため、触媒が偏在する位置では反応熱が増大し、局部発熱による過度な温度上昇によってオレフィンが分解されて不純物となる。これにより従来技術では、不純物生成量にバラツキが生じ、高純度のパラフィンを安定して効率良く製造できない。
これに対し本発明によれば、担体各々の重量と担体各々が担持した触媒の重量との和に対する、担体各々が担持した触媒の重量の割合を、上記従来技術におけるよりも小さい0.01%未満とすることで、反応熱を小さくして局部発熱による過度な温度上昇を防止し、オレフィンの分解による不純物生成を抑止でき、不純物生成量にバラツキが生じるのを防止できる。また、担体としない粒状部材を不要にし、あるいは混合比率を小さくできるので、不純物生成量にバラツキが生じるのを防止できる。担体各々の重量と担体各々が担持した触媒の重量との和に対する、担体各々が担持した触媒の重量の割合を0.001%以上とすることで、オレフィンへの水素添加反応を確実に生じさせ、未反応のオレフィンが製造されたパラフィンに不純物として混入するのを確実に防止できる。
前記粒状部材の全てを前記触媒を担持した前記担体とすることで、オレフィンへの水素添加反応をより確実に生じさせ、未反応のオレフィンが製造されたパラフィンに不純物として混入するのを防止でき、また、反応塔における触媒の分布を均一化し、不純物生成量にバラツキが生じるのを確実に防止できる。
本発明において、前記反応塔に充填される触媒活性を有しない前記粒状部材の全てを前記触媒を担持した前記担体とせず、前記粒状部材の中の一部を前記触媒を担持した前記担体とし、前記触媒を担持しない前記粒状部材の残りと混合するのが好ましい。
これにより、前記担体各々の重量と前記担体各々が担持した前記触媒の重量との和に対する、前記担体各々が担持した前記触媒の重量の割合が0.001%以上かつ0.01%未満となる本発明において、触媒を担持した担体だけでなく、担体とされずに触媒を担持しない粒状部材が反応塔に充填される場合でも、触媒量を確保してオレフィンへの水素添加反応を確実に生じさせ、未反応のオレフィンが製造されたパラフィンに不純物として混入するのを防止できる。
前記オレフィンとパラフィンは、それぞれ炭素数が2〜4であるのが好ましい。すなわち、プロピレン(C3H6)への水素添加反応によりプロパン(C3H8)を、エチレン(C2H4)への水素添加反応によりエタン(C2H6)を、n−ブテンまたはイソブテン(C4H8)への水素添加反応によりブタン(C4H10 )を、それぞれ製造するのが好ましい。
前記触媒はパラジウムを含み、前記担体はアルミナであるのが好ましい。
前記パラフィンの純度は99.99vol %以上であるのが好ましく、99.999vol
%以上であるのがより好ましい。
本発明によれば、容易に入手可能な高純度オレフィンから高純度のパラフィンを、副反応を抑制しつつ、不純物生成量にバラツキを生じることなく、安定して効率良く製造できる方法を提供できる。
本発明の実施形態におけるパラフィン製造装置の構成説明図。
図1に示すパラフィン製造装置1は、気相状態のオレフィンとしてエチレン、プロピレン、n−ブテンまたはイソブテン等をオレフィンガスシリンダー2から供給する。この供給されたオレフィンは、第1減圧弁3により減圧され、流量計付き第1流量制御弁4により設定流量とされ、ガス混合器5に導入される。また、パラフィン製造装置1は、気相状態の水素を水素ガスシリンダー6から供給する。この供給された水素は、第2減圧弁7により減圧され、流量計付き第2流量制御弁8により設定流量とされ、ガス混合器5に導入される。ガス混合器5において混合されたオレフィンと水素は原料として筒状の反応塔10に上部入口10aから導入される。
製造されるパラフィンの純度低下を防止するため、原料としてのオレフィンの純度は99.99vol %以上であるのが好ましい。
オレフィンへの水素添加反応はモル数が減る方向に反応が進む還元反応なので、反応塔10へ水素を理論当量より多く供給することで反応速度を上昇させることができる。また、反応塔10への水素の供給量がオレフィンの供給量に対して1.00倍モルを下回ると原料であるオレフィンが残存し、2.00倍モルを超えると後工程での水素の除去が面倒になる。よって、水素の供給量はオレフィンの供給量に対して1.00〜2.00倍モルであるのが好ましく、1.05〜1.20倍モルであるのがより好ましい。また、製造されるパラフィンの純度低下を防止するため、原料としての水素の純度は99vol %以上であるのが好ましく、99.9vol %以上であるのがより好ましい。
反応塔10に複数の粒状部材が充填されている。本実施形態においては、反応塔10に充填された全ての粒状部材を、触媒を担持した担体としている。
触媒としては公知の還元触媒を用いることができ、例えばパラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、ニッケル等の金属触媒を用いることができ、本実施形態ではパラジウムとされる。担体は、触媒を担持できる触媒活性を有しないものであれば材質は限定されず、本実施形態ではアルミナとされる。担体の形状は本実施形態では球形とされるが特に限定されず、例えば円柱状、ペレット状等であってもよく、寸法も本実施形態では平均粒径3mmとされるが特に限定されない。なお、担体は2種以上の触媒を担持してもよい。
反応塔10における担体各々の重量と担体各々が担持した触媒の重量との和に対する、担体各々が担持した触媒の重量の割合は、0.001%以上かつ0.01%未満とされる。すなわち、担体各々の重量をws 、担体各々が担持した触媒の重量をwc として、0.001≦wc ×100/(ws +wc )<0.01とされる。
反応塔10での触媒の存在下における気相状態のオレフィンと水素との反応により、パラフィンとして気相状態のエタン、プロパン、又はブタン等が生成される。反応塔10の内部温度を制御するため、反応塔10は冷却ジャケット11により覆われ、冷却ジャケット11内の冷媒を吸引、冷却して還流させる冷却装置12が設けられ、反応塔10の内部温度が温度計13により測定される。反応塔10の内部温度は、反応速度制御が困難にならないようにパラフィンが液化することがない温度とされ、また、パラフィンの分解により不純物が増加することのない温度とされる。例えばパラフィンとしてプロパンを製造する場合、反応塔10の内部温度は好ましくは−42〜250℃とされ、より好ましくは0〜250℃とされる。
反応塔10におけるオレフィンへの水素添加反応により生成されたパラフィンは、反応塔10の下部出口10bから排出され、反応塔10の内部圧力を調節するための背圧弁14を介して製品タンク15に導入され、反応塔10の内部圧力が圧力計16により測定される。反応塔10の内部圧力は、高くなり過ぎると水素添加反応は促進されるが、反応熱を制御できずに不純物が増加するおそれがあり、また、反応ガスが液化して液相反応となるおそれがあるので、適宜制御するのが好ましい。例えばパラフィンとしてプロパンを製造する場合、反応塔10の内部圧力は好ましくは通常0.0〜0.5MPaGとされ、より好ましくは0.1〜0.5MPaGとされる。
還元反応時のガス流速や空間速度は小さくなる程に好ましい結果が得られる。例えばパラフィンとしてプロパンを製造する場合、標準状態ガス量における空間速度SVは好ましくは1000/h以下とされ、より好ましくは500/h以下とされる。空間速度が1000/h以下となることで、水素添加反応が不十分になることはなく、未反応の原料が残存するのを防止できる。
水素添加反応により生成されたパラフィンに含まれる不純物を分析するため、反応塔10の出口10bから排出されるガスの一部がガスクロマトグラフ17に導入される。
本実施形態では、オレフィンと水素との反応により生成されたパラフィンから水素を分離するため、製品タンク15に導入された気相のパラフィンを冷却して液化するための冷却装置18が設けられる。冷却装置18による冷却温度はパラフィンの沸点よりも低く、水素の沸点よりも高くされる。パラフィンに不純物として含まれる水素は、液化することなく製品タンク15から流量計付き第3流量制御弁19を介して排出され、パラフィンから分離され、これによりパラフィンの純度を高めることができる。本実施形態では、パラフィンに含まれる水素の濃度は1.0vol ppm 未満とされる。パラフィンから分離された水素を回収し、反応塔10に戻すことで原料として再利用してもよい。
〔実施例1〕
上記実施形態のパラフィン製造装置1を用い、プロピレンへの水素添加反応によりプロパンを製造した。
反応塔10はステンレス鋼製で内径31mmとした。反応塔10における粒状部材の充填高さを50cmとした。反応塔10に充填した全ての粒状部材を、触媒を担持する担体とした。すなわち、触媒を担持した全担体の体積に対する、触媒を担持した全担体の体積と触媒を担持しない全粒状部材の体積との和の比率を1倍とした。触媒を担持した担体として、平均粒径3mmのエヌ・イーケムキャット(株)製のものを用いた。本実施例の各担体はαアルミナ製で、触媒としてパラジウム(Pd)を担持した。担体各々の重量と担体各々が担持した触媒の重量との和に対する、担体各々が担持した触媒の重量の割合(以下、この割合を担体による触媒の「担持率」と言う)を0.001%とした。
オレフィンガスシリンダー2から純度99.99vol %を超えるプロピレンを供給し、1.0L/minの流量でガス混合器5に導入し、水素ガスシリンダー6から純度99.999vol %を超える水素を供給し、1.1L/minの流量でガス混合器5に導入した。プロピレンと水素を混合器5において室温で混合した後に反応塔10に導入した。この際、反応塔10の内部圧力は0.3MPaGとし、冷却ジャケット11において冷媒として温度40℃の水を循環させた。
上記条件での反応塔10におけるプロピレンへの水素添加反応により、反応塔10内の入口10aから7cmの位置で最大発熱温度230℃を示した。
反応塔10の出口10bから排出されたプロパンガスに含まれる不純物を島津製作所(株)製ガスクロマトグラフ17により分析すると、水素以外の不純物は、残存プロピレン<0.1vol ppm 、メタン0.3vol ppm 、エタン0.5vol ppm 、ブタン0.6vol ppm であった。
〔比較例1〕
担体による触媒の担持率を0.0005%とし、その他は実施例1と同じ条件でプロピレンへの水素添加反応によりプロパンを製造した。
上記条件での反応塔10におけるプロピレンへの水素添加反応により、反応塔10内の入口10aから10cmの位置で最大発熱温度220℃を示した。
反応塔10の出口10bから排出されたプロパンガスに含まれる不純物を島津製作所(株)製ガスクロマトグラフ17により分析すると、水素以外の不純物は、残存プロピレン1.3vol ppm 、メタン0.2vol ppm 、エタン0.3vol ppm 、ブタン<0.1vol ppm であった。
〔比較例2〕
担体による触媒の担持率を0.0005%とし、反応塔10の高さを実施例1の2倍とし、触媒を担持した担体の反応塔10における充填高さを実施例1の2倍とした。その他は実施例1と同じ条件でプロピレンへの水素添加反応によりプロパンを製造した。
上記条件での反応塔10におけるプロピレンへの水素添加反応により、反応塔10内の入口10aから9cmの位置で最大発熱温度220℃を示した。
反応塔10の出口10bから排出されたプロパンガスに含まれる不純物を島津製作所(株)製ガスクロマトグラフ17により分析すると、水素以外の不純物は、残存プロピレン1.2vol ppm 、メタン0.1vol ppm 、エタン0.3vol ppm 、ブタン<0.1vol ppm であった。
〔比較例3〕
担体による触媒の担持率を0.01%とし、各担体はγアルミナ製とした。その他は実施例1と同じ条件でプロピレンへの水素添加反応によりプロパンを製造した。
上記条件での反応塔10におけるプロピレンへの水素添加反応により、反応塔10内の入口10aから7cmの位置で最大発熱温度240℃を示した。
反応塔10の出口10bから排出されたプロパンガスに含まれる不純物を島津製作所(株)製ガスクロマトグラフ17により分析すると、水素以外の不純物は、残存プロピレン<0.1vol ppm 、メタン1.0vol ppm 、エタン0.9vol ppm 、ブタン1.0vol ppm であった。
〔比較例4〕
担体による触媒の担持率を0.5%とし、各担体はγアルミナ製とした。その他は実施例1と同じ条件でプロピレンへの水素添加反応によりプロパンを製造した。
上記条件での反応塔10におけるプロピレンへの水素添加反応により、反応塔10内の入口10aから4cmの位置で最大発熱温度400℃を示した。
反応塔10の出口10bから排出されたプロパンガスに含まれる不純物を島津製作所(株)製ガスクロマトグラフ17により分析すると、水素以外の不純物は、残存プロピレン<0.1vol ppm 、メタン<0.1vol ppm 、エタン1.6vol %、ブタン1900vol
ppm であった。
〔比較例5〕
反応塔10に充填した粒状部材の中の一部を、触媒を担持した担体とした。担体として、材質がγアルミナ、平均粒径3mmのエヌ・イーケムキャット(株)製のものを用いた。触媒を担持しない粒状部材の残りは、平均粒径3mmのアズワン(株)製アルミナボールとした。担体による触媒の担持率を0.5%とした。触媒を担持した全担体の体積に対する、触媒を担持した全担体の体積と触媒を担持しない全粒状部材の体積との和の比率を500倍とした。触媒を担持した担体と触媒を担持しない粒状部材とを混合し、反応塔10に高さ方向寸法が50cmとなるよう充填した。その他は実施例1と同じ条件でプロピレンへの水素添加反応によりプロパンを製造した。
上記条件での反応塔10におけるプロピレンへの水素添加反応により、反応塔10内の入口10aから5cmの位置で最大発熱温度50℃を示した。
反応塔10の出口10bから排出されたプロパンガスに含まれる不純物を島津製作所(株)製ガスクロマトグラフ17により分析すると、水素以外の不純物は、残存プロピレン30vol %、メタン1.3vol ppm 、エタン0.4vol ppm 、ブタン0.5vol ppm であった。
以下の表1は、実施例1と比較例1〜5における分析結果を示す。
Figure 0006251377
〔実施例2〕
オレフィンガスシリンダー2から純度99.99vol %を超えるエチレンを供給し、その他は実施例1と同じ条件でエチレンへの水素添加反応によりエタンを製造した。
上記条件での反応塔10におけるエチレンへの水素添加反応により、反応塔10内の入口10aから6cmの位置で最大発熱温度250℃を示した。
反応塔10の出口10bから排出されたエタンガスに含まれる不純物を島津製作所(株)製ガスクロマトグラフ17により分析すると、水素以外の不純物は、残存エチレン<0.1vol ppm 、メタン0.3vol ppm 、プロパン<0.1vol ppm であった。
〔比較例6〕
担体による触媒の担持率を0.0005%とし、その他は実施例2と同じ条件でエチレンへの水素添加反応によりエタンを製造した。
上記条件での反応塔10におけるエチレンへの水素添加反応により、反応塔10内の入口10aから8cmの位置で最大発熱温度240℃を示した。
反応塔10の出口10bから排出されたエタンガスに含まれる不純物を島津製作所(株)製ガスクロマトグラフ17により分析すると、水素以外の不純物は、残存エチレン1.0vol ppm 、メタン0.2vol ppm 、プロパン<0.1vol ppm であった。
〔比較例7〕
担体による触媒の担持率を0.01%とし、各担体はγアルミナ製とした。その他は実施例2と同じ条件でエチレンへの水素添加反応によりエタンを製造した。
上記条件での反応塔10におけるエチレンへの水素添加反応により、反応塔10内の入口10aから5cmの位置で最大発熱温度260℃を示した。
反応塔10の出口10bから排出されたエタンガスに含まれる不純物を島津製作所(株)製ガスクロマトグラフ17により分析すると、水素以外の不純物は、残存エチレン<0.1vol ppm 、メタン1.0vol ppm 、プロパン<0.1vol ppm であった。
以下の表2は、実施例2と比較例6、7における分析結果を示す。
Figure 0006251377
実施例1、2及び比較例1〜7から、オレフィンの水素添加反応に用いる金属触媒の担持率を0.01%未満にすることで、反応塔10における局部発熱が低減され、副反応で生成される不純物各々の濃度を1.0vol ppm 未満にでき、不純物生成量を抑制できることを確認できる。また、担持率を0.0005%にした場合、反応塔10の高さと触媒を担持した担体の充填高さを高くしても未反応オレフィンを十分に低減できないのに対し、0.001%にすることで未反応オレフィンを十分に低減できることを確認できる。
上記実施形態によれば、担体各々の重量と担体各々が担持した触媒の重量との和に対する、担体各々が担持した触媒の重量の割合を0.01%未満とすることで、触媒活性を有しない粒状部材を混合しなくても、反応熱を小さくして局部発熱による過度な温度上昇を防止し、オレフィンの分解による不純物生成を抑止でき、不純物生成量にバラツキが生じるのを防止できる。また、担体とされない粒状部材を不要にできることによっても、局部発熱を防止し、不純物生成量にバラツキが生じるのを防止できる。担体各々の重量と担体各々が担持した触媒の重量との和に対する、担体各々が担持した触媒の重量の割合を0.001%以上とすることで、オレフィンへの水素添加反応を確実に生じさせ、未反応のオレフィンが製造されたパラフィンに不純物として混入するのを防止できる。また、粒状部材の全てを触媒を担持した担体とすることで、オレフィンへの水素添加反応をより確実に生じさせ、未反応のオレフィンが製造されたパラフィンに不純物として混入するのを防止でき、さらに、反応塔10における触媒の偏在を確実に低減し、不純物生成量にバラツキが生じるのを確実に防止できる。
上記実施形態により製造されるパラフィンの純度は99.99vol %以上であるのが好ましく、99.999vol %以上であるのがより好ましい。
本発明は上記実施形態や実施例に限定されない。
例えば、反応塔10に充填される粒状部材の全てを触媒を担持した担体とせず、反応塔10に充填された粒状部材の中の一部を触媒を担持した担体とし、触媒を担持しない粒状部材の残りと混合してもよい。この場合、反応塔10における担体各々の重量と担体各々が担持した触媒の重量との和に対する、担体各々が担持した触媒の重量の割合が、0.001%以上かつ0.01%未満とされるだけでなく、反応塔10における担体を含む全ての粒状部材の総重量と全ての担体が担持した触媒の総重量との和に対する、全ての担体が担持した触媒の総重量の割合が0.001%以上とされる。すなわち、0.001≦wc ×100/(ws +wc )<0.01とされるだけでなく、反応塔10における担体とされる粒状部材の総重量をΣws 、担体とされない粒状部材の総重量をΣwg 、全ての担体により担持される触媒の総重量をΣwc として、0.001≦Σwc ×100/(Σws +Σwg +Σwc )とされる。これにより、0.001≦wc ×100/(ws +wc )<0.01となる本発明において、触媒を担持した担体だけでなく、担体とされずに触媒を担持しない粒状部材が反応塔10に充填される場合でも、触媒量を確保してオレフィンへの水素添加反応を確実に生じさせ、未反応のオレフィンが製造されたパラフィンに不純物として混入するのを防止できる。なお、wc ×100/(ws +wc )<0.01であるので、Σwc ×100/(Σws +Σwg +Σwc )<0.01となる。
また、オレフィンと水素との反応により生成されたパラフィンから水素を分離する方法は特に限定されない。例えば、製品タンク15に導入された気相のパラフィンをプレッシャースイング吸着法によって吸着塔内で吸着剤に吸着させ、水素を非吸着ガスとして吸着塔から排出することで、パラフィンを液化することなく水素をパラフィンから分離し、パラフィンの純度を高めてもよい。
1…パラフィン製造装置、2…オレフィンガスシリンダー、6…水素ガスシリンダー、10…反応塔、15…製品タンク。

Claims (6)

  1. 触媒活性を有しない複数の粒状部材を反応塔に充填し、
    前記粒状部材の中の少なくとも一部を、触媒を担持した担体とし、
    前記反応塔での前記触媒の存在下における気相状態のオレフィンと水素との反応によりパラフィンを製造する方法において、
    前記担体を含む全ての前記粒状部材の総重量と全ての前記担体が担持した前記触媒の総重量との和に対する、全ての前記担体が担持した前記触媒の総重量の割合を、0.001%以上かつ0.01%未満とし、
    前記担体各々の重量と前記担体各々が担持した前記触媒の重量との和に対する、前記担体各々が担持した前記触媒の重量の割合を、0.001%以上かつ0.01%未満とすることを特徴とするパラフィンの製造方法。
  2. 前記粒状部材の全てを前記触媒を担持した前記担体とする請求項1に記載のパラフィンの製造方法。
  3. 前記粒状部材の中の一部を前記触媒を担持した前記担体とし、前記触媒を担持しない前記粒状部材の残りと混合する請求項1に記載のパラフィンの製造方法。
  4. 前記オレフィンがエチレン、プロピレン、n−ブテンまたはイソブテンである請求項1〜3の中の何れか1項に記載のパラフィンの製造方法。
  5. 前記触媒はパラジウムを含み、前記担体がアルミナである請求項1〜4の中の何れか1項に記載のパラフィンの製造方法。
  6. 前記パラフィンの純度が99.99vol %以上である請求項1〜5の中の何れか1項に記載のパラフィンの製造方法。
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